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  • 特開-軒樋吊り具 図1
  • 特開-軒樋吊り具 図2
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  • 特開-軒樋吊り具 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022019011
(43)【公開日】2022-01-27
(54)【発明の名称】軒樋吊り具
(51)【国際特許分類】
   E04D 13/072 20060101AFI20220120BHJP
【FI】
E04D13/072 501P
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020122522
(22)【出願日】2020-07-17
(71)【出願人】
【識別番号】593178409
【氏名又は名称】株式会社オーティス
(74)【代理人】
【識別番号】110002686
【氏名又は名称】協明国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】北村 昌司
(57)【要約】
【課題】ナットの取り付けを迅速に行える軒樋吊り具を提供する。
【解決手段】上部が屋根板6に取り付けられる吊りボルト2と、該吊りボルトに孔部33を介して固定され、軒樋7を吊り下げ支持する樋支持具本体3とを備えた軒樋吊り具1において、前記樋支持具本体の前記孔部に前記吊りボルトが挿通された状態で前記孔部の下方に突出したボルト下部に螺合して取り付けられるナット4をさらに備えており、前記吊りボルトの外周面には、雄ネジ部21と、該雄ネジ部のネジ山21aよりも凹んで形成された非ネジ部22とが周方向に隣接して形成されている一方、前記ナットのネジ孔41には、雌ネジ部42と、該雌ネジ部のネジ溝42aよりも凹んで形成された凹溝部43とが周方向に隣接して形成されており、前記吊りボルトが前記ネジ孔に挿通されたときに、前記雄ネジ部が前記凹溝部の溝幅内に位置されるように前記凹溝部に相対して配せられることを可能とした。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部が屋根板に取り付けられる吊りボルトと、該吊りボルトに孔部を介して固定され、軒樋を吊り下げ支持する樋支持具本体とを備えた軒樋吊り具において、
前記樋支持具本体の前記孔部に前記吊りボルトが挿通された状態で前記孔部の下方に突出したボルト下部に螺合して取り付けられるナットをさらに備えており、
前記吊りボルトの外周面には、雄ネジ部と、該雄ネジ部のネジ山よりも凹んで形成された非ネジ部とが周方向に隣接して形成されている一方、
前記ナットのネジ孔には、雌ネジ部と、該雌ネジ部のネジ溝よりも凹んで形成された凹溝部とが周方向に隣接して形成されており、
前記吊りボルトが前記ネジ孔に挿通されたときに、前記雄ネジ部が前記凹溝部の溝幅内に位置されるように前記凹溝部に相対して配せられることを可能としたことを特徴とする軒樋吊り具。
【請求項2】
請求項1において、
前記ナットは、外周部の一部に径方向外側に突出する操作部が設けられていることを特徴とする軒樋吊り具。
【請求項3】
請求項1または請求項2において、
前記樋支持具本体は、帯板材からなり、幅方向中心部は板面が上下方向を向き、幅方向両端部は上下方向に折曲されてリブ部が設けられていることを特徴とする軒樋吊り具。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか一項において、
前記非ネジ部は、少なくとも一組形成され、かつ、互いに略平行の平面状に形成されていることを特徴とする軒樋吊り具。
【請求項5】
請求項4において、
前記孔部は、前後寸法が幅寸法よりも大きい寸法とされ、
