(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022190424
(43)【公開日】2022-12-26
(54)【発明の名称】送風装置
(51)【国際特許分類】
F24F 1/028 20190101AFI20221219BHJP
F24F 6/00 20060101ALI20221219BHJP
F24F 13/10 20060101ALI20221219BHJP
F24F 1/0358 20190101ALI20221219BHJP
F24F 8/80 20210101ALN20221219BHJP
【FI】
F24F1/028
F24F6/00 B
F24F13/10 B
F24F1/0358
F24F8/80 260
F24F8/80 400
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021098742
(22)【出願日】2021-06-14
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【弁理士】
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】桂 成龍
【テーマコード(参考)】
3L049
3L055
3L081
【Fターム(参考)】
3L049BB11
3L055BA02
3L081AA03
3L081AB03
3L081DA02
3L081HA01
(57)【要約】
【課題】流出口から筐体の外部へ流出する風量の低下を減らすことが可能な送風装置を提供する。
【解決手段】送風装置1は、流入口と流出口4を有する筐体5と、流入口から吸い込んだ空気2を流出口4に送風するファン装置7と、切替部15とを備え、第1風路、第2風路12及び第3風路13を有し、ファン装置7は、一方の吸込部と、一方の吸込部の反対側に位置する他方の吸込部30とを有し、第1風路は流入口からファン装置7の一方の吸込部に連通し、第2風路12は流入口からファン装置7の他方の吸込部30に連通し、第3風路13は第1風路から分かれてファン装置7の他方の吸込部30に連通し、切替部15は、空気2が第2風路12を流通することと、空気2が第3風路13を流通することとを切り換える。
【選択図】
図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気が流入する流入口と、空気が流出する流出口とを有する筐体と、
前記流入口から吸い込んだ空気を前記流出口に送風するファン装置と、
切替部と
を備え、
第1風路、第2風路、及び第3風路を有し、
前記ファン装置は、一方の吸込部と、前記一方の吸込部の反対側に位置する他方の吸込部とを有し、
前記第1風路は、前記流入口から前記ファン装置の前記一方の吸込部に連通し、
前記第2風路は、前記流入口から前記ファン装置の前記他方の吸込部に連通し、
前記第3風路は、前記第1風路から分かれて前記ファン装置の前記他方の吸込部に連通し、
前記切替部は、空気が前記第2風路を流通することと、空気が前記第3風路を流通することとを切り換える、送風装置。
【請求項2】
前記流入口から流入した空気を加湿する加湿部をさらに備え、
前記加湿部は、前記第2風路に配置され、
前記第3風路は、前記加湿部を通過せずに、前記ファン装置を回り込んで前記他方の吸込部に連通している、請求項1記載の送風装置。
【請求項3】
前記ファン装置は、ケーシングと、ケーシング内に配置された回転自在なファンとを有し、
前記第3風路は、前記第1風路から前記ケーシングの側方を通って前記他方の吸込部に連通しており、
前記切替部は、前記第2風路を開くと共に前記第3風路を閉じる第1切換位置と、前記第2風路を閉じると共に前記第3風路を開く第2切換位置とに回動可能である、請求項1又は請求項2に記載の送風装置。
【請求項4】
前記切替部は、前記第2風路および前記第3風路を交互に開閉する第1遮蔽部を有する、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の送風装置。
【請求項5】
前記切替部は、前記ファン装置の回転軸心方向において前記他方の吸込部に対向する第2遮蔽部を有し、
前記第2遮蔽部は、前記第1遮蔽部で前記第2風路を閉じたとき、前記第2風路を流れる風が前記第1遮蔽部と前記筐体の内側面との間の隙間を通って他方の吸込部に吸い込まれることを抑制する、請求項4記載の送風装置。
