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特開2022-190284計測装置、及び計測装置におけるセンサ出力の伝送方法
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  • 特開-計測装置、及び計測装置におけるセンサ出力の伝送方法 図1
  • 特開-計測装置、及び計測装置におけるセンサ出力の伝送方法 図2
  • 特開-計測装置、及び計測装置におけるセンサ出力の伝送方法 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022190284
(43)【公開日】2022-12-26
(54)【発明の名称】計測装置、及び計測装置におけるセンサ出力の伝送方法
(51)【国際特許分類】
   G08C 19/00 20060101AFI20221219BHJP
   G08C 15/00 20060101ALI20221219BHJP
【FI】
G08C19/00 J
G08C15/00 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021098540
(22)【出願日】2021-06-14
(71)【出願人】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】井上 真哉
(72)【発明者】
【氏名】三宅 一誠
(72)【発明者】
【氏名】鎌田 啓吾
(72)【発明者】
【氏名】長島 篤史
(72)【発明者】
【氏名】小島 英明
【テーマコード(参考)】
2F073
【Fターム(参考)】
2F073AA01
2F073AB07
2F073BB04
2F073BC01
2F073CC03
2F073CC07
2F073CD11
2F073DD01
2F073DD07
2F073EF01
2F073FF14
2F073GG01
2F073GG09
(57)【要約】
【課題】各種計測用のセンサの取り付けに係る煩雑さや、各種計測用のセンサの取り付けに要する専門知識に係る負担を低減し、使用者のセンサ設定レスを実現することを可能とする計測装置を提供する。
【解決手段】一または複数のセンサ(2)と、前記センサの出力信号を処理する信号処理部(8)と、前記センサと、前記信号処理部との間に介在し、前記センサと前記信号処理部とを接続するコネクタ部(7)と、を備えた計測装置(1)であって、前記コネクタ部の各ピンは、前記センサの識別用の複数の識別ピンを含み、該複数の識別ピンは、前記センサおよび/または前記センサの通信プロトコルの種類に応じた短絡パターンで短絡されたことを特徴とする。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一または複数のセンサと、
前記センサの出力信号を処理する信号処理部と、
前記センサと、前記信号処理部との間に介在し、前記センサと前記信号処理部とを接続するコネクタ部と、を備えた計測装置であって、
前記コネクタ部の各ピンは、前記センサの識別用の複数の識別ピンを含み、該複数の識別ピンは、前記センサおよび/または前記センサの通信プロトコルの種類に応じた短絡パターンで短絡されたことを特徴とする、計測装置。
【請求項2】
前記センサは、計測データを取得することが可能であり、
前記信号処理部で処理された前記出力信号を伝送するための通信部を含むことを特徴とする、請求項1に記載の計測装置。
【請求項3】
前記信号処理部は、接続される前記センサの通信規格に適用可能に構成され、
前記コネクタ部における前記識別ピン以外のピンには、前記通信規格に準拠した信号が割り振られることを特徴とする、請求項1または2に記載の計測装置。
【請求項4】
前記信号処理部は、接続される前記センサの通信規格に適用可能に構成され、
前記コネクタ部における前記識別ピンは、前記通信規格に準拠した信号の授受にも用いられることを特徴とする、請求項1または2に記載の計測装置。
【請求項5】
前記センサの通信規格はRS485であることを特徴とする、請求項1または2に記載の計測装置。
【請求項6】
前記通信プロトコルは、MODBUS RTUを含むことを特徴とする、請求項1から
5のいずれか一項に記載の計測装置。
【請求項7】
一または複数のセンサと、
前記センサの出力信号を処理する信号処理部と、を備えた計測装置における、前記センサの出力信号の伝送方法であって、