前記孔部の幅寸法は、前記非ネジ部が幅方向を向いた状態の前記吊りボルトが挿通される寸法であり、かつ、前記雄ネジ部が幅方向を向いた状態の前記吊りボルトが挿通されない寸法であることを特徴とする軒樋吊り具。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、上部が屋根板に取り付けられる吊りボルトと、該吊りボルトの下部に固定され、軒樋を吊り下げ支持する樋支持具本体とを備えた軒樋吊り具に関する。
【背景技術】
【0002】
工場や倉庫等の折板屋根を備える建物に軒樋を設けるには、2つのナットを有した軒樋吊り具を用いて次のような手順で取り付けられるのが一般的である。まず、全周に亘って設けられた雄ネジ部を有する吊りボルトの上部を折板屋根に固定する。そして、吊りボルトに対して上下方向の所望の位置に第1のナットを螺合させ、次に樋支持具本体を第1のナットの直下の位置に配してから、樋支持具本体の直下の位置に第2のナットを螺合させる。このようにして、樋支持具本体は、第1のナットと第2のナットとにより、上下から挟まれて固定される(たとえば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-008402号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のような軒樋吊り具では、吊りボルトの下端部から第1,2のナットを繰り返し回転させて所定の位置に配さなければならないため、時間がかかってしまう。また、軒樋吊り具の高さ位置の微調整であっても、上下を個別に回転操作しなければならない。
【0005】
本発明は、このような事情を鑑みて提案されたもので、その目的は、ナットの取り付けを迅速に行える軒樋吊り具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の軒樋吊り具は、上部が屋根板に取り付けられる吊りボルトと、該吊りボルトに孔部を介して固定され、軒樋を吊り下げ支持する樋支持具本体とを備えた軒樋吊り具において、前記樋支持具本体の前記孔部に前記吊りボルトが挿通された状態で前記孔部の下方に突出したボルト下部に螺合して取り付けられるナットをさらに備えており、前記吊りボルトの外周面には、雄ネジ部と、該雄ネジ部のネジ山よりも凹んで形成された非ネジ部とが周方向に隣接して形成されている一方、前記ナットのネジ孔には、雌ネジ部と、該雌ネジ部のネジ溝よりも凹んで形成された凹溝部とが周方向に隣接して形成されており、前記吊りボルトが前記ネジ孔に挿通されたときに、前記雄ネジ部が前記凹溝部の溝幅内に位置されるように前記凹溝部に相対して配せられることを可能としたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の軒樋吊り具は、上述した構成とされているため、吊りボルトに樋支持具本体を固定させるためのナットの取り付けを迅速に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】(a)は、本発明の一実施形態に係る軒樋吊り具の模式的側面図、(b)は、(a)の模式的A線矢視図、(c)は、模式的B線矢視図である。
図2】(a)は、非螺合状態の第1のナットの模式的平面図、(b)は、非螺合状態の第2のナットの模式的平面図、(c)は、(b)の模式的C-C線矢視断面図、(d)は、リブ部とナットの操作部との関係を説明する模式的縦断面図である。
図3】他の実施形態における軒樋吊り具の模式的側面図である。
図4】(a)は、変形例に係るナットの模式的平面図、(b)は、変形例に係るナットの非螺合状態と螺合状態を示す模式的平面図、(c)は、変形例に係る樋支持具本体を説明する模式的縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。まず、軒樋吊り具の基本構成について説明する。なお、軒樋吊り具が屋根板に固定されている状態を基準にして、前後方向(建物(不図示)側を後ろ方向、それとは反対側を前方向)、幅方向(建物に対する見付の方向と一致する方向)、上下方向等を規定する。また、一部の図では、他図に付している詳細な符号の一部を省略している。