【請求項6】
前記第2遮蔽部は、略円盤状の部材であり、
前記第1遮蔽部は、前記第2遮蔽部の外周縁に設けられた円弧状の部材である、請求項5記載の送風装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、送風装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の送風装置としては、
図20および
図21に示すような送風装置200が存在する。
図20は、送風装置200の断面図であり、脱臭モードに切り換えた状態を示す。
図21は、送風装置200の断面図であり、加湿モードに切り換えた状態を示す。
【0003】
送風装置200は、空気208が流入する吸気口201と空気208が流出する送風口202とを備えた本体203と、吸気口201から吸い込んだ空気208を送風口202に送風するファン装置204と、吸気口201から吸い込まれた空気208を脱臭する脱臭フィルタ205と、吸気口201から吸い込まれた空気208を加湿する加湿フィルタ206と、シャッター207とを有する。
【0004】
脱臭フィルタ205は加湿フィルタ206の上方に設けられている。また、シャッター207は、脱臭フィルタ205および加湿フィルタ206とファン装置204との間に上下移動自在に設けられており、脱臭フィルタ205と加湿フィルタ206とを交互に閉塞する。
【0005】
これによると、送風装置200を駆動し、脱臭モードに切り換えた場合、
図20に示すように、シャッター207が下降して加湿フィルタ206を閉塞する。このため、吸気口201から本体203内に吸い込まれた空気208は、脱臭フィルタ205を通過し、送風口202から送風装置200の外部へ送風される。
【0006】
また、加湿モードに切り換えた場合、
図21に示すように、シャッター207が上昇して脱臭フィルタ205を閉塞する。このため、吸気口201から本体203内に吸い込まれた空気208は、加湿フィルタ206を通過し、送風口202から送風装置200の外部へ送風される。
上記のような送風装置200は下記特許文献1に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記の従来形式では、運転状態を脱臭モードに切り換えた場合、
図20に示すように、加湿フィルタ206を流通する空気208の風路が全面的に閉じられ、脱臭フィルタ205を流通する空気208の風路のみが開通するため、送風口202から外部へ送風される風量が大幅に低下してしまう虞がある。
【0009】
同様に、運転状態を加湿モードに切り換えた場合、
図21に示すように、脱臭フィルタ205を流通する空気208の風路が全面的に閉じられ、加湿フィルタ206を流通する空気208の風路のみが開通するため、送風口202から外部へ送風される風量が大幅に低下してしまう虞がある。
【0010】
本発明は、流出口から筐体の外部へ流出する風量(送風量)の低下を減らすことが可能な送風装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一局面によれば、送風装置は、空気が流入する流入口と、空気が流出する流出口とを有する筐体と、前記流入口から吸い込んだ空気を前記流出口に送風するファン装置と、切替部とを備え、第1風路、第2風路、及び第3風路を有し、前記ファン装置は、一方の吸込部と、前記一方の吸込部の反対側に位置する他方の吸込部とを有し、前記第1風路は、前記流入口から前記ファン装置の前記一方の吸込部に連通し、前記第2風路は、前記流入口から前記ファン装置の前記他方の吸込部に連通し、前記第3風路は、前記第1風路から分かれて前記ファン装置の前記他方の吸込部に連通し、前記切替部は、空気が前記第2風路を流通することと、空気が前記第3風路を流通することとを切り換えるものである。
【発明の効果】
【0012】
以上のように本発明によると、送風装置を駆動し、空気が第2風路を流通するように切替部を切り換えて運転する場合、流入口から吸い込まれた空気は、第1風路を通ってファン装置の一方の吸込部からファン装置内に吸い込まれると共に第2風路を通ってファン装置の他方の吸込部からファン装置内に吸い込まれ、ファン装置内から流出口を通って筐体の外部へ流出する。
【0013】