前記センサの出力ラインのいずれかを、前記センサおよび/または前記センサの通信プロトコルの種類に応じた短絡パターンで短絡させることで、前記信号処理部において、前記センサの種類を識別することを特徴とする、計測装置におけるセンサ出力の伝送方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、計測装置、及び計測装置におけるセンサ出力の伝送方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば農業等に利用され、利便性が良く、安価な環境情報取得装置(10)が提案されていた。環境情報取得装置としては、一以上のセンサを含んで構成される環境センサ(20)と通信して環境情報を取得する環境情報取得手段(11)と、環境情報取得手段が取得した環境情報を記憶する記憶部(12)と、記憶部が記憶する環境情報を外部に送信する送信処理手段(11)と、を備えるものが公知である(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、各種の環境データ間における計測時刻のズレを是正する環境計測装置も提案されていた。環境計測装置としては、複数種の環境情報をそれぞれ検出する複数の環境センサ(S1~Sn)と、環境センサ毎に設けられ、各環境センサの検出信号を所定の環境データに変換する変換部(C1~Cn)と、各変換部から環境データをそれぞれ収集し、通信網(N)を介して遠隔地の管理装置(KS)に送信する処理部(P)とを備え、処理部は、各変換部に共通の時間情報を同時に提供することにより同一時刻の環境データを収集するものが公知である(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
近年、上記の特許文献に示したような、一または複数のセンサを利用して環境計測を実施することを可能とする環境情報取得装置や環境計測装置(以下、単純に「計測装置」という。)が普及している。このような環境装置においては、センサと、センサが接続する信号処理部(センサアダプタ)等の機器とが適合するように構成することが求められることが多く、計測装置の使用者にとって、センサと接続先の機器との適合が容易であることが理想である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2012-027702号公報
【特許文献2】特開2013-256971号公報
【特許文献3】特開2012-098901号公報
【特許文献4】特開2018-151264号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記のような問題点に鑑みてなされたものであり、上記のような計測装置について、各種計測用のセンサの取り付けに係る煩雑さまたは、各種計測用のセンサの取り付けに要する専門知識に係る負担を低減する計測装置を提供することを最終的な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するための本発明は、
一または複数のセンサと、
前記センサの出力信号を処理する信号処理部と、
前記センサと、前記信号処理部との間に介在し、前記センサと前記信号処理部とを接続するコネクタ部と、を備えた計測装置であって、
前記コネクタ部の各ピンは、前記センサの識別用の複数の識別ピンを含み、該複数の識
別ピンは、前記センサおよび/または前記センサの通信プロトコルの種類に応じた短絡パターンで短絡されたことを特徴とする、計測装置である。
【0008】
本発明によれば、複数の識別ピンの短絡パターンに基づいて、信号処理部において、如何なる種類が何れに信号処理部に接続されているかを容易に認識することが可能となる。これによって、センサを前記計測装置に取り付ける作業者による取付け作業の煩雑さや、各種計測用のセンサの取り付けに要する専門知識に係る負担を低減することができる。
【0009】
また、本発明においては、前記センサは、計測データを取得することが可能であり、前記信号処理部で処理された前記出力信号を伝送するための通信部を含むこととしてもよい。これによれば、前記センサが取得した計測データを遠隔の演算装置に伝送して処理を行うことが可能である。遠隔の演算装置は、無線通信や有線ネットワークで接続されたPCやサーバであってもよい。遠隔に演算装置においては、前記センサが取得した計測データを可視化し、作業者による作業現場の管理を容易化するようにしてもよい。
【0010】
また、本発明においては、前記信号処理部は、接続される前記センサの通信規格に適用可能に構成され、前記コネクタ部における前記識別ピン以外のピンには、前記通信規格に準拠した信号が割り振られるようにしてもよい。これによれば、コネクタ部の一部のピンをセンサや通信プロトコルの識別用に、残りのピンをセンサの通信規格による信号の授受用に使い分けることが可能となる。なお、ここにおける通信規格は各センサのハードIF(インターフェース)に相当する。
