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  • 特開-ローション用組成物 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022190133
(43)【公開日】2022-12-22
(54)【発明の名称】ローション用組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/41 20060101AFI20221215BHJP
   A61Q 19/10 20060101ALI20221215BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20221215BHJP
【FI】
A61K8/41
A61Q19/10
A61Q19/00
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022177420
(22)【出願日】2022-11-04
(62)【分割の表示】P 2019053684の分割
【原出願日】2018-04-09
(31)【優先権主張番号】PCT/JP2017/014731
(32)【優先日】2017-04-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000084
【氏名又は名称】特許業務法人アルガ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】尾沢 敏明
(72)【発明者】
【氏名】坂井 隆也
(72)【発明者】
【氏名】三好 真理子
(72)【発明者】
【氏名】古川 大輔
(72)【発明者】
【氏名】白井 彩
(57)【要約】
【課題】
肌に痛みや刺激感等の負担をかけることなく、優れた角栓除去効果を充分に発揮することのできるローション用組成物を提供する。
【解決手段】
本発明は、2-アミノ-2-ヒドロキシメチル-1,3-プロパンジオール(X1)、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール(X2)、及び2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオール(X3)から選ばれる1種又は2種以上(X)を含有する液体状のローション用組成物に関する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2-アミノ-2-ヒドロキシメチル-1,3-プロパンジオール(X1)、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール(X2)、及び2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオール(X3)から選ばれる1種又は2種以上(X)を含有する、液体状のローション用組成物。
【請求項2】
さらに水を10質量%以上99.9質量%以下含有する、請求項1に記載のローション用組成物。
【請求項3】
組成物中における成分(X)の含有量が、0.08質量%以上35質量%以下である、請求項1又は2に記載のローション用組成物。
【請求項4】
さらに成分(X)以外の塩基性物質(Y)を含有する、請求項1~3のいずれか1項に記載のローション用組成物。
【請求項5】
成分(Y)が、アルギニン、モノエタノールアミン、トリエタノールアミン、及びモルホリンから選ばれる1種又は2種以上を含む、請求項4に記載のローション用組成物。
【請求項6】
組成物が、さらに非イオン性界面活性剤(B)を含有する、請求項1~5のいずれか1項に記載のローション用組成物。
【請求項7】
さらにポリオール(D)を含有する、請求項1~6のいずれか1項に記載のローション用組成物。
【請求項8】
さらに水溶性高分子(E)を含有する、請求項1~7のいずれか1項に記載のローション用組成物。
【請求項9】
25℃におけるpHが8.3以上12.5以下である、請求項1~8のいずれか1項に記載のローション用組成物。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか1項に記載のローション用組成物を含むローション。
【請求項11】
請求項10に記載のローションを皮膚へ直接塗布する、又はシートに含浸させてから皮膚へ塗布する、化粧方法。
【請求項12】
請求項1~9のいずれか1項に記載のローション用組成物が含浸されたシートを含む、シート状化粧料。
【請求項13】
請求項1~9のいずれか1項に記載のローション用組成物が含浸されたシートを皮膚へ適用することで、ローション用組成物を皮膚へ塗布する、化粧方法。
【請求項14】
請求項1~9のいずれか1項に記載のローション用組成物を皮膚へ適用する、皮膚明度の向上方法又は肌くすみ改善方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2-アミノ-2-ヒドロキシメチル-1,3-プロパンジオール等を含有するローション用組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
角栓は、鼻の周囲など、皮脂の分泌量の多い部位の毛穴に見られ、毛穴を栓状に閉塞する物質である。
かかる角栓を除去することなく放置していると、肌にざらつきが生じるとともに、角栓が物理的に毛穴を押し広げているために毛穴の開きが大きくなりやすく、また角栓の表面では酸化による黒ずみも生じて、美感が損なわれるおそれがある。さらに、これらはニキビ等の原因となって、発疹や吹き出物等の肌のトラブルを引き起こしやすい。これらのことから、角栓は毛穴目立ちの原因の一つとして、多くの女性の悩みの種となっている。そのため、従来からこうした角栓を除去するための種々の技術が開発されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、乳酸等の有機酸、及びN-アシルタウリン型アニオン性界面活性剤を含有し、pHが3~5である皮膚洗浄剤組成物が開示されており、良好な泡立ち等を付与しつつ角栓除去効果を発揮することができる。また、特許文献2には、特定の非イオン性界面活性剤、30℃における粘度が15mPa・s以下である油剤、水溶性ポリマー等を含む洗浄剤組成物が開示されており、特許文献3には、炭素数6~20の二塩基酸ジエステルを含有する洗顔料が開示されており、いずれも特定の油剤によって角栓の除去作用がもたらされ得るものである。
【0004】
一方、特許文献4には、多層型透湿性保持体と、カルボキシル基等の塩生性基を有する高分子化合物を含有する化粧料とからなるシート状パックが開示されており、かかるシート状パックを皮膚に貼付することによって、肌につるつる感やしっとり感等がもたらされ、皮膚からの剥離時に角栓除去効果をも発揮し得るものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2015-113307号公報
【特許文献2】特開2011-12252号公報
【特許文献3】特開2007-230929号公報
【特許文献4】特開平11-12127号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、2-アミノ-2-ヒドロキシメチル-1,3-プロパンジオール(X1)、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール(X2)、及び2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオール(X3)から選ばれる1種又は2種以上(X)を含有するローション用組成物に関する。
【0007】
上記特許文献1に記載される皮膚洗浄剤組成物では、主としてアニオン性活性剤の洗浄力によって、皮膚上に存在する液状皮脂、落屑や一部の突き出た角栓が除去されるのみであった。特許文献2、3記載される、特定の油剤によって角栓を除去する効果がもたらされる洗浄剤組成物では、主として油剤の溶解性によって、とれやすくなっている角栓の一部が除去されるのみであった。これらは毛穴の中の汚れを直接除去できる技術ではなく、充分に角栓を除去するには、依然として改善の余地がある。
また特許文献4に記載される、物理的に角栓を除去する効果を発揮するシート状パックは、角栓を直接除去可能であり、毛穴詰まりの顕著な低減を達成することができるものの、近年では、こうした物理的な除去手段により肌を傷めてしまうという不安から、皮膚への痛みや刺激感等が低減された、角栓の除去技術の出現が望まれている。
したがって、皮膚に痛みや刺激感等の負担をかけることなく、優れた角栓除去効果を充分に発揮することのできる新たな技術の出現が望まれている。
【0008】
そこで本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、2-アミノ-2-ヒドロキシメチル-1,3-プロパンジオール等の特定の成分を含有する組成物を用いることにより、皮膚に過度の痛みや刺激感等が生じることなく、角栓をより効果的に除去することのできる方法を見出し、本発明を完成させるに至った。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、皮膚に負担をかけず、効果的に角栓を除去することができ、毛穴の詰まりや毛穴の開きを顕著に抑制して、毛穴が目立つのを有効に回避することができる。また、角栓の除去後の皮膚において、きめの細かい柔軟で、黒ずみのない明るく美しい肌を実感することができる。さらに、皮膚の明度を高めて、肌くすみを低減することができるとともに、毛穴からの薬剤の浸透を促進させ、かかる薬剤による作用を高める効果も期待できる。
【0010】
また、本発明によれば、角栓を効果的に除去することができるだけでなく、タンパク質の凝集を抑制することもできることから、毛穴洗浄用皮膚化粧料としても有用であるとともに、タンパク質凝集抑制剤としても、或いはニキビ抑制用皮膚外用剤としても、極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、実施例2において算出した、7日、14日、21日の連用による内部散乱光の平均輝度値の平均変化量と連用日数との関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明について詳細に説明する。
本明細書において、角栓とは、人の皮膚の毛穴内において生理的に形成され、毛穴を栓状に閉塞する物質を意味する。かかる角栓の主成分は角層及び毛包由来のタンパク質であり、これらの主成分にアクネ菌及び黄色ブドウ球菌由来のタンパク質やリソソーム等の細胞内小器官由来のタンパク質等を含むタンパク質、並びにトリグリセライド、遊離脂肪酸や過酸化脂質を含む脂質などが混じりあった物質で角栓は形成されている。
【0013】
本発明の角栓を除去する方法は、2-アミノ-2-ヒドロキシメチル-1,3-プロパンジオール(X1)、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール(X2)、及び2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオール(X3)から選ばれる1種又は2種以上(X)(以下、これらを成分(X)ともいう)を含有する組成物を用いる。
上記組成物は、成分(X)として、2-アミノ-2-ヒドロキシメチル-1,3-プロパンジオール(X1)、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール(X2)、及び2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオール(X3)から選ばれる1種又は2種以上を含有すればよく、これら1種単独で含有してもよく、2種以上を組み合わせて含有してもよい。
これら成分(X)を含有する組成物を皮膚に用いることにより、まず、成分(X)を含有する組成物が角栓中に素早く浸透していき、角栓を形成する脂質等を効果的に溶出させることができる。また、一般に角層等のタンパク質は凝集しやすく、洗浄料等で除去しにくいものであるが、成分(X)を含有する組成物を皮膚に適用することにより、同時にタンパク質の凝集も抑制することができるので、タンパク質を含む角栓であっても効果的に除去することができる。さらに、組成物の適用後に水で洗い流す際には、水が角栓中に浸透しやすくなっているため、水の浸透によって角栓がさらに崩壊し、きれいに洗い流すことが可能となり、タンパク質及び脂質を含む角栓を効果的に毛穴から除去することができる。また、優れた角栓除去効果を発揮しながら、角栓が除去された後の毛穴周辺の皮膚を軟化させ、しっとりとしたきめの細かい柔軟で明るく、美しい肌をもたらすことができる。
【0014】
上記成分(X1)の2-アミノ-2-ヒドロキシメチル-1,3-プロパンジオールとは、具体的には以下の構造式(x1)で表され、「トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン」、又は「トリス(Tris)」とも称される成分である。
【0015】
【化1】
【0016】
かかる成分(X1)は、分子量121.14であり、融点が169~173℃、沸点が219~220℃(10mmHg)である。また、25℃でのpKaが8.03の弱塩基性で、水に溶けやすい成分である。
【0017】
上記成分(X2)の2-アミノ-2-メチル-1-プロパノールとは、具体的には以下の構造式(x2)で表され、単に「AMP」とも称される成分である。
【0018】
【化2】
かかる成分(X2)は、分子量89.14、融点が30~31℃、沸点が165.5℃(10mmHg)である。また、25℃でのpKaが9.72であり、水に溶けやすい成分である。
【0019】
上記成分(X3)の2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオールとは、具体的には以下の構造式(x3)で表され、単に「AMPD」とも称される成分である。
【0020】
【化3】
【0021】
かかる成分(X3)は、分子量105.14、融点が107~112℃、沸点が151℃(10mmHg)である。また、25℃でのpKaが8.76であり、水に溶けやすい成分である。
【0022】
なかでも、角栓除去効果を良好にする観点から、成分(X)として1種用いる場合は、2-アミノ-2-ヒドロキシメチル-1,3-プロパンジオール(X1)を含むことが好ましい。また、成分(X)として2種用いる場合は、上記の観点から、2-アミノ-2-ヒドロキシメチル-1,3-プロパンジオール(X1)及び2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール(X2)から選ばれる1種と、2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオール(X3)を含むのが好ましく、2-アミノ-2-ヒドロキシメチル-1,3-プロパンジオール(X1)、及び2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオール(X3)を含むことがより好ましい。
成分(X)として2種以上用いる場合、成分(X3)の含有量と成分(X1)及び成分(X2)の合計含有量との質量比((X3)/((X1)+(X2)))は、皮膚への負担を抑制しつつ角栓の除去効果を増強させる観点から、好ましくは0.001以上であり、より好ましくは0.05以上であり、さらに好ましくは0.08以上であり、さらに好ましくは0.10以上である。また、成分(X3)の含有量と成分(X1)及び成分(X2)の合計含有量との質量比((X3)/((X1)+(X2)))は、皮膚への負担を抑制しつつ肌の柔軟化効果を充分に発揮させる観点から、好ましくは100以下であり、より好ましくは50以下であり、さらに好ましくは20以下であり、さらに好ましくは10以下である。そして、成分(X3)の含有量と成分(X1)及び成分(X2)の合計含有量との質量比((X3)/((X1)+(X2)))は、好ましくは0.001~100であり、より好ましくは0.05~50であり、さらに好ましくは0.08~20であり、さらに好ましくは0.10~10である。
【0023】
成分(X)の合計含有量は、角栓除去効果とタンパク質の凝集抑制効果とを良好に兼ね備える観点から、用いる組成物中に、好ましくは0.08質量%以上であり、より好ましくは0.10質量%以上であり、さらに好ましくは0.5質量%以上であり、さらに好ましくは0.8質量%以上であり、さらに好ましくは1.0質量%以上であり、さらに好ましくは2質量%以上であり、さらに好ましくは3質量%以上であり、さらに好ましくは4質量%以上であり、さらに好ましくは5質量%以上である。また、成分(X)の合計含有量は、角栓除去効果とタンパク質の凝集抑制効果とを良好に兼ね備える観点から、用いる組成物中に、好ましくは35質量%以下であり、より好ましくは30質量%以下であり、さらに好ましくは25質量%以下であり、さらに好ましくは20質量%以下であり、さらに好ましくは15質量%以下であり、さらに好ましくは12質量%以下であり、更に好ましくは11質量%以下であり、さらに好ましくは10質量%以下である。そして、成分(X)の合計含有量は、用いる組成物中に、好ましくは0.08~35質量%であり、より好ましくは0.10~30質量%であり、さらに好ましくは0.5~25質量%であり、さらに好ましくは0.8~20質量%であり、さらに好ましくは1.0~20質量%であり、さらに好ましくは2~15質量%であり、さらに好ましくは3~12質量%であり、さらに好ましくは4~11質量%であり、さらに好ましくは5~10質量%である。
【0024】
本発明で用いる組成物は、成分(X)と相まって、高い角栓除去効果を確保する観点、及び肌をより柔軟化させる観点から、さらに成分(X)以外の塩基性物質(Y)(以下、成分(Y)ともいう)を含有することもできる。
【0025】
成分(X)以外の塩基性物質とは、成分(X)以外の化合物であって、塩基性を示す化合物を意味し、具体的には、25℃の水に溶解させて1質量%濃度の水溶液に調整したときに、かかる水溶液がpH8以上の値を示す化合物を意味する。
