(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022190375
(43)【公開日】2022-12-26
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 21/00 20060101AFI20221219BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20221219BHJP
B41J 29/42 20060101ALI20221219BHJP
【FI】
G03G21/00 502
G03G21/00 386
B41J29/38 206
B41J29/42 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021098664
(22)【出願日】2021-06-14
(71)【出願人】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【弁理士】
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】石原 良晃
【テーマコード(参考)】
2C061
2H270
【Fターム(参考)】
2C061AP07
2C061AQ06
2C061AS02
2C061CQ04
2C061CQ05
2C061CQ23
2C061CQ24
2C061CQ34
2C061HJ07
2C061HJ10
2C061HN04
2C061HN15
2H270KA55
2H270KA57
2H270MB03
2H270MC67
2H270MC68
2H270MF01
2H270MF08
2H270NC01
2H270PA07
2H270PA40
2H270PA41
2H270PA42
2H270QA06
2H270QA13
2H270QA23
2H270QA33
2H270QA35
2H270QB15
2H270ZC03
2H270ZC04
2H270ZC08
(57)【要約】
【課題】ユーザーが後処理の設定をし忘れた用紙に対して、画像形成後に1つ以上の後処理を行うことが可能な画像形成装置を提供する。
【解決手段】後処理部3は、画像形成部2が画像を形成した用紙に対して複数の後処理を実行可能である。設定部8は、画像形成部2が画像を形成した排出前の用紙に対して複数の後処理のうちの1つ以上の任意の後処理を行う第1後処理モード、及び画像形成部2が画像を形成した排出後の用紙に対して複数の後処理のうちの1つ以上の任意の後処理を行う第2後処理モードを設定する。後処理制御部9は、設定部8が第1後処理モードを設定した場合、画像形成部2が画像形成動作を行った後に後処理部3に第1後処理モードを行わせ、設定部8が第2後処理モードを設定した場合、画像形成部2の画像形成動作停止中に後処理部3に第2後処理モードを行わせる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙に画像を形成する画像形成部と、
前記画像形成部が画像を形成した用紙に対して複数の後処理を実行可能な後処理部と、
前記画像形成部が画像を形成した排出前の用紙に対して前記複数の後処理のうちの1つ以上の任意の後処理を行う第1後処理モード、及び前記画像形成部が画像を形成した排出後の用紙に対して前記複数の後処理のうちの1つ以上の任意の後処理を行う第2後処理モードを設定する設定部と、
前記設定部が前記第1後処理モードを設定した場合、前記画像形成部が画像形成動作を行った後に前記後処理部に前記第1後処理モードを行わせ、前記設定部が前記第2後処理モードを設定した場合、前記画像形成部の画像形成動作停止中に前記後処理部に前記第2後処理モードを行わせる後処理制御部と
を備える、画像形成装置。
【請求項2】
表示部と、
前記第2後処理モードに関する表示を前記表示部に行わせる表示制御部と
を備える、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記第1後処理モードの設定と前記後処理部が実行可能な前記複数の後処理とを比較して、前記第2後処理モードで追加可能な後処理及び追加不可能な後処理を抽出する抽出部を備え、
前記後処理制御部は、前記設定部が設定した前記第2後処理モードの前記1つ以上の任意の後処理のうち、前記抽出部が追加可能な後処理として抽出した1つ以上の後処理を前記後処理部に行わせる、請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記表示制御部は、前記抽出部において前記第2後処理モードで追加可能な後処理が抽出されなかった場合、前記第2後処理モードを実行しない表示を前記表示部に行わせる、請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記抽出部は、前記第2後処理モードで追加可能な後処理のうち、ユーザー側で処理可能な後処理、及び前記後処理部により処理可能な後処理を抽出し、
