(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022190410
(43)【公開日】2022-12-26
(54)【発明の名称】作成装置、作成方法及び作成プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20221219BHJP
G06F 16/27 20190101ALI20221219BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06F16/27
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021098723
(22)【出願日】2021-06-14
(71)【出願人】
【識別番号】399035766
【氏名又は名称】エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山本 梨容子
(72)【発明者】
【氏名】松田 達樹
(72)【発明者】
【氏名】有沢 大輔
(72)【発明者】
【氏名】中島 侑里
(72)【発明者】
【氏名】勝野 加与
【テーマコード(参考)】
5B175
5L049
【Fターム(参考)】
5B175DA03
5L049CC12
5L049CC26
(57)【要約】
【課題】ユーザの気分を反映した旅行のプランを作成すること。
【解決手段】検索部131は、ユーザによって指定された条件に合致する場所、及び場所に対応する画像を検索する。提示部132は、検索部131によって検索された画像をユーザに提示する。決定部133は、提示部132によって提示された画像のうち、ユーザが選択した画像に対応する場所を、旅行の行程における経由地に決定する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザによって指定された条件に合致する場所、及び前記場所に対応する画像を検索する検索部と、
前記検索部によって検索された画像をユーザに提示する提示部と、
前記提示部によって提示された画像のうち、ユーザが選択した画像に対応する場所を、旅行の行程における経由地に決定する決定部と、
を有することを特徴とする作成装置。
【請求項2】
前記決定部によって経由地に決定された場所に対応する画像を掲載した所定のフォーマットのファイルを作成する作成部をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の作成装置。
【請求項3】
前記検索部は、ユーザによって指定された気分を表す単語と類似する単語があらかじめ対応付けられた場所、及び前記場所に対応する画像を検索することを特徴とする請求項1又は2に記載の作成装置。
【請求項4】
前記検索部は、ユーザによって指定された基準となる場所との位置関係が所定の条件を満たす場所、及び前記場所に対応する画像を検索することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の作成装置。
【請求項5】
前記検索部は、前記基準となる場所においてユーザが実行する予定の行動と異なる行動が関連付けられた場所を検索することを特徴とする請求項4に記載の作成装置。
【請求項6】
前記検索部は、ユーザによって指定された出発地、出発日時、帰宅日時、移動手段、目的のエリア、行動の時間帯及び気分に基づいて設定される条件に合致する場所、及び前記場所に対応する画像を検索することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の作成装置。
【請求項7】
作成装置によって実行される作成方法であって、
ユーザによって指定された条件に合致する場所、及び前記場所に対応する画像を検索する検索工程と、
前記検索工程によって検索された画像をユーザに提示する提示工程と、
前記提示工程によって提示された画像のうち、ユーザが選択した画像に対応する場所を、旅行の工程における経由地に決定する決定工程と、
を含むことを特徴とする作成方法。
【請求項8】
コンピュータを、請求項1から5のいずれか1項に記載の作成装置として機能させるための作成プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作成装置、作成方法及び作成プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザの嗜好に合わせて旅行のプランを作成する技術が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、ユーザが入力した情報等を推奨される観光地、交通手段及び経路の候補を判断し、当該判断結果を使って旅程及びスケジュールを含むプランを作成する方法が記載されている。
