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特開2022-190522地図表示装置、地図表示方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022190522
(43)【公開日】2022-12-26
(54)【発明の名称】地図表示装置、地図表示方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G09B 29/00 20060101AFI20221219BHJP
【FI】
G09B29/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021098888
(22)【出願日】2021-06-14
(71)【出願人】
【識別番号】500578216
【氏名又は名称】株式会社ゼンリンデータコム
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】谷川 武人
【テーマコード(参考)】
2C032
【Fターム(参考)】
2C032HC21
2C032HC24
(57)【要約】
【課題】地図上に表示された建物の築年数を把握可能とする地図表示装置、地図表示方法及びプログラムを提供すること。
【解決手段】地図を表示するエリアの範囲及び縮尺の指定を受け付ける受付部と、前記エリアの縮尺及び範囲に対応し、少なくとも、建物を描画するための形状データと、該建物の築年数に対応する属性を指定する属性データとを含む地図データを取得する取得部と、前記形状データ及び属性データに基づいて、前記エリアに存在する1以上の建物を指定された属性に応じた態様で描画する表示制御部と、を有する地図表示装置。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
地図を表示するエリアの範囲及び縮尺の指定を受け付ける受付部と、
前記エリアの縮尺及び範囲に対応し、少なくとも、建物を描画するための形状データと、該建物の築年数に対応する属性を指定する属性データとを含む地図データを取得する取得部と、
前記形状データ及び属性データに基づいて、前記エリアに存在する1以上の建物を指定された属性に応じた態様で描画する表示制御部と、
を有する地図表示装置。
【請求項2】
前記地図データは、建物を一意に識別する建物識別子と形状データとが対応づけられる第1データと、前記建物識別子と築年数とが対応づけられる第2データと、築年数と属性とが対応づけられる第3データとを含み、
前記表示制御部は、
前記エリアに存在する1以上の建物の形状データと建物識別子とを、前記第1データを検索することで取得し、
検索された前記1以上の建物に対応する建物識別子を用いて前記第2データを検索することで、前記1以上の建物のうち築年数が設定されている第1建物の築年数を取得し、
取得した築年数を用いて前記第3データを検索することで前記第1建物の属性を取得し、
取得した形状データ及び属性に応じた態様で、前記第1建物を描画する、
請求項1に記載の地図表示装置。
【請求項3】
前記地図データは、築年数に対応する属性で建物を描画する形状データを含む第1データであって、築年数ごとに異なる属性が指定される複数の第1データを含み、
前記表示制御部は、
前記エリアに存在する1以上の建物の形状データを、前記複数の第1データを検索することで取得し、取得した形状データに基づいて、前記1以上の建物を指定された属性に応じた態様で描画する、
請求項1に記載の地図表示装置。
【請求項4】
地図を表示するエリアの範囲及び縮尺の指定を受け付けるステップと、
前記エリアの縮尺及び範囲に対応し、少なくとも、建物を描画するための形状データと、該建物の築年数に対応する属性を指定する属性データとを含む地図データを取得するステップと、
前記形状データ及び属性データに基づいて、前記エリアに存在する1以上の建物を指定された属性に応じた態様で描画するステップと、
を含む、地図表示装置が行う地図表示方法。
【請求項5】
コンピュータに、
地図を表示するエリアの範囲及び縮尺の指定を受け付けるステップと、
前記エリアの縮尺及び範囲に対応し、少なくとも、建物を描画するための形状データと、該建物の築年数に対応する属性を指定する属性データとを含む地図データを取得するステップと、
前記形状データ及び属性データに基づいて、前記エリアに存在する1以上の建物を指定された属性に応じた態様で描画するステップと、
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地図表示装置、地図表示方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、スマートフォンやパソコン画面に地図を表示可能なサービスが多数提供されている。例えば特許文献1には、通信回線を介して地図データを配信する地図配信システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001-201351号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
不動産業界では、建物の築年数に基づいて、リフォームや建て替えなどの需要を判断して営業活動に結びづけることが行われている。しかしながら、現在提供されている地図表示サービスでは、建物の築年数を把握することはできない。