かかる成分(Y)としては、より具体的には、モノエタノールアミン、トリエタノールアミン、メチルアミン、エチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、エチレンジアミン、テトラメチルエチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、モルホリン等の鎖状又は環状の脂肪族アミン;アルギニン、リジン等の塩基性アミノ酸;リン酸水素二カリウム、リン酸水素二ナトリウム、クエン酸三ナトリウム、重炭酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸カリウム、酢酸カリウム等の強塩基と、炭酸、重炭酸、酢酸、リン酸、クエン酸、脂肪酸等の弱酸とからなる無機塩;アニリン、ピリジン等の芳香族アミンから選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。
なかでも、角栓除去効果及び皮膚の柔軟化効果を向上させる観点から、脂肪族アミン、及び塩基性アミノ酸から選ばれる1種又は2種以上を含むことが好ましく、アルギニン、モノエタノールアミン、トリエタノールアミン、及びモルホリンから選ばれる1種又は2種以上を含むことがより好ましく、アルギニン及びトリエタノールアミノから選ばれる1種又は2種を含むことがさらに好ましく、アルギニンを含むことがさらに好ましい。
【0026】
成分(Y)の合計含有量は、角栓除去効果と肌の柔軟化効果とを良好に兼ね備える観点から、用いる組成物中に、好ましくは0.01質量%以上であり、より好ましくは0.05質量%以上であり、さらに好ましくは0.10質量%以上である。また、成分(Y)の合計含有量は、皮膚への刺激が増大するのを防止し、角栓除去効果を向上させる観点から、用いる組成物中に、好ましくは15質量%以下であり、より好ましくは12質量%以下であり、さらに好ましくは10質量%以下である。そして、成分(Y)の合計含有量は、用いる組成物中に、好ましくは0.01~15質量%であり、より好ましくは0.05~12質量%であり、さらに好ましくは0.10~10質量%である。
【0027】
成分(X)及び成分(Y)の合計含有量は、皮膚への刺激が増大するのを防ぐ観点から、用いる組成物中に、好ましくは50質量%以下であり、より好ましくは32質量%以下であり、より好ましくは25質量%以下であり、さらに好ましくは20質量%以下であり、さらに好ましくは15質量%以下であり、さらに好ましくは12質量%以下である。また、成分(X)及び成分(Y)の合計含有量は、角栓除去効果及びタンパク質の凝集抑制効果を良好に兼ね備える観点から、用いる組成物中に、好ましくは0.09質量%以上であり、より好ましくは0.15質量%以上であり、さらに好ましくは0.50質量%以上であり、さらに好ましくは1.0質量%以上であり、より好ましくは2質量%以上であり、さらに好ましくは3質量%以上であり、さらに好ましくは5質量%以上であり、さらに好ましくは5質量%超である。そして、成分(X)及び成分(Y)の合計含有量は、用いる組成物中に、好ましくは0.09~50質量%であり、より好ましくは0.15~32質量%であり、さらに好ましくは0.50~25質量%であり、1.0~20質量%であり、さらに好ましくは2~15質量%であり、さらに好ましくは3~12質量%であり、さらに好ましくは5~12質量%であり、さらに好ましくは5質量%超、12質量%以下である。
【0028】
本発明で用いる組成物において、成分(X)の含有量と成分(Y)の含有量との質量比((X)/(Y))は、皮膚への負担を抑制しつつ角栓除去効果を増強させる観点から、好ましくは0.001以上であり、より好ましくは0.005以上であり、さらに好ましくは0.008以上であり、さらに好ましくは0.010以上である。また、本発明で用いる組成物において、成分(Y)の含有量に対する成分(X)の含有量との質量比((X)/(Y))は、皮膚への負担を抑制しつつ肌の柔軟化効果を充分に発揮させる観点から、好ましくは200以下であり、より好ましくは150以下であり、さらに好ましくは120以下であり、さらに好ましくは100以下である。そして、本発明で用いる組成物において、成分(Y)の含有量に対する成分(X)の含有量との質量比((X)/(Y))は、好ましくは0.001~200であり、より好ましくは0.005~150であり、さらに好ましくは0.008~120であり、さらに好ましくは0.01~100である。
【0029】
なお、上記成分(X)は、角栓洗浄力を向上させる観点から、塩形態ではなく、遊離形態で組成物中に存在することが好ましい。すなわち、未中和の脂肪酸のような酸性成分と成分(X)が脂肪酸塩等の塩を形成することなく、少なくとも一部の成分(X)は遊離した状態で、成分(X)単独のまま組成物中に存在することが好ましい。用いる組成物中における、成分(X)中の遊離形態で存在するものの含有量と成分(X)の含有量との質量比(遊離状態の成分(X)の含有量/成分(X)の含有量)は、上記の観点から、0.6以上が好ましく、0.8以上がより好ましく、0.9以上がさらに好ましく、1.0がさらに好ましい。
同様に、成分(Y)も角栓洗浄力及び肌の柔軟性を向上させる観点から、塩形態ではなく、遊離形態で組成物中に存在することが好ましく、例えば、未中和の脂肪酸のような酸性成分と成分(Y)が脂肪酸塩等の塩を形成することなく、少なくとも一部の成分(Y)は遊離した状態で、成分(Y)単独のまま組成物中に存在することが好ましい。用いる組成物中における、成分(Y)中の遊離形態で存在するものの含有量と成分(Y)の含有量との質量比(遊離状態の成分(Y)の含有量/成分(Y)の含有量)は、上記の観点から、0.6以上が好ましく、0.8以上がより好ましく、0.9以上がさらに好ましく、1.0がさらに好ましい。
【0030】
本発明で用いる組成物は、上記成分のほか、起泡性を向上させる観点から、さらにアニオン性界面活性剤(A)を含有することができる。より一層角栓の除去効果を高める観点から、アニオン性界面活性剤(A)として、カルボン酸基を有するアニオン性界面活性剤(A1)及び/又はスルホン酸基又は硫酸エステル基を有するアニオン性界面活性剤(A2)を含有するのが好ましい。
【0031】
「カルボン酸基」とは、カルボン酸残基をも含む意味であり、かかる成分(A1)のカルボン酸基を有するアニオン性界面活性剤としては、脂肪酸又はその塩、エーテルカルボン酸又はその塩、N-アシルアミノ酸塩から選ばれる1種又は2種以上が好ましく挙げられ、エーテルカルボン酸又はその塩を含むことがより好ましい。
【0032】
成分(A1)として用い得る脂肪酸又はその塩としては、良好な起泡性を発揮して、より一層角栓の除去効果を高める観点から、炭素数10~22の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を有する脂肪酸又はその塩が好ましく、炭素数10~18の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を有する脂肪酸又はその塩がより好ましく、炭素数12~16の直鎖のアルキル基を有する脂肪酸又はその塩がさらに好ましく、炭素数12~14の直鎖のアルキル基を有する脂肪酸又はその塩がさらに好ましい。具体的には、ラウリン酸塩、ミリスチン酸塩、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩、ベヘン酸塩、及びこれらの塩から選択される1種又は2種以上が挙げられる。なかでも、上記と同様の観点から、ラウリン酸塩、ミリスチン酸塩、及びパルミチン酸塩から選ばれる1種又は2種以上を含むことが好ましく、ラウリン酸塩、及びミリスチン酸塩から選ばれる1種又は2種を含むことがより好ましい。
成分(A1)の脂肪酸塩を構成する塩としては、アルカリ金属、及びアンモニウムから選択される1種又は2種以上を含むことが好ましく、アルカリ金属から選択される1種又は2種以上を含むことがより好ましく、ナトリウム塩を含むことがさらに好ましい。
【0033】
また、成分(A1)として、例えば、用いる組成物中において、未中和の脂肪酸と中和剤とにより形成されてなる脂肪酸塩を含有させてもよい。かかる脂肪酸の中和率は、泡量、起泡性を向上させる観点から、50~100%であることが好ましく、70~100%であることがより好ましく、90~100%であることがさらに好ましく、100%であることがさらに好ましい。中和剤としては、具体的には、水酸化カリウム及び水酸化ナトリムから選ばれる1種又は2種が好ましい。
【0034】
成分(A1)として用い得るエーテルカルボン酸又はその塩としては、下記一般式(1)で表されるエーテルカルボン酸又はその塩が挙げられる。
1O(CH2CH2O)mCH2COOM1・・・(1)
(式(1)中、R1は炭素数10~22のアルキル基又はアルケニル基を示し、mは平均で0.5~10の数を示し、M1は水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム又は有機アンモニウムを示す。)
【0035】
一般式(1)中、R1としては、良好な起泡性を発揮して、より一層角栓の除去効果を高める観点から、炭素数12~16のアルキル基が好ましく、炭素数12~14のアルキル基がより好ましく、また、上記と同様の観点から、エチレンオキシドの平均付加モル数mは、2~5であるのが好ましい。
1としては、水素原子;ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属;カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属;アンモニウム;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン由来のアンモニウム;アルギニン、リジン等の塩基性アミノ酸由来のアンモニウム等が挙げられる。これらのうち、上記と同様の観点から、ナトリウム、カリウム、トリエタノールアミン及びアルギニンから選択される1種又は2種以上が好ましく、ナトリウム、及びカリウムから選択される1種又は2種がより好ましい。
【0036】
かかるエーテルカルボン酸又はその塩としては、上記と同様の観点から、具体的には、ポリオキシエチレンラウリルエーテルカルボン酸塩、ポリオキシエチレンミリスチルエーテルカルボン酸塩、及びポリオキシエチレンパルミチルエーテルカルボン酸塩から選択される1種又は2種以上を含むことが好ましく、ポリオキシエチレンラウリルエーテルカルボン酸塩、及びポリオキシエチレンミリスチルエーテルカルボン酸塩から選択される1種又は2種を含むことが好ましく、ポリオキシエチレンラウリルエーテルカルボン酸塩を含むことがさらに好ましい。
また、かかるエーテルカルボン酸又はその塩の市販品としては、AKYPO RLM 45CA(花王社製)、AKYPO LM 26C(花王社製)等が挙げられる。
【0037】
また、成分(A1)として、例えば、用いる組成物中において、未中和のエーテルカルボン酸と中和剤とにより形成されてなるエーテルカルボン酸塩を含有させてもよい。かかるエーテルカルボン酸の中和率は、泡量、起泡性を向上させる観点から、50~100%であることが好ましく、70~100%であることがより好ましく、90~100%であることがさらに好ましく、100%であることがさらに好ましい。中和剤としては、具体的には、水酸化カリウム及び水酸化ナトリムから選ばれる1種又は2種が好ましい。
【0038】
成分(A1)として用い得るアシルアミノ酸塩としては、N-アシルアミノ酸又はその塩が挙げられる。N-アシルアミノ酸又はその塩のアシル基は、良好な起泡性を発揮して、より一層角栓の除去効果を高める観点から、炭素数4~30の飽和又は不飽和の直鎖又は分岐鎖を有する脂肪酸を由来としたものが好ましく、炭素数6~26の飽和又は不飽和の直鎖又は分岐鎖を有する脂肪酸を由来としたものがより好ましく、炭素数8~24の飽和又は不飽和の直鎖又は分岐鎖を有する脂肪酸を由来としたものがさらに好ましい。かかる脂肪酸としては、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸等が挙げられる。これら脂肪酸のなかでも、上記と同様の観点から、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、及びオレイン酸から選ばれる1種以上が好ましく、ラウリン酸がより好ましい。また、N-アシルアミノ酸のアシル基は、上記の脂肪酸の混合脂肪酸を由来としたもの、例えば、ヤシ油、パーム核油等を原料にして得られたものであってもよい。なかでも、ヤシ油脂肪酸やパーム核脂肪酸を原料にして得られたものが好ましく、ヤシ油脂肪酸を原料にして得られたものがより好ましい。
【0039】
N-アシルアミノ酸又はその塩のアミノ酸部分は、良好な起泡性を発揮して、より一層角栓の除去効果を高める観点から、グリシン、及びアラニンから選ばれる中性アミノ酸或いはグルタミン酸、及びアスパラギン酸から選ばれる酸性アミノ酸が好ましく、酸性アミノ酸がより好ましく、グルタミン酸がさらに好ましい。また、これらのアミノ酸部分はD体、L体或いはD体とL体の混合物のいずれであってもよく、L体であるのが好ましい。
【0040】
上記N-アシルアミノ酸又はその塩は、1種単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。なかでも、良好な起泡性及び皮膚のなめらかさを向上させる観点から、N-ラウロイルグルタミン酸、N-ミリストイルグルタミン酸、N-ココイルグルタミン酸、N-パーム脂肪酸グルタミン酸、N-ラウロイルアスパラギン酸、N-ココイルグリシン、N-ココイルアラニン、及びこれらの塩から選ばれる1種以上を含むことが好ましく、N-ラウロイルグルタミン酸、N-ミリストイルグルタミン酸、N-ココイルグルタミン酸、N-パーム脂肪酸グルタミン酸、N-ラウロイルアスパラギン酸、N-ココイルグリシン、及びこれらの塩から選ばれる1種以上を含むことがより好ましく、N-ラウロイルグルタミン酸、N-ミリストイルグルタミン酸、N-ココイルグルタミン酸、N-ラウロイルアスパラギン酸、及びこれらの塩から選ばれる1種以上を含むことがより好ましく、N-ココイルグルタミン酸、N-ラウロイルアスパラギン酸、及びこれらの塩から選ばれる1種以上を含むことがさらに好ましく、N-ココイルグルタミン酸又はその塩を含むことがよりさらに好ましい。
【0041】
上記N-アシルアミノ酸又はその塩の塩としては、皮膚への刺激性を低減させる観点や入手容易性から、アルカリ金属塩、トリエタノールアミン塩、及びアルギニン塩から選ばれる1種以上の塩であることが好ましく、ナトリウム塩、カリウム塩、及びトリエタノールアミン塩から選ばれる1種以上の塩であることがより好ましく、ナトリウム塩、及びカリウム塩から選ばれる1種以上の塩であることがさらに好ましく、ナトリウム塩であることがさらに好ましい。
【0042】
また、N-アシルアミノ酸を用いる場合、塩基によって中和されてなるものを用いることが好ましい。N-アシルアミノ酸の中和率は、泡量、起泡性を向上させる観点から、80~100%であることが好ましく、90~100%であることがより好ましく、100%であることがさらに好ましい。中和剤は、具体的には、水酸化カリウム及び水酸化ナトリムから選ばれる1種又は2種が好ましい。
【0043】
成分(A1)の含有量は、良好な起泡性及び角栓の除去効果を発揮する観点から、用いる組成物中に、好ましくは0.01質量%以上であり、より好ましくは0.05質量%以上であり、さらに好ましくは0.10質量%以上であり、さらに好ましくは0.3質量%以上である。また、成分(A1)の含有量は、皮膚への負担が増大するのを防止して、優れた角栓の除去効果を発揮する観点から、用いる組成物中に、好ましくは5質量%以下であり、より好ましくは3質量%以下であり、さらに好ましくは2.0質量%以下であり、さらに好ましくは1.5質量%以下であり、さらに好ましくは1.0質量%以下である。そして、成分(A1)の含有量は、用いる組成物中に、好ましくは0.01~5質量%であり、より好ましくは0.05~3質量%であり、さらに好ましくは0.05~2.0質量%であり、さらに好ましくは0.10~1.5質量%であり、さらに好ましくは0.3~1.0質量%である。
なお、成分(A1)の含有量とは、成分(A1)として、例えば上記脂肪酸又はその塩を用いる場合には、脂肪酸換算量を意味し、エーテルカルボン酸又はその塩やN-アシルアミノ酸又はその塩を用いる場合には、酸換算量を意味する。
【0044】
本発明で用いる組成物において、成分(X)の含有量と成分(A1)の含有量との質量比((X)/(A1))は、優れた角栓の除去効果を発揮する観点から、好ましくは0.1以上であり、より好ましくは0.5以上であり、さらに好ましくは1.0以上である。また、成分(X)の含有量と成分(A1)の含有量との質量比((X)/(A1))は、優れた角栓の除去効果を発揮させ、良好な起泡性を保持する観点から、好ましくは100以下であり、より好ましくは80以下であり、さらに好ましくは70以下である。そして、成分(X)の含有量と成分(A1)の含有量との質量比((X)/(A1))は、好ましくは0.1~100であり、より好ましくは0.5~80であり、さらに好ましくは1.0~70である。
【0045】
特に成分(X)が、成分(X1)又は(X2)のいずれかの場合、成分(X)の含有量と成分(A1)の含有量との質量比((X)/(A1))は、優れた角栓の除去効果を発揮させ、良好な起泡性を保持する観点から、さらに好ましくは2以上であり、さらに好ましくは5以上であり、さらに好ましくは8以上であり、また、さらに好ましくは60以下であり、さらに好ましくは50以下であり、さらに好ましくは40以下であり、さらに好ましくは30以下であり、さらに好ましくは20以下である。そして、成分(X)の含有量と成分(A1)の含有量との質量比((X)/(A1))は、さらに好ましくは2~60であり、さらに好ましくは2~50であり、さらに好ましくは5~40であり、さらに好ましくは8~30であり、さらに好ましくは8~20である。
