IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社ミューチュアルの特許一覧

<>
  • 特開-部品整列装置 図1
  • 特開-部品整列装置 図2
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022019053
(43)【公開日】2022-01-27
(54)【発明の名称】部品整列装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 47/14 20060101AFI20220120BHJP
【FI】
B65G47/14 P
B65G47/14 V
B65G47/14 102B
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020122606
(22)【出願日】2020-07-17
(71)【出願人】
【識別番号】000137904
【氏名又は名称】株式会社ミューチュアル
(74)【代理人】
【識別番号】100102211
【弁理士】
【氏名又は名称】森 治
(72)【発明者】
【氏名】青木 政典
(72)【発明者】
【氏名】梅本 勉
(72)【発明者】
【氏名】五十嵐 日出明
(72)【発明者】
【氏名】松元 博
【テーマコード(参考)】
3F080
【Fターム(参考)】
3F080AA07
3F080BA02
3F080BC02
3F080BE10
3F080CC01
3F080CG14
3F080DA11
3F080DB03
(57)【要約】
【課題】機械的な機構のみで、一方の端面が平坦で、他方の端面が窪んだ円柱形状の部品の方向を揃えるための部品整列装置を提供すること。
【解決手段】端面の方向がランダムな方向に整列された部品Wを1個ずつ順に送り出す送出機構21と、部品Wの端面に当接して、部品Wの方向によって部品Wの押出位置が異なるように部品Wを押し出す第1の押出機構22と、部品Wを部品Wの方向によって異なる押出位置で保持し、部品Wの中心軸と直交する回転軸23aを中心に回転可能で、かつ、該中心軸及び回転軸23aと直交する方向に移動可能な保持回転移動機構23と、保持回転移動機構23を、保持回転移動機構23が移動することによって、部品Wの方向によって選択的に180°回転させるカム機構24と、方向が揃った、保持回転移動機構23に保持されている部品Wを押し出す第2の押出機構25とを備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方の端面が平坦で、他方の端面が窪んだ円柱形状の部品を、端面の方向がランダムな方向で整列させる第1の部品整列手段と、該第1の部品整列手段によって端面の方向がランダムな方向に整列された部品の方向を揃える第2の部品整列手段とを備えた部品整列装置であって、
前記第2の部品整列手段が、
端面の方向がランダムな方向に整列された部品を1個ずつ順に送り出す送出機構と、
該送出機構によって送り出された部品の端面に当接して、部品の方向によって部品の押出位置が異なるように部品を押し出す第1の押出機構と、
該第1の押出機構によって押し出された部品を部品の方向によって異なる押出位置で保持し、部品の中心軸と直交する回転軸を中心に回転可能で、かつ、該中心軸及び回転軸と直交する方向に移動可能な保持回転移動機構と、
部品の方向によって異なる押出位置で部品を保持している保持回転移動機構を、該保持回転移動機構が移動することによって、部品の方向によって選択的に180°回転させるカム機構と、
該カム機構によって部品の方向によって選択的に180°回転させることで方向が揃った、保持回転移動機構に保持されている部品を保持回転移動機構から押し出す第2の押出機構と
を備えてなることを特徴とする部品整列装置。
【請求項2】
前記第1の部品整列手段が、
内部に溜めた部品を1個ずつ順に送り出す第1の回転体と、
該第1の回転体から送り出された部品を端面の方向がランダムな方向で整列させる第2の回転体と
を備えてなることを特徴とする請求項1に記載の部品整列装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、部品整列装置に関し、特に、ゴム栓やキャップのような、一方の端面が平坦で、他方の端面が窪んだ円柱形状の部品の方向を揃えるための部品整列装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、キャップやゴム栓のような、方向性のある部品の方向を揃えるための部品整列装置が提案され、実用化されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
ところで、特許文献1に開示された部品整列装置においては、エアを用いて方向性のある部品の方向を揃えるようにしているため、装置構成が複雑になるという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015-147658号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、特許文献1に開示された部品整列装置の有する問題点に鑑み、機械的な機構のみで、一方の端面が平坦で、他方の端面が窪んだ円柱形状の部品の方向を揃えるための部品整列装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の部品整列装置は、一方の端面が平坦で、他方の端面が窪んだ円柱形状の部品を、端面の方向がランダムな方向で整列させる第1の部品整列手段と、該第1の部品整列手段によって端面の方向がランダムな方向に整列された部品の方向を揃える第2の部品整列手段とを備えた部品整列装置であって、
