IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ジ イェンの特許一覧

<>
  • 特開-画像測定とレジストレーション方法 図1
  • 特開-画像測定とレジストレーション方法 図2
  • 特開-画像測定とレジストレーション方法 図3
  • 特開-画像測定とレジストレーション方法 図4
  • 特開-画像測定とレジストレーション方法 図5A
  • 特開-画像測定とレジストレーション方法 図5B
  • 特開-画像測定とレジストレーション方法 図6
  • 特開-画像測定とレジストレーション方法 図7
  • 特開-画像測定とレジストレーション方法 図8
  • 特開-画像測定とレジストレーション方法 図9A
  • 特開-画像測定とレジストレーション方法 図9B
  • 特開-画像測定とレジストレーション方法 図10
  • 特開-画像測定とレジストレーション方法 図11A
  • 特開-画像測定とレジストレーション方法 図11B
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022018985
(43)【公開日】2022-01-27
(54)【発明の名称】画像測定とレジストレーション方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 34/20 20160101AFI20220120BHJP
   A61B 5/055 20060101ALI20220120BHJP
【FI】
A61B34/20
A61B5/055 390
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020122473
(22)【出願日】2020-07-16
(71)【出願人】
【識別番号】520265664
【氏名又は名称】ジ イェン
【氏名又は名称原語表記】Ying Ji
【住所又は居所原語表記】760 parkside Avenue Brooklyn, New York USA
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】ジ イェン
【テーマコード(参考)】
4C096
【Fターム(参考)】
4C096AA18
4C096AD19
(57)【要約】      (修正有)
【課題】物理空間と画像空間の位置および方向を測定し登録する方法を提供する。
【解決手段】トラッキングツール1はをコンポーネント6を備え、コンポーネントは、位置および/または方向部品2を含み、位置および方向は、トラッキングツールの座標フレームに基づき、測定部品で測定される。測定部品は、測定用の測定面があり、トラッキングシステムにおけるトラッキングツールを用いて事前に較正することが必要ない。コンポーネントを人体に置いてスキャンする。人体に相対トラッキングツールを置く。登録時間に、相対トラッキングツールのデータとコンポーネントに付着したトラッキングツールのデータを同時に記録する。計器にトラッキングツールを置く。事後登録時間に計器に置かれたトラッキングツールのデータと相対トラッキングツールのデータを同時に記録する。変換された、画像空間での、トラッキングツールの位置及び/または方向が計算される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物理空間と画像空間の位置と方向を測定し登録する方法として、
a)6つの自由度の位置と方向を持つ部品を含むコンポーネントとトラッキングツールを提供され、その中に:
前記コンポーネントは、少なくとも4つの非共平面の位置部品、または少なくとも1つの位置部品と少なくとも3つの直交する方向部品を含み、
すべての部品は、剛性的に前記のコンポーネントに配置され、
前記部品と前記のトラッキングツールの位置および方向が相対的に互いに固定されるように、前記のトラッキングツールは前記コンポーネントに着脱可能に剛性的に固定され、
前記トラッキングツールの座標フレームによって、前記部品の物理的空間の3次元位置および利用可能方向を測定する、そして、
イメージングシステムを用いて、これらの部品をスキャンすることができ、またスキャンされた画像空間において、その3次元位置と利用可能な方向を得ることができると、
b)前記コンポーネントを一つの物体にしっかりと置いて、イメージングシステムを用いて、画像スキャンを行い、スキャンされた画像を通して、スキャン画像空間における前記部品の3次元位置と利用可能な方向を得ると、
c)ステップa)で前記トラッキングツールの座標フレームで測定された物理空間における部品の位置と利用可能な方向、およびステップb)で得られた画像空間における部品の位置と利用可能な方向に基づいて、計算で得られるのは,位置と方向を物理空間から画像空間に変換する変換関係式であると、
d)人体の上または体内に6つの自由度の相対トラッキングツールを置き、
トラッキングシステムを使用して、時間を登録する同時にトラッキングシステムの座標フレームに基づいて相対トラッキングツールとコンポーネントに取り付けられたトラッキングツール、この二つのトラッキングツールの6つの自由度の方向および位置データを記録すると、
e)トラッキング計器にトラッキングツールを置いて、その計器の姿勢を追跡し、
トラッキングシステムを使用して、事後登録時間において、トラッキングシステムの座標フレームに基づいて、計器に取り付けられたトラッキングツールの位置と利用可能な方向データ、および相対トラッキングツールの6つの自由度の方向と位置データを同時に記録すると、
f)ステップc)で得られた変換、ステップd)での登録時間に記録された相対トラッキングツールと、コンポーネントに取り付けられたトラッキングツールのデータと、ステップe)での事後登録時間に相対トラッキングツールと計器に取り付けられたトラッキングツールの両方のデータを記録して、変換された後、画像空間内で、計器に取り付けられたトラッキングツールの位置と利用可能方向を計算するとを含む
ことを特徴とする物理空間と画像空間の位置と方向を測定し登録する方法。
【請求項2】
前記変換はTとして表され、以下の関係を満たすことを特徴として、
【数1】
ここで、
OBJECTM1i TはOBJECTM1iの転置マトリックスであり、OBJECTM1iは(x,y,x,1)を表し、そのうち(x,y,z)は画像空間内の位置を表し、OBJECTW1i TはOBJECTW1iの転置マトリックスであり、OBJECTW1iが(x,y,z,1)を表し、そのうち(x,y,z)は、トラッキングツールフレーム中の物理空間の位置を表し、当該トラッキングツールは、取り外し可能で、かつ剛性的にコンポーネントに取り付けられる。iは、前記部品のi番目の位置を表し、i≧4;4 x 4変換マトリックスTの形式は以下の通りであり、
【数2】
ここで、Rは3×3回転マトリックスであり、x,y,zはそれぞれ座標の平行移動であり、
Tは少なくとも4つの非共平面位置の少なくとも4つの関係(1)の連立方程式を解くことによって計算される
請求項1に記載の物理空間と画像空間の位置と方向を測定し登録する方法。
【請求項3】
前記変換はTとして表され、以下の関係を満たすことを特徴として、
【数3】
ここで、
OBJECTM2iは4 x 4マトリックスであり、以下の通りであり、
【数4】
OBJECTW2iは4 x 4マトリックスであり、以下の通りであり、
【数5】
4 x 4変換マトリックスTの形式は以下の通りであり、
【数6】
ここで、Rは3×3回転マトリックスであり、x,y,zはx,y,zは平行移動成分であり、
Tは、少なくとも1つの位置(x、y、z)と3つの直交方向A、B、Cとを含む少なくとも1つの等式(2)を解くことによって求められ、
以下の式を解くことでRも得られ、
【数7】
ここでMは以下の3×3マトリックスであり、
【数8】
Wは以下の3×3マトリックスである
【数9】
請求項1に記載の物理空間と画像空間の位置と方向を測定し登録する方法。
【請求項4】
前記登録時間の間に、
4×4マトリックスBとAを記録する。それぞれは前記コンポーネントに付着するトラッキングツールと前記相対トラッキングツールの位置と方向を表す。前記事後登録時間の間に、4×4マトリックスDを記録する。それは計器に付着するトラッキングツールの位置と利用可能な方向を表す。前記事後登録時間の間、4×4マトリックスEを記録する。それは相対トラッキングツールの位置と方向を表す。4×4マトリックスFは計器に付着されたトラッキングツールの、物理空間から変換された画像空間での位置と利用可能な方向を表す。以下の関係を満たし、
【数10】
ここでTは位置と方向を物理空間から画像空間に変換して計算した変換である。4 x 4変換マトリックスTの形式は以下の通りであり、
【数11】
Rは3×3回転マトリックスであり、また、x、y、zは座標の平行移動であり、
B,A,E,DおよびFの4×4マトリックスは以下の通りであり、
【数12】
Rは3×3回転マトリックスであり、x、y、zは成分位置であり、
このような式(4)によって、物理空間におけるトラッキングシステムの座標フレームに対する計器トラッキングツールの位置データ(x,y,z)を用いて、画像空間における対応する位置を計算することができる。式(4)により、物理空間におけるトラッキングシステムの座標フレームに対する計器トラッキングツールの方向データを利用して、画像空間における対応する方向を計算することができる
