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  • 特開-切断装置および切断方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022190328
(43)【公開日】2022-12-26
(54)【発明の名称】切断装置および切断方法
(51)【国際特許分類】
   B26D 1/09 20060101AFI20221219BHJP
   B26D 7/01 20060101ALI20221219BHJP
   B26D 7/20 20060101ALI20221219BHJP
   B23D 25/14 20060101ALI20221219BHJP
   B23D 15/00 20060101ALI20221219BHJP
   B23D 21/02 20060101ALI20221219BHJP
【FI】
B26D1/09
B26D7/01 Z
B26D7/20
B23D25/14
B23D15/00 A
B23D21/02 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021098600
(22)【出願日】2021-06-14
(71)【出願人】
【識別番号】509306971
【氏名又は名称】岩井 靖憲
(71)【出願人】
【識別番号】520072763
【氏名又は名称】岩井 裕一
(74)【代理人】
【識別番号】100174816
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 貴久
(72)【発明者】
【氏名】岩井 靖憲
(72)【発明者】
【氏名】岩井 裕一
【テーマコード(参考)】
3C021
3C039
【Fターム(参考)】
3C021BE01
3C021GA04
3C039AA02
3C039AA25
3C039AB07
(57)【要約】
【課題】 樹脂管を廃棄する際、嵩を少なくするために、樹脂管を切断することが行われている。しかしながら、径が大きく厚い樹脂管を切断するのは手間がかかっていた。それゆえ、樹脂管を簡易により細かく切断可能な切断装置を提供する。
【解決手段】 樹脂管を切断するための切断装置であって、前記樹脂管を載置するための載置台と、載置された前記樹脂管を切断するための切断刃と、前記切断刃を上下垂直方向に移動させる駆動装置と、を備え、前記載置台は、前記切断刃と嵌合する溝部を有していることを特徴とする切断装置。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂管を切断するための切断装置であって、
前記樹脂管を載置するための載置台と、
載置された前記樹脂管を切断するための切断刃と、
前記切断刃を上下垂直方向に移動させる駆動装置と、を備え、
前記載置台は、前記切断刃と嵌合する溝部を有していることを特徴とする切断装置。
【請求項2】
前記溝部の幅の広さを変更する幅調節機構を有していることを特徴とする請求項1に記載の切断装置。
【請求項3】
前記切断刃の動きを抑制するための安全器具としてバネ材を有していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の切断装置。
【請求項4】
前記切断刃は、上下垂直方向に移動する軸部に固着しており、前記切断刃は当該軸部を中心に120度間隔で3つ設けられていることを特徴とする請求項1~請求項3のいずれかに記載の切断装置。
【請求項5】
前記切断刃の2つにガイドレールが設けられていることを特徴とする請求項4に記載の切断装置。
【請求項6】
樹脂管を載置するための載置台と、
前記載置された樹脂管を切断するための切断刃と、
前記切断刃を上下垂直方向に移動させる駆動装置と、を備え
前記載置台は、前記切断刃と嵌合する溝部を有する切断装置が実行する切断方法であって、
前記樹脂管を前記載置台に載置する載置工程と、
前記載置台に設けられた前記溝部まで前記切断刃を下げることで前記樹脂管を切断することを特徴とする切断方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂管を切断する切断装置および切断方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、樹脂管は、水道管、下水道における種々の管、ガス管、および灌漑用水管など幅広い分野に使用されている。
【0003】
一方で、このような樹脂管は廃棄時等において切断するのだが、切断するのに時間がかかるという問題が指摘されている。これは、水道管等に使用されている樹脂管は、径が比較的大きく厚みがあるためである。なお、廃棄時等において樹脂管を切断するのは、廃棄費用を抑えるためである。廃棄費用は、廃棄物の嵩によって計算されているため、樹脂管を細かく切断し、嵩を少なくすることが行われている。
【0004】
なお、樹脂管を切断するものとしては、特許文献1に記載の樹脂管切断装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2014―176949号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の樹脂管切断装置は、樹脂管を輪切りにするための装置であって、輪切りされた樹脂管をさらに細かく切断するのが困難であった。また、切断する際、樹脂管切断装置を樹脂管に装着等させる必要があるため、切断するのに手間が生じていた。