また、空気が第3風路を流通するように切替部を切り換えて運転する場合、流入口から吸い込まれた空気は、第1風路を通ってファン装置の一方の吸込部からファン装置内に吸い込まれると共に第1風路から分かれて第3風路を通りファン装置の他方の吸込部からファン装置内に吸い込まれ、ファン装置内から流出口を通って筐体の外部へ流出する。
【0014】
これにより、いずれの運転状態であっても、流入口から吸い込まれた空気はファン装置の一方の吸込部と他方の吸込部との両方からファン装置内に吸い込まれるので、流出口から筐体の外部へ流出する空気の風量(送風量)の低下を減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の実施形態1に係る送風装置の断面図であり、加湿オンモードに切り換えた状態を示す。
【
図2】本実施形態1の送風装置の一部切欠き側面図であり、加湿オンモードに切り換えた状態を示す。
【
図3】
図2に示す送風装置のV-V断面を示す図である。
【
図4】本実施形態1の送風装置のダンパをファン装置側から見た斜視図である。
【
図5】本実施形態1の送風装置のダンパを筐体の前板部側から見た斜視図である。
【
図6】
図4に示す送風装置のダンパのW方向矢視図である。
【
図7】
図6に示す送風装置のダンパのV-V断面を示す図である。
【
図8】本実施形態1の送風装置の断面図であり、加湿オフモードに切り換えた状態を示す。
【
図9】本実施形態1の送風装置の一部切欠き側面図であり、加湿オフモードに切り換えた状態を示す。
【
図10】
図9に示す送風装置のV-V断面を示す図である。
【
図11】
図8に示す送風装置の一部拡大断面図である。
【
図12】本発明の実施形態2に係る送風装置の断面図であり、加湿オンモードに切り換えた状態を示す。
【
図13】本実施形態2の送風装置の断面図であり、加湿オフモードに切り換えた状態を示す。
【
図14】本発明の実施形態3に係る送風装置の断面図であり、加湿オフモードに切り換えた状態を示す。
【
図15】本実施形態3の送風装置の一部切欠き側面図であり、加湿オフモードに切り換えた状態を示す。
【
図17】本実施形態3の送風装置の断面図であり、加湿オンモードに切り換えた状態を示す。
【
図18】本実施形態3の送風装置の一部切欠き側面図であり、加湿オンモードに切り換えた状態を示す。
【
図20】従来の送風装置の断面図であり、脱臭モードに切り換えた状態を示す。
【
図21】従来の送風装置の断面図であり、加湿モードに切り換えた状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明における実施形態を、図面を参照して説明する。
【0017】
(実施形態1)
先ず、
図1~
図3を参照して、本発明に係る送風装置1の実施形態1について説明する。尚、
図1は、本実施形態における送風装置1の断面図であり、加湿オンモードに切り換えた状態を示す。
図2は、送風装置1の一部切欠き側面図であり、加湿オンモードに切り換えた状態を示す。
図3は、
図2に示す送風装置1のV-V断面を示す図である。
【0018】
図1~
図3に示すように、送風装置1は、例えば室内に配置されて使用されるものであり、除湿機能と加湿機能とを有し、空気を加湿する加湿運転を行う加湿オンモードと加湿運転を行わない加湿オフモードとに切り換え可能である。
【0019】
送風装置1は、空気2が流入する流入口3と空気2が流出する流出口4(吹出口)とを有する筐体5と、流入口3から吸い込んだ空気2を流出口4に送風するファン装置7と、ダンパ15(切替部の一例)と等を備えている。また、送風装置1は、除湿風路11(第1風路の一例)と、加湿風路12(第2風路の一例)と、補助風路13(第3風路の一例)と、送出風路14とを有する。
【0020】
筐体5は、前板部17と後板部18と左右一対の側板部19,20と上カバー部21と底部22とを有する箱状のケースである。流入口3は後板部18に形成され、流出口4は上カバー部21に形成されている。また、後板部18には、流入口3の内側に配置される空気清浄フィルタ23が設けられている。
【0021】
上カバー部21には操作部24が設けられ、操作部24には、電源スイッチや加湿オンモードと加湿オフモードとに切り換えるための運転切換スイッチ等が備えられている。
【0022】
