(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022189765
(43)【公開日】2022-12-22
(54)【発明の名称】液送装置
(51)【国際特許分類】
A61J 1/20 20060101AFI20221215BHJP
【FI】
A61J1/20 314Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022092215
(22)【出願日】2022-06-07
(31)【優先権主張番号】P 2021097897
(32)【優先日】2021-06-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000230250
【氏名又は名称】日本メジフィジックス株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】594118958
【氏名又は名称】株式会社ユニバーサル技研
(74)【代理人】
【識別番号】100137589
【弁理士】
【氏名又は名称】右田 俊介
(72)【発明者】
【氏名】中川原 潤
(72)【発明者】
【氏名】饗庭 一博
(72)【発明者】
【氏名】原藤 豪
(72)【発明者】
【氏名】加藤 雅之
【テーマコード(参考)】
4C047
【Fターム(参考)】
4C047AA05
4C047CC04
4C047HH03
4C047HH10
(57)【要約】
【課題】針を手動操作により良好な操作性で容器に穿刺することが可能な構造の液送装置を提供する。
【解決手段】液送装置100は、抽出針を保持する抽出針保持部と、エア針を保持するエア針保持部と、手動操作に応じて抽出針保持部とエア針保持部とを互いに同期させて移動させる針移動機構を備え、針移動機構は、水平に配置されている回転軸14と、手動操作を受け付けて回転軸14の軸周りに回転軸14と一体に揺動するレバー13と、回転軸14の軸周りに回転軸14と一体に回転するピニオン44と、ピニオン44と噛み合わされておりピニオン44の回転に伴って上下に移動するラック45と、ラック45から抽出針保持部25とエア針保持部26とにそれぞれ駆動力を伝達する駆動伝達機構と、を備える。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1容器を保持する第1容器保持部と、
第2容器を保持する第2容器保持部と、
前記第1容器から液体薬剤を抽出する抽出針を保持する抽出針保持部と、
前記第1容器内の前記液体薬剤を、前記抽出針を介して前記第2容器へと移送する移送部と、
前記第1容器の内部と外部とを連通させるエア針を保持するエア針保持部と、
手動操作に応じて前記抽出針保持部と前記エア針保持部とを互いに同期させて移動させる針移動機構と、
を備え、
前記針移動機構は、前記手動操作に応じて、前記抽出針保持部を、第1待機位置と、前記第1待機位置よりも下方の位置であって前記抽出針が前記第1容器に穿刺される第1穿刺位置と、の間で移動させるとともに、前記エア針保持部を、第2待機位置と、前記第2待機位置よりも下方の位置であって前記エア針が前記第1容器に穿刺される第2穿刺位置と、の間で移動させるように構成されており、
前記針移動機構は、
水平に配置されている回転軸と、
前記手動操作を受け付けて、前記回転軸の軸周りに前記回転軸と一体に揺動するレバーと、
前記回転軸の軸周りに前記回転軸と一体に回転するピニオンと、
前記ピニオンと噛み合わされており、前記ピニオンの回転に伴って上下に移動するラックと、
前記ラックから前記抽出針保持部と前記エア針保持部とにそれぞれ駆動力を伝達する駆動伝達機構と、
を備える液送装置。
【請求項2】
前記第1待機位置と前記第1穿刺位置との間の前記抽出針保持部の移動経路と、前記第2待機位置と前記第2穿刺位置との間の前記エア針保持部の移動経路と、は互いに交差しており、
前記第1待機位置と前記第1穿刺位置との高低差と、前記第2待機位置と前記第2穿刺位置との高低差と、が互いに等しい請求項1に記載の液送装置。
【請求項3】
前記駆動伝達機構は、
上下に延在する第1直線ガイドと、
前記第1直線ガイドに沿って、前記ラックと一体に上下動する第1可動体と、
前記第1直線ガイドに対して傾斜して配置されている第2直線ガイドと、
前記第2直線ガイドに沿って移動可能な第2可動体と、
前記第1可動体と一体に上下動するとともに、前記第2可動体をガイドしている第3直線ガイドと、
を備え、
前記抽出針保持部は前記第1可動体と一体に上下動し、
前記エア針保持部は前記第2可動体と一体に移動する請求項2に記載の液送装置。
【請求項4】
基台と、
前記基台上に配置されている筐体と、
を備え、
前記第1容器保持部及び前記第2容器保持部はそれぞれ基台上に設けられており、
前記第1直線ガイド及び前記第2直線ガイドはそれぞれ前記筐体に固定されており、
前記第3直線ガイドは、当該第3直線ガイドの一端部において前記第1可動体に固定されているとともに、水平に延在している請求項3に記載の液送装置。
【請求項5】
前記ラックは上下に延在しており、
当該駆動伝達機構は、
前記ラックの上端部に固定されている第3可動体と、
前記ラックの下端部に固定されている第4可動体と、
前記第3可動体及び前記第4可動体を上下にガイドする第4直線ガイドと、
を備え、
前記第1可動体は、前記第3可動体又は前記第4可動体に固定されている請求項3又は4に記載の液送装置。
【請求項6】
前記ラックを上死点に保持させる第1磁石と、
前記ラックを下死点に保持させる第2磁石と、
を備える請求項2から4のいずれか一項に記載の液送装置。
【請求項7】
前記ピニオンが回転可能な角度範囲を調整するための調整機構を備える請求項2から4のいずれか一項に記載の液送装置。
【請求項8】
前記抽出針保持部が前記第1穿刺位置から前記第1待機位置に向かうとともに前記エア針保持部が前記第2穿刺位置から前記第2待機位置に向かう方向へと、前記回転軸及び前記レバーを付勢する付勢部を備える請求項2から4のいずれか一項に記載の液送装置。
【請求項9】
前記抽出針保持部を前記第1待機位置から前記第1穿刺位置に移動させるとともに前記エア針保持部を前記第2待機位置から前記第2穿刺位置に移動させる動作の完了時の衝撃を吸収する衝撃吸収部を備える請求項1から4のいずれか一項に記載の液送装置。
【請求項10】
前記抽出針保持部を前記第1穿刺位置から前記第1待機位置に移動させるとともに前記エア針保持部を前記第2穿刺位置から前記第2待機位置に移動させる動作を減速させる減速機構を備える請求項1から4のいずれか一項に記載の液送装置。
【請求項11】
基台と、
前記基台上に配置されている筐体と、
を備え、
前記第1容器保持部及び前記第2容器保持部はそれぞれ基台上に設けられており、
前記抽出針保持部及び前記エア針保持部は、それぞれ前記筐体によって保持されているとともに、前記筐体の前面から前方に突出しており、前記筐体の前記前面に沿って移動可能となっており、
前記抽出針を保持した前記抽出針保持部が前記第1待機位置にあるときに、前記抽出針の下端と前記基台との距離が、前記抽出針に付属するカバー部材の長さよりも長く、
前記エア針を保持した前記エア針保持部が前記第2待機位置にあるときに、前記エア針の下端と前記基台との距離が、前記エア針に付属するカバー部材の長さよりも長い請求項1から4のいずれか一項に記載の液送装置。
【請求項12】
基台を備え、
前記第1容器保持部は、前記基台に対してスライド可能に、前記基台上に設けられている請求項1から4のいずれか一項に記載の液送装置。
【請求項13】
前記第1容器保持部は、当該第1容器保持部により保持された前記第1容器に前記抽出針及び前記エア針を穿刺可能な第1位置と、前記第1位置とは異なる第2位置と、に水平方向にスライド移動可能となっており、
当該液送装置は、更に、前記第1容器保持部が前記第1位置にあるときに前記第1容器保持部の水平移動を規制するロック機構を更に備える請求項12に記載の液送装置。
【請求項14】
前記ロック機構は、
前記抽出針保持部又は前記エア針保持部と一体に設けられているロック部材と、
前記第1容器保持部に形成されていて前記ロック部材と係合する係合部と、
を含み、
前記抽出針保持部又は前記エア針保持部が前記第1穿刺位置または前記第2穿刺位置に移動するのに連動して、前記ロック部材が下降して、前記係合部に対して係合し、前記第1容器保持部の水平移動が規制される請求項13に記載の液送装置。
【請求項15】
通常時には、前記抽出針保持部が前記第1待機位置から前記第1穿刺位置に向かうとともに前記エア針保持部が前記第2待機位置から前記第2穿刺位置に向かう方向への前記レバーの揺動が規制されたレバーロック状態となっており、
前記レバーロック状態を解除するロック解除操作が行われることにより、前記抽出針保持部が前記第1待機位置から前記第1穿刺位置に向かうとともに前記エア針保持部が前記第2待機位置から前記第2穿刺位置に向かう方向への前記レバーの揺動操作が可能となる請求項1から4のいずれか一項に記載の液送装置。
【請求項16】
前記レバーの基端部が固定されているレバー固定部を備え、
前記レバー固定部は、前記回転軸に対して相対的に当該回転軸の軸方向に移動可能に、当該回転軸の一端部に設けられており、
前記レバーを揺動させる際には、前記レバー、前記レバー固定部及び前記回転軸が一体に回転するようになっており、
前記ロック解除操作は、前記レバー固定部を前記回転軸に対して前記軸方向における一方向に押し込む操作である請求項15に記載の液送装置。
【請求項17】
前記レバー固定部を前記軸方向において前記一方向に対する反対方向に付勢して前記通常時において前記レバーロック状態に維持させるレバー付勢部を備える請求項16に記載の液送装置。
【請求項18】
当該液送装置は、前記回転軸を回転可能に保持している本体部を備え、
前記本体部と前記レバー固定部とのうちの一方は、ガイド部を備え、
前記本体部と前記レバー固定部とのうちの他方は、前記ガイド部によってガイドされる被ガイド部を備え、
