(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022190078
(43)【公開日】2022-12-22
(54)【発明の名称】情報提供装置及び情報提供プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/02 20120101AFI20221215BHJP
【FI】
G06Q30/02 470
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022176332
(22)【出願日】2022-11-02
(62)【分割の表示】P 2021154634の分割
【原出願日】2017-09-26
(71)【出願人】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】平松 顕也
(72)【発明者】
【氏名】中島 隆司
(57)【要約】
【課題】情報の管理に関して店舗側の負担になることなく、買い回り中の消費者に情報を提示できるようにする。
【解決手段】情報提供装置は、特定部、検出部、判定部、及び出力部を備える。特定部は、店舗にて消費者が購入する商品を特定する。検出部は、特定部により特定された商品に関連付けられた提示情報を検出する。判定部は、検出部により検出された提示情報が店舗に係る情報か否かを判定する。出力部は、判定部により店舗に係る情報と判定された提示情報を消費者が所持する情報端末に出力する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
店舗にて消費者が購入する商品を特定する特定手段と、
前記特定手段により特定された商品に関連付けられた提示情報を検出する検出手段と、
前記検出手段により検出された提示情報が前記店舗に係る情報か否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により前記店舗に係る情報と判定された前記提示情報を前記消費者が所持する情報端末に出力する出力手段と、を具備する情報提供装置。
【請求項2】
前記判定手段により前記店舗に係る情報と判定された前記提示情報が複数ある場合、各々の前記提示情報に対してそれぞれ設定された判定要件により1つの提示情報を選択する選択手段、をさらに具備し、
前記出力手段は、前記選択手段により選択された提示情報を出力する、請求項1記載の情報提供装置。
【請求項3】
前記特定手段により特定された商品とその商品を販売する店舗の情報とから、複数の提示情報をそれぞれ関連する検索ワードと対応付けて記憶したデータベースを検索するための前記検索ワードを決定する決定手段、をさらに具備し、
前記検出手段は、前記決定手段により決定された前記検索ワードで前記データベースを検索して、当該検索ワードに関連する前記提示情報を検出する、請求項1又は2に記載の情報提供装置。
【請求項4】
前記特定手段は、商品毎に設定された商品コードから商品を特定し、
前記決定手段は、前記商品コードが各店舗共通の商品コードである場合にはその商品コードから検索ワードを決定し、前記商品コードが店舗専用の商品コードの場合にはその商品コードと当該店舗の情報とから検索ワードを決定する、
請求項3記載の情報提供装置。
【請求項5】
前記データベースは、前記提示情報毎にその提示情報の提供者を識別する識別情報を含み、
前記出力手段により前記情報端末に出力した前記提示情報の提供者に対して経費を課金する課金手段、
をさらに具備する請求項3記載の情報提供装置。
【請求項6】
コンピュータに、
店舗にて消費者が購入する商品を決済前に特定する機能、
前記特定された商品に関連付けられた提示情報を検出する機能、
前記検出された提示情報が前記店舗に係る情報か否かを判定する機能、及び、
前記店舗に係る情報と判定された前記提示情報を前記消費者が所持する情報端末に出力する機能、を実現させるための情報提供プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、情報提供装置及びコンピュータを当該情報提供装置として機能させるための情報提供プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、例えばショッピングカートにタブレット型の情報端末を取り付け、買い回り中の消費者に店舗の推奨商品、クーポン、店内のマップ等を情報端末のディスプレイに表示させるようにした情報提供システムが開発されている。
【0003】
しかしながら、従来のこの種のシステムにおいては、消費者に提示される情報は店舗単位で管理せざるを得なかった。このため、情報の管理にコストがかかるため、店舗側の負担が大きいという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の実施形態が解決しようとする課題は、情報の管理に関して店舗側の負担になることなく、買い回り中の消費者に情報を提示できる情報提供装置及び情報提供プログラムを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態において、情報提供装置は、特定手段と、検出手段と、判定手段と、出力手段とを備える。特定手段は、店舗にて消費者が購入する商品を特定する。検出手段は、特定手段により特定された商品に関連付けられた提示情報を検出する。判定手段は、検出手段により検出された提示情報が店舗に係る情報か否かを判定する。出力手段は、判定手段により店舗に係る情報と判定された提示情報を消費者が所持する情報端末に出力する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】一実施形態としての情報提供装置を含む情報提供システムの概略構成図。
【
図2】提示情報データベースに保存されるデータレコードのデータ構造を示す模式図。
【
図3】提供者データベースに保存されるデータレコードのデータ構造を示す模式図。
