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特開2022-189691石炭輸送による粉塵を抑制するための石炭含有廃水スプレー装置
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  • 特開-石炭輸送による粉塵を抑制するための石炭含有廃水スプレー装置 図1
  • 特開-石炭輸送による粉塵を抑制するための石炭含有廃水スプレー装置 図2
  • 特開-石炭輸送による粉塵を抑制するための石炭含有廃水スプレー装置 図3
  • 特開-石炭輸送による粉塵を抑制するための石炭含有廃水スプレー装置 図4
  • 特開-石炭輸送による粉塵を抑制するための石炭含有廃水スプレー装置 図5
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022189691
(43)【公開日】2022-12-22
(54)【発明の名称】石炭輸送による粉塵を抑制するための石炭含有廃水スプレー装置
(51)【国際特許分類】
   B05B 3/10 20060101AFI20221215BHJP
【FI】
B05B3/10 A
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021169758
(22)【出願日】2021-10-15
(31)【優先権主張番号】202110651570.7
(32)【優先日】2021-06-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】521445834
【氏名又は名称】▲華▼能国▲際▼▲電▼力股▲分▼有限公司上▲海▼石洞口第一▲電▼厂
(74)【代理人】
【識別番号】100137338
【弁理士】
【氏名又は名称】辻田 朋子
(74)【代理人】
【識別番号】100196313
【弁理士】
【氏名又は名称】村松 大輔
(72)【発明者】
【氏名】張 曉
(72)【発明者】
【氏名】胡 ▲シン▼
(72)【発明者】
【氏名】朱 平
(72)【発明者】
【氏名】韓 豐
(72)【発明者】
【氏名】趙 文▲ユェ▼
(72)【発明者】
【氏名】劉 潤漢
【テーマコード(参考)】
4F033
【Fターム(参考)】
4F033PA18
4F033PB23
4F033PD02
(57)【要約】      (修正有)
【課題】石炭輸送による粉塵を抑制するための石炭含有廃水スプレー装置を提供する。
【解決手段】本体ベース4は漏斗状のカバー体、第1ディスク体及び複数の破砕板を備え、破砕板は円周方向に沿ってカバー体の内側壁に間隔を置いて設置され、且つカバー体の大口径の一端に近接し、第1ディスク体はカバー体の小口径の一端を密封し、加速器5は円形の第2ディスク体を備え、モータ1の出力軸は第1ディスク体を通って第2ディスク体に接続され、第2ディスク体はカバー体の大口径の一端に近接し、且つカバー体の内側壁の間に第1間隔が設けられ、カバー体内には第1ディスク体と第2ディスク体の間に止水リングが設けられ、止水リングと第2ディスク体との間に第2間隔が設けられ、カバー体、第1ディスク体、第2ディスク体及び止水リングにより1つの給水スペースが構成され、カバー体の側壁には給水スペースとカバー体の外側とを連通する給水管が設けられる。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
石炭輸送による粉塵を抑制するための石炭含有廃水スプレー装置であって、
モータ(1)、押圧蓋(3)、本体ベース(4)及び加速器(5)を備え、前記本体ベース(4)は漏斗状のカバー体、第1ディスク体(4-13)及び複数の破砕板(4-9)を備え、前記複数の破砕板(4-9)は円周方向に沿ってカバー体の内側壁に間隔を置いて設置され、且つカバー体の大口径の一端に近接しており、前記第1ディスク体(4-13)はカバー体の小口径の一端を密封し、前記加速器(5)は円形の第2ディスク体(5-2)を備え、前記モータ(1)の出力軸(1-3)の端部は第1ディスク体(4-13)を通って第2ディスク体(5-2)に接続され、前記第2ディスク体(5-2)はカバー体の大口径の一端に近接しており、且つカバー体の内側壁との間に第1間隔が設けられ、前記カバー体内にはその軸方向に沿って第1ディスク体(4-13)と第2ディスク体(5-2)との間に位置する止水リング(4-8)が設けられ、前記止水リング(4-8)の直径は第2ディスク体(5-2)の直径より小さく、且つ止水リング(4-8)と第2ディスク体(5-2)との間に第2間隔が設けられ、前記カバー体、第1ディスク体(4-13)、第2ディスク体(5-2)及び止水リング(4-8)により1つの給水スペースが構成され、前記カバー体の側壁には給水スペースとカバー体の外側とを連通する給水管(4-1)が設けられ、
