(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022190451
(43)【公開日】2022-12-26
(54)【発明の名称】不確かさ評価方法及び不確かさ評価装置
(51)【国際特許分類】
G21C 17/06 20060101AFI20221219BHJP
G21C 17/104 20060101ALI20221219BHJP
【FI】
G21C17/06 060
G21C17/104
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021098780
(22)【出願日】2021-06-14
(71)【出願人】
【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】家山 晃一
(72)【発明者】
【氏名】小池 啓基
(72)【発明者】
【氏名】浅野 耕司
(72)【発明者】
【氏名】左藤 大介
【テーマコード(参考)】
2G075
【Fターム(参考)】
2G075FB07
2G075FB15
(57)【要約】
【課題】不確かさ評価の対象となる核特性が限定されることなく、測定値が未知の体系における核特性の不確かさを低減する。
【解決手段】核特性の不確かさ評価方法であって、前記核特性の不確かさは、前記核特性に対する核データの不確かさと、前記核特性を算出する計算手法の不確かさに起因しており、前記核特性の測定値が未知となる第1の体系における核データと前記核データの共分散とを取得するステップと、前記第1の体系と前記核特性の測定値が既知となる第2の体系との相関関係に基づいて、前記核データの共分散を調整するステップと、調整後の前記核データの共分散に基づいて、ランダムサンプリング法により前記核データを取得し、取得した前記核データに基づく核特性計算を実行して、前記第1の体系における前記核特性を算出し、算出した前記核特性を統計処理して、前記第1の体系における前記核特性の不確かさを算出するステップと、を実行する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
核特性の測定値が未知となる第1の体系における前記核特性の不確かさを評価する不確かさ評価方法であって、
前記核特性の不確かさは、前記核特性に対する核データの不確かさと、前記核特性を算出する計算手法の不確かさに起因しており、
前記第1の体系における前記核特性を算出するための入力パラメータとなる前記核データと、前記核データの共分散とを取得するステップと、
前記第1の体系と前記核特性の測定値が既知となる第2の体系との相関関係に基づいて、前記核データの共分散を調整するステップと、
調整後の前記核データの共分散に基づいて、ランダムサンプリング法により前記核データを取得し、取得した前記核データに基づく核特性計算を実行して、前記第1の体系における前記核特性を算出し、算出した前記核特性を統計処理して、前記第1の体系における前記核特性の不確かさを算出するステップと、を実行する不確かさ評価方法。
【請求項2】
前記核データの共分散を調整するステップでは、(1)式となる調整式を用い、ランダムサンプリング法に基づいて前記核データの共分散が調整される請求項1に記載の不確かさ評価方法。
【数1】
【請求項3】
前記第1の体系と前記第2の体系との前記相関関係は、前記第1の体系と前記第2の体系との体系間の相関を考慮した前記計算手法の不確かさであり、(2)式となる算出式を用いて前記計算手法の不確かさが算出される請求項1または2に記載の不確かさ評価方法。
【数2】
【請求項4】
前記核特性の不確かさを評価するステップにおいて算出される核特性は、実効増倍率、ボイド反応度、制御棒価値、出力分布の少なくとも一つを含む請求項1から3のいずれか1項に記載の不確かさ評価方法。
【請求項5】
核特性の測定値が未知となる第1の体系における前記核特性の不確かさを評価する不確かさ評価装置であって、
前記核特性の不確かさは、前記核特性に対する核データの不確かさと、前記核特性を算出する計算手法の不確かさに起因しており、
前記核特性の不確かさを算出する制御部を備え、
前記制御部は、
前記第1の体系における前記核特性を算出するための入力パラメータとなる前記核データと、前記核データの共分散とを取得するステップと、
前記第1の体系と前記核特性の測定値が既知となる第2の体系との相関関係に基づいて、前記核データの共分散を調整するステップと、
調整後の前記核データの共分散に基づいて、ランダムサンプリング法により前記核データを取得し、取得した前記核データに基づく核特性計算を実行して、前記第1の体系における前記核特性を算出し、算出した前記核特性を統計処理して、前記第1の体系における前記核特性の不確かさを算出するステップと、を実行する不確かさ評価装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、不確かさ評価方法及び不確かさ評価装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、不確かさを伴う実験の測定値を用いて計算を行って、目的体系の物理量を計算し、計算結果に含まれる誤差を、目的体系を模擬した模擬実験の結果を用いて推定する計算誤差推定方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の計算誤差推定方法では、物理量を計算するための入力パラメータの不確かさは、入力パラメータ共分散誤差行列によって表現されており、いわゆる一般化摂動論に基づく不確かさの評価手法となっている。
