(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022190359
(43)【公開日】2022-12-26
(54)【発明の名称】ブラックマトリクス基板、及びブラックマトリクス基板を備えた表示装置
(51)【国際特許分類】
G09F 9/30 20060101AFI20221219BHJP
G09F 9/33 20060101ALI20221219BHJP
G09F 9/35 20060101ALI20221219BHJP
G02F 1/1335 20060101ALI20221219BHJP
G02F 1/13357 20060101ALI20221219BHJP
H01L 33/00 20100101ALI20221219BHJP
H01L 33/58 20100101ALI20221219BHJP
【FI】
G09F9/30 349C
G09F9/30 338
G09F9/33
G09F9/35
G09F9/30 365
G02F1/1335 500
G02F1/13357
H01L33/00 L
H01L33/58
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021098641
(22)【出願日】2021-06-14
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
(72)【発明者】
【氏名】大澤 崇泰
(72)【発明者】
【氏名】海沼 英樹
(72)【発明者】
【氏名】福吉 健蔵
【テーマコード(参考)】
2H291
2H391
5C094
5F142
【Fターム(参考)】
2H291FA10Y
2H291FA14Y
2H291FA22X
2H291FA22Z
2H291FA31Y
2H291FA46Y
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2H291FB02
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2H291GA19
2H291LA03
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2H391AA03
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2H391CB13
2H391EA11
2H391EA21
2H391EA26
5C094AA05
5C094AA06
5C094AA10
5C094BA23
5C094BA27
5C094BA43
5C094CA19
5C094DA13
5C094ED01
5C094ED11
5C094ED13
5C094ED15
5C094FB20
5F142BA32
5F142CA11
5F142CB14
5F142CB23
5F142CB24
5F142CD02
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5F142DB24
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5F142DB42
5F142GA12
(57)【要約】 (修正有)
【課題】液晶表示装置、LEDディスプレイ、及び有機EL表示装置などの表示装置において、表示コントラスト及び表示の明るさを向上することができるブラックマトリクス基板、及び、ブラックマトリクス基板を備えた表示装置を提供すること。
【解決手段】透明基板上に、透過率調整層と、第1方向に線幅Ax、第2方向に線幅Ayとで区画された複数の開口部を具備する第1ブラックマトリクスと、前記開口部と前記第1ブラックマトリクスを覆う光散乱層と、前記光散乱層上に、第1方向に線幅Bx、第2方向に線幅Byで区画された開口部を持つ第2ブラックマトリクスと、前記第2ブラックマトリクス上に、第1方向に線幅Cx、第2方向に線幅Cyで区画された開口部を持つ光反射性マトリクスを、少なくとも備え、各線幅が下式(1)、(2)の関係にあるブラックマトリクス基板である。
Ax>Bx≧Cx・・・(1)
Ay>By≧Cy・・・(2)
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明基板の1の面に、
透過率調整層と、
平面視、第1方向に線幅Ax、第2方向に線幅Ayとで区画された複数の開口部を具備する第1ブラックマトリクスと、
前記複数の開口部と前記第1ブラックマトリクスを覆う光散乱層と、
前記光散乱層上に、前記第1ブラックマトリクスの前記線幅Ax、前記線幅Ayのそれぞれ中心で重なるよう区画され、第1方向に線幅Bx、第2方向に線幅Byで区画された複数の開口部を持つ第2ブラックトリクスと、
前記第2ブラックマトリクス上に、前記線幅Bx、前記線幅Byのそれぞれ中心で重なるよう区画され、第1方向に線幅Cx、第2方向に線幅Cyで区画された複数の開口部を持つ光反射性マトリクスを、少なくとも備え、
前記線幅Ax、前記線幅Cx、前記線幅Ay、前記線幅Cyは、下式(1)、(2)の関係にある、
ブラックマトリクス基板。
Ax>Bx≧Cx・・・・・(1)
Ay>By≧Cy・・・・・(2)
【請求項2】
前記透過率調整層が、少なくとも、カーボンブラックを含む透過率調整層である、
請求項1に記載のブラックマトリクス基板。
【請求項3】
前記光散乱層が、透明粒子を含む光散乱層である、
請求項1に記載のブラックマトリクス基板。
【請求項4】
前記光散乱層が、酸化亜鉛の粒子を含む光散乱層である、
請求項1に記載のブラックマトリクス基板。
【請求項5】
前記光散乱層が、カーボンブラック及び青色顔料を含む光散乱層である、
請求項1に記載のブラックマトリクス基板。
【請求項6】
前記光散乱層が、紫外線吸収剤を含む光散乱層である、
請求項1に記載のブラックマトリクス基板。
【請求項7】
前記光反射性マトリクスは、前記第2ブラックマトリクス上に、チタンあるいは窒化チタンの薄膜と、ネオジムを添加したアルミニウム合金の薄膜との2層構成で積層された構成である、
請求項1に記載のブラックマトリクス基板。
【請求項8】
前記光反射性マトリクスは、前記第2ブラックマトリクス上に、第1導電性酸化物の薄膜と、銀あるいは銀合金の薄膜と、第2導電性酸化物の薄膜との3層構成で積層された構成である、
請求項1に記載のブラックマトリクス基板。
【請求項9】
前記光散乱層と前記第2ブラックマトリクスの間に、第1透明樹脂層を挿入した構成である、
請求項1に記載のブラックマトリクス基板。
【請求項10】
前記光反射性マトリクス上に、第2透明樹脂層を積層した、
請求項1に記載のブラックマトリクス基板。
【請求項11】
請求項1から請求項9に記載のブラックマトリクス基板と、
少なくとも、
表示機能層と、
を具備する表示装置。
【請求項12】
前記表示機能層が、それぞれ薄膜トランジスタで駆動される、赤色発光素子、緑色発光素子、青色発光素子である、
請求項11に記載の表示装置。
【請求項13】
前記表示機能層が、それぞれ薄膜トランジスタで駆動される、赤色発光ダイオードと青色発光ダイオードと緑色発光ダイオードである、
請求項11に記載の表示装置。
【請求項14】
