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特開2022-190085カートリッジの誤装着防止システム、画像形成装置、及びその装置本体
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  • 特開-カートリッジの誤装着防止システム、画像形成装置、及びその装置本体 図1A
  • 特開-カートリッジの誤装着防止システム、画像形成装置、及びその装置本体 図1B
  • 特開-カートリッジの誤装着防止システム、画像形成装置、及びその装置本体 図1C
  • 特開-カートリッジの誤装着防止システム、画像形成装置、及びその装置本体 図1D
  • 特開-カートリッジの誤装着防止システム、画像形成装置、及びその装置本体 図1E
  • 特開-カートリッジの誤装着防止システム、画像形成装置、及びその装置本体 図2
  • 特開-カートリッジの誤装着防止システム、画像形成装置、及びその装置本体 図3
  • 特開-カートリッジの誤装着防止システム、画像形成装置、及びその装置本体 図4
  • 特開-カートリッジの誤装着防止システム、画像形成装置、及びその装置本体 図5
  • 特開-カートリッジの誤装着防止システム、画像形成装置、及びその装置本体 図6
  • 特開-カートリッジの誤装着防止システム、画像形成装置、及びその装置本体 図7
  • 特開-カートリッジの誤装着防止システム、画像形成装置、及びその装置本体 図8
  • 特開-カートリッジの誤装着防止システム、画像形成装置、及びその装置本体 図9
  • 特開-カートリッジの誤装着防止システム、画像形成装置、及びその装置本体 図10
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022190085
(43)【公開日】2022-12-22
(54)【発明の名称】カートリッジの誤装着防止システム、画像形成装置、及びその装置本体
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/18 20060101AFI20221215BHJP
   G03G 21/16 20060101ALN20221215BHJP
【FI】
G03G21/18 153
G03G21/18 142
G03G21/16 133
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022176419
(22)【出願日】2022-11-02
(62)【分割の表示】P 2018246942の分割
【原出願日】2018-12-28
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】木村 喬
(72)【発明者】
【氏名】小石 勇雄
(72)【発明者】
【氏名】山本 大輔
(57)【要約】
【課題】画像形成装置に対するカートリッジの適合と不適合を簡素な構成でより確実に判断することができる技術を提供すること。
【解決手段】カートリッジBの装置本体Aへの装着方向に見たときにカートリッジBに設けられた係合部71p1の外形に対応した入口形状を有し、係合部71p1をガイドする、装置本体Aに設けられた第1のガイド部16fが、適合カートリッジBとは係合部が設けられた位置が異なる第1の不適合カートリッジEが装着完了位置に到達することを規制し、可動部材16gは、第2のガイド部16dによる被位置決め部71dのガイド経路を塞ぐ規制位置にあるときに、係合部を備えていない第2の不適合カートリッジDに設けられた被位置決め部71d2に押されても規制位置から動かないように構成されており、第2の不適合カートリッジDが装着完了位置に到達することを規制することを特徴とする。
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カートリッジが装置本体に着脱可能に構成された、記録材に画像を形成する画像形成装置において、前記装置本体に適合しない不適合カートリッジの前記装置本体への装着を防ぐためのカートリッジの誤装着防止システムであって、
前記装置本体に対する前記カートリッジの装着完了位置を決めるための、前記カートリッジに設けられた被位置決め部と、
前記カートリッジが前記装着完了位置にあるときに前記被位置決め部に当接する、前記装置本体に設けられた位置決め部と、
前記カートリッジに設けられた係合部と、
前記カートリッジの前記装置本体への装着方向に見たときに前記係合部の外形に対応した入口形状を有し、前記係合部をガイドする、前記装置本体に設けられた第1のガイド部と、
前記被位置決め部をガイドする、前記装置本体に設けられた第2のガイド部と、
前記装置本体に移動可能に設けられた可動部材であって、前記装着完了位置に向かう前記カートリッジの移動によって前記係合部に押されることで、前記第2のガイド部による前記被位置決め部のガイド経路を塞ぐ規制位置から、前記ガイド経路を塞がない非規制位置へ移動するように構成された可動部材と、
を備え、
前記第1のガイド部が、適合する前記カートリッジとは前記係合部が設けられた位置が異なる第1の不適合カートリッジが前記装着完了位置に到達することを規制し、
前記可動部材は、前記規制位置にあるときに、前記係合部を備えていない第2の不適合カートリッジに設けられた前記被位置決め部に押されても前記規制位置から動かないように構成されており、前記第2の不適合カートリッジが前記装着完了位置に到達することを規制することを特徴とするカートリッジの誤装着防止システム。
【請求項2】
前記可動部材には、前記可動部材を前記非規制位置から前記規制位置へ移動せしめる付勢力が作用しており、