【0004】
また、例えば、特許文献2には、あらかじめ作成した旅行のプランと、実際にユーザが訪れた目的地に関する情報を比較し、ユーザの嗜好を考察するためのデータを得ることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2016-139263号公報
【特許文献2】特開2015-79390号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の技術には、ユーザの気分を反映した旅行のプランを作成することが難しい場合があるという問題がある。
【0007】
ユーザの気分はその時々において変化する。また、ユーザが自身の気分を正確に表現しシステムに伝えることは難しい。そのため、従来の技術では、事前にユーザの気分を把握し、気分に応じたプランを作成することができない場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、作成装置は、ユーザによって指定された条件に合致する場所、及び前記場所に対応する画像を検索する検索部と、前記検索部によって検索された画像をユーザに提示する提示部と、前記提示部によって提示された画像のうち、ユーザが選択した画像に対応する場所を、旅行の行程における経由地に決定する決定部と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ユーザの気分を反映した旅行のプランを作成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、第1の実施形態に係る情報提供システムの構成例を示す図である。
【
図2】
図2は、第1の実施形態に係る作成装置の構成例を示す図である。
【
図8】
図8は、第1の実施形態に係る作成装置の処理の流れを示すフローチャートである。
【
図9】
図9は、作成プログラムを実行するコンピュータの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本願に係る作成装置、作成方法及び作成プログラムの実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は、以下に説明する実施形態により限定されるものではない。
【0012】
[第1の実施形態の構成]
まず、
図1を用いて、第1の実施形態に係る情報提供システムの構成について説明する。情報提供システムは、ユーザに旅のしおりを提供する。
【0013】
以降の説明では、旅のしおりは単にしおりと表記する。また、しおりは、案内書又はガイドブック等と言い換えられてもよい。
【0014】
しおりは、旅行のスケジュール及び行程等が掲載された所定のフォーマットのデータである。例えば、しおりは、文書ファイル、HTMLファイル(Webページ)、画像ファイル等の形式でユーザの端末に提供される。
【0015】
図1は、第1の実施形態に係る情報提供システムの構成例を示す図である。
図1に示すように、情報提供システム1は、作成装置10、鉄道事業者サーバ20及び端末30を有する。
【0016】
作成装置10は、指定された条件を基にしおりを作成する。作成装置10は、鉄道事業者サーバ20及び端末30とネットワークNを介してデータ通信可能に接続されている。例えば、ネットワークNはインターネットである。
【0017】
鉄道事業者サーバ20は、鉄道に関する情報を提供する。鉄道事業者サーバ20は、時刻表、駅の位置及び駅周辺の場所の情報等を提供することができる。
【0018】
作成装置10は、鉄道事業者サーバ20から提供された情報をしおりの作成に利用することができる。
【0019】
端末30は、ユーザが所有する情報処理端末である。例えば、端末30は、スマートフォン及びパーソナルコンピュータ等である。
【0020】
図2を用いて、第1の実施形態に係る作成装置の構成について説明する。
図2は、第1の実施形態に係る作成装置の構成例を示す図である。
図2に示すように、作成装置10は、通信部11、記憶部12及び制御部13を有する。
【0021】
通信部11は、ネットワークを介して、他の装置との間でデータ通信を行う。例えば、通信部11はNIC(Network Interface Card)である。
【0022】