【
図4】店舗データベースに保存されるデータレコードのデータ構造を示す模式図。
【
図5】検索ワードデータベースに保存されるデータレコードのデータ構造を示す模式図。
【
図6】情報提供サーバの要部回路構成を示すブロック図。
【
図8】情報端末のプロセッサが制御プログラムに従って実行する情報処理の主要な手順を示す流れ図。
【
図9】情報提供サーバのプロセッサが情報提供プログラムに従って実行する情報処理の主要な手順を示す流れ図。
【
図10】情報提供サーバのプロセッサが情報提供プログラムに従って実行する情報処理の主要な手順を示す流れ図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、情報の管理に関して店舗側の負担になることなく、買い回り中の消費者に情報を提示できる情報提供装置の実施形態について、図面を用いて説明する。
【0009】
図1は、一実施形態としての情報提供装置を含む情報提供システム10の概略構成図である。情報提供システム10は、各店舗にそれぞれ構築される店舗システム20と、各店舗システム20が共有する1つの情報提供サーバ30とからなる。情報提供サーバ30は、情報提供サービスを運営する企業体によって管理されるコンピュータであり、情報提供装置として機能する。店舗システム20は、情報提供サーバ30からの情報提供サービスを利用する加盟店毎に構築される。情報提供サーバ30と各店舗システム20とは、インターネット等の汎用のネットワーク40で接続されている。なお、
図1では、店舗システム20を1店舗だけ示している。他の店舗の店舗システムも基本的な構成は共通なので、ここでの説明は省略する。
【0010】
店舗システム20は、少なくともPOS(Point Of Sales)端末21、店舗サーバ22、中継サーバ23、アクセスポイント24及び情報端末25を含む。POS端末21、店舗サーバ22、中継サーバ23及びアクセスポイント24は、それぞれLAN(Local Area Network)26で接続されている。情報端末25は無線通信機能を有しており、アクセスポイント24との間で無線による双方向のデータ通信が可能である。
【0011】
POS端末21は、消費者(買物客)が買い上げる商品の販売データを登録処理して商取引の代金を算出する登録機能と、当該代金に対する消費者の支払いデータを処理し取引を決済する決済機能とを有する。POS端末21には、対面式、セルフ式、セミセルフ式などがある。対面式は、登録に係る操作と決済に係る操作とを店員が行う形式のものである。セルフ式は、登録に係る操作と決済に係る操作とを消費者が行う形式のものである。セミセルフ式は、登録に係る操作は店員が行い、決済に係る操作は消費者が行う形式のものである。1店舗に設置されるPOS端末21の台数は特に制限されるものではない。複数台のPOS端末21がLAN26に接続される場合もある。その場合、いずれか1形式のPOS端末21だけが接続されていてもよいし、2以上の形式のPOS端末21が混在して接続されていてもよい。
【0012】
店舗サーバ22は、POS端末21で処理された1取引の情報、いわゆるトランザクションデータを収集し分析して、店舗全体の売上、在庫等を管理するコンピュータである。ここに、店舗サーバ22は、POS端末21とともにPOSシステムを構成する。
【0013】
また店舗サーバ22は、商品データベース27を備える。商品データベース27は、店舗で販売される各商品に関するデータレコードを記憶する。データレコードは、商品コード、商品名、価格等のデータの集合体である。商品コードは、商品を個々に識別するための一意のコードである。商品コードには、流通業界で規格化されたJAN(Japan Article Number)コード等の共通商品コード(ソースマーキングコード)と、店舗が独自で設定する店専用商品コード(インストアマーキングコード)とがある。一般に、精肉、鮮魚、野菜等の生鮮食品に対しては共通商品コードが設定されていないため、店専用商品コードを利用する。店舗サーバ22は、POS端末21または情報端末25から商品コードの問合せを受信すると商品データベース27を検索し、当該商品コードを含むデータレコードを検出して、そのデータレコードに含まれるデータを問合せ元のPOS端末21または情報端末25に応答する。
【0014】
中継サーバ23は、LAN26に接続されるとともにネットワーク40に接続される。中継サーバ23は、LAN26を介して受信したデータを、ネットワーク40を介して情報提供サーバ3宛に送信する機能と、ネットワーク40を介して受信したデータを、LAN26を介して情報端末25等に送信する機能とを有する。
【0015】
アクセスポイント24は、無線通信領域内にある情報端末25と所定の無線通信方式を利用して双方向のデータ通信を行う。無線通信領域は、店舗内の少なくとも商品が陳列されている売場を含む。1つのアクセスポイント24で売場全体をカバーしきれない場合には、売場全体が無線通信領域となるように複数のアクセスポイント24を点在させて配置することが好ましい。
【0016】
情報端末25は、例えばタブレット型の無線通信端末である。情報端末25は、商品コードの入力デバイスと、情報の表示デバイスとを備える。情報端末25は、典型的には、店舗の買物客である消費者がユーザとなる。情報端末25は、消費者が携帯して使用するタイプであってもよいし、ショッピングカートに取り付けて使用するタイプであってもよい。消費者は、売場での買い回りの際に、入力デバイスを操作して購入する商品の商品コードを情報端末25に入力する。そうすることで、情報端末25の表示デバイスには、当該商品コードで特定される商品に関連する情報が表示される。具体的には、当該商品コードに関連付けられて商品データベース27に記憶されている商品名、価格等が表示される。また、情報提供サーバ30から提供される提示情報が表示される場合もある。
【0017】
