(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022190508
(43)【公開日】2022-12-26
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20221219BHJP
【FI】
A63F7/02 315A
A63F7/02 320
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021098867
(22)【出願日】2021-06-14
(71)【出願人】
【識別番号】000135210
【氏名又は名称】株式会社ニューギン
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100148563
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 実
(72)【発明者】
【氏名】天野 輝正
【テーマコード(参考)】
2C088
2C333
【Fターム(参考)】
2C088AA36
2C088AA39
2C088AA42
2C088EB55
2C333AA11
2C333CA26
2C333CA50
2C333CA58
(57)【要約】
【課題】遊技に対する興趣を向上できる遊技機を提供すること。
【解決手段】パチンコ遊技機の遊技状態には、低確率状態且つ第1開放状態である第1低確状態と、低確率状態且つ第2開放状態である第2低確状態と、高確率状態且つ第2開放状態である第2高確状態と、がある。主制御CPUは、大当りに当選したことを契機として第2高確状態に制御可能である一方で、転落抽選に当選したことを契機として第2低確状態に制御可能である。そして、第2特別図柄の転落抽選に当選する確率は、第1特別図柄の転落抽選に当選する確率よりも高い。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
乱数を用いた特別抽選の結果に基づいて図柄を変動させて行う変動ゲームを実行するようになっており、前記特別抽選で大当り結果に当選した場合には大当り遊技を付与する遊技機において、
前記特別抽選を実行する特別抽選手段と、
遊技状態に関する制御を行う遊技状態制御手段と、を備え、
前記遊技状態には、第1遊技状態と、該第1遊技状態よりも遊技者にとって有利な第2遊技状態と、があり、
前記遊技状態制御手段は、前記特別抽選で前記大当り結果に当選したことを契機として前記第2遊技状態に制御可能である一方で、前記特別抽選で前記大当り結果とは異なる特定結果に当選したことを契機として前記第1遊技状態に制御可能であり、
前記特別抽選には、第1特別抽選と、第2特別抽選と、があり、
前記第2特別抽選で前記特定結果に当選する確率は、前記第1特別抽選で前記特定結果に当選する確率よりも高いことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記変動ゲームの実行を保留する制御が可能な保留制御手段と、
演出に関する制御が可能な演出制御手段と、を備え、
前記演出制御手段は、
前記特別抽選で前記特定結果に当選した場合には、該特別抽選の結果に基づいて実行される変動ゲームの実行中に特定当選演出を実行させる制御が可能であり、
保留中の前記変動ゲームの中に前記特別抽選で前記大当り結果に当選する変動ゲームが含まれているときには、前記特別抽選で前記特定結果に当選した場合であっても、前記特定当選演出を実行させない請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
演出に関する制御が可能な演出制御手段を備え、
前記演出制御手段は、前記特別抽選で前記特定結果に当選した場合には、該特別抽選の結果に基づいて実行される変動ゲームの実行中に特定当選演出を実行させる制御が可能であり、
前記特定当選演出の演出内容は、前記第1遊技状態中に前記特定結果に当選した場合と、前記第2遊技状態中に前記特定結果に当選した場合と、で異なる請求項1又は請求項2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記第2遊技状態は、前記特別抽選で前記特定結果に当選したことを契機として終了する一方で、前記特別抽選で前記大当り結果に当選した場合には、前記大当り遊技の終了後も継続する請求項1~請求項3のうち何れか一項に記載の遊技機。
【請求項5】
前記遊技状態には、前記第1遊技状態及び前記第2遊技状態よりも遊技者にとって不利な特殊遊技状態があり、
前記遊技状態制御手段は、前記第2遊技状態及び前記特殊遊技状態の何れであっても、前記特定結果に当選したことを契機として前記第1遊技状態に制御する請求項1~請求項4のうち何れか一項に記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技機の一種であるパチンコ遊技機の中には、複数の遊技状態を備えたものがある。
例えば、特許文献1に記載の遊技機では、大当りに当選したことを契機として、大当り遊技の終了後に確変状態に制御する一方で、確変状態中に転落抽選に当選したことを契機として、非確変状態に制御するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、このような遊技機では、遊技状態に関する制御についてさらに工夫することにより、遊技に対する興趣を向上させることが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する遊技機は、乱数を用いた特別抽選の結果に基づいて図柄を変動させて行う変動ゲームを実行するようになっており、前記特別抽選で大当り結果に当選した場合には大当り遊技を付与する遊技機において、前記特別抽選を実行する特別抽選手段と、遊技状態に関する制御を行う遊技状態制御手段と、を備え、前記遊技状態には、第1遊技状態と、該第1遊技状態よりも遊技者にとって有利な第2遊技状態と、があり、前記遊技状態制御手段は、前記特別抽選で前記大当り結果に当選したことを契機として前記第2遊技状態に制御可能である一方で、前記特別抽選で前記大当り結果とは異なる特定結果に当選したことを契機として前記第1遊技状態に制御可能であり、前記特別抽選には、第1特別抽選と、第2特別抽選と、があり、前記第2特別抽選で前記特定結果に当選する確率は、前記第1特別抽選で前記特定結果に当選する確率よりも高いことを要旨とする。
【0006】
上記遊技機について、前記変動ゲームの実行を保留する制御が可能な保留制御手段と、演出に関する制御が可能な演出制御手段と、を備え、前記演出制御手段は、前記特別抽選で前記特定結果に当選した場合には、該特別抽選の結果に基づいて実行される変動ゲームの実行中に特定当選演出を実行させる制御が可能であり、保留中の前記変動ゲームの中に前記特別抽選で前記大当り結果に当選する変動ゲームが含まれているときには、前記特別抽選で前記特定結果に当選した場合であっても、前記特定当選演出を実行させないようにしてもよい。
【0007】
上記遊技機について、演出に関する制御が可能な演出制御手段を備え、前記演出制御手段は、前記特別抽選で前記特定結果に当選した場合には、該特別抽選の結果に基づいて実行される変動ゲームの実行中に特定当選演出を実行させる制御が可能であり、前記特定当選演出の演出内容は、前記第1遊技状態中に前記特定結果に当選した場合と、前記第2遊技状態中に前記特定結果に当選した場合と、で異なるようにしてもよい。
【0008】
上記遊技機について、前記第2遊技状態は、前記特別抽選で前記特定結果に当選したことを契機として終了する一方で、前記特別抽選で前記大当り結果に当選した場合には、前記大当り遊技の終了後も継続するようにしてもよい。
【0009】
上記遊技機について、前記遊技状態には、前記第1遊技状態及び前記第2遊技状態よりも遊技者にとって不利な特殊遊技状態があり、前記遊技状態制御手段は、前記第2遊技状態及び前記特殊遊技状態の何れであっても、前記特定結果に当選したことを契機として前記第1遊技状態に制御するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、遊技に対する興趣を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図3】パチンコ遊技機の電気的構成を示すブロック図。
【
図4】転落抽選の当選確率と特別当り抽選の当選確率を示す説明図。
【
図5】遊技状態及び演出モードの移行態様を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、パチンコ遊技機の一実施形態について説明する。以下の説明において、上、下、左、右、前(表)、及び後(裏)は、遊技者から見たときの各方向を示すものとする。
図1に示すように、遊技機としてのパチンコ遊技機10は、遊技球を発射させるときに遊技者によって操作される発射ハンドルHDを備えている。また、パチンコ遊技機10は、音声を出力するスピーカSpを備えている。スピーカSpは、楽曲や効果音などの音声を出力して行う演出(以下、音声演出と示す)を実行可能である。また、パチンコ遊技機10は、図示しない発光体を用いて行う発光演出を実行する装飾ランプLaを備えている。装飾ランプLaは、図示しない発光体を点灯、点滅、及び消灯することにより発光演出を実行可能である。
【0013】
パチンコ遊技機10は、遊技盤YBを備えている。遊技盤YBの前面側には、遊技球が流下可能な遊技領域YBaが画成されている。本実施形態において、遊技領域YBaには、発射ハンドルHDの操作により発射された遊技球が到達する。
【0014】
パチンコ遊技機10は、情報表示装置11を備えている。例えば、情報表示装置11は、遊技盤YBにおいて、遊技者から視認可能な位置に配設されている。情報表示装置11では、パチンコ遊技機10の制御状態を示す各種の情報が報知される。
【0015】
情報表示装置11は、第1特別図柄表示部11aを備えている。第1特別図柄表示部11aは、所定の図柄を変動表示させ、最終的に第1特別図柄を確定停止表示させる第1特別図柄変動ゲームを実行可能である。以下の説明では、第1特別図柄変動ゲームを略して「第1特別ゲーム」と示す。情報表示装置11は、第2特別図柄表示部11bを備えている。第2特別図柄表示部11bは、所定の図柄を変動表示させ、最終的に第2特別図柄を確定停止表示させる第2特別図柄変動ゲームを実行可能である。以下の説明では、第2特別図柄変動ゲームを略して「第2特別ゲーム」と示す。また、第1特別ゲームと第2特別ゲームをまとめて「特別ゲーム」と示す。本実施形態において、特別ゲームは、図柄を変動させて行う変動ゲームに相当する。特別図柄は、後述する特別当り抽選の結果を報知するための図柄である。
【0016】
本明細書において「変動表示」とは、表示されている図柄の種類が時間の経過とともに変化している状態を意味している。本明細書において「確定停止表示」とは、図柄が確定的に停止表示されており、表示されている図柄の種類が変化しない状態を意味している。図柄について、「確定停止表示」と「導出」とは同じ意味である。本実施形態における特別図柄には、大当り結果としての大当り図柄と、はずれ結果としてのはずれ図柄とが少なくともある。本実施形態において、第1特別ゲーム及び第2特別ゲームは、同時に実行されない。本実施形態において、第2特別ゲームは、第1特別ゲームに優先して実行される。本実施形態では、特別当り抽選において大当り(大当り図柄)に当選した場合、特別ゲームにおいて大当り図柄が導出され、当該特別ゲームの終了後に大当り遊技が付与される。
【0017】
情報表示装置11は、第1特別保留表示部11cを備えている。第1特別保留表示部11cは、保留条件が成立したが未だ実行条件が成立していないことで、その実行が保留されている第1特別ゲームの回数を認識可能な情報を表示する。以下の説明では、保留中の第1特別ゲームの回数を「第1特別保留数」と示す。情報表示装置11は、第2特別保留表示部11dを備えている。第2特別保留表示部11dは、保留条件が成立したが未だ実行条件が成立していないことで、その実行が保留されている第2特別ゲームの回数を認識可能な情報を表示する。以下の説明では、保留中の第2特別ゲームの回数を「第2特別保留数」と示す。例えば、第1特別保留数及び第2特別保留数の最大値はそれぞれ「4」である。なお、特別ゲームの保留条件は、特別ゲームを始動させるための条件(所謂、始動条件)としても把握できる。
【0018】
情報表示装置11は、普通図柄表示部11eを備えている。普通図柄表示部11eは、所定の図柄を変動表示させ、最終的に普通図柄を確定停止表示させる普通図柄変動ゲームを実行可能である。普通図柄は、後述する普通当り抽選の結果を報知するための図柄である。以下の説明では、普通図柄変動ゲームを略して「普通ゲーム」と示す。本実施形態における普通図柄には、普通当り図柄と、普通はずれ図柄とが少なくともある。本実施形態では、普通当り抽選で普通当りに当選すると、普通ゲームにおいて普通当り図柄が導出され、当該普通ゲームの終了後、普通当り遊技が付与される。
