(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022190294
(43)【公開日】2022-12-26
(54)【発明の名称】コンベア装置及びこれを備えた振分装置
(51)【国際特許分類】
B65G 21/12 20060101AFI20221219BHJP
B65G 47/46 20060101ALI20221219BHJP
【FI】
B65G21/12 B
B65G47/46 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021098557
(22)【出願日】2021-06-14
(71)【出願人】
【識別番号】000208444
【氏名又は名称】大和製衡株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】特許業務法人 有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】川野 良二
(72)【発明者】
【氏名】酒井 佳央
【テーマコード(参考)】
3F015
【Fターム(参考)】
3F015AA06
3F015FA02
3F015GA01
(57)【要約】
【課題】 幅方向に並んで配置されるコンベア間の間隔の変更作業を容易に行うことができるコンベア装置及びこれを備えた振分装置を提供する。
【解決手段】 物品の搬送方向(矢印a方向)に対して垂直な水平方向に並んで配置された複数のコンベアと、各々のコンベアに対応して設けられ、コンベアを下方から支持する複数の架台50a,50bと、複数の架台50a,50bを載置して固定する土台部90と、を備え、土台部90は、コンベアの並び方向(矢印b方向)における架台50a,50bの位置を変更可能に固定できるよう構成されている。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品の搬送方向に対して垂直な水平方向に並んで配置された複数のコンベアと、
各々の前記コンベアに対応して設けられ、前記コンベアを下方から支持する複数の架台と、
前記複数の架台を載置して固定する土台部と、
を備え、
前記土台部は、
前記コンベアの並び方向における前記架台の位置を変更可能に固定できるよう構成された、
コンベア装置。
【請求項2】
前記土台部は、
前記コンベアの並び方向に延びて前記複数の架台が載置され、互いに前記搬送方向に離れて設置される複数の載置台を有し、
前記架台は、
その下端部分に前記搬送方向に延びて前記複数の載置台上に載置される被載置部を有しており、
前記架台の前記被載置部と、前記被載置部が取り付けられる前記載置台の所定の取付部とをボルトを用いて締結するよう構成され、前記載置台の前記取付部に、前記ボルトが挿入され、かつ前記ボルトが前記コンベアの並び方向に移動可能な長穴が設けられた、
請求項1に記載のコンベア装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載のコンベア装置と、
前記コンベア装置の各々のコンベアに対応して設けられ、前記コンベアで搬送される物品を前記コンベア上から排除する複数の振分手段と、
を備え、
各々の前記振分手段は、対応する前記コンベアを支持する架台に取り付けられた、
振分装置。
【請求項4】
前記コンベア装置は、複数の前記コンベアとして、第1及び第2のコンベアを備えており、
前記複数の振分手段として、前記第1のコンベアで搬送される物品を前記第1のコンベア上から前記第2のコンベアとは反対側へ排除する第1の振分手段と、前記第2のコンベアで搬送される物品を前記第2のコンベア上から前記第2のコンベアとは反対側へ排除する第2の振分手段とを有する、
請求項3に記載の振分装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、重量選別機等に用いられるコンベア装置及びこれを備えた振分装置に関する。
【背景技術】
【0002】
農水産物等の物品は、例えば、その重量に応じたランクに選別され、同じランクのものが箱詰めあるいは袋詰めされることがある。このように、物品をその重量に応じたランクに選別する際に、重量選別機が使用されている。
【0003】
