(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022019052
(43)【公開日】2022-01-27
(54)【発明の名称】部品整列装置
(51)【国際特許分類】
B65G 47/14 20060101AFI20220120BHJP
【FI】
B65G47/14 102B
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020122605
(22)【出願日】2020-07-17
(71)【出願人】
【識別番号】000137904
【氏名又は名称】株式会社ミューチュアル
(74)【代理人】
【識別番号】100102211
【弁理士】
【氏名又は名称】森 治
(72)【発明者】
【氏名】青木 政典
(72)【発明者】
【氏名】梅本 勉
(72)【発明者】
【氏名】五十嵐 日出明
(72)【発明者】
【氏名】松元 博
【テーマコード(参考)】
3F080
【Fターム(参考)】
3F080AA04
3F080BA01
3F080BB06
3F080BC02
3F080BE06
3F080CC04
3F080CC10
3F080CC23
3F080CC26
3F080CF11
3F080DB01
3F080DB06
(57)【要約】
【課題】部品の上下方向を選別するための機構を別途設けることなく、上下方向に方向性を有する部品を、上下方向を揃えて排出シュートに排出することができるようにした部品整列装置を提供すること。
【解決手段】傾斜して回転し、内部に部品を溜めることが可能な傾斜回転盆2が、円板部21と、円板部21の外周に一体に形成された内向きに傾斜する環状縁部22と、環状縁部22に形成された部品Wが入り込むとともに外周側に開放部23aを設けた凹部23とを備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
高さ方向の重心位置が高さ方向の中心位置から偏倚した部品を、該部品の上下方向を揃えて排出シュートに排出する、傾斜して回転し、内部に部品を溜めることが可能な傾斜回転盆を備えた部品整列装置であって、前記傾斜回転盆が、円板部と、該円板部の外周に一体に形成された内向きに傾斜する環状縁部と、該環状縁部に形成された部品が入り込むとともに外周側に開放部を設けた凹部とを備えてなることを特徴とする部品整列装置。
【請求項2】
前記凹部の深さが、部品の小さい方の高さ方向の重心寸法よりも大きく、大きい方の高さ方向の重心寸法よりも小さくしてなることを特徴とする請求項1に記載の部品整列装置。
【請求項3】
前記凹部の形状が異なる複数種類の傾斜回転盆を選択して装着するようにしてなることを特徴とする請求項1又は2に記載の部品整列装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、部品整列装置に関し、特に、傾斜回転盆を備えた部品整列装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、部品を上下方向を揃えて排出シュートに排出する、傾斜して回転し、内部に部品を溜めることが可能な傾斜回転盆を備えた部品整列装置が汎用されている(例えば、特許文献1~2参照。)。
【0003】
ところで、この種の傾斜回転盆を備えた部品整列装置において、上下方向に方向性を有する部品を対象とする場合、部品の上下方向を選別するための機構を別途設ける必要があり、装置構成が複雑になるという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭48-65659号公報
【特許文献2】特開平10-87053号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記従来の部品整列装置の有する問題点に鑑み、部品の上下方向を選別するための機構を別途設けることなく、上下方向に方向性を有する部品を、上下方向を揃えて排出シュートに排出することができるようにした部品整列装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の部品整列装置は、高さ方向の重心位置が高さ方向の中心位置から偏倚した部品を、該部品の上下方向を揃えて排出シュートに排出する、傾斜して回転し、内部に部品を溜めることが可能な傾斜回転盆を備えた部品整列装置であって、前記傾斜回転盆が、円板部と、該円板部の外周に一体に形成された内向きに傾斜する環状縁部と、該環状縁部に形成された部品が入り込むとともに外周側に開放部を設けた凹部とを備えてなることを特徴とする。
【0007】
この場合において、前記凹部の深さが、部品の小さい方の高さ方向の重心寸法よりも大きく、大きい方の高さ方向の重心寸法よりも小さくしてなるようにすることができる。
【0008】