【0019】
情報表示装置11は、普通保留表示部11fを備えている。普通保留表示部11fは、保留条件が成立したが未だ実行条件が成立していないことで、その実行が保留されている普通ゲームの回数を認識可能な情報を表示する。以下の説明では、保留中の普通ゲームの回数を「普通保留数」と示す。例えば、普通保留数の最大値は「1」である。
【0020】
パチンコ遊技機10は、演出を実行する演出実行手段としての演出表示装置12を備えている。演出表示装置12は、例えば、液晶ディスプレイ型の表示装置である。なお、演出表示装置12は、有機ELディスプレイ型の表示装置であってもよく、プロジェクタとスクリーンとを含んで構成された表示装置であってもよい。演出表示装置12は、画像が表示される画像表示部GHを備えている。演出表示装置12は、演出の1つとして、所定のキャラクタや文字を模した画像(絵柄)を表示する演出(以下、表示演出と示す)を実行可能である。
【0021】
パチンコ遊技機10は、遊技盤YBにおいて演出表示装置12の下方に、遊技領域YBaに開口している入賞口としての第1始動口13を備えている。第1始動口13は、常時、遊技球を入球させることができるように開口されている。なお、以下の説明では、入賞口に遊技球が入球することを「入賞」と示す場合がある。パチンコ遊技機10は、第1始動口13に入球した遊技球を検知する第1始動センサSE1を備えている(
図3に示す)。例えば、第1始動センサSE1は、第1始動口13に入球した遊技球が通過する図示しない通路に設けられている。本実施形態では、遊技球が第1始動センサSE1で検知されると、第1特別ゲームの保留条件が成立し得るとともに、賞球の払出条件が成立する。
【0022】
パチンコ遊技機10は、遊技盤YBにおいて演出表示装置12の右下方に、遊技領域YBaに開口している入賞口としての第2始動口14を備えている。また、パチンコ遊技機10は、遊技盤YBにおいて、第2始動口14に遊技球が入球可能な開状態(第1状態)と、第2始動口14に遊技球が入球し得ない、又は開状態と比較して第2始動口14に遊技球が入球しにくい閉状態(第2状態)と、をとり得る動作手段としての第1可変部材15を備えている。パチンコ遊技機10は、第1可変部材15を動作させる第1アクチュエータA1を備えている(
図3に示す)。第1可変部材15は、普通当り遊技において、開状態に動作される。
【0023】
また、パチンコ遊技機10は、第2始動口14に入球した遊技球を検知する第2始動センサSE2を備えている(
図3に示す)。例えば、第2始動センサSE2は、第2始動口14に入球した遊技球が通過する図示しない通路に設けられている。本実施形態では、遊技球が第2始動センサSE2で検知されると、第2特別ゲームの保留条件が成立し得るとともに、賞球の払出条件が成立する。
【0024】
パチンコ遊技機10は、遊技盤YBにおいて、第2始動口14の左下方に、遊技領域YBaに開口している大入賞口16を備えている。また、パチンコ遊技機10は、遊技盤YBにおいて、大入賞口16に遊技球が入球可能な開状態と、大入賞口16に遊技球が入球し得ない閉状態と、をとり得る第2可変部材17を備えている。第2可変部材17は、所謂大入賞口扉である。パチンコ遊技機10は、第2可変部材17を動作させる第2アクチュエータA2を備えている(
図3に示す)。第2可変部材17は、大当り遊技において、開状態に動作される。
【0025】
パチンコ遊技機10は、大入賞口16に入球した遊技球を検知するカウントセンサSE3を備えている(
図3に示す)。例えば、カウントセンサSE3は、大入賞口16に入球した遊技球が通過する図示しない通路に設けられている。本実施形態では、遊技球がカウントセンサSE3で検知されると、賞球の払出条件が成立する。
【0026】
パチンコ遊技機10は、遊技盤YBにおいて、演出表示装置12の右方に、遊技球が通過(入球)可能なゲート18を備えている。ゲート18は、ゲート18を通過する遊技球を検知するゲートセンサSE4を備えている(
図3に示す)。本実施形態では、遊技球がゲートセンサSE4で検知されると、普通ゲームの保留条件が成立し得る。
【0027】
次に、本実施形態において、遊技球が流下する経路について説明する。
上記のように構成されたパチンコ遊技機10は、遊技領域YBaにおいて遊技球が流下する経路として、遊技球の発射強度に応じた複数通りの経路を有している。遊技球が流下する経路は、遊技球が流下する領域として把握することもできる。複数通りの経路には、演出表示装置12の左側を流下する第1経路R1と、演出表示装置12の右側を流下する第2経路R2と、がある。第1経路R1と第2経路R2は、一部が重複してもよく、全部が重複していなくてもよい。以下の説明では、遊技盤YBを正面視したときに遊技領域YBaにおいて左側に位置する領域を左側領域R1aと示し、右側に位置する領域を右側領域R2aと示す。左側領域R1aを流下する経路は第1経路R1に相当し、右側領域R2aを流下する経路は第2経路R2に相当する。本実施形態において、左側領域R1aは第1遊技領域に相当し、右側領域R2aは第2遊技領域に相当する。
【0028】
そして、遊技者は、発射ハンドルHDを操作して遊技球の発射強度を調整することで、左側領域R1a及び右側領域R2aに遊技球を打ち分けることができる。本実施形態において、第1経路R1上(左側領域R1a)には、第1始動口13が配設されている。また、本実施形態において、第2経路R2上(右側領域R2a)には、第2始動口14、大入賞口16、及びゲート18が配設されている。このため、発射強度を弱めに調整して遊技球を発射させた場合、遊技球が左側領域R1aを流下し易く、第1始動口13へ入球する可能性がある。一方、発射強度を強めに調整して遊技球を発射させた場合、遊技球が右側領域R2aを流下し易く、第2始動口14、大入賞口16、及びゲート18へ入球する可能性がある。
【0029】
以下の説明では、遊技球が第1経路R1上を流下し易い発射強度で遊技球を発射することを「左打ち」と示す場合がある。また、遊技球が第2経路R2上を流下し易い発射強度で遊技球を発射することを「右打ち」と示す場合がある。
【0030】
次に、パチンコ遊技機10の遊技状態について説明する。
パチンコ遊技機10は、大当り確率が異なる遊技状態として、低確率状態と高確率状態とを備えている。高確率状態は、低確率状態よりも大当りに当選する確率が高い遊技状態である。高確率状態は、所謂「確率変動状態(確変状態)」であり、低確率状態は、所謂「非確率変動状態(非確変状態)」である。
【0031】
パチンコ遊技機10は、第2始動口14への遊技球の入球率が異なる遊技状態として、第1開放状態と第2開放状態とを備えている。第2開放状態は、第1開放状態と比較して、遊技球が第2始動口14に入球する確率が高い遊技状態である。なお、本実施形態では、第1開放状態である場合には、遊技球が第2始動口14に入球し得ないように構成されている。本実施形態における第2開放状態は、所謂「電サポ状態」であり、第1開放状態は、所謂「非電サポ状態」である。
【0032】
例えば、第2開放状態は、次に説明する4つの制御のうち任意に選択された1の制御を行うことにより、又は複数の制御を組み合わせて行うことにより実現できる。第1の制御は、普通ゲームの変動時間を、第1開放状態のときよりも短くする普通図柄の変動時間短縮制御である。第2の制御は、普通当り抽選において普通当りに当選する確率(普通当り確率)を、第1開放状態のときよりも高確率に変動させる普通図柄の確率変動制御である。第3の制御は、普通当り遊技における第1可変部材15の1回の開放時間を、第1開放状態のときよりも長くする開放時間延長制御である。第4の制御は、1回の普通当り遊技における第1可変部材15の開放回数を第1開放状態のときよりも多くする開放回数増加制御である。
【0033】
なお、本実施形態において、第1開放状態であるときには、第2開放状態であるときと比較して、普通当り遊技における第1可変部材15の開放時間が極めて短くなる。このため、本実施形態において、第1開放状態であるときには、実質的に遊技球が第2始動口14に入球し得ない。
【0034】
また、本実施形態において、第2開放状態は、次に説明する第5の制御を組み合わせて実現される。第5の制御は、特別ゲームの変動時間(例えば平均の変動時間)を、第1開放状態のときよりも短くする特別図柄の変動時間短縮制御である。
【0035】
以下の説明では、低確率状態且つ第1開放状態であるときの遊技状態を第1低確状態と示す。また、以下の説明では、低確率状態且つ第2開放状態であるときの遊技状態を第2低確状態、高確率状態且つ第1開放状態であるときの遊技状態を第1高確状態、高確率状態且つ第2開放状態であるときの遊技状態を第2高確状態と示す。なお、本実施形態では、第1高確状態に制御されることはない。本実施形態において、第1低確状態は通常遊技状態に相当し、第2低確状態及び第2高確状態は有利遊技状態に相当する。
【0036】
本実施形態において、第2高確状態は、低確率状態と比較して大当り確率が高い高確率状態に制御されているときの遊技状態であることから、第2低確状態と比較して遊技者にとって有利な遊技状態であるといえる。本実施形態において、第2低確状態は第1遊技状態及び第1有利遊技状態に相当し、第2高確状態は第2遊技状態及び第2有利遊技状態に相当する。また、本実施形態において、第1低確状態は、第2開放状態と比較して第2始動口14への遊技球の入球率が低い第1開放状態に制御されているときの遊技状態であることから、第2低確状態と比較して遊技者にとって不利な遊技状態であるといえる。さらに、本実施形態において、第1低確状態は、高確率状態と比較して大当り確率が低い低確率状態に制御されており、且つ、第2開放状態と比較して第2始動口14への遊技球の入球率が低い第1開放状態に制御されているときの遊技状態であることから、第2高確状態と比較して遊技者にとって不利な遊技状態であるといえる。本実施形態において、第1低確状態は、特殊遊技状態に相当する。
【0037】
次に、パチンコ遊技機10における大当り図柄について説明する。
図2に示すように、本実施形態のパチンコ遊技機10は、特別図柄の大当り図柄として、複数種類の大当り図柄を備えている。特別図柄の大当り図柄は、大当り図柄ZAと大当り図柄ZBとに分類されている。複数種類の大当り図柄には、それぞれ大当りの種類が定められている。本実施形態では、100種類の第1特別図柄の大当り図柄のうち、50種類の大当り図柄が大当り図柄ZAに、50種類の大当り図柄が大当り図柄ZBに、それぞれ分類されている。また、本実施形態では、100種類の第2特別図柄の大当り図柄の全てが大当り図柄ZBに分類されている。なお、以下の説明では、大当り図柄ZAに基づく大当りを「大当りZA」と示すとともに、大当り図柄ZBに基づく大当りを「大当りZB」と示す。
【0038】
本実施形態において、大当りZAに基づく大当り遊技では、ラウンド遊技の上限回数(図中、ラウンド数と示す)として4回が定められている。また、大当りZBに基づく大当り遊技では、ラウンド遊技の上限回数として10回が定められている。本実施形態において、大当りZA,ZBに基づく大当り遊技では、各ラウンド遊技の上限時間として25秒が定められている。
【0039】
また、各大当りには、大当り遊技後の確率状態が定められている。具体的に、大当りZA及び大当りZBには、大当り遊技後の確率状態として、高確率状態が定められている。なお、本実施形態において、大当り遊技後に高確率状態が付与される場合には、次の大当り遊技が生起されるまで、又は、転落抽選において高確率状態を終了させる終了結果(転落結果)に当選するまでの間、高確率状態が付与される。なお、以下の説明では、転落抽選において終了結果に当選することを、単に「転落抽選に当選」と示す場合がある。転落抽選について、詳しくは後述する。
【0040】
また、各大当りには、大当り遊技後の開放状態が定められている。具体的に、大当りZA及び大当りZBには、大当り遊技後の開放状態として、第2開放状態が定められている。本実施形態において、大当り遊技後に第2開放状態が付与される場合には、次の大当り遊技が生起される大当り終了条件が成立するまで、又は、転落抽選に当選し且つ作動回数(本実施形態では100回)の特別ゲームが終了する転落終了条件が成立するまでの間、第2開放状態が付与される。転落終了条件は、第2開放状態に制御されてから作動回数の特別ゲームが終了するまでの間に転落抽選に当選し、その後、第2開放状態に制御されてから作動回数の特別ゲームが終了した場合、及び、第2開放状態に制御されてから作動回数の特別ゲームが終了した後に転落抽選に当選した場合に成立する。即ち、転落終了条件は、第2開放状態に制御された後、転落抽選に当選することと、第2開放状態に制御されてから作動回数の特別ゲームが終了することと、の両方が成立した時点で成立する。本実施形態において、作動回数は、特定回数に相当する。
