(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022190225
(43)【公開日】2022-12-26
(54)【発明の名称】電磁調理器使用適性推定装置、電磁調理器使用適性推定方法、及び、電磁調理器使用適性推定プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20221219BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021098450
(22)【出願日】2021-06-14
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-01-28
(71)【出願人】
【識別番号】504157024
【氏名又は名称】国立大学法人東北大学
(74)【代理人】
【識別番号】100131428
【弁理士】
【氏名又は名称】若山 剛
(72)【発明者】
【氏名】目黒 謙一
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA21
5L049CC11
(57)【要約】 (修正有)
【課題】対象者が電磁調理器を使用可能であるか否かを高い精度にて推定する電磁調理器使用適性推定装置、電磁調理器使用適性推定方法及び電磁調理器使用適性推定プログラムを提供する。
【解決手段】電磁調理器使用適性推定装置10は、対象者が起こした火事の頻度を表す火事頻度情報を受け付ける火事頻度情報受付部110と、受け付けられた火事頻度情報に基づいて、対象者が電磁調理器を使用可能であるか否かを推定する推定部150と、を備える。火事頻度情報は、予め定められた種類の火事である特定火事の頻度である第1頻度と、特定火事以外の火事の頻度である第2頻度とを表す。推定部150は、第1頻度と第2頻度とに基づいて、対象者が電磁調理器を使用可能であるか否かを推定する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象者が起こした火事の頻度を表す火事頻度情報を受け付ける火事頻度情報受付部と、
前記受け付けられた火事頻度情報に基づいて、前記対象者が電磁調理器を使用可能であるか否かを推定する推定部と、
を備える、電磁調理器使用適性推定装置。
【請求項2】
請求項1に記載の電磁調理器使用適性推定装置であって、
前記火事頻度情報は、予め定められた種類の火事である特定火事の頻度である第1頻度と、前記特定火事以外の火事の頻度である第2頻度と、を表し、
前記推定部は、前記第1頻度と前記第2頻度とに基づいて、前記対象者が電磁調理器を使用可能であるか否かを推定する、電磁調理器使用適性推定装置。
【請求項3】
請求項2に記載の電磁調理器使用適性推定装置であって、
前記推定部は、前記第2頻度が所定の第1基準値以上である場合、及び、前記第2頻度が、前記第1基準値よりも低い、所定の第2基準値以上であり、且つ、前記第1頻度が所定の第3基準値以上である場合、前記対象者が電磁調理器を使用不能であると推定する、電磁調理器使用適性推定装置。
【請求項4】
請求項3に記載の電磁調理器使用適性推定装置であって、
前記対象者のCDR(Clinical Dementia Rating)値を表すCDR情報を受け付けるCDR情報受付部を備え、
前記推定部は、前記第2頻度が前記第2基準値よりも低い場合、及び、前記第2頻度が前記第1基準値よりも低く、且つ、前記第1頻度が前記第3基準値よりも低い場合において、前記受け付けられたCDR情報が表すCDR値が第1閾値以上であるとき、前記対象者が電磁調理器を使用不能であると推定する、電磁調理器使用適性推定装置。
【請求項5】
請求項4に記載の電磁調理器使用適性推定装置であって、
前記対象者のMMSE(Mini-Mental State Examination)値を表すMMSE情報を受け付けるMMSE情報受付部を備え、
前記推定部は、前記第2頻度が前記第2基準値よりも低い場合、及び、前記第2頻度が前記第1基準値よりも低く、且つ、前記第1頻度が前記第3基準値よりも低い場合において、前記受け付けられたCDR情報が表すCDR値が前記第1閾値よりも小さく、且つ、前記受け付けられたMMSE情報が表すMMSE値が第2閾値以下であるとき、前記対象者が電磁調理器を使用不能であると推定する、電磁調理器使用適性推定装置。
【請求項6】
請求項4又は請求項5に記載の電磁調理器使用適性推定装置であって、
前記対象者のDSST(Digit Symbol Substitution Test)値を表すDSST情報を受け付けるDSST情報受付部を備え、
前記推定部は、前記第2頻度が前記第2基準値よりも低い場合、及び、前記第2頻度が前記第1基準値よりも低く、且つ、前記第1頻度が前記第3基準値よりも低い場合において、前記受け付けられたCDR情報が表すCDR値が前記第1閾値よりも小さく、且つ、前記受け付けられたDSST情報が表すDSST値が第3閾値以下であるとき、前記対象者が電磁調理器を使用不能であると推定する、電磁調理器使用適性推定装置。
【請求項7】
対象者が起こした火事の頻度を表す火事頻度情報を受け付け、
前記受け付けられた火事頻度情報に基づいて、前記対象者が電磁調理器を使用可能であるか否かを推定する、
ことを含む、電磁調理器使用適性推定方法。
【請求項8】
対象者が起こした火事の頻度を表す火事頻度情報を受け付け、
前記受け付けられた火事頻度情報に基づいて、前記対象者が電磁調理器を使用可能であるか否かを推定する、
ことを含む処理をコンピュータに実行させる電磁調理器使用適性推定プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電磁調理器使用適性推定装置、電磁調理器使用適性推定方法、及び、電磁調理器使用適性推定プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
住宅における火事は、ガスコンロが原因である場合が多いことが知られている。火事の発生を抑制するために、ガスコンロに代えて電磁調理器の使用が推奨されることが多い。
【0003】
ところで、非特許文献1に記載のように、認知症に罹患している対象者は、家電製品を使用不能である場合があることが知られている。そこで、対象者が認知症に罹患しているか否かに基づいて、当該対象者が電磁調理器を使用可能であるか否かを推定する電磁調理器使用適性推定装置が考えられる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】相良 二朗、外5名、「認知力低下に配慮した継続使用が可能な家電製品のデザイン方法に関する研究」、芸術工学2013、神戸芸術工科大学、2013年11月、[令和3年5月22日検索]、インターネット〈URL:https://kobe-du.repo.nii.ac.jp/?action=repository_uri&item_id=100&file_id=48&file_no=1〉
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、対象者が認知症に罹患していない場合であっても、当該対象者が電磁調理器を使用不能である場合がある。
これに対し、本願の発明者は、鋭意検討の結果、対象者が起こした火事の頻度と、当該対象者が電磁調理器を使用可能であるか否かと、が比較的強い相関を有することを見出した。
【0006】
しかしながら、上記電磁調理器使用適性推定装置においては、対象者が起こした火事の頻度が、電磁調理器を使用可能であるか否かの推定に反映されない。このため、上記電磁調理器使用適性推定装置においては、対象者が電磁調理器を使用可能であるか否かを高い精度にて推定できない虞があった。
