(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022190482
(43)【公開日】2022-12-26
(54)【発明の名称】半導体記憶装置
(51)【国際特許分類】
H01L 27/11575 20170101AFI20221219BHJP
H01L 27/11582 20170101ALI20221219BHJP
H01L 21/336 20060101ALI20221219BHJP
H01L 21/768 20060101ALI20221219BHJP
H01L 21/3205 20060101ALI20221219BHJP
【FI】
H01L27/11575
H01L27/11582
H01L29/78 371
H01L21/90 B
H01L21/88 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021098827
(22)【出願日】2021-06-14
(71)【出願人】
【識別番号】318010018
【氏名又は名称】キオクシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】飯島 夏来
【テーマコード(参考)】
5F033
5F083
5F101
【Fターム(参考)】
5F033HH04
5F033HH05
5F033HH18
5F033HH19
5F033HH20
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5F101BH14
5F101BH15
(57)【要約】
【課題】積層体の強度を高めること。
【解決手段】実施形態の半導体記憶装置1は、第1の導電層SLと、第1の導電層SL上に複数の第2の導電層WLと複数の第1の絶縁層OLとが1層ずつ交互に積層され、複数の第2の導電層WLが階段状に加工された階段部SPを含む積層体LMと、積層方向および第1の方向に、階段部SPからメモリ領域MRに亘って積層体LM内を連続的に延びる第3の導電層22を含み、積層方向と第1の方向とに交差する第2の方向に積層体LMを分割する板状部LIと、を備え、板状部LIは、第1の方向に間欠的に配置され、積層体LMを貫通して第1の導電層SLに接続する複数のコンタクト部LIcを階段部SPに含む。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の導電層と、
前記第1の導電層上に複数の第2の導電層と複数の第1の絶縁層とが1層ずつ交互に積層され、前記複数の第2の導電層が階段状に加工された階段部を含む積層体と、
前記階段部から前記積層体の積層方向と交差する第1の方向に離れたメモリ領域に配置され、それぞれ前記積層体内を貫通して前記第1の導電層と接続する半導体層を有し前記複数の第2の導電層の少なくとも一部との交差部にメモリセルを形成する複数の第1のピラーと、
前記積層方向および前記第1の方向に、前記階段部から前記メモリ領域に亘って前記積層体内を連続的に延びる第3の導電層を含み、前記積層方向と前記第1の方向とに交差する第2の方向に前記積層体を分割する板状部と、を備え、
前記板状部は、
前記第1の方向に間欠的に配置され、前記積層体を貫通して前記第1の導電層に接続する複数のコンタクト部を前記階段部に含む、
半導体記憶装置。
【請求項2】
前記複数のコンタクト部は、
前記階段部における前記板状部の上部位置で、前記複数の第2の導電層の一部を前記第2の方向に分割して前記第1の方向に延びる前記第3の導電層によって前記第1の方向に連結されている、
請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項3】
前記階段部に配置され、前記積層体内を前記積層方向に延びる複数の第2のピラーを更に備え、
前記複数のコンタクト部は、
前記複数の第2のピラーのうち、前記板状部に隣接して前記第1の方向に配列される複数の第2のピラーのそれぞれと、前記第2の方向に対向する位置からずれて配置されている、
請求項1または請求項2に記載の半導体記憶装置。
【請求項4】
前記板状部は、
第1の板状部と、
前記第2の方向に前記第1の板状部に隣接する第2の板状部と、を含み、
前記複数のコンタクト部は、
前記第1の板状部に含まれる複数の第1のコンタクト部と、
前記第2の板状部に含まれ、前記複数の第1のコンタクト部のそれぞれと、前記第2の方向に対向する位置からずれて配置される複数の第2のコンタクト部と、を含む、
請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の半導体記憶装置。
【請求項5】
第1の導電層と、
前記第1の導電層上に複数の第2の導電層と複数の第1の絶縁層とが1層ずつ交互に積層され、前記複数の第2の導電層が階段状に加工された階段部を含む積層体と、
前記階段部から前記積層体の積層方向と交差する第1の方向に離れたメモリ領域に配置され、それぞれ前記積層体内を貫通して前記第1の導電層と接続する半導体層を有し前記複数の第2の導電層の少なくとも一部との交差部にメモリセルを形成する複数の第1のピラーと、
前記積層方向および前記第1の方向に、前記階段部から前記メモリ領域に亘って前記積層体内を連続的に延び、前記積層方向と前記第1の方向とに交差する第2の方向に前記積層体を分割する板状部と、を備え、
前記板状部は、
前記板状部の前記第2の方向に向かい合う側壁を覆う側壁絶縁層と、
前記階段部から前記メモリ領域に亘って前記側壁絶縁層の内側を連続的に延び、前記第1の導電層と電気的に接続される第3の導電層と、を有し、
前記側壁絶縁層は、
前記第1の方向に間欠的に、前記積層方向と交差する方向の層厚が他の部分よりも厚くなった第1の部分を前記階段部に有する、
半導体記憶装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、半導体記憶装置に関する。
【背景技術】
【0002】
3次元不揮発性メモリ等の半導体記憶装置の製造工程では、例えば複数の絶縁層を導電層に置き換えて、導電層の積層体を形成する。導電層への置き換えの際、積層体は、複数の絶縁層が除去されて脆弱な状態となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第09793293号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2021/0043640号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
1つの実施形態は、積層体の強度を高めることができる半導体記憶装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の半導体記憶装置は、第1の導電層と、前記第1の導電層上に複数の第2の導電層と複数の第1の絶縁層とが1層ずつ交互に積層され、前記複数の第2の導電層が階段状に加工された階段部を含む積層体と、前記階段部から前記積層体の積層方向と交差する第1の方向に離れたメモリ領域に配置され、それぞれ前記積層体内を貫通して前記第1の導電層と接続する半導体層を有し前記複数の第2の導電層の少なくとも一部との交差部にメモリセルを形成する複数の第1のピラーと、前記積層方向および前記第1の方向に、前記階段部から前記メモリ領域に亘って前記積層体内を連続的に延びる第3の導電層を含み、前記積層方向と前記第1の方向とに交差する第2の方向に前記積層体を分割する板状部と、を備え、前記板状部は、前記第1の方向に間欠的に配置され、前記積層体を貫通して前記第1の導電層に接続する複数のコンタクト部を前記階段部に含む。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】
図1は、実施形態にかかる半導体記憶装置の概略の構成例を示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態にかかる半導体記憶装置の断面図である。
【
図3】
図3は、実施形態にかかる半導体記憶装置の横断面図である。
【
図4】
図4は、実施形態にかかる半導体記憶装置が備える板状コンタクトの層構造の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、実施形態にかかる半導体記憶装置の製造方法の手順の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、実施形態にかかる半導体記憶装置の製造方法の手順の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、実施形態にかかる半導体記憶装置の製造方法の手順の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、実施形態にかかる半導体記憶装置の製造方法の手順の一例を示す図である。
【
図9】
図9は、実施形態にかかる半導体記憶装置の製造方法の手順の一例を示す図である。
【
図10】
図10は、実施形態にかかる半導体記憶装置の製造方法の手順の一例を示す図である。
【
図11】
図11は、実施形態にかかる半導体記憶装置の製造方法の手順の一例を示す図である。
【
図12】
図12は、実施形態にかかる半導体記憶装置の製造方法の手順の一例を示す図である。
【
図13】
図13は、実施形態にかかる半導体記憶装置の製造方法の手順の一例を示す図である。
【
図14】
図14は、実施形態にかかる半導体記憶装置の製造方法の手順の一例を示す図である。
【
図15】