【0005】
ところで、不確かさを評価する場合、測定値が既知となる体系(以下、単に既知の体系ともいう)ではなく、測定値が未知となる体系(以下、単に未知の体系ともいう)を取り扱う場合がある。未知の体系における核特性等の物理量の不確かさを評価・低減する場合、体系間の差を考慮可能な拡張炉定数調整法を用いることが考えられる。拡張炉定数調整法では、一般化摂動論に基づく感度係数を使用して炉定数調整を行っている。しかしながら、拡張炉定数調整法では、感度係数を用いることから、感度係数を算出可能な核特性の不確かさしか考慮することができず、不確かさを考慮可能な核特性が限定されてしまう難点があった。
【0006】
そこで、本開示は、不確かさ評価の対象となる核特性が限定されることなく、測定値が未知の体系における核特性の不確かさを低減することができる不確かさ評価方法及び不確かさ評価装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の不確かさ評価方法は、核特性の測定値が未知となる第1の体系における前記核特性の不確かさを評価する不確かさ評価方法であって、前記核特性の不確かさは、前記核特性に対する核データの不確かさと、前記核特性を算出する計算手法の不確かさに起因しており、前記第1の体系における前記核特性を算出するための入力パラメータとなる前記核データと、前記核データの共分散とを取得するステップと、前記第1の体系と前記核特性の測定値が既知となる第2の体系との相関関係に基づいて、前記核データの共分散を調整するステップと、調整後の前記核データの共分散に基づいて、ランダムサンプリング法により前記核データを取得し、取得した前記核データに基づく核特性計算を実行して、前記第1の体系における前記核特性を算出し、算出した前記核特性を統計処理して、前記第1の体系における前記核特性の不確かさを算出するステップと、を実行する。
【0008】
本開示の不確かさ評価装置は、核特性の測定値が未知となる第1の体系における前記核特性の不確かさを評価する不確かさ評価装置であって、前記核特性の不確かさは、前記核特性に対する核データの不確かさと、前記核特性を算出する計算手法の不確かさに起因しており、前記核特性の不確かさを算出する制御部を備え、前記制御部は、前記第1の体系における前記核特性を算出するための入力パラメータとなる前記核データと、前記核データの共分散とを取得するステップと、前記第1の体系と前記核特性の測定値が既知となる第2の体系との相関関係に基づいて、前記核データの共分散を調整するステップと、調整後の前記核データの共分散に基づいて、ランダムサンプリング法により前記核データを取得し、取得した前記核データに基づく核特性計算を実行して、前記第1の体系における前記核特性を算出し、算出した前記核特性を統計処理して、前記第1の体系における前記核特性の不確かさを算出するステップと、を実行する。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、不確かさ評価の対象となる核特性が限定されることなく、測定値が未知の体系における核特性の不確かさを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、本実施形態に係る不確かさ評価装置を模式的に表したブロック図である。
【
図2】
図2は、本実施形態に係る不確かさ評価方法に関するフローチャートである。
【
図3】
図3は、本実施形態に係る不確かさ評価方法に関する説明図である。
【
図4】
図4は、第1の体系と第2の体系との相関関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本開示に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成要素は適宜組み合わせることが可能であり、また、実施形態が複数ある場合には、各実施形態を組み合わせることも可能である。
【0012】
[実施形態]
本実施形態に係る不確かさ評価方法及び不確かさ評価装置10は、核特性の測定値が未知となる体系(第1の体系:未知の体系ともいう)における核特性の不確かさを評価する方法及び装置となっている。具体的に、未知の体系とは、設計段階における炉心体系であり、核燃料の幾何形状や組成条件等に関する設計は、既知である一方で、実運転における核特性の測定値は、未知となる体系となっている。ここで、未知の体系における核特性の不確かさは、核特性に対する核データの不確かさと、核特性を算出する計算手法の不確かさに起因している。このため、不確かさ評価方法及び不確かさ評価装置10では、核データと計算手法の不確かさに起因する核特性の不確かさを評価している。
【0013】
(不確かさ評価装置)
図1を参照して、不確かさ評価装置10について説明する。
図1は、本実施形態に係る不確かさ評価装置を模式的に表したブロック図である。不確かさ評価装置10は、制御部11と、記憶部12と、出力部13と、入力部14とを有している。
【0014】
