(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022190014
(43)【公開日】2022-12-22
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
B60K 35/00 20060101AFI20221215BHJP
【FI】
B60K35/00 A
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022175463
(22)【出願日】2022-11-01
(62)【分割の表示】P 2021039066の分割
【原出願日】2017-02-09
(71)【出願人】
【識別番号】000005016
【氏名又は名称】パイオニア株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000221926
【氏名又は名称】東北パイオニア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001025
【氏名又は名称】弁理士法人レクスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】豊田 浩平
(72)【発明者】
【氏名】高橋 正和
(72)【発明者】
【氏名】阿部 真
(72)【発明者】
【氏名】三木 猛
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 正人
(72)【発明者】
【氏名】工藤 淳史
(57)【要約】
【課題】コンバイナの突出量に関わらずユーザにとって見易い表示をもたらすことが可能な表示装置を提供することを目的の1つとする。
【解決手段】本発明の表示装置は、所定領域に達する光線を出射する光源と、前記光を反射して虚像を形成する板状の表示部を有する表示部材と、前記表示部材を前記所定領域内に突出するようにスライド移動させかつ前記所定領域内への突出量が所定量になる複数の位置で前記表示部材を固定保持可能な移動機構と、を備え、前記所定領域における前記光線の光軸に対する前記表示部材の角度は、前記表示部材の前記複数の位置の各々によって異なることを特徴とする表示装置である。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定領域に達する光線を出射する光源と、
前記光線を反射して虚像を形成する板状の表示部を有する表示部材と、
前記表示部材を前記所定領域内に突出するようにスライド移動させかつ前記所定領域内への突出量が所定量になる複数の位置で前記表示部材を固定保持可能な移動機構と、
を備え、
前記所定領域における前記光線の光軸に対する前記表示部材の角度は、前記表示部材の前記複数の位置の各々によって異なることを特徴とする表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、例えば、車両の運転席付近にいわゆるヘッドアップディスプレイが搭載され始めている。ヘッドアップディスプレイは、例えば、イメージコンバイナ(以下、単にコンバイナとも称する)と呼ばれる透光性の表示部材に、自車情報や道路情報、ナビゲーション情報等の運転支援情報を画像表示する表示装置である。
【0003】
ヘッドアップディスプレイは、例えば、上記したような運転支援情報を、フロントガラスの前方に虚像として表示する。当該運転支援情報は、運転者からは車両前方の景色に重なって視認される。従って、ヘッドアップディスプレイは、運転者の視線をほとんど移動させることなく、運転者に当該運転支援情報を提供することができる。
【0004】
ヘッドアップディスプレイの1つとして、特許文献1には、表示器が発した表示光を反射ミラーによって反射させて虚像を表示する車両用表示装置において、反射ミラーを軸部中心に回動させて反射ミラーを開閉させる構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に開示されているような表示装置は、反射ミラーが完全に展開した後に角度調整が行われる。また、反射ミラーが回動して展開されるため、反射ミラーの突出量が小さい場合には、反射ミラーの角度が虚像を表示するのに適切な角度ではなく、例えば、反射ミラーを必要な分だけ筐体から突出させて虚像表示を行うことが困難であった。
【0007】
本発明は上記した点に鑑みてなされたものであり、例えば、コンバイナの突出量に関わらずユーザにとって見易い表示をもたらすことが可能な表示装置を提供することを目的の1つとする。また、本発明は、例えば、コンバイナの突出量に関わらずコンバイナの角度を調整可能な表示装置を提供することを目的の1つとする。また、本発明は、例えば、コンバイナを展開後に収納して再度展開する際に、コンバイナを前回の展開時の位置に再現性良く位置決め可能な表示装置を提供することを目的の1つとする。また、本発明は、例えば、コンパクトな表示装置を提供することを目的の1つとする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の表示装置は、所定領域に達する光線を出射する光源と、前記光線を反射して虚像を形成する板状の表示部を有する表示部材と、前記表示部材を前記所定領域内に突出するようにスライド移動させかつ前記所定領域内への突出量が所定量になる複数の位置で前記表示部材を固定保持可能な移動機構と、を備え、前記所定領域における前記光線の光軸に対する前記表示部材の角度は、前記表示部材の前記複数の位置の各々によって異なることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1A】実施例1に係る表示装置の表示動作時における斜視図である。