特に成分(X)が、成分(X3)のみの場合、成分(X)の含有量と成分(A1)の含有量との質量比((X)/(A1))は、優れた角栓の除去効果を発揮させ、良好な起泡性を保持する観点から、さらに好ましくは2以上であり、さらに好ましくは5以上であり、さらに好ましくは8以上であり、さらに好ましくは15以上であり、さらに好ましくは30以上であり、さらに好ましくは40以上である。また、さらに好ましくは68以下であり、さらに好ましくは65以下であり、さらに好ましくは62以下であり、さらに好ましくは60以下である。そして、成分(X)の含有量と成分(A1)の含有量との質量比((X)/(A1))は、さらに好ましくは2~68であり、さらに好ましくは5~65であり、さらに好ましくは8~62であり、さらに好ましくは15~60であり、さらに好ましくは30~60であり、さらに好ましくは40~60である。
【0046】
成分(A2)のスルホン酸基又は硫酸エステル基を有するアニオン性界面活性剤の「スルホン酸基又は硫酸エステル基」とは、スルホン酸残基又は硫酸エステル残基をも含む意味である。かかる成分(A2)のスルホン酸基又は硫酸エステル基を有するアニオン性界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸又はその塩、アルカンスルホン酸又はその塩、アルケニルスルホン酸又はその塩、アルキルスルホン酸又はその塩、アシルイセチオン酸又はその塩、アルキル硫酸エステル又はその塩、アルキルエーテル硫酸エステル又はその塩、アルキルスルホコハク酸又はその塩、スルホ脂肪酸メチルエステル又はその塩、脂肪酸アルカノールアミド硫酸エステル又はその塩、並びにモノアシルグリセリン硫酸エステル又はその塩等から選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。成分(A2)を構成する塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、マグネシウム塩、アンモニウム塩から選ばれる無機塩や、モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、及びトリエタノールアミン塩から選ばれる有機アミン塩が好ましい。
【0047】
これらのうち、優れた角栓の除去効果を発揮しつつ、良好な起泡性を保持する観点から、アルキルベンゼンスルホン酸又はその塩、アシルイセチオン酸又はその塩、アルキル硫酸エステル又はその塩、アルキルエーテル硫酸エステル又はその塩、アルケニルスルホン酸又はその塩、並びにアルキルスルホン酸又はその塩から選択される1種又は2種以上を含むことが好ましく、アルキル硫酸エステル又はその塩、アルキルエーテル硫酸エステル又はその塩、アルケニルスルホン酸又はその塩、並びにアルキルスルホン酸又はその塩から選択される1種又は2種以上を含むことがより好ましく、アルキル硫酸エステル塩、アルキルエーテル硫酸エステル塩、アルケニルスルホン酸塩及びアルキルスルホン酸塩から選択される1種又は2種以上を含むことがさらに好ましい。
【0048】
成分(A2)として用い得るアルキル硫酸エステル塩としては、下記一般式(2)で表されるアルキル硫酸エステル塩が挙げられる。
2OSO32・・・(2)
(式(2)中、R2は炭素数8~22の脂肪族炭化水素基を示し、M2は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、アルキルアンモニウム、アルカノールアンモニウム、及びグルクアンモニウムから選ばれるカチオンを示す。)
【0049】
一般式(2)中、R2としては、優れた角栓の除去効果を発揮しつつ、良好な起泡性を保持する観点から、炭素数8~18の脂肪族炭化水素基が好ましく、炭素数8~16の脂肪族炭化水素基がより好ましく、炭素数10~16の脂肪族炭化水素基がさらに好ましい。さらには、炭素数8~16のアルキル基又はアルケニル基が好ましく、炭素数10~16のアルキル基又はアルケニル基がより好ましく、炭素数10~14のアルキル基又はアルケニル基がよりさらに好ましい。
2としては、上記と同様の観点から、アルカリ金属、アンモニウムが好ましく、アルカリ金属がより好ましく、ナトリウム塩がさらに好ましい。
【0050】
かかるアルキル硫酸エステル塩としては、具体的には、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ミリスチル硫酸ナトリウム、セチル硫酸ナトリウム、ステアリル硫酸ナトリウム、オレイル硫酸ナトリウム、オレイル硫酸トリエタノールアミン等が挙げられる。これらのうち、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン及びラウリル硫酸アンモニウムから選択される1種以上を含むことが好ましい。これらの化合物の1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、かかるアルキル硫酸エステル塩の市販品としては、例えば、エマール0S(花王社製、ラウリル硫酸ナトリウム)、エマール10PT(花王社製、ラウリル硫酸ナトリウム)、エマールTD(花王社製、ラウリル硫酸トリエタノールアミン)、エマールAD-25R(花王社製、ラウリル硫酸アンモニウム)等が挙げられる。
【0051】
成分(A2)として用い得るアルキルエーテル硫酸エステル塩としては、下記一般式(3)で表されるアルキルエーテル硫酸エステル塩が挙げられる。
3O(CH2CH2O)nSO33・・・(3)
(式(3)中、R3は炭素数8~22の脂肪族炭化水素基を示し、M3は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、アルキルアンモニウム、アルカノールアンモニウム、及びグルクアンモニウムから選ばれるカチオンを示し、nは平均付加モル数を示し、0.5~20である。)
【0052】
一般式(3)中、R3としては、優れた角栓の除去効果を発揮しつつ、良好な起泡性を保持する観点から、炭素数8~18の脂肪族炭化水素基が好ましく、炭素数8~16の脂肪族炭化水素基がより好ましく、炭素数10~16の脂肪族炭化水素基がさらに好ましい。さらには、炭素数8~16のアルキル基又はアルケニル基が好ましく、炭素数10~16のアルキル基又はアルケニル基がより好ましく、炭素数10~14のアルキル基又はアルケニル基がよりさらに好ましい。
nは、上記と同様の観点から、0.5以上が好ましく、また12以下が好ましく、5以下が好ましく、4以下がさらに好ましく、2以下がよりさらに好ましい。具体的なnの範囲は、0.5~12が好ましく、0.5~5がより好ましく、0.5~4がさらに好ましく、0.5~2がよりさらに好ましい。
3としては、上記と同様の観点から、アルカリ金属、アンモニウムが好ましく、アルカリ金属がより好ましく、ナトリウム塩がさらに好ましい。
【0053】
かかるアルキルエーテル硫酸エステル塩としては、具体的には、ポリオキシエチレン(1)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(1)ラウリルエーテル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレン(1)ミリスチルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(2)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、及びポリオキシエチレン(2)ミリスチルエーテル硫酸ナトリウムから選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。これらのうち、ポリオキシエチレン(1)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(1)ラウリルエーテル硫酸アンモニウム、及びポリオキシエチレン(2)ラウリルエーテル硫酸ナトリウムから選択される1種以上を含むことが好ましい。なお、本明細書において、これらの化合物のかっこ内の数値は、エチレンオキシドの平均付加モル数を意味する。
また、かかるアルキルエーテル硫酸エステル塩の市販品として、例えば、エマール125HP(花王社製、ポリオキシエチレン(1)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム)、エマール125A(花王社製、ポリオキシエチレン(1)ラウリルエーテル硫酸アンモニウム)、エマール227(花王社製、ポリオキシエチレン(2)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム)等が挙げられる。
【0054】
成分(A2)として用い得るアルケニルスルホン酸又はその塩としては、好ましくは、二重結合を有する炭素数12~22の直鎖炭化水素であり、より好ましくは、二重結合を有する炭素数12~18の直鎖炭化水素であって、末端の炭素原子を除くいずれかの炭素原子にスルホ基が結合してなるアルケニルスルホン酸又はその塩である。さらに好ましくは、二重結合を有する炭素数12~18の直鎖炭化水素であって、かつ二重結合位置が直鎖炭化水素中3位以上の内部の位置に70質量%以上存在し、末端の炭素原子を除くいずれかの炭素原子にスルホ基が結合してなるアルケニルスルホン酸又はその塩である。
これらの炭素数12~22のアルケニルスルホン酸又はその塩は、1種単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよく、起泡性、泡質をコントロールすることができる観点から、使用目的に応じて2種以上組み合わせて用いるのが好ましい。さらに、起泡性、泡質の観点から、炭素数16のアルケニルスルホン酸又はその塩、或いは炭素数18のアルケニルスルホン酸又はその塩が好ましい。また、これら炭素数16のアルケニルスルホン酸又はその塩と、炭素数18のアルケニルスルホン酸又はその塩とを、混合物として用いることが好ましく、その際における炭素数16のアルケニルスルホン酸又はその塩と炭素数18のアルケニルスルホン酸又はその塩の質量比は、1/9~9/1が好ましく、2/8~8/2がより好ましく、5/5~2/8がさらに好ましい。これらの混合物を用いることで、すすぎ時の感触を高めることができる。
【0055】
アルケニルスルホン酸塩を構成する塩としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属;カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属;アンモニウム;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等由来の有機アンモニウムから構成される塩が挙げられる。これらのうち、市場での入手性の観点から、アルカリ金属塩、アンモニウム塩が好ましい。
【0056】
成分(A2)として用い得るアルキルスルホン酸又はその塩としては、好ましくは、炭素数12~22のヒドロキシアルキルスルホン酸又はその塩であり、より好ましくは、炭素数12~22のヒドロキシアルキルスルホン酸又はその塩であって、末端の炭素原子を除くいずれかの炭素原子にスルホ基が結合してなるヒドロキシアルキルスルホン酸又はその塩であり、さらには、炭素数12~18のヒドロキシアルキルスルホン酸又はその塩であって、末端の炭素原子を除くいずれかの炭素原子にスルホ基が結合してなるヒドロキシアルキルスルホン酸又はその塩が好ましい。さらに好ましくは、炭素数12~18の直鎖炭化水素であって、末端の炭素原子を除くいずれかの炭素原子に水酸基と、末端の炭素原子を除くいずれかの炭素原子とに、スルホ基がそれぞれ結合してなるヒドロキシアルキルスルホン酸又はその塩が好ましい。
【0057】
これらの炭素数12~22のヒドロキシアルキルスルホン酸又はその塩は、1種単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよく、起泡性、泡質をコントロールすることができる観点から、使用目的に応じて2種以上組み合わせて用いるのが好ましい。さらに、起泡性、泡質の観点から、炭素数16のヒドロキシアルキルスルホン酸又はその塩、或いは炭素数18のヒドロキシアルキルスルホン酸又はその塩が好ましい。また、これら炭素数16のヒドロキシアルキルスルホン酸又はその塩と、炭素数18のヒドロキシアルキルスルホン酸又はその塩とを混合物として用いることが好ましく、その際における炭素数16のヒドロキシアルキルスルホン酸又はその塩と炭素数18のヒドロキシアルキルスルホン酸又はその塩の質量比(炭素数16のヒドロキシアルキルスルホン酸又はその塩/炭素数18のヒドロキシアルキルスルホン酸又はその塩)は、9/1~1/9が好ましく、8/2~2/8がより好ましく、5/5~2/8がさらに好ましい。これらの混合物を用いることで、すすぎ時の感触を高めることができる。
【0058】
アルキルスルホン酸塩を構成する塩としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属;カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属;アンモニウム;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等由来の有機アンモニウムから構成される塩が挙げられる。これらのうち、市場での入手性の観点から、アルカリ金属塩、アンモニウム塩が好ましい。
【0059】
成分(A2)として、アルケニルスルホン酸又はその塩、或いはアルキルスルホン酸又はその塩のいずれか一方を用いてもよく、これらアルケニルスルホン酸又はその塩、並びにアルキルスルホン酸又はその塩を混合物として用いてもよい。これらの混合物を用いる場合、アルケニルスルホン酸又はその塩とアルキルスルホン酸又はその塩の質量比(アルケニルスルホン酸又はその塩/アルキルスルホン酸又はその塩)は、5/95~50/50であるのが好ましく、10/90~30/70であるのがより好ましい。
なお、アルケニルスルホン酸又はその塩、アルキルスルホン酸又はその塩は、例えば、特開2015-28123に記載の方法により、製造することができる。
【0060】
成分(A2)の含有量は、良好な角栓除去効果及び起泡性を発揮する観点から、本発明で用いる組成物中に、好ましくは0.01質量%以上であり、より好ましくは0.03質量%であり、さらに好ましくは0.05質量%以上であり、さらに好ましくは0.10質量%以上であり、また、好ましくは20質量%以下であり、より好ましくは18質量%以下であり、さらに好ましくは15質量%以下である。そして、成分(A2)の含有量は、用いる組成物中に、さらに好ましくは0.01~20質量%であり、より好ましくは0.03~18質量%であり、さらに好ましくは0.05~18質量%であり、さらに好ましくは0.10~15質量%である。
特に成分(X)が、成分(X1)又は成分(X2)のいずれかの場合、成分(A2)の含有量は、良好な角栓除去効果及び起泡性を発揮する観点から、本発明で用いる組成物中に、さらに好ましくは0.2以上、さらに好ましくは0.3質量%以上であり、さらに好ましくは0.5質量%以上である。また、さらに好ましくは12質量%以下であり、さらに好ましくは10質量%以下であり、さらに好ましくは8質量%であり、さらに好ましくは5質量%以下であり、さらに好ましくは4質量%以下であり、さらに好ましくは3質量%以下である。そして、成分(A2)の含有量は、用いる組成物中に、さらに好ましくは0.2~12質量%であり、さらに好ましくは0.2~10質量%であり、0.2~8質量%であり、さらに好ましくは0.3~5質量%であり、さらに好ましくは0.3~4質量%であり、さらに好ましくは0.5~3質量%である。
【0061】
特に成分(X)が、成分(X3)のみ場合、成分(A2)の含有量は、良好な角栓除去効果及び起泡性を発揮する観点から、本発明で用いる組成物中に、好ましくは0.2以上、さらに好ましくは0.3質量%以上であり、さらに好ましくは0.5質量%以上であり、さらに好ましくは1.0質量%以上であり、さらに好ましくは1.5質量%以上であり、さらに好ましくは2.0質量%以上である。また、好ましくは14質量%以下であり、より好ましくは13質量%以下であり、さらに好ましくは12質量%以下であり、さらに好ましくは11質量%以下であり、さらに好ましくは10質量%以下である。そして、成分(A2)の含有量は、用いる組成物中に、好ましくは0.2~14質量%であり、さらに好ましくは0.3~14質量%であり、さらに好ましくは0.5~13質量%であり、さらに好ましくは1.0~12質量%であり、さらに好ましくは1.5~11質量%であり、さらに好ましくは2.0~10質量%である。
【0062】
本発明の組成物において、成分(X)の含有量と成分(A2)の含有量との質量比((X)/(A2))は、良好な起泡性を保持する観点から、好ましくは0.005以上であり、より好ましくは0.01以上であり、さらに好ましくは0.10以上であり、より好ましくは0.20以上であり、さらに好ましくは0.25以上であり、さらに好ましくは0.3以上であり、さらに好ましくは0.5以上である。また、皮膚への負担が増大するのを防止して、優れた角栓の除去効果を発揮する観点から、好ましくは100以下であり、より好ましくは60以下であり、さらに好ましくは50以下であり、さらに好ましくは40以下であり、さらに好ましくは30以下であり、さらに好ましくは20以下であり、さらに好ましくは15以下であり、さらに好ましくは14以下であり、さらに好ましくは12.5である。そして、成分(X)の含有量と成分(A2)の含有量との質量比((X)/(A2))は、好ましくは0.005~100であり、より好ましくは0.01~60であり、さらに好ましくは0.10~50であり、さらに好ましくは0.20~40であり、さらに好ましくは0.20~30であり、さらに好ましくは0.20~20であり、さらに好ましくは0.25~15であり、さらに好ましくは0.3~14であり、さらに好ましくは0.50~12.5である。
【0063】
本発明で用いる組成物には、上記成分(A1)及び(A2)以外のアニオン性界面活性も用いることができる。成分(A1)及び(A2)以外のアニオン性界面活性としては、リン酸エステル型界面活性剤が挙げられ、具体的にはアルキルリン酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、アルキルアリールエーテルリン酸塩、脂肪酸アミドエーテルリン酸等が挙げられる。