制御部11は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等の集積回路を含んでいる。制御部11は、未知の体系における核特性の不確かさを評価するための各種計算処理を実行している。記憶部12は、半導体記憶デバイス及び磁気記憶デバイス等の任意の記憶デバイスである。この記憶部12には、各種計算処理を実行するための各種プログラム、及び計算処理に用いられる各種データが記憶されている。各種プログラムとしては、核特性を計算するための核特性計算コードであり、また、各種データとしては、核特性計算コードに入力される入力情報としての核データ及び核データ共分散等である。出力部13は、例えば、液晶ディスプレイ等の表示デバイスである。入力部14は、例えば、キーボード及びマウス等の入力デバイスである。
【0015】
(不確かさ評価方法)
次に、
図2から
図4を参照して、不確かさ評価装置10により実行される不確かさ評価方法について説明する。
図2は、本実施形態に係る不確かさ評価方法に関するフローチャートである。
図3は、本実施形態に係る不確かさ評価方法に関する説明図である。
図4は、第1の体系と第2の体系との相関関係を示すグラフである。
【0016】
図2及び
図3に示すように、不確かさ評価方法では、先ず、制御部11が、核データ及び核データ共分散を、核データライブラリ(断面積ライブラリ)から取得する(ステップS1)。核データは、連続するエネルギーにおけるミクロ断面積であり、核データ共分散は、ミクロ断面積の不確かさに関するデータであるミクロ共分散データである。
【0017】
不確かさ評価方法では、ステップS1の実行後、制御部11が、取得した核データ及び核データ共分散に基づいて、多群の核データ及び核データ共分散を取得するステップS2を実行する。ステップS2では、取得した核データ及び核データ共分散に基づいて、核データ処理コードを用いた断面積処理を行うことで、多群となるエネルギー群における核データ及び核データ共分散Wを生成して取得する。核データは、多群となるエネルギー群におけるミクロ断面積であり、核データ共分散Wは、ミクロ断面積の不確かさに関するデータであるミクロ共分散データである。
【0018】
不確かさ評価方法では、ステップS2の実行後、制御部11が、未知の体系と、核特性の測定値が既知となる体系(第2の体系:既知の体系ともいう)との相関関係に基づいて、核データ共分散Wを調整するステップS3を実行する。ステップS3では、下記する(1)式となる調整式を用い、ランダムサンプリング法(無作為抽出法)に基づいて核データの共分散が調整される。
【0019】
【0020】
ここで、(1)式に含まれる各パラメータは、予め既知の体系における核特性計算を実行することにより取得したものである。このため、例えば、ΔR1等のパラメータは既知となっている。また、(1)式において、点線で囲んだ項が、未知の体系と既知の体系との相関関係を示す項となっており、Vm
12を含む項となっている。
【0021】
Vm
12は、未知の体系と既知の体系との相関関係を表したものである。この相関関係は、未知の体系と既知の体系との体系間の相関を考慮した計算手法の不確かさであり、(2)式となる算出式を用いて計算手法の不確かさが算出される。
【0022】
【0023】
(2)式に含まれる各パラメータも、予め既知の体系における核特性計算と、未知の体系における核特性計算とを実行することにより取得したものである。なお、設計コードは、核特性計算コードであり、また、参照解コードは、例えば、連続エネルギーモンテカルロコードである。
【0024】
図4は、既知の体系の核特性の計算値に関する差異の頻度分布と、未知の体系の核特性の計算値に関する差異の頻度分布とを比較したものである。
図4は、その縦軸が、存在割合となっており、その横軸が、核特性計算値の差異ΔR
1,m、ΔR
2,mとなっている。
図4に示すように、既知の体系における核特性の計算値の差異ΔR
1,mと、未知の体系における核特性の計算値の差異ΔR
2,mとは、類似しており、相関関係を有するものとなっている。そして、
図4に示す体系間の相関関係は、(2)式によって表される。なお、V
m
12は、(2)式を用いた相関関係に、特に限定されず、異なる算出式を用いて相関関係を表してもよい。制御部11は、(1)式及び(2)式を用いたステップS3を実行することで、調整済みの核データ共分散W’を取得する。
【0025】
続いて、不確かさ評価方法では、
図2及び
図3に示すように、ステップS3の実行後、制御部11が、ランダムサンプリング法を用いて、調整後の核データの共分散に基づく核特性計算を実行して、未知の体系における核特性を算出するステップS4を実行する。ステップS4では、制御部11が、調整済みの核データ共分散W’を用いて、ランダムサンプリング法により、核データの摂動量をN個算出する。そして、制御部11は、1からNまでの摂動量となる各核データに基づいて、それぞれ炉心計算を実行することで、1からNまでの摂動量に対応するN個の核特性をそれぞれ算出する。
【0026】
そして、不確かさ評価方法では、ステップS4の実行後、制御部11が、算出したN個の核特性を統計処理して(ステップS5)、未知の体系における核特性の不確かさを算出し、評価結果として取得するステップS6を実行する。ステップS5では、N個の核特性の平均値に対する各核特性の差異を相対差異として取得し、ステップS6では、核特性の相対差異の分布における標準偏差σを、核特性の不確かさとして取得する。
