(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022189657
(43)【公開日】2022-12-22
(54)【発明の名称】たくし上げカーテン
(51)【国際特許分類】
A47H 5/02 20060101AFI20221215BHJP
【FI】
A47H5/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021098368
(22)【出願日】2021-06-12
(71)【出願人】
【識別番号】000250672
【氏名又は名称】立川ブラインド工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100143568
【弁理士】
【氏名又は名称】英 貢
(72)【発明者】
【氏名】土田 健治
【テーマコード(参考)】
2E182
【Fターム(参考)】
2E182AA01
2E182AB03
2E182AC01
2E182BB29
2E182DD01
2E182EE04
2E182EF03
2E182EG03
(57)【要約】
【課題】前後にカーテン生地を配置し、畳み込み時にフレームの奥行方向に膨らむのを抑制したたくし上げカーテンを提供する。
【解決手段】本発明のたくし上げカーテンは、フレーム1に回転可能に支持される前側カーテン生地2a用の巻取パイプ3aを介して昇降コード8aを巻き取り、或いは巻き戻すことにより前側カーテン生地2aを昇降可能とする巻取プーリー4aと、フレーム1に回転可能に支持される後側カーテン生地2b用の巻取パイプ3bを介して昇降コード8bを巻き取り、或いは巻き戻すことにより後側カーテン生地2bを昇降可能とする巻取プーリー4bと、を備える。巻取プーリー2aによる昇降コード8aの巻き取りは巻取プーリー4aの前方からとし、巻取プーリー2bによる昇降コード8bの巻き取りは巻取プーリー4bの後方からとし、各巻取プーリー4a,4bの巻き取り方向が、互いに逆方向に回転するように構成されている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレームから前側カーテン生地及び後側カーテン生地を吊下支持しそれぞれ昇降可能とするたくし上げカーテンであって、
前記フレームに回転可能に支持される前記前側カーテン生地用の巻取パイプ又は駆動軸を介して、前記前側カーテン生地を昇降するための第1の昇降コードを巻き取り、或いは巻き戻すことにより前記前側カーテン生地を昇降可能とする第1の巻取プーリーと、
前記フレームに回転可能に支持される前記後側カーテン生地用の巻取パイプ又は駆動軸を介して、前記後側カーテン生地を昇降するための第2の昇降コードを巻き取り、或いは巻き戻すことにより前記後側カーテン生地を昇降可能とする第2の巻取プーリーと、を備え、
前記前側カーテン生地を畳み込むための前記第1の巻取プーリーによる前記第1の昇降コードの巻き取りは前記第1の巻取プーリーの前方からとし、前記後側カーテン生地を畳み込むための前記第2の巻取プーリーによる前記第2の昇降コードの巻き取りは前記第2の巻取プーリーの後方からとし、前記第1の巻取プーリーと前記第2の巻取プーリーの巻き取り方向が、互いに逆方向に回転するように構成されていることを特徴とするたくし上げカーテン。
【請求項2】
前記第1の巻取プーリーの軸中心が前記第2の巻取プーリーの軸中心に対して上方、且つ所定長前方に配置され、前記第2の巻取プーリーの中心軸の鉛直上方が前記第1の巻取プーリーの最大巻取径の前後幅内に位置するように配設されていることを特徴とする、請求項1に記載のたくし上げカーテン。
【請求項3】
前記前側カーテン生地は、前記第1の巻取プーリーの前方に位置する前記フレームの第1の生地取着部から吊り下げされ、
前記後側カーテン生地は、前記第2の巻取プーリーの前方に位置する前記フレームの第2の生地取着部から吊り下げされ、
前記第1の生地取着部は、前記第2の生地取着部に対して上方、且つ前記第1の巻取プーリー及び前記第2の巻取プーリーの各軸中心間の前後方向間距離以下となる所定長前方に配置されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載のたくし上げカーテン。
【請求項4】
前記前側カーテン生地及び前記後側カーテン生地の双方が下限位置まで降下されている状態の前記前側カーテン生地及び前記後側カーテン生地間の間隔が、前記第1の生地取着部及び前記第2の生地取着部間の間隔と略同一になるように構成されていることを特徴とする、請求項3に記載のたくし上げカーテン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、前後にカーテン生地を配置したたくし上げカーテンに関する。
【背景技術】
【0002】
たくし上げカーテンは、フレームからカーテン生地が吊下支持され、そのカーテン生地の下縁部近傍を昇降コードで引き上げることによりカーテン生地をたくし上げ、或いは下降させて採光量を調節可能としたものである。
