(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022189662
(43)【公開日】2022-12-22
(54)【発明の名称】超音波プローブおよび無線超音波プローブ
(51)【国際特許分類】
A61B 8/00 20060101AFI20221215BHJP
【FI】
A61B8/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021107826
(22)【出願日】2021-06-29
(31)【優先権主張番号】P 2021097923
(32)【優先日】2021-06-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000189486
【氏名又は名称】上田日本無線株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】奥川 隆祥
(72)【発明者】
【氏名】芝田 宏靖
(72)【発明者】
【氏名】市川 政宏
(72)【発明者】
【氏名】西村 光弘
【テーマコード(参考)】
4C601
【Fターム(参考)】
4C601EE12
4C601EE13
4C601EE14
4C601GB18
4C601GD01
4C601GD04
4C601GD06
(57)【要約】
【課題】本発明は、画像処理超音波プローブを小型化し、または画像処理超音波プローブの構成を単純化することを目的とする。
【解決手段】画像処理超音波プローブ12は、超音波振動子24と、プローブ制御部18とを備えている。プローブ制御部18は、超音波振動子24に対する送信信号を生成し、超音波振動子24で受信された超音波に基づく受信信号に対する処理を実行する。画像処理超音波プローブ12には、無線ユニット14が着脱自在に有線接続される。無線ユニット14は、プローブ制御部18から画像データ信号を取得し、画像データ信号を画像表示装置に無線送信する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波振動子と、
前記超音波振動子に対する送信信号を生成し、前記超音波振動子で受信された超音波に基づく受信信号に対する処理を実行し、前記受信信号に基づいて画像データ信号を生成するプローブ制御部と、を備え、
無線ユニットが着脱自在に有線接続され、
前記無線ユニットは、前記プローブ制御部から前記画像データ信号を取得し、前記画像データ信号を画像表示装置に無線送信することを特徴とする超音波プローブ。
【請求項2】
請求項1に記載の超音波プローブにおいて、
前記無線ユニットは、少なくとも前記プローブ制御部に電源電力を供給することを特徴とする超音波プローブ。
【請求項3】
請求項2に記載の超音波プローブにおいて、
前記無線ユニットは、
少なくとも前記プローブ制御部に電源電力を供給するバッテリを備えることを特徴とする超音波プローブ。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の超音波プローブにおいて、
前記無線ユニットは、ケーブルを介して前記超音波プローブに有線接続され、
前記ケーブルは、前記無線ユニットに前記画像データ信号を送信するシリアルデータ通信線を含むことを特徴とする超音波プローブ。
【請求項5】
請求項2または請求項3に記載の超音波プローブにおいて、
前記無線ユニットは、ケーブルを介して前記超音波プローブに有線接続され、
前記ケーブルは、少なくとも前記プローブ制御部に電源電力を供給する電源供給線を含むことを特徴とする超音波プローブ。
【請求項6】
請求項4または請求項5に記載の超音波プローブにおいて、
前記ケーブルは、USBケーブルであることを特徴とする超音波プローブ。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の超音波プローブにおいて、
前記無線ユニットが有線接続されていないときは、前記画像表示装置が着脱自在に有線接続され、
前記画像表示装置は、前記超音波プローブから前記画像データ信号を取得することを特徴とする超音波プローブ。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の超音波プローブと、
前記無線ユニットと、
を備えることを特徴とする無線超音波プローブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波プローブおよび無線超音波プローブに関し、特に、超音波プローブが生成する信号の伝送技術に関する。
【背景技術】
【0002】
超音波診断システムが広く用いられている。超音波診断システムは、一般に超音波プローブと本体装置とを備えている。超音波プローブは、被検体に対し超音波を送信し、被検体で反射した超音波を受信する。本体装置は、超音波プローブから取得した受信信号によって、被検体の超音波画像データを生成し、超音波画像データに基づく画像を表示する。
