(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022190360
(43)【公開日】2022-12-26
(54)【発明の名称】液体容器
(51)【国際特許分類】
G01N 13/02 20060101AFI20221219BHJP
B65D 65/40 20060101ALI20221219BHJP
【FI】
G01N13/02
B65D65/40 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021098642
(22)【出願日】2021-06-14
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
(72)【発明者】
【氏名】増子 達也
【テーマコード(参考)】
3E086
【Fターム(参考)】
3E086AA21
3E086AD04
3E086BA04
3E086BA15
3E086BB71
3E086BB74
3E086BB75
3E086BB77
3E086BB90
3E086DA08
(57)【要約】
【課題】撥液処理がなされた容器に対して、その容器に充填した際に、撥液可能な液体内容物の物性範囲を明らかにした液体容器を提案するものである。
【解決手段】液体が収納された容器1であって、容器の内面(接液面)には撥液性のコーティング層3が設けられており、該撥液性のコーティング層は少なくとも、バインダー成分5と10μm以上の大径粒子6とからなる第1層4と、フッ素系樹脂8とBET比表面積が50m
2/g以上である微粒子9とからなる第2層7とからなり、容器に収納された液体10は、Wilhelmy法で測定される表面張力が30mN/m以上かつ、B型粘度計で回転数10rpmで測定される粘度が10000mPa・s以下であることを特徴とする液体入り容器である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体が収納された容器であって、容器の内面(接液面)には撥液性のコーティング層が設けられており、
該撥液性のコーティング層は少なくとも、
バインダー成分と10μm以上の大径粒子とからなる第1層と、
フッ素系樹脂とBET比表面積が50m2/g以上である微粒子とからなる第2層とからなり、
容器に収納された液体は、Wilhelmy法で測定される表面張力が30mN/m以上かつ、B型粘度計で回転数10rpmで測定される粘度が10000mPa・s以下であることを特徴とする液体入り容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体を収納する容器に関し、特に内面に撥液性のコーティング層を有し、内容物を速やかに排出できる液体容器に関する。
【背景技術】
【0002】
液体を収納する容器に関しては、内容物を速やかに排出したいという要望がある。一般的に液体の表面張力が低く、粘度が高い場合には、液体は容器の壁面に付着して液切れし難いため、容器から液体を素早く取り出すのには困難を伴う。
【0003】
このような課題に対して、容器の内面に撥液性の処理を行うことで、これを解決しようとする提案がある。特許文献1に記載された撥水性ヒートシール膜、撥水性ヒートシール剤、撥水性ヒートシール構造体、および撥水性ヒートシール膜の製造方法には、単層で高い撥水性と高いヒートシール性を兼ね備える撥水性ヒートシール膜、その原料である撥水性ヒートシール剤、撥水性ヒートシール膜を含む撥水性ヒートシール構造体、および撥水性ヒートシール膜の製造方法が提案されている。
【0004】
特許文献1には、水に対する接触角が150°以上である撥水性ヒートシール膜が記載されているが、このようなヒートシール膜を備えた包装袋に収納される実際の内容物は、様々であり、水以外のものである場合が殆どである。ところが、特許文献1に記載された発明においては、内容物として用いることのできる液体の物性範囲が不明確であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の解決しようとする課題は、撥液処理がなされた容器に対して、その容器に充填した際に、撥液可能な液体内容物の物性範囲を明らかにした液体容器を提案するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するための手段として、請求項1に記載の発明は、液体が収納された容器であって、容器の内面(接液面)には撥液性のコーティング層が設けられており、該撥液性のコーティング層は少なくとも、バインダー成分と10μm以上の大径粒子とからなる第1層と、フッ素系樹脂とBET比表面積が50m2/g以上である微粒子とからなる第2層とからなり、容器に収納された液体は、Wilhelmy法で測定される表面張力が30mN/m以上かつ、B型粘度計で回転数10rpmで測定される粘度が10000mPa・s以下であることを特徴とする液体入り容器である。