【0003】
このようなたくし上げカーテンの一種類として、フレームから異なる素材の2枚のカーテン生地を前後に吊下支持した二重タイプのたくし上げカーテンがある(例えば、特許文献1,2,3参照)。このたくし上げカーテンは、例えば室外側にレース生地等の透光性を備えた生地が吊下支持され、室内側に遮光性を備えた生地が吊下支持され、各カーテン生地をそれぞれ独立して昇降することにより、採光量を適宜に調節可能としている。
【0004】
上述した各特許文献に開示されるような、典型的な前後にカーテン生地を配置したたくし上げカーテンでは、操作コードを用いた手動操作で駆動軸を回転させ、この駆動軸の回転に伴って回転する巻取プーリーにより、昇降コードを巻き取り、或いは巻き戻すことで、前後に配置した各カーテン生地をそれぞれ独立して昇降できるようになっている。
【0005】
尚、操作コードを用いた手動操作とする代わりに、スイッチ等の操作装置からの電動操作で駆動軸を回転させるモーターを設け、そのモーターの駆動によりカーテン生地を昇降させる形態のたくし上げカーテンもある。
【0006】
また、駆動軸を用いる代わりに、ロールスクリーンに用いられるような中空状の巻取パイプを使用し、その巻取パイプ上にリール状又はコーン状の巻取プーリーを設け、操作コードを用いた手動操作、或いは電動操作で当該巻取パイプを回転させて、カーテン生地を昇降させる昇降コードを巻取プーリーにより巻き取り、或いは巻き戻すことでカーテン生地を昇降させる形態のたくし上げカーテンもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第5334472号公報
【特許文献2】特許第4870517号公報
【特許文献3】特許第5444582号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述したように、従来から前後にカーテン生地を配置したたくし上げカーテンが知られている。
【0009】
しかしながら、前後にカーテン生地を配置した構成のたくし上げカーテンでは、各カーテン生地を昇降させるための昇降コードをそれぞれ独立して巻き取り可能とする巻取プーリーを、前後のカーテン生地用にそれぞれフレームに配設する必要がある。このため、前後にカーテン生地を配置した構成のたくし上げカーテンでは、単一のカーテン生地を昇降させる形態と比べてフレームが大型化する傾向にあり、設置場所の奥行きを大きく取る必要が生じて、その設置場所が制限されることがある。
【0010】
ここで、単に前後のカーテン生地用の巻取プーリーをできる限り近接させて、フレームの小型化を図ると、時に前後のカーテン生地の畳み込みで各カーテン生地が重なり、畳み込んだ前後のカーテン生地がフレームの奥行方向に膨らんでしまい、やはり設置場所が制限されてしまうという問題がある。
【0011】
そこで、前後のカーテン生地用の巻取プーリーをできる限り近接させた場合でも、畳み込んだ前後のカーテン生地がフレームの奥行方向に膨らむのを抑制し、設置場所の制限を緩和する技法が望まれる。
【0012】
本発明の目的は、上述の問題に鑑みて、前後にカーテン生地を配置し、畳み込み時にフレームの奥行方向に膨らむのを抑制したたくし上げカーテンを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明のたくし上げカーテンは、フレームから前側カーテン生地及び後側カーテン生地を吊下支持しそれぞれ昇降可能とするたくし上げカーテンであって、前記フレームに回転可能に支持される前記前側カーテン生地用の巻取パイプ又は駆動軸を介して、前記前側カーテン生地を昇降するための第1の昇降コードを巻き取り、或いは巻き戻すことにより前記前側カーテン生地を昇降可能とする第1の巻取プーリーと、前記フレームに回転可能に支持される前記後側カーテン生地用の巻取パイプ又は駆動軸を介して、前記後側カーテン生地を昇降するための第2の昇降コードを巻き取り、或いは巻き戻すことにより前記後側カーテン生地を昇降可能とする第2の巻取プーリーと、を備え、前記前側カーテン生地を畳み込むための前記第1の巻取プーリーによる前記第1の昇降コードの巻き取りは前記第1の巻取プーリーの前方からとし、前記後側カーテン生地を畳み込むための前記第2の巻取プーリーによる前記第2の昇降コードの巻き取りは前記第2の巻取プーリーの後方からとし、前記第1の巻取プーリーと前記第2の巻取プーリーの巻き取り方向が、互いに逆方向に回転するように構成されていることを特徴とする。
【0014】
また、本発明のたくし上げカーテンにおいて、前記第1の巻取プーリーの軸中心が前記第2の巻取プーリーの軸中心に対して上方、且つ所定長前方に配置され、前記第2の巻取プーリーの中心軸の鉛直上方が前記第1の巻取プーリーの最大巻取径の前後幅内に位置するように配設されていることを特徴とする。
【0015】
