(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022190288
(43)【公開日】2022-12-26
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/06 20120101AFI20221219BHJP
G06Q 50/30 20120101ALI20221219BHJP
G06Q 30/02 20120101ALI20221219BHJP
【FI】
G06Q30/06 350
G06Q50/30
G06Q30/02 320
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021098545
(22)【出願日】2021-06-14
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】520123032
【氏名又は名称】株式会社KINTO
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岡 尚哉
(72)【発明者】
【氏名】北村 聡
(72)【発明者】
【氏名】祖父江 雄介
(72)【発明者】
【氏名】中田 聖良
(72)【発明者】
【氏名】森 麻美
(72)【発明者】
【氏名】森嶋 聖人
(72)【発明者】
【氏名】布川 康之
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB07
5L049BB08
5L049BB68
5L049CC42
(57)【要約】
【課題】移動に関連するサービスの利用をユーザに効率的に促す上で有効な技術を提供することを目的とする。
【解決手段】情報処理装置は、車両を貸与するサービスである第1サービスに関連する情報処理を行うための情報処理装置である。情報処理装置は、第1サービスの利用者である第1ユーザに貸与されている特定車両の一時使用に関するサービスである第2サービスをオンラインで提供する。そして、情報処理装置は、第2サービスを利用して特定車両を一時的に使用する第2ユーザに対して移動に関連するサービスである第3サービスの利用を提案するための提案情報を生成する。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両を貸与するサービスである第1サービスに関連する情報処理を行うための情報処理装置であって、
前記第1サービスの利用者である第1ユーザに貸与されている特定車両の一時使用に関するサービスである第2サービスをオンラインで提供することと、
前記第2サービスを利用して前記特定車両を一時的に使用する第2ユーザに対して移動に関連するサービスである第3サービスの利用を提案するための提案情報を生成することと、
を実行する制御部を備える、
情報処理装置。
【請求項2】
前記第1サービスは、前記第1サービスの利用料金が定期的に支払われることで、所定の期間中における前記特定車両の使用権を前記第1ユーザに付与するサービスである、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記第2サービスは、前記所定の期間中に前記特定車両を前記第2ユーザに一時的に貸し出すための手続きの代行をオンラインで行うプラットフォームサービスである、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記第3サービスは、前記第1サービスの利用を開始するための手続きと、移動に関する情報の提供と、移動に関連した手続きの代行とのうち、少なくとも1つを行うプラットフォームサービスである、
請求項2または3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記第2ユーザが前記第3サービスを利用した場合に、前記第1サービスと、移動に関する情報の提供または移動に関連した手続きの代行を行うプラットフォームサービスとの少なくとも一方に関するインセンティブを前記第1ユーザに提供すること、
をさらに実行する、
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記制御部は、
前記第2ユーザが前記第3サービスを利用した場合に、前記第3サービスに関するインセンティブを前記第2ユーザに提供すること、
をさらに実行する、
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記制御部は、
前記第2サービスの前記第2ユーザによる利用実績に基づいて、前記提案情報を生成する、
請求項1から6のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記制御部は、
前記特定車両の属性に基づいて、前記提案情報を生成する、
請求項1から6のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記制御部は、
前記第2ユーザの嗜好に基づいて、前記提案情報を生成する、
