(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022190088
(43)【公開日】2022-12-22
(54)【発明の名称】電気機械の1つ以上の構成要素の状態を監視するためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
H02K 13/00 20060101AFI20221215BHJP
【FI】
H02K13/00 X
H02K13/00 P
【審査請求】有
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022176480
(22)【出願日】2022-11-02
(62)【分割の表示】P 2021518568の分割
【原出願日】2019-10-03
(31)【優先権主張番号】62/741,152
(32)【優先日】2018-10-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/866,176
(32)【優先日】2019-06-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】515041468
【氏名又は名称】カッツフォース インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】CUTSFORTH,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】カッツフォース、ロバート エス.
(72)【発明者】
【氏名】カッツフォース、ダスティン エル.
(72)【発明者】
【氏名】ハリソン、デイビッド ウィリアム ドルーリー
(72)【発明者】
【氏名】ブルーイ、ダグラス クリストファー
(57)【要約】
【課題】改良された電気機械のカーボンブラシの摩耗状態を監視するためのシステムを提供する。
【解決手段】システムは、上面、上面と反対側の下面、上面から下面までの長さ、及び上面からカーボンブラシ内に延びる第1の空洞を含むカーボンブラシと、上面の挿入点でカーボンブラシから延びる1つ以上のリード線と、第1の端部、第2の端部、及びカーボンブラシの上面の上方に配置されるコイル状部分を有するばねと、ばねのコイル状部分とカーボンブラシの上面との間に配置されたスペーサと、センサを含む摩耗状態モニタと、を備える。センサは使用中にカーボンブラシの下面が摩耗するにつれてカーボンブラシの長さの初期の長さからの減少量を測定するように構成される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気機械のカーボンブラシの摩耗状態を監視するためのシステムであって、
上面、前記上面と反対側の下面、前記上面から前記下面までの長さ、及び前記上面からカーボンブラシ内に延びる第1の空洞を含むカーボンブラシと、
前記上面の挿入点で前記カーボンブラシから延びる1つ以上のリード線であって、前記第1の空洞は前記1つ以上のリード線の前記挿入点から間隔を空けた位置かつ前記1つ以上のリード線によって妨げられない位置で前記上面から前記カーボンブラシ内に延びる、1つ以上のリード線と、
第1の端部、第2の端部、及び前記カーボンブラシの前記上面上に配置されるコイル状部分を有するばねと、
前記ばねの前記コイル状部分と前記カーボンブラシの前記上面との間に配置されたスペーサであって、前記スペーサは前記スペーサの底面から離れるように延びる第1の突起を含み、前記第1の突起は前記第1の空洞内で解放可能に係合するように構成される、スペーサと、
センサを含む摩耗状態モニタであって、前記センサは使用中に前記カーボンブラシの前記下面が摩耗するにつれて前記カーボンブラシの長さの初期の長さからの減少量を測定するように構成される、摩耗状態モニタと、を備える、システム。
【請求項2】
前記センサは、前記ばねの前記コイル状部分内に配置される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第1の突起は、前記スペーサ及び前記カーボンブラシを損傷すること、及びそれらの間の接着結合又は他の境界面を破壊することの少なくとも一方が生じることなく、前記カーボンブラシに対して前記スペーサを手動で操作することを通じて、前記第1の空洞に挿入又は前記第1の空洞から取り外しされるように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記第1の空洞内の前記第1の突起の係合は、前記スペーサを前記カーボンブラシと一定の関係に保持するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記センサは、前記ばねの前記コイル状部分の角度変位を測定する、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記ばねの前記コイル状部分の前記測定された角度変位は、前記カーボンブラシの長さの減少量と相関する、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記第1の空洞は、前記カーボンブラシの前記上面に沿って延びる溝を含み、前記第1の突起は、前記溝と嵌合して前記溝に挿入するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記第1の空洞はテーパ面を含み、前記第1の突起は前記第1の空洞の前記テーパ面と嵌合するように設計されたテーパ面を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記カーボンブラシは、前記カーボンブラシの前記上面から前記カーボンブラシ内に延びる第2の空洞をさらに備え、前記第2の空洞は、前記第1の空洞から間隔を空けて配置される、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記スペーサは、前記第2の空洞内に延びる第2の突起をさらに備える、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記第1の突起および前記第2の突起は、前記カーボンブラシに同時に係合するように設計され、前記第1の突起および前記第2の突起と前記カーボンブラシとの係合は、前記スペーサを前記カーボンブラシと一定の関係に保持するように構成される、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記第1および第2の突起が前記第1および第2の空洞に配置されるとき、前記スペーサの前記底面が前記カーボンブラシの前記上面と並置される、請求項10に記載のシステム。
【請求項13】
前記摩耗状態モニタと無線通信するサイトモニタをさらに備え、前記摩耗状態モニタは、前記カーボンブラシについての摩耗状態情報を前記サイトモニタに伝達する、請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
前記摩耗状態モニタは、所定のスケジュールを使用して前記カーボンブラシについての摩耗状態情報を前記サイトモニタに伝達するように構成される、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記サイトモニタは、所定の間隔で前記摩耗状態モニタから前記カーボンブラシについての摩耗状態情報を受信するようにプログラムされる、請求項13に記載のシステム。
【請求項16】
前記センサは、前記センサに隣接して配置された永久磁石に対する前記センサの絶対角度位置を検出するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項17】
前記永久磁石に対する前記センサの角度回転は、前記カーボンブラシの長さの減少量に相関する、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記スペーサは凹状の受け台を規定する弧状表面を含み、前記ばねの前記コイル状部分は前記凹状の受け台内に配置される、請求項1に記載のシステム。
【請求項19】
前記電気機械の回転構成要素の導電性表面に向かう前記カーボンブラシの長手方向の動きをガイドするための複数のガイド面を含むブラシホルダをさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概ね、電気機器で使用され得るブラシ及びブラシホルダアセンブリ、及び/又はスリップリングアセンブリを監視するための監視システムに関する。より具体的には、本開示は、センサを使用してブラシホルダアセンブリ内のブラシの摩耗及び/又は電気機器のスリップリングの状態を監視する監視装置、アセンブリ、システム、及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電気機器のブラシの目的は、静止接触表面から可動接触表面に、又はその逆に電流を流すことである。ブラシ及びブラシホルダは、発電機、電気モータ、及び/又はスリップリングアセンブリ等の電気機器に使用することができ、あるいはスライド接続アプリケーション、例えば回転クレーン等の回転機械上のスリップリングアセンブリ、又はモノレール上の線形スライド接続に使用され得る。多くの電気機器のブラシは、導電性表面又は電流を流すための表面と接触するように適合された、グラファイト、カーボングラファイト、エレクトログラファイト、金属グラファイト等の導電性材料で作られたブロック又は他の構造である。ブラシから導電性のリード線又はシャントが延びており、ブラシから他の導電性部材へ、及び/又は他の導電性部材からブラシへの電気経路を提供する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