前記後処理制御部は、前記抽出部が前記ユーザー側で処理可能な後処理として抽出した後処理が終了した後に、前記抽出部が前記後処理部により処理可能な後処理として抽出した後処理を前記後処理部に行わせる、請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記表示制御部は、前記抽出部が前記ユーザー側で処理可能な後処理として抽出した後処理に関する表示を前記表示部に行わせる、請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記表示制御部は、前記第2後処理モードの実行前に、用紙の向き及び置き場所に関する表示を前記表示部に行わせる、請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記表示制御部は、前記抽出部が追加可能な後処理として抽出した後処理に関する表示を前記表示部に行わせ、前記抽出部が追加不可能な後処理として抽出した後処理に関する表示を前記表示部に行わせない、請求項3に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、画像形成後、穿孔(パンチ穴)をし忘れた用紙に対して穿孔を行うことのできる画像形成装置が開示されている。特許文献1に記載された画像形成装置は、画像形成部の下流に、画像が形成された用紙に対して穿孔を行う後処理装置を有し、第1の穿孔モードと第2の穿孔モードとを選択的に実行可能である。
【0003】
ユーザーは、用紙に対する穿孔を行う場合、画像形成装置に設けられたモード設定手段により第1の穿孔モードを設定した後、画像形成動作を開始させる。第1の穿孔モードが設定された場合、画像形成装置は用紙に画像を形成し、後処理装置は画像が形成された用紙に対して穿孔を行う。
【0004】
ユーザーが第1の穿孔モードの設定を忘れた場合、用紙に画像は形成されるが、パンチ穴は穿孔されない。その場合、ユーザーは、手差しトレイに画像形成済みの用紙をセットして第2の穿孔モードを設定する。第2の穿孔モードが設定された場合、画像形成装置は手差しトレイにセットされた画像形成済み用紙を画像形成を行わずに通過させ、後処理装置は画像形成済み用紙に対して穿孔を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
後処理としては、特許文献1に記載されたパンチ穴形成処理の他にも、例えば、用紙を複数枚スタックしてまとめてステープルで綴じる綴じ処理、用紙を2つ折り等する折り処理、及び用紙に表紙又は合紙を挿入するインサート処理等がある。
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載された画像形成装置は、ユーザーがパンチ穴形成の後処理を設定し忘れた場合、画像形成後にパンチ穴形成処理を行うことはできるが、それ以外の綴じ処理等の後処理を画像形成後に行うことはできなかった。
【0008】
本発明は、ユーザーが後処理の設定を忘れた用紙に対して、画像形成後に1つ以上の後処理を行うことが可能な画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る画像形成装置は、画像形成部と、後処理部と、設定部と、後処理制御部とを備える。前記画像形成部は、用紙に画像を形成する。前記後処理部は、前記画像形成部が画像を形成した用紙に対して複数の後処理を実行可能である。前記設定部は、前記画像形成部が画像を形成した排出前の用紙に対して前記複数の後処理のうちの1つ以上の任意の後処理を行う第1後処理モード、及び前記画像形成部が画像を形成した排出後の用紙に対して前記複数の後処理のうちの1つ以上の任意の後処理を行う第2後処理モードを設定する。前記後処理制御部は、前記設定部が前記第1後処理モードを設定した場合、前記画像形成部が画像形成動作を行った後に前記後処理部に前記第1後処理モードを行わせ、前記設定部が前記第2後処理モードを設定した場合、前記画像形成部の画像形成動作停止中に前記後処理部に前記第2後処理モードを行わせる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ユーザーが後処理の設定をし忘れた用紙に対して、画像形成後に1つ以上の後処理を行うことが可能な画像形成装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施形態1に係る画像形成装置の構成を示すブロック図である。
【
図2】実施形態1に係る画像形成装置の動作を示すフローチャートである。
【
図3】実施形態1における確認画面の一例を示す図である。
【
図4】実施形態1における第2後処理モード設定の動作を示すフローチャートである。