装置を使用するとき、前記出力軸(1-3)は第2ディスク体(5-2)を駆動して回転させ、初期沈殿した石炭含有廃水は給水管(4-1)から給水スペース内に送られて第2ディスク体(5-2)に集まり、前記石炭含有廃水は第2ディスク体(5-2)の駆動によって加速回転し始め、且つ遠心力の作用下で第2間隔を通ってカバー体の側壁に撒き散らされて、破砕板(4-9)と衝突し、元々の大きな水滴はより小さな水滴に分解され、前記より小さな水滴は遠心力の作用下で第1間隔を通ってカバー体外にスプレーされることを特徴とする石炭輸送による粉塵を抑制するための石炭含有廃水スプレー装置。
【請求項2】
前記第2ディスク体(5-2)には円周方向に沿って複数の径方向止水板(5-1)が均一に間隔を置いて設けられ、前記径方向止水板(5-1)は断面が扇形の柱体であり、前記扇形は第2ディスク体(5-2)と同心であることを特徴とする請求項1に記載の石炭輸送による粉塵を抑制するための石炭含有廃水スプレー装置。
【請求項3】
前記破砕板(4-9)に複数の凸縁(4-10)が均一に間隔を置いて設けられることを特徴とする請求項1に記載の石炭輸送による粉塵を抑制するための石炭含有廃水スプレー装置。
【請求項4】
前記破砕板(4-9)の位置する平面とカバー体の軸線との間に夾角が設けられることを特徴とする請求項1に記載の石炭輸送による粉塵を抑制するための石炭含有廃水スプレー装置。
【請求項5】
前記カバー体は順に接続される第3カバー体(4-14)、第1カバー体(4-7)及び第2カバー体(4-11)を含み、前記第1カバー体(4-7)及び第2カバー体(4-11)は円錐台形であり、前記第1カバー体(4-7)の外側壁の傾斜角は第2カバー体(4-11)の外側壁の傾斜角より小さく、前記破砕板(4-9)は第2カバー体(4-11)の内側壁に設けられることを特徴とする請求項1に記載の石炭輸送による粉塵を抑制するための石炭含有廃水スプレー装置。
【請求項6】
前記カバー体の端部に接続フランジ(4-2)が同軸に設けられ、前記モータ(1)に軸端フランジ(1-5)が設けられ、前記軸端フランジ(1-5)は接続フランジ(4-2)と固定して接続されることを特徴とする請求項1に記載の石炭輸送による粉塵を抑制するための石炭含有廃水スプレー装置。
【請求項7】
押圧蓋(3)及び密封部材(6)を更に備え、前記第1ディスク体(4-13)には密封部材(6)にフィットする取付溝(4-5)が設けられ、前記取付溝(4-5)の底部に第1軸孔(4-6)が設けられ、前記出力軸(1-3)は第1軸孔(4-6)を通り、前記密封部材(6)は出力軸(1-3)に套設され、且つ取付溝(4-5)内に位置し、前記押圧蓋(3)は出力軸(1-3)に套設され、且つ取付溝(4-5)を密封することを特徴とする請求項1に記載の石炭輸送による粉塵を抑制するための石炭含有廃水スプレー装置。
【請求項8】
前記密封部材(6)はスケルトンゴムシールリングであることを特徴とする請求項7に記載の石炭輸送による粉塵を抑制するための石炭含有廃水スプレー装置。
【請求項9】
前記押圧蓋(3)には取付溝(4-5)にフィットする位置決め凸肩(3-3)が設けられ、前記位置決め凸肩(3-3)は取付溝(4-5)内に位置することを特徴とする請求項7に記載の石炭輸送による粉塵を抑制するための石炭含有廃水スプレー装置。
【請求項10】
