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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022190439
(43)【公開日】2022-12-26
(54)【発明の名称】検査装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/88 20060101AFI20221219BHJP
【FI】
G01N21/88 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021098764
(22)【出願日】2021-06-14
(71)【出願人】
【識別番号】000101994
【氏名又は名称】イヅミ工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】591051852
【氏名又は名称】株式会社エヌエステイー
(74)【代理人】
【識別番号】110000394
【氏名又は名称】弁理士法人岡田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高井 隆之
(72)【発明者】
【氏名】服部 貴應
(72)【発明者】
【氏名】檜垣 真二
(72)【発明者】
【氏名】小笠原 裕太
【テーマコード(参考)】
2G051
【Fターム(参考)】
2G051AA07
2G051AB02
2G051AC15
2G051CA04
2G051DA06
(57)【要約】
【課題】偏心部材のプロフィール面の欠陥を精度よく判定する検査装置を提供すること。
【解決手段】回転する偏心部材3のプロフィール面4cにおける複数のポイントP1、P2、P3・・・を検査部材21によって検査して欠陥の有無を判定する検査装置1において、複数のポイントP1、P2、P3・・・における検査は、検査方向の軸線L2が前記複数のポイントの法線L4と一致するように、且つ、検査部材21と複数のポイントP1、P2、P3・・・の検査距離L6が所定の距離となるように保持された状態で行われる。検査距離L6の保持は、検査部材21が偏心部材3に対して径方向に進退することによって行われる。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転する偏心部材のプロフィール面における複数のポイントを検査部材によって検査して欠陥の有無を判定する検査装置であって、
前記複数のポイントにおける前記検査は、検査方向の軸線が前記複数のポイントの法線と一致するように、且つ、前記検査部材と前記複数のポイントの各検査距離が所定の距離となるように保持された状態で行われ、
前記検査距離の前記保持は、前記検査部材が前記偏心部材に対して径方向に進退することによって行われる検査装置。
【請求項2】
請求項1に記載の検査装置であって、
前記検査部材は、カメラある検査装置。
【請求項3】
請求項1~2のいずれかに記載の検査装置であって、
前記検査部材の進退は、ボールねじとリニアガイドとによって行われる検査装置。
【請求項4】
請求項1~3のいずれかに記載の検査装置であって、
前記偏心部材は、カムシャフトである検査装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検査装置に関する。詳しくは、回転する偏心部材のプロフィール面における複数のポイントを検査部材によって検査して欠陥の有無を判定する検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カムシャフト等の偏心部材のカム面の欠陥を検出する検査装置が既に知られている。ここで、下記特許文献1には、カムシャフトのカム面を光源で照射し、この照射した光源の反射光をカメラで受光して表面欠陥を検出する検査装置が開示されている。これにより、カム面の欠陥の有無を簡便に判定できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平07-270324号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1の技術では、カメラは、カムシャフトの軸心方向に沿ってのみ移動する構造である。そのため、カムシャフトが回転すると、カメラの受光方向(撮影方向)の軸線と受光する反射光を発するカム面の法線との間にズレが生じることがあった。このようにズレが生じると、カメラが撮影した画像において遠近差が生じるため、この撮影した画像が台形状になることがあった。したがって、画像を連続して撮影すると、この連続して撮影した画像の接続部分にズレが生じることがあった。結果として、カム面の欠陥の有無の判定の精度が落ちることがあった。そこで、この欠陥を精度よく判定する検査装置が求められていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の1つの特徴は、回転する偏心部材のプロフィール面における複数のポイントを検査部材によって検査して欠陥の有無を判定する検査装置である。複数のポイントにおける検査は、検査方向の軸線が前記複数のポイントの法線と一致するように、且つ、検査部材と複数のポイントの各検査距離が所定の距離となるように保持された状態で行われる。検査距離の保持は、検査部材が偏心部材に対して径方向に進退することによって行われる。
【0006】
