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特開2022-190438コンテンツ提示装置、コンテンツ提示方法及びコンテンツ提示プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022190438
(43)【公開日】2022-12-26
(54)【発明の名称】コンテンツ提示装置、コンテンツ提示方法及びコンテンツ提示プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 21/433 20110101AFI20221219BHJP
   H04N 5/93 20060101ALI20221219BHJP
   G11B 27/00 20060101ALI20221219BHJP
【FI】
H04N21/433
H04N5/93
G11B27/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021098763
(22)【出願日】2021-06-14
(71)【出願人】
【識別番号】000004352
【氏名又は名称】日本放送協会
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(72)【発明者】
【氏名】井口 和久
(72)【発明者】
【氏名】新井 大地
【テーマコード(参考)】
5C053
5C164
5D110
【Fターム(参考)】
5C053GB06
5C053HA21
5C053JA21
5C053LA06
5C053LA11
5C164UB36P
5C164UB41S
5C164YA21
5D110AA27
5D110AA29
5D110DA11
5D110DE01
5D110DE02
5D110FA02
(57)【要約】
【課題】スキップバックに伴って視聴補助機能を容易に調整できるコンテンツ提示装置、コンテンツ提示方法及びコンテンツ提示プログラムを提供すること。
【解決手段】コンテンツ提示装置1は、スキップバックの操作がされる前の視聴補助機能の状態を記憶する状態記憶部13と、スキップバックの操作がされた時点の、コンテンツの再生位置を記憶するスキップバック末尾位置記憶部16と、スキップバックの操作がされると、状態を期間内とし、当該操作の後、コンテンツの再生位置がスキップバック末尾位置に達すると、状態を期間外とする状態判定部14と、状態がスキップバック期間内からスキップバック期間外に変化すると、視聴補助機能を状態記憶部13により記憶された状態に戻す再生制御部12と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スキップバックの操作がされる前の視聴補助機能の状態を記憶する状態記憶部と、
前記スキップバックの操作がされた時点の、コンテンツの再生位置を記憶する位置記憶部と、
前記スキップバックの操作がされると、スキップバック状態を期間内とし、当該操作の後、前記コンテンツの再生位置が前記位置記憶部により記憶された位置に達すると、前記スキップバック状態を期間外とする状態判定部と、
前記スキップバック状態が期間内から期間外に変化すると、前記視聴補助機能を前記状態記憶部により記憶された状態に戻す再生制御部と、を備えるコンテンツ提示装置。
【請求項2】
前記再生制御部は、前記スキップバック状態が期間外から期間内に変化すると、前記視聴補助機能のいずれかを有効化する請求項1に記載のコンテンツ提示装置。
【請求項3】
前記スキップバックの操作がされた際に、当該スキップバックの期間を記憶する期間記憶部を備え、
前記再生制御部は、新たにスキップバックの操作がされた際に、前記期間記憶部により記憶されている前回のスキップバックの期間との重複がある場合、前記視聴補助機能のうち有効化する種類又は強度を増す請求項2に記載のコンテンツ提示装置。
【請求項4】
前記再生制御部は、前記重複の回数に応じて、前記視聴補助機能のうち有効化する種類又は強度を段階的に増す請求項3に記載のコンテンツ提示装置。
【請求項5】
前記視聴補助機能のうち前記再生制御部により有効化される種類及び強度は、ユーザにより選択される請求項2から請求項4のいずれかに記載のコンテンツ提示装置。
【請求項6】
前記状態判定部は、前記スキップバック状態が期間内であるときに、前記コンテンツの再生位置を変更する操作がされると、前記スキップバック状態を期間外に変更する請求項1から請求項5のいずれかに記載のコンテンツ提示装置。
【請求項7】
所定時間内に複数回の前記スキップバックの操作がされた場合、当該複数回の操作を1回のスキップバックの操作とみなす請求項1から請求項6のいずれかに記載のコンテンツ提示装置。
【請求項8】
スキップバックの操作がされる前の視聴補助機能の状態を記憶する状態記憶ステップと、
前記スキップバックの操作がされた時点の、コンテンツの再生位置を記憶する位置記憶ステップと、