また、本発明のたくし上げカーテンにおいて、前記前側カーテン生地は、前記第1の巻取プーリーの前方に位置する前記フレームの第1の生地取着部から吊り下げされ、前記後側カーテン生地は、前記第2の巻取プーリーの前方に位置する前記フレームの第2の生地取着部から吊り下げされ、前記第1の生地取着部は、前記第2の生地取着部に対して上方、且つ前記第1の巻取プーリー及び前記第2の巻取プーリーの各軸中心間の前後方向間距離以下となる所定長前方に配置されていることを特徴とする。
【0016】
また、本発明のたくし上げカーテンにおいて、前記前側カーテン生地及び前記後側カーテン生地の双方が下限位置まで降下されている状態の前記前側カーテン生地及び前記後側カーテン生地間の間隔が、前記第1の生地取着部及び前記第2の生地取着部間の間隔と略同一になるように構成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、前後にカーテン生地を配置した形態でも、畳み込み時にフレームの奥行方向に膨らむのを抑制させることができ、前後のカーテン生地用の巻取プーリーを十分に近接させることが可能となり、設置場所の制限を緩和することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明による一実施形態のたくし上げカーテンの概略構成を示す斜視図である。
【
図2】本発明による一実施形態のたくし上げカーテンにおけるヘッドボックスユニットの概略構成を示す斜視図である。
【
図3】(a),(b)は、それぞれ本発明による一実施形態のたくし上げカーテンにおける各カーテン生地の畳み上げ時、及び各カーテン生地の下限までの引き延ばし時における概略構成を示す側面断面図である。
【
図4】(a)は比較例1のたくし上げカーテンとして各カーテン生地の畳み上げ時における概略構成を示す側面断面図であり、(b)は比較例2のたくし上げカーテンとして各カーテン生地の下限までの引き延ばし時における概略構成を示す側面断面図である。
【
図5】(a),(b)は、それぞれ本発明による変形例のたくし上げカーテンにおける概略構成を部分的に示す側面断面図、及びその変形例のたくし上げカーテンに用いる巻取プーリーの正面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して、本発明による一実施形態のたくし上げカーテンの概略構成を説明する。尚、本願明細書中、説明の便宜上、
図1に示すたくし上げカーテンの斜視図に示すように、図示上方及び図示下方をそれぞれ上方向(又は上側)及び下方向(又は下側)と定義し、たくし上げカーテンの室内側を前側又は正面側、及び、たくし上げカーテンの室外側を背面側又は後側として定義して説明する。
【0020】
(装置構成)
図1は、本発明による一実施形態のたくし上げカーテンの概略構成を示す斜視図である。また、本発明による一実施形態のたくし上げカーテンにおけるヘッドボックスユニット50の概略構成を示す斜視図である。尚、
図2においては、前側カーテン生地2a及び後側カーテン生地2bを吊り下げし昇降コード8a,8bを垂下せるためのヘッドボックスユニット50の概略構成のみを示し、
図1に示す各カーテン生地2a,2b、並びに昇降コード8a,8bの図示を省略している。
【0021】
ところで、本発明に係るたくし上げカーテンは、前後に2枚のカーテン生地2a,2bを配置した形態を対象としており、操作コードを用いた手動操作の形態とすることも可能であるが、
図1及び
図2に示す本実施形態では、電動操作で各カーテン生地2a,2bを独立して昇降可能とする形態を例示している。
【0022】
より具体的には、
図1及び
図2に示す本実施形態におけるたくし上げカーテンは、ヘッドボックスユニット50から2枚のカーテン生地2a,2bがそれぞれ前後に吊下支持されるものとなっている。各カーテン生地2a,2bの背面側には、ヘッドボックスユニット50から各カーテン生地2a,2b用にそれぞれ複数本の昇降コード8a,8bが垂下されている。各昇降コード8a,8bは、それぞれのカーテン生地2a,2bの背面側で所定間隔に取着される複数の案内リング6に挿通される。そして、各昇降コード8a,8bの下端にはフック7が設けられ、各フック7はカーテン生地2a,2bの下端近傍に取着されている。各カーテン生地2a,2bの下縁部には、その各生地を張設するための錘部材9が袋縫いされている。
【0023】
各カーテン生地2a,2bは、例えば室内側とする前側カーテン生地2aを遮光性の生地で形成し、室外側とする後側カーテン生地2bを透光性のレース生地等で形成することができる。
【0024】
ヘッドボックスユニット50は、フレーム1と、フレーム1に対して回転可能に支持される各カーテン生地2a,2b用の巻取パイプ3a,3bと、巻取パイプ3aに固着される複数の巻取プーリー4aと、巻取パイプ3bに固着される複数の巻取プーリー4bと、各巻取プーリー4aの「近傍前方」にてフレーム1に支持される巻取ガイド5aと、各巻取プーリー4bの「近傍後方」にてフレーム1に支持される巻取ガイド5bと、を備える。
【0025】