記憶部12は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、光ディスク等の記憶装置である。なお、記憶部12は、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ、NVSRAM(Non Volatile Static Random Access Memory)等のデータを書き換え可能な半導体メモリであってもよい。
【0023】
記憶部12は、作成装置10で実行されるOS(Operating System)や各種プログラムを記憶する。例えば、記憶部12は、ユーザ情報121、場所情報122、画像情報123及びしおり情報124を記憶する。
【0024】
ユーザ情報121は、しおりを提供されるユーザごとの情報である。
図3は、ユーザ情報の例を示す図である。
図3に示すように、ユーザ情報121には、ユーザごとの識別情報(ユーザID)、性別、生年月日及び自宅最寄駅等が含まれる。
【0025】
例えば、
図3には、ユーザIDが「U01」であるユーザの性別が「男」であり、生年月日が「1990/4/6」であり、自宅最寄駅が「大宮」であることが示されている。
【0026】
ユーザ情報121に含まれる情報は
図3に示すものに限られない。例えば、ユーザ情報121には、趣味、好きな食べ物等、ユーザの嗜好に関する情報が含まれていてもよい。
【0027】
場所情報122は、旅行の行程における経由地の候補となる場所ごとの情報である。場所は、例えば飲食店、観光スポット、娯楽施設等である。
図4は、場所情報の例を示す図である。
図4に示すように、場所情報122には、場所ごとの名称、エリア、目的、気分、位置、説明及び画像ファイル等を含む。
【0028】
場所情報122のエリアは、各場所を含む所定の範囲を示す。例えば、エリアは、県、市のような自治体ごとの範囲であってもよいし、鉄道の駅の周辺を意味するものであってもよい。
【0029】
場所情報122の目的は、場所ごとの訪れる目的である。例えば、目的は、飲食に関するもの(昼食、夕食、飲酒)、観光対象を表すもの(植物、建物、地形)、施設の種別を表すもの(遊園地、映画館)等である。
【0030】
場所情報122の気分は、場所ごとの対応する気分を表現する単語であり、ユーザの気分と場所とを関連付けるために利用される。
【0031】
例えば、
図4には、「Aうどん店」という場所が「川越」エリアにあり、「昼食、夕食」といった目的で訪れられ、「おいしい、安価」という単語と関連付けられていることが示されている。
【0032】
また、
図4には、「Aうどん店」という場所が「35.90,139.49」という座標で表される位置にあり、「安くておいしいです。」という説明が付けられており、「kawagoe/img001」で示される画像ファイルと対応付けられている。
【0033】
画像情報123は、場所情報122に含まれる場所に対応付けられた画像である。例えば、画像情報123は、画像ファイルの集合である。
【0034】
例えば、画像情報123に含まれる画像は、
図4の場所情報122の画像ファイルによって特定される。
【0035】
しおり情報124は、作成されたしおりに関する情報である。
図5は、しおり情報の例を示す図である。
図5に示すように、しおり情報124には、しおりごとの識別情報(しおりID)、掲載順、エリア、場所、写真、及びメッセージ等が含まれる。
【0036】
例えば、
図5に示すしおりIDが「G01」であるしおりには、掲載順が「1」及び「2」の2つのレコードが含まれる。
【0037】
各レコードは、しおりに掲載される場所ごとの情報に対応する。また、掲載順は、各情報がしおりに掲載される順番を表す。
【0038】
しおりIDが「G01」、掲載順が「1」のレコードには、「川越」エリアの「B公園」という場所の写真が「既定画像」であり、メッセージが空欄であることが示されている。しおりの写真及びメッセージについては後述する。
【0039】
制御部13は、作成装置10全体を制御する。制御部13は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)等の電子回路や、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路である。
【0040】
また、制御部13は、各種の処理手順を規定したプログラムや制御データを格納するための内部メモリを有し、内部メモリを用いて各処理を実行する。
【0041】
また、制御部13は、各種のプログラムが動作することにより各種の処理部として機能する。例えば、制御部13は、検索部131、提示部132、決定部133及び作成部134を有する。
【0042】
検索部131は、ユーザによって指定された条件に合致する場所、及び場所に対応する画像を検索する。端末30に備えられたWebブラウザ又は専用のアプリケーションから条件の入力を受け付ける。
