(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022190327
(43)【公開日】2022-12-26
(54)【発明の名称】芯チャックおよび棒状化粧材繰出容器
(51)【国際特許分類】
A45D 40/20 20060101AFI20221219BHJP
【FI】
A45D40/20 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021098599
(22)【出願日】2021-06-14
(71)【出願人】
【識別番号】000252090
【氏名又は名称】鈴野化成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002468
【氏名又は名称】特許業務法人後藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大庭 淳
(57)【要約】
【課題】棒状化粧材の折れや抜けを抑制する。
【解決手段】芯チャック30は、棒状化粧材2の外周面を保持する保持片31と、保持片が立設する棒軸部32と、棒軸部32から軸方向に沿って棒状化粧材2の外周面が露出される隙間部33と、を備え、保持片31は、棒状化粧材2の軸方向に沿って延びる支持柱31aと、支持柱31aから棒状化粧材2の外周面に沿って延びる保持膜31bと、を有し、隙間部33が設けられることによって、保持片31は、棒状化粧材2を取り囲む周方向において分断されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
棒状化粧材繰出容器内において棒状化粧材を保持する芯チャックであって、
前記棒状化粧材の外周面を保持する保持片と、
前記保持片が立設するベース部と、
前記ベース部から軸方向に沿って前記棒状化粧材の外周面が露出される隙間部と、を備え、
前記保持片は、
前記棒状化粧材の軸方向に沿って延びる支持柱と、
前記支持柱から前記棒状化粧材の外周面に沿って延びる保持膜と、を有し、
前記隙間部が設けられることによって、前記保持片は、前記棒状化粧材を取り囲む周方向において分断されていることを特徴とする芯チャック。
【請求項2】
前記保持膜の径方向における厚さは、前記支持柱の径方向における厚さよりも極薄であることを特徴とする請求項1に記載の芯チャック。
【請求項3】
前記ベース部には単一の前記保持片が立設し、
前記保持片には少なくとも1つの前記支持柱が設けられ、
前記保持片の周方向両端部には前記保持膜がそれぞれ設けられ、
前記隙間部は、前記保持膜の先端間に形成されることを特徴とする請求項1または2に記載の芯チャック。
【請求項4】
前記ベース部には単一の前記保持片が立設し、
前記保持片の周方向一方の端部には前記保持膜が設けられ、
前記保持片の周方向他方の端部には前記支持柱が設けられ、
前記隙間部は、前記保持膜の先端と前記支持柱との間に形成されることを特徴とする請求項1または2に記載の芯チャック。
【請求項5】
前記ベース部には複数の前記保持片が立設し、
前記隙間部は、隣り合う前記保持片の前記保持膜の先端間、隣り合う前記保持片の前記保持膜の先端と前記支持柱との間、または、隣り合う前記保持片の前記支持柱間に形成されることを特徴とする請求項1または2に記載の芯チャック。
【請求項6】
前記保持片には少なくとも1つの前記支持柱が設けられ、
前記保持片の周方向両端部には前記保持膜がそれぞれ設けられることを特徴とする請求項5に記載の芯チャック。
【請求項7】
前記保持片の周方向一方の端部には前記保持膜が設けられ、
前記保持片の周方向他方の端部には前記支持柱が設けられることを特徴とする請求項5に記載の芯チャック。
【請求項8】
前記保持片には、少なくとも2つの前記支持柱が設けられ、
前記保持片の周方向両端部には前記支持柱がそれぞれ設けられ、
前記支持柱間には、前記保持膜が設けられることを特徴とする請求項5に記載の芯チャック。
【請求項9】
前記保持片は、前記棒状化粧材の軸心を中心として周方向に等間隔で配置されることを特徴とする請求項5から8の何れか1つに記載の芯チャック。
【請求項10】
前記支持柱は、基端部が前記ベース部に結合されており、
前記保持膜と前記ベース部との間にはスリットが設けられていることを特徴とする請求項1から9の何れか1つに記載の芯チャック。
【請求項11】
前記棒状化粧材が進退可能である貫通孔を有する先筒と、
前記先筒に相対回転可能に組み付けられる基筒と、
前記先筒と前記基筒との相対回転によって、請求項1から10の何れか1つに記載の前記芯チャックにより保持された前記棒状化粧材を、前記先筒の前記貫通孔の先端開口から進退させる繰出機構と、を備え、
前記先筒の前記貫通孔には、前記芯チャックを軸方向に沿って案内する案内溝が設けられ、
前記案内溝内には、前記保持片の前記支持柱が位置していることを特徴とする棒状化粧材繰出容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、芯チャックおよび棒状化粧材繰出容器に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、棒状化粧材を保持する芯チャックを備えた棒状化粧材繰出容器が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年の技術革新によって、アイライナー等の化粧料は、より柔らかく、より極細に製造可能となっている。一方で、柔らかく且つ極細に形成された棒状化粧材は、外径の寸法誤差が大きくなる傾向がある。このため、軟らかく且つ極細に形成された棒状化粧材を、例えば、特許文献1に記載のような剛性が高い保持片を有する芯チャックによって保持させた場合、棒状化粧材の外径が設計値よりも僅かに小さいと十分な把持力で棒状化粧材を保持することができず、棒状化粧材が抜け落ちてしまうおそれがある。また、外径が設計値よりも僅かに大きいと棒状化粧材に作用する把持力が過大となって、棒状化粧材に割れが生じたり、棒状化粧材が折れたりするおそれがある。
【0005】
本発明は、このような技術的課題に鑑みてなされたものであり、棒状化粧材の折れや抜けを抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、棒状化粧材繰出容器内において棒状化粧材を保持する芯チャックであって、前記棒状化粧材の外周面を保持する保持片と、前記保持片が立設するベース部と、前記ベース部から軸方向に沿って前記棒状化粧材の外周面が露出される隙間部と、を備え、前記保持片は、前記棒状化粧材の軸方向に沿って延びる支持柱と、前記支持柱から前記棒状化粧材の外周面に沿って延びる保持膜と、を有し、前記隙間部が設けられることによって、前記保持片は、前記棒状化粧材を取り囲む周方向において分断されている。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、棒状化粧材の折れや抜けを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る芯チャックを備えた棒状化粧材繰出容器の断面図であり、(a)は、芯チャックが後退限に位置した状態を示し、(b)は、
図1(a)におけるIB-IB線に沿う断面図であり、芯チャックが前進限に位置した状態を示し、(c)は、
図1(b)におけるIC-IC線に沿う断面図であり、棒状化粧材が芯チャックに差し込まれる前の状態を示し、(c’)は、
図1(c)に相当する断面図であり、棒状化粧材が芯チャックに差し込まれた後の状態を示し、(d)は、
図1(b)におけるID-ID線に沿う断面図であり、(e)は、
図1(b)におけるIE-IE線に沿う断面図である。
【
図2】
図1に示す先筒の図であり、(a)は、正面図であり、(b)は、
図2(a)に対応する正面の断面図であり、(c)は、底面を拡大して示した底面拡大図であり、(d)は、
図2(b)におけるIID-IID線に沿う断面図であり、(e)は、
図2(d)におけるIIE-IIE線に沿う断面を拡大して示した拡大断面図である。
【
図3】
図1に示す基筒の図であり、(a)は、軸方向に沿って切断したときの断面図であり、(b)は、
図3(a)におけるIIIB-IIIB線に沿う断面図である。
【
図4】
図1に示す芯チャックの図であり、(a)は、正面図であり、(b)は、側面図であり、(c)は、平面図を拡大して示した図であり、棒状化粧材が芯チャックに差し込まれる前の状態を示し、(d)は、
図4(b)におけるIVD-IVD線に沿う断面を拡大して示した拡大断面図であり、(e)は、
図4(b)におけるIVE-IVE線に沿う断面を拡大して示した拡大断面図であり、(f)は、
図4(b)におけるIVF-IVF線に沿う断面を拡大して示した拡大断面図である。
【
図5】
図1に示す雌ねじ部材の図であり、(a)は、正面図であり、(b)は、平面図であり、(c)は、
図5(b)におけるVC-VC線に沿う断面図である。
【
図6】
図1に示す先筒の変形例を示す図であり、(a)は、正面図であり、(b)は、
図6(a)に対応する正面の断面図であり、(c)は、底面を拡大して示した底面拡大図であり、(d)は、
図6(b)におけるVID-VID線に沿う断面図であり、(e)は、
図6(d)におけるVIE-VIE線に沿う断面を拡大して示した拡大断面図である。
【
図7】
図1に示す芯チャックの変形例を示す図であり、(a)は、正面図であり、(b)は、側面図であり、(c)は、平面図を拡大して示した図であり、棒状化粧材が芯チャックに差し込まれる前の状態を示し、(d)は、
図7(b)におけるVIID-VIID線に沿う断面を拡大して示した拡大断面図であり、(e)は、
図7(b)におけるVIIE-VIIE線に沿う断面を拡大して示した拡大断面図であり、(f)は、
図7(b)におけるVIIF-VIIF線に沿う断面を拡大して示した拡大断面図であり、(g)は、
図6の先筒に芯チャックが挿入された状態の断面図であり、
図1(c)に相当する断面であって、棒状化粧材が芯チャックに差し込まれる前の状態を示し、(g’)は、
図7(g)に相当する断面図であり、棒状化粧材が芯チャックに差し込まれた後の状態を示す。
【
図8】本発明の第1実施形態に係る芯チャックの別の変形例を示す図であり、(a)は、
図7(c)に相当する平面図であり、(b)は、
図7(g’)に相当する断面図であり、(c)は、
図6(e)に相当する断面図である。
【
図9】本発明の第1実施形態に係る芯チャックのさらに別の変形例を示す図であり、(a)は、
図7(c)に相当する平面図であり、(b)は、
図7(g’)に相当する断面図であり、(c)は、
図6(e)に相当する断面図である。
【
図10】本発明の第2実施形態に係る芯チャックを備えた棒状化粧材繰出容器の断面図であり、芯チャックが後退限に位置した状態を示し、(a)は、短軸を通るように軸方向に沿って切断したときの断面図であり、(b)は、長軸を通るように軸方向に沿って切断したときの断面図であり、(c)は、
図10(a)におけるXC-XC線に沿う断面を拡大して示した拡大断面図であり、(d)は、XDで示される部分を拡大して示した拡大図である。
【
図11】本発明の第2実施形態に係る芯チャックを備えた棒状化粧材繰出容器の断面図であり、芯チャックが前進限に位置した状態を示し、(a)は、短軸を通るように軸方向に沿って切断したときの断面図であり、(b)は、長軸を通るように軸方向に沿って切断したときの断面図であり、(c)は、
図11(a)におけるXIC-XIC線に沿う断面を拡大して示した拡大断面図であり、棒状化粧材が芯チャックに差し込まれる前の状態を示し、(c’)は、
図11(c)に相当する断面図であり、棒状化粧材が芯チャックに差し込まれた後の状態を示し、(d)は、
図11(a)におけるXID-XID線に沿う断面を拡大して示した拡大断面図であり、(e)は、
図11(a)におけるXIE-XIE線に沿う断面を拡大して示した拡大断面図である。
【
図12】
図10及び
図11に示す先筒の図であり、(a)は、長軸方向に見た側面図であり、(b)は、
図12(a)に対応する断面図であり、(c)は、短軸方向に見た側面図であり、(d)は、
図12(c)に対応する断面図であり、(e)は、底面を拡大して示した底面拡大図であり、(f)は、
図12(b)におけるXIIF-XIIF線に沿う断面を拡大して示した拡大断面図である。
【
図13】
図10及び
図11に示す基筒の図であり、(a)は、軸方向に沿って切断したときの断面図であり、(b)は、