【0003】
近年では、超音波画像データを生成するための機能を超音波プローブに集約した画像処理超音波プローブを構成し、画像処理超音波プローブとは別に設けられた画像表示装置に超音波画像を表示する超音波診断システムが開発されている。画像処理超音波プローブは、受信した超音波に基づき超音波画像データを生成し、画像表示装置に無線送信する。画像表示装置は、受信した超音波画像データに基づく画像を表示する。画像表示装置には、例えば、スマートフォン、タブレット、パーソナルコンピュータ等が用いられる。
【0004】
以下の特許文献1には、無線超音波プローブを備えた超音波システムが記載されている。この超音波システムでは、無線超音波プローブが超音波の送受信によって超音波画像走査ラインデータを生成し、プロセッサドングルに無線送信する。プロセッサドングルは、画像ラインデータ信号を受信し、受信された画像ラインデータ信号の画像処理を実行して表示のための超音波画像を発生する。
【0005】
特許文献2には、超音波プローブ装置、信号処理装置、および画像表示装置を備える超音波診断システムが記載されている。超音波プローブ装置は、超音波の送受信によって得られた信号を信号処理装置に無線送信する。信号処理装置は、超音波プローブ装置から送信された信号に基づいて、超音波画像データを含む画像データ信号を生成し、画像表示装置に無線送信する。画像表示装置は、画像データ信号に基づく画像を表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2018-519964号公報
【特許文献2】特開2021-65584号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記の画像処理超音波プローブにはバッテリが搭載され、画像処理超音波プローブはバッテリが出力する電力によって動作する。従来の画像処理超音波プローブでは消費電力が大きく、一定の診断可能時間を確保するためには容量が大きいバッテリを搭載する必要があった。そのため、画像処理超音波プローブが大きくなってしまうことがあった。
【0008】
また、画像処理超音波プローブには、複数の超音波振動子の他、信号処理回路や無線回路、さらには、バッテリからこれらの回路に電源電力を供給する電源回路が搭載されている。そのため、画像処理超音波プローブは、ケーブルによって本体装置に接続される通常の超音波プローブよりも高価である。超音波の走査方法に応じた複数種の画像処理超音波プローブ(例えば、リニア式、コンベックス式、マイクロコンベックス式、セクタ式等)を予め用意する場合、超音波診断システムを維持するための費用が増加してしまう。そのため、簡単で安価な構成を有する画像処理超音波プローブの開発が望まれている。
【0009】
本発明の目的は、画像処理超音波プローブを小型化し、または画像処理超音波プローブの構成を単純化することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る超音波プローブは、超音波振動子と、前記超音波振動子に対する送信信号を生成し、前記超音波振動子で受信された超音波に基づく受信信号に対する処理を実行し、前記受信信号に基づいて画像データ信号を生成するプローブ制御部と、を備え、無線ユニットが着脱自在に有線接続され、前記無線ユニットは、前記プローブ制御部から前記画像データ信号を取得し、前記画像データ信号を画像表示装置に無線送信することを特徴とする。
【0011】
望ましくは、前記無線ユニットは、少なくとも前記プローブ制御部に電源電力を供給する。
【0012】
望ましくは、前記無線ユニットは、少なくとも前記プローブ制御部に電源電力を供給するバッテリを備える。
【0013】
望ましくは、前記無線ユニットは、ケーブルを介して前記超音波プローブに有線接続され、前記ケーブルは、前記無線ユニットに前記画像データ信号を送信するシリアルデータ通信線を含む。
【0014】
望ましくは、前記無線ユニットは、ケーブルを介して前記超音波プローブに有線接続され、前記ケーブルは、少なくとも前記プローブ制御部に電源電力を供給する電源供給線を含む。
【0015】
望ましくは、前記ケーブルは、USBケーブルである。
【0016】
望ましくは、前記無線ユニットが有線接続されていないときは、前記画像表示装置が着脱自在に有線接続され、前記画像表示装置は、前記超音波プローブから前記画像データ信号を取得する。
【0017】
本発明に係る無線超音波プローブは、望ましくは、前記超音波プローブと、前記無線ユニットと、を備える。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、画像処理超音波プローブを小型化し、または画像処理超音波プローブの構成を単純化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【発明を実施するための形態】