【
図1B】実施例1に係る表示装置の省面積表示動作時における斜視図である。
【
図1C】実施例1に係る表示装置の非表示動作時における斜視図である。
【
図2】実施例1に係る表示装置のコンバイナユニットの斜視図である。
【
図3】実施例1に係る表示装置のシャッタの斜視図である。
【
図4】実施例1に係る表示装置の上方からみた斜視図である。
【
図5】実施例1に係る表示装置のコンバイナユニットの角度調整動作の様子を示す断面図である。
【
図6】実施例1に係る表示装置のコンバイナユニットの角度調整動作の様子を示す断面図である。
【
図7】実施例1に係る表示装置の全表示モードにおける側面図である。
【
図8】実施例1に係る表示装置の省面積表示モードにおける側面図である。
【
図9】実施例1に係る表示装置の非表示動作時における側面図である。
【
図10】実施例1に係る表示装置の制御系のブロック図である。
【
図11】実施例1に係る表示装置の全表示モードにおける表示画像例を表示した場合の背面図である、
【
図12】実施例1に係る表示装置の省面積表示モードにおける表示画像例を表示した場合の背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に本発明の実施例について詳細に説明する。以下の説明においては、表示装置として、例えば表示部としてコンバイナを有するヘッドアップディスプレイ(HUD:Head-Up Display)を例に説明する。
【実施例0011】
図1Aは、実施例1に係る表示装置10の表示動作時(コンバイナ展開時)であって、全表示モードである際の斜視図である。また、
図1Bは、表示装置10の表示動作時であって、省面積表示時の斜視図である。
図1Cは、表示装置10の非表示動作時(コンバイナ収納時)の斜視図である。表示装置10は、例えば自動車等の移動体に搭載される。例えば、自動車に搭載される際、表示装置10は、例えばダッシュボード内に収納して搭載される。
【0012】
第2の筐体としての外筐体11は、板状の天板部TPを有している。なお、
図1A乃至
図1Cにおいて、外筐体11内部を図示するため、天板TPを透明化し、その外形を一点鎖線で示している。
【0013】
外筐体11は、天板部TPの対向する側部から天板部TPの延在方向と垂直に伸長し、互いに対向している板状の一対の側板部SPを有している。また、外筐体11は、天板部TPの対向する側部から天板部TPの延在方向と略垂直に伸長し、すなわち側板部の伸長方向と同方向に伸長し、互いに対向している板状の前板部FP及び後板部RPを有している。
【0014】
以下の説明においては、前板部FPと後板部RPとが対向している方向を奥行き(前後)方向(X軸方向)として説明する。また、側板部SP1の板面に垂直な方向を幅方向(Y軸方向)として説明する。また、天板TPの板面に垂直な方向を高さ(上下)方向(Z軸方向)として説明する。また、天板から見て側板部が伸長している方向を下方とし、その反対の方向を上方として説明する。
【0015】
天板TPには、表示装置10の幅方向(Y方向)に伸長する長手状の開口である開口OP1が設けられている。また、天板TPには、開口OP1と奥行き方向(X方向)において並んでおり、開口OP1よりも前板部FPから離間している開口OP2が設けられている。
【0016】
前板部FPには、光源(図示せず)取り付けられている。後板部RPの前板部FPと対向している面には、反射ミラーMLが設けられている。表示装置10においては、光源から出射した光が反射ミラーMLに反射される構成になっている。
【0017】
側板部SP1には、上方に突出した突出板部11Pが設けられている。突出板部11Pの上端には、表示装置10の幅方向において突出板部11Pを貫通している支持孔13が設けられている。支持孔13は、上端が開放されている孔である。支持孔13は、開口部OP1に近接して配されている。
【0018】
第1の筐体としての内筐体15は、表示装置10の幅方向において互いに対向する側板部SP2を有している。側板部SP2の各々の内側には、上下方向に伸長しているガイド構造としてのガイド溝GVが設けられている。また、内筐体15には、外筐体11の前板部FPに取り付けられた光源からの出射光が通過する開口LHが形成されている。
【0019】
側板部SP2の各々の上部には、表示装置10の幅方向外方に向かって突出している支持ピン17が形成されている。支持ピン構造としての支持ピン17は、外筐体11の支持孔13に嵌合している。支持ピン17は、支持孔13の内側面に対して滑動可能になっており、外筐体11に対して回動可能に支持されている。すなわち、内筐体15は、支持ピン17を軸として外筐体11に対して前後方向に回動または揺動自在に外筐体11に支持されている。言い換えれば、支持ピン17は、外筐体11に対する内筐体15の回動軸に沿って突出している。