いくつかの設計では、ブラシボックスタイプのブラシホルダ、又は他のタイプのブラシホルダは、動作中に電気機器の可動接触表面と接触するブラシを支持するために使用され得る。ブラシ及びブラシボックスは、ブラシがブラシボックス内でスライドして、ブラシとブラシが接触する可動接触表面との間の継続的な接触を提供するように設計し得る。動作中に、電気機器の1つ以上の構成要素を交換する必要があること、電気機器の1つ以上の構成要素に検査又は注意が必要なこと、及び/又はメンテナンスを実行することが必要であることを示し得る、異常及び/又は閾値状態が発生する可能性がある。例えば、異常及び/又は閾値状態は、1つ以上のブラシ、ブラシホルダ、ばね、シャント、整流子、集電リング、及び/又は他の構成要素を交換する必要があること、1つ以上のブラシ、ブラシホルダ、ばね、シャント、整流子、集電リング、及び/又はその他の構成要素を検査する必要があること、及び/又はメンテナンスを実行する必要があることを示し得る。異常及び/又は閾値状態の発生を注視するために、電気機器の1つ以上の構成要素を監視することが有利であろう。さらに、異常及び/又は閾値状態の発生を作業者及び/又は技術者に警告すること、及び/又は技術者の介入をスケジュールすることは有利であろう。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示は、センサを使用してブラシホルダアセンブリ内のブラシの摩耗及び/又は電気機器のスリップリングの状態を監視する監視装置、アセンブリ、システム、及び方法に向けられる。
【0005】
電気機械の例示的なブラシホルダアセンブリは、上面及び上面と反対側の下面を含むカーボンブラシを含む。ブラシホルダアセンブリはまた、上面の挿入点でカーボンブラシから延びる1つ以上のリード線と、1つ以上のリード線の挿入点から間隔を空けた位置かつ1つ以上のリード線によって妨げられない位置で上面からカーボンブラシ内に延びる第1の空洞とを含む。
【0006】
代替的に又は追加的に、カーボンブラシに連結され、第1の空洞内で解放可能に係合するように構成された第1の突起を含むスペーサをさらに備える。
代替的に又は追加的に、スペーサに連結された摩耗状態モニタをさらに備え、摩耗状態モニタは、摩耗状態モニタが回転する際の摩耗状態モニタの角度変位を測定するように設計される。
【0007】
代替的に又は追加的に、ブラシは、上面から下面までの長さをさらに含み、前記長さは使用中にカーボンブラシの下面が摩耗するにつれて初期の長さから減少し、測定された摩耗状態モニタの角度変位は、カーボンブラシの長さの減少量と相関する。
【0008】
代替的に又は追加的に、カーボンブラシの第1の空洞における第1の突起の係合は、スペーサをカーボンブラシと一定の関係に保持するように構成される。
代替的に又は追加的に、第1の突起は、スペーサの底面から離れるように延びる。
【0009】
代替的に又は追加的に、第1の空洞は、カーボンブラシの上面に沿って延びる溝を含み、第1の突起は、溝と嵌合して該溝に挿入するように構成される。
代替的に又は追加的に、第1の空洞は第1のテーパ面を含み、第1の突起は第1の空洞の第1のテーパ面と嵌合するように設計された第2のテーパ面を含む。
【0010】
代替的に又は追加的に、カーボンブラシは、1つ以上のリード線の挿入点から間隔を空けた位置かつ1つ以上のリード線によって妨げられない位置で上面からカーボンブラシ内に延びる第2の空洞をさらに備え、第2の空洞は、第1の空洞から間隔を空けて配置される。
【0011】
代替的に又は追加的に、スペーサは、第2の空洞内で解放可能に係合するように構成された第2の突起をさらに備える。
代替的に又は追加的に、第1の突起及び第2の突起は、カーボンブラシに同時に係合するように設計され、第1の突起及び第2の突起とカーボンブラシの第1及び第2の空洞との係合は、スペーサをカーボンブラシと一定の関係に保持するように構成される。
【0012】
代替的に又は追加的に、第1の突起及び第2の突起の両方は、スペーサの底面から離れるように延びる。
代替的に又は追加的に、第1の突起及び第2の突起の両方の形状は、第1の空洞及び第2の空洞と嵌合するように設計される。
【0013】
カーボンブラシの摩耗状態を監視するための別の例示的なシステムは、ブラシホルダアセンブリを含む。ブラシホルダアセンブリは、上面、上面と反対側の下面、及び上面から下面までの長さを含むカーボンブラシを含み、使用中にカーボンブラシの下面が摩耗するにつれて、前記長さは初期の長さから減少する。ブラシホルダアセンブリはまた、第1の端部及び第2の端部、ならびにコイル状部分を有するばねを含む。さらに、ブラシホルダアセンブリは、ばねのコイル状部分内に配置され、センサを含む摩耗状態モニタを含み、センサは、摩耗状態モニタが回転する際の摩耗状態モニタの角度変位を測定するように構成される。追加的に、ブラシアセンブリは、ばねのコイル状部分とカーボンブラシの上面との間に配置されたスペーサをさらに含み、スペーサは、スペーサの底面から離れるように延びる第1の突起を含み、カーボンブラシは、上面からカーボンブラシ内に延びる第1の空洞を含み、第1の空洞は、その中に第1の突起を受承する。
【0014】
代替的に又は追加的に、第1の端部及び第1の端部から離れるように延びる第2の端部を有するリード線をさらに備え、第1の端部は、カーボンブラシの上面における第1の空洞から間隔を空けた挿入点でカーボンブラシ内に延びる。
【0015】
代替的に又は追加的に、第1の空洞内の第1の突起の係合は、スペーサをカーボンブラシと一定の関係に保持するように構成される。
代替的に又は追加的に、摩耗状態モニタの測定された角度変位は、カーボンブラシの長さの減少量と相関する。
【0016】
代替的に又は追加的に、第1の空洞は、カーボンブラシの上面に沿って延びる溝を含み、第1の突起は、溝と嵌合して該溝に挿入するように構成される。
代替的に又は追加的に、第1の空洞はテーパ面を含み、第1の突起は第1の空洞のテーパ面と嵌合するように設計されたテーパ面を含む。
【0017】
代替的に又は追加的に、カーボンブラシは、カーボンブラシの上面からカーボンブラシ内に延びる第2の空洞をさらに備え、第2の空洞は、第1の空洞から間隔を空けて配置される。
【0018】
代替的に又は追加的に、スペーサは、第2の空洞内に延びる第2の突起をさらに備える。
代替的に又は追加的に、第1の突起及び第2の突起は、カーボンブラシに同時に係合するように設計され、第1の突起及び第2の突起とカーボンブラシとの係合は、スペーサをカーボンブラシと一定の関係に保持するように構成される。
【0019】
代替的に又は追加的に、第1の突起及び第2の突起の両方は、スペーサの底面から離れるように延びる。
代替的に又は追加的に、第1及び第2の突起が第1及び第2の空洞に配置されるとき、スペーサの底面がカーボンブラシの上面と並置される。
【0020】
電気機器のブラシホルダアセンブリ用の別の例示的なアセンブリは、上面、上面と反対側の下面、及び上面から下面までの長さを含むカーボンブラシを含む。ブラシアセンブリはまた、上面の挿入点でカーボンブラシから延びる1つ以上のリード線と、1つ以上のリード線の挿入点から間隔を空けた位置かつ1つ以上のリード線によって妨げられない位置で上面からカーボンブラシ内に延びる第1及び第2の空洞とを含む。さらに、ブラシアセンブリは、下面から延びる第1及び第2の突起を有するスペーサを含み、第1及び第2の突起は、スペーサの下面がカーボンブラシの上面と並置されるときに第1及び第2の空洞に挿入されるように構成される。
【0021】
いくつかの実施形態、態様、及び/又は例の上記の概要は、本開示の各実施形態又はすべての実装を説明することを意図するものではない。以下の図及び詳細な説明は、これらの実施形態をより具体的に例示している。
【0022】
本開示の態様は、添付の図面に関する様々な実施形態の後述する詳細な説明を考慮してより完全に理解される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】
図1は、電気機械の構成要素に隣接して配置された例示的なブラシ監視システムを示す図である。
【
図2】
図2は、ブラシ上のスペーサに隣接して配置された摩耗状態モニタ及びばねの例を示す図である。
【
図3】
図3は、
図2に示される摩耗状態モニタの構成要素及び結合されるばねの分解図である。
【
図5】
図5は、
図4Aに示すカーボンブラシと位置合わせされた、
図3に示す摩耗状態モニタのスペーサを示す図である。
【
図6】
図6は、別の例示的なカーボンブラシと位置合わせされた別の例示的なスペーサを示す図である。
【
図7】
図7は、
図6に示すスペーサ及びカーボンブラシの斜視図である。
【
図8】
図8は、別の例示的なカーボンブラシと位置合わせされた別の例示的なスペーサを示す図である。
【
図9】
図9は、
図8に示すスペーサ及びカーボンブラシの斜視図である。
【
図10】
図10は、別の例示的なカーボンブラシと位置合わせされた別の例示的なスペーサを示す図である。
【
図15】
図15は、第1の摩耗状態での例示的なブラシホルダアセンブリの側面図である。
【
図16】
図16は、第2の摩耗状態での例示的なブラシホルダアセンブリの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本開示は、様々な改良及び代替形態を受け入れるものの、それぞれの詳細については図面中に一例として示しており、以下に詳しく説明する。しかし、この意図は、本開示の態様が説明される特定の実施形態に限定されることではないことを理解されてたい。逆に、この意図は、本開示の主旨及び範囲に含まれるすべての改良物、均等物、及び代替物を網羅することである。
【0025】
以下に定義された用語について、これらの定義は、特許請求の範囲又は本明細書の他の場所で異なる定義が与えられていない限り、適用されるものとする。
本明細書において、すべての数値は、明示的に示されているか否かを問わず、「約」という用語によって修飾されるものとみなす。「約」という用語は、記載された値に対して当業者が同等と考えるであろう(すなわち、同じ機能又は結果を有する)範囲の数字を概ね表す。多くの場合、「約」という用語は、最も近い有効数字に丸められる数字を含み得る。
【0026】
端点による数値範囲の記載は、該範囲内のすべての数字を含む(例えば、1~5は、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4、及び5を含む。)。