【0008】
本発明に係る液体入り容器は、内面に撥液性のコーティング層を設けると共に、収納する液体の表面張力と粘度を規定したことにより、収納物の適用範囲が明確になった。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る液体入り容器は、内面に撥液性のコーティング層を設けると共に、収納する液体の表面張力と粘度を規定したことにより、収納物の適用範囲が明確になった。このため、内容物を実際に収納して確認する必要がなく、容器の設計が迅速にできる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、本発明に係る液体容器の断面模式図である。
【
図2】
図2は、撥液性コーティング層の層構造を示した断面模式図である。
【
図3】
図3は、撥液性コーティング層の第2層の構造を示した模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下図面を参照しながら、本発明に係る液体容器について説明する。
図1は、本発明に係る液体容器の断面模式図である。
図2は、撥液性コーティング層の層構造を示した断面模式図である。
図3は、撥液性コーティング層の第2層の構造を示した模式図である。
【0012】
本発明に係る液体容器1は、液体10が収納された容器であって、容器本体2の内面、すなわち接液面には撥液性のコーティング層3が設けられている。撥液性コーティング層3は少なくとも、バインダー成分5と10μm以上の大径粒子6とからなる第1層4と、フッ素系樹脂8と、BET比表面積が50m2/g以上である微粒子9とからなる第2層7とからなる。
【0013】
さらに、本発明に係る液体容器に収納された液体は、Wilhelmy法で測定される表面張力が30mN/m以上かつ、B型粘度計で回転数10rpmで測定される粘度が10000mPa・s以下であることを特徴とする。
【0014】
ここで、BET比表面積とは、開発に携わった3人の科学者(Brunauer、Emmett、Teller)の頭文字から付けられた表面積測定法による表面積である。
【0015】
第1層4を構成する、バインダー成分5としては、各種熱可塑性樹脂及び架橋剤の一方または両方を含んでもよい。熱可塑性樹脂としては、特に制限されず、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン-αオレフィン共重合体、ホモ、ブロック、あるいはランダムポリプロピレン、プロピレン-αオレフィン共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。例えば、プロピレン-αオレフィン共重合体であれば、プロピレンとα-オレフィンとのブロック共重合体、ランダム共重合体が含まれる。α-オレフィン成分としては、エチレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-ヘプテン、1-オクテン、4-メチル-1-ペンテンなどを例示することができる。
【0016】
熱可塑性樹脂は、所定の酸で変性された変性ポリオレフィンであってもよい。変性ポリオレフィンは、例えば不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸の酸無水物、不飽和カルボン酸のエステル等から導かれる不飽和カルボン酸誘導体成分で、ポリオレフィンをグラフト変性することで得られる。また、ポリオレフィンとして、水酸基変性ポリオレフィンや、アクリル変性ポリオレフィン等の変性ポリオレフィンを使用することもできる。変性ポリオレフィン樹脂としては、例えば日本製紙株式会社製のアウローレン、住友精化株式会社製のザイクセン、三井化学株式会社製のユニストール、ユニチカ株式会社製のアローベース等が挙げられる。
