(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022189877
(43)【公開日】2022-12-22
(54)【発明の名称】RPA保守支援装置
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/00 20120101AFI20221215BHJP
G06F 8/65 20180101ALI20221215BHJP
【FI】
G06Q10/00 300
G06F8/65
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022166728
(22)【出願日】2022-10-18
(62)【分割の表示】P 2018042952の分割
【原出願日】2018-03-09
(71)【出願人】
【識別番号】302064762
【氏名又は名称】株式会社日本総合研究所
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】弁理士法人坂本国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】中村 秀夫
(57)【要約】
【課題】ロボティック・プロセス・オートメーションに基づくソフトウェアが稼働した後、比較的長い期間経過した段階で、当該ソフトウェアを再生させる又は取捨選択していくことを容易化する。
【解決手段】ロボティック・プロセス・オートメーション(RPA)に基づくソフトウェアの処理結果に基づいて、ソフトウェアのメンテナンスに関するメンテナンス情報を出力する出力部を備える、RPA保守支援装置が開示される。この場合、ソフトウェアの処理は、規定された情報源から情報を取得する処理を含み、出力部は、情報源を構築するアプリケーションの変更を、メンテナンス情報として出力してよい。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロボティック・プロセス・オートメーション(RPA)に基づくソフトウェアの処理結果に基づいて、前記ソフトウェアのメンテナンスに関するメンテナンス情報を出力する出力部を備え、
前記ソフトウェアの処理は、規定された情報源から情報を取得する処理を含み、
前記出力部は、前記情報源を構築するアプリケーションの変更を、前記メンテナンス情報として出力する、RPA保守支援装置。
【請求項2】
ロボティック・プロセス・オートメーション(RPA)に基づくソフトウェアの処理結果に基づいて、前記ソフトウェアのメンテナンスに関するメンテナンス情報を出力する出力部を備え、
前記ソフトウェアの処理は、規定された情報源から情報を取得する処理を含み、
前記出力部は、アプリケーションで作成されたアプリケーションファイルの変更を、前記メンテナンス情報として出力する、RPA保守支援装置。
【請求項3】
ロボティック・プロセス・オートメーション(RPA)に基づくソフトウェアの処理結果に基づいて、前記ソフトウェアのメンテナンスに関するメンテナンス情報を出力する出力部を備え、
前記ソフトウェアの処理は、規定された情報源から情報を取得する処理を含み、
前記出力部は、前記情報の新鮮さの低下を、前記メンテナンス情報として出力する、RPA保守支援装置。
【請求項4】
ロボティック・プロセス・オートメーション(RPA)に基づくソフトウェアの処理結果に基づいて、前記ソフトウェアのメンテナンスに関するメンテナンス情報を出力する出力部を備え、
前記ソフトウェアの処理は、規定された情報源から情報を取得する処理を含み、
前記出力部は、前記情報源のバージョンの変化を、前記メンテナンス情報として出力する、RPA保守支援装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、RPA保守支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
保守管理対象のサーバにおけるハードウェア又はソフトウェアの情報を保守管理する保守管理サーバを備えた保守情報管理システムが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のような従来技術では、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)に基づくソフトウェアが稼働した後、比較的長い期間経過した段階で、当該ソフトウェアを再生させる又は取捨選択していくことが難しい。
【0005】
そこで、1つの側面では、本発明は、ロボティック・プロセス・オートメーションに基づくソフトウェアが稼働した後、比較的長い期間経過した段階で、当該ソフトウェアを再生させる又は取捨選択していくことを容易化することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
1つの側面では、ロボティック・プロセス・オートメーション(RPA)に基づくソフトウェアの処理結果に基づいて、前記ソフトウェアのメンテナンスに関するメンテナンス情報を出力する出力部を備え、
前記ソフトウェアの処理は、規定された情報源から情報を取得する処理を含み、
前記出力部は、前記情報源を構築するアプリケーションの変更を、前記メンテナンス情報として出力する、RPA保守支援装置が提供される。
【発明の効果】
【0007】
1つの側面では、本発明によれば、ロボティック・プロセス・オートメーションに基づくソフトウェアが稼働した後、比較的長い期間経過した段階で、当該ソフトウェアを再生させる又は取捨選択していくことを容易化できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1A】RPAに係る各フェーズを示す概略図である。
【
図1C】メンテナンス情報の出力例を示す図である。
【
図2】一実施例によるRPA保守支援システムの全体を示す概略図である。
【