【
図5】実施形態1における選択画面の一例を示す図である。
【
図6】実施形態1における後処理の分類例を示すテーブルである。
【
図7】実施形態1における用紙取得指示画面の一例を示す図である。
【
図8】実施形態1におけるユーザー側処理指示画面の一例を示す図である。
【
図9】実施形態1におけるユーザー側処理指示画面の別の例を示す図である。
【
図10】実施形態1における用紙セット指示画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
【0013】
<実施形態1>
図1~
図10を参照して、実施形態1に係る画像形成装置1について説明する。
図1は、実施形態1に係る画像形成装置1の構成を示すブロック図である。画像形成装置1は、画像形成部2、後処理部3、記憶部4、表示部5、操作部6、及び制御部7を含む。制御部7は、設定部8、後処理制御部9、抽出部10、及び表示制御部11を含む。なお、画像形成装置1は、画像形成部2による画像形成機能に加え、画像読取機能、ファクシミリ機能、及び電子メール機能等の複数の機能を有する複合機であってもよい。
【0014】
画像形成部2は、感光体ドラム、現像部及び転写部等を有する。画像形成部2は、給紙カセット又は手差しトレイから搬送されてきた用紙に、画像を形成する。
【0015】
後処理部3は、画像形成部2が画像を形成した用紙に対して複数の後処理を実行可能である。後処理部3が実行可能な後処理として、用紙にパンチ穴を形成するパンチ穴形成処理、用紙を複数枚スタックしてまとめてステープルで綴じる綴じ処理、排出トレイにおける排出位置を用紙束ごとにシフトさせる仕分け処理、用紙に表紙又は合紙を挿入するインサート処理、及び用紙を2つ折り等する折り処理等がある。以下では、上記後処理をパンチ、ステープル、仕分け、表紙/合紙、及び紙折り等とも称する。
【0016】
記憶部4は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、RAM(Random Access Memory)、又はROM(Read Only Memory)といったメモリーを有する。記憶部4は、制御部7によって実行されるコンピュータープログラムを記憶する。また、記憶部4は、ユーザーが指示した画像形成の設定情報及び後処理の設定情報等を記憶する。また、記憶部4は、抽出部10が後処理の抽出及び判定に用いるテーブル等を記憶する。
【0017】
表示部5は、液晶ディスプレー又は有機EL(Electroluminescence)ディスプレー等のディスプレーを有する。表示部5は、表示制御部11の指示に従って画面表示を行う。
【0018】
操作部6は、タッチパネル又は物理ボタン等を有する。操作部6は、ユーザーが行う操作を受け付け、受け付けた操作情報を出力する。実施形態1では、操作部6はタッチパネルにより構成されるものとする。また、タッチパネルは、表示部5のディスプレー表面に一体化されているものとする。
【0019】
制御部7は、例えば、CPU(Central Processing Unit)のようなプロセッサーを有する。プロセッサーは、記憶部4に予め記憶されたコンピュータープログラムを実行することにより、制御部7、設定部8、後処理制御部9、抽出部10、及び表示制御部11の各機能を実現する。
【0020】
制御部7は、画像形成装置1の各部の動作を制御する。設定部8は、操作部6からの操作情報に基づいて、第1後処理モード及び第2後処理モードを選択的に設定する。第1後処理モードは、画像形成部2が画像を形成した、排出トレイ(不図示)に排出される前の用紙に対して、後処理部3が実行可能な複数の後処理のうちのユーザーが選択した1つ以上の任意の後処理を行うモードである。第2後処理モードは、画像形成部2が画像を形成して排出トレイ(不図示)に排出された後の用紙に対して、後処理部3が実行可能な複数の後処理のうちのユーザーが選択した1つ以上の任意の後処理を行うモードである。
【0021】
後処理制御部9は、設定部8が第1後処理モードを設定した場合、画像形成部2が画像形成動作を行った後の用紙に対して、ユーザーが選択した後処理を後処理部3に行わせる。後処理制御部9は、設定部8が第2後処理モードを設定した場合、画像形成部2が画像形成動作を行わない状態で、画像形成済み用紙に対して、ユーザーが選択した後処理を後処理部3に行わせる。
【0022】
なお、後処理制御部9は、第2後処理モードにおいて、用紙を動作停止中の画像形成部2を通過させて後処理部3へ送る。あるいは、後処理制御部9は、第2後処理モードにおいて、画像形成部2を経由しない搬送経路を介して用紙を後処理部3へ送ってもよい。
【0023】