図13(a)におけるXIIIB-XIIIB線に沿う断面図である。
【
図14】
図10及び
図11に示す芯チャックの図であり、(a)は、長軸方向に見た側面図であり、(b)は、短軸方向に見た側面図であり、(c)は、
図14(b)対応する平面図を拡大して示した図であり、棒状化粧材が芯チャックに差し込まれる前の状態を示し、(d)は、
図14(a)におけるXIVD-XIVD線に沿う断面を拡大して示した拡大断面図であり、(e)は、
図14(a)におけるXIVE-XIVE線に沿う断面を拡大して示した拡大断面図であり、(f)は、
図14(a)におけるXIVF-XIVF線に沿う断面を拡大して示した拡大断面図である。
【
図15】
図10及び
図11に示す雌ねじ部材の図であり、(a)は、正面図であり、(b)は、平面図であり、(c)は、
図15(b)のにおけるXVC-XVC線に沿う断面図である。
【
図16】
図10及び
図11に示す芯チャックの変形例を示す図であり、(a)は、長軸方向に見た側面図であり、(b)は、短軸方向に見た側面図であり、(c)は、
図16(b)対応する平面図を拡大して示した図であり、棒状化粧材が芯チャックに差し込まれる前の状態を示し、(d)は、
図16(a)におけるXVID-XVID線に沿う断面を拡大して示した拡大断面図であり、(e)は、
図16(a)におけるXVIE-XVIE線に沿う断面を拡大して示した拡大断面図であり、(f)は、
図16(a)におけるXVIF-XVIF線に沿う断面を拡大して示した拡大断面図であり、(g)は、先筒に芯チャックが挿入された状態の断面図であり、
図11(c)に相当する断面であって、棒状化粧材が芯チャックに差し込まれる前の状態を示し、(g’)は、
図16(g)に相当する断面図であり、棒状化粧材が芯チャックに差し込まれた後の状態を示す。
【
図17】
図10及び
図11に示す芯チャックの別の変形例を示す図であり、(a)は、
図16(c)に相当する平面図であり、(b)は、
図16(g’)に相当する断面図であり、(c)は、
図12(f)に相当する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
【0010】
<第1実施形態>
まず、
図1から
図5を参照して、本発明の第1実施形態に係る芯チャック30を備えた棒状化粧材繰出容器1(以下、「繰出容器1」という)について説明する。
【0011】
図1に示すように、繰出容器1は、断面形状が略円形状の棒状化粧材2を繰出し可能な容器である。棒状化粧材2は、例えばアイブロウ、アイライナー及びリップライナー等として用いられるものであり、その外径は1.5mm程度に形成されている。
【0012】
図1の(a)は、繰出容器1の断面図であり、後述の芯チャック30が後退限に位置した状態を示し、
図1の(b)は、
図1の(a)のIB-IB線に沿う断面図であり、芯チャック30が前進限に位置した状態を示す。なお、
図1の(b)では、後述のキャップ3を省略して示している。
【0013】
繰出容器1は、棒状化粧材2が進退可能である貫通孔11を有する先筒10と、先筒10に相対回転可能に組み付けられる基筒20と、棒状化粧材2を保持する芯チャック30と、基筒20内に基筒20に対して相対回転不能に設けられる雌ねじ部材40と、貫通孔11の先端開口12を覆い棒状化粧材2を保護するキャップ3と、を備える。以下では、先筒10における貫通孔11の中心軸に沿う方向を「軸方向」と称し、貫通孔11の中心軸周りの方向を「周方向」と称し、貫通孔11の中心軸を中心とする放射方向を「径方向」と称する。
【0014】
繰出容器1では、雌ねじ部材40と芯チャック30とにより棒状化粧材2を軸方向に繰出す繰出機構が構成されており、先筒10と基筒20とを相対回転させると先筒10及び基筒20内で芯チャック30が軸方向に進退し、芯チャック30の進退に応じて棒状化粧材2も進退する。
【0015】
具体的には、使用者が先筒10と基筒20とを順方向に相対回転させたときには、芯チャック30が先筒10の先端開口12に向かって軸方向に移動して棒状化粧材2を前進させる。これにより、先端開口12から棒状化粧材2が繰出される。一方、使用者が先筒10と基筒20とを逆方向に相対回転させたときには、芯チャック30が逆方向に移動して棒状化粧材2を後退させる。これにより、棒状化粧材2が繰戻される。
【0016】
ここで、芯チャック30に保持されるアイライナー等の棒状化粧材2は、近年の技術革新によって、より柔らかく、より極細に製造することが可能となっている。一方で、軟質且つ極細で形成された成形芯は、外径の寸法誤差が大きくなる傾向がある。
【0017】
このため、軟らかく且つ極細に形成された棒状化粧材2を、比較的剛性が高い保持片を有する芯チャックによって保持させた場合、棒状化粧材2の外径が設計値よりも僅かに小さいと十分な把持力で棒状化粧材2を保持することができず、棒状化粧材2が芯チャックから抜け落ちてしまうおそれがある。また、棒状化粧材2の外径が設計値よりも僅かに大きいと棒状化粧材2に作用する把持力が過大となって、棒状化粧材2に割れが生じたり、棒状化粧材2が折れてしまったりするおそれがある。
【0018】
本実施形態に係る芯チャック30を備えた繰出容器1では、後述する構成により、外径の寸法誤差が大きい棒状化粧材2であっても寸法誤差を吸収し、比較的小さい面圧によって棒状化粧材2の外周面を広い範囲に渡って保持することが可能となり、結果として、棒状化粧材2が容器内で折れたり抜けたりすることを抑制することができる。
【0019】
以下、繰出容器1の構成について詳述する。
【0020】
先筒10は、
図2に示すように、軸方向に貫通する貫通孔11が形成された筒状部材であり、使用者が摘む摘部13と、摘部13と軸方向において連続して形成され基筒20内に嵌入される嵌入部14と、を有する。貫通孔11の断面形状は、棒状化粧材2の断面形状と相似しており、略円形状に形成されている。摘部13は、嵌入部14側から先端に向かって徐々に外径が小さくなるように軸方向にテーパ状に形成されている。
【0021】
嵌入部14の外周面には、基筒20に形成された後述の嵌合凹部27(
図3参照)に嵌合する環状の嵌合凸部15と、Oリング4が装着されるOリング溝16が形成される。Oリング4は、使用者の操作感を向上させるために設けられるものであって、先筒10と基筒20との間に圧縮された状態で設けられることで、先筒10と基筒20とを相対回転させる際に適度な抵抗を生じさせる。
【0022】
先筒10の内周面には、径方向内側に向かって突出する凸条17が軸方向に沿って延設されている。凸条17の内周面は、
図2(e)に示すように、軸方向における断面視で略弧状に形成されており、後述のように棒状化粧材2の外周面を軸方向に沿って支持可能な形状となっている。
【0023】
また、先筒10の内周面には、貫通孔11の中心を挟んで凸条17と対向する位置に、芯チャック30を軸方向においてガイドする案内溝18が軸方向に沿って延設されている。凸条17及び案内溝18は、先筒10の後端面19まで形成されている一方、先端開口12には至ることなく、その手前まで形成されている。なお、後端面19側における凸条17の端部17aは後端面19と同一平面上に位置している。
【0024】
基筒20は、
図3に示すように、芯チャック30及び雌ねじ部材40を収容するとともに先筒10の嵌入部14が嵌合される収容孔22を有する有底筒状に形成された部材である。収容孔22には、先筒10の嵌合凸部15が嵌合される環状の嵌合凹部27と、雌ねじ部材40の外周面に形成される後述の縦リブ42が係合するローレット26と、底面へ向かう雌ねじ部材40の移動を規制する段部25と、が開口端側から順に設けられる。
【0025】
また、基筒20の外周面には、
図1に示されるキャップ3の嵌合凸部3aが嵌合される環状の嵌合凹部28と、Oリング5が装着されるOリング溝29が形成される。Oリング5は、キャップ3が基筒20に取り付けられた際に、キャップ3と基筒20とにより圧縮された状態となり、棒状化粧材2が設けられる空間を密封する。これにより棒状化粧材2から揮発成分等が蒸発し、棒状化粧材2が劣化してしまうことが防止される。
【0026】
芯チャック30は、
図4に示すように、棒状化粧材2の外周面を保持する単一の保持片31と、保持片31が立設するベース部としての棒軸部32と、保持片31が設けられていないことによって、棒軸部32から軸方向に沿って棒状化粧材2の外周面が露出された状態となる隙間部33と、を備える。
【0027】
保持片31は、棒状化粧材2の軸方向に沿って延びる支持柱31aと、径方向における厚さが支持柱31aよりも極薄であり支持柱31aから棒状化粧材2の外周面に沿って延び支持柱31aによって支持される一対の保持膜31bと、を有する。これら各部は樹脂によって棒軸部32と一体的に形成される。
【0028】
支持柱31aは、基端部がベース部である棒軸部32に結合されている。
【0029】
保持膜31bは、支持柱31aを挟んで互いに反対の方向に延びる一対の膜状部分であり、
図4(c)に示すように、軸方向における断面視で略弧状にそれぞれ形成される。各保持膜31bの周方向における長さは、それぞれの先端31cが接触しない長さに設定されており、先端31c間には隙間が形成される。このように保持膜31bの先端31c間に形成された隙間が、上述の隙間部33に相当する。
【0030】
換言すれば、単一の保持片31は、周方向両端部に設けられた保持膜31bの先端31c間に、隙間部33に相当する隙間が形成されることによって、棒状化粧材2を取り囲む周方向において分断されることとなる。なお、棒状化粧材2の外周面に沿った方向において、隙間部33が設けられる範囲は、保持片31が設けられる範囲に比べて小さい。
【0031】
保持膜31bの径方向における厚さは、支持柱31aの径方向における厚さの10分の1程度に設定され、具体的には約0.05mmである。
【0032】
一般的に、保持膜31bのような極めて薄い膜状部分を樹脂によって成形する場合、0.1mm以下の厚さにすることは技術的に困難である。本実施形態では、樹脂は、成形時に、厚さが厚いところから薄いところへと流れやすいことを利用し、厚みが厚い支持柱31aから厚みが薄い保持膜31bへと樹脂が流れるようにすることによって、0.05mm程度の極薄の保持膜31bを成形することを可能としている。つまり、支持柱31aは、極薄の保持膜31bを成形するために必須な部位である。なお、保持膜31bよりも厚さが厚い部分である支持柱31aの数を多くするほど、極薄の保持膜31bを成形しやすい。
【0033】
なお、
図1の(c’)に示すように、保持片31に棒状化粧材2が挿入された状態における棒状化粧材2の外周面と貫通孔11の内周面との間の隙間の大きさは、保持膜31bの厚みに応じて設定されるが、この隙間が大きいと、繰出し繰戻しする際に、貫通孔11内において棒状化粧材2が径方向に揺れ動きやすくなり、棒状化粧材2が折れるおそれがある。このため、棒状化粧材2の折損を抑制するためには、保持膜31bの厚さを出来るだけ薄くすることによって、この隙間を小さくすることが好ましい。
【0034】
保持膜31bと支持柱31aとは径方向における厚さが異なっているが、棒状化粧材2の外周面に接することになる支持柱31aと保持膜31bとの接続部の内周面には段差が設けられず、
図4(c)に示すように、棒状化粧材2の外周面に合わせて滑らかな円弧状となっている。
【0035】
また、保持膜31bとベース部である棒軸部32とは直接的に結合されておらず、これらの間には、隙間となるスリット31dが設けられている。
【0036】
このように形成された保持膜31bは、支持柱31aのみによって支持されていることから、支持柱31aを支点として隙間部33の大きさが大きくなる方向に比較的弱い力で変形可能であるとともに、変形量に応じた弾性的な復元力を径方向中心に向かって生じさせることが可能である。なお、スリット31dの幅やスリット31dが設けられる範囲を適宜変更することによって、保持膜31bの変形度合を変更することが可能である。
【0037】
また、隙間部33とスリット31dが設けられることによって、一対の保持膜31bを支持する支持柱31aは、その基端部のみにおいてベース部である棒軸部32に結合された状態となっている。このため、支持柱31aは、基端部を支点として径方向外側へと比較的弱い力によって傾くとともに、傾きに応じた復元力を径方向内側に向かって生じさせることが可能である。
【0038】