様々な構成要素、特徴及び/又は仕様に関係するいくつかの適切な寸法、範囲、及び/又は値が開示されるが、本開示によって刺激される当業者は、所望の寸法、範囲、及び/又は値が、明示されるものから逸脱してもよいことを理解するであろう。
【0027】
本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用されるように、単数形の表現は、内容が他に明白に示されない限り、複数の指示対象を含む。本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用されるように、用語「又は」は、特に明確な記載がない限り、通常その意味において「及び/又は」を含んで使用される。
【0028】
以下の詳細な説明は、異なる図面の同様の要素には同じ参照符号が付与される図面を参照して読まれるべきである。詳細な説明及び図面は、縮尺が必ずしも正確なものではなく、例示的な実施形態を示すものであり、本開示の範囲を限定するように意図されるものではない。図示の実施形態は、例示に過ぎないものと意図される。任意の例示的な実施形態の選択される特徴は、特に反対の記載が明示されない限り、追加的な実施形態に組み込まれ得る。
【0029】
図1は、ブラシホルダアセンブリ110、サイトモニタ120、及び/又は遠隔監視機器150,160を含む遠隔監視サイト140を含み得る例示的なブラシ監視システム100を示す。場合によっては、ブラシホルダアセンブリ110は、本明細書に援用する、「BRUSH HOLDER APPARATUS, BRUSH ASSEMBLY, AND METHOD」という名称の米国特許第7034430号明細書に記載されているブラシホルダアセンブリに実質的に類似していてもよい。しかし、例示的なブラシ監視システム100は、様々なブラシホルダアセンブリの構成のいずれを受け入れてもよい。したがって、この意図は、例示的なブラシ監視システム100を、産業用発電機等の電気機器における任意の所望のブラシホルダアセンブリ構成と組み合わせて使用し得ることである。例えば、例示的なブラシ監視システム100は、米国特許第6731042号明細書、米国特許第5753992号明細書、米国特許第5621262号明細書、米国特許第5463264号明細書、米国特許第5397952号明細書及び米国特許第5256925号明細書に開示されている、ブラシホルダアセンブリ、ブラシホルダ、及び/又はブラシと一緒に使用してもよい。これら文献のそれぞれは、本明細書に援用する。
【0030】
図1は、第1の端面34及び第2の端面35と、それらの間に延びた長さとを含むブラシ24を示す。第2の端面35は、電気機械(例えば、集電リング、スリップリング、又は整流子)の回転構成要素15の導電性表面12と電気的に接触し、そこから電流を伝導し得る。さらに、いくつかの例では、
図1は、ブラシ24の1つ以上の側面がブラシホルダ22(例えば、ブラシボックス)によって囲まれ得、それにより、ブラシホルダ22は、回転構成要素15の導電性表面12に向かうブラシ24の直線的又は長手方向の動きをガイドするための複数のガイド面を含み得ることを示す。換言すれば、ブラシ24は、ブラシ24が摩耗するにつれて、ブラシホルダ22の複数のガイド面によって規定される開口内で直線的に移動し得る。いくつかの実施形態では、ブラシホルダ22は箱の形態をとることはできないが、ブラシ24の直線的又は長手方向の動きをガイドするために、ブラシ24の1つ以上の側面又はその一部に当接する、及び/又は、ブラシ24の1つ以上の側面又はその一部を包囲する、及び/又は、ブラシ24内又はその一部の中に延在するか、あるいは貫通する、溝、棒又は柱等の1つ以上のガイド面を含むことが企図される。
【0031】
図1はさらに、ブラシホルダ22が、取り付けブロック70等の別の構造に取り付けられるように構成かつ適合された取り付け梁26に固定され得ることを示す。ブラシホルダアセンブリ110は、ブラシ24を電気機械の回転構成要素15の表面等の導電性表面12と接触させて配置するように構成され得る。ブラシ24は、ブラシ24の第2の端面35が導電性表面12と係合するように、ブラシホルダ22の下端から延在し得る。取り付け梁26は、オーバセンタ係合機構、スライド係合のためのスロット付き又は溝付き係合機構、又は導電性表面12に対してブラシ24を容易に係合及び係合解除するための他の機構を含み得る。他の実施形態では、ブラシホルダアセンブリ110は、ブラシホルダ22を静止状態に保持する別の構造にしっかりと取り付けられたブラシホルダ22、又は任意の所望の配置で別の構造に取り付けられたブラシホルダ22を含み得る。例えば、いくつかの実施形態では、ブラシホルダ22は、固定構造にボルト締め又は溶接してもよい。そのようなブラシホルダのいくつかは、米国特許第6731042号明細書、米国特許第5753992号明細書、米国特許第5621262号明細書、米国特許第5463264号明細書、米国特許第5397952号明細書及び米国特許第5256925号明細書に開示されている。これらの文献は、本明細書に援用する。
【0032】
図1に示すように、取り付け梁26は、互いにヒンジ連結又はピボット連結された上側梁部材27及び下側梁部材28を含み得る。上側梁部材27と下側梁部材28が互いに整列している(例えば、上側梁部材27の長手方向軸が下側梁部材28の長手方向軸と平行である)場合、ブラシホルダ22は、ブラシ24が導電性表面12に隣接する又は接触するように、係合された又はロックされた位置にあると考えられ得る。上側梁部材27が下側梁部材28から傾斜している(例えば、上側梁部材27の長手方向軸が下側梁部材28の長手方向軸に対して斜めである)場合、ブラシホルダ22は、ブラシ24が導電性表面と非隣接である、間隔を空ける、又は導電性表面12と直接電気的に接触しないように、係合解除された又はアンロックされた位置にあると考えられ得る。取り付け梁26は、使用中に取り付けブロック70に取り外し可能に連結され得る。いくつかの実施形態では、取り付け梁26は、取り付けブロック70とスライド可能に係合、連動、又は取り外し可能に連結され得る。取り付けブロック70は、例えば、導電性表面12に対して取り付けブロック70を静止状態に(すなわち、一定の距離で)維持する別の構造に連結、固定、又は別の構造から延在し得る。
【0033】
いくつかの実施形態では、導電性表面12に対するブラシ24の係合及び係合解除を容易にするように、ハンドル21をブラシホルダ22に取り付けてもよい。例えば、ハンドル21は、ハンドル21の動きが下側梁部材28に対して上側梁部材27を駆動(例えば、旋回、スライド、解放)させるように、上側梁部材27に取り付けられ得る。ハンドル21は、取り外し可能なハンドルであり得る、あるいはハンドル21は、上側梁部材27又はブラシホルダ22の別の部分に恒久的に取り付けられ得る。
【0034】
図1はさらに、ブラシホルダアセンブリ110が摩耗状態モニタ50及びスペーサ30を含み得ることを示す。スペーサ30は、ブラシ24の第1の端面34に取り付けられ得る。追加的に、
図1は、摩耗状態モニタ50がばね29に連結され得ることを示す。いくつかの例では、ばね29の一部は摩耗状態モニタ50の一部の周りに巻かれ、ばねの長尺状部分はコイル状部分から延在し得る。以下、摩耗状態モニタ50、スペーサ30及びばね29のさらなる詳細な説明がされる。
【0035】
いくつかの例では、摩耗状態モニタ50は、ブラシ24の「摩耗状態」に対応する様々なパラメータを収集及び/又は測定する1つ以上のセンサを含み得る。例えば、摩耗状態モニタ50は、ブラシ24が回転構成要素15の導電性表面12と接触している間に、ブラシ24が摩耗する程度を測定及び/又は伝達する1つ以上のセンサを含み得る。いくつかの例では、センサはまた、ブラシホルダアセンブリ110(その個々の構成要素を含む)及び/又はブラシ24の振動及び/又は温度、及び/又は例えばブラシ24を流れる電流を測定し得る。
【0036】
場合によっては、摩耗状態モニタ50は、ばね29とは異なり、ブラシホルダアセンブリ110の構成要素の表面に隣接して配置され得る。例えば、摩耗状態モニタ50は、ブラシホルダ22、下側梁部材28、上側梁部材27上に又は隣接して、及び/又はブラシホルダアセンブリ110のハンドル21上に又は隣接して配置され得る。場合によっては、摩耗状態モニタ50は、ハンドル21の一部又はブラシホルダアセンブリ110の他の構成要素に恒久的及び/又は取り外し可能に組み込まれ得る。いくつかの例では、摩耗状態モニタ50は、ばね29からフリーであり得る。
【0037】
上記のように、いくつかの例では、摩耗状態モニタ50は、ばね29の表面に隣接して、又はばね29のコイル状部分内等、ばね29内に取り付けられ得る。ばね29は、ブラシ24、摩耗状態モニタ50、又はブラシ24と摩耗状態モニタ50の両方に張力を提供し、ブラシ24を回転構成要素15の導電性表面12に向けて接触させるように付勢する定力ばねを含み得る。換言すれば、ばね29は、スリップリング、整流子等の電気機械の回転構成要素にブラシ24を係合させる力を提供するように設計されたコイル状部分を含み得る。
【0038】
いくつかの例では、ばね29は、ブラシホルダ22の一部及び/又はブラシホルダアセンブリ110の取り付け梁26に取り付けられ得る。場合によっては、ばね29の第1の端部32は、ブラシホルダ及び/又は取り付け梁26に取り外し可能に連結され得、ばね29の長尺状部分は、ブラシ24と取り付け梁26との間でブラシ24の側面に沿って延びる。したがって、いくつかの実施形態では、ばね29の長尺状部分は、ブラシ24とブラシホルダアセンブリ110の取り付け梁26との間でブラシ24の一側面に沿って、ブラシ24の上面34上に配置されたばね29のコイル状部分まで延在し得る。ばね29における反対側の第2の端部33は、ばね29のコイル状部分の内部に配置され得る。
【0039】