図15は、実施形態および比較例にかかる半導体記憶装置におけるリプレース時の様子を示す模式図である。
【
図16】
図16は、実施形態の変形例1にかかる半導体記憶装置の構成の一例を示す横断面図である。
【
図17】
図17は、実施形態の変形例2にかかる半導体記憶装置の構成の一例を示す横断面図である。
【
図18】
図18は、実施形態の変形例2にかかる半導体記憶装置におけるリプレース処理の一例を示す模式図である。
【
図19】
図19は、実施形態のその他の変形例にかかる半導体記憶装置の製造方法の手順の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に、本発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、下記の実施形態により、本発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるものあるいは実質的に同一のものが含まれる。
【0008】
(半導体記憶装置の構成例)
図1は、実施形態にかかる半導体記憶装置1の概略の構成例を示す図である。
図1(a)は半導体記憶装置1のX方向に沿う断面図であり、
図1(b)は半導体記憶装置1のレイアウトを示す模式的な平面図である。ただし、
図1(a)においては図面の見やすさを考慮してハッチングを省略する。また、
図1(a)においては一部の上層配線が省略されている。
【0009】
なお、本明細書において、X方向およびY方向は共に、後述するワード線WLの面の向きに沿う方向であり、X方向とY方向とは互いに直交する。また、後述するワード線WLの電気的な引き出し方向を第1の方向と呼ぶことがあり、この第1の方向はX方向に沿う方向である。また、第1の方向と交差する方向を第2の方向と呼ぶことがあり、この第2の方向はY方向に沿う方向である。ただし、半導体記憶装置1は製造誤差を含みうるため、第1の方向と第2の方向とは必ずしも直交しない。
【0010】
図1に示すように、半導体記憶装置1は、基板SB上に、周辺回路CUA、メモリ領域MR、貫通コンタクト領域TP、及び階段領域SRを備える。
【0011】
基板SBは、例えばシリコン基板等の半導体基板である。基板SB上にはトランジスタTR及び配線等を含む周辺回路CUAが配置されている。
【0012】
周辺回路CUAは、後述するメモリセルの動作に寄与する。周辺回路CUAは絶縁層50で覆われている。絶縁層50上にはソース線SLが配置されている。ソース線SL上には複数のワード線WLが積層されている。複数のワード線WLは絶縁層51で覆われている。絶縁層51は、複数のワード線WLの周囲にも広がっている。
【0013】
複数のワード線WLは、ワード線WLを積層方向に貫通し、かつ、X方向に沿う方向に延びる複数の板状コンタクトLIによってY方向に分割されている。
【0014】
複数の板状コンタクトLIの間には、複数のメモリ領域MR、並びに複数のメモリ領域MR間に階段領域SR及び貫通コンタクト領域TPが、それぞれX方向に並んで配置されている。 つまり、複数のメモリ領域MRは、階段領域SR及び貫通コンタクト領域TPからX方向に所定距離離れて配置されている。
【0015】
メモリ領域MRには、ワード線WLを積層方向に貫通する複数のピラーPLが配置されている。ピラーPLとワード線WLとの交差部には複数のメモリセルが形成される。これにより、半導体記憶装置1は、例えばメモリ領域MRにメモリセルが3次元に配置された3次元不揮発性メモリとして構成される。
【0016】
階段領域SRは、複数のワード線WLが積層方向に擂り鉢状に掘り下げられた複数の階段部SPを含む。1つの階段領域SRには、1つの板状コンタクトLIを介してY方向に並ぶ2つの階段部SPが配置されている。
【0017】
階段部SPは、X方向の両側およびY方向の一方側から底面に向かって階段状に下降していく擂り鉢状の形状の一辺をなす。ただし、階段部SPのY方向のもう一方側は板状コンタクトLIの側面に向かって開放されている。
【0018】
階段部SPの各段は、各階層のワード線WLにより構成される。各階層のワード線WLは、階段部SPのY方向片側の階段部分を介して、階段領域SRを挟んだX方向両側で電気的な導通を保っている。階段部SPの各段のテラス部分には、各階層のワード線WLと上層配線MXとを接続するコンタクトCCがそれぞれ配置される。
【0019】
これにより、多層に積層されるワード線WLを個々に引き出すことができる。すなわち、これらのコンタクトCCからは、X方向両側のメモリ領域MR内のメモリセルに対し、そのメモリセルと同じ高さ位置のワード線WLを介して書き込み電圧および読み出し電圧等が印加される。
【0020】
なお、本明細書においては、階段部SPの各段のテラス面が向いた方向を上方向と規定する。
【0021】
階段領域SRのX方向の一方側には、ワード線WLを有さない貫通コンタクト領域TPが配置される。貫通コンタクト領域TPには、下方の基板SB上に配置された周辺回路CUAと、階段部SPのコンタクトCCに接続される上層配線MXとを接続する貫通コンタクトC4が配置されている。コンタクトCCからメモリセルに印加される各種電圧は、貫通コンタクトC4及び上層配線MX等を介して周辺回路CUAにより制御される。
【0022】
次に、
図2及び
図3を用いて、半導体記憶装置1の詳細の構成例について説明する。
【0023】
図2は、実施形態にかかる半導体記憶装置1の断面図である。
図2(a)はメモリ領域MR及び階段領域SRを含むX方向に沿う断面図である。
図2(b)はメモリ領域MR及び階段領域SRに亘って延びる板状コンタクトLIのX方向に沿う断面図である。
図2(c)は階段領域SR及び貫通コンタクト領域TPを含むY方向に沿う断面図である。ただし、
図2においては、基板SB及び周辺回路CUA等の絶縁層50下方の構造等が省略されている。
【0024】
図3は、実施形態にかかる半導体記憶装置1の横断面図である。具体的には、
図3は半導体記憶装置1が備える複数のワード線WLのうち、任意のワード線WLの高さ位置での横方向の断面図である。
図3(a)はメモリ領域MRの横断面図であり、
図3(b)は階段領域SRの横断面図である。
【0025】
図2(a)(c)に示すように、ソース線SL上には積層体LMが配置される。積層体LMは、複数のワード線WLと複数の絶縁層OLとが1層ずつ交互に積層された構成を有する。
【0026】
第1の導電層としてのソース線SLは、例えば導電性のポリシリコン層等である。第2の導電層としてのワード線WLは、例えばタングステン層またはモリブデン層等である。積層体LMにおけるワード線WLの積層数は任意である。第1の絶縁層としての絶縁層OLは、例えば酸化シリコン層等である。
【0027】
なお、最上層のワード線の更に上層には、第2の導電層としての選択ゲート線が1つ以上積層されていてもよい。また、最下層のワード線の更に下層には、第2の導電層としての選択ゲート線が1つ以上積層されていてもよい。
【0028】
積層体LMの上面は絶縁層52で覆われている。絶縁層52上には絶縁層53が配置されている。絶縁層53上には絶縁層58が配置されている。
【0029】
図2(c)及び
図3(a)(b)に示すように、積層体LMは複数の板状コンタクトLIによってY方向に分割されている。
【0030】
複数の板状部としての板状コンタクトLIのそれぞれは、互いにY方向に並んで、積層体LMの積層方向およびX方向に沿う方向に延びる。つまり、板状コンタクトLIは、絶縁層52及び積層体LMを貫通してソース線SLに到達している。また、板状コンタクトLIは、階段部SPが配置された階段領域SRからメモリ領域MRに亘って、積層体LM内を連続的に延びている。
【0031】
図2(b)及び
図3(a)(b)に示すように、板状コンタクトLIは絶縁層55と導電層22とを含む。絶縁層55は、板状コンタクトLIのY方向に向かい合う側壁を覆う。導電層22は、階段領域SRからメモリ領域MRに亘って、絶縁層55の内側を連続的に延びる。また、板状コンタクトLIは複数のコンタクト部LIcを含む。
【0032】
複数のコンタクト部LIcは、導電層22の一部を構成し、階段領域SRにおいてX方向に間欠的に配置されている。複数のコンタクト部LIcは、それぞれが積層体LMを貫通してソース線SLに接続している。
【0033】
積層体LMの層方向に沿うコンタクト部LIcの断面は、円形、楕円形、または小判型(オーバル型)等である。コンタクト部LIcが、矩形等の多角形の断面形状を有していてもよいが、コンタクト部LIcにおける電気特性の観点からは、コンタクト部LIcの側壁部分が頂角を有さず曲面に構成されていることが好ましい。
【0034】
図3(b)に示すように、上記断面形状を有するコンタクト部LIcのY方向の幅は、階段領域SRにおけるコンタクト部LIc以外の板状コンタクトLIのY方向の幅より広い。これにより、コンタクト部LIcのY方向の両端部は、コンタクト部LIcより幅の狭い板状コンタクトLIの両側壁から突出している。
【0035】
また、互いに隣接する第1及び第2の板状部としての板状コンタクトLIにおいて、一方の板状コンタクトLIに含まれる複数の第1のコンタクト部としてのコンタクト部LIcと、他方の板状コンタクトLIに含まれる複数の第2のコンタクト部としてのコンタクト部LIcとは、Y方向に対向する位置からは互いにずれて配置されている。つまり、一方の板状コンタクトLIのコンタクト部LIcは、X方向において、例えば他方の板状コンタクトLIの2つのコンタクト部LIcの間の位置に配置される。
【0036】
