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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022018988
(43)【公開日】2022-01-27
(54)【発明の名称】シートシャッターのシートケース構造
(51)【国際特許分類】
   E06B 9/17 20060101AFI20220120BHJP
【FI】
E06B9/17 W
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020122480
(22)【出願日】2020-07-17
(71)【出願人】
【識別番号】391020056
【氏名又は名称】小松電機産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100081673
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100141483
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 生吾
(74)【代理人】
【識別番号】100166659
【弁理士】
【氏名又は名称】楠 和也
(72)【発明者】
【氏名】小松 昭夫
(72)【発明者】
【氏名】堀江 好明
(57)【要約】      (修正有)
【課題】シートケースの構造を簡単にし、組付や輸送の労力、コストの低減を図るシートシャッターを提供する。
【解決手段】シートの昇降スライドを案内するシートガイドを備えた左右のガイドフレームと、シートの巻取用のドラム18を内部に軸支し、ガイドフレームの上端側に左右方向に横設されるシートケース6とを備えたゲート状のシートシャッターにおいて、シートケースを、左右のガイドフレームのそれぞれの上端に内向きの周壁を有する左右のサイドケース7を備える構成と、サイドケース間で巻取ドラム18の外周を覆い湾曲曲げ可能な薄板状のカバーシート8との構成に分割形成し、左右のサイドケース間に上部受け部材27と下部受け部材31を横設し、カバーシートの下方基部を下部受け部材に装着し、湾曲曲げさせたカバーシートの上方先端を上部受け部材に装着させて、カバーシートの両端を湾曲曲げ状態でサイドケースの周壁内に挿入して保持する。
【選択図】図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート(4)の昇降スライドを案内するシートガイド(2)を備えた左右のガイドフレーム(3)と、上記シート(4)の巻取用のドラム(18)を内部に軸支し、上記ガイドフレーム(3)の上端側に左右方向に横設されるシートケース(6)とを備えたゲート状のシートシャッターにおいて、上記シートケース(6)を、上記左右のガイドフレーム(3)、(3)のそれぞれの上端に内向きの周壁を有する左右のサイドケース(7)、(7)を備える構成と、該サイドケース(7)、(7)間で上記巻取ドラム(18)の外周を覆い湾曲曲げ可能な薄板状のカバーシート(8)との構成に分割形成し、該カバーシート(8)を取り付け、該左右のサイドケース(7)、(7)間に上部受け部材(27)と下部受け部材(31)を横設し、該カバーシート(8)の下方基部を下部受け部材(31)に装着し、湾曲曲げさせたカバーシート(8)の上方先端を上部受け部材(27)に装着させて、該カバーシート(8)の両端を湾曲曲げ状態で上記サイドケース(7)の周壁内に挿入して保持するシートシャッターのシートケース構造。
【請求項2】
湾曲曲げされたカバーシート(8)の上下両端を、サイドケース(7)間に横設した上下の受け部材(27),(31)に差し込み固定してシートケース(6)内で着脱可能に固定してなる請求項1に記載のシートシャッターのシートケース構造。
【請求項3】
カバーシート(8)が弾力性を備え側面視で後向きに開放されたU字形の半円筒断面に弾力的に湾曲曲げされて挿入される請求項1又は2に記載のシートシャッターのシートケース構造。
【請求項4】
湾曲曲げされたカバーシート(8)の外周を前記サイドケース(7)の周壁の内周側に挿入させて当接する請求項1~3のいずれかに記載のシートシャッターのシートケース構造。