前記表示機能層がそれぞれ薄膜トランジスタで駆動される液晶層であり、赤色発光ダイオードと青色発光ダイオードと緑色発光ダイオードを備える複数の光モジュールをバックライトユニットとして具備する、請求項11に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示装置、マイクロLED(LEDディスプレイ)、及び有機EL表示装置などに用いられるブラックマトリクス基板、さらにはブラックマトリクス基板を備えた表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置、マイクロLED(Light Emitting Diode)ディスプレイ、有機EL表示装置等の情報表示装置は、
図1(a)のように、ブラックマトリクス基板および表示機能層からなるとみることができる。表示機能層は電気信号により画素ごとに、液晶のように透過光量を制御する、あるいは有機ELやマイクロLEDのように電気信号に対応する強度で発光することにより、画像情報を色彩と光強度の分布として表示する機能を有する。ブラックマトリクス基板は、画素と画素の間隙から隣接画素からの漏光が入り込むこと、間隙の制御されない領域の透過光、および外光の反射によるコントラストの低下を抑える機能を有する。本発明は後述する
図1(b)に示すブラックマトリクス基板の層構成とそれを用いた表示装置に関する。
【0003】
後述のように、
図5には、表示機能層がマイクロLEDの場合の表示装置の断面を示す。また
図6には表示機能層がミニLED光源としたバックライトと光量を変調する液晶との組み合わせを用いた液晶表示装置の断面を示す。
【0004】
近年、およそ5μmから100μmサイズのLEDチップをマトリクス状に複数並べた構成を有するミニLEDと呼称される直下型のバックライトを液晶表示装置に用いる技術が注目されている。ミニLEDでは、通常、赤色発光、緑色発光、青色発光の3種類のLEDチップ(以下、発光素子と記載することがある)が用いられている。
【0005】
また、表示画面における表示部位の位置に応じて、3種類のLEDチップの発光輝度を部分的に調整し、あるいは、部分的に発光を停止させるローカルディミングを併用する技術が注目されている。
このようなローカルディミングを用いる液晶表示装置においては、表示画面における発光を部分的にオフにすることができるため、表示のコントラストを大きく改善できる。従来の液晶表示装置では、バックライトを常時点灯とするため、液晶の黒表示のときに、僅かな光漏れが発生し、有機EL並みのコントラストを得ることが困難であった。
【0006】
マイクロLEDは、およそ2μmから100μmサイズのLEDチップがマトリクス状に配列した構造を有し、複数のLEDチップの各々を個別駆動することによって表示を行う表示装置である。このようなマイクロLEDは、液晶を用いずに表示を行うことができる。
【0007】
マイクロLEDは、上述したミニLEDと同様に赤色発光、緑色発光、青色発光の3種類のLEDチップを用いる方式と、青色から近紫外の波長域の光を発する発光LEDチップなどの単色発光LEDチップのみを用いる方式とに大別される。マイクロLEDにおいては、個々のLEDチップが表示機能層の役割を果たす。
単色発光LEDチップを用いる方式では、複数の単色発光LEDチップの各々に、発光波長を赤色、緑色、及び青色のいずれかへ波長を変換する波長変換層(例えば、量子ドットや蛍光体などの分散体)を積層することで、カラー表示を実現している。
有機ELとは、有機エレクトロルミネセンス(Organic Electroluminescence)の略称である。有機EL表示装置は、表示機能層として、有機化合物
中に注入された電子と正孔の再結合による発光を表示に用いる表示装置である。有機EL表示装置は、赤色、緑色、及び青色に発光する3種類の発光層を用いる方式と、白色に発光する白色発光層にカラーフィルタを組み合わせる方式とに大別される。
液晶表示装置、マイクロLED、及び有機EL表示装置においては、いずれも、表示機能層からの出射光が画素開口部に向かう光の直線性が十分に得られていなかった。従って、隣接する画素に対する迷光(斜め出射光)が発生してしまい、表示コントラストが低下していた。
【0008】
特に、画素サイズの微細化が進むに従って、迷光に起因する表示コントラスト低下が問題となる。また、表示装置が明るい環境下で使用される際、外部から表示装置に入射する入射光に起因する表示コントラスト低下も問題となる。
有機EL表示装置やマイクロLEDでは、外部から表示装置に入射する入射光に起因するコントラスト低下を避けるため、円偏光板が用いられている。有機EL表示装置やマイクロLEDにおいて、円偏光板は、光反射性を有する画素電極での外光の反射を消して視認性を改善する目的で、表示装置の上面に搭載されている。しかしながら、円偏光板は高価であることから、表示装置の構造の点で、円偏光板を省略することが強く要求されている。
【0009】
特許文献1は、2層構成のブラックマトリクスを開示している(特許文献1の
図1参照)。しかしながら、特許文献1の技術は、裸眼の観察者に対して立体画像を表示する技術である。特許文献1は、種々の表示機能層を用いる表示装置でのコントラスト低下を課題としていない。特許文献1では、高価な円偏光板を省く構成を提案しておらず、加えて、ブラックマトリクスの表面反射を抑える技術を開示していない。
【0010】
特許文献2には、第1遮光層と第2遮光層を用いたカラーフィルタが記載されている。しかしながら、特許文献2では、高価な円偏光板を省く構成を提案しておらず、加えて、第1遮光層の表面反射を抑える技術を開示していない。特許文献2は、カラーフィルタを備えない構成を考慮していない。赤色発光素子、緑色発光素子、青色発光素子を具備するマイクロLEDでは、あるいは、赤色発光素子、緑色発光素子、青色発光素子と液晶層とを用いたミニLEDでは、カラーフィルタを省くことができる。また、同様に、色純度を向上させた有機EL表示装置であればカラーフィルタを必要としない。液晶表示装置においても、LEDバックライトの赤色発光、緑色発光、青色発光を順次点灯させて表示するフィールドシーケンシャルでは、カラーフィルタを省くことができる。
【0011】
しかしながら、特許文献2において、第2遮光層が着色層の端部を覆う特徴、及び、請求項3の第2遮光層の幅に関する特徴は、特許文献1の
図16に示されるカラーフィルタとほぼ同一である。特許文献1には、第1遮光層と第2遮光層のアライメントの課題も記載されている。特許文献2の第2遮光層に関わる[0034]から[0036]の技術も、例えば、特許文献1の[0105]段落に記載されている。
特許文献1及び特許文献2、いずれも、光散乱層による視認性向上及び、バックライトやLED発光素子など光源からの出射光をブラックマトリクス部位で反射させ光源側へ戻し再利用する技術をあわせ、ともに開示も示唆もしていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特許第5804196号公報
【特許文献2】特許第6225524号公報
【0013】
図10に、青色LEDを発光素子51とする直下型バックライトユニット55を具備する表示装置の従来例を示す。この従来例では、直下型バックライトユニット55の上部に液晶パネル50を表示機能部分として例示している。液晶パネル50は、ブラックマトリ
クスを含むカラーフィルタが配設されている。画素位置を示すため、a、b、c、d、eの画素を模式的に液晶パネル内に図示した。
【0014】