フレーム1は、フレーム本体1a及びサイドフレーム1bを備えている。フレーム本体1aは、巻取パイプ3a,3bの軸方向長さと略同一の長さで延在し、巻取パイプ3aの上方・後方・下方を所定の隙間を設けて塞ぎ前方のみ開口した形状を有している。また、サイドフレーム1bは、フレーム本体1aの左右両端部側に配設固定され、図示するような上下方向では長尺傾向とはなるが前後方向を短尺化した板状の形状を有している。そして、各サイドフレーム1bは、フレーム本体1aの内側に巻取パイプ3aを位置させ、フレーム本体1aの下側に巻取パイプ3bを位置させるようにして巻取パイプ3a,3bを回転可能に支持している。
【0026】
巻取パイプ3aには、その表面上に複数(本例では2個)の巻取プーリー4aが固着されている。同様に、巻取パイプ3bには、その表面上に複数(本例では2個)の巻取プーリー4bが固着されている。尚、巻取パイプ3a,3bはそれぞれ同径で構成され、巻取プーリー4a,4bの巻取径もそれぞれ同径で構成される。各巻取プーリー4aは、その先端側に設けられる略V字状の切り欠き41に前側カーテン生地2aを昇降するためのそれぞれの昇降コード8aの上端部を係着し、それぞれの昇降コード8aを巻き取り、或いは巻き戻すことを可能とする巻取径として径変化しないリール状又は巻取径として径変化するコーン状の形状を有し、これにより前側カーテン生地2aを昇降可能としている。同様に、各巻取プーリー4bは、その先端側に設けられる略V字状の切り欠き41に後側カーテン生地2bを昇降するためのそれぞれの昇降コード8bの上端部を係着し、それぞれの昇降コード8bを巻き取り、或いは巻き戻すことを可能とするリール状又はコーン状の形状を有し、これにより後側カーテン生地2bを昇降可能としている。
【0027】
本例では、
図2から理解されるように、巻取パイプ3aに対する巻取プーリー4aの向きと、巻取パイプ3bに対する巻取プーリー4bの向きは左右方向で反対向きとしており、更に、巻取プーリー4aの基端側の一対のフランジ42と、巻取プーリー4bの基端側の一対のフランジ42との位置関係も僅かに左右方向でずらしたものとしており、昇降動作中の障害物等の影響などで各昇降コード8a,8bに弛みが生じるような不具合時でも、各昇降コード8a,8bが互いに絡みつくのを抑制するようにしている。
【0028】
また、各巻取パイプ3a,3bは略円筒形状を有し中空状となっており、本実施形態では、各巻取パイプ3a,3b内に、それぞれ各巻取パイプ3a,3bを独立して電動で回転させるモーター(図示略)及びその回転量を検出するためのロータリーエンコーダ(図示略)等が配設されている。そして、フレーム本体1aは、その背面側で、スイッチ等の操作装置からの電動操作に基づいて当該ロータリーエンコーダの出力値を監視しながら当該モーターの駆動を制御するための制御基板11、及びその電力供給を行うための電源12等を収容して支持する構造を有し、フレームカバー1cで覆うように蓋着されるようになっている。フレーム1の構造は、操作コードを用いた手動操作の形態とするときは、その形態に応じた形状・構造とすればよいが、本実施形態のように、少なくとも巻取プーリー4a,4bをそれぞれ上下に配置し、尚且つ巻取プーリー4aの軸中心が巻取プーリー4bの軸中心に対して所定長前方に配置して、巻取プーリー4a,4bを回転可能に支持したものであればよい(
図3を参照して後述する。)。
【0029】
そして、フレーム1におけるフレーム本体1aには、巻取プーリー4aの前方の干渉しない範囲内の近傍位置で生地取着部10aが設けられており、生地取着部10aは、前側カーテン生地2aの上縁部を、その左右方向の略全長に亘って面ファスナー等により着脱可能に取着することにより、前側カーテン生地2aを吊り下げするようになっている。同様に、フレーム1におけるフレーム本体1aには、巻取プーリー4bの前方の干渉しない範囲内の近傍位置で生地取着部10bが設けられており、生地取着部10bは、後側カーテン生地2bの上縁部を、その左右方向の略全長に亘って面ファスナー等により着脱可能に取着することにより、後側カーテン生地2bを吊り下げするようになっている。ここで、本実施形態における生地取着部10a,10bは、フレーム本体1aの一部として設けられ、種々の面ファスナーを選択的に装着できるように着脱可能とし、組み立て性の向上や取着強度(面ファスナーの結合強度)の変更等を容易化する形態としている。ただし、生地取着部10a,10b自体をフレーム本体1aとは別部材で構成し、フレーム本体1aに対して固定支持、或いは回動可能に支持する形態としてもよい。
【0030】
図1及び
図2から理解されるように、巻取ガイド5aは、略四角棒状の形状を有し、その上端部は各巻取プーリー4aの「近傍前方」にてフレーム本体1aに対して着脱可能に支持され、巻取プーリー4aの基端側の一対のフランジ42間に配置して挟み込ませることで、巻取プーリー4aの回転を案内するようになっている。更に、巻取ガイド5aの下端部には滑車51が回転可能に支持され、この滑車51を介して巻取プーリー4aによって巻き取り可能とされる昇降コード8aの垂下を、巻取プーリー4aの前方からの垂下となるように案内する機能を有する。
【0031】