図3】クライアントコンピュータのハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図4】RPA保守支援サーバと情報源サーバとクライアントコンピュータの機能を説明する図である。
【
図5】メンテナンス情報出力部により実行される処理の一例を示す概略フローチャートである。
【
図6】メンテナンス情報出力部により実行される処理の他の一例を示す概略フローチャートである。
【
図7】メンテナンス情報出力部により実行される処理の他の一例を示す概略フローチャートである。
【
図8】メンテナンス情報出力部により実行される処理の他の一例を示す概略フローチャートである。
【
図9】メンテナンス情報出力部により実行される処理の他の一例を示す概略フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照しながら各実施例について詳細に説明する。
図1Aは、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)に係る各フェーズを示す概略図である。
図1Aに示すように、RPAは、RPAに基づくソフトウェア(以下、「RPAソフトウェア」と称する)の構築フェーズと、構築フェーズで構築されたRPAソフトウェアの運用フェーズとがある。以下で説明するRPA保守支援システムは、運用フェーズにおけるメンテナンス用に構成される。なお、構築フェーズでの構築方法は、任意であり、任意のRPAツールが使用されてもよい。
【0010】
図1Bは、運用フェーズのイメージ図である。
図1Bでは、3つのRPAソフトウェアPR1、PR2、PR3が模式的に示される。なお、RPAソフトウェアの数は任意である。
【0011】
図1Bでは、RPAソフトウェアPR1は、一例として、リリース承認会議ロボプロセスという名称であり、以下のようなS1からS5の処理要素を含む。
S1:表計算ソフトウェアで記入内容作成
S2:広報用部門の電子掲示板作成
S3:期限管理データベース作成
S4:依頼メール作成
S5:依頼メール発信
また、RPAソフトウェアPR2は、一例として、大型案件取り纏めロボプロセスという名称であり、以下のようなS10からS15の処理要素を含む。
S10:広報用部門の電子掲示板作成
S11:表計算ソフトウェアでスケジュール作成
S12:依頼メール作成
S13:依頼メール発信
S14:修正依頼受信
S15:表計算ソフトウェア上のスケジュール更新
また、RPAソフトウェアPR3は、一例として、特許月次モニタリングロボプロセスという名称であり、以下のようなS20からS27の処理要素を含む。
S20:モニタリング依頼受信
S21:広報用部門の電子掲示板作成
S22:確認依頼メール作成
S23:確認依頼メール発信
S24:確認済メール受信
S25:広報用部門の電子掲示板修正
S26:モニタリング依頼メール作成
S27:モニタリング依頼発信
【0012】
RPAソフトウェアPR1からPR3は、ユーザから所定の入力が与えられると、入力に基づいて動作し、それぞれ、全ての処理要素を実行する。例えば、RPAソフトウェアPR3では、所定の入力は、S20に係る検索条件や、S23に係る発信先のメールアドレス、S26に係る発信先のメールアドレス等を含む。S25では、確認済メールの内容に基づいて、広報用部門の電子掲示板が修正される。
【0013】
以下では、特に言及しない限り、一例として、3つのRPAソフトウェアPR1、PR2、PR3に関する説明を行う。
【0014】
RPAソフトウェアPR1、PR2、PR3の実行に伴うログ情報(実行ログやアクセスログ等)は、DB1に蓄積される(実行ログ・アクセスログ蓄積)。
図1Cは、メンテナンス情報の出力例を示す図である。
図1Cでは、表形式で、PRA業務名、最終更新日、定例稼働日、直近稼働可否、最終稼働日、変更必須項目No.1、No.2、及び、必要により修正する項目No.1、No.2の欄が設けられている。
図1Cでは、PRA業務名は、リリース承認会議記入依頼と、大型案件取り纏めと、特許月次モニタリングと、業界別・企業別分析資料取り纏めを含む。なお、リリース承認会議記入依頼、大型案件取り纏め、及び特許月次モニタリングは、RPAソフトウェアPR1、PR2、PR3にそれぞれ対応する。
【0015】
また、
図1Cでは、最終更新日が所定基準を満たす場合に、その欄が赤等で着色されることで(
図1Cではハッチングで表現)、注意喚起される(メンテナンス情報の出力態様の一例)。所定基準は、任意であるが、例えば半年以上や1年以上経過している場合に満たされてよい。例えば、
図1Cでは、特許月次モニタリングについて、最終更新日が所定基準を満たすため、赤等で着色されている。なお、最終更新日が古い場合に、段階的に複数の色で着色されてもよい。
【0016】
また、
図1Cでは、リリース承認会議記入依頼については、変更必須項目No.1の欄に、“新規・追加変更”との文字が表示されている(メンテナンス情報の出力態様の一例)。
【0017】
その他、メンテナンス情報は、処理を実行している途中でアラームを出す(エラーを読み上げることや、画面にポップアップを表示する等)態様で出力されてもよい。メンテナンス情報は、他システムのファイル(参照先のファイル)を再指定できる画面を表示させる態様で出力されてもよい。あるいは、メンテナンス情報は、前回処理との差分を通知した上で、RPAソフトウェアのどこをどう直せばよいかをアドバイスする態様で出力されてもよい。例えば、RPAソフトウェアが、複数の命令が実行順に定義されている場合、エラーが発生すると、システム管理者は、命令ごとにその処理を確認でき、再修正登録できるといった具合である。このように、メンテナンス情報は、システム管理者に対して修正を支援するレベルの出力態様であってもよい。あるいは、処理スタート時に保持しているパラメータと、処理結果を対比し、かつ処理を重ねるごとにその情報を蓄積していくことで、システム管理者の人手で変更している当初パラメータの設定自体も何をセットすべきか学習してもよい。この場合、メンテナンス情報は、学習結果に基づくパラメータを仮セットする態様で出力されてもよい。