請求項1から6のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
車両を貸与するサービスである第1サービスに関連する情報処理を行うためのコンピュータが実行する情報処理方法であって、
前記第1サービスの利用者である第1ユーザに貸与されている特定車両の一時使用に関するサービスである第2サービスをオンラインで提供することと、
前記第2サービスを利用して前記特定車両を一時的に使用する第2ユーザに対して移動に関連するサービスである第3サービスの利用を提案するための提案情報を生成することと、
を含む、
情報処理方法。
【請求項11】
前記第1サービスは、前記第1サービスの利用料金が定期的に支払われることで、所定の期間中における前記特定車両の使用権を前記第1ユーザに付与するサービスである、
請求項10に記載の情報処理方法。
【請求項12】
前記第2サービスは、前記所定の期間中に前記特定車両を前記第2ユーザに一時的に貸し出すための手続きの代行をオンラインで行うプラットフォームサービスである、
請求項11に記載の情報処理方法。
【請求項13】
前記第3サービスは、前記第1サービスの利用を開始するための手続きと、移動に関する情報の提供と、移動に関連した手続きの代行とのうち、少なくとも1つを行うプラットフォームサービスである、
請求項11または12に記載の情報処理方法。
【請求項14】
前記第2ユーザが前記第3サービスを利用した場合に、前記第1サービスと、移動に関する情報の提供または移動に関連した手続きの代行を行うプラットフォームサービスとの少なくとも一方に関するインセンティブを前記第1ユーザに提供すること、
をさらに含む、
請求項13に記載の情報処理方法。
【請求項15】
前記第2ユーザが前記第3サービスを利用した場合に、前記第3サービスに関するインセンティブを前記第2ユーザに提供すること、
をさらに含む、
請求項13に記載の情報処理方法。
【請求項16】
前記第2サービスの前記第2ユーザによる利用実績に基づいて、前記提案情報が生成される、
請求項10から15のいずれか一項に記載の情報処理方法。
【請求項17】
前記特定車両の属性に基づいて、前記提案情報を生成する、
請求項10から15のいずれか一項に記載の情報処理方法。
【請求項18】
前記第2ユーザの嗜好に基づいて、前記提案情報が生成される、
請求項10から15のいずれか一項に記載の情報処理方法。
【請求項19】
車両を貸与するサービスである第1サービスに関連する情報処理を行うためのコンピュータに情報処理方法を実行させるためのプログラムであって、
前記情報処理方法は、
前記第1サービスの利用者である第1ユーザに貸与されている特定車両の一時使用に関するサービスである第2サービスをオンラインで提供することと、
前記第2サービスを利用して前記特定車両を一時的に使用する第2ユーザに対して移動に関連するサービスである第3サービスの利用を提案するための提案情報を生成することと、
を含む、
プログラム。
【請求項20】
前記第1サービスは、前記第1サービスの利用料金が定期的に支払われることで、所定の期間中における前記特定車両の使用権を前記第1ユーザに付与するサービスである、
請求項19に記載のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、情報処理方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、インセンティブ付与装置が開示されている。特許文献1に開示されているインセンティブ付与装置は、既存ユーザが第1ゲームの実行中に、第2ゲームの存在を告知して第2ゲームの実行を促す。既存ユーザによる第2ゲームの実行中に、第2ゲームを新規ユーザに紹介するための紹介コードを発行する。そして、インセンティブ付与装置は、新規ユーザが既存ユーザからの紹介を受けて第2ゲームをダウンロードしたことに関して、既存ユーザが使用している第1ゲームに対して所定のインセンティブを付与する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、移動に関連するサービスの利用をユーザに効率的に促す上で有効な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の第1の態様に係る情報処理装置は、
車両を貸与するサービスである第1サービスに関連する情報処理を行うための情報処理装置であって、
前記第1サービスの利用者である第1ユーザに貸与されている特定車両の一時使用に関するサービスである第2サービスをオンラインで提供することと、
前記第2サービスを利用して前記特定車両を一時的に使用する第2ユーザに対して移動に関連するサービスである第3サービスの利用を提案するための提案情報を生成することと、
を実行する制御部を備える。
【0006】
本開示の第1の態様に係る情報処理方法は、
車両を貸与するサービスである第1サービスに関連する情報処理を行うためのコンピュータが実行する情報処理方法であって、
前記第1サービスの利用者である第1ユーザに貸与されている特定車両の一時使用に関するサービスである第2サービスをオンラインで提供することと、