【0017】
上記変性ポリオレフィン樹脂は、官能基が導入されているため、架橋剤と反応して架橋構造を形成しやすいという観点からも好ましい。上記官能基としては、カルボキシル基、水酸基、(メタ)アクリロイル基、アミノ基等が挙げられる。これらの官能基を有する変性ポリオレフィンを後述する架橋剤と共に用いることで、よりすぐれた耐久性を付与する
ことができる。
【0018】
架橋剤としては、例えばアジリジン基、イソシアネート基、カルボジイミド基、アミノ基等の官能基を有する架橋剤を用いることができる。市販の架橋剤としては、例えば、株式会社日本触媒製のケミタイト、三井化学株式会社製のタケネート、日清紡ケミカル株式会社製のカルボジライト、明成化学工業株式会社製のメイカネート、サイテックインダストリーズ社製のサイメル、等が挙げられる。
【0019】
第1層4に用いる大径粒子6としては、平均粒子径が10μm以上の各種粒子を用いることができる。大径粒子としては、シリカ、アルミナ等の無機粒子や、ポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂等の樹脂粒子を用いることができる。大径粒子6としては、中空粒子を用いてもよい。
【0020】
次に第2層7について説明する。第2層7を構成するフッ素系樹脂8としては、特に制限されず、パーフルオロアルキル、パーフルオロアルケニル、パーフルオロポリエーテル等の構造を有する樹脂を適宜用いることができる。フッ素系樹脂8は、第2層6の撥液性をより向上させる観点から、フッ素-アクリル共重合体を含むことが好ましい。フッ素-アクリル共重合体とは、含フッ素単量体とアクリル単量体とからなる共重合体である。フッ素-アクリル共重合体は、ブロック共重合体であってもランダム共重合体であってもよい。フッ素-アクリル共重合体を用いることで、第2層7の耐候性、耐水性、耐薬品性及び造膜性についても向上させることができる。
【0021】
フッ素系樹脂8中のフッ素含有量は、例えば30~60質量%であり、40~50質量%であってもよい。フッ素含有量は、フッ素系樹脂を構成する原子の総質量に対するフッ素原子の質量の割合を意味する。
【0022】
フッ素系樹脂8としては、市販のフッ素系塗料を使用することができる。市販のフッ素系塗料としては、例えば、旭硝子株式会社製のアサヒガード、AGCセイミケミカル株式会社製のエスエフコート、株式会社ネオス製のユニダイン、第一工業製薬株式会社製のH-3539シリーズ、日油株式会社製のモディパーFシリーズ等が挙げられる。
【0023】
フッ素系樹脂8を用いることで、油またはこれを含む液状物や、界面活性剤等を含みかつ粘性が高い液状物(例えば、ハンドソープ、ボディーソープ、シャンプー、リンス)に対する撥液性を向上させることができる。この観点から、フッ素系樹脂8は、ピロリドンまたはその誘導体(ピロリドン類)に由来する構造単位を含まないものであってもよい。ここで、ピロリドン類としては、例えば、N-ビニル-5-メチル-2-ピロリドン、N-ビニル-3,3-ジメチル-2-ピロリドンなどが挙げられる。ピロリドン類に由来する構造単位を含まないフッ素系樹脂としては、例えば、旭硝子株式会社製のアサヒガードAG-E060、AG-E070、AG-E090、ダイキン工業株式会社製のユニダインTG-8111が挙げられる。
【0024】
第2層7に用いる微粒子9としては、BET比表面積が50m2/g以上である微粒子を用いる。微粒子9としては、例えば、球状であり、その平均一次粒子径は、3~1000nmであることが好ましく、5~100nmまたは5~20nmであってもよい。微粒子9の平均一次粒子径が3nm以上であることで、微粒子9がフッ素系樹脂8に埋もれることなく、微細な凹凸を形成し易い傾向があり、1000nm以下であることで、フッ素系樹脂8と微粒子9とで緻密な凹凸を形成し易い傾向がある。なお、微粒子9の平均一次粒子径は、SEMまたはTEMの視野内における任意の計10個の微粒子について長径と短径の長さを測定し、その和を2で割ることで得られる値の平均値を意味する。
【0025】
微粒子9を構成する材料としては、シリカ、酸化チタン、酸化アルミニウム、雲母、タルク、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化亜鉛、スメクタイト、ゼオライト、アクリル樹脂等が挙げられる。
【0026】