【0041】
これによれば、大当りZA又は大当りZBに基づく大当り遊技後には、次の大当り遊技が生起されない場合、少なくとも作動回数の特別ゲームが終了するまでは第2開放状態が継続するとともに、作動回数の特別ゲームが終了した後であっても、転落抽選に当選するまでは第2開放状態が継続する。言い換えれば、大当りZA又は大当りZBに基づく大当り遊技後には、次の大当り遊技が生起されない場合、高確率状態が継続しているか否かにかかわらず、作動回数の特別ゲームが終了するまでは第2開放状態が継続するとともに、作動回数の特別ゲームが終了した後であっても、高確率状態が継続している限りは第2開放状態が継続する。
【0042】
次に、パチンコ遊技機10において実行される演出図柄変動ゲームについて説明する。
本実施形態において、演出表示装置12は、演出図柄を複数列で変動表示させるとともに、最終的に演出図柄の組み合わせを導出させる演出図柄変動ゲームを実行可能である。以下の説明では、演出図柄変動ゲームを略して「演出ゲーム」と示す。演出図柄は、キャラクタや模様等の装飾が施された図柄(飾り図柄)であって、表示演出を多様化させるためのものである。本実施形態において、演出ゲームは、第1列、第2列、及び第3列の図柄列をそれぞれ所定の方向に変動表示(スクロール表示)させて行われる。
【0043】
演出ゲームは、特別ゲームの開始に伴って開始され、特別ゲームの終了に伴って終了される。具体的に、演出ゲームでは、第1列~第3列の各図柄列において演出図柄が一時的に停止表示(以下、一旦停止表示と示す)された後に、各図柄列に一旦停止表示されている演出図柄が確定停止表示されることにより、演出図柄の組み合わせが導出される。演出ゲームでは、特別ゲームにて導出された特別図柄に応じた演出図柄の組み合わせが導出される。特別ゲームで大当り図柄(大当り結果)が導出される場合には、演出ゲームでも、演出図柄による大当りの図柄組み合わせ(大当り結果)が導出される。また、特別ゲームではずれ図柄(はずれ結果)が導出される場合には、演出ゲームでも、演出図柄によるはずれの図柄組み合わせ(はずれ結果)が導出される。なお、以下の説明では、特別ゲームと演出ゲームとをまとめて「変動ゲーム」と示す場合がある。
【0044】
次に、パチンコ遊技機10の電気的構成について説明する。
図3に示すように、パチンコ遊技機10は、遊技盤YBの裏側(後方)に主制御基板30を備えている。主制御基板30は、各種の処理を行い、該処理の結果に応じて制御信号(制御コマンド)を出力する。また、パチンコ遊技機10は、遊技盤YBの裏側(後方)に副制御基板31を備えている。副制御基板31は、主制御基板30から入力した制御信号に基づいて所定の処理を実行する。
【0045】
まず、主制御基板30について詳しく説明する。
主制御基板30は、主制御CPU30aと、主制御ROM30bと、主制御RAM30cと、を備えている。主制御CPU30aは、主制御プログラムを実行することにより、各種の処理を行う。
【0046】
主制御ROM30bは、主制御プログラムや、所定の抽選に用いられる判定値などを記憶している。また、主制御ROM30bは、複数種類の変動パターンを記憶している。変動パターンは、特別ゲームが開始されてから、特別ゲームが終了される迄の変動時間を特定可能な情報である。また、変動パターンは、特別ゲームの実行中に行う演出ゲームの演出内容の少なくとも一部を特定可能な情報である。
【0047】
本実施形態の変動パターンには、大当り変動パターンと、はずれ変動パターンとがある。大当り変動パターンは、演出ゲームにおいて最終的に大当りの図柄組み合わせを導出する変動パターンである。はずれ変動パターンは、演出ゲームにおいて、最終的にはずれの図柄組み合わせを導出する変動パターンである。
【0048】
主制御RAM30cは、パチンコ遊技機10の動作中に書き換えられる様々な情報を記憶可能に構成されている。主制御RAM30cが記憶する情報は、例えばフラグ、カウンタ、及びタイマなどである。また、主制御基板30は、乱数を生成可能に構成されている。例えば、乱数は、ハードウェア乱数として生成されてもよく、ソフトウェア乱数として生成されてもよい。
【0049】
主制御CPU30aと、第1始動センサSE1、第2始動センサSE2、カウントセンサSE3、及びゲートセンサSE4とは、接続されている。主制御CPU30aは、各センサが遊技球を検知した際に出力する検知信号を入力可能に構成されている。主制御CPU30aと、情報表示装置11(第1特別図柄表示部11a、第2特別図柄表示部11b、第1特別保留表示部11c、第2特別保留表示部11d、普通図柄表示部11e、普通保留表示部11f)とは、接続されている。主制御CPU30aは、情報表示装置11の表示内容を制御可能に構成されている。主制御CPU30aと、第1アクチュエータA1及び第2アクチュエータA2とは、接続されている。主制御CPU30aは、各アクチュエータの動作を制御可能に構成されている。本実施形態において、主制御CPU30aは、第1アクチュエータA1の動作を制御することにより、第1可変部材15を制御する動作制御手段として機能する。
【0050】
次に、副制御基板31について説明する。
副制御基板31と、主制御基板30とは、接続されている。パチンコ遊技機10では、主制御基板30から副制御基板31への一方向に制御信号を出力可能に構成されている。
【0051】
副制御基板31は、副制御CPU31aと、副制御ROM31bと、副制御RAM31cと、を備えている。副制御CPU31aは、副制御プログラムを実行することにより、各種の処理(例えば、演出に関する処理)を行う。これにより、本実施形態において、副制御CPU31aは、演出に関する制御が可能な演出制御手段として機能する。副制御ROM31bは、副制御プログラムや、抽選に用いられる判定値などを記憶している。副制御ROM31bは、表示演出に関する表示演出データ、発光演出に関する発光演出データ、及び音声演出に関する音声演出データを記憶している。
【0052】
また、副制御RAM31cは、パチンコ遊技機10の動作中に適宜書き換えられる様々な情報を記憶可能に構成されている。副制御RAM31cが記憶する情報は、例えばフラグ、カウンタ、及びタイマなどである。また、副制御基板31は、乱数を生成可能に構成されている。乱数は、ハードウェア乱数として生成されてもよく、ソフトウェア乱数として生成されてもよい。
【0053】
副制御CPU31aと、演出表示装置12とは、接続されている。副制御CPU31aは、演出表示装置12の表示内容を制御可能に構成されている。副制御CPU31aと、装飾ランプLaとは、接続されている。副制御CPU31aは、装飾ランプLaの発光態様を制御可能に構成されている。副制御CPU31aと、スピーカSpとは、接続されている。副制御CPU31aは、スピーカSpによる音声の出力態様を制御可能に構成されている。
【0054】
次に、パチンコ遊技機10において実行される各種の処理(制御)について説明する。
主制御CPU30aは、主制御プログラムに基づき特別図柄入力処理や特別図柄開始処理などの各種処理を実行する。主制御CPU30aは、所定の制御周期(例えば4ms)毎に特別図柄入力処理や特別図柄開始処理などの各種処理を実行する。
【0055】
まず、特別図柄入力処理について説明する。
特別図柄入力処理において、主制御CPU30aは、第1始動口13に遊技球が入球したかを判定する。このとき、主制御CPU30aは、第1始動センサSE1から検知信号を入力することによって、第1始動口13に遊技球が入球したと判定する。第1始動口13に遊技球が入球している場合、主制御CPU30aは、主制御RAM30cに記憶されている第1特別保留数が上限数(本実施形態では4)未満であるかを判定する。第1特別保留数が上限数未満である場合、主制御CPU30aは、主制御RAM30cに記憶されている第1特別保留数を1加算して更新する。このとき、主制御CPU30aは、更新後の第1特別保留数を表示するように、情報表示装置11を制御する。このように、本実施形態では、第1特別保留数が上限数未満である場合に、第1始動口13に遊技球が入球することで、第1特別ゲームの保留条件が成立する。言い換えれば、本実施形態では、第1始動口13に遊技球が入球したことを契機として第1特別ゲームを実行可能である。
【0056】
次に、主制御CPU30aは、主制御基板30内で生成している乱数を取得し、取得した乱数に基づく乱数情報を主制御RAM30cに記憶させる。例えば、乱数は、大当り乱数、大当り図柄乱数、変動パターン乱数、転落乱数などである。このとき、主制御CPU30aは、第1特別ゲーム用の乱数情報であること、及び乱数情報の記憶順序が特定可能となるように、乱数情報を記憶させる。本実施形態では、第1特別ゲーム用の乱数情報を主制御RAM30cに記憶させておくことで、該第1特別ゲームの実行条件が成立するまで、その実行を保留することができる。なお、乱数情報は、取得した乱数そのものであってもよく、乱数を所定の手法により加工した情報であってもよい。また、主制御CPU30aは、主制御RAM30cに記憶されている第1特別保留数を特定可能な保留数コマンドを生成し、出力バッファにセットする。なお、本実施形態において、出力バッファにセットされたコマンドは、所定の出力処理において副制御基板31へと出力される。
【0057】
その後、主制御CPU30aは、保留条件が成立した第1特別ゲームの変動内容を特定可能な先読みコマンド(事前判定コマンド)を生成して出力バッファにセットする。具体的に、主制御CPU30aは、取得した乱数の値が、後述する特別図柄開始処理で行われる特別当り抽選において大当りとなる値であるかを事前判定する。また、主制御CPU30aは、取得した乱数の値が、後述する特別図柄開始処理で行われる転落抽選において終了結果に当選する値であるかを事前判定する。そして、主制御CPU30aは、事前判定の結果に基づいて先読みコマンドを生成する。
【0058】
第1始動口13に遊技球が入球していない場合、第1特別保留数が上限数未満ではない場合、及び、第1特別ゲーム用の乱数情報を主制御RAM30cに記憶させた場合、主制御CPU30aは、第2始動口14に遊技球が入球したかを判定する。このとき、主制御CPU30aは、第2始動センサSE2から検知信号を入力することによって、第2始動口14に遊技球が入球したと判定する。第2始動口14に遊技球が入球していない場合、主制御CPU30aは、特別図柄入力処理を終了する。一方、第2始動口14に遊技球が入球している場合、主制御CPU30aは、主制御RAM30cに記憶されている第2特別保留数が上限数(本実施形態では4)未満であるかを判定する。第2特別保留数が上限数未満ではない場合、主制御CPU30aは、特別図柄入力処理を終了する。一方、第2特別保留数が上限数未満である場合、主制御CPU30aは、主制御RAM30cに記憶されている第2特別保留数を1加算して更新する。このとき、主制御CPU30aは、更新後の第2特別保留数を表示するように、情報表示装置11を制御する。このように、本実施形態では、第2特別保留数が上限数未満である場合に、第2始動口14に遊技球が入球することで、第2特別ゲームの保留条件が成立する。言い換えれば、本実施形態では、第2始動口14に遊技球が入球したことを契機として第2特別ゲームを実行可能である。
【0059】
次に、主制御CPU30aは、主制御基板30内で生成している乱数を取得し、取得した乱数に基づく乱数情報を主制御RAM30cに記憶させる。このとき、主制御CPU30aは、第2特別ゲーム用の乱数情報であること、及び乱数情報の記憶順序が特定可能となるように、乱数情報を記憶させる。本実施形態では、第2特別ゲーム用の乱数情報を主制御RAM30cに記憶させておくことで、該第2特別ゲームの実行条件が成立するまで、その実行を保留することができる。また、主制御CPU30aは、主制御RAM30cに記憶されている第2特別保留数を特定可能な保留数コマンドを生成し、出力バッファにセットする。
【0060】
その後、主制御CPU30aは、保留条件が成立した第2特別ゲームの変動内容を特定可能な先読みコマンド(事前判定コマンド)を生成して出力バッファにセットする。具体的に、主制御CPU30aは、取得した乱数の値が、後述する特別図柄開始処理で行われる特別当り抽選において大当りとなる値であるかを事前判定する。また、主制御CPU30aは、取得した乱数の値が、後述する特別図柄開始処理で行われる転落抽選において終了結果に当選する値であるかを事前判定する。そして、主制御CPU30aは、事前判定の結果に基づいて先読みコマンドを生成する。その後、主制御CPU30aは、特別図柄入力処理を終了する。
【0061】