前記第2サービスを利用して前記特定車両を一時的に使用する第2ユーザに対して移動に関連するサービスである第3サービスの利用を提案するための提案情報を生成することと、
を含む。
【0007】
本開示の第1の態様に係るプログラムは、
車両を貸与するサービスである第1サービスに関連する情報処理を行うためのコンピュータが実行する情報処理方法であって、
前記第1サービスの利用者である第1ユーザに貸与されている特定車両の一時使用に関するサービスである第2サービスをオンラインで提供することと、
前記第2サービスを利用して前記特定車両を一時的に使用する第2ユーザに対して移動に関連するサービスである第3サービスの利用を提案するための提案情報を生成することと、
を含む。
【発明の効果】
【0008】
本開示により、移動に関連するサービスの利用をユーザに効率的に促す上で有効な技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、提案システムの概略構成を示す図である。
【
図2】
図2は、管理サーバの機能構成の一例を概略的に示すブロック図である。
【
図3】
図3は、車両情報データベースに格納されている車両情報のテーブル構成の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、ユーザ情報データベースに格納されるユーザ情報のテーブル構成の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、サービス情報データベースに格納されるサービス情報のテーブル構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示の第1の態様に係る情報処理装置は、第1サービスに関連する情報処理を行うための情報処理装置である。第1サービスは、車両を貸与するサービスである。第1サービスは、例えば、契約期間中において、定期的(例えば、月ごと又は年ごと)にユーザからの料金の支払いを受けることで、車両の使用権をユーザに付与するサービスである。このようサービスは、リースまたはサブスクリプションとも呼ばれる。第1ユーザは、第1サービスの利用者である。第1ユーザは、第1サービスを利用することにより、特定車両を貸与される。このとき、第1ユーザが、自らに貸与されている特定車両を第2ユーザに一時的に使用させる場合がある。そこで、本開示の第1の態様に係る情報処理装置における制御部は、特定車両の一時使用に関するサービスである第2サービスをオンラインで提供する。
【0011】
第2サービスを利用して特定車両を一時使用するユーザは、特定車両によって移動を行うユーザである。そのため、第2サービスを利用して特定車両を一時使用するユーザは、移動に関連するサービス(以下、「第3サービス」と称する場合がある。)の利用者になり得るユーザである。そこで、情報処理装置における制御部は、第2サービスを利用して特定車両を一時的に使用する第2ユーザに対して、第3サービスの利用を提案するための提案情報を提供する。第3サービスは、例えば、移動に関する情報の提供、または移動に関連した手続きの代行を行うプラットフォームサービスである。また、第3サービスは、第1サービスの利用を開始するための手続きを行うプラットフォームサービスであってもよい。この場合において、第2ユーザは第3サービスを利用して第1サービスの利用を開始するための手続きを行う。そうすると、第2ユーザは第1サービスを介して車両を貸与され、当該車両によって移動をすることが可能となる。
【0012】
以上説明したように、情報処理装置によって、第3サービスの利用者となり得るユーザに対して、第3サービスの利用を提案するための提案情報が提供される。これにより、移動に関連するサービスの利用をユーザに効率的に促すことができる。
【0013】
以下、本開示の具体的な実施形態について図面に基づいて説明する。本実施形態に記載
されている構成部品の寸法、材質、形状、および、その相対配置等は、特に記載がない限りは本開示の技術的範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0014】
<第1実施形態>
(システムの概略)
本実施形態における提案システム1について、
図1に基づいて説明する。
図1は、提案システム1の概略構成を示す図である。提案システム1は、第1端末100と第2端末200と管理サーバ300とを含んで構成される。提案システム1においては、第1端末100と第2端末200と管理サーバ300とがネットワークN1によって相互に接続される。ネットワークN1には、例えば、インターネット等の世界規模の公衆通信網であるWAN(Wide Area Network)または、携帯電話等の電話通信網が採用されてもよい。
【0015】
(第1端末)