【0005】
そこで、本発明は、地図上に表示された建物の築年数を把握可能とする地図表示装置、地図表示方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る地図表示装置は、地図を表示するエリアの範囲及び縮尺の指定を受け付ける受付部と、前記エリアの縮尺及び範囲に対応し、少なくとも、建物を描画するための形状データと、該建物の築年数に対応する属性を指定する属性データとを含む地図データを取得する取得部と、前記形状データ及び属性データに基づいて、前記エリアに存在する1以上の建物を指定された属性に応じた態様で描画する表示制御部と、を有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、地図上に表示された建物の築年数を把握可能とする地図表示装置、地図表示方法及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】地図表示システムの一例を示す図である。
図2】地図データサーバに格納される地図データの構造を示す図である。
図3】地図データサーバ及び端末のハードウェア構成例を示す図である。
図4】地図データサーバの機能ブロック構成例を示す図である。
図5】端末の機能ブロック構成例を示す図である。
図6】第1実施形態に係る建物レイヤデータの一例を示す図である。
図7】第1実施形態に係る端末が行う処理手順の一例を示すフローチャートである。
図8】第1実施形態に係る地図描画例を示す図である。
図9】第2実施形態に係る建物レイヤデータの一例を示す図である。
図10】第2実施形態に係る端末が行う処理手順の一例を示すフローチャートである。
図11】第2実施形態に係る地図描画例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。なお、各図において、同一の符号を付したものは、同一又は同様の構成を有する。
【0010】
<システム構成>
図1は、地図表示システム1の一例を示す図である。地図表示システム1は、地図データサーバ10と端末20とを含む。地図データサーバ10と、端末20とは、無線又は有線の通信ネットワークNを介して接続され、相互に通信を行うことができる。
【0011】
地図データサーバ10(地図サーバ)は、地図データを記憶しており、端末20からの要求に応じて地図データを端末20に送信する。地図データサーバ10は、1又は複数の物理的なサーバ等から構成されていてもよいし、ハイパーバイザー(hypervisor)上で動作する仮想的なサーバを用いて構成されていてもよいし、クラウドサーバを用いて構成されていてもよい。
【0012】
端末20(地図表示装置)は、ユーザが操作する端末であり、ユーザ操作により指定されたエリアの地図を画面に表示する機能を備えている。端末20は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ(PC)、カーナビゲーション装置、家庭用ゲーム機器など、画面を備えた端末であれば、あらゆる情報処理装置を用いることができる。
【0013】
図2は、地図データサーバ10に格納される地図データの構造を示す図である。地図データは、縮尺に応じた複数のレベルに分けられて構成される。地図データのレベルは、最も縮尺が小さい(つまり最も粒度が荒いデータであり、例えば日本全体など)データをレベル1とし、縮尺が大きくなるほどレベルが上がっていく。図2に示す地図データは、縮尺が500万分の1であるレベル1のデータから、縮尺が250分の1であるレベル20のデータまでの20レベルに分けられて構成されている。以下、地図データにおける各レベルのデータを、「各レベルのデータ」、「レベル1データ」、「レベル2データ」などと称する。なお、図2はあくまで一例であり、本実施形態がこれに限定されるものではない。
【0014】
各レベルのデータは、更に、複数のレイヤから構成されている。行政界レイヤデータは、地図上に行政界の線を描画するためのデータである。また、鉄道レイヤデータは、地図上に線路を描画するためのデータである。また、道路レイヤデータは、地図上に道路を描画するためのデータである。また、建物レイヤデータは、地図上に、建物を描画するためのデータである。また、文字レイヤデータは、地図上に、テキスト文字(例えば都道府県名、線路名、道路名、建物名など)を描画するためのデータである。以下、各レイヤのデータを、「レイヤデータ」と称する。
【0015】
各レイヤデータは、地図上を所定単位で分割した単位(以下、「メッシュ」と言う。)に対応づけられて格納されていてもよい。端末20は、地図データサーバ10に地図データを要求する際、ダウンロードを希望するレイヤデータ及びメッシュを指定することで、地図の描画に必要な範囲のレイヤデータのみをダウンロードすることができる。
【0016】
地図は、レベルが上がるほど詳細に描画することになる。従って、地図データは、レベルが上がるほどデータサイズが大きくなる。図2の例では、レベル1データのデータサイズが最も小さく、レベル20データのデータサイズが最も大きい。
【0017】