このように保持片31は、隙間部33が設けられることによって、棒状化粧材2を取り囲む周方向において分断された状態となっており、さらに、スリット31dが設けられることによって、ベース部である棒軸部32と結合される部分の面積が小さくなっていることから、比較的変形しやすい構造となっている。
【0039】
棒軸部32には、
図4(a)及び(b)に示すように、先筒10の案内溝18に係合する条部35が形成された部分と、雌ねじ部材40(
図5参照)に形成された後述の螺旋溝41に係合する雄ねじ突起37が形成された部分とが、保持片31が設けられる部分から順に設けられる。また、保持片31が立設する棒軸部32の端部には、
図4(c)に示すように、芯チャック30によって保持される棒状化粧材2の下端面に対向する端面32aが形成されている。
【0040】
条部35は、支持柱31aの基端部に連続して軸方向に沿って形成された突出部であり、棒軸部32に所定の範囲に渡って形成される。条部35は、支持柱31aと同様に、周方向において1箇所に形成される。
【0041】
条部35の断面形状は、支持柱31aよりも一回り大きく、先筒10の案内溝18の断面形状と略同じか僅かに小さく形成される。このため、先筒10に挿入された芯チャック30は、条部35が先筒10の案内溝18に摺接することによって、先筒10により軸方向に案内される一方、先筒10に対して回転不能な状態となる。
【0042】
このように先筒10に対する芯チャック30の回転を規制するために設けられた条部35は、先筒10の案内溝18に摺接する大きさであるのに対して、保持片31の支持柱31aは、棒状化粧材2が保持片31により保持されている場合であっても案内溝18に接触しない大きさとなっている。
【0043】
このため、回転が規制される際に生じる反力等の力が保持片31を介して棒状化粧材2に伝達されることが抑制され、結果として、棒状化粧材2が柔らかく且つ極細に形成される場合であっても保持片31やその周辺において棒状化粧材2が折れてしまうことを防止することができる。
【0044】
雄ねじ突起37は、例えばピッチP=1.0mm、リードL=1.0mmの一条ねじの雄ねじの一部分が軸方向に沿って間隔をあけて列状に配置された複数の突起であって、条部35に連続して軸方向に沿って設けられる。雄ねじ突起37のピッチ等の大きさは、棒状化粧材2を微量ずつ繰出すことが可能であれば、これに限定されず、ピッチP=1.0mm、リードL=2.0mmの二条ねじに基づいて形成されたものであってもよい。
【0045】
なお、上述の条部35は、雄ねじ突起37よりも径方向外側に突出して形成されている。このため、芯チャック30が後退する際、条部35が雌ねじ部材40に当接することにより、芯チャック30の後退が制限されることになる。つまり、条部35の端面35aは、芯チャック30の後退限を規定する当接部として機能する。
【0046】
また、棒軸部32には、芯チャック30の前進限を規定する当接部として機能する段部38が設けられる。段部38は、
図4(f)に示すように、保持片31側から芯チャック30を軸方向に沿って見たときに、雄ねじ突起37が形成されている列条部分以外に設けられた段状部分である。このような段部38を、棒軸部32の所定の位置に形成しておくことで、先筒10内を先端開口12に向かって芯チャック30を前進させる際に、先筒10の後端面19に段部38が当接することによって、芯チャック30の前進が制限される。
【0047】
雌ねじ部材40は、
図5に示すように、芯チャック30の雄ねじ突起37が係合する螺旋溝41が軸方向に貫通して形成された樹脂製の筒状部材であり、基筒20内に雌ねじ部材40が挿入された際に基筒20の段部25に当接する後端面44と、基筒20に先筒10が組付けられた際に先筒10の後端面19に当接する前端面43と、を有する。
【0048】
雌ねじ部材40の外周面には、軸方向に延びる4つの縦リブ42が周方向に等間隔で形成されている。縦リブ42は、基筒20の内周面に形成されたローレット26と係合し、雌ねじ部材40が基筒20に対して回転することを防止する回転止めとして機能する。
【0049】
雌ねじ部材40に形成された螺旋溝41に芯チャック30の雄ねじ突起37が螺合した状態で雌ねじ部材40と芯チャック30とを相対回転させると、芯チャック30は雌ねじ部材40に対して軸方向に相対移動する。つまり、芯チャック30の雄ねじ突起37と雌ねじ部材40の螺旋溝41とによって、繰出機構が構成される。
【0050】
次に、繰出容器1の組み立て手順について、主に
図1を参照して説明する。
【0051】
まず、雌ねじ部材40に芯チャック30が組み付けられる。具体的には、芯チャック30の棒軸部32を雌ねじ部材40に挿入し、雌ねじ部材40の螺旋溝41から芯チャック30の雄ねじ突起37が抜け出てしまわない程度に、螺旋溝41と雄ねじ突起37とを螺合させる。これにより、雌ねじ部材40と芯チャック30とは一体的な状態となる。
【0052】
次に、Oリング溝16にOリング4が装着された先筒10に、雌ねじ部材40と一体的な状態となった芯チャック30が挿入される。具体的には、芯チャック30の支持柱31a及び条部35が先筒10の案内溝18内に挿入されるように、芯チャック30の一対の保持膜31bの先端31c間に先筒10の凸条17を位置させた状態で、先筒10の嵌入部14側から芯チャック30が先筒10内に挿入される。
【0053】
続いて、先筒10の嵌入部14を基筒20に挿入し、嵌入部14の嵌合凸部15と基筒20の嵌合凹部27とを嵌合させて基筒20に先筒10が組み付けられる。
【0054】
このとき、雌ねじ部材40も縦リブ42が基筒20の内周面に形成されたローレット26と係合するようにして基筒20内に挿入される。つまり、先筒10と基筒20とは、雌ねじ部材40を基筒20のローレット26に係合させながら、互いに組み付けられることになる。なお、この際、芯チャック30の棒軸部32のうち、雌ねじ部材40から突出した部分も、先筒10と基筒20とが組付けられることで、基筒20内に挿入される。
【0055】
このように先筒10と基筒20とが組付けられた後、先筒10と基筒20とを順方向に相対回転させ、芯チャック30を前進限まで繰上げる。この状態で先筒10の先端開口12側から棒状化粧材2を挿入し、芯チャック30の保持片31に棒状化粧材2が差し込まれる。
【0056】
ここで、先筒10に組み込まれた芯チャック30の保持片31は、
図1(c)に示されるように、棒状化粧材2が差し込まれる前は、一対の保持膜31bの先端31cが先筒10の凸条17にそれぞれほぼ接した状態となっている。
【0057】
この状態において、支持柱31a及び保持膜31bの内周面で囲まれた領域に棒状化粧材2が差し込まれると、
図1(c’)に示されるように、一対の保持膜31bは、支持柱31aを支点として先端31c間の隙間部33が拡がるように径方向外側に向かって撓む。そして、この撓みに伴って径方向内側に向かう復元力が生じることにより、一対の保持膜31bは、棒状化粧材2の外周面に押し付けられた状態となる。
【0058】
保持膜31bは、支持柱31aよりも厚さが極めて薄く剛性が低いことから、変形に応じて生じる復元力は小さい。また、保持片31に棒状化粧材2が差し込まれる際、支持柱31aも基端部を支点として径方向外側に変位するが、支持柱31aは保持膜31bよりも剛性が高いため、その変位量は僅かであって、大きな復元力を生じることはない。このため、棒状化粧材2は、比較的低い面圧によって上記形状の保持片31により保持されることになる。
【0059】
このように、従来のように柱状に形成された複数の保持片によって棒状化粧材2を保持する場合と比較し、低い面圧によって棒状化粧材2を包囲するように保持することが可能となることで、棒状化粧材2を保持する部材やその周辺において棒状化粧材2が折れてしまったり、割れてしまったりすることを抑制することができる。
【0060】
一方で、面圧が低下すると把持力が低下し、棒状化粧材2が保持片31から外れやすくなるおそれがある。
【0061】
本実施形態では、棒状化粧材2に接する保持片31の面積を大きくし、保持片31と棒状化粧材2との接触面において生じる摩擦抵抗が保持片31の保持力を増大させることによって、棒状化粧材2が保持片31から軸方向に沿って抜け出てしまうことを抑制している。
【0062】
具体的には、棒状化粧材2の外周面に沿った方向において、隙間部33が設けられる範囲を、保持片31が設けられる範囲よりも小さく、好ましくは、保持片31が設けられる範囲の半分以下とすることによって、棒状化粧材2に対して保持片31が接触する面積を確保し、摩擦抵抗による保持力を増大させている。
【0063】
これにより、棒状化粧材2の折れや割れを抑制するとともに、棒状化粧材2が保持片31から抜け出てしまうことを抑制することができる。
【0064】
また、剛性が低い保持膜31bに生じる復元力は、棒状化粧材2の外径の大きさが多少異なったとしても大きく変化することがないことから、寸法誤差によって棒状化粧材2に作用する把持力が過大となってしまったり、過小となってしまったりすることが避けられる。したがって、上記構成の保持片31によれば、寸法誤差が吸収されるため、柔らかく且つ極細に形成された棒状化粧材2のように、外径の寸法誤差が大きくなりやすい棒状化粧材2であっても、割れたり抜け落ちたりすることなく保持することができる。
【0065】
なお、棒状化粧材2が差し込まれる前に支持柱31a及び一対の保持膜31bの内周面で画定される円の内径(
図1(c)参照)は、棒状化粧材2の外径の寸法公差を考慮し、寸法公差の最小値となる最小径よりも僅かに小さく設定される。これにより、寸法公差内の棒状化粧材2であれば、保持片31によって適切な把持力で保持することができる。支持柱31a及び一対の保持膜31bの内周面で画定される円の内径の大きさは、一対の保持膜31bの先端31cがほぼ接する凸条17の周方向における幅の大きさを変更することによって適宜変更可能である。
【0066】
また、貫通孔11の内径は、寸法公差の最大値となる最大径の棒状化粧材2が保持片31に差し込まれた際に、保持膜31bが径方向外側へと撓んでも保持膜31bの外周面の大部分が貫通孔11の内周面に接することがないような大きさに設定される。これにより、外径の寸法誤差が大きくなりやすい棒状化粧材2が保持片31に差し込まれた場合であっても、保持膜31bと貫通孔11との擦れ合いが抑制され、棒状化粧材2を円滑に繰出し、繰戻しすることができる。
【0067】
保持片31に差し込まれた棒状化粧材2の底面は、棒軸部32の端面32aに載置される。
【0068】
このようにして棒状化粧材2が差し込まれた芯チャック30を後退限まで繰戻した後、基筒20にキャップ3が装着される。
【0069】
以上により、繰出容器1の組み立てが完了する。
【0070】
このように組み立てられた繰出容器1は、
図1(a)に示すように、芯チャック30の条部35の端面35aが雌ねじ部材40の前端面43に当接することで、芯チャック30が後退限に位置した状態となる。
【0071】
この状態から、使用者が先筒10と基筒20とを順方向に相対回転させると、芯チャック30の雄ねじ突起37と雌ねじ部材40の螺旋溝41との螺合によって、芯チャック30が前進する。これにより、棒状化粧材2が先筒10の先端開口12から繰出され、化粧可能な状態となる。
【0072】
さらに先筒10と基筒20とを順方向に相対回転させて、芯チャック30を前進させると、先筒10の後端面19に芯チャック30の段部38が当接する。これにより、芯チャック30は、
図1(b)に示すように、前進限に位置した状態となる。
【0073】
このように芯チャック30を前進または後進させる間、棒状化粧材2の外周面は、先筒10に形成された凸条17によって軸方向に沿って摺動可能に常時支持される。このため、棒状化粧材2が柔らかく且つ極細に形成されている場合であっても、繰出し時及び繰戻し時に棒状化粧材2が折れてしまうことを抑制することができる。
【0074】
以上の第1実施形態によれば、以下に示す効果を奏する。
【0075】
棒状化粧材2を保持する芯チャック30は、棒軸部32に立設する保持片31と、保持片31が設けられていないことによって、棒軸部32から軸方向に沿って棒状化粧材2の外周面が露出された状態となる隙間部33と、を備え、保持片31は、棒状化粧材2の軸方向に沿って延びる支持柱31aと、径方向における厚さが支持柱31aよりも極薄であり支持柱31aから棒状化粧材2の外周面に沿って延び支持柱31aによって支持される一対の保持膜31bと、を有する。
【0076】