情報提供サーバ30は、提示情報データベース31、提供者データベース32、店舗データベース33、検索ワードデータベース34を備える。提示情報データベース31は、買い回り中の消費者に提示される情報、いわゆる提示情報を管理するためのものである。提供者データベース32は、上記提示情報を提供する提供者に関する情報を管理するためのものである。店舗データベース33は、店舗システム20が構築された加盟店に関する情報を管理するためのものである。検索ワードデータベース34は、検索ワードに関する情報を管理するためのものである。検索ワードについては後述する。
【0018】
図2は、提示情報データベース31に保存されるデータレコード31Rのデータ構造を示す模式図である。提示情報データベース31は、買い回り中の消費者に提示される情報毎に作成されたデータレコード31Rを保存する。データレコード31Rは、提示情報ID、提供者ID、提示期間、提示情報、提示商品情報、検索対象フラグ、検索ワード、オファー情報、入札価格、入札判断指数、コンバージョン率等のデータを含む。
【0019】
提示情報IDは、提示情報を個々に識別するために提示情報毎に設定された一意のコードである。提供者IDは、当該提示情報の提供者を識別するために提供者毎に設定された一意のコードである。提示期間は、提示情報を消費者に提示する期間の情報である。この情報は、期間の開始日と終了日とを示すものであってもよいし、開始日と終了日までの日数とを示すものであってもよい。
【0020】
提示情報は、商品を購入しようとする消費者に対して提示される情報であり、その消費者が購入しようとする商品(以下、購入意思商品と称する)に関連付けられた別の商品に関する情報である。例えば、購入意思商品を使った料理メニューの材料となる商品を紹介する画像、購入意思商品と組み合わせて購入することでクーポン等の特典が得られる商品を紹介する画像等である。画像は、静止画像であってもよいし動画像であってもよい。画像は、商品の画像とともにその商品を説明するテキストを含むものであってもよい。あるいは画像を含まず、テキストだけの提示情報であってもよい。また、情報端末25がスピーカを備えている場合、提示情報は、画像またはテキストともに音楽を含むものであってもよい。
【0021】
提示商品情報は、提示情報によって紹介される商品を特定可能な情報である。本実施形態では、この提示商品情報を商品の名称とする。例えば提示情報が料理メニューの材料となる商品を紹介する画像の場合、提示商品情報はその材料となる商品の名称となる。例えば提示情報がクーポン等の特典が得られる商品を紹介する画像であった場合、提示商品情報はその特典が得られる商品の名称となる。
【0022】
検索対象フラグは、提示情報データベース31を検索する際の検索ワードが、共通商品コードなのかカテゴリコードなのかを識別する情報である。カテゴリコードは、共通商品コードが設定されていない生鮮食品等の商品に対して一意で設定されたコードである。本実施形態において、検索対象フラグは、検索ワードが共通商品コードの場合には“0”となり、カテゴリコードの場合には“1”となる。
【0023】
検索ワードは、検索対象フラグが共通商品コードを示すデータレコード31Rについては、その共通商品コードとなる。検索ワードは、検索対象フラグがカテゴリコードを示すデータレコード31Rについては、そのカテゴリコードとなる。
【0024】
オファー情報は、提示情報の提供者がその提示情報によって提示される商品を購入した消費者に付与する特典(値引金額や付与ポイント)を示す情報である。例えば、提示情報によって提示される商品を購入した消費者に20ポイントのサービスポイントを付与する場合には、オファー情報は「20ポイント付与」となる。例えば提示情報によって提示される商品を購入した消費者に10円の値引きを行う場合には、オファー情報は「10円値引」となる。なお、消費者に特典を付与しない場合には、オファー情報は「無し」となる。
【0025】
入札価格は、提示情報を消費者に1回提供する毎に、その提示情報の提供者が当該情報提供サービスの運営元である企業体に経費として支払ってもよい金額(販促費用)である。入札価格は、提供者が決める。
【0026】
入札判断指数は、入札価格とオファー情報と検索対象範囲とによって決定される数である。具体的には入札判断指数は、入札価格とオファー情報とを加算し、その和を検索対象件数で除算した際の商である。検索対象件数は、検索対象フラグと検索ワードとの組み合わせを条件に提示情報データベース31を検索し、合致するデータレコード31Rの件数である。因みに、入札価格とオファー情報とを加算する際、オファー情報が値引金額の場合はその値引金額を使用する。オファー情報が付与ポイントの場合には、その付与ポイントを金額に換算したポイント相当額を使用する。
【0027】
コンバージョン率は、提示情報によって提示された商品の購入に至った割合を示す指標である。
【0028】
図3は、提供者データベース32に保存されるデータレコード32Rのデータ構造を示す模式図である。提供者データベース32は、提供者毎に作成されたデータレコード32Rを保存する。データレコード32Rは、提供者ID、提供者名、費用等のデータを含む。
【0029】
提供者名は、提供者IDによって識別される提供者の名称である。提供者は、典型的には商品のメーカである。小売店が提供者となる場合もあり得る。費用は、提供者が企業体に経費(入札価格)を支払うためにストックしておく金額である。
【0030】
図4は、店舗データベース33に保存されるデータレコード33Rのデータ構造を示す模式図である。店舗データベース33は、加盟店毎に作成されたデータレコード33Rを保存する。データレコード33Rは、店舗ID、店舗名、取扱商品情報等のデータを含む。
【0031】