【請求項5】
左右のサイドケース(7)間に、湾曲曲げ状態のカバーシート(8)の湾曲軌跡に沿う内周位置に、湾曲曲げ状態のカバーシート(8)を内面側からサポートする1個又は複数個のサポート部材(33),(38),(39)をカバーシート(8)の内側に設けた請求項1~4のいずれかに記載のシートシャッターのシートケース構造。
【請求項6】
サポート部材(38),(39)が、カバーシート(8)の湾曲した内面に沿って湾曲して弾力的に押設される弾力性を備えた複数枚の薄板部材よりなり、サイドケース(7)内に挿入された左右の両端を含む複数箇所に前後方向に挿入配置された請求項1~5のいずれかに記載のシートシャッターのシートケース構造。
【請求項7】
サポート部材(33)がワイヤ状、棒状又は帯状部材である請求項5に記載のシートシャッターのシートケース構造。
【請求項8】
前端がカバーシート(8)の上面外周に沿って接し、後端がシートケース(6)の背面側の高位置に着脱可能に且つ前傾させて前低後高状に取付けられる薄板状又はシート状の傾斜カバー(11)を設けた請求項1~7のいずれかに記載のシートシャッターのシートケース構造。
【請求項9】
左右のサイドケース(7)の互に向き合う内側を開放又は開口させて全体をボックス状に形成し、上面側に正面視で山形又は片側に傾斜した屋根部(12)を形成した請求項1~8のいずれかに記載のシートシャッターのシートケース構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、シートシャッターのシートケース構造に関わり、シートケースを構成するカバーシートを湾曲可能な薄板の構成にして、設置現場にてシートケースの組み込みを容易にできるものに関する。
【背景技術】
【0002】
一般にシートシャッターは工場や倉庫等の出入口や各種間仕切りの一部、作業ロボットを囲む仕切りフレームの出入口、パスボックスの操作口等に設けられ、空調効果やクリーンルームの防塵、防虫対策、不測な接触防止を図る作業者の保護等に使用され、左右のシートガイド付のガイドフレーム上端にシート巻取用の巻取ドラムやモーター等を予め組込んだシート装置を内装するシートケースを横設した特許文献1に示すようなゲート型のものが知られている。
【0003】
上記のようなシートシャッターの仕様は、用途や設置条件に応じて各部の材質や構造の細部が決められるが、ゲートの左右幅(間口)と高さは、上部のシートケースの左右幅とガイドフレーム高さで決められ、通常これらの各部の構成部材のサイズ加工と最小限の組立ては、シートシャッター製造メーカーの工場で行われ、一式単位に荷造りされて取付け現場に納品される。
その後、設置現場ではガイドフレームや横長のシートケースの装備品を組立て、建物側に左右のガイドフレームを取付けて立設し、上端にシートケースを取付けている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013-36254号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし上記のような構造での現場組立てでは、シート巻取用のドラムやモーター等を予め組込んだ高重量で横長のボックス状のシートケースをクレーン等で吊り上げながら組付けるため、長大な重量物を取り扱う関係で作業が重労働となり、玉掛け作業に伴う取り付け経験と熟練度も高いほか、相応の重量対応のクレーンを必要とし作業効率も良くないという問題があった。
【0006】
また、シートケースも予め取付場所の構造寸法に応じた最終寸法に、シートシャッター製造メーカーの工場で加工したものを納品して行うため、材料メーカー,製品メーカー,ユーザー間の輸送に多大な労力や搬送コストを掛ける必要があった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための本発明のシートケースは、第1にシート4の昇降スライドを案内するシートガイド2を備えた左右のガイドフレーム3と、上記シート4の巻取用のドラム18を内部に軸支し、上記ガイドフレーム3の上端側に左右方向に横設されるシートケース6とを備えたゲート状のシートシャッターにおいて、上記シートケース6を、上記左右のガイドフレーム3、3のそれぞれの上端に内向きの周壁を有する左右のサイドケース7、7を備える構成と、該サイドケース7、7間で上記巻取ドラム18の外周を覆い湾曲曲げ可能な薄板状のカバーシート8との構成に分割形成し、該カバーシート8を取り付け、該左右のサイドケース7、7間に上部受け部材27と下部受け部材31を横設し、該カバーシート8の下方基部を下部受け部材31に装着し、湾曲曲げさせたカバーシート8の上方先端を上部受け部材27に装着させて、該カバーシート8の両端を湾曲曲げ状態で上記サイドケース7の周壁内に挿入して保持することを特徴としている。
【0008】
第2に、湾曲曲げされたカバーシート8の上下両端を、サイドケース7間に横設した上下の受け部材27,31に差し込み固定してシートケース6内で着脱可能に固定してなることを特徴としている。
【0009】
第3に、カバーシート8が弾力性を備え側面視で後向きに開放されたU字形の半円筒断面に弾力的に湾曲曲げされて挿入されることを特徴としている。
【0010】
第4に、湾曲曲げされたカバーシート8の外周を前記サイドケース7の周壁の内周側に挿入させて当接することを特徴としている。
【0011】
第5に、左右のサイドケース7間に、湾曲曲げ状態のカバーシート8の湾曲軌跡に沿う内周位置に、湾曲曲げ状態のカバーシート8を内面側からサポートする1個又は複数個のサポート部材33,38,39をカバーシート8の内側に設けたを張設してなることを特徴としている。
【0012】
第6に、サポート部材38,39が、カバーシート8の湾曲した内面に沿って湾曲して弾力的に押設される弾力性を備えた複数枚の薄板部材よりなり、サイドケース7内に挿入された左右の両端を含む複数箇所に前後方向に挿入配置されたことを特徴としている。
【0013】
第7に、サポート部材33がワイヤ状、棒状又は帯状部材であることを特徴としている。
【0014】
第8に、前端がカバーシート8の上面外周に沿って接し、後端がシートケース6の背面側の高位置に着脱可能に且つ前傾させて前低後高状に取付けられる薄板状又はシート状の傾斜カバー11を設けたことを特徴としている。
【0015】
第9に、左右のサイドケース7の互に向き合う内側を開放又は開口させて全体をボックス状に形成し、上面側に正面視で山形又は片側に傾斜した屋根部12を形成したことを特徴としている。
【発明の効果】
【0016】
上記のように構成される本発明のシートケースは、以下のような効果を奏する。
(1)シートケースが左右のサイドケースと中間のカバーシートとに分割形成されるので、工場加工でもスペースや加工機の省スペース化,小型化が実現でき、輸送労力や輸送コストの低減ができる。
また、現場組立でも予めガイドフレーム上にサイドケースを取付けたものにカバーシートをサイドケースに架設した受け部材に湾曲曲げ挿入することができ、予め組立てられた大型のシートケースを吊り上げながら組付けるものに比して、軽作業化や作業の適格性の確保及び作業性の向上が実現でき、全体として大幅なコスト低減が可能となる。
【0017】
(2)薄板状のカバーシートは、幅方向の寸法管理精度が緩和できる他、現場の取付寸法に合せて現場で切断加工やシートエンド加工(処理)ができるので、巻取ドラムやその他の横設部材など必要最小限のもののみシートシャッターメーカーによる工場生産出荷にすることにより、その他はシートシャッターメーカーによる工場加工が不要化され、納品も材料メーカーから現場に直送できる利点がある。
【0018】
(3)カバーシートは湾曲曲げ状態のまま上下の受け部材によって保持され、さらに奥側の端部は、左右のサイドケースの内側面の内周形状に沿って保持され、弾性部材を用いることにより形状保持効果が増強されるほか、サイドケース間に張設されるサポート部材によってさらに確実に形状保持される。
【0019】
(4)シートケースのカバーシート上に傾斜カバーを設け又はサイドケース上面側の傾斜面を形成することにより、シートケース上面に落下した粉塵や塵埃等が集積せず傾斜面に沿って下方に流れ落ちるため、シートケース全体に集積ゴミのない良好な衛生環境保持に寄与するとともに、堆積した集積ゴミによる集中落下による下部環境の悪化が防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明のシートシャッターの全体正面斜視図である。