【0020】
上述のように、支持孔13は、開口部OP1に近接して配されている。従って、支持ピン17は、開口部OP1に近接した位置において支持されており、内筐体15の回動軸も開口部OP1に近接している。
【0021】
表示部材としてのイメージコンバイナユニット(以下、コンバイナユニットと称する)19は、透光性を有する板状のコンバイナ部19Aを有する部材である。コンバイナユニット19は、側板部SP2に対してスライド自在に支持されている。表示部としてのコンバイナ部19Aは、その板面が一方の方向(図中矢印PD方向)に凸に湾曲している。例えば、コンバイナ部19Aは、凹面側から照射光が入射すると凸面側空間領域に虚像を形成するように構成されている。
【0022】
なお、以下の説明において、
図1Aに示す表示動作時(コンバイナ展開時)におけるコンバイナ部19Aの凸に向かう方向(図中矢印PD方向)を表示装置10の前方と、その逆を後方として説明する。例えば、表示装置10を移動体のダッシュボード内に搭載する際は、表示装置10の前方、すなわち図中矢印PD方向に移動体(例えば自動車)のフロントガラスが存在する。また、移動体の搭乗者は表示装置10の後方側からコンバイナユニット19を見るものとする。
【0023】
図1A及び
図1Bに示すように、表示動作時(コンバイナ展開時)においては、コンバイナユニット19は、内筐体15内、すなわち側板部SP2の間の空間から、開口OP1を介して突出して上方に立ち上がった状態となる。すなわちコンバイナユニット19は、展開位置(突出位置とも称する)にある。また、表示動作時においては、外筐体11内に設けられた光源(図示せず)から出射された照射光(光線)が、光源開口LHを通過して反射ミラーMLに反射された後に、開口部OP2を通過してコンバイナ部19Aに照射される。
【0024】
図1Aに示すように、コンバイナ部19Aの全体を用いて表示を行うことが可能な全表示モードにおいては、コンバイナ部19Aは、ほぼ全体が開口部OP1を介して外筐体11及び内筐体15から上方に突出している。この状態を、以下の説明において全展開状態とも称する。また、この状態におけるコンバイナユニット19の位置を全突出位置と称する。
【0025】
また、
図1Bに示すように、コンバイナ部19Aの一部を用いて表示を行うことが可能な省面積表示モードにおいては、コンバイナ部19Aは、開口部OP1を介して外筐体11及び内筐体15から半分程度突出している。この状態を、以下の説明において半展開状態とも称する。また、この状態におけるコンバイナユニット19の位置を半突出位置と称する。
【0026】
また、
図1Cに示すように、コンバイナユニット19は、非表示動作時には、スライド移動して外筐体11及び内筐体15内、すなわち内筐体15の側板部SP2の間の空間に収納される。すなわち、非表示動作時において、コンバイナユニット19は、2つの側板部SP2の間に形成される内筐体15内の収納空間内の収納位置にある。
【0027】
また、非表示動作時(コンバイナ収納時)において、開口部OP1は、シャッタ21によって遮蔽されている。シャッタ21は、開口部OP1を遮蔽可能な遮蔽位置と、外筐体11内の格納位置、例えば天板TPの下面に沿った位置、との間で移動自在に設けられている。すなわち、シャッタ21は、表示動作時には格納位置に、非表示動作時には遮蔽位置に持ち来される。言い換えれば、シャッタ21は、非表示動作時には、コンバイナユニット19のスライド移動の経路上に持ち来される。
【0028】
具体的には、例えば、表示装置10の電源投入前(自動車のエンジンの始動前、またはイグニションオン前)においては、コンバイナユニット19が外筐体11及び内筐体15内の収納位置に収納されている。その後、表示装置10の電源が投入されると、コンバイナユニット19が収納位置からスライド移動し、展開位置に配置される。すなわち、コンバイナユニット19は、側板部SP2に対してスライド自在に支持され、収納位置と展開位置との間で移動する。
【0029】
図2にコンバイナユニット19の拡大斜視図を示す。
図2に示すように、コンバイナ部19Aは、保持部19Bによって固定保持されている。保持部19Bの表示装置10の幅方向における両端部の各々には、表示装置10の幅方向外方に突出しているコンバイナピンP1及び上下方向においてコンバイナピンP1と並んで配されているコンバイナピンP2が設けられている。
【0030】
一方の端部において上下方向において並んで配されているピン構造としてのコンバイナピンP1及びP2は、両方が一対の側板部SP2の一方のガイド溝GVにスライド自在に挿入されている。すなわち、コンバイナピンP1及びP2は側板部SP2と係合しており、コンバイナユニット19が、ガイド溝GVに沿って側板部SP2に対してスライド自在となっている。このように、コンバイナユニット19は、コンバイナピンP1及びP2を介して内筐体15と係合している。そのため、内筐体15の支持ピン17を軸とした回動に応じて、コンバイナユニット19も回動し、コンバイナユニット19の外筐体11に対する傾きも変化することとなる。
【0031】
図3にシャッタ21の拡大斜視図を示す。シャッタ21は、シャッタ板21Aと、シャッタ板21Aの両端部から垂直に立ち上がり互いに対向している板状の側部21Bを有している。
【0032】
側部21Bの各々の互いに対向する面と反対側の面には、表示装置10の幅方向外方に突出している2つのシャッタピン21P1及び21P2が形成されている。シャッタピン21P1及び21P2は、側板部SP2に形成されているガイド孔(図示せず)に沿って案内されてスライド移動する。
【0033】
図4は、表示装置10の上方から見た斜視図である。
図4においては、
図1A乃至
図1Cと同様に天板TPを省略している。
【0034】
第1のアクチュエータM1は、側板部SP2の一方の内側に固定されている電気モータである。第1のアクチュエータM1は、シャフトにウォームWが取り付けられている。
【0035】
駆動シャフト23は、表示装置10の幅方向に伸長しており、側板部SP2を貫通しており、側板部SP2に対して回転自在になっている。
【0036】
駆動シャフト23には、ウォームWと噛合し、ウォームWと共にウォームギアを形成しているウォームホイールWHが設けられている。すなわち、駆動シャフト23は、第1のモータM1が駆動すると、それに応じて回転するようになっている。
【0037】
円板ギア25は、2つの側板部SP2の各々の外側面において、側板部SP2に対して回転自在に取り付けられているギアである。円板ギア25は、駆動シャフト23の両端部に設けられているギア(図示せず)と噛合しており、駆動シャフト23が回転すると、それに応じて回転するようになっている。
【0038】
回動部材としての回動アーム27は、2つの側板部SP2の各々の内側に接続されているアーム部材である。回動アーム27は、一端部においてアーム軸ピン27Aを介して側板部SP2に接続されており、アーム軸ピン27Aを軸に側板部SP2に対して回動自在になっている。また、回動アーム27は、コンバイナユニット19と係合しており、回動アーム27が回動すると、コンバイナユニット19がガイド溝GVに沿ってスライド移動するように構成されている。
【0039】
回動駆動部としての第2のアクチュエータM2は、基体M2A及び基体M2Aに保持されているロッドM2Bを含んでいる。ロッドM2Bはその軸方向に沿って基体M2Aに対してスライド可能に基体M2Aに保持されている。すなわち、ロッドM2Bは、外筐体11に対する内筐体15の回動軸と垂直な方向にスライド可能になっている。第2のアクチュエータM2は、ロッドM2Bの往復運動を生ずる構成であり、例えば、電動シリンダ等のリニアアクチュエータまたはソレノイドであり得る。
【0040】
基体M2Aは、コの字型の支持部材29に固定されている。支持部材29は、両端部において、表示装置10の幅方向に沿った回動軸周りに内筐体15対して回動自在となるように、基体支持ピン29Pを介して内筐体15に支持されている。すなわち、基体M2Aは、内筐体15の外筐体11に対する回動軸と平行な軸回りに回動自在となっている。
【0041】
ロッドM2Bの先端には、球状の嵌入部材Iが設けられている。この嵌入部材Iは、外筐体11の底板部BPに設けられた凸部CPに形成されている収容部としての受け部Rに嵌入されている。嵌入部材Iは、受け部Rに拘束されつつ回動可能である。すなわち、第2のアクチュエータM2は、外筐体11に対して、受け部Rに嵌入されている嵌入部材Iを中心に回動可能となっている。
【0042】
上述したように、内筐体15は、外筐体11に対して、支持ピン17を回動軸として回動自在になっている。よって、アクチュエータM2のロッドM2Bを直線運動させることによって、と凸部CPと基体M2Aが取り付けられている基体支持ピン29Pの距離を変化させ、外筐体11に対して、支持ピン17を軸に内筐体15を回動または揺動させることが可能である。
【0043】
[コンバイナユニットのチルト動作]
以下、
図5及び6を用いて、展開時のコンバイナユニット19の傾斜角度を変化させるチルト動作について説明する。
図5及び6は、表示装置10をXZ平面で切断した際の断面図である。
図5は、最もコンバイナユニットが後方に傾けられている際の断面図であり、
図6は、最もコンバイナユニットが前方に傾き直立に近い状態にある際の断面図である。
【0044】
図5に示す最もコンバイナユニット19が後方に傾いている場合には、ロッドM2Bが最も基体M2Aに引き込まれた状態になっている。すなわち、凸部CPと基体支持ピン29Pが最も近接した状態になり、内筐体15及びコンバイナユニット19が最も後方に傾いた状態になっている。
【0045】
図6に示す最もコンバイナユニット19が前方に傾いている場合には、ロッドM2Bが最も基体M2Aから最も突出した状態になっている。すなわち、凸部CPと基体支持ピン29Pが最も離間した状態になり、内筐体15及びコンバイナユニット19が最も前方に傾いた状態になっている。
【0046】
上述のように、コンバイナユニット19は、内筐体15に係合している。そのため、内筐体15の支持ピン17(
図1A乃至
図1C参照)を軸とした回動に応じて、コンバイナユニット19も外筐体11に対して回動し、この回動によってコンバイナユニット19の傾き調整を行うことが可能である。