また、それぞれの板状コンタクトLIに属する複数のコンタクト部LIc同士の距離は、隣接する板状コンタクトLI同士の間の距離の1/2以下であることが好ましい。
【0037】
絶縁層55は例えば酸化シリコン層等であり、階段領域SRからメモリ領域MRに亘って、板状コンタクトLIの側壁を連続的に覆う側壁絶縁層部分を有する。
【0038】
また、絶縁層55は、X方向に間欠的に、階段領域SRにおける板状コンタクトLIの他の部分よりも積層体LMの層方向の層厚が厚くなった第1の部分を有する。絶縁層55の第1の部分は、階段領域SRにおけるコンタクト部LIc以外で、板状コンタクトLIの側壁を断続的に覆う側壁絶縁層の部分に相当する。換言すれば、絶縁層55は、コンタクト部LIcにおいて、板状コンタクトLIの他の部分に比べて積層体LMの層方向の層厚が薄くなった第2の部分を有する。
【0039】
板状コンタクトLIのY方向に向かい合う側壁上において、絶縁層55のY方向の層厚は、コンタクト部LIcを除く階段領域SR全体に亘って略均一である。メモリ領域MRにおける絶縁層55のY方向の層厚は、階段領域SRにおいて層厚が略均一である絶縁層55の第1の部分よりも薄く、メモリ領域MR全体に亘って略均一である。
【0040】
図2(b)(c)に示すように、絶縁層55は、階段領域SRにおいて、複数のコンタクト部LIcの配置位置を除く板状コンタクトLIの下部にも配置されている。つまり、板状コンタクトLIは、階段領域SRにおいて、複数のコンタクト部LIcによってX方向に分断された絶縁層55を第2の絶縁層として下部に含む。板状コンタクトLI下部に配置される絶縁層55の高さ位置は、例えば積層体LMの上面高さの半分以下とすることが好ましい。
【0041】
なお、絶縁層55は、メモリ領域MRにおいては、板状コンタクトLIの下部には配置されない。
【0042】
第3の導電層としての導電層22は例えばタングステン層等である。導電層22は、上述のとおり、積層体LMの積層方向およびX方向に沿う方向に延び、階段領域SRからメモリ領域MRに亘って積層体LM内を連続的に延びる。また、導電層22は、階段領域SRでは板状コンタクトLI内の上部位置で、複数のワード線WLの一部をY方向に分割するようにX方向に沿う方向に延び、メモリ領域MRでは積層体LMの積層方向全体に亘ってコンタクトLM内をX方向に沿う方向に延びる。
【0043】
これにより、導電層22は、階段領域SRにおいて複数のコンタクト部LIcをX方向に連結する。すなわち、導電層22は、階段領域SRにおいて少なくとも一部がコンタクト部LIcによってソース線SLと接続されている。また、導電層22は、メモリ領域MRにおいてX方向に沿う方向で連続的にソース線SLと接続される。導電層22は、絶縁層53中に配置されるプラグV0を介して、絶縁層58中に配置される上層配線MXと接続される。このような構成により、板状コンタクトLIはソース線コンタクトとして機能することとなる。
【0044】
なお、プラグV0をコンタクト部LIc上に配置して、ソース線SL、コンタクト部LIc、導電層22、プラグV0、及び上層配線MXの電気的なパスを短くすることが好ましい。
【0045】
図3(a)(b)に示すように、コンタクト部LIcにおける導電層22のY方向の幅は、階段領域SRにおけるコンタクト部LIc以外の板状コンタクトLIにおける導電層22のY方向の幅より広い。また、メモリ領域MRにおける導電層22のY方向の幅は、略一定であり、階段領域SRにおけるコンタクト部LIc以外の導電層22のY方向の幅よりも広い。
【0046】
これにより、上述のように、コンタクト部LIcにおける導電層22と絶縁層55とを含めた板状コンタクトLIのY方向の幅は、階段領域SRにおけるコンタクト部LIcを除く部分の導電層22と絶縁層55とを含めた板状コンタクトLIのY方向の幅より広くなる。また、メモリ領域MRにおける導電層22と絶縁層55とを含めた板状コンタクトLIのY方向の幅は、階段領域SRにおけるコンタクト部LIcを除く部分の板状コンタクトLIのY方向の幅と略等しい。
【0047】
また、
図2(c)に示す複数の板状コンタクトLIにおいて、紙面右側から順に、コンタクト部LIcから外れた部分、コンタクト部LIc、コンタクト部LIcから外れた部分、及びコンタクト部LIcの断面がそれぞれ示されている。
【0048】
上述のように、コンタクト部LIcにおいて、板状コンタクトLIは、積層体LMの積層方向全体に亘って板状コンタクトLIの側壁を覆う絶縁層55と、絶縁層55の内側で絶縁層52及び積層体LMを貫通してソース線SLに接続する導電層22とを有する。
【0049】
また、コンタクト部LIc以外の断面において、板状コンタクトLIは、積層体LMの積層方向全体に亘って板状コンタクトLIの側壁を覆うとともに板状コンタクトLI下部に充填された絶縁層55と、絶縁層55の内側で絶縁層55上に配置され、ソース線SLとは接続されない導電層22とを有する。
【0050】
図2(a)及び
図3(a)に示すように、メモリ領域MRには、複数のピラーPLが配置されている。
【0051】
複数の第1のピラーとしてのピラーPLは、メモリ領域MRに分散して配置され、積層体LMの積層方向から見て例えば千鳥状に配置される。複数のピラーPLを千鳥状に配置することで、積層体LMにおけるワード線WLの単位面積あたりのピラーPLの配置密度を高めることができる。個々のピラーPLは、積層体LMの層方向に沿う方向の断面形状として、例えば円形、楕円形、または小判型(オーバル型)等の形状を有する。
【0052】
複数のピラーPLのそれぞれは、積層体LM内を積層方向に延びるメモリ層ME、及び積層体LM内を貫通してソース線SLと接続するチャネル層CNを有する。後述するように、メモリ層MEは、ピラーPLの外周側からブロック絶縁層、電荷蓄積層、及びトンネル絶縁層がこの順に積層された多層構造を有する。チャネル層CNは、メモリ層MEの内側およびピラーPLの底面に配置される。チャネル層CNの更に内側にはコア層CRが充填されている。
【0053】
また、複数のピラーPLのそれぞれは、上端部にキャップ層CPを有する。キャップ層CPは、少なくともチャネル層CNの上端部を覆うように絶縁層52中に配置され、チャネル層CNと接続されている。キャップ層CPは、絶縁層52,53中に配置されるプラグCHを介して、絶縁層58中に配置されるビット線BLと接続される。
【0054】
メモリ層MEのブロック絶縁層およびトンネル絶縁層、並びにコア層CNは例えば酸化シリコン層等である。メモリ層MEの電荷蓄積層は例えば窒化シリコン層等である。チャネル層CN及びキャップ層CPは、例えばポリシリコン層またはアモルファスシリコン層等の半導体層である。
【0055】
以上のような構成によって、ピラーPL側面の個々のワード線WLと対向する部分には、それぞれメモリセルMCが形成される。ワード線WLから所定の電圧が印加されることにより、メモリセルMCに対してデータの書き込み及び読み出しが行われる。
【0056】
なお、ワード線WLの上層または下層に選択ゲート線が配置される場合、ピラーPL側面の選択ゲート線と対向する部分には、選択ゲートが形成される。選択ゲート線から所定の電圧が印加されることにより、選択ゲートがオンまたはオフして、その選択ゲートが属するピラーPLのメモリセルMCを選択状態または非選択状態とすることができる。
【0057】
図2(a)(c)に示すように、階段領域SRには階段部SP及びダミー階段部SPdf,SPdsが配置されている。階段部SP及びダミー階段部SPdf,SPdsはそれぞれ、複数のワード線WL及び複数の絶縁層OLが階段状に加工された形状を有する。
【0058】
階段部SPは、メモリ領域MR寄りの位置でX方向に延び、メモリ領域MRから離れる方向に向かって降段していく。ダミー階段部SPdfは、メモリ領域MRから離れた側で階段部SPと対向するようにX方向に延び、階段部SPに近付く方向に向かって降段していく。
【0059】
ダミー階段部SPdsは、階段部SP及びダミー階段部SPdfの間の位置で、階段部SP及びダミー階段部SPdfのY方向片側の板状コンタクトLI近傍に配置される。ダミー階段部SPdsは、Y方向に隣接するもう一方側の板状コンタクトLIと対向するようにY方向に延び、もう一方側の板状コンタクトLIに近付く方向に向かって降段していく。
【0060】
ここで、ダミー階段部SPdf,SPdsにおいては、各段のテラス部分が階段部SPのテラス部分よりも短い。このため、ダミー階段部SPdf,SPdsは、階段部SPよりも急峻な形状を有し、階段長、つまり、最上段から最下段までの長さが階段部SPよりも短い。
【0061】
このように階段部SP及びダミー階段部SPdf,SPdsが配置されることで、階段領域SRでは、積層体LMが擂り鉢状に窪んだ形状となっている。この擂り鉢状の領域には、階段部SP及びダミー階段部SPdf,SPdsの上面を覆うように、酸化シリコン層等の絶縁層51が配置されている。上述の絶縁層52,53,58は、絶縁層51の上面をも覆う。
【0062】
ここで、
図2(c)は、階段部SPの最下段から3段目の断面を示している。
図2(c)において、階段領域SRの中央部に示す板状コンタクトLIのY方向の両側には、それぞれ階段部SPが配置されている。それぞれの階段部SPのY方向における板状コンタクトLIの反対側には、それぞれダミー階段部SPdsが配置されている。
【0063】