微粒子9は、複数の一次粒子が数珠状に連結した構造を有する数珠状フィラーであってもよい。数珠状フィラーが有する数珠状構造は、球状の粒子が数珠状に連結した構造に加えて、球状の粒子が鎖状に連結した構造を分岐構造として有していてよい。数珠状構造は、その立体的な構造により、第2層7に柔軟性を付与し易い。数珠状フィラーは、パールネックレス型フィラーとも呼ばれる。
【0027】
数珠状フィラーの平均粒子径(平均二次粒子径)は、50~1000nmであることが好ましく、100~400nmまたは100~200nmであってもよい。
【0028】
次に本発明に係る液体容器の製造方法について説明する。製造方法としては、撥液性コーティング層形成用の塗液を準備する工程と、容器の内面に塗液を塗布して塗膜を形成する工程と、塗膜を乾燥及び硬化させることによって撥液性コーティング層を形成する工程とを備える。以下各工程について説明する。
【0029】
まず第1層を形成するための塗液(塗料1)を作成する。塗料1は、バインダー成分と大径粒子と溶媒と、必要に応じて架橋剤等を均一に分散して調製する。バインダー成分と大径粒子については、既に説明した通りである。溶媒としては、水、アルコール、有機溶媒から選択する。バインダー成分として用いる熱可塑性樹脂は、水、アルコール等に分散したエマルジョンの形態であってもよい。このようなエマルジョンの例としてポリオレフィンエマルジョンを挙げれば、対応するモノマーの重合反応等により生成したポリマーを乳化する方法で調製されたものでもよく、あるいは対応するモノマーを乳化重合することにより調製されたものでもよい。
【0030】
第2層を形成するための塗液(塗料2)についても、同様にフッ素系樹脂と微粒子と溶媒と必要に応じて架橋剤を均一に分散して調製する。
【0031】
次に塗料1を容器の接液面に塗布する。塗布方法としては、平面状の基材に撥液性コーティング層を形成してから容器として成型する場合と、立体的な容器に後から撥液性コーティング層を形成する場合とでは大きな違いがある。
【0032】
平面状の基材に撥液性コーティング層を形成する場合であれば、公知の塗工方法が特に制限なく使用可能である。例えば、ロールコーター、リバースロールコーター、グラビアコーター、ナイフコーター、カーテンコーター、エアナイフコーター、スプレーコーター等である。
【0033】
一方、瓶のように、既に立体的な形状を有している容器の内面に撥液性コーティング層を形成する場合であれば、容器内にスプレーヘッドを挿入して回転しながら塗布する方法や、容器内に塗料を注入した後に容器を動かして、内面に塗膜を形成した後に、容器内から余分な塗液を排出する方法などがある。
【0034】
次に形成された塗膜を乾燥および硬化させる。これにより、液体容器を得ることができる。塗液が架橋剤を含む場合であれば、撥液性コーティング層にはフッ素系樹脂と必要に応じて用いられる熱可塑性樹脂と、架橋剤とからなる架橋構造が形成される。加熱条件は、溶媒を揮発させることができ且つ架橋反応を生じさせることができる条件であり、例えば、60~100℃で、0.5~5分間とすることができる。
【0035】
本発明に係る液体容器に収納する内容物としては、Wilhelmy法で測定される表面張力が30mN/m以上かつ、B型粘度計で回転数10rpmで測定される粘度が10000mPa・s以下であるような液体である。このような液体の例としては、飲料、ヨーグルト、生クリーム、カレー、ハンドソープ、シャンプー、リンス等が挙げられる。
【0036】
以下実施例および比較例に基づいて、本発明に係る液体容器について更に具体的に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。表1は、実施例および比較例に用いた材料の一覧表である。
【0037】
【0038】
表中、アサヒガードAG-E060は、フッ素アクリル共重合体である。アローベースSB-5230Nは、変性ポリオレフィン樹脂である。フロービーズCL-2080は、低密度ポリエチレン樹脂の球状粒子であり、中位粒子径は11μmである。HDK-N20は、BET比表面積が約200の親水性微粒粉シリカであり、数珠状フィラーに相当するものである。
【0039】
表1に掲げた材料の内、アローベースSB-5230NとフロービーズCL-2080を用いて、表2の配合比に基づいて第1層の形成に用いる塗料1を調製した。
【0040】
【0041】
