(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022190280
(43)【公開日】2022-12-26
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 15/08 20060101AFI20221219BHJP
G03G 21/18 20060101ALI20221219BHJP
【FI】
G03G15/08 229
G03G15/08 348
G03G21/18 153
G03G21/18 164
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021098534
(22)【出願日】2021-06-14
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000718
【氏名又は名称】弁理士法人中川国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】古賀 俊一
【テーマコード(参考)】
2H077
2H171
【Fターム(参考)】
2H077AA06
2H077AB02
2H077AB12
2H077AC02
2H077AD06
2H077AD13
2H077AE06
2H077BA04
2H077BA09
2H077CA12
2H077EA03
2H171FA02
2H171FA03
2H171FA13
2H171GA01
2H171GA29
2H171JA06
2H171JA07
2H171JA24
2H171JA45
2H171KA04
2H171KA08
2H171KA16
2H171QA03
2H171QA08
2H171QB03
2H171QB15
2H171QB32
2H171QB37
2H171QB41
2H171QB52
2H171QB55
2H171QC03
2H171QC22
2H171SA11
2H171SA18
2H171SA22
2H171SA26
2H171WA02
2H171WA07
(57)【要約】
【課題】封止部材により封止されている現像装置の現像剤を供給する開口部を開封する際における、現像装置の変形又は位置ずれによる画像の画質に対する影響を防ぐこと。
【解決手段】画像形成装置60は、現像剤を収容する初期剤収容室35と、初期剤収容室35より現像剤を供給する連通口39と、連通口39を開封可能に封止する連通口封止シート37と、を備える現像装置3と、現像装置3を感光ドラム1に向けて押圧する押圧位置又は現像装置3の感光ドラム1に向けた押圧を解除する押圧解除位置に変位可能であり、連通口封止シート37により封止される連通口39を開封する動作に伴って押圧位置から押圧解除位置に変位する現像加圧リンク42b及び現像加圧リンク42dと、を有する。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
像担持体と、
現像剤を収容する現像剤収容部と、前記現像剤収容部より前記現像剤を供給する開口部と、前記開口部を開封可能に封止する封止部材と、を備え、前記像担持体に形成された静電潜像を現像する現像装置と、
前記現像装置を前記像担持体に向けて押圧する押圧位置又は前記現像装置の前記像担持体に向けた押圧を解除する押圧解除位置に変位可能であり、前記封止部材により封止される前記開口部を開封する動作に伴って前記押圧位置から前記押圧解除位置に変位する変位手段と、
を有することを特徴する画像形成装置。
【請求項2】
前記封止部材は、
前記変位手段を前記押圧位置から前記押圧解除位置に変位させる解除部を備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記現像装置を開閉可能に覆うと共に、開閉動作に伴って前記変位手段を前記押圧解除位置又は前記押圧位置に変位させるカバー部材を有し、
前記変位手段は、
前記開封する動作に伴って前記カバー部材が開かれることにより、前記押圧位置から前記押圧解除位置に変位する、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記カバー部材は、
前記封止部材と係脱自在に係合し、前記開封する動作に伴って前記封止部材との係合が解除される係合部を備え、前記封止部材と前記係合部との係合が解除されることにより開かれる、
ことを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記変位手段は、
前記開封する動作に伴って前記現像装置の長手方向と平行に移動することにより前記押圧位置から前記押圧解除位置に変位する、
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記変位手段は、
前記開封する動作に伴って前記現像装置の長手方向と平行な回転軸を中心に回転することにより前記押圧位置から前記押圧解除位置に変位する、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ又はこれらの複数の機能を有する複合機等の画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、現像剤収納容器内の現像剤を電子写真感光体に供給して電子写真感光体にトナー像を形成する電子写真方式を利用した画像形成装置がある。現像剤を収納する現像剤収納容器は、画像形成装置の装置本体に着脱可能な現像装置に含まれている。このような電子写真方式を利用した画像形成装置では、予め現像装置内に現像剤を収納する方法が主流となっている。
【0003】