一方、巻取ガイド5bは、同様に略四角棒状の形状を有し、巻取プーリー4bの基端側の一対のフランジ42間に配置して挟み込ませることで、巻取プーリー4bの回転を案内するようになっているが、その上端部は各巻取プーリー4bの「近傍後方」にてフレーム本体1aに対して着脱可能に支持される。尚、巻取ガイド5bについても、巻取ガイド5bの下端部には滑車51が回転可能に支持され、この滑車51を介して巻取プーリー4bによって巻き取り可能とされる昇降コード8bの垂下を、巻取プーリー4bの後方からの垂下となるように案内する機能を有する。
【0032】
このように構成されている
図1及び
図2に示す本実施形態のたくし上げカーテンでは、巻取プーリー4aの回転により昇降コード8aを巻き取ることで、前側カーテン生地2aを畳み込みながら上昇させることができ、巻取プーリー4aの回転により昇降コード8aを巻き戻すことで、畳み込まれている前側カーテン生地2aを引き延ばしながら降下させることができる。同様に、巻取プーリー4bの回転により昇降コード8bを巻き取ることで、後側カーテン生地2bを畳み込みながら上昇させることができ、巻取プーリー4bの回転により昇降コード8bを巻き戻すことで、畳み込まれている後側カーテン生地2bを引き延ばしながら降下させることができる。
【0033】
ただし、
図1及び
図2に示す本実施形態のたくし上げカーテンでは、巻取プーリー4aと巻取プーリー4bの巻き取り方向が、互いに逆方向に回転するように構成されている。付け加えるならば、巻取プーリー4aと巻取プーリー4bの巻き戻し方向が、互いに逆方向に回転するように構成されている。
【0034】
(装置動作)
以下、
図3を参照して、
図1及び
図2に示す本実施形態のたくし上げカーテンにおけるより具体的な各構成要素の配置関係を基に、その動作と利点について説明する。
【0035】
図3(a)は、本発明による一実施形態のたくし上げカーテンにおける各カーテン生地2a,2bを畳み上げた時における概略構成を示す側面断面図であり、
図3(b)は、畳み込まれていた各カーテン生地2a,2bを下限までの引き延ばした時における概略構成を示す側面断面図である。
【0036】
まず、本実施形態のたくし上げカーテンにおけるより具体的な各構成要素の配置関係として、前側カーテン生地2aを吊り下げするために前側カーテン生地2aの上縁部を取着するフレーム本体1aにおける生地取着部10aと、後側カーテン生地2bを吊り下げするために後側カーテン生地2bの上縁部を取着するフレーム本体1aにおける生地取着部10bの位置関係として、前側カーテン生地2aと後側カーテン生地2bの双方を畳み上げた状態及び下限まで引き延ばした状態が互いに干渉せず、且つできる限り近接するように、生地取着部10aは、生地取着部10bに対して上方、且つ前後方向間距離L1とする所定長前方に配置されている。
【0037】
そして、生地取着部10aは巻取プーリー4aの前方で巻取プーリー4aが干渉しない範囲内の近傍位置とし、同じく、生地取着部10bは巻取プーリー4bの前方で巻取プーリー4bが干渉しない範囲内の近傍位置としている。
図3(a)から理解されるように、巻取プーリー4aの軸中心は、巻取プーリー4bの軸中心に対して上方、且つ前後方向間距離L2とする所定長前方に配置され、巻取プーリー4bの中心軸の鉛直上方が巻取プーリー4aの最大巻取径の前後幅内に位置するように配設されている。当該巻取プーリー4a,4bの軸中心間の間隔を示す前後方向間距離L2は、巻取ガイド5a,5b間の間隔に対応している。巻取プーリー4a,4bの各軸中心間の前後方向間距離L2は、上記のL1以下とし、本実施形態ではL2<L1に設定されている。これにより、ヘッドボックスユニット50全体の奥行幅L6(
図3(b)参照)も従来技術よりも短尺化されて小型化が実現され、ヘッドボックスユニット50の設置場所の制限を緩和させることができ、意匠性も向上させることができる。
【0038】
一方、単に前後のカーテン生地2a,2b用の巻取プーリー4a,4bをできる限り近接させて、フレーム1の小型化を図ると、時に前後のカーテン生地2a,2bの畳み込みで各カーテン生地2a,2bが重なり、畳み込んだ前後のカーテン生地2a,2bがフレーム1の奥行方向に膨らんでしまい、これに起因して設置場所が制限されてしまうことがある。
【0039】
そこで、本実施形態では、巻取ガイド5aを巻取プーリー4aの「近傍前方」に配置し、巻取ガイド5bについては巻取プーリー4bの「近傍後方」に配置して、巻取プーリー4aと巻取プーリー4bの巻き取り方向が、互いに逆方向に回転するように構成されている。従って、巻取プーリー4aと巻取プーリー4bの巻き戻し方向も、互いに逆方向に回転するように構成されている。即ち、巻取プーリー4aによる昇降コード8aの巻き取り及び巻き戻しは巻取プーリー4aの前方からとし、巻取プーリー4bによる昇降コード8bの巻き取り及び巻き戻しは巻取プーリー4bの後方からとしており、
図3(a)には各カーテン生地2a,2bの畳み上げた時の巻き取り方向、及び