また、前記凹部の形状が異なる複数種類の傾斜回転盆を選択して装着するようにしてなるようにすることができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明の部品整列装置によれば、傾斜回転盆が、円板部と、該円板部の外周に一体に形成された内向きに傾斜する環状縁部と、該環状縁部に形成された部品が入り込むとともに外周側に開放部を設けた凹部とを備えてなることにより、環状縁部に形成された凹部に入り込んだ、高さ方向の重心位置が高さ方向の中心位置から偏倚した部品のうち、選択される方向の部品が凹部に保持され、選択されない方向の部品が凹部から自然落下して傾斜回転盆内に戻るようにして、上下方向を選別するための機構を別途設けることなく、選択される方向の部品を排出シュートに排出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の部品整列装置の一実施例を示し、(a)は全体説明図、(b)は傾斜回転盆の平面図、(c)は傾斜回転盆の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の部品整列装置の実施の形態を、図面に基づいて説明する。
【0012】
図1~
図2に、本発明の部品整列装置の一実施例を示す。
この部品整列装置1は、高さ方向の重心位置が高さ方向の中心位置から偏倚した部品W(本実施例においては、部品本体の上端側に外径方向に突出する鍔部が形成された部品。)を、部品Wの上下方向を揃えて排出シュート3に排出する、傾斜して回転し、内部に部品を溜めることが可能な傾斜回転盆2を備えている。
そして、傾斜回転盆2が、円板部21と、円板部21の外周に一体に形成された内向きに傾斜する環状縁部22と、環状縁部22に形成された部品Wが入り込むとともに外周側に開放部23aを設けた凹部23とを備えてなるようにしている。
【0013】
傾斜回転盆2は、基台11に、モータ4によって回転駆動されるように取り付けられている。
そして、傾斜回転盆2の円板部21が水平面となす角度θ1が、30~60°(本実施例においては、45°)に、円板部21と環状縁部22がなす角度θ2が、120~150°(本実施例においては、135°)に、角度θ1+θ2が約180°になるように、それぞれ設定することで、環状縁部22に形成された凹部23の底面が、凹部23が下端に位置するときに略水平に、上端に位置するときに略鉛直になるようにしている。
また、環状縁部22に形成された凹部23の縁は、凹部23の底面に対して垂直に立ち上がるように形成することで、凹部23が下端に位置するときに略鉛直に、上端に位置するときに略水平になるようにしている。
【0014】
これにより、下端に位置する凹部23に入り込んだ、高さ方向の重心位置が高さ方向の中心位置から偏倚した部品Wは、傾斜回転盆2が回転することによって、凹部23が上端側に向けて移動することで、選択される方向の部品W(本実施例においては、鍔部が凹部23の底面に接して凹部23に入り込んだ部品W。)が凹部23に保持され、選択されない方向の部品W(本実施例においては、鍔部が凹部23の底面に接しないで凹部23に入り込んだ部品W。)が凹部23から自然落下して傾斜回転盆2内に戻り、再度、下端に位置する凹部23に入り込むようにしている。
【0015】
凹部23の深さHは、部品Wの形状に応じて適宜設定することができるが、高さ方向の重心位置が高さ方向の中心位置から偏倚した部品Wの小さい方の高さ方向の重心寸法よりも大きく、大きい方の高さ方向の重心寸法よりも小さくなるように設定するにすることができる。
これにより、確実に、選択される方向の部品Wが凹部23に保持され、選択されない方向の部品Wが凹部23から自然落下して傾斜回転盆2内に戻るようにすることができる。
【0016】
そして、凹部23に保持された選択される方向の部品W(本実施例においては、鍔部が凹部23の底面に接して凹部23に入り込んだ部品W。)は、傾斜回転盆2が回転することによって、凹部23が上端から下端側に向けて移動する途中で、凹部23の外周側に設けた開放部23aから排出シュート3に形成された溝31に沿って上下方向が揃った状態で排出され、例えば、キャップ打栓装置やキャップ装填装置に供給される。
排出シュート3には、必要に応じて、部品Wを安定して導入するためのカバー32を設けることができる。
【0017】
また、部品整列装置1には、傾斜回転盆2内に部品Wを貯留するためのホッパ5や部品Wの供給装置(図示省略)を設けることができる。
【0018】
ところで、本実施例の環状縁部22に形成された凹部23の形状は、高さ方向の重心位置が高さ方向の中心位置から偏倚した部品W(本実施例においては、部品本体の上端側に外径方向に突出する鍔部が形成された部品。)に汎用的に用いることができるが、
図2に示すように、形状が異なる種々の部品Wに対応するために、凹部23の形状が異なる複数種類の傾斜回転盆2を用意し、選択して装着するようにすることができる。
【0019】
以上、本発明の部品整列装置について、その実施例に基づいて説明したが、本発明は上記実施例に記載した構成に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜その構成を変更することができるものである。
【産業上の利用可能性】
【0020】
本発明の部品整列装置は、部品の上下方向を選別するための機構を別途設けることなく、上下方向に方向性を有する部品を、上下方向を揃えて排出シュートに排出することができる特性を有していることから、キャップを整列させるための用途に好適に用いることができるほか、高さ方向の重心位置が高さ方向の中心位置から偏倚した部品を整列させるための用途に広く用いることができる。
【符号の説明】
【0021】
1 部品整列装置
11 基台
2 傾斜回転盆
21 円板部
22 環状縁部
23 凹部
23a 開放部
3 排出シュート
31 溝
32 カバー
H 凹部の深さ
W 部品