請求項1に記載の物理空間と画像空間の位置と方向を測定し登録する方法。
【請求項5】
前記のコンポーネントが2つ以上存在し、および/またはコンポーネントに着脱可能に取り付けられたトラッキングツールが2つ以上存在し、および/または前記人体上または人体中に相対トラッキングツールが2つ以上存在し、および/または人体または人体における相対トラッキングツールは、コンポーネントに取り付けられたトラッキングツールと組み合わせる
請求項1に記載の物理空間と画像空間の位置と方向を測定し登録する方法。
【請求項6】
前記6つの自由度を有する位置と方向のトラッキングツールは、自由度が6未満の複数のトラッキングツールで構成される
請求項1に記載の物理空間と画像空間の位置と方向を測定し登録する方法。
【請求項7】
前記第3の直交方向は、2つの直交方向から導き出せる
請求項1に記載の物理空間と画像空間の位置と方向を測定し登録する方法。
【請求項8】
前記トラッキングシステムは、電磁トラッキングシステムまたは光学トラッキングシステムである
請求項1に記載の物理空間と画像空間の位置と方向を測定し登録する方法。
【請求項9】
前記コンポーネントに取り付けられた前記トラッキングツールの座標フレームに基づいて、前記コンポーネントに含まれる前記位置部品の位置を測定することを特徴として、測定方法は、以下のステップを含み、
a、前記部品に球体の一部または全部の突起測定面を持たせることにより、前記突起測定面の中心が実質的に測定対象部品の位置に対応するようにすると、
b、前記部品の凸形状測定表面と実質的に一致する凹形状測定表面を有する測定部品を提供すると、
c、6つの自由度のトラッキングツールを剛性的に前記測定部品に固定することと、
d、測定部品の凹面測定面を保持し、部品の凸面測定面にシームレスに接触させ、凹面測定面の中心を変えずに測定部品を異なる位置に移動させる。トラッキングシステムを適用して、トラッキングシステムの座標フレームに基づいて、測定部品に付着したトラッキングツールの少なくとも2つの異なる位置の方向と位置データを記録するとともに、トラッキングシステムの座標フレームに基づいて、前記コンポーネントに取り付けられたトラッキングツールの方向と位置データを記録すると、
e、前記ステップdにおける記録データを用いて、コンポーネントに取り付けられたトラッキングツールの座標フレームに基づいて、測定部品の凹形状測定表面の中心の未変更位置または対応する前記部品の未変更位置を算出すると
請求項1に記載の物理空間と画像空間の位置と方向を測定し登録する方法。
【請求項10】
前記部品には第1の部分と第2の部分を含み、前記第1の部分は球形を有し、実質的に球形部材の中心に位置し、第2部分は球形部材の外層に位置し、第2部分のコア中心も実質的に第1部分のコア中心と重なるように配置され、そして、第1部分と2は異なる材料成分を有して、イメージスキャナーを診断することで、お互いに比較的弱いまたは強い信号を生成することができ、したがって、スキャン画像形成において、前記部品の第1部分の中心の画像位置は、表示されたスペックルを区別することによって、容易かつ正確に特定および測定することができる
請求項9に記載の物理空間と画像空間の位置と方向を測定し登録する方法。
【請求項11】
前記測定器に記録されたトラッキングツールのデータは、4×4マトリックスBiと表現することができ、記録された前記コンポーネントに付着したトラッキングツールのデータは、4×4マトリックスAiと表現することができ、前記コンポーネントに付着したトラッキングツールの座標フレームに基づいて、計測部品に付着したトラッキングツールの姿勢は4×4マトリックスCiとして表すことができ、次の関係を満たし、
【数13】
4 x 4変換マトリックスAi、Bi、Ciの形式は以下の通りであり、
【数14】
ここで、Rは3×3回転マトリックス、x,y,zは成分位置、iはi番目の位置、i>=2を表し、
前記コンポーネントに取り付けられたトラッキングツールの座標フレームに基づいて、測定部品の凹面測定の表面中心の不変位置はXS、YS、ZSで表現され、次の関係を満たし、
【数15】
XO、YO、ZOは計測トラッキングツールの中心から凹面測定面のコア中心までのオフセット距離である。Ci(m,n)はマトリックスCiの回転要素である。XBi、YBi、ZBiはマトリックスCiのX,Y,Z位置である。i> = 2で少なくとも2つの組の方程式(6)を解き、凹面測量面のコア中心または前記部品の中心の測量位置(XS, YS, ZS)を得る。当該位置は、コンポーネントに取り付けられたトラッキングツールの座標フレームに基づいている
請求項9に記載の物理空間と画像空間の位置と方向を測定し登録する方法。
【請求項12】
トラッキングシステムの座標フレームに基づいて、記録された測定部品に付着したトラッキングツールのデータは、4×4マトリックスBiとして表されてもよい。トラッキングシステムの座標フレームに基づいて、記録された前記コンポーネントに付着したトラッキングツールのデータは、4×4マトリックスAiとして表されてもよい、
4 x 4変換マトリックスAiとBiの形式は以下の通りであり、
【数16】
ここで、Rは3×3回転マトリックス、x,y,zは成分位置、iはi番目の位置、i>=2を表し、
トラッキングシステムの座標フレームに基づいて、測定部品の凹面測定の表面中心の不変位置はXS、YS、ZSで表現され、次の関係を満たし、
【数17】
XO,YO,ZOは計測トラッキングツールの中心から凹面測定面のコア中心までのオフセット距離である。Bi(m,n)はマトリックスBiの回転元素である。XBi,YBi,ZBiはマトリックスBiのX,Y,Z位置,i>=2の場合、少なくとも2つ組の方程式(7)を解き、トラッキングシステムの座標フレームに基づいて、凹面測定面の中心または部品中心の測定位置(XS,YS,ZS)を得り、
AAはグループAiの平均値の逆マトリックスまたはその中の1つのAiの逆マトリックスを表し、そして(X'S,Y'S,Z'S)は凹面測定面の中心または前記部品中心である。、当該中心は測定された位置であり、前記コンポーネントに取り付けられたトラッキングツールの座標フレームに基づいている。(X'S, Y'S, Z'S)を得るには以下のことに基づき、
【数18】
AA(m,n)はマトリックスAAの回転要素であり、XB,YB,ZBはマトリックスAAのX,Y,Z位置である
請求項9に記載の物理空間と画像空間の位置と方向を測定し登録する方法。
【請求項13】
前記コンポーネントに取り付けられた前記トラッキングツールの座標フレームに基づいて、前記コンポーネントに含まれる前記方向部品の方向を測定することを特徴とし、測定方法は、以下のステップを含み、
a、 方向性部品を部分または全部の円筒形の測定面または他の細長い測定面を有し、少なくとも第1の部分または全円形断面と第2の部分または全円形断面とを含み、溝棒または細長い部品の軸線が方向部品の方向と一致するようにすると、
b、 溝または部分または全円筒空洞測定面を有する測定部品を提供し、少なくとも2つの凹形の部分または全円形断面を含み、配向部品の凸測定面と実質的に一致すると、
c、少なくとも方向追跡用のトラッキングツールを、前記測定部品に剛性的に付着させると、
d、測定部品の凹面測定面を部品の凸面測定面にシームレスに接触させることを保持し、凹面測定面の軸方向を変えずに測定部品を異なる回転角度で回転させる。トラッキングシステムを適用して、トラッキングシステムの座標フレームに基づいて、測定部品に付着したトラッキングツールの少なくとも2つの異なる回転角度の方向データと、前記コンポーネントに取り付けられたトラッキングツールの方向と位置データを同時に記録すると、
e、前記ステップdにおける記録データを用いて、前記コンポーネントに取り付けられたトラッキングツールの座標フレームに基づいて、測定部品の凹形測定表面の軸または部品の軸の不変方向を算出する
請求項1に記載の物理空間と画像空間の位置と方向を測定し登録する方法。
【請求項14】
前記方向部品は第1部分と第2部分を含むことを特徴として、第1部分は細長い形状をして、その軸線が方向部品の軸線と一致するように配置されていて、第2部分は部品の外層に位置し、第2部分の軸線も実質的に第1部分の軸線と一致するように配置されていて、そして、第1部分と第2部分は異なる材料成分を有して、イメージスキャナーを診断することで、お互いに比較的弱いまたは強い信号を生成することができ、したがって、スキャン画像形成において、前記部品の第1部分の画像方向は、表示された線を区別することによって容易かつ正確に決定し測定することができる
請求項13に記載の物理空間と画像空間の位置と方向を測定し登録する方法。
【請求項15】
トラッキングシステムの座標フレームに基づいた、測定部品に付着したトラッキングツールのデータを4×4マトリックスBiと表現することができ、トラッキングシステムの座標フレームに基づいた、前記コンポーネントに付着したトラッキングツールのデータを4×4マトリックスAiと表現することができ、
ここで4×4変換マトリックスAiとBiの形式は以下の通りであり、
【数19】
Rは3×3回転マトリックス、x,y,zは成分位置、iはi番目の位置、i>=2を表し、
トラッキングシステムのフレームにおいて、測定部品の凹面測定面の軸の変化していない方向はδx 、δy、δzで表すことができ、以下の関係を満たし、
【数20】
【数21】
ここでAA(m,n)は、マトリックスAAの回転要素である
請求項13に記載の物理空間と画像空間の位置と方向を測定し登録する方法。