場合によっては、摩耗状態モニタ50はまた、摩耗状態情報をユーザに伝達するための1つ以上のインジケータ55(例えば、1つ以上の発光ダイオード(LED)、スピーカ、又はLED及び/又はスピーカの組み合わせ)を含み得る。場合によっては、摩耗状態モニタ50は、インジケータ55を介して、ブラシ24及び/又は回転構成要素15の摩耗状態についての情報をユーザに伝達可能で有り得る。場合によっては、摩耗状態モニタ50は、サイトモニタ120及び/又は同サイト又は遠隔地に配置されたプログラミング機器(例えば、コンピュータ150、タブレット160、スマートフォン等)等の外部機器からメッセージを受信可能であり得る。メッセージは、ブラシ24及び/又は回転構成要素15についての摩耗状態情報を送信するためのコマンド、又は摩耗状態モニタ50によって使用される情報を変更するためのコマンド等のコマンドを含み得る。例えば、ユーザは、ブラシ24及び/又は回転構成要素15の摩耗状態情報を判定するために使用される1つ以上の閾値を変更すること、及び/又は命令、テーブル及び/又は類似のものをダウンロードすることによって摩耗状態モニタ50をプログラムし直すことを希望できる。
【0040】
上記のように、いくつかの例では、摩耗状態モニタ50は、ブラシ24の摩耗状態に関する情報を測定及び/又は収集し得る。特に、摩耗状態モニタ50は、導電性表面12に接触するブラシ24の第2の端面35が摩耗した程度(すなわち、ブラシホルダアセンブリ110に取り付けられたときの初期の長さからある時点までのブラシ24の長さの減少量)に関する情報を測定及び収集するように設計され得る。ブラシ24の第2の端面が回転構成要素15との接触を維持するので、ブラシ24の第2の端面35が摩耗し、それによってブラシ24の全長が短くなることが理解されよう。
【0041】
上記のように、ばね29は、ブラシホルダ22によって規定される開口に沿って直線的に向けられる力をブラシ24に加え得る。さらに、ブラシ24がブラシホルダ22内で長さが減少するにつれて、摩耗状態モニタ50は、ばね29のコイル内で回転し得、一方、摩耗状態モニタ50の回転軸は、回転構成要素15の導電性表面12に向かうブラシ24の直線的な移動に伴って、直線的に移動する。追加的に、センサは、摩耗状態モニタ50内に配置され得、ブラシ24がブラシホルダアセンブリ110に取り付けられたときの初期位置からの、又は任意の他の所望の期間における、摩耗状態モニタ50の回転の程度(例えば、全角度距離及び/又は全弧長)を表すデータを測定及び収集し得る。(摩耗状態モニタ50内に配置された)センサによって測定された回転量は、ブラシ24がブラシホルダ22内で平行移動する(例えば、短くなる)ときのブラシ24の直線的又は長手方向の動きと等価にすることも、比例させることも、さもなければそれらを表すことも可能であり、したがって、ブラシ24の初期の長さからの減少量と等価にすることも、比例させることも、さもなければそれらを表すことも可能であり得ることが理解されよう。
【0042】
場合によっては、センサは、摩耗状態モニタ50の回転を、ブラシ24の摩耗状態、及び/又は、導電性表面12及び/又は回転構成要素15の摩耗状態と関連付け得る。センサによって測定された値(例えば、摩耗状態モニタ50の回転量)は、回転構成要素15の導電性表面12に対するブラシ24の第1の端部の位置に対応し得る。場合によっては、センサによって測定された値は、ブラシ24の任意の所望の時間間隔又は摩耗期間にわたって得られた値に対応し得る。値(例えば、摩耗状態モニタ50の初期位置からの回転量)は、ブラシ24の摩耗状態及び/又は機械についての他の診断情報を判定するために、1つ以上の所定の閾値と比較され得ることが理解されよう。
【0043】
例えば、場合によっては、摩耗状態モニタ50(その中に配置されたセンサを含む)は、ブラシ24の振動を監視するように構成され得る。ブラシ24の振動は、電気機械の回転構成要素15の1つ以上の欠陥、摩耗、又は他の変形に起因する可能性がある。例えば、スリップリングが変形したり、不均一に摩耗したりして、スリップリングの1つ以上の部分が真円から外れ得る。ブラシ24が回転構成要素15の回転中に1つ以上の位置でこれらの欠陥に遭遇すると、欠陥は、回転速度及び/又は回転構成要素15(例えば、スリップリング、整流子等)の導電性表面12における欠陥の数に対応する速度でブラシ24を振動させ得る。いくつかの例では、摩耗状態モニタ50の一時的な角度変位(transient angular displacement)は、電気機械の回転構成要素15の振動又は他の変形における閾値変化に対応及び/又は相関し得る。本明細書で使用される場合、「一時的な角度変位」は、振動方式での摩耗状態モニタ50の回転方向の瞬間的な変化を意味する。したがって、いくつかの例では、摩耗状態モニタ50の(振動の閾値変化に対応し得る)一時的な角度変位に対応する情報が収集され、サイトモニタ120に送信されて、ブラシ24が過度の振動を受けているか否かが判定され得る。
【0044】
同様に、摩耗状態モニタ50内に配置されたセンサ(又は別個の温度センサ)は、ブラシ24、電気機械の他の構成要素、及び/又はブラシホルダアセンブリ110を囲む周辺気温の温度に関連する情報を測定及び収集し得ることが理解されよう。さらに、収集された温度値は、監視及び/又は1つ以上の所定の温度閾値と比較され得、それにより、温度閾値は、電気機械の1つ以上の構成要素に対して実施されるべき検査及び/又はメンテナンスの必要性を示す信号をサイトモニタ120に送信するようにセンサを動作させ得る。例えば、場合によっては、温度閾値は、測定された温度が摂氏125度の閾値温度等の閾値温度を超えたときに信号を送信するように設定され得る。換言すれば、温度センサが摂氏125度を超える温度(例えば、周辺気温、電気機械の構成要素の温度等)を測定する場合、サイトモニタ120に信号を送信して、電気機械の1つ以上の構成要素に対して実施されるべき検査及び/又はメンテナンスの必要性を担当者に警告し得る。他の例では、閾値温度は、例えば、摂氏100度から摂氏140度の範囲、摂氏110度から摂氏130度の範囲、又は摂氏120度から摂氏130度の範囲に設定され得る。
【0045】
場合によっては、サイトモニタ120は、1つ以上のブラシホルダアセンブリ110の摩耗状態、及び/又はスリップリング又は電気機械の他の回転構成要素の摩耗状態を監視するために、電気機械の近くに配置され得る。サイトモニタ120は、ブラシホルダアセンブリ110のブラシ24の摩耗状態を監視可能であり得る。場合によっては、サイトモニタ120は、1つ以上の電気機械に関連する2つ以上のブラシホルダアセンブリ110のブラシ24の動きを監視可能であり得る。例えば、サイトモニタ120は、通信リンク115(無線リンク)を介して、ブラシホルダアセンブリ110の摩耗状態モニタ50等、特定の電気機械に関連する1つ以上又は複数の摩耗状態モニタ50に通信可能に連結され得る。サイトモニタ120は、ブラシ24及び/又は回転構成要素15の摩耗状態についての情報を提供する処理データ及び/又は生データを受信するように構成され得る。例えば、サイトモニタ120は、ブラシ24が電気機械に取り付けられた後のある時点で、摩耗状態モニタ50の初期位置からの回転量に対応するセンサから受け取った値についての情報を受信し得る。しかし、他の例では、サイトモニタ120は、センサによって取得された値、及びその値と1つ以上の所定の閾値との間の比較についての情報を受信し得る。場合によっては、通信リンク115は、無線周波数(RF)通信リンク、音声ベースの通信リンク(例えば、超音波通信リンク)、及び/又は光通信リンク(例えば、赤外線(IR)通信リンク、可視光通信リンク等)を含み得る。場合によっては、サイトモニタ120は、将来におけるブラシ24の推定突出状態を予測又は判定するように構成され得る。
【0046】
いくつかの例では、摩耗状態モニタ50は、所定のスケジュール(例えば、1時間に1回又は1時間毎に、1日に1回又は1日毎に、1週間に1回又は1週間毎に、1週間に2回等)を使用して、ブラシ24についての摩耗状態情報をサイトモニタ120に伝達するように構成され得る。いくつかの例では、摩耗状態モニタ50は、サイトモニタ120及び/又は遠隔監視機器150,160から受信したコマンドに応答して、ブラシ24及び/又は電気機械の回転構成要素15についての摩耗状態情報をサイトモニタ120に提供し得る。追加的に、サイトモニタ120は、所定の間隔でブラシ24についての摩耗状態情報を受信するようにプログラムされ得る。場合によっては、所定の間隔は特定の値(例えば、1時間に1回又は1時間毎に、1日に1回又は1日毎に、1週間に1回又は1週間毎に、1週間に2回等)に固定され得、他の場合には、この間隔は、特定の摩耗状態に達した後に変化され得る。例えば、サイトモニタ120は、1つ以上のブラシ24及び/又は回転構成要素15が交換摩耗状態に近い摩耗状態に達するまで、摩耗状態モニタ50から摩耗状態情報を、例えば1日1回等の第1の時間間隔で受信するように構成され得る。その時点で、摩耗状態モニタ50は、1時間毎等の第2の短い時間間隔で、ブラシ24から摩耗状態情報をサンプリングし得る。したがって、摩耗状態モニタ50からの摩耗状態情報は、ブラシ24が第1の摩耗状態に達するまで、第1の周波数でサイトモニタ120に伝達され得、その後、摩耗状態情報は、第1の周波数よりも大きな第2の周波数でサイトモニタ120に伝達され得る。
【0047】
サイトモニタ120は、ブラシ24の状態及び/又は突出状態の表示を出力し得る。場合によっては、表示は、ブラシ24及び/又は回転構成要素15が十分に摩耗している及び/又は交換する必要があること、ブラシ24及び/又は回転構成要素15が損傷していること、故障が発生したか又は故障が差し迫っていること、又は他のメンテナンス又は検査を実施する必要があることを作業者、技術者及び/又は他の担当者に警告するように構成され得る。いくつかの実施形態では、表示は、メンテナンス又は検査のスケジューリング、メンテナンス又は検査を実行するための担当者の派遣、交換用ブラシ又は他の部品の配布/配送の注文及び/又はスケジューリング、メンテナンス担当者及び/又は製品配送の特定の場所へのルーティング、又は他の通知のための手配及び/又は実行すべきタスクのスケジューリングのために、使用され得る。
【0048】