そのため、従来技術とは異なり、検査部材の検査において遠近差が生じることがない。したがって、連続して検査をしても、この連続して検査した検査結果の接続部分にズレが生じることがない。結果として、プロフィール面の欠陥の有無の判定の精度が落ちることがない。すなわち、プロフィール面の欠陥を精度よく判定できる。また、検査距離が所定の距離となるように保持する場合、検査部材側を調整して位置合わせできる。したがって、一般的に重量の軽い検査部材(例えば、ラインカメラ)側の位置合わせであるため、検査距離が所定の距離となるように保持するための位置合わせを簡便に精度よく行うことができる。また、例えば、偏心部材が大型化しても、検査距離が所定の距離となるように保持するための位置合わせにおいて、この偏心部材にブレが生じることがない。
【0007】
本開示の他の特徴において、検査部材は、カメラである。そのため、特別な機器を必要とすることなく、簡素な構造でプロフィール面の欠陥を精度よく判定できる。
【0008】
本開示の他の特徴において、検査部材の進退は、ボールねじとリニアガイドとによって行われる。そのため、精度よく検査部材を進退させることができる。
【0009】
本開示の他の特徴において、偏心部材は、カムシャフトである。そのため、カムシャフトのカム面の欠陥を精度よく判定できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施形態に係る検査装置の全体構成図である。
図2】第1カムのカム面に対する撮影を説明する図である。
図3図1の検査装置のブロック図である。
図4図1の検査装置の動作を説明する図であり、図1の次の工程を示している。
図5図4の次の工程を示している。
図6図5の次の工程を示している。
図7】第1カムのカム面の撮影の詳細を説明する図である。
図8】撮影トリガの同期制御のプログラムの一部を説明する図である。
図9図6の次の工程を示している。
図10】第1カムの別の形態を説明する図である。
図11】第1カムのカム面に対する撮影の変形例を説明する図である。
図12】第1プログラムと第2プログラムの変形例(第1変形例)を説明する模式図である。
図13】第1プログラムと第2プログラムの変形例(第2変形例)を説明する模式図である。
図14】第1プログラムと第2プログラムの変形例(第3変形例)を説明する模式図である。
図15】第1プログラムと第2プログラムの変形例(第4変形例)を説明する模式図である。
図16】第1プログラムと第2プログラムの変形例(第5変形例)を説明する模式図である。
図17】第1プログラムと第2プログラムの変形例(第6変形例)を説明する模式図である。
図18】第1プログラムと第2プログラムの変形例(第7変形例)を説明する模式図である。
図19】第1プログラムと第2プログラムの変形例(第8変形例)を説明する模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
1つの実施形態を、図1~9を参照して説明する。以下の説明および図面に記載の上、下、前、後は、各図に示す、上、下、前、後の方向である。
【0012】
まず、図1を参照して、検査装置1の全体構成を説明する。検査装置1は、フロア2に載せられる主ベース10を備えている。主ベース10は、前後方向に沿う第1リニアガイド11を備えている。第1リニアガイド11は、主ベース10の前後方向に沿って載せられるレール11aと、レール11aにスライド可能なスライダ11bとを備えている。スライダ11bは、前後方向に沿う貫通孔12aを有するブロック12を備えている。
【0013】
主ベース10は、第1サーボモータM1を備えている。第1サーボモータM1は、ボールねじ23と、ボールナット(図示しない)を介してスライダ11bに機械的に連結されている。そのため、第1サーボモータM1を駆動させると、主ベース10に対してブロック12を前後方向に沿ってスライド(前進または後退)できる。また、主ベース10は、制御装置40を備えている。制御装置40は、CPU、ROM、RAM等(図示しない)を備えている。
【0014】
ブロック12は、上下方向に沿う第2リニアガイド13を備えている。第2リニアガイド13は、ブロック12の上下方向に沿って組み付けられるレール13aと、レール13aにスライド可能なスライダ13bとを備えている。スライダ13bは、後述する回転ガイド14のベース14aを備えている。ブロック12は、第2サーボモータM2を備えている。第2サーボモータM2は、ボールねじ24と、ボールナット(図示しない)を介してスライダ13bに機械的に連結されている。そのため、第2サーボモータM2を駆動させると、ブロック12に対してベース14aを上下方向に沿ってスライド(上昇または下降)できる。
【0015】
第2リニアガイド13のスライダ13bは、前後方向を軸方向とする軸回りに回転する回転ガイド14を備えている。回転ガイド14は、スライダ13bの上下方向に沿って組み付けられるベース14aと、ベース14aに回転可能な回転体14bとを備えている。回転体14bは、後述するブラケット20を備えている。ブロック12は、第3サーボモータM3を備えている。
【0016】
第3サーボモータM3は、減速機25およびギヤ14cを介して回転体14bに機械的に連結されている。そのため、第3サーボモータM3を駆動させると、スライダ13bに対してブラケット20を前後方向を軸方向とする軸回りに回転できる。ブラケット20は、略L字を成すように構成されている。ブラケット20は、下方に向けて撮影可能なラインカメラ21を備えている。
【0017】