以上のような特別図柄入力処理を実行することにより、主制御CPU30aは、特別ゲームの実行を保留する制御が可能である。即ち、本実施形態では、主制御CPU30aが特別図柄入力処理を実行することにより、特別ゲームの実行を保留する制御が可能な保留制御手段が実現される。
【0062】
次に、特別図柄開始処理について説明する。
まず、主制御CPU30aは、特別ゲームの実行条件が成立しているかを判定する。この判定において、主制御CPU30aは、大当り遊技中ではなく、且つ特別ゲーム中ではない場合に実行条件が成立したと判定する一方で、大当り遊技中、又は特別ゲーム中である場合に実行条件が成立していないと判定する。実行条件が成立していない場合、主制御CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。
【0063】
一方、実行条件が成立している場合、主制御CPU30aは、主制御RAM30cに記憶されている第2特別保留数を取得し、取得した第2特別保留数が0(零)よりも大きいかを判定する。第2特別保留数が0よりも大きい場合、主制御CPU30aは、保留中の第2特別ゲームのうち最先に保留された第2特別ゲームの実行を開始させる。即ち、本実施形態では、特別ゲームの実行条件が成立している場合であって、第2特別ゲームの実行が保留されているときに、保留中の第2特別ゲームのうち最先に保留された第2特別ゲームを開始させるための開始条件が成立する。一方、第2特別保留数が0の場合、第1特別保留数を取得し、取得した第1特別保留数が0よりも大きいかを判定する。第1特別保留数が0よりも大きい場合、主制御CPU30aは、保留中の第1特別ゲームのうち最先に保留された第1特別ゲームの実行を開始させる。即ち、本実施形態では、特別ゲームの実行条件が成立している場合であって、第2特別ゲームの実行が保留されておらず、第1特別ゲームの実行が保留されているときに、保留中の第1特別ゲームのうち最先に保留された第1特別ゲームを開始させるための開始条件が成立する。これにより、本実施形態のパチンコ遊技機10は、第1特別ゲームと第2特別ゲームとを同時に実行させず、第2特別ゲームを優先的に実行させる。このようにして、本実施形態では、特別ゲームの保留条件が成立した後、開始条件の成立を契機として保留中の特別ゲームの実行を開始する。
【0064】
第1特別ゲームの開始条件が成立した場合、主制御CPU30aは、第1特別保留数を1減算して更新するとともに、減算後の第1特別保留数を表示させるように情報表示装置11を制御する。また、主制御CPU30aは、減算後の第1特別保留数を特定可能な保留数コマンドを生成し、出力バッファにセットする。次に、主制御CPU30aは、第1特別ゲーム用の乱数情報のうち、最先に記憶された乱数情報を主制御RAM30cから取得する。そして、主制御CPU30aは、第1特別図柄の転落抽選(以下、第1転落抽選と示す)を行う。続いて、主制御CPU30aは、第1特別図柄の特別当り抽選(以下、第1特別当り抽選と示す)を行う。なお、転落抽選及び特別当り抽選について、詳しくは後述する。
【0065】
同様に、第2特別ゲームの開始条件が成立した場合、主制御CPU30aは、第2特別保留数を1減算して更新するとともに、減算後の第2特別保留数を表示させるように情報表示装置11を制御する。また、主制御CPU30aは、減算後の第2特別保留数を特定可能な保留数コマンドを生成し、出力バッファにセットする。次に、主制御CPU30aは、第2特別ゲーム用の乱数情報のうち、最先に記憶された乱数情報を主制御RAM30cから取得する。そして、主制御CPU30aは、第2特別図柄の転落抽選(以下、第2転落抽選と示す)を行う。続いて、主制御CPU30aは、第2特別図柄の特別当り抽選(以下、第2特別当り抽選と示す)を行う。
【0066】
なお、以下の説明では、特別当り抽選と転落抽選とをまとめて「特別抽選」と示す場合がある。また、以下の説明では、第1特別当り抽選と第1転落抽選とをまとめて「第1特別抽選」と示す場合があるとともに、第2特別当り抽選と第2転落抽選とをまとめて「第2特別抽選」と示す場合がある。
【0067】
ここで、
図4を用いて、本実施形態における特別抽選について説明する。
まず、転落抽選について説明する。転落抽選において、主制御CPU30aは、取得した乱数情報から特定可能な転落乱数の値と、主制御ROM30bに記憶されている転落判定値とをもとに、終了結果に当選とするかの転落抽選を行う。このとき、主制御CPU30aは、第1特別ゲームの開始条件が成立した場合と、第2特別ゲームの開始条件が成立した場合とで異なる転落判定値を用いて転落抽選を行う。このため、本実施形態において、第1転落抽選と第2転落抽選とでは、終了結果に当選する確率が異なる。具体的に、本実施形態において、転落判定値は、第2転落抽選で終了結果に当選する確率が第1転落抽選で終了結果に当選する確率よりも高くなるように振り分けられている。即ち、本実施形態において、第2転落抽選で終了結果に当選する確率は、第1転落抽選で終了結果に当選する確率よりも高い。一方で、本実施形態において、主制御CPU30aは、現在の遊技状態に関わらず同一の確率で終了結果に当選するように転落抽選を行う。
【0068】
転落抽選に当選した場合、主制御CPU30aは、低確率状態であることを特定可能な値を確率状態フラグに設定し、確率状態フラグを更新する。これにより、高確率状態が終了して、低確率状態に制御される。また、転落抽選に当選した場合、主制御CPU30aは、転落抽選に当選したことを特定可能な転落コマンドを生成し、出力バッファにセットする。
【0069】
次に、特別当り抽選について説明する。本実施形態において、主制御CPU30aは、取得した乱数情報から特定可能な大当り乱数の値と、主制御ROM30bに記憶されている大当り判定値とをもとに、特別当り抽選を行う。このとき、主制御CPU30aは、現在の確率状態に応じて異なる大当り判定値を用いて特別当り抽選を行う。具体的に、主制御CPU30aは、高確率状態であるときには、低確率状態であるときと比較して、大当りに当選する確率が高くなるように特別当り抽選を行う。一方で、本実施形態において、主制御CPU30aは、第1特別当り抽選と第2特別当り抽選の何れである場合であっても、同一の確率で大当りに当選するように特別当り抽選を行う。
【0070】
特別当り抽選において大当りに当選した場合、主制御CPU30aは、大当り変動処理を行う。大当り変動処理において主制御CPU30aは、取得した乱数情報から特定される大当り図柄乱数の値に基づいて、特別図柄の大当り図柄を決定する。この決定した大当り図柄が、特別ゲームにて導出される確定停止図柄となる。また、主制御CPU30aは、特別図柄の大当り図柄を決定した場合、変動パターン決定抽選を行うことにより、複数種類の大当り変動パターンの中から大当り変動パターンを決定する。一方、大当り判定において大当りと判定しなかった場合、主制御CPU30aは、はずれ変動処理を行う。はずれ変動処理において主制御CPU30aは、特別図柄のはずれ図柄を決定する。この決定したはずれ図柄が、特別ゲームにて導出される確定停止図柄となる。また、主制御CPU30aは、特別図柄のはずれ図柄を決定した場合、変動パターン決定抽選を行うことにより、複数種類のはずれ変動パターンの中からはずれ変動パターンを決定する。その後、主制御CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。
【0071】
以上のように、本実施形態では、主制御CPU30aが特別図柄開始処理を実行することにより、特別抽選を実行する特別抽選手段が実現される。
特別図柄開始処理を終了すると、主制御CPU30aは、特別図柄開始処理とは別の処理を行うことによって、特別ゲームを実行させる。具体的に、主制御CPU30aは、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動を開始させるように情報表示装置11の表示内容を制御する。また、主制御CPU30aは、特別図柄開始処理において決定した特別図柄を指定する情報(以下、特別図柄指定コマンドと示す)を出力バッファにセットする。また、主制御CPU30aは、変動パターンを指定するとともに演出ゲームの開始を指示する情報(以下、変動パターン指定コマンドと示す)を出力バッファにセットする。また、主制御CPU30aは、特別図柄開始処理において決定した変動パターンに定められた変動時間を計測する。そして、主制御CPU30aは、変動パターンに定められた変動時間が経過すると、特別図柄開始処理において決定した特別図柄が導出されるように、情報表示装置11を制御する。また、主制御CPU30aは、特別図柄開始処理において決定した変動パターンに定められた変動時間が経過すると、演出図柄の組み合わせを導出させるための情報(以下、全図柄停止コマンドと示す)を出力バッファにセットする。
【0072】
このような制御により、本実施形態のパチンコ遊技機10では、乱数を用いた特別抽選の結果に基づいて特別ゲームが実行される。
次に、主制御CPU30aが行う大当り処理について説明する。
【0073】
大当り処理において、主制御CPU30aは、特別図柄開始処理で決定した大当り図柄(即ち、大当りの種類)に基づいて、大当り遊技の種類を特定する。そして、主制御CPU30aは、大当りの特別ゲームの終了後、特定した大当り遊技を付与する制御を開始するとともに、所定の制御情報を出力する。
【0074】
主制御CPU30aは、大当りの特別ゲームが終了すると、最初にオープニング時間の計測を開始するとともに、オープニング演出の実行を指示するコマンド(以下、大当り開始コマンドと示す)を生成し、出力バッファにセットする。主制御CPU30aは、オープニング時間が経過すると、ラウンド遊技を実行させるための処理を行う。具体的に、主制御CPU30aは、ラウンド遊技において大入賞口16が開放されるように、第2アクチュエータA2を制御する。また、主制御CPU30aは、ラウンド遊技を開始させた後、第1終了条件又は第2終了条件が成立すると、大入賞口16を閉鎖させることによりラウンド遊技を終了させる。主制御CPU30aは、このようなラウンド遊技を実行させるための処理を、大当り遊技に定められた上限回数のラウンド遊技が終了するまで繰り返し行う。また、主制御CPU30aは、ラウンド遊技を開始する毎に、ラウンド演出の実行を指示するコマンド(以下、ラウンドコマンドと示す)を生成し、出力バッファにセットする。そして、主制御CPU30aは、最終回のラウンド遊技が終了すると、エンディング演出の実行を指示するコマンド(以下、エンディングコマンドと示す)を生成し、出力バッファにセットする。大当り遊技のエンディング時間が経過すると、主制御CPU30aは、大当り遊技の終了を特定可能な情報(以下、大当り終了コマンド)を生成して出力バッファにセットする。その後、主制御CPU30aは、大当り処理を終了する。
【0075】
このような制御により、本実施形態のパチンコ遊技機10では、特別抽選で大当りに当選した場合には大当り遊技が付与される。
次に、主制御CPU30aが行う遊技状態に関する処理について説明する。本実施形態では、主制御CPU30aが遊技状態に関する処理を行うことにより、遊技状態に関する制御を行う遊技状態制御手段が実現される。
【0076】
主制御CPU30aは、大当り遊技を開始させるに際して、遊技状態を第1低確状態に制御する。このため、本実施形態において、大当り遊技中は第1低確状態となる。また、主制御CPU30aは、大当りに当選した場合、大当り図柄(大当りの種類)に応じて大当り遊技の終了後に制御する遊技状態を特定する。そして、主制御CPU30aは、大当り遊技を終了させるに際して、特定した遊技状態に制御する。なお、本実施形態では、何れの大当り図柄である場合であっても、大当り遊技の終了後に制御する遊技状態として第2高確状態が特定される。このため、本実施形態において、主制御CPU30aは、大当り遊技を終了させるに際して、第2高確状態に制御する。即ち、本実施形態において、主制御CPU30aは、特別当り抽選で大当りに当選したことを契機として第2高確状態に制御可能である。なお、本実施形態において、主制御CPU30aは、特別当り抽選で大当りに当選したことを契機としては第2低確状態には制御可能である。
【0077】
また、主制御CPU30aは、第2開放状態に制御する場合、作動回数に相当する回数を、第2開放状態に制御する残り回数として主制御RAM30cに記憶させる。また、主制御CPU30aは、作動回数を特定可能な情報(以下、作動回数コマンドと示す)を出力バッファにセットする。そして、主制御CPU30aは、特別ゲームが実行される毎に、主制御RAM30cに記憶されている作動回数の残り回数を1減算する。
【0078】