直下型バックライトユニット55は、複数の発光素子と、発光素子の並びの上に拡散板52と、波長変換シート53と、例えば直交する2枚のプリズムシート54を備える。上記発光素子は、金属の筐体で個々パッケージ化された複数のLEDチップを配設することが多い。波長変換シートは、発光素子の青色発光の一部を赤色及び緑色に変換させ、赤・緑・青の3色をえるためのものである。
【0015】
これらLEDチップの発光部上には、蛍光体や光散乱粒子をシリコーン樹脂とともに充填されたものが一般的である。LEDの発光は、直線性の高い、LEDチップの中央寄りの発光であるため、これら蛍光体や光散乱粒子は、視野拡大のために光散乱をさせることが一つの役割である。しかし、このようにパッケージ化されたLEDチップをバックライトユニットに配設する構成では、LEDチップからの出射光が散乱された形となり、画素開口に具備されるカラーフィルタに出射光が届くまでに拡散されコントラストを低下させ、好ましくない。換言すれば、ローカルディミングを適用するときに十分な効果を得にくくなる。
【0016】
拡散板52と波長変換シートは、ともに光を拡散させる。例えば、c画素の直下に位置するc-LED(青色LED)の出射光は、c画素のみでなく周囲のa、b、d、eなど隣接画素に回り込み、ローカルディミングの効果をさらに低下させることになる。
液晶表示装置に限らず、マイクロLEDと呼称されるLEDディスプレイでもこうした光散乱による、あるいは、隣接画素への迷光によるコントラス低下の課題は解決されていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明は、上記の背景技術や課題に鑑みてなされたものであって、高精細化がさらに要求される液晶表示装置、マイクロLED(LEDディスプレイ)、及び有機EL表示装置などの表示装置において、表示コントラストを改善するとともに、表示の明るさを向上することができるブラックマトリクス基板、及び、ブラックマトリクス基板を備えた表示装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明の第1態様に関わるブラックマトリクス基板は、透明基板の1の面に、透過率調整層と、平面視、第1方向に線幅Ax、第2方向に線幅Ayとで区画された複数の開口部を具備する第1ブラックマトリクスと、前記複数の開口部と前記第1ブラックマトリクスを覆う光散乱層と、前記光散乱層上に、前記第1ブラックマトリクスの前記線幅Ax、前記線幅Ayのそれぞれ中心で重なるよう区画され、第1方向に線幅Bx、第2方向に線幅Byで区画された複数の開口部を持つ第2ブラックマトリクスと、前記第2ブラックマトリクス上に、前記線幅Bx、前記線幅Byのそれぞれ中心で重なるよう区画され、第1方向に線幅Cx、第2方向に線幅Cyで区画された複数の開口部を持つ光反射性マトリクスを、少なくとも備え、前記線幅Ax、前記線幅Cx、前記線幅Ay、前記線幅Cyは、下式(1)、(2)の関係にあるブラックマトリクス基板である。
Ax>Bx≧Cx・・・(1)
Ay>By≧Cy・・・(2)
本発明のブラックマトリクス基板の構成に含まれる透過率調整層は、少なくとも、カーボンブラックを含む透過率調整層とすることができる。
本発明のブラックマトリクス基板の構成に含まれる光散乱層は、光学的に等方な透明粒子を含む光散乱層とすることができる。
【0019】
本発明のブラックマトリクス基板の構成に含まれる光散乱層は、酸化亜鉛の粒子を含む光散乱層とすることができる。
本発明のブラックマトリクス基板の構成に含まれる光散乱層は、カーボンブラックと青色顔料を含む光散乱層とすることができる。
本発明のブラックマトリクス基板の構成に含まれる光散乱層は、紫外線吸収剤を含む光散乱層とすることができる。
本発明のブラックマトリクス基板の構成に含まれる光反射性マトリクスは、前記第2ブラックマトリクス上に、チタンあるいは窒化チタンの薄膜と、ネオジムを添加したアルミニウム合金の薄膜との2層構成で積層された構成とすることができる。
本発明のブラックマトリクス基板の構成に含まれる光反射性マトリクスは、前記第2ブラックマトリクス上に、第1導電性酸化物の薄膜と、銀あるいは銀合金の薄膜と、第2導電性酸化物の薄膜との3層構成で積層された構成であるブラックマトリクス基板とすることができる。
【0020】
本発明の第1態様に関わるブラックマトリクス基板は、光散乱層と前記第2ブラックマトリクスの間に、第1透明樹脂層を挿入した構成とすることができる。
本発明の第1態様に関わるブラックマトリクス基板は、光反射性マトリクス上に、第2透明樹脂層を積層することができる。
本発明の第2態様に関わる表示装置は、上記第1態様に関わるブラックマトリクス基板と、少なくとも、表示機能層を備える表示装置とすることができる。
本発明の第2態様に関わる表示装置は、前記表示機能層を、それぞれ薄膜トランジスタで駆動される、赤色発光素子、緑色発光素子、青色発光素子とすることができる。
本発明の第2態様に関わる表示装置は、前記表示機能層を、それぞれ薄膜トランジスタで駆動される、赤色発光ダイオードと青色発光ダイオードと緑色発光ダイオードとすることができる。
【0021】
本発明の第2態様に関わる表示装置は、前記表示機能層をそれぞれ薄膜トランジスタで駆動される液晶層とし、赤色発光ダイオードと青色発光ダイオードと緑色発光ダイオードを備える複数の光モジュールをバックライトユニットとして具備することができる。
【0022】
本発明に採用することの望ましい発光素子(あるいは発光ダイオード)は、指向性のある発光素子が好ましい。例えば、赤色、緑色、青色とそれぞれLEDチップを、個別の筐体に実装した発光素子では、その筐体内のLEDチップ上に光散乱粒子や波長変換蛍光体を積層しない発光素子が好ましい。
【発明の効果】
【0023】
本発明は、シンプルな構成でありながら、表示装置としたきに表示品質の高いブラックマトリクス基板、及びこれを具備する表示装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明の第1実施形態に関わる、(a)表示装置の断面図、(b)ブラックマトリクス基板の断面図、(c)A部断面図、(d)B部断面図である。
【
図2】本発明の第2実施形態に関わる、(a)ブラックマトリクス基板の断面図、(b)A部断面図である。
【
図3】
図1の断面図の方向C(光反射性マトリクス5から見た方向)からの平面図である。
【
図4】光源からの出射光L6の進む経路を示したブラックマトリクス基板の断面図である。
【
図5】本発明の第2実施形態に関わるLEDディスプレイの断面図である。
【
図6】本発明の第2実施形態に関わる液晶表示装置の断面図である。
【
図7】
図7は、光モジュール510の断面図である。
【
図10】直下型バックライトユニットを備える従来の表示装置の模式断面図である。
【
図11】本発明の実施形態に関わる、透明基板とブラックマトリクスの間に透過率調整層を配設した表示装置の反射率スペクトルである。
【
図12】従来のブラックマトリクスを用いた表示装置の反射率スペクトルである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