主ベース10の後寄り位置には、第1テーブル30を備えている。第1テーブル30は、前後方向に沿う第3リニアガイド31を備えている。第3リニアガイド31は、第1テーブル30の前後方向に沿って組み付けられるレール31aと、レール31aにスライド可能なスライダ31bとを備えている。スライダ31bは、後述する回転体33と第4サーボモータM4とを備えている。第1テーブル30は、第1アクチュエータR1を備えている。第1アクチュエータR1は、スライダ31bに機械的に連結されている。
【0018】
そのため、第1アクチュエータR1を駆動させると、第1テーブル30に対して回転体33を前後方向に沿ってスライド(前進または後退)できる。第4サーボモータM4は、減速機32を介して回転体33に機械的に連結されている。そのため、第4サーボモータM4を駆動させると、スライダ31bに対して回転体33を前後方向を軸方向とする軸回りに回転できる。なお、図1からも明らかなように、これら第1テーブル30の一部と、レール31aの一部と、回転体33の一部とは、ブロック12の貫通孔12aを貫通した状態で配置されている。
【0019】
主ベース10の前寄り位置には、第2テーブル35を備えている。第2テーブル35は、前後方向に沿う第4リニアガイド36を備えている。第4リニアガイド36は、第2テーブル35の前後方向に沿って組み付けられるレール36aと、レール36aにスライド可能なスライダ36bとを備えている。スライダ36bは、後述するブロック37を備えている。
【0020】
第2テーブル35は、第2アクチュエータR2を備えている。第2アクチュエータR2は、スライダ36bに機械的に連結されている。そのため、第2アクチュエータR2を駆動させると、第2テーブル35に対してブロック37と共に回転体39を前後方向に沿ってスライド(前進または後退)できる。ブロック37は、前後方向を軸方向とする軸回りに回転するベアリング38を介して回転体39を備えている。これら回転体33と回転体39とは、初期状態において、互いの軸線が一致するように備えられている。
【0021】
上述したラインカメラ21、第1サーボモータM1、第2サーボモータM2、第3サーボモータM3、第4サーボモータM4、第1アクチュエータR1、第2アクチュエータR2は、制御装置40に対してそれぞれ電気的に接続されている(図3参照)。そのため、この制御装置40のROMに記憶されている所定のプログラムにより、これらラインカメラ21、第1サーボモータM1、第2サーボモータM2、第3サーボモータM3、第4サーボモータM4、第1アクチュエータR1、第2アクチュエータR2は、予め決められた動作を実行する。
【0022】
次に、図2、4を参照して、上述した検査装置1によって検査されるカムシャフト3を説明する。カムシャフト3は、その長手方向に沿って2つのカム4、5(第1カム4、第2カム5)を備えている。第1カム4は、図2から明らかなように、半円状の円形部4aと、凸状の突部4bとを備えた偏心部材である。この第1カム4の外周面は、プロフィール面であるカム面4cとなっている。第2カム5も第1カム4と同様に構成されている。この第2カム5の外周面も、プロフィール面であるカム面5cとなっている。カムシャフト3の前端には、上述した回転体39の先端39aが嵌合可能な凹溝3bが形成されている。カムシャフト3の後端には、上述した回転体33の先端33aが嵌合可能な凹溝3aが形成されている。
【0023】
続いて、上述した検査装置1の動作を説明する。まず、図1に示す状態から、外部アームのチャック(いずれも図示しない)の掴み動作によってカムシャフト3を所定の位置に保持する作業(第1作業)を行う(図4参照)。この所定の位置とは、回転体33と回転体39との間の空間であって、互いの軸線上の位置である。次に、図4に示す状態から、制御装置40は、第1アクチュエータR1を駆動させ第3リニアガイド31を介して回転体33を前進させる処理(第2作業)を実行する。
【0024】
すると、回転体33の先端33aがカムシャフト3の凹溝3aに嵌合する。これと同時に、制御装置40は、第2アクチュエータR2を駆動させ第4リニアガイド36を介してブロック37と共に回転体39を後退させる処理(第3作業)を実行する。すると、回転体39の先端39aがカムシャフト3の凹溝3bに嵌合する(図5参照)。これにより、カムシャフト3、回転体33、回転体39が機械的に連結される。そのため、カムシャフト3、回転体33、回転体39が共回り可能となる。
【0025】
次に、図5に示す状態から、制御装置40は、外部アームによるカムシャフト3のチャックを外し、この外部アームを退行させる処理(第4作業)を実行する。次に、制御装置40は、第1サーボモータM1を駆動させ第1リニアガイド11を介してラインカメラ21の下方にカムシャフト3の第1カム4のカム面4cが到達するようにブロック12を前進させる処理(第5作業)を実行する(図6参照)。
【0026】
次に、制御装置40は、第1カム4のカム面4cを撮影する処理(第6作業)を実行する。以降、第1カム4のカム面4cの撮影作業が開始される。この撮影作業では、第1カム4が時計回り方向に回転することによって第1カム4のカム面4cにおける複数のポイントP1、P2、P3、・・・がラインカメラ21によって反時計回り順に撮影される(図7参照)。この撮影は、制御装置40のROMに記憶の撮影トリガの同期制御のプログラムが実行された状態で行われる。この同期制御のプログラムは、3つのプログラム(第1プログラム、第2プログラム、第3プログラム)を備えている。
【0027】