階段部SPの各段を構成するワード線WLには、絶縁層52,51及び各段のテラス面を構成する絶縁層OLを貫通するコンタクトCCが接続されている。コンタクトCCは、コンタクトCCの外周を覆う絶縁層54と、絶縁層54の内側に充填されるタングステン層等の導電層21とを有する。導電層21は、絶縁層53中に配置されるプラグV0を介して、絶縁層58中に配置される上層配線MXと接続される。このような構成により、各層のワード線WLを電気的に引き出すことができる。
【0064】
また、階段部SP及びダミー階段部SPdf,SPdsには、複数の柱状部HRが配置されている。
【0065】
複数の第2のピラーとしての柱状部HRは、コンタクトCCとの干渉を回避しつつ階段領域SRに分散して配置され、積層体LMの積層方向から見て例えばグリッド状に配置される。つまり、複数の柱状部HRは、正方格子または長方形格子等の直交格子の交差部のうち、積層体LMの積層方向から見てコンタクトCCとは重ならない交差部にそれぞれ配置されている。
【0066】
このとき、板状コンタクトLIに隣接してX方向に配列される複数の柱状部HRは、板状コンタクトLIのコンタクト部LIcとY方向に対向する位置からずれて配置されていることが好ましい。個々の柱状部HRは、積層体LMの層方向に沿う方向の断面形状として、例えば円形、楕円形、または小判型(オーバル型)等の形状を有する。
【0067】
複数の柱状部HRのそれぞれは、積層体LM内を積層方向に延びてソース線SLに到達する酸化シリコン層等の絶縁層によって構成されており、半導体記憶装置1の機能には寄与しない。後述するように、柱状部HRは、犠牲層と絶縁層とが積層された積層体から積層体LMを形成する際、これらの構成を支持する役割を持つ。
【0068】
なお、
図3(a)(b)に示すように、複数の柱状部HR間のピッチは、例えば複数のピラーPL間のピッチより広く、積層体LMにおけるワード線WLの単位面積あたりの柱状部HRの配置密度は、ワード線WLの単位面積あたりのピラーPLの配置密度よりも低い。また、積層体LMの各層に沿う柱状部HRの断面の面積は、例えば積層体LMの各層に沿うピラーPLの断面の面積よりも大きい。
【0069】
このように、例えば柱状部HRに比べて、ピラーPLの断面積を小さく構成し、狭ピッチとすることで、所定サイズの積層体LM内に高密度に多数のメモリセルMCを形成することができ、半導体記憶装置1の記憶容量を高めることができる。一方、柱状部HRは、専ら積層体LMを支持するために用いられるので、例えばピラーPLのように断面積が小さく狭ピッチの精密な構成としないことで、製造負荷を減らすことができる。
【0070】
なお、上記のようなダミー階段部は、積層体LMのX方向両側の端部、及びY方向両側の端部にも配置され得る。これらのダミー階段部も絶縁層51によって覆われている。絶縁層51は積層体LMの周囲にも広がっている(
図1(a)参照)。また、これらのダミー階段部にも複数の柱状部HRが配置されている。
【0071】
図2(c)に示すように、貫通コンタクト領域TPには、絶縁領域NRが含まれ、複数の柱状部HR及びブロック部BRが配置されている。
【0072】
絶縁領域NRは、複数の絶縁層NLと複数の絶縁層OLとが1層ずつ交互に積層された構成を有する。複数の絶縁層NLは例えば窒化シリコン層等であり、後述するように、犠牲層と絶縁層OLとが積層された積層体から積層体LMを形成する際、ワード線WLに置き換えられることなく残った犠牲層である。
【0073】
絶縁領域NRには貫通コンタクトC4が配置される。貫通コンタクトC4は、絶縁層52、及び絶縁領域NRの絶縁層NL,OLを貫通し、ソース線SLに設けられた開口部OPを通って、周辺回路CUA(
図1(a)参照)を覆う絶縁層50に到達する。貫通コンタクトC4は、貫通コンタクトC4の外周を覆う絶縁層57と、絶縁層57の内側に充填されるタングステン層等の導電層23とを有する。
【0074】
導電層23は、絶縁層53中に配置されるプラグV0を介して、絶縁層58中に配置される上層配線MXと接続される。この上層配線MXは、階段部SPのコンタクトCCと接続されている。また、導電層23は、絶縁層50中に配置される下層配線D2を介して周辺回路CUAと接続される。
【0075】
以上の構成により、周辺回路CUAから、貫通コンタクトC4、コンタクトCC、及びワード線WL等を介してメモリセルMCに所定の電圧を印加して、メモリセルMCを記憶素子として動作させることができる。貫通コンタクトC4は、絶縁層57を有し、また、絶縁層NL,OLが積層された絶縁領域NR内に配置されるので、例えばワード線WL等とのショートが発生してしまうことが抑制される。
【0076】
絶縁領域NRのY方向両側にはブロック部BRが配置されている。ブロック部BRは、絶縁領域NRのX方向の側面に沿ってX方向に延びるとともに、絶縁層52及び積層体LMを貫通してソース線SLに到達する板状の絶縁部材として構成される。ブロック部BRは、後述するように、犠牲層と絶縁層OLとが積層された積層体から積層体LMを形成する際、絶縁領域NRの絶縁層NLがワード線WLに置き換えられることを阻害する。
【0077】
(板状コンタクトの層構造)
次に、
図4を用いて、半導体記憶装置1が備える板状コンタクトLIのより詳細な層構造の例について説明する。
図4は、実施形態にかかる半導体記憶装置1が備える板状コンタクトLIの層構造の一例を示す図である。
【0078】
図4(a)は、階段領域SRにおける板状コンタクトLIのY方向に沿う断面図であって、コンタクト部LIcの断面を示す。
図4(b)は、階段領域SRにおける板状コンタクトLIのY方向に沿う断面図であって、コンタクト部LIcから外れた部分の断面を示す。
図4(c)は、メモリ領域MRにおける板状コンタクトLIのY方向に沿う断面図である。
【0079】
図4(d)は、階段領域SRにおける板状コンタクトLIの横断面図であって、任意のワード線WLの高さ位置における断面を示す。
図4(e)は、メモリ領域MRにおける板状コンタクトLIの横断面図であって、任意のワード線WLの高さ位置における断面を示す。
【0080】
図4(d)に示すように、階段領域SRにおいて、絶縁層55は、板状コンタクトLIのY方向に向かい合う側壁における層厚が、他の部分より薄くなったコンタクト部LIcの部分と、コンタクト部LIcの部分よりも厚くなった部分とを有する。
【0081】
より具体的には、絶縁層55は絶縁層55a,55bを含み、絶縁層55の層厚が厚くなった部分の板状コンタクトLI側壁には、板状コンタクトLIの側壁側から側壁絶縁層としての絶縁層55a,55bがこの順に配置されている。一方、絶縁層55の層厚が薄くなったコンタクト部LIcの側壁には、絶縁層55a,55bのうち絶縁層55bが配置されている。
【0082】
図4(a)(d)に示すように、このコンタクト部LIcにおいては、絶縁層55bの絶縁層OLと対向する面にブロック層61が配置されている。また、コンタクト部LIcにおいて、このブロック層61は、絶縁層55bのワード線WLと対向する面には配置されていない。
【0083】
金属元素含有層としてのブロック層61は、酸化アルミニウム(Al2O3)層等の金属酸化物を含む層である。絶縁層55bの絶縁層OLと対向する面に配置されるブロック層61は、絶縁層OLとワード線WLとの間の位置へと更に延びる。
【0084】
ブロック層61とワード線WLとの間には、更にバリアメタル層24が配置されている。つまり、絶縁層OLとワード線WLとの間には、絶縁層OL側から順に、ブロック層61及びバリアメタル層24が介挿されている。このように、バリアメタル層24は、ワード線WLの表裏層に配置され、ワード線WLを構成するタングステンまたはモリブデン等の金属原子が、隣接する他の層に拡散することを抑制する。バリアメタル層24は、例えばチタン層、窒化チタン層、タンタル層、及び窒化タンタル層の少なくともいずれかの層を含む。
【0085】
同様に、コンタクト部LIcの導電層22と絶縁層55bとの間にもバリアメタル層25が介挿されている。このように、バリアメタル層25は、導電層22と接して配置され、導電層22を構成するタングステン等の金属原子が、隣接する他の層に拡散することを抑制する。バリアメタル層25は、バリアメタル層24と同様、例えばチタン層、窒化チタン層、タンタル層、及び窒化タンタル層の少なくともいずれかの層を含む。
【0086】
図4(b)(d)に示すように、コンタクト部LIcを除く、絶縁層55の層厚が厚くなった部分において、絶縁層55は、層厚方向の所定位置で、積層体LMの積層方向の全体に亘って側壁絶縁層内を延びるブロック層61を含む。より具体的には、ブロック層61は、絶縁層55a,55bの間の位置に介挿され、絶縁層55a,55b間を積層体LMの積層方向に延びる。
【0087】
また、ブロック層61は、板状コンタクトLIのコンタクト部LIc以外の上記部分において、絶縁層55aのワード線WLと対向する面にも配置されている。ブロック層61は、コンタクト部LIc以外の上記部分において、絶縁層55aの絶縁層OLと対向する面には配置されていない。
【0088】
絶縁層55aのワード線WLと対向する面に配置されるブロック層61は、ワード線WLと絶縁層OLとの間の位置へと更に延びる。つまり、ブロック層61は、ワード線WLの積層体LMの積層方向両側の面と、板状コンタクトLIに対向するワード線WLの端面とを覆っている。
【0089】
ブロック層61の更に内側にはバリアメタル層24が配置されている。つまり、絶縁層OLとワード線WLとの間、及び絶縁層55aとワード線WLとの間には、絶縁層OL及び絶縁層55a側から順に、ブロック層61及びバリアメタル層24が介挿されている。同様に、板状コンタクトLIの導電層22と絶縁層55bとの間にはバリアメタル層25が介挿されている。
【0090】