ブラシ監視システム100はまた、他のキーメンテナンス、ブラシホルダアセンブリ110の故障、及び/又は他の異常な状態を特定及び/又は通知するために使用され得る。例えば、電気設備のメンテナンスを実行する及び/又は動作を中断する必要性を示し得る過剰な加熱、アーク放電又は過剰な振動のインシデントは、ブラシ監視システム100の1つ以上の構成要素によって特定及び/又は評価され得る。摩耗状態モニタ50、サイトモニタ120、及び/又は遠隔監視機器150,160は、異常状態を是正しようとして、特定された異常状態に応答するための適切な応答を実行し得る。場合によっては、作業者は、異常状態を是正しようとして、ブラシ監視システム100で特定された異常状態に応答するために適切な応答を実行し得る。
【0049】
場合によっては、サイトモニタ120は、無線リンク125及び/又は有線リンク127によってネットワーク130に通信可能に連結され得る。サイトモニタ120は、1つ以上のブラシ24の摩耗状態についての情報を、ネットワーク130及び1つ以上の有線137及び/又は無線135の通信リンクを介して、遠隔監視サイト140の遠隔監視機器150,160に通信可能であり得る。有線リンク127,137及び/又は無線リンク125,135の通信リンクは、1つ以上の標準化された通信プロトコル(例えば、Ethernet(登録商標)、Ethernet/IP、BACnet、Modbus、LonWorks等)、又は独自の通信プロトコルを使用して動作するように構成され得る。遠隔監視システムの例は、「MONITORING SYSTEMS AND METHODS FOR MONITORING THE CONDITION OF ONE OR MORE COMPONENTS OF AN ELECTRICAL DEVICE」という名称の米国特許第7705744号明細書、「BRUSH HOLDER ASSEMBLY MONITORING APPARATUS, ASSEMBLY, SYSTEM AND METHOD」という名称の米国特許第8618943号明細書、及び「SYSTEM AND METHOD FOR MONITORING THE STATUS OF ONE OR MORE COMPONENTS OF AN ELECTRICAL MACHINE」という名称の米国特許第9252643号明細書に記載されている。これらの文献は、本明細書に援用する。遠隔監視サイト140は、1つ以上のユーザサイトから受信したデータを収集及び/又は分析するために、パーソナルコンピュータ160、ワークステーション、ラップトップ、タブレット150、スマートフォン等の1つ以上の遠隔モニタを含み得る。
【0050】
遠隔監視機器及び/又はサイトモニタ120は、ブラシホルダアセンブリ110のメンテナンスプログラムに統合され得、それにより、サイトモニタ120は、ブラシホルダアセンブリ110の1つ以上の構成要素の少なくとも状態を監視するように構成され得る。これを行うために、遠隔モニタ及び/又はサイトモニタ120は、特定の機械又は特定のサイトで各ブラシホルダアセンブリ110を識別し、及び/又は各ブラシホルダアセンブリ110及び/又はその構成要素についての設置日及び任意のサービス日、例えば、ブラシホルダアセンブリ110におけるブラシ24の設置日を記憶するように構成され得る。いくつかの例では、摩耗状態モニタ50(又はブラシホルダアセンブリ110の他のセンサ)は、ブラシ24又は電気機械の他の構成要素が取り外された及び/又は交換されたことを示す信号、及び/又は新しいブラシ24が取り付けられたことの表示をサイトモニタ120に出力してもよい。構成要素の交換情報は、摩耗状態モニタ50、ブラシアセンブリ110の1つ以上のセンサ、及び/又はサイトモニタ120によって収集及び監視され得る。
【0051】
場合によっては、ブラシ24及び/又は電気機械の回転構成要素15についての傾向情報を判定するために、ブラシホルダアセンブリ110に関連する摩耗状態モニタ50から受信した1つ以上のパラメータが経時的に監視され得る。例えば、サイトモニタ120及び/又は遠隔モニタは、特定のブラシホルダアセンブリ110に設置されたブラシ24及び/又は電気機械の特定の設置位置の平均寿命を含み得る傾向情報を判定し得る。サイトモニタ120及び/又は遠隔モニタは、ブラシ24及び/又はブラシホルダアセンブリ110が最初に電気機械に設置されたときにブラシ24の位置についての情報を記憶するように構成され得る。ブラシ24が交換され、新しいブラシ24がブラシホルダアセンブリ110に取り付けられるたびに、ブラシ24の最終位置及び/又は交換日、ならびに初期位置及び/又は設置日を監視することによって、回転構成要素15の摩耗状態についての情報を収集し得る。例えば、スリップリング、又は電気機械の他の回転構成要素は、初期外径測定値を有し得る。時間の経過とともに、通常の摩耗及び/又は環境条件(例えば、湿度、温度、研磨剤を含む混入物質等)に起因する摩耗を含む摩耗を利用して、回転構成要素15の厚さ及び/又は外径に関連する摩耗状態が測定及び/又は予測され得る。場合によっては、ブラシ24及び/又は回転構成要素15の寿命を改善するための予防措置は、1つ以上の摩耗状態モニタ50から受信する情報の分析によって取得され得る。例えば、ユーザは、温度、湿度レベル、及び/又は混入物質レベル等、電気機械付近の空間の1つ以上の環境条件を調整するようにアドバイスされ得る。
【0052】
図2は、カーボンブラシ24の上面の上に配置された、
図1に示される摩耗状態モニタ50、ばね29及びスペーサ30を示す。
図3は、
図2に示された摩耗状態モニタ50、ばね29及びスペーサ30の分解斜視図を示す。明確化のため、
図3は、
図1及び
図2に示されたそれらの向きと比較して、180度回転された後の摩耗状態モニタ50、ばね29及びスペーサ30を示す。
【0053】
図2に示すように、いくつかの例では、摩耗状態モニタ50及びばね29は、スペーサ30における凹状の受け台内等、スペーサ30内に入れ子にされ得る。スペーサ30は、ばね29のコイル状部分とカーボンブラシ24の上面又は第1の端面34との間に配置され得る。場合によっては、スペーサ30は、スペーサ30がブラシ24と一緒に移動するように、ブラシ24の第1の端面34に取り付けられ得る。
【0054】
例えば、
図3及び
図5に示すように、スペーサ30は、スペーサ30の底面から延び、ブラシ24の(
図1及び
図4Aに示される)第1の端面34からブラシ24内に延びる1つ以上の空洞(例えば、ボア)39と係合するように設計された1つ以上の突起38を含み得る。
図5において破線で示すように、突起38のそれぞれは、ブラシ24の第1の端面34内に配置された対応する空洞39内に延び得る。それぞれの空洞39内での突起38のそれぞれの係合は、一定の関係でスペーサ30をブラシ24に固定するように機能し得ることが理解されよう。
【0055】
さらに、空洞39のそれぞれは、1つ以上のリード線62から間隔を空けて配置され得る。例えば、リード線62のそれぞれは、ブラシ24の第1の端面34に沿った挿入点で、カーボンブラシ24の上面34からブラシ24内に延在し得る。例えば、リード線62の端部は、ブラシ24のボアホール内に固定され得る。
図3及び
図5に示すように、空洞39は、リード線62の挿入位置から(ブラシ24の上面34に沿って)間隔を空けて配置され得る。したがって、空洞39は、リード線62の端部を受承するものではなく、リード線62の端部をその中に受承することを意図していない。
図4Aは、ブラシ24内に延びる空洞39の位置及び配置をさらに示す斜視図であり、
図4B~
図4Gは、ブラシ24の追加的な図を示す。
【0056】
さらに、
図3及び
図5に示される突起38は、スペーサ30をブラシ24に解放可能に取り付けることを可能にし得ることが理解されよう。換言すれば、突起38を空洞39に挿入することにより、スペーサ30の底面がブラシ24の上面34と並置された状態で、スペーサ30をブラシ24に取り付け得る。しかし、上記のように、スペーサ30(突起38のそれぞれを含む)は、ブラシ24に取り付けられた後、ブラシ24から取り外され得る。換言すれば、突起38は、スペーサ30又はブラシ24のいずれをも損傷することなく、及び/又はそれらの間の接着結合又は他の境界面を破壊することなく、ブラシ24に対してスペーサ30を手動で操作することを通じて、それぞれの空洞39のそれぞれに挿入(例えば、スライドイン)又は取り外し(例えば、スライドアウト)するように設計され得る。場合によっては、突起38は、空洞39に挿入されたときに空洞39の側壁と摩擦係合し得るが、スペーサ30又はブラシ24のいずれをも損傷することなく、スペーサ30に加えられる手動の引き出し力で容易に空洞39から取り外され得る。
【0057】
追加的に、
図3及び
図5は、突起38のそれぞれが空洞39のそれぞれの形状と嵌合するように設計され得る特定の形状を含み得ることを示す。例えば、突起38及び空洞39の両方は、突起38のそれぞれが嵌合する空洞39内にぴったりと嵌まることを可能にする幾何学的断面形状(例えば、正方形、五角形、六角形等)を含み得る。
【0058】
図6及び
図7は、別の例示的なスペーサ130及びブラシ124(リード線162を含む)の正面図及び斜視図をそれぞれ示す。スペーサ130、ブラシ124及び(ブラシ124の第1の端面134に取り付けられる)リード線162は、上記したスペーサ30、ブラシ24及びリード線62と形状及び機能が類似し得ることが理解されよう。
【0059】
上記と同様に、スペーサ130は、スペーサ130の底面から延び、ブラシ124の(
図6及び
図7に示される)第1の端面134からブラシ124内に延びる空洞(例えば、ボア)139と係合するように設計された1つ以上の突起138を含み得る。
図6において破線で示すように、突起138のそれぞれは、ブラシ124の第1の端面134内に配置された対応する空洞139内に延び得る。それぞれの空洞139内での突起138のそれぞれの係合は、一定の関係でスペーサ130をブラシ124に固定するように機能し得ることが理解されよう。
【0060】