【0047】
なお、上述したように、支持孔13は、開口部OP1に近接して配されている。
【0048】
[コンバイナユニットの展開収納動作]
以下、
図7乃至9を用いてコンバイナユニット19を移動させる移動機構について詳細に説明する。また、移動機構によってなされる展開収納動作について説明する。なお、
図7乃至9において、外筐体11は、その外形のみを一点鎖線で示している。また、
図7乃至9においては、外筐体11の前板部FPに設けられた光源LS及び後板部RPに設けられた反射ミラーMLを示している。
【0049】
図7は、コンバイナユニット19の収納状態、すなわち表示装置10の非表示動作時における表示装置10の側面図である。
【0050】
上述のように、内筐体15の側板部SP2の内側面には、コンバイナユニット19のコンバイナピンP1及びP2が挿入されているガイド溝GVが形成されている。ガイド溝GVは、上端から下方に向けて前方に凸に湾曲している曲線に沿って伸長している曲線ガイド部としての曲線領域GV1を有している。また、ガイド溝GVは、下端付近において前方に向けて屈曲している屈曲領域GV2を有している。
【0051】
なお、
図7から分かるように、支持ピン17はガイド溝GVに沿った部分に設けられ、かつ、上述のように、開口部OP1に近接した位置において支持されている。従って、上述のチルト動作において、コンバイナ部19Aが開口部OP1の内側に干渉し辛い構造となっている。
【0052】
側板部SP2には、シャッタ21のシャッタピン21P1が挿入されている長手穴であるガイド孔GH1及びシャッタピン21P2が挿入されている長手穴であるガイド孔GH2が形成されている。シャッタピン21P1及び21P2は、それぞれガイド孔GH1及びGH2に沿って移動可能である。
【0053】
円板ギア25は、側板部SP2の外側面に回動自在に取り付けられている。円板ギアは、外周部に歯を有する外歯歯車である。カム部材としての円形ギア25は、上述した駆動シャフト23の端部に設けられ、側板部SP2の外側に配されている駆動ギア23Aと噛合している。すなわち、第1のアクチュエータM1が駆動して、駆動シャフト23及び駆動ギア23Aが回転することで、円板ギア25が回転する。
【0054】
円板ギア25は、側板部SP2に面した内側面にアーム駆動溝25Aを有している。アーム駆動溝25Aは、一端が円板ギア25の中心部近傍にあり、旋回するにつれ中心から遠ざかる曲線、すなわち渦巻状の曲線に沿って伸長し、他端が円板ギア25の外周部近傍にある溝である。
【0055】
また、円板ギア25は、側板部SP2と反対側を向いた外側面に、シャッタ駆動溝25Bを有している。シャッタ駆動溝25Bは、円板ギア25の外側面の所定の位置からほぼ半径方向に沿って伸長する直線部分25B1、及び25B1と連続的に形成されており、円周方向に沿って伸長している曲線部分25B2を有する溝である。
【0056】
回動アーム27は、屈曲部を有するアームである。上述のように、回動アーム27は、側板部SP2の内側面に対向した面にアーム軸ピン27A有しており、アーム軸ピン27Aを中心に側板部SP2に対して回動可能となっている。
【0057】
回動アーム27は、回動アーム27は、屈曲部分に側板部SP2に向かって突出しているアーム駆動ピン27Bを有している。アーム駆動ピン27Bは、側板部SP2に形成されている貫通孔である逃げ孔EHを通り抜けて、円形ギア25のアーム駆動溝25Aに挿入されている。すなわち、円板ギア25が回転すると、回動アーム27は、アーム駆動ピン27Bと円板ギア25の中心からの距離が変化するようにアーム軸ピン27Aを軸に回動する。
【0058】
また、回動アーム27は、側板部SP2に接続されているアーム軸ピン27Aが設けられている端部と反対側の端部に、回動アーム27を表示部材10の幅方向に貫通している係合部としてのピン保持孔27Hを有している。このピン保持孔27Hには、上述のコンバイナピンP1が挿入されている。すなわち、回動アーム27が回動すると、コンバイナピンP1を介してコンバイナユニット19に力が伝達され、コンバイナユニット19がガイド溝GVに沿ってスライド移動することとなる。
【0059】
シャッタアーム31は、側板部SP2の外側面に、側板部SP2に対して回動可能に取り付けられている長手状のアーム部材である。シャッタアーム31は、アーム軸ピン31Aによって、側板部SP2に対して回動可能に、側板部SP2の外側面に固定されている。シャッタアーム31は、一端において、側板部SP2に向かって突出しているアーム駆動ピン31Bを有している。
【0060】
このアーム駆動ピン31Bは、円板ギア25のシャッタ駆動溝25Bに挿入されている。すなわち、円板ギア25が回転すると、シャッタアーム31はアーム駆動ピン31Bと円板ギア25の中心からの距離が変化するようにアーム軸ピン31Aを軸に回動する。
【0061】
また、シャッタアーム31は、他端において長手状の貫通孔であるピン保持孔31Hを有している。このピン保持孔31Hには、シャッタピン21P1がスライド自在に挿入されている。すなわち、シャッタアーム31が回動すると、シャッタピン21P1を介してシャッタ21に力が伝達され、シャッタ21がガイド孔GH1及びGH2に沿ってスライド移動することとなる。