実施形態1において、ファン装置7は、例えば両吸込形のシロッコファンである。ファン装置7は、ケーシング26と、ケーシング26内に配置された回転自在なファン27と、ファン27を回転させるモータ等の電動機28と、ケーシング26に形成された一方の吸込口29(一方の吸込部の一例)および他方の吸込口30(他方の吸込部の一例)と、送出口31とを有している。このうち、一方の吸込口29はケーシング26の後面に開口し、他方の吸込口30はケーシング26の前面に開口して一方の吸込口29の反対側に位置している。また、送出口31はケーシング26の上面に開口している。
【0023】
除湿風路11は、流入口3からファン装置7の一方の吸込口29に連通している。流入口3と一方の吸込口29との間には、除湿部34が配置されている。すなわち、除湿風路11には、除湿部34が配置されている。除湿部34は流入口3から流入した空気2を除湿する冷凍サイクルを備えている。冷凍サイクルは、冷却部35と、放熱部36と、圧縮部(図示省略)と、膨張部(図示省略)とを環状に連結した循環路を有している。
【0024】
冷却部35はエバポレータ等を含み、放熱部36はコンデンサ等を含み、圧縮部はコンプレッサ等を含み、膨張部はキャピラリーチューブ等を含んでいる。冷凍サイクルにおいて、冷媒が、圧縮部、放熱部36、膨張部および冷却部35の順に循環路を循環することで、冷却部35の温度上昇が抑制され、除湿風路11を流れる空気2が冷却部35を通過する際に冷却され、空気2に含まれる水分が結露し、その結果、空気2が除湿される。また、放熱部36は冷却部35を通過した空気2と冷媒との間で熱交換を行い、その結果、冷却部35を通過した空気2は冷媒から熱を受け取って加温される。
【0025】
加湿風路12は、流入口3からファン装置7の他方の吸込口30に連通している。流入口3と他方の吸込口30との間には、加湿部39が配置されている。加湿風路12は除湿風路11の下方に形成されている。また、加湿部39は、流入口3から流入した空気2を加湿するものであり、除湿部34の下方に配置された加湿フィルタ40と、タンク(図示省略)とを有している。加湿フィルタ40がタンク内の水を吸水し、空気2が加湿フィルタ40を通過することで加湿される。
【0026】
補助風路13は、除湿風路11から分かれ、加湿部39を通過せずに、ファン装置7のケーシング26の外側方を回り込んで、他方の吸込口30に連通している。
尚、除湿風路11および補助風路13と、加湿風路12とは筐体5内に設けられた一方の仕切部材42と他方の仕切り部材43とによって仕切られている。
【0027】
このうち一方の仕切部材42は、前後方向に延設された板体42aと、板体42aの前部に設けられてダンパ15の外周側に隣接する板体42bとを有している。また、他方の仕切り部材43は、前後方向に延設された板体43aと、板体43aの前部に設けられてダンパ15の外周側に隣接する板体43bとを有している。
【0028】
尚、
図3に示すように、一方の仕切部材42の板体42bの下端部と他方の仕切り部材43の板体43bの下端部との間は、加湿風路12の一部として形成されている。また、
図10に示すように、一方の仕切部材42の板体42bの上端部と他方の仕切り部材43の板体43bの上端部との間は、補助風路13の一部として形成されている。
送出風路14は、ファン装置7の送出口31から流出口4に連通しており、ダクト45内に形成されている。
【0029】
ダンパ15は、空気2が加湿風路12を流通することと、空気2が補助風路13を流通することとを切り換える回動式の切替装置であり、ファン装置7のケーシング26と筐体5の前板部17との間に配置され、支軸54を介して前板部17に支持されている。
【0030】
図4は、ダンパ15をファン装置7側から見た斜視図である。
図5は、ダンパ15を筐体5の前板部17側から見た斜視図である。
図6は、
図4に示すダンパ15のW方向矢視図である。
図7は、
図6に示すダンパ15のV-V断面を示す図である。
図4~
図7に示すように、ダンパ15は、略円盤状の第2遮蔽部49と、第2遮蔽部49の外周縁に設けられた第1遮蔽部50と、ダンパ15を第1切換位置A(
図3参照)と第2切換位置B(
図10参照)とに回動させるモータ等の回転駆動装置51とを有している。
【0031】
第1遮蔽部50は、ダンパ15の回転軸心52の方向(すなわち前後方向)から見て、ほぼ半円(180°)に近い円弧形状を有している。つまり、第1遮蔽部50は、円弧状の部材である。また、第2遮蔽部49は中央部に円形の凹部53を有し、凹部53内に回転駆動装置51が収納されている。