抽出部10は、例えば記憶部4に記憶されているテーブルを参照して、第1後処理モードの設定と、後処理部3が実行可能な複数の後処理とを比較して、第2後処理モードで追加可能な後処理及び追加不可能な後処理を抽出する。さらに、抽出部10は、第2後処理モードで追加可能な後処理のうち、ユーザー側のみで処理可能な後処理、及びユーザー側の処理と後処理部3による処理とが必要な後処理を抽出してもよい。
【0024】
表示制御部11は、表示部5が表示する画面を制御する。表示部5が表示する画面の例は後述する。
【0025】
次に、
図2及び
図3を参照して、実施形態1に係る画像形成装置1の基本的な動作について説明する。
図2は、実施形態1に係る画像形成装置1の動作を示すフローチャートである。
【0026】
ステップS11において、操作部6は、ユーザーによる画像形成の設定情報を受け付ける。画像形成の設定情報とは、例えば、用紙のサイズ、部数、原稿枚数といった情報である。操作部6は、設定情報を制御部7へ出力する。なお、ステップS11において、表示制御部11は、画像形成の設定情報をユーザーに操作入力させるための画面を、表示部5に表示させてもよい。
【0027】
ステップS12において、操作部6は、ユーザーによる後処理の設定情報を受け付ける。後処理の設定情報とは、例えば、綴じ処理の実行有無及びステープルの綴じ位置、パンチ穴形成処理の実行有無及びパンチ穴の形成位置といった情報である。なお、ユーザーが後処理を希望しない場合、後処理の設定情報は「後処理無し」となる。操作部6は、設定情報を制御部7へ出力する。ステップS12の後処理は、第1後処理モードで実行される後処理である。ユーザーは、第1後処理モードで実行させる後処理を1つ以上設定可能である。例えば、ユーザーは、表紙の挿入とステープル左上1点綴じの2つの後処理を設定可能である。なお、ステップS12において、表示制御部11は、後処理の設定情報をユーザーに操作入力させるための画面を、表示部5に表示させてもよい。
【0028】
ステップS13において、制御部7は、操作部6から受け付けた、画像形成の設定情報及び第1後処理モードに関する後処理の設定情報を、記憶部4に記憶させる。
【0029】
ステップS14において、制御部7は、記憶部4に記憶されている画像形成の設定情報に従って、画像形成部2に画像形成を行わせる。
【0030】
ステップS15において、後処理制御部9は、後処理部3に対して第1後処理モードを実行させる。即ち、後処理制御部9は、記憶部4に記憶されている第1後処理モードに関する後処理の設定情報に従って、画像形成部2が画像を形成した用紙に対して後処理部3に後処理を行わせる。後処理後の用紙は、排出トレイに排出される。なお、後処理制御部9は、設定情報が「後処理無し」である場合、画像形成部2が画像を形成した用紙を、後処理部3で後処理せずに排出トレイに排出させる。
【0031】
ステップS16において、表示制御部11は、第1後処理モードで実行した後処理がユーザーの希望通りであったか否かを確認するための確認画面20(
図3参照)を、表示部5に表示させる。
【0032】
ステップS17において、操作部6は、ユーザーによる第2後処理モードの実行有無の指示を受け付ける。即ち、ユーザーは、第1後処理モードで実行された後処理が希望通りであった場合、第2後処理モードを実行させない指示を操作部6に対して入力する。第2後処理モードを実行させない指示を操作部6が受け付けた場合(ステップS17;No)、制御部7の処理は終了する。
【0033】
一方、ユーザーは、第1後処理モードで実行された後処理が希望通りでなかった場合、希望する後処理を行わせるために第2後処理モードを実行させる指示を操作部6に対して入力する。第2後処理モードを実行させる指示を操作部6が受け付けた場合(ステップS17;Yes)、制御部7の処理はステップS18へ進む。
【0034】
図3は、実施形態1における確認画面20の一例を示す図である。
図3の例において、第1後処理モードの後処理として左上1点綴じの綴じ処理が実行されたものとする。この場合、確認画面20には、第1後処理モードで実行した後処理に関する情報として「ステープル 左上1点綴じで印刷しました。」という案内が表示される。また、確認画面20には、「OK 印刷終了」というボタンと、「NG 第2後処理モード」というボタンとが表示される。ユーザーは、第1後処理モードで実行された後処理が希望通りであった場合、「OK 印刷終了」ボタンを押す。この操作は、
図2のステップS17;Noに相当する。一方、第1後処理モードで実行された後処理が希望通りでなかった場合、ユーザーは「NG 第2後処理モード」ボタンを押す。この操作は、
図2のステップS17;Yesに相当する。
【0035】
図2のステップS18において、設定部8は、第2後処理モードの設定を行う。具体的には、操作部6が、ユーザーによる後処理の設定情報を受け付ける。制御部7は、操作部6が受け付けた、第2後処理モードに関する後処理の設定情報を、記憶部4に記憶させる。なお、ステップS18において、表示制御部11は、第2後処理モードに関する後処理の設定情報をユーザーに操作入力させるための画面を、表示部5に表示させてもよい。