第1端末100は、第1ユーザ10が使用する端末である。第1端末100は、例えば、コンピュータまたは携帯情報端末である。また、第1ユーザ10は、貸与サービスの利用者である。貸与サービスは、契約期間中に第1ユーザ10が毎月の利用料金を支払うことで、特定車両11の使用者として第1ユーザ10を公的機関に登録するサービスである。貸与サービスの契約期間は、貸与サービスの提供者により定められた複数の期間(例えば、3年間、5年間、または7年間)の中から、第1ユーザ10が選択することができる。なお、このような貸与サービスは、リースまたはサブスクリプションと呼ばれることもある。本実施形態における貸与サービスが、本開示に係る「第1サービス」に相当する。
【0016】
本実施形態における第1端末100は、一時使用サービスに関するインタラクションを実現する機能を有する。例えば、第1端末100は、特定車両11を第2ユーザ20に一時使用させるための契約に必要な入力項目を第1ユーザ10に提示する機能を実現する。また、第1端末100は、上記入力項目への第1ユーザ10による入力操作を受け付ける機能と、第1ユーザ10により入力された情報を管理サーバ300へ送信する機能と、を実現する。これらの機能は、例えば、第1端末100で動作するウェブブラウザによって実現される。また、これらの機能は、例えば、第1端末100にインストールされるアプリケーション・プログラムによって実現されてもよい。なお、一時使用は、貸与サービスを利用中の第1ユーザ10が、貸与されている特定車両11を第2ユーザ20に一時的に使用させること、すなわち、一時的に貸し出すことをいう。このような一時使用は、第1ユーザ10と第2ユーザ20との間の契約により成立するものであるが、その契約手続きは一時使用サービスを使用して行われる。ここで、一時使用サービスは、管理サーバ300により提供されるオンラインプラットフォームサービスである。本実施形態における一時使用サービスが、本開示に係る「第2サービス」に相当する。
【0017】
(第2端末)
第2端末200は、第2ユーザ20が使用する端末である。第2ユーザ20は、第1ユーザ10に貸与されている特定車両11を一時使用するユーザである。第2端末200は、特定車両11の一時使用に関するインタラクションを実現する機能を有する。例えば、第2端末200は、第1ユーザ10に貸与されている特定車両を一時使用するための契約に必要な入力項目を第2ユーザ20に提示する機能を有する。また、第2端末200は、第2ユーザ20による上記入力項目への入力操作を受け付ける機能と、第2ユーザ20により入力された情報を管理サーバ300へ送信する機能と、を実現する。これらの機能は、例えば、上記した一時使用サービスを利用可能なウェブブラウザ、またはアプリケーション・プログラムにより実現される。
【0018】
(管理サーバ)
管理サーバ300は、貸与サービスに関連する情報処理を行うサーバ装置である。管理サーバ300は、特定車両11の貸与の状況を管理する機能を有する。また、管理サーバ300は、特定車両11の一時使用を管理する機能も有する。例えば、管理サーバ300は、第1ユーザ10と第2ユーザ20との間の特定車両11の一時使用に関する契約手続きをオンラインで行わせるための機能も有する。さらに、管理サーバ300は、特定車両11を一時使用した第2ユーザ20に対し、移動に関連するサービス(以下、「特定サービス」と称する場合がある。)の利用を提案する機能も有する。
【0019】
ここで、一時使用サービスを利用して車両を一時使用するユーザは、車両によって移動を行うユーザである。そのため、一時使用サービスを利用して車両を一時使用するユーザは、特定サービスの利用者になり得るユーザである。そこで、管理サーバ300は、一時使用サービスを利用して特定車両11を一時使用する第2ユーザ20に対して、特定サービスの利用を提案するための提案情報を提供する。特定サービスは、例えば、移動に関する情報の提供を行うプラットフォームサービスである。この場合、特定サービスにおいて、ユーザが訪問するスポットを紹介するサービスが行われる。また、特定サービスは、移動に関連した手続きの代行を行うプラットフォームサービスであってもよい。この場合、特定サービスにおいて、例えば、ユーザが訪問するスポットの利用の予約を代行するサービスが行われる。
【0020】
また、特定サービスは、貸与サービスの利用を開始するための手続きを行うプラットフォームサービスであってもよい。第2ユーザ20は、特定サービスを利用して、貸与サービスの利用を開始するための手続きを行う。そうすると、第2ユーザ20は貸与サービスを介して車両を貸与され、当該車両によって移動をすることが可能となる。
【0021】
管理サーバ300は、プロセッサ310、主記憶部320、補助記憶部330、および通信インタフェース(通信I/F)340を有するコンピュータを含んで構成される。プロセッサ310は、例えば、CPU(Central Processing Unit)またはDSP(Digital Signal Processor)である。主記憶部320は、例えば、RAM(Random Access Memory)である。補助記憶部330は、例えば、ROM(Read Only Memory)である。また、補助記憶部330は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、またはCD-ROM、DVDディスク、もしくはブルーレイディスクのようなディスク記録媒体である。また、補助記憶部330は、リムーバブルメディア(可搬記憶媒体)であってもよい。ここで、リムーバブルメディアとして、例えば、USBメモリまたはSDカードが例示される。通信I/F340は、例えば、LAN(Local Area Network)インターフェースボード、または無線通信のための無線通信回路である。