図1~
図3に示すように、ダンパ15が第1切換位置Aに回動した場合、第1遮蔽部50が加湿風路12を開通するとともに補助風路13を閉鎖する。
【0032】
また、
図8は、送風装置1の断面図であり、加湿オフモードに切り換えた状態を示す。
図9は、送風装置1の一部切欠き側面図であり、加湿オフモードに切り換えた状態を示す。
図10は、
図9に示す送風装置1のV-V断面を示す図である。
図8~
図10に示すように、ダンパ15が第2切換位置Bに回動した場合、第1遮蔽部50が加湿風路12を閉鎖するとともに補助風路13を開通する。
【0033】
尚、第2遮蔽部49は、ファン27の回転軸心方向(すなわち前後方向)において他方の吸込口30に対向しており、
図8~
図11に示すように第1遮蔽部50で加湿風路12を閉鎖したとき、加湿風路12を流れる空気2が第1遮蔽部50と筐体5の前板部17の内側面との間の隙間56(
図11参照)を通って他方の吸込口30に吸い込まれることを抑制する。
【0034】
以下に、送風装置1の動作について説明する。
部屋の空気を加湿したい場合、送風装置1の操作部24の電源スイッチを入れ、運転切換スイッチを操作して加湿オンモードに切り換える。
これにより、ファン装置7の電動機28が駆動してファン27が回転するとともに、回転駆動装置51が駆動して、
図1~
図3に示すようにダンパ15が第1切換位置Aに回動し、第1遮蔽部50が加湿風路12を開通するとともに補助風路13を閉鎖する。
【0035】
これにより、流入口3から吸い込まれた空気2は空気清浄フィルタ23を通過し、この際に空気2中のゴミ等の異物が取り除かれる。空気清浄フィルタ23を通過した空気2の一部は、除湿風路11を流れ、ファン装置7の一方の吸込口29からケーシング26内に吸い込まれ、送出風路14を流れて流出口4から送風装置1の外部へ流出する。この際、除湿部34の冷凍サイクルは運転を停止しているため、除湿風路11を流れる空気2は除湿されない。
【0036】
また、空気清浄フィルタ23を通過した空気2の残りは、加湿風路12を流れ、加湿フィルタ40で加湿された後、ファン装置7の他方の吸込口30からケーシング26内に吸い込まれ、送出風路14を流れて流出口4から送風装置1の外部へ流出する。
【0037】
この際、
図3に示すように、ダンパ15の第1遮蔽部50が補助風路13を閉鎖しているため、除湿風路11から分かれて補助風路13へ流れる空気2がファン装置7の他方の吸込口30からケーシング26内に吸い込まれるのを阻止することができる。
これにより、加湿された空気2が流出口4から送風装置1の外部へ供給される。
【0038】
また、部屋の空気を除湿したい場合、運転切換スイッチを操作して加湿オフモードに切り換える。これにより、回転駆動装置51が駆動して、
図8~
図10に示すようにダンパ15が第2切換位置Bに回動し、第1遮蔽部50が加湿風路12を閉鎖するとともに補助風路13を開通する。
【0039】
これにより、流入口3から吸い込まれた空気2は空気清浄フィルタ23を通過し、この際に空気2中のゴミ等の異物が取り除かれる。空気清浄フィルタ23を通過した空気2の一部は、除湿風路11を流れ、ファン装置7の一方の吸込口29からケーシング26内に吸い込まれ、送出風路14を流れて流出口4から送風装置1の外部へ流出する。この際、除湿部34の冷凍サイクルは運転を行っているため、除湿風路11を流れる空気2は除湿されて一方の吸込口29からケーシング26内に吸い込まれる。
【0040】
また、空気清浄フィルタ23を通過した空気2の残りは、加湿風路12に流れ込むが、ダンパ15の第1遮蔽部50が加湿風路12を閉鎖しているため、ファン装置7の他方の吸込口30からケーシング26内に流入しない。
【0041】
この際、ダンパ15の第1遮蔽部50が補助風路13を開通しているため、除湿風路11から分かれて補助風路13へ流れる空気2が、補助風路13を通ってファン装置7の外側方を回り込み、ファン装置7の他方の吸込口30からケーシング26内に吸い込まれる。
これにより、除湿された空気2が流出口4から送風装置1の外部へ供給される。
【0042】
上記のように、加湿オンモード(
図1~
図3参照)と加湿オフモード(
図8~
図10参照)とのいずれの運転状態であっても、流入口3から吸い込まれた空気2はファン装置7の一方の吸込口29と他方の吸込口30との両方からファン装置7内に吸い込まれるので、流出口4から送風装置1の外部へ流出する空気2の風量(送風量)の低下を減らすことができる。