【請求項16】
測定部品に付着したトラッキングツールの記録データは4×4マトリックスBiと表現されてもよい、コンポーネントに付着したトラッキングツールの記録データは4×4マトリックスAiと表現されてもよい、測定部品に取り付けられたトラッキングツールの姿勢は、コンポーネントに取り付けられたトラッキングツールの座標フレームにおいて、4×4マトリックスCiとして表され、次の関係を満たし、
【数22】
4 x 4変換マトリックスAi、BiとCiの形式は以下の通りであり、
【数23】
ここで、Rは3×3回転マトリックス、x,y,zは成分位置、iはi番目の位置、i>=2を表し、
【数24】
Xoff、Yoff、Zoffは測定部品に付着したトラッキングツールの方向と測定部品の凹形状測定面の軸線方向との成分方向のオフセット/較正パラメータであり、Ci(m,n)は、マトリックスCiの回転要素であり、i>=2で少なくとも2組の方程式を解いて(12)、測定部品の凹形状測定表面の軸または前記方向部品の軸の測定方向を得り、この方向はコンポーネントに取り付けられたトラッキングツールの座標フレームに基づく
請求項13に記載の物理空間と画像空間の位置と方向を測定し登録する方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、画像空間および物理的空間のレジストレーションの技術分野に関し、より具体的には、簡便な測量準備方法、および迅速に登録する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
手術ナビゲーションシステムを用いて低侵襲手術を支援する場合、CT/MRスキャンの患者の体の一部の画像を画像空間と物理空間の両方の変換またはマッピング」する必要がある。登録により、変換が得られ、物理空間における位置を画像空間における位置に対応させる。この変換は、物理空間の位置を画像空間の位置に変換するために使用される。そして,ナビゲーションシステムによって補助される外科手術の過程で,トラッキングシステムによって追跡された物理的空間位置を持つ医療機器は、スキャンされた患者画像の画像空間に仮想的に変換されて表示することができる。
【0003】
外科手術の過程では、外科医が物理空間における位置/方向を識別し、スキャンされた画像空間において対応するように、登録ステップは通常には追加の時間と追加の負担を必要とする。このように既存の登録方法では,登録プロセスは不便なだけでなく、時間もかかる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決すべき技術的問題は、先行技術の上述の先行技術の欠陥に対して、画像測定および登録方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明がその技術問題を解決するために採用される技術ソリューションは、一方、物理空間と画像空間における位置および方向を測定とレジストレーションする方法を提供する。この方法は、以下の内容を含む:トラッキングツールを含むコンポーネントを提供する。このコンポーネントは、位置部品および/または方向部品を含む。その位置および利用可能な方向は、トラッキングツールの座標フレームに基づいて1つの測定部品を利用して測定される。計測表面を有する測定部品は、事前にトラッキングシステム内のトラッキングツールを用いてキャリブレーションを行う必要なく、部品の位置および/または方向を測定する。コンポーネントを人体に置いて画像スキャンを行う。いわゆる相対トラッキングという道具を人体の上や人体の内に置く。登録時間において、二つのトラッキングツールのデータを同時に記録する。それは相対トラッキングツールのデータとコンポーネントに付着したトラッキングツールのデータである。トラッキングツールを計器に配置する。いわゆる事後登録時間において、計器に置いたトラッキングツールのデータと相対トラッキングツールのデータを記録する。変換された、画像空間での、計器に取り付けられたトラッキングツールの位置および/または利用可能な方向が計算される。
【発明の効果】
【0006】
いくつかの実施例では、物理空間と画像空間の位置と方向を測定し、レジストレーションする方法がある。この方法には以下の内容が含まれる。a)6つの自由度の位置と方向を有するコンポーネントとトラッキングツールを提供する。その中に、前記コンポーネントは、少なくとも4つの非共平面の位置部品、または少なくとも1つの位置部品、および少なくとも3つの直交する方向部品を含む。すべての前記部品は、剛性的前記にコンポーネントに配置される。前記トラッキングツールは、前記部品と前記トラッキングツールの位置と方向とが相対的にお互い固定されるように、前記コンポーネントに着脱可能に剛性的に固定される。トラッキングツールの座標フレームから前記部品の3次元位置と利用可能な方向を測定する。また、前記部品をイメージングシステムでスキャンすることができ、そしてスキャンされた画像空間内で前記部品の3次元位置および利用可能な方向を取得することができる。b)前記コンポーネントを一つの物体に強固に配置し、イメージングシステムを用いて画像スキャンを行う。スキャンされた画像を通して、前記スキャン画像空間における前記部品の3次元位置と利用可能な方向が得られる。c)ステップa)で前記トラッキングツールのフレームに関して測定された物理空間における部品の位置と利用可能な方向、およびステップb)で得られた画像空間における部品の位置と利用可能な方向に基づいて、位置と方向を物理空間から画像空間に変換する変換を計算する。d)人体の上または体内に6つの自由度の相対トラッキングツールを置く。トラッキングシステムを使用して、同じ時間(この時間を登録時間と呼ぶ)にトラッキングシステムの座標フレームに基づいた相対トラッキングツールおよびコンポーネントに取り付けられたトラッキングツールの6つの自由度の方向と位置データを同時に記録する。e)計器の上にトラッキングツールを置いて、計器の姿勢をフォローする。トラッキングシステムを使用して、同じ時間(この時間を事後登録時間という)にトラッキングシステムの座標フレームに基づいて、計器に取り付けられたトラッキングツールの位置と利用可能な方向データと相対トラッキングツールの6つの自由度の方向と位置データを記録する。f)ステップc)で得られた変換と、ステップd)での登録時間に記録された2つのトラッキングツールデータと、ステップe)での事後登録時間に記録された2つのトラッキングツールデータとを組み合わせて、変換後の画像空間に計器に取り付けられたトラッキングツールの位置と利用可能な方向を計算する。
【0007】
いくつかの実施例では、変換はTとして表され、以下の関係を満たす。
【0008】
【数1】
【0009】
ここでOBJECTM1i TはOBJECTM1iの転置マトリックスであり、OBJECTM1iは(x,y,x,1)を表し、そのうち(x,y,z)は画像空間内の位置を表す。OBJECTW1i TはOBJECTW1iの転置マトリックスであり、OBJECTW1iが(x,y,z,1)を表し、そのうち(x,y,z)は、トラッキングツールフレーム中の物理空間の位置を表し、当該トラッキングツールは、取り外し可能で、かつ剛性的に前記コンポーネントに取り付けられる。iは、前記部品のi番目の位置を表し、i≧4、4 x 4変換マトリックスTの形式は以下の通りである。
【0010】
【数2】
【0011】
ここで、Rは3×3回転マトリックス、x、y、zはそれぞれ座標の平行移動であり、Tは少なくとも4つの非共平面位置の少なくとも4つの関係(1)の連立方程式を解くことによって計算される。
【0012】
いくつかの実施例では、変換はTとして表され、以下の関係を満たす。
【0013】
【数3】
【0014】
ここで、OBJECTM2iは4 x 4マトリックスであり、以下の通りである。
【0015】
【数4】
【0016】
【0017】
OBJECTW2iは4 x 4マトリックスであり、以下の通りである。
【0018】
【数5】
【0019】
4 x 4変換マトリックスTの形式は以下の通りである。
【0020】
【数6】
【0021】
ここで、Rは3×3回転マトリックスであり、x、y、zは平行移動成分である。Tは、少なくとも1つの位置(x、y、z)と3つの直交方向A、B、Cとを含んで、少なくとも1つの等式(2)を解くことによって得られる。
【0022】
以下の式を解くことでRも得られる。
【0023】
【数7】
【0024】
ここでMは以下の3×3マトリックスである。
【0025】
【数8】
【0026】
Wは以下の3×3マトリックスである。
【0027】
【数9】
【0028】
いくつかの実施例では、前記登録時間の間に、記録された前記コンポーネントに付着するトラッキングツールと前記相対トラッキングツールの位置と方向は、それぞれ4×4マトリックスBとAとして表されてもよい。前記事後登録時間の間に、記録された計器に付着するトラッキングツールの位置と利用可能な方向は、4×4マトリックスDとして表されてもよい。前記事後登録時間の間、記録された相対トラッキングツールの位置と方向は4×4マトリックスEとして表されてもよい。計器に付着されたトラッキングツールの、物理空間から変換された画像空間の位置と利用可能な方向は4×4マトリックスFとして表されてもよい。以下の関係を満たす。
【0029】
【数10】
【0030】
ここでTは位置と方向を物理空間から画像空間に変換して計算した変換である。4 x 4変換マトリックスTの形式は以下の通りである。