成分(A1)及び(A2)以外のアニオン性界面活性剤の含有量は、用いる組成物の剤型によっても左右され得るが、優れた角栓の除去効果を発揮しつつ、良好な起泡性を保持する観点から、かかる組成物中に、好ましくは0.01質量%以上であり、より好ましくは0.05質量%以上であり、さらに好ましくは0.10質量%以上であり、好ましくは10質量%以下であり、より好ましくは5質量%以下であり、さらに好ましくは1.0質量%以下であり、さらに好ましくは0.5質量%以下である。
【0064】
成分(A)の合計含有量は、良好な角栓の除去効果及び起泡性を発揮する観点から、用いる組成物中に、好ましくは0.01質量%以上であり、より好ましくは0.02質量%以上であり、さらに好ましくは0.05質量%以上であり、さらに好ましくは0.1質量%以上であり、さらに好ましくは0.3質量%以上であり、さらに好ましくは0.5質量%以上である。また、成分(A)の含有量は、皮膚への負担が増大するのを防止する観点から、用いる組成物中に、好ましくは30質量%以下であり、より好ましくは20質量%以下であり、さらに好ましくは15質量%であり、さらに好ましくは12質量%以下であり、さらに好ましくは10質量%以下であり、さらに好ましくは8質量%以下であり、さらに好ましくは4質量%以下である。そして、成分(A)の含有量は、用いる組成物中に、好ましくは0.01~30質量%であり、より好ましくは0.02~20質量%であり、さらに好ましくは0.05~15質量%であり、さらに好ましくは0.1~12質量%であり、0.1~10質量%であり、さらに好ましくは0.3~8質量%であり、さらに好ましくは0.5~4質量%である。
【0065】
本発明の組成物は、良好な皮脂洗浄性及びメイク落ちを発揮し、より一層角栓の除去効果を高める観点から、さらに非イオン性界面活性剤(B)を含有するのが好ましい。
成分(B)として、皮脂洗浄性及び角栓の除去効果を高める観点から、HLB11以上の非イオン性界面活性剤(B1)を含有することが好ましい。かかる成分(B1)のHLBは、11以上であって、好ましくは12以上であり、より好ましくは13以上であり、好ましくは20以下であり、より好ましくは19以下であり、さらに好ましくは18以下である。また、成分(B1)のHLBは、11以上であって、11~20が好ましく、12~19がより好ましく、13~18がさらに好ましい。
ここで、非イオン性界面活性剤のHLB(親水性-親油性のバランス〈Hydrophilic-Lypophilic Balance〉)は、非イオン性界面活性剤の全分子量に占める親水基部分の分子量を示すものであり、次のグリフィン(Griffin)の式により求められるものである。
HLB=20×(界面活性剤分子中の親水基部の分子量/界面活性剤の分子量)
【0066】
成分(B1)の非イオン性界面活性剤としては、例えば、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルポリグルコシド、(ポリ)アルキルグリセリルエーテル等が挙げられる。
なかでも、皮脂洗浄性、すすぎ性を向上させる観点から、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル及びアルキルポリグルコシドから選択される1種又は2種以上を含むことが好ましく、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル及びアルキルポリグルコシドから選択される1種又は2種以上を含むことがより好ましい。
【0067】
ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルの市販品としては、ポリオキシエチレン(6)ラウリン酸ソルビタン(レオドールTW-L106(HLB13.3)、花王社製)等が好ましい。
ポリエチレングリコール脂肪酸エステルの市販品としては、モノラウリン酸ポリエチレングリコール(12EO)(エマノーン112(HLB13.7)、花王社製)等が好ましい。
ポリオキシエチレンアルキルエーテルの市販品としては、ポリオキシエチレン(21)ラウリルエーテル(エマルゲン121-G(HLB16.6)、花王社製)、ポリオキシエチレン(20)2-ヘキシルデシルエーテル(エマルゲン1620G(HLB14)、花王社製)、ポリオキシエチレン(16)ラウリルエーテル(エマルゲン116(HLB15.8)、花王社製)、ポリオキシエチレン(9)ラウリルエーテル(エマルゲン109P(HLB13.6)、花王社製)、ポリオキシエチレン(20)オクチルドデシルエーテル(エマルゲン2020G(HLB13.3)、花王社製)、ポリオキシエチレン(25)オクチルドデシルエーテル(エマルゲン2025G(HLB14.1)、花王社製)等が好ましい。
アルキルポリグルコシドの市販品としては、デシルグルコシド(マイドール10(HLB15.7)、花王社製)、ラウリルグルコシド(マイドール12(HLB17)、花王社製)等が好ましい。
【0068】
成分(B)として、より良好なメイク落ちを発揮する観点から、HLB11未満の非イオン性界面活性剤(B2)を含有することが好ましい。成分(B2)のHLBは、11未満であって、好ましくは10以下であり、より好ましくは9以下であり、好ましくは4以上であり、より好ましくはHLB5以上であり、さらに好ましいHLB6以上であり、また、成分(B2)のHLBは、11未満であって、4~10が好ましく、5~10がより好ましく、6~9がさらに好ましい。
【0069】
成分(B2)の非イオン性界面活性剤としては、例えば、エチレングリコールモノステアリン酸エステル等のエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール(2)モノステアリン酸エステル等のポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール(5)デシルペンタデシルエーテル等のポリエチレングリコールアルキルエーテル、ポリエチレングリコール(5)硬化ヒマシ油モノイソラウレート等のポリエチレングリコール硬化ヒマシ油等のポリエチレングリコール系界面活性剤;プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリプロピレングリコール脂肪酸エステル、プロピレングリコールアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールアルキルエーテル、プロピレングリコールアルキルエーテルの酸化エチレン誘導体等のプロピレングリコール系界面活性剤;グリセリンモノイソステアリン酸エステル等のグリセリン脂肪酸エステル;グリセリンモノイソステアリルエーテル等のグリセリンアルキルエーテル;ソルビタンモノステアリン酸エステル等のソルビタン脂肪酸エステル;モノイソステアリン酸ポリグリセリル等のポリグリセリン脂肪酸エステル等が挙げられる。
なかでも、ポリオキシエチレンアルキルエーテル及びポリグリセリン脂肪酸エステルから選択される1種又は2種以上を含むことが好ましい。
【0070】
ポリオキシエチレンアルキルエーテルの市販品としては、ポリオキシエチレン(2)ラウリルエーテル(エマルゲン102(HLB6.4)、花王社製)、ポリオキシエチレン(3)ラウリルエーテル(エマルゲン103(HLB8.3)、花王社製)、ポリオキシエチレン(5)ラウリルエーテル(エマルゲン105(HLB10)、花王社製)等が好ましい。
ポリグリセリン脂肪酸エステルの市販品としては、イソステアリン酸ポリグリセリル(コスモール41V(HLB8)、日清オイリオグループ社製)等が好ましい。
【0071】
本発明の組成物において、成分(B1)のHLB11以上の非イオン性界面活性剤の含有量と、成分(B2)のHLB11未満の非イオン性界面活性剤の含有量との質量比((B1)/(B2))は、良好な皮脂洗浄性及びメイク落ちを発揮する観点から、0.1以上が好ましく、0.6以上がより好ましく、0.8以上がさらに好ましく、1.5以上がさらに好ましく、2.5以上がさらに好ましく、5以上がさらに好ましく、また25以下が好ましく、20以下がより好ましく、16以下がさらに好ましく、14以下がさらに好ましく、12以下がさらに好ましい。また、成分(B1)のHLB11以上の非イオン性界面活性剤の含有量と、成分(B2)のHLB11未満の非イオン性界面活性剤の含有量との質量比((B1)/(B2))は、0.1~25が好ましく、0.6~20がより好ましく、0.8~16がさらに好ましく、は1.5~14がさらに好ましく、2.5~12がさらに好ましく、5~12がさらに好ましい。
【0072】
成分(B)の含有量は、良好な皮脂洗浄性及びメイク落ちを発揮し、より一層角栓の除去効果を高める観点から、用いる組成物中に、0.1質量%以上が好ましく、0.4質量%以上がより好ましく、0.5質量%以上がさらに好ましく、また30質量%以下が好ましく、25質量%以下がより好ましく、20質量%以下がさらに好ましく、18質量%以下がさらに好ましく、15質量%以下がさらに好ましく、10質量%以下がさらに好ましい。また、成分(B)の含有量は、用いる組成物中に、0.1~30質量%が好ましく、0.4~25質量%がより好ましく、0.5~20質量%がさらに好ましく、0.5~18質量%がさらに好ましく、0.5~15質量%がさらに好ましく、0.5~10質量%がさらに好ましい。
【0073】
本発明の組成物において、成分(X)の含有量と成分(B)の含有量との質量比((X)/(B))は、優れた角栓の除去効果を発揮し、皮脂洗浄性及びメイク落ちを向上させる観点から、好ましくは0.01以上であり、より好ましくは0.02以上、より好ましくは0.03以上が好ましく、より好ましくは0.1以上であり、さらに好ましくは0.3以上であり、さらに好ましくは0.5以上である。また、本発明で用いる組成物において、成分(X)の含有量と成分(B)の含有量との質量比((X)/(B))は、優れた角栓の除去効果を発揮する観点から、好ましくは50以下であり、より好ましくは30以下であり、さらに好ましくは25以下であり、さらに好ましくは20以下であり、さらに好ましくは15以下である。そして、本発明で用いる組成物において、成分(X)の含有量と成分(B)の含有量との質量比((X)/(B))は、好ましくは0.01~50であり、より好ましくは0.02~30であり、さらに好ましくは0.03~25であり、さらに好ましくは0.1~25であり、さらに好ましくは0.3~20であり、さらに好ましくは0.5~20であり、さらに好ましくは0.5~15である。
【0074】
本発明の組成物は、起泡性を向上させる観点から、さらに両性界面活性剤(C)を含有することができる。両性界面活性剤としては、アミドアミノ酸型界面活性剤、カルボベタイン型界面活性剤、アミドベタイン型界面活性剤、アミドスルホベタイン型界面活性剤、スルホベタイン型界面活性剤等が挙げられる。
【0075】
これら両性界面活性剤の含有量は、本発明の組成物の剤型によっても左右され得るが、角栓の除去効果を高め、優れた起泡性を得る観点から、本発明の組成物中に、好ましくは0.1質量%以上であり、より好ましくは0.5質量%以上であり、さらに好ましくは1質量%以上であり、また、好ましくは15質量%以下であり、より好ましくは10質量%以下であり、さらに好ましくは5質量%以下である。そして、成分(C)の含有量は、用いる組成物中に、好ましくは0.1~15質量%であり、より好ましくは0.5~10質量%であり、さらに好ましくは1~5質量%である。
【0076】
本発明の組成物は、優れた角栓除去効果を発揮しつつ、肌にしっとり感を付与する観点から、さらにポリオール(D)を含有するのが好ましい。かかる成分(D)のポリオールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、イソプレングリコール、ヘキシレングリコール、1,3-ブチレングリコール等の2価アルコール;グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリン、ヘキサグリセリン、デカグリセリン、トリメチルプロパノール等の3価以上のアルコール;エリスリトール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、グルコース、マンノース、ガラクトース、ショ糖、フルクトース、マルトース、トレハロース、マルチトール、キシリトール、イノシトール、ソルビタン、ソルビトール等の糖又は糖アルコール等が挙げられる。なかでも、肌にしっとり感を付与し、優れた角栓除去効果を発揮する観点から、かかる成分(D)は、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、イソプレングリコール、ヘキシレングリコール、1,3-ブチレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリン、ヘキサグリセリン、デカグリセリン、トリメチルプロパノール、エリスリトール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、グルコース、マンノース、ガラクトース、ショ糖、フルクトース、マルトース、マルチトール、キシリトール、イノシトール、ソルビタン及びソルビトールから選択される1種又は2種以上を含むことが好ましく、ジプロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、グリセリン、ソルビトール及びマンニトールから選択される1種又は2種を含むことが好ましい。
【0077】
成分(D)の含有量は、優れた角栓除去効果を発揮し、肌にしっとり感を付与する観点から、用いる組成物中に、好ましくは0.5質量%以上であり、より好ましくは1.0質量%以上であり、さらに好ましくは3質量%以上であり、さらに好ましくは5質量%以上であり、さらに好ましくは8質量%以上であり、10質量%以上であり、また、好ましくは40質量%以下であり、より好ましくは35質量%以下であり、さらに好ましくは30質量%以下であり、さらに好ましくは25質量%以下であり、さらに好ましくは20質量%以下である。そして、成分(D)の含有量は、用いる組成物中に、好ましくは0.5~40質量%であり、より好ましくは1.0~35質量%であり、さらに好ましくは3~30質量%であり、さらに好ましくは5~25質量%であり、さらに好ましくは8~20質量%であり、さらに好ましくは10~20質量%である。
【0078】
本発明の組成物は、優れた角栓除去効果を発揮しつつ、塗布時のたれ落ちを抑制し、経時安定性を向上させる観点から、さらに水溶性高分子(E)を含有するのが好ましい。成分(E)の水溶性高分子は、通常の組成物に用いられるものであればいずれでも良い。具体的には、カルボキシビニルポリマー、アクリル酸・(メタ)アクリル酸アルキルの共重合体、ヒドロキシエチル基又はヒドロキシプロピル基が付加したセルロースなどが、塗布時のたれ落ちを抑制し、経時安定性を向上させる観点から、好適な水溶性高分子として挙げられる。カルボキシビニルポリマーとしては、例えば、カーボポール980、カーボポール981(以上、Lubrizol Advanced Materials社製)、アクリル酸・(メタ)アクリル酸アルキル共重合体としては、例えば、ペムレンTR-1、ペムレンTR-2、カーボポールETD2020、カーボポール1382、カーボポール1342、カーボポール Ultrez 10、カーボポール Ultrez 20、カーボポール Ultrez 21(以上、Lubrizol Advanced Materials社製)、AQUPEC HV-501ER(住友精化社製)等の市販品を使用することができる。
また、ヒドロキシエチル基又はヒドロキシプロピル基が付加したセルロースは、セルロースの水酸基における水素原子の一部がヒドロキシエチル基又はヒドロキシプロピル基で置換されているものであり、これら以外の置換基を有していても良い。具体的には、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等が挙げられる。これらは、セルロースに苛性ソーダを反応させてアルカリセルロースとし、次いで、塩化メチル、モノクロル酢酸、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等を作用させ、セルロースの水酸基における水素原子をヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、メチル基、カルボキシメチル基等に置換して得られるものである。
これらのセルロースは、塗布時のたれ落ちを抑制し、経時安定性を向上させる観点から、平均置換度は0より大きく、0.5以上がより好ましく、3以下が好ましく、2以下がより好ましい。また、重量平均分子量は、同様の観点から、200,000以上が好ましく、500,000以上がより好ましく、650,000以上がより好ましく、3,000,000以下が好ましく、2,000,000以下がより好ましく、1,600,000以下が更に好ましい。なお、本発明において、平均置換度は、NMRにより求められ、重量平均分子量は、標準物質をポリエチレンオキシドとしてゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)-多角度レーザー光散乱検出装置(MALLS)システムを用いることにより測定される。
ヒドロキシエチル基又はヒドロキシプロピル基が付加したセルロースとしては、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースが好ましく、平均置換度が0.5~2、重量平均分子量が650,000~1,600,000のものが好ましい。