店舗IDは、各加盟店を個々に識別するために加盟店毎に設定された一意のコードである。店舗名は、店舗IDによって識別される店舗の名称である。取扱商品情報は、店舗IDによって識別される店舗で販売されている商品の商品コードと商品名のリストである。取扱商品情報は、商品コード及び商品名以外の項目をさらに含むリストであってもよい。取扱商品情報は、当該店舗の店舗サーバ22で管理される商品データベース27に基づいて作成される。例えば店舗サーバ22は、商品データベース27のデータレコードに変更がある毎に取扱商品情報を作成して情報提供サーバ30に送信する。情報提供サーバ30は、店舗サーバ22から取扱商品情報を受信すると店舗IDを特定し、その店舗IDに関連付けられて店舗データベース33に記憶されている取扱商品情報を、店舗サーバ22から受信した最新の情報に更新する。
【0032】
図5は、検索ワードデータベース34に保存されるデータレコード34Rのデータ構造を示す模式図である。検索ワードデータベース34は、カテゴリコードである検索ワード毎に、店舗IDと店専用商品コードとの対データが1以上セットされたデータレコード34Rを保存する。対データの一方である店舗IDは、対応する検索ワードのカテゴリコードで特定される商品を販売する店舗の識別情報である。同対データの他方である店専用商品コードは、当該商品に対して店舗IDで特定される店舗で設定された商品コードである。
【0033】
図6は、情報提供サーバ30の要部回路構成を示すブロック図である。情報提供サーバ30は、プロセッサ301、メインメモリ302、補助記憶デバイス303、通信インターフェース304、時計305及びシステムバス306を備える。そして情報提供サーバ30は、システムバス306に、プロセッサ301、メインメモリ302、補助記憶デバイス303、通信インターフェース304及び時計305を直接または信号入出力回路を介して接続する。かくして情報提供サーバ30は、プロセッサ301、メインメモリ302及び補助記憶デバイス303と、これらを接続するシステムバス306とによってコンピュータを構成する。
【0034】
プロセッサ301は、上記コンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ301は、オペレーティングシステムやアプリケーションプログラムに従って、情報提供サーバ30としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。
【0035】
メインメモリ302は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。メインメモリ302は、不揮発性のメモリ領域と揮発性のメモリ領域とを含む。メインメモリ302は、不揮発性のメモリ領域ではオペレーティングシステムやアプリケーションプログラムを記憶する。またメインメモリ302は、プロセッサ301が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを不揮発性または揮発性のメモリ領域で記憶する場合もある。メインメモリ302は、揮発性のメモリ領域を、プロセッサ301によってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用する。
【0036】
補助記憶デバイス303は、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。例えばEEPROM(Electric Erasable Programmable Read-Only Memory)、HDD(Hard Disc Drive)、あるいはSSD(Solid State Drive)等が補助記憶デバイス303として使用される。補助記憶デバイス303は、プロセッサ301が各種の処理を行う上で使用するデータや、プロセッサ301での処理によって生成されたデータを保存する。補助記憶デバイス303は、上記のアプリケーションプログラムを記憶する場合もある。
【0037】
通信インターフェース304は、ネットワーク40に接続されており、所定の通信プロトコルに従い、ネットワーク40を介して外部機器とデータ通信を行う。本実施形態において、外部機器は、店舗システム20の中継サーバが該当する。
【0038】
時計305は、情報提供サーバの時刻情報源として機能する。プロセッサ301は、時計305によって計時される時刻情報を基に、現在の日付及び時刻を計時する。
【0039】
図7は、情報端末25の要部回路構成を示すブロック図である。情報端末25は、プロセッサ251、メインメモリ252、補助記憶デバイス253、無線ユニット254、タッチパネル255、コードリーダ256、近距離無線通信インターフェース257及びシステムバス258を備える。そして情報端末25は、システムバス258に、プロセッサ251、メインメモリ252、補助記憶デバイス253、無線ユニット254、タッチパネル255、コードリーダ256及び近距離無線通信インターフェース257を直接または信号入出力回路を介して接続する。かくして情報端末25は、プロセッサ251、メインメモリ252及び補助記憶デバイス253と、これらを接続するシステムバス258とによってコンピュータを構成する。
【0040】
プロセッサ251は、上記コンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ251は、オペレーティングシステムやアプリケーションプログラムに従って、情報端末25としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。
【0041】
メインメモリ252は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。メインメモリ252は、不揮発性のメモリ領域と揮発性のメモリ領域とを含む。メインメモリ252は、不揮発性のメモリ領域ではオペレーティングシステムやアプリケーションプログラムを記憶する。またメインメモリ252は、プロセッサ251が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを不揮発性または揮発性のメモリ領域で記憶する場合もある。メインメモリ252は、揮発性のメモリ領域を、プロセッサ251によってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用する。