従来の重量選別機では、例えば、物品を一方向へ搬送しながら物品の重量を計量する計量コンベアと、計量コンベアの下流側において計量コンベアで計量された物品の重量に応じて物品を振り分ける振分装置とを備えている。振分装置は、例えば、物品を一方向へ搬送するコンベアと、振分アーム等の振分手段とを備えている。
【0004】
また、従来、計量コンベアと振分装置とを複数列備えた多連式の重量選別機も存在する(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来、例えば魚等の物品を扱う多連式の重量選別機において、例えば、魚等の物品の種類が変更されることなどによって物品の大きさが変更されたときに、隣接する列の物品どうしが搬送中に接触することがないように魚等の物品の大きさに応じて、複数列の計量コンベア間の間隔が変更される場合がある。また、周囲の作業スペースの変更等によっても複数列の計量コンベア間の間隔が変更される場合がある。このように、複数列の計量コンベア間の間隔が変更された場合には、その間隔に応じて振分装置の複数のコンベア間の間隔も変更しなければならない。
【0007】
この振分装置のように幅方向に複数並んで配置されたコンベアを備えた装置では、従来、例えば、1つの大きな架台上に複数のコンベアを並べて設置していることがあるが、コンベア間の間隔を変更する場合には、コンベアおよびその駆動モータ等も架台から取り外して変更しなければならず、煩雑な作業となり、作業時間も長くなるという問題がある。複数列のコンベア間の間隔の変更作業の容易化が望まれている。
【0008】
本発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、幅方向に並んで配置されるコンベア間の間隔の変更作業を容易に行うことができるコンベア装置及びこれを備えた振分装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明のある態様に係るコンベア装置は、物品の搬送方向に対して垂直な水平方向に並んで配置された複数のコンベアと、各々の前記コンベアに対応して設けられ、前記コンベアを下方から支持する複数の架台と、前記複数の架台を載置して固定する土台部と、を備え、前記土台部は、前記コンベアの並び方向における前記架台の位置を変更可能に固定できるよう構成されている。
【0010】
この構成によれば、土台部がコンベアの並び方向における架台の位置を変更可能に固定できるよう構成されているので、幅方向(物品の搬送方向に対して垂直な水平方向)に並んで配置されるコンベア間の間隔の変更作業を容易に行うことができる。
【0011】
また、前記土台部は、前記コンベアの並び方向に延びて前記複数の架台が載置され、互いに前記搬送方向に離れて設置される複数の載置台を有し、前記架台は、その下端部分に前記搬送方向に延びて前記複数の載置台上に載置される被載置部を有しており、前記架台の前記被載置部と、前記被載置部が取り付けられる前記載置台の所定の取付部とをボルトを用いて締結するよう構成され、前記載置台の前記取付部に、前記ボルトが挿入され、かつ前記ボルトが前記コンベアの並び方向に移動可能な長穴が設けられていてもよい。
【0012】
また、本発明のある態様に係る振分装置は、上記のコンベア装置と、前記コンベア装置の各々のコンベアに対応して設けられ、前記コンベアで搬送される物品を前記コンベア上から排除する複数の振分手段と、を備え、各々の前記振分手段は、対応する前記コンベアを支持する架台に取り付けられている。
【0013】
この構成によれば、コンベア間の間隔を変更する際、架台間の間隔を変更すれば、振分手段も架台とともに移動するので、振分手段の取り付け位置を変更しなくてもよい。
【0014】
また、前記コンベア装置は、複数の前記コンベアとして、第1及び第2のコンベアを備えており、前記複数の振分手段として、前記第1のコンベアで搬送される物品を前記第1のコンベア上から前記第2のコンベアとは反対側へ排除する第1の振分手段と、前記第2のコンベアで搬送される物品を前記第2のコンベア上から前記第2のコンベアとは反対側へ排除する第2の振分手段とを有するようにしてもよい。
【0015】