以下の説明において、同一又は実質的に同一の機能及び構成要素には、同一の符号を付し、その説明を省略又は簡略化し、或いは、必要な場合のみ説明を行う。各図において、各構成要素を図面上で認識し得る程度の大きさとするため、各構成要素の寸法及び比率を実際のものとは適宜に異ならせてある。また、必要に応じて、図示が難しい要素、例えば、薄膜トランジスタなどの構成、また、導電層を構成する複数層の構造、回路部への配線接続やスイッチング素子(トランジスタ)等の図示や一部の図示が省略されている。
【0026】
以下に述べる各実施形態においては、特徴的な部分について説明し、例えば、通常の表示装置に用いられている構成要素と本実施形態に係る表示装置との差異がない部分については説明を省略する。
【0027】
第1ブラックマトリクスや第2ブラックマトリクス、第1基板、第2基板、第3基板など「第1」や「第2」等の序数詞は、構成要素の混同を避けるために付しており、数量を限定しない。また、発光素子のマトリクス配置とは、発光素子を1個以上含む発光ユニットが平面視、一定のピッチでマトリクス状に並ぶ配置を指す。基板上に発光素子をマトリクス配置したもの、あるいは発光ユニットを一定のピッチでマトリクス状に配列した基板を以下の記載において、光モジュールと呼ぶことがある。前記基板には、発光素子や発光ユニットを駆動する薄膜トランジスタをあわせ配設することが望ましい。表示機能層が液晶層である場合、この光モジュールを直下型バックライトと呼ぶ。発光ユニットは、表示装置としたときの 平面視、格子状パターンの隔壁で囲まれることがある。平面視、格子状の隔壁で囲まれる発光ユニットは、発光ダイオードである発光素子をそれぞれ1個以上含む。以下の図面(断面図)において、隔壁内に1個の発光素子を図示する場合もこの隔壁内に複数個の発光素子の配設を想定している。後述するローカルディミング技術を用いる表示装置では、発光素子を例えば1個以上含む発光ユニットの単位、あるいは複数の発光ユニットにて駆動のオンオフ、発光の明るさを調整できる。なお、ローカルディミング技術では、平面視、発光ユニットに含まれる発光素子数と画素数は、画素数の方を多くすることができる。換言すれば、画素数に対し、発光素子数が少ないことによる効率的な表示装置駆動がローカルディミングのメリットとすることができる。なお、平面視、マトリクス状(格子状)の隔壁は、例えばストライプ状の隔壁より隣接画素への迷光の悪い影響を少なくすることができる。
【0028】
なお、本発明の記載において、ブラックマトリクス基板と光モジュールを向かい合うよう貼り合わせる構成では、たとえば、液晶層と液晶を駆動する薄膜トランジスタが配置されるアレイ基板を、ブラックマトリクス基板と光モジュールとの間に挿入する構成を含む。この液晶層を含む構成では、光モジュールは直下型のバックライトユニットとしての役目を果たす。
【0029】
明細書記載の文言「平面視」とは、透明基板の一の面から見た「平面視」と、透明基板の二の面(前記一の面と反対側の面)から法線方向に見た「平面視」である場合がある。あるいは、後述する光反射性マトリクスや隔壁構造の説明のため、光反射性マトリクスの膜面から見た「平面視」である場合がある。
【0030】
本発明の実施形態において、表示装置が備える「表示機能層」には、LED(Light Emitting Diode)と呼称される複数の発光ダイオード素子、OLED(Organic Light Emitting Diode)とも呼称される複数の有機EL(有機エレクトロルミネセンス)素子、或いは液晶層のいずれかを用いることができる。LED、LEDチップ、発光ダイオード素子は、以下の記載において、単に 発光素子と記載することがある。
【0031】
なお、本発明に関わる第1ブラックマトリクスあるいは第2ブラックマトリクスの開口部、あるいは一部の発光素子(発光ダイオード)は、それぞれ中心位置の中心線で重なる。
【0032】
LEDは、発光ダイオード (Light Emitting Diode)であり、アルミニウムガリウムヒ素 (AlGaAs) 、ガリウムヒ素リン (GaAsP) 、インジウム窒化ガリウム (InGaN) /窒化ガリウム (GaN) /アルミニウム窒化ガリウム (AlGaN) 、リン化ガリウム (GaP)、セレン化亜鉛 (ZnSe) 、アルミニウムインジウムガリウムリン (AlGaInP)などの化合物がLEDに適用されている。単色発光LEDとして後述する青色発光ダイオードは、主に窒化ガリウム (GaN)が適用されている。本発明に適用する発光ダイオード素子は、その発光ピーク波長が430nm以上460nm以下の青色発光ダイオードであることが好ましい。青色発光ダイオードは、365nm、385nm、395nmなどの近紫外域の光の発光を含むものであっても良い。
【0033】
ミニLEDでは、例えば、40μmから200μmサイズのLEDチップを用いることができる。マイクロLEDでは、例えば、2μmから60μmサイズのLEDチップを用いることができる。LEDチップの構造は、n側電極とp側電極が同じ側にある水平型LEDを用いても良いが、LEDの厚み方向にn側電極とp側電極が異なる面 (向かい合う平行な面)にある垂直型LEDを用いることもできる。以下の記載において上部電極、下部電極は、垂直型LEDのn側電極あるいはp側電極のいずれかを指す。
(第1実施形態)
[透明基板]
本発明のブラックマトリクス基板110に適用できる透明基板(第1透明基板)100の材料としては、ガラス基板、石英基板、サファイア基板、ポリイミドフィルムを含むプラスチック基板など透明な基板を用いることができる。
なお、表示機能層及び、表示機能層を駆動する複数の薄膜トランジスタをマトリクス状に配設するアレイ基板とブラックマトリクス基板110とを貼り合わせして表示装置を構成する場合には、アレイ基板及びブラックマトリクス基板の各々の基板材料は同じであることが好ましい。
【0034】
なお、
図5、
図6に図示される、複数の発光素子がマトリクス状に配設された第2基板200、300は、上記 透明基板100の材料と同じであってよいが、黒やその他の色に着色した基板であっても良い。第2基板200、300は、サファイア基板であってよく、CMOS素子(トランジスタなど)を配設したシリコン基板であっても良い。バッファー層を介して、結晶成長させたLED素子(発光素子)を配設したシリコン基板であっても良い。発光素子24(青色LED21、緑色LED22、赤色LED23)の実装は、低融点合金を用いたフリップチップ実装、異方性導電膜を用いた実装、あるいは金線などを用いたワイヤーボンディングなどであっても良い。第2基板には、LED素子あるいは液晶層を駆動する複数の薄膜トランジスタを配設しても良い。
[透過率調整層]
透過率調整層とは、後述するように、視認性向上のために透過率を調整し、あわせ反射率を低減させる役割を持つ、前記透明基板の1の面に形成するレイヤーである。
透過率調整層2は、少なくともカーボンブラックと、透明微粒子と、樹脂との分散体である。透過率調整層2は、カーボンブラックを主な顔料として含有する樹脂分散体であり、可視光に対する透過率調整層2の透過率を70%以上99.7%以下の範囲とすることが好ましく、この透過率の観点から、カーボンブラックの樹脂分散体への添加量を調整する。
【0035】
マイクロLEDや有機EL表示装置では、発光素子であるLEDあるいは有機EL層の下部に光反射性の電極を備えていることが多い。このような構造を有するマイクロLEDや有機EL表示装置では、光反射性の電極による外部入射光の再反射光が観察者の目に入り、視認性を低下させる。マイクロLEDや有機EL表示装置では、通常、外部入射光の再反射光をなくすため、高価な円偏光板が表示装置に併用されている。円偏光板の可視光透過率は、約50%である。