【0007】
それ故に、本発明は、上記のような課題に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、樹脂管を簡易により細かく切断可能な切断装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明は、少なくとも以下のような構成を備え、もしくは手順を実行する。なお、以下の説明において、本発明の理解を容易にするために図面に示されている符号等を付記する場合があるが、本発明の各構成要素は、図面に示されているものに限定されるものではなく、当業者が技術的に理解しうる範囲にまで広く解釈されるべきものである。
【0009】
本発明の一局面に係る切断装置は、樹脂管を切断するための切断装置であって、前記樹脂管を載置するための載置台と、載置された前記樹脂管を切断するための切断刃と、前記切断刃を上下垂直方向に移動させる駆動装置と、を備え、前記載置台は、前記切断刃と嵌合する溝部を有していることを特徴とする。
かかる構成により、樹脂管を簡易により細かく切断することができる。また、切断する際、切断刃が載置台に設けられた溝部に嵌るので、切り残しなく、樹脂管を確実に切断することができる。
【0010】
また、好ましくは、前記載置台は、前記溝部の幅の広さを変更する幅調節機構を有していることを特徴とする。
かかる構成により、様々な樹脂管をより確実に切断することができる。樹脂管の厚みによっては切断する際、樹脂管が折れ曲がって切断できない場合があるが、溝部の幅を適切な広さに調整することでより確実に切断することができる。具体的には、樹脂管が薄い場合に輪切りする場合、溝部の幅を狭くすることでより確実に樹脂管を切断することができる。
【0011】
また、好ましくは、前記切断刃の動きを抑制するための安全器具としてバネ材を有していることを特徴とする。
かかる構成により、事故を軽減することができる。切断刃は、上下垂直方向に移動するが、意図しないタイミングで切断刃が落ちてくる可能性を否定できない。そのため、バネ材を設けることで、切断刃が落ちるのを確実に防止することができる。
【0012】
また、好ましくは、前記切断刃は、上下垂直方向に移動する軸部に固着しており、前記切断刃は当該軸部を中心に110度~130度間隔で3つ設けられていることを特徴とする。
かかる構成により、より早く樹脂管を細かく切断することができる。切断刃が3つ設けてあると、一度の切断作業で3分割することができるためである。
【0013】
また、好ましくは、前記切断刃の2つにガイドレールが設けられていることを特徴とする。
かかる構成により、切断刃の位置を固定することができる。3つの切断刃の内、2つにガイドレールが設けられていれば、切断刃が回転移動することを防止することができる。
【0014】
また、本発明の一局面に係る切断方法は、樹脂管を載置するための載置台と、前記載置された樹脂管を切断するための切断刃と、前記切断刃を上下垂直方向に移動させる駆動装置と、を備え前記載置台は、前記切断刃と嵌合する溝部を有する切断装置が実行する切断方法であって、前記樹脂管を前記載置台に載置する載置工程と、前記載置台に設けられた前記溝部まで前記切断刃を下げることで前記樹脂管を切断することを特徴とする。
かかる構成により、樹脂管を簡易により細かく切断することができる。
【発明の効果】
【0015】
以上のように、本発明によれば、樹脂管を簡易により細かく切断することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の一実施形態に係る切断装置100に樹脂管を配置した状態を示す図である。
図2】本発明の一実施形態に係る切断装置100を示す斜視図である。
図3】本発明の一実施形態に係る切断装置100の背面側を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の各実施形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下で説明する実施形態は、あくまで、本発明を実施するための具体的な一例を挙げるものであって、本発明を限定的に解釈させるものではない。
【0018】
図1は、本発明の一実施形態に係る切断装置100に樹脂管10を配置した状態を示す図である。切断装置100に樹脂管10を配置した状態で切断刃110を垂直方向に下すことで樹脂管10を切断する。なお、切断刃110は、樹脂管10を載置した載置台120に設けられた溝部121に嵌るまで下す。これにより、樹脂管10を切り残しなく切断することができる。
【0019】
図2は、本発明の一実施形態に係る切断装置100を示す斜視図であり、図3は、本発明の一実施形態に係る切断装置100の背面側を示す斜視図である。図2及び図3において、切断装置100は、樹脂管10を載置するための載置台120と、載置された樹脂管10を切断するための切断刃110と、切断刃110を上下垂直方向に移動させる駆動装置130と、を備えている。なお、載置台120は、切断刃110と嵌合する溝部121を有している。また、載置台120は、基礎台140の上に設けられており、基礎台140には、切断刃110および駆動装置130を支持する枠部150が設けられている。また、基礎台140には、溝部121の幅を調節するための幅調節機構160が設けられている。