【0042】
補助記憶デバイス253は、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。例えばEEPROM、HDD、あるいはSSD等が補助記憶デバイス253として使用される。補助記憶デバイス253は、プロセッサ251が各種の処理を行う上で使用するデータや、プロセッサ251での処理によって生成されたデータを保存する。補助記憶デバイス253は、上記のアプリケーションプログラムを記憶する場合もある。
【0043】
無線ユニット254は、アクセスポイント24との間で所定の無線通信プロトコルに従い無線によるデータの送信または受信を行う。
【0044】
タッチパネル255は、情報端末25の入力デバイスと表示デバイスとを兼ね備えた機器である。コードリーダ256は、商品に付されたバーコードを光学的に読み取るための機器である。商品には、その商品固有の商品コードである共通商品コード又は店専用商品コードをバーコード化したバーコードが付されている。近距離無線通信インターフェース257は、同一仕様の近距離無線通信インターフェースを備えた他の機器との間で非接触による近距離無線通信を行うものである。因みにこの実施形態では、POS端末21が同一仕様の近距離無線通信インターフェースを備えている。したがって、情報端末25をPOS端末21に近づけることにより、情報端末25で処理された情報を近距離無線通信によってPOS端末21に送信することができる。
【0045】
かかる構成の情報端末25は、当該情報端末25を特定する固有の端末IDと、当該情報端末25が使用される店舗を特定する店舗IDとを、補助記憶デバイス253で記憶する。
【0046】
図8は、情報端末25のプロセッサ251が、メインメモリ252又は補助記憶デバイス253に記憶された制御プログラムに従って実行する情報処理の主要な手順を示す流れ図である。また
図9及び
図10は、情報提供サーバ30のプロセッサ301がメインメモリ302又は補助記憶デバイス303に記憶された情報提供プログラムに従って実行する情報処理の主要な手順を示す流れ図である。以下、
図8乃至
図10を用いて、情報提供システム10の動作を説明する。なお、以下に説明する動作は一例であり、同様な結果を得ることが可能であればその手順は特に限定されるものではない。
【0047】
加盟店に来店した消費者は、情報端末25を携帯して買い回りを行う。あるいは消費者は、情報端末25が取り付けられたショッピングカートを押して買い回りを行う。そして消費者は、購入しようとする商品を見つけると、その商品に付されたバーコードを、情報端末25のコードリーダ256で読み取らせる。消費者は、バーコードの読取りを終えた商品を、ショッピングカート又は買物カゴに収容する。
【0048】
図8に示すように、情報端末25のプロセッサ251は、Act1としてタッチパネル255の画面を待機画面とする。待機画面の内容は、特に限定されるものではない。例えば情報端末25の使用方法を消費者に紹介する画面であってもよい。
【0049】
待機画面を表示させたプロセッサ251は、Act2として商品コードの入力を待ち受ける。この待ち受け状態において、コードリーダ256を介して商品コードが入力されると(Act2、YES)、プロセッサ251は、Act3として商品コードの問合せコマンドを生成する。そしてプロセッサ251は、無線ユニット254を制御して、問合せコマンドを無線送信する。問合せコマンドには、Act2の処理で入力を受け付けた商品コードと、補助記憶デバイス253に記憶されている端末IDとが含まれる。商品コードは、共通商品コードの場合もあるし、店専用商品コードの場合もある。
【0050】
情報端末25から無線送信された問合せコマンドは、アクセスポイント24で受信され、LAN26を介して店舗サーバ22に与えられる。店舗サーバ22は、問合せコマンドに含まれる商品コードで商品データベース27を検索する。そして店舗サーバ22は、当該商品コードを含むデータレコードを商品データベース27から検出し、このデータレコードの少なくとも商品コード、商品名、価格等を含む応答コマンドを作成する。店舗サーバ22は、問合せコマンドに含まれていた端末IDで特定される情報端末25宛に応答コマンドを送信するように制御する。この制御により、アクセスポイント24から当該情報端末25宛に応答コマンドが無線送信される。
【0051】
問合せコマンドを送信した情報端末25のプロセッサ251は、Act4として応答コマンドを待ち受ける。そして所定時間内に応答コマンドを受信したならば(Act4、YES)、プロセッサ251は、Act5としてその応答コマンドに含まれる商品コード、商品名、価格等の商品情報を仮登録メモリで記憶する。仮登録メモリは、メインメモリ252の揮発性領域の一部に形成されている。プロセッサ251は、Act6として商品情報の商品名と価格とをタッチパネル255に表示させる。なお、所定時間内に応答コマンドを受信できなかった場合には(Act4、NO)、プロセッサ251は、例えば通信エラーのメッセージをタッチパネル255に表示させて、Act5以降の処理を実行しない。
【0052】
Act6の処理を終えると、プロセッサ251は、Act7として提示情報の要求コマンドを作成する。そしてプロセッサ251は、無線ユニット254を制御して、この要求コマンドを無線送信する。要求コマンドには、Act2の処理で入力を受け付けた商品コードと、補助記憶デバイス253に記憶されている店舗ID及び端末IDとが含まれる。
【0053】
情報端末25から無線送信された要求コマンドは、アクセスポイント24で受信され、LAN26を介して中継サーバ23に与えられる。中継サーバ23は、この要求コマンドを、ネットワーク40を介して情報提供サーバ30へと送信する。