【0007】
本発明の目的の一つは、対象者が電磁調理器を使用可能であるか否かを高い精度にて推定することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一つの側面では、電磁調理器使用適性推定装置は、
対象者が起こした火事の頻度を表す火事頻度情報を受け付ける火事頻度情報受付部と、
上記受け付けられた火事頻度情報に基づいて、上記対象者が電磁調理器を使用可能であるか否かを推定する推定部と、
を備える。
【0009】
他の一つの側面では、電磁調理器使用適性推定方法は、
対象者が起こした火事の頻度を表す火事頻度情報を受け付け、
上記受け付けられた火事頻度情報に基づいて、上記対象者が電磁調理器を使用可能であるか否かを推定する、
ことを含む。
【0010】
他の一つの側面では、電磁調理器使用適性推定プログラムは、
対象者が起こした火事の頻度を表す火事頻度情報を受け付け、
上記受け付けられた火事頻度情報に基づいて、上記対象者が電磁調理器を使用可能であるか否かを推定する、
ことを含む処理をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0011】
対象者が電磁調理器を使用可能であるか否かを高い精度にて推定できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】第1実施形態の電磁調理器使用適性推定装置の構成を表すブロック図である。
【
図2】第1実施形態の電磁調理器使用適性推定装置の機能を表すブロック図である。
【
図3】第1実施形態の電磁調理器使用適性推定装置が実行する処理を表すフローチャートである。
【
図4】第1実施形態の第1変形例の電磁調理器使用適性推定装置の機能を表すブロック図である。
【
図5】第1実施形態の第1変形例の電磁調理器使用適性推定装置が実行する処理を表すフローチャートである。
【
図6】第1実施形態の第2変形例の電磁調理器使用適性推定装置の機能を表すブロック図である。
【
図7】第1実施形態の第2変形例の電磁調理器使用適性推定装置が実行する処理を表すフローチャートである。
【
図8】第1実施形態の第3変形例の電磁調理器使用適性推定装置の機能を表すブロック図である。
【
図9】第1実施形態の第3変形例の電磁調理器使用適性推定装置が実行する処理を表すフローチャートである。
【
図10】第1実施形態の第4変形例の電磁調理器使用適性推定装置の機能を表すブロック図である。
【
図11】第1実施形態の第4変形例の電磁調理器使用適性推定装置が実行する処理を表すフローチャートである。
【
図12】実験例における被験者の特定火事頻度及び非特定火事頻度を表す表である。
【
図13】実験例における電磁調理器の説明図である。
【
図14】実験例における、特定火事頻度及び非特定火事頻度に基づいて分類された群と、試験に合格したか否かに基づいて分類された群と、CDR値に基づいて分類された群と、の関係を表すグラフである。
【
図15】実験例における、試験に合格したか否かに基づいて分類された群と、MMSE値、DSST値、及び、TMT-A値と、の関係を表す表である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の、電磁調理器使用適性推定装置、電磁調理器使用適性推定方法、及び、電磁調理器使用適性推定プログラムに関する各実施形態について
図1乃至
図15を参照しながら説明する。
【0014】
<第1実施形態>
(概要)
第1実施形態の電磁調理器使用適性推定装置は、対象者が起こした火事の頻度を表す火事頻度情報を受け付ける火事頻度情報受付部と、受け付けられた火事頻度情報に基づいて、対象者が電磁調理器を使用可能であるか否かを推定する推定部と、を備える。
【0015】
これによれば、対象者が起こした火事の頻度が、電磁調理器を使用可能であるか否かの推定に反映される。これにより、対象者が電磁調理器を使用可能であるか否かを高い精度にて推定できる。
次に、第1実施形態の電磁調理器使用適性推定装置について、より詳細に説明する。
【0016】
(構成)
図1に表されるように、電磁調理器使用適性推定装置10は、バスBU1を介して互いに接続された、処理装置11、記憶装置12、入力装置13、及び、出力装置14を備える。
【0017】
例えば、電磁調理器使用適性推定装置10は、コンピュータ(換言すると、情報処理装置)により構成される。なお、コンピュータは、サーバ型コンピュータ、デスクトップ型コンピュータ、ラップトップ型コンピュータ、又は、タブレット型コンピュータであってよい。また、コンピュータは、据置型ゲーム機、携帯型ゲーム機、テレビ受像機、又は、スマートフォン等の少なくとも一部であってよい。また、電磁調理器使用適性推定装置10は、互いに通信可能に接続された複数の装置により構成されてもよい。
【0018】
処理装置11は、記憶装置12に記憶されているプログラムを実行することにより、記憶装置12、入力装置13、及び、出力装置14を制御する。これにより、処理装置11は、後述する機能を実現する。
【0019】
本例では、処理装置11は、CPU(Central Processing Unit)である。なお、処理装置11は、CPUに代えて、又は、CPUに加えて、MPU(Micro Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、又は、DSP(Digital Signal Processor)を含んでもよい。
【0020】
本例では、記憶装置12は、揮発性メモリと不揮発性メモリとを含む。例えば、記憶装置12は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、半導体メモリ、有機メモリ、HDD(Hard Disk Drive)、及び、SSD(Solid State Drive)の少なくとも1つを含む。
【0021】
入力装置13は、電磁調理器使用適性推定装置10の外部から情報を入力する。本例では、入力装置13は、キーボード、及び、マウスを備える。なお、入力装置13は、マイクロフォンを備えてもよい。
出力装置14は、電磁調理器使用適性推定装置10の外部に情報を出力する。本例では、出力装置14は、ディスプレイを備える。なお、出力装置14は、スピーカを備えてもよい。
なお、電磁調理器使用適性推定装置10は、入力装置13及び出力装置14の両方を構成するタッチパネル式のディスプレイを備えてもよい。
【0022】
(機能)
図2に表されるように、電磁調理器使用適性推定装置10の機能は、火事頻度情報受付部110と、推定部150と、を含む。
【0023】
火事頻度情報受付部110は、電磁調理器使用適性推定装置10の操作者によって入力装置13を介して入力された、対象者の火事頻度情報を受け付ける。本例では、電磁調理器使用適性推定装置10の操作者は、対象者と異なる。なお、電磁調理器使用適性推定装置10の操作者は、対象者であってもよい。
【0024】
火事頻度情報は、対象者が起こした火事の頻度を表す。本例では、火事頻度情報は、予め定められた種類の火事である特定火事の頻度である特定火事頻度と、特定火事以外の火事(換言すると、非特定火事)の頻度である非特定火事頻度と、を表す。本例では、特定火事は、鍋を焦がす火事である鍋焦がしと、畳を焦がす火事である畳焦がしと、からなる。なお、特定火事は、鍋焦がし、及び、畳焦がしのいずれか一方のみであってもよい。また、特定火事は、鍋焦がし、及び、畳焦がし以外の種類の火事を含んでいてもよい。
本例では、特定火事頻度は、第1頻度に対応する。本例では、非特定火事頻度は、第2頻度に対応する。