【0036】
本発明に関わる透過率調整層2の役割は、2つある。一つめは、上記、光反射性の電極による外部入射光の再反射光の抑制である。透過率調整層2の透過率を70%以上99.7%以下の範囲とすることで、外部入射光の再反射光の抑制を行う。このような透過率調整層の透過率調整は、黒色顔料であるカーボンブラックの添加量を、樹脂固形分に対し、例えば、0.2wt%から8wt%の範囲内で容易に実現できる。9wt%、さらには10wt%を超えるカーボンブラック添加量では透過率調整層の透過率が低下しすぎる。
【0037】
加えて、光散乱機能を具備する散乱膜2をブラックマトリクス基板110に配設することで、外部入射光の再反射光の正反射成分を解消させることができる(観察者の目に正反射光が入らなくなる)。本発明に関わる透過率調整層2の、2つめの役割は第1ブラックマトリクスの低反射化である。第1ブラックマトリクスの低反射化については、
図11、
図12を用いて、次に説明する。なお、あとの実施例記載において、さらに詳述する。第1ブラックマトリクスの低反射化は、上記のカーボンブラック添加の希薄側(例えば、0.2wt%から2wt%)の塗布液を用いて、ガラスなど透明基板と第1ブラックマトリクスの界面に透過率調整層を挿入することで、簡単に実現できる。
【0038】
図11は、本発明に関わる透過率調整層を、ガラスなどの透明基板とブラックマトリクス(第1ブラックマトリクス)との界面に配設したときの反射率を示す。
図12は、従来構成である透明基板とブラックマトリクスの界面の反射率を示す。
図11の反射率BL1と
図12の反射率BL2に示されるように、透過率調整層を配設することで低反射率が得られる。透過率調整層にさらに少量の青顔料を加えることで光の波長600nm以降の(赤色側の)透過率をさらに下げることができる。
【0039】
表示面への外光入射を想定したとき、その外光は透過率調整層2を1回、透過した後、光反射性の電極で反射されたのち、再度、透過率調整層2を通過して観察者側に出射される。この光の2回通過で外光反射は急減できる。透過率調整層2の可視光透過率が、70%以上あれば、仮にLEDなど発光素子からの出射光強度が円偏光板を用いる表示装置と同等であれば、本発明に関わる表示装置の方が明るい表示とすることができる。
【0040】
また、多くの液晶表示装置では、クロスニコルでの(偏光軸が直交する)2枚の偏光板を用いている。このような円偏光板や偏光板を用いる場合には、分散性を改善する目的あるいは半透過膜の屈折率を低下させる目的で、偏光くずれを発生させない、光学的に等方で、かつ、可視域において透明な微粒子を、透過率調整層に加えることができる。
【0041】
例えば、2を、透明無機膜あるいは可視光の100%透過率に近い樹脂膜とした場合、第1ブラックマトリクス1との界面での光反射に干渉によるリップルが生じることがあり、第1ブラックマトリクス1が僅かに着色して観察されることがある。反射光に起因するこのような僅かな着色は、表示装置の表示をオフとした黒表示のときに観察されやすい。また、こうした場合、観察者からの斜め方向からの視認で虹色に見えることがあり視認性を低下しやすい。
【0042】
これに対し、シリカ微粒子とカーボンブラックとを併用して、透過率調整層2を形成することで、このようなリップルの大きさを小さくする効果が得られる。上記のような観点からも、可視域において透明な微粒子を含む透過率調整層2は有用である。シリカ微粒子を含ませず、低濃度のカーボンブラックを含ませても同様な効果が得られる。
シリカ微粒子など透明粒子の粒径は規定するものでないが、例えば、平均1次粒子径3nmから100nmの透明粒子を適用することができる。透過率調整層の膜厚は、たとえば、0.1μmから1μmの範囲が好ましいが、1μm以上の膜厚としても良い。
【0043】
なお、透過率調整層を、有機顔料を主な顔料成分として形成した場合、第1ブラックマトリクスとの界面での外部光の反射光は、黄色に着色して見えることがある。これに対し、主な顔料成分としてカーボンブラックを含有する透過率調整層2は、反射光がほぼフラットであり、着色することは殆どない。反射光がフラットとは、光の波長400nmから700nmの可視域の範囲において、例えば、50nmなどの小さいレンジで、透過率が2%以上の凹凸(変動)がなく、直線に近い透過率曲線が得られることを意味する。換言すれば、400nmから700nmの可視域の範囲内を50nm単位で区分した場合、その50nm単位内での反射率変動(リップル)の大きさは1.0%以下にできる。また、光の波長400nmから700nmの可視域の範囲において、第1ブラックマトリクスとの界面での反射率は、0.01%以上1.0%以下の範囲内とすることができる。なお、反射率変動(リップル)は、光の波長400nmから700nmの可視域の範囲にて測定される反射率の、上記した50nm単位内での反射率分光カーブの山谷の差であるが、簡易的な評価として50nm単位内での反射率ピークの値を用いても良い。後者の簡易評価では、見かけ上 反射率変動の値は大きめの値となる。
【0044】
ここでの反射率は、アルミニウム膜の反射率を基準(100%)として、透明基板及び透過率調整層を介して測定される反射率である。測定は、例えば、顕微分光光度計を用いて容易に測定できる。なお、ここで光学的に等方な透明微粒子は、反射率変動抑制の役割が重要となる。さらなる反射率変動抑制の効果と低反射率化する目的で、透明粒子とともに微量のカーボンブラックや青顔料を樹脂に含有させた透過率調整層としても良い。
【0045】
上記樹脂は、透過率調整層2として耐熱性など必要な信頼性を付与できるものであれば良い。アルカリ現像可能な感光性樹脂を用いてもよく、熱硬化樹脂を用いても良い。熱硬化性樹脂として、例えば、エポキシ基含有化合物又は樹脂、メチロール基、アルコキシメチル基あるいはアシロキシメチル基から選ばれる少なくも一つの基を有する樹脂とすることができる。これら樹脂は、透明粒子と有機溶剤とともに分散させた塗液として用い、透明基板上に塗布し、最終的に硬化させて透過率調整層2とする。
[ブラックマトリクス]
本発明に関わる第1ブラックマトリクス及び第2ブラックマトリクス(以下、たんにブラックマトリクスと呼称することがある)は、樹脂にカーボンブラックなど可視光吸収機能を持つ黒色顔料を分散させて用いることができる。
【0046】
本発明に関わるブラックマトリクス基板では、アルミニウムなどの金属薄膜を後述する光反射性マトリクスとして用いる構成を提案している。アルミニウムなどの金属薄膜は、遮光性が高い。光反射性マトリクスの膜厚を、例えば、0.15μm以上0.8μm以下
の膜厚に設定することで膜厚方向の光透過をなくすことができる。
ゆえ、本発明に関わるブラックマトリクスには高い遮光性を要求しなくて良い。光学濃度ODで、たとえば、2以上3以下の範囲で十分である。光学濃度4以上としても良いが、露光時間等の工程負荷を増やすことになる。光学濃度1以下の場合、外光の、アルミニウムなどの金属薄膜からの反射を視認しやすいため、表示装置の画質低下につながる恐れが出てくる。カーボンブラックなど黒色顔料濃度やその膜厚は、上記光学濃度の範囲に設定できるカーボンブラック濃度とすることができる。
【0047】