【0031】
【数11】
【0032】
Rは3×3回転マトリックスであり、また、x、y、zは座標の平行移動である。前記B、A、E、DおよびFの4×4マトリックスは以下の通りである。
【0033】
【数12】
【0034】
Rは3 x 3回転マトリックスで、x、y、zは成分位置である。このような式(4)により、トラッキングシステムの座標フレームに対する計器トラッキングツールの物理空間における位置データ(x,y,z)を利用して、画像空間における対応する位置を計算することができる。式(4)により、トラッキングシステムの座標フレームに対する計器トラッキングツールの物理空間における方向データ(x,y,z)を利用して、画像空間における対応する方向を計算することができる。
【0035】
いくつかの実施例では、前記のコンポーネントが2つ以上存在し、および/またはコンポーネントに着脱可能で、取り付けられたトラッキングツールが2つ以上存在し、および/または前記人体の上または人体の中に相対トラッキングツールが2つ以上存在し、および/または人体の上または人体の中における相対トラッキングツールは、前記コンポーネントに取り付けられたトラッキングツールと組み合わせられている。
【0036】
いくつかの実施例では、前記6つの自由度を有する位置と方向のトラッキングツールは、自由度が6未満の複数のトラッキングツールで構成される。
【0037】
いくつかの実施例では、前記第3の直交方向は、2つの直交方向から導き出せる。
【0038】
いくつかの実施例では、前記トラッキングシステムは、電磁トラッキングシステムまたは光学トラッキングシステムである。
【0039】
いくつかの実施例では、前記コンポーネントに取り付けられた前記トラッキングツールの座標フレームに基づいて、前記コンポーネントに含まれる前記位置部品の位置を測定する方法は、以下のステップを含む。a、前記部品に球体の一部または全部の突起測定面を持たせることにより、前記突起測定面の中心が実質的に測定対象部品の位置に対応するようにする。b、前記部品の凸形状測定表面と実質的に一致する凹形状測定表面を有する測定部品を提供する。c、前記測定部品に6つの自由度のトラッキングツールを剛性的に固定する。d、前記測定部品の凹面測定面と前記部品の凸面測定面にシームレスに接触させることを保持し、凹面測定面の中心を変化させず、同時に測定部品を異なる位置に移動させる。トラッキングシステムを適用して、トラッキングシステムの座標フレームに基づいて、測定部品に付着したトラッキングツールの少なくとも2つの異なる位置の方向と位置データを記録するとともに、トラッキングシステムの座標フレームに基づいて、前記コンポーネントに付着したトラッキングツールの方向と位置データを記録する。e、前記ステップdにおける記録されたデータを用いて、コンポーネントに取り付けられたトラッキングツールの座標フレームに基づいて、測定部品の凹形状測定表面の中心の変化していない位置または対応する前記部品の変化していない位置を算出する。
【0040】
いくつかの実施例では、前記部品には第1の部分と第2の部分を含む。前記第1の部分は球形を有し、実質的に球形部材の中心に位置する。第2部分は球形部材の外層に位置し、第二部分のコア中心も実質的に第1部分のコア中心と重なるように配置されている。そして、第1部分と第2部分は異なる材料成分を有して、イメージスキャナーを診断することで、互いに比較的弱いまたは強い信号を生成することができる。したがって、スキャン画像形成において、前記部品の第1部分の中心の画像位置は、表示されたスペックルを区別することによって、容易かつ正確に特定および測定することができる。
【0041】
いくつかの実施例では、記録された測定部品に付着したトラッキングツールのデータは、4×4マトリックスBiと表現することができる。記録された前記コンポーネントに付着したトラッキングツールのデータは、4×4マトリックスAiと表現することができる。コンポーネントに付着したトラッキングツールの座標フレームに基づいて、測定部品に付着したトラッキングツールの姿勢は4×4マトリックスCiとして表すことができ、次の関係を満たす。
【0042】
【数13】
【0043】
4 x 4変換マトリックスAi、BiとCiの形式は以下の通りである。
【0044】
【数14】
【0045】
ここで、Rは3×3回転マトリックス、x,y,zは成分位置、iはi番目の位置、i>=2を表す。
【0046】
前記コンポーネントに取り付けられたトラッキングツールの座標フレームに基づいて、測定部品の凹面測定の表面中心の不変位置はXS、YS、ZSで表現され、次の関係を満たす。
【0047】
【数15】
【0048】
XO、YO、ZOは計測トラッキングツールの中心から凹面測定面のコア中心までのオフセット距離である。Ci(m,n)はマトリックスCiの回転要素である。XBi、YBi、ZBiはマトリックスCiのX,Y,Z位置である。i> = 2で少なくとも2つの組の方程式(6)を解き、凹面測量面のコア中心または前記部品の中心の測量位置(XS, YS, ZS)を得る。当該位置は、コンポーネントに取り付けられたトラッキングツールの座標フレームに基づいている。
【0049】
いくつかの実施例では、トラッキングシステムの座標フレームに基づいて、記録された測定部品に付着したトラッキングツールのデータは、4×4マトリックスBiとして表されてもよい。トラッキングシステムの座標フレームに基づいて、記録された前記コンポーネントに付着したトラッキングツールのデータは、4×4マトリックスAiとして表されてもよい。
【0050】
4 x 4変換マトリックスAiとBiの形式は以下の通りである。
【0051】
【数16】
【0052】
ここで、Rは3×3回転マトリックス、x,y,zは成分位置、iはi番目の位置、i>=2を表す。
トラッキングシステムの座標フレームに基づいて、測定部品の凹面測定の表面中心の不変位置はXS,YS,ZSで表現され、次の関係を満たす。
【0053】
【数17】
【0054】
XO,YO,ZOは計測トラッキングツールの中心から凹面測定面のコア中心までのオフセット距離である。Bi(m,n)はマトリックスBiの回転元素である。XBi、YBi、ZBiはマトリックスBiのX,Y,Z位置,i>=2の場合、少なくとも2つの組の方程式(7)を解き、トラッキングシステムの座標フレームに基づいて、凹面測定面の中心または前記部品中心の測定位置(XS,YS,ZS)を得る。
【0055】
AAはグループAiの平均値の逆マトリックスまたはその中の1つのAiの逆マトリックスを表し、そして(X'S,Y'S,Z'S)は凹面測定面の中心または前記部品中心である。、当該中心は測定された位置であり、前記コンポーネントに取り付けられたトラッキングツールの座標フレームに基づいている。(X'S,Y'S,Z'S)を得るには以下のことに基づく。
【0056】
【数18】
【0057】
AA(m,n)はマトリックスAAの回転要素であり、XB、YB、ZBはマトリックスAAのX,Y,Z位置である。
【0058】
いくつかの実施例では、前記コンポーネントに取り付けられた前記トラッキングツールの座標フレームに基づいて、前記コンポーネントに含まれる前記方向部品の方向を測定する方法は、以下のステップを含む。a、方向性部品を部分または全部の円筒形の凸体の測定面または他の細長い測定面を持たせ、少なくとも第1の部分または全円形の断面と第2の部分または全円形の断面とを含み、凸溝棒または細長い部品の軸線が方向部品の方向と一致するようにする。b、溝または部分または全円筒キャビティ測定面を有する測定部品を提供し、少なくとも2つの凹形状の部分または全円形断面を含み、配向部品の凸測定面と実質的に一致する。c、少なくとも方向追跡用のトラッキングツールを、前記測定部品に剛性的に付着させる。d、測定部品の凹面測定面と前記部品の凸面測定面にシームレスに接触させることを保持し、凹面測定面の軸方向を変えず、同時に測定部品を異なる回転角度で回転させる。トラッキングシステムを適用して、トラッキングシステムの座標フレームに基づいて、測定部品に付着したトラッキングツールの少なくとも2つの異なる回転角度の方向データと、前記コンポーネントに付着したトラッキングツールの方向と位置データを同時に記録する。e、前記ステップdに記録されたデータを用いて、前記コンポーネントに取り付けられたトラッキングツールの座標フレームに基づいて、測定部品の凹形状測定面の軸または部品の軸の不変方向を算出する。
【0059】
いくつかの実施例では、前記方向部品は第1部分と第2部分を含む。第1部分は細長い形状をしており、その軸線が方向部品の軸線と一致するように配置されている。第2部分は部品の外層に位置し、第2部分の軸線も実質的に第1部分の軸線と一致するように配置されている。そして、第1部分と第2部分は異なる材料成分を有して、イメージスキャナーを診断することで、お互いに比較的弱いまたは強い信号を生成することができ、したがって、スキャン画像形成において、前記部品の第1部分の画像方向は、表示された線を区別することによって容易かつ正確に決定し測定することができる
【0060】
いくつかの実施例では、トラッキングシステムの座標フレームに基づいた、測定部品に付着したトラッキングツールの記録データを4×4マトリックスBiと表現することができる。トラッキングシステムの座標フレームに基づいた、前記コンポーネントに付着したトラッキングツールの記録データを4×4マトリックスAiと表現することができる。