この第1プログラムは、ラインカメラ21の撮影方向の軸線L2が複数のポイントP1、P2、P3、・・・の法線L4と一致するように(接線L7に対して直交するように)するプログラムである。また、この第2プログラムは、ラインカメラ21と複数のポイントP1、P2、P3の撮影距離(ラインカメラ21の焦点距離L6)が所定の距離となるようにするプログラムである(図7参照)。この撮影方向の軸線L2が、特許請求の範囲に記載の「検査方向の軸線」に相当する。また、この焦点距離L6が、特許請求の範囲に記載の「検査距離」に相当する。
【0028】
また、この第3プログラムは、複数のポイントP1、P2、P3・・・の撮影の時間間隔をカムシャフト3のカム面4cの周速が速くなるにつれて短くするプログラムおよびカムシャフト3のカム面4cの周速が遅くなるにつれて長くするプログラムである(図8参照)。すなわち、カムシャフト3のカム面4cのどの部分でも沿面距離が一定となるように撮影の時間間隔(トリガ)が設定されている。この第3プログラムより、ラインカメラ21によって撮影した複数のポイントP1、P2、P3・・・の各画像を連続して繋げることができる。
【0029】
そのため、制御装置40は、この撮影時、第1プログラムにより、第3サーボモータM3を駆動させてラインカメラ21による撮影方向の軸線L2が複数のポイントP1、P2、P3、・・・の法線L4と一致するようにカムシャフト3とラインカメラ21を相対的にカムシャフト3の周方向に回転させる処理(第7作業)を実行する。この処理は、第3サーボモータM3、第4サーボモータM4を駆動させ回転体14b、回転体33を回転させて実行される。
【0030】
また、制御装置40は、この撮影時、第2プログラムにより、第2サーボモータM2を駆動させ第2リニアガイド13を介してラインカメラ21と複数のポイントP1、P2、P3の撮影距離(ラインカメラ21の焦点距離L6)が所定の距離となるようにラインカメラ21を径方向に移動させる処理(第8作業)を実行する。この処理は、第2サーボモータM2を駆動させスライダ13bをスライドさせて実行される。
【0031】
また、制御装置40は、この撮影時、第3プログラムにより、複数のポイントP1、P2、P3・・・の撮影の時間間隔が、カムシャフト3のカム面4cの周速が速くなるにつれて短くなるおよびカムシャフト3のカム面4cの周速が遅くなるにつれて長くなる処理(第9作業)を実行する(図8参照)。これにより、ラインカメラ21によって撮影した複数のポイントP1、P2、P3・・・の各画像を連続して繋げることができる。
【0032】
なお、既に説明したように、第1カム4は、円形部4aと突部4bとを備えているため、複数のポイントP1、P2、P3・・・ごとに、その直径が回転によって変化する。そのため、第1カム4の撮影のポイントの直径が長くなるにつれて(第1カム4の突部4bが回転と共に立ち上がるにつれて、すなわち、時計の針が6時から12時までの領域において)カム面4cの周速が早くなる(図8において、スピードベクトルの矢印が長くなる)。
【0033】
したがって、図8に示すように、複数のポイントP1、P2、P3・・・の撮影の時間間隔を短くしていく制御が行われる。これとは逆に、第1カム4の撮影のポイントの直径が短くなるにつれて(第1カム4の突部4bが回転と共に立ち下がるにつれて、すなわち、時計の針が12時から6時までの領域において)カム面4cの周速が遅くなる。したがって、図8とは逆に、複数のポイントP1、P2、P3・・・の撮影の時間間隔を長くしていく制御が行われる。
【0034】
次に、制御装置40は、複数のポイントP1、P2、P3・・・の全ての撮影が完了すると、第1サーボモータM1を駆動させ第1リニアガイド11を介してラインカメラ21の下方にカムシャフト3の第2カム5のカム面5cが到達するようにブロック12を前進させる処理(第10作業)を実行する(図9参照)。以降、制御装置40は、第1カム4のカム面4cと同様に、ラインカメラ21によって第2カム5のカム面5cの複数のポイント(図示しない)を撮影する処理(第11作業)を実行する。
【0035】
なお、撮影された各画像は、制御装置40のRAMに記憶されている。次に、外部アームのチャックによってカムシャフト3を掴む作業(第12作業)を行う。次に、制御装置40は、第1アクチュエータR1を駆動させ第3リニアガイド31を介して回転体33を後退させる処理(第13作業)を実行する。すると、カムシャフト3の凹溝3aに対する回転体33の先端33aの嵌合が解消する。
【0036】
これと同時に、制御装置40は、第2アクチュエータR2を駆動させ第4リニアガイド36を介してブロック37と共に回転体39を前進させる処理を実行(第14作業)する。すると、カムシャフト3の凹溝3bに対する回転体39の先端39aの嵌合が解消する。次に、外部アームのチャックが掴んでいるカムシャフト3を外部に搬出する作業(第15作業)を行う。なお、上述した各サーボモータM1、M2、M3、M4および各アクチュエータR1、R2を駆動させる駆動量は、予め、制御装置40のROMにカムシャフト3ごとに記憶されている。
【0037】