ヒドロキシエチル基又はヒドロキシプロピル基が付加したセルロースとしては、例えば、ヒドロキシエチルセルロースでは、CELLOSIZE QP52000H(ダウ・ケミカル社製)、HECダイセル SE400、SE500、SE600、SE850、SE900(以上、ダイセルファインケム社製)等;ヒドロキシプロピルメチルセルロースでは、METOLOSE 60SH、65SH(以上、信越化学工業社製)、BENECEL E50、E4M、E10M、F4MC、K99C、K4M、K15M、K35M、K100M、K200M(以上、ASHLAND社製)等の市販品を使用することができる。
【0079】
成分(E)の含有量は、優れた角栓除去効果を発揮しつつ、塗布時のたれ落ちを抑制し、経時安定性を向上させる観点から、用いる組成物中に好ましくは0.01質量%以上であり、より好ましくは0.05質量%以上であり、さらに好ましくは0.10質量%以上であり、さらに好ましくは0.15質量%以上であり、また、好ましくは3量%以下であり、より好ましくは2質量%以下であり、さらに好ましくは1.0質量%以下であり、さらに好ましくは0.8質量%以下である。そして、成分(E)の含有量は、用いる組成物中に、好ましくは0.01~3質量%であり、より好ましくは0.05~2質量%であり、さらに好ましくは0.1~1.0質量%であり、さらに好ましくは0.15~0.8質量%である。
【0080】
本発明の組成物は、優れた角栓除去効果を発揮しつつ、肌にしっとり感を付与する観点から、さらに中性アミノ酸、ベタイン型化合物及びエチレンジアミン4酢酸塩から選ばれる1種又は2種以上(F)を含有することが好ましい。かかる成分(F)の中性アミノ酸としては、例えばグリシン、サルコシン、L-セリン、β-アラニン、アミノ酪酸等が挙げられ、ベタイン型化合物としては、成分(C)以外のもので、トリメチルグリシン、トリメチルセリン、ヒドロキシエチルジメチルグリシン、モノエタノール-C5-カルボキシベタイン等が挙げられる。なかでも、優れた角栓除去効果を発揮する観点から、かかる成分(F)としては、トリメチルグリシン、トリメチルセリン、ヒドロキシエチルジメチルグリシン及びモノエタノール-C5-カルボキシベタインから選択される1種又は2種以上を含むことが好ましく、トリメチルグリシン、トリメチルセリン及びヒドロキシエチルジメチルグリシンから選択される1種又は2種以上を含むことがより好ましく、トリメチルグリシンを含むことがさらに好ましい。
【0081】
成分(F)の組成物中の含有量は、優れた角栓除去効果を発揮しつつ、肌にしっとり感を付与する観点から、用いる組成物中に、0.1質量%以上が好ましく、0.5質量%以上がより好ましく、1.0質量%以上がさらに好ましく、また、20質量%以下が好ましく、15質量%以下がより好ましく、10質量%以下がさらに好ましい。そして、成分(F)の含有量は、用いる組成物中に、好ましくは0.1~20質量%であり、より好ましくは0.5~15質量%であり、さらに好ましくは1.0~10質量%である。
【0082】
本発明の組成物は、上記成分を良好に溶解又は分散させる観点から、水(G)を含有する。かかる水の含有量は、本発明の組成物中に、好ましくは10質量%以上であり、より好ましくは20質量%以上であり、さらに好ましくは30質量%以上であり、好ましくは99.9質量%以下であり、より好ましくは99.5質量%以下であり、さらに好ましくは99質量%以下である。
【0083】
本発明の組成物は、本願発明の効果を損なわない範囲で、上記成分のほか、組成物に通常用いられる成分、例えば、炭化水素油、エステル油、エーテル油、植物油等の油剤;乳酸ナトリウム、尿素、ピロリドンカルボン酸ナトリウム等の成分(D)及び成分(E)以外の保湿剤;紫外線吸収剤;酸化防止剤;殺菌剤;エキス類;香料;色素等を含有することができる。
【0084】
なお、これらの各剤は、各剤としての用途に限られず、目的に応じて他の用途として転用、例えば、制汗剤を香料として使用したり、他の用途との兼用、例えば、制汗剤と香料としての効果を奏するものとして使用したりすることができる。
【0085】
本発明で用いる組成物の25℃におけるpHは、かかる組成物が、成分(X)のいずれか1種単独で含有する場合、角栓除去効果を十分に発揮させる観点から、8.5以上が好ましく、12.5以下が好ましい。
【0086】
さらに本発明で用いる組成物の25℃におけるpHは、かかる組成物が、成分(X)として、2-アミノ-2-ヒドロキシメチル-1,3-プロパンジオール(X1)を1種単独で含有する場合、上記成分(X)による角栓除去効果を充分に発揮させる観点から、好ましくは8.6以上であり、より好ましくは8.8以上であり、さらに好ましくは9.0以上であり、さらに好ましくは9.2以上であり、さらに好ましくは9.3以上であり、さらに好ましくは9.5以上であり、さらに好ましくは9.8以上であり、さらに好ましくは10.0以上である。また、本発明で用いる組成物の25℃におけるpHは、肌への過度な負担を抑制する観点から、好ましくは12.5以下であり、より好ましくは12.2以下であり、さらに好ましくは12.0以下であり、さらに好ましくは11.8以下であり、さらに好ましくは11.5以下であり、さらに好ましくは11.2以下であり、さらに好ましくは11以下である。そして、本発明で用いる組成物の25℃におけるpHは、好ましくは8.6~12.5であり、より好ましくは8.8~12.2であり、さらに好ましくは9.0~12.0であり、さらに好ましくは9.2~11.8であり、さらに好ましくは9.3~11.8であり、さらに好ましくは9.5~11.5であり、さらに好ましくは9.8~11.2であり、さらに好ましくは10.0~11.0である。
【0087】
また、本発明で用いる組成物の25℃におけるpHは、かかる組成物が、成分(X)として、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール(X2)を1種単独で含有する場合、上記成分(X)による角栓除去効果を充分に発揮させる観点から、好ましくは9.0以上であり、より好ましくは9.2以上であり、さらに好ましくは9.3以上であり、さらに好ましくは9.5以上であり、さらに好ましくは9.8以上であり、さらに好ましくは10.0以上であり、さらに好ましくは10.2以上であり、さらに好ましくは10.5以上である。また、本発明で用いる組成物の25℃におけるpHは、肌への過度な負担を抑制する観点から、好ましくは12.5以下であり、より好ましくは12.2以下であり、さらに好ましくは12.0以下であり、さらに好ましくは11.8以下であり、さらに好ましくは11.5以下であり、さらに好ましくは11.2以下であり、さらに好ましくは11.0以下である。そして、本発明で用いる組成物の25℃におけるpHは、好ましくは9.0~12.5であり、より好ましくは9.2~12.2であり、さらに好ましくは9.3~12.2であり、さらに好ましくは9.5~12.0であり、さらに好ましくは9.8~11.8であり、さらに好ましくは10.0~11.5であり、さらに好ましくは10.2~11.5であり、さらに好ましくは10.2~11.2であり、さらに好ましくは10.5~11.2であり、さらに好ましくは10.5~11.0である。
【0088】
本発明で用いる組成物の25℃におけるpHは、かかる組成物が、成分(X)として、2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオール(X3)を1種単独で含有する場合、かかる組成物の25℃におけるpHは、上記成分(X)による角栓除去効果を充分に発揮させる観点から、好ましくは8.5以上であり、より好ましくは8.8以上であり、さらに好ましくは9.0以上であり、さらに好ましくは9.2以上であり、さらに好ましくは9.3以上であり、さらに好ましくは9.5以上であり、さらに好ましくは9.8以上であり、さらに好ましくは10.0以上であり、さらに好ましくは10.2以上であり、さらに好ましくは10.5以上である。また、本発明で用いる組成物の25℃におけるpHは、肌への過度な負担を抑制する観点から、好ましくは12.5以下であり、より好ましくは12.2以下であり、さらに好ましくは12.0以下であり、さらに好ましくは11.8以下であり、さらに好ましくは11.5以下であり、さらに好ましくは11.2以下であり、さらに好ましくは11.0以下である。そして、本発明で用いる組成物の25℃におけるpHは、好ましくは8.5~12.5であり、より好ましくは8.8~12.2であり、さらに好ましくは9.0~12.0であり、さらに好ましくは9.2~11.8であり、さらに好ましくは9.3~11.8であり、さらに好ましくは9.5~11.5であり、さらに好ましくは9.8~11.5であり、さらに好ましくは10.0~11.5であり、さらに好ましくは10.2~11.2であり、さらに好ましくは10.5~11.2であり、さらに好ましくは10.5~11.0である。
【0089】
成分(X)として、上記成分(X1)~成分(X3)から選ばれる2種又は3種を含有する場合、角栓除去効果に優れるpH領域が広がる傾向があり、本発明で用いる組成物の25℃におけるpHは、上記成分(X)による角栓除去効果を充分に発揮させる観点から、好ましくは8.3以上であり、より好ましくは8.5以上であり、さらに好ましくは8.8以上であり、さらに好ましくは9.0以上であり、さらに好ましくは9.2以上、さらに好ましくは9.3以上であり、さらに好ましくは9.5以上であり、さらに好ましくは9.8以上であり、さらに好ましくは10.0以上である。また、本発明で用いる組成物の25℃におけるpHは、肌への過度な負担を抑制する観点から、好ましくは12.5以下であり、より好ましくは12.2以下であり、さらに好ましくは12.0以下であり、さらに好ましくは11.8以下であり、さらに好ましくは11.5以下であり、さらに好ましくは11.2以下であり、さらに好ましくは11.0以下である。そして、本発明で用いる組成物の25℃におけるpHは、好ましくは8.3~12.5であり、より好ましくは8.5~12.2であり、さらに好ましくは8.8~12.0であり、さらに好ましくは9.0~12.0であり、さらに好ましくは9.2~11.8であり、さらに好ましくは9.3~11.8であり、さらに好ましくは9.5~11.5であり、さらに好ましくは9.8~11.2であり、さらに好ましくは10.0~11.0である。
なお、本発明で用いる組成物は、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、塩酸等のpH調整剤を適宜含有してもよい。
【0090】
また、成分(X)と成分(Y)を含有する組成物を用いる場合も、角栓除去効果に優れるpH領域が広がる傾向があり、本発明で用いる組成物の25℃におけるpHは、上記成分(X)による角栓除去効果を充分に発揮させる観点から、好ましくは8.3以上であり、より好ましくは8.5以上であり、さらに好ましくは8.8以上であり、さらに好ましくは9.0以上であり、さらに好ましくは9.2以上であり、さらに好ましくは9.3以上であり、さらに好ましくは9.5以上であり、さらに好ましくは9.8以上であり、さらに好ましくは10.0以上である。また、本発明で用いる組成物の25℃におけるpHは、肌への過度な負担を抑制する観点から、好ましくは12.5以下であり、より好ましくは12.2以下であり、さらに好ましくは12.0以下であり、さらに好ましくは11.8以下であり、さらに好ましくは11.5以下であり、さらに好ましくは11.2以下であり、さらに好ましくは11.0以下である。そして、本発明で用いる組成物の25℃におけるpHは、好ましくは8.3~12.5であり、より好ましくは8.5~12.2であり、さらに好ましくは8.8~12.0であり、さらに好ましくは9.0~12.0であり、さらに好ましくは9.2~11.8であり、さらに好ましくは9.3~11.8であり、さらに好ましくは9.5~11.5であり、さらに好ましくは9.8~11.2であり、さらに好ましくは10.0~11.0である。
なお、本発明で用いる組成物は、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、塩酸等のpH調整剤を適宜含有してもよい。
【0091】
本発明で用いる組成物は、上記のとおり、2-アミノ-2-ヒドロキシメチル-1,3-プロパンジオール(X1)、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール(X2)、及び2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオール(X3)から選ばれる1種又は2種以上(X)を含有する。かかる組成物は、化粧料、医薬部外品、医薬品等として特に制限なく用いることができる。なかでも優れた角栓の除去効果を充分に享受する観点から、角栓除去用組成物又は角栓除去剤として利用でき、毛穴目立ちを抑制するための毛穴洗浄用皮膚化粧料として好適に利用でき、特に角栓を除去するための角栓除去用皮膚化粧料として好適に利用できる。
本発明の組成物の適用部位としては、好ましくは身体の皮膚であり、より好ましくは顔、首、手足、又は胴体等の頭皮を除く皮膚であり、さらに好ましくはこれら皮膚上の毛穴部位であり、さらに好ましくは顔の額から鼻先にかけての皮膚上の毛穴部位であり、これら所望の部位に組成物を塗布し、一定時間経過後に適用部位に残存する組成物を水により洗い流す又はティッシュ、不織布、織布等の拭き取り材により拭き取る、好ましくは水により洗い流すことにより、使用することができる。
【0092】
同様に、上記組成物は、角栓を効果的に除去できるだけでなく、皮膚の明度を高めて、肌くすみを低減することができる観点から、皮膚明度向上用皮膚化粧料として好適に利用でき、特に肌くすみ改善用皮膚化粧料として好適に利用できる。すなわち、これらの化粧料を皮膚に適用することにより、皮膚明度の向上方法又は肌くすみ改善方法として、上記組成物の有用性を高めることができる。
さらに上記組成物は、角栓を効果的に除去してニキビの原因を解消することができる観点から、ニキビ抑制用外用剤として好適に利用できる。すなわち、かかる外用剤を皮膚に適用することにより、ニキビの抑制方法として、上記組成物の有用性を高めることができる。
さらに上記組成物は、角栓を効果的に除去することにより、毛穴からの薬剤の浸透を促進させ、薬剤による作用を高める効果を発揮できる観点から、皮膚浸透促進用組成物として好適に利用できる。すなわち、かかる組成物を皮膚に適用することにより、皮膚浸透促進方法として、上記組成物の有用性を高めることができる。
また上記組成物は、タンパク質の凝集を抑制することができることから、タンパク質凝集抑制剤として好適に利用でき、またかかる組成物を皮膚に適用することにより、タンパク質の凝集抑制方法として、上記組成物の有用性を高めることができる。
【0093】
本発明で用いる組成物の剤型は、特に制限されず、泡状、液体状、ペースト状、クリーム状等の剤型が好ましく、角栓への浸透性を向上させる観点から、泡状、液体状がより好ましい。本発明で用いる組成物は、シャンプー、リンス、コンディショナーなどの毛髪化粧料、洗顔料、クレンジング化粧料、ボディ洗浄料、頭皮洗浄料、ローション、乳液、クリーム、美容液、日焼け止め化粧料、パック、マッサージ化粧料などの皮膚化粧料として好適に利用できる。これらのうち、洗顔料、クレンジング化粧料、ボディ洗浄料、頭皮洗浄料等の皮膚用洗浄料として適用するのが好ましい。
【0094】
本発明で用いる組成物の使用形態としては、適用部位等に応じ、適宜選択することができる。例えば、本発明の組成物の剤型が液体状、ペースト状、クリーム状等の剤型である場合、組成物を適用部位に直接塗布して使用すればよい。具体的には、好ましくは0.05~2mL/cm2、より好ましくは0.1~1mL/cm2の量で組成物を適用部位に塗布した後、通常10秒~10分間、好ましくは15秒~5分間、より好ましくは30秒~4分間、さらに好ましくは1~3分間、適用部位においてマッサージし、次いで適用部位に残存する組成物を水により洗い流す、又はティッシュ、不織布、織布等の拭き取り材により拭き取る、好ましくは水により洗い流すのが望ましい。
【0095】
また、例えば、本発明で用いる組成物の剤型が液体状である場合、これを不織布又は織布等のシート剤に含浸させてシート状洗浄剤として使用することもできる。具体的には、組成物を含浸させたシート状洗浄剤を適用部位に貼付したまま、通常1分~30分間、好ましくは5分~20分、さらに好ましくは10分~15分間放置した後、シート状洗浄剤を剥離し、次いで適用部位に残存する組成物を水により洗い流す、又はティッシュ、不織布、織布等の拭き取り材により拭き取る、好ましくは水により洗い流すのが望ましい。
【0096】
さらに、本発明で用いる組成物の剤型を泡状にする場合、例えば、液体状の組成物を泡吐出容器に充填し、使用時に容器から適用部位に吐出させて使用すればよく、吐出後、塗布する場合と同様の使用態様とすればよい。このような泡状の剤型は、適用部位においてマッサージをするのに適している。
【0097】
また、本発明で用いる組成物をスプレー容器や高圧洗浄器に充填し、使用時にノズルから噴射させて使用してもよい。この際、通常10秒~5分間、好ましくは15秒~3分間、より好ましくは30秒~2分間、適応部位に噴射して洗浄する。次いで適用部位に残存する組成物を水により洗い流す、又はティッシュ、不織布、織布等の拭き取り材により拭き取る、好ましくは水により洗い流すのが望ましい。
【0098】
本発明で用いる組成物は、例えば、予め水を60~80℃に加熱する工程(I)、工程(I)で得られた水に成分(X)及び必要に応じてその他の成分を順次添加し、混合及び攪拌する工程(II)、並びに工程(II)で得られた混合物を20~35℃に冷却する工程(III)を備える製造方法により得ることができる。
ただし、用いるその他の成分として、未中和の脂肪酸等の酸性成分が存在する場合、負の電荷を中和するために成分(X)が消費されて、得られる組成物中における成分(X)の遊離状態での含有量が所定の量より減じられるおそれがあるため、上記工程(II)は、これを加味した工程とするのが望ましい。すなわち、上記工程(II)は、成分(X)を添加する前に、まずは成分(X)以外の各成分を順次混合し、混合及び攪拌して各成分を溶解させ、次いで中和剤を添加して酸性成分を中和させた後、成分(X)を添加し、混合及び攪拌して溶解させる工程(II)’とし、上記工程(III)へ移行するのがよい。
【0099】