前記ガイド部は、前記被ガイド部を前記回転軸の軸方向にガイドする第1ガイド部と、前記第1ガイド部と連続しているとともに前記レバーが揺動する際に前記被ガイド部を前記回転軸の軸周り方向においてガイドする第2ガイド部と、を含む請求項17に記載の液送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液体薬剤を容器から抽出して移送するのに用いられる液送装置について、例えば、特許文献1に記載されている。
特許文献1の液送装置は、モータ等により針を上方から容器に穿刺させる針体駆動部を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、本願発明者等は、針を手動操作で簡便且つ迅速に容器に穿刺させることが可能な構造の液送装置に対してニーズがあると考え、更に、手動操作で針を穿刺させる場合は、操作性に十分に配慮した構造であることが好ましいと考えた。
【0005】
本発明は、上記の課題に鑑みなされたものであり、針を手動操作により良好な操作性で容器に穿刺することが可能な構造の液送装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、第1容器を保持する第1容器保持部と、
第2容器を保持する第2容器保持部と、
前記第1容器から液体薬剤を抽出する抽出針を保持する抽出針保持部と、
前記第1容器内の前記液体薬剤を、前記抽出針を介して前記第2容器へと移送する移送部と、
前記第1容器の内部と外部とを連通させるエア針を保持するエア針保持部と、
手動操作に応じて前記抽出針保持部と前記エア針保持部とを互いに同期させて移動させる針移動機構と、
を備え、
前記針移動機構は、前記手動操作に応じて、前記抽出針保持部を、第1待機位置と、前記第1待機位置よりも下方の位置であって前記抽出針が前記第1容器に穿刺される第1穿刺位置と、の間で移動させるとともに、前記エア針保持部を、第2待機位置と、前記第2待機位置よりも下方の位置であって前記エア針が前記第1容器に穿刺される第2穿刺位置と、の間で移動させるように構成されており、
前記針移動機構は、
水平に配置されている回転軸と、
前記手動操作を受け付けて、前記回転軸の軸周りに前記回転軸と一体に揺動するレバーと、
前記回転軸の軸周りに前記回転軸と一体に回転するピニオンと、
前記ピニオンと噛み合わされており、前記ピニオンの回転に伴って上下に移動するラックと、
前記ラックから前記抽出針保持部と前記エア針保持部とにそれぞれ駆動力を伝達する駆動伝達機構と、
を備える液送装置が提供される。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、抽出針及びエア針を手動操作により良好な操作性で容器に穿刺することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図4】実施形態に係る液送装置の正面図であり、抽出針及びエア針からそれぞれカバーを取り外す動作を示す。
【
図5】実施形態に係る液送装置の側面図であり、抽出針からカバーを取り外す動作を示す。
【
図6】実施形態に係る液送装置の正面図(一部の構成については断面図)であり、抽出針及びエア針が第1穿刺位置及び第2穿刺位置に配置されている状態と対応している。
【
図7】実施形態に係る液送装置の側面図であり、抽出針及びエア針が第1穿刺位置及び第2穿刺位置に配置されている状態と対応している。
【
図8】実施形態に係る液送装置の側断面図であり、抽出針及びエア針が第1穿刺位置及び第2穿刺位置に配置されている状態と対応している。
【
図9】実施形態に係る液送装置の側断面図であり、抽出針及びエア針が第1待機位置及び第2待機位置に配置されている状態と対応している。
【
図10】実施形態に係る液送装置の平断面図である。
【
図11】実施形態に係る液送装置の筐体の内部の構造を主に示す背面図であり、抽出針及びエア針が第1穿刺位置及び第2穿刺位置に配置されている状態と対応している。
【
図12】実施形態に係る液送装置の筐体の内部の構造を主に示す背面図であり、抽出針及びエア針が第1待機位置及び第2待機位置に配置されている状態と対応している。
【
図13】実施形態に係る液送装置に付属品を取り付ける前の状態を示す斜視図である。
【
図14】実施形態に係る液送装置に付属品を取り付ける前の状態を示す正面図である。
【
図15】実施形態に係る液送装置に付属品を取り付ける前の状態を示す背面図である。
【
図16】実施形態に係る液送装置に付属品を取り付ける前の状態を示す左側面図である。
【
図17】実施形態に係る液送装置に付属品を取り付ける前の状態を示す右側面図である。
【
図18】実施形態に係る液送装置に付属品を取り付ける前の状態を示す平面図(上面図)である。
【
図19】変形例に係る液送装置のレバーの基端部周辺の構造を示す斜視図である。
【
図20】変形例に係る液送装置のレバーの基端部周辺の構造を示す分解斜視図である。
【
図21】変形例に係る液送装置のレバーの基端部周辺の構造を示す正面図である。
【
図22】変形例に係る液送装置のレバーの基端部周辺の構造を示す平面図である。
【
図23】変形例に係る液送装置のレバーの基端部周辺の構造を示す正面断面図である。
【
図24】
図24(a)及び
図24(b)は変形例に係る液送装置のロック解除操作を説明するための図であり、このうち
図24(a)はレバー固定部を押し込んだ状態を示す平面図、
図24(b)はレバーを揺動させた状態を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様の構成要素には同一の符号を付し、適宜に説明を省略する。
なお、各図において、図面が煩雑になることを避けるため、構成要素の一部の図示を省略している場合がある。
なお、
図13から
図18は、液送装置100単体の構成を示している。すなわち、液送装置100に抽出針27、エア針28、送液チューブ29等の付属品を取り付ける前の状態を示している。
図4、
図6、
図8、
図9及び
図10においては、後述する保護カバー81、ロック部材85等(
図13参照)の図示を省略している。
【0010】
図1から
図12のいずれかに示すように、本実施形態に係る液送装置100は、第1容器23(
図6)を保持する第1容器保持部(例えば、スライド台17)と、第2容器24を保持する第2容器保持部80(
図2、
図13)と、第1容器23から放射性薬剤などの液体薬剤を抽出する抽出針27を保持する抽出針保持部25と、第1容器23内の液体薬剤を抽出針27を介して第2容器24へと移送する移送部と、第1容器23の内部と外部とを連通させるエア針28を保持するエア針保持部26と、手動操作に応じて抽出針保持部25とエア針保持部26とを互いに同期させて移動させる針移動機構と、を備えている。
針移動機構は、手動操作に応じて、抽出針保持部25を、第1待機位置(
図1、
図3、
図4、
図5、
図9、
図12の位置)と、第1待機位置よりも下方の位置であって抽出針27が第1容器23に穿刺される第1穿刺位置(
図6、
図7、
図8、
図11の位置)と、の間で移動させるとともに、エア針保持部26を、第2待機位置(
図1、
図4の位置)と、第2待機位置よりも下方の位置であってエア針28が第1容器23に穿刺される第2穿刺位置(
図6の位置)と、の間で移動させるように構成されている。
針移動機構は、水平に配置されている回転軸14(
図8、
図10参照)と、手動操作を受け付けて回転軸14の軸周りに回転軸14と一体に揺動するレバー13と、回転軸14の軸周りに回転軸14と一体に回転するピニオン44(
図8、
図9)と、ピニオン44と噛み合わされておりピニオン44の回転に伴って上下に移動するラック45(
図8、
図9)と、ラック45から抽出針保持部25とエア針保持部26とにそれぞれ駆動力を伝達する駆動伝達機構と、を備える。
このような構成により、レバー13に対する回転操作を、ピニオン44及びラック45によって効率的に直線動作に変換し、抽出針保持部25及びエア針保持部26を移動させて、抽出針27及びエア針28を第1容器23に穿刺したり第1容器23から抜去したりすることができる。よって、抽出針27及びエア針28を第1容器23に穿刺する手動操作と、抽出針27及びエア針28を第1容器23から抜去する手動操作と、の双方を良好な操作性で行うことが可能となる。
このため、レバー13及び回転軸14の回転動作(揺動)を、ラック45の直線動作に変換することができるので、駆動伝達機構の構造を容易にすることができる。
【0011】
以下、液送装置100についてより詳細に説明する。
液送装置100は、例えば、水平な載置面上に載置される平盤状の基台11と、基台11上に配置されている筐体12と、を備えている。
筐体12の形状は特に限定されないが、本実施形態の場合、筐体12は、例えば、直方体形状に形成されており、天板と、前面壁と、左右の側壁と、背面壁と、を備えている。より詳細には、本実施形態の場合、筐体12は、
図10に示すように、天板、前面壁、左右の側壁及び背面壁によって囲まれた領域に配置されている左右一対のブラケット46、47を備えている。これらブラケット46、47は、それぞれ平板状に形成されており、基台11上に立設されている。各ブラケット46、47の板面は、左右方向を向いており、ブラケット46とブラケット47とは互いに対向して配置されている。このように、筐体12は、上記の天板、前面壁、左右の側壁及び背面壁の他に、ブラケット46、47を含むものとする。なお、
図8及び
図9においては、右側のブラケット46の図示を省略している。
【0012】
基台11上における筐体12の配置は、特に限定されないが、本実施形態の場合、筐体12は、基台11の後部に配置されている。より詳細には、筐体12は、例えば、左右方向における基台11の中央部から右側部分にかけての領域に配置されている。また、スライド台17(第1容器保持部)は、基台11の前部の上面に配置されており、筐体12の前方に位置している。また、第2容器保持部80は、例えば、基台11の前部の上面に形成されており、スライド台17の左側に配置されている(
図2参照)。
【0013】
ここで、抽出針保持部25は、筐体12の内部に配置されているとともに筐体12により間接的に保持されている部分と、筐体12の前面壁に形成されている第1スリット78(
図1、
図6)を介して筐体12の前方に突出している部分と、を有し、筐体12の前方に突出している部分によって、抽出針27を保持するようになっている。
同様に、エア針保持部26は、筐体12の内部に配置されているとともに筐体12により間接的に保持されている部分と、筐体12の前面壁に形成されている第2スリット79(
図1、
図6)を介して筐体12の前方に突出している部分と、を有し、筐体12の前方に突出している部分によって、エア針28を保持するようになっている。
なお、
図4においては、図面が煩雑になることを避けるため、第1スリット78及び第2スリット79の図示を省略している。
抽出針保持部25において筐体12の前方に突出している部分、及び、エア針保持部26において筐体12の前方に突出している部分は、スライド台17よりも上方において、筐体12の前面壁に沿って昇降動作するようになっている。
【0014】
このように、スライド台17(第1容器保持部)及び第2容器保持部80は、それぞれ基台11上に設けられている。
また、抽出針保持部25及びエア針保持部26は、それぞれ筐体12によって保持されているとともに、筐体12の前面から前方に突出しており、筐体12の前面に沿って移動可能となっている。
【0015】
抽出針保持部25は、第1スリット78に沿って上下方向(鉛直方向)に移動するようになっている。抽出針保持部25の移動方向を
図1において矢印Aで示す。
一方、エア針保持部26は、第2スリット79に沿って、上下方向(鉛直方向)に対して傾斜した方向に移動するようになっている。エア針保持部26の移動方向を
図1において矢印Bで示す。
なお、抽出針保持部25及びエア針保持部26は、それぞれ鉛直な面内で移動するようになっている。
抽出針27が抽出針保持部25に取り付けられた状態で、抽出針27の長手方向(軸方向)は、抽出針保持部25の移動方向と一致するようになっている。
同様に、エア針28がエア針保持部26に取り付けられた状態で、エア針28の長手方向(軸方向)は、エア針保持部26の移動方向と一致するようになっている。
本実施形態の場合、エア針保持部26は、例えば、抽出針保持部25の左側に配置されており、エア針保持部26の移動方向は、上方に向けて左側に変位する(下方に向けて右側に変位する)方向となっている。
正面視において、抽出針保持部25の移動方向とエア針保持部26の移動方向とのなす角度(抽出針27の長手方向とエア針28の長手方向とのなす角度)を、角度αと称する(
図1参照)。
【0016】
本実施形態の場合、スライド台17(第1容器保持部)は、基台11に対してスライド可能に、基台11上に設けられている。
これにより、スライド台17に対する第1容器23の設置作業と、スライド台17からの第1容器23の取り外し作業とを、抽出針保持部25やエア針保持部26との干渉を抑制しつつ、容易に行うことができるようになっている。
【0017】
スライド台17は、例えば、前後(
図2に示す矢印C方向に)スライド可能となっており、好ましくは左右にもスライド可能となっている。
図3は、スライド台17を後方に押し込んだ状態を示している。
図3のようにスライド台17を押し込んだ状態では、抽出針27及びエア針28を下降させることによって、これら抽出針27及びエア針28を、スライド台17に保持された遮蔽容器20内の第1容器23(
図6参照)に穿刺することが可能である。
一方、
図5は、スライド台17を手前に引き出した状態を示している。
図5のようにスライド台17を引き出した状態では、スライド台17に保持された遮蔽容器20の上方には、抽出針保持部25及び抽出針27、並びに、エア針保持部26及びエア針28が存在しない状態となる。このため、スライド台17から上方に遮蔽容器20を持ち上げることにより、抽出針保持部25やエア針保持部26との干渉を抑制しつつ、遮蔽容器20を容易にスライド台17から取り外すことができるようになっている。
【0018】
基台11上には、例えば、左右一対のガイド16が設けられており、これらガイド16によって、スライド台17の前後移動がガイドされるようになっている。
一対のガイド16の各々は、前後に長尺な壁であり、左側のガイド16は、スライド台17の左側面をガイドし、右側のガイド16は、スライド台17の右側面をガイドする。
スライド台17の上面には、上方に向けて開口した凹部であるポケット18が形成されており、このポケット18に遮蔽容器20の下端部が収容されるようにして、スライド台17に遮蔽容器20を設置できるようになっている。
なお、スライド台17の上面は、例えば、左傾斜(左方に向けて下り傾斜)しており、ポケット18の底面も、左傾斜している。このため、スライド台17に設置された状態で、遮蔽容器20及び第1容器23も左傾斜するようになっている。
そして、内部に第1容器23を収容した遮蔽容器20をスライド台17に設置し、スライド台17を押し込んだ状態で、且つ、抽出針27が下降した状態では、
図6に示すように、抽出針27の先端部(下端部)が第1容器23の下端部に到達するように、各部の配置が設定されている。
スライド台17の前部には、スライド台17の引出操作の際に使用者により把持される取っ手19が設けられている。取っ手19の形状は、特に限定されないが、例えば、取っ手19の平面形状はU字形状であり、このU字形状の両端部がそれぞれスライド台17の前部に固定されており、取っ手19はスライド台17の前面から前方に突出している。更に、例えば、取っ手19の前部は、例えば、使用者による把持が容易となるように、斜め上方に起立している。
【0019】
図6に示すように、遮蔽容器20は、例えば、有底の筒状に形成されている外容器21と、外容器21の内部に配置されており放射線を遮蔽する遮蔽体22と、を有し、遮蔽体22の内部に第1容器23を収容するようになっている。
遮蔽体22の中央部には、凹部が形成されており、当該凹部の内部に第1容器23が配置される。
遮蔽体22は、例えば、タングステンや鉛などの放射線を遮蔽する材料によって構成されている。
なお、第1容器23は、例えば、バイアル瓶などである。
【0020】
図1に示すように、第2容器24は、第1容器23よりも内容積が大きい容器であり、複数の第1容器23から抽出された液体薬剤を収容可能となっている。第2容器24は、マザーボトルとも称されるものである。
第2容器24には、第1容器23から抽出された液体薬剤を第2容器24に導入するための導入針32と、第2容器24の内部の空気を吸引するための吸引針33と、が設けられている。
導入針32と抽出針27とは、送液チューブ29を介して相互に接続される。
より詳細には、送液チューブ29の一端部が抽出針27と接続され、送液チューブ29の他端部は、当該他端部に設けられているコネクタ30を介して、導入針32の基端側に設けられているコネクタ31と接続される。導入針32の先端部は、第2容器24の上部に導入される。
吸引針33の先端部は、第2容器24の上部に導入される。吸引針33の基端側にはコネクタ34が設けられており、このコネクタ34は、送液チューブ36の一端部に設けられているコネクタ35と接続される。送液チューブ36の他端部は、シリンジ37の先端部に接続される。
シリンジ37は、シリンジ本体38と、シリンジ本体38からの引き抜き操作及びシリンジ本体38に対する押し込み操作が可能なプランジャ39と、を備えている。
【0021】
シリンジ本体38からプランジャ39を引き抜く方向へと、プランジャ39を操作することにより、シリンジ本体38の内部が陰圧となる。
シリンジ本体38が陰圧となると、送液チューブ36等を介してシリンジ本体38と連通している第2容器24の内部も陰圧となる。第2容器24の内部が陰圧となると、抽出針27、送液チューブ29及び導入針32等を介して、第1容器23の内部の液体薬剤が、第2容器24に移送される。
【0022】
このように、本実施形態の場合、第1容器23内の液体薬剤を抽出針27を介して第2容器24へと移送する移送部は、例えば、送液チューブ29、コネクタ30、31、導入針32、吸引針33、コネクタ34、35、送液チューブ36及びシリンジ37を備えて構成されている。
なお、シリンジ37のプランジャ39をシリンジ本体38に対して相対的に引き抜き方向に移動させる操作は、手動で行われてもよいし、図示しない装置により自動で行われてもよい。
【0023】
ここで、抽出針27及びエア針28は、それぞれ筒状の抽出針カバー40(
図4)及びエア針カバー41(
図4)に収容された状態で流通する。
図4及び
図5に示すように、抽出針27を保持した抽出針保持部25が第1待機位置にあるときに、抽出針27の下端と基台11との距離が、抽出針27に付属するカバー部材(抽出針カバー40)の長さよりも長くなるように、液送装置100の各部の配置が設定されている。このため、抽出針27を抽出針保持部25に取り付けた後で、より安全に抽出針カバー40を抽出針27から取り外す作業を行うことができる。この取り外し作業は、例えば、
図4に示す矢印Eのように抽出針カバー40を抽出針27から下方に抜き取った後、
図4に示す矢印Fのように抽出針カバー40を斜め上方に持ち上げることによって、行うことができる。
同様に、
図4に示すように、エア針28を保持したエア針保持部26が第2待機位置にあるときに、エア針28の下端と基台11との距離が、エア針28に付属するカバー部材(エア針カバー41)の長さよりも長くなるように、液送装置100の各部の配置が設定されている。このため、エア針28をエア針保持部26に取り付けた後で、より安全にエア針カバー41をエア針28から取り外す作業を行うことができる。この取り外し作業は、例えば、
図4に示す矢印Gのようにエア針カバー41をエア針28から斜め下方に抜き取った後、