図2】シートシャッターの全体側面図である。
図3】シートシャッターの要部正面断面図である。
図4】シートシャッターの要部側断面図である。
図5】シートシャッターの要部平断面図である。
図6】右サイドケースとモーターの取付機構を示す分解斜視図である。
図7】ガイドフレームの取付状態平断面図である。
図8】シートシャッターの要部の下方斜視図である。
図9】シートシャッターの要部の取り付け説明図である。
図10】この発明の他の実施形態を示すシートシャッターの全体斜視図である。
図11】(A),(B)はそれぞれ異なるサポート部材の装着状態を示す側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1図2は本発明のシートケースを備えたシートシャッターの外観を示し、建造物の2本の支柱1に、レール状のシートガイド2(図6参照)付の左右のガイドフレーム3が取付けられ、該ガイドフレーム3上にロール状に巻込まれたシート4を収納するシートケース6が架設されている。
【0022】
この例では、左右のガイドフレーム3上には、直方体状のボックス型のサイドケース7(7a,7b)が各別に取付けられ、両サイドケース7間には、後述するように薄板状のカバーシート8を後方開放型のU字状の半円筒状に湾曲させて折曲げながら、左右の両端をケース対向面内に挿入して位置させ、シートケース6の一部を構成している。
【0023】
上記シートケース6の上方には、薄板材からなる壁面カバー9が壁面に沿って左右方向に取付けられており、該壁面カバー9の下端とカバーシート8の前方周面との間には、前端が下降傾斜するように薄板状の傾斜カバー11が着脱可能に斜設され、シートケース6の上面への粉塵・塵埃等の付着,集積,堆積が防止される構造となっている。
【0024】
この壁面カバー9の上端は、その背面側において壁面に左右方向に取付けられたアルミ押出成形材等からなるビーム状の受け部材10にビス止め等により着脱可能に取付けられ、下端はカバーシート8の湾曲周面に接線上に接し、両面テープによる接着等により着脱可能に固着されている。上記受け部材10は、図4に示すように、カバーシート8の上部受部材27(後述する)と同一断面のものを上下逆向きにすることで兼用可能である。
【0025】
さらに各サイドケース7a,7bの上面には、山形に左右に傾斜させた屋根部12が設けられており、上記同様塵埃等の付着、集積を防止している。
【0026】
図3~5はシートケース6の要部の断面構造を示し、左右のサイドケース7a,7bは、この例ではガイドフレーム3の左右幅に対応した横幅でロール状に巻取られたシート4の最大径に対応した奥行き及び上下幅の直方体よりなる筒状形態のボックス状に形成されている。各サイドケース7a,7bは後端(奥)側でガイドフレーム3の上端に片持状に載置して架設され、ボルト13等(図4参照)により着脱可能に取付けられる。サイドケース7は、その背面側において建物側にも着脱可能に取付けられる。
これにより、ガイドフレーム3の上端部は切断加工のみで現出されることになるので、材料メーカーからガイドフレーム3の材料を、現場近くに直送してサイズに合わせて切断して使用することができる。
【0027】
サイドケース7の対向し合う内側の面を構成する内側壁14には、カバーシート8の湾曲曲げ収納の形状(図4参照)を規制保持すべく後向きに開放されたU字形に切欠形成された開口部16が形成されている。
【0028】
また上記左右のサイドケース7a,7b間には、外側壁17の略中心位置には、シート巻取用のドラム18の両端が各開口部16を通って軸支され、ドラム18の左側はドラム軸19により左サイドケース7a側に、右側は右サイドケース7b側の外側壁17に内向きに取付けられたモーター21を介してそれぞれ軸支されている。
【0029】