【0010】
図1に示す軒樋吊り具1は、上部が屋根板6に取り付けられる吊りボルト2と、吊りボルト2に孔部33を介して固定され、軒樋7を吊り下げ支持する樋支持具本体3とを備えている。軒樋吊り具1は、樋支持具本体3の孔部33に吊りボルト2が挿通された状態で孔部33の下方に突出したボルト下部に螺合して取り付けられるナット4をさらに備えている。吊りボルト2の外周面には、雄ネジ部21と、雄ネジ部21のネジ山21aよりも凹んで形成された非ネジ部22とが周方向に隣接して形成されている一方、ナット4のネジ孔41には、雌ネジ部42と、雌ネジ部42のネジ溝42aよりも凹んで形成された凹溝部43とが周方向に隣接して形成されている。吊りボルト2がネジ孔41に挿通されたときに、雄ネジ部21が凹溝部43の溝幅内に位置されるように凹溝部43に相対して配せられることを可能としている。
以下、詳しく説明する。
【0011】
吊りボルト2の外周面には、雄ネジ部21と雄ネジ部21のネジ山21aよりも凹んで形成された非ネジ部22とが周方向に隣接して形成されている(図1(a)~(c)参照)。雄ネジ部21と非ネジ部22とは、吊りボルト2の上端部から下端部までの長さ方向の全長に亘ってそれぞれ一組(2つ)ずつ形成され、周方向に交互に互い違いに設けられている。一組の非ネジ部22,22は、互いに略平行の平面状に形成されている。
【0012】
樋支持具本体3は、帯板材からなり、樋支持具本体3の前端部、後端部には、軒樋7の前耳71,後耳72を保持する耳保持部32が設けられている。また、樋支持具本体3の耳保持部32,32間には板状部30が設けられ、板状部30には孔部33が設けられている。孔部33は、前後寸法が幅寸法wよりも大きい長孔とされている。そして、孔部33の幅寸法wは、非ネジ部22が幅方向を向いた状態の吊りボルト2が挿通される寸法、かつ、雄ネジ部21が幅方向を向いた状態の吊りボルト2が挿通されない寸法である。これにより、孔部33に吊りボルト2が挿通されている状態では、樋支持具本体3は、吊りボルト2に対して横回転することなく姿勢が安定する。また、孔部33は長孔であるので、吊りボルト2に対して、樋支持具本体3の前後方向の位置が調整可能とされる。また、樋支持具本体3の幅方向中心部は板面が上下方向を向き、幅方向両端部は上下方向に折曲されて、リブ部31が設けられている。板状部30のリブ部31は、後述する第2のナット4Bの操作部44との接触を回避するためにリブ部31に上向きに開口する開口部31aが設けられている。
【0013】
ナット4は、樋支持具本体3の孔部33に吊りボルト2が挿通された状態で孔部33の下方に突出した吊りボルトの下部に螺合して取り付けられる。ナット4のネジ孔41には、雌ネジ部42と、雌ネジ部42よりも凹んで形成された凹溝部43とが周方向に隣接して形成されている(図2(c)参照)。雌ネジ部42と凹溝部43とは、それぞれ2つずつ形成され、周方向に互い違いに設けられている。一方の雌ネジ部42と他方の雌ネジ部42はそれぞれ対向する位置に設けられており、一方の凹溝部43と他方の凹溝部43も同様にそれぞれ対向する位置に設けられている。また、凹溝部43の溝幅は、雄ネジ部21の幅寸法よりも大とされている。そのため、図2(a)、(b)に示すように凹溝部43が吊りボルト2の雄ネジ部21と相対して配せられると、雄ネジ部21と雌ネジ溝43とが螺合しないので、ナット4は吊りボルト2に対して上下にスライド移動可能となる。本実施形態において樋支持具本体3の上方に設けられる第1のナット4には4A、樋支持具本体3の下方に設けられる第2のナット4には4Bと符号を付す。
【0014】