【0054】
図9に示すように、情報提供サーバ30のプロセッサ301は、Act21として要求コマンドを待機している。そして、通信インターフェース304を介して要求コマンドを受信すると(Act21、YES)、プロセッサ301は、Act22としてその要求コマンドに含まれる商品コードが共通商品コードなのか店専用商品コードなのかを判定する。共通商品コードであるか否かは、例えば先頭の2桁の数値によって判定することができる。この判定の結果、共通商品コードであった場合には(Act22、YES)、プロセッサ301は、Act26の処理に進む。
【0055】
これに対し、店専用商品コードであった場合には(Act22、NO)、プロセッサ301は、Act23として当該要求コマンドに含まれる店舗IDと上記店専用商品コードとによって検索ワードデータベース34を検索する。そしてプロセッサ301は、Act24として当該店舗IDと店専用商品コードとの対データを含むデータレコード34Rの有無を判定する。この判定の結果、該当する対データを含むデータレコード34Rを検出できた場合には(Act24、YES)、プロセッサ301は、Act25としてそのデータレコード34Rから検索ワードを取得する。そしてプロセッサ301は、Act26の処理に進む。なお、該当する対データを含むデータレコード34Rを検出できなかった場合には(Act24、NO)、プロセッサ301は、
図10のAct37の処理に進む。
【0056】
Act26では、プロセッサ301は、提示情報データベース31を検索する。具体的にはプロセッサ301は、要求コマンドに含まれる商品コードが共通商品コードであった場合には、その商品コードを検索ワードとする。そしてプロセッサ301は、この検索ワードで検索対象フラグが“0”のデータレコード31Rを検索する。一方、要求コマンドに含まれる商品コードが店専用商品コードであった場合には、プロセッサ301は、Act25の処理で取得した検索ワードで検索対象フラグが“1”のデータレコード31Rを検索する。
【0057】
提示情報データベース31を検索したプロセッサ301は、Act27として、検索ワードが一致するデータレコード31Rの有無を判定する。この判定の結果、検索ワードが一致するデータレコード31Rを検出した場合には(Act27、YES)、プロセッサ301は、Act28として、そのデータレコード31Rから提示商品情報を取得する。このとき、検索ワードが一致するデータレコード31Rを2以上検出した場合には、プロセッサ301は、各データレコード31Rからそれぞれ提示商品情報を取得する。そしてプロセッサ301は、
図10のAct29の処理に進む。なお、検索ワードが一致するデータレコードを1つも検出できなかった場合には(Act27、NO)、プロセッサ301は、
図10のAct37の処理に進む。
【0058】
Act29では、プロセッサ301は、要求コマンドに含まれる店舗IDで店舗データベース33を検索する。そしてプロセッサ301は、Act30として当該店舗IDを含むデータレコード33Rから取扱商品情報を取得する。
【0059】
取扱商品情報を取得したプロセッサ301は、Act31として、この取扱商品情報を参照して、Act28の処理で取得した提示商品情報の商品名で特定される商品が、当該店舗IDで識別される店舗にて取り扱われているか否かを判定する。このとき、Act28において2以上の提示商品情報が取得されていた場合には、プロセッサ301は、提示商品情報毎に同様の判定を行う。この判定の結果、当該店舗IDで識別される店舗にて取り扱われていると判定された商品が1種類でも存在する場合には(Act31、YES)、プロセッサ301は、Act32の処理に進む。なお、該当する商品が1つも存在しない場合には(Act31、NO)、プロセッサ301は、Act37の処理に進む。
【0060】
Act32では、プロセッサ301は、当該店舗IDで識別される店舗にて取り扱われていると判定された商品が2種類以上存在するか否か確認する。そして1種類しか存在しない場合には(Act32、NO)、プロセッサ301は、Act34の処理に進む。これに対し、2種類以上存在する場合には(Act32、YES)、プロセッサ301は、Act33として、その複数種類の商品に関する提示情報の中から所定の判定要件により1つの提示情報を選択する。
【0061】
最初の判定要件としてのパラメータは、入札判断指数である。すなわちプロセッサ301は、該当するデータレコード31Rの入札判断指数を比較する。そしてプロセッサ301は、入札判断指数が最も大きいデータレコード31Rの提示情報を選択する。ここで、最も大きいデータレコードが複数存在する場合、次の判定要件としてのパラメータは、入札価格である。すなわちプロセッサ301は、該当するデータレコード31Rの入札価格を比較する。そしてプロセッサ301は、入札価格が最も大きいデータレコード31Rの提示情報を選択する。ここで、入札価格も等しい場合のさらなる判定要件としてのパラメータは、コンバージョン率である。すなわちプロセッサ301は、該当するデータレコード31Rのコンバージョン率を比較する。そしてプロセッサ301は、コンバージョン率が最も小さいデータレコード31Rの提示情報を選択する。
【0062】
Act33の処理により、複数の提示情報の中からいずれか1つの提示情報を選択し終えると、プロセッサ301は、Act34の処理に進む。
【0063】
Act34では、プロセッサ301は、提示情報の送信データを作成する。送信データは、宛先情報を含む。宛先情報は、要求コマンドに含まれていた店舗IDと端末IDである。提示情報は、取扱対象であると判定された商品が1種類の場合にはその商品に関する提示情報であり、複数種類の場合には、Act33において選択された提示情報である。
【0064】