前記スキップバックの操作がされると、スキップバック状態を期間内とし、当該操作の後、前記コンテンツの再生位置が前記位置記憶ステップにおいて記憶された位置に達すると、前記スキップバック状態を期間外とする状態判定ステップと、
前記スキップバック状態が期間内から期間外に変化すると、前記視聴補助機能を前記状態記憶ステップにおいて記憶された状態に戻す再生制御ステップと、をコンピュータが実行するコンテンツ提示方法。
【請求項9】
請求項1から請求項7のいずれかに記載のコンテンツ提示装置としてコンピュータを機能させるためのコンテンツ提示プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スキップバックの機能を有するコンテンツ提示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、多くのコンテンツ提示装置は、ユーザがコンテンツを視聴している最中に、聞き逃した部分などを再視聴するためのスキップバックの機能を有する(例えば、特許文献1参照)。スキップバックの機能は、コンテンツ提示装置により異なり、例えば、10秒間などの一定時間を後戻り再生する機能、1つ前のチャプターまで戻る機能、任意の秒数を後戻り再生する機能などとして実装されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012-105229号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
スキップバックの機能は、コンテンツの一部で聞き取りが困難だった場合、又はテロップが読み取れなかった場合などに利用されることが多いが、スキップバックして再視聴するだけでは聞き取りや読み取りの困難さは改善しない、という課題があった。
また、例えば聞き取りを容易にするために、スキップバックの操作後に視聴者が音量を上げた場合は、聞き取りが終わった後に視聴者自身が音量を元に戻すという操作が必要となり、操作が煩雑になるという課題もあった。
【0005】
本発明は、スキップバックに伴って視聴補助機能を容易に調整できるコンテンツ提示装置、コンテンツ提示方法及びコンテンツ提示プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るコンテンツ提示装置は、スキップバックの操作がされる前の視聴補助機能の状態を記憶する状態記憶部と、前記スキップバックの操作がされた時点の、コンテンツの再生位置を記憶する位置記憶部と、前記スキップバックの操作がされると、スキップバック状態を期間内とし、当該操作の後、前記コンテンツの再生位置が前記位置記憶部により記憶された位置に達すると、前記スキップバック状態を期間外とする状態判定部と、前記スキップバック状態が期間内から期間外に変化すると、前記視聴補助機能を前記状態記憶部により記憶された状態に戻す再生制御部と、を備える。
【0007】
前記再生制御部は、前記スキップバック状態が期間外から期間内に変化すると、前記視聴補助機能のいずれかを有効化してもよい。
【0008】
前記コンテンツ提示装置は、前記スキップバックの操作がされた際に、当該スキップバックの期間を記憶する期間記憶部を備え、前記再生制御部は、新たにスキップバックの操作がされた際に、前記期間記憶部により記憶されている前回のスキップバックの期間との重複がある場合、前記視聴補助機能のうち有効化する種類又は強度を増してもよい。
【0009】
前記再生制御部は、前記重複の回数に応じて、前記視聴補助機能のうち有効化する種類又は強度を段階的に増してもよい。
【0010】
前記視聴補助機能のうち前記再生制御部により有効化される種類及び強度は、ユーザにより選択されてもよい。
【0011】
前記状態判定部は、前記スキップバック状態が期間内であるときに、前記コンテンツの再生位置を変更する操作がされると、前記スキップバック状態を期間外に変更してもよい。
【0012】
前記コンテンツ提示装置は、所定時間内に複数回の前記スキップバックの操作がされた場合、当該複数回の操作を1回のスキップバックの操作とみなしてもよい。
【0013】
本発明に係るコンテンツ提示方法は、スキップバックの操作がされる前の視聴補助機能の状態を記憶する状態記憶ステップと、前記スキップバックの操作がされた時点の、コンテンツの再生位置を記憶する位置記憶ステップと、前記スキップバックの操作がされると、スキップバック状態を期間内とし、当該操作の後、前記コンテンツの再生位置が前記位置記憶ステップにおいて記憶された位置に達すると、前記スキップバック状態を期間外とする状態判定ステップと、前記スキップバック状態が期間内から期間外に変化すると、前記視聴補助機能を前記状態記憶ステップにおいて記憶された状態に戻す再生制御ステップと、をコンピュータが実行する。
【0014】