図4に示す矢印Hのようにエア針カバー41を抽出針27側とは反対側に移動させることによって、行うことができる。
【0024】
ここで、第1待機位置と第1穿刺位置との間の抽出針保持部25の移動経路と、第2待機位置と第2穿刺位置との間のエア針保持部26の移動経路と、は互いに交差している。
第1待機位置と第1穿刺位置との間の抽出針保持部25の移動経路と第2待機位置と第2穿刺位置との間のエア針保持部26の移動経路とが互いに交差しているとは、これら2つの移動経路が、正面視において互いに交差していることを意味し、これら2つの移動経路が同一平面上に位置していてもよいし、互いに異なる平面上に位置していてもよい(これら2つの移動経路が互いにねじれの関係にあってもよい)。更に、これら2つの移動経路が正面視において互いに交差しているとは、これら2つの移動経路が正面視において実際に交わっていることであってもよいし、これら2つの移動経路のうちの一方の移動経路の延長線が他方の移動経路とが正面視において交わっていることであってもよいし、これら2つの移動経路の延長線どうしが正面視において交わっていることであってもよい。
第1待機位置と第1穿刺位置との高低差と、第2待機位置と第2穿刺位置との高低差と、が互いに等しい。すなわち、鉛直方向における抽出針保持部25及び抽出針27の移動距離と、鉛直方向におけるエア針保持部26及びエア針28の移動距離とが、互いに等しい。
これにより、例えばエア針28の第2待機位置を、抽出針27の第1待機位置と同等の十分な高さ位置に設定することができるなどといった、好適な状況が生み出される。すなわち、本実施形態によれば、針移動機構がより好適な構造とされた液送装置100を提供することができる。
【0025】
上述のように、針移動機構は、水平に配置されている回転軸14(
図8、
図10参照)と、手動操作を受け付けて回転軸14の軸周りに回転軸14と一体に揺動するレバー13と、を備えている。
回転軸14は、筐体12の内部において水平に配置されており、その一端部(例えば右端部)は、筐体12の外部に突出している。レバー13の基端部は、回転軸14の一端部(例えば右端部)に固定されている。レバー13は、例えば、一方向に長尺な棒状に形成されている。例えば、レバー13の長手方向は、回転軸14の軸方向に対して直交している。これにより、レバー13は、例えば、筐体12の右側壁の外面に沿って配置されている。
レバー13の先端部には、使用者がレバー13を把持しやすくするためのグリップ部15が設けられている。グリップ部15は、例えば、球状などの形状に形成されている。
レバー13は、
図3に示す矢印D方向への揺動操作(手動操作)を受け付ける。
レバー13は、通常状態では、
図3において実線で示す状態となっている。抽出針保持部25及びエア針保持部26を第1穿刺位置及び第2穿刺位置に下降させるための揺動操作を受け付けると、レバー13は、
図3において二点鎖線で示す位置まで揺動する。その後、抽出針保持部25及びエア針保持部26を第1待機位置及び第2待機位置に上昇させる操作を受け付けると、レバー13は、
図3において実線で示す位置まで揺動する(復帰する)。
【0026】
以下、主として
図8から
図12を用いて、主として筐体12の内部の構造について説明する。
図9は
図2のI-I線に沿った断面を示し、
図8は
図9と同じ位置での断面を示す。
図10は
図8のJ-J線に沿った断面を示す。
【0027】
図10に示すように、回転軸14は、筐体12の内部において、左右一対のブラケット46、47によって、当該回転軸14の軸周りに回転可能に軸支されている。
【0028】
ピニオン44は、例えば、扇形に形成されており、当該扇形の中心部において回転軸14に固定されている。ピニオン44の板面は左右を向いている。すなわち、ピニオン44の板面は、回転軸14の軸方向に対して直交している。
ピニオン44は、例えば、一対のブラケット46、47の間に配置されている。
ピニオン44の扇形の弧状部に沿って配置されているピニオン44の歯車部は、例えば、概ね、回転軸14よりも前方において回転(揺動)するようになっている。
ピニオン44は、当該ピニオン44の径方向に延在する一対の端縁(端面)54、55を有する。
ラック45は、ピニオン44の前方に配置されており、上下に延在しているとともに、上下(鉛直方向)に移動可能となっている。
【0029】
図9の状態から、
図8のように、レバー13を下向きに揺動させると、レバー13と一体に回転軸14及びピニオン44が回転し、ピニオン44の歯車部が下方に揺動する。ピニオン44の揺動に伴い、ラック45が下方に直線移動する。
【0030】
図11及び
図12に示すように、駆動伝達機構は、それぞれラック45に固定されている上下一対の可動体57、58と、これら可動体57、58を上下(鉛直方向)に直線的にガイドする直線ガイド56と、を有する。可動体57、58は、例えば、ラック45の左側に配置されている。このうち可動体57は、ラック45の上部に固定されており、可動体58は、ラック45の下部に固定されている。直線ガイド56は、例えば、筐体12の前面壁の内面に固定されている。
駆動伝達機構は、更に、
図8から
図10に示すように、上下の可動体57、58を相互に連結している連結部59を有する。連結部59の上端部は、可動体57の背面部に固定されており、連結部59の下端部は、可動体58の背面部に固定されている。このため、連結部59、可動体57及び可動体58は、一体的に上下(鉛直方向)に移動するようになっている。
可動体57、可動体58又は連結部59には、以下に説明する第1可動体73が固定されている。
【0031】
このように、駆動伝達機構は、ラック45の上端部に固定されている第3可動体(可動体57)と、ラック45の下端部に固定されている第4可動体(可動体58)と、第3可動体及び第4可動体を上下にガイドする第4直線ガイド(直線ガイド56)と、を備え、第1可動体73は、第3可動体又は第4可動体に固定されている(連結部59を介して第3可動体又は第4可動体に固定されている場合を含む)。
【0032】
図11及び
図12に示すように、駆動伝達機構は、更に、上下に延在する第1直線ガイド(例えば第1固定レール67)と、第1直線ガイドに沿ってラック45と一体に上下動する第1可動体73と、第1直線ガイドに対して傾斜して配置されている第2直線ガイド(例えば第2固定レール68)と、第2直線ガイドに沿って移動可能な第2可動体74と、第1可動体73と一体に上下動するとともに第2可動体74をガイドしている第3直線ガイド(例えば可動レール72)と、を備えている。
抽出針保持部25は第1可動体73と一体に上下動する。
エア針保持部26は第2可動体74と一体に移動する。
このような構成により、ラック45を上下動させる動力から、抽出針保持部25を上下動させる動力と、エア針保持部26を傾斜方向に移動させる動力と、に分配して、それぞれ抽出針保持部25及びエア針保持部26に伝達することができる。しかも、抽出針保持部25及びエア針保持部26の各々の移動の直線性を向上させることができる。
【0033】
より詳細には、第1可動体73には、抽出針保持部25において筐体12の内部に配置されている部分が固定されている。ここで、第1可動体73は、直線ガイド56、可動体57、58、固定部材69、固定部材71、第1固定レール67等を介して、筐体12により保持されている。すなわち、抽出針保持部25において筐体12の内部に配置されている部分は、筐体12により間接的に保持されている。
また、第2可動体74には、エア針保持部26において筐体12の内部に配置されている部分が固定されている。ここで、第2可動体74は、直線ガイド56、可動体57、可動体58、第2可動体74、可動レール72、固定部材70、固定部材71及び可動レール72等を介して、筐体12により保持されている。すなわち、エア針保持部26において筐体12の内部に配置されている部分は、筐体12により間接的に保持されている。
【0034】
ここで、第1直線ガイド(例えば第1固定レール67)及び第2直線ガイド(第2固定レール68)は、それぞれ筐体12に固定されている(例えば筐体12の前面壁の内面に固定されている)。
第3直線ガイド(例えば可動レール72)は、当該第3直線ガイドの一端部(例えば右端部)において第1可動体73に固定されているとともに、水平に延在している。
このような構成により、抽出針保持部25及びエア針保持部26の各々の移動の直線性を更に向上させることができる。
【0035】
本実施形態の場合、第1直線ガイドは直線状に形成されている第1固定レール67であり、第2直線ガイドは直線状に形成されている第2固定レール68であり、第3直線ガイドは直線状に形成されている可動レール72である。
第1固定レール67は、上下(鉛直方向)に延在している。第1固定レール67の上端部は、例えば、左右に長尺な固定部材69の右端部によって、筐体12の前面壁の内面に対して固定されている。第1固定レール67の下端部は、固定部材71によって、筐体12の前面壁の内面に対して固定されている。
第2固定レール68は、第1固定レール67に対して傾斜した方向に延在している。なお、第2固定レール68は、鉛直な面内において延在している。ただし、第2固定レール68と第1固定レール67とは、前後方向において互いに異なる位置に配置されている。例えば、第2固定レール68は、第1固定レール67よりも後方に配置されている。
第2固定レール68の上端部は、例えば、固定部材69の左端部に固定されている固定部材70に対して固定されている。第2固定レール68の下端部は、固定部材71に対して固定されている。
第1可動体73には、例えば、当該第1可動体73を上下に貫通する貫通孔(又は上下に延在する溝)が形成されている。
第1固定レール67は、第1可動体73の貫通孔に挿通されるか、又は、第1可動体73の溝と噛み合うことによって、第1可動体73を第1固定レール67の延在方向(上下)にガイドしている。