【0043】
提示部132は、検索部131によって検索された画像をユーザに提示する。例えば、提示部132は、端末30に備えられたWebブラウザ又は専用のアプリケーションに画像を送信し、表示させる。
【0044】
決定部133は、提示部132によって提示された画像のうち、ユーザが選択した画像に対応する場所を、旅行の行程における経由地に決定する。例えば、端末30は、各画像についてユーザが選択操作を行ったか否かを作成装置10に通知する。
【0045】
作成部134は、決定部133によって経由地に決定された場所に対応する画像を掲載した所定のフォーマットのファイル、すなわちしおりを作成する。作成部134は、作成したしおりを端末30に送信する。
【0046】
ここで、しおりを作成する前段階の処理、すなわち検索部131、提示部132及び決定部133によって実行される処理をプランニングと呼ぶ。
【0047】
また、プランニングにより生成される情報をプランと呼ぶ。作成部134は、プランを基にファイルを作成する。
【0048】
図6を用いて、プランニングの流れを説明する。
図6は、プランニングを説明する図である。
【0049】
まず、ユーザは、端末30を介して条件を入力する。ここでは、ユーザが下記のような条件を入力したものとする。
(条件)
・出発地:自宅
・出発日時:2021/5/21 8時
・帰宅日時:2021/5/21 20時
・移動手段:電車、徒歩
・メインのエリア:川越
・食事の時間帯及びエリア:12:00~13:00の間、川越
・気分及び希望する行動:ゆっくり観光したい、きれいな桜が見たい、地元で有名な喫茶店に行きたい
【0050】
「出発地」は旅を開始する場所である。「出発地」には、既定値としてユーザ情報121から取得した自宅最寄駅、又は図示しない自宅住所等が設定されていてもよい。例えば、作成装置10は、「出発地」に設定された場所を開始地点とするプランを生成する。
【0051】
「出発日時」及び「帰宅日時」はユーザが希望する出発及び到着の日時である。例えば、作成装置10は、「出発日時」に設定された日時から「帰宅日時」に設定された日時までの期間に収まるようにプランを生成する。
【0052】
「移動手段」は、ユーザが希望する移動手段である。また、「移動手段」には、電車であればどの路線を利用したいか、等が設定されてもよい。例えば、作成装置10は、「移動手段」に設定された移動手段を使ったプランを生成する。
【0053】
「メインのエリア」はユーザが訪れたいエリアである。ここでのエリアは、場所情報122のエリアに対応する。例えば、作成装置10は、「メインのエリア」に設定されたエリアに属する場所を中心にプランを生成する。
【0054】
「食事の時間帯及びエリア」はユーザが食事を希望する時間帯とエリアである。エリアは「メインのエリア」と異なるものであってもよい。この条件が設定されることにより、作成装置10は食事の日時及び場所を軸にプランを生成することができる。
【0055】
なお、条件には、「食事の時間帯及びエリア」に限られず、「観光の時間帯及びエリア」及び「宿エリア及び到着時間帯」といったユーザがメインにしたい行動に関する条件が含まれていてもよい。
【0056】
「気分及び希望する行動」は、ユーザの気分、及び気分に応じてユーザが希望の行動である。「気分及び希望する行動」は、ユーザが自由に記述可能な項目であってもよい。
【0057】
まず、検索部131は、場所情報122から、「メインのエリア」と合致するエリアの場所を検索する。ここでは、「メインのエリア」に「川越」が設定されているため、場所情報122のエリアが「川越」である場所を検索する。
【0058】
さらに、検索部131は、ユーザによって指定された気分を表す単語と類似する単語(同一の単語を含む)があらかじめ対応付けられた場所、及び場所に対応する画像を検索する。
【0059】
例えば、ユーザによって「きれい」という単語が指定された場合、検索部131は、場所情報122の気分を参照し、「きれい」という単語が含まれる場所である「B公園」を検索結果として取得する。
【0060】
また、例えば、ユーザによって「美しい」という単語が指定された場合、検索部131は、場所情報122の気分を参照し、「美しい」に類似する「きれい」という単語が含まれる場所である「B公園」を検索結果として取得する。
【0061】
このとき、検索部131は、単語間の類似度を測定する手法(例えば、Word2vec)、及び類似する単語同士を対応付けた類語辞典形式のデータを使って類似する単語を特定することができる。また、検索部131は、形態素解析及びAIを利用して、ユーザが入力した文章から気分を特定してもよい。