そして、主制御CPU30aは、作動回数の残り回数が0となった場合、現在の確率状態が高確率状態であるかを特定する。現在の確率状態が高確率状態である場合、主制御CPU30aは、作動回数の残り回数が0となった特別ゲームの終了後も第2開放状態に制御する。これによれば、本実施形態において、主制御CPU30aは、第2高確状態に制御している場合、作動回数の特別ゲームが実行された後も継続して第2高確状態に制御可能である。その後、主制御CPU30aは、低確率状態となったことを契機として第1開放状態に制御する。一方、作動回数の残り回数が0となったときの確率状態が低確率状態である場合、主制御CPU30aは、作動回数の残り回数が0となった特別ゲームの終了に伴って第1低確状態に制御する。これによれば、本実施形態において、主制御CPU30aは、第2低確状態に制御している場合、作動回数の特別ゲームが実行されるまでを上限として第2低確状態に制御する。
【0079】
また、主制御CPU30aは、転落抽選に当選した場合、主制御RAM30cに記憶されている作動回数の残り回数を特定する。作動回数の残り回数が0である場合、主制御CPU30aは、転落抽選に当選したことを契機として第1低確状態に制御する。一方、作動回数の残り回数が0ではない場合、主制御CPU30aは、転落抽選に当選したことを契機として第2低確状態に制御する。その後、主制御CPU30aは、作動回数の残り回数が0となったことを契機として第1低確状態に制御する。即ち、本実施形態において、主制御CPU30aは、転落抽選で終了結果に当選したことを契機として第2低確状態に制御可能である。なお、本実施形態において、主制御CPU30aは、転落抽選に当選したことを契機としては、第2高確状態には制御不能である。本実施形態において、終了結果は、特定結果に相当する。
【0080】
主制御RAM30cには、遊技状態を特定可能な情報が記憶されている。遊技状態を特定可能な情報には、低確率状態と高確率状態のうち何れであるかを特定可能な確率状態フラグと、第1開放状態及び第2開放状態のうち何れの開放状態であるかを特定可能な開放状態フラグと、がある。
【0081】
低確率状態に制御する場合、主制御CPU30aは、低確率状態を特定可能な値を確率状態フラグに設定するとともに、低確率状態を特定可能な制御情報(以下、低確コマンドと示す)を出力バッファにセットする。また、高確率状態に制御する場合、主制御CPU30aは、高確率状態を特定可能な値を確率状態フラグに設定するとともに、高確率状態を特定可能な制御情報(以下、高確コマンドと示す)を出力バッファにセットする。また、第1開放状態に制御する場合、主制御CPU30aは、第1開放状態を特定可能な値を開放状態フラグに設定するとともに、第1開放状態を特定可能な制御情報(以下、第1開放コマンドと示す)を出力バッファにセットする。また、第2開放状態に制御する場合、主制御CPU30aは、第2開放状態を特定可能な値を開放状態フラグに設定するとともに、第2開放状態を特定可能な制御情報(以下、第2開放コマンドと示す)を出力バッファにセットする。以下の説明では、各遊技状態を特定可能なコマンドをまとめて「遊技状態コマンド」と示す場合がある。
【0082】
ここで、以上のような制御により実現される遊技状態の移行態様について説明する。
図5に示すように、本実施形態では、第1低確状態中に大当りに当選して大当り遊技が付与された場合(図中、大当りと示す)、該大当り遊技の終了後に第2高確状態に制御される。また、本実施形態では、第2低確状態中に大当りに当選して大当り遊技が付与された場合(図中、大当りと示す)にも同様に、該大当り遊技の終了後に第2高確状態に制御される。さらに、本実施形態では、第2高確状態中に大当りに当選して大当り遊技が付与された場合(図中、大当りと示す)、該大当り遊技の終了後に改めて第2高確状態に制御される。即ち、第2高確状態は、特別当り抽選で大当りに当選した場合には、大当り遊技の終了後も継続する。なお、上述したように、本実施形態では、大当り遊技が開始されたことを契機として第1低確状態に制御される。しかしながら、本実施形態では、何れの大当りに基づく大当り遊技が開始された場合であっても、該大当り遊技の終了後に再び第2高確状態に制御される。このため、第2高確状態では、大当り遊技が開始されたことを契機として第1低確状態に制御されるものの、大当り遊技の終了後に再び第2高確状態に制御されることとなり、実質的には第2高確状態が終了されない。言い換えれば、第2高確状態は、特別当り抽選で大当りに当選したことを契機としては終了しない。
【0083】
また、本実施形態では、第2高確状態に制御されてから作動回数の特別ゲームが終了するよりも前に転落抽選に当選した場合(図中、転落当選(作動回数終了前)と示す)、第2低確状態に制御される。一方で、本実施形態では、第2高確状態に制御されてから作動回数の特別ゲームが終了した後に転落抽選に当選した場合(図中、転落当選(作動回数終了後)と示す)、第1低確状態に制御される。即ち、第2高確状態は、転落抽選で終了結果に当選したことを契機として終了する。言い換えれば、第2高確状態の終了条件には、終了結果に当選する特定終了条件があるといえる。
【0084】
さらに、本実施形態では、第2低確状態中に作動回数の特別ゲームが終了した場合(図中、作動回数終了と示す)、第1低確状態に制御される。言い換えれば、第2低確状態の終了条件には、作動回数の特別ゲームが実行される回数終了条件があるといえる。なお、ここで、作動回数の特別ゲームが終了した場合とは、第2低確状態に制御される前の第2高確状態において実行された特別ゲームの回数も含めて、第2開放状態に制御されてから作動回数の特別ゲームが終了した場合を意図している。このため、第2低確状態に制御されてから第1低確状態に制御されるまでに実行される特別ゲームの回数は、必ずしも作動回数とは一致しない。
【0085】
また、主制御CPU30aは、前述した処理の他にも以下に説明する処理を行う。例えば、主制御CPU30aは、普通図柄に関する処理やエラーに関する処理なども行う。普通図柄に関する処理では、ゲートセンサSE4からの検知信号を入力する処理、普通図柄変動ゲームを開始させる処理などを行う。
【0086】
次に、副制御プログラムに基づいて、副制御基板31の副制御CPU31aが実行する各種処理について説明する。副制御CPU31aは、主制御CPU30aから制御信号を入力すると、その制御信号に応じて各種処理を実行する。
【0087】
まず、先読みコマンドを入力したときの処理について説明する。
副制御CPU31aは、先読みコマンドを入力すると、何れの特別ゲームに対応する先読みコマンドであるかと、先読みコマンドを入力した順序とを特定可能となるように先読みコマンドを副制御RAM31cの所定の記憶領域に記憶させる。続いて、副制御CPU31aは、入力した先読みコマンドに基づいて、入力した先読みコマンドに対応する特別ゲームの開始前に実行させる演出を決定するための第2演出決定処理を実行する。なお、先読みコマンドを入力したことを契機として実行する第2演出決定処理について、詳しくは後述する。そして、副制御CPU31aは、決定した演出を実行させるように演出装置群を制御する。本実施形態において、演出装置群には、演出表示装置12、スピーカSp、及び装飾ランプLaを含む。
【0088】
次に、演出ゲームを実行するための演出図柄変動処理について説明する。
演出図柄変動処理において、副制御CPU31aは、特別図柄指定コマンドを入力すると、特別図柄指定コマンドにより指定された特別図柄に基づき、演出ゲームで導出させる演出図柄の組み合わせを決定する。副制御CPU31aは、特別図柄の大当り図柄が指定された場合、演出図柄による大当りの図柄組み合わせを決定する。これにより、本実施形態の演出ゲームでは、特別当り抽選で大当りに当選した場合に、大当り結果が導出される。また、副制御CPU31aは、特別図柄のはずれ図柄が指定された場合、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに基づき、演出ゲームで導出させる演出図柄の組み合わせを決定する。
【0089】
また、副制御CPU31aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、入力した変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに基づいて、特別ゲームの実行中に実行させる演出を決定するための第1演出決定処理を実行する。本実施形態において、特別ゲームの実行中に実行させる演出の決定割合は、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに応じて異ならされている。なお、変動パターン指定コマンドを入力したことを契機として実行する第1演出決定処理について、詳しくは後述する。
【0090】
また、副制御CPU31aは、変動パターン指定コマンドを入力したことを契機として、副制御RAM31cに記憶されている先読みコマンドのうち、入力した変動パターン指定コマンドに対応する先読みコマンドを消去するように制御する。このとき、副制御CPU31aは、第1特別ゲームの変動パターンを特定可能な変動パターン指定コマンドを入力したときには、第1特別ゲームに対応する先読みコマンドのうち最先に記憶された先読みコマンドを消去する。同様に、副制御CPU31aは、第2特別ゲームの変動パターンを特定可能な変動パターン指定コマンドを入力したときには、第2特別ゲームに対応する先読みコマンドのうち最先に記憶された先読みコマンドを消去する。そして、副制御CPU31aは、決定した演出を実行させるように演出装置群を制御する。
【0091】
その後、副制御CPU31aは、全図柄停止コマンドの入力を契機として、演出ゲームを終了させ、演出図柄の組み合わせを導出させるように演出表示装置12の表示内容を制御する。なお、副制御CPU31aは、変動パターン指定コマンドを入力したことを契機として指定された変動パターンから特定される変動時間を計時し、該変動時間が経過したことを契機に演出ゲームを終了させるようにしてもよい。つまり、主制御基板30から全図柄停止コマンドを出力せずに、演出ゲームの終了を制御してもよい。
【0092】
次に、大当り遊技に関する処理について説明する。
副制御CPU31aは、大当り開始コマンドを入力すると、オープニング演出を行わせるように演出装置群を制御する。また、副制御CPU31aは、ラウンドコマンドが入力されると、ラウンド演出を行わせるように演出装置群を制御する。また、副制御CPU31aは、エンディングコマンドが入力されると、エンディング演出を行わせるように演出装置群を制御する。その後、副制御CPU31aは、大当り終了コマンドを入力すると、エンディング演出を終了させるように演出装置群を制御する。
【0093】
次に、遊技状態に関する処理について説明する。
副制御RAM31cには、遊技状態を特定可能な情報が記憶されている。遊技状態を特定可能な情報には、低確率状態と高確率状態のうち何れであるかを特定可能な副確率状態フラグと、第1開放状態と第2開放状態のうち何れであるかを特定可能な副開放状態フラグと、がある。
【0094】
副制御CPU31aは、低確コマンドを入力した場合、低確率状態を特定可能な値を副確率状態フラグに設定する一方で、高確コマンドを入力した場合、高確率状態を特定可能な値を副確率状態フラグに設定する。また、副制御CPU31aは、第1開放コマンドを入力した場合、第1開放状態を特定可能な値を副開放状態フラグに設定する一方で、第2開放コマンドを入力した場合、第2開放状態を特定可能な値を副開放状態フラグに設定する。
【0095】
また、副制御CPU31aは、作動回数コマンドを入力した場合、該作動回数コマンドから特定可能な作動回数を副制御RAM31cに記憶させる。そして、副制御CPU31aは、変動パターン指定コマンドを入力する毎に、副制御RAM31cに記憶されている作動回数を1減算する。これにより、副制御CPU31aは、作動回数の残り回数を特定可能である。
【0096】
以下、本実施形態のパチンコ遊技機10における演出について説明する。
まず、本実施形態における演出モードについて説明する。本実施形態のパチンコ遊技機10は、演出の実行態様を定めた複数の演出モードを備えている。演出の実行態様とは、例えば、実行可能な演出の種類や、演出の実行確率、演出において表示される画像の種類などを含む。
【0097】
本実施形態のパチンコ遊技機10における演出モードには、通常モードと、超天国モードと、天国モードの3種類の演出モードがある。通常モードは、遊技状態が第1低確状態であるときの演出モードである。超天国モードは、遊技状態が第2高確状態であるときの演出モードである。天国モードは、遊技状態が第2低確状態であるときの演出モードである。なお、本実施形態において、超天国モードは第2モードに相当し、天国モードは第1モードに相当する。
【0098】
ここで、演出モードに関して副制御CPU31aが行う制御について説明する。なお、本実施形態では、副制御CPU31aが以下のような制御を行うことにより、演出モードを制御するモード制御手段が実現される。
【0099】