【0020】
各図を参照して本発明の実施形態について説明する。複数の図面に示されている同一の事項については同一の符号を付してその説明を省略する。
【0021】
図1には、本発明の実施形態に係る超音波診断システム100の構成が示されている。超音波診断システム100は、画像処理超音波プローブ12(以下、画像処理プローブ12という)、無線ユニット14および画像表示装置16を備えている。画像処理プローブ12は、超音波画像データを生成するための機能を超音波プローブに集約したものである。超音波診断が行われるときは、画像処理プローブ12の送受信面が被検体に当接するように画像処理プローブ12が支持される。
【0022】
画像処理プローブ12および無線ユニット14は無線超音波プローブを構成する。画像処理プローブ12は、被検体に超音波を送信し、被検体で反射した超音波を受信する。画像処理プローブ12は受信した超音波に基づく受信信号を生成し、その受信信号に基づいて超音波画像の情報を含む画像データ信号を生成する。画像処理プローブ12は、ケーブルによって無線ユニット14に接続されており、画像データ信号を無線ユニット14に出力する。無線ユニット14は、画像表示装置16に画像データ信号を無線送信する。画像表示装置16は、スマートフォン、タブレット、パーソナルコンピュータ等であってよい。画像表示装置16は、無線ユニット14から無線送信された画像データ信号を受信し、画像データ信号に基づいて、ディスプレイに超音波画像を表示する。
【0023】
図2には、無線超音波プローブ102の構成が示されている。無線超音波プローブ102は、着脱自在に有線接続された画像処理プローブ12および無線ユニット14を備えている。画像処理プローブ12は、送信部20、振動子アレイ22、受信部26、プローブ制御部18、プローブ側電源回路32およびシリアル通信部30aを備えている。プローブ側電源回路32は、無線ユニット14が備えるバッテリ50に電源供給線54を介して接続されている。プローブ側電源回路32は、無線ユニット14から供給される電源電力を、送信部20、受信部26、プローブ制御部18、およびシリアル通信部30aに供給する。プローブ側電源回路32は、画像処理プローブ12が備えるその他の構成要素のうち、電源電力を要するものがある場合には、その構成要素に電源電力を供給してもよい。なお、電源供給線54は、プローブ側電源回路32およびバッテリ50の少なくとも一方に対して着脱自在であってよい。
【0024】
プローブ制御部18は、プログラムに従う処理を実行するプロセッサを含んでよい。プローブ制御部18は、プログラムを自ら記憶し、または外部のメモリからプログラムを読み込み、そのプログラムを実行する。
【0025】
振動子アレイ22は、送受信面に沿って配列された複数の超音波振動子24を備えている。複数の超音波振動子24は、直交する2方向に配列されてよい。プローブ制御部18は送信信号を生成し、送信部20に出力する。送信部20は、振動子アレイ22が備える各超音波振動子24に、遅延時間を調整した送信信号を出力する。すなわち、送信部20は、各超音波振動子24に出力する送信信号のそれぞれについて遅延時間を調整する。各超音波振動子24は、送信部20から出力された送信信号を超音波に変換し、被検体に向けて送信する。各超音波振動子24に対して送信信号の遅延時間が調整されることで、振動子アレイ22からは被検体内の特定方向に向けて超音波のビームが形成される。また、遅延時間の調整によって、振動子アレイ22から平面波に近似された超音波が送信されてもよい。
【0026】
振動子アレイ22が備える各超音波振動子24は被検体で反射した超音波を受信し、受信した超音波を電気信号に変換して受信部26に出力する。受信部26は、各超音波振動子24から出力された電気信号を整相加算して受信信号を生成する。ここで、整相加算とは、特定の方向から到来する超音波に基づく複数の電気信号が強め合うように、各電気信号の遅延時間を調整して加算合計することをいう。送信する超音波がビームを形成する場合、そのビームの方向から到来する超音波に基づく電気信号が強め合うように、各電気信号の遅延時間が調整されてよい。
【0027】
受信部26は、整相加算によって得られた受信信号をプローブ制御部18に出力する。プローブ制御部18は、超音波画像データを生成するための画像処理等を受信信号に対して施し、超音波画像の情報を含む画像データ信号を生成し、画像データ信号をシリアル通信部30aに出力する。ここで、画像データ信号は、最終的な超音波画像データでなくてもよく、超音波画像を表示するための情報を含む信号であればよい。
【0028】