【0061】
ここで4×4変換マトリックスAiとBiの形式は以下の通りである。
【0062】
【数19】
【0063】
Rは3×3回転マトリックス、x、y、zは成分位置、iはi番目の位置、i>=2を表す。
【0064】
トラッキングシステムのフレームにおいて、測定部品の凹面測定面の軸の変化していない方向はδx 、δy、δzで表すことができ,以下の関係を満たす。
【0065】
【数20】
【0066】
【0067】
【0068】
【数21】
【0069】
ここでAA(m,n)は、マトリックスAAの回転要素である。
【0070】
いくつかの実施例では、測定部品に付着したトラッキングツールの記録データは4×4マトリックスBiと表現されてもよい。コンポーネントに付着したトラッキングツールの記録データは4×4マトリックスAiと表現されてもよい。測定部品に取り付けられたトラッキングツールの姿勢は、コンポーネントに取り付けられたトラッキングツールの座標フレームにおいて、4×4マトリックスCiとして表され、次の関係を満たす。
【0071】
【数22】
【0072】
4 x 4変換マトリックスAi、BiとCiの形式は以下の通りである。
【0073】
【数23】
【0074】
ここで、Rは3×3回転マトリックス、x、y、zは成分位置、iはi番目の位置、i>=2を表す。コンポーネントに取り付けられたトラッキングツールのフレームにおいて、測定部品の凹面測定表面の軸線または前記部品の軸線の方向は(δx,δy,δz)で表されてもよく、以下の関係を満たす。
【0075】
【数24】
【0076】
Xoff、Yoff、Zoffは測定部品に付着したトラッキングツールの方向と測定部品の凹形状測定面の軸線方向との間の成分方向オフセット/較正パラメータであり、、Ci(m,n)は、マトリックスCiの回転要素であり、i>=2で少なくとも2組の方程式を解いて(12)、測定部品の凹形測定表面の軸または前記方向部品の軸の測定方向を得る。当該方向はコンポーネントに取り付けられたトラッキングツールの座標フレームに基づく。
【0077】
本発明の画像測定及び登録レジストレーション方法を実施することには、以下の有益な効果を有する。それは便利で早いである。
【図面の簡単な説明】
【0078】
以下、添付図面及び実施例に関連して本発明をさらに説明する。
図1】本発明におけるトラッキングシステムを用いたレジストレーションの概略図である。
図2】本発明における凸測定面を有する球形部品である。
図3】本発明におけるトラッキングツールを備えた位置測定用の測定部品である。
図4】本発明におけるトラッキングシステムを用いて位置を測定する概略図である。
図5A】本発明における球形を有する2つの成分を含む部品の断面図である。
図5B】本発明における非球形形状を有する2つの成分を含む前記部品の断面図である。
図6】本発明の一実施例の細長い部品である。
図7】本発明における凹形状測定面を有し、トラッキングツール付きの、方向測定用の測定部品である。
図8】本発明におけるトラッキングシステムを用いた測定方向の概略図である。
図9A】本発明における円筒形の表面を有する2つの成分を含む前記部品である。
図9B】本発明における部分的な円柱形状を有する、2つの成分を含む前記部品である。
図10】本発明におけるレジストレーション後追跡装置の概略図である。
図11A】本発明におけるレジストレーションされた物理空間および画像空間の位置と方向のフローチャートの第1の部分である。
図11B】本発明におけるレジストレーションされた物理空間および画像空間の位置と方向のフローチャートの第2の部分である。
【発明を実施するための形態】
【0079】
本発明の技術的特徴、目的及び効果をより明確に理解するために、いま添付図面を参照しながら本発明の具体的な実施形態を詳細に説明する。
【0080】
図1がトラッキングシステムを利用したレジストレーションの概略図である。図に示すように、トラッキングツール4は患者の人体5に付着し、患者の人体の表面または患者の体内に含めることができ、そして相対的な参照トラッキングツールとして見なされる。登録コンポーネント6は、取り付けられたトラッキングツール1と特別部品を含む。当該特設部品は、少なくとも4つの非共平面の位置部品、または少なくとも1つの位置部品と少なくとも3つの直交する方向部品を含む。前記特設部品は、点、球、線、曲線などの形状であってもよい。これらの形状は、少なくとも4つの非共平面の位置部品、または少なくとも1つの位置部品と少なくとも3つの直交する方向部品2を含む。各部品2は、物理空間において、数学的に、理想的に、唯一の三次元位置および/または唯一の方向を有する。
【0081】
トラッキングツール1は、登録されたトラッキングツールであると見なされる。レジストレーションコンポーネント6は剛性であり、トラッキングツール1と部品2の相対位置と方向が固定されるようにする。。部品2の位置および利用可能な方向は、レジストレーショントラッキングツール1の座標フレームに基づいて、様々な方法で測定することができる。この測定プロセスは、レジストレーションコンポーネント6を使用するための準備と考えられる。
【0082】
前記特設部品は、少なくとも4つの非共平面の位置部品2、または少なくとも1つの位置部品と少なくとも3つの直交する方向部品2から構成される。それらは、CT/MRシステムまたは他のデバイスによって画像をスキャンすることができる。部品2は、既知の3次元位置と利用可能な方向を有し、スキャン画像に表示することができる。
【0083】
図1に示すように、参考トラッキングツール4とレジストレーショントラッキングツール1は、両方とも無線または有線な方式により追跡装置と関連することができる。そして、追跡装置/システムにより、6つの自由度の位置と方向を含むデータをそれぞれ取得する。当該データは、(例えばトランスミッタ3の座標フレーム)追跡装置の座標フレームに基づいている。
【0084】
以下の章では、コンポーネント6の予備測定およびトラッキングツール1およびツール4の登録プロセスについて説明する。
【0085】
S1、前記コンポーネントの予備測定
コンポーネントに取り付けられたトラッキングツールの座標フレームに基づいて、部品2の位置と方向の二つのパラメータを測定する必要がある。
【0086】
S1.1、位置測定
いくつかの既知の方法、例えば電磁トラッキングシステムによって部品2の位置を測定することができる。レジストレーションコンポーネント6をトラッキング可能な領域に配置する。登録ペンを使用して、トラッキングシステムに対してペン先の位置が知られている。このペン先で各部品2に接触して、各部品2のトラッキングシステムの座標フレームにおける位置を取得する。その同時に、トラッキングシステムフレームに対する登録トラッキングツール1の姿勢データを記録する。その後、トラッキングシステムフレームに対する位置から登録ツール1フレームに対する位置までの各部品2の位置を計算し、変換する。
【0087】
本開示は、ペン先位置を測定する必要がない位置測定方法を説明する。
【0088】
電磁トラッキングシステムは、通常、複数のトラッキングツールおよびトランスミッタ3を含む。トランスミッタ3は電磁場を生成するために使用される。トラッキングツールは通常誘導コイルを含み、電磁場に誘導電圧を発生させる。トラッキングシステムはまた、誘導コイルとトランスミッタを組み合わせた電子ユニットを含み、センシングコイルに発生する誘導電圧に基づいて、トラッキングツールの位置と方向データを計算する。
【0089】
測定部品2は、前記コンポーネントに取り付けられたトラッキングツール1のフレームの位置に基づいて、一つ実施例に以下の内容を含む。
a)部品に突起測定表面を持たせ、その構造は球体の一部または全部であることにより、突起測定面の中心が実質的に測定対象部品の位置に対応するようにする。
図2に示すように、部品100は凸面測定面100 Aを有し、球面部品の半径はr1であり、凸面測定面の中心はOである。
b)凹形状測定面を有する測定部品を提供し、この測定面は、実質的に前記部品の凸形状測定面と組み合わせる。
c)6つ自由度のトラッキングツールを測定部品に剛性的に取り付ける。
【0090】
図3に示すように、測定部品211は凹面測定面211 Bを有する。トラッキングツール221は、測定部品211に取り付けられている。凹形測定面211 Bは、半径r 2を有し、それは部品100の凸面の球の半径r 1と実質的に同じである。
【0091】
d)前記測定部品の凹面測定面と前記部品の凸面測定面にシームレスに接触させることを保持し、凹面測定面の中心を変えず、その同時に測定部品を異なる位置に移動させる。トラッキングシステムを適用して、トラッキングシステムの座標フレームに基づいて、測定部品に付着したトラッキングツールの少なくとも2つの異なる位置の方向と位置データを記録するとともに、トラッキングシステムの座標フレームに基づいて、前記コンポーネントに取り付けられたトラッキングツールの方向と位置データを記録する。
【0092】
図4に示すように、測定部品211に付着したトラッキングツール221のデータと、コンポーネントに付着したトラッキングツール1のデータは同時に記録されており、その同時に前記測定部品の凹形測定面211Bを部品100の凸形状測定表面と移動測定部品211が異なる位置にシームレスに接触することを保持する。トランスミッタ3は電磁場を発生するように構成されている。
【0093】