【0022】
管理サーバ300において、補助記憶部330には、オペレーティングシステム(OS)、各種プログラム、および各種情報テーブル等が格納されている。また、管理サーバ300において、プロセッサ310が、補助記憶部330に記憶されたプログラムを主記憶部320にロードして実行することによって、後述するような各種の機能を実現することができる。ただし、管理サーバ300における一部または全部の機能はASICまたはFPGAのようなハードウェア回路によって実現されてもよい。なお、管理サーバ300は、必ずしも単一の物理的構成によって実現される必要はなく、互いに連携する複数台のコンピュータによって構成されてもよい。なお、本実施形態における管理サーバ300が、本開示に係る「情報処理装置」に相当する。また、第1端末100および第2端末200も、管理サーバ300と同様に、コンピュータを含んで構成される。
【0023】
(機能構成)
次に、本実施形態に係る提案システム1を構成する、管理サーバ300の機能構成につ
いて、
図2から
図5に基づいて説明する。
図2は、管理サーバ300の機能構成の一例を概略的に示すブロック図である。
【0024】
管理サーバ300は、制御部301、通信部302、車両情報データベース303(車両情報DB303)、ユーザ情報データベース304(ユーザ情報DB304)、およびサービス情報データベース305(サービス情報DB305)を含んで構成される。制御部301は、管理サーバ300の制御をするための演算処理を行う機能を有する。制御部301は、管理サーバ300におけるプロセッサによって実現できる。通信部302は、管理サーバ300をネットワークN1に接続する機能を有する。通信部302は、管理サーバ300における通信I/F340によって実現できる。
【0025】
車両情報DB303は、車両情報を格納する機能を有する。車両情報DB303は、管理サーバ300における補助記憶部330によって実現できる。車両情報は、貸与サービスにおける特定車両11の貸与の状況に関する情報である。
図3は、車両情報DB303に格納されている車両情報のテーブル構成の一例を示す図である。
図3に示すように、車両情報は、車両IDフィールド、ユーザIDフィールド、および契約期間フィールドを有する。車両IDフィールドには、特定車両11を特定するための識別子(車両ID)が入力される。ユーザIDフィールドには、第1ユーザ10を特定するための識別子(ユーザID)が入力される。契約期間フィールドには、第1ユーザ10に特定車両11が貸与される契約期間が入力される。このように、車両情報DB303に車両ID、ユーザID、および契約期間を含む車両情報が記憶されていることにより、管理サーバ300は、貸与サービスにおける特定車両11の貸与の状況を管理することができる。
【0026】
ユーザ情報DB304は、ユーザ情報を格納する機能を有する。ユーザ情報DB304は、管理サーバ300における補助記憶部330によって実現できる。ユーザ情報は、一時使用サービスにおける特定車両11の一時使用の状況に関する情報である。
図4は、ユーザ情報DB304に格納されるユーザ情報のテーブル構成の一例を示す図である。
図4に示すように、ユーザ情報は、ユーザIDフィールド、嗜好フィールド、車両IDフィールド、使用期間フィールド、および使用料金フィールドを有する。
【0027】
ユーザIDフィールドには、第2ユーザ20を特定するための識別子(ユーザID)が入力される。嗜好フィールドには、第2ユーザ20の嗜好に関する情報が入力される。ここで、第2ユーザ20が第2端末200を使用して管理サーバ300に予め送信した第2ユーザ20の嗜好についての情報が嗜好フィールドに入力される。また、嗜好フィールドには、例えば、第2ユーザ20の嗜好として、第2ユーザ20の好みのサービスまたは商品について入力される。これにより、管理サーバ300は、第2ユーザ20の嗜好について把握することが可能となる。車両IDフィールドには、特定車両11の車両IDが入力される。使用期間フィールドには、第2ユーザ20が一時使用サービスを利用して、特定車両11を一時使用する期間が入力される。使用料金フィールドには、第2ユーザ20が第1ユーザ10に対して支払った、使用期間における特定車両11の一時使用に対する使用料金が入力される。
【0028】