プロセッサ301は、Act35として提示情報の送信データを送信するように通信インターフェース304を制御する。この制御により、送信データは、ネットワーク40を介して宛先情報に含まれる店舗IDで特定される店舗の中継サーバ23に送信され、さらにアクセスポイント24を介して、宛先情報に含まれる端末IDで特定される情報端末25に無線送信される。
【0065】
またプロセッサ301は、Act36として、送信した提示情報を含むデータレコード31Rの提供者IDで提供者データベース32を検索する。そしてプロセッサ301は、当該提供者IDを含むデータレコード32Rの費用データを更新する。具体的にはプロセッサ301は、この費用データから、送信した提示情報を含むデータレコード31Rの入札価格を減額する。
【0066】
一方、Act37では、プロセッサ301は、情報無しを示す送信データを作成する。この送信データも、提示情報の送信データと同様の宛先情報を含む。プロセッサ301は、Act38として情報無しの送信データを送信するように通信インターフェース304を制御する。この制御により、送信データは、ネットワーク40を介して宛先情報に含まれる店舗IDで特定される店舗の中継サーバ23に送信され、さらにアクセスポイント24を介して、宛先情報に含まれる端末IDで特定される情報端末25に無線送信される。ただしこのときには、プロセッサ301は、提供者データベース32の更新は行わない。以上で、プロセッサ301は、Act21にて要求コマンドを受信した場合の情報処理を終了する。
【0067】
ここに、プロセッサ301を主体とするコンピュータは、
図9のAct21~Act22の処理を実行することにより、特定手段を実現する。また同コンピュータは、
図9のAct23~Act25の処理を実行することにより、決定手段を実現する。また同コンピュータは、
図9のAct26~Act28の処理を実行することにより、検出手段を実現する。また同コンピュータは、
図10のAct29~Act31の処理を実行することにより、判定手段を実現する。また同コンピュータは、
図10のAct32~Act33の処理を実行することにより、選択手段を実現する。また同コンピュータは、
図10のAct34~Act35の処理を実行することにより、出力手段を実現する。また同コンピュータは、
図10のAct36の処理を実行することにより、課金手段を実現する。
【0068】
図8の説明に戻る。
Act7において提示情報の要求コマンドを送信した情報端末25のプロセッサ251は、Act8として情報提供サーバ30からのデータを待ち受ける。そして、無線ユニット254を介して情報提供サーバ30からのデータを受信したならば(Act8、YES)、プロセッサ251は、Act9としてそのデータが提示情報を含むか否かを確認する。提示情報を含むデータを受信した場合(Act9、YES)、プロセッサ251は、Act10としてその提示情報をタッチパネル255に表示させる。このときプロセッサ251は、Act6の処理で表示させた商品名及び価格と同一の画面に提示情報を表示させる。
【0069】
一方、情報無しのデータを受信した場合には(Act9、NO)、プロセッサ251は、Act11として提示情報無しを示すメッセージをタッチパネル255に表示させる。このときもプロセッサ251は、Act6の処理で表示させた商品名及び価格と同一の画面にメッセージを表示させる。
【0070】
したがって、購入しようとする商品に付されたバーコードを情報端末25のコードリーダ256で読み取らせた消費者は、その商品の価格等とともに、その商品に関連付けられて情報提供サーバ30から提供された提示情報を視認することとなる。あるいは消費者は、その商品に関連付けられた提示情報が無いことを視認することとなる。
【0071】
さて消費者は、買い回りによって購入しようとする商品を見つける毎に、その商品に付されたバーコードを情報端末25のコードリーダ256で読み取らせる。そして買い回りを終えると、消費者は、POS端末21が設置されている会計場へ行き、タッチパネル255の画面領域の一部に表示されている会計ボタンにタッチする。
【0072】
すなわちプロセッサ251は、Act10又はAct11の処理を終えると、Act12として次の商品コードが入力されたか否かを確認する。商品コードが入力されていない場合(Act12、NO)、プロセッサ251は、Act13として会計ボタンがタッチされたか否かを確認する。会計ボタンがタッチされていない場合(Act13、NO)、プロセッサ301は、Act12に戻り、再び商品コードが入力されたか否かを確認する。ここにプロセッサ251は、Act12及びAct13の処理により、商品コードが読み取られるか、会計ボタンがタッチされるのを待ち受ける。
【0073】
この待ち受け状態において、商品コードが読み取られた場合には(Act12、YES)、プロセッサ251は、Act3の処理に戻る。そしてプロセッサ251は、前述したのと同様の処理を繰り返す。
【0074】
これに対し、会計ボタンがタッチされたことを検知した場合には(Act13、YES)、プロセッサ251は、Act14として近距離無線通信インターフェース257を介しての近距離無線通信が可能であるか否かを判定する。本実施形態では、情報端末25の近くにPOS端末21が存在する場合、近距離無線通信が可能である。情報端末25の近くにPOS端末21が存在しない場合には、近距離無線通信は不可能である。近距離無線通信が不可能な場合(Act14、NO)、プロセッサ251は、Act12及びAct13の待ち受け状態に戻る。
【0075】
近距離無線通信が可能な場合(Act14、YES)、プロセッサ251は、Act15としてその近距離無線通信を利用して、仮登録メモリで記憶した商品情報をPOS端末21へと送信する。そして商品情報を送信し終えたプロセッサ251は、Act16として仮登録メモリをクリアする。以上でプロセッサ251は、Act2にて1点目の商品コードが入力された後の情報処理を終了する。