このような現像装置は、電子写真感光体に現像剤を供給するための開口部を有している。現像装置を装置本体に装着する前から開口部を開放した状態にした場合には、現像剤が開口部を介して現像装置の外部と連通して、使用開始前に現像剤が高温高湿の外気に触れて劣化し、又は現像装置の外部へ飛散する。このような状態を防止するために、従来の現像装置は、シート状の封止シートにより開口部を密封した状態で出荷し、使用開始時に封止シートを取り除いて開口部を開封する構成を有している。
【0004】
特許文献1は、現像装置の開口部をシール部材によって密封した画像形成装置を開示している。特許文献1の画像形成装置では、封止シートを溶着又は接着等により現像装置に貼り付けることにより開口部を密封し、折り返された封止シートの端部をユーザが引き抜くことにより開口部を開封する。
【0005】
また、従来、現像装置は、感光体との隙間(SDギャップ)を確保するために、感光体に向かって弾性部材等によって押圧される構成を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来の装置においては、感光体に対する現像装置の押圧方向と異なる方向に封止シートを引き抜く場合に、現像装置のねじれ又は位置ずれを生じることがある。現像装置のねじれ又は位置ずれを生じた場合には、現像剤担持体の表面に担持される現像剤量を規制する現像剤規制部材と現像剤担持体との隙間(SBギャップ)が変化し、又は現像装置と感光体との隙間(SDギャップ)が変化する。この場合には、形成される画像の画質に影響を及ぼす虞があるという課題を有する。
【0008】
本発明の目的は、封止部材により封止されている現像装置の現像剤を供給する開口部を開封する際における、現像装置の変形又は位置ずれによる画像の画質に対する影響を防ぐことができる画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る画像形成装置は、像担持体と、現像剤を収容する現像剤収容部と、前記現像剤収容部より前記現像剤を供給する開口部と、前記開口部を開封可能に封止する封止部材と、を備え、前記像担持体に形成された静電潜像を現像する現像装置と、前記現像装置を前記像担持体に向けて押圧する押圧位置又は前記現像装置の前記像担持体に向けた押圧を解除する押圧解除位置に変位可能であり、前記封止部材により封止される前記開口部を開封する動作に伴って前記押圧位置から前記押圧解除位置に変位する変位手段と、を有することを特徴する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、封止部材により封止されている現像装置の現像剤を供給する開口部を開封する際における、現像装置の変形又は位置ずれによる画像の画質に対する影響を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の実施の形態1に係る画像形成装置の模式図である。
【
図2】本発明の実施の形態1に係る画像形成装置に装着されるプロセスカートリッジ内の現像装置及び感光ドラムの模式図である。
【
図3】本発明の実施の形態1に係る画像形成装置の現像装置の一部の断面斜視図である。
【
図4】本発明の実施の形態1に係る画像形成装置の現像装置の一部の斜視図である。
【
図5】本発明の実施の形態1に係る画像形成装置の現像加圧ユニットの斜視図である。
【
図6】本発明の実施の形態1に係る画像形成装置の現像加圧ユニットの動作を示す模式図である。
【
図7】本発明の実施の形態1に係る画像形成装置の現像装置の一部の断面模式図である。
【
図8】本発明の実施の形態1に係る画像形成装置の現像装置の封止シートを開封する際の動作を示す図である。
【
図9】本発明の実施の形態2に係る画像形成装置の現像装置の封止シートを開封する際の動作を示す図である。
【
図10】本発明の実施の形態3に係る画像形成装置の現像加圧ユニットの斜視図である。
【
図11】本発明の実施の形態3に係る画像形成装置の現像加圧ユニットの動作を示す模式図である。
【
図12】本発明の実施の形態3に係る画像形成装置の現像装置の封止シートを開封する際の動作を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0013】
(実施の形態1)
<画像形成装置の構成>
本発明の実施の形態1に係る画像形成装置60の構成について、
図1を参照しながら、詳細に説明する。
【0014】
画像形成装置60は、プリンタ、複写機、ファクシミリ又はこれらの複数の機能を備えた複合機等であり、ここでは電子写真方式を用いたカラー画像形成装置を例示する。画像形成装置60は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(Bk)の4色のプロセスカートリッジ600の各々を、中間転写体としての中間転写ベルト61に対向させて配置した所謂中間転写タンデム方式の構成を有している。このような中間転写タンデム方式は、高いプロダクティビティ又は様々なメディアの搬送に対応できる点から、近年主流となっている方式である。
【0015】
具体的には、画像形成装置60は、テンションローラ6と、従動ローラ7aと、従動ローラ7bと、転写クリーナ装置8と、定着装置9と、中間転写ベルト61と、記録材収納庫62と、給送ローラ63と、を有している。また、画像形成装置60は、レジストローラ65と、二次転写内ローラ66と、露光装置68と、排出ローラ69と、プロセスカートリッジ600と、排出トレイ601と、を有している。更に、画像形成装置60は、切替部材602と、再給送ローラ604と、トナーカートリッジ605と、二次転写部T2と、を有している。
【0016】
転写クリーナ装置8は、二次転写部T2を通過した後の中間転写ベルト61に残っている転写残トナーを回収する。
【0017】