【0011】
また、本発明においては、前記信号処理部は、接続される前記センサの通信規格に適用可能に構成され、前記コネクタ部における前記識別ピンは、前記通信規格に準拠した信号の授受にも用いられるようにしてもよい。これによれば、計測装置に必要なピンの数が減少し、計測装置の小型化や軽量化を実現することができる。
【0012】
また、本発明においては、前記センサの通信規格はRS485であってもよい。これによれば、汎用のRS485を用いて、センサと信号処理部との通信を行うことが可能である。その結果、より多数の種類のセンサが接続可能となる。
【0013】
また、本発明においては、前記通信プロトコルは、MODBUS RTUを含むように
してもよい。そうすると、MODBUS RTUは伝送効率が良いため、複数の識別ピン
の短絡パターンを速く正確に出力情報を情報処理部に伝送することができる。
【0014】
また、本発明は、一または複数のセンサと、
前記センサの出力信号を処理する信号処理部と、を備えた計測装置における、前記センサの出力信号の伝送方法であって、
前記センサの出力ラインのいずれかを、前記センサおよび/または前記センサの通信プロトコルの種類に応じた短絡パターンで短絡させることで、前記信号処理部において、前記センサの種類を識別することを特徴とする、計測装置におけるセンサ出力の伝送方法であってもよい。
【0015】
なお、上記の課題を解決するための手段は、可能な限り互いに組み合わせて用いることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、計測装置において、各種計測用のセンサの取り付けに係る煩雑さまたは、各種計測用のセンサの取り付けに要する専門知識に係る負担を低減することが可能となる。その結果として、計測装置へのセンサ取付けがより容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、実施例1における計測装置の一例を示す概略図である。
図2図2は、実施例1における計測装置の自動認識コネクタに内蔵された複数のピンについての説明図である。
図3図3は、実施例1における計測装置の機能を示す機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
〔適用例〕
本適用例においては、環境センサを識別するためのピンを含む自動認識コネクタを備えた計測装置について説明する。本適用例に係る計測装置は、農業に影響する環境パラメータを計測して指標を算出し、農業用に用いられる装置とするが、本発明における計測装置はそれに限られない。
【0019】
図1は、本発明が適用可能な計測装置1の一例を示す概略図である。本適用例における計測装置1は、複数の環境センサ2と、複数の環境センサ2の各々に対応して接続する複数のセンサアダプタ3と、バッテリー4に接続されるとともにクラウドサービス5が展開されるネットワークに信号を伝送する通信モジュール6と、環境センサ2とセンサアダプタ3の間に介在して両者の接続を可能とする自動認識コネクタ7と、を備える。本適用例における環境センサ2は、複数のセンサで様々な計測データの取得が可能となっており、例えば気象の計測に係る気象センサ2aや土壌の水分の含有量の計測に係る土壌水分センサ2bや水位の計測に係る水位センサ2cを含む。
【0020】
自動認識コネクタ7には複数のピンが内蔵されており、複数のピンのうちの一部は環境センサ2を識別するためのピン群であり、センサアダプタ3に接続した環境センサ2の種類に応じた短絡パターンによって短絡されている。また、複数のピンには、自動認識コネクタ7からセンサアダプタ3に環境センサ2の出力信号を伝送するピン群も含まれる。自動認識コネクタ7に内蔵された複数のピンについて、詳細は図2及び図3に示す。
【0021】
図1において、センサアダプタ3は、自動認識コネクタ7における環境センサ2を識別するためのピンの短絡パターンによって、センサアダプタ3に接続した環境センサ2の種類を自動認識する。また、センサアダプタ3の回路にはサージ抑制IC3aやアイソレータ3bの他、信号処理部8が含まれ、環境センサ2の出力信号はセンサアダプタ3の回路において処理可能に調整され、通信モジュール6に伝送される。通信モジュール6は、処理可能に調整された環境センサ2の出力信号を、通信モジュール6に付属のアンテナによってクラウドサービス5に無線通信する。環境センサ2から得られた環境パラメータは、クラウドサービス5において演算処理が適用される。このようにして環境パラメータの指標が得られ、該指標はクラウドサービス5において可視化される。該指標が可視化されることで、農業の現場の管理がより容易になる。