検査装置1は、上述したように構成されている。この構成によれば、複数のポイントP1、P2、P3・・・における撮影は、ラインカメラ21による撮影方向の軸線L2が複数のポイントP1、P2、P3・・・の法線L4と一致するように、且つ、ラインカメラ21と複数のポイントP1、P2、P3の撮影距離(ラインカメラ21の焦点距離L6)が所定の距離となるように保持された状態で行われる。この撮影距離(焦点距離L6)の保持は、ラインカメラ21がカムシャフト3に対して径方向に進退することによって行われる。そのため、従来技術とは異なり、ラインカメラ21が撮影した画像において遠近差が生じることがなく、この撮影した画像が台形状になることもない。したがって、画像を連続して撮影しても、この連続して撮影した画像の接続部分にズレが生じることがない。結果として、カム面4c、5cの欠陥の有無の判定の精度が落ちることがない。すなわち、この欠陥を精度よく判定できる。また、この撮影距離(焦点距離L6)が所定の距離となるように保持する場合、ラインカメラ21側を調整して位置合わせできる。したがって、一般的に重量の軽いラインカメラ21側の位置合わせであるため、この撮影距離(焦点距離L6)が所定の距離となるように保持するための位置合わせを簡便に精度よく行うことができる。また、例えば、カムシャフト3が大型化しても、この撮影距離(焦点距離L6)が所定の距離となるように保持するための位置合わせにおいて、このカムシャフト3にブレが生じることがない。
【0038】
また、この構成によれば、ラインカメラ21を使用して欠陥の有無を判定している。そのため、特別な機器を必要とすることなく、簡素な構造で、カム面4c、5cの欠陥を精度よく判定できる。
【0039】
また、この構成によれば、ラインカメラ21の進退は、ボールねじ24(ボールナット)と第2リニアガイド13とによって行われる。そのため、精度よくラインカメラ21を進退させることができる。
【0040】
また、この構成によれば、偏心部材は、カムシャフト3である。そのため、カムシャフト3のカム面4c、5cの欠陥の有無を精度よく判定できる。
【0041】
実施形態を上記構造を参照して説明したが、本発明の目的を逸脱せずに多くの交代、改良、変更が可能であることは当業者であれば明らかである。したがって実施形態は、添付された請求項の精神と目的を逸脱しない全ての交代、改良、変更を含み得る。例えば実施形態は、特別な構造に限定されず、下記のように変更が可能である。
【0042】
また、第6~9作業において、これらの作業を同時に実施する形態を説明した。しかし、これに限定されるものでなく、第7~9作業を実施した後に、第6作業を実施しても構わない。このとき、第7~9作業の順番は、同時でも任意でも構わない。なお、第1~15作業においても、発明の主旨を変更しない範囲であれば、これら第1~15作業の順番も任意に変更しても構わない。
【0043】
また、上記構成によると、偏心部材は、カムシャフト3の形態を説明した。しかし、これに限定されるものでなく、偏心部材は、軸の中心からの径が一定でない部材であれば、各種の部材でも構わない。例えば、カムシャフトの第1カム4において、円形部4aと突部4bとの間に凹み4dを有する瓢箪型でも構わない(図10参照)。
【0044】
また、上記構成によると、駆動源の手段として、サーボモータ、アクチュエータである形態を説明した。しかし、これに限定されるものでなく、公知の駆動源であれば、どのような種類であっても構わない。もちろん、全てをサーボモータで駆動させても構わないし、全てをアクチュエータで駆動させても構わない。
【0045】
また、上記構成によると、駆動源の駆動力の伝達手段として、ボールねじ、ボールナット、減速機等である形態を説明した。しかし、これに限定されるものでなく、公知の駆動力の伝達手段であれば、どのような種類であっても構わない。このことは、リニアガイドにおいても同様である。
【0046】
また、上記構成によると、検査部材として、ラインカメラ21である形態を説明した。しかし、これに限定されるものでなく、検査部材として、エリアカメラであっても構わない。また、検査部材として、接触式の測定子または非接触式の測定子(例えば、リニアスケール、渦電流式の測定器等)であっても構わない。これらの測定子の場合、ラインカメラ21の焦点距離L6に代えて、測定距離を所定の距離に保持する形態となる。
【0047】
また、上記構成によると、第5作業において、第1サーボモータM1を駆動させ第1リニアガイド11を介してラインカメラ21の下方にカムシャフト3の第1カム4のカム面4cが到達するようにブロック12を前進させる処理を実行する形態を説明した。しかし、これに限定されるものでなく、第1アクチュエータR1、第2アクチュエータR2を駆動させ第3リニアガイド31、第4リニアガイド36を介してラインカメラ21の下方にカムシャフト3の第1カム4のカム面4cが到達するように回転体33、回転体39を後退させる処理を実行する形態でも構わない。
【0048】
また、上記構成によると、カムシャフト3において2個のカム(第1カム4、第2カム5)を説明した。しかし、これに限定されるものでなく、カムの数は幾つであっても構わない。
【0049】
また、上記構成によると、撮影トリガの同期制御のプログラムにおいて、カムシャフト3のカム面4cの周速が速くなるにつれて短くなるおよびカムシャフト3のカム面4cの周速が遅くなるにつれて長くなる形態を説明した。しかし、これに限定されるものでなく、カムシャフト3のカム面4cの周速が速くなるにつれて短くなる形態またはカムシャフト3のカム面4cの周速が遅くなるにつれて長くなる形態のいずれか一方でも構わない。
【0050】
また、上記構成によると、同期制御のプログラムのうち、第1プログラムと第2プログラムとを電気的に実施する形態を説明した。しかし、これに限定されるものでなく、この第1プログラムと第2プログラムとを機械的に実施しても構わない。すなわち、倣い装置で実施しても構わない。
【0051】