本実施形態では、建物レイヤデータは、建物の築年数に対応する属性を示すデータを含む。また、端末10は、地図上に建物を描画する際、築年数に対応する属性に応じた態様で建物を描画する。築年数に対応する属性は、例えば、色、メッシュ(網掛け)、色の濃淡などであってもよい。また、属性に応じた態様で建物を描画することは、建物を築年数に応じた色で描画すること、建物を築年数に応じたメッシュで描画すること、建物を築年数に応じた濃さの色で描画することなどであってもよい。これにより、地図を参照するユーザは、建物の築年数を容易に把握することが可能になる。
【0018】
<ハードウェア構成>
図3は、地図データサーバ10及び端末20のハードウェア構成例を示す図である。地図データサーバ10及び端末20は、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphical processing unit)等のプロセッサ11、メモリ、HDD(Hard Disk Drive)及び/又はSSD(Solid State Drive)等の記憶装置12、有線又は無線通信を行う通信IF(Interface)13、入力操作を受け付ける入力デバイス14、及び情報の出力を行う出力デバイス15を有する。入力デバイス14は、例えば、キーボード、タッチパネル、マウス及び/又はマイク等である。出力デバイス15は、例えば、ディスプレイ、タッチパネル及び/又はスピーカ等である。
【0019】
<機能ブロック構成>
(地図データサーバ)
図4は、地図データサーバ10の機能ブロック構成例を示す図である。地図データサーバ10は、記憶部100と、受付部101と、取得部102と、送信部103とを含む。記憶部100は、地図データサーバ10が備える記憶装置12を用いて実現することができる。また、受付部101と、取得部102と、送信部103とは、地図データサーバ10のプロセッサ11が、記憶装置12に記憶されたプログラムを実行することにより実現することができる。また、当該プログラムは、記憶媒体に格納することができる。当該プログラムを格納した記憶媒体は、コンピュータ読み取り可能な非一時的な記憶媒体(Non-transitory computer readable medium)であってもよい。非一時的な記憶媒体は特に限定されないが、例えば、USBメモリ又はCD-ROM等の記憶媒体であってもよい。
【0020】
記憶部100は、地図データDB100aを記憶する。地図データDB100aは、例えば、図2に示すように、レベルごとに複数のレイヤデータを含んでいる。
【0021】
受付部101は、端末20から地図データの取得要求を受信する。取得要求には、端末20が希望する地図データのレベル、レイヤ及び範囲(例えば1以上のメッシュ)を指定するデータが含まれていてもよい。
【0022】
取得部102は、地図データDB100aから、端末20から受信した取得要求で指定されたレベル、レイヤ及び範囲の地図データを取得する。
【0023】
送信部103は、取得部102で取得された地図データを、端末20に送信する。
【0024】
(端末)
図5は、端末20の機能ブロック構成例を示す図である。端末20は、記憶部200と、受付部201と、取得部202と、表示制御部203とを含む。記憶部200は、端末20が備える記憶装置12を用いて実現することができる。また、受付部201と、取得部202と、表示制御部203とは、端末20のプロセッサ11が、記憶装置12に記憶されたプログラムを実行することにより実現することができる。また、当該プログラムは、記憶媒体に格納することができる。当該プログラムを格納した記憶媒体は、コンピュータ読み取り可能な非一時的な記憶媒体であってもよい。非一時的な記憶媒体は特に限定されないが、例えば、USBメモリ又はCD-ROM等の記憶媒体であってもよい。当該プログラムは、端末20にインストール可能な、地図を表示するためのアプリケーション(以下、「地図表示アプリ」と言う。)であってもよい。
【0025】
記憶部200は、地図データサーバ10から取得した地図データを格納するためのキャッシュDB200aに記憶する。
【0026】
受付部201は、地図を表示するエリアの範囲及び縮尺の指定を、ユーザから受け付ける。
【0027】
取得部202は、ユーザから指定された地図を表示するエリアの範囲及び縮尺する地図データを地図データサーバ10から取得する。また、取得部202は、取得した地図データを、キャッシュDB200aに格納する。また、取得部202は、ユーザから指定された地図を表示するエリアの縮尺及び範囲に対応し、少なくとも、建物を描画するための形状データと、該建物の築年数に対応する属性を指定する属性データとを含む地図データを取得する。
【0028】
表示制御部203は、取得部202で取得された地図データに基づいて地図を描画する。また、表示制御部203は、取得部202で取得された地図データに含まれる形状データ及び属性データに基づいて、ユーザから指定されたエリアに存在する1以上の建物を、指定された属性に応じた態様で描画する。
【0029】
<処理手順>
以下の説明では、指定された属性に応じた態様で建物を描画することは、指定された色で建物を描画することであるものとして説明する。まず、地図データサーバ10は、鉄道レイヤデータ及び道路レイヤデータ等に加えて、建物の築年数に応じて建物を色分けして表示するデータを含む建物レイヤデータを、端末20に送信する。また、端末10は、受信した建物レイヤデータに基づいて、建物の築年数に応じて建物を色分けして表示する。以下、建物レイヤデータの構成及び端末20が地図を描画する処理手順を、第1実施形態と第2実施形態に分けて説明する。