以上のブラックマトリクスに関わる特徴は、第1ブラックマトリクス、第2ブラックマトリクスに共通である。第1ブラックマトリクスと第2ブラックマトリクスは、それぞれ平面視、格子状のパターンであり、第1方向(X方向)、第2方向(Y方向)それぞれ線幅中心を同じくして重なる。換言すれば、それぞれ複数の開口部の、平面視、中心位置も重なっている。第1ブラックマトリクスと後述する光反射性マトリクスのパターン、それぞれも開口部を区画する格子状パターンとすることで、第1方向(X方向)、第2方向(Y方向)それぞれ隣接画素への迷光影響を少なくして表示品位を向上できる。マトリクスパターンの両方がストライプパターンである場合は、そのストライプパターンの延線方向の隣接画素に迷光の悪影響が出やすい。
ブラックマトリクスの開口部には、必要に応じて、青色、緑色、赤色などのカラーフィルタを配設しても良い。
[散乱膜]
本発明では、
図1や
図4等に示すように、光散乱層10を配設できる。
光散乱層10は、基本的には透明樹脂と透明粒子8の分散体である。透明粒子8には、前記したように、例えば、平均粒径が1μm以上3.0μm以下の透明粒子を適用できる。透明粒子8には、光学的に等方な透明粒子を用いることができる。「光学的に等方」とは、本発明の実施形態に適用される透明粒子が、a軸、b軸、c軸が各々等しい結晶構造を有するか、もしくは、アモルファスであって、光の伝播が結晶軸あるいは結晶構造に影響を受けず等方であることを意味する。シリカ粒子は、非晶質構造(アモルファス)を有する。樹脂ビーズ等の樹脂の粒子として、屈折率を含めて様々な性質を有する粒子が知られており、これらの粒子を合わせ用いることができる。アクリル樹脂、ポリスチレン、ポリウレタン、ナイロン、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂などの樹脂の粒子を併用してもよい。光散乱層10には、例えば、平均粒径が1.0μm以上3.0μm以下のミクロン単位の大きさの光散乱粒子を用いることが好ましい。つまり、可視光の波長より大きな粒子径を有する粒子を用いることにより、散乱膜10として適切な光散乱性を得やすい。また、平均粒径が0.2μm前後、あるいは0.1μm以下の透明微粒子を分散助剤の観点で併用しても良い。上記透明粒子8や透明微粒子を透明樹脂に、あるいは紫外線吸収剤を含む樹脂に分散させて光散乱層10とすることができる。可視域透明で、390nm以下の紫外線を吸収できる酸化亜鉛の透明粒子、透明微粒子を用いることもできる。なお、本発明の記載において、平均1次粒径1μm以上の大きさの粒子を透明粒子とし、平均1次粒子径0.2μm以下の大きさの粒子を透明微粒子としている。
【0048】
紫外線吸収剤には、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、トリアジン系化合物が挙げられる。紫外線吸収剤は、フェノール水酸基を持つことが好ましい。フェノール水酸基を持たせることにより、熱処理時にアルコキシメチル基やメチロール基などを有する化合物と架橋が可能となる。架橋させることで、硬膜後の長期保管で紫外線吸収剤のブリードアウトを抑制し、信頼性を向上させることができる。紫外線吸収剤の添加量は、透明樹脂の固形分に対して、例えば、0.05質量%以上10質量%以下とすることができる。
【0049】
光散乱層10の厚みは、光の波長の長さより大きい透明粒子8の分散体であり、この関係で1μm以上50μm以下とすることができる。50μmより厚く形成することもでき
るが、50μmより厚くすることによる散乱性の向上は少ない。むしろ、厚く形成することによる工程負荷、例えば塗布・乾燥などの作業時間に無駄を発生しやすい。
【0050】
光の散乱は、透明樹脂への透明粒子の分散だけに限定する必要はない。たとえば、屈折率の異なる2種の樹脂を有機溶剤などに溶解させた分散液を用いて、塗布・乾燥することで、2種の樹脂の相分離を行い光散乱性を付与することも可能である。
【0051】
円偏光板や偏光板を用いない表示装置では、透明粒子8が光学的等方である必要性はなくなり、透明粒子8の選択範囲を広げることができる。例えば、散乱膜10に添加できる透明粒子8に、酸化亜鉛の粒子を用いることができる。酸化亜鉛は、400nmから700nmの可視域において、高い透過率を持つとともに390nm以下の紫外線を吸収できる。こうした観点から、円偏光板を用いない表示装置では、酸化亜鉛の透明粒子、透明微粒子をもちいることは意味がある。
【0052】
後述する透過率調整層2や、光散乱層10に、さらに紫外線吸収剤を加えることができる。波長変換層に用いる蛍光体や量子ドットの多くは、短い波長領域の光により2次光を励起しやすい。このことは、マイクロLEDなどLEDディスプレイの画面に、太陽光など強い外光入射で目的としない発光を生じ、視認性低下させる恐れがある。外光による、波長変換層の目的としない発光を抑えるために、紫外線吸収剤を透過率調整層2や光散乱層10に添加することができる。また、光散乱層10に添加した紫外線吸収剤は、青色LEDなど発光素子の発光に紫外線が含まれる場合に、これを吸収し、観察者の目に入ることを防止できる。
【0053】
さらに、光散乱のために平均粒径が1.0μm以上3.0μm以下のミクロン単位の大きさの光散乱粒子(透明粒子)を用いる場合、光散乱層10の表面凹凸が大きくなり、これを平坦にする必要がある。即ち、本発明に関わる光散乱層10は、紫外線吸収剤を含む樹脂層での平坦化膜としての透過率調整層2との、積層構成とすることができる、
[光反射性マトリクス]
光反射性マトリクス5は、ブラックマトリクスの一の面に光反射性をもつ金属薄膜をブラックマトリクスに重畳し、かつ、ブラックマトリクスと同様の格子状パターンで積層する構造を持つ。
前記したように、アルミニウムやアルミニウム合金の金属薄膜は、0.1μmを超える膜厚とすることで高い遮光性を持つ。また、アルミニウムあるいはアルミニウム合金の金属薄膜は、高い光の反射率を持っている。本発明に関わる光反射性マトリクス5は、この光反射を活用し、発光ダイオードなどの光源からの発光を、光源側に戻し再利用するものである。
【0054】
液晶表示装置やLEDディスプレイの高精細化に伴い、開口部面積に対しブラックマトリクスの面積比率は増加している。600ppi、800ppi、さらには1000ppi以上の高精細化に伴って、ブラックマトリクス面積比率は、60%を超え、70%を超えてくるものがある(開口部面積比率は低下)。
本発明では、第1ブラックマトリクスと向かいあう第2ブラックマトリクスの裏面(第1ブラックマトリクスと反対側の面)に光反射性マトリクスを配設する構成を提案している。
図4は、直下型バックライトユニットあるいは発光ダイオードなどの光源から出射される光L6が、光反射性マトリクス5で反射された光L7が光源側に戻る様子を示す断面図である。
図7は、発光ダイオード21、22、23が配設された直下型バックライトユニット510の断面図である。
【0055】
このようにして反射された光(例えばL7)は、
図7に示す反射電極18や隔壁28、
あるいは発光ダイオードなど種々の部材にあたって再反射する。再反射光を活用することで表示装置の明るさ向上に寄与できる。前記したように、青色光は反射や散乱により吸収されやすく、反射を繰り返すことにより表示に黄色みを帯びやすい。光散乱層10や透過率調整層、第1透明樹脂層など、ブラックマトリクス基板側の樹脂層に黄色みを弱める目的で青色顔料を添加することは、この観点からも有用である。なお、直下型バックライトユニットに、光反射性の金属薄膜や増反射膜、反射シートを別途、設置しても良い。