第2可動体74には、例えば、当該第2可動体74を左右に貫通する第1貫通孔(又は左右に延在する第1溝)である第1ガイド部75と、当該第2可動体74を第2固定レール68の延在方向に貫通する第2貫通孔(又は第2固定レール68の延在方向に延在する第2溝)である第2ガイド部76と、が形成されている。
可動レール72は、第2可動体74の第1ガイド部75が第1貫通孔である場合に当該第1貫通孔に挿通されるか、又は、第1ガイド部75が第1溝である場合に当該第1溝と噛み合うことによって、第2可動体74を可動レール72の延在方向(左右)にガイドしている。
第2固定レール68は、第2可動体74の第2ガイド部76が第2貫通孔である場合に当該第2貫通孔に挿通されるか、又は、第1ガイド部75が第2溝である場合に当該第2溝と噛み合うことによって、第2可動体74を第2固定レール68の延在方向にガイドしている。
【0036】
このような構成により、第1可動体73が第1固定レール67に沿って上下に第1距離だけ移動する際の、上下方向における第2可動体74の移動距離は、第1距離となる。
すなわち、第1待機位置と第1穿刺位置との高低差と、第2待機位置と第2穿刺位置との高低差と、を互いに等しくすることができる。
【0037】
ここで、背面視において(正面視においても同様)、第1固定レール67と第2固定レール68とのなす角度を、角度β(
図11参照)と称する。
このため、第1可動体73が第1固定レール67に沿って上下に移動する距離を第1距離とし、第1可動体73が第1固定レール67に沿って上下に第1距離だけ移動する際に第2可動体74が第2固定レール68に沿って移動する距離を第2距離とすると、第2距離は、(第1距離)/cosβとなる。
角度βは、上記角度α(
図1)と等しい。
【0038】
液送装置100は、更に、ピニオン44が回転可能な角度範囲を調整するための調整機構を備えている。
これにより、レバー13の揺動操作による抽出針保持部25及びエア針保持部26の移動範囲を調節することが可能となっている。
【0039】
この調整機構は、例えば、筐体12の背面壁に設けられている上可動端調整ネジ42及び下可動端調整ネジ43により構成されている。
図9に示すように、上可動端調整ネジ42は、筐体12の背面壁に対して、当該背面壁の後方から螺入されており、上可動端調整ネジ42の先端(前端)側は、筐体12の内部に(背面壁よりも前方に)突出している。
図9に示すように、レバー13を上方に持ち上げた際に、ピニオン44の端縁55が上可動端調整ネジ42の先端に当接することによって、ピニオン44の回転、ひいてはレバー13の揺動が停止するようになっている。したがって、筐体12の背面壁に対する上可動端調整ネジ42の螺入深さを調整して、筐体12の背面壁から前方への上可動端調整ネジ42の突出長を調整することによって、レバー13の上死点位置を調整することができる。
同様に、
図8に示すように、下可動端調整ネジ43は、筐体12の背面壁に対して、当該背面壁の後方から螺入されており、下可動端調整ネジ43の先端(前端)側は、筐体12の内部に(背面壁よりも前方に)突出している。
図8に示すように、レバー13を下方に降ろした際に、ピニオン44の端縁54が下可動端調整ネジ43の先端に当接することによって、ピニオン44の回転、ひいてはレバー13の揺動が停止するようになっている。したがって、筐体12の背面壁に対する下可動端調整ネジ43の螺入深さを調整して、筐体12の背面壁から前方への下可動端調整ネジ43の突出長を調整することによって、レバー13の下死点位置を調整することができる。
【0040】
液送装置100は、更に、抽出針保持部25が第1穿刺位置から第1待機位置に向かうとともにエア針保持部26が第2穿刺位置から第2待機位置に向かう方向へと、回転軸14及びレバー13を付勢する付勢部(例えば、ねじりバネ48)を備えている。
これにより、抽出針保持部25が第1穿刺位置から第1待機位置に向かうとともにエア針保持部26が第2穿刺位置から第2待機位置に向かう方向へと、レバー13を揺動させる操作を、付勢部によってアシストすることが可能となるので、当該操作を楽に行うことができる。
【0041】
より詳細には、液送装置100は、
図8から
図10に示すように、ねじりバネ48を備えている。
ねじりバネ48は、当該ねじりバネ48を構成する鋼線等の線材が螺線状に巻回されることにより構成されている巻回部49と、巻回部49の一端から当該線材が直線状に延伸していることにより構成されている第1延伸部50と、巻回部49の一端から当該線材が直線状に延伸していることにより構成されている第2延伸部51と、を有する。
巻回部49の内径は、回転軸14の外径と同程度に設定されている。ねじりバネ48は、巻回部49に回転軸14が挿通されることによって、回転軸14により保持されている(
図10参照)。一例として、ねじりバネ48は、例えば、ピニオン44とブラケット47との間に配置されている。
図8及び
図9に示すように、液送装置100は、例えば、ピニオン44に固定されている第1ストッパ52と、ブラケット47に固定されている第2ストッパ53と、を有する。
第1ストッパ52は、例えば、ピンであり、ピニオン44においてブラケット47側を向いている面から、ブラケット47側に向けて突出している。
第2ストッパ53は、例えば、ピンであり、ブラケット47においてピニオン44側を向いている面から、ピニオン44側に向けて突出している。
第1ストッパ52には第1延伸部50が係合しており、第2ストッパ53には第2延伸部51が係合しており、ねじりバネ48は、側面視において第1延伸部50と第2延伸部51とのなす角度が拡大する方向に、第1ストッパ52及び第2ストッパ53を付勢している。
このため、
図8に示すようにレバー13を下げた状態では、
図9に示すようにレバー13を上げた状態と比べて、ねじりバネ48が第1ストッパ52及び第2ストッパ53を付勢する力が増大するようになっている。
なお、レバー13を下げる操作は、ねじりバネ48による付勢に抗して行われることとなる。
【0042】
液送装置100は、更に、ラック45を上死点に保持させる第1磁石(例えば、上側固定磁石60及び上側可動磁石61により構成される)と、ラック45を下死点に保持させる第2磁石(例えば、下側固定磁石62及び下側可動磁石63により構成される)と、を備えている。
これにより、レバー13を上死点まで持ち上げた際に、レバー13を安定的に保持させることができるとともに、レバー13を下死点まで下げた際にも、レバー13を安定的に保持させることができる。
【0043】
より詳細には、
図8及び
図9に示すように、第1磁石は、例えば、筐体12の上部に固定されている上側固定磁石60と、連結部59の上端部に固定されている上側可動磁石61と、を備えて構成されている。ラック45が上死点まで移動すると、上側固定磁石60と上側可動磁石61とが相互に吸着し、ラック45が上死点に保持されるようになっている。なお、レバー13を押し下げる操作は、上側固定磁石60と上側可動磁石61との吸着状態を解除するのに必要な力を要することとなる。
第2磁石は、例えば、筐体12の下部に固定されている下側固定磁石62と、連結部59の下端部に固定されている下側可動磁石63と、を備えて構成されている。なお、下側可動磁石63は、例えば、筐体12の前面壁の内面から後方に向けて突出する支持ブラケット64によって支持されている。ラック45が下死点まで移動すると、下側固定磁石62と下側可動磁石63とが相互に吸着し、ラック45が下死点に保持されるようになっている。なお、レバー13を持ち上げる操作は、下側固定磁石62と下側可動磁石63との吸着状態を解除するのに必要な力を要することとなる。
本発明において、第1磁石は、少なくとも1つの磁石を含んでいればよく、例えば、上側固定磁石60と上側可動磁石61との一方の代わりに、上側固定磁石60と上側可動磁石61との他方と吸着する磁性体(磁石ではない磁性体)を用いてもよい。
同様に、第2磁石は、少なくとも1つの磁石を含んでいればよく、例えば、下側固定磁石62と下側可動磁石63との一方の代わりに、下側固定磁石62と下側可動磁石63との他方と吸着する磁性体(磁石ではない磁性体)を用いてもよい。
【0044】
液送装置100は、更に、抽出針保持部25を第1穿刺位置から第1待機位置に移動させるとともにエア針保持部26を第2穿刺位置から第2待機位置に移動させる動作を減速させる減速機構(例えばダンパーヒンジ65)を備えている。
これにより、抽出針保持部25を第1穿刺位置から第1待機位置に移動させるとともにエア針保持部26を第2穿刺位置から第2待機位置に移動させる動作が高速になりすぎることを抑制できる。
【0045】
より詳細には、減速機構は、例えば、回転軸14の他端部(レバー13に対する固定側とは反対側の端部)と連結されているダンパーヒンジ65である。ブラケット47には、当該ブラケット47から左方に突出する状態でホルダ66が設けられており、このホルダ66によって、ダンパーヒンジ65が保持されている。
【0046】
液送装置100は、更に、抽出針保持部25を第1待機位置から第1穿刺位置に移動させるとともにエア針保持部26を第2待機位置から第2穿刺位置に移動させる動作の完了時の衝撃を吸収する衝撃吸収部(例えば、ショックダンパー77)を備えている。
これにより、抽出針保持部25を第1待機位置から第1穿刺位置に移動させるとともにエア針保持部26を第2待機位置から第2穿刺位置に移動させる動作の完了時の衝撃を緩和することができる。
【0047】
より詳細には、衝撃吸収部は、第1可動体73が第1固定レール67に沿った移動範囲の下端部に到達したときに、下方への第1可動体73の移動の衝撃を吸収するショックダンパー77である。
【0048】
上述のように、スライド台17(第1容器保持部)は、基台11に対してスライド可能となっている。
より詳細には、スライド台17は、当該スライド台17により保持された第1容器23に抽出針27及びエア針28を穿刺可能な第1位置(
図2、
図3、
図7の位置)と、第1位置とは異なる第2位置(