或いは、工程(II)’のように中和剤を用いることなく、成分(X)によって直接酸性成分を中和させてもよい。すなわち、上記工程(II)は、成分(X)を添加する前に、まずは成分(X)以外の各成分を順次混合し、混合及び攪拌して各成分を溶解させ、成分(X)を添加して酸性成分を中和させた後、混合及び攪拌して溶解させる工程(II)’’とし、上記工程(III)へ移行してもよい。この場合、工程(II)’’における成分(X)の添加量は、得られる組成物中における成分(X)の遊離状態での含有量に、酸性成分の中和に必要な成分(X)の量を加算した量とすればよい。
なお、成分(X)とともに成分(Y)も含有する組成物を得る場合においても、成分(Y)を成分(X)と同様の取扱いとするのが望ましい。
【0100】
上述した実施形態に関し、本発明はさらに以下の組成物を用いた角栓を除去する方法及び角栓除去用組成物等を開示する。
[1]2-アミノ-2-ヒドロキシメチル-1,3-プロパンジオール(X1)、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール(X2)、及び2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオール(X3)から選ばれる1種又は2種以上(X)を含有する組成物を用いて角栓を除去する方法。
[2]成分(X)が、成分(X)として1種用いる場合は、好ましくは2-アミノ-2-ヒドロキシメチル-1,3-プロパンジオール(X3)を含み、成分(X)として2種用いる場合は、2-アミノ-2-ヒドロキシメチル-1,3-プロパンジオール(X1)及び2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール(X2)から選ばれる1種と、2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオール(X3)を含む上記[1]の角栓を除去する方法。
[3]組成物中における成分(X)の合計含有量が、好ましくは0.08質量%以上であり、より好ましくは0.10質量%以上であり、さらに好ましくは0.5質量%以上であり、さらに好ましくは0.8質量%以上であり、さらに好ましくは1.0質量%以上であり、さらに好ましくは2質量%以上であり、さらに好ましくは3質量%以上であり、さらに好ましくは4質量%以上であり、さらに好ましくは5質量%以上であり、好ましくは35質量%以下であり、より好ましくは30質量%以下であり、さらに好ましくは25質量%以下であり、さらに好ましくは20質量%以下であり、さらに好ましくは15質量%以下であり、さらに好ましくは12質量%以下であり、更に好ましくは11質量%以下であり、さらに好ましくは10質量%以下である上記[1]又は[2]の角栓を除去する方法。
[4]成分(X)中の遊離形態で存在するものの含有量と成分(X)の含有量との質量比(遊離状態の成分(X)の含有量/成分(X)の含有量)が、好ましくは0.6以上であり、より好ましくは0.8以上であり、さらに好ましくは0.9以上である上記[1]~[3]いずれか1の角栓を除去する方法。
【0101】
[5]組成物が、さらに成分(X)以外の塩基性物質を含有し、成分(Y)の合計含有量が、組成物中に、好ましくは0.01質量%以上であり、より好ましくは0.05質量%以上であり、さらに好ましくは0.10質量%以上であり、好ましくは15質量%以下であり、より好ましくは12質量%以下であり、さらに好ましくは10質量%以下である上記[1]~[4]いずれか1の角栓を除去する方法。
[6]成分(Y)が、鎖状又は環状の脂肪族アミン、塩基性アミノ酸、強塩基と弱酸とからなる無機塩、並びに芳香族アミンから選ばれる1種又は2種以上を含み、好ましくは脂肪族アミン、及び塩基性アミノ酸から選ばれる1種又は2種以上を含み、より好ましくはアルギニン、モノエタノールアミン、トリエタノールアミン、及びモルホリンから選ばれる1種又は2種以上を含み、さらに好ましくはアルギニン及びトリエタノールアミノから選ばれる1種又は2種を含み、またさらに好ましくはアルギニンを含む上記[5]の角栓を除去する方法。
[7]成分(X)及び成分(Y)の合計含有量は、組成物中に、好ましくは50質量%以下であり、より好ましくは32質量%以下であり、より好ましくは25質量%以下であり、さらに好ましくは20質量%以下であり、さらに好ましくは15質量%以下であり、さらに好ましくは12質量%以下であり、好ましくは0.09質量%以上であり、より好ましくは0.15以上であり、さらに好ましくは0.50質量%以上であり、さらに好ましくは1.0質量%以上であり、より好ましくは2質量%以上であり、さらに好ましくは3質量%以上であり、さらに好ましくは5質量%以上であり、さらに好ましくは5質量%超である上記[5]又は[6]の角栓を除去する方法。
[8]成分(X)の含有量と成分(Y)の含有量との質量比((X)/(Y))が、好ましくは0.001以上であり、より好ましくは0.005以上であり、さらに好ましくは0.008以上であり、さらに好ましくは0.01以上であり、好ましくは200以下であり、より好ましくは150以下であり、さらに好ましくは120以下であり、さらに好ましくは100以下である上記[5]~[7]いずれか1の角栓を除去する方法。
【0102】
[9]成分(Y)中の遊離形態で存在するものの含有量と成分(Y)の含有量との質量比(遊離状態の成分(Y)の含有量/成分(Y)の含有量)が、好ましくは0.6以上であり、より好ましくは0.8以上であり、さらに好ましくは0.9以上であり、さらに好ましくは1.0である上記[5]~[8]いずれか1の角栓を除去する方法。
[10]組成物が、さらにアニオン性界面活性剤(A)を含有し、好ましくは成分(A)が、カルボン酸基を有するアニオン性界面活性剤(A1)及び/又はスルホン酸基又は硫酸エステル基を有するアニオン性界面活性剤(A2)を含む上記[1]~[9]いずれか1の角栓を除去する方法。
[11]成分(A1)が、好ましくは脂肪酸又はその塩、エーテルカルボン酸又はその塩、並びにN-アシルアミノ酸塩から選ばれる1種又は2種以上を含み、成分(A2)が、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸又はその塩、アルカンスルホン酸又はその塩、アルケニルスルホン酸又はその塩、アルキルスルホン酸又はその塩、アシルイセチオン酸又はその塩、アルキル硫酸エステル又はその塩、アルキルエーテル硫酸エステル又はその塩、アルキルスルホコハク酸又はその塩、スルホ脂肪酸メチルエステル又はその塩、脂肪酸アルカノールアミド硫酸エステル又はその塩、並びにモノアシルグリセリン硫酸エステル又はその塩から選ばれる1種又は2種以上を含む上記[10]の角栓を除去する方法。
[12]成分(X)の含有量と成分(A1)の含有量との質量比((X)/(A1))が、好ましくは0.1以上であり、より好ましくは0.5以上であり、さらに好ましくは1.0以上であり、また、好ましくは100以下であり、より好ましくは80以下であり、さらに好ましくは70以下であり、特に成分(X)が、成分(X1)又は(X2)のいずれかの場合、さらに好ましくは2以上であり、さらに好ましくは5以上であり、さらに好ましくは8以上であり、また、さらに好ましくは60以下であり、さらに好ましくは50以下であり、さらに好ましくは40以下であり、さらに好ましくは30以下であり、さらに好ましくは20以下であり、成分(X)が、成分(X3)のみの場合、さらに好ましくは2以上であり、さらに好ましくは5以上であり、さらに好ましくは8以上であり、さらに好ましくは15以上であり、さらに好ましくは30以上であり、さらに好ましくは40以上である。また、さらに好ましくは68以下であり、さらに好ましくは65以下であり、さらに好ましくは62以下であり、さらに好ましくは60以下である、或いは成分(X)の含有量と成分(A2)の含有量との質量比((X)/(A2))が、好ましくは0.005~100であり、より好ましくは0.01~60であり、さらに好ましくは0.10~50であり、さらに好ましくは0.20~40であり、さらに好ましくは0.20~30であり、さらに好ましくは0.20~20であり、さらに好ましくは0.25~15であり、さらに好ましくは0.3~14であり、さらに好ましくは0.50~12.5である上記[10]又は[11]の角栓を除去する方法。
[13]組成物中における、成分(A1)の含有量が、好ましくは0.01質量%以上であり、より好ましくは0.05質量%以上であり、さらに好ましくは0.10質量%以上であり、さらに好ましくは0.3質量%以上であり、また好ましくは5質量%以下であり、より好ましくは3質量%以下であり、さらに好ましくは2.0質量%以下であり、さらに好ましくは1.5質量%以下であり、さらに好ましくは1.0質量%以下であり、或いは成分(A2)の含有量が、好ましくは0.01質量%以上であり、より好ましくは0.03質量%であり、さらに好ましくは0.05質量%以上であり、さらに好ましくは0.10質量%以上であり、また、好ましくは20質量%以下であり、より好ましくは18質量%以下であり、さらに好ましくは15質量%以下であり、特に成分(X)が、成分(X1)又は成分(X2)のいずれかの場合、さらに好ましくは0.2以上、さらに好ましくは0.3質量%以上であり、さらに好ましくは0.5質量%以上である。また、さらに好ましくは12質量%以下であり、さらに好ましくは10質量%以下であり、さらに好ましくは8質量%であり、さらに好ましくは5質量%以下であり、さらに好ましくは4質量%以下であり、さらに好ましくは3質量%以下であり、成分(X)が、成分(X3)のみ場合、好ましくは0.2以上、さらに好ましくは0.3質量%以上であり、さらに好ましくは0.5質量%以上であり、さらに好ましくは1.0質量%以上であり、さらに好ましくは1.5質量%以上であり、さらに好ましくは2.0質量%以上である。また、好ましくは14質量%以下であり、より好ましくは13質量%以下であり、さらに好ましくは12質量%以下であり、さらに好ましくは11質量%以下であり、さらに好ましくは10質量%以下である上記[10]~[12]いずれか1の角栓を除去する方法。
[14]成分(A)の合計含有量が、組成物中に、好ましくは0.01質量%以上であり、より好ましくは0.02質量%以上であり、さらに好ましくは0.05質量%以上であり、さらに好ましくは0.1質量%以上であり、さらに好ましくは0.3質量%以上であり、さらに好ましくは0.5質量%以上であり、好ましくは30質量%以下であり、より好ましくは20質量%以下であり、さらに好ましくは15質量%であり、さらに好ましくは12質量%以下であり、さらに好ましくは8質量%以下であり、さらに好ましくは4質量%以下である上記[10]~[13]いずれか1の角栓を除去する方法。
[15]成分(A1)及び(A2)以外のアニオン性界面活性剤の含有量が、組成物中に、好ましくは0.01質量%以上であり、より好ましくは0.05質量%以上であり、さらに好ましくは0.1質量%以上であり、また好ましくは10質量%以下であり、より好ましくは5質量%以下であり、さらに好ましくは1.0質量%以下であり、さらに好ましくは0.5質量%以下である上記[1]~[14]いずれか1の角栓を除去する方法。
【0103】
[16]組成物が、さらに非イオン性界面活性剤(B)を含有し、好ましくは成分(B)としてHLB11以上の非イオン性界面活性剤(B1)及び/又はHLB11未満の非イオン性界面活性剤(B2)を含有する上記[1]~[15]いずれか1の角栓を除去する方法。
[17]成分(B1)が、好ましくはポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油脂肪酸エステル、及びアルキルポリグルコシドから選ばれる1種又は2種以上を含み、より好ましくはポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、及びアルキルポリグルコシドから選ばれる1種又は2種以上を含む上記[16]の角栓を除去する方法。
[18]成分(B2)が、好ましくはポリオキシエチレンアルキルエーテル及びポリグリセリン脂肪酸エステルから選択される1種又は2種以上を含む上記[16]又は[17]の角栓を除去する方法。
[19]成分(B)の含有量が、組成物中に、好ましくは0.1質量%以上であり、より好ましくは0.4質量%以上であり、より好ましくは0.5質量%以上であり、好ましくは30質量%以下であり、より好ましくは25質量%以下であり、さらに好ましくは20質量%以下であり、さらに好ましくは15質量%以下であり、さらに好ましくは10質量%以下である上記[16]~[18]いずれか1の角栓を除去する方法。
[20]成分(B1)の含有量と、成分(B2)の含有量との質量比((B1)/(B2))が、好ましくは0.1以上であり、より好ましくは0.6以上であり、さらに好ましくは0.8以上であり、さらに好ましくは1.5以上であり、さらに好ましくは2.5以上であり、さらに好ましくは5以上であり、また好ましくは25以下であり、より好ましくは20以下であり、さらに好ましくは16以下であり、さらに好ましくは14以下であり、さらに好ましくは12以下である上記[16]~[19]いずれか1の角栓を除去する方法。
[21]成分(X)の含有量と成分(B)の含有量との質量比((X)/(B))が、好ましくは0.01以上であり、より好ましくは0.1以上であり、さらに好ましくは0.3以上であり、さらに好ましくは0.5以上であり、また、好ましくは50以下であり、より好ましくは30以下であり、さらに好ましくは25以下であり、さらに好ましくは20以下であり、さらに好ましくは15以下である上記[16]~[20]いずれか1の角栓を除去する方法。
[22]組成物が、さらに両性界面活性剤(C)を含有し、かかる成分(C)の含有量が、組成物中に、好ましくは0.1質量%以上であり、より好ましくは0.5質量%以上であり、さらに好ましくは1質量%以上であり、また好ましくは15質量%以下であり、より好ましくは10質量%以下であり、さらに好ましくは5質量%以下である上記[1]~[21]いずれか1の角栓を除去する方法。
[23]組成物が、さらにポリオール(D)を含有し、かかる成分(D)の含有量が、組成物中に、好ましくは0.5質量%以上であり、より好ましくは1質量%以上であり、さらに好ましくは3質量%以上であり、さらに好ましくは5質量%以上であり、さらに好ましくは8質量%以上であり、10質量%以上であり、好ましくは40質量%以下であり、より好ましくは35質量%以下であり、さらに好ましくは30質量%以下であり、さらに好ましくは25質量%以下であり、さらに好ましくは20質量%以下である上記[1]~[22]いずれか1の角栓を除去する方法。
[24]成分(D)が、好ましくはエチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、イソプレングリコール、ヘキシレングリコール、1,3-ブチレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリン、ヘキサグリセリン、デカグリセリン、トリメチルプロパノール、エリスリトール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、グルコース、マンノース、ガラクトース、ショ糖、フルクトース、マルトース、マルチトール、キシリトール、イノシトール、ソルビタン及びソルビトールから選択される1種又は2種以上を含み、より好ましくはジプロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、グリセリン、ソルビトール及びマンニトールから選択される1種又は2種を含む、上記[23]の角栓を除去する方法。
[25]組成物が、さらに水溶性高分子(E)を含有し、かかる成分(E)の含有量が、組成物中に、好ましくは0.01質量%以上であり、より好ましくは0.05質量%以上であり、さらに好ましくは0.10質量%以上であり、さらに好ましくは0.15質量%以上であり、また、好ましくは3量%以下であり、より好ましくは2質量%以下であり、さらに好ましくは1.0質量%以下であり、さらに好ましくは0.8質量%以下である上記[1]~[24]いずれか1の角栓を除去する方法。
[26]成分(E)が、カルボキシビニルポリマー、アクリル酸・(メタ)アクリル酸アルキルの共重合体、及びヒドロキシエチル基又はヒドロキシプロピル基が付加したセルロースから選択される1種又は2種以上を含むものである上記[25]の角栓を除去する方法。
[27]組成物が、さらに中性アミノ酸、ベタイン型化合物及びエチレンジアミン4酢酸塩から選ばれる1種又は2種以上(F)を含有し、かかる成分(F)の含有量が、組成物中に、好ましくは0.1質量%以上であり、より好ましくは0.5質量%以上であり、さらに好ましくは1.0質量%以上であり、また、好ましくは20量%以下であり、より好ましくは15質量%以下であり、さらに好ましくは10質量%以下である上記[1]~[26]いずれか1の角栓を除去する方法。
[28]成分(F)が、好ましくはトリメチルグリシン、トリメチルセリン、ヒドロキシエチルジメチルグリシン及びモノエタノール-C5-カルボキシベタインから選択される1種又は2種以上み、より好ましくはトリメチルグリシン、トリメチルセリン及びヒドロキシエチルジメチルグリシンから選択される1種又は2種以上を含み、さらに好ましくはトリメチルグリシンを含むものである上記[27]の角栓を除去する方法。
[29]組成物が、水(G)を含有し、かかる成分(G)の含有量が、好ましくは10質量%以上であり、より好ましくは20質量%以上であり、さらに好ましくは30質量%以上であり、また好ましくは99.9質量%以下であり、より好ましくは99.5質量%以下であり、さらに好ましくは99質量%以下である上記[1]~[28]いずれか1の角栓を除去する方法。
【0104】
[30]成分(X)のいずれか1種を単独で含有する場合における組成物の25℃におけるpHは、好ましくは8.5以上であり、好ましくは12.5以下である上記[1]~[29]いずれか1の角栓を除去する方法。