【0036】
ステップS19において、後処理制御部9は、後処理部3に対して第2後処理モードを実行させる。即ち、後処理制御部9は、記憶部4に記憶されている第2後処理モードに関する後処理の設定情報に従って、後処理部3に後処理を行わせる。後処理部3は、ユーザーが給紙カセット又は手差しトレイにセットした画像形成済み用紙に対して、後処理を行う。
【0037】
例えば、ユーザーが第1後処理モードとして左上1点綴じの綴じ処理を希望していたが、ステップS12において設定し忘れた場合を想定する。この場合、ユーザーは、ステップS17において第2後処理モード実行を選択し、ステップS18において第2後処理モードとして左上1点綴じの綴じ処理を実行する旨を設定する。また、ユーザーは、綴じ処理をし忘れた画像形成済み用紙を給紙カセット又は手差しトレイにセットする。ステップS19において、後処理部3が第2後処理モードを実行し、画像形成済み用紙に対して左上1点綴じの綴じ処理を実行する。これにより、ユーザーは、希望通りの後処理が実行された画像形成済み用紙を得ることができる。
【0038】
なお、第1後処理モードにおける後処理の設定と第2後処理モードにおける後処理の設定との組み合わせによっては、第2後処理モードにおいて後処理を追加的に実行できない場合がある。例えば、ユーザーが3つ折りを希望していたが誤って2つ折りを設定してしまった場合、不可逆的な処理のため、第2後処理モードにおいて追加の処理が不可能である。
【0039】
また、第2後処理モードにおける後処理をユーザー側のみで処理可能な場合がある。例えば、ユーザーが綴じ処理無しを希望していたが誤って綴じ処理を設定してしまった場合、第2後処理モードとしてユーザーが後処理済みの用紙からステープルを取り外すことで、希望通りの後処理となる。
【0040】
また、第2後処理モードにおける後処理をユーザーと後処理部3とで処理可能な場合がある。例えば、ユーザーが横2点の綴じ処理を希望していたが誤って左上1点の綴じ処理を設定してしまった場合を想定する。この場合、第2後処理モードとして、ユーザーが後処理済みの用紙左上からステープルを取り外した後、後処理部3が横2点の綴じ処理を実行することで、希望通りの後処理となる。
【0041】
このように、第2後処理モードで追加の処理が可能な後処理、追加の処理が不可能な後処理、ユーザー側のみで追加の処理が可能な後処理、及びユーザーと後処理部3とによる追加の処理が必要な後処理が存在する。そこで、以下では、
図4~
図10を参照して、第2後処理モードにおいて追加可能な後処理等を、画像形成装置1が自動的に判定してユーザーに案内する構成例を説明する。
【0042】
図4は、実施形態1における第2後処理モード設定の動作を示すフローチャートである。制御部7は、
図2のステップS18において、
図4のフローチャートに示される動作を行う。
【0043】
ステップS21において、表示制御部11は、第2後処理モードにおいて実行を希望する後処理をユーザーに選択させるための選択画面30(
図5参照)を、表示部5に表示させる。
【0044】
ステップS22において、操作部6は、ユーザーによる第2後処理モードで実行する後処理の選択指示を受け付ける。後処理の選択指示を操作部6が受け付けた場合(ステップS22;Yes)、設定部8は、操作部6が受け付けた第2後処理モードに関する後処理の設定情報を、記憶部4に記憶させる。その後、制御部7の処理はステップS23へ進む。一方、後処理の選択指示を操作部6が受け付けなかった場合(ステップS22;No)、制御部7の処理は終了する。
【0045】
図5は、実施形態1における選択画面30の一例を示す図である。選択画面30には、後処理部3が実行可能な後処理である「ステープル」、「パンチ」、「仕分け」、「表紙/合紙」、及び「紙折り」を示すボタンが表示される。また、選択画面30には、「ステープル」等のボタン選択を確定させる「OK」ボタン、及び選択画面30の画面表示を終了させる「終了する」ボタンが表示される。
【0046】
ユーザーは、第2後処理モードで実行したい後処理に対応するボタン(例えば、「ステープル」ボタン)を押し、続けて「OK」ボタンを押す。この操作は、
図4のステップS22;Yesに相当する。一方、ユーザーは、第2後処理モードを実行しない場合、「終了する」ボタンを押す。この操作は、
図4のステップS22;Noに相当する。
図3の確認画面20において、ユーザーが誤って「NG 第2後処理モード」ボタンを押した場合等に、ユーザーが選択画面30の「終了する」ボタンを押すことで、第2後処理モードを実行せずに画像形成を終了できる。
【0047】
また、表示制御部11は、「ステープル」ボタンと「OK」ボタンが押された場合に、綴じ処理の詳細な設定(例えば、左上1点綴じ)をユーザーに操作入力させるための画面を、表示部5に表示させてもよい。