本発明に係るコンテンツ提示プログラムは、前記コンテンツ提示装置としてコンピュータを機能させるためのものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、スキップバックに伴って視聴補助機能を容易に調整できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】第1実施形態におけるコンテンツ提示装置の機能構成を示す図である。
図2】第1実施形態におけるスキップバック期間を例示する図である。
図3】第1実施形態におけるコンテンツ提示方法による第1の処理手順を示すフローチャートである。
図4】第1実施形態におけるコンテンツ提示方法による第2の処理手順を示すフローチャートである。
図5】第2実施形態におけるコンテンツ提示装置の機能構成を示す図である。
図6】第2実施形態におけるコンテンツ提示方法による第3の処理手順を示すフローチャートである。
図7】第2実施形態におけるコンテンツ提示方法による第4の処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について説明する。
本実施形態におけるコンテンツ提示装置は、コンテンツの再生中に、ユーザ操作によりスキップバックされた期間では、見逃した又は聞き逃した内容をユーザが確認し易くするため、再生音量の増加、字幕の表示、画面輝度の調整などの視聴補助機能を有効にする。その後、再生位置がスキップバックされた期間を過ぎると、コンテンツ提示装置は、視聴補助機能を元の状態に戻す。
【0018】
視聴補助機能は、ユーザの視聴を容易にするための機能であり、例えば、次のいずれか又は複数の設定が有効化(onに設定)される。
・音量を増加させる。
・字幕を表示させる。
・画面の輝度を調整し、暗い画面では明るく、明る過ぎる画面では暗くする。
・画面のコントラストを増加させる。
・画面の色を変更する。
・スロー再生する。
・ダイアログ制御が可能な場合、ダイアログ(番組のナレーション又はセリフなどの音声)の音量を上げ、背景の音量を下げる。
・自由視点の場合、視点を推奨位置に変更する。
・ウィンドウ表示の場合、画面サイズを拡大する。
【0019】
なお、本実施形態におけるコンテンツは、蓄積型メディアに限定されず、追っかけ再生機能を有するテレビ、ゲーム内のムービー、インターネットなどで提供される動画など、スキップバック操作が可能な各種のコンテンツを対象とする。
【0020】
図1は、本実施形態におけるコンテンツ提示装置1の機能構成を示す図である。
コンテンツ提示装置1は、ユーザ操作に応じてコンテンツを再生してユーザに提示する機能を備えた情報処理装置である。コンテンツ提示装置1は、記憶部に格納されたソフトウェアをCPUなどの制御部が実行することにより、又はハードウェア実装された回路として本実施形態における各種の機能部を実現する。
【0021】
コンテンツ提示装置1は、コンテンツ提示部11と、再生制御部12と、状態記憶部13と、状態判定部14と、スキップバック先頭位置記憶部15と、スキップバック末尾位置記憶部16と、前回スキップバック位置記憶部17(期間記憶部)とを備える。
【0022】
コンテンツ提示部11は、再生制御部12による制御に従って、指定された再生位置からコンテンツの再生を行う。また、コンテンツ提示部11は、前述した各種の視聴補助機能を有しており、ユーザ操作又は再生制御部12の自動制御により、各視聴補助機能のon/offを設定する。
コンテンツの再生中に、コンテンツ提示部11は、状態判定部14、スキップバック先頭位置記憶部15及びスキップバック末尾位置記憶部16に現位置を、状態記憶部13に視聴補助フラグを提供する。
【0023】
「現位置」は、コンテンツ提示部11が提示中のコンテンツの、コンテンツ内における現在の再生位置を示す。「位置」は、タイムコード、フレーム番号、時刻など、コンテンツ提示部11の機能により種々の種類で示されてよいが、本実施形態ではコンテンツ先頭からコンテンツ末尾に向けて増加する値とする。
「視聴補助フラグ」は、その時点でのコンテンツ提示部11の視聴補助機能それぞれのon/offを示すフラグである。
【0024】
再生制御部12は、他の各部の挙動を制御する機能を有し、コンテンツ提示部11、状態記憶部13、状態判定部14、スキップバック先頭位置記憶部15、スキップバック末尾位置記憶部16、前回スキップバック位置記憶部17の動作を制御する。
特に、再生制御部12は、ユーザによるスキップバック操作、又は他の位置変更操作に応じて、コンテンツ提示部11に対して位置設定を行い、スキップバック期間内/外の状態変化に応じて、視聴補助機能の設定を行う。
【0025】
図2は、本実施形態におけるスキップバック期間を例示する図である。
これは、コンテンツの位置Bでスキップバック操作が行われ、位置Aからユーザが再視聴した例である。
このとき、スキップバック先頭位置Aからスキップバック末尾位置Bまでの期間をスキップバック期間と呼ぶ。
【0026】