この構成によれば、第1及び第2のコンベア間の間隔を狭くでき、第1及び第2のコンベアのそれぞれを支持する架台間の間隔を狭くでき、これらの架台を載置する土台部の小型化を図ることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、以上に説明した構成を有し、幅方向に並んで配置されるコンベア間の間隔の変更作業を容易に行うことができるコンベア装置及びこれを備えた振分装置を提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1(A)は、本実施形態の一例の振分装置を備えた重量選別機を上方から視た概略構成を示す模式図であり、
図1(B)は、同重量選別機を側方から視た概略構成を示す模式図である。
【
図2】
図2は、振分装置を上から見た平面図である。
【
図3】
図3(A)は、振分装置の側面図であり、
図3(B)は、振分装置の2つの架台のフレームワーク及び土台部を示す模式図であり、
図3(C)は、1つの架台のフレームワークを示す模式図である。
【
図4】
図4は、振分装置を振分コンベアの搬送方向の下流側から見た拡大図である。
【
図5】
図5は、架台及び土台部を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。なお、以下では全ての図面を通じて同一又は相当する要素には同一の参照符号を付して、その重複する説明を省略する場合がある。また、図面は理解しやすくするために、それぞれの構成要素を模式的に示したもので、形状及び寸法比等については正確な表示ではない場合がある。また、本発明は、以下の実施形態に限定されない。
【0019】
(本実施形態)
図1(A)は、本実施形態の一例の振分装置を備えた重量選別機を上方から視た概略構成を示す模式図であり、
図1(B)は、同重量選別機を側方から視た概略構成を示す模式図である。
【0020】
まず、本実施形態の一例の振分装置100を備えた重量選別機の概略について説明する。この重量選別機は、例えば果物や魚介類等の農水産物等の物品を所定数の重量ランクに選別するものであり、2台の送り込みコンベア1と、それぞれロードセル等からなる重量センサ2aにより支持された2台の計量コンベア2と、2台の振分コンベア3及び振分アーム8,9等を備えた振分装置100と、電装品収納ボックス5と、操作表示器6と、制御装置7とを備えている。そして、各振分コンベア3の周りには、例えば、物品の収容箱(容器)B1~B4が配置される。
【0021】
電装品収納ボックス5には、その前面の上部に操作表示器6が嵌め込まれるようにして取り付けられ、内部に制御装置7が収納されている。操作表示器6は、例えばタッチパネルディスプレイ等を用いて構成され、重量選別機の操作およびその運転条件の設定等を行うための入力手段と、物品の重量値等をディスプレイ画面に表示する表示手段とを備えている。制御装置7は、操作表示器6からの信号を入力するとともに、操作表示器6に表示するデータ等の信号を出力する。
【0022】
制御装置7は、例えばマイクロコンピュータ等によって構成され、重量選別機全体の動作制御を行う。よって、制御装置7は、2台の送り込みコンベア1、2台の計量コンベア2、2台の振分コンベア3、及び振分アーム8,9の動作を制御する。なお、制御装置7は、集中制御する単独の制御装置によって構成されていてもよいし、互いに協働して分散制御する複数の制御装置によって構成されていてもよい。
【0023】
この重量選別機は、それぞれ、送り込みコンベア1、計量コンベア2、及び振分コンベア3からなる複数(ここでは2つ)の搬送ラインCL1,CL2を有する、多連式の重量選別機である。2つの搬送ラインCL1,CL2の送り込みコンベア1、計量コンベア2、及び振分コンベア3のそれぞれは、物品の搬送方向(矢印a方向)に対して垂直な水平方向(コンベアの幅方向)に平行に並んで配置されている。
【0024】
各搬送ラインCL1,CL2において、送り込みコンベア1の前段には例えば供給コンベア(図示せず)が設けられる。この供給コンベアには、作業者または図示しない前段装置から物品が供給され、その物品が送り込みコンベア1へ搬送される。送り込みコンベア1は、供給コンベアによって順次搬送されてくる物品を受け取り、計量コンベア2へ移送する。計量コンベア2は、送り込みコンベア1によって搬送されてくる物品を受け取り、振分コンベア3へ移送する。
【0025】
制御装置7は、各搬送ラインCL1,CL2について、計量コンベア2に取り付けられた重量センサ2aからの計量信号を入力し、例えば送り込みコンベア1と計量コンベア2との間に設けられた物品検出センサ(図示せず)の検出信号に基づいて、所定のタイミングで、重量センサ2aによって計量される計量コンベア2上の物品の重量を取得し、この物品の重量が、予め設定された複数の重量ランクのうちのどのランクに属するかを判定する。そして、判定結果に基づいて後述のアーム駆動装置12(