このように保持膜31bは、支持柱31aよりも厚さが極めて薄く剛性が低いことから、変形に応じて生じる復元力は小さい。また、支持柱31aを挟んで一対の保持膜31bを設けることによって、保持片31が棒状化粧材2と接触する面積を大きくすることが可能である。
【0077】
さらに、隙間部33とスリット31dが設けられることで一対の保持膜31bを支持する支持柱31aは、その基端部のみにおいてベース部である棒軸部32に結合された状態となっている。このため、支持柱31aは、基端部を支点として径方向外側へと比較的弱い力によって傾けられ、比較的弱い把持力を径方向内側に向かって生じることになる。
【0078】
このため、棒状化粧材2は、比較的低い面圧によって上記形状の保持片31により保持されることになり、結果として、保持片31やその周辺において棒状化粧材2が折れてしまったり、割れてしまったりすることを抑制することができる。
【0079】
また、従来の柱状に形成された複数の保持片は、棒状化粧材を軸方向にのみ局所的に保持しているため、棒状化粧材に接している面積が小さい。これに対して、本実施形態では、上述の形状のような保持膜31bを設けたことにより、棒状化粧材2を周方向において包み込むように保持可能である。
【0080】
また、特に上記実施形態では、保持膜31bの周方向における長さを大きく設定できるため、保持膜31bによって棒状化粧材2の端部が挿入される腔部を形成させることが可能であり、棒状化粧材2に接する面積を大きくすることができる。したがって、上述のような棒状化粧材2に対する効果を最大限発揮することができる。
【0081】
なお、次のような変形例も本発明の範囲内であり、変形例に示す構成と上述の実施形態で説明した構成を組み合わせたり、以下の異なる変形例で説明する構成同士を組み合わせたりすることも可能である。
【0082】
上記第1実施形態では、棒状化粧材2を保持する芯チャック30は、繰出機構の機能を兼ね備えた形状となっている。これに代えて、芯チャック30は、単に棒状化粧材2を保持する部材であって、別途設けられた種々構成の繰出機構によって軸方向に沿って進退するものであってもよく、例えば、カートリッジ式化粧料容器のように、棒状化粧材が収容された使い捨てのカートリッジと、繰出機構が内蔵された繰り返し使用可能なカートリッジホルダと、が分離可能なものにおいて、カートリッジ内で棒状化粧材を保持するものであってもよい。
【0083】
また、上記第1実施形態では、棒状化粧材2の断面形状が略円形状である。これに代えて、棒状化粧材2の断面形状は、短軸と長軸とを有する略楕円形状であってもよい。
【0084】
また、上記第1実施形態では、単一の保持片31に支持柱31aが1つだけ設けられているが、保持片31は、保持膜31bの先端31c間に隙間部33が形成されるように、その周方向両端部に保持膜31bがそれぞれ設けられた構成となっていればよく、支持柱31aは2つ以上設けられていてもよい。なお、支持柱31aが複数設けられる場合、支持柱31a同士を接続するための保持膜も設けられる。
【0085】
また、上記第1実施形態では、保持膜31bとベース部となる棒軸部32との間にスリット31dが設けられている。保持膜31bを極薄に形成するだけで保持膜31bが生じる把持力を十分に低減させることができれば、保持膜31bと棒軸部32との間には、スリット31dが設けられていなくてもよい。
【0086】
また、上記第1実施形態では、一対の保持膜31bが支持柱31aを挟んで互いに反対の方向に棒状化粧材2の外周面に沿って延びている。これに代えて、保持膜は、支持柱31aに1つだけ設けられた単一の膜状部分であってもよい。
【0087】
この場合、保持膜の周方向における一端側は、支持柱31aの周方向一端面に結合されており、保持膜の周方向における他端側の先端と支持柱31aの周方向他端面との間には、隙間部が形成される。換言すれば、単一の保持片31は、周方向一方の端部に設けられた保持膜の先端と、周方向他方の端部に設けられた支持柱31aの周方向端面と、の間に、隙間部に相当する隙間が形成されることによって、棒状化粧材2を取り囲む周方向において分断されることとなる。
【0088】
また、保持膜とベース部である棒軸部32との間には、上記第1実施形態と同様に、スリットが設けられる。なお、芯チャック30の他の部分の形状や他の部材については、上記第1実施形態のものとほぼ同じであるため、その説明を省略する。
【0089】
この変形例では、1つの保持膜を棒状化粧材2の外周面に沿って支持柱31aから貫通孔11の中心軸を中心として例えば180°以上に渡って延びるように比較的長く形成することが可能となる。このため、単一の保持膜によって棒状化粧材2の端部が挿入される腔部を形成することができるとともに、保持膜が棒状化粧材2に接する面積を大きくすることができる。
【0090】
このように保持膜が支持柱31aに1つだけ設けられている場合であっても、上記第1実施形態と同様に、保持片31は、隙間部が設けられることによって、棒状化粧材2を取り囲む周方向において分断された状態となっており、さらに、スリットが設けられることによって、ベース部である棒軸部32と結合される部分の面積が小さくなっていることから、比較的変形しやすい構造となる。
【0091】
なお、この変形例では、単一の保持片31に支持柱31aが1つだけ設けられているが、保持片31は、保持膜の先端と支持柱31aの周方向他端面との間に隙間部が形成されるように、その周方向一方の端部に保持膜が設けられ、その周方向他方の端部に支持柱31aが設けられた構成となっていればよく、周方向他方の端部に設けられた支持柱31aの他にさらに支持柱が設けられていてもよい。なお、他の支持柱が設けられる場合、支持柱31aと他の支持柱とを接続するための保持膜も設けられる。
【0092】
また、上記第1実施形態では、ベース部である棒軸部32には1つの保持片31が立設している。保持片31の数は1つに限定されず、複数であってもよく、例えば、
図6及び
図7に示す変形例のように、2つの保持片131が立設していてもよい。なお、
図6は、先筒110の図であって、上記第1実施形態の
図2に相当する図であり、
図7は、芯チャック130の図であって、上記第1実施形態の
図4に相当する図である。
【0093】
この変形例では、
図7に示されるように、芯チャック130には、支持柱131aを有する保持片131が2つ設けられているとともに、それぞれの支持柱131aに連続して条部135が軸方向に沿って設けられている。このため、これに対応して、先筒110には、
図6に示されるように、2つの案内溝118が設けられている。
【0094】
具体的には、先筒110は、上記第1実施形態の先筒10と同様に、貫通孔111が形成された筒状部材であり、使用者が摘む摘部13と、摘部13と軸方向において連続して形成され基筒20内に嵌入される嵌入部14と、を有する。また、嵌入部14の外周面には、基筒20に形成された嵌合凹部27に嵌合する環状の嵌合凸部15と、Oリング4が装着されるOリング溝16が形成される。
【0095】
そして、先筒110の内周面には、径方向内側に向かって突出する一対の凸条117が軸方向に沿って延設されている。一対の凸条117は、貫通孔111の軸心を中心として対向するように設けられており、各凸条117の内周面は、
図6(e)に示すように、軸方向における断面視で略弧状に形成されており、棒状化粧材2の外周面を軸方向に沿って支持可能な形状となっている。
【0096】
また、先筒110の内周面には、芯チャック130を軸方向においてガイドする一対の案内溝118が軸方向に沿って延設されている。一対の案内溝118は、貫通孔111の軸心を中心として対向するように設けられており、これらが対向する方向は、一対の凸条117が対向する方向と直交している。
【0097】
凸条117及び案内溝118は、先筒110の後端面119まで形成されている一方、先端開口112には至ることなく、その手前まで形成されている。なお、後端面119側における凸条117の端部117aは後端面119と同一平面上に位置している。
【0098】
一方、先筒110に挿入される芯チャック130は、
図7に示されるように、棒状化粧材2の外周面を保持する一対の2つの保持片131と、保持片131が立設するベース部としての棒軸部132と、保持片131が設けられていないことによって、棒軸部132から軸方向に沿って棒状化粧材2の外周面が露出される隙間部133と、を備える。
【0099】
一対の保持片131は、棒状化粧材2の軸方向に沿って延びる支持柱131aと、径方向における厚さが支持柱131aよりも極薄であり支持柱131aから棒状化粧材2の外周面に沿って延び支持柱131aによって支持される一対の保持膜131bと、をそれぞれ有し、棒状化粧材2の軸心を中心として対向するように配置される。これら各部は樹脂によって棒軸部132と一体的に形成される。
【0100】
支持柱131aは、上記第1実施形態の支持柱31aと同様に、基端部がベース部である棒軸部132に結合されている。
【0101】
保持膜131bは、支持柱131aを挟んで互いに反対の方向に延びる一対の膜状部分であり、
図7(c)に示すように、軸方向における断面視で略弧状にそれぞれ形成される。
【0102】
各支持柱131aから延びる各保持膜131bの周方向における長さは、それぞれ同じ長さであり、周方向において重なり合わない長さに設定されている。つまり、一方の保持片131の支持柱131aから延びる保持膜131bの先端131cと、他方の保持片131の支持柱131aから延びる保持膜131bの先端131cと、の間には隙間が形成される。このように保持膜131bの先端131c間に形成された隙間が、上述の隙間部133に相当する。
【0103】
換言すれば、各保持片131が、その周方向両端部に保持膜131bがそれぞれ設けられた構成となっていることによって、一対の保持片131は、保持膜131bの先端131c間に形成された隙間部133により、棒状化粧材2を取り囲む周方向において分断されることとなる。
【0104】
保持膜131bと支持柱131aとは径方向における厚さが異なっているが、棒状化粧材2の外周面に接することになる支持柱131aと保持膜131bとの接続部の内周面には段差が設けられず、
図7(c)に示すように、棒状化粧材2の外周面に合わせて滑らかな円弧状となっている。
【0105】
また、保持膜131bとベース部である棒軸部132とは直接的に結合されておらず、これらの間には、隙間となるスリット131dが設けられている。このように薄膜状に形成された保持膜131bは、支持柱131aのみによって支持されていることから、支持柱131aを支点として隙間部133の大きさが大きくなる方向に比較的弱い力で変形可能であるとともに、変形量に応じた復元力を径方向中心に向かって生じさせることが可能である。
【0106】
また、一対の保持膜131bを支持する支持柱131aは、その基端部のみにおいてベース部である棒軸部132に結合された状態となっていることから、基端部を支点として径方向外側へと比較的弱い力で傾けることが可能であるとともに、傾きに応じた復元力を径方向内側に向かって生じさせることが可能である。
【0107】
このように一対の保持片131は、隙間部133が設けられることによって、棒状化粧材2を取り囲む周方向において互いに分断された状態となっており、さらに、スリット131dが設けられることによって、ベース部である棒軸部132と結合される部分の面積が小さくなっていることから、比較的変形しやすい構造となっている。
【0108】
棒軸部132には、
図7(a)及び(b)に示すように、上記第1実施形態と同様に、芯チャック130によって保持される棒状化粧材2の下端面に対向する端面132aと、先筒110の案内溝118に係合する条部135と、雌ねじ部材40に形成された螺旋溝41に係合する雄ねじ突起37と、が設けられる。また、条部135には、芯チャック130の後退限を規定する当接部として機能する端面135aが設けられ、雄ねじ突起37が形成される列条部分以外に設けられた段状部分には、芯チャック130を前進させた際に先筒110の後端面119に当接する段部138が設けられる。これらの構成及び機能については、上記第1実施形態と同じであるため、その説明を省略する。
【0109】
次に、
図7(g)及び
図7(g’)を参照して、芯チャック130の保持片131間に棒状化粧材2を差し込む工程について説明する。なお、
図7(g)は、上記第1実施形態の
図1(c)に相当する断面を示す断面図であり、
図7(g’)は、上記第1実施形態の
図1(c’)に相当する断面を示す断面図である。