前記出力軸(1-3)の端部にキー(1-2)が設けられ、前記第2ディスク体(5-2)に中心柱体(5-3)が設けられ、前記中心柱体(5-3)には出力軸(1-3)にフィットする第2軸孔(5-4)が設けられ、前記第2軸孔(5-4)の内側壁にはキー(1-2)にフィットするキー溝(5-5)が設けられ、前記出力軸(1-3)の端部は第2軸孔(5-4)に延伸され、前記キー(1-2)はキー溝(5-5)内に位置することを特徴とする請求項1に記載の石炭輸送による粉塵を抑制するための石炭含有廃水スプレー装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は石炭輸送による粉塵を抑制する技術に関し、特に石炭輸送による粉塵を抑制するための石炭含有廃水スプレー装置に関する。
【背景技術】
【0002】
工業において石炭の輸送は様々な輸送装置により遂行し、輸送過程において、常に石炭粉塵が発生し、輸送装置及び現場でも常に堆積石炭が発生し、これらの粉塵の一部は輸送及び中継輸送過程において発生したものであり、石炭輸送現場に散り落ちるものもあり、輸送する石炭は装置の故障により現場に散り落ちる場合もあり、これらの石炭粉塵及び堆積石炭は環境を汚染するだけでなく、自然発火しやすい石炭もあるため、火災を誘発する恐れがあり、石炭輸送及び生産の安全を脅かしてしまう。
【0003】
石炭輸送時に発生した石炭粉塵に対して、現在よく使用されている方法は水又は霧をスプレーすることで粉塵を抑制することであり、このような方法は、
水又は霧を同時にスプレーして粉塵を抑制する装置はより複雑であり、極めて小さな噴射孔及び水流れ通路の水質への要求がより高く、そうでない場合にノズルが塞がれるため使用できなくなる。しかし、石炭輸送過程において、現場の環境をきれいにして、粉塵を抑制して、環境を保護するために、水スプレー方法は常に全体の生産運転過程において行われる。この過程は大量のきれいな水を消費する必要があるとともに、石炭輸送現場に水又は霧をスプレーして粉塵を抑制する装置を複数配置する必要もあることは明らかである、という問題がある。
【0004】
石炭輸送時に現場及び装置に対し堆積石炭を整理して、装置及び現場の清潔及び安全を維持する必要があることに対して、現在よく使用されている方法は水力で洗い流して清掃することであるが、このような方法は、
現場及び装置上の堆積石炭を水力で洗い流して洗浄するために、石炭輸送現場に水による洗い流し装置を複数配置する必要がある以外に、まず、大量のきれいな水を消費するとともに、再利用又は排出を満足するように大量の石炭含有廃水が不可避的に生成し、次に、石炭含有廃水の処理には複雑な方式を用いて大きなエネルギーを消費しなければ石炭含有廃水中の石炭及び水を分離できず、回収水で現場を洗い流し続けることができるが、石炭が回収され、このような過程は企業のコストを大幅に増加させてしまう、という問題がある。
【0005】
また、石炭含有廃水中の石炭のリサイクルには大量の労力及び物資を投入する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、上記従来技術の欠陥を克服して、石炭輸送による粉塵を抑制するための石炭含有廃水スプレー装置を提供することにあり、構造が簡単で、塞がれにくく、安定性が高く、初期沈殿した石炭含有廃水をスプレー用水として使用でき、粉塵抑制過程、石炭含有廃水の処理浄化過程及び石炭回収過程に投入する必要がある労力及び物資コストを大幅に節約する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の目的は下記技術案により実現できる。
【0008】
石炭輸送による粉塵を抑制するための石炭含有廃水スプレー装置であって、モータ、押圧蓋、本体ベース及び加速器を備え、前記本体ベースは漏斗状のカバー体、第1ディスク体及び複数の破砕板を備え、前記複数の破砕板は円周方向に沿ってカバー体の内側壁に間隔を置いて設置され、且つカバー体の大口径の一端に近接しており、前記第1ディスク体はカバー体の小口径の一端を密封し、前記加速器は円形の第2ディスク体を備え、前記モータの出力軸の端部は第1ディスク体を通って第2ディスク体に接続され、前記第2ディスク体はカバー体の大口径の一端に近接しており、且つカバー体の内側壁との間に第1間隔が設けられ、前記カバー体内にはその軸方向に沿って第1ディスク体と第2ディスク体との間に位置する止水リングが設けられ、前記止水リングの直径は第2ディスク体の直径より小さく、且つ止水リングと第2ディスク体との間に第2間隔が設けられ、前記カバー体、第1ディスク体、第2ディスク体及び止水リングにより1つの給水スペースが構成され、前記カバー体の側壁には給水スペースとカバー体の外側とを連通する給水管が設けられ、