【0018】
また、メンテナンス情報の出力態様は、RPAソフトウェアPR1、PR2、PR3の個別処理以外に、あるグループに属するRPAソフトウェアのエラー発生情報を、掲示板的にまとめて表示する態様であってもよい。この場合、グループに属するRPAソフトウェアのエラー発生情報は、自動的に収集されてもよい。
【0019】
このようにして、メンテナンス情報は多様な態様で出力されてよい。なお、メンテナンス情報の出力条件(どのようなときにメンテナンス情報を出力するか)の更なる例については後述する。
【0020】
図2は、一実施例によるRPA保守支援システム1の全体を示す概略図である。RPA保守支援システム1は、RPAソフトウェアを保守・管理するためのシステムである。
【0021】
RPA保守支援システム1は、RPA保守支援サーバ10(RPA保守支援装置の一例)と、情報源サーバ11と、クライアントコンピュータ群21とを含む。RPA保守支援サーバ10と情報源サーバ11とクライアントコンピュータ群21とは、ネットワーク4を介して接続される。ネットワーク4は、インターネット、World Wide Web、WAN(Wide Area Network)、無線通信網、有線ネットワーク、又はこれらの任意の組み合わせ等を含んでもよい。
【0022】
RPA保守支援サーバ10は、単一のサーバであってもよいし、複数の種類のサーバの組み合わせにより実現されてもよい。また、RPA保守支援サーバ10は、複数のコンピュータによる組み合わせにより実現されてもよい。
【0023】
RPA保守支援サーバ10は、後述するように、RPAソフトウェアPR1、PR2、PR3の処理結果に基づいて、RPAソフトウェアPR1、PR2、PR3のメンテナンスに関するメンテナンス情報を出力する機能(以下、「第1メンテナンス情報出力機能」と称する)を有する。第1メンテナンス情報出力機能の詳細は後述する。
【0024】
また、RPA保守支援サーバ10は、後述するように、RPAソフトウェアPR1、PR2、PR3の処理結果に基づくことなく、RPAソフトウェアPR1、PR2、PR3のメンテナンスに関するメンテナンス情報を出力する機能(以下、「第2メンテナンス情報出力機能」と称する)を有する。
【0025】
第1メンテナンス情報出力機能により出力されるメンテナンス情報は、第2メンテナンス情報出力機能により出力されるメンテナンス情報とは属性が異なってもよい。例えば、第1メンテナンス情報出力機能により出力されるメンテナンス情報は、RPAソフトウェアPR1、PR2、PR3の処理結果に関するものであるのに対して、第2メンテナンス情報出力機能により出力されるメンテナンス情報は、RPAソフトウェアPR1、PR2、PR3の処理結果とは無関係な情報、例えば人とのつながりを促進できる情報(例えば何の業務に関するRPAソフトウェアであるかを、新しいユーザに説明するようなメッセージ)であってもよい。このメッセージは、自然言語によるメッセージであってよく、メッセージの出力形態は、例えば音声や、文字、画像(動画、静止画)、点字、手話(動画、静止画の組合せ)等であってよい。
【0026】
例えば、第2メンテナンス情報出力機能に関して、RPA保守支援サーバ10は、RPAソフトウェアPR1、PR2、PR3のそれぞれの業務に関する内容を、メンテナンス情報として出力してもよい。この場合、出力タイミングは、任意であり、定期的なタイミングであってもよいし、RPAソフトウェアPR1、PR2、PR3が起動されたタイミングであってもよい。例えば、RPA保守支援サーバ10は、RPAソフトウェアPR1が起動された際、RPAソフトウェアPR1に係る業務が特許月次モニタリングロボプロセスである点を出力するとともに、特許月次モニタリングロボプロセスがどのような処理要素(S20~S27参照)を含むかについてのメッセージを出力してもよい。この場合、メンテナンス情報の出力先は、任意であり、例えば、RPAソフトウェアPR1が起動された端末等である。あるいは、RPA保守支援サーバ10は、RPAソフトウェアPR1の実行が終了した際、RPAソフトウェアPR1に係る業務が特許月次モニタリングロボプロセスである点を出力するとともに、特許月次モニタリングロボプロセスがどのような処理要素(S20~S27参照)を含むかについてのメッセージを出力してもよい。このような場合、RPAソフトウェアPR1、PR2、PR3と人とのつながりを促進できる。すなわち、RPAソフトウェアPR1、PR2、PR3が、人にとって身近な存在となるように促進できる。
これらの場合、上記のメッセージは、自然言語によるメッセージであってよく、メッセージの出力形態は、例えば音声や、文字、画像(動画、静止画)、点字、手話(動画、静止画の組合せ)等であってよい。
【0027】
あるいは、第2メンテナンス情報出力機能に関して、RPA保守支援サーバ10は、RPAソフトウェアPR1、PR2、PR3のメンテナンスが所定期間以上なされていない場合に、その旨を表すメンテナンス情報を出力してよい。この場合、所定期間は、RPAソフトウェアPR1の属性(例えばRPAソフトウェアPR1に係る業務の属性)に応じて決定されてよい。この場合のメンテナンス情報は、人とのつながりを促進できる情報ではなく、第1メンテナンス情報出力機能により出力されるメンテナンス情報と同様の機能を有する。
【0028】
なお、本実施例では、第1メンテナンス情報出力機能及び第2メンテナンス情報出力機能が実現されるが、変形例では、第1メンテナンス情報出力機能及び第2メンテナンス情報出力機能のうちのいずれか一方のみが実現されてもよい。
【0029】
情報源サーバ11は、単一のサーバであってもよいし、複数の種類のサーバの組み合わせにより実現されてもよい。
【0030】