【0025】
推定部150は、火事頻度情報受付部110によって受け付けられた火事頻度情報に基づいて、対象者が電磁調理器を使用可能であるか否かを推定する。本例では、推定部150は、火事頻度情報が表す、特定火事頻度及び非特定火事頻度に基づいて、対象者が電磁調理器を使用可能であるか否かを推定する。
【0026】
具体的には、推定部150は、非特定火事頻度が所定の第1基準値以上である場合、及び、非特定火事頻度が所定の第2基準値以上であり、且つ、特定火事頻度が所定の第3基準値以上である場合、対象者が電磁調理器を使用不能であると推定する。
【0027】
本例では、第1基準値は、1ヶ月に1回の頻度(換言すると、月1回)である。なお、第1基準値は、月1回よりも高い頻度(例えば、1ヶ月に2回の頻度)であってもよい。また、第1基準値は、月1回よりも低い頻度(例えば、2ヶ月に1回の頻度)であってもよい。
【0028】
本例では、第2基準値は、第1基準値よりも低い。本例では、第2基準値は、1年に1回の頻度(換言すると、年1回)である。なお、第2基準値は、年1回よりも高い頻度(例えば、1年に2回の頻度)であってもよい。また、第2基準値は、年1回よりも低い頻度(例えば、2年に1回の頻度)であってもよい。
【0029】
本例では、第3基準値は、年1回である。なお、第3基準値は、年1回よりも高い頻度(例えば、1年に2回の頻度)であってもよい。また、第3基準値は、年1回よりも低い頻度(例えば、2年に1回の頻度)であってもよい。
【0030】
推定部150は、非特定火事頻度が第2基準値よりも低い場合、及び、非特定火事頻度が第1基準値よりも低く、且つ、特定火事頻度が第3基準値よりも低い場合、対象者が電磁調理器を使用可能であると推定する。
【0031】
推定部150は、推定の結果を表す情報を出力装置14を介して出力する(本例では、ディスプレイに表示する)。なお、推定部150は、推定の結果を表す情報を記憶装置12に記憶してもよい。
【0032】
(動作)
次に、電磁調理器使用適性推定装置10の動作の一例について
図3を参照しながら説明する。
電磁調理器使用適性推定装置10は、
図3の処理を開始すると、火事頻度情報を受け付けるまで待機する(
図3のステップS101の「No」判定)。その後、電磁調理器使用適性推定装置10の操作者は、入力装置13を介して、対象者の火事頻度情報を電磁調理器使用適性推定装置10に入力する。これにより、電磁調理器使用適性推定装置10は、火事頻度情報を受け付ける。
【0033】
従って、電磁調理器使用適性推定装置10は、ステップS101にて「Yes」と判定し、受け付けられた火事頻度情報が表す非特定火事頻度が月1回(換言すると、第1基準値)以上であるか否かを判定する(
図3のステップS102)。
【0034】
先ず、非特定火事頻度が月1回以上である場合について説明する。この場合、電磁調理器使用適性推定装置10は、ステップS102にて「Yes」と判定し、対象者が電磁調理器を使用不能であると推定する(
図3のステップS103)。次いで、電磁調理器使用適性推定装置10は、対象者が電磁調理器を使用不能であるという推定の結果を表す情報を出力装置14を介して出力する。その後、電磁調理器使用適性推定装置10は、
図3の処理を終了する。
【0035】
次に、非特定火事頻度が月1回よりも低く、且つ、非特定火事頻度が年1回(換言すると、第2基準値)以上であるとともに、特定火事頻度が年1回(換言すると、第3基準値)以上である場合について説明する。
【0036】
この場合、電磁調理器使用適性推定装置10は、ステップS102にて「No」と判定し、非特定火事頻度が年1回以上であるか否かを判定する(
図3のステップS104)。上記仮定に従えば、非特定火事頻度は、年1回以上である。従って、電磁調理器使用適性推定装置10は、ステップS104にて「Yes」と判定し、特定火事頻度が年1回以上であるか否かを判定する(
図3のステップS105)。上記仮定に従えば、特定火事頻度は、年1回以上である。
【0037】
従って、電磁調理器使用適性推定装置10は、ステップS105にて「Yes」と判定し、対象者が電磁調理器を使用不能であると推定する(
図3のステップS103)。次いで、電磁調理器使用適性推定装置10は、対象者が電磁調理器を使用不能であるという推定の結果を表す情報を出力装置14を介して出力する。その後、電磁調理器使用適性推定装置10は、
図3の処理を終了する。
【0038】
次に、非特定火事頻度が年1回よりも低い場合について説明する。この場合、電磁調理器使用適性推定装置10は、ステップS102にて「No」と判定するとともに、ステップS104にて「No」と判定し、対象者が電磁調理器を使用可能であると推定する(
図3のステップS106)。次いで、電磁調理器使用適性推定装置10は、対象者が電磁調理器を使用可能であるという推定の結果を表す情報を出力装置14を介して出力する。その後、電磁調理器使用適性推定装置10は、
図3の処理を終了する。
【0039】
次に、非特定火事頻度が月1回よりも低く、且つ、非特定火事頻度が年1回以上であるとともに、特定火事頻度が年1回よりも低い場合について説明する。
【0040】
この場合、電磁調理器使用適性推定装置10は、ステップS102にて「No」と判定するとともに、ステップS104にて「Yes」と判定し、特定火事頻度が年1回以上であるか否かを判定する(
図3のステップS105)。上記仮定に従えば、特定火事頻度は、年1回よりも低い。
【0041】
従って、電磁調理器使用適性推定装置10は、ステップS105にて「No」と判定し、対象者が電磁調理器を使用可能であると推定する(
図3のステップS106)。次いで、電磁調理器使用適性推定装置10は、対象者が電磁調理器を使用可能であるという推定の結果を表す情報を出力装置14を介して出力する。その後、電磁調理器使用適性推定装置10は、
図3の処理を終了する。
【0042】
以上、説明したように、第1実施形態の電磁調理器使用適性推定装置10は、対象者が起こした火事の頻度を表す火事頻度情報を受け付ける火事頻度情報受付部110と、受け付けられた火事頻度情報に基づいて、対象者が電磁調理器を使用可能であるか否かを推定する推定部150と、を備える。
【0043】
これによれば、対象者が起こした火事の頻度が、電磁調理器を使用可能であるか否かの推定に反映される。これにより、対象者が電磁調理器を使用可能であるか否かを高い精度にて推定できる。
【0044】
更に、第1実施形態の電磁調理器使用適性推定装置10において、火事頻度情報は、予め定められた種類の火事である特定火事の頻度である第1頻度(本例では、特定火事頻度)と、特定火事以外の火事の頻度である第2頻度(本例では、非特定火事頻度)と、を表す。加えて、推定部150は、第1頻度と第2頻度とに基づいて、対象者が電磁調理器を使用可能であるか否かを推定する。
【0045】
ところで、特定火事の頻度、及び、特定火事以外の火事の頻度と、対象者が電磁調理器を使用可能であるか否かと、は、比較的強い相関を有する。例えば、特定火事の頻度が比較的低い場合であっても、特定火事以外の火事の頻度が比較的高い場合、対象者が電磁調理器を使用不能である確率が高い。従って、電磁調理器使用適性推定装置10によれば、対象者が電磁調理器を使用可能であるか否かを高い精度にて推定できる。
【0046】
更に、第1実施形態の電磁調理器使用適性推定装置10において、推定部150は、第2頻度が所定の第1基準値以上である場合、及び、第2頻度が第1基準値よりも低い、所定の第2基準値以上であり、且つ、第1頻度が所定の第3基準値以上である場合、対象者が電磁調理器を使用不能であると推定する。