前記可動部材は、記第2の不適合カートリッジに設けられた前記被位置決め部から受ける力から前記付勢力に抗する方向に作用する力が発生しないように、前記被位置決め部から押される被係合部を有することを特徴とする請求項1に記載のカートリッジの誤装着防止システム。
【請求項3】
前記被係合部の前記被位置決め部から押される側とは反対側において、前記被係合部を支持する、前記装置本体に設けられた支持部をさらに備えることを特徴とする請求項2に記載のカートリッジの誤装着防止システム。
【請求項4】
前記第1のガイド部は、前記装着方向と直交する方向において前記入口形状に対応する位置にない前記第1の不適合カートリッジの前記係合部に当接することで、前記第1の不適合カートリッジの前記装着方向への移動を規制する規制面を有することを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載のカートリッジの誤装着防止システム。
【請求項5】
装置本体と、前記装置本体に着脱可能なカートリッジと、を備え、記録材に画像を形成する画像形成装置において、
前記カートリッジは、
前記装置本体に対する前記カートリッジの装着完了位置を決めるための被位置決め部と、
係合部と、
を有し、
前記装置本体は、
前記カートリッジが前記装着完了位置にあるときに前記被位置決め部に当接する位置決め部と、
前記カートリッジの前記装置本体への装着方向に見たときに前記係合部の外形に対応した入口形状を有し、前記係合部をガイドする第1のガイド部と、
前記被位置決め部をガイドする第2のガイド部と、
前記装着完了位置に向かう前記カートリッジの移動によって前記係合部に押されることで、前記第2のガイド部による前記被位置決め部のガイド経路を塞ぐ規制位置から、前記ガイド経路を塞がない非規制位置へ移動するように構成された可動部材と、
を有し、
前記第1のガイド部が、適合する前記カートリッジとは前記係合部が設けられた位置が異なる第1の不適合カートリッジが前記装着完了位置に到達することを規制し、
前記可動部材は、前記規制位置にあるときに、前記係合部を備えていない第2の不適合カートリッジに設けられた前記被位置決め部に押されても前記規制位置から動かないように構成されており、前記第2の不適合カートリッジが前記装着完了位置に到達することを規制することを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
前記可動部材には、前記可動部材を前記非規制位置から前記規制位置へ移動せしめる付勢力が作用しており、
前記可動部材は、前記第2の不適合カートリッジに設けられた前記被位置決め部から受ける力から前記付勢力に抗する方向に作用する力が発生しないように、前記被位置決め部から押される被係合部を有することを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記装置本体は、前記被係合部の前記被位置決め部から押される側とは反対側において、前記被係合部を支持する支持部をさらに備えることを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記第1のガイド部は、前記装着方向と直交する方向において前記入口形状に対応する位置にない前記係合部に当接することで、前記第1の不適合カートリッジの前記装着方向への移動を規制する規制面を有することを特徴とする請求項5~7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
カートリッジが着脱可能に構成された、記録材に画像を形成する画像形成装置の装置本体であって、
前記カートリッジが装着完了位置にあるときに前記カートリッジに設けられた前記被位置決め部に当接する位置決め部と、
前記カートリッジの前記装置本体への装着方向に見たときに前記カートリッジに設けられた係合部の外形に対応した入口形状を有し、前記係合部をガイドする第1のガイド部と、
前記被位置決め部をガイドする第2のガイド部と、
前記装着完了位置に向かう前記カートリッジの移動によって前記係合部に押されることで、前記第2のガイド部による前記被位置決め部のガイド経路を塞ぐ規制位置から、前記ガイド経路を塞がない非規制位置へ移動するように構成された可動部材と、
を有し、
前記第1のガイド部が、適合する前記カートリッジとは前記係合部が設けられた位置が異なる第1の不適合カートリッジが前記装着完了位置に到達することを規制し、
前記可動部材は、前記規制位置にあるときに、前記係合部を備えていない第2の不適合カートリッジに設けられた前記被位置決め部に押されても前記規制位置から動かないように構成されており、前記第2の不適合カートリッジが前記装着完了位置に到達することを規制することを特徴とする画像形成装置の装置本体。
【請求項10】
前記可動部材には、前記可動部材を前記非規制位置から前記規制位置へ移動せしめる付勢力が作用しており、
前記可動部材は、前記第2の不適合カートリッジに設けられた前記被位置決め部から受ける力から前記付勢力に抗する方向に作用する力が発生しないように、前記被位置決め部から押される被係合部を有することを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置の装置本体。
【請求項11】
前記被係合部の前記被位置決め部から押される側とは反対側において、前記被係合部を支持する支持部をさらに備えることを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置の装置本体。
【請求項12】