装置を使用するとき、前記出力軸は第2ディスク体を駆動して回転させ、初期沈殿した石炭含有廃水は給水管から給水スペース内に送られて、まず第2ディスク体に集まり、第2ディスク体は石炭含有廃水を駆動して回転させ、前記石炭含有廃水は遠心力の作用下で第2間隔を通って第2ディスク体の円周接線方向に沿ってカバー体の側壁に撒き散らされ、このとき、石炭含有廃水の速度は第2ディスク体の縁部の線速度と同じであり、前記石炭含有廃水は破砕板と衝突し、水流れの衝撃力によって、元々の大きな水滴はより小さな水滴に分解され、前記より小さな水滴は遠心力の作用下で第1間隔を通ってカバー体外にスプレーされて、石炭粉塵中の微細な石炭粒子に接着され、粉塵を抑制する役割を果たす。
前記給水スペースは、給水管からカバー体内に入った石炭含有廃水がまず給水スペース内に集まり、入った石炭含有廃水がある固定位置で衝撃することを回避し、前記石炭含有廃水が回転する第2ディスク体の表面に迅速に分散され得るように確保することができる。
前記石炭含有廃水は水、小さな石炭粒子、石炭綿状物及び各化学成分を含有する混合物であり、従来のノズルにおける極めて小さな噴射孔及び水流れ通路は石炭含有廃水中の様々な粒径の石炭で塞がれやすいため、このような水質に適用できず、吹きかける役割を果たすことが不可能であり、第2ディスク体とカバー体の内側壁との間に第1間隔が設けられ、且つ破砕板に接触することがないため、前記石炭含有廃水が流れる箇所では、そのスペースは石炭含有廃水に含まれる粒子直径の物体又は石炭を通過させることができるとともに、遠心力の作用下で、前記石炭含有廃水がその内部に堆積する現象が発生しにくいため、石炭含有廃水に含まれる大きな石炭粒子で塞がれる現象が発生しないように確保することができ、スプレー装置が石炭含有廃水をスプレーする際に連続的に安定して動作できるように確保する。
前記石炭含有廃水は初期沈殿された後に粉塵抑制のためのスプレー用水とされることができ、石炭含有廃水の回収処理過程を簡素化し、粉塵抑制過程に投入する必要がある労力及び物資コストを大幅に節約する。
【0009】
更に、前記第2ディスク体には円周方向に沿って複数の径方向止水板が均一に間隔を置いて設けられ、前記径方向止水板は断面が扇形の柱体であり、前記扇形は第2ディスク体と同心であり、前記径方向止水板は第2ディスク体に集まる石炭含有廃水を第2ディスク体につれて回転させることができ、石炭含有廃水を加速させる役割を果たし、それにより石炭含有廃水を均一且つ迅速に分散させ、スプレー装置のスプレー効果を向上させる。
【0010】
更に、前記破砕板に複数の凸縁が均一に間隔を置いて設けられ、該複数の凸縁は水流れの衝突効果を強化することに用いられ、水流れの分散効果を向上させ、更に水滴の粒度を微細化し、スプレー効果を向上させる。
【0011】
更に、前記破砕板の位置する平面とカバー体軸線との間に夾角が設けられ、前記破砕板の位置する平面の法線はスプレー装置から離れる方向に向かい、衝撃後の水滴をスプレー装置から離れる方向へ移動させ、スプレー装置のスプレー範囲を広げる。
【0012】
更に、前記カバー体は順に接続される第3カバー体、第1カバー体及び第2カバー体を含み、前記第1カバー体及び第2カバー体は円錐台形であり、前記第1カバー体の外側壁の傾斜角は第2カバー体の外側壁の傾斜角より小さく、前記破砕板は第2カバー体の内側壁に設けられ、破砕板の軸方向に対する傾角を第2ディスク体から撒き散らした石炭含有廃水に更にフィットさせ、水流れの分散効果を向上させる。
【0013】
更に、前記カバー体の端部に接続フランジが同軸に設けられ、前記モータに軸端フランジが設けられ、前記軸端フランジは接続フランジと固定して接続される。
【0014】
更に、前記装置は更に押圧蓋及び密封部材を備え、前記第1ディスク体には密封部材にフィットする取付溝が設けられ、前記取付溝の底部に第1軸孔が設けられ、前記出力軸は第1軸孔を通り、前記密封部材は出力軸に套設され、且つ取付溝内に位置し、前記押圧蓋は出力軸に套設され、且つ取付溝を密封し、前記密封部材は出力軸の外円柱面に巻き付けられ、水が出力軸に沿ってモータへ流れることを防止することができ、密封役割を果たす。
【0015】