図3(b)には各カーテン生地2a,2bの下限までの引き延ばした時における巻き戻し方向の各巻取プーリー4a,4bの回転方向について、矢印で示している。
【0040】
これにより、
図3(a)に示すように、畳み込んだ前後のカーテン生地2a,2bの下縁部間距離L3が、カーテン生地2a,2bの上縁部間距離L1よりも大きくなり、畳み込んだ前後のカーテン生地2a,2bの全体は、フレーム1の奥行方向に膨らむことが抑制された奥行き距離L4で収まるようになる。
【0041】
また、
図3(b)に示すように、各カーテン生地2a,2bの双方が下限位置まで降下されている状態では、できる限り各カーテン生地2a,2bの間隔は狭い方が実用性の観点で好ましいところ、各カーテン生地2a,2b間の間隔L5は、できる限り近接させているカーテン生地2a,2bの上縁部間距離L1(生地取着部10a,10b間の間隔)と略同一になり(L5≒L1)、十分に近接させることができるので、実用性の高いものとなっている。
【0042】
(比較例)
図3に示す本実施形態の作用・効果をより分かり易くするために、
図4(a),(b)にそれぞれ示す比較例1,2を参照して説明する。尚、説明の便宜上、同様な構成要素には同一の参照番号を付している。
【0043】
図4(a)は比較例1のたくし上げカーテンとして各カーテン生地2a,2bの畳み上げ時における概略構成を示す側面断面図であり、
図4(b)は比較例2のたくし上げカーテンとして各カーテン生地2a,2bの下限までの引き延ばし時における概略構成を示す側面断面図である。
【0044】
まず、
図4(a)に示す比較例1では、
図3に示す本実施形態ほどではないが、比較的にコンパクト化したヘッドボックスユニット50Aを構成している。即ち、比較例1において、前側カーテン生地2aの上縁部を取着するフレーム本体1aにおける生地取着部10aと、後側カーテン生地2bの上縁部を取着するフレーム本体1aにおける生地取着部10bの位置関係として、その生地取着部10aは、生地取着部10bに対して上方、且つ前後方向間距離L1とする所定長前方に配置されている。ただし、比較例1においては、巻取プーリー4aの軸中心は、巻取プーリー4bの軸中心に対して上方、且つ前後方向間距離L2’(>L1)とする所定長前方に配置され、その巻取プーリー4bの中心軸の鉛直上方が巻取プーリー4aの最大巻取径の前後幅方向の後縁上に位置するように配設した例とした。この比較例1でも、巻取プーリー4bの中心軸の鉛直上方が巻取プーリー4aの最大巻取径の前後幅方向の後縁上に位置するように配設しているので、
図3に示す本実施形態ほどではないが、比較的にコンパクト化したヘッドボックスユニット50Aが実現される。
【0045】
しかし、比較例1の構成では、巻取ガイド5aを巻取プーリー4aの「近傍前方」に配置している点では
図3に示す本実施形態と同様であるが、巻取ガイド5bについては本実施形態とは異なり巻取プーリー4bの「近傍前方」に配置している点で大きく異なる。このため、変形例1の構成では、巻取プーリー4aによる昇降コード8aの巻き取り及び巻き戻しは巻取プーリー4aの前方からとし、巻取プーリー4bによる昇降コード8bの巻き取り及び巻き戻しについても同様に巻取プーリー4bの前方からとしており、巻取プーリー4aと巻取プーリー4bの巻き取り方向が、互いに同方向に回転するように構成されている。付け加えるならば、巻取プーリー4aと巻取プーリー4bの巻き戻し方向も、互いに同方向に回転するように構成されている。
【0046】
このような変形例1の構成では、従来技術よりも前後のカーテン生地2a,2b用の巻取プーリー4a,4bを近接させてフレーム1及びヘッドボックスユニット50Aの小型化を図ることが実現されているとしても、前後のカーテン生地2a,2bの畳み込みで各カーテン生地2a,2bが重なり、畳み込んだ前後のカーテン生地2a,2bがフレーム1の奥行方向に膨らんでしまい、畳み込んだ前後のカーテン生地2a,2bの全体は、
図3に示す本実施形態よりも、フレーム1の奥行方向に大きく膨らんだ奥行き距離L4’(>L4)になり、これに起因して設置場所が制限されてしまう。
【0047】
そして、変形例1の構成において、仮に本実施形態のように、巻取プーリー4a,4bの各軸中心間の前後方向間距離L2を生地取着部10a,10b間の間隔を示す前後方向間距離L1以下とするようにして、よりヘッドボックスユニット50Aの小型化を図るようにすると、より一層、前後のカーテン生地2a,2bの畳み込みで各カーテン生地2a,2bが重なり、畳み込んだ前後のカーテン生地2a,2bがフレーム1の奥行方向に膨らんでしまう。また、仮に、変形例1の構成におけるこの畳み込んだ前後のカーテン生地2a,2bの膨らみを抑制しようとして、巻取ガイド5a,5b間の間隔に対応する巻取プーリー4a,4bの各軸中心間の前後方向間距離L2を大きく取ると、ヘッドボックスユニット50Aが大型化してしまい、やはり設置場所が制限されてしまう。
【0048】
また、