また、上記構成によると、第6作業において、第1カム4が時計回り方向に回転することによって第1カム4のカム面4cにおける複数のポイントP1、P2、P3、・・・がラインカメラ21によって反時計回り順に撮影される形態を説明した。しかし、これに限定されるものでなく、第6作業において、第1カム4が反時計回り方向に回転することによって第1カム4のカム面4cにおける複数のポイントP1、P2、P3、・・・がラインカメラ21によって時計回り順に撮影される形態でも構わない。もちろん、同期制御のプログラムが実行された状態であれば、第1カム4の回転方向が時計回り方向と反時計回り方向とを繰り返すことで、第1カム4のカム面4cにおける複数のポイントP1、P2、P3、・・・の撮影が反時計回り順と時計回り順とを繰り返しても構わない。
【0052】
また、上記構成によると、ラインカメラ21の撮影方向の軸線L2が複数のポイントP1、P2、P3、・・・の法線L4と一致するように(接線L7に対して直交するように)した形態を説明した。しかし、これに限定されるものでなく、この形態において、ラインカメラ21の撮影方向の軸線L2が複数のポイントP1、P2、P3、・・・の法線L4に対して所定の角度θ(例えば、10°程度)を備えている形態でも構わない(図11参照)。この場合、ラインカメラ21の前方にスリットを有する照明装置(図示しない)を備えることができる。したがって、撮影時の影の映り込みを抑制できる。
【0053】
また、上記構成で示した第1プログラムと第2プログラムを異なるプログラム(変形例1)で実施しても構わない。この変形例1について、例えば、ポイントP1からポイントP2を撮影する場合で説明する(図12参照)。はじめに、ポイントP1を撮影した後に、ラインカメラ21を左右方向に沿ってスライドさせる処理を実行する。この処理を実行すると、図12において、ラインカメラ21が(1)に示される状態となる。次に、ポイントP2において、ラインカメラ21の撮影方向の軸線L2と法線L4が一致するようにラインカメラ21を自転させる処理を実行する。この処理を実行すると、図12において、ラインカメラ21が(2)に示される状態となる。最後に、ラインカメラ21とポイントP2の撮影距離(ラインカメラ21の焦点距離L6)が所定の距離となるようにラインカメラ21を上下方向に沿ってスライドさせる処理を実行する。この処理を実行すると、図12において、ラインカメラ21が(3)に示される状態となる。
【0054】
これらの処理を実行することで、第1プログラムと第2プログラムの処理と同様に、ラインカメラ21の撮影方向の軸線L2がポイントP2の接線L7に対して直交となり、且つ、ラインカメラ21とポイントP2の撮影距離(ラインカメラ21の焦点距離L6)が所定の距離となるように保持される。なお、この変形例1を実行するにあたって、検査装置1は、ラインカメラ21を左右方向に沿ってスライドさせることができ、且つ、ラインカメラ21を自転させることができ、且つ、ラインカメラ21を上下方向に沿ってスライドさせることができるように構成されている。また、これらのスライド量および自転量は、予め、制御装置40のROMに変形例1として対応付けて記憶されている。
【0055】
また、上記構成で示した第1プログラムと第2プログラムを異なるプログラム(変形例2)で実施しても構わない。この変形例2について、例えば、ポイントP1からポイントP2を撮影する場合で説明する(図13参照)。はじめに、ポイントP1を撮影した後に、ポイントP2において、ラインカメラ21の撮影方向の軸線L2と法線L4が一致するようにラインカメラ21をカムシャフト3の軸回りに公転させる処理を実行する。この処理を実行すると、図13において、ラインカメラ21が(1)に示される状態となる。次に、ラインカメラ21を左右方向に沿ってスライドさせる処理を実行する。この処理を実行すると、図13において、ラインカメラ21が(2)に示される状態となる。最後に、ラインカメラ21とポイントP2の撮影距離(ラインカメラ21の焦点距離L6)が所定の距離となるようにラインカメラ21を上下方向に沿ってスライドさせる処理を実行する。この処理を実行すると、図13において、ラインカメラ21が(3)に示される状態となる。
【0056】
これらの処理を実行することで、第1プログラムと第2プログラムの処理と同様に、ラインカメラ21の撮影方向の軸線L2がポイントP2の接線L7に対して直交となり、且つ、ラインカメラ21とポイントP2の撮影距離(ラインカメラ21の焦点距離L6)が所定の距離となるように保持される。なお、この変形例2を実行するにあたって、検査装置1は、ラインカメラ21をカムシャフト3の軸回りに公転させることができ、且つ、ラインカメラ21を左右方向に沿ってスライドさせることができ、且つ、ラインカメラ21を上下方向に沿ってスライドさせることができるように構成されている。また、これらの公転量およびスライド量は、予め、制御装置40のROMに変形例2として対応付けて記憶されている。
【0057】
また、上記構成で示した第1プログラムと第2プログラムを異なるプログラム(変形例3)で実施しても構わない。この変形例3について、例えば、ポイントP1からポイントP2を撮影する場合で説明する(図14参照)。はじめに、ポイントP1を撮影した後に、ラインカメラ21を左右方向に沿ってスライドさせる処理を実行する。この処理を実行すると、図14において、ラインカメラ21が(1)に示される状態となる。次に、ポイントP2において、ラインカメラ21の撮影方向の軸線L2と法線L4が一致するようにラインカメラ21を自転させる処理を実行する。この処理を実行すると、図14において、ラインカメラ21が(2)に示される状態となる。最後に、ラインカメラ21とポイントP2の撮影距離(ラインカメラ21の焦点距離L6)が所定の距離となるようにカムシャフト3を上下方向に沿ってスライドさせる処理を実行する。この処理を実行すると、図14において、カムシャフト3が(3)に示される状態となる。