図6は右サイドケース7bにモーター21を取付ける機構を示す分解斜視図で、内側が開口するサイドケース7bは、板金部材により直方体のボックス状に形成され、右外側の外側壁17四辺には前後上下の周壁が内向きに形成されている。サイドケース7bの内部には、サイドケース7bの外側壁17の内面と部分溶着されて一体的に固定され、サイドケース7b内でモーター21を支持する前後方向の板金部材よりなるサイドフレーム72が設けられている。
【0030】
サイドフレーム72とモーター21との間には、モーター21の基端(モーターフランジ)面にボルト73によって直接取付けられる四角形の平板状の介挿板74が設けられ、この介挿板74は予めサイドフレーム72の内側面に突出させたボルト76によってサイドフレーム72に締着固定される。ボルト76はサイドフレーム72の外側面側でボルトヘッドをサイドフレーム72に溶着固定されており、モーター21は介挿板74を介してサイドフレーム72及びサイドケース7bに取付支持される。
【0031】
またサイドフレーム72の中央には、前記介挿板取付用のすべてのボルト76(本例では6本)のボルトヘッドをサイドフレーム72の内側から外側に突出させる挿通孔77が形成されており、サイドフレーム72のこの挿通孔77部分とその外周には、図6に示すように内向きの陥没部72aが押出し成形されている。この陥没部72aにより、外側位置で重ね合わされる外側壁17の内面との間に、上記介挿板取付用のボルト76のボルトヘッドを収容する間隙がその陥没量に応じて形成されている。
【0032】
ドラム18は図4に示すように円形の筒状断面に、アルミ押出し成形、鉄製円形ないし多角形、又はFRP製等の軽量素材によって成形されている。ドラム18の内周面はモーター21の先端に取付けられた側面視十字形のカップリング22を左右スライド可能にスプライン状に嵌合させる形状に成形されるか多角形の角と嵌合させる形状とし、ドラム18の右端はモーター21に支持される形でモーター21とともに回転するように軸支されている。
【0033】
シート4は、この例では筒状の多数の芯材23を横方向に挿入されたものが示されており、上端がドラム18に固着され、芯材両端がドラム後方からシートガイド2のガイド溝2aに挿入されてモーター駆動によるシートの巻取り繰出し(昇降)が行われ、下端が床面に接地した状態で閉じられる。24は、シートガイドのガイド溝2aの上端に斜設された芯材23の落し込みを誘導する案内用のガイド板である。
【0034】
ガイドフレーム3を構成するシートガイド2は、図7に示すように内向きのガイド溝2aを備えた角筒状で凹字形の異形断面を有し、アルミ押出成形材で形成されており、柱部材1に着脱可能に取付けられるので、必ずしも金属製等の高強度材である必要はない。3aはガイドフレーム3の外側スペースを利用して設けた配線ダクトを保護する配線カバーである。
【0035】
上記のように組付けられたガイドフレーム3とサイドケース7及びドラム18に対し、カバーシート8は例えば0.3mm厚程度の薄手の平板状又はシート状の材料で可撓性を有し湾曲可能で耐水性,耐候性,弾力性等を備えた材質のものが望ましく、コーティング紙,セルロース材,プラスチック材,FRP材のほか、ステンレス鋼板,アルミ板等の採用が可能である。
【0036】
これらの材質からなるカバーシート8を左右のサイドケース7a,7bの内向きの開口部16内に且つ図4で示すようにその開口縁に沿わせながら湾曲させて挿入することによって、同図に示すように開口部16の内周に沿った形状を維持しながら、ロール状に巻取られるドラム18の外周を覆って装着される。
【0037】
この時カバーシート8を一定以上の弾力性のある材質にすることにより、その湾曲曲げされた湾曲形状は、開口部16の開口縁に押接された状態で形状を保持できるが、シートケースとして、例えば風圧や振動、衝撃等の外力に対し安定的な形状、機能を保持させるために、以下のようなカバーシート8の取付・保持機構を設けている。
【0038】
先ずカバーシート8の上下の後端部(開放端)の固定(取付け)構造につき説明すると、図4及び図9に示すようにサイドケース7の背面板26の上端側内面には、上端面に左右方向の凹溝を備えたアルミ押出成形材製若しくはFRP等のプラスチック製の受け部材27が横設固定されており、該受け部材27の上面にカバーシート8を差し込める差込用溝28と溝の前端に舌状の肩受け平面部28aが延出して形成されている。