情報源サーバ11は、RPAソフトウェアPR1、PR2、PR3の実行の際にアクセスされる情報源(以下、「アクセス対象情報源」と称する)を保有する。アクセス対象情報源は、アプリケーション(表計算ソフトウェアや文書作成ソフトウェア等)を介して生成されたファイル(以下、「アプリケーションファイル」とも称する)、データベース、又はWebサイト等の形態であってよい。また、情報源サーバ11の機能の一部又は全部は、RPA保守支援サーバ10に組み込まれてもよい。
【0031】
クライアントコンピュータ群21は、複数のクライアントコンピュータ20を含む。なお、本明細書において、特に言及しない限り、ユーザとは、クライアントコンピュータ20のユーザを指す。
【0032】
クライアントコンピュータ20は、RPAソフトウェアPR1、PR2、PR3を実行する。クライアントコンピュータ20は、記憶装置(例えば後述の補助記憶部103)に記憶されたRPAソフトウェアPR1、PR2、PR3を実行する。なお、RPAソフトウェアPR1、PR2、PR3は、RPA保守支援サーバ10から毎回ダウンロードされてもよいし、初回や更新時のみダウンロードされてもよい。
図3は、クライアントコンピュータ20のハードウェア構成の一例を示す図である。なお、RPA保守支援サーバ10や情報源サーバ11のハードウェア構成についても、規模や性能が異なりうる点、及び、表示装置108等が省略されてよい点以外は、同様であってよい。
図3に示す例では、クライアントコンピュータ20は、制御部101、主記憶部102、補助記憶部103、ドライブ装置104、ネットワークI/F部106、入力部107、及び表示装置108を含む。
【0033】
制御部101は、主記憶部102や補助記憶部103に記憶されたプログラムを実行する演算装置であり、入力部107や記憶装置からデータを受け取り、演算、加工した上で、記憶装置などに出力する。
【0034】
主記憶部102は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などである。主記憶部102は、制御部101が実行する基本ソフトウェアであるOS(Operating System)やアプリケーションなどのプログラムやデータを記憶又は一時保存する記憶装置である。
【0035】
補助記憶部103は、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)などであり、RPAソフトウェアPR1、PR2、PR3や、各種アプリケーションなどに関連するデータを記憶する記憶装置である。
【0036】
ドライブ装置104は、記録媒体105、例えばフレキシブルディスクからプログラムを読み出し、記憶装置にインストールする。
【0037】
記録媒体105は、所定のプログラムを格納する。この記録媒体105に格納されたプログラムは、ドライブ装置104を介してクライアントコンピュータ20にインストールされる。インストールされた所定のプログラムは、クライアントコンピュータ20により実行可能となる。
【0038】
ネットワークI/F部106は、有線及び/又は無線回線などのデータ伝送路により構築されたネットワークを介して接続された通信機能を有する周辺機器やRPA保守支援サーバ10とクライアントコンピュータ20とのインターフェースである。
【0039】
入力部107は、カーソルキー、数字入力及び各種機能キー等を備えたキーボード、マウスやタッチパッド等を有する。なお、入力部107は、ネットワークI/F部106を介して接続される周辺機器により実現されてもよい。
【0040】
表示装置108は、液晶ディスプレイ等であってよい。なお、表示装置108は、ネットワークI/F部106を介して接続される周辺機器により実現されてもよい。
【0041】
なお、
図3に示す例において、以下で説明する各種処理等は、プログラムをクライアントコンピュータ20に実行させることで実現することができる。また、プログラムを記録媒体105に記録し、このプログラムが記録された記録媒体105をクライアントコンピュータ20に読み取らせて、以下で説明する各種処理等を実現させることも可能である。なお、記録媒体105は、様々なタイプの記録媒体を用いることができる。例えば、記録媒体105は、CD(Compact Disc)-ROM、フレキシブルディスク、光磁気ディスク等の様に情報を光学的、電気的あるいは磁気的に記録する記録媒体、ROM、フラッシュメモリ等のように情報を電気的に記録する半導体メモリ等であってよい。
【0042】
図4は、RPA保守支援サーバ10と情報源サーバ11とクライアントコンピュータ20の機能を説明する図である。
図4では、代表として、1つのクライアントコンピュータ20について説明するが、他のクライアントコンピュータ20も同様であってよい。
【0043】
RPA保守支援サーバ10は、メンテナンス情報出力部130(出力部の一例)と、ログデータ記憶処理部132と、ログデータベース134とを含む。メンテナンス情報出力部130及びログデータ記憶処理部132は、制御部101のような制御部が主記憶部102や補助記憶部103のような記憶装置に記憶されるプログラムを実行することで実現できる。また、ログデータベース134は、補助記憶部103のような記憶装置により実現できる。
メンテナンス情報出力部130は、ログデータベース134内のデータ(RPAソフトウェアPR1、PR2、PR3の処理結果の一例)に基づいて、第1メンテナンス情報出力機能を実現する。第1メンテナンス情報出力機能の詳細は後述する。
【0044】
また、メンテナンス情報出力部130は、ログデータベース134内のデータに基づくことなく、第2メンテナンス情報出力機能を実現する。第2メンテナンス情報出力機能の例は上述の通りである。
【0045】
ログデータ記憶処理部132は、RPAソフトウェアPR1、PR2、PR3の実行に伴うログ情報を、クライアントコンピュータ20から受信すると、RPAソフトウェアPR1、PR2、PR3の実行に伴うログ情報を、ログデータベース134に記憶する。以下、ログデータベース134内に記憶されるログ情報を、「ログデータ」とも称する。ログデータは、RPAソフトウェアPR1、PR2、PR3ごとにかつ実行イベントごとに抽出可能な態様で、記憶されてよい。