【0062】
例えば、検索部131は、条件の「気分及び希望する行動」に含まれる単語が、場所情報122の気分及びその他の項目に含まれている場所を検索する。
【0063】
なお、検索部131は、気分に関する条件をキーに含めなくてもよい。例えば、条件「気分及び希望する行動」に気分に関する単語が含まれず、場所の名称等が直接記載されている場合は、検索部131は当該名称に対応する場所を直接検索することができる。
【0064】
例えば、「ゆっくり観光したい、きれいな桜が見たい、地元で有名な喫茶店に行きたい」という文には、「ゆっくり」という単語が含まれている。一方、場所情報122を見ると、場所「B公園」の気分には「ゆっくり」という単語が含まれている。そのため、検索部131は、検索結果として場所「B公園」を取得する。
【0065】
検索部131は、条件「気分及び希望する行動」に関して複数の場所を検索結果として得る場合がある。その場合、検索部131は、場所ごとにユーザに提示する優先度を設定することができる。例えば、気分を表す単語が場所情報122の気分に含まれ、かつ場所情報122の説明にも含まれるような検索結果の場所については優先度を上げることができる。さらに、ユーザが優先度によって検索結果を表示するか否かのフィルタを設定できるようにしてもよい。
【0066】
検索部131は、ユーザによって指定された基準となる場所との位置関係が所定の条件を満たす場所、及び場所に対応する画像を検索する。
【0067】
例えば、まず、検索部131は、「食事の時間帯及びエリア」として指定された「12:00~13:00の間、川越」を基に、12:00~13:00の間に食事が可能な場所を検索する。ここでは、検索部131は、検索結果として場所「Aうどん店」を取得したものとする。
【0068】
そして、検索部131は、場所「Aうどん店」から所定の時間以内で移動可能な場所をさらに検索する。
【0069】
さらに、検索部131は、基準となる場所においてユーザが実行する予定の行動と異なる行動が関連付けられた場所を検索する。
【0070】
すなわち、「Aうどん店」には実行する予定の行動として「昼食」が関連付けられているため、検索部131は、「昼食」と異なる行動が関連付けられた場所を検索し、検索結果として「B公園」及び「C喫茶店」を取得する。
【0071】
このように、検索部131は、ユーザによって指定された出発地、出発日時、帰宅日時、移動手段、目的のエリア、行動の時間帯及び気分に基づいて設定される条件に合致する場所、及び場所に対応する画像を検索する。
【0072】
図6の例では、検索部131は、自宅を8:00に出発すること、及び「Aうどん店」で12:00から昼食をとることを基準として、自宅及び「Aうどん店」との位置関係から移動時間を計算して「B公園」及び「C喫茶店」を検索する。
【0073】
さらに、決定部133は、ユーザが選択した画像に対応する場所を組み合わせて、
図6のようなプランを生成する。決定部133は、決定したプランに関する情報をしおり情報124に格納する。
【0074】
なお、プランニングは機械学習の手法を用いたAIによって行われるものであってもよい。その場合、作成装置10は、入力された設定情報を学習済みのモデルに入力し、プランを出力させる。また、モデルは、プランに対するユーザからの評価を基に学習を行い、精度を向上させることができる。
【0075】
作成部134は、しおり情報124を基に、
図7に示すようなしおりを作成する。例えば、作成部134は、
図5に示すしおり情報124を参照し、場所「B公園」の情報をしおり50に追加する。
【0076】
図7に示す画像51は、場所「B公園」の既定画像である。既定画像は、場所情報122によって特定される画像であり、提示部132によってユーザに提示され、さらにユーザによって選択された画像である。また、説明欄52には、場所情報122から取得した説明が掲載される。
【0077】
ここで、場所情報122には、1つの場所に対して複数の画像ファイルが既定画像として登録されている場合がある。この場合、作成部134は、複数の既定画像の中からユーザが選択した画像を表示する。
【0078】
[第1の実施形態の処理]
図8は、第1の実施形態に係る作成装置の処理の流れを示すフローチャートである。まず、作成装置10は、旅行先のエリア及びユーザの気分を含む設定情報(条件)の入力を受け付ける(ステップS101)。
【0079】
次に、作成装置10は、入力された設定情報を基に場所の画像を検索する(ステップS102)。そして、作成装置10は、検索によって得られた画像をユーザに提示する(ステップS103)。
【0080】