更に、前記密封部材はスケルトンゴムシールリングであり、そのゴムリップの縁部は弾性を有し、密封性が高く、耐食性が高い。
【0016】
更に、前記押圧蓋には取付溝にフィットする位置決め凸肩が設けられ、前記位置決め凸肩は取付溝内に位置し、前記位置決め凸肩は押圧蓋の位置決めを実現することができるとともに、密封部材を圧着することができ、密封効果を向上させる。
【0017】
更に、前記出力軸は第2軸孔によって第2ディスク体に固定して接続され、前記出力軸の端部にキーが設けられ、前記第2ディスク体に中心柱体が設けられ、前記中心柱体には出力軸にフィットする第2軸孔が設けられ、前記第2軸孔の内側壁にはキーにフィットするキー溝が設けられ、前記出力軸の端部は第2軸孔に延伸され、前記キーはキー溝内に位置し、前記出力軸はキー及びキー溝によって第2ディスク体を駆動して回転させる。
【発明の効果】
【0018】
従来技術に比べて、本発明は、以下のような効果を有する。
(1)本発明のカバー体、第1ディスク体、第2ディスク体及び止水リングにより1つの給水スペースが構成され、カバー体の側壁には給水スペースとカバー体の外側とを連通する給水管が設けられ、加速器はモータの出力軸に駆動接続される円形の第2ディスク体を備え、第2ディスク体とカバー体の内側壁との間に第1間隔が設けられ、止水リングと第2ディスク体との間に第2間隔が設けられるので、スプレー装置の内部の水流れ通路は石炭含有廃水に含まれる様々な粒子の直径より大きいため、石炭で塞がれる現象が発生することがなく、スプレー装置が石炭含有廃水をスプレーする際に連続的に安定して動作できるように確保し、安定性が高く、石炭含有廃水は給水管から給水スペース内に送られ、まず第2ディスク体に集まり、第2ディスク体の駆動によって第2間隔を通って第2ディスク体の円周接線方向に沿ってカバー体の側壁に撒き散らされ、このとき、石炭含有廃水の速度は第2ディスク体の縁部の線速度と同じであり、石炭含有廃水は破砕板と衝突し、衝突過程において、元々の大きな水滴はより小さな水滴に分解され、より小さな水滴は遠心力の作用下で第1間隔を通ってカバー体外に撒き散らされて、石炭粉塵中の微細な石炭粒子に接着され、粉塵を抑制する役割を果たし、モータにより加速器を駆動し、構造が簡単で、故障率がより低い。
(2)本発明の給水スペースは、給水管からカバー体内に入った石炭含有廃水がまず給水スペース内に集まり、入った石炭含有廃水がある固定位置で衝撃するように確保することができ、石炭含有廃水は迅速に分散することができる。
(3)本発明は初期沈殿した石炭含有廃水を使用することができ、それにより石炭輸送現場で洗浄により生成した大量の石炭含有廃水を消費することができ、石炭含有廃水を処理するために複雑で高価な水浄化装置を投入する必要がなく、石炭含有廃水の回収処理過程を簡素化するとともに、直接に石炭含有廃水を用いることにより、通常のスプレー装置によりスプレーして粉塵を抑制する際に消費する必要がある大量のきれいな水を節約することができ、石炭含有廃水をスプレー用水として用いることにより、直接に廃水中の石炭を回収することができ、粉塵抑制過程及び石炭含有廃水の浄化処理過程に投入する必要がある労力及び物資コストを大幅に節約する。
(4)本発明の第2ディスク体には円周方向に沿って複数の径方向止水板が均一に間隔を置いて設けられ、径方向止水板は断面が扇形の柱体であり、扇形は第2ディスク体と同心であり、径方向止水板は第2ディスク体に集まっている石炭含有廃水を加速させることができ、石炭含有廃水を均一且つ迅速に分散させることができ、スプレー装置のスプレー効果を向上させる。
(5)本発明の破砕板には水流れの衝突効果を強化するための複数の凸縁が均一に間隔を置いて設けられ、水流れの分散効果を向上させ、更に水滴の粒度を微細化し、スプレーによる粉塵抑制効果を向上させる。
(6)本発明の破砕板の位置する平面とカバー体軸線との間に夾角が設けられ、破砕板の位置する平面の法線はスプレー装置から離れる方向に向かい、衝撃後の水滴をスプレー装置から離れる方向へ移動させ、水滴がスプレー装置の内部に飛散することを回避し、水滴の微細化効率を向上させ、スプレー装置のスプレー範囲を広げる。