さらに、空洞139のそれぞれは、1つ以上のリード線162から間隔を空けて配置され得る。例えば、リード線162のそれぞれは、ブラシ124の第1の端面134に沿った挿入点で、カーボンブラシ124の上面134からブラシ124内に延在し得る。例えば、リード線162の端部は、ブラシ124のボアホール内に固定され得る。
図6及び
図7に示すように、空洞139は、リード線162の挿入位置から(ブラシ124の上面134に沿って)間隔を空けて配置され得る。したがって、空洞139は、リード線162の端部を受承するものではなく、リード線162の端部をその中に受承することを意図していない。
【0061】
さらに、
図6及び
図7に示される突起138は、スペーサ130をブラシ124に解放可能に取り付けることを可能にし得ることが理解されよう。換言すれば、突起138を空洞139に挿入することにより、スペーサ130の底面がブラシ124の上面134と並置された状態で、スペーサ130をブラシ124に取り付け得る。しかし、上記のように、スペーサ130(突起138のそれぞれを含む)は、ブラシ124に取り付けられた後、ブラシ124から取り外され得る。換言すれば、突起138は、スペーサ130又はブラシ124のいずれをも損傷することなく、及び/又はそれらの間の接着結合又は他の境界面を破壊することなく、ブラシ124に対してスペーサ130を手動で操作することを通じて、それぞれの空洞139のそれぞれに挿入(例えば、スライドイン)又は取り外し(例えば、スライドアウト)するように設計され得る。場合によっては、突起138は、空洞139に挿入されたときに空洞139の側壁と摩擦係合し得るが、スペーサ130又はブラシ124のいずれをも損傷することなく、スペーサ130に加えられる手動の引き出し力で容易に空洞139から取り外され得る。
【0062】
追加的に、
図6及び
図7は、突起138のそれぞれが空洞139のそれぞれの形状と嵌合するように設計され得る特定の形状を含み得ることを示す。例えば、
図6及び
図7に示される突起138のそれぞれは、概ね「円錐部」、例えば、円錐形又は円錐台形として形成され得る(それにより、円錐形の突起138は、スペーサ130の底面から離れるように延びる。)。
図6及び
図7に示すように、突起138のそれぞれは、スペーサ130の底面に沿ってより広く、より狭い先端に向かって先細になり得る。同様に、空洞139のそれぞれは、上面134でより大きな断面を有し、ブラシ124内の空洞139の底部に向かってより小さな断面となるように先細になる、概ね円錐形又は円錐台形であり得る。概ね円錐形の突起138は、突起138のそれぞれが嵌合する空洞139内にぴったりと嵌まることを可能にし得る。
【0063】
図8及び
図9は、別の例示的なスペーサ230及びブラシ224(リード線262を含む)の正面図及び斜視図をそれぞれ示す。スペーサ230、ブラシ224及び(ブラシ224の第1の端面234に取り付けられる)リード線262は、上記したスペーサ30、ブラシ24及びリード線62と形状及び機能が類似し得ることが理解されよう。
【0064】
上記と同様に、スペーサ230は、スペーサ230の底面から延び、ブラシ224の(
図8及び
図9に示される)第1の端面234からブラシ224内に延びる空洞(例えば、溝)239と係合するように設計された突起238を含み得る。
図8において破線で示すように、突起238は、ブラシ224の第1の端面234内に配置された対応する空洞239内に延び得る。空洞239内での突起238の係合は、一定の関係でスペーサ230をブラシ224に固定するように機能し得ることが理解されよう。
【0065】
さらに、空洞239のそれぞれは、1つ以上のリード線262から間隔を空けて配置され得る。例えば、リード線262のそれぞれは、ブラシ224の第1の端面234に沿った挿入点で、カーボンブラシ224の上面234からブラシ224内に延在し得る。例えば、リード線262の端部は、ブラシ224のボアホール内に固定され得る。
図8及び
図9に示すように、空洞239は、リード線262の挿入位置から(ブラシ224の上面234に沿って)間隔を空けて配置され得る。したがって、空洞239は、リード線262の端部を受承するものではなく、リード線262の端部をその中に受承することを意図していない。
【0066】
さらに、
図8及び
図9に示される突起238は、スペーサ230をブラシ224に解放可能に取り付けることを可能にし得ることが理解されよう。換言すれば、突起238を空洞239に挿入することにより、スペーサ230の底面がブラシ224の上面234と並置された状態で、スペーサ230をブラシ224に取り付け得る。しかし、上記のように、スペーサ230(突起238を含む)は、ブラシ224に取り付けられた後、ブラシ224から取り外され得る。換言すれば、突起238は、スペーサ230又はブラシ224のいずれをも損傷することなく、及び/又はそれらの間の接着結合又は他の境界面を破壊することなく、ブラシ224に対してスペーサ230を手動で操作することを通じて、空洞239に挿入(例えば、スライドイン)又は取り外し(例えば、スライドアウト)するように設計され得る。場合によっては、突起238は、空洞239に挿入されたときに空洞239の側壁と摩擦係合し得るが、スペーサ230又はブラシ224のいずれをも損傷することなく、スペーサ230に加えられる手動の引き出し力で容易に空洞239から取り外され得る。
【0067】
追加的に、
図8及び
図9は、突起238が空洞239の形状と嵌合するように設計され得る特定の形状を含み得ることを示す。例えば、
図8及び
図9に示される突起238は、スペーサ130の底面を横切りかつ底面から離れるように延びる概ね「背骨部」として形成され得る。
図8及び
図9に示すように、突起238は、ブラシ224の前面からブラシ224の背面まで延びる長方形状の背骨に類似し得る。背骨部238は、嵌合する溝239内にぴったりと嵌まるように設計され得る。
【0068】
図10及び
図11は、別の例示的なスペーサ330及びブラシ324(リード線362を含む)の正面図及び斜視図をそれぞれ示す。スペーサ330、ブラシ324及び(ブラシ324の第1の端面334に取り付けられる)リード線362は、上記したスペーサ30、ブラシ24及びリード線62と形状及び機能が類似し得ることが理解されよう。
【0069】
上記と同様に、スペーサ330は、スペーサ330の底面から延び、ブラシ324の(
図10及び
図11に示される)第1の端面334からブラシ324内に延びる空洞339と係合するように設計された突起338を含み得る。
図10において破線で示すように、突起338は、ブラシ324の第1の端面334内に配置された対応する空洞339内に延び得る。空洞339内での突起338の係合は、一定の関係でスペーサ330をブラシ324に固定するように機能し得ることが理解されよう。
【0070】
さらに、空洞339のそれぞれは、1つ以上のリード線362から間隔を空けて配置され得る。例えば、リード線362のそれぞれは、ブラシ324の第1の端面334に沿った挿入点で、カーボンブラシ324の上面334からブラシ324内に延在し得る。例えば、リード線362の端部は、ブラシ324のボアホール内に固定され得る。
図10及び
図11に示すように、空洞339は、リード線362の挿入位置から(ブラシ324の上面334に沿って)間隔を空けて配置され得る。したがって、空洞339は、リード線362の端部を受承するものではなく、リード線362の端部をその中に受承することを意図していない。
【0071】
さらに、
図10及び
図11に示される突起338は、スペーサ330をブラシ324に解放可能に取り付けることを可能にし得ることが理解されよう。換言すれば、突起338を空洞339に挿入することにより、スペーサ330の底面がブラシ324の上面334と並置された状態で、スペーサ330をブラシ324に取り付け得る。しかし、上記のように、スペーサ330(突起338を含む)は、ブラシ324に取り付けられた後、ブラシ324から取り外され得る。換言すれば、突起338は、スペーサ330又はブラシ324のいずれをも損傷することなく、及び/又はそれらの間の接着結合又は他の境界面を破壊することなく、ブラシ324に対してスペーサ330を手動で操作することを通じて、空洞339に挿入(例えば、スライドイン)又は取り外し(例えば、スライドアウト)するように設計され得る。場合によっては、突起338は、空洞339に挿入されたときに空洞339の側壁と摩擦係合し得るが、スペーサ330又はブラシ324のいずれをも損傷することなく、スペーサ330に加えられる手動の引き出し力で容易に空洞339から取り外され得る。
【0072】
追加的に、
図10及び
図11は、突起338が空洞339の形状と嵌合するように設計され得る特定の形状を含み得ることを示す。例えば、
図10及び
図11に示される突起338は、スペーサ330の底面から離れるように延びる1つ以上のテーパ側面を含み得る。突起338のテーパ側面は、空洞339に嵌合して係合した状態で、空洞339のテーパ側面と並置され得る。突起338は、嵌合する溝339内にぴったりと嵌まるように設計され得る。
【0073】
摩耗状態モニタ50は、第1の端部領域40、第2の端部領域42、及びそれらの間に延在する中間領域43(
図3及び
図12参照)を含み得る。中間領域43は、概ね円筒形状、又はブラシホルダアセンブリ110又はブラシホルダアセンブリ110内の他の取り付け位置への統合を容易にするように設計された他の形状であり得る。場合によっては、中間領域43は、円筒形状の円周面を有し得る。第1の端部領域40及び第2の端部領域42のそれぞれは、中間領域43の円周面から半径方向外向きに延在し得、それにより、ばね29のコイル状部分が第1の端部領域40と第2の端部領域42との間に配置され得る溝又は凹んだ領域(
図3及び
図12にさらに示される)を形成する。
【0074】
上記のように、摩耗状態モニタ50の中間部分43は、ばね29のコイル状部分内に捕捉されるように設計され得る。換言すれば、ばね29の一部(すなわち、コイル状部分)は、摩耗状態モニタ50の中間領域43の周りに巻かれ(例えば、巻き付けられ)得る。