また、絶縁層55a,55b間に介挿されるブロック層61と、絶縁層55aのワード線WLと対向する面に配置されるブロック層61とは、板状コンタクトLIの他の部分よりもY方向両側に迫り出したコンタクト部LIcで終端する絶縁層55aの端部において互いに結合している。つまり、ワード線WLの高さ位置において、ブロック層61は、絶縁層55aの周囲を覆っている。
【0091】
図4(c)(e)に示すように、メモリ領域MRにおいて、板状コンタクトLIは、階段領域SRのコンタクト部LIcと同じ層構造を有する。
【0092】
つまり、メモリ領域MRにおいて、板状コンタクトLIは、Y方向に向かい合う側壁に絶縁層55bを有する。絶縁層55bの絶縁層OLと対向する面にはブロック層61が配置される。ブロック層61は、絶縁層55bのワード線WLと対向する面に配置されることなく、絶縁層OLとワード線WLとの間の位置へと延びる。
【0093】
ブロック層61とワード線WLとの間にはバリアメタル層24が配置されている。同様に、板状コンタクトLIの絶縁層55bと導電層22との間にはバリアメタル層25が配置されている。
【0094】
(半導体記憶装置の製造方法)
次に、
図5~
図14を用いて、実施形態の半導体記憶装置1の製造方法について説明する。
図5~
図14は、実施形態にかかる半導体記憶装置1の製造方法の手順の一例を示す図である。なお、
図5~
図14に示す処理の前に、基板SB上に周辺回路CUAが形成され、周辺回路CUAを覆う絶縁層50が形成され、絶縁層50を覆うソース線SLが形成済みであるものとする。
【0095】
まずは、
図5及び
図6に階段部SPが形成される様子を示す。
図5及び
図6は、後に階段領域SRとなる領域のY方向に沿う断面を示している。
【0096】
図5(a)に示すように、ソース線SL上に、複数の絶縁層NLと複数の絶縁層OLとが1層ずつ交互に積層された積層体LMsを形成する。絶縁層NLは、例えば窒化シリコン層等であり、後に導電材料に置き換えられてワード線WLとなる犠牲層として機能する。
【0097】
図5(b)に示すように、積層体LMsの一部領域において、絶縁層NLと絶縁層OLとを階段状に掘り下げて、階段部SPを形成する。階段部SPは、フォトレジスト層等のマスクパターンのスリミングと、積層体LMsの絶縁層NLと絶縁層OLとのエッチングを複数回繰り返すことで形成される。
【0098】
すなわち、積層体LMsの上面に、階段部SPの形成位置に開口部を有するマスクパターンを形成し、例えば絶縁層NLと絶縁層OLとを1層ずつエッチング除去する。また、酸素プラズマ等による処理で、開口部のマスクパターン端部を後退させて開口部を広げ、絶縁層NLと絶縁層OLとを更に1層ずつエッチング除去する。このような処理を複数回繰り返すことで、マスクパターンの開口部における絶縁層NLと絶縁層OLとが階段状に掘り下げられていく。
【0099】
また、上記の処理を所定回数繰り返すごとに、マスクパターンを新たに形成し直して、マスクパターンの層厚が所定以上に維持されるようにする。このとき、マスクパターンの開口部の位置を調整することで、比較的なだらかに傾斜する階段部SPと、急峻なダミー階段部SPdf,SPdsとが形成される。同様に、積層体LMsのX方向の両端部およびY方向の両端部におけるマスクパターンの端部位置を調整することで、ダミー階段部SPdf,SPdsと同様、急峻なダミー階段部が積層体LMsの4つの端部にそれぞれ形成される。
【0100】
図5(b)は、このように形成された階段部SPの3段目の断面図である。
図5(b)に示す断面は、後に形成される板状コンタクトLIによって、2つの階段部SPに分離される。また、それぞれの階段部SPの積層体LMsのY方向片側には、ダミー階段部SPdsが形成されている。
【0101】
図5(c)に示すように、階段部SPを覆い、積層体LMsの上面の高さまで達する酸化シリコン層等の絶縁層51を形成する。つまり、絶縁層51は、階段部SP及びダミー階段部SPds,SPdfで囲まれた擂り鉢状の領域に形成される。また、絶縁層51は、ダミー階段部を端部に有する積層体LMsの周囲にも形成される。また、積層体LMsの上面、及び階段部SPを含む擂り鉢状の領域における絶縁層51の上面を覆う絶縁層52が更に形成される。
【0102】
図6(a)に示すように、階段部SP及びダミー階段部SPds,SPdfで囲まれた擂り鉢状の領域に、絶縁層52,51及び積層体LMsを貫通してソース線SLに到達する複数のホールHLを形成する。
【0103】
図6(b)に示すように、ホールHL内に酸化シリコン層等の絶縁層が充填され、複数の柱状部HRが形成される。このとき同様に、積層体LMs端部のダミー階段部にも、複数の柱状部HRが形成される。
【0104】
次に、
図7及び
図8にピラーPLが形成される様子を示す。
図7及び
図8は、後にメモリ領域MRとなる領域のY方向に沿う断面を示している。ただし、上述のように、ピラーPLは、円形、楕円形、または小判型(オーバル型)等であるので、断面の方向を問わず同様の断面形状を有する。
【0105】
図7(a)に示すように、メモリ領域MRが形成されることとなる領域においても、上述の各種処理によって、ソース線SL上に積層体LMsが形成され、積層体LMs上に絶縁層52が形成されている。この状態において、絶縁層52及び積層体LMsを貫通し、ソース線SLに到達する複数のメモリホールMHを形成する。
【0106】
図7(b)に示すように、メモリホールMH内に、メモリホールMHの外周側から順に、ブロック絶縁層BK、電荷蓄積層CT、及びトンネル絶縁層TNが積層されたメモリ層MEを形成する。上述のように、ブロック絶縁層BK及びトンネル絶縁層TNは例えば酸化シリコン層等であり、電荷蓄積層CTは例えば窒化シリコン層等である。
【0107】
また、トンネル絶縁層TNの内側に、ポリシリコン層またはアモルファスシリコン層等のチャネル層CNを形成する。チャネル層CNは、メモリホールMHの底面にも形成される。また、チャネル層CNの更に内側に、酸化シリコン層等のコア層CRを充填する。
【0108】
図7(c)に示すように、絶縁層52の上面に露出したコア層CRを所定深さまでエッチング除去して、窪みDNを形成する。
【0109】
図8(a)に示すように、窪みDNの内部をポリシリコン層またはアモルファスシリコン層等で充填してキャップ層CPを形成する。これにより、複数のピラーPLが形成される。
【0110】
図8(b)に示すように、キャップ層CPの上面と共に絶縁層52をエッチバックする。これにより、キャップ層CPの厚さが減少する。
【0111】
図8(c)に示すように、エッチバックにより薄くなった絶縁層52を積み増す。これにより、キャップ層CPの上面が絶縁層52に覆われる。
【0112】
なお、
図5(b)及び
図5(c)の階段部SPを形成する処理、
図6(a)及び
図6(b)の柱状部HRを形成する処理、並びに
図7~
図8のピラーPLを形成する処理は、処理の順番を相互に入れ替え可能である。
【0113】
次に、
図9及び
図10に、後に板状コンタクトLIとなるスリットSTが形成される様子を示す。
【0114】
図9(a)及び
図10(a)は、スリットSTのX方向に沿う断面を示しており、
図2(b)に対応する。
【0115】
図9(b)及び
図10(b)は、階段領域SRのY方向に沿う断面を示している。ここで、
図9(b)に示すように、階段部SPにおいても、上述の
図7及び
図8の処理によって、柱状部HRの上端部がエッチバックされ、絶縁層52が積み増しされて、柱状部HRの上面が絶縁層52に覆われている。
【0116】
図9(c)及び
図10(c)は、階段領域SRの任意の絶縁層NLの高さ位置での横方向の断面を示している。
【0117】
図9に示すように、X方向に沿う方向に延びるとともに、絶縁層52,51及び積層体LMsを貫通し、ソース線SLに到達するスリットSTを形成する。また、スリットST内の一部に充填されるように絶縁層55aを形成する。絶縁層55aは、絶縁層52の上面およびスリットSTの側壁に形成されるとともに、スリットST内の所定高さまで充填される。なお、以降の図面においては、絶縁層52上面の絶縁層55aを省略する。
【0118】
スリットST内に充填される絶縁層55aの高さは、例えば積層体LMsの上面高さの半分以下の高さであることが好ましい。これにより、スリットST内の絶縁層55a上に後に充填される導電層22の体積を充分に確保して、板状コンタクトLIの配線抵抗を下げることができる。
【0119】
図10に示すように、階段領域SRにおけるスリットSTの所定位置に、後にコンタクト部LIcとなるホールSTcを形成する。ここで、
図10(b)に示す複数のスリットSTにおいて、紙面右側から順に、ホールSTcから外れた部分、ホールSTc、及びホールSTcから外れた部分の断面がそれぞれ示されている。
【0120】
図10(a)(b)に示すように、ホールSTcは、
図9の処理で形成されたスリットSTの幅を拡張しつつ、絶縁層52,51、積層体LMs、及びスリットST下部の絶縁層55aを貫通してソース線SLに到達する。つまり、ホールSTcの形成位置において、スリットSTの底面からはソース線SLが露出する。
【0121】
また、ホールSTcの形成によってスリットSTが拡幅されるため、ホールSTc部分において、スリットSTのY方向に向かい合う側壁から絶縁層55aが除去される。これにより、ホールSTcのY方向両側の側面には積層体LMsの絶縁層NL,OLの端面が露出する。
【0122】
また、