図4(b)に示す比較例2では、変形例1の構成における畳み込んだ前後のカーテン生地2a,2bの膨らみを抑制しようとして、生地取着部10a,10b間の間隔を示す前後方向間距離をより大きなL1’(>L1)としたヘッドボックスユニット50Bを構成している。この場合、各カーテン生地2a,2bの双方が下限位置まで降下されている状態では、各カーテン生地2a,2b間の間隔L5’は、カーテン生地2a,2bの上縁部間距離L1’(生地取着部10a,10b間の間隔)と略同一になるが(L5’≒L1’)、必然的に、巻取ガイド5a,5b間の間隔に対応する巻取プーリー4a,4bの各軸中心間の前後方向間距離も大きくなり、ヘッドボックスユニット50B全体の奥行幅L6’(>L6)も長尺化されて大型化してしまい、ヘッドボックスユニット50Bの設置場所が制限され、意匠性の観点からも好ましくない。
【0049】
以上から、
図3(a),(b)に示す本実施形態のように、巻取ガイド5aを巻取プーリー4aの「近傍前方」に配置し、巻取ガイド5bについては巻取プーリー4bの「近傍後方」に配置して、前側カーテン生地2aを畳み込むための巻取プーリー4aによる昇降コード8aの巻き取りは巻取プーリー4aの前方からとし、後側カーテン生地2bを畳み込むための巻取プーリー4bによる昇降コード8bの巻き取りは巻取プーリー4bの後方からとし、巻取プーリー4aと巻取プーリー4bの巻き取り方向を、互いに逆方向に回転するように構成するのが好ましいことが分かる。
【0050】
従って、
図1乃至
図3に示す本実施形態のたくし上げカーテンによれば、前後にカーテン生地2a,2bを配置し小型化した形態でも、畳み込み時にフレーム1の奥行方向に膨らむのを抑制させることができ、前後のカーテン生地2a,2b用の巻取プーリー4a,4bを十分に近接させることが可能となり、設置場所の制限を緩和させ、その意匠性を向上させることができる。
【0051】
(変形例)
図1乃至
図3に示す一実施形態では、ロールスクリーンに用いられるような略円筒形状で中空状の巻取パイプ3a,3bを使用し、各巻取パイプ3a,3b上にそれぞれリール状又はコーン状の巻取プーリー4a,4bを設ける形態を説明した。
【0052】
一方、
図5(a),(b)は、それぞれ本発明による変形例のたくし上げカーテンにおける概略構成を部分的に示す側面断面図、及びその変形例のたくし上げカーテンに用いる巻取プーリー24a,24bの正面断面図である。尚、
図5(a),(b)において、上述した
図1乃至
図3に示すものと同様の構成要素には同一の参照番号を付している。
【0053】
図5(a)に示すように、本変形例のたくし上げカーテンでは、複数本の駆動軸25a,25bを用い、この駆動軸25a,25bの回転に伴ってそれぞれ回転するように巻取プーリー24a,24bを支持部材23a,23bで支持し、この支持部材23a,23bを上下に配置し、尚且つ支持部材23aを支持部材23bに対して所定長前方に配置するフレーム本体21を構成した例としている。
図5では図示を省略しているが、
図1に示す実施形態と同様に、各昇降コード8a,8bの下端にはフック7が設けられ、各フック7はカーテン生地2a,2bの下端近傍に取着されている。各カーテン生地2a,2bの下縁部には、その各生地を張設するための錘部材9が袋縫いされている。
【0054】
尚、本変形例において、本変形例の巻取プーリー24a,24bはそれぞれ同形状とし、上述したような巻取パイプ3a,3b用として構成されるリール状又はコーン状の巻取プーリー4a,4bとしてもよいが、
図5(b)に代表して示す巻取プーリー24aのように、本変形例の巻取プーリー24a,24bは、本例では六角軸状の駆動軸25a,25b用として構成されるコーン状の巻取プーリーからなる。
【0055】
そして、
図5(a)に示すように、フレーム本体21には、巻取プーリー24aの前方の干渉しない範囲内の近傍位置で、前側カーテン生地2aの上縁部を、その左右方向の略全長に亘って面ファスナー等により着脱可能に取着することにより、前側カーテン生地2aを吊り下げする生地取着部10aが設けられている。同様に、フレーム本体21には、巻取プーリー24bの前方の干渉しない範囲内の近傍位置で、後側カーテン生地2bの上縁部を、その左右方向の略全長に亘って面ファスナー等により着脱可能に取着することにより、後側カーテン生地2bを吊り下げする生地取着部10bが設けられている。ここで、本変形例における生地取着部10a,10bは、フレーム本体21の一部として設けられ、種々の面ファスナーを選択的に装着できるように着脱可能とし、組み立て性の向上や取着強度(面ファスナーの結合強度)の変更等を容易化する形態とすることができる。ただし、生地取着部10a,10b自体をフレーム本体21とは別部材で構成し、フレーム本体21に対して固定支持、或いは回動可能に支持する形態としてもよい。尚、図示を省略しているが、フレーム本体21の左右両端部側にサイドフレームが配設固定され、このサイドフレームによって各駆動軸25a,25bを回転可能に支持している。
【0056】