制御部301は、一時使用サービスを提供するためのWebサーバを実現可能に構成される。例えば、制御部301は、第1端末100とのインタラクションを行うためのWebサーバを実現する。その場合、第1端末100は、ブラウザを通じてWebサーバにアクセスすることで、特定車両11を第2ユーザ20に一時使用させる契約のために必要な入力項目を、第1ユーザ10に提示することができる。また、第1端末100は、第1ユーザ10が特定車両11を第2ユーザ20に一時使用させる契約のために入力した情報(以下、「第1情報」と称する場合がある)を、ブラウザを通じてWebサーバにアップロードすることもできる。また、制御部301は、第2端末200とのインタラクションを
行うためのWebサーバを実現する。その場合、第2端末200は、ブラウザを通じてWebサーバへアクセスすることで、特定車両11を一時使用する契約のために必要な入力項目を、第2ユーザ20に提示することができる。また、第2端末200は、第2ユーザ20が特定車両11を一時使用する契約のために入力した情報(以下、「第2情報」と称する場合がある。)を、ブラウザを通じてWebサーバにアップロードすることもできる。
【0029】
制御部301は、管理サーバ300にアップロードされた第1情報と第2情報とに基づいて、第1ユーザ10と第2ユーザ20との間の契約手続きを代行する。具体的には、制御部301は、第1情報と第2情報とに基づいて、契約情報を第1端末100と第2端末200とに送信する。ここで、契約情報は、第1ユーザ10と第2ユーザ20との間の特定車両11の一時貸借の契約内容を示す情報である。
【0030】
また、第1ユーザ10と第2ユーザ20との間の契約手続きが完了すると、制御部301は、特定車両11の一時使用の料金を、第2ユーザ20に請求するための処理を行う。なお、この請求は、第2ユーザ20による特定車両11の一時使用が終了したとき(第2ユーザ20から第1ユーザ10へ特定車両11が返却されたとき)に行われてもよい。また、第1ユーザ10と第2ユーザ20との間の契約手続きが完了すると、制御部301が、ユーザ情報DB304に格納されているユーザ情報を更新する。具体的には、制御部301は、契約手続きで定められた使用期間と使用料金とに基づいて、ユーザ情報における使用期間フィールドと使用料金フィールドとの登録情報を更新する。これにより、第2ユーザ20が一時使用サービスの最新の利用状況を把握することが可能となる。
【0031】
サービス情報DB305は、サービス情報を格納する機能を有する。サービス情報DB305は、管理サーバ300における補助記憶部330によって実現できる。サービス情報は、特定サービスに関する情報である。
図5は、サービス情報DB305に格納されるサービス情報のテーブル構成の一例を示す図である。
図5に示すように、サービス情報は、サービスIDフィールド、嗜好フィールド、およびインセンティブフィールドを有する。
【0032】
サービスIDフィールドには、特定サービスを特定するための識別子(サービスID)が入力される。属性フィールドには、サービスIDフィールドに入力されている特定サービスの属性についての情報が入力される。属性フィールドには、特定サービスの属性として、特定サービスにおいて提供されるサービスまたは商品について入力される。
【0033】
インセンティブフィールドには、サービスIDフィールドに入力されている特定サービスが第2ユーザ20に利用された場合に第1ユーザ10に提供されるインセンティブについての情報が入力される。ここで、第1ユーザ10に提供されるインセンティブは、例えば、第1ユーザ10が利用している貸与サービスと、移動に関連する情報の提供または移動に関連した手続きの代行を行うプラットフォームサービスとの少なくとも一方に関するインセンティブである。第1ユーザ10に提供されるインセンティブは、例えば、これらのサービスの利用料金の割引などである。また、第1ユーザ10に提供されるインセンティブとして、第2ユーザ20が利用した特定サービスごとに異なるインセンティブが設定されていてもよい。このように、サービス情報DB305には、特定サービスの属性と、該特定サービスが第2ユーザ20に利用された場合に第1ユーザ10に提供されるインセンティブについての情報が対応付けられたサービス情報が格納されている。
【0034】
(提案処理)
次に、本実施形態における提案システム1において、管理サーバ300における制御部301によって実行される提案処理について、
図6に基づいて説明する。
図6は、提案処
理のフローチャートである。提案処理は、第2端末200に提案情報を送信するための処理である。提案処理は、管理サーバ300に第1情報と第2情報とがアップロードされると実行が開始される。
【0035】
提案処理においては、まずS101において、第1情報と第2情報とが取得される。次に、S102において、第1情報と第2情報とに基づいて、契約情報が生成され、第1端末100と第2端末200とに送信される。これにより、第1ユーザ10と第2ユーザ20との間で契約の手続きの代行が完了する。そして、S103において、ユーザ情報DB304に格納されているユーザ情報が更新される。次にS104において、更新されたユーザ情報に基づいて、第2ユーザ20が第1ユーザ10に対して支払った使用料金の総額(以下、「利用総額」と称する場合がある。)が算出される。
【0036】