【0039】
上記機構によりカバーシート8の上側端部は、差込用溝28の最深部まで挿入して該差込用溝28の凹溝に嵌合係止すると共に肩受け平面部28aで保持されることによって位置決め固定される。また前記受け部材27をシートケース6の全長にわたり、建物側の梁部材29に取付固定することにより、左右のサイドケース7a,7b間ではシートエンドを受け部材27に対し、必要に応じて適宜位置でビス止め固定することが可能である。この上側シートエンドと建物側の固定は、複数のフックを取付けて係脱可能に構成することも可能である。
【0040】
他方カバーシート8の下側シートエンドは、左右のサイドケース7a,7b内の底部に、左右方向の下部の受け部材31を架設し、この受け部材31に差込み固定される。
即ち図9に示すように、該下部の受け部材31は、上端面に左右方向の凹溝を備えたアルミ押出成形材製若しくはプラスチック製の受け部材で構成されている。該受け部材31の上面にカバーシート8を差し込める差込用溝32と溝の前端に舌状の肩受け平面部32aが延出して形成されている。この下側受け部材31は図示されるように中空断面に形成され、中空内部はシートシャッターの各種駆動用電気配線や、加温・冷却用のエア流通路としても利用可能である。
【0041】
これにより、図4図9に示すように、該カバーシート8の下方基部を下部受け部材31の差込用溝32の凹溝部に差し込み装着して肩受け平面部32aで保持し、この状態から上方に向かって、後述するサポート部材33の外側部分で湾曲曲げさせたカバーシート8の上方先端を上部受け部材27の溝部に差し込み装着させて肩受け平面部28aで保持し、さらに、該カバーシート8の両端を湾曲曲げ状態で上記サイドケース7の周壁内に挿入して保持するようにされており、カバーシート8の取り付けを上下の受け部材27,31の差し込みと肩受け平面部との相乗効果により取り付け支持を強固にすると共に、左右端部をサイドケースに隠蔽して隙間なく保持させるので、塵埃等の侵入を阻止できてカバー機能を正常に保持できる。
なお、図8に示すように、該カバーシート8の外周面部の左右方向の複数箇所に、カバーシート8を把持する把持部8aを設けておくとカバーシート8の装着・取り外しの操作性が良い。
【0042】
尚、カバーシート8の上下の受け部材27,31への差し込み操作を確実にするとともに、差し込み縁部の剛性と弾力性を補うために、カバーシート8の上下の差込端側に左右方向の帯状又は棒状の補強材(図示しない)をビス止め等により取付けることも可能であり、必要なら差込端以外の位置の内面に取付けることもでき、この補強材で中央の撓みがより確実に防止できる。
【0043】
次にU字形に折曲げ挿入されるカバーシート8の内側の正面側の前端位置とドラム18の中心上方位置には、湾曲曲げ状態のカバーシート8の湾曲軌跡に沿う内周位置で、カバーシート8の内面に近接又は押接されるように、左右方向の2本のワイヤ状のサポート部材33が左右方向に張設され、カバーシート8の湾曲挿入形状を内側から保持する機構となっている。このサポート部材33は、次に述べるように左右方向に直線状に緊締する必要があるため、ワイヤ状のものが望ましいが、直線状の剛体からなるその他の線状材,棒状材,帯状部材等のものが使用できる。
【0044】
上記サポート部材33の両端は、図3図5に示すようにサイドケース7の外側壁17内の定位置に緊締可能に且つ着脱可能に取付けられている。
【0045】
サポート部材33の両端は、この例ではボルト加工されており、このボルト部は多角形(六角)の筒状のナット34がねじ込まれるとともに、このナット34の外側端には外側壁17の外側から挿入される止めねじ36にねじ接合されている。さらにサイドケース7の外側壁17には、上記ナット34を左右スライド可能に嵌合するチャンネル状断面(パイプ状断面でも可)のガイド部材37が固定的に突設されている。
そして上記止めねじ36をねじ操作することにより、ナット34を左右スライドさせ、サポート部材33の緊締及び着脱が行われる。
【0046】