【0058】
これらの処理を実行することで、第1プログラムと第2プログラムの処理と同様に、ラインカメラ21の撮影方向の軸線L2がポイントP2の接線L7に対して直交となり、且つ、ラインカメラ21とポイントP2の撮影距離(ラインカメラ21の焦点距離L6)が所定の距離となるように保持される。なお、この変形例3を実行するにあたって、検査装置1は、ラインカメラ21を左右方向に沿ってスライドさせることができ、且つ、ラインカメラ21を自転させることができ、且つ、カムシャフト3を上下方向に沿ってスライドさせることができるように構成されている。また、これらのスライド量および自転量は、予め、制御装置40のROMに変形例3として対応付けて記憶されている。
【0059】
また、上記構成で示した第1プログラムと第2プログラムを異なるプログラム(変形例4)で実施しても構わない。この変形例4について、例えば、ポイントP1からポイントP2を撮影する場合で説明する(図15参照)。はじめに、ポイントP1を撮影した後に、ポイントP2において、ラインカメラ21の撮影方向の軸線L2と法線L4が一致するようにラインカメラ21をカムシャフト3の軸回りに公転させる処理を実行する。この処理を実行すると、図15において、ラインカメラ21が(1)に示される状態となる。次に、ラインカメラ21を左右方向に沿ってスライドさせる処理を実行する。この処理を実行すると、図15において、ラインカメラ21が(2)に示される状態となる。最後に、ラインカメラ21とポイントP2の撮影距離(ラインカメラ21の焦点距離L6)が所定の距離となるようにカムシャフト3を上下方向に沿ってスライドさせる処理を実行する。この処理を実行すると、図15において、カムシャフト3が(3)に示される状態となる。
【0060】
これらの処理を実行することで、第1プログラムと第2プログラムの処理と同様に、ラインカメラ21の撮影方向の軸線L2がポイントP2の接線L7に対して直交となり、且つ、ラインカメラ21とポイントP2の撮影距離(ラインカメラ21の焦点距離L6)が所定の距離となるように保持される。なお、この変形例4を実行するにあたって、検査装置1は、ラインカメラ21をカムシャフト3の軸回りに公転させることができ、且つ、ラインカメラ21を左右方向に沿ってスライドさせることができ、且つ、カムシャフト3を上下方向に沿ってスライドさせることができるように構成されている。また、これらの公転量およびスライド量は、予め、制御装置40のROMに変形例4として対応付けて記憶されている。
【0061】
また、上記構成で示した第1プログラムと第2プログラムを異なるプログラム(変形例5)で実施しても構わない。この変形例5について、例えば、ポイントP1からポイントP2を撮影する場合で説明する(図16参照)。はじめに、ポイントP1を撮影した後に、ポイントP2において、ラインカメラ21の撮影方向の軸線L2と法線L4が一致するようにラインカメラ21を自転させる処理を実行する。この処理を実行すると、図16において、ラインカメラ21が(1)に示される状態となる。次に、ラインカメラ21を上下方向に沿ってスライドさせる処理を実行する。この処理を実行すると、図16において、ラインカメラ21が(2)に示される状態となる。最後に、ラインカメラ21とポイントP2の撮影距離(ラインカメラ21の焦点距離L6)が所定の距離となるようにカムシャフト3を左右方向に沿ってスライドさせる処理を実行する。この処理を実行すると、図16において、カムシャフト3が(3)に示される状態となる。
【0062】
これらの処理を実行することで、第1プログラムと第2プログラムの処理と同様に、ラインカメラ21の撮影方向の軸線L2がポイントP2の接線L7に対して直交となり、且つ、ラインカメラ21とポイントP2の撮影距離(ラインカメラ21の焦点距離L6)が所定の距離となるように保持される。なお、この変形例5を実行するにあたって、検査装置1は、ラインカメラ21を自転させることができ、且つ、ラインカメラ21を上下方向に沿ってスライドさせることができ、且つ、カムシャフト3を左右方向に沿ってスライドさせることができるように構成されている。また、これらの自転量およびスライド量は、予め、制御装置40のROMに変形例5として対応付けて記憶されている。
【0063】
また、上記構成で示した第1プログラムと第2プログラムを異なるプログラム(変形例6)で実施しても構わない。この変形例6について、例えば、ポイントP1からポイントP2を撮影する場合で説明する(図17参照)。はじめに、ポイントP1を撮影した後に、ポイントP2において、ラインカメラ21の撮影方向の軸線L2と法線L4が一致するようにラインカメラ21をカムシャフト3の軸回りに公転させる処理を実行する。この処理を実行すると、図17において、ラインカメラ21が(1)に示される状態となる。次に、ラインカメラ21を上下方向に沿ってスライドさせる処理を実行する。この処理を実行すると、図17において、ラインカメラ21が(2)に示される状態となる。最後に、ラインカメラ21とポイントP2の撮影距離(ラインカメラ21の焦点距離L6)が所定の距離となるようにカムシャフト3を左右方向に沿ってスライドさせる処理を実行する。この処理を実行すると、図17において、カムシャフト3が(3)に示される状態となる。
