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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022189711
(43)【公開日】2022-12-22
(54)【発明の名称】知育玩具およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   A63H 33/00 20060101AFI20221215BHJP
   G09B 5/06 20060101ALI20221215BHJP
   G09B 11/00 20060101ALI20221215BHJP
   G06F 3/04883 20220101ALI20221215BHJP
【FI】
A63H33/00 302E
G09B5/06
G09B11/00
G06F3/0488 130
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022025168
(22)【出願日】2022-02-21
(62)【分割の表示】P 2021097628の分割
【原出願日】2021-06-10
(71)【出願人】
【識別番号】000135748
【氏名又は名称】株式会社バンダイ
(72)【発明者】
【氏名】小沢 緋奈子
【テーマコード(参考)】
2C028
2C150
5E555
【Fターム(参考)】
2C028BA00
2C028BB01
2C028BC01
2C150BA54
2C150EE00
5E555AA13
5E555AA76
5E555BA20
5E555BB20
5E555BC19
5E555CA12
5E555CB11
5E555CB12
5E555DA23
5E555DB41
5E555DB53
5E555DC13
5E555DC85
5E555DD06
5E555EA07
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】興趣性を高め、子供に十分な学習意欲を惹起させることができる技術を提供する。
【解決手段】知育玩具1は、所定の文を提示し(ステップS302,S303)、所定の文に対応させて利用者が手書きで文字を入力し(ステップS304,S305)、所定の文に応じた演出として、文、画像、および音声のうち少なくとも1つを含む演出のデータを記憶しておき、所定の文に応じた演出を出力する(ステップS307,S308,S309)。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の文を提示する提示部と、
前記所定の文に対応させて、利用者が手書きで文字を入力する入力部と、
前記所定の文に応じた演出として、文、画像、および音声のうち少なくとも1つを含む演出のデータを記憶する記憶部と、
前記所定の文に応じた前記演出を出力する出力部と、
制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記提示部により前記所定の文を提示し、
前記入力部への入力を検出し、
前記所定の文に応じた前記演出のデータを前記記憶部から読み出して前記出力部に前記演出を出力させる、
知育玩具。
【請求項2】
請求項1記載の知育玩具において、
前記入力部は、前記所定の文に対応させた、なぞり書き用の文を表示し、
前記入力部は、入力された文字の文字画像情報を検出しながら、前記なぞり書き用の文の上に重ねて前記文字画像情報を表示する、知育玩具。
【請求項3】
請求項1記載の知育玩具において、
前記制御部は、前記演出の少なくとも一部を出力させる際に、前記入力部で検出した文字画像情報を表示させる、知育玩具。
【請求項4】
請求項1記載の知育玩具において、
前記利用者が前記入力部への入力が完了したことを判定する判定部を有し、
前記制御部は、前記判定部での判定を契機として、前記演出を出力させる、知育玩具。
【請求項5】
請求項4記載の知育玩具において、
前記判定部は、前記利用者が前記入力部への入力が完了したことを示す操作を入力する操作入力部を含み、
前記判定部は、前記操作入力部の前記操作の入力を契機として、入力が完了したと判定する、知育玩具。
【請求項6】
請求項5記載の知育玩具において、
前記操作入力部は、前記入力部への入力が検出されたことを条件に、前記操作の入力を有効として受け付ける状態になる、知育玩具。
【請求項7】
請求項1記載の知育玩具において、
前記制御部は、前記入力部に入力された文字の文字画像情報についての文字認識処理を行わず、前記入力部に入力された文字の文字画像情報がどのような内容であっても、少なくとも一部の文字画像情報がある場合には、前記演出を出力させる、知育玩具。
【請求項8】
請求項1記載の知育玩具において、
前記提示部は、前記所定の文として、複数の文を選択肢として提示し、
前記入力部は、前記利用者が前記複数の文から選択した文に対応させた文字を入力し、
前記記憶部は、前記複数の文のそれぞれの文に応じた演出のデータを記憶し、
前記制御部は、前記利用者が選択した文に応じた演出のデータを前記記憶部から読み出して前記出力部に前記演出を出力させる、知育玩具。
【請求項9】
請求項1記載の知育玩具において、
前記記憶部は、前記所定の文に応じた前記演出として、複数の演出のデータを記憶し、
前記制御部は、前記所定の文に応じて、前記複数の演出から選択した演出のデータを前記記憶部から読み出して前記出力部に前記演出を出力させる、知育玩具。
【請求項10】
請求項2記載の知育玩具において、