副制御CPU31aは、主制御CPU30aから入力したコマンドに基づいて現在の遊技状態を特定し、特定した遊技状態に応じて演出モードを移行させる制御を行う。このとき、副制御CPU31aは、副制御RAM31cに記憶されているモードフラグの値を更新することにより、演出モードを移行させる。即ち、本実施形態において、副制御CPU31aは、第1低確状態中は通常モードに、第2高確状態中は超天国モードに、第2低確状態中は天国モードに、それぞれ制御可能である。
【0100】
これにより、
図5に示すように、副制御CPU31aは、通常モード中に大当りに当選した場合に超天国モードに制御する。同様に、副制御CPU31aは、天国モード中に大当りに当選した場合に超天国モードに制御する。さらに、副制御CPU31aは、超天国モード中に大当りに当選した場合、継続して超天国モードに制御する。
【0101】
また、副制御CPU31aは、超天国モード中に転落抽選に当選した場合であって、作動回数の特別ゲームが終了していないときには、天国モードに制御する。一方、副制御CPU31aは、超天国モード中に転落抽選に当選した場合であって、作動回数の特別ゲームが終了しているときには、通常モードに制御する。さらに、副制御CPU31aは、天国モード中に作動回数の特別ゲームが終了したときには、通常モードに制御する。
【0102】
次に、本実施形態のパチンコ遊技機10において実行可能な演出について説明する。
本実施形態のパチンコ遊技機10は、実行中の特別ゲームにおいて大当りに当選したことを報知する特別当選演出を実行可能である。言い換えれば、本実施形態において、特別当選演出は、特別当り抽選において大当りに当選した場合に、該大当りに当選した特別ゲームの実行中に実行可能な演出である。
【0103】
また、本実施形態のパチンコ遊技機10は、実行中の特別ゲームにおいて転落抽選に当選したことを報知する特定当選演出を実行可能である。言い換えれば、本実施形態において、特定当選演出は、転落抽選において終了結果に当選した場合に、該終了結果に当選した特別ゲームの実行中に実行可能な演出である。
【0104】
ここで、特別当選演出及び特定当選演出の実行を決定するときの副制御CPU31aの制御について説明する。
副制御CPU31aは、主制御CPU30aから変動パターン指定コマンドを入力したことを契機として第1演出決定処理を実行することにより、特別当選演出及び特定当選演出を実行させるか否かを決定する。
【0105】
図6に示すように、副制御CPU31aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、該変動パターン指定コマンドの出力契機となった特別当り抽選で大当りに当選したか否かを判定する(ステップS10)。このとき、副制御CPU31aは、変動パターン指定コマンドから特定した変動パターンが大当り変動パターンである場合に肯定判定する一方で、大当り変動パターンではない場合に否定判定する。特別当り抽選で大当りに当選した場合(ステップS10:YES)、副制御CPU31aは、保留中の特別ゲームの中に転落抽選に当選する特別ゲームが含まれているか否かを判定する(ステップS11)。このとき、副制御CPU31aは、副制御RAM31cに記憶されている先読みコマンドの中に、転落抽選に当選することを特定可能な先読みコマンドが含まれている場合に肯定判定する一方で、含まれていない場合に否定判定する。
【0106】
保留中の特別ゲームの中に転落抽選に当選する特別ゲームが含まれていない場合(ステップS11:NO)、副制御CPU31aは、特別当選演出を実行するか否かの特別当選演出抽選を実行し、該特別当選演出抽選に当選したか否かを判定する(ステップS12)。特別当選演出抽選に当選した場合(ステップS12:YES)、副制御CPU31aは、特別当選演出の実行を決定したことを示す特別当選演出決定フラグを副制御RAM31c内の所定の記憶領域に設定する(ステップS13)。その後、副制御CPU31aは、第1演出決定処理を終了する。
【0107】
一方、保留中の特別ゲームの中に転落抽選に当選する特別ゲームが含まれている場合(ステップS11:YES)、副制御CPU31aは、特別当選演出の実行を決定することなく第1演出決定処理を終了する。同様に、特別当選演出抽選に当選しなかった場合(ステップS12:NO)、副制御CPU31aは、特別当選演出の実行を決定することなく第1演出決定処理を終了する。
【0108】
また、特別当り抽選で大当りに当選していない場合(ステップS10:NO)、副制御CPU31aは、転落抽選に当選したか否かを判定する(ステップS14)。このとき、副制御CPU31aは、転落コマンドを入力している場合に肯定判定する一方で、転落コマンドを入力していない場合に否定判定する。転落抽選に当選した場合(ステップS14:YES)、副制御CPU31aは、保留中の特別ゲームの中に大当りに当選する特別ゲームが含まれているか否かを判定する(ステップS15)。このとき、副制御CPU31aは、副制御RAM31cに記憶されている先読みコマンドの中に、大当りに当選することを特定可能な先読みコマンドが含まれている場合に肯定判定する一方で、含まれていない場合に否定判定する。
【0109】
保留中の特別ゲームの中に大当りに当選する特別ゲームが含まれていない場合(ステップS15:NO)、副制御CPU31aは、特定当選演出を実行するか否かの特定当選演出抽選を実行し、該特定当選演出抽選に当選したか否かを判定する(ステップS16)。特定当選演出抽選に当選した場合(ステップS16:YES)、副制御CPU31aは、特定当選演出の実行を決定したことを示す特定当選演出決定フラグを副制御RAM31c内の所定の記憶領域に設定する(ステップS17)。
【0110】
続いて、副制御CPU31aは、現在の遊技状態に応じて特定当選演出の演出内容を決定する(ステップS18)。具体的に、副制御CPU31aは、現在の遊技状態が第1低確状態又は第2低確状態であるときには、特定当選演出の演出内容として第1演出内容を決定する。一方、副制御CPU31aは、現在の遊技状態が第2高確状態であるときには、特定当選演出の演出内容として第2演出内容を決定する。即ち、本実施形態において、特定当選演出の演出内容は、第1低確状態又は第2低確状態中に転落抽選に当選した場合と、第2高確状態中に転落抽選に当選した場合と、で異なる。その後、副制御CPU31aは、第1演出決定処理を終了する。
【0111】
一方、転落抽選に当選していない場合(ステップS14:NO)、副制御CPU31aは、特定当選演出の実行を決定することなく第1演出決定処理を終了する。また、保留中の特別ゲームの中に大当りに当選する特別ゲームが含まれている場合(ステップS15:YES)も同様に、副制御CPU31aは、特定当選演出の実行を決定することなく第1演出決定処理を終了する。さらに、特定当選演出抽選に当選しなかった場合(ステップS16:NO)も同様に、副制御CPU31aは、特定当選演出の実行を決定することなく第1演出決定処理を終了する。
【0112】
その後、副制御CPU31aは、第1演出決定処理による決定内容に基づいて、特別ゲームの実行中に特別当選演出及び特定当選演出を実行させるように制御する。
このような制御により、本実施形態において、副制御CPU31aは、特別当り抽選で大当りに当選した場合には、該特別当り抽選の結果に基づいて実行される特別ゲームの実行中に特別当選演出を実行させる制御が可能である。一方で、本実施形態において、副制御CPU31aは、保留中の特別ゲームの中に転落抽選に当選する特別ゲームが含まれているときには、特別当り抽選で大当りに当選した場合であっても、特別当選演出を実行させない。
【0113】
また、このような制御により、本実施形態において、副制御CPU31aは、転落抽選に当選した場合には、該転落抽選の結果に基づいて実行される特別ゲームの実行中に特定当選演出を実行させる制御が可能である。また、本実施形態において、副制御CPU31aは、保留中の特別ゲームの中に特別当り抽選で大当りに当選する特別ゲームが含まれているときには、転落抽選に当選した場合であっても、特定当選演出を実行させない。
【0114】
本実施形態のパチンコ遊技機10は、保留中の特別ゲームの中に大当りに当選する特別ゲームが含まれていることを報知する特別保留演出を実行可能である。言い換えれば、本実施形態において、特別保留演出は、保留中の特別ゲームの中に大当りに当選する特別ゲームが含まれている場合に、該大当りに当選する特別ゲームの開始前に実行可能な演出である。
【0115】
また、本実施形態のパチンコ遊技機10は、保留中の特別ゲームの中に転落抽選に当選する特別ゲームが含まれていることを報知する特定保留演出を実行可能である。言い換えれば、本実施形態において、特定保留演出は、保留中の特別ゲームの中に転落抽選に当選する特別ゲームが含まれている場合に、該転落抽選に当選する特別ゲームの開始前に実行可能な演出である。
【0116】
ここで、特別保留演出及び特定保留演出の実行を決定するときの副制御CPU31aの制御について説明する。
副制御CPU31aは、主制御CPU30aから先読みコマンドを入力したことを契機として第2演出決定処理を実行することにより、特別保留演出及び特定保留演出を実行させるか否かを決定する。
【0117】
図7に示すように、副制御CPU31aは、先読みコマンドを入力すると、該先読みコマンドが大当りに当選することを特定可能な先読みコマンドであるか否かを判定する(ステップS20)。大当りに当選することを特定可能な先読みコマンドである場合(ステップS20:YES)、副制御CPU31aは、実行中の特別ゲームが転落抽選に当選した特別ゲームであるか否かを判定する(ステップS21)。
【0118】
実行中の特別ゲームが転落抽選に当選した特別ゲームではない場合(ステップS21:NO)、副制御CPU31aは、特別保留演出を実行するか否かの特別保留演出抽選を実行し、該特別保留演出抽選に当選したか否かを判定する(ステップS22)。特別保留演出抽選に当選した場合(ステップS22:YES)、副制御CPU31aは、特別保留演出の実行を決定したことを示す特別保留演出決定フラグを副制御RAM31c内の所定の記憶領域に設定する(ステップS23)。その後、副制御CPU31aは、第2演出決定処理を終了する。
【0119】
一方、実行中の特別ゲームが転落抽選に当選した特別ゲームである場合(ステップS21:YES)、副制御CPU31aは、特別保留演出の実行を決定することなく第2演出決定処理を終了する。同様に、特別保留演出抽選に当選しなかった場合(ステップS22:NO)、副制御CPU31aは、特別保留演出の実行を決定することなく第2演出決定処理を終了する。
【0120】
また、大当りに当選する先読みコマンドではない場合(ステップS20:NO)、副制御CPU31aは、転落抽選に当選することを特定可能な先読みコマンドであるか否かを判定する(ステップS24)。転落抽選に当選する先読みコマンドである場合(ステップS24:YES)、副制御CPU31aは、実行中の特別ゲームが大当りに当選する特別ゲームであるか否かを判定する(ステップS25)。
【0121】
実行中の特別ゲームが大当りに当選する特別ゲームである場合(ステップS25:NO)、副制御CPU31aは、現在の遊技状態が第2高確状態であるか否かを判定する(ステップS26)。現在の遊技状態が第2高確状態である場合(ステップS26:YES)、副制御CPU31aは、特定保留演出を実行するか否かの特定保留演出抽選を実行し、該特定保留演出抽選に当選したか否かを判定する(ステップS27)。特定保留演出抽選に当選した場合(ステップS27:YES)、副制御CPU31aは、特定保留演出の実行を決定したことを示す特定保留演出決定フラグを副制御RAM31c内の所定の記憶領域に設定する(ステップS28)。その後、副制御CPU31aは、第2演出決定処理を終了する。
【0122】
一方、転落抽選に当選する先読みコマンドではない場合(ステップS24:NO)、副制御CPU31aは、特定保留演出の実行を決定することなく第2演出決定処理を終了する。また、実行中の特別ゲームが大当りに当選する特別ゲームである場合(ステップS25:YES)も同様に、副制御CPU31aは、特定保留演出の実行を決定することなく第2演出決定処理を終了する。さらに、現在の遊技状態が第2高確状態ではない場合(ステップS26:NO)も同様に、副制御CPU31aは、特定保留演出の実行を決定することなく第2演出決定処理を終了する。そして、特定保留演出抽選に当選しなかった場合(ステップS27:NO)も同様に、副制御CPU31aは、特定保留演出の実行を決定することなく第2演出決定処理を終了する。
【0123】
その後、副制御CPU31aは、第2演出決定処理による決定内容に基づいて、入力した先読みコマンドに対応する特別ゲームの開始前に特別保留演出及び特定保留演出を実行させるように制御する。
【0124】