前記第1のガイド部は、前記装着方向と直交する方向において前記入口形状に対応する位置にない前記係合部に当接することで、前記第1の不適合カートリッジの前記装着方向への移動を規制する規制面を有することを特徴とする請求項9~11のいずれか1項に記載の画像形成装置の装置本体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現像剤を担持する像担持体上を清掃するクリーニング装置、及びこのクリーニング装置を備え、電子写真画像形成装置に用いられるカートリッジ、並びに電子写真画像形成装置に関するものである。
電子写真画像形成装置とは電子写真画像形成方式を用いて記録媒体に画像を形成するものであり、例としては、電子写真複写機、電子写真プリンタ(LEDプリンタ、レーザービームプリンタ等)、ファクシミリ装置及びワードプロセッサ等が含まれる。
【背景技術】
【0002】
いわゆるプロセスカートリッジ方式の画像形成装置において、カートリッジが装着される画像形成装置の装置本体に適合するカートリッジだけでなく、適合しないカートリッジも画像形成装置の装置本体のカートリッジ装着部に装着されてしまう場合がある。これがカートリッジの誤装着(誤挿入)である。画像形成装置の装置本体に適合するカートリッジとは、例えば製品機種が一致するカートリッジである。以下、画像形成装置の本体に適合するカートリッジを適合カートリッジ、適合しないカートリッジを不適合カートリッジと記す。
特許文献1には上記のような不適合カートリッジの誤装着を防止する方法が提案されている。これは、画像形成装置の装置本体に不適合カートリッジが挿入された場合、画像形成装置の装置本体の開口付近に設けられた可動台と、不適合カートリッジに設けられたボスとが係合できないことで誤装着が防止される方法である。即ち前述した構成は、可動台に係合部分を設け、適合カートリッジは可動台とカートリッジのボスが係合し、不適合カートリッジは可動部とボスが干渉してそれ以上の挿入を阻止する構成が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-66794号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、上記従来例をさらに発展させたものであり、画像形成装置に対するカートリッジの適合と不適合を簡素な構成でより確実に判断することができる技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明のカートリッジの誤装着防止システムは、
カートリッジが装置本体に着脱可能に構成された、記録材に画像を形成する画像形成装置において、前記装置本体に適合しない不適合カートリッジの前記装置本体への装着を防ぐためのカートリッジの誤装着防止システムであって、
前記装置本体に対する前記カートリッジの装着完了位置を決めるための、前記カートリッジに設けられた被位置決め部と、
前記カートリッジが前記装着完了位置にあるときに前記被位置決め部に当接する、前記装置本体に設けられた位置決め部と、
前記カートリッジに設けられた係合部と、
前記カートリッジの前記装置本体への装着方向に見たときに前記係合部の外形に対応した入口形状を有し、前記係合部をガイドする、前記装置本体に設けられた第1のガイド部と、
前記被位置決め部をガイドする、前記装置本体に設けられた第2のガイド部と、
前記装置本体に移動可能に設けられた可動部材であって、前記装着完了位置に向かう前記カートリッジの移動によって前記係合部に押されることで、前記第2のガイド部による前記被位置決め部のガイド経路を塞ぐ規制位置から、前記ガイド経路を塞がない非規制位置へ移動するように構成された可動部材と、
を備え、
前記第1のガイド部が、適合する前記カートリッジとは前記係合部が設けられた位置が異なる第1の不適合カートリッジが前記装着完了位置に到達することを規制し、
前記可動部材は、前記規制位置にあるときに、前記係合部を備えていない第2の不適合カートリッジに設けられた前記被位置決め部に押されても前記規制位置から動かないように構成されており、前記第2の不適合カートリッジが前記装着完了位置に到達することを規制することを特徴とする。
上記目的を達成するため、本発明の画像形成装置は、
装置本体と、前記装置本体に着脱可能なカートリッジと、を備え、記録材に画像を形成する画像形成装置において、
前記カートリッジは、
前記装置本体に対する前記カートリッジの装着完了位置を決めるための被位置決め部と、
係合部と、
を有し、
前記装置本体は、
前記カートリッジが前記装着完了位置にあるときに前記被位置決め部に当接する位置決め部と、
前記カートリッジの前記装置本体への装着方向に見たときに前記係合部の外形に対応した入口形状を有し、前記係合部をガイドする第1のガイド部と、
前記被位置決め部をガイドする第2のガイド部と、
前記装着完了位置に向かう前記カートリッジの移動によって前記係合部に押されることで、前記第2のガイド部による前記被位置決め部のガイド経路を塞ぐ規制位置から、前記ガイド経路を塞がない非規制位置へ移動するように構成された可動部材と、
を有し、
前記第1のガイド部が、適合する前記カートリッジとは前記係合部が設けられた位置が異なる第1の不適合カートリッジが前記装着完了位置に到達することを規制し、
前記可動部材は、前記規制位置にあるときに、前記係合部を備えていない第2の不適合カートリッジに設けられた前記被位置決め部に押されても前記規制位置から動かないように構成されており、前記第2の不適合カートリッジが前記装着完了位置に到達することを規制することを特徴とする。
上記目的を達成するため、本発明の画像形成装置の装置本体は、
カートリッジが着脱可能に構成された、記録材に画像を形成する画像形成装置の装置本体であって、
前記カートリッジが装着完了位置にあるときに前記カートリッジに設けられた前記被位置決め部に当接する位置決め部と、