【0043】
また、
図8~
図10に示すように、加湿オフモードにおいて、ダンパ15の第1遮蔽部50が加湿風路12を閉鎖しているが、この際、
図11に示すように、第2遮蔽部49は、加湿風路12を流れる空気2が第1遮蔽部50と前板部17との隙間56を通って他方の吸込口30に吸い込まれることを、抑制する。このため、加湿された空気2が加湿風路12から隙間56を通ってファン装置7のケーシング26内に混入するのを防止することができる。
【0044】
上記実施形態1では、
図3に示すようにダンパ15を第1切換位置Aまで回動させて、第1遮蔽部50が加湿風路12を開通するとともに補助風路13を閉鎖し、また、
図10に示すようにダンパ15を第2切換位置Bまで回動させて、第1遮蔽部50が加湿風路12を閉鎖するとともに補助風路13を開通しているが、ダンパ15を第1切換位置Aと第2切換位置Bとの間の中途位置まで回動させて、加湿風路12の開通面積と補助風路13の開通面積とを調節してもよい。例えば、加湿風路12の開通面積を広くするとともに補助風路13の開通面積と狭くすることにより、流出口4から送風装置1の外部へ供給される空気2の湿度が上がる。反対に、加湿風路12の開通面積を狭くするとともに補助風路13の開通面積と広くすることにより、流出口4から送風装置1の外部へ供給される空気2の湿度が下がる。これにより、ファン27の回転速度を一定に保ったままで、流出口4から送風装置1の外部へ供給される空気2の湿度を調節することができる。尚、ダンパ15の回動位置を調整しつつ、ファン27の回転速度を調整してもよい。
【0045】
ここで、上記実施形態1では、加湿オンモードに切り換えた場合、除湿部34の冷凍サイクルの運転を停止しているが、冷凍サイクルを運転して、除湿風路11を流れる空気2を除湿してもよい。
【0046】
(実施形態2)
先述した実施形態1では、回動式のダンパ15を用いたが、回動式に限定されるものではなく、以下に、
図12および
図13を参照して、本発明の実施形態2に係る送風装置1について説明する。尚、実施形態2の送風装置1では、揺動式のダンパ70を用いている点で、実施形態1の送風装置1と異なっている。以下、実施形態2では、主に実施形態1と異なる点を説明する。
【0047】
図12は、本実施形態の送風装置1の断面図であり、加湿オンモードに切り換えた状態を示す。
図13は、送風装置1の断面図であり、加湿オフモードに切り換えた状態を示す。
【0048】
図12および
図13に示すように、ダンパ70は、空気2が加湿風路12を流通することと、空気2が補助風路13を流通することとを切り換える揺動式の切換装置であり、支軸71を中心にして第1切換位置Aと第2切換位置Bとに揺動自在な遮蔽板72と、遮蔽板72を揺動させるモータ等の揺動駆動装置(図示省略)とを有している。
【0049】
以下に、送風装置1の動作について説明する。
加湿オンモードに切り換えた場合、
図12に示すように、揺動駆動装置が駆動して、ダンパ70の遮蔽板72が第1切換位置Aに揺動し、遮蔽板72が加湿風路12を開通するとともに補助風路13を閉鎖する。
【0050】
これにより、流入口3から吸い込まれて空気清浄フィルタ23を通過した空気2の一部は、除湿風路11を流れ、ファン装置7の一方の吸込口29からケーシング26内に吸い込まれ、送出風路14を流れて流出口4から送風装置1の外部へ流出する。この際、除湿部34の冷凍サイクルは運転を停止しているため、除湿風路11を流れる空気2は除湿されない。
【0051】
また、空気清浄フィルタ23を通過した空気2の残りは、加湿風路12を流れ、加湿フィルタ40で加湿された後、ファン装置7の他方の吸込口30からケーシング26内に吸い込まれ、送出風路14を流れて流出口4から送風装置1の外部へ流出する。
【0052】
この際、ダンパ70の遮蔽板72が補助風路13を閉鎖しているため、除湿風路11から分かれて補助風路13へ流れる空気2がファン装置7の他方の吸込口30からケーシング26内に吸い込まれるのを阻止することができる。
これにより、加湿された空気2が流出口4から送風装置1の外部へ供給される。
【0053】
また、加湿オフモードに切り換えた場合、
図13に示すように、揺動駆動装置が駆動して、ダンパ70の遮蔽板72が第2切換位置Bに揺動し、遮蔽板72が加湿風路12を閉鎖するとともに補助風路13を開通する。