【0062】
上述のアクチュエータM1、ウォームWとウォームホイールWHからなるウォームギア、駆動シャフト23、円形ギア25、及び回動アーム27を含む機構を移動機構とも称する。
【0063】
なお、上述のように、円形ギア25は、第1のアクチュエータM1が駆動して、駆動シャフト23及び駆動ギア23Aが回転することで回転する。上述したように、駆動シャフト23と第1のアクチュエータM1とは、ウォームWとウォームホイールWHからなるウォームギアを形成している。そのため、円形ギア25側からの力によっては、円形ギア25は回転し辛くなっている。そのため、上記移動機構によれば、第1のアクチュエータM1の駆動を適切なタイミングで停止することで、コンバイナユニット19を任意の位置で固定することが可能である。
【0064】
図7に示す非表示動作時においては、回動アーム27が最も前方に倒れている状態であり、コンバイナピンP2がガイド溝GVの下端に位置している。すなわち、コンバイナユニット19が内筐体15の側板部SP2の間の空間の収納位置にある。また、シャッタアーム31は、最も立ち上がった状態になっており、シャッタピン21P1が、ガイド孔GH1の最も後端に位置している。すなわち、シャッタ21が最も後ろの位置にあり、開口部OP1(
図1A乃至
図1C参照)を塞いでいる。
【0065】
この状態から第1のアクチュエータM1(
図4参照)が駆動して、駆動ギア23Aが回転し、円板ギア25が図中時計回りに回転すると、回動アーム27のアーム駆動ピン27Bがアーム駆動溝25A内で摺動する。それによって、アーム駆動ピン27Bが円板ギア25の中心から離間するように移動するため、回動アーム27がアーム軸ピン27Aを軸に時計回りに回動する。これによって、ピン保持孔27Hがガイド溝GVに沿って上方に移動して、コンバイナピンP1が上方に移動させられる。すなわち、コンバイナユニット19がガイド溝GVに沿って上方にスライド移動させられる。
【0066】
また、円板ギア25が図中時計回りに回転すると、シャッタ駆動ピン31Bがシャッタ駆動溝25Bの直線部分25B1内で摺動する。それによって、アーム駆動ピン27Bが円板ギア25の中心から離間するように移動するため、シャッタアーム31がアーム軸ピン31Aを軸に時計回りに回動する。これによって、ピン保持孔31Hがガイド孔GH1に沿って前方に移動して、シャッタピン21P1が前方に移動させられる。すなわち、シャッタ21がガイド孔GH1に沿って前方にスライド移動させられる。
【0067】
図8は、コンバイナユニット19が半突出位置にある半展開状態、すなわち表示装置10の省面積表示モード時における表示装置10の側面図である。
図8において、光源LSから出射され、反射ミラーMLによって反射された光線が照射される領域を所定領域としての照射領域LRとして示している。すなわち、光源LSは、照射領域LRに光線を出射可能な光源である。
【0068】
また、当該照射領域における光線の光軸をAXとして示している。また、側面から見た際のコンバイナ部19Aの上端辺の中心と下端辺の中心とを結んだ線をコンバイナ部19Aの中心線CXとして示している。
【0069】
省面積表示モードにおいて、表示装置10の非動作状態に比べて回動アーム27が時計回りに回動し、コンバイナユニット19が上方に移動し、コンバイナ部19Aが、外筐体11の開口部OP1を通過して、半分ほど照射領域LR内に突出している状態になっている。
【0070】
また、表示装置10の非動作状態に比べて、シャッタアーム31が反時計回りに回動し、シャッタピン21P1がガイド孔GH1の最前部に移動させられ、シャッタ21が最も前方に移動し、開口部OP1から完全に前方に退避した状態になっている。
【0071】
なお、省面積表示モード時における光軸AXとコンバイナ部19Aの中心線CXとの角度(鋭角)はαとなっている。
【0072】
図9は、コンバイナユニット19が全突出位置にある全展開状態、すなわち表示装置10の全表示モード時における表示装置10の側面図である。表示装置の省面積表示モード時に比べて、回動アーム27がさらに時計回りに回動し、コンバイナユニット19がさらに上方に移動し、コンバイナ部19Aが、外筐体11の開口部OP1を通過して、ほぼ全体が照射領域LR内に突出している状態になっている。
【0073】
なお、アーム駆動ピン31Aがシャッタ駆動溝25Bの直線部分25B1を通過し、曲線部分25B2に進入した時点で、シャッタ21は最も前方に移動した状態になっている。曲線部分25B2は、円板ギア25の円周方向に形成され、曲線部分25B2と円板ギア25の中心との距離が変わらない。従って、省面積表示モード状態から全表示モード状態に至るまでの間において、アーム駆動ピン31Bが曲線部分25B2内にある間シャッタアーム31は回動せず、シャッタ21は最前の位置に維持され続ける。
【0074】
なお、全表示モード時における光軸AXとコンバイナ部19Aの中心線CXとの角度(鋭角)はαよりも大きいβとなっている。これは、ガイド溝GVの曲線領域GV1が前方に凸に湾曲しており、コンバイナユニット19が上昇するほどコンバイナユニット19が後方に倒れるように傾くためである。すなわち、コンバイナ部19Aは、開口部OP1から照射領域LR内に突出する量が増加するほど後方に傾く。