【0046】
情報源サーバ11は、情報源管理部140と、情報源データベース142とを含む。情報源管理部140は、制御部101のような制御部が主記憶部102や補助記憶部103のような記憶装置に記憶されるプログラムを実行することで実現できる。情報源データベース142は、補助記憶部103のような記憶装置により実現できる。
情報源管理部140は、情報源データベース142内のアクセス対象情報源を管理する。例えば、情報源管理部140は、アクセス対象情報源を適宜更新し、削除、追加等を行う。
【0047】
クライアントコンピュータ20は、RPAソフトウェア実行部210と、ログ送信部212と、パラメータ管理部214を含む。RPAソフトウェア実行部210及びログ送信部212は、制御部101のような制御部が主記憶部102や補助記憶部103のような記憶装置に記憶されるプログラムを実行することで実現できる。また、パラメータ管理部214は、補助記憶部103のような記憶装置により実現できる。
【0048】
RPAソフトウェア実行部210は、RPAソフトウェアPR1、PR2、PR3を実行する。RPAソフトウェア実行部210は、定期的にRPAソフトウェアPR1、PR2、PR3を実行してもよいし、ユーザからの指令に応じてRPAソフトウェアPR1、PR2、PR3を実行してもよいし、予め規定されたルール(例えばパラメータ管理部214で設定されるスケジュールに係るパラメータ)にしたがってRPAソフトウェアPR1、PR2、PR3を実行してもよい。
【0049】
ログ送信部212は、RPAソフトウェアPR1、PR2、PR3の実行に伴うログ情報を、RPA保守支援サーバ10に送信する。
【0050】
パラメータ管理部214は、RPAソフトウェアPR1、PR2、PR3をコントロールするパラメータを管理する。各種パラメータは、各種業務に係るRPAソフトウェアPR1、PR2、PR3の上位層に設定される態様であってよい。なお、定例的に行う業務の一覧や、各種パラメータのうちの、変更すべきパラメータ等は、基本的に日付・その関連情報を設定しておくことで自動的に取得されてもよい。また、パラメータ管理部214は、RPAソフトウェアPR1、PR2、PR3の実行命令や、RPAソフトウェアPR1、PR2、PR3が終了した際に業務終了の情報等も、例えばユーザがシート上で確認できる態様で、管理してもよい。
【0051】
ところで、RPAにより作成された業務プロセス(RPAソフトウェア)は、従来、人が行っていた作業を代替し効率化することが可能となる反面、人が作業していた時に気づく場合があった本質的な業務プロセスの問題点、例えば、より効率化できるようなプロセスの組み換え、等の気付きができないというデメリットもある。また、定例的に行う業務をRPAで効率化する発想はあるが、業務プロセスは基本的に一緒であるものの年月日を都度変更セットする必要があったり、月によっては管理対象先を変更する必要があったり等、いくつかのパラメータ変更が必要となる業務が多い。また、将来的には大量のRPAソフトウェアが生成され、稼働していくことになると予測されるが、陳腐化したRPAソフトウェアを再生させる又は取捨選択していくことが求められる時期が来ると考えられる。
この点、本実施例によれば、上述のように、第1メンテナンス情報出力機能や第2メンテナンス情報出力機能によりメンテナンス情報が出力されるので、RPAソフトウェアを再生させる又は取捨選択していくことを容易化できる。すなわち、RPAソフトウェアが稼働した後、比較的長い期間経過した段階で、当該ソフトウェアを再生させる又は取捨選択していくことを容易化できる。
例えば、一定期間稼働ロジックに変更の無いRPAソフトウェアを起動しようとすると、メッセージ(メンテナンス情報)がポップアップ等して、当該RPAソフトウェアの確認・改修を促すことができる。また、RPAソフトウェアが参照(アクセス)するアクセス対象情報源を表すログ情報をログデータベース134に蓄積しておき、アクセス対象情報源ごとにアクセス実績が分析できる。この場合、例えば、ログデータを統計的に処理して、アクセスの多いアクセス対象情報源をピックアップすることで独立した別システム構築の候補として採り上げることも可能となる。このように、本実施例によるメンテナンス情報出力機能は、RPAソフトウェアの機能を補充することで人の気付き的な代替手段となることができる。
【0052】
次に、
図5から
図9を参照して、第1メンテナンス情報出力機能の具体例について、フローチャートを参照して説明する。以下では、一例として、RPAソフトウェアPR1、PR2、PR3のうちの、RPAソフトウェアPR1に関する処理について説明する。
【0053】
図5は、メンテナンス情報出力部130により実行される処理の一例を示す概略フローチャートである。
【0054】
図5では、前提として、RPAソフトウェアPR1は、情報源サーバ11から情報源データベース142内のアクセス対象情報源に係る情報(例えばアプリケーションファイル内の情報)を取得する処理を含むものとする。
【0055】
ステップS500では、メンテナンス情報出力部130は、モニタリング条件が成立したか否を判定する。モニタリング条件は、任意であり、例えば定期的に成立してもよいし、ユーザからのモニタリング指令が入力された場合に成立してもよい。判定結果が“YES”の場合は、ステップS502に進み、それ以外の場合は、今回周期の処理は終了する。
【0056】
ステップS502では、メンテナンス情報出力部130は、ログデータ記憶処理部132内のRPAソフトウェアPR1に関するログデータを取得する。
【0057】