【0054】
これにより、流入口3から吸い込まれて空気清浄フィルタ23を通過した空気2の一部は、除湿風路11を流れ、ファン装置7の一方の吸込口29からケーシング26内に吸い込まれ、送出風路14を流れて流出口4から送風装置1の外部へ流出する。この際、除湿部34の冷凍サイクルは運転を行っているため、除湿風路11を流れる空気2は除湿されて一方の吸込口29からケーシング26内に吸い込まれる。
【0055】
また、空気清浄フィルタ23を通過した空気2の残りは、加湿風路12に流れ込むが、ダンパ70の遮蔽板72が加湿風路12を閉鎖しているため、ファン装置7の他方の吸込口30からケーシング26内に流入しない。
【0056】
この際、ダンパ70の遮蔽板72が補助風路13を開通しているため、除湿風路11から分かれて補助風路13へ流れる空気2が、補助風路13を通ってファン装置7の外側方を回り込み、ファン装置7の他方の吸込口30からケーシング26内に吸い込まれる。
これにより、除湿された空気2が流出口4から送風装置1の外部へ供給される。
【0057】
上記のように、加湿オンモード(
図12参照)と加湿オフモード(
図13参照)とのいずれの運転状態であっても、流入口3から吸い込まれた空気2はファン装置7の一方の吸込口29と他方の吸込口30との両方からファン装置7内に吸い込まれるので、流出口4から送風装置1の外部へ流出する空気2の風量(送風量)の低下を減らすことができる。
【0058】
上記実施形態2では、加湿オンモードに切り換えた場合、除湿部34の冷凍サイクルの運転を停止しているが、冷凍サイクルを運転して、除湿風路11を流れる空気2を除湿してもよい。
【0059】
(実施形態3)
先述した実施形態1および実施形態2の送風装置1では、両吸込形のファン装置7を用いたが、以下に説明する実施形態3の送風装置1では、
図14~
図19に示すように片吸込形のファン装置90を用いており、この点で実施形態1および実施形態2の送風装置1と異なっている。以下、実施形態3では、主に実施形態1と異なる点を説明する。
【0060】
図14は、本実施形態の送風装置1の断面図であり、加湿オフモードに切り換えた状態を示す。
図15は、送風装置1の一部切欠き側面図であり、加湿オフモードに切り換えた状態を示す。
図16は、
図15に示す送風装置1のV-V断面を示す図である。
図17は、送風装置1の断面図であり、加湿オンモードに切り換えた状態を示す。
図18は、送風装置1の一部切欠き側面図であり、加湿オンモードに切り換えた状態を示す。
図19は、
図18に示す送風装置1のV-V断面を示す図である。
【0061】
筐体5内には、ファン装置90と、除湿風路91(第1風路の一例)と、加湿風路12(第2風路の一例)と、送出風路14と、ダンパ15等が備えられている。
【0062】
ファン装置90は、ケーシング26と、ファン27と、電動機28と、ケーシング26に形成された吸込口92(吸込部の一例)と、送出口31とを有している。吸込口92はケーシング26の前面に開口している。
【0063】
図14~
図16に示すように、除湿風路91は、先述した第1の実施の形態における補助風路13に相当する風路であり、流入口3から、後述する加湿部39を通過せずに、ファン装置7のケーシング26の外側方を回り込んで吸込口92に連通している。除湿風路91において、流入口3とファン装置7との間には、除湿部34が配置されている。
【0064】
図17~
図19に示すように、加湿風路12は、除湿風路91の下方に形成されており、流入口3からファン装置7の吸込口92に連通している。加湿風路12において、流入口3と吸込口92との間には、加湿部39が配置されている。加湿部39は、除湿部34の下方に配置された加湿フィルタ40とタンクとを有している。
尚、除湿風路91と加湿風路12とは筐体5内に設けられた一方の仕切部材42と他方の仕切り部材43とによって仕切られている。
送出風路14は、ファン装置7の送出口31から流出口4に連通しており、ダクト45内に形成されている。
【0065】
ダンパ15は、空気2が加湿風路12を流通することと、空気2が除湿風路91を流通することとを切り換える回動式の切換装置であり、ファン装置7のケーシング26と筐体5の前板部17との間に配置され、支軸54を介して前板部17に支持されている。ダンパ15は、第1遮蔽部50と、第2遮蔽部49と、ダンパ15を第1切換位置Aと第2切換位置Bとに回動させるモータ等の回転駆動装置51とを有している。