e)前記ステップdにおける記録データを用いて、コンポーネントに取り付けられたトラッキングツールの座標フレームに基づいて、測定部品の凹形測定表面の中心の未変更位置または対応する前記部品の未変更位置を算出する。
【0094】
いくつかの実施例では、前記部品には第1の部分と第2の部分を含む。前記第1の部分は球形を有し、実質的に球形部品のコア中心に位置する。第2部分は球形部品の外層に位置し、第2部分のコア中心も実質的に第1部分のコア中心と重なるように配置されている。そして、第1部分と第2部分は異なる材料成分を有して、イメージスキャナーを診断することで、互いに比較的弱いまたは強い信号を生成することができ、したがって、スキャン画像形成において、前記部品の第1部分の中心の画像位置は、表示されたスペックルを区別することによって、容易かつ正確に特定および測定することができる。
【0095】
図5Aが2つの部分からなる部品の断面図である。図示のように、部品100は実質的に半径r 1の球形部品である。第1の部分110は、球形の小さい形状を有し、実質的に球形部品100のコア中心に位置する(すなわち、第1の部分110のコア中心は、実質的に球形部材100のコア中心と重なる)。第2の部分120は球形部材100の外層に位置し、そして第2の部分120のコア中心も実質的に第1の部分110のコア中心と重なるように配置されている。
【0096】
図5Bは、いくつかの他の実施例による非球形の部品100の断面図を示す。図5Aに示す前記部品の実施例と同様に、部品100もボールの形をした第1部分110を含み、第2部分120に埋め込まれる。第2の部分120は、凸面120 A(図5 Bの矢印で示すように)を含み、半径r1の球体の一部として配置される。第1の部分110は、実質的に第2の部分120の凸面120 Aのコア中心に位置するように構成されている(すなわち、第2の部分120の凸面120 Aのコア中心は、実質的に凸面120Aの属する球体のコア中心である)。
【0097】
第1部分110と第2部分120を部品100に配置する以外にも、図5Aおよび図5Bに示すように、他の構成も可能である。例えば、第1部分110は、第2の部分120の表面に位置してもいい。第1の部分がまだ小さい球である限り、実質的に第2部分120の凸面120Aのコア中心に位置する。
【0098】
いくつかの実施例では、記録された測定部品に付着したトラッキングツールのデータは、4×4マトリックスBiと表現することができる。図4に示すように、記録された前記コンポーネントに付着したトラッキングツールのデータは、4×4マトリックスAiと表現することができる。コンポーネントに付着したトラッキングツールの座標フレームに基づいて、測定部品に付着したトラッキングツールの姿勢は4×4マトリックスCiとして表すことができ、次の関係を満たす。
【0099】
【数25】
【0100】
4 x 4変換マトリックスAi、BiとCiの形式は以下の通りである。
【0101】
【数26】
【0102】
ここで、Rは3×3回転マトリックス、x、y、zは成分位置、iはi番目の位置、i>=2を表す。
【0103】
コンポーネントに取り付けられたトラッキングツールの座標フレームに基づいて、測定部品の凹面測定の表面中心の不変位置はXS、YS、ZSによって表現され、次の関係を満たす。
【0104】
【数27】
【0105】
XO、YO、ZOは,トラッキングツールの中心から凹形測定表面の中心までのオフセット距離である。Ci(m,n)はマトリックスCiの回転要素である。XBi、YBi、ZBiはマトリックスCiのX、Y、Z位置である。i> = 2の場合、少なくとも2つの組の方程式(2)を解き、コンポーネントに取り付けられたトラッキングツール座標フレームにおいて、凹面測定面のコア中心または前記部品中心の測定位置(XS,YS,ZS)を得る。
【0106】
いくつかの実施例では、記録された測定部品に付着したトラッキングツールのデータは、トラッキングシステムの座標フレームに対して4×4マトリックスBiとして表されてもよい。記録された前記コンポーネントに付着したトラッキングツールのデータは、トラッキングシステムの座標フレームに対して、図4に示すように4×4マトリックスAiとして表されてもよい。
【0107】
4 x 4変換マトリックスAiとBiの形式は以下の通りである。
【0108】
【数28】
【0109】
ここで、Rは3×3回転マトリックス、x、y、zは成分位置、iはi番目の位置、i>=2を表す。
【0110】
トラッキングシステムの座標フレームにおいて、測定部品の凹面測定の表面中心の不変位置はXS、YS、ZSによって表現され、次の関係を満たす。
【0111】
【数29】
【0112】
XO、YO、ZOは,トラッキングツールの中心から凹形測定表面の中心までのオフセット距離である。Bi(m,n)はマトリックスBiの回転要素である。XBi、YBi、ZBiはマトリックスBiのX,Y,Z位置である。i>=2の場合、少なくとも2つ組の方程式(3)を解き、トラッキングシステム座標フレームにおいて、凹面測定の表面中心または前記部品の中心の測定位置(XS、YS、ZS)を得る。
【0113】
MAは、Aiグループの平均値またはAiのうちの1つであると仮定する。AAがMAを表す逆マトリックスを設定する。設定(X'S,Y'S,Z'S)は、コンポーネントに取り付けられたトラッキングツールフレームにおいて、凹面測定表面の中心または部品の中心測定位置を表し、(X'S,Y'S,Z'S)は、以下の式で計算できる。
【0114】
【数30】
【0115】
AA(m,n)は、マトリックスAAの回転要素である。XB、YB、ZBはマトリックスAAのX、Y、Z位置である。
【0116】
いくつかの実施例では、前記位置部品は凹形状測定面を有し、一方、前記測定部品は凸形状測定面を有し、二つの測定面はシームレスに嵌合している。
【0117】
S1.2、方向測定
コンポーネントに取り付けられたトラッキングツール1の座標フレームに対して、前記方向部品2の方向を測定する実施例は以下の内容を含む。
【0118】
a)方向性部品を部分または全部の円筒形の測定表面または他の細長い測定表面を有し、少なくとも第一部分または全円形断面と第二部分または全円形断面とを含み、溝棒または細長い部品の軸線が方向部品の方向と一致するようにする。
【0119】
図6に示すように、部品100は凸面測定表面100 Aを有し、円柱部品の半径はr 1であり、溝棒の突起測定面の軸線はAXである。
【0120】
いくつかの実施例では、第1および第2の断面は異なる半径を有し、凸溝または細長い部品の軸線は依然として方向部品の方向と一致している。
【0121】
a)溝または部分または全円筒キャビティ測定面を有する測定部品を提供し、少なくとも2つの凹形状の部分または全円形断面を含み、配向部品の凸測定面と実質的に一致する。
【0122】
c)少なくとも方向追跡用のトラッキングツールを、前記測定部品に剛性的に付着させる。
【0123】

図7に示すように、測定部品211は凹面測定表211Bを有する。トラッキングツール221は、測定部品211に取り付けられている。凹形状測定面211Bは、半径r 2を有し、それは部品100の円筒凸面の半径r 1と実質的に同じである。
【0124】
d)前記測定部品の凹面測定面を前記部品の凸面測定面にシームレスに接触させることを保持し、凹面測定面の軸方向を変えず、その同時に測定部品を異なる回転角度で回転させる。トラッキングシステムを適用して、トラッキングシステムの座標フレームに基づいて、測定部品に付着したトラッキングツールの少なくとも2つの異なる回転角度の方向データと、前記コンポーネントに取り付けられたトラッキングツールの方向と位置データを同時に記録する。
【0125】
図8に示すように、測定部品211に付着したトラッキングツール221の方向データと、コンポーネント6に取り付けられたトラッキングツール1の方向と位置データを同時に記録しながら、測定部品の凹形状測定面211Bを部品100の凸面測定面にシームレスに接触させ、異なる回転角度で測定部品211を回転させる。トランスミッタ3は電磁場を発生するように構成されている。
【0126】
e)前記ステップdにおける記録データを用いて、前記コンポーネントに取り付けられたトラッキングツールの座標フレームに基づいて、測定部品の凹形状測定面の軸または部品の軸の不変方向を算出する。
【0127】
いくつかの実施例では、前記方向部品は第1部分と第2部分を含む。第1部分は細長い形状をしており、その軸線が方向部品の軸線と一致するように配置されている。第2部分は部品の外層に位置し、第2部分の軸線も実質的に第1部分の軸線と一致するように配置されている。そして、第1部分と第2部分は異なる材料成分を有して、イメージスキャナーを診断することで、お互いに比較的弱いまたは強い信号を生成することができ、したがって、スキャン画像形成において、前記部品の第1部分の画像方向は、表示された線を区別することによって容易かつ正確に決定し測定することができる。
【0128】
図9が2つの成分を含む前記部品を示す図である。図示のように、部品100は、部分110と部分120を有する。第1の部分110は、細長い形状をしており、その軸線が方向部品の軸線と一致するように配置されている。第2の部分120は、細長い部品100の外層に位置し、第2の部分120の軸線も実質的に第1の部分110の軸線方向と一致するように配置されている。
【0129】