【0047】
特定火事以外の火事の頻度が第1基準値よりも低い場合であっても、特定火事の頻度が第3基準値以上である場合、対象者が電磁調理器を使用不能である確率が高い。従って、電磁調理器使用適性推定装置10によれば、対象者が電磁調理器を使用可能であるか否かを高い精度にて推定できる。
【0048】
なお、特定火事頻度に基づく判定、及び、非特定火事頻度に基づく判定は、
図3に表される順序と異なる順序にて実行されてもよい。
【0049】
<第1実施形態の第1変形例>
次に、第1実施形態の第1変形例の電磁調理器使用適性推定装置について説明する。第1実施形態の第1変形例の電磁調理器使用適性推定装置は、第1実施形態の電磁調理器使用適性推定装置に対して、火事頻度情報に加えて、CDR情報にも基づいて推定を行う点において相違している。以下、相違点を中心として説明する。なお、第1実施形態の第1変形例の説明において、第1実施形態にて使用した符号と同じ符号を付したものは、同一又は略同様のものである。
【0050】
図4に表されるように、第1実施形態の第1変形例の電磁調理器使用適性推定装置10Aの機能は、第1実施形態の電磁調理器使用適性推定装置10の機能に加えて、CDR情報受付部120を含む。
【0051】
CDR情報受付部120は、電磁調理器使用適性推定装置10Aの操作者によって入力装置13を介して入力された、対象者のCDR情報を受け付ける。
CDR情報は、対象者のCDR(Clinical Dementia Rating)値を表す。CDRは、臨床認知症評価と表されてもよい。
【0052】
電磁調理器使用適性推定装置10Aの推定部150は、非特定火事頻度が第2基準値よりも低い場合、及び、非特定火事頻度が第1基準値よりも低く、且つ、非特定火事頻度が第2基準値以上であるとともに、特定火事頻度が第3基準値よりも低い場合において、CDR情報受付部120によって受け付けられたCDR情報が表すCDR値が第1閾値以上であるとき、対象者が電磁調理器を使用不能であると推定する。本例では、第1閾値は、1である。
【0053】
また、電磁調理器使用適性推定装置10Aの推定部150は、非特定火事頻度が第2基準値よりも低い場合、及び、非特定火事頻度が第1基準値よりも低く、且つ、非特定火事頻度が第2基準値以上であるとともに、特定火事頻度が第3基準値よりも低い場合において、CDR情報受付部120によって受け付けられたCDR情報が表すCDR値が第1閾値よりも小さいとき、対象者が電磁調理器を使用可能であると推定する。
【0054】
(動作)
次に、電磁調理器使用適性推定装置10Aの動作の一例について
図5を参照しながら説明する。
図5に表される処理は、
図3に表される処理に対して、ステップS101の直後にステップS111が追加された点と、ステップS104の「No」判定、及び、ステップS105の「No」判定の直後にステップS121が追加された点と、が相違する。
【0055】
電磁調理器使用適性推定装置10Aは、火事頻度情報を受け付けると、ステップS101にて「Yes」と判定し、ステップS111へ進んで、CDR情報を受け付けるまで待機する(
図5のステップS111の「No」判定)。その後、電磁調理器使用適性推定装置10Aの操作者は、入力装置13を介して、対象者のCDR情報を電磁調理器使用適性推定装置10Aに入力する。これにより、電磁調理器使用適性推定装置10Aは、CDR情報を受け付ける。
【0056】
従って、電磁調理器使用適性推定装置10Aは、ステップS111にて「Yes」と判定し、ステップS102へ進む。
【0057】
先ず、非特定火事頻度が年1回(換言すると、第2基準値)よりも低く、且つ、CDR値が1(換言すると、第1閾値)以上である場合について説明する。
【0058】
この場合、電磁調理器使用適性推定装置10Aは、ステップS102にて「No」と判定するとともに、ステップS104にて「No」と判定し、受け付けられたCDR情報が表すCDR値が1以上であるか否かを判定する(
図5のステップS121)。上記仮定に従えば、CDR値は、1以上である。
【0059】
従って、電磁調理器使用適性推定装置10Aは、ステップS121にて「Yes」と判定し、対象者が電磁調理器を使用不能であると推定する(
図5のステップS103)。次いで、電磁調理器使用適性推定装置10Aは、対象者が電磁調理器を使用不能であるという推定の結果を表す情報を出力装置14を介して出力する。その後、電磁調理器使用適性推定装置10Aは、
図5の処理を終了する。
【0060】
次に、非特定火事頻度が年1回よりも低く、且つ、CDR値が1よりも小さい場合について説明する。
【0061】
この場合、電磁調理器使用適性推定装置10Aは、ステップS102にて「No」と判定するとともに、ステップS104にて「No」と判定し、更に、ステップS121にて「No」と判定し、対象者が電磁調理器を使用可能であると推定する(
図5のステップS106)。次いで、電磁調理器使用適性推定装置10Aは、対象者が電磁調理器を使用可能であるという推定の結果を表す情報を出力装置14を介して出力する。その後、電磁調理器使用適性推定装置10Aは、
図5の処理を終了する。
【0062】
次に、非特定火事頻度が月1回(換言すると、第1基準値)よりも低く、且つ、非特定火事頻度が年1回(換言すると、第2基準値)以上であるとともに、特定火事頻度が年1回(換言すると、第3基準値)よりも低く、且つ、CDR値が1(換言すると、第1閾値)以上である場合について説明する。
【0063】
この場合、電磁調理器使用適性推定装置10Aは、ステップS102にて「No」と判定するとともに、ステップS104にて「Yes」と判定し、更に、ステップS105にて「No」と判定するとともに、ステップS121にて「Yes」と判定し、対象者が電磁調理器を使用不能であると推定する(
図5のステップS103)。次いで、電磁調理器使用適性推定装置10Aは、対象者が電磁調理器を使用不能であるという推定の結果を表す情報を出力装置14を介して出力する。その後、電磁調理器使用適性推定装置10Aは、
図5の処理を終了する。
【0064】
次に、非特定火事頻度が月1回よりも低く、且つ、非特定火事頻度が年1回以上であるとともに、特定火事頻度が年1回よりも低く、且つ、CDR値が1よりも小さい場合について説明する。
【0065】
この場合、電磁調理器使用適性推定装置10Aは、ステップS102にて「No」と判定するとともに、ステップS104にて「Yes」と判定し、更に、ステップS105にて「No」と判定するとともに、ステップS121にて「No」と判定し、対象者が電磁調理器を使用可能であると推定する(
図5のステップS106)。次いで、電磁調理器使用適性推定装置10Aは、対象者が電磁調理器を使用可能であるという推定の結果を表す情報を出力装置14を介して出力する。その後、電磁調理器使用適性推定装置10Aは、
図5の処理を終了する。
【0066】
以上、説明したように、第1実施形態の第1変形例の電磁調理器使用適性推定装置10Aによれば、第1実施形態の電磁調理器使用適性推定装置10と同様の作用及び効果を奏することができる。
更に、第1実施形態の第1変形例の電磁調理器使用適性推定装置10Aは、対象者のCDR値を表すCDR情報を受け付けるCDR情報受付部120を備える。加えて、推定部150は、第2頻度が第2基準値よりも低い場合、及び、第2頻度が第1基準値よりも低く、且つ、第1頻度が第3基準値よりも低い場合において、受け付けられたCDR情報が表すCDR値が第1閾値以上であるとき、対象者が電磁調理器を使用不能であると推定する。
【0067】