【0110】
この変形例において、先筒110に組み込まれた芯チャック130の保持片131は、
図7(g)に示されるように、棒状化粧材2が差し込まれる前は、各保持膜131bの先端131cが先筒110の凸条117にそれぞれほぼ接した状態となっている。
【0111】
この状態において、2つの支持柱131aと各保持膜131bの内周面で囲まれた領域に棒状化粧材2が差し込まれると、
図7(g’)に示されるように、各保持膜131bは、支持柱131aを支点として先端131c間の隙間部133が拡がるように径方向外側に向かって撓む。そして、この撓みに伴って径方向内側に向かう復元力が各保持膜131bに生じることにより、各保持膜131bは、棒状化粧材2の外周面に押し付けられた状態となる。
【0112】
保持膜131bは、支持柱131aよりも厚さが極めて薄く剛性が低いことから、変形に応じて生じる復元力は小さい。また、保持片131に棒状化粧材2が差し込まれる際、支持柱131aも基端部を支点として径方向外側に変位するが、支持柱131aは保持膜131bよりも剛性が高いため、その変位量は僅かであって、大きな復元力を生じることはない。このため、棒状化粧材2は、比較的低い面圧によって各保持片131により保持されることになる。
【0113】
このように、上記構成の変形例においても、上記第1実施形態と同様に、従来のように柱状に形成された複数の保持片によって棒状化粧材2を保持する場合と比較し、低い面圧によって棒状化粧材2を包囲するように保持することが可能となることで、棒状化粧材2を保持する部材やその周辺において棒状化粧材2が折れてしまったり、割れてしまったりすることを抑制することができる。
【0114】
また、この変形例においても、上記第1実施形態と同様に、棒状化粧材2の外周面に沿った方向において、隙間部133が設けられる範囲を、保持片131が設けられる範囲よりも小さく、好ましくは、保持片131が設けられる範囲の半分以下とすることによって、棒状化粧材2に対して2つの保持片131が接触する面積を確保し、摩擦抵抗による保持力を増大させている。
【0115】
また、この変形例においても、上記第1実施形態と同様に、棒状化粧材2が差し込まれる前に2つ支持柱131a及び各保持膜131bの内周面で画定される円の内径(
図7(g)参照)は、棒状化粧材2の外径の寸法公差を考慮し、寸法公差の最小値となる最小径よりも僅かに小さく設定されている。
【0116】
また、この変形例においても、上記第1実施形態と同様に、貫通孔111の内径は、寸法公差の最大値となる最大径の棒状化粧材2が保持片131に差し込まれた際に、各保持膜131bが径方向外側へと撓んでも各保持膜131bの外周面の大部分が貫通孔111の内周面に接することがないような大きさに設定されている。
【0117】
また、この変形例においても、上記第1実施形態と同様に、条部135は、支持柱131aの基端部に連続して軸方向に沿って形成されているが、条部135の断面形状は、支持柱131aよりも一回り大きくなっており、各支持柱131aは、棒状化粧材2が保持片131により保持されている場合であっても案内溝118に接触しない大きさとなっている。
【0118】
また、この変形例においても、芯チャック130を前進または後進させる間、棒状化粧材2の外周面は、先筒110に形成された一対の凸条117により軸方向に沿って摺動可能に常時支持される。特にこの変形例では、棒状化粧材2の外周面が、貫通孔111の軸心を中心として対向して配置された一対の凸条117によって挟まれるようにして常時支えられることから、棒状化粧材2が柔らかく且つ極細に形成されている場合であっても、繰出し時及び繰戻し時に棒状化粧材2が折れてしまうことを確実に抑制することができる。
【0119】
なお、この変形例では、上記第1実施形態と比較し、各保持膜131bの周方向における長さが半分以下と短いことから、保持膜131bと棒軸部132との間にスリット131dが設けられている場合と設けられていない場合とにおいて、保持膜131bにおいて生じる把持力が変わらない可能性がある。
【0120】
このため、この変形例のように、支持柱131aが複数設けられ、各保持膜131bの周方向における長さが短くなっている場合には、支持柱131aにより支持される保持膜131bとベース部となる棒軸部132との間にスリット131dを設けることなく、保持膜131bの基端部を、支持柱131aと同様に、棒軸部132に結合した構成としてもよい。また、保持膜131bの基端部の半分のみに、スリットを設けた構成としてもよい。
【0121】
また、この変形例では、隙間部133が設けられる範囲を、保持片131が設けられる範囲よりも小さく設定し、棒状化粧材2に対して2つの保持片131が接触する面積を確保し、摩擦抵抗による保持片131の保持力を増大させている。なお、保持片131の保持力が十分であれば、隙間部133が設けられる範囲は、保持片131が設けられる範囲より大きく設定しても良い。
【0122】
また、この変形例においても、上記第1実施形態と同様に、各保持片131は、その周方向両端部に保持膜131bがそれぞれ設けられていればよく、支持柱131aは2つ以上設けられていてもよい。
【0123】
また、
図6及び
図7に示される変形例のように、ベース部である棒軸部132に複数の保持片131が立設している形態としては、
図8及び
図9に示すような形態とすることも可能である。なお、
図8及び
図9に示される部分以外の部材の形状等については、
図6及び
図7に示される変形例のものとほぼ同じであるため、その説明を省略する。
【0124】
図8に示す変形例では、一対の保持片151が、棒状化粧材2の軸方向に沿って延びる支持柱151aと、径方向における厚さが支持柱151aよりも極薄であり支持柱151aから棒状化粧材2の外周面に沿って延び支持柱151aによって支持される単一の保持膜151bと、をそれぞれ有し、棒状化粧材2の軸心を中心として対向するように配置されている。なお、
図8の(a)は、
図7の(c)に相当する平面図であり、
図8の(b)は、
図7の(g’)に相当する断面図であり、
図8の(c)は、
図6の(e)に相当する断面図である。
【0125】
各支持柱151aから延びる単一の保持膜151bは、周方向において同じ方向に向かって各支持柱151aから延びており、一方の保持片151の支持柱151aから延びる保持膜151bの先端151cと、他方の保持片151の支持柱151aの周方向端面151dと、の間には隙間が形成される。このように隣り合う保持片151の保持膜151bの先端151cと支持柱151aの周方向端面151dとの間に形成された隙間は、保持片151が立設するベース部としての図示しない棒軸部から軸方向に沿って棒状化粧材2の外周面が露出される隙間部153となる。
【0126】
換言すれば、各保持片151が、その周方向一方の端部に保持膜151bが設けられ、その周方向他方の端部に支持柱151aが設けられた構成となっていることによって、一対の保持片151は、保持膜151bの先端151cと支持柱151aの周方向端面151dとの間に形成された隙間部153により、棒状化粧材2を取り囲む周方向において分断されることとなる。
【0127】
また、ベース部である図示しない棒軸部と保持膜151bとの間には、
図6及び
図7に示される変形例と同様に、図示しないスリットが設けられる。
【0128】
また、
図8に示す変形例では、棒状化粧材2の外周面に沿った方向において、保持片151が設けられる範囲よりも隙間部153が設けられる範囲の方が大きい。このように隙間部153を比較的大きくすることで、隙間部153に対応して先筒160に形成される凸条167が棒状化粧材2の外周面を十分に支持可能な面積を確保することができる。このため、この変形例においても、芯チャック150を前進または後進させる間、棒状化粧材2の外周面は、先筒160に形成された凸条167により軸方向に沿って摺動可能に常時支持され、繰出し時及び繰戻し時に棒状化粧材2が折れてしまうことを確実に抑制することができる。
【0129】
なお、
図8に示す変形例においても、
図6及び
図7に示される変形例と同様に、芯チャック150には、各支持柱151aに連続して図示しない条部が軸方向に沿って設けられ、先筒160には、各条部が係合する案内溝168が設けられている。また、この変形例においても、条部の断面形状は、支持柱151aよりも一回り大きくなっており、各支持柱151aは、棒状化粧材2が保持片151により保持されている場合であっても案内溝168に接触しない大きさとなっている。
【0130】
図8に示す変形例においても、上記第1実施形態と同様に、一対の保持片151は、隙間部153が設けられることによって、棒状化粧材2を取り囲む周方向において互いに分断された状態となっており、さらに、ベース部である図示しない棒軸部と保持膜151bとの間にはスリットが設けられることによって、棒軸部と結合される部分の面積が小さくなっていることから、比較的変形しやすい構造となっている。
【0131】
なお、この変形例では、
図6及び
図7に示される変形例と同様に、各保持膜151bの周方向における長さが比較的短いことから、保持膜151bと棒軸部との間にスリットが設けられている場合と設けられていない場合とにおいて、保持膜151bにおいて生じる把持力が変わらない可能性があることから、スリットを設けることなく、保持膜151bの基端部を棒軸部に結合した構成としてもよい。
【0132】
また、この変形例では、隙間部153が設けられる範囲を、保持片151が設けられる範囲よりも大きく設定しているが、棒状化粧材2に対して2つの保持片151が接触する面積を確保し、摩擦抵抗による保持片151の保持力を増大させるためには、周方向における保持膜151bの長さを長くすることによって、保持片151が設けられる範囲を、隙間部153が設けられる範囲よりも大きくしてもよい。
【0133】
図9に示す変形例では、一対の保持片がそれぞれ異なる形状を有しており、一方の保持片131は、
図6及び
図7に示される変形例と同様に、棒状化粧材2の軸方向に沿って延びる支持柱131aと、径方向における厚さが支持柱131aよりも極薄であり支持柱131aから棒状化粧材2の外周面に沿って延び支持柱131aによって支持される一対の保持膜131bと、を有している。他方の保持片171は、棒状化粧材2の軸方向に沿って延びる一対の支持柱171aと、一対の支持柱171a同士を接続するように設けられる保持膜171bと、を有している。これら保持片131,171は、棒状化粧材2の軸心を中心として対向するように配置されている。なお、
図9の(a)は、
図7の(c)に相当する平面図であり、
図9の(b)は、
図7の(g’)に相当する断面図であり、
図9の(c)は、
図6の(e)に相当する断面図である。
【0134】
一方の保持片131の支持柱131aから延びる一対の保持膜131bは、他方の保持片171の一対の支持柱171aに向かってそれぞれ延びており、各保持膜131bの先端131cと、各支持柱171aの周方向端面171dと、の間には隙間が形成される。このように隣り合う保持片131,171の保持膜131bの先端131cと支持柱171aの周方向端面171dとの間に形成された隙間は、各保持片131,171が立設するベース部としての図示しない棒軸部から軸方向に沿って棒状化粧材2の外周面が露出される隙間部173となる。
【0135】
換言すれば、一方の保持片131が、その周方向両端部に保持膜131bがそれぞれ設けられた構成となっており、他方の保持片171が、その周方向両端部に支持柱171aがそれぞれ設けられた構成となっていることによって、一方の保持片131と他方の保持片171とは、各保持膜131bの先端131cと各支持柱171aの周方向端面171dとの間に形成された隙間部173により、棒状化粧材2を取り囲む周方向において分断されることとなる。
【0136】
また、ベース部である図示しない棒軸部と保持膜131bとの間には、
図6及び
図7に示される変形例と同様に、図示しないスリットが設けられる。
【0137】
また、
図9に示す変形例では、上記第1実施形態や
図6及び
図7に示される変形例と同様に、棒状化粧材2の外周面に沿った方向において、隙間部173が設けられる範囲を、保持片131,171が設けられる範囲よりも小さくすることによって、棒状化粧材2に対して2つの保持片131,171が接触する面積を確保し、摩擦抵抗による保持力を増大させている。
【0138】
また、
図9に示す変形例では、
図6及び