前記カートリッジの前記装置本体への装着方向に見たときに前記カートリッジに設けられた係合部の外形に対応した入口形状を有し、前記係合部をガイドする第1のガイド部と、
前記被位置決め部をガイドする第2のガイド部と、
前記装着完了位置に向かう前記カートリッジの移動によって前記係合部に押されることで、前記第2のガイド部による前記被位置決め部のガイド経路を塞ぐ規制位置から、前記ガイド経路を塞がない非規制位置へ移動するように構成された可動部材と、
を有し、
前記第1のガイド部が、適合する前記カートリッジとは前記係合部が設けられた位置が異なる第1の不適合カートリッジが前記装着完了位置に到達することを規制し、
前記可動部材は、前記規制位置にあるときに、前記係合部を備えていない第2の不適合カートリッジに設けられた前記被位置決め部に押されても前記規制位置から動かないように構成されており、前記第2の不適合カートリッジが前記装着完了位置に到達することを規制することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、画像形成装置に対するカートリッジの適合と不適合を簡素な構成でより確実に判断することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1A】実施例における適合カートリッジ挿入時の誤装着防止構成の動作説明図
図1B】実施例における適合カートリッジ挿入時の誤装着防止構成の動作説明図
図1C】実施例における適合カートリッジ挿入時の誤装着防止構成の動作説明図
図1D】実施例における適合カートリッジ挿入時の誤装着防止構成の動作説明図
図1E】実施例における適合カートリッジ挿入時の誤装着防止構成の動作説明図
図2】実施例における画像形成装置の概略断面図
図3】実施例におけるカートリッジの概略断面図
図4】実施例におけるカートリッジの分解図
図5】実施例におけるカートリッジの分解図
図6】実施例における画像形成装置の概略断面図
図7】実施例における画像形成装置の概略断面図
図8】実施例における画像形成装置へのカートリッジの装着の様子を示す図
図9】実施例における不適合カートリッジ挿入時の誤装着防止構成の動作説明図
図10】実施例における適合カートリッジ取出時の誤装着防止構成の動作説明図
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に図面を参照して、この発明を実施するための形態を、実施例に基づいて例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状それらの相対配置などは、発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものである。すなわち、この発明の範囲を以下の実施の形態に限定する趣旨のものではない。
【0009】
本発明の実施例に係るカートリッジ及び画像形成装置に関して、図面を用いて説明する。以下、画像形成装置の一例として、レーザービームプリンタを例に挙げ、カートリッジとして、レーザービームプリンタに用いられるカートリッジを例に挙げて説明する。
なお、以下の説明において、カートリッジの長手方向とは像担持体である感光体ドラムの回転軸線方向と一致しているものとする。
また、説明文中の符号は、図面を参照するためのものであって、構成を限定するものではない。
また、カートリッジとして一体化される部材構成は、装置構成等に応じて適宜設計されるものであり、ここで示したカートリッジの部材構成に限定されるものではない。
【0010】
[実施例1]
[画像形成装置の全体構成]
図2は、本発明の実施例1に係る電子写真画像形成装置(以下、画像形成装置)における画像形成装置本体A(以下、「装置本体A」とする。)、及び第一カートリッジとしてのカートリッジBの断面図である。図3は、カートリッジBの断面図である。
ここで、装置本体Aとは、画像形成装置の構成のうちカートリッジBを除いた部分である。
【0011】
図2に示す画像形成装置は、カートリッジBを装置本体Aに着脱可能とした電子写真技術を利用したレーザービームプリンタである。
カートリッジBの下側に画像形成対象となる記録媒体(記録材)(以下、「シートPA」とする。)を積載するシートトレイ4が配置されている。
更に、装置本体Aには、シートPAの搬送方向Dに沿って、ピックアップローラ5a、給送ローラ対5b、転写ガイド6、転写ローラ7、搬送ガイド8、定着装置9、排出ローラ対10、排出トレイ11等が順次配置されている。なお、定着装置9は、加熱ローラ9a及び加圧ローラ9bにより構成されている。
【0012】
[画像形成プロセス]
次に、画像形成プロセスの概略を説明する。プリントスタート信号に基づいて、電子写真感光体ドラム(以下、感光体ドラム62あるいは、単にドラム62と記載する)は、図2及び図3中の矢印R方向に所定の周速度(プロセススピード)をもって回転駆動される。
バイアス電圧が印加された帯電ローラ(帯電部材)66は、ドラム62の外周面に接触し、ドラム62の外周面を一様均一に帯電する。
露光装置3は、画像情報に応じたレーザー光Lを出力する。そのレーザー光Lは、カートリッジBのクリーニング枠体71に設けられたレーザー開口71hを通り、ドラム62の外周面を走査露光する。これにより、ドラム62の外周面には画像情報に対応した静電潜像が形成される。
【0013】
一方、図3に示すように、現像装置としての現像ユニット20において、トナー室29内のトナーTは、搬送部材(撹拌部材)43の回転によって撹拌、搬送され、トナー供給室28に送り出される。
トナーTは、マグネットローラ34(固定磁石)の磁力により、現像ローラ(現像スリーブ)32の表面に担持される。現像ローラ32は、ドラム62に形成された潜像を現像するために、現像剤(トナーT)をその表面に担持する現像剤担持体である。