いくつかの実施例では、トラッキングシステムの座標フレームに基づいて、測定部品に付着したトラッキングツールの記録データを4×4マトリックスBiと表現し、トラッキングシステムの座標フレームに基づいて、前記コンポーネントに付着したトラッキングツールの記録データを図8に示すように4×4マトリックスAと表現することができる。
【0130】
4 x 4変換マトリックスAiとBiの形式は以下の通りである。
【0131】
【数31】
【0132】
Rは3×3回転マトリックスである。x、y、zは成分位置である。iはi番目の位置、i>=2を表す。
【0133】
トラッキングシステムのフレームにおいて、測定部品の凹面測定面の軸の変化していない方向はδx 、δy、δzで表すことができ、以下の関係を満たす。
【0134】
【数32】
【0135】
【0136】
【0137】
【数33】
【0138】
ここでAA(m,n)は、マトリックスAAの回転要素である。
【0139】
いくつかの実施例では、測定部品に付着したトラッキングツールの記録データは4×4マトリックスBiと表現されてもよい。コンポーネントに付着したトラッキングツールの記録データは図示のように4×4マトリックスAiと表現されてもよい。測定部品に取り付けられたトラッキングツールの姿勢は、コンポーネントに取り付けられたトラッキングツールの座標フレームにおいて、4×4マトリックスCiとして表され、次の関係を満たす。
【0140】
【数34】
【0141】
4×4 変換マトリックスAi、BiとCiの形式は以下の通りである。
【0142】
【数35】
【0143】
ここで、Rは3×3回転マトリックス、x、y、zは成分位置、iはi番目の位置、i>=2を表す。
【0144】
コンポーネントに取り付けられたトラッキングツールのフレームにおいて、測定部品の凹面測定表面の軸線または前記部品の軸線の不変の方向は(δx 、δy、δz)で表されてもよく、以下の関係を満たす。
【0145】
【数36】
【0146】
Xoff、Yoff、Zoffは測定部品に付着したトラッキングツールの方向と測定部品の凹形状測定面の軸線方向の間の成分方向のオフセット/較正パラメータである。Ci(m,n)は、マトリックスCiの回転要素であり、i>=2で少なくとも2つ組の方程式を解いて(12)、測定部品の凹形状測定表面の軸または前記方向部品の軸の測定方向を得る。当該方向はコンポーネントに取り付けられたトラッキングツールの座標フレームに基づく。
【0147】
いくつかの実施例では、前記方向部品は凹形溝または部分または全円筒キャビティ測定面を有し、一方、測定部品は部分または全部の円筒凸形溝の測定面を有し、二つの測定面はシームレスに嵌合されている。
【0148】
S 2、トラッキングツールで登録する
外科手術の前に、登録コンポーネント6を準備する作業は患者や外科医には関係ない。トラッキングツール1'の座標フレームに対する部品2の3次元物理空間の固定位置と利用可能な方向を測定することにより分かる。登録トラッキングツール1は取り外し可能である。
【0149】
外科手術を開始すると、登録コンポーネント6を患者に剛性に取り付け、登録コンポーネント6と患者(より具体的には、患者の体の中における手術に関する領域)の間の相対位置と方向が固定される。そして、登録コンポーネント6を患者と一緒にスキャナに持ち込んで、患者と部品2を含む画像を取得し、いくつかの画像処理によって部品2の位置と利用可能な方向を得る。
いくつかの実施例では、部品2は少なくとも4つの非共平面位置を含む。物理空間における部品2の位置は、OBJECTWi(x、y、z)として表され、そして画像空間における位置は、OBJECTMi(x、y、z)として表されてもよい。ここでi>=4である。
既知のOBJECTMとOBJECTWを利用して、変換Tを以下の式で計算することができる。
【0150】
【数37】
【0151】
ここで、Tは4×4マトリックス、OBJECTM1iTは(x、y、z、1)または(OBJECTMi、1)の転置マトリックスであり、OBJECTW1iTは(x、y、z、1)または(OBJECTWi、1)の転置マトリックスである。iはi>=4のi番目の位置を表す。
【0152】
少なくとも4つの等式(9)sが存在し、ここでi>=4がである。連立方程式(9)sを解くことにより、Tが得られる。このステップでは、トラッキングツール1と相対参照トラッキングツール4の位置と方向パラメータを登録する必要がない。
【0153】
いくつかの実施例では、オブジェクト2は、少なくとも1つの位置(x、y、z)および少なくとも3つの直交方向A、B、Cを含む。変換はTとして表され、以下の関係を満たす。
【0154】
【数38】
【0155】
ここで、OBJECTM2iは4 x 4マトリックスであり、以下の通りである。
【0156】
【数39】
【0157】
【0158】
【数40】
【0159】
ける方向Cのx、y、zコサイン成分である。xW,yWとzWは、物理空間における位置成分である。ここでの物理空間における位置と方向は、コンポーネントに取り付けられたトラッキングツールの座標フレームにある。iは、部品2のi番目の位置と方向を表し、i>=1である。
【0160】
4 x 4変換マトリックスTの形式は以下の通りである。
【0161】
【数41】
【0162】
Rは3×3回転マトリックスであり、x、y、zは成分の平行移動である。
【0163】
Tは、少なくとも1つの位置(x、y、z)および少なくとも3つの直交方向A、BおよびCについて、少なくとも1つの等式(10)を解くことによって得られる。
【0164】
Rは以下の式を解くことによっても得られる。
【0165】
【数42】
【0166】
ここでMは3×3マトリックスであり、以下の通りである。
【0167】
【数43】
【0168】
Wは3×3マトリックスで、以下の通りです。
【0169】
【数44】
【0170】
このステップでは、トラッキングツール1と相対参照トラッキングツール4の位置と方向パラメータを登録する必要がない。
【0171】
以下のステップは、タイミングと位置決めに関連し、登録時間とみなされる。ここで相対的な参照トラッキングツール4がアクティブされて患者の人体の上または内部に配置される。そして登録トラッキングツール1は、コンポーネント6の元の位置にアクティブに取り付けられる。その中で、部品2の3次元物理空間の位置および利用可能な方向は、登録トラッキングツール1に対する以前の測定によって知られている。単語「アクティブ」は、トラッキングツール(1または4)がトラッキングシステムに関連し、6つの自由度の位置と方向パラメータを得ることを意味する。
【0172】
相対的な参照トラッキングツール4は、前記の登録期間と、後ほど外科手術期間では、患者の体の上や患者の体の中には固定的に装着される。同時に、登録コンポーネント6を元の位置に維持され、すなわちイメージングスキャン中の位置を維持する(換言すれば、登録コンポーネント6と患者の間の相対的な位置と方向が固定されたままである)。トラッキングシステムの座標フレームに対するトラッキングツール1及び関連参照トラッキングツール4の6つの自由度の位置と方向パラメータを記録して、図1に示すように、それぞれ4×4変換マトリックスBと4×4変換マトリックスAで表している。4 x 4変換マトリックスAとBの形式は以下の通りである。
【0173】
【数45】
【0174】
Rは3×3回転マトリックスである。x、y、zはトラッキングツールがトラッキングシステムのフレーム内の位置の座標である。
トラッキングツール1の座標フレームに対して、相対参照トラッキングツール4の6自由度の位置と方向パラメータをさらに以下のように表すことができる。
【0175】
【数46】
【0176】
ここでB-1は、登録トラッキングツール1のマトリックスBの逆マトリックスであり、Cは4×4マトリックスである。次に、新しいTTを定義して計算することができる。
【0177】
【数47】
【0178】
ここでTTは一定の4×4マトリックスであり、登録済みの変換マトリックスと見なされ、患者の物理空間とスキャン画像空間との間の特定の関係を反映している。登録された変換マトリックスTTは、相対参照トラッキングツール4を、トラッキングシステムの座標フレームに関する姿勢から画像空間に変換する。マトリックスTTが示す特定の関係は、登録時間中にロックされ、計算される。
【0179】

前記登録時間の間にいくつかの要因がロックされている。一つ目は、相対的トラッキングツール4は、患者または患者の体内に固定的に取り付けられている。(より具体的には、患者の手術に関心のあるエリア)。言い換えれば、登録時間(及び後の外科手術中)において、相対的参照トラッキングツール4と患者の関心エリアとの相対的な位置と方向は固定されている。相対的な参照トラッキングツール4の配置は患者に対して固定されているが、相対的な参照トラッキングツール4は取り外し可能であり、除去後に元の位置に戻すことができる。ロックの第二の要因は、登録トラッキングツール1が登録された元の位置に固定的に登録コンポーネント6に配置されていることであり、その中に、登録トラッキングツール1に対して、部品2の3次元物理的空間位置と利用可能な方向は事前に測定されている。第3のロック要因は、登録コンポーネント6がイメージングスキャン中にその元の位置にあり、その中に、登録コンポーネント6と患者の間の相対的な位置と方向が固定されていることである。第4のロック要因は、患者が外科手術を実施する関心のある領域であり、登録トラッキングツール1と相対参照トラッキングツール4との間の姿勢関係は剛性である。言い換えれば、患者の外科手術に関心のある領域において、登録トラッキングツール1と相対参照トラッキングツール4との間には、相対的な位置と方向の変化がない。