【0022】
〔実施例1〕
以下、本発明の実施例1に係る計測装置について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下の実施形態においては、本発明を環境制御装置として農業用に適用した例について説明するが、本発明を例えば工場におけるFA等、他の用途に適用しても構わない。なお、本発明に係る計測装置は、以下の構成に限定する趣旨のものではない。
【0023】
<装置構成>
ここで、図1の説明に戻る。上述の通り、環境センサ2から得られた出力信号は、自動認識コネクタ7、及びセンサアダプタ3、及び通信モジュール6を経てクラウドサービス5が展開されるネットワーク(クラウド)に伝送され、クラウドサービス5において環境
パラメータの情報に可視化のための処理がなされ、ユーザーに情報が提供される。環境センサ2とセンサアダプタ3の間のシリアル通信規格について、センサアダプタ3は各々の環境センサ2のハードIFに依存して作成されており、実施例1に係る計測装置1においては、センサアダプタ3のハードIFはRS485に対応する。なお、シリアル通信規格はRS485以外であってもよい。
【0024】
また、各々の環境センサ2と自動認識コネクタ7の間の出力ラインの長さは例えば約10m程度であり、自動認識コネクタ7とセンサアダプタ3の間の出力ラインの長さは例えば約5cmであってもよい。また、通信モジュール6からクラウドへの通信規格は、例えばNBIoTやCAT.M1等である。なお、通信モジュール6からクラウドサービス5への情報の伝送は、有線通信によるものであっても無線通信によるものであってもよい。ここで、環境センサ2は、本発明におけるセンサに相当する。
【0025】
通信モジュール6は特に、本発明における通信部に相当する。自動認識コネクタ7は、本発明におけるコネクタ部に相当する。なお、本実施例では環境センサ2から出力され、センサアダプタ3で調整された後の信号は、通信モジュール6による無線通信を介してクラウドサービス5において稼働するPCまたはサーバに送信されるが、センサアダプタ3から直接有線でPCまたはサーバに送信されてもよい。
【0026】
<機能構成>
図2は、実施例1における計測装置1の自動認識コネクタ7に内蔵された複数のピンの信号割り振りについての説明図である。実施例1における自動認識コネクタ7には8本のピンが内蔵されており、以下ではそれぞれ1ピンから8ピンと記載する。8本のピンは出力ラインを通じてセンサアダプタ3に接続しており、そのうち、2ピンと3ピンは環境センサ2とセンサアダプタ3の間の出力情報の授受に割り振られる。
【0027】
より詳細には、2ピンはクラウドサービス5のPCやサーバからの例えば指令信号を、センサアダプタ3において処理された後に環境センサ2に送信可能とするピンである。3ピンは環境センサ2の出力信号を受信する。なお、図2に示すTxDは、当該ピンがデータを環境センサ2に送信する端子であることを示す。またRxDは、当該ピンが環境センサ2からデータを受信する端子であることを表す。また、図2に示すY、及びZは、それぞれのピンがセンサアダプタ3における反転出力のドライバ、及び非反転出力に接続されることを示す。また、1ピンは電源に接続するピンであり、4ピンはグランドGに接続するピンである。
【0028】
8本のピンのうち、5ピンから8ピンがセンサアダプタ3に接続した環境センサ2を識別するためのピン群として用いられる。なお、8ピンはグランドGに接続するピンである。また、計測装置1は、通信プロトコルの一種であるMODBUS RTU対応の環境セ
ンサと、MODBUS RTU非対応の環境センサ(図2に環境センサA、環境センサB
、環境センサCと記載)の両方に接続することが可能となっている。5ピンから8ピンが環境センサ2を自動認識する様式は、自動認識の対象がMODBUS RTU対応の環境
センサであるかMODBUS RTU非対応の環境センサであるかによって異なる。
【0029】
本実施例において、自動認識の対象がMODBUS RTU対応の環境センサである場
合について、自動認識コネクタ7における5ピンから8ピンは、共通の短絡パターンで短絡されている。共通の短絡パターンとは、図2では5ピンと8ピンが短絡されていることを表す。換言すると、5ピンと8ピンが短絡されている場合にはMODBUS RTU対
応の環境センサであると自動認識される。また、MODBUS RTU非対応の環境セン