前記制御部は、前記演出の少なくとも一部を出力させる際に、前記なぞり書き用の文を非表示として、または次第に消去させながら、前記入力部で検出した文字画像情報を表示させる、または次第に表示させる、知育玩具。
【請求項11】
請求項1記載の知育玩具において、
前記所定の文は、前記利用者からキャラクターへの手紙または会話の文であり、
前記演出は、前記キャラクターから前記利用者への応答における、手紙または会話の文、キャラクター画像、およびキャラクター音声の少なくとも1つを含む、知育玩具。
【請求項12】
請求項1記載の知育玩具において、
前記所定の文は、手紙の文であり、
前記演出は、前記手紙の便箋の画像、エフェクト画像、および効果音を含み、
前記手紙の便箋の画像上に、前記入力部で検出した文字画像情報が表示される、知育玩具。
【請求項13】
知育玩具に情報処理を実行させるためのプログラムであって、
前記知育玩具は、
所定の文を提示する提示部と、
前記所定の文に対応させて、利用者が手書きで文字を入力する入力部と、
前記所定の文に応じた演出として、文、画像、および音声のうち少なくとも1つを含む演出のデータを記憶する記憶部と、
前記所定の文に応じた前記演出を出力する出力部と、
制御部と、
を備え、
前記制御部に、前記提示部により前記所定の文を提示し、前記入力部への入力を検出し、前記所定の文に応じた前記演出のデータを前記記憶部から読み出して前記出力部に前記演出を出力させる、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、知育玩具の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
子供向けの知育玩具に関して、子供が文字を書く練習・学習を楽しくできるように工夫した技術がある。先行技術例として、特開2001-194986号公報(特許文献1)が挙げられる。特許文献1には、知育玩具として、単に文字を書くだけではなく文字の読み方を合わせて学習することができるとともに、ゲーム感覚で文字を書く練習ができ、飽きのこない知育玩具を提供する旨が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001-194986号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、知育玩具は、手書き文字入力部に入力された文字の文字認識に応じて文字音声を出力させる旨が記載されている。特許文献1のような先行技術例では、手書きでの文字の入力は一文字に限られており、その一文字の音声が出力されるだけである。そのため、先行技術例では、子供が文字を書く練習・学習に関して、興趣性が不十分であり、子供に十分な学習意欲を惹起させることは難しい。
【0005】
本発明の目的は、子供が文字を書く練習・学習を可能とする知育玩具の技術に関して、興趣性を高め、子供に十分な学習意欲を惹起させることができる技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のうち代表的な実施の形態は以下に示す構成を有する。実施の形態の知育玩具は、所定の文を提示する提示部と、前記所定の文に対応させて、利用者が手書きで文字を入力する入力部と、前記所定の文に応じた演出として、文、画像、および音声のうち少なくとも1つを含む演出のデータを記憶する記憶部と、前記所定の文に応じた前記演出を出力する出力部と、制御部と、を備え、前記制御部は、前記提示部により前記所定の文を提示し、前記入力部への入力を検出し、前記所定の文に応じた前記演出のデータを前記記憶部から読み出して前記出力部に前記演出を出力させる。
【発明の効果】
【0007】
本発明のうち代表的な実施の形態によれば、子供が文字を書く練習・学習を可能とする知育玩具の技術に関して、興趣性を高め、子供に十分な学習意欲を惹起させることができる。上記した以外の課題、構成および効果等については、発明を実施するための形態において説明される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施の形態1の知育玩具の構成を示す。
図2】実施の形態1の知育玩具の機能ブロック構成例を示す。
図3】実施の形態1の知育玩具の処理フローを示す。
図4】実施の形態1で、文と演出のデータの構成例を示す。
図5】実施の形態1で、画面例その1およびその2を示す。
図6】実施の形態1で、画面例その3およびその4を示す。
図7】実施の形態1で、画面例その5およびその6を示す。
図8】実施の形態1で、画面例その7およびその8を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態を詳細に説明する。図面において、同一部には原則として同一符号を付し、繰り返しの説明を省略する。図面において、各構成要素の表現は、発明の理解を容易にするために、実際の位置、大きさ、形状、および範囲等を表していない場合がある。説明上、プログラムによる処理について説明する場合に、プログラムや機能や処理部等を主体として説明する場合があるが、それらについてのハードウェアとしての主体は、プロセッサ、あるいはそのプロセッサ等で構成されるコントローラ、装置、計算機、システム等である。計算機は、プロセッサによって、適宜にメモリや通信インタフェース等の資源を用いながら、メモリ上に読み出されたプログラムに従った処理を実行する。これにより、所定の機能や処理部等が実現される。プロセッサは、例えばCPUやGPU等の半導体デバイス等で構成される。プロセッサは、所定の演算が可能な装置や回路で構成される。処理は、ソフトウェアプログラム処理に限らず、専用回路でも実装可能である。専用回路は、FPGA、ASIC、CPLD等が適用可能である。プログラムは、対象計算機に予めデータとしてインストールされていてもよいし、プログラムソースから対象計算機にデータとして配布されてインストールされてもよい。プログラムソースは、通信網上のプログラム配布サーバでもよいし、非一過性のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体(例えばメモリカード)等でもよい。プログラムは、複数のモジュールから構成されてもよい。各種のデータや情報は例えばテーブルやリスト等の構造で表現されるが、これに限定されない。識別情報、識別子、ID、名、番号等の表現は互いに置換可能である。