【0048】
ステップS23において、抽出部10は、記憶部4に記憶されているテーブル(
図6参照)を用いて、ステップS22において選択された後処理のそれぞれについて、第2後処理モードで追加の処理が可能か否かを判定する。第2後処理モードで追加可能な後処理がない場合(ステップS23;No)、制御部7の処理はステップS24へ進む。第2後処理モードで追加可能な後処理がある場合(ステップS23;Yes)、制御部7の処理はステップS25へ進む。
【0049】
図6は、実施形態1における後処理の分類例を示すテーブルである。テーブルは、第2後処理モードの設定有無、第1後処理モードの設定有無、並びに、「ステープル」、「パンチ」、「仕分け」、「表紙/合紙」及び「紙折り」といった後処理ごとの分類を含む。また、後処理は、「不可」、「可」、「ユーザー側のみ」、「ユーザー選択」、及び「-」のいずれに分類される。
【0050】
「不可」に分類された後処理は、第2後処理モードで追加の処理が不可能な後処理である。「可」に分類された後処理は、第2後処理モードで後処理部3による追加の処理が可能な後処理である。「ユーザー側のみ」に分類された後処理は、第2後処理モードでユーザーによる追加の処理が可能な後処理である。「ユーザー選択」に分類された後処理は、第2後処理モードで追加の処理を行うか否かをユーザーに選択させる後処理である。「-」に分類された後処理は、第2後処理モード設定対象外の後処理である。なお、各後処理の分類は、ユーザーが操作部6を介して変更可能である。
【0051】
例えば、ユーザーが第1後処理モードとして「ステープル」を設定し忘れ、且つ、ユーザーが第2後処理モードとして「ステープル」(例えば、左上1点綴じ)を追加で設定した場合を考える。この場合、抽出部10は、テーブルから第1後処理モード「無し」、第2後処理モード「有り」、且つ、ステープル「可」を抽出する。即ち、「ステープル」の後処理は、第2後処理モードで後処理部3による追加の処理が可能である。
【0052】
例えば、ユーザーが第1処理モードとして「紙折り」(例えば、3つ折り)を設定し、且つ、ユーザーが第2後処理モードとして「紙折り」(例えば、2つ折り)を設定した場合を考える。この場合、抽出部10は、テーブルから第1後処理モード「有り」、第2後処理モード「有り」、且つ、紙折り「不可」を抽出する。即ち、3つ折りから2つ折りへの変更は、第2後処理モードで処理不可能である。
【0053】
例えば、ユーザーが第1後処理モードとして「パンチ」(例えば、横4点穿孔)を設定し、且つ、ユーザーが第2後処理モードとして「パンチ」(例えば、横2点穿孔)を設定した場合を考える。この場合、抽出部10は、テーブルから第1後処理モード「有り」、第2後処理モード「有り」、且つ、パンチ「ユーザー選択」を抽出する。抽出部10は、横4点パンチ穴が形成された用紙に、さらに2点パンチ穴を追加形成するか否かを、ユーザーに選択させる。
【0054】
例えば、ユーザーが第1後処理モードとして「ステープル」(例えば、左上1点綴じ)を設定し、且つ、ユーザーが第2後処理モードとして「ステープル無し」を設定した場合を考える。この場合、抽出部10は、テーブルから第1後処理モード「有り」、第2後処理モード「無し」、且つ、ステープル「ユーザー側のみ」を抽出する。即ち、第2後処理モードでユーザーが用紙からステープルを取り外す。
【0055】
例えば、ユーザーが第1後処理モードとして「ステープル」(例えば、左上1点綴じ)を設定し、且つ、ユーザーが第2後処理モードとして「ステープル無し」及び「パンチ」(例えば、横2点穿孔)を設定した場合を考える。この場合、抽出部10は、テーブルから第1後処理モード「有り」、第2後処理モード「無し」、且つ、ステープル「ユーザー側のみ」を抽出する。加えて、抽出部10は、テーブルから第1後処理モード「無し」、第2後処理モード「有り」、且つ、パンチ「可」を抽出する。即ち、第2後処理モードでユーザーが用紙からステープルを取り外した後、後処理部3が用紙にパンチ穴を形成する。
【0056】
図4のステップS24において、表示制御部11は、抽出部10の抽出結果に基づき、排出トレイに排出された画像形成済み用紙を取得するようユーザーに指示するための用紙取得指示画面40(
図7参照)を、表示部5に表示させる。
【0057】
図7は、実施形態1における用紙取得指示画面40の一例を示す図である。例えば、3つ折りから2つ折りへの変更は、第2後処理モードで処理不可能である。そのため、表示制御部11は、第2後処理モードで処理不可能であることを表示部5に表示させることにより、排出トレイに排出された画像形成済み用紙を取得するようユーザーに案内する。
【0058】