【0030】
[第1実施形態]
図6は、第1実施形態に係る建物レイヤデータの一例を示す図である。第1実施形態に係る建物レイヤデータは、建物を一意に識別する建物ID(建物識別子)と、建物の形状データとが対応づけられる建物形状データ(第1データ)と、建物IDと築年数とが対応づけられる築年数データ(第2データ)と、建物の築年数と描画色(属性)とが対応づけられる色設定データ(第3データ)とを含む。図6のAは、建物形状データの一例である。図6のBは、築年数データの一例である。図6のCは、色設定データの一例である。なお、色設定データにおける「築年数」は5年ごとに区分されているが、これに限定されず、任意の期間で区分されていてもよい。
【0031】
なお、築年数データには、全ての建物形状データに含まれる全ての建物についての築年数が格納されていなくてもよい。築年数が分からない建物については、築年数データに築年数が格納されていなくてもよい。また、建物形状データに含まれる形状データは、例えばポリゴンデータであってもよい。なお、当該形状データには、描画する色を指定するデータは含まれていないものとする。
【0032】
端末20の表示制御部203は、ユーザにより指定された地図を表示するエリア(例えばX駅周辺など)に存在する、1以上の建物の形状データと建物IDとを、建物形状データを検索することで取得する。また、表示制御部203は、当該1以上の建物に対応する建物IDを用いて築年数データを検索することで、当該1以上の建物のうち築年数が設定されている建物の築年数を取得する。また、表示制御部203は、取得した築年数を用いて色設定データを検索することで、築年数が設定されている建物の描画色(属性)を取得する。また、表示制御部203は、取得した建物形状データ及び描画色(属性に応じた態様)で、築年数が設定されている建物上を描画する。
【0033】
図7は、第1実施形態に係る端末20の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0034】
ステップS10で、受付部201は、ユーザから、地図画面を表示する機能の起動(例えば地図アプリの実行開始)、及び、地図を表示するエリアの縮尺及び範囲の指示を受け付ける。例えば、受付部201は、ユーザから、X駅周辺の半径200メートルを含むエリアについて地図を表示するといった指示を受け付ける。なお、ユーザからの受け付けは、例えば、タッチパネル上でユーザが行ったタッチ操作(拡大、縮小、移動等)を検出することで行われてもよい。
【0035】
ステップS11で、取得部202は、受付部201で指定されたエリアの縮尺及び範囲に対応するレイヤデータを、地図データサーバ10からダウンロードする。具体的には、取得部202は、ステップS10で指定されたエリアの縮尺に対応するレベルの各レイヤデータについて、受付部201で指定された範囲を含むメッシュに対応づけられる各レイヤデータをダウンロードする。ダウンロードが完了すると、取得部202は、ダウンロードした各レイヤデータをキャッシュDB200aに格納する。
【0036】
ステップS12で、表示制御部203は、レイヤデータのダウンロードが完了すると、当該レイヤデータを用いて、ステップS10で指定されたエリアの地図(例えば道路、線路や行政界など)を端末20の画面に描画する。また、表示制御部203は、建物レイヤデータに含まれる形状データに基づいて、端末20の画面に建物を描画する。なお、建物レイヤデータに含まれる形状データには色を指定するデータが含まれていないことから、表示制御部203は、建物の形状のみを描画する。図8に示す地図画面M10は、ステップS12の処理手順により、建物の形状が描画された様子を示している。
【0037】
図7に戻り、ステップS13で、表示制御部203は端末20の画面に描画した建物の建物IDをキーとして築年数データを検索する。
【0038】
ステップS14で、築年数データに築年数が登録されている建物IDが存在した場合、表示制御部112は、築年数をキーに色設定データを検索し、描画する色を取得する。
【0039】
ステップS15で、表示制御部203は、端末20に描画した建物の表面を、ステップS14で取得した色で描画する。
【0040】
ステップS16で、表示制御部203、端末20の画面に描画した全ての建物について、ステップS13~ステップS15の処理手順の実行が終わっていない場合、ステップS13の処理手順に戻る。全ての建物について、ステップS13~ステップS15の処理手順を実行し終わった場合、処理を終了する。
【0041】
図8に示す地図画面M11は、ステップS13~ステップS16の処理手順により、各建物の表面に築年数に応じた色が描画された様子を示している。
【0042】
以上説明した第1実施形態によれば、地図データに、建物の築年数に応じた描画色を指定するデータを含めるようにしたことで、建物の築年数を表示可能な地図を描画することを可能とした。また、建物IDごとに築年数を設定可能な築年数データと、築年数ごとに描画色を設定可能な色設定データとを、建物形状データとは異なるデータとして定義するようにした。これにより、建物の形状データ(例えばポリゴンデータ)の中に直接描画色を指定する形式のデータ構造を採用した場合と比較して、年月の経過により建物の築年数を更新する作業や、築年数に応じた色を変更するメンテナンス作業を容易に行うことが可能になる。