定着装置9は、二次転写部T2より搬送されてくるトナー像が転写された記録材Sに対して、所定の圧力と熱量とによってトナー像を溶融固着させる。定着装置9は、トナー像を溶融固着させた記録材Sを排出ローラ69に向けて搬送する。
【0018】
中間転写ベルト61は、テンションローラ6、二次転写内ローラ66、従動ローラ7a及び従動ローラ7bによって張架され、
図1の矢印C方向へ搬送駆動される無端ベルトである。
【0019】
記録材収納庫62は、記録材Sを積載して収納している。ここで、記録材Sは、用紙又はOHPシート等のシート材である。
【0020】
給送ローラ63は、記録材収納庫62に収納されている記録材Sを、画像形成タイミングに合わせて搬送パス64を介してレジストローラ65に向けて給送する。
【0021】
レジストローラ65は、搬送パス64の途中に配置されている。レジストローラ65は、給送ローラ63によって給送される記録材Sに対して斜行補正及びタイミング補正を行い、斜行補正及びタイミング補正を行った記録材Sを二次転写部T2に向けて搬送する。
【0022】
二次転写内ローラ66は、中間転写ベルト61を駆動する駆動ローラである。
【0023】
露光装置68は、画像情報の信号に基づいて、一様に帯電されている感光ドラム1の表面に静電潜像を形成する。
【0024】
排出ローラ69は、定着装置9より搬送されてくる記録材Sを順回転して排出トレイ601上に排出し、又は記録材Sの搬送方向の後端が切替部材602を通過するまで記録材Sを順回転して搬送した後に逆回転して両面搬送パス603へ搬送する。
【0025】
プロセスカートリッジ600は、中間転写ベルト61に画像を形成する画像形成部であり、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(Bk)毎に設けられている。プロセスカートリッジ600は、感光ドラム1と、帯電装置2と、現像装置3と、一次転写装置4と、ドラムクリーナ5と、を備えている。イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(Bk)のプロセスカートリッジ600の各々の基本的な構成は、同一構成である。なお、
図1では、ブラック(Bk)のプロセスカートリッジ600のみを図示してその他の色のプロセスカートリッジ600の図示を省略している。
【0026】
像担持体としての感光ドラム1は、プロセスカートリッジ600に回転自在に支持されている。
【0027】
帯電装置2は、感光ドラム1の表面を一様に帯電させる。
【0028】
現像装置3は、現像剤により感光ドラム1に形成されている静電潜像を現像して感光ドラム1上にトナー像(現像剤像)を形成する。ここで、現像剤は、非磁性トナーと磁性キャリアとを混合させた二成分トナーを例示する。なお、現像装置3の構成の詳細については、後述する。
【0029】
一次転写装置4は、感光ドラム1との間で中間転写ベルト61に所定の加圧力を加えると共に静電的負荷バイアスを与えることにより、感光ドラム1に形成されたトナー像を中間転写ベルト61に転写させる。
【0030】
ドラムクリーナ5は、一次転写装置4による転写後に感光ドラム1上に残った転写残トナーを回収する。
【0031】
切替部材602は、排出ローラ69により記録材Sを両面搬送パス603に搬送する際に両面搬送パス603以外に搬送されないように切り替える。
【0032】
再給送ローラ604は、排出ローラ69により両面搬送パス603を介して搬送されてくる記録材Sを、給送ローラ63より給送される後続ジョブの記録材Sとのタイミングを合わせて再び搬送パス64を介してレジストローラ65に向けて搬送する。
【0033】
トナーカートリッジ605は、画像形成装置60の装置本体にセットされる。トナーカートリッジ605は、現像剤を収容しており、収容している現像剤を図示しない現像剤搬送経路を介して現像装置3内に供給する。
【0034】
二次転写部T2は、互いに対向する二次転写内ローラ66と二次転写外ローラ67とにより転写ニップ部を形成している。二次転写部T2は、レジストローラ65より搬送されてくる記録材Sに対して、中間転写ベルト61に形成されたトナー像の搬送タイミングに一致させて、転写ニップ部において所定の加圧力と静電的負荷バイアスとを与えることによりトナー像を転写する。二次転写部T2は、トナー像を転写した記録材Sを定着装置9に向けて搬送する。
【0035】
<現像装置の構成>
本発明の実施の形態1に係る画像形成装置60の現像装置3の構成について、
図2から
図4を参照しながら、詳細に説明する。
【0036】
現像装置3は、現像スリーブ17と、マグネット部18と、連通口25と、現像容器30と、初期剤収容室35と、規制ブレード36と、連通口封止シート37と、封止シート排出口38と、連通口39と、を有している。
【0037】
現像スリーブ17は、円筒状であり、一部が連通口25に露出するように現像容器30に支持されている。現像スリーブ17は、現像容器30内の所定の位置において感光ドラム1に対して略平行に所定の間隔を設けて回転可能に支持されている。現像スリーブ17は、図示しない駆動源によりマグネット部18の周囲を
図2の矢印D方向に回転駆動する。
【0038】
現像スリーブ17は、第2搬送スクリュー34によって第2搬送室32より供給される非磁性トナーが付着した磁性キャリアを、マグネット部18の磁力により表面に対して穂立ち状に担持しつつ矢印D方向に搬送する。現像スリーブ17は、感光ドラム1と近接及び対向する現像領域に現像剤を搬送する。現像スリーブ17は、現像領域において感光ドラム1との間に現像バイアスが印加されることにより、規制ブレード36により層厚が規制された現像剤を感光ドラム1に供給して、感光ドラム1に形成された静電潜像を現像する。
【0039】