図4のステップS25において、抽出部10は、ステップS22において選択された後処理すべてがユーザー側のみで追加の処理が可能か否かを判定する。ステップS22において選択された後処理すべてがユーザー側のみで追加の処理が可能な後処理である場合(ステップS25;Yes)、制御部7の処理はステップS26へ進む。それ以外の場合(ステップS25;No)、制御部7の処理はステップS27へ進む。
【0059】
ステップS26において、表示制御部11は、抽出部10の判定結果に基づき、第2後処理モードとしてユーザーに行わせる後処理を指示するためのユーザー側処理指示画面50(
図8)を、表示部5に表示させる。
【0060】
図8は、実施形態1におけるユーザー側処理指示画面50の一例を示す図である。例えば、ステープル有りから無しへの変更は、第2後処理モードでユーザー側のみで処理可能である。そのため、表示制御部11は、ユーザーに行わせる後処理の内容を表示部5に表示させる。また、表示制御部11は、「印刷を終了します」等の説明を表示部5に表示させることにより、排出トレイに排出された画像形成済み用紙を取得するようユーザーに案内する。
【0061】
図4のステップS27において、抽出部10は、ステップS22において選択された後処理のいずれかがユーザー側の処理が必要な後処理であるか否かを判定する。ステップS22において選択された後処理のいずれかがユーザー側の処理が必要な後処理である場合(ステップS27;Yes)、制御部7の処理はステップS28へ進む。ステップS27;Yesの場合とは、即ち、ステップS22において選択された後処理に、ユーザー側の処理が必要な後処理と後処理部3による処理が必要な後処理とが含まれる場合である。
【0062】
一方、ステップS22において選択された後処理すべてがユーザー側の処理が必要ない後処理である場合(ステップS27;No)、制御部7の処理はステップS29へ進む。ステップS27;Noの場合とは、即ち、ステップS22において選択された後処理が、後処理部3による処理が必要な後処理のみである場合である。
【0063】
ステップS28において、表示制御部11は、抽出部10の判定結果に基づき、第2後処理モードとしてまずユーザーに行わせる後処理を指示するためのユーザー側処理指示画面60(
図9)を、表示部5に表示させる。
【0064】
図9は、実施形態1におけるユーザー側処理指示画面60の別の例を示す図である。例えば、ユーザーがステープル有りから無しへの変更、及びパンチ無しから有りへの変更を設定した場合、まず、ユーザーがステープルを取り外し、その後に後処理部3がパンチ穴を形成する必要がある。そのため、表示制御部11は、まずユーザーに行わせる後処理の内容を表示部5に表示させる。なお、ユーザー側の処理後に後処理部3による処理が続くため、表示制御部11は、
図8のような「印刷を終了します」等の案内は表示させない。
【0065】
図4のステップS29において、表示制御部11は、抽出部10の判定結果に基づき、排出トレイに排出された画像形成済み用紙を所定の給紙カセット又は手差しトレイにセットするようにユーザーに指示するための用紙セット指示画面70(
図10)を、表示部5に表示させる。このとき、表示制御部11は、記憶部4に記憶されている画像形成の設定情報に基づいて、用紙の向き、及び用紙をセットする給紙カセット又は手差しトレイ等を決定する。
【0066】
図10は、実施形態1における用紙セット指示画面70の一例を示す図である。例えば、パンチ無しから有りへの変更は、第2後処理モードで後処理部3が処理可能である。そのため、表示制御部11は、後処理部3がパンチ穴形成処理を行うことができるように、用紙の向き、及び用紙をセットする給紙カセット又は手差しトレイ等をユーザーに案内する。
【0067】
ユーザーは、用紙をセットし終えると、用紙セット指示画面70における「OK」ボタンを押す。操作部6は、「OK」ボタンが押された場合、その旨を後処理制御部9に通知する。この通知を受けた後処理制御部9は、
図2のステップS19において、後処理部3に対して第2後処理モードを実行させる。
【0068】
なお、ステップS22において選択された後処理に「ユーザー選択」に分類された後処理が含まれる場合、表示制御部11は、例えばステップS29において用紙セット指示画面70を表示する前に、「ユーザー選択」に分類された後処理を追加で処理するか否かをユーザーに選択させるための画面を、表示部5に表示させればよい。
【0069】
以上、
図1~
図10を参照して説明したように、画像形成装置1は、画像形成部2と、後処理部3と、設定部8と、後処理制御部9とを備える。画像形成部2は、用紙に画像を形成する。後処理部3は、画像形成部2が画像を形成した用紙に対して複数の後処理を実行可能である。設定部8は、画像形成部2が画像を形成した排出前の用紙に対して複数の後処理のうちの1つ以上の任意の後処理を行う第1後処理モード、及び画像形成部2が画像を形成した排出後の用紙に対して複数の後処理のうちの1つ以上の任意の後処理を行う第2後処理モードを設定する。後処理制御部9は、設定部8が第1後処理モードを設定した場合、画像形成部2が画像形成動作を行った後に後処理部3に第1後処理モードを行わせ、設定部8が第2後処理モードを設定した場合、画像形成部2の画像形成動作停止中に後処理部3に第2後処理モードを行わせる。これにより、画像形成装置1は、ユーザーが後処理の設定を忘れた用紙に対して、画像形成後に1つ以上の後処理を行うことが可能である。