図10(c)に示すように、ホールSTcは、スリットSTに隣接してX方向に配列される複数の柱状部HRのそれぞれとY方向に並ばないよう、X方向において柱状部HR同士の間の位置に形成することが好ましい。この場合、コンタクト部LIcのY方向端部から、スリットSTに隣接する柱状部HRまでの距離を、両者をY方向に並べた場合よりも離すことができる。これにより、ホールSTc形成時の位置ずれ、または柱状部HRが傾くこと等によって、コンタクト部LIcと柱状部HRとが接触してしまうことが抑制される。
【0123】
また、ホールSTcは、X方向において、例えば隣接するスリットSTのホールSTc間に形成される。また、1つのスリットSTに属してX方向に間欠的に配置されるホールSTc同士の間隔は、例えばY方向に隣接するスリットST間の距離の1/2以下となっている。
【0124】
なお、
図10に示す処理において、メモリ領域MRのスリットSTにはホールSTcは形成されない。また、
図10に示す処理の前または後に、メモリ領域MRのスリットST内から絶縁層55aを除去する。これにより、スリットSTのY方向に向かい合いX方向に沿う方向に延びる側面には、積層体LMsの絶縁層NL,OLの端面が露出する。また、スリットSTの底面からはソース線SLが露出する。
【0125】
メモリ領域MRのスリットST内から絶縁層55aを除去する際には、階段領域SRのスリットSTをフォトレジスト層等のマスク層で覆っておく。これにより、階段領域SRのスリットSTにおいて絶縁層55aが除去されることが抑制される。
【0126】
次に、
図11に絶縁層NLがワード線WLに置き換えられる様子を示す。
図11(a)(b)は階段領域SRのY方向に沿う断面を示している。
【0127】
図11(a)に示すように、スリットSTから、例えば熱リン酸等の薬液を注入し、積層体LMsの絶縁層NLを除去する。階段領域SRにおいては、スリットSTの一部側壁が絶縁層55aに覆われているものの、ホールSTc部分において絶縁層55aは除去されている。このため、ホールSTc部分を介して薬液が積層体LMsへと浸透して絶縁層NLを除去することができる。
【0128】
一方、メモリ領域MRにおいては、スリットSTの側壁全体から絶縁層55aが除去されているため、スリットSTの側壁全体から薬液が積層体LMsへと浸透して絶縁層NLが除去される。
【0129】
これにより、複数のギャップ層GPを有する積層体LMgが形成される。積層体LMgは、複数のギャップ層GPを有することで脆弱な構造となっている。階段領域SR及び積層体LMg端部では、このような脆弱な積層体LMgを複数の柱状部HRが支持する。メモリ領域MRでは、脆弱な積層体LMgを複数のピラーPLが支持する。これらの柱状部HR及びピラーPLにより、残った絶縁層OLが撓んだり、積層体LMgが歪んだり倒壊したりすることが抑制される。
【0130】
図11(b)に示すように、スリットSTから、例えばタングステンまたはモリブデン等の導電体の原料ガスを注入し、積層体LMgのギャップ層GPを充填して複数のワード線WLを形成する。この場合も、階段領域SRではホールSTc部分を介して、メモリ領域MRではスリットST全体から、原料ガスが積層体LMsへと浸透してワード線WLが形成される。
【0131】
これにより、複数のワード線WLと複数の絶縁層OLとが1層ずつ交互に積層された積層体LMが形成される。なお、
図11に示す絶縁層NLからワード線WLへの置き換え処理をリプレース処理と呼ぶことがある。
【0132】
ここで、
図12にリプレース処理のより詳細な様子を示す。
図12(a)(b)は、階段領域SRの任意の絶縁層NLの高さ位置での横方向の断面を示している。
【0133】
図12(a)に示すように、熱リン酸等の薬液の注入が開始されると、階段領域SRにおいては、ホールSTcから積層体LMsへと同心円状に薬液が広がって絶縁層NLが除去されていく。
【0134】
このとき、上述のように、1つのスリットSTに形成された複数のホールSTc間の距離は、隣接するスリットST間の距離の1/2以下であることが好ましい。これにより、隣接するスリットST間の領域内の絶縁層NLが、Y方向両側のホールSTcから効率的に除去される。
【0135】
また、上述のように、ホールSTcは、隣接するスリットSTに形成されたホールSTcとY方向に並ばないよう、X方向において隣接するスリットSTのホールSTc間に配置されていることが好ましい。これにより、1つのホールSTcがカバーすべき絶縁層NLの除去領域を狭めることができ、より効率的に絶縁層NLが除去される。
【0136】
図12(b)に示すように、積層体LMsへの薬液の浸透が進行すると、複数のホールSTcが上記配置を取ることによって、隣接するスリットST間の領域内の絶縁層NLが略隙間なく網羅的に除去されていく。
【0137】
次に、
図13に絶縁層55bが形成される様子を示す。
図13(a)は、スリットSTのX方向に沿う断面を示しており、
図2(b)に対応する。
図13(b)は、階段領域SRのY方向に沿う断面を示している。
図13(c)は、階段領域SRの任意のワード線WLの高さ位置での横方向の断面を示している。
【0138】
図13に示すように、絶縁層55bが、絶縁層52の上面、並びにスリットSTの側面および底面に形成される。ホールSTcの形成位置では、絶縁層55bは、スリットSTの側面に露出した積層体LMのワード線WL及び絶縁層OLの端面、スリットST下部に充填された絶縁層55aのホールSTcと対向する面、及びスリットSTの底面に露出したソース線SL上に形成される。ホールSTcの形成位置以外では、絶縁層55bは、スリットSTの側面を覆う絶縁層55a上およびスリットST下部に充填された絶縁層55aの上面に形成される。
【0139】
この後、ホールSTc底面の絶縁層55bを除去してソース線SLを露出させ、スリットST内に導電層22を充填する。ホールSTc底面の絶縁層55bを除去する際、絶縁層52の上面、及びスリットST下部に充填された絶縁層55aの上面からも絶縁層55bが除去されてもよい。また、スリットST下部に充填された絶縁層55aのホールSTcと対向する面の絶縁層55bが除去されてもよい。
【0140】
一方、メモリ領域MRにおいては、絶縁層55bは、絶縁層52の上面、並びにスリットSTの積層体LMが露出した側面およびソース線SLが露出した底面に形成される。その後、メモリ領域MRにおいても階段領域SRと並行して、スリットST底面の絶縁層55bを除去してソース線SLを露出させ、スリットST内に導電層22を充填する。スリットST底面の絶縁層55bを除去する際、絶縁層52の上面からも絶縁層55bが除去されてもよい。
【0141】
ここで、
図14に各種の層が形成される様子をより詳細に示す。
図14(Aa)~(Ad)は、階段領域SRにおけるスリットSTのY方向に沿う断面図であって、ホールSTcの断面を示す。
図14(Ba)~(Bd)は、階段領域SRにおけるスリットSTのY方向に沿う断面図であって、ホールSTcから外れた部分の断面を示す。
【0142】
なお、メモリ領域MRにおけるスリットST部分の各層の形成の様子は、
図14(Aa)~(Ad)に示す、ホールSTc部分の各層の形成の様子と同様であるので図示および説明を省略する。
【0143】
図14(Aa)に示すように、スリットSTに形成されたホールSTcを介して積層体LMsの絶縁層NLが除去された後、ギャップ層GPへのワード線WLの形成に先駆けて、積層体LMgの積層方向においてギャップ層GPに隣接する絶縁層OLの上下面にはブロック層61が形成される。このとき、ホールSTc部分においては、スリットSTに面した絶縁層OLの端面にもブロック層61が形成される。
【0144】
図14(Ab)に示すように、積層体LMgの積層方向においてギャップ層GPに隣接する絶縁層OLの上下面に、更にバリアメタル層24が形成される。このとき、スリットSTに面した絶縁層OLの端面にもバリアメタル層24が形成される。これにより、絶縁層OLの上下面および端面に形成されたブロック層61がバリアメタル層24によって覆われる。
【0145】
図14(Ac)に示すように、ギャップ層GPにタングステンまたはモリブデン等を充填してワード線WLを形成する。このとき、タングステンまたはモリブデン等の導電層はスリットST内にも充填される。スリットST内に充填された導電層は除去される。
【0146】
このとき、スリットST内に形成されたブロック層61及びバリアメタル層24のうち、少なくともバリアメタル層24も導電層と共に除去される。一方、ブロック層61は、スリットSTに面した絶縁層OLの端面に残る場合がある。ブロック層61は、酸化アルミニウム層等の絶縁性の層であるので、スリットST内に残っていても板状コンタクトLI等の電気特性に影響を及ぼす恐れはない。
【0147】
図14(Ad)に示すように、スリットSTの側壁を覆う絶縁層55bが形成される。この後、絶縁層55bを覆うバリアメタル層25が更に形成され、スリットST内に導電層22が充填される。
【0148】
これにより、上述の
図4(a)に示す層構造を有するコンタクト部LIcが形成される。
【0149】
図14(Ba)に示すように、ワード線WLの形成に先駆けてブロック層61が形成される際、階段領域SRにおけるホールSTc以外のスリットSTは、側壁に絶縁層55aを有している。このため、ブロック層61は、絶縁層OLの上下面に形成されるとともに、スリットST内の絶縁層55a上にも形成される。また、絶縁層55aのギャップ層GP側の面においては、ブロック層61はギャップ層GPの高さ位置に形成される。絶縁層OLのスリットST側の端面は絶縁層55aで覆われているため、ブロック層61は形成されない。