【0076】
因みに、近距離無線通信を利用して商品情報を受信したPOS端末21においては、その商品情報を基に消費者が買い上げる商品の販売データが登録処理されて商取引の代金が算出される。そして、当該代金に対する消費者の支払いデータがPOS端末21に入力されると、POS端末21では、レシート発行、釣銭払出等の決済処理が実行される。
【0077】
このように本実施形態の情報提供システム10によれば、店舗において情報端末25を用いて購入しようとする商品のバーコードを読取り操作した消費者に対し、その商品の決済前に、その商品に関連付けられた別の商品の情報を提示することができる。このとき提示される情報は、消費者にとっても、またその情報の提供者にとっても有益な情報である。しかも、その店舗で取り扱われている商品に関する情報でもあるので、店舗にとっても販売促進に結び付く有益な情報である。
それに加えて、消費者に提示される情報は、情報提供サービスを運営する企業体で管理される情報提供サーバ30によって抽出されて、情報端末25宛に出力される。したがって、提示情報の管理に関して店舗側の負担になることは全くない。かくして、情報の管理に関して店舗側の負担になることなく、買い回り中の消費者に販売促進に結び付く有益な情報を提示できる情報提供システム10を実現することができる。
【0078】
ところで、消費者が読取り操作したバーコードで特定される商品に関連付けられた別の商品の情報が、異なる提供者からそれぞれ提供されていれた場合、情報提供サーバ30は、所定の判定要件により1つの提示情報を選択して情報端末25に出力する。そして、この判定要件は、提供者によって調整が可能なパラメータである。したがって提供者は、判定要件となるパラメータを適宜調整することによって、費用対効果の高い販売促進を打つことができる。
【0079】
しかも、判定要件となるパラメータの1つに入札価格がある。入札価格は、情報端末25に対して出力された提示情報の提供者に対して課金される金額である。したがって提供者は、費用対効果を考慮して入札価格を適宜調整することにより、提供者にとって効果的な宣伝広告を実施できるようになる。
【0080】
また、情報端末25で読み取られるバーコードは、共通商品コードのバーコードだけでなく、店専用商品コードのバーコードであってもよい。したがって、店舗によって異なるコードが設定される生鮮食品を対象とし、この生鮮食品を購入しようとする消費者に対しても販売促進に係る情報を提供することができる。
【0081】
以下、他の実施形態について説明する。
前記実施形態では、情報提供サーバ30が提示情報データベース31、提供者データベース32、店舗データベース33及び検索ワードデータベース34を備えた。他の実施形態は、これらのデータベース31~34の全てあるいは少なくとも1つを、情報提供サーバ30とネットワークで接続されたデータベースサーバが備える。そして情報提供サーバ30がデータベースサーバにアクセスして、データベース31~34から必要な情報を取得するように構成する。また、別の実施形態は、店舗データベース33で記憶していた取扱商品情報を、それぞれ各店舗の店舗サーバ22で分散して記憶する。そして情報提供サーバ30のプロセッサ301は、店舗データベース33の取扱商品情報を検索するのではなく、該当する店舗の店舗サーバ22で記憶された取扱商品情報を検索して、店舗に係る情報か否かを判定する。このような構成とすることにより、情報提供サーバ30から店舗データベース33を省略することができる。
【0082】
前記実施形態では、情報端末25のプロセッサ251が要求コマンドに店舗IDを含ませるようにした。他の実施形態は、中継サーバ23が、情報端末25から受信した要求コマンドに店舗IDを付して情報提供サーバ30へと送信する。こうすることにより、情報端末25が店舗IDを記憶する必要がなくなる。
【0083】
前記実施形態では、提示商品情報を商品の名称とした。提示商品情報は、商品の名称に限定されるものではない。例えば共通商品コードを提示商品情報としてもよい。ただし、店専用商品コードは、同一カテゴリの商品であっても店舗毎に異なるので、提示商品情報とすることはできない。
【0084】
なお、情報提供サーバ30の譲渡は一般に、情報提供プログラム等のプログラムがメインメモリ302又は補助記憶デバイス303に記憶された状態にて行われる。しかしこれに限らず、プログラムがメインメモリ302又は補助記憶デバイス303に記憶されていない状態で譲渡されてもよい。そしてこの場合は、情報提供サーバ30が備える書き込み可能な記憶デバイスに、この情報提供サーバ30とは別に譲渡された情報提供プログラム等がユーザなどの操作に応じて書き込まれる。情報提供プログラム等の譲渡は、リムーバブルな記録媒体に記録して、あるいはネットワークを介した通信により行うことができる。記録媒体は、CD-ROM,メモリカード等のようにプログラムを記憶でき、かつ装置が読み取り可能であれば、その形態は問わない。また、プログラムのインストールやダウンロードにより得る機能は、装置内部のOS(オペレーティング・システム)等と協働してその機能を実現させるものであってもよい。
【0085】
この他、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0086】
10…情報提供システム、20…店舗システム、21…POS端末、22…店舗サーバ、23…中継サーバ、24…アクセスポイント、25…情報端末、26…LAN、27…商品データベース、30…情報提供サーバ、31…提示情報データベース、32…提供者データベース、33…店舗データベース、34…検索ワードデータベース、40…ネットワーク、251,301…プロセッサ、252,302…メインメモリ、253,303…補助記憶デバイス、254…無線ユニット、255…タッチパネル、256…コードリーダ、257…近距離無線通信インターフェース、304…通信インターフェース、305…時計。