ところで、火事の頻度が比較的低い対象者であっても、CDR値が第1閾値(本例では、1)以上である場合、当該対象者が電磁調理器を使用不能である確率が高い。従って、電磁調理器使用適性推定装置10Aによれば、対象者が電磁調理器を使用可能であるか否かを高い精度にて推定できる。
【0068】
なお、火事頻度情報に基づく判定、及び、CDR情報に基づく判定は、
図5に表される順序と異なる順序にて実行されてもよい。また、ステップS101の処理、及び、ステップS111の処理は、
図5に表される順序と異なる順序にて実行されてもよい。
【0069】
<第1実施形態の第2変形例>
次に、第1実施形態の第2変形例の電磁調理器使用適性推定装置について説明する。第1実施形態の第2変形例の電磁調理器使用適性推定装置は、第1実施形態の第1変形例の電磁調理器使用適性推定装置に対して、火事頻度情報及びCDR情報に加えて、MMSE情報にも基づいて推定を行う点において相違している。以下、相違点を中心として説明する。なお、第1実施形態の第2変形例の説明において、第1実施形態の第1変形例にて使用した符号と同じ符号を付したものは、同一又は略同様のものである。
【0070】
図6に表されるように、第1実施形態の第2変形例の電磁調理器使用適性推定装置10Bの機能は、第1実施形態の第1変形例の電磁調理器使用適性推定装置10Aの機能に加えて、MMSE情報受付部130を含む。
【0071】
MMSE情報受付部130は、電磁調理器使用適性推定装置10Bの操作者によって入力装置13を介して入力された、対象者のMMSE情報を受け付ける。
MMSE情報は、対象者のMMSE(Mini-Mental State Examination)値を表す。
【0072】
電磁調理器使用適性推定装置10Bの推定部150は、非特定火事頻度が第2基準値よりも低い場合、及び、非特定火事頻度が第1基準値よりも低く、且つ、非特定火事頻度が第2基準値以上であるとともに、特定火事頻度が第3基準値よりも低い場合において、CDR情報受付部120によって受け付けられたCDR情報が表すCDR値が第1閾値よりも小さく、且つ、MMSE情報受付部130によって受け付けられたMMSE情報が表すMMSE値が第2閾値以下であるとき、対象者が電磁調理器を使用不能であると推定する。本例では、第2閾値は、25である。
【0073】
また、電磁調理器使用適性推定装置10Bの推定部150は、非特定火事頻度が第2基準値よりも低い場合、及び、非特定火事頻度が第1基準値よりも低く、且つ、非特定火事頻度が第2基準値以上であるとともに、特定火事頻度が第3基準値よりも低い場合において、CDR情報受付部120によって受け付けられたCDR情報が表すCDR値が第1閾値よりも小さく、且つ、MMSE情報受付部130によって受け付けられたMMSE情報が表すMMSE値が第2閾値よりも大きいとき、対象者が電磁調理器を使用可能であると推定する。
【0074】
(動作)
次に、電磁調理器使用適性推定装置10Bの動作の一例について
図7を参照しながら説明する。
図7に表される処理は、
図5に表される処理に対して、ステップS111の直後にステップS112が追加された点と、ステップS121の「No」判定の直後にステップS122が追加された点と、が相違する。
【0075】
電磁調理器使用適性推定装置10Bは、CDR情報を受け付けると、ステップS111にて「Yes」と判定し、ステップS112へ進んで、MMSE情報を受け付けるまで待機する(
図7のステップS112の「No」判定)。その後、電磁調理器使用適性推定装置10Bの操作者は、入力装置13を介して、対象者のMMSE情報を電磁調理器使用適性推定装置10Bに入力する。これにより、電磁調理器使用適性推定装置10Bは、MMSE情報を受け付ける。
【0076】
従って、電磁調理器使用適性推定装置10Bは、ステップS112にて「Yes」と判定し、ステップS102へ進む。
【0077】
ここでは、非特定火事頻度が年1回(換言すると、第2基準値)よりも低い場合、又は、非特定火事頻度が月1回(換言すると、第1基準値)よりも低く、且つ、非特定火事頻度が年1回(換言すると、第2基準値)以上であるとともに、特定火事頻度が年1回(換言すると、第3基準値)よりも低い場合について説明する。
上記仮定に従えば、電磁調理器使用適性推定装置10Bは、ステップS121へ進む。
【0078】
先ず、CDR値が1(換言すると、第1閾値)以上である場合について説明する。
この場合、電磁調理器使用適性推定装置10Bは、ステップS121にて「Yes」と判定し、対象者が電磁調理器を使用不能であると推定する(
図7のステップS103)。次いで、電磁調理器使用適性推定装置10Bは、対象者が電磁調理器を使用不能であるという推定の結果を表す情報を出力装置14を介して出力する。その後、電磁調理器使用適性推定装置10Bは、
図7の処理を終了する。
【0079】
次に、CDR値が1(換言すると、第1閾値)よりも小さく、且つ、MMSE値が25(換言すると、第2閾値)以下である場合について説明する。
この場合、電磁調理器使用適性推定装置10Bは、ステップS121にて「No」と判定し、受け付けられたMMSE情報が表すMMSE値が25以下であるか否かを判定する(
図7のステップS122)。上記仮定に従えば、MMSE値は、25以下である。
【0080】
従って、電磁調理器使用適性推定装置10Bは、ステップS122にて「Yes」と判定し、対象者が電磁調理器を使用不能であると推定する(
図7のステップS103)。次いで、電磁調理器使用適性推定装置10Bは、対象者が電磁調理器を使用不能であるという推定の結果を表す情報を出力装置14を介して出力する。その後、電磁調理器使用適性推定装置10Bは、
図7の処理を終了する。
【0081】
次に、CDR値が1よりも小さく、且つ、MMSE値が25よりも大きい場合について説明する。
この場合、電磁調理器使用適性推定装置10Bは、ステップS121にて「No」と判定するとともに、ステップS122にて「No」と判定し、対象者が電磁調理器を使用可能であると推定する(
図7のステップS106)。次いで、電磁調理器使用適性推定装置10Bは、対象者が電磁調理器を使用可能であるという推定の結果を表す情報を出力装置14を介して出力する。その後、電磁調理器使用適性推定装置10Bは、
図7の処理を終了する。
【0082】
以上、説明したように、第1実施形態の第2変形例の電磁調理器使用適性推定装置10Bによれば、第1実施形態の第1変形例の電磁調理器使用適性推定装置10Aと同様の作用及び効果を奏することができる。
更に、第1実施形態の第2変形例の電磁調理器使用適性推定装置10Bは、対象者のMMSE値を表すMMSE情報を受け付けるMMSE情報受付部130を備える。更に、推定部150は、第2頻度が第2基準値よりも低い場合、及び、第2頻度が第1基準値よりも低く、且つ、第1頻度が第3基準値よりも低い場合において、受け付けられたCDR情報が表すCDR値が第1閾値よりも小さく、且つ、受け付けられたMMSE情報が表すMMSE値が第2閾値以下であるとき、対象者が電磁調理器を使用不能であると推定する。
【0083】
ところで、火事の頻度が比較的低く、且つ、CDR値が第1閾値(本例では、1)よりも小さい対象者であっても、MMSE値が第2閾値(本例では、25)以下である場合、当該対象者が電磁調理器を使用不能である確率が高い。従って、電磁調理器使用適性推定装置10Bによれば、対象者が電磁調理器を使用可能であるか否かを高い精度にて推定できる。
【0084】
なお、火事頻度情報に基づく判定、CDR情報に基づく判定、及び、MMSE情報に基づく判定は、
図7に表される順序と異なる順序にて実行されてもよい。また、ステップS101の処理、ステップS111の処理、及び、ステップS112の処理は、