ここで、再生制御部12は、所定時間(例えば、数秒)内に複数回のスキップバック操作がされた場合、これら複数回の操作を1回のスキップバックの操作とみなす。
この場合、スキップバック先頭位置が更新され、スキップバック期間は、1回の操作で得られるよりも長い時間となる。
【0027】
再生制御部12は、状態がスキップバック期間外からスキップバック期間内に変化すると、コンテンツ提示部11における視聴補助機能のいずれかをonにする。
このとき、再生制御部12は、コンテンツ提示部11の有する視聴補助機能のうち、全ての機能をonにしてもよいし、予め定めた機能のみをonにしてもよい。なお、既にonになっている機能はoffにはしないことが好適である。
また、視聴補助機能の有効化は、スキップバックの後にユーザ操作により行われてもよい。
【0028】
その後、再生制御部12は、状態がスキップバック期間内からスキップバック期間外に変化すると、コンテンツ提示部11における視聴補助機能の設定を状態記憶部13により記憶されている状態に戻す。
【0029】
また、再生制御部12は、新たにスキップバックの操作がされた際に、前回スキップバック位置記憶部17により記憶されている前回のスキップバック期間との重複がある場合、視聴補助機能のうちonにする種類又は強度を増してもよい。
【0030】
この場合、例えば、音量増加ならば、より大きな音にする、コントラスト増加ならば、よりコントラストを増すといった設定変更がされるが、字幕のように強度がないもの(on/offの切り替えしかないもの)については、強度に関する制御は行われない。
【0031】
また、例えば、1回目は音量を上げ、2回目はさらに字幕を出すといったルールが予め設定され、再生制御部12は、重複の回数に応じて、視聴補助機能のうち有効化する種類又は強度を段階的に増加させてもよい。
なお、視聴補助機能のうち再生制御部12により自動で有効化される種類及び強度は、予めユーザにより選択されてもよい。
【0032】
状態記憶部13は、スキップバック操作がされる前の視聴補助機能の状態を示す視聴補助フラグをコンテンツ提示部11から受け取り、メモリなどの記憶領域に記憶して再生制御部12に適宜提供する。
すなわち、コンテンツ提示部11における視聴補助機能の設定は、スキップバック制御に応じて変更されるが、スキップバック操作前の設定が状態記憶部13により記憶される。
【0033】
状態判定部14は、「スキップバック期間内」と「スキップバック期間外」の2つの状態を保持し、状態の初期値は「スキップバック期間外」である。
状態判定部14は、スキップバック操作がされると、状態をスキップバック期間内とし、この操作の後、コンテンツの再生位置がスキップバック末尾位置記憶部16により記憶された位置に達すると、状態をスキップバック期間外とする。
具体的には、スキップバック期間内に、状態判定部14は、コンテンツ提示部11の現在の再生位置Cと、スキップバック末尾位置記憶部16に記憶されている位置Bとを比較し、B≦Cとなった場合に、状態をスキップバック期間外とする。
【0034】
また、状態判定部14は、状態がスキップバック期間内であるときに、ユーザによりコンテンツの再生位置を変更する操作がされると、状態をスキップバック期間外に変更する。
【0035】
なお、状態判定部14は、スキップバック期間内からスキップバック期間外に状態が変化した際に、再生制御部12に信号を送るイベンドドリブンの実装としてもよいし、再生制御部12が状態判定部14の状態を監視するポーリングの実装としてもよい。
【0036】
スキップバック先頭位置記憶部15は、スキップバックの操作がされた時点で、スキップバックされた直後の現位置を、スキップバック先頭位置としてメモリなどの記憶領域に記憶する。
【0037】
スキップバック末尾位置記憶部16は、スキップバックの操作がされた時点で、スキップバックされる直前の現位置を、スキップバック末尾位置としてメモリなどの記憶領域に記憶する。
【0038】
前回スキップバック位置記憶部17は、スキップバックの操作がされた際に、前回のスキップバック期間として参照できるように、スキップバック先頭位置とスキップバック末尾位置を、メモリなどの記憶領域に記憶する。
前回スキップバック期間の初期状態は空である。また、前回スキップバック期間が格納された後も、例えば、スキップバック期間外となって数秒後など、所定のタイミングで削除されてもよい。
【0039】
図3は、本実施形態におけるコンテンツ提示方法による第1の処理手順を示すフローチャートである。
この処理手順は、スキップバック期間外にスキップバック操作が行われた場合の流れである。
【0040】
ステップS1において、状態記憶部13は、現時点の視聴補助フラグを記憶する。
ステップS2において、スキップバック末尾位置記憶部16は、現位置(スキップバックする直前の位置)Bを記憶する。
【0041】
ステップS3において、コンテンツ提示部11は、再生制御部12の制御に従ってスキップバックを行う。