【0010】
<実施の形態1>
図1図8を用いて、本発明の実施の形態1の知育玩具について説明する。実施の形態1の知育玩具は、利用者である子供が簡単な文(複数の文字から成る)を書く練習・学習を楽しく行うことができる機能を有するものであり、利用者が画面で選択して手書き入力した文に応じた演出を出力するものである。実施の形態1では、文の入力および演出の出力は、利用者からフィクション上のキャラクターに対する手紙(文を含む)の送付とそれに対するキャラクターからの返事を含む演出という形式で実現される。
【0011】
[知育玩具]
図1は、実施の形態1の知育玩具1の構成を示す。この知育玩具1は、パッド型(言い換えると概略平板形状)の電子装置である。知育玩具1は、パッド型の筐体2と、付属するタッチペン3とを有する。タッチペン3は、筐体2に取り付け・取り外しが可能である。筐体2にはコンピュータが内蔵されている。筐体2には、主面である表面において、表示パネル4の画面が配置されている。表示パネル4は、本例では液晶タッチパネルモジュールであり、表示手段かつ入力手段である部分である。表示パネル4の画面は、利用者によるタッチペン3(または手指)による入力操作を受け付ける。表示パネル4の画面は、特に後述の手書き文字入力の際に、タッチペン3による入力を受け付ける。なお、タッチペン3による入力を、手書き入力とも称する。
【0012】
表示パネル4は、タッチ入力を検出するタッチセンサ等の機構を備えており、画面内においてタッチペン3の先端が近接や接触した位置の位置座標等を検出可能である。実施の形態1では、表示パネル4の画面に対する入力は、専用のタッチペン3による入力を基本として推奨するが、これに限らず、直接的に手指による入力とすることも可能である。
【0013】
筐体2には、各種のボタン5が設けられている。ボタン5は、電源ボタン、音量ボタン、ホームボタンなどがある。筐体2には、音声出力可能なスピーカ6も設けられている。
【0014】
図1での表示パネル4の画面には、メニュー画面が表示されている。メニュー画面内には、複数のアイコン7が表示されている。アイコン7は、例えば「プログラミング学習」、「算数」、「英語」といった、選択可能な機能(対応するアプリ)の項目を表している。複数のうちの1つのアイコン7は、実施の形態1での特徴である、手紙の形式で文を書く練習・学習用のアプリケーションを選択するためのアイコンである。このアプリを、説明上、「手紙アプリ」とも記載する。この手紙アプリは、名称としては例えば「○○に手紙を出そう」または「○○に文を書こう」(「○○」はキャラクターの名前)といったものとなる。なお、メニューは階層構造になっていてもよく、例えば「国語」アイコン選択時の下階層に「手紙アプリ」アイコン等があるといった構成でもよい。
【0015】
後述の「手紙アプリ」の動作中における利用者の操作は、基本的にすべて表示パネル4の画面でのタッチ入力操作によって実現される。この動作中の利用者操作のために、筐体2に専用のハードウェアボタンの具備は必要無い。変形例としては、筐体2に、アプリの操作のための専用のハードウェアボタンが設けられてもよい。例えば後述の完成ボタンが、画面内のソフトウェアボタン(言い換えると画像)ではなく、画面外のハードウェアボタンとして設けられてもよい。
【0016】
[コンピュータシステム]
図2は、知育玩具1におけるコンピュータシステムとしての機能ブロック構成例を示す。知育玩具1は、プロセッサ101、メモリ102、表示装置103(表示パネル4を含む)、スピーカ104、操作入力部105(ボタン等)、インタフェース装置106、バッテリ107等を備え、それらはバス等を介して相互に接続されている。
【0017】
プロセッサ101は、CPU、ROM、RAM等で構成され、知育玩具1の全体および各部を制御するコントローラを構成する。プロセッサ101は、プログラム51に基づいた処理によって、各部を実現する。知育玩具1は、各部として、制御部11、提示部12、入力部13、記憶部14、出力部15、判定部16および操作入力部17を有する。
【0018】
メモリ102は、不揮発性記憶装置等で構成され、プロセッサ101等が扱う各種のデータや情報が記憶される。メモリ102には、例えば、プログラム51、設定情報52、演出データ53、表示データ54等が記憶される。プログラム51は、実施の形態1のプログラム(即ち手紙アプリを実現するプログラム)の他、OS、ミドルウェア、他の各種のアプリケーションプログラムに相当するプログラム群である。設定情報52は、プログラム51による設定情報や、ユーザ設定情報である。ユーザ設定情報は、利用者による手紙アプリの可変の設定を可能とする場合の設定情報である。
【0019】
演出データ53は、実施の形態1のプログラムに基づいた手紙アプリの機能において使用する、予め規定・設定された、文や演出のデータである。演出のデータの中には画像や音声のデータも含む。演出データ53の構成例については後述する(図4)。表示データ54は、手紙アプリの機能において画面に表示するためのデータであり、手書き入力による検出した文字画像情報を含む。