次にS105において、利用総額が所定の閾値以上であるか否かが判別される。第2ユーザ20が一時使用サービスを好んで利用していると判断できる値が所定の閾値として決められている。S105において肯定判定されると、S106において提案情報が生成される。ここで、ユーザ情報DB304に格納されているユーザ情報と、サービス情報DB305に格納されているサービス情報とに基づいて、提案情報が生成される。具体的には、ユーザ情報に含まれる第2ユーザ20の嗜好に関する情報と、サービス情報に入力される特定サービスの属性とが一致する特定サービスの利用を提案するための提案情報が生成される。これにより、第2ユーザ20にとって好適な特定サービスの提案を行うことができる。
【0037】
また、S106において生成される提案情報には、貸与サービスの利用を開始するための手続きの代行を行うプラットフォームサービスの利用を提案する情報が含まれていてもよい。これにより、特定車両11を借り受けるために費用を多く払っている第2ユーザ20に対して、一時使用サービスの代わりに貸与サービスを利用することを促すことが可能となる。
【0038】
S106において提案情報が生成されると、S107において提案情報が第2端末200に送信される。そして、提案処理の実行が終了される。また、S105において否定判定がされた場合、提案処理の実行が終了される。つまり、提案情報は第1端末100に送信されない。
【0039】
このように、利用総額が所定の閾値以上である場合に提案情報が送信されることにより、第2ユーザ20が一時使用サービスを所定額以上利用している場合に、提案情報が第2端末200に送信される。これにより、特定車両11を一時使用して移動をすることを好む第2ユーザ20に対して、特定サービスの利用を促すことが可能となる。その結果、移動に関連するサービスの利用をユーザに効率的に促すことができる。
【0040】
(変形例)
なお、本実施形態においては、管理サーバ300は、利用総額が所定の閾値以上である場合に提案情報を生成し第2端末200に送信する。しかしながら、管理サーバ300は、必ずしも、利用総額が所定の閾値以上である場合に生成されて第2端末200に送信されなくてもよい。管理サーバ300は、例えば、第2ユーザ20が所定回数以上一時使用サービスを利用した場合に提案情報を生成し第2端末200に送信してもよい。この場合において、管理サーバ300は、ユーザ情報に基づいて、第2ユーザ20の一時使用サービスの利用回数を取得し、利用回数が所定の回数であるか否かを判別する。このようにしても、特定車両11を一時使用して移動をすることを好む第2ユーザ20に対して、特定サービスの利用を促すことが可能となる。
【0041】
また、管理サーバ300は、提案処理において利用総額が所定の閾値以上であるか否かの判別処理(S104)を行わずに、提案情報を生成し第2端末200に送信してもよい。つまり、管理サーバ300は、S104において実行される判別処理を行わずに、第1ユーザ10と第2ユーザ20との間で契約手続きが完了した場合に提案情報を送信してもよい。このようにしても、移動に関連するサービスの利用をユーザに効率的に促すことができる。
【0042】
また、本実施形態においては、管理サーバ300は、第2ユーザ20の嗜好に基づいて提案情報を生成する。しかしながら、管理サーバ300は、必ずしも、第2ユーザ20の嗜好に基づいて提案情報を生成しなくてもよい。管理サーバ300は、提案する特定サービスの内容が予め決められている提案情報を生成し、第2端末200に送信してもよい。また、管理サーバ300は、第2ユーザ20の嗜好ではなく、第2ユーザ20が一時使用している特定車両11の属性に基づいて提案情報を決定してもよい。この場合において、車両情報DB303に格納されている車両情報は、特定車両11の属性についての情報をさらに含む情報である。ここで、特定車両11の属性は、例えば、特定車両11の車名、メーカ、車種、車型、色、および年式などである。管理サーバ300は、特定車両11の属性に基づいて、特定車両11を使用するユーザが好む傾向にあるサービスの属性を取得する。管理サーバ300は、取得したサービスの属性と、サービス情報DB305に格納されているサービス情報における各特定サービスの属性とに基づいて、提案情報を生成する。これにより、特定車両11を一時使用する第2ユーザ20にとって好適な特定サービスの提案を行うことができる。
【0043】
<第2実施形態>
本実施形態においては、第2ユーザ20が特定サービスを利用した場合、第1ユーザ10に対してインセンティブを提供する。以下、第1実施形態と異なる点のみ説明する。
【0044】
第2端末200は、提案情報を管理サーバ300から受信すると、提案情報を第2端末200におけるディスプレイに表示させる。第2ユーザ20は、提案情報において提案される特定サービスを利用する場合、第2端末200を使用して特定サービスの利用の申し込みを行う。第2ユーザ20が第2端末200を使用して特定サービスの利用の申し込みを完了すると、申し込み情報が第2端末200から管理サーバ300に送信される。申し込み情報は、第2ユーザ20による特定サービスの利用申し込みに関する情報が含まれている。