ステップS4において、スキップバック先頭位置記憶部15は、現位置(スキップバックした直後の位置)Aを記憶する。
ステップS5において、状態判定部14は、状態をスキップバック期間内に変更する。
【0042】
ステップS6において、状態判定部14は、スキップバック先頭位置A及びスキップバック末尾位置Bにより示されるスキップバック期間[A,B]と、前回スキップバック位置記憶部17により記憶された前回のスキップバック期間[a,b]とを比較し、両者に重複があるか否かを判定する。この判定がYESの場合、処理はステップS7に移り、判定がNOの場合、処理はステップS8に移る。
【0043】
なお、重複があることは、(A≦a and a≦B)or(A≦b and b≦B)を条件として判定できる。あるいは、判定条件を(a≦B and B≦b)or(a≦A and A≦b)としてもよい。
【0044】
ステップS7において、状態判定部14は、再生制御部12に対して、スキップバック期間が前回と重複していることを通知する。
【0045】
ステップS8において、再生制御部12は、コンテンツ提示部11の視聴補助機能を有効化する。このとき、スキップバック期間の重複が通知されている場合、有効化する視聴補助機能の種類及び/又は強度を増す。
【0046】
ステップS9において、再生制御部12は、コンテンツ提示部11に、スキップバック先頭位置Aからコンテンツの再生を再開させる。
【0047】
図4は、本実施形態におけるコンテンツ提示方法による第2の処理手順を示すフローチャートである。
この処理手順は、スキップバック期間内から、状態がスキップバック期間外に変化するか、又はスキップバック以外の位置変更操作が行われた場合の流れである。
【0048】
ステップS11において、再生制御部12は、状態記憶部13により記憶されている視聴補助フラグに基づいて、コンテンツ提示部11の視聴補助機能を変更前の設定に戻す。
【0049】
ステップS12において、状態判定部14は、状態をスキップバック期間外に変更する。
なお、スキップバック期間外に変化した場合の処理であれば、このステップは省略されてよい。
【0050】
ステップS13において、前回スキップバック位置記憶部17は、スキップバック先頭位置記憶部15により記憶された位置と、スキップバック末尾位置記憶部16により記憶された位置とを、それぞれ前回のスキップバック期間として記憶する。
【0051】
なお、スキップバック期間内に新たにスキップバック操作が行われた場合で、前回スキップバック操作が行われた時より、予め定められた時間(例えば、0.1秒、1秒、数秒など)以内だった場合は、スキップバック操作が連続して行われたとみなす。
この場合、連続したスキップバック操作の全体で1つのスキップバックとみなし、第1の処理手順のうち、ステップS3~S9の処理が行われる。
【0052】
また、スキップバック期間内に新たにスキップバック操作が行われた場合で、前回スキップバック操作が行われた時より、予め定められた時間より時間が経過していた場合は、前回とは独立したスキップバック操作が行われたとみなす。
この場合、第2の処理手順のステップS13と、第1の処理手順のステップS2~S9の処理が行われる。
【0053】
[第2実施形態]
以下、本発明の第2実施形態について説明する。
図5は、本実施形態におけるコンテンツ提示装置2の機能構成を示す図である。
【0054】
コンテンツ提示装置2では、第1実施形態のコンテンツ提示装置1に設けられていたスキップバック先頭位置記憶部15、及び前回スキップバック位置記憶部17が省略されている。
これに伴い、スキップバック操作に応じて、前回のスキップバック期間との重複の判断はされず、全て独立したスキップバック操作とみなされる。
【0055】
図6は、本実施形態におけるコンテンツ提示方法による第3の処理手順を示すフローチャートである。
この処理手順は、スキップバック期間外にスキップバック操作が行われた場合の流れであり、第1実施形態における第1の処理手順(図3)のステップS4,S6,S7が省かれている。
【0056】
図7は、本実施形態におけるコンテンツ提示方法による第4の処理手順を示すフローチャートである。
この処理手順は、スキップバック期間内から、状態がスキップバック期間外に変化するか、又はスキップバック以外の位置変更操作が行われた場合の流れであり、第1実施形態における第2の処理手順(図4)のステップS13が省かれている。
【0057】
なお、スキップバック期間内に新たにスキップバック操作が行われた場合で、前回スキップバック操作が行われた時より、予め定められた時間以内だった場合、第3の処理手順(図6)のうち、ステップS3~S9の処理が行われる。
また、スキップバック期間内に新たにスキップバック操作が行われた場合で、前回スキップバック操作が行われた時より、予め定められた時間より時間が経過していた場合、第3の処理手順(図6)のステップS2~S9の処理が行われる。