なお、現像スリーブ17の回転方向(矢印D方向)は、感光ドラム1の回転方向Eに対して順方向となるように設定されているが、これに限らず、感光ドラム1の回転方向Eに対してカウンター方向となるように設定されていてもよい。
【0040】
マグネット部18は、現像スリーブ17の回転軸方向(長手方向)に沿って現像スリーブ17の内部に配置されていると共に回転不可の状態で現像装置3に支持されている。マグネット部18は、所望の磁界を発生させるために磁極のパターンが周方向において所定の位相に固定されている。マグネット部18は、非磁性トナーが付着した磁性キャリアを磁力により現像スリーブ17に担持させる。
【0041】
連通口25は、現像装置3の外部と連通していると共に、現像容器30の感光ドラム1と対向する位置に設けられている。連通口25は、現像スリーブ17を挿入自在な大きさに形成されている。
【0042】
現像容器30には、予め磁性キャリアが収容されている。現像容器30には、画像形成装置60の装置本体にセットされたトナーカートリッジ605より、図示しないトナー搬送経路を経て現像剤が供給される。具体的には、現像容器30は、第1搬送室29と、第2搬送室32と、第1搬送スクリュー33と、第2搬送スクリュー34と、を備えている。
【0043】
第1搬送室29は、第1搬送スクリュー33を回転可能に支持している。
【0044】
第2搬送室32は、第2搬送スクリュー34を回転可能に支持している。第2搬送室32は、第1搬送室29と隔壁によって仕切られていると共に、長手方向の両端において第1搬送室29に連通している。
【0045】
第1搬送スクリュー33は、回転することにより、第1搬送室29において磁性キャリアと非磁性トナーとを十分撹拌して摩擦帯電させ、摩擦帯電させた磁性キャリアと非磁性トナーとを第2搬送室32に搬送する。
【0046】
第2搬送スクリュー34は、現像スリーブ17に対向配置されている。第2搬送スクリュー34は、回転することにより、第2搬送室32において摩擦帯電させた磁性キャリアに非磁性トナーを付着させ、磁性キャリアに付着した非磁性トナーを現像スリーブ17に搬送及び供給する。
【0047】
上記の構成を備える現像容器30内の現像剤は、第1搬送スクリュー33及び第2搬送スクリュー34が回転駆動することにより、第1搬送室29と第2搬送室32とを循環する。
【0048】
現像剤収容部としての初期剤収容室35は、第1搬送室29及び第1搬送スクリュー33の上方に設けられている。初期剤収容室35には、現像剤が予め収容されている。
【0049】
規制ブレード36は、連通口25の近傍に設けられており、現像スリーブ17により担持及び搬送される現像剤の層厚を規制する。
【0050】
封止部材としての連通口封止シート37は、初期剤収容室35に収容されている現像剤が高温高湿の外気に触れて劣化すること、及び連通口25等の現像容器30の隙間から現像剤が飛散することを防ぐために、連通口39を封止している。連通口封止シート37は、例えばプラスチックフィルム等のシート部材によって構成されている。連通口封止シート37は、長手方向の一端の溶着側自由端37a(
図3参照)から連通口39に沿って、連通口39の外周部に熱溶着されている。連通口封止シート37は、現像容器30内で折り返されていると共に、長手方向の他端の排出側自由端37b(
図4参照)側が封止シート排出口38を通って現像装置3の外側に排出されている。
【0051】
封止シート排出口38には、ウレタン素材等の弾性体からなる図示しない排出口封止材が配置されている。この排出口封止材は、封止シート排出口38と連通口封止シート37との隙間を埋めながら連通口封止シート37を挟持して、連通口封止シート37に付着した現像剤を掻き落とすと共に現像装置3の内部の現像剤を外部に飛散させない構成を有している。
【0052】
開口部としての連通口39は、連通口封止シート37によって開封可能に封止されている。連通口39は、連通口封止シート37による封止が開封されることにより、第1搬送室29と初期剤収容室35とを連通して、初期剤収容室35に収容されている現像剤を第1搬送室29に供給する。
【0053】
<現像装置加圧離間機構の構成>
本発明の実施の形態1に係る画像形成装置60の現像装置加圧離間機構40の構成について、
図5から
図7を参照しながら、詳細に説明する。
【0054】
図6において、
図6(a)は、感光ドラム1に対して現像装置3を加圧する加圧状態を示しており、
図6(b)は、感光ドラム1に対する現像装置3の加圧を解除する過程を示している。
【0055】
現像装置加圧離間機構40は、現像スリーブ17と感光ドラム1との隙間が所定の間隔となるように現像装置加圧離間機構40によって現像装置3を押圧し、又は現像スリーブ17が感光ドラム1から離間するように現像装置3への押圧を解除する。
【0056】
具体的には、現像装置加圧離間機構40は、現像トレイ41と、現像加圧ユニット42と、回動リンク43と、小カバー44と、加圧解除部材50と、から構成されている。なお、
図6では、連通口封止シート37及び加圧解除部材50の記載を省略している。
【0057】
現像トレイ41は、画像形成装置60の装置本体の図示しない前側板と後側板とに固定されている。
【0058】
現像加圧ユニット42は、現像トレイ41の内部において現像装置3の長手方向と平行な方向(
図6において左右方向)に移動可能に配置されている。現像加圧ユニット42は、回動リンク43と接続されており、回動リンク43を介して小カバー44と連結している。具体的には、現像加圧ユニット42は、現像加圧ステイ42aと、現像加圧リンク42bと、現像加圧部材42cと、現像加圧リンク42dと、を備えている。
【0059】
現像加圧ステイ42aは、現像トレイ41の内部において現像装置3の長手方向と平行な方向に移動可能に配置されている。
【0060】