【0075】
このように、コンバイナ部19Aの照射領域LR内への突出量が増加するほど、光軸AXとコンバイナ部19Aの中心線CXとの角度が大きくなる。逆に言うと、コンバイナ部19Aの照射領域LR内への突出量が減少するほど、光軸AXとコンバイナ部19Aの中心線CXとの角度が小さくなる。
【0076】
言い換えれば、コンバイナ部19Aの照射領域LR内への突出量が小さくなり、表示位置が低くなればなるほど、コンバイナ部19Aの後ろ側の面である反射面が上方を向くこととなる。すなわち、コンバイナ部19Aの突出量が少なくなり、表示位置が低くなるほど、コンバイナ部19Aによって反射される光の焦点方向が上方に傾く。そのため、コンバイナ部19Aの突出量にかかわらずコンバイナの焦点方向がドライバであるユーザに向かい、コンバイナ部19Aの突出量にかかわらず、ユーザからの視認性を良好に保つことが可能となる。
【0077】
なお、曲線領域GV1は、コンバイナ部19Aの突出量に応じた傾きが適切になされるように様々な形状とすることが可能である。例えば、突出量に応じてコンバイナ部19Aの傾きを一定の変化量で変化させたい場合には、曲線領域GV1の曲率が全領域で一定となるようにしてもよい。また、突出量に応じて変化量を変動させつつコンバイナ部19Aの傾き量を変化させたい場合には、曲線領域GV1の曲率を領域によって変化させてもよい。また、曲線領域GV1を傾きの異なる複数の線分を接続した形状にしてもよい。
【0078】
また、上述のように、表示装置10においては、コンバイナユニット19をスライド移動する機構と、内筐体15を揺動させることによってコンバイナユニット19の傾きを変更する機構とが独立している。この構成により、コンバイナユニット19の傾き状態を維持したまま、コンバイナユニット19を展開位置及び収納位置にスライド移動させることが可能である。
【0079】
このようにすることで、繰り返し同じ条件で使用する場合、例えば同じドライバが繰り返し使用する際、コンバイナユニット19を収納展開する度にコンバイナユニット19の展開状態における傾斜角度を調整する必要が無くなる。そのため、コンバイナユニット19の収納状態から展開状態までの動作時間が短縮される。
【0080】
また、外筐体11対するに内筐体15の角度によって、展開時のコンバイナユニット19の傾斜角度が決まり、また、コンバイナユニット19の収納及び展開の際に当該外筐体11に対する内筐体15の角度を変更する必要がない。そのため、コンバイナユニット19の収納後の再展開の際に、収納前のコンバイナユニット19の位置へ、コンバイナユニット19を正確に再現性良く再位置決めすることが可能である。
【0081】
また、表示装置10においては、外筐体11に対して内筐体15が回動するようになされており、かつコンバイナユニット19を移動させるためのカム構造を有する部材として円板状の円形ギア25が用いられている。このような構成により、内筐体15及び外筐体11をコンパクトにすることが可能であり、全体としてコンパクトな表示装置10をもたらすことが可能である。
【0082】
[表示装置10の動作制御]
以下、
図10を参照して、表示装置10の動作制御について説明する。
図10は、表示装置10の制御系を示すブロック図である。制御部CPは、コンバイナユニット19を移動させるべく駆動される第1のアクチュエータM1、内筐体15を回動させるべく駆動される第2のアクチュエータM2及び光源LSに接続され、これらの動作を制御する。
【0083】
制御部CPは、コンバイナユニット19の開口部OP1を介した外筐体11からの突出量を変化させるように第1のアクチュエータM1を制御可能である。すなわち、制御部19は、表示動作時におけるコンバイナユニット19の照射領域LR内への突出量を変化させるようにアクチュエータM1を制御可能である。この突出量は、複数の固定値の間で変化させることが可能である。なお、突出量は無段階に変化可能であってもよい。
【0084】
例えば、制御部CPは、上記説明した
図9のように、全表示モードにおいて、コンバイナユニット19を、コンバイナ部19Aのほぼ全部が外筐体11から突出する全突出位置に持ち来し全展開状態とするように第1のアクチュエータM1を制御可能である。すなわち、コンバイナ部19Aのほぼ全部が、照射領域LR内に突出するように制御可能である。
【0085】
また、例えば、制御部CPは、上記説明した
図8のように、省面積表示モードにおいて、コンバイナユニット19を、コンバイナ部19Aのほぼ半分が外筐体11から突出する半突出位置に持ち来し半展開状態とするように第1のアクチュエータM1を制御可能である。すなわち、コンバイナ部19Aのほぼ半分が、照射領域LR内に突出するように制御可能である。
【0086】
なお、上述のように、上記移動機構によれば、第1のアクチュエータM1を停止することで、コンバイナユニット19を任意の位置で固定することが可能である。すなわち、上記移動機構によれば、コンバイナ部19Aを照射領域LR内に突出するようにスライド移動させ、かつ照射領域LR内への突出量が所定量になる複数の位置で、コンバイナ部19Aを固定保持可能である。