(7)本発明のカバー体は順に接続される第3カバー体、第1カバー体及び第2カバー体を含み、第1カバー体及び第2カバー体は円錐台形であり、第1カバー体の外側壁の傾斜角は第2カバー体の外側壁の傾斜角より小さく、破砕板は第2カバー体の内側壁に設けられ、破砕板の軸方向に対する傾角を第2ディスク体から撒き散らした石炭含有廃水に更にフィットさせ、水流れの分散効果を向上させる。
(8)本発明の装置は更に押圧蓋及び密封部材を備え、第1ディスク体には密封部材にフィットする取付溝が設けられ、取付溝の底部に第1軸孔が設けられ、出力軸は第1軸孔を通り、密封部材は出力軸に套設され、且つ取付溝内に位置し、押圧蓋は出力軸に套設され、且つ取付溝を密封し、密封部材は出力軸の外円柱面に巻き付けられ、水が出力軸に沿って流れることを防止することができ、密封役割を果たす。
(9)本発明の密封部材はスケルトンゴムシールリングであり、そのゴムリップの縁部は弾性を有し、密封性が高く、耐食性が高い。
(10)本発明の押圧蓋には取付溝にフィットする位置決め凸肩が設けられ、位置決め凸肩は取付溝内に位置し、位置決め凸肩は押圧蓋の位置決めを実現することができるとともに、密封部材を圧着することができ、密封効果を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】モータの構造模式図である。
図2】本体ベースの構造断面図である。
図3】加速器の構造模式図である。
図4】本発明の構造断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照しながら具体的な実施例によって本発明を詳しく説明する。本実施例は本発明の技術案を基に実施され、詳しい実施形態及び具体的な操作過程を示すが、本発明の保護範囲は下記実施例に限らない。
【0021】
石炭輸送による粉塵を抑制するための石炭含有廃水スプレー装置であって、モータ1、押圧蓋3、本体ベース4及び加速器5を備え、本体ベース4は漏斗状のカバー体、第1ディスク体4-13及び複数の破砕板4-9を備え、複数の破砕板4-9は円周方向に沿ってカバー体の内側壁に間隔を置いて設置され、且つカバー体の大口径の一端に近接しており、第1ディスク体4-13はカバー体の小口径の一端を密封し、加速器5は円形の第2ディスク体5-2を備え、モータ1の出力軸1-3の端部は第1ディスク体4-13を通って第2ディスク体5-2に接続され、第2ディスク体5-2はカバー体の大口径の一端に近接しており、且つカバー体の内側壁との間に第1間隔が設けられ、カバー体内にはその軸方向に沿って第1ディスク体4-13と第2ディスク体5-2との間に位置する止水リング4-8が設けられ、止水リング4-8の直径は第2ディスク体5-2の直径より小さく、且つ止水リング4-8と第2ディスク体5-2との間に第2間隔が設けられ、カバー体、第1ディスク体4-13、第2ディスク体5-2及び止水リング4-8により1つの給水スペースが構成され、カバー体の側壁には給水スペースとカバー体の外側とを連通する給水管4-1が設けられる。
モータ1は2極モータを用い、同期回転速度が3000r/minに接近し、第2ディスク体5-2の円周における線速度は回転速度と周長との積であり、第2ディスク体5-2の周長が大きければ大きいほど、線速度が高くなり、モータ1に接続箱1-6が設けられる。
装置を使用するとき、出力軸1-3は第2ディスク体5-2を駆動して回転させ、初期沈殿した石炭含有廃水は給水管4-1から給水スペース内に送られ、まず第2ディスク体5-2に集まり、且つ第2ディスク体5-2によって石炭含有廃水を駆動して回転させ、遠心力の作用下で、石炭含有廃水は第2間隔を通って第2ディスク体5-2の円周接線方向に沿ってカバー体の側壁に撒き散らされ、このとき、石炭含有廃水の速度は第2ディスク体5-2の縁部の線速度と同じであり、石炭含有廃水は破砕板4-9と衝突し、水流れの衝撃力によって、元々の大きな水滴はより小さな水滴に分解され、より小さな水滴は遠心力の作用下で第1間隔を通ってカバー体外にスプレーされて、石炭粉塵中の微細な石炭粒子に接着され、粉塵を抑制する役割を果たす。
給水スペースは、給水管4-1からカバー体内に入った石炭含有廃水がまず給水スペース内に集まり、入った石炭含有廃水がある固定位置で衝撃することを回避し、石炭含有廃水が迅速に分散され得るように確保することができる。