図2等参照)を制御することによって振分アーム8,9の動作を制御する。
【0026】
ここでは、各搬送ラインCL1,CL2に対して、例えば、第1~第3の3つの規格品の重量ランクと、規格外品の重量ランクとからなる4つの重量ランクが設定されている。これらの重量ランクは、使用者が操作表示器6を操作して設定することができる。
【0027】
例えば、規格品となる重量範囲が、下限重量値WL以上で、上限重量値WU以下の範囲となるように設定し、下限重量値WL未満の範囲及び上限重量値WUを超える範囲が規格外品の重量ランクとなるように設定することができる。そして、規格品となる重量範囲を3つに分割して第1~第3の重量ランクを設定することができる。
【0028】
例えば、第1の重量ランクの物品が収容箱B1に収容され、第2の重量ランクの物品が収容箱B2に収容され、第3の重量ランクの物品が収容箱B3に収容される、というように、各収容箱B1~B3に対応する位置の振分アーム8,9を動作させることにより、第1~第3の重量ランクの物品が収容箱B1~B3に収容される。
【0029】
例えば、第1搬送ラインCL1において、第1の重量ランクの物品の場合には、収容箱B1に対応する振分アーム8が二点鎖線で示すように回動軸10を中心に回動して第1搬送ラインCL1の振分コンベア3上へ進出することにより、同振分コンベア3上を矢印a方向へ搬送される物品が収容箱B1へ収容される。また、第2搬送ラインCL2において、第2の重量ランクの物品の場合には、収容箱B2に対応する振分アーム9が二点鎖線で示すように回動軸10を中心に回動して第2搬送ラインCL2の振分コンベア3上へ進出することにより、同振分コンベア3上を矢印a方向へ搬送される物品が収容箱B2へ収容される。規格外品の重量ランクに属する物品に対しては、いずれの搬送ラインCL1,CL2においても振分アーム8,9を動作させないことで、規格外品収容箱B4へ収容させる。
【0030】
上述のように、本例では、第1搬送ラインCL1の振分コンベア3に対応して設けられた振分アーム8は、同振分コンベア3で搬送される物品を第2搬送ラインCL2の振分コンベア3とは反対側へ排除するよう構成されている。また、第2搬送ラインCL2の振分コンベア3に対応して設けられた振分アーム9は、同振分コンベア3で搬送される物品を第1搬送ラインCL1の振分コンベア3とは反対側へ排除するよう構成されている。
【0031】
なお、制御装置7が各振分アーム8,9を動作させるタイミングを正確に制御するために、各搬送ラインCL1,CL2において計量コンベア2の搬出端や振分コンベア3の中途等に物品検出センサを設け、その検出信号を制御装置7へ入力するように構成することができる。
【0032】
次に、振分装置100の具体例の詳細について説明する。
図2は、振分装置100を上から見た平面図である。また、
図3(A)は、振分装置100の側面図であり、
図3(B)は、振分装置100の2つの架台50のフレームワーク及び土台部90を示す模式図であり、
図3(C)は、1つの架台50のフレームワークを示す模式図である。また、
図4は、振分装置100を振分コンベア3の搬送方向の下流側から見た拡大図である。
【0033】
この振分装置100は、各搬送ラインCL1,CL2の振分コンベア3、各振分コンベア3を動作させる駆動装置(モータ3M及び駆動伝達部3S)、複数の振分アーム8,9、各振分アーム8,9を動作させるアーム駆動装置12(12A,12B:
図4参照)、各振分アーム8,9に対応して設けられた排出シュート40、各搬送ラインCL1,CL2の振分コンベア3等を支持する2つの架台50(50a,50b)、及び、2つの架台50を載せる土台部90等を備えている。なお、排出シュート40には、振分コンベア3からの物品の飛出しを防止するための飛出し防止板40a(
図3(A)、
図4)が付加されている。また、2つの振分コンベア3の互いに隣接する側のサイドフレーム34,35には、振分コンベア3の略全長にわたって飛出し防止板41(
図4)が取り付けられている。これらの飛出し防止板40a,41は
図2では図示されていない。
【0034】