ステップS504では、メンテナンス情報出力部130は、ステップS502で取得したログデータに基づいて、アクセス対象情報源の不在、又は、アクセス対象情報源を構築するアプリケーションの変更があったか否かを判定する。アクセス対象情報源の不在は、アクセス対象情報源に係る情報が情報源サーバ11から得られないことを表す。例えば所定のフォルダ内にアクセス対象情報源が存在しない場合が該当する。また、アクセス対象情報源を構築するアプリケーションの変更とは、アクセス対象情報源に係る情報が情報源サーバ11から得られたが、アクセス対象情報源を構築するアプリケーションが変更されていること(例えば表計算ソフトウェアベースであったものが、他の形式のソフトウェアベース、例えばデータベース管理型のソフトウェアベースに変更されていること)を表す。判定結果が“YES”の場合は、ステップS506に進み、それ以外の場合は、今回周期の処理は終了する。
【0058】
ステップS506では、メンテナンス情報出力部130は、アクセス対象情報源の不在、又は、アクセス対象情報源を構築するアプリケーションの変更を表すメンテナンス情報を出力する。出力先は、クライアントコンピュータ群21のうちの、登録されたシステム管理者に係るクライアントコンピュータ20(以下、単に「システム管理者に係るクライアントコンピュータ20」とも称する)であってもよいし、所定のサーバ(図示せず)であってもよいし、RPA保守支援サーバ10内のデータベース(図示せず)であってもよい。
例えば、メンテナンス情報出力部130は、アクセス対象情報源の不在があった場合は、その旨を表すメンテナンス情報を出力し、アクセス対象情報源を構築するアプリケーションの変更があった場合は、その旨を表すメンテナンス情報を出力する。メンテナンス情報の出力態様は、任意であり、例えば
図1Cを参照して上述した態様であってよい。あるいは、メンテナンス情報出力部130は、アクセス対象情報源の不在があった場合は、エラーを読み上げる指令を、システム管理者に係るクライアントコンピュータ20に送信してもよい。なお、システム管理者に係るクライアントコンピュータ20では、エラーが発生した場合、RPAソフトウェアPR1のロジック修正画面が自動起動し、新たな作業(例えば新しいアクセス対象情報源)を、例えばシステム管理者がすぐに登録できるように構成されてもよい。
【0059】
図5に示す処理によれば、アクセス対象情報源の不在、又は、アクセス対象情報源を構築するアプリケーションの変更があった場合に、その旨を表すメンテナンス情報を出力できる。これにより、例えば、アクセス対象情報源を構築するアプリケーションの変更等に起因してRPAソフトウェアPR1の処理結果が、所期の結果と異なる場合に、例えばシステム管理者は、当該状況に容易に気付くことができ、必要な修正等を行うことができる。
【0060】
なお、
図5では、アクセス対象情報源の不在、又は、アクセス対象情報源を構築するアプリケーションの変更があった場合に、メンテナンス情報が出力されるが、これに限られない。例えば、アクセス対象情報源の不在、又は、アクセス対象情報源を構築するアプリケーションの変更のうちの、いずれか一方が生じた場合のみ、メンテナンス情報が出力されてもよい。また、表計算ソフトウェア等で作成されたアプリケーションファイルの変更(アプリケーションファイルの中身の情報の変更)があった場合に、その旨を表すメンテナンス情報を出力することとしてもよい。
【0061】
図6は、メンテナンス情報出力部130により実行される処理の他の一例を示す概略フローチャートである。
【0062】
図6では、前提として、RPAソフトウェアPR1は、情報源サーバ11から情報源データベース142内のアクセス対象情報源に係る情報を取得する処理を含むものとする。
【0063】
ステップS600では、メンテナンス情報出力部130は、モニタリング条件が成立したか否を判定する。モニタリング条件は、
図5を参照して上述した通りであってよい。判定結果が“YES”の場合は、ステップS602に進み、それ以外の場合は、今回周期の処理は終了する。
【0064】
ステップS602では、メンテナンス情報出力部130は、ログデータ記憶処理部132内のRPAソフトウェアPR1に関するログデータを取得する。
【0065】
ステップS604では、メンテナンス情報出力部130は、ステップS602で取得したログデータに基づいて、アクセス対象情報源に係る情報の新鮮さの低下、又は、アクセス対象情報源のバージョンの変化があったか否かを判定する。アクセス対象情報源に係る情報の新鮮さの低下は、例えばアクセス対象情報源の属性に応じて基準が異なってもよい。例えば、アクセス対象情報源に係る情報が、本来更新されるべきタイミングで更新されていない場合は、アクセス対象情報源に係る情報の新鮮さの低下があると判定されてもよい。また、アクセス対象情報源のバージョンの変化とは、例えばアクセス対象情報源に係るアプリケーション(例えば表計算ソフトウェア)のバージョンアップ等である。判定結果が“YES”の場合は、ステップS606に進み、それ以外の場合は、今回周期の処理は終了する。
【0066】
ステップS606では、メンテナンス情報出力部130は、アクセス対象情報源に係る情報の新鮮さの低下、又は、アクセス対象情報源のバージョンの変化を表すメンテナンス情報を出力する。出力先は、
図5を参照して上述した通りであってよい。
【0067】
図6に示す処理によれば、アクセス対象情報源に係る情報の新鮮さの低下、又は、アクセス対象情報源のバージョンの変化があった場合に、その旨を表すメンテナンス情報を出力できる。これにより、例えば、アクセス対象情報源に係るアプリケーションのバージョンアップ等に起因してRPAソフトウェアPR1の処理結果が、所期の結果と異なる場合に、例えばシステム管理者は、当該状況に容易に気付くことができ、必要な修正等を行うことができる。
【0068】
なお、
図6では、アクセス対象情報源に係る情報の新鮮さの低下、又は、アクセス対象情報源のバージョンの変化があった場合に、メンテナンス情報が出力されるが、これに限られない。例えば、アクセス対象情報源に係る情報の新鮮さの低下、及び、アクセス対象情報源のバージョンの変化のうちの、いずれか一方が生じた場合のみ、メンテナンス情報が出力されてもよい。また、