表1に掲げた材料の内、アサヒガードAG-E060と、HDK-N20を用いて表3の配合比に基づいて第2層の形成に用いる塗料2を調製した。
【0042】
【0043】
比較例として用いるため、塗料1の大径粒子(フロービーズCL-2080)を配合しないものを塗料1aとして調製した。配合比を表4に示す。
【0044】
【0045】
同様に、塗料2の微粒子を配合しないものを塗料2a、フッ素系樹脂を配合しないものを塗料2bとして調製した。それぞれの配合比を表5、表6に示す。
【0046】
【0047】
【0048】
容量100mlのポリエチレン樹脂製容器に塗料1を充填し、容器を回転することで容器内面に塗料を塗布し、次いで乾燥することで第1層を形成した。その後、塗料2を充填し、同様に容器を回転することで容器内面に塗料を塗布し、次いで乾燥することで第2層を形成した。容器の重量から計算される塗布量は、第1層が3g/m2、第2層が1.5g/m2であった。
【0049】
液体容器に、表面張力や粘度の異なる液体を40ml充填し、容器を逆転させた時に内容物が排出される状態を観察し、評価した。
<評価基準>
◎:10秒以内に全量の90%以上が排出された場合
〇:30秒以内に全量の90%以上が排出された場合
×:30秒経過後も全量の90%以上が排出されない場合
【実施例0050】
<実施例1>
塗料1、塗料2を塗布して調製した液体容器(以下標準液体容器という)に表面張力31mN/m、粘度10mPa・sの内容物を充填し、排出性を評価した。
【0051】
<実施例2>
実施例1と同様の標準液体容器に表面張力33mN/m、粘度1950mPa・sの内容物を充填し、排出性を評価した。
【0052】
<実施例3>
実施例1と同様の標準液体容器に表面張力37mN/m、粘度3389mPa・sの内容物を充填し、排出性を評価した。
【0053】
<実施例4>
実施例1と同様の標準液体容器に表面張力35mN/m、粘度約100mPa・sの内容物を充填し、排出性を評価した。
【0054】
<実施例5>
実施例1と同様の標準液体容器に表面張力31mN/m、粘度1330mPa・sの内容物を充填し、排出性を評価した。
【0055】
<実施例6>
実施例1と同様の標準液体容器に表面張力32mN/m、粘度8000mPa・sの内容物を充填し、排出性を評価した。
【0056】
<実施例7>
実施例1と同様の標準液体容器に表面張力72mN/m、粘度1mPa・sの内容物を充填し、排出性を評価した。
【0057】
<実施例8>
実施例1と同様の標準液体容器に表面張力65mN/m、粘度1450mPa・sの内容物を充填し、排出性を評価した。
【0058】
<実施例9>
実施例1と同様の標準液体容器に表面張力29mN/m、粘度1000mPa・sの内容物を充填し、排出性を評価した。
【0059】
<実施例10>
実施例1と同様の標準液体容器に表面張力65mN/m、粘度10000mPa・sの内容物を充填し、排出性を評価した。
【0060】
<比較例1>
比較例1として、実施例1と同様の標準液体容器に表面張力約40mN/m、粘度20000mPa・sの内容物を充填し、排出性を評価した。
【0061】
<比較例2>
比較例2として、実施例1と同様の標準液体容器に表面張力27.4mN/m、粘度47.9mPa・sの内容物を充填し、排出性を評価した。
【0062】
<比較例3>
比較例3として、塗料1の代わりに塗料1aを用いた以外は、実施例1と同様にして作成した液体容器に、実施例2に用いたものと同じ内容物(表面張力33mN/m、粘度1950mPa・s)を充填し、排出性を評価した。
【0063】
<比較例4>
比較例4として、塗料2の代わりに塗料2aを用いた以外は、実施例1と同様にして作成した液体容器に、実施例3に用いたものと同じ内容物(表面張力37mN/m、粘度3389mPa・s)を充填し、排出性を評価した。
【0064】
<比較例5>
比較例5として、塗料2の代わりに塗料2bを用いた以外は、実施例1と同様にして作成した液体容器に、実施例3に用いたものと同じ内容物(表面張力37mN/m、粘度3389mPa・s)を充填し、排出性を評価した。
【0065】
以上の結果を表7にまとめた。
【0066】
【0067】
この結果から、特許請求の範囲に記載された本発明に係る実施例1~10の液体容器においては、排出性が良好であるのに対して、本発明に該当しない比較例1~5の液体容器においては、排出性が良くないことが分かる。