このような制御により、本実施形態において、副制御CPU31aは、保留中の特別ゲームの中に特別抽選で大当りに当選する特別ゲームが含まれている場合には、特別保留演出を実行させる制御が可能である。一方で、本実施形態において、副制御CPU31aは、転落抽選に当選したときには、保留中の特別ゲームの中に大当りに当選する特別ゲームが含まれている場合であっても、転落抽選に当選した特別ゲームの実行中には特別保留演出を実行させない。
【0125】
また、このような制御により、本実施形態において、副制御CPU31aは、保留中の特別ゲームの中に転落抽選に当選する特別ゲームが含まれている場合には、特定保留演出を実行させる制御が可能である。また、本実施形態において、副制御CPU31aは、特別当り抽選で大当りに当選したときには、保留中の特別ゲームの中に転落抽選に当選する特別ゲームが含まれている場合であっても、大当りに当選した特別ゲームの実行中には特定保留演出を実行させない。
【0126】
本実施形態の効果について説明する。
(1)本実施形態では、第1転落抽選と第2転落抽選とで、終了結果に当選したことを契機として遊技状態が第2低確状態に移行する確率を異ならせることができる。これによれば、遊技状態の移行態様を複雑化して遊技に対する興趣を向上できる。
【0127】
(2)本実施形態では、保留中の特別ゲームの中に大当りとなる特別ゲームが含まれている場合には、転落抽選に当選した場合であっても、特定当選演出が実行されない。これによれば、例えば第2高確状態中に転落抽選に当選したことを契機として第1低確状態又は第2低確状態に制御される場合であっても、その後に保留中の特別ゲームによって大当りに当選するときには、特定当選演出が実行されないため、遊技者を過度に落胆させてしまうことを抑制できる。
【0128】
(3)本実施形態では、転落抽選に当選したときの遊技状態に応じて異なる演出内容で特定当選演出が実行される。これによれば、本実施形態では、第2高確状態中に転落抽選に当選したことを契機として第1低確状態又は第2低確状態に制御される場合と、第1低確状態又は第2低確状態中に転落抽選に当選した場合とで異なる演出内容で特定当選演出が実行されるため、遊技状態の移行態様に応じて適切な演出内容で特定当選演出を実行することができる。
【0129】
(4)第2高確状態に制御している場合、主制御CPU30aは、転落抽選に当選したことを契機として第2高確状態を終了させる場合がある一方で、大当りに当選したことを契機としては第2高確状態を終了させない。このため、本実施形態では、第2高確状態に制御されている場合、転落抽選に当選するか否かに対してより注目させることができる。
【0130】
(5)本実施形態では、転落抽選に当選した特別ゲームが実行されているときには、保留中の特別ゲームの中に大当りに当選する特別ゲームが含まれている場合であっても、特別保留演出が実行されない。これによれば、例えば第2高確状態中に特別保留演出が実行されたにもかかわらず、実行中の特別ゲームで転落抽選に当選して第1低確状態又は第2低確状態に制御されることで、遊技者を落胆させてしまうことを抑制できる。
【0131】
(6)本実施形態では、保留中の特別ゲームの中に転落抽選に当選する特別ゲームが含まれている場合には、大当りに当選した場合であっても、特別当選演出が実行されない。これによれば、例えば第2高確状態において特別当選演出が実行されたにもかかわらず、その後すぐに転落抽選に当選して第2低確状態に制御されることで、遊技者を落胆させてしまうことを抑制できる。
【0132】
(7)本実施形態では、大当りとなる特別ゲームが実行されているときには、保留中の特別ゲームの中に転落抽選に当選する特別ゲームが含まれている場合であっても、特定保留演出が実行されない。これによれば、例えば第2高確状態において保留中の特別ゲームの中に転落抽選に当選する特別ゲームが含まれている場合であっても、大当り結果に当選する特別ゲームの実行中は特定保留演出を実行させないことで、大当り結果に当選する特別ゲームを楽しませることができる。
【0133】
(8)本実施形態において、第2低確状態は、作動回数の特別ゲームが実行されたことを契機として終了する一方で、第2高確状態は、作動回数の特別ゲームが実行された後も継続する場合があるため、第2高確状態が長く継続することに期待する遊技者の興趣を向上できる。
【0134】
上述した実施形態は、以下のように変更して実施することができる。なお、上述した各実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0135】
・特別当り抽選において大当りとは異なる特定図柄に当選したことを契機として第2開放状態に制御する遊技機に具体化してもよい。この場合、何れの遊技状態において特定図柄に当選した場合であっても、第2低確状態に制御するようにしてもよい。例えば、主制御CPU30aは、第2低確状態よりも遊技者にとって有利な第2高確状態と、第2低確状態よりも遊技者にとって不利な第1低確状態と、の何れであっても、特定図柄に当選したことを契機として第2低確状態に制御するようにしてもよい。これによれば、同じ特定図柄に当選したことを契機として、遊技者にとって有利な遊技状態に移行する場合と、遊技者にとって不利な遊技状態に移行する場合と、があるため、遊技状態の移行態様を多様化して遊技者を楽しませることができる。この場合、特定図柄が特定結果に相当し、第1低確状態が特殊遊技状態に相当する。また、主制御CPU30aは、高確率状態であるときには特定図柄に当選しないように制御してもよいし、高確率状態である場合であっても特定図柄に当選し得る一方で、特定図柄に当選したときであっても遊技状態を移行させないように制御してもよい。
【0136】
・特定図柄に当選したことを契機として第2開放状態に制御する遊技機に具体化する場合、第1特別当り抽選で特定図柄に当選する確率と、第2特別当り抽選で特定図柄に当選する確率とは、同一であってもよいし、異なっていてもよい。例えば、第2特別当り抽選で特定図柄に当選する確率は、第1特別当り抽選で特定図柄に当選する確率よりも高くてもよい。また、第1特別当り抽選と第2特別当り抽選とのうち何れか一方の特別当り抽選では特定結果に当選しうる一方で他方の特別当り抽選では特定結果に当選しないようにしてもよい。例えば、第2特別当り抽選では特定結果に当選しうる一方で、第1特別当り抽選では特定結果に当選しないようにしてもよい。
【0137】
・特定図柄に当選したことを契機として第2開放状態に制御する遊技機に具体化する場合、副制御CPU31aは、特定当選演出として、転落抽選に当選したことを報知する演出に代えて、特定図柄に当選したことを報知する演出を実行させてもよい。また、副制御CPU31aは、特定保留演出として、保留中の特別ゲームの中に転落抽選に当選する特別ゲームが含まれていることを報知する演出に代えて、保留中の特別ゲームの中に特定図柄に当選する特別ゲームが含まれていることを報知する演出を実行させてもよい。
【0138】
・特定図柄に当選したことを契機として第2開放状態に制御する遊技機に具体化する場合、副制御CPU31aは、保留中の特別ゲームの中に特定図柄に当選する特別ゲームが含まれているときには、特別当選演出を実行させないように制御してもよい。また、副制御CPU31aは、特定図柄に当選した特別ゲームの実行中であるときには、特別保留演出を実行させないように制御してもよい。
【0139】
・特別当選演出の実行条件は、適宜変更してもよい。例えば、副制御CPU31aは、保留中の特別ゲームの中に転落抽選に当選する特別ゲームが含まれている場合であっても、特別当選演出を実行可能に制御してもよい。また、副制御CPU31aは、特別当り抽選で大当りに当選していない場合であっても、特別当選演出を実行可能としてもよい。この場合、副制御CPU31aは、特別当り抽選で大当りに当選したときと当選していないときとで、特別当選演出の実行を決定する割合を異ならせてもよい。即ち、特別当選演出は、大当り確定の演出でなくてもよく、大当りとなる期待度を報知する演出であってもよい。また、副制御CPU31aは、遊技状態に応じて特別当選演出の実行可否及び実行確率を異ならせてもよい。また、副制御CPU31aは、特別当り抽選の種類に応じて、該特別当り抽選で大当りに当選した場合に特別当選演出を実行可能とするか否かを異ならせてもよい。例えば、第1特別当り抽選及び第2特別当り抽選の何れか一方の特別当り抽選で大当りに当選した場合には特別当選演出を実行可能とする一方で、他方の特別当り抽選で大当りに当選した場合には特別当選演出を実行させないようにしてもよい。
【0140】
・特別当選演出の演出内容は、複数種類あってもよい。例えば、副制御CPU31aは、現在の遊技状態に応じて、特別当選演出の演出内容を異ならせてもよい。また、副制御CPU31aは、保留中の特別ゲームの中に転落抽選に当選する特別ゲームが含まれている場合であっても特別当選演出を実行可能とする場合、保留中の特別ゲームの中に転落抽選に当選する特別ゲームが含まれているか否かに応じて特別当選演出の演出内容を異ならせてもよい。
【0141】
・特別当選演出を実行しない遊技機に具体化してもよい。
・特定当選演出の実行条件は、適宜変更してもよい。例えば、副制御CPU31aは、保留中の特別ゲームの中に大当りに当選する特別ゲームが含まれている場合であっても、特定当選演出を実行可能に制御してもよい。また、副制御CPU31aは、転落抽選に当選していない場合であっても、特定当選演出を実行可能としてもよい。この場合、副制御CPU31aは、転落抽選に当選したときと当選していないときとで、特定当選演出の実行を決定する割合を異ならせてもよい。即ち、特定当選演出は、転落抽選に当選確定の演出でなくてもよく、転落抽選に当選する期待度を報知する演出であってもよい。また、副制御CPU31aは、遊技状態に応じて特定当選演出の実行可否及び実行確率を異ならせてもよい。
【0142】
・特定当選演出の演出内容は、適宜変更してもよい。例えば、副制御CPU31aは、第1低確状態又は第2低確状態であるときと、第2高確状態であるときとで、同一の演出内容で特定当選演出を実行させるようにしてもよい。また、副制御CPU31aは、第1低確状態であるときと、第2低確状態であるときとで、異なる演出内容で特定当選演出を実行させるようにしてもよい。また、副制御CPU31aは、保留中の特別ゲームの中に転落抽選に当選する特別ゲームが含まれている場合であっても特定当選演出を実行可能とする場合、保留中の特別ゲームの中に大当りに当選する特別ゲームが含まれているか否かに応じて特定当選演出の演出内容を異ならせてもよい。
【0143】
・特定当選演出を実行しない遊技機に具体化してもよい。
・特別保留演出の実行条件は、適宜変更してもよい。例えば、副制御CPU31aは、転落抽選に当選した特別ゲームの実行中であっても、特別保留演出を実行可能に制御してもよい。また、副制御CPU31aは、入力した先読みコマンドが大当りに当選することを特定可能な先読みコマンドではない場合であっても、特別保留演出を実行可能としてもよい。この場合、副制御CPU31aは、入力した先読みコマンドが大当りに当選することを特定可能な先読みコマンドであるか否かに応じて、特別保留演出の実行を決定する割合を異ならせてもよい。即ち、特別保留演出は、大当り確定の演出でなくてもよく、大当りとなる期待度を報知する演出であってもよい。また、副制御CPU31aは、遊技状態に応じて特別保留演出の実行可否及び実行確率を異ならせてもよい。また、副制御CPU31aは、特別ゲームの種類に応じて、入力した先読みコマンドが大当りに当選することを特定可能な先読みコマンドである場合に特別保留演出を実行可能とするか否かを異ならせてもよい。
【0144】
・特別保留演出の演出内容は、複数種類あってもよい。例えば、副制御CPU31aは、現在の遊技状態に応じて、特別保留演出の演出内容を異ならせてもよい。また、副制御CPU31aは、転落抽選に当選した特別ゲームの実行中であっても特別保留演出を実行可能とする場合、転落抽選に当選した特別ゲームの実行中であるか否かに応じて特別保留演出の演出内容を異ならせてもよい。
【0145】
・特別保留演出を実行しない遊技機に具体化してもよい。
・特定保留演出の実行条件は、適宜変更してもよい。例えば、副制御CPU31aは、大当りに当選した特別ゲームの実行中であっても、特定保留演出を実行可能に制御してもよい。また、副制御CPU31aは、入力した先読みコマンドが転落抽選に当選することを特定可能な先読みコマンドではない場合であっても、特定保留演出を実行可能としてもよい。この場合、副制御CPU31aは、入力した先読みコマンドが転落抽選に当選することを特定可能な先読みコマンドであるか否かに応じて、特定保留演出の実行を決定する割合を異ならせてもよい。即ち、特定保留演出は、転落抽選に当選確定の演出でなくてもよく、転落抽選に当選する期待度を報知する演出であってもよい。また、副制御CPU31aは、第1低確状態及び第2低確状態において特定保留演出を実行可能に制御してもよい。また、副制御CPU31aは、遊技状態に応じて特定保留演出の実行可否及び実行確率を異ならせてもよい。また、副制御CPU31aは、特別ゲームの種類に応じて、入力した先読みコマンドが転落抽選に当選することを特定可能な先読みコマンドである場合に特定保留演出を実行可能とするか否かを異ならせてもよい。