【0056】
図4には、散乱膜10に斜め方向から入射する光L1が、反射を繰り返して隣接画素P2への光L5(迷光)として悪影響を与える状況が示されている。こうした図示、横方向の光の拡散は、散乱機能部分の光散乱層10あるいは紫外線吸収機能部分としての役割も担う透過率調整層2に、カーボンブラックや青色顔料をあわせ分散させることで改善される。第1ブラックマトリクス1、第2ブラックマトリクス4の2層による光吸収も、迷光の悪影響を改善する。
【0057】
図1、
図4は、第1ブラックマトリクス1、第2ブラックマトリクス4、光反射性マトリクス5の図示を含むブラックマトリクス基板の断面図である。
図3は、
図1をB方向(光反射性マトリクス5からの方向)から見た平面図である。散乱膜10の図示は省いている。
第1ブラックマトリクス1及び第2ブラックマトリクス4、あるいは第1ブラックマトリクスの線幅を、光反射性マトリクス5の線幅より広めに形成することが好ましい。第2ブラックマトリクス4の配設がない場合、観察者20の方向(Zで示す方向)の斜めから光反射性マトリクス5が視認されることがある。光反射性マトリクス5が、観察者20で視認されると表示装置の表示品位を低下させる。斜め方向からの視認性改善のため、第2ブラックマトリクス4を配設するが、第1ブラックマトリクス1の線幅Axが光反射性マトリクス5の線幅Cxと比較して十分に広い場合に第2ブラックマトリクス4の形成を省いても良い。第1ブラックマトリクス1の線幅Axが光反射性マトリクス5の線幅Cxと比較して広い場合に、第2ブラックマトリクス4の線幅Bxと光反射性マトリクス線幅Cxを等しくしても良い。
上記した線幅の関係をまとめれば、下式の関係になる。
Ax>Bx≧Cx・・・・・(1)
Ay>By≧Cy・・・・・(2)
アルミニウム合金には、MoやTiなど高融点金属、Si、あるいはNd(ネオジム)など希土類を少量添加したアルミニウム合金が採用できる。反射率の観点から Ndを 0.2質量%以上3質量%以下(残部、不可避不純物)のアルミニウム合金が好ましい。Ndが0.2質量%未満では、アルミニウムの結晶が粗大化あるいはヒロック形成のため反射率を低下しやすい。また、Ndが3質量%を超えてくると反射率が低下する傾向となる。Ndが0.2質量%以上3質量%以下の範囲にて、高い反射率を安定して再現しやすい。
【0058】
なお、光反射性マトリクス5の金属薄膜として銀や銀合金を用いても良い。銀や銀合金は密着性が低いため、インジウム酸化物や亜鉛酸化物などを含む導電性酸化物で挟持する構成を適用できる。
なお、光反射性マトリクス上に、例えば第2光散乱層など光散乱要素を積層しても良い。
【実施例0059】
<実施例1>
図1、
図3を用いて、ブラックマトリクス基板である実施例1を説明する。
図1(a)は、当実施例1のブラックマトリクス基板110の断面図である。
ブラックマトリクス基板110は、透明基板100上に透過率調整層2と第1ブラックマトリクス層1と光散乱層10、さらに第2ブラックマトリクス層4、第2ブラックマトリクス層4上に光反射性マトリクス5とをこの順で積層する構成である。光散乱層10は、
透明粒子8を分散する光散乱機能を具備している。光散乱層10は、樹脂に紫外線吸収剤を分散させた第1透明樹脂層3の2層構成とすることができる。光散乱機能部分にも紫外線吸収剤を添加、あるいは分散させても良い。
【0060】
光反射性マトリクス5を覆うようにブラックマトリクス基板110上に透明樹脂層を積層することができる。透明樹脂層の厚みは、本発明に関わるブラックマトリクス基板を液晶表示装置に適用する場合に重要となることがある。
【0061】
図1のCの矢印で示す方向は、LEDなどの発光素子である光源からの光の照射方向を示す。
図1(d)は、光反射性マトリクス5の拡大図であり、断面図である。第2ブラックマトリクス層4上に、チタンあるいは窒化チタンの金属薄膜6と、アルミニウムあるいはアルミニウム合金の薄膜7の2層が積層されている。これら金属薄膜6、薄膜7の膜厚は限定するものでない。たとえば、金属薄膜6は100nmから300nmの膜厚にて、薄膜7は10nmから40nmの膜厚にて形成できる。
【0062】
図1(c)は、透過率調整層2上に形成された第1ブラックマトリクス層1の拡大図である。
図3は、
図1(b)をC方向(光反射性マトリクス5からの方向)から見た平面図である。散乱膜10の図示は省いている。
【0063】
<実施例2>
図2(a)は、当実施例2のブラックマトリクス基板120の断面図である。
実施例1と同様、ブラックマトリクス基板120は、透明基板100上に透過率調整層2と第1ブラックマトリクス層1と光散乱層10、さらに第2ブラックマトリクス層4、第2ブラックマトリクス層4上に光反射性マトリクス39とをこの順で積層する構成である。光散乱層10は、透明樹脂中に透明粒子8を分散する光散乱機能を具備している。光散乱層10は、樹脂に紫外線吸収剤を分散させた第1透明樹脂層3の2層構成とすることができる。光散乱機能部分にも紫外線吸収剤を添加、あるいは分散させても良い。
【0064】
図2(b)の部分拡大図に示される光反射性マトリクス39は、第2ブラックマトリクス層4上に、第1導電性酸化物の薄膜36、銀あるいは銀合金の薄膜37、第2導電性酸化物の薄膜38の3層構成となっている。第1導電性酸化物及び第2導電性酸化物は酸化インジウムを50wt%以上含む導電性酸化物である。第1導電性酸化物及び第2導電性酸化物、それぞれの膜厚は、10nmから60nmの範囲とすることができるが、60nmを超える膜厚であってよい。第1導電性酸化物及び第2導電性酸化物、それぞれは異なる膜厚であってよい。37の膜厚は、100nmから300nmの範囲とすることができるが、300nmを超える膜厚であってよい。銀あるいは銀合金の薄膜は、アルミニウムの薄膜より反射率が高く、好適に用いることができる。
第1導電性酸化物及び第2導電性酸化物には、酸化インジウムのほか、酸化亜鉛、酸化錫、酸化アンチモン、酸化チタンなど金属酸化物を加えた複合酸化物とすることができる。(第2実施形態)
第2実施形態は、上記、本発明のブラックマトリクス基板をLEDディスプレイや液晶表示装置などの表示装置に適用したものである。以下、第2実施形態の実施例3、実施例4につき、詳述する。
【0065】
<実施例3>
図5、
図7及び
図9を用いて当実施例を説明する。
図5は、実施例1のブラックマトリクス基板110と、赤色LED21、緑色LED22、青色LED23が実装されたアレイ基板210を向かい合うように貼り合わせてなるLEDディスプレイの断面図である。ブラックマトリクス基板110とアレイ基板210は、例えば、シリコーン系樹脂を介して接着されている。
【0066】
発光ユニットのマトリクス状配列のあるアレイ基板210は、あとの記載で光モジュールと呼称することがある。個々の発光ユニットには、それぞれ複数の、赤色LED21、緑色LED22、青色LED23である発光素子が含まれている。
【0067】
実施例2において、発光素子の全体の個数は、全画素数のそれぞれ1/3の個数にて画素ピッチに合わせて配設されている。一画素には少なくとも2個の薄膜トランジスタがそれぞれ配設されている。発光素子(赤色LED21、緑色LED22、青色LED23)は、隔壁28などで区分することができる。光反射性マトリクス5にあたった発光素子からの光は、光源(発光素子)側で反射され、再利用される。