[31]成分(X)として、2-アミノ-2-ヒドロキシメチル-1,3-プロパンジオール(X1)を1種単独で含有する場合における組成物の25℃におけるpHは、好ましくは8.6以上であり、より好ましくは8.8以上であり、さらに好ましくは9.0以上であり、さらに好ましくは9.2以上であり、さらに好ましくは9.3以上であり、さらに好ましくは9.5以上であり、さらに好ましくは9.8以上であり、さらに好ましくは10.0以上であり、好ましくは12.5以下であり、より好ましくは12.2以下であり、さらに好ましくは12.0以下であり、さらに好ましくは11.8以下であり、さらに好ましくは11.5以下であり、さらに好ましくは11.2以下であり、さらに好ましくは11以下である上記[1]~[30]いずれか1の角栓を除去する方法。
[32]成分(X)として、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール(X2)を1種単独で含有する場合における組成物の25℃におけるpHは、好ましくは9.0以上であり、より好ましくは9.2以上であり、さらに好ましくは9.3以上であり、さらに好ましくは9.5以上であり、さらに好ましくは9.8以上であり、さらに好ましくは10.0以上であり、さらに好ましくは10.2以上であり、さらに好ましくは10.5以上であり、好ましくは12.5以下であり、より好ましくは12.2以下であり、さらに好ましくは12.0以下であり、さらに好ましくは11.8以下であり、さらに好ましくは11.5以下であり、さらに好ましくは11.2以下であり、さらに好ましくは11.0以下である上記[1]~[30]いずれか1の角栓を除去する方法。
[33]成分(X)として、2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオール(X3)を1種単独で含有する場合における組成物の25℃におけるpHは、好ましくは8.5以上であり、より好ましくは8.8以上であり、さらに好ましくは9.0以上であり、さらに好ましくは9.2以上であり、さらに好ましくは9.3以上であり、さらに好ましくは9.5以上であり、さらに好ましくは9.8以上であり、さらに好ましくは10.0以上であり、好ましくは12.5以下であり、より好ましくは12.2以下であり、さらに好ましくは12.0以下であり、さらに好ましくは11.8以下であり、さらに好ましくは11.5以下であり、さらに好ましくは11.2以下であり、さらに好ましくは11以下である上記[1]~[30]いずれか1の角栓を除去する方法。
[34]成分(X)として、上記成分(X1)~成分(X3)から選ばれる2種以上を含有する場合における組成物の25℃におけるpHは、好ましくは8.3以上であり、より好ましくは8.5以上であり、さらに好ましくは8.8以上であり、さらに好ましくは9.0以上であり、さらに好ましくは9.2以上であり、さらに好ましくは9.3以上であり、さらに好ましくは9.5以上であり、さらに好ましくは9.8以上であり、さらに好ましくは10.0以上である上記[1]~[29]いずれか1の角栓を除去する方法。
[35]成分(X)と成分(Y)を含有する場合における組成物の25℃におけるpHは、好ましくは8.3以上であり、より好ましくは8.5以上であり、さらに好ましくは8.8以上であり、さらに好ましくは9.0以上であり、さらに好ましくは9.2以上であり、さらに好ましくは9.3以上であり、さらに好ましくは9.5以上であり、さらに好ましくは9.8以上であり、さらに好ましくは10.0以上であり、好ましくは12.5以下であり、より好ましくは12.2以下であり、さらに好ましくは12.0以下であり、さらに好ましくは11.8以下であり、さらに好ましくは11.5以下であり、さらに好ましくは11.2以下であり、さらに好ましくは10.0以下である上記[5]~[8]いずれか1の角栓を除去する方法。
[36]組成物が、好ましくは泡状、液体状、ペースト状、又はクリーム状の剤型であり、より好ましくは泡状、又は液体状の剤型である上記[1]~[35]いずれか1の角栓を除去する方法。
【0105】
[37]2-アミノ-2-ヒドロキシメチル-1,3-プロパンジオール(X1)、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール(X2)、及び2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオール(X3)から選ばれる1種又は2種以上(X)を含有する組成物を皮膚に塗布し、一定時間経過後に組成物を水で洗い流す又は拭き取り材で拭き取る、皮膚の洗浄方法。
[38]2-アミノ-2-ヒドロキシメチル-1,3-プロパンジオール(X1)、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール(X2)、及び2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオール(X3)から選ばれる1種又は2種以上(X)を含有する組成物を皮膚に塗布し、一定時間経過後に組成物を水で洗い流す又は拭き取り材で拭き取る、毛穴の洗浄方法。
[39]2-アミノ-2-ヒドロキシメチル-1,3-プロパンジオール(X1)、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール(X2)、及び2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオール(X3)から選ばれる1種又は2種以上(X)を含有する組成物を皮膚に塗布し、一定時間経過後に組成物を水で洗い流す又は拭き取り材で拭き取る、角栓の除去方法。
[40]2-アミノ-2-ヒドロキシメチル-1,3-プロパンジオール(X1)、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール(X2)、及び2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオール(X3)から選ばれる1種又は2種以上(X)を含有する組成物を皮膚に適用する、タンパク質の凝集抑制方法。
[41]2-アミノ-2-ヒドロキシメチル-1,3-プロパンジオール(X1)、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール(X2)、及び2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオール(X3)から選ばれる1種又は2種以上(X)を含有する組成物を皮膚に適用する、皮膚明度の向上方法又は肌くすみの改善方法。
[42]2-アミノ-2-ヒドロキシメチル-1,3-プロパンジオール(X1)、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール(X2)、及び2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオール(X3)から選ばれる1種又は2種以上(X)を含有する組成物を皮膚に適用する、ニキビの抑制方法。
【0106】
[43]2-アミノ-2-ヒドロキシメチル-1,3-プロパンジオール(X1)、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール(X2)、及び2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオール(X3)から選ばれる1種又は2種以上(X)を含有する角栓除去用組成物。
[44]2-アミノ-2-ヒドロキシメチル-1,3-プロパンジオール(X1)、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール(X2)、及び2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオール(X3)から選ばれる1種又は2種以上(X)を含有するタンパク質凝集抑制剤。
[45]2-アミノ-2-ヒドロキシメチル-1,3-プロパンジオール(X1)、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール(X2)、及び2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオール(X3)から選ばれる1種又は2種以上(X)を含有する毛穴洗浄用皮膚化粧料。
[46]2-アミノ-2-ヒドロキシメチル-1,3-プロパンジオール(X1)、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール(X2)、及び2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオール(X3)から選ばれる1種又は2種以上(X)を含有するニキビ抑制用皮膚外用剤。
[47]2-アミノ-2-ヒドロキシメチル-1,3-プロパンジオール(X1)、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール(X2)、及び2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオール(X3)から選ばれる1種又は2種以上(X)を含有する皮膚浸透促進用組成物。
【0107】
[48]2-アミノ-2-ヒドロキシメチル-1,3-プロパンジオール(X1)、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール(X2)、及び2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオール(X3)から選ばれる1種又は2種以上(X)を含有する組成物の、角栓を除去するための使用。
[49]2-アミノ-2-ヒドロキシメチル-1,3-プロパンジオール(X1)、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール(X2)、及び2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオール(X3)から選ばれる1種又は2種以上(X)を含有する組成物の、タンパク質の凝集を抑制するための使用。
[50]2-アミノ-2-ヒドロキシメチル-1,3-プロパンジオール(X1)、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール(X2)、及び2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオール(X3)から選ばれる1種又は2種以上(X)を含有する組成物の、毛穴を洗浄するための使用。
[51]2-アミノ-2-ヒドロキシメチル-1,3-プロパンジオール(X1)、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール(X2)、及び2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオール(X3)から選ばれる1種又は2種以上(X)を含有する組成物の、ニキビを抑制するための使用。
[52]2-アミノ-2-ヒドロキシメチル-1,3-プロパンジオール(X1)、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール(X2)、及び2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオール(X3)から選ばれる1種又は2種以上(X)を含有する組成物の、皮膚浸透性を促進するための使用。
【0108】
[53]予め水を60~80℃に加熱する工程(I)、工程(I)で得られた水に成分(X)及び必要に応じてその他の成分を順次添加し、混合及び攪拌する工程(II)、並びに工程(II)で得られた混合物を20~35℃に冷却する工程(III)を備える、上記[1]~[52]いずれか1の組成物の製造方法。
[54]組成物中に酸性成分を含み、上記工程(II)において、成分(X)以外の酸性成分を含む各成分を順次混合し、混合及び攪拌して各成分を溶解させる工程(II1)、次いで中和剤を添加して酸性成分を中和させる工程(II2)、次いで成分(X)及び必要により成分(Y)を添加し、混合及び攪拌して溶解させる工程(II3)を含む、上記[53]の組成物の製造方法。
[55]上記中和剤が、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムから選択される1種または2種である上記[54]の組成物の製造方法。
[56]組成物中に酸性成分を含み、上記工程(II)において、成分(X)以外の酸性成分を含む各成分を順次混合し、混合及び攪拌して各成分を溶解させる工程(II1’)、次いで酸性成分の中和に必要な成分(X)の量以上の成分(X)及び必要により成分(Y)を添加し、混合及び攪拌して溶解させる工程(II2’)を含む、上記[53]の組成物の製造方法。
[57]好ましくは身体の皮膚であり、より好ましくは顔、首、手足、又は胴体等の頭皮を除く皮膚であり、さらに好ましくはこれらの皮膚上の毛穴部位であり、さらに好ましくは顔の額から鼻先にかけての皮膚上の毛穴部位に、上記[43]~[47]いずれか1の組成物を適用し、一定時間経過後に水で洗い流す又は拭き取り材で拭き取る、組成物の使用方法。
[58]10秒~10分間、好ましくは15秒~5分間、より好ましくは30秒~4分間、さらに好ましくは1~3分間前記適用部位においてマッサージし、次いで適用部位に残存する組成物を水で洗い流す又は拭き取り材で拭き取る、上記[57]の組成物の使用方法。
【0109】
[59]成分(X)のいずれか1種を含有し、組成物の25℃におけるpHが8.5以上12.5以下であり、組成物中における成分(X)の含有量が0.08質量%以上35質量%以下である上記[1]~[36]及び[48]いずれか1の角栓を除去する方法、又は角栓を除去するための使用。
[60]成分(X)のいずれか1種を含有し、組成物の25℃におけるpHが8.5以上12.5以下であり、組成物中における成分(X)の含有量が1.0質量%以上20質量%以下である上記[1]~[36]、[48]及び[59]いずれか1の角栓を除去する方法、又は角栓を除去するための使用。
[61]成分(X)のいずれか1種を含有し、組成物の25℃におけるpHが8.5以上12.5以下であり、組成物中における成分(X)の含有量が3質量%以上12質量%以下である上記[1]~[36]、[48]、[59]及び[60]いずれか1の角栓を除去する方法、又は角栓を除去するための使用。
[62]成分(X)のいずれか1種を含有し、組成物の25℃におけるpHが8.5以上12.5以下であり、組成物中における成分(X)の含有量が5質量%以上10質量%以下である上記[1]~[36]、[48]及び[59]~[61]いずれか1の角栓を除去する方法、又は角栓を除去するための使用。
【0110】
[63]成分(X)のいずれか2種以上を含有し、組成物の25℃におけるpHが8.3以上12.5以下であり、組成物中における成分(X)の合計含有量が、0.08質量%以上35質量%以下である上記[1]~[36]、[48]及び[59]~[62]いずれか1の角栓を除去する方法、又は角栓を除去するための使用。
[64]成分(X)のいずれか2種以上を含有し、組成物の25℃におけるpHが8.3以上12.5以下であり、組成物中における成分(X)の合計含有量が1.0質量%以上20質量%以下である上記[1]~[36]、[48]及び[59]~[63]いずれか1の角栓を除去する方法、又は角栓を除去するための使用。
[65]成分(X)のいずれか2種以上を含有し、組成物の25℃におけるpHが8.3以上12.5以下であり、組成物中における成分(X)の合計含有量が3質量%以上12質量%以下である上記[1]~[36]、[48]及び[59]~[64]いずれか1の角栓を除去する方法、又は角栓を除去するための使用。
[66]成分(X)のいずれか2種以上を含有し、組成物の25℃におけるpHが8.3以上12.5以下であり、組成物中における成分(X)の合計含有量が5質量%以上10質量%以下である上記[1]~[36]、[48]及び[59]~[65]いずれか1の角栓を除去する方法、又は角栓を除去するための使用。
【0111】
[67]成分(X1)を含有し、組成物の25℃におけるpHが、8.5以上12.5以下であり、組成物中における成分(X)の含有量が0.08質量%以上35質量%以下である上記[1]~[36]、[48]及び[59]~[66]いずれか1の角栓を除去する方法、又は角栓を除去するための使用。
[68]成分(X1)を含有し、組成物の25℃におけるpHが8.5以上12.5以下であり、組成物中における成分(X)の含有量が1.0質量%以上20質量%以下である上記[1]~[36]、[48]及び[59]~[67]いずれか1の角栓を除去する方法、又は角栓を除去するための使用。
[69]成分(X1)を含有し、組成物の25℃におけるpHが8.5以上12.5以下であり、組成物中における成分(X)の含有量が3質量%以上12質量%以下である上記[1]~[36]、[48]及び[59]~[68]いずれか1の角栓を除去する方法、又は角栓を除去するための使用。
[70]成分(X1)を含有し、組成物の25℃におけるpHが8.5以上12.5以下であり、組成物中における成分(X)の含有量が5質量%以上10質量%以下である上記[1]~[36]、[48]及び[59]~[69]いずれか1の角栓を除去する方法、又は角栓を除去するための使用。
【0112】
[71]成分(X2)を含有し、組成物の25℃におけるpHが9.0以上12.5以下であり、組成物中における成分(X)の含有量が0.08質量%以上35質量%以下である上記[1]~[36]、[48]及び[59]~[70]いずれか1の角栓を除去する方法、又は角栓を除去するための使用。
[72]成分(X2)を含有し、組成物の25℃におけるpHが9.0以上12.5以下であり、組成物中における成分(X)の含有量が1.0質量%以上20質量%以下である上記[1]~[36]、[48]及び[59]~[71]いずれか1の角栓を除去する方法、又は角栓を除去するための使用。