【0020】
表示装置103は、図1の表示パネル4と表示駆動回路等とを含む装置であり、タッチセンサを内蔵した液晶タッチパネル表示装置である。スピーカ104は、図1のスピーカ6に対応した音声出力装置である。操作入力部105は、図1のボタン5等を含む部分であり、利用者による基本的な操作を入力するためのデバイスである。インタフェース装置106は、必須ではないが、マウスやキーボードやマイクやメモリカード、その他のセンサやデバイスが接続可能である、入出力インタフェースまたは通信インタフェース等のデバイスである。バッテリ107は、各部に電力を供給する。
【0021】
制御部11は、提示部12から出力部15までを制御する。制御部11は、提示部12により所定の文を提示し、入力部13への入力を検出し、所定の文に応じた演出のデータを記憶部14から読み出して出力部15に演出を出力させる。制御部11は、演出の少なくとも一部を出力させる際には、入力部13で検出した文字画像情報(後述の文を含む手紙)を表示させる。
【0022】
提示部12は、表示パネル4の画面内において、所定の文などを提示する。入力部13は、所定の文に対応させて、利用者がタッチペン3のタッチ操作による手書きで文字を入力する部分である。入力部13は、所定の文に対応させた、なぞり書き用の手本文を表示する。入力部13は、利用者により入力された文字の文字画像情報を検出しながら、なぞり書き用の手本文の上に重ねて文字画像情報を表示する。
【0023】
記憶部14は、所定の文に応じた演出として、文、画像、および音声のうち少なくとも1つを含む演出のデータを演出データ53として記憶する。記憶部14は、メモリ102に演出データ53を保存する。出力部15は、所定の文に応じた演出を出力する。演出の出力は、表示パネル4の画面での画像の表示やスピーカ6からの音声の出力を含む。
【0024】
実施の形態1では、提示部12は、所定の文として、複数の文を選択肢として提示する。入力部13は、利用者が複数の文から選択した文に対応させた文字を入力する。記憶部14は、複数の文のそれぞれの文に応じた演出のデータを記憶する。制御部11は、利用者が選択した文に応じた演出のデータを記憶部14から読み出して出力部15に演出を出力させる。また、記憶部14は、所定の文に応じた演出として、複数の演出のデータを記憶する。制御部11は、所定の文に応じて、複数の演出から選択した演出のデータを記憶部14から読み出して出力部15に演出を出力させる。
【0025】
制御部11は、演出の少なくとも一部を出力させる際には、入力部13のなぞり書き用の手本文を非表示として、または次第に消去させながら、入力部13で検出した文字画像情報(後述の文を含む手紙)を表示させる、または次第に表示させる。
【0026】
判定部16は、利用者が入力部13への入力(手書きによる文の入力)が完了したことを判定する部分である。判定部16は、例えば、利用者が入力部13への入力が完了したことを示す操作を入力する操作入力部17(後述の完成ボタン)を含む。実施の形態1では、判定部16は、操作入力部17(完成ボタン)の操作の入力を契機として、入力が完了したと判定する。制御部11は、判定部16での判定(言い換えると入力の完了)を契機として、演出を出力させるように制御する。操作入力部17(完成ボタン)は、入力部13への入力が検出されたことを条件に、操作の入力を有効として受け付ける状態になる。
【0027】
判定部16の判定は、上記操作入力部17(完成ボタン)を用いることに限定されずに可能である。変形例では、判定部16の判定は、所定時間経過などの時間条件を用いてもよい。制御部11は、入力部13への入力に関して所定の時間の経過を契機として、演出を出力させる。時間の計測や判断に関する詳細としては、画面開始から一定時間としてもよいし、入力検出から一定時間としてもよいし、入力無し状態が一定時間継続などとしてもよい。
【0028】
操作入力部17(完成ボタン)は、実施の形態1では、表示パネル4の画面内にソフトウェアボタン(言い換えると画像)として構成されるが、これに限定されずに可能である。変形例では、知育玩具1の筐体2において、表示パネル4の画面外に、完成ボタンとしての同様の機能を持たせた専用のハードウェアボタンが設けられてもよい。
【0029】
実施の形態1の知育玩具1では、制御部11は、入力部13に入力された文字の文字画像情報についての文字認識処理を行わず、入力部13に入力された文字の文字画像情報がどのような内容であっても、少なくとも一部の文字画像情報がある場合には、演出を出力させる。
【0030】
実施の形態1では、所定の文は、利用者からキャラクターへの手紙または会話の文である。演出は、キャラクターから利用者への応答における、手紙または会話の文、キャラクター画像、およびキャラクター音声の少なくとも1つを含む。実施の形態1では、特に、所定の文は、手紙の文であり、演出は、手紙の便箋の画像、エフェクト画像、および効果音を含む。手紙の便箋の画像上には、入力部13で検出した文字画像情報(即ち手書き入力の文)が表示される。
【0031】
[処理フロー]
図3は、実施の形態1の知育玩具1の主な処理フローを示す。図3はステップS301~S309を有する。知育玩具1の図2のプロセッサ101(特に制御部11)は、メモリ102のデータを読み書きしながら、このような処理を行う。
【0032】