図7に表される順序と異なる順序にて実行されてもよい。
【0085】
<第1実施形態の第3変形例>
次に、第1実施形態の第3変形例の電磁調理器使用適性推定装置について説明する。第1実施形態の第3変形例の電磁調理器使用適性推定装置は、第1実施形態の第1変形例の電磁調理器使用適性推定装置に対して、火事頻度情報及びCDR情報に加えて、DSST情報にも基づいて推定を行う点において相違している。以下、相違点を中心として説明する。なお、第1実施形態の第3変形例の説明において、第1実施形態の第1変形例にて使用した符号と同じ符号を付したものは、同一又は略同様のものである。
【0086】
図8に表されるように、第1実施形態の第3変形例の電磁調理器使用適性推定装置10Cの機能は、第1実施形態の第1変形例の電磁調理器使用適性推定装置10Aの機能に加えて、DSST情報受付部140を含む。
【0087】
DSST情報受付部140は、電磁調理器使用適性推定装置10Cの操作者によって入力装置13を介して入力された、対象者のDSST情報を受け付ける。
DSST情報は、対象者のDSST(Digit Symbol Substitution Test)値を表す。
【0088】
電磁調理器使用適性推定装置10Cの推定部150は、非特定火事頻度が第2基準値よりも低い場合、及び、非特定火事頻度が第1基準値よりも低く、且つ、非特定火事頻度が第2基準値以上であるとともに、特定火事頻度が第3基準値よりも低い場合において、CDR情報受付部120によって受け付けられたCDR情報が表すCDR値が第1閾値よりも小さく、且つ、DSST情報受付部140によって受け付けられたDSST情報が表すDSST値が第3閾値以下であるとき、対象者が電磁調理器を使用不能であると推定する。本例では、第3閾値は、30である。
【0089】
また、電磁調理器使用適性推定装置10Cの推定部150は、非特定火事頻度が第2基準値よりも低い場合、及び、非特定火事頻度が第1基準値よりも低く、且つ、非特定火事頻度が第2基準値以上であるとともに、特定火事頻度が第3基準値よりも低い場合において、CDR情報受付部120によって受け付けられたCDR情報が表すCDR値が第1閾値よりも小さく、且つ、DSST情報受付部140によって受け付けられたDSST情報が表すDSST値が第3閾値よりも大きいとき、対象者が電磁調理器を使用可能であると推定する。
【0090】
(動作)
次に、電磁調理器使用適性推定装置10Cの動作の一例について
図9を参照しながら説明する。
図9に表される処理は、
図5に表される処理に対して、ステップS111の直後にステップS113が追加された点と、ステップS121の「No」判定の直後にステップS123が追加された点と、が相違する。
【0091】
電磁調理器使用適性推定装置10Cは、CDR情報を受け付けると、ステップS111にて「Yes」と判定し、ステップS113へ進んで、DSST情報を受け付けるまで待機する(
図9のステップS113の「No」判定)。その後、電磁調理器使用適性推定装置10Cの操作者は、入力装置13を介して、対象者のDSST情報を電磁調理器使用適性推定装置10Cに入力する。これにより、電磁調理器使用適性推定装置10Cは、DSST情報を受け付ける。
【0092】
従って、電磁調理器使用適性推定装置10Cは、ステップS113にて「Yes」と判定し、ステップS102へ進む。
【0093】
ここでは、非特定火事頻度が年1回(換言すると、第2基準値)よりも低い場合、又は、非特定火事頻度が月1回(換言すると、第1基準値)よりも低く、且つ、非特定火事頻度が年1回(換言すると、第2基準値)以上であるとともに、特定火事頻度が年1回(換言すると、第3基準値)よりも低い場合について説明する。
上記仮定に従えば、電磁調理器使用適性推定装置10Cは、ステップS121へ進む。
【0094】
先ず、CDR値が1(換言すると、第1閾値)以上である場合について説明する。
この場合、電磁調理器使用適性推定装置10Cは、ステップS121にて「Yes」と判定し、対象者が電磁調理器を使用不能であると推定する(
図9のステップS103)。次いで、電磁調理器使用適性推定装置10Cは、対象者が電磁調理器を使用不能であるという推定の結果を表す情報を出力装置14を介して出力する。その後、電磁調理器使用適性推定装置10Cは、
図9の処理を終了する。
【0095】
次に、CDR値が1(換言すると、第1閾値)よりも小さく、且つ、DSST値が30(換言すると、第3閾値)以下である場合について説明する。
この場合、電磁調理器使用適性推定装置10Cは、ステップS121にて「No」と判定し、受け付けられたDSST情報が表すDSST値が30以下であるか否かを判定する(
図9のステップS123)。上記仮定に従えば、DSST値は、30以下である。
【0096】
従って、電磁調理器使用適性推定装置10Cは、ステップS123にて「Yes」と判定し、対象者が電磁調理器を使用不能であると推定する(
図9のステップS103)。次いで、電磁調理器使用適性推定装置10Cは、対象者が電磁調理器を使用不能であるという推定の結果を表す情報を出力装置14を介して出力する。その後、電磁調理器使用適性推定装置10Cは、
図9の処理を終了する。
【0097】
次に、CDR値が1よりも小さく、且つ、DSST値が30よりも大きい場合について説明する。
この場合、電磁調理器使用適性推定装置10Cは、ステップS121にて「No」と判定するとともに、ステップS123にて「No」と判定し、対象者が電磁調理器を使用可能であると推定する(
図9のステップS106)。次いで、電磁調理器使用適性推定装置10Cは、対象者が電磁調理器を使用可能であるという推定の結果を表す情報を出力装置14を介して出力する。その後、電磁調理器使用適性推定装置10Cは、
図9の処理を終了する。
【0098】
以上、説明したように、第1実施形態の第3変形例の電磁調理器使用適性推定装置10Cによれば、第1実施形態の第1変形例の電磁調理器使用適性推定装置10Aと同様の作用及び効果を奏することができる。
更に、第1実施形態の第3変形例の電磁調理器使用適性推定装置10Cは、対象者のDSST値を表すDSST情報を受け付けるDSST情報受付部140を備える。更に、推定部150は、第2頻度が第2基準値よりも低い場合、及び、第2頻度が第1基準値よりも低く、且つ、第1頻度が第3基準値よりも低い場合において、受け付けられたCDR情報が表すCDR値が第1閾値よりも小さく、且つ、受け付けられたDSST情報が表すDSST値が第3閾値以下であるとき、対象者が電磁調理器を使用不能であると推定する。
【0099】
ところで、火事の頻度が比較的低く、且つ、CDR値が第1閾値(本例では、1)よりも小さい対象者であっても、DSST値が第3閾値(本例では、30)以下である場合、当該対象者が電磁調理器を使用不能である確率が高い。従って、電磁調理器使用適性推定装置10Cによれば、対象者が電磁調理器を使用可能であるか否かを高い精度にて推定できる。
【0100】
なお、火事頻度情報に基づく判定、CDR情報に基づく判定、及び、DSST情報に基づく判定は、
図9に表される順序と異なる順序にて実行されてもよい。また、ステップS101の処理、ステップS111の処理、及び、ステップS113の処理は、
図9に表される順序と異なる順序にて実行されてもよい。
【0101】
<第1実施形態の第4変形例>
次に、第1実施形態の第4変形例の電磁調理器使用適性推定装置について説明する。第1実施形態の第4変形例の電磁調理器使用適性推定装置は、第1実施形態の第1変形例の電磁調理器使用適性推定装置に対して、火事頻度情報及びCDR情報に加えて、MSSE情報及びDSST情報にも基づいて推定を行う点において相違している。以下、相違点を中心として説明する。なお、第1実施形態の第4変形例の説明において、第1実施形態の第1変形例にて使用した符号と同じ符号を付したものは、同一又は略同様のものである。