なお、作成装置10は、あらかじめ記憶しておいた画像を提示してもよいし、インターネット上のWebサイト及びSNS等で公開されている画像を提示してもよい。
【0081】
続いて、作成装置10は、ユーザが選択した画像に応じて場所を決定する(ステップS104)。そして、作成装置10は、決定した各場所の情報を掲載したしおりを作成する(ステップS105)。
【0082】
作成装置10は、作成したしおりを端末30に送信する。ユーザは、端末30を介してしおりを閲覧することができる。
【0083】
[第1の実施形態の効果]
これまで説明してきたように、検索部131は、ユーザによって指定された条件に合致する場所、及び場所に対応する画像を検索する。提示部132は、検索部131によって検索された画像をユーザに提示する。決定部133は、提示部132によって提示された画像のうち、ユーザが選択した画像に対応する場所を、旅行の行程における経由地に決定する。
【0084】
このように、ユーザは作成装置10から提示された画像を見て、その時の気分に応じて直感的に選択するか否かを判断することができる。このため、本実施形態によれば、ユーザの気分を反映した旅行のプランを作成することができる。
【0085】
作成部134は、決定部133によって経由地に決定された場所に対応する画像を掲載した所定のフォーマットのファイルを作成する。
【0086】
これにより、プランを反映させたデータ(しおり)をユーザに提供することができる。
【0087】
検索部131は、ユーザによって指定された気分を表す単語と類似する単語があらかじめ対応付けられた場所、及び場所に対応する画像を検索する。
【0088】
これにより、作成装置10は、文章からユーザの気分を読み取り、しおりに反映させることができる。
【0089】
検索部131は、ユーザによって指定された基準となる場所との位置関係が所定の条件を満たす場所、及び場所に対応する画像を検索する。
【0090】
これにより、作成装置10は、自宅及び各場所から、現実的な移動時間で移動可能な場所を検索することができる。
【0091】
検索部131は、基準となる場所においてユーザが実行する予定の行動と異なる行動が関連付けられた場所を検索する。
【0092】
これにより、プランにおいて同じような場所が重複することを防止することができる。例えば、昼食に適した場所が既に決まっている場合、作成装置10は、昼食とは異なる行動が関連付けられた場所を検索する。
【0093】
検索部131は、ユーザによって指定された出発地、出発日時、帰宅日時、移動手段、目的のエリア、行動の時間帯及び気分に基づいて設定される条件に合致する場所、及び場所に対応する画像を検索する。
【0094】
しおりは、個人間で販売されてもよい。また、鉄道事業者は、特定のエリアのしおりを使って路線の利用を活性化させるPR活動を行うことができる。また、鉄道事業者は、特定のエリアのしおりを作成し、実際に旅行を行ったユーザに対して特典を付与してもよい。
【0095】
鉄道事業者のIC乗車カードの利用者識別情報と情報提供システム1のユーザIDとを紐付けておくことで、鉄道事業者はユーザのしおりの活用情報を行動情報として取得することができる。また、しおりに関する情報は、鉄道事業者及びその他の事業者が所定の分析を行うためのデータとして利用することができる。
【0096】
[システム構成等]
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示のように構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散及び統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を、各種の負荷や使用状況等に応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散又は統合して構成することができる。さらに、各装置にて行われる各処理機能は、その全部又は任意の一部が、CPU(Central Processing Unit)及び当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。なお、プログラムは、CPUだけでなく、GPU等の他のプロセッサによって実行されてもよい。
【0097】
また、本実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0098】
[プログラム]