振分コンベア3は、物品を所定の水平方向(矢印a方向)へ搬送するベルトコンベアであり、搬送方向(矢印a方向)の上流側の駆動プーリ31、下流側の従動プーリ32、平ベルトからなる無端のベルト33、搬送方向に延びて対向配置された一対のサイドフレーム34,35(
図4)、サイドフレーム34,35間を連結する棒状の複数の連結部36(
図4)等を備えている。
図4に示すように、各サイドフレーム34,35は、例えば、断面L字状のL型アングル等で構成され、鉛直部34a,35a及び水平部34b,35bを有している。
【0035】
駆動プーリ31及び従動プーリ32は、サイドフレーム34,35の搬送方向両端部に回転可能に取り付けられ、プーリ31,32間には、搬送用のベルト33が巻きかけられている。すなわち、搬送用の無端のベルト33は、駆動プーリ31および従動プーリ32にまたがって巻き回されている。駆動プーリ31は駆動伝達部3Sを介してモータ(駆動モータ)3Mによって回転駆動させられる。駆動伝達部3Sは、そのカバー部材が図示され、その内部を図示してしないが、周知の構成とすることができ、例えば、モータ3Mの回転が伝達されるプーリと駆動プーリ31の一端に設けられたプーリとの間にタイミングベルトが巻き掛けられて構成されている。モータ3Mは、振分コンベア3の搬送方向上流端側において架台50に固定されている。
【0036】
図2に示すように、振分アーム8は、一方の搬送ラインCL1の振分コンベア3の幅方向の一方側の側方に所定間隔をおいて搬送方向に並んで複数配置され、振分アーム9は、他方の搬送ラインCL2の振分コンベア3の幅方向の他方側の側方に所定間隔をおいて搬送方向に並んで複数配置されている。
【0037】
図4に示すように、振分アーム8,9の各々は、上下方向に延びる回動軸10と、回動軸10の上端に固定され回動軸10が回動されることによって振分コンベア3上から物品を排除するアーム部11とを有している。なお、アーム部11は、例えば
図2で振分アーム8,9として図示された部分である。そして、振分アーム8,9の各々に対して、振分コンベア3の下方に配置されたアーム駆動装置12(12A,12B)が設けられている。
【0038】
アーム駆動装置12は、回動軸10が貫通する天面板13aを有する略直方体形状の筐体13を有し、この筐体13内に振分アーム8,9の回動軸10を回動させる駆動部が収納されている。この駆動部は、例えば、エアシリンダまたはモータ等を用いて回動軸10を正逆回動させる公知の構成とすることができる。
【0039】
なお、振分アーム8のアーム駆動装置12Aと、振分アーム9のアーム駆動装置12Bとは、各振分コンベア3上から物品を排除させる振分アーム8,9の動作(例えば
図1(A)の二点鎖線で示される動作)において、振分アーム8の回動軸10と振分アーム9の回動軸10とを逆方向に回動させるように構成されている。
【0040】
本例では、各振分アーム8のアーム駆動装置12Aは、その筐体13の底面板13bが架台50aの支持フレーム51上にボルト等(図示せず)で固定されており、天面板13a上に、搬送ラインCL1の振分コンベア3の一方のサイドフレーム34の水平部34bがボルト等(図示せず)で固定されている。また、上記振分コンベア3の他方のサイドフレーム35は、その水平部35bが、架台50aの支持フレーム52上に搬送方向に並んで配置される複数の支柱38によって支持されている。
【0041】
同様に、各振分アーム9のアーム駆動装置12Bは、その筐体13の底面板13bが架台50bの支持フレーム52上にボルト等(図示せず)で固定されており、天面板13a上に、搬送ラインCL2の振分コンベア3の一方のサイドフレーム35の水平部35bがボルト等(図示せず)で固定されている。また、上記振分コンベア3の他方のサイドフレーム34は、その水平部34bが、架台50bの支持フレーム51上に搬送方向に並んで配置される複数の支柱38によって支持されている。
【0042】
このように、各振分コンベア3は、各架台50上で複数のアーム駆動装置12A,12Bの筐体13と複数の支柱38によって支持されている。つまり、各振分コンベア3は、各架台50によって下方から支持される。
【0043】