【0058】
前述の各実施形態によれば、コンテンツ提示装置(1又は2)は、スキップバック操作がされる前の視聴補助機能の状態を記憶しておき、スキップバック操作の後、コンテンツの再生位置が操作前の位置に達すると、視聴補助機能を記憶しておいた状態に戻す。
したがって、コンテンツ提示装置(1又は2)は、スキップバックに伴ってユーザが視聴補助機能の設定を変更する場合、スキップバックの終了に応じて、ユーザ操作なしで自動的に元の設定に戻すことができ、操作を簡便にして視聴に適した設定を容易に調整できる。
【0059】
このとき、コンテンツ提示装置(1又は2)は、スキップバック期間内に、視聴補助機能を自動的に有効化することにより、コンテンツの聞き取り又は読み取りを容易にし、ユーザ操作を省略して利便性を向上できる。
さらに、自動的に有効化される種類及び強度がユーザにより選択されることにより、コンテンツ提示装置(1又は2)は、ユーザ毎に適した状態を提供できる。
【0060】
コンテンツ提示装置(1又は2)は、スキップバック期間内に、コンテンツの再生位置を変更する操作がされると、状態をスキップバック期間外に変更するので、スキップバックとは異なる明示的な操作に応じて、見逃し又は聞き逃し部分の再視聴が終了したことを判断し、適切に視聴補助機能の設定を元に戻すことができる。
【0061】
また、コンテンツ提示装置(1又は2)は、所定時間内に複数回のスキップバック操作がされた場合、これらの複数回の操作を1回のスキップバックの操作とみなすので、ユーザの操作の意図を把握し、スキップバックの期間を適切に設定できる。
【0062】
コンテンツ提示装置1では、前回のスキップバック期間を記憶しておくことにより、期間の重複がある場合に、有効化する視聴補助機能の種類又は強度を増やすことで、スキップバック操作が繰り返された際に、より視聴し易い状態に調整することができる。
【0063】
このとき、コンテンツ提示装置1は、スキップバック期間が重複した回数に応じて、視聴補助機能のうち有効化する種類又は強度を段階的に増やしてもよい。
例えば、前回スキップバック位置記憶部17は、2回以上のスキップバック期間を記憶し、再生制御部12は、1回目のスキップバック期間の重複では視聴補助の効果を増強せず、2回目の重複から増強を開始したり、スキップバック期間の重複回数に応じて視聴補助の増強度合いを変化させたりといった制御を行ってもよい。
これにより、コンテンツ提示装置1は、コンテンツの同じ箇所でスキップバック操作を繰り返すユーザに対して、適切な視聴補助機能を提供できる。
【0064】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態に限るものではない。また、前述の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【0065】
本実施形態では、主にコンテンツ提示装置(1又は2)の構成と動作について説明したが、本発明はこれに限られず、各構成要素を備え、コンテンツを提示するための方法、又はプログラムとして構成されてもよい。
【0066】
さらに、コンテンツ提示装置(1又は2)の機能を実現するためのプログラムをコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。
【0067】
ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器などのハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータで読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROMなどの可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスクなどの記憶装置のことをいう。
【0068】
さらに「コンピュータで読み取り可能な記録媒体」とは、インターネットなどのネットワークや電話回線などの通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時刻の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時刻プログラムを保持しているものも含んでもよい。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
【符号の説明】
【0069】
1、2 コンテンツ提示装置
11 コンテンツ提示部
12 再生制御部
13 状態記憶部
14 状態判定部
15 スキップバック先頭位置記憶部
16 スキップバック末尾位置記憶部(位置記憶部)
17 前回スキップバック位置記憶部(期間記憶部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7