トナーTは、現像ブレード42によって摩擦帯電されつつ、現像剤担持体としての現像ローラ32周面上での層厚が規制される。
【0014】
そのトナーTは、静電潜像に応じてドラム62へ供給され、潜像を現像する。これにより、潜像はトナー像(現像剤像)として可視像化される。ドラム62は、その表面に潜像や、トナーで形成される像(トナー像、現像剤像)を担持する像担持体である。また、図2に示すように、レーザー光Lの出力タイミングとあわせて、ピックアップローラ5a、給送ローラ対5bによって、装置本体Aの下部に収納されたシート材PAがシートトレイ4から送り出される。そして、そのシート材PAが転写ガイド6を経由して、ドラム62と転写ローラ7との間の転写位置へ搬送される。この転写位置において、トナー像はドラム62からシート材PAに順次転写されていく。
【0015】
トナー像が転写されたシート材PAは、ドラム62から分離されて搬送ガイド8に沿って定着装置9に搬送される。そしてシート材PAは、定着装置9を構成する加熱ローラ9aと加圧ローラ9bとのニップ部を通過する。このニップ部で加圧・加熱定着処理が行われてトナー像はシート材PAに定着される。トナー像の定着処理を受けたシート材PAは、排出ローラ対10まで搬送され、排出トレイ11に排出される。
【0016】
一方、図3に示すように、転写後のドラム62は、クリーニングブレード77により外周面上の残留トナーが除去されて、再び、画像形成プロセスに使用される。ドラム62から除去されたトナーは、クリーニングユニット60の廃トナー室71bに貯蔵される。クリーニングユニット60は、感光体ドラム62を有するユニットである。
上記において、帯電ローラ66、現像ローラ32、転写ローラ7、クリーニングブレー
ド77がドラム62に作用するプロセス手段である。
【0017】
[カートリッジ全体の構成]
次にカートリッジBの全体構成について図3図4図5を用いて説明する。図3は、カートリッジBの模式的断面図、図4図5は、カートリッジBの構成を説明する分解斜視図である。なお、本実施例においては、各部品を結合する際のビスに関しては省略して説明する。
【0018】
カートリッジBは、クリーニングユニット(感光体保持ユニット、ドラム保持ユニット、像担持体保持ユニット、第1ユニット)60と、現像ユニット(現像剤担持体保持ユニット、第2ユニット)20を有する。
なお、一般的には、プロセスカートリッジとは、電子写真感光体と、これに作用するプロセス手段の少なくとも一つを一体的にカートリッジ化して、電子写真画像形成装置の本体(装置本体)に対して着脱可能としたものである。プロセス手段の例としては、帯電手段、現像手段及びクリーニング手段がある。
【0019】
図3に示すように、クリーニングユニット60は、ドラム62と、帯電ローラ66と、クリーニング部材77と、これらを支持するクリーニング枠体71を有する。
図4に示すように、ドラム62は、駆動側において、ドラム62の駆動側端部に設けられた駆動側ドラムフランジ63がドラム軸受73の穴部73aにより回転可能に支持される。広義には、ドラム軸受73とクリーニング枠体71を総称してクリーニング枠体と呼ぶこともできる。
図5に示すように、非駆動側において、クリーニング枠体71に設けられた穴部71cに圧入されたドラム軸78によって、非駆動側ドラムフランジの穴部(不図示)を回転可能に支持される構成となっている。
各ドラムフランジは軸受部によって回転可能に支持される被軸受部である。
【0020】
クリーニングユニット60において、帯電ローラ66、クリーニング部材77は、それぞれドラム62の外周面に接触して配置される。
クリーニング部材77は、弾性材料としてのゴムで形成されたブレード状の弾性部材であるゴムブレード77aと、ゴムブレードを支持する支持部材77bと、を有する。ゴムブレード77aは、ドラム62の回転方向に対してカウンター方向にドラム62に当接している。即ち、ゴムブレード77aは、その先端部がドラム62の回転方向の上流側を向くようにドラム62に当接している。
【0021】
図3に示すように、クリーニング部材77によってドラム62の表面から除去された廃トナーは、クリーニング枠体71とクリーニング部材77によって形成された廃トナー室71bに溜められる。
また、図3に示すように、クリーニング枠体71から廃トナーが漏れることを防止するためのスクイシート65が、ドラム62に当接するようにクリーニング枠体71の縁部に設けられている。
【0022】
帯電ローラ66は、クリーニング枠体71の長手方向における両端部において、帯電ローラ軸受67を介し、クリーニングユニット60に回転可能に取り付けられている。
なお、クリーニング枠体71の長手方向(カートリッジBの長手方向)は、ドラム62の回転軸線が延びる方向(軸線方向)と略平行である。そのため以下、特に断りなく単に長手方向あるいは単に軸線方向といった場合には、ドラム62の軸線方向を意図する。
帯電ローラ66は、帯電ローラ軸受67が付勢部材68によりドラム62に向けて加圧されることでドラム62に圧接されている。帯電ローラ66は、ドラム62の回転に従動回転する。
【0023】
図3に示すように、現像ユニット20は、現像ローラ32と、現像ローラ32を支持する現像容器23と、現像ブレード42等を有する。現像ローラ32は、両端に設けられた軸受部材26(図4)、27(図5)により回転可能に現像容器23に取り付けられている。
【0024】
また、現像ローラ32内にはマグネットローラ34が設けられている。現像ユニット20において、現像ローラ32上のトナー層を規制するための現像ブレード42が配置されている。図4図5に示すように、現像ローラ32には間隔保持部材38が現像ローラ32の両端部に取り付けられており、間隔保持部材38とドラム62が当接することで、現像ローラ32はドラム62と微少隙間をもって保持される。