変位手段としての現像加圧リンク42bは、現像加圧ステイ42aの移動方向の一端に設けられており、現像加圧ステイ42aと一体に移動可能になっている。現像加圧リンク42bは、現像加圧ステイ42aと一体に移動することにより、押圧位置又は押圧解除位置に変位可能になっている。ここで、押圧位置は、現像スリーブ17と感光ドラム1との隙間が所定の間隔となるように現像加圧リンク42bによって現像装置3を押圧する位置である。また、押圧解除位置は、押圧位置よりも現像スリーブ17が感光ドラム1から離間するように現像加圧リンク42bによる現像装置3への押圧を解除する位置である。
【0061】
現像加圧部材42cは、小カバー44に向かって傾斜する傾斜面42eを備えている。現像加圧部材42cは、現像加圧リンク42bに設けられて現像加圧リンク42bと一体に移動可能になっている。
【0062】
変位手段としての現像加圧リンク42dは、現像加圧ステイ42aの移動方向の他端に設けられており、現像加圧ステイ42aと一体に移動可能になっている。なお、現像加圧リンク42dは、現像加圧リンク42bと同様の構成を有している。
【0063】
回動リンク43は、現像加圧リンク42bに対して回動軸43aを介して回動自在に連結している。
【0064】
カバー部材としての小カバー44は、現像装置3を開閉可能に覆っている。小カバー44は、画像形成装置60の装置本体に回転可能に支持されている回動軸44aを中心に回動自在であり、リンク軸44bにおいて回動リンク43と回動自在に連結している。小カバー44は、開閉動作に伴って、回動リンク43を介して現像加圧ユニット42を移動させる。
【0065】
解除部としての加圧解除部材50は、連通口封止シート37に設けられており、排出側自由端37bと、現像装置3の封止シート排出口38の排出口封止材によって挟持されている部分と、の間に熱溶着により取り付けられている。加圧解除部材50は、連通口39を封止している状態の連通口封止シート37において、排出側自由端37bと加圧解除部材50との長さが、加圧解除部材50と封止シート排出口38との長さよりも短くなるように設けられている。
【0066】
加圧解除部材50は、小カバー44のリンク軸44bが設けられている端部の反対側の端部に着脱自在に装着されていると共に、小カバー44の外部に露出している。加圧解除部材50は、小カバー44にスナップフィットにより装着されるスナップフィット部51(
図7参照)を備えている。なお、連通口封止シート37に対する加圧解除部材50の取り付け手段は、熱溶着に限らず、熱溶着以外の任意の手段を用いることができる。
【0067】
<記録材の搬送プロセス>
本発明の実施の形態1に係る画像形成装置60における記録材Sの搬送プロセスについて、
図1を参照しながら、詳細に説明する。
【0068】
記録材収納庫62内に積載されて収納されている記録材Sは、給送ローラ63により画像形成タイミングに合わせて、搬送パス64に給送される。搬送パス64に給送された記録材Sは、レジストローラ65に搬送される。そして、レジストローラ65に搬送された記録材Sは、レジストローラ65において斜行補正及びタイミング補正された後に、二次転写部T2に送られる。
【0069】
<画像形成プロセス>
本発明の実施の形態1に係る画像形成装置60における画像形成プロセスについて、
図1を参照しながら、詳細に説明する。
【0070】
画像形成プロセスは、記録材Sを二次転写部T2まで搬送する上記の搬送プロセスに対して、同様のタイミングでトナー像を二次転写部T2まで搬送するプロセスである。また、画像形成プロセスは、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(Bk)の各色のプロセスカートリッジ600において行われる。
【0071】
なお、画像形成プロセスにおける色数は、4色に限らず、1色又は3色等の任意の色数にすることができる。また、画像形成プロセスにおける各色の並び順は、
図1に示す並び順に限らず、任意の並び順にすることができる。
【0072】
回転駆動される感光ドラム1の表面は、帯電装置2により一様に帯電される。その後、感光ドラム1の表面には、画像情報の信号に基づいて駆動される露光装置68によって静電潜像が形成される。
【0073】
次に、感光ドラム1上に形成された静電潜像は、現像装置3による現像を経て可視像化される。即ち、感光ドラム1上には、現像装置3より供給される現像剤により静電潜像が現像されることによりトナー像が形成される。
【0074】
その後、感光ドラム1上に形成されたトナー像は、一次転写装置4により所定の加圧力及び静電的負荷バイアスが与えられて、中間転写ベルト61上に転写される。
【0075】
各色のプロセスカートリッジ600により並列処理される各色の画像形成プロセスは、中間転写ベルト61上に一次転写された上流色のトナー像上にトナー像を順次重ね合わせるタイミングで行われる。その結果、中間転写ベルト61上には、最終的にフルカラーのトナー像が形成される。そして、中間転写ベルト61上に形成されたフルカラーのトナー像は、二次転写部T2に搬送される。
【0076】
上記の搬送プロセスにより二次転写部T2に送られた記録材Sには、二次転写部T2の転写ニップ部において、所定の加圧力と静電的負荷バイアスとが与えられて、上記の画像形成プロセスにより中間転写ベルト61に形成されたトナー像が吸着される。
【0077】
<現像装置加圧離間機構の動作>
本発明の実施の形態1に係る画像形成装置60の現像装置加圧離間機構40の動作について、
図5及び
図6を参照しながら、詳細に説明する。
【0078】
現像装置加圧離間機構40の加圧解除手順は、小カバー44を開くことがトリガーとなって開始される。