ステップS300で、プロセッサ101は、知育玩具1の起動(例えば電源ボタンのオン)に応じて、図1のようなメニュー画面を、表示パネル4の画面に表示する。プロセッサ101は、メニュー画面において、利用者によるタッチペン3を用いたタッチ操作による、アイコン7(対応するアプリ)の選択を受け付ける。プロセッサ101は、手紙アプリが選択された場合、以降の処理を行う。
【0033】
ステップS301で、プロセッサ101は、表示パネル4の画面に、オープニング画面(後述の図5の画面G1)を表示する。このオープニング画面は、利用者に対し手紙アプリの内容を説明するガイド画面である。
【0034】
ステップS302で、プロセッサ101は、所定の契機で、表示パネル4の画面において、オープニング画面から出題選択画面(後述の図5の画面G2)の表示に遷移させる。この出題選択画面は、利用者に対し、手紙に書くための候補となる複数の所定の文を提示する画面である。
【0035】
ステップS303で、プロセッサ101は、上記出題選択画面で、複数の文からの、利用者によるタッチペン3のタッチ操作による1つの文の選択を受け付ける。
【0036】
ステップS304で、プロセッサ101は、上記1つの文の選択に応じて、表示パネル4の画面に、手書き入力画面(後述の図6の画面G3)を表示する。プロセッサ101は、手書き入力画面の所定の領域において、選択文に対応した手本文を薄い色で表示する。プロセッサ101は、この手書き入力前の時点では、後述の完成ボタンを無効状態にする。
【0037】
ステップS305で、プロセッサ101は、手書き入力画面の所定の領域において、利用者によるペン3のタッチ操作による手書き入力を受け付ける。表示装置103は、領域での手書き入力に対応したタッチ位置座標等を検出し、プロセッサ101は、それに基づいて、手書き入力に応じた文の画像のデータ(文字画像情報)を取得する。プロセッサ101は、取得したデータに基づいて、領域において、手本文の上に、手書き入力に対応した文の画像(点や線等)を描画する。プロセッサ101は、手書き入力がある場合には、完成ボタンを有効状態にする。言い換えると、プロセッサ101は、手書き入力があることに応じて判定部が入力が完了したこと判定可能な状態にする。
【0038】
ステップS306で、プロセッサ101は、上記手書き入力画面の領域での利用者による文の入力が完成したかどうかを検出・認識、言い換えると判定する。実施の形態1では、プロセッサ101は、上記手書き入力画面内の完成ボタンがタッチ操作によって押下された場合(後述の図7の画面G5)に、文が完成したとみなす。
【0039】
ステップS307で、プロセッサ101は、上記文の完成に応じて、文完成演出画面(後述の図7の画面G6)で、完成した文を含む手紙を表示する。
【0040】
ステップS308で、プロセッサ101は、所定の契機で、表示パネル4の画面において、上記文完成演出画面から手紙送信画面(後述の図8の画面G7)の表示に遷移させる。この手紙送信画面は、利用者からキャラクターに手紙を送信する様子を表す画面である。
【0041】
ステップS309で、プロセッサ101は、所定の契機で、表示パネル4の画面において、上記手紙送信画面からキャラクターによる返事の画面(後述の図8の画面G8)の表示に遷移させる。この返事の画面は、キャラクターが利用者から手紙を受け取って手紙の文に対して返事をする様子を表す画面である。プロセッサ101は、この画面で、手紙の文に応じて決定した演出を出力させる。演出は、返事の文と、キャラクターの画像および音声とを含む。
【0042】
ステップS310で、プロセッサ101は、所定の契機で、表示パネル4の画面において、上記返事の画面から共通成功画面(図示しない)の表示に遷移させる。これにより、フローが終了する。
【0043】
[文と演出のデータ]
図4は、予め規定・設定された文と演出のデータの構成例を示す。図2のメモリ102には、予め、このようなデータが演出データ53として格納されている。図4のデータ例は、手紙アプリにおける「キャラクターAに手紙(文)を書こう」部分に対応したデータ例である。このデータは、図示のように、左側の列には、所定の文401として手紙の選択文となる複数の候補の文を有する。例えば、文A1~文A5のように5個の文を有する。本例では、文A1は「おはよう」、文A2は「おやすみ」、文A3は「げんきですか」、文A4は「がんばってね」、文A5は「おつかれさま」である。実施の形態1では、所定の文は、このように数文字から成る比較的短い文としたが、子供の対象年齢等に応じて、より長く複雑な文とすることも可能である。
【0044】
本データにおける中央の列には、所定の文401に対して関連付けられた、キャラクターAの返事の文402のデータを有する。本例では、1つの文401毎に、2つの返事の文が関連付けて設定されている。例えば、文A1に対しては、文B11として「おはよう! きょうも たのしく すごせると いいね!」と、文B12として「おはよう! はやおき すると きぶんが いいね!」とが用意されている。文A2に対しては文B21「うん おやすみ! あしたも がんばろう!」と文B22「おやすみ! いいゆめ みられると いいね!」とが用意されている。文A3に対しては文B31「うん げんきだよ! きみは どうだい?」と文B32「ぼくは すごく げんきだよ!」とが用意されている。同様に、文A4に対しては文B41および文B42が用意されている。文A5に対しては文B51および文B52が用意されている。
【0045】
所定の文401と返事の文402との対応は、上記例に限らず可能であり、1つの文401毎に1つまたは複数の返事の文402が関連付けられてもよい。所定の文401毎に異なる数の返事の文402が用意されてもよい。
【0046】