【0027】
ここで、核特性としては、実効増倍率、ボイド反応度、制御棒価値、出力分布の少なくとも一つを含むものとなっており、これら核特性に対応する感度係数を評価する必要はない。
【0028】
以上のように、本実施形態に記載の不確かさ評価方法及び不確かさ評価装置10は、例えば、以下のように把握される。
【0029】
第1の態様に係る不確かさ評価方法は、核特性の測定値が未知となる第1の体系における前記核特性の不確かさを評価する不確かさ評価方法であって、前記核特性の不確かさは、前記核特性に対する核データの不確かさと、前記核特性を算出する計算手法の不確かさに起因しており、前記第1の体系における前記核特性を算出するための入力パラメータとなる前記核データと、前記核データの共分散とを取得するステップS1と、前記第1の体系と前記核特性の測定値が既知となる第2の体系との相関関係に基づいて、前記核データの共分散を調整するステップS3と、調整後の前記核データの共分散に基づいて、ランダムサンプリング法により前記核データを取得し、取得した前記核データに基づく核特性計算を実行して、前記第1の体系における前記核特性を算出し、算出した前記核特性を統計処理して、前記第1の体系における前記核特性の不確かさを算出するステップS4~S6と、を実行する。
【0030】
この構成によれば、第1の体系と第2の体系との相関関係に基づいて、核データの共分散を調整することができるため、第1の体系における核特性の不確かさを低減することが可能となる。つまり、第1の体系における共分散を、相関関係に基づいて適切に調整することにより、共分散に基づいてランダムサンプリング法により取得する核データのばらつきを抑えることができる。これにより、核データに基づく核特性計算の計算値のばらつきも抑えることができることから、核特性の不確かさを低減することができる。また、ランダムサンプリング法を用いることにより、感度係数を用いない共分散の調整を行うことができるため、不確かさを考慮可能な核特性が限定されることなく、未知の体系における全ての核特性の不確かさを評価・低減することができる。
【0031】
第2の態様として、前記核データの共分散を調整するステップS3では、(1)式となる調整式を用い、ランダムサンプリング法に基づいて前記核データの共分散が調整される。
【0032】
この構成によれば、第1の体系と第2の体系との相関関係に関する項(点線で囲われた項)を追加することにより、核データの共分散を好適に調整することができる。
【0033】
第3の態様として、前記第1の体系と前記第2の体系との前記相関関係は、前記第1の体系と前記第2の体系との体系間の相関を考慮した前記計算手法の不確かさであり、(2)式となる算出式を用いて前記計算手法の不確かさが算出される。
【0034】
この構成によれば、第1の体系と第2の体系との相関を考慮した計算手法の不確かさを適切に評価することができる。
【0035】
第4の態様として、前記核特性の不確かさを評価するステップにおいて算出される核特性は、実効増倍率、ボイド反応度、制御棒価値、出力分布の少なくとも一つを含む。
【0036】
この構成によれば、感度係数の評価可否に依存することなく、様々な核特性の不確かさを評価することができる。
【0037】
第5の態様に係る不確かさ評価装置は、核特性の測定値が未知となる第1の体系における前記核特性の不確かさを評価する不確かさ評価装置10であって、前記核特性の不確かさは、前記核特性に対する核データの不確かさと、前記核特性を算出する計算手法の不確かさに起因しており、前記核特性の不確かさを算出する制御部11を備え、前記制御部11は、前記第1の体系における前記核特性を算出するための入力パラメータとなる前記核データと、前記核データの共分散とを取得するステップS1と、前記第1の体系と前記核特性の測定値が既知となる第2の体系との相関関係に基づいて、前記核データの共分散を調整するステップS3と、調整後の前記核データの共分散に基づいて、ランダムサンプリング法により前記核データを取得し、取得した前記核データに基づく核特性計算を実行して、前記第1の体系における前記核特性を算出し、算出した前記核特性を統計処理して、前記第1の体系における前記核特性の不確かさを算出するステップS4~S6と、を実行する。
【0038】
この構成によれば、第1の体系と第2の体系との相関関係に基づいて、核データの共分散を調整することができるため、第1の体系における核特性の不確かさを低減することが可能となる。つまり、第1の体系における共分散を、相関関係に基づいて適切に調整することにより、共分散に基づいてランダムサンプリング法により取得する核データのばらつきを抑えることができる。これにより、核データに基づく核特性計算の計算値のばらつきも抑えることができることから、核特性の不確かさを低減することができる。また、ランダムサンプリング法を用いることにより、感度係数を用いない共分散の調整を行うことができるため、不確かさを考慮可能な核特性が限定されることなく、未知の体系における全ての核特性の不確かさを評価・低減することができる。
【符号の説明】
【0039】
10 不確かさ評価装置
11 制御部
12 記憶部
13 出力部
14 入力部