図6(a)に示す加圧状態において、現像装置3は、現像加圧ステイ42aに設けられた現像加圧部材42c及び現像加圧リンク42dと、現像装置3に設けられた現像加圧部31と、が当接することにより、感光ドラム1に対して加圧されている。また、現像装置3は、小カバー44によって覆われている。
【0079】
この加圧状態において、小カバー44を回動軸44aを中心に
図6において反時計方向に回動させて開くことによりリンク軸44bが回動し、現像加圧ステイ42aは、押圧位置から回動リンク43を介して
図6(a)のA方向に押し込まれて移動する。また、現像装置3は、現像加圧部材42cの傾斜面42e及び現像加圧リンク42dの斜面に沿って現像加圧部31が滑り落ちる。これにより、現像装置3は、装置本体の図示しない誘導溝に沿って
図6(b)のB方向に移動し、現像スリーブ17が感光ドラム1に対して退避する。
【0080】
そして、小カバー44が完全に開いた状態において、現像加圧ステイ42a及び現像加圧リンク42bは、押圧解除位置に変位して、現像装置3は、加圧状態に比べて現像スリーブ17が感光ドラム1より離間する離間状態となる。
【0081】
<連通口封止シートの開封動作>
本発明の実施の形態1に係る画像形成装置60の連通口封止シート37の開封動作について、
図8を参照しながら、詳細に説明する。
【0082】
図8において、
図8(a)は、小カバー44が閉じられている状態を示しており、
図8(b)は、小カバー44が開き始めた状態を示しており、
図8(c)は、小カバー44が更に開いた状態を示している。また、
図8(a)は、感光ドラム1に対して現像装置3を加圧する加圧状態を示している。
【0083】
図8(a)に示す加圧状態において、作業者により連通口封止シート37の引き抜きが開始された際に、加圧解除部材50が引き抜き方向に引っ張られることにより、小カバー44には
図8において反時計回りの回転方向の力が加わる。
【0084】
これにより、小カバー44は、
図8(b)に示すように開き始める。ここで、連通口封止シート37において排出側自由端37bと加圧解除部材50との長さを、加圧解除部材50と封止シート排出口38との長さよりも短くすることにより、現像装置3から連通口封止シート37を取り除く前に小カバー44を開くことができる。
【0085】
また、現像加圧リンク42b及び現像加圧リンク42dは、小カバー44が開くことにより、現像加圧ステイ42aと一体に移動して押圧位置から移動する。
【0086】
そして、連通口封止シート37の引き抜きを進めることにより、
図8(c)に示すように、連通口封止シート37の排出側自由端37bから封止シート排出口38までが封止シート排出口38と同一高さになる。これに伴って、加圧解除部材50は、連通口封止シート37の引き抜き方向の力が加わってスナップフィット部51が弾性変形することにより、小カバー44から離脱する。
【0087】
そこから更に連通口封止シート37の引き抜きを進めることにより、連通口封止シート37は現像装置3から取り除かれると共に、加圧解除部材50は連通口封止シート37と共に現像装置3から離脱する。
【0088】
ここで、小カバー44は、
図8(c)に示すように、加圧解除部材50の小カバー44からの離脱時には完全に開かない。しかしながら、現像装置3の自重により現像加圧部31が現像加圧リンク42b及び現像加圧リンク42dの傾斜面42eを滑り落ちる動作により、小カバー44は回動リンク43を介して自動で完全に開く。現像加圧リンク42b及び現像加圧リンク42dは、小カバー44が完全に開くことにより、現像加圧ステイ42aと一体に移動して押圧解除位置に変位する。これにより、連通口封止シート37が現像装置3から取り除かれる前に、現像装置3の感光ドラム1に対する加圧の解除を完了することができる。
【0089】
このように、加圧解除部材50を連通口封止シート37に設けることにより、現像加圧リンク42b及び現像加圧リンク42dを、連通口封止シート37を連通口39より引き抜く動作に連動させて確実に押圧解除位置に変位させることができる。
【0090】
また、小カバー44が完全に開いた際に現像加圧リンク42b及び現像加圧リンク42dを押圧解除位置に変位させるため、小カバー44の開閉状態で現像加圧リンク42b及び現像加圧リンク42dが押圧解除位置に有るか否かを確認することができる。
【0091】
更に、現像加圧リンク42b及び現像加圧リンク42dを現像装置3の長手方向と平行に移動することにより押圧位置から押圧解除位置に変位させる。これにより、現像加圧リンク42b及び現像加圧リンク42dを、連通口封止シート37の引き抜き方向と平行な方向に変位させることができる。
【0092】
本実施の形態では、現像装置3を感光ドラム1に向けて押圧する押圧位置又は現像装置3の感光ドラム1に向けた押圧を解除する押圧解除位置に変位可能である現像加圧リンク42b及び現像加圧リンク42dを有する。現像加圧リンク42b及び現像加圧リンク42dは、連通口封止シート37により封止される連通口39を開封する動作に伴って、押圧位置から押圧解除位置に変位する。これにより、現像装置3の現像剤を供給する連通口39を封止する連通口封止シート37を開封する際における、現像装置3の変形又は位置ずれによる画像の画質に対する影響を防ぐことができる。
【0093】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2に係る画像形成装置の基本構成は
図1と同一構成であると共に、現像装置の基本構成は
図2と同一構成であるので、それらの説明を省略する。
【0094】
<現像装置加圧離間機構の構成>
本発明の実施の形態2に係る画像形成装置の現像装置加圧離間機構の構成について、
図9を参照しながら、詳細に説明する。
【0095】
なお、
図9において
図5から