【0150】
図14(Bb)に示すように、続いてバリアメタル層24が形成される際には、バリアメタル層24は、絶縁層OLの上下面に形成されるとともに、スリットST内の絶縁層55a上、及びギャップ層GPの高さ位置における絶縁層55aのギャップ層GP側の面に形成される。これにより、絶縁層OLの上下面、スリットST内の絶縁層55a上、及びギャップ層GPの高さ位置における絶縁層55aのギャップ層GP側の面に形成されたブロック層61がバリアメタル層24によって覆われる。
【0151】
図14(Bc)に示すように、ワード線WLを形成する際にスリットST内に充填されたタングステンまたはモリブデン等の導電層は除去される。このとき、スリットST内に形成されたバリアメタル層24も導電層と共に除去される。一方、ブロック層61は、絶縁層55aのスリットST側の面上に残る場合がある。
【0152】
図14(Bd)に示すように、スリットSTの側壁を覆う絶縁層55bが形成される。この後、絶縁層55bを覆うバリアメタル層25が更に形成され、スリットST内に導電層22が充填される。
【0153】
これにより、階段領域SRにおいて、上述の
図4(b)に示す層構造を有する板状コンタクトLIが形成される。
【0154】
さらにこの後、階段部SPの各段に、その段に属する最上段のワード線WLに到達するホールを形成し、ホールの側壁に絶縁層54を形成し、絶縁層54の内部に導電層21を充填して、複数のワード線WLにそれぞれ接続されるコンタクトCCを形成する。
【0155】
また、絶縁層52及び積層体LMsを貫通して下層配線D2に到達するホールを形成し、ホールの側壁に絶縁層57を形成し、絶縁層57の内部に導電層23を充填して、下層配線D2を介して周辺回路CUAに電気的に接続される貫通コンタクトC4を形成する。ただし、貫通コンタクトC4を形成するためのホールは、上述の
図9のスリットSTを形成する処理と並行して一括に形成されてもよい。
【0156】
また、絶縁層52上に絶縁層53を形成し、絶縁層53を貫通して、板状コンタクトLI、貫通コンタクトC4、及びコンタクトCCにそれぞれ接続されるプラグV0を形成する。また、絶縁層53,52を貫通して、ピラーPLに接続されるプラグCHを形成する。更に、プラグV0,CHにそれぞれ接続される上層配線MX、ビット線BL等を形成する。
【0157】
以上により、実施形態の半導体記憶装置1が製造される。
【0158】
3次元不揮発性メモリ等の半導体記憶装置の製造工程において、窒化シリコン層等の犠牲層をタングステン層等の導電層に置き換えるリプレース処理が行われる場合がある。リプレース処理においては、犠牲層が除去されて積層体が脆弱な構造となる。このため、積層体中に残った酸化シリコン層等の絶縁層が撓んだり、積層体自体が歪んだり倒壊したりしてしまう場合がある。
【0159】
また、階段部の上方等に形成された絶縁層は引っ張り応力を発生させる。これによって、積層体には圧縮応力が働く。階段部は、この絶縁層に覆われるため応力集中が起こりやすい。階段部に積層体を支持する柱状部を配置しても、柱状部の配置を高密度化するには限度があり、このような応力の影響を充分に抑制できないことがある。
【0160】
ここで、
図15に、犠牲層が除去された状態の積層体の階段部における模式図を示す。
図15(a)は、スリットST’全体を用いてリプレースを行う場合の例であり、任意の絶縁層OL’の高さ位置での横断面図である。
図15(b)は、スリットSTにホールSTcを設けた場合の例であり、任意の絶縁層OLの高さ位置での横断面図である。
【0161】
図15(a)に示すように、スリットST’の側壁に絶縁層を形成せず、スリットST’全体を用いてリプレースを行った場合、スリットST’から離れ、周囲を柱状部HR’に囲まれた領域FB’では、上下がギャップ層となった絶縁層OL’は周囲を柱状部HR’によって支持された両端固定梁のような状態となり、比較的強固な構成を有する。
【0162】
一方、スリットST’とスリットST’に隣接する柱状部HR’との間の領域CL’では、スリットST’側の絶縁層OL’端部を支持するものはなく、片持ち梁のようなより脆弱な構成となっている。
【0163】
この領域CL’では、スリットST’と柱状部HR’とが最大距離MXc’ となる部位が絶縁層OL’の撓みリスクが最大となる部位である。シミュレーションを用いた解析によれば、片持ち梁状の領域CL’では、絶縁層OL’の撓みを許容範囲内に抑えるためには、最大距離MXc’を所定の閾値以下に抑えることが望ましいことが判っている。
【0164】
しかしながら、上述のように、柱状部HR’を高密度に配置するには限界があり、メモリ領域のピラーの配置密度と比較しても、柱状部HR’の配置密度は低い傾向にある。このため、階段部においては絶縁層OL’の撓みリスクがメモリ領域よりも高く、また、階段部の中でもスリットST’近傍の領域CL’において、絶縁層OL’の撓みリスクがいっそう高くなることがある。
【0165】
さらに、シミュレーションを用いた解析によれば、ソース線側に近い積層体下層側の絶縁層OL’において撓みリスクがよりいっそう高くなることが判っている。積層構造を有する積層体に比べ、ソース線およびその下方は、例えば単一の材料から構成された堅固な構造を有している。このため、ソース線と積層体との境界部分が、応力による影響を最も受けやすい領域の1つとなっていると推測される。
【0166】
積層体中に残った絶縁層に撓みが生じると、その後、形成されるワード線の厚さがばらついてしまったり、積層方向に隣接する絶縁層によってギャップ層が閉塞して、ワード線が断線してしまったりすることがある。
【0167】
図15(b)に示すように、スリットSTにホールSTcを設け、ホールSTcを介してリプレースを行った場合、領域FBでは、絶縁層OLは周囲を柱状部HRに支持され、絶縁層OLの撓みリスクは
図15(a)の例と略同等と考えられる。
【0168】
一方、スリットSTとスリットSTに隣接する柱状部HRとの間の領域内で、ホールSTc近傍を除く領域では、スリットST側の絶縁層OLの端部はスリットST側壁の絶縁層55aに支持され、両端固定梁状の比較的強固な構成となっている。したがって、絶縁層OLが片持ち梁状となっているのはホールSTc近傍の領域CLのみである。
【0169】
加えて、領域CLにおいて、絶縁層OLの撓みリスクが最大となる部位でのスリットSTと柱状部HRとの最大距離MXcは、ホールSTcのY方向端部が柱状部HR側へと迫り出しているため、例えば
図15(a)の最大距離MXc’よりも短くなっている。このため、最大距離MXcを上記所定の閾値以下とすることが容易となり、絶縁層OLの撓みを許容範囲内に抑えることができる。
【0170】
また、上述したように、スリットSTに設けられたホールSTcと、スリットSTに隣接する柱状部HRとがY方向に並ばないよう、ホールSTcの形成位置が調整されている。このため、スリットSTと柱状部HRとの最小距離MNcが小さくなり過ぎて、板状コンタクトLIと柱状部HRとが接触してしまうのを抑制することもできる。
【0171】
実施形態の半導体記憶装置1によれば、板状コンタクトLIは、階段部SPにおいてX方向に沿って間欠的に配置され、積層体LMを貫通してソース線SLに接続する複数のコンタクト部LIcを含む。
【0172】
つまり、後にコンタクト部LIcとなるホールSTcを介してリプレースを行うことで、リプレース時における積層体LMgの強度を高めることができる。
【0173】
また、リプレース後、これらのホールSTcをコンタクト部LIcとすることで、コンタクト部LIcを介してソース線SLと導通をとることができ、板状コンタクトLIをソース線コンタクトとして機能させることができる。
【0174】
実施形態の半導体記憶装置1によれば、複数のコンタクト部LIcは、板状コンタクトLIの上部位置でX方向に沿って延びる導電層22によってX方向に沿う方向に連結されている。これにより、板状コンタクトLIの配線抵抗を下げ、電気特性を向上させることができる。
【0175】
実施形態の半導体記憶装置1によれば、板状コンタクトLIは、階段部SPにおいて、複数のコンタクト部LIcによってX方向に沿う方向に分断された絶縁層55aを下部に含む。これにより、リプレース時、スリットST下部の絶縁層55aによって、積層体LMg下層の絶縁層OLをより強固に支持することができる。
【0176】
実施形態の半導体記憶装置1によれば、メモリ領域MRにおいて、導電層22はX方向で連続的にソース線SLと接続されている。これにより、メモリ領域MRにおける板状コンタクトLIの配線抵抗を下げることができる。
【0177】
実施形態の半導体記憶装置1によれば、複数のコンタクト部LIcは、板状コンタクトLIに隣接してX方向に沿って配列される複数の柱状部HRのそれぞれと、Y方向に対向する位置からずれて配置されている。これにより、上述のように、板状コンタクトLIと柱状部HRとの最小距離MNcを所定値以上に維持して、これらが互いに接触してしまうのを抑制することができる。
【0178】
実施形態の半導体記憶装置1によれば、複数のコンタクト部LIcのY方向の幅は、板状コンタクトLIの他の部分のY方向の幅よりも広い。これにより、上述のように、片持ち梁状の領域CLにおけるホールSTcと柱状部HRとの最大距離MXcを縮小して、リプレース時の絶縁層OLの撓みリスクをより減少させることができる。
【0179】
実施形態の半導体記憶装置1によれば、1つの板状コンタクトLIに属する複数のコンタクト部LIcは、隣接する板状コンタクトLIに属する複数のコンタクト部LIcのそれぞれとY方向に対向する位置からずれて配置される。これにより、隣接する板状コンタクトLI間の領域におけるリプレース処理を効率的に行うことができる。