【0020】
樹脂管10は、PE管であるがこれに限られず、様々な種類の樹脂管10を切断することができる。
【0021】
載置台120は、樹脂管10を載置する台であり円板形状をしている。なお、載置台120は約120度間隔で3分割されており、溝部121を有している。なお、溝部121の幅は、幅調節機構160によって調節することができる。溝部121の幅を調節することで、様々な種類の樹脂管10を切断することができる。具体的には、粘性が高く柔らかい樹脂管10を輪切り状に切断する場合は、幅を狭くすることでより確実に切断することができる。この場合、幅が広いと樹脂管10が曲がってしまい切り残しが出てしまう。逆に樹脂管10が固く、厚みがある場合には、溝部121の幅を広げた方が好ましい。このように、切断する樹脂管10によって、溝部121の幅を調節すると良い。
【0022】
幅調節機構160は、ネジを利用した機構である。具体的には、載置台120に設けられた係止具161を六角レンチで緩めた後に基礎台140に設けられたネジ部162を回転させることで溝部121の幅を調節することができる。調節後は、係止具161を回転させて固定することで溝部121の幅を固定することができる。なお、係止具161は長径に嵌っており、長径の長さ分だけ溝部121の幅を調節することができる。
【0023】
切断刃110は、高炭素鋼で形成されており、刃の角度は9度で形成されている。これにより、樹脂管10をより確実に切断することができる構造となっている。
【0024】
切断刃110は、軸部111に固定されており、軸部111を中心に120度間隔で3つ設けられている。切断刃110を3つ設けることで1度の切断作業によって樹脂管10を3分割することができる。また切断刃110は、上部円板112にも固着している。これにより、切断刃110の強度を向上させている。また上部円板112には、突起部113が設けられている。切断刃110の真上に突起部113を設けることにより、切断刃110の強度を向上させている。また、切断刃110の刃先の部分は、軸部111の先端より下に位置している。これにより、切断刃110の刃先の部分が載置台120の溝部121により確実に嵌るように構成されている。
【0025】
切断刃110の3つの内、2つには切断刃110の移動を抑制するガイドレール114が設けられている。ガイドレール114は、基礎台140に設けられており、垂直方向に立設している。ガイドレール114は溝部分が設けられており、切断刃110は当該溝部分に嵌って配置されている。切断刃110の3つ内、2つにガイドレール114が設けられていると、切断刃110が回転することを防止することができる。これにより、切断刃110を垂直方向に下したとき、切断刃110の刃先がより確実に溝部121に嵌る構造となっている。
【0026】
駆動装置130は切断刃110を上下垂直方向に移動させるものであり、具体的には、油圧モーターである。駆動装置130は、枠部150の上部分の中心付近に取り付けられており、枠部150の左右から支持部151によって固定されている。なお、枠部150はコの字型をしており、枠部150の間に載置台120が配置されている。なお、駆動装置130は、載置台120の中心付近に位置しているため、より確実に切断刃110を上下垂直方向に移動することができる。切断刃110を上下垂直方向に移動させると、力を逃すことなく切断できるため好ましい。
【0027】
枠部150は、基礎台140に設けられており、駆動装置130を支持している。なお、図示はしていないが、枠部150の上部分と上部円板112とを連結するように安全器具としてバネ材を取り付けても構わない。バネ材を取り付けることで、切断刃110の動きを抑制、つまり、切断刃110が意図しないタイミングで下に落ちる等を確実に防ぐことができる。なお、バネ材は、コイルバネ等が好ましい。
【0028】
次に、切断装置100を使用して樹脂管10を切断する方法について記載する。切断する樹脂管10により幅調節機構160によって載置台120の溝部121の幅を調節する。その後、樹脂管10を載置台120の上に載置する載置工程を行う。そして、駆動装置130によって切断刃110を溝部121まで下げて樹脂管10を切断する。これを繰り返すことによって樹脂管10を簡易により細かく切断することができる。
【0029】
本実施形態では、切断する対象を樹脂管10としたが、切断する対象はこれに限定されるものではない。例えば、比較的径の薄い金属管やホール状のチーズ(パルミジャーノレッジャーノ)等を切断しても良い。
【0030】
以上、本発明の各実施形態についての具体的な説明を行った。上記説明は、あくまで一実施形態としての説明であって、本発明の範囲はこの一実施形態に留まらず、当業者が把握可能な範囲にまで広く解釈されるものである。
【産業上の利用可能性】
【0031】
本発明は、水道管、下水道における種々の管、ガス管、および灌漑用水管など幅広い分野で使用されている樹脂管10を廃棄する際の切断等に有用である。
【符号の説明】
【0032】
10 樹脂管
100 切断装置
110 切断刃
111 軸部
112 上部円板
113 突起部
114 ガイドレール
120 載置台
121 溝部
130 駆動装置
140 基礎台
150 枠部
151 支持部
160 幅調節機構
161 係止具
162 ネジ部

図1
図2
図3