前記第2の部品整列手段が、
端面の方向がランダムな方向に整列された部品を1個ずつ順に送り出す送出機構と、
該送出機構によって送り出された部品の端面に当接して、部品の方向によって部品の押出位置が異なるように部品を押し出す第1の押出機構と、
該第1の押出機構によって押し出された部品を部品の方向によって異なる押出位置で保持し、部品の中心軸と直交する回転軸を中心に回転可能で、かつ、該中心軸及び回転軸と直交する方向に移動可能な保持回転移動機構と、
部品の方向によって異なる押出位置で部品を保持している保持回転移動機構を、該保持回転移動機構が移動することによって、部品の方向によって選択的に180°回転させるカム機構と、
該カム機構によって部品の方向によって選択的に180°回転させることで方向が揃った、保持回転移動機構に保持されている部品を保持回転移動機構から押し出す第2の押出機構と
を備えてなることを特徴とする。
【0007】
この場合において、前記第1の部品整列手段が、
内部に溜めた部品を1個ずつ順に送り出す第1の回転体と、
該第1の回転体から送り出された部品を端面の方向がランダムな方向で整列させる第2の回転体と
を備えてなるようにすることができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明の部品整列装置によれば、機械的な機構のみからなる、端面の方向がランダムな方向で整列させる第1の部品整列手段と、該第1の部品整列手段によって端面の方向がランダムな方向に整列された部品の方向を揃える第2の部品整列手段とを備えた部品整列装置によって、一方の端面が平坦で、他方の端面が窪んだ円柱形状の部品の方向を、確実に揃えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の部品整列装置の一実施例の第1の部品整列手段を示し、(a)は全体説明図、(b)は同断面図である。
図2】同第2の部品整列手段を示し、(a)は第1部分説明図、(b)は第2部分説明図、(c)は工程の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の部品整列装置の実施の形態を、図面に基づいて説明する。
【0011】
図1図2に、本発明の部品整列装置の一実施例を示す。
この部品整列装置Eは、一方の端面が平坦で、他方の端面が窪んだ円柱形状の部品Wを、端面の方向がランダムな方向で整列させる第1の部品整列手段1と、該第1の部品整列手段1によって端面の方向がランダムな方向に整列された部品Wの方向を揃える第2の部品整列手段2とを備えるようにしている。
【0012】
このうち、第1の部品整列手段1は、
・内部に溜めた部品Wを1個ずつ順に送り出す第1の回転体11
・第1の回転体11から送り出された部品Wを端面の方向がランダムな方向で整列させる第2の回転体12
を備えるようにしている。
【0013】
第1の回転体11は、内部に複数の部品Wを投入、溜めることができるドラム体11aと、ドラム体11aの内周面に等角度間隔(本実施例においては、45°間隔)に形成された掻上羽根11bと、ドラム体11aを回転駆動するための電動モータ(図示省略)に接続された駆動ローラ11cと、従動ローラ11dとを備えるようにしている。
ドラム体11aは、水平面に対して所定角度θ(本実施例においては、30°)傾斜して設置するようにしている。
これにより、第1の回転体11の内部に溜めた部品Wを、掻上羽根11bによって掻き上げ、第2の回転体12に向けて1個ずつ順に送り出すことができるようにしている。
ここで、第2の回転体12に向けて送り出される部品Wの方向は特定されない。
また、第1の回転体11には、部品Wの供給装置(図示省略)を設けることができる。
【0014】
第2の回転体12は、部品Wを1個ずつ順に通過するようにする回転筒体12aと、回転筒体12aを回転駆動するための電動モータ(図示省略)に接続された駆動ローラ12bと、従動ローラ12cとを備えるようにしている。
ドラム体11aは、水平面に対して所定角度θ(本実施例においては、30°)傾斜して設置するようにしている。
これにより、第1の回転体11から方向を特定されずに1個ずつ順に送り出された部品Wを、回転筒体12a内で回転させることにより、端面の方向がランダムな方向で整列させ、排出管13、14に送り出すことができるようにしている。
【0015】
また、前記第2の部品整列手段2は、
・端面の方向がランダムな方向に整列された部品Wを1個ずつ順に送り出す送出機構21
・送出機構21によって送り出された部品Wの端面に当接して、部品Wの方向によって部品Wの押出位置が異なるように部品Wを押し出す第1の押出機構22