また、本データにおける右側の列に示すように、キャラクターAの返事の文402に対しては、キャラクターAの画像および音声402のデータが関連付けられて設定されている。例えば、文B11に対しては、画像g11と音声s11とが用意されている。文B12に対しては、画像g12と音声s12とが用意されている。画像g11は、文B11のように挨拶する様子を表す画像であり、音声s11は、文B11を発声する音声である。同様に、文B21,文B22,文B31,文B32,文B41,文B42,文B51,文B52といった返事の文402ごとに、キャラクターAの画像および音声が用意されている。
【0047】
例えば、利用者が所定の文401として文A3「げんきですか」を選択した場合、この選択文に応じた演出の例は以下である。この演出は、後述するが、選択文に応じた手書き入力の文を含んだ手紙の完成の演出、手紙の送信の演出、および、手紙を受信したキャラクターAによる返事の文、画像および音声の出力を含む。キャラクターAによる返事の文402としては、制御部11により、図4の演出データの複数の返事文の候補から1つが選択される。例として、文A3「げんきですか」に対し、文B31と文B32とからランダムに選択された1つとして、文B31「うん、げんきだよ! きみは どうだい?」が選択される。選択された返事文とともに、それに関連付けられた画像および音声403も選択される。
【0048】
[画面表示]
図5図8は、手紙アプリにおける各種の表示画面および遷移の例を示す。以下、画面遷移の順に説明する。
【0049】
[画面(1)]
図5で、画面G1は、画面G1は、手紙アプリのオープニング画面(言い換えるとガイド画面)の例を示す。まず、画面G1では、背景上に例えば手紙アプリをガイドするキャラクターXが画像で登場し、利用者に対し文や画像や音声で手紙アプリの内容(即ち文を書く練習)をガイドする。画面G1では、例えば、キャラクターXの台詞501として、「キャラクターA(〇〇くん)に てがみを かいてみましょう!」(1ページ目)、「キャラクターYが てがみを とどけてくれますよ」(2ページ目)といった台詞が表示され、対応する音声が出力される。それとともに、画面G1には、背景上に後述の所定の文の例(「おはよう」等)も表示されている。また、台詞501が複数のページにわたる場合には、例えばタッチ操作によってページ間が遷移される。なお、各種の画面の背景は、所定の壁紙としてもよいが、フィクション上の場面等の画像としてもよい。
【0050】
ガイドの台詞501が終了した後の画面G1は、所定の契機で次の画面G2に遷移される。この契機は、画面G1のタッチ操作であり、他には所定時間経過などでもよい。なお、各種の画面間の遷移は、所定の画面エフェクト(言い換えると視覚効果)または演出を伴って行われる。例えば、第1画面から第2画面へ遷移する際に、第1画面が表示パネル4画面外に出るように移動しながら第2画面が表示パネル4画面内に入ってくるように移動するような画面エフェクト(画面のフェードアウト・フェードイン)でもよい。あるいは、第1画面が次第に薄くなって消えながら第2画面が次第に濃くなって現れるような画面エフェクトでもよい。
【0051】
[画面(2)]
図5の下側の画面G2は、出題選択画面(言い換えると文提示画面)の例を示す。画面G2では、利用者が手紙に書くための候補となる複数の所定の文502が選択肢として提示(言い換えると表示)される。また、画面G2では、ガイドとして、「かきたいことば(ぶん)をえらんでね」といった文が表示され、対応する音声が出力される。画面G2内には、他にもガイドのキャラクターXや他のキャラクターや場面等の画像が表示されてもよい。
【0052】
この画面G2で、利用者は、複数の文502から1つの文をタッチペン3のタッチ操作によって選択する。画面G1は、1つの文が選択された契機で、次の画面(図6)に遷移する。選択された文を、選択文とも記載する。選択文の例として「げんきですか」とする。
【0053】
[画面(3)]
図6で、画面G3は、手書き入力画面の例として、手本表示状態を示す。この画面G3では、領域601(言い換えると書き込みエリア)において、先の画面G2での選択文に応じた、なぞり書き用の手本文602が表示される。本例では、領域601に、なぞり書き用の手本文602として、薄いグレー色で、文字枠とともに複数の文字「げんきですか」が表示されている。また、この画面G3では、ガイドとして、例えば「おてほんどおりになぞってね」といった文が表示され、対応する音声が出力される。
【0054】
また、画面G3内には、ペンツール等のボタン603を有する。本例では、ボタン603として、ペンツールボタン、消しゴムボタン、および「ぜんぶけす」ボタンを有する。最初時には、ペンツールボタンが自動的に有効状態として選択されている。ペンツール有効状態では、所定の領域601内において、利用者がタッチペン3によるタッチ操作(即ち手書き入力)によって、点や線を描くことができる。消しゴムツールが選択操作されて有効状態になった場合には、所定の領域611内において、利用者がタッチペン3によるタッチ操作によって、描かれている点や線を消すことができる。「ぜんぶけす」ボタンが選択操作された場合には、所定の領域611内の点や線をすべて消去して白紙に戻すことができる。
【0055】
利用者は、この画面G3で、簡単な文である選択文「げんきですか」を、手本文602に沿って、タッチペン3による手書きによって書くことができる。利用者は、この画面G3の領域601において、なぞり書き用の手本文602を、タッチペン3によるタッチ操作でなぞるようにして各文字を書く。手本文602の文字に対し手書き入力文字がずれているかどうかの検出は行われないため、手本文602の文字に対し手書き入力文字がずれていても許容される。画面G3の例では、まだ手書き入力前の状態であり、領域601には何の点や線も描かれていない。