【0180】
実施形態の半導体記憶装置1によれば、1つの板状コンタクトLIに属する複数のコンタクト部LIc同士の距離は、隣接する板状コンタクトLI同士の間の距離の1/2以下である。これにより、隣接する板状コンタクトLI間の領域におけるリプレース処理をいっそう効率的に行うことができる。
【0181】
(変形例1)
次に、
図16を用いて、実施形態の変形例1の半導体記憶装置2について説明する。変形例1の半導体記憶装置2においては、コンタクト部LIcの配置が上述の実施形態とは異なっている。
【0182】
図16は、実施形態の変形例1にかかる半導体記憶装置2の構成の一例を示す横断面図である。具体的には、
図16は、階段領域SRの横断面を示しており、変形例1の半導体記憶装置2が備える複数のワード線WLのうち、任意のワード線WLの高さ位置での横方向の断面図である。
【0183】
図16に示すように、変形例1の半導体記憶装置2において、コンタクト部LIcは、柱状部HRの配置を考慮することなく配置されている。このため、少なくとも一部のコンタクト部LIcは、Y方向において一部の柱状部HRと並ぶこととなっている。これにより、絶縁層OLが片持ち梁状となった領域において、コンタクト部LIcと柱状部HRとの最大距離をいっそう短くして、絶縁層OLの撓みリスクをよりいっそう減少させることができる。
【0184】
一方で、コンタクト部LIcと柱状部HRとが接触することのないよう、コンタクト部LIcと柱状部HRとの最小距離も考慮に入れたうえで、コンタクト部LIcと柱状部HRとを配置することが好ましい。
【0185】
変形例1の半導体記憶装置2によれば、コンタクト部LIcと柱状部HRとの最大距離を縮小できるほか、上述の実施形態の半導体記憶装置1と同様の効果を奏する。
【0186】
(変形例2)
次に、
図17及び
図18を用いて、実施形態の変形例2の半導体記憶装置3について説明する。変形例2の半導体記憶装置3においては、コンタクト部LIcの配置が上述の実施形態とは異なっている。
【0187】
図17は、実施形態の変形例2にかかる半導体記憶装置3の構成の一例を示す横断面図である。具体的には、
図17は、階段領域SRの横断面を示しており、変形例2の半導体記憶装置3が備える複数のワード線WLのうち、任意のワード線WLの高さ位置での横方向の断面図である。
【0188】
図17に示すように、変形例2の半導体記憶装置3において、第1の板状部としての板状コンタクトLIに含まれる複数の第1のコンタクト部としてのコンタクト部LIcと、上記の板状コンタクトLIにY方向に隣接する第2の板状部としての板状コンタクトLIに含まれる複数の第2のコンタクト部としてのコンタクト部LIcとは、互いにY方向に並ぶように配置されている。
【0189】
上述の実施形態のように、互いに隣接する板状コンタクトLIに含まれるコンタクト部LIcが、Y方向に並ばないように配置されることで、リプレース処理の効率を向上させることができる。したがって、変形例2の半導体記憶装置3のように、互いに隣接する板状コンタクトLIのコンタクト部LIcをY方向に並ぶように配置した場合、1つの板状コンタクトLIに属する複数のコンタクト部LIc同士の距離を、互いに隣接する板状コンタクトLI同士の間の距離の1/4以下とすることが好ましい。
【0190】
図18に、隣接する板状コンタクトLIのコンタクト部LIc同士がY方向に並んだ配置において、1つの板状コンタクトLIに属するコンタクト部LIc同士の距離を、上述の実施形態と同程度にした場合のリプレースの様子を示す。
図18(a)(b)は、階段領域SRの任意の絶縁層NLの高さ位置での横方向の断面を示しており、上述の実施形態の
図12に対応する。
【0191】
図18(a)に示すように、熱リン酸等の薬液の注入が開始されると、階段領域SRにおいては、ホールSTcから積層体LMsへと同心円状に薬液が広がって絶縁層NLが除去されていく。
【0192】
図18(b)に示すように、積層体LMsへの薬液の浸透が進行し、例えば上述の実施形態の
図12(b)と同程度の時間が経過した後も、1つのスリットST内で隣接するホールSTc間とY方向に対向する位置において、除去されずに残っている絶縁層NLが占める面積が比較的大きい。
【0193】
上述のように、1つの板状コンタクトLIに属する複数のコンタクト部LIc間の距離を、板状コンタクトLI間の距離の1/4以下とすることでリプレース処理の効率を上げることができ、上述の実施形態と同程度の処理時間でリプレースを行うことができる。
【0194】
変形例2の半導体記憶装置3によれば、コンタクト部LIc間の距離を調整することにより、上述の実施形態の半導体記憶装置1と同様の効果を奏する。
【0195】
(その他の変形例)
上述の実施形態および変形例1,2では、階段領域SRにおいてホールSTcを介したリプレース処理を行うこととした。しかし、メモリ領域MRに配置されるスリットSTにもホールSTcを形成してリプレース処理を行ってもよい。メモリ領域MRにおいても、積層体LMgの周囲に配置される絶縁層51によって圧縮応力が働くため、ホールSTcを介してリプレース処理を行うことで、積層体LMgの構造強度をよりいっそう高めることができる。この場合、コンタクト部LIcの間隔を調整することで、メモリ領域MRにおける板状コンタクトLIの配線抵抗を抑えることが好ましい。
【0196】
また、上述の実施形態および変形例1,2では、ピラーPLのチャネル層CNは、底面においてソース線SLと接続されることとした。しかし、チャネル層CNが側面でソース線SLと接続される構成を採ることも可能である。
図19は、その場合の半導体記憶装置の製造方法の手順の一部を示す図であり、具体的にはメモリ領域MRの断面図を示している。
【0197】
図19(a)に示すように、半導体記憶装置の製造工程において、当初、周辺回路を覆う絶縁層50上には、下部ソース線DSLb、犠牲層SCN、及び上部ソース線DSLtがこの順に積層されている。下部ソース線DSLb及び上部ソース線DSLtは、例えば導電性のポリシリコン層等である。犠牲層SCNは窒化シリコン層等である。
【0198】
上部ソース線DSLt上には積層体LMsが形成されている。積層体LMsには、積層体LMs、上部ソース線DLSt、及び犠牲層SCNを貫通して下部ソース線DSLbに到達するピラーPLsと、絶縁層52、積層体LMs、及び上部ソース線DLStを貫通して犠牲層SCNに到達するスリットSTsとが形成されている。ピラーPLsの底部には、下面から順に、ブロック絶縁層BK、電荷蓄積層CT、トンネル絶縁層TN、及びチャネル層CNがこの順に積層されている。
【0199】
図19(b)に示すように、スリットSTsの側壁に絶縁層59を形成する。このときの絶縁層59は、例えば上述の絶縁層55aの一部分等であってよい。また、スリットSTsを介して、スリットSTsの底面に露出した犠牲層SCNを薬液等によって除去する。このとき、スリットSTs側面には絶縁層59が形成されているため、積層体LMs内の絶縁層NLは除去されない。
【0200】
これにより、下部ソース線DSLb及び上部ソース線DSLtに挟まれたギャップ内に、ピラーPLsの側面が露出する。ピラーPLsの側面は、酸化シリコン層等のブロック絶縁層BKであるので、上記薬液によって除去されない。
【0201】
図19(c)に示すように、スリットSTsから上記薬液とは異なる薬液を注入し、下部ソース線DSLb及び上部ソース線DSLt間のギャップ内に露出したブロック絶縁層BK、電荷蓄積層CT、及びトンネル絶縁層TNを順次除去する。これにより、下部ソース線DSLb及び上部ソース線DSLt間のギャップ内にチャネル層CNの側面が露出する。
【0202】
図19(d)に示すように、導電性のポリシリコン等の原料ガスをスリットSTsから注入し、下部ソース線DSLb及び上部ソース線DSLt間のギャップ内を充填し、ポリシリコン層等の中間ソース線BSLを形成する。これにより、下部ソース線DSLb、中間ソース線BSL、及び上部ソース線DSLtを有する第1の導電層としてのソース線SLsが形成される。また、ピラーPLsのチャネル層CNが、中間ソース線BSLと側面で接続される。
【0203】
この後、メモリ領域MRにおけるスリットSTs側面の絶縁層59等を除去して、スリットSTsを介して積層体LMsのリプレース処理を行えば、チャネル層CNが側面で中間ソース線BSLと接続される半導体記憶装置が得られる。
【0204】
また、上述の実施形態および変形例1,2では、絶縁層NL,OLを交互に積層して積層体LMsを形成することとした。しかし、積層体LMsは複数段(Tier)に分けて形成されてよく、その場合、ピラーPL、柱状部HR、及び階段部SPは、1段分の積層体LMsが形成されるごとに段階的に形成されてよい。これにより、ワード線WLの積層数を更に増加させることができる。
【0205】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0206】
1~3…半導体記憶装置、21~23…導電層、24,25…バリアメタル層、50~55,55a,55b,57~59…絶縁層、61…ブロック層、HR…柱状部、LI…板状コンタクト、LIc…コンタクト部、LM,LMg,LMs…積層体、MC…メモリセル、MR…メモリ領域、NL,OL…絶縁層、PL,PLs…ピラー、SP…階段部、SR…階段領域、ST,STs…スリット、STc…ホール、WL…ワード線。