図7に示される変形例と同様に、芯チャック170を前進または後進させる間、棒状化粧材2の外周面は、先筒180に形成された一対の凸条187により軸方向に沿って摺動可能に常時支持される。このため、繰出し時及び繰戻し時に棒状化粧材2が折れてしまうことを確実に抑制することができる。
【0139】
なお、
図9に示す変形例においても、
図6及び
図7に示される変形例と同様に、芯チャック170には、各支持柱131a,171aに連続して図示しない条部が軸方向に沿って設けられ、先筒180には、各条部が係合する案内溝188が設けられている。また、この変形例においても、各条部の断面形状は、各支持柱131a,171aよりも一回り大きくなっており、各支持柱131a,171aは、棒状化粧材2が各保持片131,171により保持されている場合であっても案内溝188に接触しない大きさとなっている。
【0140】
図9に示す変形例においても、上記実施形態と同様に、一方の保持片131は、隙間部173が設けられることによって、棒状化粧材2を取り囲む周方向において分断された状態となっており、さらに、ベース部である図示しない棒軸部と保持膜131bとの間にはスリットが設けられることによって、棒軸部と結合される部分の面積が小さくなっていることから、比較的変形しやすい構造となっている。また、他方の保持片171は、隙間部173が設けられることによって、棒状化粧材2を取り囲む周方向において分断された状態、すなわち、その基端部のみにおいてベース部である棒軸部に結合された状態となっている。このため、他方の保持片171は、基端部を支点として径方向外側へと比較的弱い力によって傾くとともに、傾きに応じた復元力を径方向内側に向かって生じさせることが可能である。
【0141】
なお、この変形例では、
図6及び
図7に示される変形例と同様に、各保持膜131bの周方向における長さが比較的短いことから、保持膜131bと棒軸部との間にスリットが設けられている場合と設けられていない場合とにおいて、保持膜131bにおいて生じる把持力が変わらない可能性があることから、スリットを設けることなく、保持膜131bの基端部を棒軸部に結合した構成としてもよい。
【0142】
また、この変形例では、隙間部173が設けられる範囲を、保持片131,171が設けられる範囲よりも小さく設定し、棒状化粧材2に対して2つの保持片131,171が接触する面積を確保し、摩擦抵抗による保持片131,171の保持力を増大させている。なお、保持片131,171の保持力が十分であれば、隙間部173が設けられる範囲は、保持片131,171が設けられる範囲より大きく設定しても良い。
【0143】
図6~9に示される各変形例では、2つの保持片が、棒状化粧材2の軸心を中心に対向するように、換言すれば、棒状化粧材2の軸心を中心として周方向に等間隔となるように配置されることで、棒状化粧材2に対する把持力が周方向において均一化されている。なお、保持片の数は、3つ以上であってもよく、この場合も周方向における把持力を均一化するために、棒状化粧材2の軸心を中心として周方向に等間隔で保持片を配置することが好ましい。また、保持片が複数設けられる場合、保持片の形状はすべて同じであってもよいし、異なる形状のものが含まれていてもよい。このように支持柱及び保持膜の形状や寸法を変更したり、保持片の数を変更したり、あるいは、保持片を分断する隙間部の大きさを変更したりすることによって、棒状化粧材2の柔らかさや外径寸法に適応した芯チャックを構成することができる。
【0144】
<第2実施形態>
次に、
図10から
図15を参照して、本発明の第2実施形態に係る芯チャック230を備えた棒状化粧材繰出容器201(以下、「繰出容器201」という)について説明する。なお、前述した実施形態と同様の構成には同一の符号を付し、重複する説明は適宜省略する。
【0145】
図10及び
図11に示すように、繰出容器201は、断面形状が短軸と長軸とを有する略楕円形の棒状化粧材202を繰出し可能な容器である。以下では、棒状化粧材202の短軸と長軸の比が、短軸を1とした場合に長軸が略2であり、その外径が短軸1.5mm、長軸3.0mm程度に形成されている場合について説明する。
【0146】
図10及び
図11は、繰出容器201の断面図であり、
図10は、後述の芯チャック230が後退限に位置した状態を示し、
図11は、芯チャック230が前進限に位置した状態を示している。
【0147】
繰出容器201は、棒状化粧材202が進退可能である貫通孔211を有する先筒210と、先筒210に相対回転可能に組み付けられる基筒220と、棒状化粧材202を保持する芯チャック230と、基筒220内に基筒220に対して相対回転不能に設けられる雌ねじ部材240と、を備える。以下では、先筒210における貫通孔211の中心軸に沿う方向を「軸方向」と称し、貫通孔211の中心軸周りの方向を「周方向」と称する。また、先筒210の貫通孔211における断面形状の短軸及び長軸に沿う方向をそれぞれ「短軸方向」及び「長軸方向」と称する。
【0148】
繰出容器201では、上記第1実施形態の繰出容器1と同様に、雌ねじ部材240と芯チャック230とにより棒状化粧材202を軸方向に繰出す繰出機構が構成されており、先筒210と基筒220とを相対回転させると先筒210及び基筒220内で芯チャック230が軸方向に進退し、芯チャック230の進退に応じて棒状化粧材202も進退する。
【0149】
そして、本実施形態に係る芯チャック230を備えた繰出容器201では、後述する構成により、上記第1実施形態と同様に、外径の寸法誤差が大きい棒状化粧材202であっても寸法誤差を吸収し、比較的小さい面圧によって棒状化粧材202の外周面を広い範囲に渡って保持することが可能となり、結果として、棒状化粧材202が容器内で折れたり抜けたりすることを抑制することができる。
【0150】
以下、繰出容器201の構成について詳述する。
【0151】
先筒210は、
図12に示すように、軸方向に貫通する貫通孔211が形成された筒状部材であり、使用者が摘む摘部213と、摘部213と軸方向において連続して形成され基筒220内に嵌入される嵌入部214と、を有する。貫通孔211の断面形状は、棒状化粧材202の断面形状と相似しており、長軸が短軸の略2倍である略楕円形状に形成されている。摘部213は、嵌入部214側から先端に向かって徐々に外径が小さくなるように軸方向にテーパ状に形成されている。
【0152】
嵌入部214の外周面には、基筒220に形成された後述の嵌合凹部227(
図13参照)に嵌合する環状の嵌合凸部215と、Oリング204が装着されるOリング溝216が形成される。Oリング204は、使用者の操作感を向上させるために設けられるものであって、先筒210と基筒220との間に圧縮された状態で設けられることで、先筒210と基筒220とを相対回転させる際に適度な抵抗を生じさせる。
【0153】
先筒210の内周面には、径方向内側に向かって突出する一対の凸条217が軸方向に沿って延設されている。一対の凸条217は、貫通孔211の中心を挟んで貫通孔211の短軸方向に沿って対向して配置される。各凸条217の内周面は、
図12(f)に示すように、軸方向における断面視で緩やかな弧状に形成されており、後述のように保持膜231bの外周面に沿った形状となっている。
【0154】
また、先筒210の内周面には、芯チャック230を軸方向においてガイドする案内溝218が、各凸条217の両側に軸方向に沿ってそれぞれ延設されている。凸条217及び案内溝218は、先筒210の後端面219まで形成されている一方、先端開口212には至ることなく、その手前まで形成されている。なお、後端面219側における凸条217の端部217aは後端面219と同一平面上に位置している。
【0155】
基筒220は、
図13に示すように、芯チャック230及び雌ねじ部材240を収容するとともに先筒210の嵌入部214が嵌合される収容孔222を有する有底筒状に形成された部材である。収容孔222には、先筒210の嵌合凸部215が嵌合される環状の嵌合凹部227と、雌ねじ部材240の外周面に形成される後述の縦リブ242が係合するローレット226と、底面へ向かう雌ねじ部材240の移動を規制する段部225と、が開口端側から順に設けられる。
【0156】
芯チャック230は、
図14に示すように、棒状化粧材202の外周面を保持する一対の保持片231と、保持片231が立設するベース部としての棒軸部232と、保持片231が設けられていないことによって、棒軸部232から軸方向に沿って棒状化粧材202の外周面が露出された状態となる隙間部233と、を備える。
【0157】
一対の保持片231は、短軸方向において棒状化粧材202を挟むように対向して配置されており、各保持片231は、棒状化粧材202の軸方向に沿って延びる一対の支持柱231aと、一対の支持柱231a同士を接続するように設けられる保持膜231bと、をそれぞれ有する。これら各部は樹脂によって棒軸部232と一体的に形成される。
【0158】
各支持柱231aは、上記第1実施形態の支持柱31aと同様に、基端部がベース部である棒軸部232に結合されている。
【0159】
各保持片231の支持柱231aは、
図14に示すように、長軸方向に所定の間隔をあけて配置されており、この間隔の大きさは、先筒210に形成された案内溝218の長軸方向における間隔と同じ大きさに設定されている。
【0160】
各保持片231の保持膜231bは、
図14(c)に示すように、径方向における厚さが支持柱231aよりも極薄に形成された膜状部分であり、一方の支持柱231aから他方の支持柱231aに向かって棒状化粧材202の外周面に沿って延び一対の支持柱231aによって支持されている。また、保持膜231bとベース部である棒軸部232との間にはスリット等の隙間が設けられておらず、保持膜231bの基端部は支持柱231aと同様に棒軸部232に結合されている。
【0161】
保持膜231bの径方向における厚さは、支持柱231aの径方向における厚さの10分の1程度に設定され、具体的には約0.05mmである。
【0162】
保持膜231bと支持柱231aとは径方向における厚さが異なっているが、棒状化粧材202の外周面に接することになる支持柱231aと保持膜231bとの接続部の内周面には段差が設けられず、
図14(c)に示すように、棒状化粧材202の外周面に合わせて滑らかな円弧状となっている。
【0163】
各保持片231を構成する支持柱231aは、上述のように、長軸方向においては保持膜231bにより接続される一方、短軸方向においては互いに接続されることなく、棒状化粧材202の長軸方向側面が露出した状態となる隙間が形成される。このように隣り合う保持片231の支持柱231a間に形成された周方向における隙間が、上述の隙間部233に相当する。つまり、各保持片231が、その周方向両端部に支持柱231aがそれぞれ設けられた構成となっていることによって、一対の保持片231は、支持柱231aの周方向端面間に形成された隙間部233により、棒状化粧材202を取り囲む周方向において分断されることとなる。なお、棒状化粧材202の外周面に沿った方向において、隙間部233が設けられる範囲は、保持片231が設けられる範囲に比べて小さい。
【0164】
このように隙間部233が設けられることで、各保持片231は、その基端部のみにおいてベース部である棒軸部232に結合された状態となっている。換言すれば、各保持片231は、隙間部233が設けられることによって、棒状化粧材202を取り囲む周方向において分断された状態となっており、互いに接続されることはない。このため、各保持片231は、基端部を支点として短軸方向外側へと比較的弱い力によって傾くとともに、傾きに応じた復元力を短軸方向内側に向かって生じさせることが可能である。
【0165】
また、上記形状の保持片231を、短軸方向において棒状化粧材202を挟んで対向するように、換言すれば、棒状化粧材202の軸心を中心として周方向に等間隔となるように配置することで棒状化粧材202に対する把持力を周方向において均一化することが可能である。
【0166】
棒軸部232には、
図14(a)及び(b)に示すように、先筒210の案内溝218に係合する条部235が形成された部分と、雌ねじ部材240(
図15参照)に形成された後述の螺旋溝241に係合する雄ねじ突起237が形成された部分とが、保持片231が設けられる部分から順に設けられる。また、保持片231が立設する棒軸部232の端部には、