また、各振分アーム8,9に対して排出シュート40が設けられている。この排出シュート40は、振分アーム8,9によって振分コンベア3上から排除される物品を、アーム駆動装置12A,12Bを避けて下方へ滑落させる傾斜面を有している。よって、振分アーム8,9によって振分コンベア3上から排除される物品を排出シュート40上を滑落させることにより、振分コンベア3の側方へ延びて配置されたアーム駆動装置12A,12Bと衝突させずに、例えば収容箱B1~B3へ収容することができる。
【0044】
本実施形態では、
図3に示すように、搬送ラインCL1,CL2の各振分コンベア3等を下方から支持する2つの架台50(50a,50b)が土台部90上に取り付けられている。各架台50は、
図3(C)に示すように、振分コンベア3の搬送方向(矢印a方向)に延びて平行に配置された支持フレーム51,52と、2つの支持フレーム51,52の両端同士を連結する連結フレーム53,54と、2つの支持フレーム51,52の両端を支持する4つの支柱フレーム55~58と、支柱フレーム55~58の下端部間を連結する下部フレーム59~62とを備えている。各フレーム51~62は、例えば等辺アングル等で構成でき、溶接等によって接続されている。各架台50(50a,50b)は、直方体形状の辺をなすフレーム51~62を有する構成であり、必要に応じて、補強のためのフレーム等の部材が付加されていてもよい。
【0045】
土台部90は、互いに振分コンベア3の搬送方向(矢印a方向)に離れて配置された複数(本例では2つ)の載置台90a,90bによって構成されている。
【0046】
図5は、2つの架台50(50a,50b)および土台部90を斜め下方から見た斜視図である。
【0047】
土台部90を構成する各載置台90a,90bは、複数の振分コンベア3の並び方向(矢印b方向)に延びて設置される載置本体部91と、この載置本体部91の下部に取り付けられた高さ調整用のアジャスタからなる2本の脚92とを備えている。また、載置本体部91は、上部フレーム91aと、下部フレーム91bと、これら上部フレーム91aと下部フレーム91bとを連結する垂直フレーム91c~91fとを有している。上部フレーム91a、下部フレーム91b及び垂直フレーム91c~91fのそれぞれの接続箇所は溶接等によって接続されている。上部フレーム91aは、複数の架台50a、50bが載置されて取り付けられる取付部となる。下部フレーム91bには、2本の脚92が高さ調整可能に取り付けられている。
【0048】
各載置台90a,90bの上部フレーム91aには、2つの架台50a,50bを取り付けるために2つの振分コンベア3の並び方向(矢印b方向)に長い長穴93,94が2個ずつ設けられている。これらの長穴93,94は、その長穴に通されるボルトBTの軸部がその長穴の長手方向(振分コンベア3の並び方向)に移動可能な大きさに形成されている。
【0049】
各載置台90a,90bの2個の長穴93にそれぞれボルトBTを通して、架台50aの下部フレーム(被載置部)59,60と各載置台90a,90bの上部フレーム(取付部)91aとをボルトBTを用いて締結することにより、載置台90a,90b上に架台50aが固定される。例えば、架台50aの各下部フレーム59,60には、その長手方向に離れた2か所の所定位置にボルトBTと螺合するねじ穴(図示せず)が設けられている。ボルトBTを緩めて架台50aを矢印b方向にずらしてボルトBTを締めなおすことにより、複数の振分コンベア3の並び方向(矢印b方向)における架台50aの位置を変更することができる。
【0050】
同様に、各載置台90a,90bの2個の長穴94にそれぞれボルトBTを通して、架台50bの下部フレーム59,60と各載置台90a,90bの上部フレーム91aとをボルトBTで固定することにより、載置台90a,90b上に架台50bが固定される。例えば、架台50bの各下部フレーム59,60には、その長手方向に離れた2か所の所定位置にボルトBTと螺合するねじ穴(図示せず)が設けられている。ボルトBTを緩めて架台50bを矢印b方向にずらしてボルトBTを締めなおすことにより、複数の振分コンベア3の並び方向(矢印b方向)における架台50bの位置を変更することができる。
【0051】
なお、本例では、各架台50a,50bの下部フレーム59,60にボルトBTと螺合するねじ穴(図示せず)を設けているが、これに代えて、下部フレーム59,60にボルトBTの軸部を挿入する貫通穴を設け、ボルトBTとナットを用いて、架台50a,50bの下部フレーム59,60と各載置台90a,90bの上部フレーム91aとを固定するようにしてもよい。