【0064】
これらの処理を実行することで、第1プログラムと第2プログラムの処理と同様に、ラインカメラ21の撮影方向の軸線L2がポイントP2の接線L7に対して直交となり、且つ、ラインカメラ21とポイントP2の撮影距離(ラインカメラ21の焦点距離L6)が所定の距離となるように保持される。なお、この変形例6を実行するにあたって、検査装置1は、ラインカメラ21をカムシャフト3の軸回りに公転させることができ、且つ、ラインカメラ21を上下方向に沿ってスライドさせることができ、且つ、カムシャフト3を左右方向に沿ってスライドさせることができるように構成されている。また、これらの公転量およびスライド量は、予め、制御装置40のROMに変形例6として対応付けて記憶されている。
【0065】
また、上記構成で示した第1プログラムと第2プログラムを異なるプログラム(変形例7)で実施しても構わない。この変形例7について、例えば、ポイントP1からポイントP2を撮影する場合で説明する(図18参照)。はじめに、ポイントP1を撮影した後に、ポイントP2において、ラインカメラ21の撮影方向の軸線L2と法線L4が一致するようにラインカメラ21を自転させる処理を実行する。この処理を実行すると、図18において、ラインカメラ21が(1)に示される状態となる。次に、カムシャフト3を左右方向に沿ってスライドさせる処理を実行する。この処理を実行すると、図18において、カムシャフト3が(2)に示される状態となる。最後に、ラインカメラ21とポイントP2の撮影距離(ラインカメラ21の焦点距離L6)が所定の距離となるようにカムシャフト3を上下方向に沿ってスライドさせる処理を実行する。この処理を実行すると、図18において、カムシャフト3が(3)に示される状態となる。
【0066】
これらの処理を実行することで、第1プログラムと第2プログラムの処理と同様に、ラインカメラ21の撮影方向の軸線L2がポイントP2の接線L7に対して直交となり、且つ、ラインカメラ21とポイントP2の撮影距離(ラインカメラ21の焦点距離L6)が所定の距離となるように保持される。なお、この変形例7を実行するにあたって、検査装置1は、ラインカメラ21を自転させることができ、且つ、カムシャフト3を左右方向および上下方向に沿ってスライドさせることができるように構成されている。また、これらの自転量およびスライド量は、予め、制御装置40のROMに変形例7として対応付けて記憶されている。
【0067】
また、上記構成で示した第1プログラムと第2プログラムを異なるプログラム(変形例8)で実施しても構わない。この変形例8について、例えば、ポイントP1からポイントP2を撮影する場合で説明する(図19参照)。はじめに、ポイントP1を撮影した後に、ポイントP2において、ラインカメラ21の撮影方向の軸線L2と法線L4が一致するようにラインカメラ21をカムシャフト3の軸回りに公転させる処理を実行する。この処理を実行すると、図19において、ラインカメラ21が(1)に示される状態となる。次に、カムシャフト3を左右方向に沿ってスライドさせる処理を実行する。この処理を実行すると、図19において、カムシャフト3が(2)に示される状態となる。最後に、ラインカメラ21とポイントP2の撮影距離(ラインカメラ21の焦点距離L6)が所定の距離となるようにカムシャフト3を上下方向に沿ってスライドさせる処理を実行する。この処理を実行すると、図19において、カムシャフト3が(3)に示される状態となる。
【0068】
これらの処理を実行することで、第1プログラムと第2プログラムの処理と同様に、ラインカメラ21の撮影方向の軸線L2がポイントP2の接線L7に対して直交となり、且つ、ラインカメラ21とポイントP2の撮影距離(ラインカメラ21の焦点距離L6)が所定の距離となるように保持される。なお、この変形例8を実行するにあたって、検査装置1は、ラインカメラ21をカムシャフト3の軸回りに公転させることができ、且つ、カムシャフト3を左右方向および上下方向に沿ってスライドさせることができるように構成されている。また、これらの公転量およびスライド量は、予め、制御装置40のROMに変形例8として対応付けて記憶されている。
【0069】
また、上記構成によると、ラインカメラ21とカムシャフト3の第1カム4のカム面4cの位置合わせにおいて、第1サーボモータM1を駆動させ第1リニアガイド11を介してブロック12を前進させる処理を説明した(第5作業)。しかし、これに限定されるものでなく、これとは逆に、この位置合わせにおいて、ブロック12を前進させることなくワーク3を後退させる処理でも構わない。その場合、サーボモータ等を駆動させリニアガイド(いずれも図示しない)を介して第1テーブル30および第2テーブル35が主ベース10に対して前進および後退可能となっている。もちろん、ブロック12を前進させ、ワーク3を後退させても構わない。
【符号の説明】
【0070】
1 検査装置
3 カムシャフト(偏心部材)
4c カム面(プロフィール面)
21 ラインカメラ(検査部材)
P1 ポイント
P2 ポイント
P3 ポイント
L2 検査方向の軸線(撮影方向の軸線)
L4 法線
L6 焦点距離(検査距離)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
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図18
図19