・第1の押出機構22によって押し出された部品Wを部品Wの方向によって異なる押出位置で保持し、部品Wの中心軸と直交する回転軸23aを中心に回転可能で、かつ、該中心軸及び回転軸23aと直交する方向に移動可能な保持回転移動機構23
・部品Wの方向によって異なる押出位置で部品Wを保持している保持回転移動機構23を、保持回転移動機構23が移動することによって、部品Wの方向によって選択的に180°回転させるカム機構24
・カム機構24によって部品Wの方向によって選択的に180°回転させることで方向が揃った、保持回転移動機構23に保持されている部品Wを保持回転移動機構23から押し出す第2の押出機構25
を備えるようにしている。
【0016】
送出機構21は、横方向に往復動可能に構成され、排出管14から端面の方向がランダムな方向に整列された部品Wを1個ずつ順に受け取り、横方向に送り出すようにされている。
【0017】
第1の押出機構22は、送出機構21によって横方向に送り出された部品Wの下端面に当接して、部品Wの方向によって部品Wの押出位置が異なるように部品Wを押し出すようにされている。すなわち、平坦な端面が下向きの部品W(基準方向の部品W)は上方位置まで押し出し、窪んだ端面が下向きの部品W(逆方向の部品W)は部品Wの窪んだ部分に第1の押出機構22の押出ピンの上端部が入り込むため中間位置まで押し出すようにされている(図2(c)の受取位置)。
【0018】
保持回転移動機構23は、第1の押出機構22によって押し出された部品Wを部品Wの方向によって異なる押出位置で保持するようにされている。すなわち、平坦な端面が下向きの部品Wは上方位置で保持し、窪んだ端面が下向きの部品Wは中間位置で保持するようにされている。
ここで、保持回転移動機構23は、第1の押出機構22によって押し出された部品Wを保持するために、ゴム栓のように可撓性を有する部品W以外の場合は、その保持部を適宜の可撓性を有する部材で構成するようにする。
そして、この状態で、保持回転移動機構23は、部品Wの中心軸と直交する回転軸23aを中心に回転可能で、かつ、該回転軸23aを支持する部材(図示省略)を介して、中心軸及び回転軸23aと直交する(送出機構21の往復動方向と直交する)横方向に移動可能にされている。
【0019】
カム機構24は、部品Wの方向によって異なる押出位置で部品Wを保持している保持回転移動機構23を、保持回転移動機構23が横方向に移動することによって、部品Wの方向によって選択的に180°回転させるようにされている。すなわち、窪んだ端面が下向きの部品Wの場合のみ180°回転させるようにされている。
ここで、本実施例においては、送出機構21が、カム機構24の補完機構として機能し、保持回転移動機構23が横方向に移動を開始したとき、保持回転移動機構23に中間位置で保持されている窪んだ端面が下向きの部品Wの下端部が送出機構21に引っ掛かって、保持回転移動機構23が回転軸23aを中心に回転を開始し(図2(c)の引っ掛けポイント)、保持回転移動機構23がさらに横方向に移動することによって、保持回転移動機構23に形成された回転規制片23bがカム機構24に当接することで、保持回転移動機構23が回転軸23aを中心にさらに回転して、保持回転移動機構23と共に窪んだ端面が下向きの部品Wが180°回転するようにされている。
【0020】
第2の押出機構25は、カム機構24によって部品Wの方向によって選択的に180°回転させることで方向が揃った、保持回転移動機構23に保持されている部品Wを保持回転移動機構23から押し出すようにされている(図2(c)の受渡位置)。
これにより、第1の部品整列手段1によって端面の方向がランダムな方向に整列された部品Wの方向を揃える、すなわち、すべての部品Wを平坦な端面が下向きに揃えることができ、方向が揃えられた部品Wは、例えば、ゴム栓打栓装置やキャップ装填装置に供給される。
【0021】
この部品整列装置Eによれば、機械的な機構のみからなる、端面の方向がランダムな方向で整列させる第1の部品整列手段1と、該第1の部品整列手段1によって端面の方向がランダムな方向に整列された部品Wの方向を揃える第2の部品整列手段2とを備えた部品整列装置Eによって、一方の端面が平坦で、他方の端面が窪んだ円柱形状の部品Wの方向を、確実に揃えることができる。
【0022】
以上、本発明の部品整列装置について、その実施例に基づいて説明したが、本発明は上記実施例に記載した構成に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜その構成を変更することができるものである。
【産業上の利用可能性】
【0023】
本発明の部品整列装置は、機械的な機構のみで、一方の端面が平坦で、他方の端面が窪んだ円柱形状の部品の方向を揃えることができることから、ゴム栓やキャップを整列させるための用途に好適に用いることができるほか、一方の端面が平坦で、他方の端面が窪んだ円柱形状の部品を整列させるための用途に広く用いることができる。
【符号の説明】
【0024】
E 部品整列装置
W 部品
1 第1の部品整列手段
11 第1の回転体
12 第2の回転体
13 排出管
14 排出管
2 第2の部品整列手段
21 送出機構
22 第1の押出機構
23 保持回転移動機構
24 カム機構
25 第2の押出機構
図1
図2