【0068】
個々の発光素子は、
図7に示すような構造をとることができる。例えば、青色LED23は下部電極17を介して反射電極18上に実装される。青色LED23の上部電極16は、コンタクトホール15を介してLED共通電極と連携される。なお、こうした発光素子の実装は、
図7の構成をとらずに、金線やアルミニウム線を用いたワイヤーボンディングなど他の実装技術を用いても良い。発光素子(赤色LED21、緑色LED22、青色LED23)が配設されたアレイ基板を光モジュールと呼ぶ。たとえば、本発明で提案する技術は、ブラックマトリクス基板と、仕様の異なる光モジュールを組み合わせることで種々の表示装置を提供できる柔軟性を持つ。
【0069】
図7において薄膜トランジスタは第4絶縁層41上にそれぞれ配設されるが、
図7では薄膜トランジスタの図示を省略している。
図9は、発光素子40(赤色LED21、緑色LED22、青色LED23のいずれかに相当)を、2つの薄膜トランジスタでの駆動する等価回路図である。2つの薄膜トランジスタのうち、選択トランジスタ45はゲート線G9からの選択信号とソース線S9からの映像信号を受け、駆動トランジスタ46を駆動する。駆動トランジスタ46は、電源線VD7から電流を発光素子40に供給し、発光させる。後述の実施例4では、個々の発光素子の駆動でなく、発光ユニット毎、あるいは、発光ユニット内の発光色毎に明るさを変えた駆動としても良い。
【0070】
散乱膜10の厚み方向に、第1ブラックマトリクス1と光反射性マトリクス5(および第2ブラックマトリクス4)が向かい合うように位置するため、隣接画素への迷光の影響を抑制できる。言い換えれば、隣接画素へ入射する斜め光を減らすことができる。たとえば、
図5に示す開口部方向に出射される光Gcは、緑色LED22からの光がそのまま出射される。しかしながら、隣接画素方向に向かう光GL、GRは、光反射性マトリクス5でカットされ、隣接画素への影響をなくすことができる。
散乱膜10の厚み、ブラックマトリクス1の線幅(or画素開口率)、散乱膜10の厚み、散乱粒子密度は、当LEDディスプレイの全体サイズや用途により適宜 調整される。カバーガラスや、タッチパネル、さらには充電や通信用のアンテナを当LEDディスプレイに実装しても良い。
【0071】
<実施例4>
図6、
図7及び
図8を用いて実施例4を説明する、
図6は、実施例1で説明したブラックマトリクス基板110と、液晶層30を介してアレイ基板310とを貼り合わせてなり、かつ、液晶パネル710の下部にバックライトユニットである光モジュール510を配設してなる液晶表示装置700である。ここでは、液晶パネル710は光モジュール510を含まない構成を指す。アレイ基板310には、液晶を駆動する薄膜トランジスタが、それぞれの画素電極26にそれぞれ少なくとも1個 接続されている。液晶層30は、画素電極26と共通電極17間のフリンジ電界で駆動するFFS(フリンジフィールドスイッチング)方式である。なお、液晶は、FFSに限らずVA(垂直配向)ほかの液晶であっても良い。
図7は、複数の発光ユニット24を具備する光モジュール510の部分拡大図である。
【0072】
発光ユニット24は、隔壁28で区画される発光ユニット24内に複数の赤色LED21、緑色LED22、青色LED23を具備する。発光ユニット24内の複数の赤色LED21、緑色LED22、青色LED23は、その発光ユニット内で表示すべき色、明るさで、赤色、緑色、青色の強度を調整した発光を行う。発光ユニットでの個別駆動のため、個々、発光ユニットのそれぞれは薄膜トランジスタで駆動することが望ましい。ひとつの発光ユニット内のそれぞれ複数の赤色LED21、緑色LED22、青色LED23は色毎にまとめて駆動することができる。
【0073】
図7は説明のため簡略化しているが、発光ユニット24内の赤色LED21、緑色LED22、青色LED23の数(あるいは青色LED25の数)は、合計3個に限定するものでない。発光ユニット24の単位でローカルディミング駆動されるが、この時のローカルディミング対象の画素は、数百個~数千個とこれも画素数を限定するものではない。対象画素数が多いほうが、発光ユニット形成のためのコストを下げることができる。ローカルディミング対象の画素が、その区画内で均一な表示となるよう、赤色LED21、緑色LED22、青色LED23の個数(あるいは青色LED25の個数)、配置位置、大きさを調整する。発光素子の実装手段も限定するものでなく、フリップチップボンディングやワイヤーボンディング、異方性導電膜の手段で実装しても良い。図示は、
図7で示すようにLED共通電極14を、コンタクトホール15を介して上部電極と接続する方法をとっている。赤色LED21、緑色LED22、青色LED23の厚みが異なる場合、コンタクトホールの深さや下部電極等の厚みで調整することができる。
【0074】
一般にLED発光素子は、
図7の赤色LED21、緑色LED22、青色LED23のそれぞれn型半導体層とp型半導体層との間に発光層となる活性層47を備えている。活性層47で発光した光の大半は、上部電極を介して上方に出射される。このとき、一部の光は、活性層47から図示横方向に出射される。横方向の光48を有効に使うため、活性層47近傍に透明粒子8を配置させることは好ましい。透明粒子8で散乱された光は、反射電極18や隔壁28で反射され活用される。
【0075】
図6では、薄膜トランジスタの図示を省いているが、薄膜トランジスタは第1絶縁層上に配設される。
図8は、液晶パネル710部分での、アレイ基板310を用いた液晶駆動の等価回路図である。
図8の等価回路図において、一つの画素電極26は、ひとつの薄膜トランジスタ44に電気的に連携され、
図6の液晶表示装置710に示す液晶層30はアレイ基板310に具備される薄膜トランジスタで駆動される。ソース線Sからの映像信号と、ゲート線G8からの選択信号を受けて、画素電極26に液晶駆動電圧が印加され、液晶層30が駆動される。なお、補助容量CS8及び補助容量線CSの形成は省いても良い。
当実施例3は、カラーフィルタと波長変換層を省くことが可能なシンプルな液晶表示装置を提供できる。
【0076】
上述の実施形態に係るブラックマトリクス基板を具備した表示装置は、種々の応用が可能である。上述の実施形態に係る表示装置が適用可能な電子機器としては、携帯電話、携帯型ゲーム機器、携帯情報端末、パーソナルコンピュータ、電子書籍、ビデオカメラ、デジタルスチルカメラ、ヘッドマウントディスプレイ、ナビゲーションシステム、音響再生装置(カーオーディオ、デジタルオーディオプレイヤ等)、複写機、ファクシミリ、プリンター、プリンター複合機、自動販売機、現金自動預け入れ払い機(ATM)、個人認証機器、光通信機器、ICカードなどの電子デバイス等が挙げられる。上記の各実施形態は、自由に組み合わせて用いることができる。本発明の実施形態に係る表示装置が搭載された電子デバイスには、さらにアンテナを搭載して通信や非接触での受電給電を行うことが望ましい。
【0077】
本発明の好ましい実施形態を説明し、上記で説明してきたが、これらは本発明の例示的なものであり、限定するものとして考慮されるべきではないことを理解すべきである。追加、省略、置換、およびその他の変更は、本発明の範囲から逸脱することなく行うことができる。従って、本発明は、前述の説明によって限定されていると見なされるべきではなく、請求の範囲によって規定されている。