【0070】
画像形成装置1は、抽出部10を備えてもよい。抽出部10は、第1後処理モードの設定と後処理部3が実行可能な複数の後処理とを比較して、第2後処理モードで追加可能な後処理及び追加不可能な後処理を抽出する。後処理制御部9は、設定部8が設定した第2後処理モードの1つ以上の任意の後処理のうち、抽出部10が追加可能な後処理として抽出した1つ以上の後処理を後処理部3に行わせる。これにより、画像形成装置1は、第2後処理モードで追加可能な後処理を自動で抽出できる。よって、ユーザーは、後処理を第2後処理モードで追加可能か否かを判定する必要がない。
【0071】
表示制御部11は、抽出部10において第2後処理モードで追加可能な後処理が抽出されなかった場合、第2後処理モードを実行しない表示(例えば、
図7の用紙取得指示画面40)を表示部5に行わせる。よって、ユーザーは、後処理を第2後処理モードで追加可能か否かを判定する必要がない。
【0072】
抽出部10は、第2後処理モードで追加可能な後処理のうち、ユーザー側で処理可能な後処理、及び後処理部3により処理可能な後処理を抽出する。後処理制御部9は、抽出部10がユーザー側で処理可能な後処理として抽出した後処理が終了した後に、抽出部10が後処理部3により処理可能な後処理として抽出した後処理を後処理部3に行わせる。画像形成装置1は、後処理部3が追加不可能な後処理をユーザーに行わせることにより、第2後処理モードで行うことが可能な後処理の種類を増やすことが可能である。
【0073】
表示制御部11は、抽出部10がユーザー側で処理可能な後処理として抽出した後処理に関する表示(例えば、
図8のユーザー側処理指示画面50又は
図9のユーザー側処理指示画面60)を表示部5に行わせる。よって、ユーザーは、表示を参考にして容易に後処理を実行できる。
【0074】
表示制御部11は、第2後処理モードの実行前に、用紙の向き及び置き場所に関する表示(例えば、
図10の用紙セット指示画面70)を表示部5に行わせる。よって、ユーザーは、表示を参考にして容易に用紙を画像形成装置1にセットできる。
【0075】
以上、本発明の実施形態について、図面(
図1~
図10)を参照しながら説明した。但し、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。下記に変形例1を説明する。
【0076】
<変形例1>
実施形態1における
図4のステップS21において、表示制御部11は、後処理部3が実行可能な後処理すべてを選択画面30に表示させたが、これに限定されない。例えば、ステップS21の前に、抽出部10が、第1後処理モードに関する後処理の設定情報とテーブル(
図6参照)とを参照して、第2後処理モードで追加可能な後処理と、追加不可能な後処理とを抽出する。表示制御部11は、ステップS21において、抽出部10が抽出した追加可能な後処理のみを選択画面30に表示させる。
【0077】
例えば、第1後処理モードで「紙折り」が設定された場合、抽出部10は、第2後処理モードで「紙折り」を追加不可能と判定する。よって、選択画面30に「紙折り」ボタンは表示されない。ユーザーは、第2後処理モードとして「紙折り」を選択できない。また、変形例1においては
図4のステップS21で追加不可能な後処理が除外されるため、制御部7は、後段のステップS23、S24の処理を行わない。
【0078】
このように、表示制御部11は、抽出部10が追加可能な後処理として抽出した後処理に関する表示を表示部5に行わせ、抽出部10が追加不可能な後処理として抽出した後処理に関する表示を表示部5に行わせない。これにより、表示制御部11は、第2後処理モードとして追加可能な後処理のみをユーザーに案内することができる。よって、ユーザーは、後処理を第2後処理モードで追加可能か否かを判定する必要がない。また、ユーザーが追加不可能な後処理を第2後処理モードとして選択することを防ぐことができる。
【産業上の利用可能性】
【0079】
本発明は、後処理装置が接続されている画像形成装置に適用できる。
【符号の説明】
【0080】
1 画像形成装置
2 画像形成部
3 後処理部
4 記憶部
5 表示部
6 操作部
7 制御部
8 設定部
9 後処理制御部
10 抽出部
11 表示制御部
20 確認画面
30 選択画面
40 用紙取得指示画面
50、60 ユーザー側処理指示画面
70 用紙セット指示画面