【0045】
(提供処理)
本実施形態における提案システム1において、管理サーバ300における制御部301によって実行される提供処理について、
図7に基づいて説明する。
図7は、提供処理のフローチャートである。提供処理は、第1端末100にインセンティブ情報を送信することで、第1ユーザ10にインセンティブを提供するための処理である。提供処理は、制御部301が通信部302によって申し込み情報を第2端末200から受信すると実行が開始される。
【0046】
提供処理においては、まずS201において申し込み情報が取得される。具体的には、制御部301は、申し込み情報に基づいて、第2ユーザ20が利用を申し込んだ特定サービスのサービスIDを取得する。次にS202において、インセンティブ情報が生成される。具体的には、制御部301は、サービス情報DB305に格納されているサービス情報から、取得したサービスIDに対応するインセンティブをインセンティブフィールドから取得する。そして、制御部301は、インセンティブ情報を生成する。そして、S203において、インセンティブ情報が第1端末100に送信される。そして、提供処理は終了される。
【0047】
以上説明したように、第2ユーザ20が特定サービスを利用した場合に、第1ユーザ10にインセンティブが提供される。このように、第2ユーザ20に一時使用サービスを利用させて特定車両11を一時使用させればさせるほど、第1ユーザ10はインセンティブを得る機会が多くなる。したがって、第1ユーザ10は、第2ユーザ20に一時使用サービスを利用させて特定車両11を一時使用させることを促される。これにより、第2ユーザ20が特定車両11を一時使用する機会が多くなる。そうすると、第2ユーザ20が移動を多く行うこととなり、特定サービスを利用する機会が多くなることになる。その結果、第2ユーザ20に特定サービスの利用を効率的に促すことが可能となる。
【0048】
(変形例)
本実施形態においては、管理サーバ300は、第1ユーザ10にインセンティブを提供する。なお、管理サーバ300は、第2ユーザ20が特定サービスを利用した場合に、特定サービスに関するインセンティブを第2ユーザ20に提供してもよい。ここで、特定サービスに関するインセンティブは、例えば、第2ユーザ20が利用した特定サービスに関するインセンティブである。第2ユーザ20が特定サービスを利用して貸与サービスの利用を開始した場合、貸与サービスの利用料を割引くことを第2ユーザ20に提供されるインセンティブとしてもよい。また、第2ユーザ20に提供されるインセンティブは、第2ユーザが利用した、移動に関連する情報の提供または移動に関連した手続きの代行を行うプラットフォームサービスに関する利用料金の割引であってもよい。これにより、第2ユーザ20に特定サービスを利用することを促すことができる。このようにしても、移動に関連するサービスの利用をユーザに効率的に促すことができる。
【0049】
<その他の実施形態>
上述の実施形態はあくまでも一例であって、本開示はその要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施し得る。また、本開示において説明した処理および手段は、技術的な矛盾が生じない限りにおいて、自由に組み合わせて実施することができる。
【0050】
また、1つの装置が行うものとして説明した処理が、複数の装置によって分担して実行されてもよい。あるいは、異なる装置が行うものとして説明した処理が、1つの装置によって実行されても構わない。コンピュータシステムにおいて、各機能をどのようなハードウェア構成(サーバ構成)によって実現するかは柔軟に変更可能である。
【0051】
本開示は、上記の実施形態で説明した機能を実装したコンピュータプログラムをコンピュータに供給し、当該コンピュータが有する1つ以上のプロセッサがプログラムを読み出して実行することによっても実現可能である。このようなコンピュータプログラムは、コンピュータのシステムバスに接続可能な非一時的なコンピュータ可読記憶媒体によってコンピュータに提供されてもよいし、ネットワークを介してコンピュータに提供されてもよい。非一時的なコンピュータ可読記憶媒体は、例えば、磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスク、またはハードディスクドライブ(HDD)等)、光ディスク(CD-ROM、DVDディスク、またはブルーレイディスク等)など任意のタイプのディスク、読み込み専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、EPROM、EEPROM、磁気カード、フラッシュメモリ、または光学式カードのような、電子的命令を格納するために適した任意のタイプの媒体を含む。
【符号の説明】
【0052】
1・・提案システム
10・・第1ユーザ
11・・特定車両
20・・第2ユーザ
100・・第1端末
200・・第2端末
300・・サーバ
301・・制御部
302・・通信部
303・・車両情報DB
304・・ユーザ情報DB
305・・サービス情報DB