【0025】
また、図3に示すように、現像ユニット20からトナーが漏れることを防止するための吹き出し防止シート33が、現像ローラ32に当接するように底部材22の縁部に設けられている。更に、現像容器23と底部材22によって形成されたトナー室29には、搬送部材43が設けられている。搬送部材43は、トナー室29に収容されたトナーを撹拌すると共に、トナー供給室28へトナーを搬送する。
【0026】
図4図5に示すように、カートリッジBはクリーニングユニット60と現像ユニット20を合体して構成される。
【0027】
現像ユニットとクリーニングユニットの結合の際には、まずクリーニング枠体71の駆動側の第1吊り穴71iに対する軸受部材26の現像第1支持ボス26aの中心と、非駆動側の第2吊り穴71jに対する軸受部材27の現像第2支持ボス27aの中心と、を合わせる。具体的には、現像ユニット20を矢印G方向に移動させることで、第1吊り穴71i、第2吊り穴71jに現像第1支持ボス26a、現像第2支持ボス27aが嵌合する。これにより、クリーニングユニット60に対して現像ユニット20が移動可能に連結される。より詳細にいうと、クリーニングユニット60に対して現像ユニット20が回転移動可能(回動可能)に連結される。即ち、ドラム62に対して現像ローラ32が接離可能な状態で連結される。この後、ドラム軸受73をクリーニングユニット60に組み付けることによってカートリッジBを構成する。
【0028】
本実施例においては駆動側付勢部材46L(図5)、非駆動側付勢部材46R(図4)は圧縮バネで形成されている。これらバネの付勢力により、駆動側付勢部材46Lと非駆動側付勢部材46Rが、現像ユニット20をクリーニングユニット60に付勢させることで現像ローラ32をドラム62の方向へ確実に押し付けるよう構成する。さらに、現像ローラ32の両端部に取り付けられた間隔保持部材38を備えている。即ち、ドラム62と現像ローラ32が間隔保持部材38を介して所定の接触圧で接触することで、現像ローラ32はドラム62から所定の間隔をもって保持され、それぞれの相対位置が決まる。
【0029】
ここで、現像ローラ32周面上に担持されたトナーTで、ドラム62上の静電潜像を安定して現像するためには、ドラム62と現像ローラ32の間隔は一定で精度良く保たれることが望ましい。言い換えると、ドラム62と現像ローラ32が間隔保持部材38を介して接触するときの接触圧が安定していることが求められる。
【0030】
[カートリッジの装着]
次にカートリッジBの装着について、図6(a)、図6(b)、図7(a)、図7(b)、図8(a)、図8(b)を用いて具体的に説明する。図6(a)は、カートリッジBの装着を説明するための画像形成装置Aの駆動側ガイド部の模式的断面図であり、図6(b)は、カートリッジBの装着を説明するための画像形成装置Aの非駆動側ガイド部の模
式的断面図である。図7(a)は、カートリッジBの位置決めを説明するための画像形成装置Aの駆動側の模式的断面図である。図7(b)は、カートリッジBの位置決めを説明するための画像形成装置Aの非駆動側の模式的断面図である。図8(a)は、カートリッジBの装着を説明するための画像形成装置Aの駆動側ガイド部の模式的断面図であり、図8(b)は、カートリッジBの装着を説明するための画像形成装置Aの非駆動側ガイド部の模式的断面図である。
【0031】
カートリッジBの装着の説明をする。図6(a)、図6(b)に示すように、第1駆動側板15は、ガイドとしてのガイドレール上15gとガイドレール15hとを有しており、非駆動側板16は,ガイドレール16dとガイドレール16eとを有している。また、カートリッジBの駆動側に設けられたドラム軸受73は、被回転止め部73cを有している。
なおカートリッジBの装着方向は、ドラム62の軸線と実質的に直交する方向(矢印C参照)である。
【0032】
またクリーニング枠体71は、長手方向において非駆動側に被位置決め部71dと被回転止め部71gとを有している。カートリッジBを装置本体Aのカートリッジ挿入口17から装着すると、カートリッジBの駆動側においてカートリッジBのボス73gと被回転止め部73cが装置本体Aのガイドレール上15gとガイドレール15hにガイドされる。カートリッジBの非駆動側は、カートリッジBの被位置決め部71dと被回転止め部71gとが装置本体Aのガイドレール16dとガイドレール16eにガイドされる。これによって、カートリッジBは装置本体Aに装着される。
【0033】
次に、開閉扉13を閉じる状態を説明する。図6(a)、図6(b)、図7(a)、図7(b)に示すように、第1駆動側板15は、位置決めとしての位置決め部上15aと位置決め部下15bと回転止め部上15c1と回転止め部下15c2を有している。また、非駆動側板16は、位置決め部16aと回転止め部上16c1と回転止め部下16c2を有している。ドラム軸受73は、被位置決め部上(第1の被位置決め部、第1の突起、第1の張出部)73dと被位置決め部下(第2の被位置決め部、第2の突起、第2の張出部)73fとを有している。
【0034】
また、カートリッジ押圧部材1、2は、開閉扉13の軸方向両端に回転可能に取り付けられている。カートリッジ押圧バネ19、21は、それぞれ画像形成装置Aに設けられた前板の長手方向において両端に取り付けられている。ドラム軸受73は、付勢力受け部としての被押圧部73eを有し、クリーニング枠体71は、非駆動側にて被押圧部71oを有する(図3図6図7参照)。開閉扉13を閉じることにより、カートリッジBの被押圧部73e、71oが、装置本体Aのカートリッジ押圧バネ19、21によって付勢されたカートリッジ押圧部材1、2によって押圧される(図7参照)。