【0043】
[第2実施形態]
図9は、第2実施形態に係る建物レイヤデータの一例を示す図である。第2実施形態に係る建物レイヤデータは、築年数に対応する描画色(属性)で建物を描画する形状データを含む建物形状データ(第1データ)であって、築年数ごとに異なる描画色(属性)が指定される複数の建物形状データを含む。図9のAは、築年数が5年である建物を描画するための建物形状データの一例である。図9のBは、築年数が10年である建物を描画するための建物形状データの一例である。図9のCは、築年数が20年である建物を描画するための建物形状データの一例である。図9の例では、築年数が5年、10年及び20年の3つ区分されているが、これに限定されず、任意の期間で区分されていてもよい。また、築年数が1~5年、6~10年といったように、所定の期間ごとに区分されていてもよい。また、建物レイヤデータの中に、図9のA、図9のB、及び、図9のCに示す複数の建物形状データが含まれるのではなく、当該複数の建物形状データの各々が、建物レイヤデータとして定義されていてもよい。
【0044】
端末20の表示制御部203は、ユーザにより指定された地図を表示するエリアに存在し、描画色(属性)が指定された1以上の建物の形状データを、複数の建物形状データを検索することで取得し、取得した形状データに基づいて、指定された描画色(属性に応じた態様)で当該1以上の建物を描画する。
【0045】
図10は、第2実施形態に係る端末20の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0046】
ステップS20で、受付部201は、ユーザから、地図画面を表示する機能の起動(例えば地図アプリの実行開始)、及び、地図を表示するエリアの縮尺及び範囲の指示を受け付ける。例えば、受付部201は、ユーザから、X駅周辺の半径200メートルを含むエリアについて地図を表示するといった指示を受け付ける。なお、ユーザからの受け付けは、例えば、タッチパネル上でユーザが行ったタッチ操作(拡大、縮小、移動等)を検出することで行われてもよい。
【0047】
ステップS21で、取得部202は、受付部201で指定されたエリアの縮尺及び範囲に対応するレイヤデータを、地図データサーバ10からダウンロードする。具体的には、取得部202は、ステップS10で指定されたエリアの縮尺に対応するレベルの各レイヤデータについて、受付部201で指定された範囲を含むメッシュに対応づけられる各レイヤデータをダウンロードする。ダウンロードが完了すると、取得部202は、ダウンロードした各レイヤデータをキャッシュDB200aに格納する。
【0048】
ステップS22で、表示制御部203は、レイヤデータのダウンロードが完了すると、当該レイヤデータを用いて、ステップS10で指定されたエリアの地図(例えば道路、線路や行政界など)を端末20の画面に描画する。また、表示制御部203は、複数の建物形状データに含まれる、描画色(属性)が指定された形状データに基づいて、端末20の画面に建物を描画する。図11に示す地図画面M20は、道路レイヤデータに基づいて道路が描画された様子を示している。また、地図画面M21は、建物形状データ(例えば築5年)に基づいて、地図画面M20上に、所定の築年数(例えば5年)に対応する描画色で建物B10が描画された様子を示している。また、地図画面M22は、建物形状データ(例えば築10年)に基づいて、地図画面M21上に、所定の築年数(例えば10年)に対応する描画色で建物B11及び建物B12が描画された様子を示している。
【0049】
以上説明した第2実施形態によれば、地図データに、建物の築年数に応じた描画色を指定するデータを含めるようにしたことで、建物の築年数を表示可能な地図を描画することを可能とした。また、建物形状データの中に、築年数に対応する描画色を含めるようにしたことで、第1実施形態と比較して、より高速に地図を描画することが可能になる。
【0050】
また、各建物形状データに、建物IDを含めるようにしたことで、年月の経過に伴い描画色の更新作業を行う際に、色を更新する建物の形状データを容易に検索することが可能になる。
【0051】
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。実施形態で説明したフローチャート、シーケンス、実施形態が備える各要素並びにその配置、材料、条件、形状及びサイズ等は、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、異なる実施形態で示した構成同士を部分的に置換し又は組み合わせることが可能である。
【符号の説明】
【0052】
1…地図表示システム、10…地図データサーバ、11…プロセッサ、12…記憶装置、13…通信IF、14…入力デバイス、15…出力デバイス、20…端末、100…記憶部、100a…地図データDB、101…受付部、102…取得部、103…送信部、112…表示制御部、200…記憶部、200a…キャッシュDB、201…受付部、202…取得部、203…表示制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11