プローブ制御部18とシリアル通信部30aとの間の信号伝送は、パラレルデータの形式で行われてもよいし、シリアルデータの形式で行われてもよい。パラレルデータは、複数ビットのディジタルデータを複数本の信号伝送線で伝送する形式のデータである。シリアルデータは、複数ビットのディジタルデータを時間軸上に配列することで、1本あるいはディジタルデータのビット数よりも少ない本数の信号伝送線でディジタルデータを伝送する形式のデータである。
【0029】
シリアル通信部30aには、シリアルデータ通信線42の一端が接続されている。シリアルデータ通信線42の他端は、無線ユニット14が備えるシリアル通信部30bに接続されている。シリアルデータ通信線42は、シリアル通信部30aおよび30bのうち少なくとも一方に対して着脱自在なものであってよい。シリアル通信部30aは、画像データ信号を、シリアルデータの形式で無線ユニット14に送信する。
【0030】
無線ユニット14は、シリアル通信部30b、無線制御部44、無線部46、アンテナ48、バッテリ50および無線側電源回路52を備えている。バッテリ50は使い切りのバッテリであってもよいし、繰り返し充放電が可能なバッテリ(二次電池)であってもよい。バッテリ50は、電源供給線54を介して画像処理プローブ12に電源電力を供給する。また、バッテリ50は無線側電源回路52に電源電力を供給する。無線側電源回路52は、無線制御部44、無線部46およびシリアル通信部30bに電源電力を供給する。バッテリ50が二次電池である場合、無線ユニット14は、外部の電源装置からバッテリ50を充電するための充電回路を備えてもよい。充電回路は、USBケーブル(Universal Serial Bus)によって外部の電源装置に接続される回路であってもよいし、非接触電力伝送によって外部の電源装置から電力が供給される回路であってもよい。
【0031】
シリアル通信部30bは、画像処理プローブ12から送信された画像データ信号を受信し、画像データ信号を無線制御部44に出力する。シリアル通信部30bと無線制御部44との間の信号伝送は、シリアルデータの形式で行われてもよいし、パラレルデータの形式で行われてもよい。無線制御部44は、プログラムに従う処理を実行するプロセッサを含んでよい。無線制御部44は、プログラムを自ら記憶し、または外部のメモリからプログラムを読み込み、そのプログラムを実行する。無線制御部44は、画像データ信号を無線部46に出力する。
【0032】
無線部46は、アンテナ48を介して画像表示装置16(
図1)との間で無線通信を行う。すなわち、無線部46は画像データ信号を無線送信する。画像表示装置16は、無線部46から無線送信された画像データ信号を受信し、その画像データ信号に基づいて被検体内の超音波画像をディスプレイに表示する。
【0033】
無線部46は、画像表示装置16から無線送信された制御信号を受信し、無線制御部44に出力してもよい。無線制御部44は、無線部46から出力された制御信号をシリアル通信部30bに出力する。シリアル通信部30bは、シリアルデータ通信線42を介して、シリアル通信部30aに制御信号を送信し、シリアル通信部30aは、制御信号をプローブ制御部18に出力する。プローブ制御部18は、制御信号に従う動作を実行する。
【0034】
図3には、本発明の応用実施形態に係る無線超音波プローブ104が示されている。無線超音波プローブ104は、画像処理プローブ12と、無線ユニット14とをUSBケーブル62で着脱自在に接続するものである。画像処理プローブ12はUSBコネクタ60aを備えている。シリアル通信部30aおよびプローブ側電源回路32は、USBコネクタ60aに接続されている。
【0035】
無線ユニット14はUSBコネクタ60bを備えている。シリアル通信部30bおよびバッテリ50は、USBコネクタ60bに接続されている。USBケーブル62は、シリアルデータ通信線42および電源供給線54を含んでいる。USBケーブル62の両端にはUSBプラグが接続されており、一端のUSBプラグがUSBコネクタ60aに接続され、他端のUSBプラグがUSBコネクタ60bに接続される。
【0036】
シリアル通信部30aは、USBコネクタ60a、USBケーブル62およびUSBコネクタ60bを介して、画像データ信号をシリアル通信部30bに送信する。シリアル通信部30bは、USBコネクタ60b、USBケーブル62およびUSBコネクタ60aを介して、制御信号をシリアル通信部30aに送信する。バッテリ50は、USBコネクタ60b、USBケーブル62およびUSBコネクタ60aを介して、プローブ側電源回路32に電源電力を伝送する。
【0037】
このように、