[73]成分(X2)を含有し、組成物の25℃におけるpHが9.0以上12.5以下であり、組成物中における成分(X)の含有量が3質量%以上12質量%以下である上記[1]~[36]、[48]及び[59]~[72]いずれか1の角栓を除去する方法、又は角栓を除去するための使用。
[74]成分(X2)を含有し、組成物の25℃におけるpHが9.0以上12.5以下であり、組成物中における成分(X)の含有量が、5質量%以上10質量%以下である上記[1]~[36]、[48]及び[59]~[73]いずれか1の角栓を除去する方法、又は角栓を除去するための使用。
【0113】
[75]成分(X3)を含有し、組成物の25℃におけるpHが8.5以上12.5以下であり、組成物中における成分(X)の含有量が0.08質量%以上35質量%以下である上記[1]~[36]、[48]及び[59]~[74]いずれか1の角栓を除去する方法、又は角栓を除去するための使用。
[76]成分(X3)を含有し、組成物の25℃におけるpHが8.5以上12.5以下であり、組成物中における成分(X)の含有量が1.0質量%以上20質量%以下である上記[1]~[36]、[48]及び[59]~[75]いずれか1の角栓を除去する方法、又は角栓を除去するための使用。
[77]成分(X3)を含有し、組成物の25℃におけるpHが8.5以上12.5以下であり、組成物中における成分(X)の含有量が3質量%以上12質量%以下である上記[1]~[36]、[48]及び[59]~[76]いずれか1の角栓を除去する方法、又は角栓を除去するための使用。
[78]成分(X3)を含有し、組成物の25℃におけるpHが8.5以上12.5以下であり、組成物中における成分(X)の含有量が5質量%以上10質量%以下である上記[1]~[36]、[48]及び[59]~[77]いずれか1の角栓を除去する方法、又は角栓を除去するための使用。
【0114】
[79]成分(X1)及び成分(X2)から選ばれる1種と、成分(X3)とを含有し、成分(X3)の含有量と成分(X1)及び成分(X2)の合計含有量との質量比((X3)/((X1)+(X2)))が0.001以上100以下であり、組成物の25℃におけるpHが8.5以上12.5以下であり、組成物中における成分(X)の含有量が0.08質量%以上35質量%以下である上記[1]~[36]、[48]及び[59]~[78]いずれか1の角栓を除去する方法、又は角栓を除去するための使用。
[80]成分(X1)及び成分(X2)から選ばれる1種と、成分(X3)とを含有し、成分(X3)の含有量と成分(X1)及び成分(X2)の合計含有量との質量比((X3)/((X1)+(X2)))が0.05以上50以下であり、組成物の25℃におけるpHが8.5以上12.5以下であり、組成物中における成分(X)の含有量が1.0質量%以上20質量%以下である上記[1]~[36]、[48]及び[59]~[79]いずれか1の角栓を除去する方法、又は角栓を除去するための使用。
[81]成分(X1)及び成分(X2)から選ばれる1種と、成分(X3)とを含有し、成分(X3)の含有量と成分(X1)及び成分(X2)の合計含有量との質量比((X3)/((X1)+(X2)))が0.08以上20以下であり、組成物の25℃におけるpHが8.5以上12.5以下であり、組成物中における成分(X)の含有量が3質量%以上12質量%以下である上記[1]~[36]、[48]及び[59]~[80]いずれか1の角栓を除去する方法、又は角栓を除去するための使用。
[82]成分(X1)及び成分(X2)から選ばれる1種と、成分(X3)とを含有し、成分(X3)の含有量と成分(X1)及び成分(X2)の合計含有量との質量比((X3)/((X1)+(X2)))が0.10以上10以下であり、組成物の25℃におけるpHが8.5以上12.5以下であり、組成物中における成分(X)の含有量が5質量%以上10質量%以下である上記[1]~[36]、[48]及び[59]~[81]いずれか1の角栓を除去する方法、又は角栓を除去するための使用。
【0115】
[83]成分(X)及び成分(Y)を含有し、成分(X)の含有量と成分(Y)の含有量との質量比((X)/(Y))が0.001以上200以下であり、組成物の25℃におけるpHが8.3以上12.5以下であり、組成物中における成分(X)及び成分(Y)の合計含有量が0.09質量%以上50質量%以下である上記[1]~[36]、[48]及び[59]~[82]いずれか1の角栓を除去する方法、又は角栓を除去するための使用。
[84]成分(X)及び成分(Y)を含有し、組成物の25℃におけるpHが8.3以上12.5以下であり、成分(X)の含有量と成分(Y)の含有量との質量比((X)/(Y))が0.005以上150以下であり、組成物中における成分(X)及び成分(Y)の合計含有量が1.0質量%以上25質量%以下である上記[1]~[36]、[48]及び[59]~[83]いずれか1の角栓を除去する方法、又は角栓を除去するための使用。
[85]2-アミノ-2-ヒドロキシメチル-1,3-プロパンジオール(X1)、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール(X2)、及び2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオール(X3)から選ばれる1種又は2種以上(X)及びアルギニン、モノエタノールアミン、トリエタノールアミン、及びモルホリンから選ばれる1種又は2種以上の塩基性物質(Y)を含有し、成分(X)の含有量と成分(Y)の含有量との質量比((X)/(Y))が0.008以上120以下であり、組成物の25℃におけるpHが8.3以上12.5以下であり、組成物中における成分(X)及び成分(Y)の合計含有量が2質量%以上15質量%以下である上記[1]~[36]、[48]及び[59]~[84]いずれか1の角栓を除去する方法、又は角栓を除去するための使用。
[86]2-アミノ-2-ヒドロキシメチル-1,3-プロパンジオール(X1)、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール(X2)、及び2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオール(X3)から選ばれる1種又は2種以上(X)及びアルギニン、モノエタノールアミン、トリエタノールアミン、及びモルホリンから選ばれる1種又は2種以上の塩基性物質(Y)を含有し、成分(X)の含有量と成分(Y)の含有量との質量比((X)/(Y))が0.01以上100以下であり、組成物の25℃におけるpHが8.3以上12.5以下であり、組成物中における成分(X)及び成分(Y)の合計含有量が5質量%以上12質量%以下である上記[1]~[36]、[48]及び[59]~[85]いずれか1の角栓を除去する方法、又は角栓を除去するための使用。
[87]2-アミノ-2-ヒドロキシメチル-1,3-プロパンジオール(X)及びアルギニン及びトリエタノールアミンから選ばれる1種又は2種の塩基性物質(Y)を含有し、成分(X)の含有量と成分(Y)の含有量との質量比((X)/(Y))が0.01以上100以下であり、組成物の25℃におけるpHが8.3以上12.5以下であり、組成物中における成分(X)及び成分(Y)の合計含有量が5質量%以上12質量%以下である上記[1]~[36]、[48]及び[59]~[85]いずれか1の角栓を除去する方法、又は角栓を除去するための使用。
【実施例0116】
以下、本発明について、実施例に基づき具体的に説明する。なお、表中に特に示さない限り、各成分の含有量は質量%を示す(成分(A1)のココイルグルタミン酸ナトリウムのみ、酸換算量で記載)。
【0117】
[実施例1]
表1~19に示す処方の試料を調製した。具体的には、予め水を70℃に加熱し、残りの成分を順次添加して混合攪拌し、得られた混合物を20℃に冷却して得ることができる。結果を表1~19に合わせて示す。
なお、得られた試料におけるpHの測定は、25℃でpHメーター(堀場製作所製、型番F-22)を用いた。
【0118】
《角栓洗浄力の評価》
1.洗浄時の角栓洗浄力の評価
「ビオレ 鼻パック(花王社製)」を用い、鼻部より角栓を除去し、得られた角栓をピンセットにて丁寧に取り出した。
得られた角栓をスライドガラス上に配置し、カバーガラスを被せた後、試料をカバーガラスの縁に0.05mL滴下した。これにより、スライドガラスとカバーガラスのすきまに試料が毛細管現象によって入り込み、角栓と試料を接触させることができる。また、角栓と試料が接触する様子をデジタルマイクロスコープ(VHX-5000;Keyence社製、倍率150倍)で記録し、角栓が試料と接触後1分経過後の試料の角栓への浸透性、及び角栓の崩壊状況について評価を行った。それぞれの評価結果を「角栓洗浄力(浸透性)」、「角栓洗浄力(洗浄時)」として表中に記載する。なお、測定は25℃で行った。
浸透性評価の判定基準は、「試料が角栓内に殆ど浸透していない」状態を1とし、「試料が角栓内の中心まで浸透している」状態を11とし、11段階の相対評価とした。また、角栓洗浄力の崩壊性評価の判定基準は、「角栓の外観変化が殆どない」状態を1とし、「角栓表層からその中心部にかけて剥離・分離が認められる(角栓の外観は初期の形態を留めていない)」状態を11とし、11段階の相対評価とした。
【0119】
2.水洗後の角栓洗浄力の評価
上記の角栓と試料を接触後1分経過後に、カバーガラスの縁にキムワイプ(登録商標)を接触させ、カバーガラス内の試料を除去した。その後、水をカバーガラスの縁に0.05mLを滴下した。また、水を滴下後の試料の様子を前記デジタルマイクロスコープで記録し、角栓が水と接触後1分経過後の角栓の崩壊状況を、前記角栓の崩壊状況の判定基準に従って、評価を行った。評価結果を「角栓洗浄力(水洗時)」として表中に記載する。 なお、測定は25℃で行った。
【0120】
《タンパク質凝集抑制効果の評価》
35mlガラス規格瓶に、試料30ml及び不溶性タンパク質(ゼインタンパク)を0.06g加え、不溶性タンパク質が0.2質量%となるように調製する(試験品)。また、試料の代わりに水を加えて不溶性タンパク質が0.2質量%となるように調整した基準品を用意する。その後、25℃の恒温槽中にて、ガラス規格瓶を上下によく振盪攪拌(15cmの振盪幅、5回/3秒の振盪速度にて20回振盪)し、3分間静置後の不溶性タンパク質の沈殿状態を目視にて確認し、試験品の沈殿量(沈殿量はガラス規格瓶内の沈殿物の高さを測定)に対する基準品の沈殿量の比(基準品の沈殿量/試験品の沈殿量)を算出した。この比が大きいほど、タンパク質の凝集を抑制する効果が高いことを表す。
【0121】
《皮膚刺激性評価》
専門のパネラー2人により、各試料0.1mLを各パネラーの手の平に滴下し、10秒間マッサージを行った。マッサージ時の肌のぬつるきを下記判定基準に従って評価した。評価結果は、専門パネラー2人の評価の平均値で表す。ぬるつきが強い程、角層の溶解の程度が大きく、皮膚刺激性が高いことを示す。
【0122】
(判定基準)
3:強いぬるつきを感じる
2:ややぬるつきを感じる
1:ぬるつきを感じない
【0123】
《肌のやわらかさの評価》
専門のパネラー2人により、各試料1mLを顔に均一に塗布し、30秒間、手でマッサージを行い、その後水道水(すすぎ水の水量1000mL/10秒、水温25~30℃)で30秒間すすいだ。すすぎ後、タオルで水気をふき取ってから、20分経過後の肌のやわらかさを下記判定基準に従って評価した。評価結果は、専門のパネラー2人の評価の平均値で表す。
なお、塗布時に皮膚に刺激感を感じた試料については、肌の柔軟化評価試験は行わなかった。当該評価を行っていない試料は、評価結果欄に「-」で表す。
【0124】
(判定基準)
4:とてもやわらかい
3:やややわらかい
2:ややつっぱる
1:とてもつっぱる。
【0125】
《起泡性の評価》
2名の専門パネラーにより、試料1mLを予め濡らした手に滴下し、両方の手のひらを10秒間擦り合わせて泡立てた際の泡の状態を下記の判定基準に従って評価した。評価結果は、専門のパネラー2人の評価の平均値で表す。
【0126】
(判定基準)
4:泡が多い
3:泡がやや多い
2:泡が少ない
1:泡がほとんどない
0:全く泡立たない
【0127】
《皮脂洗浄性の評価》
下記モデル皮脂95質量%にカーボンブラックを5質量%分散させて着色し、50℃で溶融後、前腕内側部位に直径3cmの大きさに塗布する(モデル皮脂の塗布量は約0.26mg/cm2)。塗布後、15分間放置して乾燥させた後、試料1.0mL塗布し、30秒マッサージした後、水道水(すすぎ水の水量1000mL/10秒、水温25~30℃)で30秒間すすいだ。すすぎ後の肌へのモデル皮脂の残留量を目視で観察し、その皮脂洗浄性を下記の判定基準に従って評価した。
【0128】
(モデル皮脂)
成分 質量%
スクアレン 9.0
ミリスチン酸ミリスチル 24.9
綿実油 47.0
コレステロール 2.0
パルミチン酸コレステリル 2.0
ラウリン酸 0.2
ミリスチン酸 2.5
パルミチン酸 6.0
ステアリン酸 0.9
オレイン酸 6.4
合計 100
【0129】
(判定基準)
5:モデル皮脂塗布部と非塗布部の境界が全く見えない。
4:モデル皮脂塗布部と非塗布部の境界が部分的にかすかに見える。
3:モデル皮脂塗布部と非塗布部の境界全体がごく薄く見える。
2:モデル皮脂塗布部と非塗布部の境界全体が薄く見える。
1:モデル皮脂塗布部と非塗布部の境界全体が明瞭に見える。
【0130】
《メイク落ちの評価》
ファンデーション(ソフィーナ プリマヴィスタ(登録商標) リキッドファンデーション オークル05;花王社製)で前腕内側部位に直径3cmの大きさに均一に塗布し、15分乾燥させた。ファンデーション塗布部に試料1.0mL塗布し、30秒マッサージした後、水道水(すすぎ水の水量1000mL/10秒、水温25~30℃)で30秒間すすいだ。すすぎ後の肌へのファンデーションの残留量を目視で観察し、下記の判定基準に従って評価した。
【0131】
(判定基準)
5:ファンデーション塗布部と非塗布部の境界が全く見えない。
4:ファンデーション塗布部と非塗布部の境界が部分的にかすかに見える。
3:ファンデーション塗布部と非塗布部の境界全体がごく薄く見える。
2:ファンデーション塗布部と非塗布部の境界全体が薄く見える。
1:ファンデーション塗布部と非塗布部の境界全体が明瞭に見える。
【0132】
【表1】
【0133】
表1の結果から分かるように、角栓と試料を1分間接触させた際に、通常の皮膚洗浄剤組成物に用いられるアニオン性界面活性剤のPOE(2)ラウリル硫酸Naにおいては、角栓内にほとんど浸透せず、角栓とPOE(2)ラウリル硫酸Naが接触していても角栓の崩壊は進まず、角栓洗浄力はほとんど発現しなかった。さらにタンパク質に作用する力が強く、タンパク質を溶解させてしまっていた。
また、Tris、AMP、AMPDにおいてはこれらが角栓内に浸透しているのに対し、リン酸水素二ナトリウム、リン酸三ナトリウム、炭酸水素ナトリウムにおいては、同じ弱塩基であっても角栓内にほとんど浸透していなかった。そのため、角栓とリン酸水素二ナトリウム、リン酸三ナトリウムや炭酸水素ナトリウムが接触していても角栓の崩壊は進まず、角栓洗浄力はほとんど発現しなかった。
さらに、角栓を水に1分間接触させた際に、Tris、AMPやAMPDを接触させた角栓がより膨潤し、角栓の崩壊がさらに進む現象が見られた。一方、リン酸水素二ナトリウム、リン酸三ナトリウムや炭酸水素ナトリウムを接触させた角栓においては、水と接触しても角栓の膨潤は見られず、角栓の崩壊は進まなかった。
従って、水洗時に角栓の崩壊が進み、毛穴から角栓を除去するためには、洗浄時の角栓洗浄力スコアが3以上であることが好ましく、洗浄時の角栓洗浄力スコアが5以上であれば水洗時に角栓の崩壊が大きくなり、より速やかに角栓を除去することができるため、より好ましい。
【0134】
【表2】
【0135】
【表3】
【0136】
【表4】
【0137】
【表5】
【0138】
【表6】
【0139】
【表7】
【0140】
【表8】
【0141】
【表9】
【0142】
【表10】
【0143】
【表11】
【0144】
【表12】
【0145】
【表13】
【0146】
【表14】
【0147】
【表15】
【0148】
【表16】
【0149】
【表17】
【0150】
【表18】
【0151】
【表19】
【0152】
*1:エマ-ル 227(花王社製)
*2:ラウリン酸/ミリスチン酸/パルミチ酸/ステアリン酸=1/3/1/1(質量部)
*3:KAO AKIPO RLM-45CA(花王社製)
*4:エマール 10PT(花王社製)
*5:特開2015-28123、製造例7による内部オレフィンスルホン酸塩組成物
*6:エマルゲン 121(花王社製)
*7:エマノーン 1112(花王社製)
*8:マイドール 10(花王社製)
*9:コスモール 41V(日清オイリオグループ社製)
【0153】
[実施例2]
下記に示す洗顔料を調製した。具体的には、予め水を70℃に加熱し、残りの成分を順次添加して混合攪拌し、得られた混合物を25℃に冷却して得ることができる。
下記の洗顔料を用いて、前記角栓洗浄力(洗浄時)及び皮膚色明度の改善効果につき、評価を行った。
【0154】
《皮膚色明度改善効果の評価》
専門パネラー(男性)9名に対し、全顔に対して下記洗顔料を3週間連用使用させた(試料使用群)。
同様に別の専門パネラー(男性)5名に対し、下記洗顔料の代わりに一般洗顔料(ビオレスキンケア洗顔料(モイスチャー);花王社製)を同様に使用させた(一般洗顔料使用群)。
両群に対して、VISIA(Canfield Scientific社製)を用いて、使用開始0日(使用前)、7日、14日、21日目に全顔を撮影し、全顔の皮膚部位につき、内部散乱光の平均輝度を算出した。7日、14日、21日目使用後のそれぞれの内部散乱光の平均輝度値から0日目の内部散乱光の平均輝度値の差異を算出し、各群ごとの7日、14日、21日目使用後のそれぞれの内部散乱光の平均輝度値の平均変化量を算出し、図1に示す。
【0155】
図1から明らかなように、試料使用群は、一般洗顔料使用郡に対して、皮膚の明るさが改善する傾向が見られた。
【0156】
以下、本発明の処方例を記す。いずれも実施例と同等の効果を奏するものである。
【0157】
【0158】
【0159】
【0160】
図1