【0056】
また、この画面G3内には、例えば下部に、完成ボタン604が表示される。知育玩具1のプロセッサは、この画面G3のような手書き入力前の状態では、完成ボタン604を無効状態(タッチで押すことができない状態)とし、有効状態とは異なる態様として、例えば完成ボタン613を半透明状態や薄い色で表示する。
【0057】
[画面(4)]
図6の下側の画面G4は、利用者が画面G3の領域601で文の手書き入力を始め、手書き入力途中の状態の例を示す。知育玩具1のプロセッサは、表示パネル4を含む表示装置103の機能に基づいて、領域601に対するタッチ入力を検出し、検出情報に基づいて、領域601に、タッチ入力位置座標に応じた点や線(それに対応する文字605)を描画する。文字605は、手書き入力されて描画された点や線の例である。本例では、文字605の線や点は、太めの黒色とされている。本例の状態では、文「げんきですか」のうち「げんき」までの文字が描画されている。なお、文字605の描画の色や太さ等について可変設定を可能としてもよい。
【0058】
プロセッサは、領域601に点や線が描かれ始めた場合、即ち少なくとも一部でも点や線の描画がある場合、完成ボタン604を有効状態(タッチで押すことができる状態)にし、例えば完成ボタン604を半透明ではない通常状態や濃い色で表示する。
【0059】
[画面(5)]
図7で、画面G5は、画面G4の領域601の手書き入力での文の完成時の画面例を示す。画面G5の状態の例では、領域601において、手書き入力による文606「げんきですか」が描画されている。そして、利用者が完成ボタン604をタッチペン3で押した場合を示している。プロセッサは、表示パネル4を含む表示装置103の機能によって、完成ボタン604の押下を検出する。
【0060】
プロセッサは、完成ボタン604の押下を検出・認識すると、そのことを文の完成とみなし、その時に領域601に描画されている文606のデータ(対応する文字画像情報)を取得する。ここで、完成ボタン604の押下時に、実際に選択文のすべての文字が手書き入力で描画されている必要は無く、未完成でもよい。プロセッサは、文が未完成であっても、即ち領域601内に少なくとも一部の線や点が描画されていて完成ボタン604が押されたならば、それを完成と判定する。子供が利用する場合には、未完成の状態とされるような手書き文字しか入力できないことも想定されるため、利用者である子供が満足したタイミングで完成ボタン604を押して手書き入力を完成とさせ、その後の演出へと進めることができるようにすることで、子供の学習意欲の低下を抑制し、子供が何度も文字を書く練習・学習を繰り返す学習意欲を惹起することができる。なお、これに限らず、変形例としては、領域601において所定の量以上で文字が書かれいることを完成の条件としてもよい。プロセッサは、完成ボタン604の押下を契機として、次の画面G6に遷移させる。
【0061】
なお、前述の変形例として、文完成(言い換えると入力終了)の判断に、完成ボタン604ではなく、時間条件を用いる場合、例えば以下のように実現できる。プロセッサ101は、例えば、手書き入力の画面G3の開始から一定時間が経過した場合に、文完成とみなす。あるいは、プロセッサ101は、領域601での入力検出(言い換えるとタッチ検出)から一定時間が経過した場合に、文完成とみなす。あるいは、プロセッサ101は、領域601でのタッチによる入力無し状態が一定時間継続した場合に、文完成とみなす。
【0062】
[画面(6)]
図7の下側の画面G6は、文完成演出画面、言い換えると手紙完成演出画面である。この画面G6では、プロセッサは、画面G6内を大部分占める領域701において、手紙の便箋(言い換えると用紙)の画像を表示し、その便箋画像上に重ねて、前の画面G5で完成時に取得した文606に対応した文画像702を表示する。この際に、プロセッサは、前の画面G5の手本文602(枠線や文字)等の要素については表示しないようにする。プロセッサは、この画面G6の表示の際の画面エフェクトまたは演出として、例えば、前の画面G5での文606の表示をそのまま残しながら、手本文602等の他の表示物が次第に消えるように、所定の表示制御を行う。また、その際に、プロセッサは、文完成演出の一部として、領域701において便箋画像を次第に表示させるとともに、所定のエフェクト画像(例えばキラキラ星エフェクト)を表示し、対応する効果音等の音声を出力するように制御する。利用者からみると、背景が手紙(便箋)に変化したように感じられる。なお、手紙の便箋画像の種類やエフェクトの種類については、複数の候補からランダムで決定されるようにしてもよいし、可変設定を可能としてもよい。
【0063】
プロセッサは、このような文完成演出の画面G2を所定時間以上、表示継続させる。利用者は、この画面G6で、完成した文による手紙を見て楽しむことができる。プロセッサは、画面G6を所定の契機で終了させて次の画面(図8)に遷移させる。この契機は、例えば、所定の最低表示時間の経過後に、画面G6内のタッチ操作、あるいは更なる所定時間経過である。
【0064】
[画面(7)]