図5の位置:例えば、第1位置よりも前方の位置)と、に水平方向にスライド移動可能となっている。
液送装置100は、更に、スライド台17が第1位置にあるときにスライド台17の水平移動を規制するロック機構を備えている。
このため、抽出針27及びエア針28の穿刺動作中や穿刺中において、誤操作によりスライド台17が移動してしまうことを規制することができる。
【0049】
より詳細には、ロック機構は、抽出針保持部25又はエア針保持部26と一体に設けられているロック部材85と、スライド台17に形成されていてロック部材85と係合する係合部(例えばロック孔86)と、を含む。
そして、抽出針保持部25又はエア針保持部26が第1穿刺位置または第2穿刺位置に移動するのに連動して、ロック部材85が下降して、当該ロック部材85が係合部に対して係合し、スライド台17の水平移動が規制される。
このため、ロック機構によるスライド台17のロック操作を、レバー13に対する操作により行うことができる。
本実施形態の場合、ロック部材85は、固定部材84を介して抽出針保持部25に固定されている。
ロック部材85は、例えば、上下に延在する棒状部材であり、固定部材84から下方に垂下している。
ロック孔86は、スライド台17の上面に形成されている。
レバー13を下方に揺動させると、抽出針保持部25が下方に移動するのに伴い、ロック部材85が下方に移動して、
図7に示すようにロック部材85の下端部がロック孔86に差し込まれる。これにより、スライド台17の水平移動が規制された状態となる。
なお、レバー13を上方に持ち上げると、抽出針保持部25が上方に移動するのに伴い、ロック部材85が上方に移動して、ロック部材85の下端部がロック孔86から上方に離脱する。これにより、スライド台17の水平移動が許容された状態となる。
【0050】
図13に示すように、液送装置100は、更に、筐体12の前面壁の前側を覆うように設けられている保護カバー81を備えている。
保護カバー81の形状は、特に限定されないが、保護カバー81は、例えば略直方体形状に形成されており、筐体12の前面壁の前方に位置する前面と、前面の左右縁部からそれぞれ後方に伸びている左右の側面と、天面と、を有しており、下方には開放している。
保護カバー81の天面は、例えば、筐体12に対してヒンジ82により連結されている。ヒンジ82の軸方向は、例えば、筐体12の前面壁と天板との交差部に沿って、水平に且つ左右方向に延在している。
図3に矢印Eで示すように、保護カバー81は、ヒンジ82の回転軸を軸として開閉可能となっている。
保護カバー81が閉じた状態では、保護カバー81は、例えば、抽出針保持部25、エア針保持部26及びロック部材85を前面側、上面側、及び左右の側面側から覆うようになっている。抽出針保持部25及びエア針保持部26が第1待機位置及び第2待機位置に位置する状態では、保護カバー81は、抽出針保持部25により保持された抽出針27及びエア針保持部26により保持されたエア針28も覆うようになっている。このため、使用者が誤って抽出針27やエア針28の針先に触れてしまうことを抑制することができる。
保護カバー81は下方には開放しているので、保護カバー81を閉じた状態のまま、レバー13を操作することにより、抽出針27及びエア針28を保護カバー81における下側の開口から下方に突出させて、これら抽出針27及びエア針28を第1容器23に穿刺することができる。また、ロック部材85を下方に移動させてロック孔86に係止させる動作についても、保護カバー81と干渉することなく行うことができる。
保護カバー81は、例えば、透明な樹脂材料により構成されている。このため、保護カバー81を閉じた状態でも、抽出針保持部25及びエア針保持部26に抽出針27及びエア針保持部26がそれぞれ装着されているかどうかを外部から目視により確認することができる。
保護カバー81の前面には、例えば、取っ手83が設けられている。このため、使用者は、取っ手83を把持することによって、容易に保護カバー81を手動で開閉することができる。
保護カバー81を開いた状態では、容易に、抽出針保持部25及びエア針保持部26に抽出針27及びエア針28を着脱したり、送液チューブ29等を抽出針保持部25に着脱したりすることができる。
【0051】
次に、動作を説明する。
【0052】
液送装置100を使用して第1容器23から第2容器24に液体薬剤を移送する作業は、例えば、以下に説明するようにして行うことができる。
先ず、抽出針保持部25及びエア針保持部26がそれぞれ第1待機位置及び第2待機位置にある状態で、抽出針保持部25には抽出針27を、エア針保持部26にはエア針28を、それぞれ装着する。
次に、抽出針27から抽出針カバー40を取り外し、エア針28からエア針カバー41を取り外す。また、抽出針27に送液チューブ29、コネクタ30、コネクタ31及び導入針32を接続し、吸引針33のコネクタ34には、コネクタ35、送液チューブ36及びシリンジ37を接続する(
図4)。
次に、スライド台17を手前に引き出した状態(
図5)で、第1容器23を収容した遮蔽容器20をスライド台17のポケット18に配置し、スライド台17を後方に押し込む(
図2、
図3)。
【0053】
次に、レバー13を下方に揺動させて、抽出針保持部25及びエア針保持部26をそれぞれ第1穿刺位置及び第2穿刺位置まで下げる。これにより、抽出針27を第1容器23に穿刺するとともに、エア針28を第1容器23に穿刺する。なお、第1容器23の上端部には、ゴム栓が設けられており、抽出針27及びエア針28は、ゴム栓を介して第1容器23の内部に穿刺(挿通)される。このとき、抽出針27の下降量とエア針28の下降量とが互いに等しくなる。
次に、シリンジ37のプランジャ39をシリンジ本体38からの引き抜き方向に移動させることにより、第1容器23の内部の液体薬剤が抽出針27及び移送部を介して第2容器24の内部に吸引される。
次に、レバー13を上方に持ち上げることにより、抽出針27を第1容器23から抜去するとともに、エア針28を第1容器23から抜去する。レバー13の操作は、抽出針保持部25及びエア針保持部26をそれぞれ第1待機位置及び第2待機位置に達するまで行う。
こうして1つの第1容器23から第2容器24への液体薬剤の移送が完了する。
2つ以上の第1容器23から第2容器24に液体薬剤を移送する場合は、上述の動作のうち、レバー13を下方に揺動させる動作以降を繰り返し行う。
【0054】
以上、図面を参照して実施形態を説明したが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
【0055】
<変形例>
ここで、
図19から
図24(b)を用いて変形例に係る液送装置について説明する。本変形例に係る液送装置は、以下に説明する点で、上記の実施形態に係る液送装置100と相違しており、その他の点では、上記の実施形態に係る液送装置100と同様に構成されている。
【0056】
本変形例に係る液送装置は、以下に説明するレバーロック機構を備えており、通常時には、レバー13の揺動操作が規制(ロック)された状態(以下、レバーロック状態)となっている。レバー13の基端部が固定されているレバー固定部材87を回転軸14の軸方向における一方向(本実施形態の場合、左方:
図23に示す矢印I方向)に押し込む操作(以下、ロック解除操作)が行われることにより、レバー13の揺動操作が可能な状態となるようになっている。
【0057】
このように、本実施形態に係る液送装置においては、通常時には、抽出針保持部25が第1待機位置から第1穿刺位置に向かうとともにエア針保持部26が第2待機位置から第2穿刺位置に向かう方向へのレバー13の揺動が規制されたレバーロック状態となっている。レバーロック状態を解除するロック解除操作が行われることにより、抽出針保持部25が第1待機位置から第1穿刺位置に向かうとともにエア針保持部26が第2待機位置から第2穿刺位置に向かう方向へのレバー13の揺動操作が可能となる。
【0058】
このため、意図しない状況下で抽出針27及びエア針28が下降してしまうことを抑制することができ、液送装置をより安全に使用することが可能となる。
【0059】
以下、本変形例の場合におけるレバー13の基端部周辺の構造を詳細に説明する。
図19から
図24(b)のいずれかに示すように、本変形例に係る液送装置は、レバー13の基端部が固定されているレバー固定部材87と、レバー固定部材87を回転軸14の一端部(右端部)に対して取り付けている取付ネジ96と、回転軸14の一端部(右端部)が挿通されているガイド穴構成部材90と、ガイド穴構成部材90が固定されている固定板98と、を備えている。
なお、
図19から
図24(b)に示される回転軸14は、回転軸14の一部分(右端部及びその近傍の部分)である。
【0060】
固定板98は、例えば筐体12の内部に配置されており、当該固定板98の板面が左右を向いている。回転軸14は、固定板98に形成されている挿通穴に挿通されており、回転軸14の一端部は固定板98から右方に突出している。
【0061】
ガイド穴構成部材90は、回転軸14の一端部が挿通されているとともに回転軸14と同軸に配置されている筒状の筒状部91と、筒状部91の一端部(左端部)から周囲に張り出している板状の固定フランジ92と、を有する。固定フランジ92は、固定板98における右側の面に沿って配置されており、ビス等の複数の止着部材99を用いて固定板98に固定されている。
ガイド穴構成部材90には、取付ネジ96の頭部96b(被ガイド部)をガイドするガイド穴93(ガイド部)が形成されている。ガイド穴93は、頭部96bを回転軸14の軸方向にガイドする第2部分93b(第1ガイド部)と、第2部分93bと連続しているとともにレバー13が揺動する際に頭部96bを回転軸14の軸周り方向においてガイドする第1部分93a(第2ガイド部)と、を含む。例えば、ガイド穴93は、筒状部91に形成されている。例えば、固定フランジ92における右側の板面が第1部分93aの左縁を構成している。