図14(c)に示すように、芯チャック230によって保持される棒状化粧材202の下端面に対向する端面232aが形成されている。
【0167】
条部235は、支持柱231aの基端部に連続して軸方向に沿って形成された突出部であり、棒軸部232に所定の範囲に渡って形成される。条部235は、支持柱231aと同様に4箇所に形成される。長軸方向において隣り合う条部235間には、先筒210の凸条217の断面形状に合わせた断面形状の凹溝236が軸方向に沿って延設される。
【0168】
条部235の断面形状は、支持柱231aよりも一回り大きく、先筒210の案内溝218の断面形状と略同じか僅かに小さく形成される。このため、先筒210に挿入された芯チャック230は、条部235が先筒210の案内溝218にそれぞれ摺接することによって、先筒210により軸方向に案内される一方、先筒210に対して回転不能な状態となる。
【0169】
このように先筒210に対する芯チャック230の回転を規制するために設けられた条部235は、先筒210の案内溝218に摺接する大きさであるのに対して、保持片231の支持柱231aは、棒状化粧材202が一対の保持片231により保持されている場合であっても案内溝218に接触しない大きさとなっている。
【0170】
このため、回転が規制される際に生じる反力等の力が保持片231を介して棒状化粧材202に伝達されることが抑制され、結果として、棒状化粧材202が柔らかく且つ極細に形成される場合であっても保持片231やその周辺において棒状化粧材202が折れてしまうことを防止することができる。
【0171】
条部235間に形成された凹溝236は、条部235が設けられている部分だけではなく、雄ねじ突起237が形成される部分に及んで延設されている。上述のように凹溝236は、先筒210の凸条217の形状に合わせた断面形状を有することから、芯チャック230が先筒210内を先端開口212に向かって前進する際、凹溝236の端面238が凸条217の端部217aに当接することにより、芯チャック230の前進が制限されることになる。つまり、雄ねじ突起237が形成される部分に設けられた凹溝236の端面238は、芯チャック230の前進限を規定する当接部として機能する。
【0172】
雄ねじ突起237は、例えばピッチP=1.0mm、リードL=1.0mmの一条ねじの雄ねじの一部分が軸方向に沿って間隔をあけて列状に配置された複数の突起であって、棒軸部232の中心を挟んで対向して設けられる。
【0173】
なお、上述の条部235は、雌ねじ部材240を挿通することができないように形成されている。このため、芯チャック230が後退する際、条部235が雌ねじ部材240に当接することにより、芯チャック230の後退が制限されることになる。つまり、条部235の端面235aは、芯チャック230の後退限を規定する当接部として機能する。
【0174】
雌ねじ部材240は、
図15に示すように、芯チャック230の雄ねじ突起237が係合する螺旋溝241が軸方向に貫通して形成された樹脂製の筒状部材であり、基筒220内に雌ねじ部材240が挿入された際に基筒220の段部225に当接する後端面244と、基筒220に先筒210が組付けられた際に先筒210の後端面219に当接する前端面243と、を有する。
【0175】
雌ねじ部材240の外周面には、軸方向に延びる4つの縦リブ242が周方向に等間隔で形成されている。縦リブ242は、基筒220の内周面に形成されたローレット226と係合し、雌ねじ部材240が基筒220に対して回転することを防止する回転止めとして機能する。
【0176】
雌ねじ部材240に形成された螺旋溝241に芯チャック230の雄ねじ突起237が螺合した状態で雌ねじ部材240と芯チャック230とを相対回転させると、芯チャック230は雌ねじ部材240に対して軸方向に相対移動する。つまり、芯チャック230の雄ねじ突起237と雌ねじ部材240の螺旋溝241とによって、繰出機構が構成される。
【0177】
次に、繰出容器201の組み立て手順について、
図10及び
図11を参照して説明する。
【0178】
まず、雌ねじ部材240に芯チャック230が組み付けられる。具体的には、芯チャック230の棒軸部232を雌ねじ部材240に挿入し、雌ねじ部材240の螺旋溝241から芯チャック230の雄ねじ突起237が抜け出てしまわない程度に、螺旋溝241と雄ねじ突起237とを螺合させる。これにより、雌ねじ部材240と芯チャック230とは一体的な状態となる。
【0179】
次に、Oリング溝216にOリング204が装着された先筒210に、雌ねじ部材240と一体的な状態となった芯チャック230が挿入される。具体的には、芯チャック230の支持柱231a及び条部235が先筒210の案内溝218内にそれぞれ挿入されるように、保持膜231bによって接続された支持柱231a間に先筒210の凸条217を位置させた状態で、先筒210の嵌入部214側から芯チャック230が先筒210内に挿入される。
【0180】
続いて、先筒210の嵌入部214を基筒220に挿入し、嵌入部214の嵌合凸部215と基筒220の嵌合凹部227とを嵌合させて基筒220に先筒210が組み付けられる。
【0181】
このとき、雌ねじ部材240も縦リブ242が基筒220の内周面に形成されたローレット226と係合するようにして基筒220内に挿入される。つまり、先筒210と基筒220とは、雌ねじ部材240を基筒220のローレット226に係合させながら、互いに組み付けられることになる。なお、この際、芯チャック230の棒軸部232のうち、雌ねじ部材240から突出した部分も、先筒210と基筒220とが組付けられることで、基筒220内に挿入される。
【0182】
このように先筒210と基筒220とが組付けられた後、先筒210と基筒220とを順方向に相対回転させ、芯チャック230を前進限まで繰上げる。この状態で先筒210の先端開口212側から棒状化粧材202を挿入し、芯チャック230の一対の保持片231間に棒状化粧材202が差し込まれる。
【0183】
ここで、先筒210に組み込まれた芯チャック230の保持片231は、
図11(c)に示されるように、棒状化粧材202が差し込まれる前は、短軸方向において対向して設けられる保持膜231b間の間隔が最も小さい状態となっている。
【0184】
この状態において、支持柱231a及び保持膜231bの内周面で囲まれた領域に棒状化粧材202が差し込まれると、
図11(c’)に示されるように、一対の保持片231は、基端部を支点として短軸方向外側へとそれぞれ撓み、短軸方向において対向する保持膜231b間の間隔が拡がる。そして、この撓みに伴って短軸方向内側に向かう復元力が生じることにより、各保持片231は、棒状化粧材202の短軸方向における外周面に押し付けられた状態となる。
【0185】
これにより、棒状化粧材202は、短軸方向において対峙する一対の保持片231によって挟まれるようにして保持される。
【0186】
ここで、各保持片231が棒状化粧材202と接触する面積は、保持膜231bが設けられることによって、支持柱231aのみが設けられる場合と比べて大きくなる。また、保持膜231bは、支持柱231aよりも厚さが極めて薄く剛性が低いことから、支持柱231aに比べて、変形に応じて生じる復元力は小さい。このため、棒状化粧材202は比較的低い面圧によって一対の保持片231により保持されることになる。
【0187】
このように、従来のように柱状に形成された複数の保持片によって棒状化粧材202を保持する場合と比較し、低い面圧によって棒状化粧材202を包囲するように保持することが可能となることで、棒状化粧材202を保持する部材やその周辺において棒状化粧材202が折れてしまったり、割れてしまったりすることを抑制することができる。
【0188】
一方で、面圧が低下すると把持力が低下し、棒状化粧材202が一対の保持片231間から外れやすくなるおそれがある。
【0189】
本実施形態では、棒状化粧材202に接する保持片231の面積を大きくし、保持片231と棒状化粧材202との接触面において生じる摩擦抵抗が保持片231の保持力を増大させることによって、棒状化粧材202が一対の保持片231間から軸方向に沿って抜け出てしまうことを抑制している。
【0190】
具体的には、棒状化粧材202の外周面に沿った方向において、隙間部233が設けられる範囲を、保持片231が設けられる範囲よりも小さく、好ましくは、保持片231が設けられる範囲の半分以下とすることによって、棒状化粧材202に対して保持片231が接触する面積を確保し、摩擦抵抗による保持力を増大させている。
【0191】
これにより、棒状化粧材202の折れや割れを抑制するとともに、棒状化粧材202が一対の保持片231間から抜け出てしまうことを抑制することができる。
【0192】
また、剛性が低い保持膜231bに生じる復元力は、棒状化粧材202の短軸方向における外径の大きさが多少異なったとしても大きく変化することがないことから、寸法誤差によって棒状化粧材202に作用する把持力が過大となってしまったり、過小となってしまったりすることが避けられる。したがって、上記構成の保持片231によれば、寸法誤差が吸収されるため、柔らかく且つ極細に形成された棒状化粧材202のように、外径の寸法誤差が大きくなりやすい棒状化粧材202であっても、割れたり抜け落ちたりすることなく保持することができる。
【0193】
なお、棒状化粧材202が差し込まれる前に支持柱231a及び保持膜231bの内周面で画定される短軸方向における内径(
図11(c)参照)は、棒状化粧材202の短軸方向における外径の寸法公差を考慮し、寸法公差の最小値となる最小径よりも僅かに小さく設定される。これにより、寸法公差内の棒状化粧材202であれば、一対の保持片231によって適切な把持力で保持することができる。
【0194】
また、短軸方向における一対の凸条217間の間隔は、短軸方向における外径が寸法公差の最大値となる最大径の棒状化粧材202が一対の保持片231間に差し込まれた際に、保持膜231bが短軸方向外側へと撓んでも保持膜231bの外周面の大部分が凸条217の内周面に接することがないような大きさに設定される。これにより、外径の寸法誤差が大きくなりやすい棒状化粧材202が保持片231間に差し込まれた場合であっても、保持膜231bと凸条217との擦れ合いが抑制され、棒状化粧材202を円滑に繰出し、繰戻しすることができる。
【0195】
一対の保持片231間に差し込まれた棒状化粧材202の底面は、棒軸部232の端面232aに載置される。
【0196】
このようにして棒状化粧材202が差し込まれることにより、繰出容器201の組み立てが完了する。
【0197】
このように組み立てられた繰出容器201は、
図10に示すように、芯チャック230の条部235の端面235aが雌ねじ部材240の螺旋溝241の山部245に当接することで、芯チャック230が後退限に位置した状態となる。
【0198】
この状態から、使用者が先筒210と基筒220とを順方向に相対回転させると、芯チャック230の雄ねじ突起237と雌ねじ部材240の螺旋溝241との螺合によって、芯チャック230が前進する。これにより、棒状化粧材202が先筒210の先端開口212から繰出され、化粧可能な状態となる。
【0199】
さらに先筒210と基筒220とを順方向に相対回転させて、芯チャック230を前進させると、先筒210の凸条217の端部217aに芯チャック230に形成された凹溝236の端面238が当接する。これにより、芯チャック230は、
図11に示すように、前進限に位置した状態となる。
【0200】
このように芯チャック230を前進または後進させる間、棒状化粧材202の長軸方向における外周面は、先筒210に形成された貫通孔211によって軸方向に沿って摺動可能に常時支持される。このため、棒状化粧材202が柔らかく且つ極細に形成されている場合であっても、繰出し時及び繰戻し時に棒状化粧材202が折れてしまうことを抑制することができる。
【0201】
以上の第2実施形態によれば、以下に示す効果を奏する。
【0202】
棒状化粧材202を保持する芯チャック230は、棒軸部232に立設する一対の保持片231と、保持片231が設けられていないことによって、棒軸部232から軸方向に沿って棒状化粧材202の外周面が露出された状態となる隙間部233と、を備え、各保持片231は、棒状化粧材202の軸方向に沿って延びる一対の支持柱231aと、径方向における厚さが支持柱231aよりも極薄であり、一対の支持柱231a同士を接続するように設けられる保持膜231bと、を有する。