【0052】
本実施形態では、架台50a,50bの被載置部(下部フレーム59,60)と、この被載置部が取り付けられる載置台90a,90bの所定の取付部(上部フレーム91a)とをボルトBTを用いて締結するよう構成され、載置台90a,90bの上記取付部(上部フレーム91a)に、ボルトBTが挿入され、かつボルトBTが振分コンベア3の並び方向(矢印b方向)に移動可能な長穴93,94が設けられている。このようにして、土台部90が振分コンベア3の並び方向(矢印b方向)における架台50a,50bの位置を変更可能に固定できるよう構成されているので、土台部90上の架台50a,50bの位置を変更することで、振分コンベア3の幅方向(矢印b方向)に並んで配置される振分コンベア3,3間の間隔の変更作業を容易に行うことができる。よって、搬送される物品の大きさが変更されること等に応じて振分コンベア3,3間の間隔の変更が容易である。例えば、搬送される物品が魚の場合に、サイズの小さい種類の魚から大きい種類の魚に変更された場合に、隣接する振分コンベア3,3上の魚どうしが接触しないように振分コンベア3,3間の間隔を広くするために、架台50a,50b間の間隔を広くすることが容易である。また、振分装置100周辺の作業スペースを広くするために、振分コンベア3が載置された架台50a,50b間の間隔を狭くすることも容易である。
【0053】
また、振分装置100において、搬送ラインCL1の振分コンベア3に対応する振分手段(振分アーム8及びアーム駆動装置12A)が架台50aに取り付けられ、搬送ラインCL2の振分コンベア3に対応する振分手段(振分アーム9及びアーム駆動装置12B)が架台50bに取り付けられているので、振分コンベア3,3間の間隔を変更する際、架台50a,50b間の間隔を変更すれば、上記振分手段も架台50a,50bとともに移動するので、振分手段の取り付け位置を変更しなくてもよい。
【0054】
また、本実施形態では、搬送ラインCL1の振分コンベア3に対応する振分アーム8は、同振分コンベア3上の物品を搬送ラインCL2の振分コンベア3とは反対側へ排除し、搬送ラインCL2の振分コンベア3に対応する振分アーム9は、同振分コンベア3上の物品を搬送ラインCL1の振分コンベア3とは反対側へ排除するよう構成されているので、2つの振分コンベア3,3間の間隔を狭くでき、2つの振分コンベア3,3のそれぞれを支持する架台50a,50b間の間隔を狭くでき、これらの架台50a,50bを載置する載置台90a,90bの長さを短くし、土台部90の小型化を図ることができる。
【0055】
なお、本実施形態では、振分アーム(8,9)が振分コンベア3の側方において振分コンベア3の搬送方向に並んで複数配置されているが、各振分コンベア3に1個だけ配置された構成も可能である。なお、振分コンベア3の機長(搬送方向の長さ)は、振分アームの個数等に応じて適宜変更されてよい。また、振分コンベア3の機長がより長くなると、土台部90を構成する載置台を3個以上備えるようにしてもよい。
【0056】
また、本実施形態における複数の架台、及び複数の載置台からなる土台部の構成は、振分装置に用いられる複数のコンベア(振分コンベア3)に限らず、並行に配置される他の複数のコンベアにも適用することができる。
【0057】
なお、本実施形態では、送り込みコンベア1、計量コンベア2、及び振分コンベア3に、ベルトコンベアを用いたが、搬送する物品の種類等によっては、ローラコンベア等を用いてもよい。
【0058】
上記説明から、当業者にとっては、本発明の多くの改良や他の実施形態が明らかである。従って、上記説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本発明を実行する最良の態様を当業者に教示する目的で提供されたものである。本発明の精神を逸脱することなく、その構造及び/又は機能の詳細を実質的に変更できる。
【産業上の利用可能性】
【0059】
本発明は、幅方向に並んで配置されるコンベア間の間隔の変更作業を容易に行うことができるコンベア装置及びこれを備えた振分装置等として有用である。
【符号の説明】
【0060】
3 振分コンベア
8,9 振分アーム
12 アーム駆動装置
50,50a,50b 架台
59,60 下部フレーム(被載置部)
90 土台部
90a,90b 載置台
91a 上部フレーム(取付部)
93,94 長穴
100 振分装置