図5との組み合わせで、アクセス対象情報源の不在、アクセス対象情報源を構築するアプリケーションの変更、アクセス対象情報源に係る情報の新鮮さの低下、及びアクセス対象情報源のバージョンの変化のうちの、少なくともいずれか1つが生じた場合に、メンテナンス情報が出力されてもよい。
【0069】
図7は、メンテナンス情報出力部130により実行される処理の他の一例を示す概略フローチャートである。
【0070】
図7では、前提として、RPAソフトウェアPR1は、前処理と、本処理とを含み、本処理は、規定された情報源(アクセス対象情報源)から情報を取得することを含み、前処理は、当該アクセス対象情報源の存在を確認する処理を含む。ログ送信部212は、RPAソフトウェア実行部210による前処理の結果(ログ情報の一部)を、情報源サーバ11に送信する。
【0071】
ステップS700では、メンテナンス情報出力部130は、モニタリング条件が成立したか否を判定する。モニタリング条件は、
図5を参照して上述した通りであってよい。判定結果が“YES”の場合は、ステップS702に進み、それ以外の場合は、今回周期の処理は終了する。
【0072】
ステップS702では、メンテナンス情報出力部130は、ログデータ記憶処理部132内のRPAソフトウェアPR1に関するログデータを取得する。
【0073】
ステップS704では、メンテナンス情報出力部130は、ステップS702で取得したログデータのうちの、RPAソフトウェア実行部210による前処理の結果に係るログデータに基づいて、アクセス対象情報源の不在があったか否かを判定する。判定結果が“YES”の場合は、ステップS706に進み、それ以外の場合は、今回周期の処理は終了する。
【0074】
ステップS706では、メンテナンス情報出力部130は、アクセス対象情報源の不在を表すメンテナンス情報を出力する。出力先は、
図5を参照して上述した通りであってよい。
【0075】
図7に示す処理によれば、RPAソフトウェア実行部210による前処理の結果に係るログデータを利用することで、アクセス対象情報源の不在があった場合に、その旨を表すメンテナンス情報を出力できる。
なお、
図7に示す処理では、RPA保守支援サーバ10がRPAソフトウェア実行部210による前処理の結果に基づいてメンテナンス情報を出力しているが、クライアントコンピュータ20側で直接的に前処理の結果に基づいてメンテナンス情報を出力してもよい。
【0076】
図8は、メンテナンス情報出力部130により実行される処理の他の一例を示す概略フローチャートである。
ステップS800では、メンテナンス情報出力部130は、モニタリング条件が成立したか否を判定する。モニタリング条件は、
図5を参照して上述した通りであってよい。判定結果が“YES”の場合は、ステップS802に進み、それ以外の場合は、今回周期の処理は終了する。
【0077】
ステップS802では、メンテナンス情報出力部130は、ログデータ記憶処理部132内のRPAソフトウェアPR1に関するログデータを取得する。
【0078】
ステップS804では、メンテナンス情報出力部130は、ステップS802で取得したログデータに基づいて、所定条件が満たされたか否かを判定する。
図8では、一例として、所定条件は、以下の条件(1)~(3)のうちの、少なくともいずれか1つが満たされた場合に、満たされる。
条件(1):動作環境に有意な変化があったこと。
条件(2):RPAソフトウェアPR1の実行の際の通信量に有意な変化があったこと。
条件(3):RPAソフトウェアPR1の処理時間に有意な変化があったこと。
例えば、OSなどが変更された場合に、条件(1)が満たされてよい。また、条件(2)は、RPAソフトウェアPR1の実行の際の通信量が、通常的な通信量(例えば一定期間内の平均値)に対して乖離した場合に、満たされてよい。また、条件(3)は、RPAソフトウェアPR1の処理時間が、通常的な処理時間(例えば一定期間内の平均値)に対して乖離した場合に、満たされてよい。
ステップS804において、判定結果が“YES”の場合は、ステップS806に進み、それ以外の場合は、今回周期の処理は終了する。
【0079】
ステップS806では、メンテナンス情報出力部130は、条件(1)~(3)のうちの満たされた1つ以上の条件に係る内容を表すメンテナンス情報を出力する。出力先は、
図5を参照して上述した通りであってよい。
【0080】
図8に示す処理によれば、条件(1)~(3)のうちの、少なくともいずれか1つが満たされた場合に、その旨を表すメンテナンス情報を出力できる。これにより、例えば、動作環境の変化に起因してRPAソフトウェアPR1の処理結果が、所期の結果と異なる場合に、例えばシステム管理者は、当該状況に容易に気付くことができ、必要な修正等を行うことができる。
【0081】
なお、
図8に示す処理は、一のRPAソフトウェアPR1に関するものであるが、これに限られない。例えば、
図8に示す処理は、複数のRPAソフトウェアを連携させる場合にも適用できる。具体的には、複数のRPAソフトウェアが例えばジョブネットワークを形成し、複数のRPAソフトウェアのそれぞれに係る業務が連携される場合がありうる。この場合、複数のRPAソフトウェア全体としての処理に関して、条件(2)や条件(3)が満たされた場合に、メンテナンス情報が出力されてもよい。例えば、RPAソフトウェアA1に対して、2つの並列した前処理に係るRPAソフトウェアB1、B2がある場合を想定する。この場合、通常的にはRPAソフトウェアB1が先に完了するところを、RPAソフトウェアB1に係る要処理データが急増したため、処理時間が長引きRPAソフトウェアB2の方が早く完了する場合がありうる。かかる場合に、メンテナンス情報が出力されることで、システム管理者は、当該状況に容易に気付くことができ、必要な修正等を行うことができる。
【0082】
図9は、メンテナンス情報出力部130により実行される処理の他の一例を示す概略フローチャートである。
【0083】