【0035】
これによって、駆動側においては、カートリッジBの被位置決め部上73dと被位置決め部下73fと回転止め部73cとがそれぞれ装置本体Aの位置決め部上15aと位置決め部下15bと回転止め部15cとに当接する。この結果、カートリッジBやドラム62が駆動側で位置決めされる。また、非駆動側において、カートリッジBの被位置決め部71dと被回転止め部71gとがそれぞれ装置本体Aの位置決め部16aと回転止め部16cとに当接する。これによって非駆動側にてカートリッジBやドラム62が位置決めされる。
【0036】
これまで、装置本体Aに対してカートリッジBの位置を決める構成の一例として、上記構成を記載したが、位置決めとしての手段の構成を上記構成に限定する趣旨の記載ではない。カートリッジBの駆動側の被位置決め部73d、被回転止め部73f、及び、非駆動
側の被位置決め部71d,被回転止め部71gに直接作用して、位置決め部それぞれを固定する構成でも良い。
【0037】
[カートリッジの誤装着防止構成]
カートリッジの誤装着防止構成(誤装着防止システム)について、装置本体Aに適合する第一カートリッジ(適合カートリッジ)としてのカートリッジBと、適合しない第二カートリッジ(不適合カートリッジ)としてのカートリッジD、Eを用いて説明する。
【0038】
(適合カートリッジBの場合)
図1A図1E図8を用いて、適合カートリッジBの場合の誤装着防止構成の動作について説明する。
図1A図1Eは、装置本体AへカートリッジBを装着する過程を示した側断面図である。なお、便宜上、非駆動側板16とクリーニングユニット60のみを示している。また、図1Aでは部品形状識別のため、クリーニングユニット60とレバー16gのみハッチングを行っているが、図1B図1Eでは説明の便宜上ハッチングを行っていない。
図8は、装置本体AへカートリッジBを装着する際の様子を示す斜視図(a)、及び部分詳細図(b)、(c)である。ここでも便宜上、装置本体Aについては非駆動側板16のみを示している。
【0039】
図8(a)、図8(b)に示すように、クリーニング枠体71の非駆動側端には長手方向と直交した方向に伸びたリブ71pが設けられている。そして、リブ71pのカートリッジ挿入方向(矢印C方向)下流側には第一係合部71p1が設けられている。
また、非駆動側板16には、第1のガイド部としてのガイドレール16fが設けられている。ガイドレール16fは、カートリッジBの挿入過程において、リブ71pと干渉することはない。しかし、図8(c)に示すように、カートリッジBのリブ71pとは長手方向で異なる位置にリブ71qを有するカートリッジE(第1の不適合カートリッジ)を挿入しようとした場合には、リブ71qがガイドレール16f内を通過することが出来ない。つまり、ガイドレール16fは、不適合カートリッジEの挿入(装着完了位置への到達)を規制する。
【0040】
すなわち、ガイドレール16fは、カートリッジの装置本体Aへの装着方向に見たときにリブ71p(第一係合部71p1)の外形に対応した入口形状を有しており、該入口の周囲にリブ1qに当接する規制壁面が形成されている。この規制壁面を含む、ガイドレール16f及びその周辺構成が、本発明における第1のガイド部を構成する。そして、この第1のガイド部と、カートリッジB、Eに設けられた係合部(リブ71p、リブ71q)とが、装置本体Aに装着されようとしているカートリッジの適合、不適合を識別するための第一の識別部を構成している。
【0041】
図1Aに示すように、非駆動側板16には、可動部材としてのレバー16gが設けられている。レバー16gは、軸中心H周りに揺動可能な構成となっている。そして、付勢部材(不図示)から作用する付勢力によって矢印N1方向に付勢されており、被駆動側板16に設けられた規制面16bにレバー16gの被規制面16g1が接触することで位置が決まっている。このとき、レバー16gは、ガイドレール16d(第2のガイド部)の被位置決め部71dのガイド経路を塞いだ状態となっている(第一の位置、規制位置)。これにより、レバー16gに設けられた被係合部16g2は、後述するように、不適合カートリッジDの被位置決め部71d2がガイドレール16d内を装着方向(矢印C方向)に進むことを規制するように構成されている。詳しくは後述するが、規制位置にある可動部材(レバー16gの被係合部16g2)と、カートリッジの被位置決め部71d、71d2とが、装置本外Aに装着されようとしているカートリッジの適合、不適合を識別するための第二の識別部を構成している。
【0042】
図1Bに示すように、レバー16gには第一係合部71p1が係合する被係合部としての面16g3が設けられている。被係合部16g2と面16g3は、ガイドレール16fよりもカートリッジ挿入方向下流側に設けられている。
カートリッジBの矢印C方向への挿入が進むと、第一係合部71p1は、ガイドレール16fを通過後、面16g3に接触する。ことのき、被位置決め部71dはレバー16gの被係合部16g2よりも挿入方向(矢印C方向)上流側にある。
【0043】
図1Cに示すように、カートリッジBの矢印C方向への挿入が進むと、被係合部16g3はカートリッジBの挿入力により、カートリッジBに設けられた第一係合部71p1から力F1を受ける。これにより、レバー16gは付勢部材(不図示)からの付勢力に抗して、軸中心H周りに矢印N2方向に移動する。これにより、レバー16gはガイドレール16dの被位置決め部71dのガイド経路を塞がず完全に解放した状態となる(第二の位置、非規制位置)。即ち、カートリッジBの被位置決め部71dがガイドレール16d内を進むことが許容される状態となる。このとき、被位置決め部71dは、レバー16gが第一の位置にあった場所よりも挿入方向(矢印C方向)上流側にある。