第1部分93aは、筒状部91の周方向に延在する長穴状の部分であり、第1部分93aの幅寸法(筒状部91の軸方向における第1部分93aの寸法)は、頭部96bの外径と同等又は頭部96bの外径よりも若干大きい程度の寸法に設定されている。筒状部91の周方向において、第1部分93aが形成されている角度範囲は、抽出針保持部25を第1待機位置から第1穿刺位置に移動させるとともにエア針保持部26を2待機位置から第2穿刺位置に移動させる際のレバー13の揺動角度に等しい。第1部分93aは、例えば、筒状部91の前側部分に形成されており、筒状部91の上部から正面部に亘って延在している。
第2部分93bは、第1部分93aの上端に連続しており、第1部分93aの上端から右方に向けて延びている(張り出している)。第2部分93bの最大幅寸法(筒状部91の周方向における第2部分93bの最大寸法)は、頭部96bの外径と同等又は頭部96bの外径よりも若干大きい程度の寸法に設定されている。
【0062】
回転軸14の一端部には、後述するコイルスプリング97の一部分(左側の部分)を収容する収容穴94(
図20、
図23等)が形成されている。収容穴94は、回転軸14と同軸の穴であり、回転軸14の一端面(右端面)に開口している。
なお、回転軸14の一端側の部分は、例えば、筒状部91の右端よりも右側に突出している。
回転軸14の一端部には、取付ネジ96を回転軸14の軸方向にガイドする長穴95(
図20、
図23)が形成されている。長穴95は、例えば、回転軸14を径方向に貫通している。長穴95の幅寸法(回転軸14の周方向における長穴95の寸法)は、取付ネジ96の後述する軸部96aの外径と同等であるか又は軸部96aの外径よりも若干大きい程度の寸法に設定されている。
【0063】
レバー固定部材87は、例えば、円盤状の固定部88と、固定部88の左端面から左方に突出している円柱状の突出部89と、を有する。突出部89は固定部88よりも小径に形成されており、固定部88と突出部89とは互いに同軸に配置されている。
レバー固定部材87は、突出部89が左、固定部88が右に位置する配置で、回転軸14の右端部に取り付けられている。
レバー固定部材87には、突出部89の左端面に開口する収容穴87aが形成されている。収容穴87aの内径は、回転軸14の外径と同等であるか、又は、回転軸14の外径よりも若干大きい程度に設定されている。
図23に示すように、収容穴87aは、例えば、突出部89の内部から固定部88の内部に亘って形成されている。
収容穴87aには、回転軸14における右側の先端部が収容されているとともに、圧縮型のコイルスプリング97が圧縮状態で収容されている。コイルスプリング97の軸方向は、回転軸14の軸方向に一致している。
突出部89には、取付ネジ96を用いてレバー固定部材87を回転軸14に対して取り付けるための固定穴89a、89bが形成されている。
固定穴89a、89bは、例えば、取付ネジ96が螺入される雌ネジ部となっている。固定穴89a、89bは、突出部89の周方向において、互いに180度対向する位置に配置されている。固定穴89a、89bの各々の軸方向は、突出部89の径方向に延在しており、且つ、互いに同軸に配置されている。
【0064】
取付ネジ96は、直線状に延在する雄ネジ形状の軸部96aと、軸部96aの一端に形成されている頭部96bと、を有する。頭部96bは、軸部96aよりも大径に形成されている。
【0065】
取付ネジ96によりレバー固定部材87を回転軸14に取り付ける際には、コイルスプリング97を回転軸14の収容穴94の内部からレバー固定部材87の収容穴87aの内部に亘って配置するとともに、回転軸14における右側の先端部が収容穴87aの内部に収容されるようにレバー固定部材87を回転軸14に対して相対的に左方に押し込む。また、突出部89における先端側(左端側)の部分を、筒状部91の内部に挿入する。その際、コイルスプリング97は、収容穴94の左端と収容穴87aの右端との間において圧縮される。
そして、取付ネジ96の軸部96aを、ガイド穴構成部材90のガイド穴93を通して固定穴89aに螺入し、更に、回転軸14の長穴95を通して軸部96aの先端部を固定穴89bに螺入する。
こうして、レバー固定部材87が回転軸14に対して取り付けられている。
【0066】
レバー固定部材87及び取付ネジ96は、コイルスプリング97の付勢力によって、回転軸14に対して相対的に右方に(
図23の矢印J方向に)付勢されている。
図23に示すように、通常時には、頭部96bがガイド穴93の第2部分93bに収容されているとともに、軸部96aが長穴95内において、長穴95の右端部に位置している。
使用者がコイルスプリング97の付勢に抗してレバー固定部材87を左方に押し込むと、すなわち使用者がロック解除操作を行うと、レバー固定部材87及び取付ネジ96が回転軸14に対して相対的に左方に移動し、取付ネジ96の軸部96aは長穴95内において左方に移動するとともに、頭部96bはガイド穴93内において第2部分93bから第1部分93aに移動する(
図24(a)参照)。
その状態で、使用者がレバー13を下死点まで揺動させる操作を行うと、レバー13と一体にレバー固定部材87及び取付ネジ96が回転軸14の軸周りに回転する。この際、頭部96bはガイド穴93の第1部分93a内で当該第1部分93aの周方向に移動し、第1部分93aの前端部に到達する(
図24(b)参照)。またこの際、取付ネジ96が回転軸14に回転力を伝達することにより、回転軸14が軸周りに回転する。つまり、上記の実施形態においてレバー13を上死点から下死点に揺動させる操作を行った場合と同様に、抽出針保持部25が第1待機位置から第1穿刺位置に移動するとともにエア針保持部26が第2待機位置から第2穿刺位置に移動する。
また、レバー13を上死点に復帰させる際にも、レバー13と一体にレバー固定部材87及び取付ネジ96が回転軸14の軸周りに回転する。この際、頭部96bはガイド穴93の第1部分93a内で当該第1部分93aの周方向に移動し、第1部分93aの前端部から上端部に移動する。またこの際、取付ネジ96が回転軸14に回転力を伝達することにより、回転軸14が軸周りに回転する。つまり、上記の実施形態においてレバー13を下死点から上死点に揺動させる操作を行った場合と同様に、抽出針保持部25が第1穿刺位置から第1待機位置に移動するとともにエア針保持部26が第2穿刺位置から第2待機位置に移動する。すると、コイルスプリング97の付勢に従ってレバー固定部材87及び取付ネジ96が回転軸14に対して相対的に右方に移動し、取付ネジ96の軸部96aが長穴95内において右方に移動するとともに、頭部96bはガイド穴93内において第1部分93aから第2部分93bに移動する。つまり、コイルスプリング97の作用によって、自動的にレバーロック状態にする。
【0067】
このように、本変形例に係る液送装置は、レバー13の基端部が固定されているレバー固定部(例えば、レバー固定部材87及び取付ネジ96により構成される)を備え、レバー固定部は、回転軸14に対して相対的に当該回転軸14の軸方向に移動可能に、当該回転軸14の一端部に設けられており、レバー13を揺動させる際には、レバー13、レバー固定部及び回転軸14が一体に回転するようになっており、ロック解除操作は、レバー固定部を回転軸14に対して軸方向における一方向に押し込む操作である。
【0068】
また、本変形例に係る液送装置は、レバー固定部を軸方向において上記一方向に対する反対方向に付勢して通常時においてレバーロック状態に維持させるレバー付勢部(コイルスプリング97)を備える。
【0069】
また、本変形例に係る液送装置は、回転軸14を回転可能に保持している本体部(例えば、上述したブラケット46、47、筐体12、固定板98等により構成される)を備え、本体部とレバー固定部とのうちの一方は、ガイド部(ガイド穴93)を備え、本体部とレバー固定部とのうちの他方は、ガイド部によってガイドされる被ガイド部(頭部96b)を備えている。ガイド部は、被ガイド部を回転軸14の軸方向にガイドする第1ガイド部(第2部分93b)と、第1ガイド部と連続しているとともにレバー13が揺動する際に被ガイド部を回転軸14の軸周り方向においてガイドする第2ガイド部(第1部分93a)と、を含む。
【0070】
以上のように、本物品は、放射性薬剤などの液体薬剤を容器(第1容器23)から抽出して移送(例えば別の容器(第2容器24)に移送)するのに用いられる液送装置100である。本物品は、
図13に示すように、基台11と基台上に設けられている筐体12、スライド台17及び第2容器保持部80と、筐体12の前面側に設けられている保護カバー81と、を備えている。
スライド台17は、第1容器23を保持する。第2容器保持部80は、第2容器24を保持する。
筐体12の前面側には、第1容器23から液体薬剤を抽出する抽出針27を保持する抽出針保持部25と、第1容器23の内部と外部とを連通させるエア針28を保持するエア針保持部26と、が設けられている。
筐体12の側部には、手動操作を受け付けて揺動するレバー13が設けられている。
レバー13に対する操作により、抽出針保持部25及びエア針保持部26を昇降させることができる。抽出針保持部25及びエア針保持部26を下降させることにより、スライド台17により保持された第1容器23に抽出針27及びエア針28を穿刺することができる。抽出針保持部25には、棒状のロック部材85が固定されており、レバー13に対する操作により抽出針保持部25が下降すると、ロック部材85も一体に下降し、ロック部材85の下端部がスライド台17に差し込まれる。これにより、スライド台17の移動が規制される。
保護カバー81は、透明部である。
図13は、透明部を示す参考斜視図であり、透明部である保護カバー81に左上がりのハッチングを付している。
図7は動作状態を示す参考右側面図であり、レバー13を下降させる手動操作を行うことにより、抽出針保持部25、エア針保持部26及びロック部材85を下降させた状態を示す。
【0071】
本実施形態は以下の技術思想を包含する。