図8と同一構成の部分については同一符号を付して、その説明を省略する。
【0096】
本実施の形態における現像装置加圧離間機構は、現像トレイ41と、現像加圧ユニット42と、回動リンク43と、小カバー144と、加圧解除部材150と、から構成されている。
【0097】
現像加圧ユニット42は、回動リンク43を介して小カバー144と連結している。
【0098】
小カバー144は、回動軸44aを中心に回動自在であり、先端に設けられたリンク軸44bにおいて回動リンク43と回動自在に連結している。小カバー144は、係合部としての突起部144cを備えている。
【0099】
突起部144cは、画像形成装置の装置本体のカバー60aとの間隔が加圧解除部材150とカバー60aとの間隔よりも小さくなるように規制している。
【0100】
解除部としての加圧解除部材150は、連通口封止シート37に設けられており、排出側自由端37bと、現像装置3の封止シート排出口38の排出口封止材によって挟持されている部分と、の間に熱溶着により取り付けられている。加圧解除部材150は、連通口39を封止している状態の連通口封止シート37において、排出側自由端37bと加圧解除部材150との長さが、加圧解除部材150と封止シート排出口38との長さよりも短くなるように設けられている。加圧解除部材150は、小カバー144の突起部144cに係脱自在に係合している。なお、連通口封止シート37に対する加圧解除部材150の取り付け手段は、熱溶着に限らず、熱溶着以外の任意の手段を用いることができる。
【0101】
<連通口封止シートの開封動作>
本発明の実施の形態2に係る画像形成装置の連通口封止シート37の開封動作について、
図9を参照しながら、詳細に説明する。
【0102】
図9において、
図9(a)は、小カバー144が閉じられている状態を示しており、
図9(b)は、小カバー144が開き始めた状態を示しており、
図9(c)は、小カバー44が完全に開いた状態を示している。また、
図9(a)は、感光ドラム1に対して現像装置3を加圧する加圧状態を示している。
【0103】
図8(a)に示す加圧状態において、作業者により連通口封止シート37の引き抜きが開始された際に、加圧解除部材150が引き抜き方向に引っ張られることにより、連通口封止シート37が突起部144cとカバー60aとの隙間で一旦停止する。
【0104】
停止した連通口封止シート37を更に引き抜くと、連通口封止シート37に加わる引き抜き力が小カバー144の
図9において反時計回りの回転方向の力に変換されて、
図9(b)に示すように小カバー144が開き始める。
【0105】
また、現像加圧リンク42b及び現像加圧リンク42dは、小カバー144が開くことにより、現像加圧ステイ42aと一体に移動して押圧位置から移動する。
【0106】
そして、加圧解除部材150は、小カバー144の突起部144cとの係合が解除されて小カバー144から離脱する。
【0107】
この後の連通口封止シート37の開封動作は上記の実施の形態1の連通口封止シート37の開封動作と同一動作となる。
【0108】
このように、加圧解除部材150を小カバー144の突起部144cに係脱自在に係合することにより、連通口封止シート37を連通口39より取り除く際に小カバー144を確実に開くことができる。
【0109】
なお、本実施の形態における記録材の搬送プロセス、画像形成プロセス及び現像装置加圧離間機構の動作は上記の実施の形態1の搬送プロセス、画像形成プロセス及び現像装置加圧離間機構の動作と同一プロセス及び同一動作であるので、その説明を省略する。
【0110】
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3に係る画像形成装置の基本構成は
図1と同一構成であると共に、現像装置の基本構成は
図2と同一構成であるので、それらの説明を省略する。
【0111】
<現像装置加圧離間機構の構成>
本発明の実施の形態3に係る画像形成装置の現像装置加圧離間機構の構成について、
図10から
図12を参照しながら、詳細に説明する。
【0112】
図11において、
図11(a)は、感光ドラム1に対して現像装置3を離間させる離間状態の現像装置加圧離間機構を示しており、
図11(b)は、感光ドラム1に対して現像装置3を加圧する加圧状態の現像装置加圧離間機構を示している。
【0113】
図12において、
図12(a)は、感光ドラム1に対して現像装置3を加圧する加圧状態の現像装置加圧離間機構を示しており、
図12(b)は、加圧状態から感光ドラム1に対する現像装置3の加圧を解除する過程を示している。
【0114】
なお、
図11及び
図12において
図5から
図8と同一構成の部分については同一符号を付して、その説明を省略する。
【0115】
本実施の形態における現像装置加圧離間機構は、加圧部材45と、加圧解除部材52と、から構成されている。
【0116】
加圧部材45は、現像装置3の長手方向(
図11において紙面に対して直交する方向)と平行な回転軸を中心に回転可能に装置本体に支持されている。加圧部材45は、回転することにより現像装置3を加圧状態又は離間状態にする。具体的には、加圧部材45は、現像加圧部46aと、現像加圧部46bと、現像加圧ステイ46cと、レバー部材47と、を備えている。
【0117】
変位手段としての現像加圧部46aは、現像加圧ステイ46cの一端側に設けられており、現像加圧ステイ46cと一体に回転可能になっている。現像加圧部46aは、現像加圧ステイ46cと一体に回転することにより、押圧位置又は押圧解除位置に変位可能になっている。
【0118】
変位手段としての現像加圧部46bは、現像加圧ステイ46cの他端側に設けられており、現像加圧ステイ46cと一体に回転可能である。現像加圧部46bは、現像加圧ステイ46cと一体に回転することにより、押圧位置又は押圧解除位置に変位可能になっている。