図12に示すように、第1の端部領域40及び第2の端部領域42は、ばね29が第1の端部領域40と第2の端部領域42との間に規定された溝から滑り落ちないことを確実にするために、ばね29のコイル状部分の反対側に肩部を提供し得る。第1の端部領域40及び/又は第2の端部領域42は、摩耗状態モニタ50が異なるサイズのばねのコイル状部分内に取り付けられることを可能にするように、取り外し可能であるか、構成可能であり得ることが理解されよう。例えば、取り外し可能及び/又は構成可能な第1の端部領域40及び/又は第2の端部領域42は、摩耗状態モニタ50を、第1の幅及び第1のコイル直径を有するばね及び/又は第2の異なる幅及び/又は第2の異なるコイル直径を有するばねのコイル状部分内に取り付けることを可能にし得る。
【0075】
上記のように、センサは、摩耗状態モニタ50内に配置され得、摩耗状態モニタ50の初期位置からの回転の程度(例えば、全角度距離及び/又は全弧長)を判定するために使用され得る摩耗状態モニタ50の現在の回転位置を表すデータを測定及び収集し得る。それにより、(摩耗状態モニタ50内に配置された)センサによって測定された回転量は、ブラシ24が(
図1に示される)ブラシホルダ22内で平行移動する(例えば、短くなる)ことに伴うブラシ24の直線的又は長手方向の動きと等価にすることも、比例させることも、さもなければそれらを表すことも可能であり得る。特に、摩耗状態モニタ50内に配置されたセンサは、該センサに隣接して配置された永久磁石に対する該センサの絶対角度位置を検出するように設計され得る。例えば、
図2は、スペーサ30に取り付けられた、又はその他の方法でスペーサ30に組み込まれた磁石14を示す。
図2は、摩耗状態モニタ50の中心軸とおおよそ一直線に配置された磁石14を示し、磁石14は、摩耗状態モニタ50の他の部分に沿って及び/又はブラシホルダアセンブリ110の他の要素に沿って配置され得ることが企図される。
図3は、いくつかの例では、摩耗状態モニタ50の中間領域43が、ばね29のコイル状部分の内部に位置するばね29の第2の端部33との接続又は係合を容易にするために使用され得るタブ、肩部、又は開口部(
図2において図示略)等の係合構造を含み得ることを示す。例えば、
図3は、中間領域43の外面から離れるように延びるボス(例えば、突起)16を示す。ボス14は、ばね29の第2の端部33に近接したばね29の対応する開口部18と嵌合するように構成された形状を有し得る。開口部18は、ボス16の断面形状に対応する形状を有していてもよい。例えば、ボス16は、開口部18の円形形状と嵌合するように設計された円形の断面形状を有し得る。しかし、
図3は、円形形状を有するボス16及び開口部18を示す一方で、他の形状が企図されている。例えば、ボス16及び開口部18は、正方形、卵形、長方形、星形、三角形、又は他の任意の幾何学的形状を含み得る。ボス16と開口部18との係合は、ばね29のコイル状部分の回転運動(例えば、巻き)が摩耗状態モニタ50を同じ量だけ対応して回転させるように、摩耗状態モニタ50をばね29のコイル状部分と回転的に固定し得ることが理解されよう。
【0076】
他の実施形態では、中間領域43の外面は、ばね29のコイル状部分が中間領域43の周りに巻かれるときに、ばね29の第2の端部33と係合するように構成された肩部又は隆起したエッジ部を含み得る。場合によっては、ばね29の第2の端部33は、その上に巻かれたコイルばね29の層の下に捕らえられ得、これによりばね29の第2の端部33に半径方向内向きの圧縮力を加えて、中間領域43の表面に対してばね29の第2の端部33を保持し得、ばね29の第2の端部33が摩耗状態モニタ50にしっかりと固定されたままであることを確実にし得る。
【0077】
図3はさらに、ばね32の第1の端部がそれ自体の上に折り返されてタブを形成し得ることを示し、タブはブラシホルダ及び/又は(
図1に示される)取り付け梁26に取り外し可能に連結されるように設計されている。換言すれば、タブ19は、ブラシホルダ及び/又は取り付け梁26の一部に係合する(例えば、挿入される)ように設計され得る。
【0078】
図3に示すように、スペーサ30は、摩耗状態モニタ50の円周断面と嵌合するように設計された凹状の受け台を規定する1つ以上の弧状表面36を含み得る。換言すれば、スペーサ30は、摩耗状態モニタ50の外面の曲率半径と実質的に一致する曲率半径を有する1つ以上の凹面36を含み得る。したがって、摩耗状態モニタ50の一部は、スペーサ30の凹状の受け台内に配置され得る。スペーサ30は、ばね29のコイル状部分をブラシ24から離して配置するために、ばね29のコイル状部分とブラシ24の上面との間に配置され得る。
【0079】
追加的に、
図3は、スペーサ30が摩耗状態モニタ50の第2の端部領域42と係合するように設計された突起34を含み得ることを示す。第2の端部領域42は、突起34と嵌合し、かつ突起34の中心軸と一直線に配置された回転軸周りの摩耗状態モニタ50の回転運動を許容にするように設計された凹部(図示略)を含み得ることが理解されよう。第2の端部の凹部内での突起34の係合は、摩耗状態モニタ50とスペーサ30との間の回転運動を許容しつつ、摩耗状態モニタ50とスペーサ30との間に追加の固定を提供し得る。したがって、突起34は、凹状の受け台における弧状表面36と協働して、スペーサ30と係合したときに摩耗状態モニタ50が(上記のように)回転することを許容し得ることが理解されよう。
【0080】
図12は、第1の端部領域40、第2の端部領域42及びそれらの間に延在する中間領域43を含む摩耗状態モニタ50の端面図を示す。上記のように、
図12は、中間領域43の円筒形円周面を越えて半径方向外向きに延びる第1の端部領域40及び第2の端部領域42の両方の外周面を示す。上記のように、第1の端部領域40、第2の端部領域42のそれぞれの内面及び中間領域43の円周面は、第1及び第2の端部領域40,42の内面が肩部を形成しつつ、ばね29が配置され得る溝を規定し得る。
【0081】
図13は、上記の摩耗状態モニタ50及びばね29の側面図を示す。
図13は、ばね29が摩耗状態モニタ50から離れて延びる長尺状部分を含み得、それによってばね29の第1の端部32が摩耗状態モニタ50の外周面を越えて延びることを示す。上記のように、ばね29の第1の端部32(上記タブ19を含む。)は、ブラシホルダ及び/又は取り付け梁26に取り外し可能に連結され得、ばね29の長尺状部分は、ブラシ24と取り付け梁26との間でブラシ24の側面に沿って延びる。追加的に、
図13は、摩耗状態モニタ50の中間領域43に巻き付くばね29を示す。例えば、破線は、摩耗状態モニタ50の中間領域43に巻き付くばね29を表し、それにより、ばね29の第2の端部33は、
図3に関して上記したように、例えばボス16及び開口部18の接続を介して、摩耗状態モニタ50に連結されるか、又は接触する。
【0082】
図14は、上記の摩耗状態モニタ50の分解図を示す。
図14に示すように、摩耗状態モニタ50は、外部ハウジング52を含み得る。外部ハウジング52は、内部空洞54を含み得る。空洞54は、摩耗状態モニタ50の1つ以上の内部構成要素を収容するように構成され得る。摩耗状態モニタ50はまた、外部ハウジング52と嵌合するように構成されたハウジング蓋60を含み得る。換言すれば、蓋60は、外部ハウジング52にしっかりと取り付けられるように設計され得る。他の例では、外部ハウジング52と蓋60とを一体に固定するために、外部ハウジング52は蓋60に接着により結合又はスナップフィットされ得る。さらに、蓋60は、蓋60の壁厚全体にわたって延在する開口部71を含み得る。
【0083】
追加的に、摩耗状態モニタ50は、ボタン59を含み得る。場合によっては、ボタン59はバイトン(Viton)ボタンであり得る。ボタン59は、例えば、Bluetooth(登録商標)接続を介して摩耗状態モニタ50を別の機器とペアリングするために利用され得る。さらに、ボタン59の一部は、蓋60の開口71を通って突出するように設計され得、それにより、摩耗状態モニタ50を押し下げ、Bluetooth接続を介して別の機器とペアリングするために、ボタン59をアクセス可能とすることが理解されよう。外部ハウジング52が蓋60及びボタン59と係合するとき、外部ハウジング52、蓋60及びボタン59の組み合わせによって形成された空洞54は、外部環境に対してシールされ得る。
【0084】
他の例では、ハウジング52は、摩耗状態モニタ50の内部構成要素を収容する摩耗状態モニタ50の内部空洞を露出させるために、互いに分離可能な第1のハウジングセクション及び第2のハウジングセクションを含み得る。場合によっては、第1のハウジングセクション及び第2のハウジングセクションは、ヒンジ接続される(例えば、「二枚貝貝殻(clam shell)」構造で接続される)か、又は相互に移動可能であり得る。そのような場合、摩耗状態モニタ50がばね29のコイル状部分(例えば、らせんばね)内に配置されるとき、ばね29によって提供される力は、第1のハウジングセクションを摩耗状態モニタ50の第2のハウジングセクションに係合するための圧縮接続又はスナップフィット接続を容易にし得る。他の例では、第1及び第2のハウジングセクションを一体に固定するために、第1のハウジングセクションは第2のハウジングセクションに接着により結合又はスナップフィットされ得る。
【0085】
図14はさらに、摩耗状態モニタ50が、電源53(例えば、1つ以上の電池、コンデンサ、又はその両方)、及びセンサ56(センサ56は、
図1に関して上記したセンサに対応し得ることに留意されたい。)をさらに含み得ることを示す。電源53は、再充電可能及び/又は交換可能であり得る。
【0086】
場合によっては、センサ56は、角度センサ56及び/又は磁気エンコーダ56として参照され得る。上記のように、センサ56は、