一実施形態として、作成装置10は、パッケージソフトウェアやオンラインソフトウェアとして上記の作成処理を実行する作成プログラムを所望のコンピュータにインストールさせることによって実装できる。例えば、上記の作成プログラムを情報処理装置に実行させることにより、情報処理装置を作成装置10として機能させることができる。ここで言う情報処理装置には、デスクトップ型又はノート型のパーソナルコンピュータが含まれる。また、その他にも、情報処理装置にはスマートフォン、携帯電話機やPHS(Personal Handyphone System)等の移動体通信端末、さらには、PDA(Personal Digital Assistant)等のスレート端末等がその範疇に含まれる。
【0099】
また、作成装置10は、ユーザが使用する端末装置をクライアントとし、当該クライアントに上記の作成処理に関するサービスを提供するサーバ装置として実装することもできる。例えば、サーバ装置は、ユーザの気分を含む設定情報を入力とし、作成したしおりを出力とするサービスを提供するサーバ装置として実装される。この場合、サーバ装置は、Webサーバとして実装することとしてもよいし、アウトソーシングによって上記の作成処理に関するサービスを提供するクラウドとして実装することとしてもかまわない。
【0100】
図9は、作成プログラムを実行するコンピュータの一例を示す図である。コンピュータ1000は、例えば、メモリ1010、CPU1020を有する。また、コンピュータ1000は、ハードディスクドライブインタフェース1030、ディスクドライブインタフェース1040、シリアルポートインタフェース1050、ビデオアダプタ1060、ネットワークインタフェース1070を有する。これらの各部は、バス1080によって接続される。
【0101】
メモリ1010は、ROM(Read Only Memory)1011及びRAM(Random Access Memory)1012を含む。ROM1011は、例えば、BIOS(Basic Input Output System)等のブートプログラムを記憶する。ハードディスクドライブインタフェース1030は、ハードディスクドライブ1090に接続される。ディスクドライブインタフェース1040は、ディスクドライブ1100に接続される。例えば磁気ディスクや光ディスク等の着脱可能な記憶媒体が、ディスクドライブ1100に挿入される。シリアルポートインタフェース1050は、例えばマウス1110、キーボード1120に接続される。ビデオアダプタ1060は、例えばディスプレイ1130に接続される。
【0102】
ハードディスクドライブ1090は、例えば、OS1091、アプリケーションプログラム1092、プログラムモジュール1093、プログラムデータ1094を記憶する。すなわち、作成装置10の各処理を規定するプログラムは、コンピュータにより実行可能なコードが記述されたプログラムモジュール1093として実装される。プログラムモジュール1093は、例えばハードディスクドライブ1090に記憶される。例えば、作成装置10における機能構成と同様の処理を実行するためのプログラムモジュール1093が、ハードディスクドライブ1090に記憶される。なお、ハードディスクドライブ1090は、SSD(Solid State Drive)により代替されてもよい。
【0103】
また、上述した実施形態の処理で用いられる設定データは、プログラムデータ1094として、例えばメモリ1010やハードディスクドライブ1090に記憶される。そして、CPU1020は、メモリ1010やハードディスクドライブ1090に記憶されたプログラムモジュール1093やプログラムデータ1094を必要に応じてRAM1012に読み出して、上述した実施形態の処理を実行する。
【0104】
なお、プログラムモジュール1093やプログラムデータ1094は、ハードディスクドライブ1090に記憶される場合に限らず、例えば着脱可能な記憶媒体に記憶され、ディスクドライブ1100等を介してCPU1020によって読み出されてもよい。あるいは、プログラムモジュール1093及びプログラムデータ1094は、ネットワーク(LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等)を介して接続された他のコンピュータに記憶されてもよい。そして、プログラムモジュール1093及びプログラムデータ1094は、他のコンピュータから、ネットワークインタフェース1070を介してCPU1020によって読み出されてもよい。
【符号の説明】
【0105】
1 情報提供システム
10 作成装置
11 通信部
12 記憶部
13 制御部
20 鉄道事業者サーバ
30 端末
121 ユーザ情報
122 場所情報
123 画像情報
124 しおり情報
131 検索部
132 提示部
133 決定部
134 作成部