【0102】
図10に表されるように、第1実施形態の第4変形例の電磁調理器使用適性推定装置10Dの機能は、第1実施形態の第1変形例の電磁調理器使用適性推定装置10Aの機能に加えて、MMSE情報受付部130、及び、DSST情報受付部140を含む。
【0103】
MMSE情報受付部130は、電磁調理器使用適性推定装置10Dの操作者によって入力装置13を介して入力された、対象者のMMSE情報を受け付ける。
MMSE情報は、対象者のMMSE(Mini-Mental State Examination)値を表す。
【0104】
DSST情報受付部140は、電磁調理器使用適性推定装置10Dの操作者によって入力装置13を介して入力された、対象者のDSST情報を受け付ける。
DSST情報は、対象者のDSST(Digit Symbol Substitution Test)値を表す。
【0105】
電磁調理器使用適性推定装置10Dの推定部150は、非特定火事頻度が第2基準値よりも低い場合、及び、非特定火事頻度が第1基準値よりも低く、且つ、非特定火事頻度が第2基準値以上であるとともに、特定火事頻度が第3基準値よりも低い場合において、第1使用不能推定条件、及び、第2使用不能推定条件の少なくとも一方が満足されるとき、対象者が電磁調理器を使用不能であると推定する。
【0106】
本例では、第1使用不能推定条件は、CDR情報受付部120によって受け付けられたCDR情報が表すCDR値が第1閾値よりも小さく、且つ、MMSE情報受付部130によって受け付けられたMMSE情報が表すMMSE値が第2閾値以下であるという条件である。本例では、第2閾値は、25である。
【0107】
本例では、第2使用不能推定条件は、CDR情報受付部120によって受け付けられたCDR情報が表すCDR値が第1閾値よりも小さく、且つ、DSST情報受付部140によって受け付けられたDSST情報が表すDSST値が第3閾値以下であるという条件である。本例では、第3閾値は、30である。
【0108】
また、電磁調理器使用適性推定装置10Dの推定部150は、非特定火事頻度が第2基準値よりも低い場合、及び、非特定火事頻度が第1基準値よりも低く、且つ、非特定火事頻度が第2基準値以上であるとともに、特定火事頻度が第3基準値よりも低い場合において、第1使用不能推定条件、及び、第2使用不能推定条件のいずれも満足されないとき、対象者が電磁調理器を使用可能であると推定する。
【0109】
(動作)
次に、電磁調理器使用適性推定装置10Dの動作の一例について
図11を参照しながら説明する。
図11に表される処理は、
図5に表される処理に対して、ステップS111の直後にステップS112及びステップS113が追加された点と、ステップS121の「No」判定の直後にステップS124が追加された点と、が相違する。
【0110】
電磁調理器使用適性推定装置10Dは、CDR情報を受け付けると、ステップS111にて「Yes」と判定し、ステップS112へ進んで、MMSE情報を受け付けるまで待機する(
図11のステップS112の「No」判定)。その後、電磁調理器使用適性推定装置10Dの操作者は、入力装置13を介して、対象者のMMSE情報を電磁調理器使用適性推定装置10Dに入力する。これにより、電磁調理器使用適性推定装置10Dは、MMSE情報を受け付ける。
【0111】
従って、電磁調理器使用適性推定装置10Dは、ステップS112にて「Yes」と判定し、ステップS113へ進んで、DSST情報を受け付けるまで待機する(
図11のステップS113の「No」判定)。その後、電磁調理器使用適性推定装置10Dの操作者は、入力装置13を介して、対象者のDSST情報を電磁調理器使用適性推定装置10Dに入力する。これにより、電磁調理器使用適性推定装置10Dは、DSST情報を受け付ける。
【0112】
従って、電磁調理器使用適性推定装置10Dは、ステップS113にて「Yes」と判定し、ステップS102へ進む。
【0113】
ここでは、非特定火事頻度が年1回(換言すると、第2基準値)よりも低い場合、又は、非特定火事頻度が月1回(換言すると、第1基準値)よりも低く、且つ、非特定火事頻度が年1回(換言すると、第2基準値)以上であるとともに、特定火事頻度が年1回(換言すると、第3基準値)よりも低い場合について説明する。
上記仮定に従えば、電磁調理器使用適性推定装置10Dは、ステップS121へ進む。
【0114】
先ず、CDR値が1(換言すると、第1閾値)以上である場合について説明する。
この場合、電磁調理器使用適性推定装置10Dは、ステップS121にて「Yes」と判定し、対象者が電磁調理器を使用不能であると推定する(
図11のステップS103)。次いで、電磁調理器使用適性推定装置10Dは、対象者が電磁調理器を使用不能であるという推定の結果を表す情報を出力装置14を介して出力する。その後、電磁調理器使用適性推定装置10Dは、
図11の処理を終了する。
【0115】
次に、CDR値が1(換言すると、第1閾値)よりも小さく、且つ、MMSE値が25(換言すると、第2閾値)以下である場合について説明する。
この場合、電磁調理器使用適性推定装置10Dは、ステップS121にて「No」と判定し、受け付けられたMMSE情報が表すMMSE値が25以下である、又は、受け付けられたDSST情報が表すDSST値が30以下である、か否かを判定する(
図11のステップS124)。上記仮定に従えば、MMSE値は、25以下である。
【0116】
従って、電磁調理器使用適性推定装置10Dは、ステップS124にて「Yes」と判定し、対象者が電磁調理器を使用不能であると推定する(
図11のステップS103)。次いで、電磁調理器使用適性推定装置10Dは、対象者が電磁調理器を使用不能であるという推定の結果を表す情報を出力装置14を介して出力する。その後、電磁調理器使用適性推定装置10Dは、
図11の処理を終了する。
【0117】
次に、CDR値が1(換言すると、第1閾値)よりも小さく、且つ、DSST値が30(換言すると、第3閾値)以下である場合について説明する。
この場合、電磁調理器使用適性推定装置10Dは、ステップS121にて「No」と判定するとともに、ステップS124にて「Yes」と判定し、対象者が電磁調理器を使用不能であると推定する(
図11のステップS103)。次いで、電磁調理器使用適性推定装置10Dは、対象者が電磁調理器を使用不能であるという推定の結果を表す情報を出力装置14を介して出力する。その後、電磁調理器使用適性推定装置10Dは、
図11の処理を終了する。
【0118】
次に、CDR値が1(換言すると、第1閾値)よりも小さく、且つ、MMSE値が25(換言すると、第2閾値)よりも大きく、且つ、DSST値が30(換言すると、第3閾値)よりも大きい場合について説明する。
この場合、電磁調理器使用適性推定装置10Dは、ステップS121にて「No」と判定するとともに、ステップS124にて「No」と判定し、対象者が電磁調理器を使用可能であると推定する(
図11のステップS106)。次いで、電磁調理器使用適性推定装置10Dは、対象者が電磁調理器を使用可能であるという推定の結果を表す情報を出力装置14を介して出力する。その後、電磁調理器使用適性推定装置10Dは、
図11の処理を終了する。
【0119】
以上、説明したように、第1実施形態の第4変形例の電磁調理器使用適性推定装置10Dによれば、第1実施形態の第1変形例の電磁調理器使用適性推定装置10Aと同様の作用及び効果を奏することができる。