フレーム本体21は、その背面側で、スイッチ等の操作装置からの電動操作に基づいて当該ロータリーエンコーダの出力値を監視しながら当該モーターの駆動を制御するための制御基板11、及びその電力供給を行うための電源12等を収容して支持する構造を有している。
【0057】
本変形例では、上述した巻取ガイド5a,5bの設置を省略し、巻取プーリー24aの前方から昇降コード8aを垂下させ、巻取プーリー24bの後方から昇降コード8bを垂下させるようにしているが、上述した実施形態と同様に、巻取ガイド5aを巻取プーリー24aの「近傍前方」に配置し、巻取ガイド5bについては巻取プーリー24bの「近傍後方」に配置して、これらの巻取ガイド5a,5bを介して、巻取プーリー24aの前方から昇降コード8aを垂下させ、巻取プーリー24bの後方から昇降コード8bを垂下させるようにしてもよい。
【0058】
そして、本変形例においても、前側カーテン生地2aを畳み込むための巻取プーリー4aによる昇降コード8aの巻き取りは巻取プーリー24aの前方からとし、後側カーテン生地2bを畳み込むための巻取プーリー24bによる昇降コード8bの巻き取りは巻取プーリー24bの後方からとし、巻取プーリー24aと巻取プーリー24bの巻き取り方向を、互いに逆方向に回転するように構成する。
【0059】
また、本変形例においても、巻取プーリー24aの軸中心が巻取プーリー24bの軸中心に対して上方、且つ所定長前方に配置され、巻取プーリー24bの中心軸の鉛直上方が巻取プーリー24aの最大巻取径の前後幅内に位置するように配設されている。
【0060】
また、本変形例においても、前側カーテン生地2aは、巻取プーリー24aの前方に位置するフレーム本体21の生地取着部10aから吊り下げされ、後側カーテン生地2bは、巻取プーリー24bの前方に位置するフレーム本体21の生地取着部10bから吊り下げされる。そして、生地取着部10aは、生地取着部10bに対して上方、且つ巻取プーリー24a,24bの各軸中心間の前後方向間距離以下となる所定長前方に配置されている。
【0061】
また、本変形例においても、各カーテン生地2a,2bの双方が下限位置まで降下されている状態の各カーテン生地2a,2b間の間隔が、生地取着部10a,10b間の間隔と略同一になるように構成されている。
【0062】
従って、
図5に示す本変形例のたくし上げカーテンのように構成した場合でも、前後にカーテン生地2a,2bの畳み込み時にフレーム本体21の奥行方向に膨らむのを抑制させることができ、前後のカーテン生地2a,2b用の巻取プーリー24a,24bを十分に近接させることが可能となり、設置場所の制限を緩和させ、その意匠性を向上させることができる。
【0063】
以上、特定の実施形態の例を挙げて本発明を説明したが、本発明は前述の実施形態の例に限定されるものではなく、その技術思想を逸脱しない範囲で種々変形可能である。例えば、上述した
図1乃至
図3、及び
図5に係る一実施形態及びその変形例のたくし上げカーテンでは、電動操作により前後のカーテン生地2a,2bを昇降させる例を説明したが、手動操作とすることもできる。例えば、フレーム本体の一端に手動操作用の操作装置を取着し、その操作装置内に設けられる操作プーリーに操作コードを掛装し、その操作コードの操作で操作プーリーを回転させて、巻取パイプ3a,3b、或いは駆動軸25a,25bを連動回転させるようにすればよい。尚、手動操作とする場合には、カーテン生地2a,2bの昇降位置を保持するブレーキ装置、或いはカーテン生地2a,2bの自重降下を利用する形態では巻取パイプ3a,3b、或いは駆動軸25a,25bの回転に対し自重降下を防止するストッパ装置を当該操作装置内、若しくはフレーム内に設置するようにする。
【0064】
従って、本発明に係る電動遮蔽システムは、上述した実施形態の例に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載によってのみ制限される。
【産業上の利用可能性】
【0065】
本発明によれば、設置場所の制限を緩和することができるので、前後にカーテン生地を配置したたくし上げカーテンの用途に有用である。
【符号の説明】
【0066】
1 フレーム
1a,21 フレーム本体
1b サイドフレーム
1c フレームカバー
2a 前側カーテン生地
2b 後側カーテン生地
3a 前側カーテン生地用の巻取パイプ
3b 後側カーテン生地用の巻取パイプ
4a 前側カーテン生地用の巻取プーリー
4b 後側カーテン生地用の巻取プーリー
5a 前側カーテン生地用の巻取ガイド
5b 後側カーテン生地用の巻取ガイド
6 案内リング
7 フック
8a 前側カーテン生地用の昇降コード
8b 後側カーテン生地用の昇降コード
9 錘部材
10a 前側カーテン生地用の生地取着部
10b 後側カーテン生地用の生地取着部
11 制御基板
12 電源
23a,23b 巻取プーリー用の支持部材
24a 前側カーテン生地用の巻取プーリー
24b 後側カーテン生地用の巻取プーリー
25a,25b 巻取プーリー用の駆動軸
50 本発明に係るヘッドボックスユニット
50A 比較例1のヘッドボックスユニット
50B 比較例2のヘッドボックスユニット