第1のナット4Aは、外周部が六角形に形成されている(図1(a)及び図2(a)参照)。そして、第2のナット4Bは、外周部が円形に形成され、外周部の一部に径方向外側に突出する操作部44が設けられている(図1(a)、(c)及び図2(b)参照)。第2のナット4Bが吊りボルト2に挿通されている場合の吊りボルト2に対する第2のナット4Bの螺合/非螺合の切り替えが操作部44によって操作しやすくなる。図2(b)に示すように本実施形態の操作部44は、ナット4Bを平面視した状態で、凹溝部43から約90度回転した位置に設けられている。本実施形態の軒樋吊り具1では、樋支持具本体3がナット4A,4Bによって上下方向から挟まれて固定される。
【0015】
次に、上述した吊りボルト2と樋支持具本体3とナット4とを備える軒樋吊り具1を屋根板6に取り付ける方法について説明する。
吊りボルト2は、屋根板6に開設された孔(不図示)に上部が通されて、固定部材5,5により固定される。吊りボルト2は、雄ネジ部21が前後方向を向き、非ネジ部22が幅方向を向くように固定される。そして、第1のナット4Aが、吊りボルト2の下端部から吊りボルト2の雄ネジ部21とナット4Aの凹溝部43とが相対した状態で吊りボルト2に通される。ナット4Aは吊りボルト2に対して非螺合状態であるので、吊りボルト2の上下方向にスライド移動する。第1のナット4Aが所望の位置に達したら、ナット4Aを約90度横に回転させて、ナット4Aの雌ネジ部42と吊りボルト2の雄ネジ部21とを螺合させる。
【0016】
第1のナット4Aが吊りボルト2に螺合されたら、吊りボルト2の下端部から孔部33を通して樋支持具本体3を第1のナット4Aの直下の位置に移動させる。そして、その状態を維持したまま第2のナット4Bを、第1のナット4Aと同様にして吊りボルト2に通して樋支持具本体3の直下の位置に移動させてから吊りボルト2に螺合させる。このようにして樋支持具本体3が2つのナット4A,4Bに挟まれて固定され、軒樋吊り具1が屋根板6に取り付けられる。軒樋吊り具1が屋根板6に取り付けられたら、耳保持部32,32に軒樋7の前耳71、後耳72を保持させる。これにより、軒樋吊り具1によって、屋根板6に軒樋7が取り付けられる。
【0017】
本実施形態のナット4A,4Bは、凹溝部43が吊りボルト2の雄ネジ部21に相対して配せられている状態では、上下方向にスライド移動可能となる。これにより、ナット4A,4Bを吊りボルト2の所望の位置まで迅速に配すことができる。そして、所望の位置に配せられたナット4A,4Bは、わずかに回動させることで、雌ネジ部42が吊りボルト2の雄ネジ部21と螺合して取り付けられる。本実施形態のナット4A,4Bは、従来のナットのように、繰り返し回転させる必要がない。そのため、本実施形態の軒樋吊り具1は、ナット4の取り付けを迅速に行うことができる。また、吊りボルト2から樋支持具本体3を取り外す際にも、ナット4A,4Bの凹溝部43が吊りボルト2の雄ネジ部21に相対するまで回動させれば、ナット4A,4Bは上下にスライド移動可能になるので迅速に取り外すことができる。同様に軒樋吊り具1の位置の微調整の際にも、ナット4A,4Bの凹溝部43が吊りボルト2の雄ネジ部21に相対するまで回動させれば、ナット4A,4Bは上下にスライド移動可能になるので簡単に位置調整ができる。またナット4Bの回動操作は、操作部44によって作業者が操作しやすくなっている。そして、ナット4Bの凹溝部43が吊りボルト2の雄ネジ部21に相対して配せられている状態では、ナット4Bの操作部44の先端部が、樋支持具本体3の開口部31aを通って樋支持具本体3よりも幅方向外側に突出するように形成されている(図2(d)参照)。そのため、ナット4Bの外周部が滑りやすい円形であっても操作部44によってナット4を操作しやすくなっている。なお、開口部31aは樋支持具本体3の片側の側端部のみに設けられてもよい。ナット4Aは、リブ部31との接触を避けるために操作部44を設けていないが、リブ部31と接触しないように操作部44が設けられてもよい。また、樋支持具本体3の孔部33は、樋支持具本体3の前後方向の位置調整ができないような吊りボルト2の横断面に合致した形状であってもよい。
【0018】