更に、第1実施形態の第4変形例の電磁調理器使用適性推定装置10Dは、対象者のMMSE値を表すMMSE情報を受け付けるMMSE情報受付部130を備える。更に、推定部150は、第2頻度が第2基準値よりも低い場合、及び、第2頻度が第1基準値よりも低く、且つ、第1頻度が第3基準値よりも低い場合において、受け付けられたCDR情報が表すCDR値が第1閾値よりも小さく、且つ、受け付けられたMMSE情報が表すMMSE値が第2閾値以下であるとき、対象者が電磁調理器を使用不能であると推定する。
【0120】
ところで、火事の頻度が比較的低く、且つ、CDR値が第1閾値(本例では、1)よりも小さい対象者であっても、MMSE値が第2閾値(本例では、25)以下である場合、当該対象者が電磁調理器を使用不能である確率が高い。従って、電磁調理器使用適性推定装置10Dによれば、対象者が電磁調理器を使用可能であるか否かを高い精度にて推定できる。
【0121】
更に、第1実施形態の第4変形例の電磁調理器使用適性推定装置10Dは、対象者のDSST値を表すDSST情報を受け付けるDSST情報受付部140を備える。更に、推定部150は、第2頻度が第2基準値よりも低い場合、及び、第2頻度が第1基準値よりも低く、且つ、第1頻度が第3基準値よりも低い場合において、受け付けられたCDR情報が表すCDR値が第1閾値よりも小さく、且つ、受け付けられたDSST情報が表すDSST値が第3閾値以下であるとき、対象者が電磁調理器を使用不能であると推定する。
【0122】
ところで、火事の頻度が比較的低く、且つ、CDR値が第1閾値(本例では、1)よりも小さい対象者であっても、DSST値が第3閾値(本例では、30)以下である場合、当該対象者が電磁調理器を使用不能である確率が高い。従って、電磁調理器使用適性推定装置10Dによれば、対象者が電磁調理器を使用可能であるか否かを高い精度にて推定できる。
【0123】
なお、火事頻度情報に基づく判定、CDR情報に基づく判定、並びに、MMSE情報及びDSST情報に基づく判定は、
図11に表される順序と異なる順序にて実行されてもよい。また、ステップS101の処理、ステップS111の処理、ステップS112の処理、及び、ステップS113の処理は、
図11に表される順序と異なる順序にて実行されてもよい。
【0124】
(実験例)
ここで、実験例について説明する。
本実験例においては、複数(本例では、166人)の被験者に対して、電磁調理器を使用する試験が行われた。
【0125】
図12は、特定火事頻度と、非特定火事頻度と、によって分類された被験者の数を表す。
図12において、特定火事は、「鍋焦がし・畳焦がし」と表される。
図12において、特定火事の頻度が年1回以上である場合、「あり」に集計される。
【0126】
非特定火事を起こしたことがなく、且つ、特定火事頻度が年1回未満である被験者は、安全群に分類される。
非特定火事を起こしたことがなく、且つ、特定火事頻度が年1回以上である被験者、非特定火事を起こしたことがあり、且つ、非特定火事頻度が年1回未満である被験者、及び、非特定火事頻度が年1回以上であり且つ月1回未満であり、且つ、特定火事頻度が年1回未満である被験者は、低リスク群に分類される。
非特定火事頻度が年1回以上であり且つ月1回未満であり、且つ、特定火事頻度が年1回以上である被験者、及び、非特定火事頻度が月1回以上である被験者は、高リスク群に分類される。
【0127】
各被験者は、
図13に表されるような電磁調理器を用いて、やかんの水を沸かすように指示される。各被験者は、以下の(1)~(5)のすべての工程を実行できた場合に、試験に合格した被験者群である合格群に分類され、以下の(1)~(5)のいずれかの工程が実行できなかった場合に、試験に合格しなかった被験者群である不合格群に分類される。
(1)やかんを電磁調理器の加熱領域の中央に置く。
(2)主電源を入れる。
(3)加熱ボタンを押すことにより加熱を開始する。
(4)加熱制御ボタンを用いて加熱強度を最大にする。
(5)やかんの水が沸いたら加熱ボタンを押すことにより加熱を終了する。
【0128】
図14は、被験者のCDR値が0であるCDR値=0群と、被験者のCDR値が0.5であるCDR値=0.5群と、被験者のCDR値が1以上であるCDR値≧1群と、のそれぞれに対して、安全群、低リスク群、及び、高リスク群のそれぞれにおいて不合格群及び合格群のそれぞれに分類された被験者の数を表す。
【0129】
図14に表されるように、高リスク群に分類された被験者において、合格群に分類された被験者は、存在しなかった。
従って、第1実施形態の電磁調理器使用適性推定装置10のように、非特定火事頻度が月1回以上である場合、及び、非特定火事頻度が年1回以上であり、且つ、特定火事頻度が年1回以上である場合、対象者が電磁調理器を使用不能であると推定することにより、対象者が電磁調理器を使用可能であるか否かを高い精度にて推定できる。
【0130】
また、
図14に表されるように、安全群、低リスク群、及び、高リスク群のいずれに分類された被験者であっても、CDR値≧1群に分類された被験者において、合格群に分類された被験者は、存在しなかった。
従って、第1実施形態の第1~4変形例の電磁調理器使用適性推定装置10A~10Dのように、非特定火事頻度が年1回よりも低い場合、及び、非特定火事頻度が月1回よりも低く、且つ、特定火事頻度が年1回よりも低い場合において、CDR値が1以上であるとき、対象者が電磁調理器を使用不能であると推定することにより、対象者が電磁調理器を使用可能であるか否かを高い精度にて推定できる。
【0131】
図15は、合格群及び不合格群のそれぞれに分類された被験者の、MMSE値、DSST値、及び、TMT(Trail Making Test)-A値の平均値及び標準偏差を表す。
図15に表されるように、MMSE値が25以下である被験者は、不合格群に分類される確率が高い。
従って、第1実施形態の第2及び4変形例の電磁調理器使用適性推定装置10B,10Dのように、非特定火事頻度が年1回よりも低い場合、及び、非特定火事頻度が月1回よりも低く、且つ、特定火事頻度が年1回よりも低い場合において、CDR値が1よりも小さく、且つ、MMSE値が25以下であるとき、対象者が電磁調理器を使用不能であると推定することにより、対象者が電磁調理器を使用可能であるか否かを高い精度にて推定できる。
【0132】
また、
図15に表されるように、DSST値が30以下である被験者は、不合格群に分類される確率が高い。
従って、第1実施形態の第2及び4変形例の電磁調理器使用適性推定装置10B,10Dのように、非特定火事頻度が年1回よりも低い場合、及び、非特定火事頻度が月1回よりも低く、且つ、特定火事頻度が年1回よりも低い場合において、CDR値が1よりも小さく、且つ、DSST値が30以下であるとき、対象者が電磁調理器を使用不能であると推定することにより、対象者が電磁調理器を使用可能であるか否かを高い精度にて推定できる。
【0133】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されない。例えば、上述した実施形態に、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において当業者が理解し得る様々な変更が加えられてよい。
【符号の説明】
【0134】
10,10A~10D 電磁調理器使用適性推定装置
11 処理装置
12 記憶装置
13 入力装置
14 出力装置
110 火事頻度情報受付部
120 CDR情報受付部
130 MMSE情報受付部
140 DSST情報受付部
150 推定部
BU1 バス