【0180】
登録変換マトリックスが決定された後、手術ナビゲーションシステムは、外科手術を支援するために動作するとともに、登録トラッキングツール1を登録した登録コンポーネント6が必ずしも存在しない。または、患者から移動することができる。図10に示すように、手術機器(針、超音波プローブ)は付属のトラッキング工具7で追跡できる。手術機器の姿勢はトラッキングツール7の姿勢で表す。例えば、針類機器の先端とトラッキングツール7の原点ゼロ位置との間でキャリブレーションを行った後、トラッキングツール7によって針類機器の先端が分かる。トラッキングツール7の姿勢は、トラッキングシステムにより得られ、そして、トラッキングシステムの座標フレームを4×4変換マトリックスDと表現する。これは、患者の人体表面または内部に付着している相対的な参照トラッキングツール4の座標フレームの姿勢に対して、E-1*Dと表現することができる。ここで、トラッキングツール4の姿勢は、トラッキングシステムの座標フレームに対して4×4マトリックスEと表される。4 x 4変換マトリックスDとEの形式は以下の通りである。
【0181】
【数48】
【0182】
Rは3×3回転マトリックスである。x,y,zはトラッキングツールのトラッキングシステムのフレーム内の位置の座標である。
【0183】
マトリックスEは、必ずしもマトリックスAと同じではないことに留意されたい。患者の体は、その元の位置から移動することができるからである。登録変換マトリックスTTが決定されたので、物理空間から画像空間に変換するトラッキングツール7の姿勢をさらに以下のよう示すことができる。
【0184】
【数49】
【0185】
トラッキングツール7が、トラッキングシステムの座標フレームの位置について、OBJECTW(x,y,z)によって表されるDからの第4列である場合、OBJECTM(x,y,z)によって表される画像空間の位置は、Fの第4列から得られる。トラッキングツール7が回転情報を含む6自由度データではなく、3つの位置データだけを持っている場合、その対応する画像位置は、式(14)によって計算することができる。
【0186】
同様に、トラッキングツール7が位置データではなく方向データだけを持っている場合、マトリックスの最初の3行と前の3列を考慮することにより、画像空間における対応する方向を式(14)で計算することもできる。
【0187】
図11A図11Bは、物理空間と画像空間における登録位置と方向の実施例のフローチャートを示す。
【0188】
いくつかの実施例では、前記6つの自由度を有する位置と方向のトラッキングツールは、自由度が6未満の複数のトラッキングツールで構成される。
【0189】
いくつかの実施例では、2つの直交方向から第3の直交方向を導出することができる。
いくつかの実施例では、例えば、2つ以上の前記コンポーネントおよび/または、、前記コンポーネントに取り付けられた2つ以上の着脱可能なトラッキングツールが存在する。いくつかの実施例では、患者の人体または患者の体内には、複数の相対的な参照トラッキングツールが存在する。いくつかの実施例では、人体または人体内の相対的トラッキングツールは、コンポーネントに取り付けられたトラッキングツールと組み合わせられる。統合されたより多くのコンポーネントは、登録およびナビゲーションをより正確に行うことができる。
【0190】
以下の説明では、本開示の測定と登録方法が有する明らかな利点を示す。
【0191】
登録コンポーネント6は登録のための、既知の位置および利用可能な方向のコンポーネントを含んでいるので、医者は各部品を処理して登録する必要がない。例えば、従来の方法の登録タスクは、各部品を患者に付着させ、その物理的空間位置を取得し、それをそれぞれ対応する画像にマッピングすることができる。本開示の登録方法は、このようなタスクを回避する。
【0192】
前記コンポーネント上の部品の位置と利用可能な方向を簡単に測定するために測定部品を使用する。その上に付着したトラッキングツールに対して,測定器の先端または方向はキャリブレーションを必要としない。本発明によれば、測定部品は、事前に較正する必要なしに、コンポーネント上の部品の位置および利用可能な方向を直接測定することができる。
【0193】
画像スキャンが便利である。トラッキングツールをスキャンする必要はない。コンポーネント6と患者の体だけをスキャンする必要がある。画像スキャンの間に、計画にコンポーネントに付着したトラッキングツールをスキャンする必要がない。画像スキャンの間に、計画に患者の人体に配置する相対トラッキングツールをスキャンする必要がない。これはMRイメージングを行う際の一つ重要な利点である。一部のトラッキングツールには金属コンポーネントがある。MR撮像イメージングを行う場合は金属を使用しないことが推奨されている。
【0194】
相対トラッキングツール4は、コンポーネント6およびアタッチメントのトラッキングツール1の配置を考慮せずに、患者の表面または患者の体内に自由に配置することができる。登録時間において、相対トラッキングツール4とコンポーネント6に取り付けられたトラッキングツール1の姿勢パラメータを記録した後、相対的参照トラッキングツール4の元の位置が保持されている限り、患者は異なるベッドに移動するか、または異なる手術室に行くことができる。いくつかの実施例では、相対的参照トラッキングツール4がベース/ブラケットを元の位置に戻すことができるように、患者に固定的に取り付けられた小さなベース/ブラケットが存在する。患者がベース/ブラケットを体に固定しておくと、患者は移動できる。いくつかの実施例では、相対的参照トラッキングツール4が元の位置に戻すことができるように、患者の体に位置ペンでマークをつける。
【0195】
参考系は患者(患者の体の表面または患者の体内の一部の解剖器官)に基づいているので、患者/一部の臓器が移動する時、画像ナビゲーションに表示された患者と手術機器の相対的な位置と方向は依然として正確に一致している。いくつかの実施例では、相対的参照トラッキングツール4またはそのステントは患者の器官に挿入することができる。呼吸や他の理由で臓器が動くと、画像表示のナビゲーションは影響を受けず、依然として正確である。相対的参照トラッキングツール4およびそのステントは、患者に付着するかもしくは患者の体内に挿入するために十分に小さいことができる。
【0196】
登録レジストレーションは簡単で迅速である。相対参照トラッキングツール4を患者に付着させ、瞬時の相対参照トラッキングツール4とトラッキングツール1の6つの自由度の姿勢パラメータをトラッキングシステムにより記録するだけでよい。いくつかの実施例では、外科医はボタンを押すだけでよい。姿勢パラメータを記録した後、登録コンポーネント6は患者と分離することができる。
【0197】
トラッキングシステムは、電磁トラッキングシステム、光学トラッキングシステム、無線周波数(RF)トラッキングシステム、超音波トラッキングシステムなどの1つまたは複数の異なるタイプの測位方法および装置を採用することができる。
【0198】
以上で提供された実施例は、説明および例示のためのものである。本発明を網羅することまたはこの形に限定することは意図していない。特定の実施例の各要素または特徴は、通常的にはこの特定の実施例に限定されるものではなく、適用可能な場合に交換可能であり、特に図示または説明がなくても、選択された実施例で使用されてもよい。同じように多様な形で変えられる。これらの変化は本発明から逸脱したものと見なすべきではなく、これらのすべての修正は本発明の範囲内に含まれると判断される。
【0199】
本分野の一般技術者は、本開示で説明した機能ブロック、方法、ユニット、デバイス、およびシステムは、システム、ユニット、デバイス、および機能ブロックの異なる組み合わせに統合されてもよく、または分割されてもよいことを認識するであろう。特定の実施例のルーチンは、任意の適切なプログラミング言語およびプログラミング技術を使用して実装されてもよい。プログラムまたはオブジェクト指向など、異なるプログラミング技術を使用することができる。ルーチンは、単一のプロセッサまたは複数のプロセッサで実行されてもよい。ステップ、動作または計算は、特定の順序で提示することができるが、順序は異なる特定の実施形態で変更されてもよい。いくつかの実施例では、本開示では、順序に従って実行される複数のステップとして示されており、同時に実行されてもよい。
【0200】
いくつかの実施例では、上記の方法を実現するために、ソフトウェアまたはプログラムコードが提供される。
【0201】
理解できるのは、以上の実施例は、本発明の好ましい実施方式のみを表現したものであり、その説明はより具体的かつ詳細であるが、本発明の特許の範囲の制限として解釈することはできないことを理解されたい。本分野の一般技術者にとっては、本発明の構想を逸脱しない前提で、上記の技術的特徴を自由に組み合わせても良いし、いくつかの変形や改善が可能であり、これらは本発明の保護範囲に属することを指摘すべきである。したがって、本発明の請求項の範囲としてなされる均等な変換と修飾は、いずれも本発明の特許請求の範囲の範囲に属するべきである。

図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9A
図9B
図10
図11A
図11B
【外国語明細書】