【0119】
現像加圧ステイ46cは、現像装置3の長手方向に沿って配置されている。現像加圧ステイ46cは、現像装置3の長手方向と平行な回転軸を中心に回転可能に装置本体に支持されている。
【0120】
レバー部材47は、現像加圧ステイ46cの一端に設けられており、現像加圧ステイ46cと一体に回転可能である。レバー部材47は、感光ドラム1に対して現像装置3を加圧する加圧状態において装置本体のカバー60bと向かい合う斜面部47aを有している。
【0121】
解除部としての加圧解除部材52は、連通口封止シート37に設けられており、レバー部材47と当接している円筒部53を備えている。
【0122】
上記の構成を有する現像装置加圧離間機構において、連通口封止シート37は、レバー部材47とカバー60bとの間から現像装置3の外側に排出されている。
【0123】
<現像装置加圧離間機構の動作>
本発明の実施の形態3に係る画像形成装置の現像装置加圧離間機構の動作について、
図11を参照しながら、詳細に説明する。
【0124】
現像装置加圧離間機構の加圧解除手順は、レバー部材47を回転させることがトリガーとなって開始される。
図11(b)に示す加圧状態において、レバー部材47を押圧位置から
図11において時計回りに回転させる。
【0125】
これに伴って、現像加圧部46a及び現像加圧部46bは、
図11において時計回りに回転して押圧解除位置まで変位する。これにより、現像装置3は、
図11(a)に示すように感光ドラム1から退避して離間する離間状態となる。
【0126】
<連通口封止シートの開封動作>
本発明の実施の形態3に係る画像形成装置の連通口封止シート37の開封動作について、
図11及び
図12を参照しながら、詳細に説明する。
【0127】
連通口封止シート37の引き抜きを開始することにより、加圧解除部材52の円筒部53がレバー部材47の斜面部47aとカバー60bとの隙間に入る。
【0128】
連通口封止シート37を更に引き抜くことにより、レバー部材47は、
図12(b)に示すように、斜面部47aが円筒部53によって押圧されることにより
図11において時計回りに回転する。これにより、現像加圧部46a及び現像加圧部46bは、現像加圧ステイ46cと一体に回転して
図11(b)の押圧位置から移動する。
【0129】
そして、レバー部材47が
図11(a)の状態になった際に、現像加圧部46a及び現像加圧部46bは、現像加圧ステイ46cと一体に回転して押圧解除位置に変位し、現像装置3は、離間状態となる。
【0130】
このように、現像装置3の長手方向と平行な回転軸を中心に回転することにより現像加圧部46a及び現像加圧部46bを押圧位置から押圧解除位置に変位させる。これにより、現像加圧部46a及び現像加圧部46bの変位に伴う移動量を最小限にすることができ、画像形成装置の大型化を抑制することができる。
【0131】
なお、本実施の形態における記録材の搬送プロセス及び画像形成プロセスは上記の実施の形態1の搬送プロセス及び画像形成プロセスと同一プロセスであるので、その説明を省略する。
【0132】
本実施の形態では、現像装置3を感光ドラム1に向けて押圧する押圧位置又は現像装置3の感光ドラム1に向けた押圧を解除する押圧解除位置に変位可能である現像加圧部46a及び現像加圧部46bを有する。現像加圧部46a及び現像加圧部46bは、連通口封止シート37により封止される連通口39を開封する動作に伴って、押圧位置から押圧解除位置に変位する。これにより、現像装置3の現像剤を供給する連通口39を封止する連通口封止シート37を開封する際における、現像装置3の変形又は位置ずれによる画像の画質に対する影響を防ぐことができる。
【0133】
本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形可能であることは言うまでもない。
【0134】
具体的には、上記の実施の形態1から実施の形態3において、加圧手段の一例をあげて説明したが、どのような加圧構成であっても加圧部材の形状により同様の効果が得られる。
【0135】
また、上記の実施の形態1から実施の形態3において、交換可能ユニットを備えた画像形成装置であれば、モノクロ機又はカラー機を問わず本発明を適用することが可能である。
【0136】
また、上記の実施の形態1から実施の形態3において、現像剤として二成分トナーを用いたが、これに限らず、一成分トナー等の任意の現像剤を用いることができる。
【符号の説明】
【0137】
1 感光ドラム
3 帯電装置
4 一次転写装置
9 定着装置
17 現像スリーブ
18 マグネット部
25 連通口
29 第1搬送室
30 現像容器
31 現像加圧部
32 第2搬送室
33 第1搬送スクリュー
34 第2搬送スクリュー
35 初期剤収容室
36 規制ブレード
37 連通口封止シート
37a 溶着側自由端
37b 排出側自由端
38 封止シート排出口
39 連通口
40 現像装置加圧離間機構
41 現像トレイ
42 現像加圧ユニット
42a 現像加圧ステイ
42b 現像加圧リンク
42c 現像加圧部材
42d 現像加圧リンク
42e 傾斜面
43 回動リンク
43a 回転軸
44 小カバー
44a 回動軸
44b リンク軸
45 加圧部材
46a 現像加圧部
46b 現像加圧部
46c 現像加圧ステイ
47 レバー部材
47a 斜面部
50 加圧解除部材
51 スナップフィット部
52 加圧解除部材
53 円筒部
60 画像形成装置
60a カバー
60b カバー
61 中間転写ベルト
144 小カバー
144c 突起部
150 加圧解除部材
600 プロセスカートリッジ
605 トナーカートリッジ