上記実施形態以外に、シート4は芯材23を備えないものが使用される場合もある。カバーシート8はU字形に折曲げられるものの他、サイドケース7側の内向き開口部16の形状やサポート部材33の配置変更等により各種折曲げ形状の変更が可能である。
【0047】
またサポート部材33の緊締機構は左右片側のみとし、他方の端部は単純に係止するのみにすることも可能であり、サイドケース7も直方体形状の他、例えばカバーシート8の折曲形状に沿って半長円形にすることも可能である。
【0048】
図10図11はこの発明の他の実施形態を示し、この例ではカバー部材8の湾曲姿勢を保持する前記サポート部材33に代えて、シートケース6にシートカバー8の湾曲軌跡に沿うように湾曲した薄板鋼板等の弾性部材からなるサポート部材38,39を、シートケース6の左右幅に応じて複数個ケース内に挿入配置している。
【0049】
上記サポート部材38,39は、成形の容易性から例えば板厚2mm程度の鋼板の前方張出側を多数(本例では7箇所)の山形の屈曲部を形成しながら円弧状に折曲げ、全体として側面視がU字形又は釣り針型に形成されているが、カバーシート8の湾曲内面に沿う円弧状に折曲げ形成したものの使用も可能である。
【0050】
この内左右両端に挿入配置するサポート部材38は、外側端をカバーシート8とともにサイドケース7内に一部挿入するために幅広の物が使用され、一体物の鋼板で成形されている。これに対しその中間に配置するサポート部材39は、成形の容易性を重視して図11(B)に示されるように湾曲前端(上下の略中心位置)で、上下に分割形成され、前方中間位置でリベット41又はスポット溶接等により接合されたものが使用されている。
【0051】
また左右両端のサポート部材38は、図11(A)に示すように、上下の後端をカバーシート8と重ねて上下の受け部材27,31の差込用の溝28,32に差込み、各受け部材27,31の肩受け平面部28aにビス止め等により位置決め固定されている。そして左右両端のサポート部材38はサイドケース7の内側壁14より外側(サイドケース7の内部)に、カバーシート8とともに重ねられて差込み挿入されるため、中間のサポート部材39より幅広に形成され、カバーシート8をより強力な弾力で内側壁14の円弧状内周縁に沿って押接する。
【0052】
尚、左右のサイドケース7の内側壁14は、図11に示すように、左右のサイドケース7の前端側上下コーナーを塞ぎ、シートカバー8の正面側への湾曲した張出し形状を形成させるように、内周縁が半円形の円弧を形成し、上下に2分割形成されて各サイドケース7の内側周縁にビス止め等により取付けられる。
【0053】
他方、ケース左右端の中途に配置されるサポート部材39は、両端のサポート部材38に比して幅狭で、図11(B)に示すように上下の後方開放端を位置決め固定されたカバーシート8の湾曲した前方内面と内部上面の平坦面に沿って、左右端で決められるカバーシート8の湾曲形状を保持するよう弾力的に外向きに押接されている。この中間サポート部材39を図11(A)に示すように、上下の後方開放端を上下の受部材27,31にビス止め固定することもできる。
【0054】
上記構成によりシートケース1のカバーシート8は、左右のサイドケース7の内側壁14の円弧状内周縁と左右のサポート部材38及び中間のサポート部材39とで、湾曲形状に形成保持することによって、シートケース自体を軽量化し、左右のサイドケース7とは別に現場裁断し且つ現場組付けできる他、供給体制も別ルートでメーカー直送等の利便性を図ることができる。
【0055】
またカバーシート8の左右両端を湾曲状態で左右のサイドケース7の周壁内に挿入した場合、カバーシート8の材質や板厚の選択によって強い復元力(弾力性)を備えていれば、上記湾曲状態をサイドケース7の周壁又は内側壁14のみで保持させることも可能である。
【符号の説明】
【0056】
2 シートガイド
3 ガイドフレーム
4 シート
6 シートケース
7,7a,7b サイドケース
8 カバーシート
11 傾斜カバー
12 屋根部
14 内側壁
18 ドラム
21 モーター
27 上部受け部材
31 下部受け部材
33,38,39 サポート部材
72 サイドフレーム
74 介挿板
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11