【0066】
図16に示すように、ダンパ15が第2切換位置Bに回動した場合、第1遮蔽部50が加湿風路12を閉鎖するとともに除湿風路91を開通する。また、
図19に示すように、ダンパ15が第1切換位置Aに回動した場合、第1遮蔽部50が加湿風路12を開通するとともに除湿風路91を閉鎖する。
【0067】
尚、第2遮蔽部49と、前板部17の内側面との間には隙間が形成されている。また、第2遮蔽部49は、ファン27の回転軸心方向(すなわち前後方向)において吸込口92に対向している。
図14に示すように、第2遮蔽部49は、第1遮蔽部50で加湿風路12を閉鎖したとき、加湿風路12を流れる空気2が第1遮蔽部50と筐体5の前板部17の内側面との間の隙間56を通って吸込口92に吸い込まれるのを抑制する。
【0068】
以下に、送風装置1の動作について説明する。
加湿オフモードに切り換えた場合、
図14~
図16に示すように、回転駆動装置51が駆動して、ダンパ15が第2切換位置Bに回動し、第1遮蔽部50が加湿風路12を閉鎖するとともに除湿風路91を開通する。
【0069】
これにより、流入口3から吸い込まれた空気2は、空気清浄フィルタ23を通過し、除湿風路91を流れてファン装置7の外側方を回り込み、ファン装置7の吸込口92からケーシング26内に吸い込まれ、送出風路14を流れて流出口4から送風装置1の外部へ流出する。この際、除湿部34の冷凍サイクルは運転を行っているため、除湿風路91を流れる空気2は除湿されて吸込口92からケーシング26内に吸い込まれる。
【0070】
また、ダンパ15の第1遮蔽部50が加湿風路12を閉鎖しているため、加湿風路12の加湿された空気2がファン装置7の吸込口92からケーシング26内に吸い込まれるのを阻止することができる。
これにより、除湿された空気2が流出口4から送風装置1の外部へ供給される。
【0071】
また、加湿オンモードに切り換えた場合、
図17~
図19に示すように、回転駆動装置51が駆動して、ダンパ15が第1切換位置Aに回動し、第1遮蔽部50が加湿風路12を開通するとともに除湿風路91を閉鎖する。
【0072】
これにより、流入口3から吸い込まれた空気2は、空気清浄フィルタ23を通過し、加湿風路12を流れ、加湿フィルタ40で加湿された後、ファン装置7の吸込口92からケーシング26内に吸い込まれ、送出風路14を流れて流出口4から送風装置1の外部へ流出する。
【0073】
この際、ダンパ15の第1遮蔽部50が除湿風路91を閉鎖しているため、除湿風路91の空気2がファン装置7の吸込口92からケーシング26内に吸い込まれるのを阻止することができる。
これにより、加湿された空気2が流出口4から送風装置1の外部へ供給される。
【0074】
以上、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明した。但し、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚み、長さ、個数、間隔等は、図面作成の都合上から実際とは異なる。また、上記の実施形態で示す各構成要素の材質、形状、寸法等は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の構成から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0075】
例えば、除湿風路11には、除湿部34が配置されていた。ただし、除湿風路11には、除湿部34が配置されていなくてもよい。すなわち、送風装置1は、除湿部34を備えなくてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0076】
本発明は、送風装置を提供するものであり、産業上の利用可能性を有する。
【符号の説明】
【0077】
1 送風装置
2 空気
3 流入口
4 流出口
5 筐体
7 ファン装置
12 加湿風路(第2風路)
13 補助風路(第3風路)
15,70 ダンパ(切替部)
26 ケーシング
27 ファン
29 一方の吸込口(一方の吸込部)
30 他方の吸込口(他方の吸込部)
39 加湿部
49 第2遮蔽部
50 第1遮蔽部
52 回転軸心
56 隙間
A 第1切換位置
B 第2切換位置