図8で、画面G7は、手紙送信の画面例を示す。画面G7は、先の画面G6で作成された文702を含む手紙801を、利用者から所定のキャラクター(Aとする)へ送付する際の様子を演出の一部として表現する画面である。画面G7では、一部の領域に、先の画面までに作成された手紙801(即ち便箋と文とを含む手紙画像)が表示される。その際には、プロセッサは、例えば、背景上に手紙801が次第に浮かび上がるように表示制御をしてもよい。また、画面G7の他の領域には、例えば所定のキャラクターYの画像802と台詞803が表示され、対応する音声が出力される。キャラクターYは、例えば手紙を配送するあるいは一次受け取りするキャラクターである。それらにより、利用者からの手紙801がキャラクターAに届いたことが表現される。例えば、キャラクターYの台詞として「〇〇くん(=キャラクターA)、てがみがとどいたぞ」といった文が表示される。
【0065】
プロセッサは、画面G7を所定の契機で終了させ、次の画面G8に遷移させる。この契機は、所定の最低表示時間経過後に、画面G7内のタッチ操作、または更なる所定時間経過である。また、プロセッサは、画面G7から画面G8に遷移させる際には、例えば画面内から退場する要素と画面内に新たに登場する要素とについて表示を制御する。例えば、画面G7でのキャラクターYの画像802と台詞803の領域は、画面内の定位置から画面外に移動するように表示制御される。それとともに、次の画面G8でのキャラクターAの画像と台詞が画面外から画面内の定位置に移動してくるように表示制御される。
【0066】
[画面(8)]
図8の下側の画面G8は、キャラクターAによる返事演出(言い換えると手紙受信)の画面である。この画面G8は、キャラクターAが利用者からの手紙801を受け取り、キャラクターAが利用者の手紙801の文に対し返事をする様子が演出として表現される。画面G8では、先の手紙801が同様に表示され、所定の領域には、キャラクターAの画像804と、返事805(台詞)の文とが表示され、返事805に対応する音声が出力される。利用者が手書きした手紙801が画像804および返事805(台詞)の文と同じ画面内に表示されることで、自分が作成した手紙801に対してキャラクターAが返事をくれたという実感を利用者に抱かせることが可能となり、学習意欲を惹起させることができる。
【0067】
返事805の文は、手紙801の文に応じて選択決定された返事の文である。返事805の文の決定の詳細としては、例えば予め規定されたデータ(図4の演出データ53)に基づいて、候補の複数の返事文からランダムに1つが選択される。利用者の選択文に応じて、複数のパターンの返事文が予め用意されている。本例では、手紙801の文「げんきですか」に応じて選択された返事805の文として「うん、げんきだよ! きみは どうだい?」といったように表示されている。
【0068】
プロセッサは、画面G8を所定の契機で終了させ、次の画面である共通成功画面に遷移させる。この契機は、所定の最低時間表示後における画面内のタッチ操作である。図示しないが、共通成功画面は、手紙アプリの終了を表現する内容の画面であり、各アプリで共通の内容の画面である。共通成功画面の後、メニュー画面に戻る。
【0069】
[効果等]
以上説明したように、実施の形態1の知育玩具1によれば、利用者である子供からキャラクターへの手紙の送付の形式において、提示され選択された所定の文に対し、子供が手書きでなぞり書きとして文を入力した後、文完成の検出・認識(例えば完成ボタン押下)に応じて、その選択文に応じた演出としてキャラクターの返事等の演出が出力される。これにより、子供が文字を書く練習・学習の際に、興趣性が高くなり、子供の学習意欲をより惹起させることができる。特に、前述の演出および画面の例では、図8の画面G7,G8のように、利用者が書いた文を含む手紙801とともに、キャラクターAの返事や画像等が出力される。これにより、利用者である子供は、自分が選択して書いた文によって、キャラクターAからの返事を含む反応が得られるので、興趣性が高くなる。また、利用者である子供は、自分が選択して書いた文に応じて、異なる返事を含む演出が得られる場合があるので、興趣性が高くなる。
【0070】
[変形例]
実施の形態1に対する変形例として以下も可能である。実施の形態1では、手紙の形式としたが、これに限定されない。利用者とキャラクターとの間で、会話などの形式で、文を含むやり取りを行うものにも同様に適用可能である。例えば、会話の形式において、利用者による第1の選択文の入力に対し、キャラクターから第1の応答文が返され、それに対し、利用者による第2の選択文の入力が行われ、それに対し、キャラクターから第2の応答文が返される、といったことも可能である。
【0071】
また、変形例として、他にも、フィクション上のキャラクター間で、手紙または会話等の文をやり取りする形式とすることも可能である。例えば、キャラクターAからキャラクターBに手紙の文を書いて送付する際に、利用者がそのキャラクターAの手紙の文を代わりに書いて入力するという形式となる。
【0072】
実施の形態1では、提示部12と入力部13に関して、図6の画面G3の手書き入力の領域601で、手本文602を表示し、その上に手書き入力の文605を重畳表示した。これに限らず、画面内において、選択文に対応した手本文の表示と、手書き入力の表示とを別の領域に分けて並列で設けてもよい。
【0073】
以上、本発明を実施の形態に基づいて具体的に説明したが、本発明は前述の実施の形態に限定されず、要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【符号の説明】
【0074】
1…知育玩具、2…筐体、3…ペン(タッチペン)、4…表示パネル、5…ボタン、6…スピーカ、7…アイコン、11…制御部、12…提示部、13…入力部、14…記憶部、15…出力部、16…判定部、17…操作入力部、101…プロセッサ、102…メモリ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8