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特開2022-190180建設用仮設足場及び建設用仮設足場設置方法
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  • 特開-建設用仮設足場及び建設用仮設足場設置方法 図1
  • 特開-建設用仮設足場及び建設用仮設足場設置方法 図2
  • 特開-建設用仮設足場及び建設用仮設足場設置方法 図3
  • 特開-建設用仮設足場及び建設用仮設足場設置方法 図4
  • 特開-建設用仮設足場及び建設用仮設足場設置方法 図5
  • 特開-建設用仮設足場及び建設用仮設足場設置方法 図6
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022190180
(43)【公開日】2022-12-23
(54)【発明の名称】建設用仮設足場及び建設用仮設足場設置方法
(51)【国際特許分類】
   E04G 3/00 20060101AFI20221216BHJP
【FI】
E04G3/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021098379
(22)【出願日】2021-06-13
(71)【出願人】
【識別番号】504026502
【氏名又は名称】四国建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100199451
【弁理士】
【氏名又は名称】和田 隆滋
(72)【発明者】
【氏名】久米 隆史
(57)【要約】
【課題】本発明の目的は、高層階の建築物において地上から足場を組む必要がなく、かつ足場の設置において危険性がない、建設用仮設足場及び建設用仮設足場設置方法を提供することである。
【解決手段】建設用仮設足場ユニット1は、フレーム5bで構成される櫓部5と前記櫓部に連結する足場部10とを有している。足場部10は、櫓部5の任意の高さにおいて連結するよう構成される。櫓部5を建物の内部の床50に設置し、足場部10が建物の開口51から張り出される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレームで構成される櫓部と前記櫓部に連結する足場部とを有する建設用仮設足場ユニットの設置方法であって、
前記足場部は、前記櫓部の任意の高さにおいて連結するよう構成され、
前記櫓部は、建物の内部の床に設置し、
前記足場部は、建物の開口部から張り出される、建設用仮設足場ユニットの設置方法。
【請求項2】
前記櫓部は、アンカーまたは重りを用いて建物の内部の床に設置される、請求項1に記載の建設用仮設足場ユニットの設置方法。
【請求項3】
前記櫓部の異なる高さ位置において、複数の歩板が連結される、請求項1または請求項2に記載の建設用仮設足場ユニットの設置方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建設用仮設足場及び建設用仮設足場設置方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、高層階の建築物の高層階部のみの工事が必要となる場合において、地上から足場を組んでいかなければならないため、建築コスト全体に占める足場の設置コストが高くなるという問題があった。この様な問題が解決可能な技術として、特許文献1に記載された吊り足場がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005-171703号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に示す技術では、足場を固定するために、建造物の壁面に当接させなければならないため、足場を組む際に高所での作業が必要であり危険である。
【0005】
本発明はこのようなことに鑑みてなされたものであり、高層階の建築物において地上から足場を組む必要がなく、かつ足場の設置において危険性がない、建設用仮設足場及び建設用仮設足場設置方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的は、
フレーム(5b)で構成される櫓部(5)と前記櫓部に連結する足場部(10)とを有する建設用仮設足場ユニット(1)の設置方法であって、
前記足場部は、前記櫓部の任意の高さにおいて連結するよう構成され、
前記櫓部は、建物の内部の床(50)に設置し、
前記足場部は、建物の開口(51)から張り出される、建設用仮設足場ユニットの設置方法
によって達成される。
【0007】
また、上記目的は、
前記櫓部は、アンカー(7)または重りを用いて建物の内部の床に設置される、上記の建設用仮設足場ユニットの設置方法
によって達成される。
【0008】
また、上記目的は、
前記櫓部の異なる高さ位置において、複数の歩板が連結される、上記の建設用仮設足場ユニットの設置方法
によって達成される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、高層階の建築物において地上から足場を組む必要がなく、かつ足場の設置において危険性がない、建設用仮設足場及び建設用仮設足場設置方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の第一の実施形態による建設用仮設足場1を説明する図である。
図2】本発明の第一の実施形態による建設用仮設足場1の櫓部5の斜視図である。
図3】本発明の第一の実施形態による建設用仮設足場1の櫓部5のアンカー位置を説明する図である。
図4】本発明の第一の実施形態による建設用仮設足場1の設置例を説明する図である。
図5】本発明の第一の実施形態による建設用仮設足場1の設置例を説明する図である。
図6】本発明の第二の実施形態による建設用仮設足場3を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図1図5を用いて、本発明の第一の実施形態による建設用仮設足場ユニット1を説明する。なお、以下の全ての図面においては、理解を容易にするため、各構成要素の寸法や比率などは適宜異ならせて図示する場合がある。
【0012】