なお、ネジ孔に凹溝部が設けられておらず雌ネジ部のみがネジ孔の全周に設けられている固定用ナット8を吊りボルト2に固定させるまでの仮止め用として、本実施形態のナット4が用いられてもよい(図3参照)。第1の固定用ナット8を繰り返し回転させて吊りボルト2の所望の位置に取り付けた後、吊りボルト2の下端部から孔部33を通して樋支持具本体3を第1の固定用ナット8の直下の位置に移動させる。そして、その状態を維持したまま、雌ネジ部42と凹溝部43とを有するナット4を吊りボルト2に通して樋支持具本体3の直下の位置に移動させてから横回転させて吊りボルト2に螺合させる。これにより、樋支持具本体3はナット4により仮止めされた状態となる。
【0019】
ナット4が螺合されたら、さらに第2の固定用ナット8を樋支持具本体3の上方に固定されている第1の固定用ナット8と同様にして吊りボルト2に通してナット4の直下に位置するまで繰り返し回転させる。ナット4が樋支持具本体3を仮止めしているので、作業者は樋支持具本体3を片手で保持する必要なく第2の固定用ナット8を両手を使って吊りボルト2に取り付けることができる。このようにして、樋支持具本体3は、上方から第1の固定用ナット8に、下方からナット4と第2の固定用ナット8とに挟まれて固定される。これにより、ナット4は樋支持具本体3の下方に固定用ナット8が固定されるまでの仮止め用として機能する。また、ナット4は、樋支持具本体3と下方に位置する固定用ナット8とによって挟まれていることでより緩みにくくなっているが、仮にナット4が緩んでも、固定用ナット8によって下方に落下するのが防止される。
【0020】
次に、各部材の変形例について説明する。
図4(a)に示すナット4’は、外周部に径方向外側に突出する複数の操作部44を有している。図例では4つの操作部44が周方向に等間隔に設けられている。これにより、ナット4’が吊りボルト2に対して螺合/非螺合のいずれの状態であっても、操作部44の先端部が樋支持具本体3よりも幅方向外側に突出するようになるので、作業者が操作しやすくなる。
【0021】
図4(b)に示すナット4’’は、雌ネジ部42と凹溝部43とがそれぞれ4つずつ形成され、周方向に互い違いに設けられている。これにより、ナット4’’のわずかな回動で吊りボルト2に対する螺合/非螺合を切り替えることができる。
【0022】
また、図4(c)では、樋支持具本体3の板状部30の下面30aとリブ部31の下端面31bとが略同位置となるように設けられており、第2のナット4Bの操作部44とリブ部31とが接触する恐れが少ない。そのため、図1の樋支持具本体3とは異なりリブ部31に開口部31aが設けられていない。
【0023】
本発明の軒樋吊り具1は、図面や上述したような構成に限定されることはない。図1ではナット4が樋支持具本体3の上方、下方にそれぞれ配されているだけであるが、これに限定されることはなく、下方のナット4の直下の位置に、雌ネジ部のみがネジ孔の全周に設けられている固定用ナット8が配されていてもよい。また、樋支持具本体3にリブ部31が設けられていなくてもよい。また、樋支持具本体3にリブ部31に開口部31aが設けられていなくてもよい。その場合には、ナット4は操作部44が設けられていない又はリブ部31との接触を避けるように設けられることが望ましい。また、吊りボルト2の非ネジ部22は、平面状に形成されることに限定されることはなく、雄ネジ部21のネジ山21aよりも凹んで形成されていれば、湾曲状であってもよい。また、ナット4の雌ネジ部42と凹溝部43の数は上述したものに限定されることはなく、例えば3つずつ形成された雌ネジ部42と凹溝部43とが互い違いに等間隔に設けられてもよい。
【符号の説明】
【0024】
1 軒樋吊り具
2 吊りボルト
21 雄ネジ部
21a ネジ山
22 非ネジ部
3 樋支持具本体
31 リブ部
33 孔部
4,4A,4B ナット
41 ネジ孔
42 雌ネジ部
42a ネジ溝
43 凹溝部
44 操作部
6 屋根板
7 軒樋
図1
図2
図3
図4