図3に示される構成では、USBケーブル62の両端にUSBプラグが接続され、USBケーブル62の一端が画像処理プローブ12に着脱自在であり、他端もまた、無線ユニット14に着脱自在である。USBケーブル62は、画像処理プローブ12に一端が固定接続され、無線ユニット14におけるUSBコネクタ60bに着脱自在なUSBプラグが他端に設けられたケーブルであってもよい。あるいは、USBケーブル62は、無線ユニット14に一端が固定接続され、画像処理プローブ12におけるUSBコネクタ60aに着脱自在なUSBプラグが他端に設けられたケーブルであってもよい。また、USBコネクタ60aおよび60bのうちの一方をUSBプラグに置き換え、USBコネクタ(60aもしくは60b)およびUSBプラグが直接接続されてもよい。この場合、画像処理プローブ12の筐体と、無線ユニット14の筐体を着脱自在とし、画像処理プローブ12の筐体が、無線ユニット14の筐体に装着されたときに、USBコネクタおよびUSBプラグが接続される構成が用いられてもよい。
【0038】
このように、各実施形態に係る画像処理プローブ12は、超音波振動子24とプローブ制御部18とを備える。プローブ制御部18は、超音波振動子24に対する送信信号を生成し、超音波振動子24で受信された超音波に基づく受信信号に対する処理を実行し、受信信号に基づいて画像データ信号を生成する。画像処理プローブ12には、無線ユニット14が着脱自在に有線接続される。無線ユニット14は、プローブ制御部18から画像データ信号を取得し、画像データ信号を画像表示装置16に無線送信する。有線接続のためのケーブルは、USBケーブルであってよい。無線ユニット14は、少なくともプローブ制御部18に電源電力を供給する。無線ユニット14は、少なくともプローブ制御部18に電源電力を供給するバッテリ50を備える。
【0039】
このような構成によれば、画像処理プローブ12の筐体に、バッテリ50、無線制御部44および無線部46を備えなくてもよい。これによって、画像処理プローブ12の構成が単純化され、あるいは画像処理プローブ12が小型化または軽量化される。また、バッテリ50から被検体に熱が伝達することが回避されるため、被検体としての患者に対して与えられる肉体的または精神的な負担が軽減される。さらに、バッテリ50の発熱を回避するための過放電および過充電保護回路が、画像処理プローブ12に設けられなくてもよい。
【0040】
無線ユニット14は、画像処理プローブ12の筐体とは別の筐体内に構成される。これによって、医師、看護師等のユーザの着衣のポケットに無線ユニット14を収容するといった使用形態が可能であり、可搬性および操作性が向上する。例えば、ユーザは、無線ユニット14をポケットに収容して、無線ユニット14と画像処理プローブ12とを接続するケーブルを首に掛けながら画像処理プローブ12を患者に当接して、画像表示装置16の表示を参照してもよい。これによって、画像処理プローブ12の落下が防止される。また、画像表示装置16は、机上やベッドサイドに固定設置されてもよいし、ユーザが手で搬送してもよい。
【0041】
また、画像処理プローブ12が小型化または軽量化され、画像処理プローブ12の価格が抑えられる。これによって、超音波の走査方法に応じた複数種の画像処理プローブ12を用意するためのコストが軽減され得る。
【0042】
なお、上記では、画像処理プローブ12に無線ユニット14が着脱自在に有線接続される超音波診断システム100が示された。画像処理プローブ12は、無線ユニット14が有線接続されないときには、画像表示装置16が有線接続されるように構成されてもよい。この場合、プローブ制御部18は、画像表示装置16の処理に適した画像データ信号を生成し、シリアル通信部30aおよびシリアルデータ通信線42を介して画像データを画像表示装置16に有線送信する。また、電源供給線54が画像表示装置16に接続され、画像表示装置16からプローブ側電源回路32に電源電力が供給されてもよい。
【0043】
図3に示された無線超音波プローブ104では、画像処理プローブ12に設けられたUSBコネクタ60aにUSBケーブル62の一端のUSBプラグが接続され、USBケーブル62の他端のUSBプラグが画像表示装置16に接続されてもよい。この場合、画像処理プローブ12は、USBケーブル62を介して画像表示装置16に画像データ信号を送信する。また、画像表示装置16は、USBケーブル62を介して、画像処理プローブ12に電源電力を供給する。
【0044】
このように、画像処理プローブ12に無線ユニット14が有線接続されていないときは、画像処理プローブ12には、画像表示装置16が着脱自在に有線接続されてよい。画像表示装置16は、画像データ信号を取得し、ケーブルを介して少なくともプローブ制御部18に電源電力を供給する。
【符号の説明】
【0045】
12 画像処理超音波プローブ、14 無線ユニット、16 画像表示装置、18 プローブ制御部、20 送信部、22 振動子アレイ、24 超音波振動子、26 受信部、30a,30b シリアル通信部、32 プローブ側電源回路、42 シリアルデータ通信線、44 無線制御部、46 無線部、48 アンテナ、50 バッテリ、52 無線側電源回路、54 電源供給線、60a,60b USBコネクタ、62 USBケーブル、100 超音波診断システム、102,104 無線超音波プローブ。