図1は、本実施形態による建設用仮設足場ユニット1の設置状態の側面図である。建設用仮設足場ユニット1は、大別すると建物内部に設けられる櫓部5と櫓部5に連結する足場部10で構成される。図2は、フレーム5b、5b1、5b2、ベース板5aを有する櫓部5の斜視図である。櫓部5は、図2に示すようにフレーム5bを櫓に組むことで構成される。櫓部5の4本の支柱にはベース板5aが夫々設けられ、ベース板5aに4個のアンカーボルト7が設けられる。アンカーボルト7を建物のフロアー50に設置することで櫓部5をフロアー50に固定させる。図1に示すように、足場部10は、高さ位置の異なる歩板10a1~10a4とフレーム10bを有している。また、櫓部5や足場部10には、階段がそれぞれ設けられる場合があってもよい。なお、重り(ウェイト)を用いて櫓部5をフロアー50に固定させる場合があってもよい。
【0013】
櫓部5には、任意の高さの位置に歩板押部5c1と歩板支部5c2が設けられる。歩板押部5c1と歩板支部5c2は、平板形状である。歩板押部5c1は、建物の開口51から遠い方のフレーム5b(斜め方向に延伸)に設けられ、足場支部5c2は、建物の開口51に近い方のフレーム5b(鉛直方向に延伸)に設けられる。歩板押部5c1と歩板支部5c2は、歩板10a1、10a2の厚み分において高さ位置が異なる構成であり、歩板10a1、10a2の一端は、歩板押部5c1によって押さえつけられる。なお、歩板押部5c1と歩板支部5c2の高さ位置は任意に変更可能に構成される。
【0014】
櫓部5に連結した歩板10a1、10a2は、建物の開口より外に張り出される。歩板10a1、10a2は、フレーム10bによって連結される。また、歩板10a2の上方に歩板10a3、10a4がフレーム10bによって連結される。なお、歩板10a1~10a4に階段部(不図示)を設けることで、作業者の上下方向の移動が容易になる。
【0015】
図3は、本実施形態による建設用仮設足場ユニット1のアンカー位置の概略図である。本実施形態では、櫓部5の支柱が1平方メートルあたり1本だけ設置される構成である。なお、櫓部5の支柱は、1平方メートルより広い面積あたり1本だけ設置される構成であってもよいし、1平方メートルより狭い面積あたり1本だけ設置される構成であってもよい。
【0016】
図4は、本実施形態による建設用仮設足場ユニット1の設置例である。本設置例では、建設用仮設足場ユニット1を建物の開口に対面する位置に設置し、歩板20を夫々の建設用仮設足場ユニット1に横架して足場を設置する構成である。
【0017】
図5は、本実施形態による建設用仮設足場ユニット1の設置例である。本設置例では、建設用仮設足場ユニット1を建物の開口に対面する位置に設置する場合と設置しない場合とがあり、歩板20を夫々の建設用仮設足場ユニット1に横架して足場を設置する構成である。また、複数の建設用仮設足場ユニット1は、金属で形成される連結部9によって連結され、建設用仮設足場ユニット1が設置されていない場所では、この連結部9をアンカーボルト7でフロアー50に固定する。なお、建設用仮設足場ユニット1、およびアンカーボルト7を設置する間隔は、適宜変更可能である。
【0018】
本実施形態による建設用仮設足場ユニット1の櫓部5は、立体であればよく、円柱状、角柱、円錐、角錐等の様々な形状とすることが可能である。また、アンカーボルト7は、接着系や金属系等の様々なものを用いることが可能である。
【0019】
図6を用いて、本発明の第二の実施形態による建設用仮設足場ユニット3を説明する。なお、以下の全ての図面においては、理解を容易にするため、各構成要素の寸法や比率などは適宜異ならせて図示する場合がある。なお、第一の実施形態による建設用仮設足場ユニット1と同じ構成については符号を同一にすることでその説明を省略する場合がある。
【0020】
図6は、本実施形態による建設用仮設足場ユニット3の設置状態の側面図である。建設用仮設足場ユニット3は、大別すると建物内部に設けられる櫓部5と櫓部5に連結する足場部10で構成される。図2は、フレーム5b、5b1、5b2、ベース板5aを有する櫓部5の斜視図である。櫓部5は、図2に示すようにフレーム5bを櫓に組むことで構成される。櫓部5の4本の支柱にはベース板5aが夫々設けられ、ベース板5aに4個のアンカーボルト7が設けられる。アンカーボルト7を建物のフロアー50に設置することで櫓部5をフロアー50に固定させる。図6に示すように、足場部10は、高さ位置の異なる歩板10a1、10a2、10a31、10a41とフレーム10b1を有している。本実施形態の建設用仮設足場ユニット3は、足場部10のフレーム10b1は、建物側には設けられない構成である。このため、本実施形態の建設用仮設足場ユニット3は、上述の実施形態の建設用仮設足場ユニット1に比べて軽量化を図ることが可能となる。また、櫓部5や足場部10には、階段がそれぞれ設けられる場合があってもよい。なお、重り(ウェイト)を用いて櫓部5をフロアー50に固定させる場合があってもよい。
【0021】
本発明の実施形態による建設用仮設足場ユニット1、3及びこれを用いた足場の設置方法を用いることで、以下の効果を奏する。
(あ)フロアー内に建設用仮設足場ユニット1、3を設ける構成であるため、足場の設置工事におけるフロアー内での作業工程を増やすことができるため、高所(外部)での作業時間の削減や安全性が確保される。
(い)櫓部5に連結する歩板の高さ位置を任意に変更可能であるため、様々な現場に対応することができる。
(う)必要な階のみに足場を設置すればよいため、足場組立作業時間の短縮や足場材の削減や足場材の運送コストの削減ができる。
(え)建物外部のピンポイントの工事を行う場合は、足場組立コストの大幅削減が可能となる。
【0022】
上述の実施形態は、本発明の好適な一例であるので、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、上述の説明によって不当に限定されるものではない。また、上述の実施形態で説明される構成の全てが本発明の必須の構成要件ではない。また、上述の実施形態で説明される構成は相互に付け足したり組み合わせたりしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0023】
本発明は、建設用仮設足場及び建設用仮設足場設置方法においても広く利用可能である。
【符号の説明】
【0024】
1 る建設用仮設足場ユニット
5 櫓部
10 足場部
50 フロアー
5a ベース板
5b、5b1、5b2、10b フレーム
7 アンカーボルト
10a1~10a4、20 歩板
図1
図2
図3
図4
図5
図6