石炭含有廃水は水、小さな石炭粒子、石炭綿状物及び各化学成分を含有する混合物であり、従来のノズルにおける極めて小さな噴射孔及び水流れ通路は石炭含有廃水中の様々な粒径の石炭で塞がれやすく、従って、このような水質に適用できず、吹きかける役割を果たすことが不可能であり、第2ディスク体5-2とカバー体の内側壁との間に第1間隔が設けられ、且つ破砕板4-9に接触することがないため、石炭含有廃水が流れる箇所では、そのスペースは石炭含有廃水に含まれる粒子直径の物体又は石炭を通過させることができるとともに、遠心力の作用下で、石炭含有廃水がその内部に堆積する現象が発生しにくく、従って、石炭含有廃水に含まれる直径がより大きな粒子で塞がれる現象が発生しないように確保することができ、スプレー装置が石炭含有廃水をスプレーする際に連続的に安定して動作できるように確保する。
石炭含有廃水は初期沈殿された後に粉塵抑制のためのスプレー用水とされることができ、石炭含有廃水の回収処理過程を簡素化し、粉塵抑制過程に投入する必要がある労力及び物資コストを大幅に節約し、石炭輸送現場での石炭含有廃水の収集は主に石炭スラリープールにより実現され、石炭スラリープールは一次沈殿の特徴を有するため、石炭含有廃水に含まれ得る大粒子又は石炭は石炭スラリープールで既に沈殿したが、スプレーとして使用される石炭含有廃水に含まれる粒子の直径がいずれも20mmより小さく、大きな石炭粒子がなく、これらの石炭粒子はスプレー装置に影響することがない。
【0022】
第2ディスク体5-2には円周方向に沿って複数の径方向止水板5-1が均一に間隔を置いて設けられ、径方向止水板5-1は断面が扇形の柱体であり、扇形は第2ディスク体5-2と同心であり、径方向止水板5-1は第2ディスク体5-2に集まっている石炭含有廃水を均一且つ迅速に分散させることができ、スプレー装置のスプレー効果を向上させる。
【0023】
破砕板4-9に複数の凸縁4-10が均一に間隔を置いて設けられ、該複数の凸縁4-10は水流れの衝撃効果を強化することに用いられ、水流れの分散効果を向上させ、更に水滴の粒度を微細化し、スプレー効果を向上させる。
【0024】
破砕板4-9の位置する平面とカバー体軸線との間に夾角が設けられ、破砕板4-9の位置する平面の法線はスプレー装置から離れる方向に向かい、衝撃後の水滴をスプレー装置から離れる方向へ移動させ、スプレー装置のスプレー範囲を広げる。
【0025】
第2ディスク体5-2が回転する方向は投げ出された石炭含有廃水を破砕板4-9における凸縁4-10がある表面に直接衝突させる方向であり、そうでない場合、スプレー装置は正常に動作できない。
【0026】
カバー体は順に接続される第3カバー体4-14、第1カバー体4-7及び第2カバー体4-11を含み、第1カバー体4-7及び第2カバー体4-11は円錐台形であり、第1カバー体4-7の外側壁の傾斜角は第2カバー体4-11の外側壁の傾斜角より小さく、破砕板4-9は第2カバー体4-11の内側壁に設けられ、破砕板4-9の軸方向に対する傾角を第2ディスク体5-2から撒き散らされた石炭含有廃水に更にフィットさせ、水流れの分散効果を向上させる。
【0027】
カバー体の端部に接続フランジ4-2が同軸に設けられ、モータ1に軸端フランジ1-5が設けられ、軸端フランジ1-5に第1ねじ穴1-4が開設され、接続フランジ4-2に第2ねじ穴4-3及び取付孔4-12が開設され、軸端フランジ1-5は第1ねじ穴1-4及び第2ねじ穴4-3を通る第1ボルト2によって接続フランジ4-2と固定して接続され、スプレー装置は取付孔4-12によって位置を固定する。
【0028】
装置は更に押圧蓋3及び密封部材6を備え、第1ディスク体4-13には密封部材6にフィットする取付溝4-5が設けられ、取付溝4-5の底部に第1軸孔4-6が設けられ、出力軸1-3は第1軸孔4-6を通り、密封部材6は出力軸1-3に套設され、且つ取付溝4-5内に位置し、押圧蓋3に第3軸孔3-4が設けられ、且つ第3軸孔3-4によって出力軸1-3に套設され、且つ取付溝4-5を密封し、密封部材6は出力軸1-3の外円柱面に巻き付けられ、水が出力軸1-3に沿って流れることを防止することができ、密封役割を果たす。
【0029】
密封部材6はスケルトンゴムシールリングであり、そのゴムリップの縁部は弾性を有し、密封性が良い。
【0030】