(1)第1容器を保持する第1容器保持部と、
第2容器を保持する第2容器保持部と、
前記第1容器から液体薬剤を抽出する抽出針を保持する抽出針保持部と、
前記第1容器内の前記液体薬剤を、前記抽出針を介して前記第2容器へと移送する移送部と、
前記第1容器の内部と外部とを連通させるエア針を保持するエア針保持部と、
手動操作に応じて前記抽出針保持部と前記エア針保持部とを互いに同期させて移動させる針移動機構と、
を備え、
前記針移動機構は、前記手動操作に応じて、前記抽出針保持部を、第1待機位置と、前記第1待機位置よりも下方の位置であって前記抽出針が前記第1容器に穿刺される第1穿刺位置と、の間で移動させるとともに、前記エア針保持部を、第2待機位置と、前記第2待機位置よりも下方の位置であって前記エア針が前記第1容器に穿刺される第2穿刺位置と、の間で移動させるように構成されており、
前記針移動機構は、
水平に配置されている回転軸と、
前記手動操作を受け付けて、前記回転軸の軸周りに前記回転軸と一体に揺動するレバーと、
前記回転軸の軸周りに前記回転軸と一体に回転するピニオンと、
前記ピニオンと噛み合わされており、前記ピニオンの回転に伴って上下に移動するラックと、
前記ラックから前記抽出針保持部と前記エア針保持部とにそれぞれ駆動力を伝達する駆動伝達機構と、
を備える液送装置。
(2)前記第1待機位置と前記第1穿刺位置との間の前記抽出針保持部の移動経路と、前記第2待機位置と前記第2穿刺位置との間の前記エア針保持部の移動経路と、は互いに交差しており、
前記第1待機位置と前記第1穿刺位置との高低差と、前記第2待機位置と前記第2穿刺位置との高低差と、が互いに等しい(1)に記載の液送装置。
(3)前記駆動伝達機構は、
上下に延在する第1直線ガイドと、
前記第1直線ガイドに沿って、前記ラックと一体に上下動する第1可動体と、
前記第1直線ガイドに対して傾斜して配置されている第2直線ガイドと、
前記第2直線ガイドに沿って移動可能な第2可動体と、
前記第1可動体と一体に上下動するとともに、前記第2可動体をガイドしている第3直線ガイドと、
を備え、
前記抽出針保持部は前記第1可動体と一体に上下動し、
前記エア針保持部は前記第2可動体と一体に移動する(2)に記載の液送装置。
(4)基台と、
前記基台上に配置されている筐体と、
を備え、
前記第1容器保持部及び前記第2容器保持部はそれぞれ基台上に設けられており、
前記第1直線ガイド及び前記第2直線ガイドはそれぞれ前記筐体に固定されており、
前記第3直線ガイドは、当該第3直線ガイドの一端部において前記第1可動体に固定されているとともに、水平に延在している(3)に記載の液送装置。
(5)前記ラックは上下に延在しており、
当該駆動伝達機構は、
前記ラックの上端部に固定されている第3可動体と、
前記ラックの下端部に固定されている第4可動体と、
前記第3可動体及び前記第4可動体を上下にガイドする第4直線ガイドと、
を備え、
前記第1可動体は、前記第3可動体又は前記第4可動体に固定されている(3)又は(4)に記載の液送装置。
(6)前記ラックを上死点に保持させる第1磁石と、
前記ラックを下死点に保持させる第2磁石と、
を備える(2)から(5)のいずれか一項に記載の液送装置。
(7)前記ピニオンが回転可能な角度範囲を調整するための調整機構を備える(2)から(6)のいずれか一項に記載の液送装置。
(8)前記抽出針保持部が前記第1穿刺位置から前記第1待機位置に向かうとともに前記エア針保持部が前記第2穿刺位置から前記第2待機位置に向かう方向へと、前記回転軸及び前記レバーを付勢する付勢部を備える(2)から(7)のいずれか一項に記載の液送装置。
(9)前記抽出針保持部を前記第1待機位置から前記第1穿刺位置に移動させるとともに前記エア針保持部を前記第2待機位置から前記第2穿刺位置に移動させる動作の完了時の衝撃を吸収する衝撃吸収部を備える(1)から(8)のいずれか一項に記載の液送装置。
(10)前記抽出針保持部を前記第1穿刺位置から前記第1待機位置に移動させるとともに前記エア針保持部を前記第2穿刺位置から前記第2待機位置に移動させる動作を減速させる減速機構を備える(1)から(9)のいずれか一項に記載の液送装置。
(11)基台と、
前記基台上に配置されている筐体と、
を備え、
前記第1容器保持部及び前記第2容器保持部はそれぞれ基台上に設けられており、
前記抽出針保持部及び前記エア針保持部は、それぞれ前記筐体によって保持されているとともに、前記筐体の前面から前方に突出しており、前記筐体の前記前面に沿って移動可能となっており、
前記抽出針を保持した前記抽出針保持部が前記第1待機位置にあるときに、前記抽出針の下端と前記基台との距離が、前記抽出針に付属するカバー部材の長さよりも長く、
前記エア針を保持した前記エア針保持部が前記第2待機位置にあるときに、前記エア針の下端と前記基台との距離が、前記エア針に付属するカバー部材の長さよりも長い(1)から(10)のいずれか一項に記載の液送装置。
(12)基台を備え、
前記第1容器保持部は、前記基台に対してスライド可能に、前記基台上に設けられている(1)から(11)のいずれか一項に記載の液送装置。
(13)前記第1容器保持部は、当該第1容器保持部により保持された前記第1容器に前記抽出針及び前記エア針を穿刺可能な第1位置と、前記第1位置とは異なる第2位置と、に水平方向にスライド移動可能となっており、
当該液送装置は、更に、前記第1容器保持部が前記第1位置にあるときに前記第1容器保持部の水平移動を規制するロック機構を更に備える(12)に記載の液送装置。
(14)前記ロック機構は、
前記抽出針保持部又は前記エア針保持部と一体に設けられているロック部材と、
前記第1容器保持部に形成されていて前記ロック部材と係合する係合部と、
を含み、
前記抽出針保持部又は前記エア針保持部が前記第1穿刺位置または前記第2穿刺位置に移動するのに連動して、前記ロック部材が下降して、前記係合部に対して係合し、前記第1容器保持部の水平移動が規制される(13)に記載の液送装置。
(15)通常時には、前記抽出針保持部が前記第1待機位置から前記第1穿刺位置に向かうとともに前記エア針保持部が前記第2待機位置から前記第2穿刺位置に向かう方向への前記レバーの揺動が規制されたレバーロック状態となっており、
前記レバーロック状態を解除するロック解除操作が行われることにより、前記抽出針保持部が前記第1待機位置から前記第1穿刺位置に向かうとともに前記エア針保持部が前記第2待機位置から前記第2穿刺位置に向かう方向への前記レバーの揺動操作が可能となる(1)から(14)のいずれか一項に記載の液送装置。
(16)前記レバーの基端部が固定されているレバー固定部を備え、
前記レバー固定部は、前記回転軸に対して相対的に当該回転軸の軸方向に移動可能に、当該回転軸の一端部に設けられており、
前記レバーを揺動させる際には、前記レバー、前記レバー固定部及び前記回転軸が一体に回転するようになっており、
前記ロック解除操作は、前記レバー固定部を前記回転軸に対して前記軸方向における一方向に押し込む操作である(15)に記載の液送装置。
(17)前記レバー固定部を前記軸方向において前記一方向に対する反対方向に付勢して前記通常時において前記レバーロック状態に維持させるレバー付勢部を備える(16)に記載の液送装置。
(18)当該液送装置は、前記回転軸を回転可能に保持している本体部を備え、
前記本体部と前記レバー固定部とのうちの一方は、ガイド部を備え、
前記本体部と前記レバー固定部とのうちの他方は、前記ガイド部によってガイドされる被ガイド部を備え、
前記ガイド部は、前記被ガイド部を前記回転軸の軸方向にガイドする第1ガイド部と、前記第1ガイド部と連続しているとともに前記レバーが揺動する際に前記被ガイド部を前記回転軸の軸周り方向においてガイドする第2ガイド部と、を含む(17)に記載の液送装置。
【符号の説明】
【0072】
11 基台
12 筐体
13 レバー
14 回転軸
15 グリップ部
16 ガイド
17 スライド台(第1容器保持部)
18 ポケット
19 取っ手
20 遮蔽容器
21 外容器
22 遮蔽体
23 第1容器
24 第2容器
25 抽出針保持部
26 エア針保持部
27 抽出針
28 エア針
29 送液チューブ
30 コネクタ
31 コネクタ
32 導入針
33 吸引針
34 コネクタ
35 コネクタ
36 送液チューブ
37 シリンジ
38 シリンジ本体
39 プランジャ
40 抽出針カバー
41 エア針カバー
42 上可動端調整ネジ(調整機構)
43 下可動端調整ネジ(調整機構)
44 ピニオン
45 ラック
46 ブラケット
47 ブラケット
48 ねじりバネ(付勢部)
49 巻回部
50 第1延伸部
51 第2延伸部
52 第1ストッパ
53 第2ストッパ
54 端縁
55 端縁
56 直線ガイド
57 可動体(第3可動体)
58 可動体(第4可動体)
59 連結部
60 上側固定磁石(第1磁石)
61 上側可動磁石(第1磁石)
62 下側固定磁石(第2磁石)
63 下側可動磁石(第2磁石)
64 支持ブラケット
65 ダンパーヒンジ(減速機構)
66 ホルダ
67 第1固定レール(第1直線ガイド)
68 第2固定レール(第2直線ガイド)
69 固定部材
70 固定部材
71 固定部材
72 可動レール(第3直線ガイド)
73 第1可動体
74 第2可動体
75 第1ガイド部
76 第2ガイド部
77 ショックダンパー(衝撃吸収部)
78 第1スリット
79 第2スリット
80 第2容器保持部
81 保護カバー
82 ヒンジ
83 取っ手
84 固定部材
85 ロック部材
86 ロック孔(係合部)
87 レバー固定部材(レバー固定部を構成する)
87a 収容穴
88 固定部
89 突出部
89a、89b 固定穴
90 ガイド穴構成部材
91 筒状部
92 固定フランジ
93 ガイド穴
93a 第1部分
93b 第2部分
94 収容穴
95 長穴
96 取付ネジ(レバー固定部を構成する)
96a 軸部
96b 頭部
97 コイルスプリング
98 固定板
99 止着部材
100 液送装置