【0203】
このように保持膜231bは、支持柱231aよりも厚さが極めて薄く剛性が低いことから、変形に応じて生じる復元力は小さい。また、支持柱231a間に保持膜231bが設けられることによって、各保持片231が棒状化粧材202と接触する面積を大きくすることが可能である。
【0204】
さらに、隙間部233が設けられることで保持膜231b及び支持柱231aは、その基端部のみにおいてベース部である棒軸部232に結合された状態となっている。このため、保持片231は、基端部を支点として径方向外側へと比較的弱い力によって傾けられ、比較的弱い把持力を径方向内側に向かって生じることになる。
【0205】
このため、棒状化粧材202は、比較的低い面圧によって一対の保持片231により保持されることになり、結果として、保持片231やその周辺において棒状化粧材202が折れてしまったり、割れてしまったりすることを抑制することができる。
【0206】
なお、次のような変形例も本発明の範囲内であり、変形例に示す構成と上述の実施形態で説明した構成を組み合わせたり、以下の異なる変形例で説明する構成同士を組み合わせたりすることも可能である。
【0207】
上記第2実施形態では、棒状化粧材202を保持する芯チャック230は、繰出機構の機能を兼ね備えた形状となっている。これに代えて、芯チャック230は、単に棒状化粧材202を保持する部材であって、別途設けられた種々構成の繰出機構によって軸方向に沿って進退するものであってもよく、例えば、カートリッジ式化粧料容器のように、棒状化粧材が収容された使い捨てのカートリッジと、繰出機構が内蔵された繰り返し使用可能なカートリッジホルダと、が分離可能なものにおいて、カートリッジ内で棒状化粧材を保持するものであってもよい。
【0208】
また、上記第2実施形態では、棒状化粧材202の断面形状が略楕円形状である。これに代えて、棒状化粧材202の断面形状は、略円形状であってもよい。このように棒状化粧材202の断面形状が略円形状である場合、例えば、上記形状の保持片231を3つ以上設け、棒状化粧材202の軸心を中心として周方向に等間隔で配置することにより、棒状化粧材202に対する把持力を周方向において均一化させてもよい。
【0209】
また、上記第2実施形態では、1つの保持片231に2つの支持柱231aが設けられている。保持片231は、その周方向両端部に支持柱231aがそれぞれ設けられた構成となっていればよく、1つの保持片231に3つ以上の支持柱231aが設けられていてもよい。なお、この場合も1つの保持片231に設けられた各支持柱231a間にはそれぞれ保持膜231bが設けられる。
【0210】
また、上記第2実施形態では、保持膜231bの基端部が、支持柱231aと同様にベース部である棒軸部232に結合されている。これに代えて、上記第1実施形態のように、保持膜231bと棒軸部232との間にはスリット等の隙間が設けられていてもよい。このように保持膜231bと棒軸部232との間にスリットを設けておくことによって、保持膜231bが変形し易くなり、保持膜231bにおいて生じる棒状化粧材202に対する把持力をさらに低減させることが可能となる。
【0211】
また、上記第2実施形態では、一対の保持片231が、短軸方向において棒状化粧材202を挟むように対向して配置されている。これに代えて、一対の保持片331は、
図16に示す変形例のように、長軸方向において棒状化粧材202を挟むように対向して配置されていてもよい。
【0212】
この変形例では、各保持片331の一対の支持柱331aが、短軸方向において棒状化粧材202を挟むように対向して配置されており、これら支持柱331aは、長軸方向における棒状化粧材202の外周面に沿って延びる保持膜331bによって互いに接続されている。
【0213】
また、この変形例では、各保持片331を構成する支持柱331aが、短軸方向において保持膜331bにより接続される一方、長軸方向においては互いに接続されることなく、棒状化粧材202の短軸方向側面が露出した状態となる隙間が形成される。このように隣り合う保持片331の支持柱331a間に形成された周方向における隙間が、保持片331が設けられていないことによって棒軸部232から軸方向に沿って棒状化粧材202の外周面が露出された状態となる隙間部333に相当する。つまり、各保持片331が、その周方向両端部に支持柱331aがそれぞれ設けられた構成となっていることによって、一対の保持片331は、支持柱331aの周方向端面間に形成された隙間部333により、棒状化粧材202を取り囲む周方向において分断されることとなる。
【0214】
このように、この変形例においても、隙間部333が設けられることで、各保持片331は、その基端部のみにおいてベース部である棒軸部232に結合された状態となっている。換言すれば、各保持片331は、隙間部333が設けられることによって、棒状化粧材202を取り囲む周方向において分断された状態となっており、互いに接続されることはない。このため、各保持片331は、基端部を支点として長軸方向外側へと比較的弱い力で傾きやすい構造となっているとともに、比較的弱い把持力を長軸方向内側に向かって生じさせることが可能な構造となっている。
【0215】
なお、棒状化粧材202が差し込まれる前に支持柱331a及び保持膜331bの内周面で画定される長軸方向における内径(
図16(g)参照)は、棒状化粧材202の長軸方向における外径の寸法公差を考慮し、寸法公差の最小値となる最小径よりも僅かに小さく設定される。これにより、寸法公差内の棒状化粧材202であれば、一対の保持片331によって適切な把持力で保持することができる。
【0216】
また、保持片331の形状に合わせて、
図16(g)及び
図16(g’)に示すように、先筒310に形成される貫通孔311や凸条317の形状も適宜変更される。
【0217】
具体的には、長軸方向における貫通孔311の内径は、長軸方向における外径が寸法公差の最大値となる最大径の棒状化粧材202が一対の保持片331間に差し込まれた際に、保持膜331bが長軸方向外側へと撓んでも保持膜331bの外周面の大部分が貫通孔311の内周面に接することがないような大きさに設定される。
【0218】
また、短軸方向における一対の凸条317間の間隔は、芯チャック330を前進または後進させる間、棒状化粧材202の短軸方向における外周面を軸方向に沿って摺動可能に常時支持可能な大きさに設定される。このため、棒状化粧材202が柔らかく且つ極細に形成されている場合であっても、繰出し時及び繰戻し時に棒状化粧材202が折れてしまうことを抑制することができる。
【0219】
また、上記第2実施形態や
図16に示される変形例では、ベース部である棒軸部232に2つの保持片231,331が立設しているが、ベース部に立設する保持片の数は、2つに限定されず、
図17に示すように、3つ以上設けられていてもよい。なお、
図17に示される部分以外の部材の形状等については、上記第2実施形態や
図16に示される変形例のものとほぼ同じであるため、その説明を省略する。なお、
図17の(a)は、
図16の(c)に相当する平面図であり、
図17の(b)は、
図16の(g’)に相当する断面図であり、
図17の(c)は、
図12の(f)に相当する断面図である。
【0220】
図17に示す変形例では、ベース部としての図示しない棒軸部に4つの保持片431が立設している。各保持片431は、棒状化粧材202の軸方向に沿って延びる単一の支持柱431aと、径方向における厚さが支持柱431aよりも極薄であり支持柱431aから棒状化粧材202の外周面に沿って延び支持柱431aによって支持される単一の保持膜431bと、をそれぞれ有している。各保持片431は、短軸方向において棒状化粧材202を挟むように対向して配置されるとともに、長軸方向において棒状化粧材202を挟むように対向して配置される。
【0221】
各支持柱431aから延びる単一の保持膜431bは、棒状化粧材202の長軸方向側面に向かって各支持柱431aから延びており、保持膜431bの先端431c間には、棒状化粧材202の長軸方向側面が露出した状態となる隙間が形成される。このように隣り合う保持片431の保持膜431bの先端431c間に形成された隙間は、保持片431が立設するベース部としての図示しない棒軸部から軸方向に沿って棒状化粧材202の外周面が露出される隙間部434となる。
【0222】
また、各保持片431の支持柱431aの周方向端面431d間には、棒状化粧材202の短軸方向側面が露出した状態となる隙間が形成される。このように隣り合う保持片431の支持柱431a間に形成された隙間は、保持片431が立設するベース部としての図示しない棒軸部から軸方向に沿って棒状化粧材202の外周面が露出される隙間部433となる。
【0223】
つまり、この変形例では、各保持片431が、その周方向一方の端部に保持膜431bが設けられ、その周方向他方の端部に支持柱431aが設けられた構成となっていることによって、各保持片431は、保持膜431bの先端431c間に設けられる隙間部434と、支持柱431a間に設けられる隙間部433と、により、棒状化粧材202を取り囲む周方向において分断されることとなる。
【0224】
また、ベース部である図示しない棒軸部と保持膜431bとの間には図示しないスリットが設けられている。
【0225】
また、
図17に示す変形例では、棒状化粧材202の外周面に沿った方向において、隙間部433,434が設けられる範囲を、保持片431が設けられる範囲と同程度か、これよりも小さくすることによって、棒状化粧材202に対して各保持片431が接触する面積を確保し、摩擦抵抗による保持力を増大させている。
【0226】
また、
図17に示す変形例では、
図16に示される変形例と同様に、芯チャック430を前進または後進させる間、棒状化粧材202の短軸方向における外周面は、先筒310に形成された一対の凸条317により軸方向に沿って摺動可能に常時支持される。このため、繰出し時及び繰戻し時に棒状化粧材202が折れてしまうことを確実に抑制することができる。
【0227】
なお、
図17に示す変形例においても、上記第2実施形態や
図16に示される変形例と同様に、芯チャック430には、各支持柱431aに連続して図示しない条部が軸方向に沿って設けられ、先筒310には、各条部が係合する案内溝318が設けられている。また、この変形例においても、条部の断面形状は、支持柱431aよりも一回り大きくなっており、各支持柱431aは、棒状化粧材202が各保持片431により保持されている場合であっても案内溝318に接触しない大きさとなっている。
【0228】
図17に示す変形例においても、上記第2実施形態と同様に、各保持片431は、隙間部433,434が設けられることによって、棒状化粧材202を取り囲む周方向において互いに分断された状態となっており、さらに、ベース部である図示しない棒軸部と保持膜431bとの間にはスリットが設けられることによって、棒軸部と結合される部分の面積が小さくなっていることから、比較的変形しやすい構造となっている。
【0229】
なお、この変形例では、各保持膜431bの周方向における長さが比較的短いことから、保持膜431bと棒軸部との間にスリットが設けられている場合と設けられていない場合とにおいて、保持膜431bにおいて生じる把持力が変わらない可能性があることから、スリットを設けることなく、保持膜431bの基端部を棒軸部に結合した構成としてもよい。
【0230】
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
【符号の説明】
【0231】
1,201・・・棒状化粧材繰出容器
2,202・・・棒状化粧材
10,110,160,180,210,310・・・先筒
11,111,211,311・・・貫通孔
12,112,212・・・先端開口
18,118,168,188,218,318・・・案内溝
20,220・・・基筒
30,130,150,170,230,330,430・・・芯チャック
31,131,151,171,231,331,431・・・保持片
31a,131a,151a,171a,231a,331a,431a・・・支持柱
31b,131b,151b,171b,231b,331b,431b・・・保持膜
31c,131c,151c,431c・・・先端
31d,131d・・・スリット
32,132,232・・・棒軸部(ベース部)
33,133,153,173,233,333,433,434・・・隙間部