図2に関して上記した静止磁石14に対する摩耗状態モニタ50の回転(例えば、絶対角度位置)に対応する信号を生成し得る。例えば、センサ56は、磁石14によって生成される磁場の変化を検知できてもよく、したがって、摩耗状態モニタ50の回転方向を判定することができる。摩耗状態モニタ50の回転方向に対応するセンサ56によって提供される信号は、例えばブラシ24がブラシホルダアセンブリ110に取り付けられたときの摩耗状態モニタ50の角度位置と、しばらくしてブラシ24が摩耗したときの摩耗状態モニタ50の角度位置との間等、2つの時点の間の摩耗状態モニタ50の角度変位を判定するために比較され得る。これらの(摩耗状態モニタ50の角度変位及び/又は回転方向に対応する)信号は、様々な通信方法を介してサイトモニタ120に通信され得る。場合によっては、センサ56は、ブラシホルダ22内のブラシ24の動的振動を検知するように構成された加速度計を追加的に含み得る。例えば、センサ56は、摩耗状態モニタ50の角度変位及び/又は回転方向を検知することに加えて、ブラシ24の動的振動に対応する摩耗状態モニタ50の一時的な角度変位を検知し得る。
【0087】
追加的に、場合によっては、電源53及び/又はセンサ56は、摩耗状態モニタ50の空洞54内に配置され得、それにより、電源53及び/又はセンサ56は、摩耗状態モニタ50と統合され得る。さらに、外部ハウジング52が蓋60及び第2のボタン部材59と係合するとき、電源53及びセンサ56の両方が、外部ハウジング52、蓋60及び第2のボタン部材59の組み合わせによって形成される空洞54内でシールされ得ることが理解されよう。
【0088】
追加的に、
図14は、摩耗状態モニタ50が第1の発泡絶縁部材61a及び第2の発泡絶縁部材61bを含み得ることを示す。場合によっては、第1の発泡絶縁部材61a及び第2の発泡絶縁部材61bのそれぞれは、シリコーンから形成され得る。第1の発泡絶縁部材61a及び/又は第2の発泡絶縁部材61bを形成するために、他の材料が利用され得る。さらに、第1の発泡絶縁部材61a及び第2の発泡絶縁部材61bは、空洞54内に配置されたときに、電源53を絶縁するために利用され得る。換言すれば、空洞54の内側に配置された場合、電源53は、第1の発泡絶縁部材61aと第2の発泡絶縁部材61bとの間に配置され得る。
【0089】
摩耗状態モニタ50の電源53は、センサ56等の摩耗状態モニタ50の1つ以上の構成要素に電力を供給して、摩耗状態モニタ50の角度変位又は回転を表す値(これは、上記のように使用中のブラシ24の長さの減少に比例する。)の測定及び生成を容易にするために使用され得る。換言すれば、摩耗状態モニタ50は、ブラシ24の摩耗に伴うブラシ24の長さの減少に応じて回転するので、センサ56は、摩耗状態モニタ50の回転量又は角度変位の情報(例えば、データ)を検知、測定、及び収集し得、この情報はブラシ24の長さの減少量に比例するか、又は相関する。摩耗状態モニタ50は、摩耗状態モニタ50の中心を通る回転軸周りに回転する。回転軸は、摩耗状態モニタ50が回転する際のカーボンブラシ24の第2の端部34から一定の距離であり、したがって、回転軸は、ブラシ24が摩耗して長さが減少するにつれてブラシ24と一緒に平行移動する。
【0090】
例えば、場合によっては、センサ56は、ブラシ24が電気機器上に配置され、かつブラシ24の初期位置等の摩耗がほとんどないときの第1の時点T0において、ブラシ24の第1の位置に対応する値を取得し得る。換言すれば、センサ56は、初期の時点T0における摩耗状態モニタ50の角度位置を検知するために使用され得る。センサ56は、ブラシが第1の量だけ摩耗した後の時点T1において、ブラシ24の位置に対応する値を取得し得る。換言すれば、センサ56は、時点T1における摩耗状態モニタ50の角度位置を検知するために使用され得る。センサ56は、ブラシが追加の量だけ摩耗した後の時点T2,T3,T4等において、さらなるブラシ24の位置に対応する追加の値を取得し得る。換言すれば、センサ56は、さらなる時点T2,T3,T4等における摩耗状態モニタ50の角度位置を検知するために使用され得る。各時点の間の摩耗状態モニタ50の角度変位は、ブラシ24の長さの減少、したがってブラシ24の現在の摩耗状態を判定するために、及び/又はブラシ24の長さが将来閾値まで減少するときに突出させるために、使用され得る。場合によっては、閾値量は、ブラシ24が所定の摩耗量(例えば、交換閾値に近づく、最大許容摩耗等)となるときに近似するブラシ長さに対応し得る。
【0091】
追加的に、場合によっては、センサ56は、ブラシ24の第1の摩耗状態に対応する第1の閾値と、ブラシ24の第2の摩耗状態に対応する第1の閾値とは異なる第2の閾値とを検知するように構成され得る。例えば、第1の閾値は、所定の期間内(例えば、1週間以内)にブラシ24を交換すべき摩耗状態を示す摩耗状態モニタ50の全回転量又は全角度変位を含み得る。第2の閾値は、ブラシ24をできるだけ早く交換する必要がある摩耗状態を示す摩耗状態モニタ50の全回転量又は全角度変位に対応し得る。
【0092】
図15及び
図16は、ブラシ24の異なる特定可能な摩耗状態を表す異なる時点における、
図1に示されるブラシホルダアセンブリ110の側面図を示す。簡略化のために、(
図1に示される)スペーサ30は、
図15及び
図16から取り外されている。追加的に、
図15及び
図16は、取り付け梁26に固定されたブラシホルダ22を含むブラシホルダアセンブリ110を示し、それにより、取り付け梁26は、取り付けブロック70に取り外し可能に取り付けられるように構成されている。さらに、
図15及び
図16は、
図1に関して上記したように、係合位置で互いに回転可能に連結された上側梁部材27及び下側梁部材28を含む取り付け梁26を示す。
図15及び
図16は、ハンドル21と、ブラシ24の両方に取り付けられ、そこから延びる導電性ワイヤ62とを含むブラシホルダアセンブリ110をさらに示す。
【0093】
上記しかつ
図15及び
図16に示すように、ばね29の端部領域は、摩耗状態モニタ50の一部(例えば、中間領域)の周りに巻かれ、ばね29の長尺状部分は、ばね29の第1の端部32を取り付け梁26に連結しつつ、ブラシ24の側面に沿って延在している。さらに、
図15及び
図16では見えないものの、センサ及び/又は電源は、(上記のように)摩耗状態モニタ50内の内部空間(例えば、空洞)内に配置され得る。
【0094】
図15は、ブラシホルダアセンブリ110のブラシ24が最初に電気機械に取り付けられたとき等、最初の時点T
0におけるブラシ24の第1の形状(例えば、初期摩耗状態)を示す。
図15は、(
図1に関して上記したように)ブラシホルダ22内に配置され、ブラシ24の下面が回転構成要素15の導電性表面12と係合するブラシ24を示す。追加的に、
図15は、最初の時点T
0における初期位置で、ブラシ24の第1の端面34がハンドル21に最も近いブラシホルダ22の端部から距離X
1に配置されることを示す。ブラシホルダアセンブリ110が係合位置にあるとき、ばね29は、ブラシ24を回転構成要素15の導電性表面12と係合させるために、ブラシ24の第1の端面34に力を加え得ることが理解されよう。
【0095】
説明の便宜上、
図15は、摩耗状態モニタ50上に配置された「回転マーカ」64を含む。簡略化のために、回転マーカ64は、摩耗状態モニタ50のほぼ「12時」の位置に配置されているが、任意の所望の位置に配置することができる。回転マーカ64は視認できるマーカである必要はないが、視認できるマーカを含めることは可能である。回転マーカ64は、摩耗状態モニタ50の回転方向のセンサ56によって提供される位置信号を表し得る。
【0096】
図16は、ブラシ24が一定期間にわたって回転構成要素15の導電性表面12と係合し、長さが減少した後等、のちの時点T
1におけるブラシ24の第2の形状(例えば、第2の摩耗状態)を示す。上記のように、ばね29は、ブラシ24が回転構成要素15の導電性表面12に対して摩耗しても、ブラシ24の第1の端面34に力を加え続け得る。例えば、
図16は、ハンドルに最も近いブラシホルダ22の端部から距離X
2に配置されたブラシ24の第1の端面34を示す。距離「X
2」と
図15に示される距離「X
1」との間の差は、ブラシ24の長さの減少量(すなわち、ブラシ24の長さがどれだけ短くなったか)を表すことが理解されよう。
【0097】
追加的に、上記のようにブラシ24がブラシホルダ22内で移動するとき、摩耗状態モニタ50はブラシ24が短くなった長さに比例して回転し得る。T
0での摩耗状態モニタ50の初期回転位置とT
1での摩耗状態モニタ50の回転位置との間の摩耗状態モニタ50の回転又は角度変位θが
図16に示されている。追加的に、
図16は、第2の位置にある回転位置マーカ64を示し、摩耗状態モニタ50の回転又は角度変位をさらに表す。摩耗状態モニタ50の回転軸は、ブラシ24が摩耗する間中、ブラシ24の上面から一定の距離に留まっていることに留意されたい。
【0098】
上記のように、摩耗状態モニタ50がブラシ24の短縮(例えば、ブラシ24の第2の端面35の摩耗)に応じて回転すると、センサ56は、摩耗状態モニタ50の回転又は角度変位に関する情報を測定及び収集し得る。さらに、摩耗状態モニタ50の回転又は角度変位に関するこの情報は、ブラシ24の長さの減少量、ブラシ24の現在の摩耗状態、ブラシ24の摩耗率を判定する、及び/又は将来におけるブラシ24の将来の摩耗状態を予測するために、分析され得る。ブラシ24の状態に関するそのような情報及び/又はデータは、サイト監視機器120及び/又は遠隔監視機器140に通信され得る。遠隔監視機器140は、電気機械及びサイト監視機器120の地理的位置と同じ及び/又は異なる地理的位置に配置され得る。
【0099】
場合によっては、摩耗状態モニタ50、サイトモニタ120及び/又は遠隔監視機器140は、ブラシ24及び/又は電気機械の回転構成要素15の平均余命を予測するための命令を処理可能なプロセッサを含み得る。場合によっては、プロセッサは、カーボンブラシの摩耗状態を特定、及び/又は電気機器の回転する電気的な構成要素(例えば、スリップリング、整流子等)の摩耗状態を特定するための命令を処理可能であり得る。
【0100】
当業者は、本開示の態様が本明細書に記載及び企図される特定の実施形態以外の様々な形態で実施し得ることを認識するであろう。したがって、添付の特許請求の範囲に記載された本開示の主旨及び範囲から逸脱することなく、形式及び詳細において発展させ得る。