押圧蓋3に第4ねじ穴3-2が設けられ、第1ディスク体4-13に第3ねじ穴4-4が設けられ、押圧蓋3は第4ねじ穴3-2及び第3ねじ穴4-4を通る第2ボルト7によって第1ディスク体4-13に固定される
押圧蓋3には取付溝4-5にフィットする位置決め凸肩3-3が設けられ、位置決め凸肩3-3は取付溝4-5内に位置し、位置決め凸肩3-3は押圧蓋3の位置決めを実現することができるとともに、密封部材6を圧着することができ、密封効果を向上させる。
【0031】
出力軸1-3の端部にキー1-2が設けられ、第2ディスク体5-2に中心柱体5-3が設けられ、中心柱体5-3には出力軸1-3にフィットする第2軸孔5-4が設けられ、第2軸孔5-4の内側壁にはキー1-2にフィットするキー溝5-5が設けられ、出力軸1-3の端部は第2軸孔5-4に延伸され、キー1-2はキー溝5-5内に位置する。
【0032】
本実施例は石炭輸送による粉塵を抑制するための石炭含有廃水スプレー装置を提供し、構造が簡単で、装置自体が安全且つ確実であり、加速器5を用いてスプレー装置に流れる石炭含有廃水を加速させ、石炭含有廃水をより高い速度にして破砕板4-9と衝突させ、衝突力の作用下で水を大量のより小さな直径の水滴に分解し、これらの水滴を石炭輸送による粉塵に結合させることにより、粉塵抑制機能を実現し、スプレー装置の内部の水流れ通路は石炭含有廃水に含まれる様々な粒子の直径より大きく、従って、塞がれる現象が発生することがなく、2極モータを選んで用いることにより、より高い回転速度を取得し、加速器を駆動し、構造がより簡単で、故障率がより低く、石炭輸送現場での連続的に安定して動作する要件を満足することができる。
スプレー装置は石炭含有廃水を再利用することができ、それにより石炭輸送現場での洗浄による大量の石炭含有廃水を使いつくすことができ、石炭含有廃水を処理するために複雑で高価な水浄化装置を投入する必要がないとともに、直接に石炭含有廃水を使用することにより、通常のスプレー装置が粉塵抑制のためのスプレーを行う際に使う必要がある大量のクリーン水を節約することができ、石炭含有廃水をスプレー用水として用いることにより、直接に廃水中の石炭を回収することができ、
本実施例に係るスプレー装置を使用して初期沈殿後の石炭含有廃水を再利用することは、真新しい石炭輸送による石炭含有廃水を処理する方法であり、従来の粉塵抑制のためのスプレーと廃水の回収処理が分離するプロセスフローに比べて進歩性があり、従来のプロセス方法は水を消費し、エネルギーを消費し、且つ処理装置が高価であり、このような従来の方法に比べて、本実施例に係るスプレー装置はより大きな経済効果が発生する。
【0033】
以上は本発明の好ましい具体的な実施例を詳しく説明した。理解されるように、当業者は創造的な労力を要することなく本発明の構想に基づいて種々の修正や変化を行うことができる。従って、当業者が本発明の構想に基づいて従来技術を基に論理分析、推理又は限られた実験によって取得し得る技術案は、いずれも特許請求の範囲により決定された保護範囲内に含まれるべきである。
【符号の説明】
【0034】
1 モータ
2 第1ボルト
3 押圧蓋
4 本体ベース
5 加速器
6 密封部材
7 第2ボルト
1-1 ケース
1-2 キー
1-3 出力軸
1-4 第1ねじ穴
1-5 軸端フランジ
1-6 接続箱
3-1 押圧蓋板
3-2 第4ねじ穴
3-3 位置決め凸肩
3-4 第3軸孔
4-1 給水管
4-2 接続フランジ
4-3 第2ねじ穴
4-4 第3ねじ穴
4-5 取付溝
4-6 第1軸孔
4-7 第1カバー体
4-8 止水リング
4-9 破砕板
4-10 凸縁
4-11 第2カバー体
4-12 取付孔
4-13 第1ディスク体
4-14 第3カバー体
5-1 径方向止水板
5-2 第2ディスク体
5-3 中心柱体
5-4 第2軸孔
5-5 キー溝

図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2021-12-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0019】
図1】モータの構造模式図である。
図2】本体ベースの構造断面図である。
図3】加速器の構造模式図である。
図4押圧蓋の模式図である。
図5石炭含有排水スプレー装置の構造断面図である。