【0087】
また、制御部CPは、第2のアクチュエータM2を駆動して、照射領域LRにおける光線の光軸に対するコンバイナ部19Aの傾きを変化させるように、外筐体11に対して内筐体15を回動させることが可能である。
【0088】
また、制御部CPは、光源LSから出射される光線によって形成される表示画像を生成する。制御部CPは、光源LSを制御して当該生成した表示画像を含む光線を光源LSから出射させる。
【0089】
制御部CPは、例えば、表示装置が搭載されている車両の位置、速度、移動方向、周辺状況等を検知する検知装置(図示せず)に接続されている。また、制御部CPは、例えば、搭載されている車両のインストルメントパネルに表示される情報を生成する装置(図示せず)に接続されている。すなわち、制御部CPは、例えば、これらの装置からの情報に基づいて表示画像を生成する。
【0090】
この表示画像は、例えば、自動車の速度、エアコンの設定状態等の自動車の状態の情報、現在走行している道路の制限速度等の自動車の周囲環境に関する情報、またはナビゲーション情報等を含んでいてもよい。
【0091】
上述したコンバイナ部19Aの突出量の変更は、ユーザの操作による制御部CPへの指令によってなされてもよい。また、コンバイナ部19Aの突出量の変更は、表示すべき情報の量によって自動的に変更されてもよい。
【0092】
例えば、自動車等の移動体において、通常時は、移動体の速度等の移動体の基本的な状態情報のみを表示すれば足りるため、コンバイナ部19Aの突出量が自動的に少なめになされ、表示可能領域が小さくされてもよい。また、ナビゲーションシステムが経路案内等動作をしている場合には、上記基本的な状態情報に加えて経路案内表示が必要なため、自動的にコンバイナ部19Aの突出量が多くなされ、表示可能領域が大きくされてもよい。
【0093】
図11は、全表示モードにおいて、コンバイナ部19Aによって形成される虚像による表示画像の例を示す表示装置10の背面図である。
図11に示すように、全表示モードにおいては、コンバイナ部19Aによって表示される表示画像に、ナビ情報表示が含まれている。このナビ情報表示は、次の曲がり角までの距離、曲がる方向及び目的地までの距離及び目的地までの到達時間等の表示が含まれ得る。全表示モードにおいては、さらに、エアコン温度及び吹き出し口等の設定状態及び車両の現在速度等の自動車の状態の情報、並びに現在走行している道路の制限速度等の自動車の周囲環境に関する情報の表示が含まれ得る。
【0094】
図12は、省面積表示モードにおけるコンバイナ部19Aによって形成される虚像による表示画像の例を示す表示装置10の背面図である。上述したように、省面積表示モードにおいては、コンバイナ部19Aは、上半分のみが開口部OP1から突出している。
【0095】
図12に示す省面積表示モードにおいては、全画面表示モードの表示画像に含まれていた情報のうち、重要な情報のみを表示することとしてもよい。例えば、
図12に示すように、省面積表示モードにおいては、全画面表示モードにおいて表示画像に含まれていた情報の一部、具体的には、ナビ情報及び車両の速度情報が含まれていてもよい。
【0096】
すなわち、制御部CPは、全画面表示モードと省面積表示モードとで生成する表示画像を変化させる。言い換えれば、制御部CPは、上記した照射領域LR(
図8及び
図9参照)への、コンバイナ部19Aの突出量に応じて表示画像の態様を変化させる。
【0097】
上述のように、表示画像の態様は、コンバイナユニット19が複数の位置のいずれの位置に持ち来されているか、すなわち複数の位置のいずれの位置に配置されているかに基づいて決定され得る。
【0098】
このように、表示装置10によれば、コンバイナ部19Aの筐体からの突出量に応じて、コンバイナ部19Aを用いて表示する表示画像を適切に変化させて、ユーザに対して状況に応じた適切な情報提示を行うことが可能である。
【0099】
上記実施例においては、コンバイナ部19Aの筐体からの突出量に応じて、表示画像に含まれる情報内容を変更することとした。しかし、表示画像に含まれる情報表示をコンバイナ部19Aの突出量、すなわち表示可能領域の増減に応じて縮小拡大することとしてもよい。
【0100】
また、上記実施例では、コンバイナユニット19を全突出位置及び半突出位置の2つの位置で固定し、全展開状態及び半展開状態とする場合を例に挙げた。しかし、コンバイナ部19Aは、3以上の複数の位置で固定支持することも可能である。その場合、制御部CPは、コンバイナ部19Aの照射領域LR内への突出量に応じて、生成する表示画像の態様を変更することが可能である。
【0101】
また、上記実施例では、第2のアクチュエータM2の基体M2Aが内筐体15に回転自在に係合し、ロッドM2Bが外筐体11に回転自在に係合している場合を例に説明した。しかし、第2のアクチュエータM2の基体M2Aが外筐体11に回転自在に係合し、ロッドM2Bが内筐体15に回転自在に係合していることとしてもよい。
【0102】
上述した実施例における種々の構成等は、例示に過ぎず、用途等に応じて、適宜選択することができる。