【0044】
図1Dに示すように、カートリッジBの挿入が進み、被位置決め部71dが、レバー16gが第一の位置にあった場所を通過後も第一係合部71p1を有するリブ71pと被係合部16g3は接触し続けている。
【0045】
図1Eに示すように、カートリッジBの挿入が進むとリブ71pと被係合部16g3の接触状態が無くなる。これにより、レバー16gは、付勢部材(不図示)からの付勢力によって矢印N1方向の力を受け、第一の位置まで移動する。
【0046】
以上のように、レバー16gは、カートリッジBの挿入過程において、被位置決め部71dに接触することなく第一の位置(規制位置)と第二の位置(非規制位置)の間を移動する。
【0047】
(不適合カートリッジDの場合)
図9を用いて、不適合カートリッジD(第二の不適合カートリッジ)の場合の誤装着防止構成の動作について説明する。
図9は、装置本体AへカートリッジDを挿入した場合の状態を示す側断面図である。なお、図9では、図1A図1Eと同様に、非駆動側板16とクリーニングユニット60のみを示している。
【0048】
カートリッジDとカートリッジBの差は、カートリッジDは第一係合部71p1に該当する形状を有していないという点である。このため、カートリッジDを画像形成装置に挿入する際にはガイドレール16fと干渉することなく矢印C方向へ進むことが出来る。しかし、カートリッジDは、第一係合部71p1に該当する形状を有していない。このため、カートリッジDの挿入が進んでもレバー16gの面16g3にカートリッジDは接触せず、レバー16gを第二の位置(非規制位置)まで移動させる力が働かない。よってレバー16gは、ガイドレール16dを塞いだままの状態である(第二の位置)。このため、カートリッジDの挿入が進むと、第二識別部として、カートリッジDの被位置決め部71d2がレバー16gの被係合部16g2に設けられた突部16g4と接触する。このとき、カートリッジDの装着力によって突部16g4には被位置決め部71d2から力F2が加わる。
【0049】
突部16g4は、不適合カートリッジDの被位置決め部71d2から受ける力F2から、レバー16gに働いている付勢力に抗する方向に作用する力が発生しない(そのような
分力をF2が含まない)ように、被位置決め部71d2と当接する構成となっている。少なくとも、突起16g4が被位置決め部71d2から受ける力F2が、レバー16gの被係合部16g2の可動方向に対して直交する方向に作用する構成であればよい。好ましくは、付勢力によるレバー16gの回動方向に沿った方向(非規制位置へ向かう方向とは逆方向)に作用する力が発生するような角度で、突起16g4が被位置決め部71d2から押される構成であるとよい。
【0050】
ここで、非駆動側板16には、レバー16gにおいて被位置決め部71d2から押される被係合部16g2とは反対側(挿入方向(矢印C方向)下流側)において、レバー16gを支持する支持部としての規制面16kが設けられている。これにより、例えば、カートリッジDを無理やり挿入しようとして、レバー16gが被位置決め部71dから力F2を受け、レバー16gが変形しようとしても、規制面16kでレバー16gの力F2方向の変形を規制することが可能である。このためレバー16gの変形や破損を防止することができ、より確実に不適合なカートリッジの挿入(装着完了位置への到達)を規制することが可能となる。
【0051】
本実施例においては、省スペース化のために、カートリッジの非駆動側の被位置決め部71d、71d2を第二の識別部に利用したが、かかる構成を限定するものではなく、他の構成部位を利用してもよいし、識別部専用の構成を別途設けても良い。
【0052】
[カートリッジの取り出し]
図10を参照して、次に適合するカートリッジBを取り出す際の動作について説明する。
前述したとおり、適合したカートリッジBが本体装着完了状態にあるとき、レバー16gは第一の位置にある。
【0053】
カートリッジBのリブ71pの挿入方向(矢印方向C)上流側には第二係合部71p2が設けられている。カートリッジBを矢印C方向と逆に移動させると、被位置決め部71dがレバー16gに接触するよりも先に、第二係合部71p2が面16g3と接触する。そして、カートリッジBの取り出し力によって第二係合部71p2を介してレバー16gに力F3を与える。これによりレバー16gは軸中心H周りにN2方向に回転し、第一の位置から第二の位置へ移動する。なお、その後の取り出し動作については先述したカートリッジBの装着動作と逆の動作になるため、説明は省略する。
【0054】
以上示したように本実施例によれば、適合するカートリッジの着脱動作に影響することなく、画像形成装置に対するカートリッジの適合と不適合を簡素な構成で確実に判断することができる。
【符号の説明】
【0055】
16…非駆動側板、16d…ガイドレール、16f…ガイドレール、16g…レバー(可動部材)、16g1…被規制面、16g2…規制部、16g3…面(被係合部)、16g4…突起、16k…規制面、17…挿入口、60…クリーニングユニット、71…クリーニング枠体、71d…被位置決め部、71d2…被位置決め部、71p…リブ、71p1…第一係合部、71p2…第二係合部、A…装置本体、B…適合カートリッジ、C…カートリッジ挿入方向、D…不適合カートリッジ(第2の不適合カートリッジ)、E…不適合カートリッジ(第1の不適合カートリッジ)、H…軸中心、X…被位置決め部71d2と被係合部16g2の接触点、F1、F2、F3…力、N1/N2…レバー16g回転方向
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10