サである場合について、5ピンから8ピンは、環境センサの種類に応じて短絡パターンが決められており、この短絡パターンによってMODBUS RTU非対応の環境センサの
種類が認識される。
【0030】
例えば図2では、6ピンと8ピンが短絡されていれば、接続されているセンサが環境センサAであると自動認識される。ここで、環境センサA、環境センサB、環境センサCはそれぞれ異なるIPアドレスが割り振られている。また、通信プロトコルは、例えば各センサのメーカー独自のものが使用されてもよい。また、1ピンから8ピンの機能や短絡パターンは図2に示すものに限定されず、ピンの本数も8本に限らない。また、図2に示すように、本実施例では、7つのセンサアダプタ3が備えられており7種類の環境センサ2が接続可能となっているが、センサアダプタ3の数、接続可能な環境センサ2の数はこれに限られない。
【0031】
また、図2では、5ピンから8ピンは環境センサの種類を認識するピンであるが、これらのピンは、環境センサの種類を認識するピンであることに加えて、2ピンと3ピンのような信号を授受するピンと共用にしてもよい。その場合、センサを識別するタイミングと信号を授受するタイミングを時間的に切り替えてもよい。その際、使用されるピンを有効とし、使用されないピンについては、ハイインピーダンス状態とすることで無効としてもよい。
【0032】
図3は、実施例1における計測装置1の機能を示す機能ブロック図である。上述の通り、計測装置1において、環境センサ2は自動認識コネクタ7に内蔵された8本のピンを介し、出力ラインを通じてセンサアダプタ3に接続している。図3では、2ピンと3ピンによって接続した出力ラインは、センサアダプタ3におけるサージ抑制IC3a及びアイソレータ3bを通過する。サージ抑制IC3aは、瞬間的に発生する異常に高い電圧を抑制し、センサアダプタ3を含む計測装置1内の回路を保護する。アイソレータ3bはセンサアダプタ3内の回路において生じるノイズを絶縁する。
【0033】
1ピンによって接続する出力ラインは、電源(不図示)に接続しており、また、ESDサプレッサ3cを介してグランドGに接続することで、センサアダプタ3及び接続される環境センサ2を静電気から保護する。また、図2にも示した通り、5ピンから8ピンは、環境センサ2の種類に応じた短絡パターンで短絡されるピンである。図3は、5ピンと8ピンが短絡された計測装置1の例であり、図2に示す例に従えば、環境センサ2はMODBUS RTUに対応することが認識される。
【0034】
2ピンと3ピン、及び5ピン乃至8ピンから出力された出力信号は、最終的に信号処理部8で処理される。その後、前述のように通信モジュール6により無線通信でクラウドサービス5におけるPCまたはサーバに送信され信号処理される。なお、瞬間的に発生するサージやノイズが含まれている場合でも、信号処理部8の機能への影響が少ない場合においては、サージ抑制IC3a及びアイソレータ3bは必ずしも必要ではない。その場合、センサアダプタ3は本発明における信号処理部に相当する。また、自動認識コネクタ7における短絡パターンは、センサの種類毎に設定しても構わないし、通信プロトコルの種類毎に設定しても構わない。
【0035】
なお、以下には本発明の構成要件と実施例の構成とを対比可能とするために、本開示の構成要件を図面の符号付きで付記しておく。
<付記1>
一または複数のセンサ(2)と、
前記センサの出力信号を処理する信号処理部(8)と、
前記センサと、前記信号処理部との間に介在し、前記センサと前記信号処理部とを接続するコネクタ部(7)と、を備えた計測装置(1)であって、
前記コネクタ部の各ピンは、前記センサの識別用の複数の識別ピンを含み、該複数の識
別ピンは、前記センサおよび/または前記センサの通信プロトコルの種類に応じた短絡パターンで短絡されたことを特徴とする、計測装置(1)。
<付記2>
一または複数のセンサ(2)と、
前記センサの出力信号を処理する信号処理部(8)と、を備えた計測装置(1)における、前記センサの出力信号の伝送方法であって、
前記センサの出力ラインのいずれかを、前記センサおよび/または前記センサの通信プロトコルの種類に応じた短絡パターンで短絡させることで、前記信号処理部および/または前記信号処理部において、前記センサの種類を識別することを特徴とする、計測装置(1)におけるセンサ出力の伝送方法。
【符号の説明】
【0036】
1 :計測装置
2 :環境センサ
2a :気象センサ
2b :土壌水分センサ
2c :水位センサ
3 :センサアダプタ
3a :サージ抑制IC
3b :アイソレータ
3c :ESDサプレッサ
4 :バッテリー
5 :クラウドサービス
6 :通信モジュール
7 :自動認識コネクタ
8 :信号処理部
図1
図2
図3