図9では、前提として、RPAソフトウェアPR1は、所定の処理順序にしたがって行われるべき複数の処理要素を含む。例えば、RPAソフトウェアPR1は、複数の命令が実行順に定義されている。すなわち、RPAソフトウェアPR1の複数の処理要素は、所定の処理順で処理する設定にしたがって、処理される。当該設定は、RPAツールが出力したものであってもよいし、ユーザが編集したものであってもよいし、人工知能で学習させて得られたものであってもよい。また、当該設定に関する情報は、設定が変更されるごとに、RPA保守支援サーバ10において登録されてよい。
【0084】
ステップS900では、メンテナンス情報出力部130は、モニタリング条件が成立したか否を判定する。モニタリング条件は、
図5を参照して上述した通りであってよい。判定結果が“YES”の場合は、ステップS902に進み、それ以外の場合は、今回周期の処理は終了する。
【0085】
ステップS902では、メンテナンス情報出力部130は、ログデータ記憶処理部132内のRPAソフトウェアPR1に関するログデータを取得する。
【0086】
ステップS904では、メンテナンス情報出力部130は、ステップS902で取得したログデータに基づいて、所定の処理順序からの逸脱(すなわち、所定の処理順で処理する設定に基づいてRPAソフトウェアPR1の複数の処理要素が処理されなかった事象)があったか否かを判定する。例えば、本来は、処理要素A1~A10までがこの順序で行われるのに対して、処理要素A1~A10までが異なる順序(例えば処理要素A9よりも先に処理要素A10が実行される場合や、処理要素A9が実行されずに処理要素A10が実行される場合等)、所定の処理順序からの逸脱があったと判定される。判定結果が“YES”の場合は、ステップS906に進み、それ以外の場合は、今回周期の処理は終了する。
【0087】
ステップS906では、メンテナンス情報出力部130は、所定の処理順序からの逸脱を表すメンテナンス情報を出力する。出力先は、
図5を参照して上述した通りであってよい。
【0088】
図9に示す処理によれば、所定の処理順序からの逸脱があった場合に、その旨を表すメンテナンス情報を出力できる。これにより、例えば、所定の処理順序からの逸脱に起因してRPAソフトウェアPR1の処理結果が、所期の結果と異なる場合に、例えばシステム管理者は、当該状況に容易に気付くことができ、必要な修正等を行うことができる。
【0089】
なお、
図9に示す処理では、複数の処理要素は、RPAソフトウェアPR1を形成する処理要素であるが、これに限られない。例えば、複数の処理要素は、複数のRPAソフトウェアであってもよい。具体的には、複数のRPAソフトウェアが例えばジョブネットワークを形成し、複数のRPAソフトウェアのそれぞれに係る業務が連携される場合がありうる。この場合、複数のRPAソフトウェアの連携態様の変化(すなわち所定の処理順で処理する設定に基づいて複数のRPAソフトウェアが処理されなかった事象)に基づいて、メンテナンス情報が出力されてもよい。
【0090】
以上、各実施例について詳述したが、特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲内において、種々の変形及び変更が可能である。また、前述した実施例の構成要素を全部又は複数を組み合わせることも可能である。
【0091】
上述した実施例に関して、更に以下の付記を開示する。
[付記1]
ロボティック・プロセス・オートメーション(RPA)に基づくソフトウェアの処理結果に基づいて、前記ソフトウェアのメンテナンスに関するメンテナンス情報を出力する出力部を備える、RPA保守支援装置。
[付記2]
前記ソフトウェアは、規定された情報源から情報を取得する処理を含み、
前記出力部は、前記情報源の不在、前記情報源を構築するアプリケーションの変更、アプリケーションで作成されたアプリケーションファイルの変更、前記情報の新鮮さの低下、及び、前記情報源のバージョンの変化のうちの少なくともいずれか1つを、前記メンテナンス情報として出力する、付記1に記載のRPA保守支援装置。
[付記3]
前記ソフトウェアは、前処理と、本処理とを含み、
前記本処理は、規定された情報源から情報を取得することを含み、
前記前処理は、前記情報源の存在を確認する処理を含み、
前記出力部は、前記前処理の結果が前記情報源の不在を表す場合に、その旨の情報を、前記メンテナンス情報として出力する、付記1に記載のRPA保守支援装置。
[付記4]
前記出力部は、動作環境の変化、又は、前記ソフトウェアの処理時間の変化を、前記メンテナンス情報として出力する、付記1に記載のRPA保守支援装置。
[付記5]
前記ソフトウェアは、所定の処理順序で処理されるように設定された複数の処理要素を含み、
前記出力部は、前記所定の処理順で処理する設定に基づいて前記複数の処理要素が処理されなかった場合に、前記メンテナンス情報として出力する、付記1に記載のRPA保守支援装置。
[付記6]
ロボティック・プロセス・オートメーション(RPA)に基づくソフトウェアのメンテナンスが所定期間以上なされていない場合に、前記ソフトウェアのメンテナンスに関するメンテナンス情報を出力する出力部を備える、RPA保守支援装置。
[付記7]
ロボットプロセスオートメーションに基づくソフトウェアの処理結果に基づいて、前記ソフトウェアのメンテナンスに関するメンテナンス情報を出力する、
処理をコンピュータに実行させる、RPA保守支援プログラム。
【符号の説明】
【0092】
1 RPA保守支援システム
4 ネットワーク
10 保守支援サーバ
11 情報源サーバ
20 クライアントコンピュータ
21 クライアントコンピュータ群
101 制御部
102 主記憶部
103 補助記憶部
104 ドライブ装置
105 記録媒体
106 ネットワークI/F部
107 入力部
108 表示装置
130 メンテナンス情報出力部
132 ログデータ記憶処理部
134 ログデータベース
140 情報源管理部
142 情報源データベース
210 RPAソフトウェア実行部
212 ログ送信部
214 パラメータ管理部
PR1 RPAソフトウェア
PR2 RPAソフトウェア
PR3 RPAソフトウェア