【0146】
・特定保留演出の演出内容は、複数種類あってもよい。例えば、副制御CPU31aは、現在の遊技状態に応じて、特定保留演出の演出内容を異ならせてもよい。また、副制御CPU31aは、大当りに当選した特別ゲームの実行中であっても特定保留演出を実行可能とする場合、大当りに当選した特別ゲームの実行中であるか否かに応じて特定保留演出の演出内容を異ならせてもよい。
【0147】
・特定保留演出を実行しない遊技機に具体化してもよい。
・演出モードの数及び種類は、適宜変更してもよい。例えば、所定の遊技状態である場合に制御可能な演出モードとして、複数の演出モードを備えていてもよい。また例えば、副制御CPU31aは、第2高確状態である場合に、作動回数の特別ゲームが終了する前と、作動回数の特別ゲームが終了した後とで、異なる演出モードに制御してもよい。また、副制御CPU31aは、第2高確状態に制御されてから作動回数の特別ゲームが終了するまでの間は、転落抽選に当選することなく第2高確状態に制御されている場合と、転落抽選に当選して第2低確状態に制御された場合とで、同一の演出モードに制御してもよい。
【0148】
・大当りの数及び種類は、適宜変更してもよい。例えば、大当り遊技の終了後に第2高確状態以外の遊技状態に制御される大当りを備えていてもよい。具体的には、大当り遊技の終了後に第1高確状態に制御される大当りを備えていてもよいし、第2低確状態に制御される大当りを備えていてもよいし、第1低確状態に制御される大当りを備えていてもよい。即ち、第2高確状態は、大当りに当選したことを契機として終了される場合があってもよい。
【0149】
・主制御CPU30aは、第2高確状態に制御されてから作動回数の特別ゲームが実行されたときには、転落抽選に当選していない場合であっても、第2高確状態を終了させるようにしてもよい。この場合、主制御CPU30aは、第2高確状態に制御されてから作動回数の特別ゲームが実行されたことを契機として第1高確状態に制御するとよい。即ち、主制御CPU30aは、第2高確状態及び第2低確状態の何れに制御されている場合であっても、作動回数の特別ゲームが実行されたことを契機として遊技状態を移行させるようにしてもよい。
【0150】
・第2開放状態に制御されるときの作動回数は、複数通りあってもよい。例えば、主制御CPU30aは、大当りの種類に応じて、第2開放状態に制御するときの作動回数を異ならせてもよい。また、特定図柄に当選したことを契機として第2開放状態に制御する遊技機に具体化する場合、主制御CPU30aは、大当りに当選したことを契機として第2開放状態に制御するときと、特定図柄に当選したことを契機として第2開放状態に制御するときとで、第2開放状態に制御するときの作動回数を異ならせてもよい。例えば、主制御CPU30aは、大当りに当選したことを契機として第2開放状態に制御するときには、作動回数として第1回数を設定する一方で、特定図柄に当選したことを契機として第2開放状態に制御するときには、作動回数として第1回数よりも少ない第2回数を設定するようにしてもよい。これによれば、主制御CPU30aは、大当りに当選したことを契機として、作動回数として第2回数が設定される第2開放状態に制御可能である一方で、特定図柄に当選したことを契機として、作動回数として第1回数が設定される第2開放状態に制御可能である。なお、この例において、作動回数として第1回数が設定される第2開放状態は、第1遊技状態に相当する一方で、作動回数として第2回数が設定される第2開放状態は、第1遊技状態よりも遊技者にとって有利な第2遊技状態に相当する。また、この例において、第2回数は、特定回数に相当する。また、この場合、主制御CPU30aは、作動回数として第2回数が設定される第2開放状態中に特定図柄に当選した場合と、第1開放状態中に特定図柄に当選した場合と、の何れであっても、作動回数として第1回数が設定される第1開放状態に制御するようにしてもよい。なお、この例において、第1開放状態は、特殊遊技状態に相当する。
【0151】
・第1開放状態中に大当り遊技が付与されることなく予め定めた回数の特別ゲームが実行される回数条件の成立を契機として第2開放状態に制御される遊技機に具体化してもよい。この場合、主制御CPU30aは、回数条件の成立を契機として第2開放状態に制御されるときの作動回数として、大当りに当選したことを契機として第2開放状態に制御するときの作動回数と同一の回数を設定してもよいし、異なる回数を設定してもよい。また、特定図柄に当選したことを契機として第2開放状態に制御可能とする場合、主制御CPU30aは、回数条件の成立を契機として第2開放状態に制御するときの作動回数として、特定図柄に当選したことを契機として第2開放状態に制御するときの作動回数と同一の回数を設定してもよいし、異なる回数を設定してもよい。
【0152】
・主制御CPU30aは、高確率状態である場合に転落抽選を実行する一方で、低確率状態である場合には転落抽選を実行しないようにしてもよい。
・転落抽選に当選する確率は、適宜変更可能である。例えば、第1転落抽選と、第2転落抽選とで、転落抽選に当選する確率は同一であってもよい。
【0153】
・大当り確率を定めた複数の設定値の中から何れかの設定値を設定することにより大当り確率を変更する設定機能を備えた遊技機に具体化してもよい。
・特定のセンサにより遊技球が検知されたことを契機として高確率状態を付与する遊技機に具体化してもよい。また、大当り遊技の終了後における特別ゲームの実行回数が予め定めた確変回数に到達するまでを上限として高確率状態を付与する遊技機(所謂、ST機)に具体化してもよい。
【0154】
・パチンコ遊技機10の確率状態として、3種類以上の確率状態を備えた遊技機に具体化してもよい。また、パチンコ遊技機10の確率状態として、1種類の確率状態を備えた遊技機に具体化してもよい。即ち、特別当り抽選で大当りに当選する確率を変動させる確率変動機能を備えていない遊技機に具体化してもよい。
【0155】
・特定のセンサにより遊技球が検知されたことを契機として大当り遊技を付与する遊技機(所謂、1種2種混合機)に具体化してもよい。
・副制御基板31をサブ統括制御基板とし、副制御基板31とは別に、演出表示装置12を専門に制御する表示制御基板と、スピーカSpを専門に制御する音声制御基板と、装飾ランプLaを専門に制御するランプ制御基板と、を個別に設けてもよい。また、表示制御基板と、音声制御基板と、ランプ制御基板と、のうち一部または全部の基板を同一の基板としてもよい。また、副制御CPU31aは、単一の基板上に実装された複数のCPUから構成されていてもよい。
【0156】
・パチンコ遊技機10は、主制御基板30の機能と副制御基板31の機能とを統合した単一の制御基板を備えてもよい。また、主制御基板30の機能は、複数の基板に分割して実現してもよい。主制御CPU30aは、単一の基板上に実装された複数のCPUから構成されていてもよい。
【0157】
・大当り遊技におけるラウンド遊技の上限回数、大入賞口の開放時間、及び大入賞口の開放回数は適宜変更してもよい。
・複数の大入賞口を備えた遊技機に具体化してもよい。
【0158】
・第1特別ゲームと第2特別ゲームとは、各始動口13,14への遊技球の入球順序に従って実行してもよく、同時に並行して実行してもよい。また、第2特別ゲームを省略してもよい。
【0159】
・演出ゲームを実行しないパチンコ遊技機に具体化してもよい。この場合、演出表示装置12に特別図柄を表示するとよい。
上記実施形態及び変更例から把握できる技術的思想について記載する。
【0160】
(イ)乱数を用いた特別抽選の結果に基づいて図柄を変動させて行う変動ゲームを実行するようになっており、前記特別抽選で大当り結果に当選した場合には大当り遊技を付与する遊技機において、前記特別抽選を実行する特別抽選手段と、演出の実行態様を定めた演出モードを制御するモード制御手段と、を備え、前記演出モードには、第1モードと、該第1モードよりも遊技者にとって有利な第2モードと、があり、前記モード制御手段は、前記特別抽選で前記大当り結果に当選したことを契機として前記第2モードに制御可能である一方で、前記特別抽選で前記大当り結果とは異なる特定結果に当選したことを契機として前記第1モードに制御可能であり、前記特別抽選には、第1特別抽選と、第2特別抽選と、があり、前記第2特別抽選で前記特定結果に当選する確率は、前記第1特別抽選で前記特定結果に当選する確率よりも高いことを特徴とする遊技機。
【0161】
(ロ)乱数を用いた特別抽選の結果に基づいて図柄を変動させて行う変動ゲームを実行するようになっており、前記特別抽選で大当り結果に当選した場合には大当り遊技を付与する遊技機において、前記特別抽選を実行する特別抽選手段と、遊技状態に関する制御を行う遊技状態制御手段と、を備え、前記遊技状態には、通常遊技状態と、該通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な有利遊技状態と、があり、前記有利遊技状態に制御する制御条件には、前記特別抽選で前記大当り結果に当選した場合に成立し得る第1制御条件と、前記特別抽選で前記大当り結果とは異なる特定結果に当選した場合に成立し得る第2制御条件と、があり、前記有利遊技状態には、第1有利遊技状態と、該第1有利遊技状態よりも遊技者にとって有利な第2有利遊技状態と、があり、前記遊技状態制御手段は、前記第2有利遊技状態中に前記第2制御条件が成立したことを契機として、前記第1有利遊技状態に制御するようになっており、前記特別抽選には、第1特別抽選と、第2特別抽選と、があり、前記第2特別抽選で前記特定結果に当選する確率は、前記第1特別抽選で前記特定結果に当選する確率よりも高いことを特徴とする遊技機。
【0162】
(ハ)前記変動ゲームの実行を保留する制御が可能な保留制御手段と、演出に関する制御が可能な演出制御手段と、を備え、前記演出制御手段は、保留中の前記変動ゲームの中に前記特別抽選で前記大当り結果に当選する変動ゲームが含まれている場合には、特別保留演出を実行させる制御が可能であり、前記特別抽選で前記特定結果に当選したときには、保留中の前記変動ゲームの中に前記特別抽選で前記大当り結果に当選する変動ゲームが含まれている場合であっても、前記特定結果に当選した特別抽選に基づいて実行される変動ゲームの実行中には前記特別保留演出を実行させない。
【0163】
(ニ)前記変動ゲームの実行を保留する制御が可能な保留制御手段と、演出に関する制御が可能な演出制御手段と、を備え、前記演出制御手段は、前記特別抽選で前記大当り結果に当選した場合には、該特別抽選の結果に基づいて実行される変動ゲームの実行中に特別当選演出を実行させる制御が可能であり、保留中の前記変動ゲームの中に前記特別抽選で前記特定結果に当選する変動ゲームが含まれているときには、前記特別抽選で前記大当り結果に当選した場合であっても、前記特別当選演出を実行させない。
【0164】
(ホ)前記変動ゲームの実行を保留する制御が可能な保留制御手段と、演出に関する制御が可能な演出制御手段と、を備え、前記演出制御手段は、保留中の前記変動ゲームの中に前記特別抽選で前記特定結果に当選する変動ゲームが含まれている場合には、特定保留演出を実行させる制御が可能であり、前記特別抽選で前記大当り結果に当選したときには、保留中の前記変動ゲームの中に前記特別抽選で前記特定結果に当選する変動ゲームが含まれている場合であっても、前記大当り結果に当選した特別抽選に基づいて実行される変動ゲームの実行中には前記特定保留演出を実行させない。
【符号の説明】
【0165】
A1…第1アクチュエータ A2…第2アクチュエータ GH…画像表示部 HD…発射ハンドル La…装飾ランプ R1…第1経路 R1a…左側領域 R2…第2経路 R2a…右側領域 SE1…第1始動センサ SE2…第2始動センサ SE3…カウントセンサ SE4…ゲートセンサ Sp…スピーカ YB…遊技盤 YBa…遊技領域 10…パチンコ遊技機 11…情報表示装置 11a…第1特別図柄表示部 11b…第2特別図柄表示部 11c…第1特別保留表示部 11d…第2特別保留表示部 11e…普通図柄表示部 11f…普通保留表示部 12…演出表示装置 13…第1始動口 14…第2始動口 15…第1可変部材 16…大入賞口 17…第2可変部材 18…ゲート 30…主制御基板 30a…主制御CPU(特別抽選手段、遊技状態制御手段、保留制御手段) 30b…主制御ROM 30c…主制御RAM 31…副制御基板 31a…副制御CPU(演出制御手段、モード制御手段) 31b…副制御ROM 31c…副制御RAM