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特開2022-190549撮像装置、情報処理装置、制御方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022190549
(43)【公開日】2022-12-26
(54)【発明の名称】撮像装置、情報処理装置、制御方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 5/232 20060101AFI20221219BHJP
   H04N 7/18 20060101ALI20221219BHJP
【FI】
H04N5/232 060
H04N5/232 960
H04N5/232 990
H04N5/232 160
H04N7/18 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021098920
(22)【出願日】2021-06-14
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高見 真二郎
【テーマコード(参考)】
5C054
5C122
【Fターム(参考)】
5C054CF06
5C054CG01
5C054DA09
5C054FE11
5C054FE19
5C122DA11
5C122EA42
5C122EA63
5C122EA66
5C122FA01
5C122FA13
5C122FE05
5C122FK40
5C122FL02
5C122FL03
5C122FL07
5C122FL08
5C122GA34
5C122GD06
5C122HB01
5C122HB05
(57)【要約】
【課題】
本発明は、検知領域に紐づくPTZプリセットを纏めることにより、検知領域の管理を容易にする技術を提供することを目的とする。
【解決手段】
撮影条件に従って撮影し、撮影条件に従って撮影した画像における検知領域を示す情報と、撮影条件とを紐づけて登録する。撮影条件を含まない検知領域の登録が指示される場合、指示の時点での撮影手段の撮影条件と一致する撮影条件が登録されているか否かを判定する。判定手段が撮影手段の撮影条件と一致する撮影条件が登録されていると判定する場合、登録が指示された検知領域を示す情報と、撮影条件と一致する撮影条件を紐づけて登録するように制御する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影条件に従って撮影する撮影手段と、
前記撮影条件に従って撮影した画像における検知領域を示す情報と、前記撮影条件とを紐づけて登録する登録手段と、
前記撮影条件を含まない検知領域の登録が指示される場合、前記指示の時点での前記撮影手段の撮影条件と一致する撮影条件が登録されているか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段が前記撮影手段の撮影条件と一致する撮影条件が登録されていると判定する場合、前記登録が指示された前記検知領域を示す情報と、前記撮影条件と一致する撮影条件を紐づけて登録するように制御する制御手段と、を備えることを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記判定手段が前記撮影手段の撮影条件と一致する撮影条件が登録されていないと判定する場合、前記登録が指示された前記検知領域を示す情報と、前記指示の時点での撮影条件とを紐づけて登録するように制御することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記撮影条件は、前記撮影手段のパン、チルト、ズームの少なくともいずれかを含む、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記検知領域は、前記画像において複数の座標をプロットして形成した領域である、
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記検知領域を示す情報と、前記撮影条件とを紐づけて登録した登録情報を記憶する記憶手段を、更に備える、
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記制御手段による制御結果を通知する通知手段を、更に備える、
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記制御手段は、前記撮影条件を含む検知領域の登録が指示される場合、前記登録が指示された前記検知領域を示す情報と、前記撮影条件とを紐づけて登録するように制御する、
ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項8】
前記判定手段は、前記撮影条件を含まない検知領域の登録が指示される場合、前記指示の時点での前記撮影手段の撮影条件と部分的に一致する撮影条件が登録されているか否かを判定する、
ことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項9】
前記判定手段は、前記指示の時点での前記撮影手段の撮影条件と部分的に一致する撮影条件が登録されていると判定する場合、前記制御手段は、前記登録が指示された前記検知領域を示す情報と、前記撮影手段の撮影条件と部分的に一致する撮影条件とを紐づけて登録するように制御する、
ことを特徴とする請求項8に記載の撮像装置。
【請求項10】
前記判定手段は、前記指示の時点での前記撮影手段の撮影条件と部分的に一致する撮影条件が登録されていないと判定する場合、前記制御手段は、前記登録が指示された前記検知領域を示す情報と、前記指示の時点での前記撮影手段の撮影条件とを紐づけて登録するように制御する
ことを特徴とする請求項8に記載の撮像装置。
【請求項11】
前記指示の時点での前記撮影手段の撮影条件と部分的に一致する撮影条件は、撮影条件をズームワイド操作した後の撮影条件を含む、
ことを特徴とする請求項8から10のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項12】
撮影条件に従って撮影する撮像装置を制御する情報処理装置であって、
前記撮像装置の撮影条件を設定する設定手段と、
前記設定手段により撮影条件を設定した撮像装置で撮影された画像において検知領域を指定する指定手段と、
前記指定手段により指定された前記検知領域を示す情報と、前記撮影条件とを紐づけて前記撮像装置に登録する登録手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項13】
前記登録手段は、前記検知領域を示す情報と、前記撮影条件とを紐づけた情報を作成、削除、編集の少なくともいずれかを行うことを含む、
ことを特徴とする請求項12に記載の情報処理装置。
【請求項14】
前記設定手段による設定結果と、前記指定手段による指定結果との少なくともいずれかを表示する表示手段を、更に備える、
ことを特徴とする請求項12又は13に記載の情報処理装置。
【請求項15】
前記撮像装置の前記撮影条件をユーザ選択により決定する受付手段を、更に備える、
ことを特徴とする請求項12から14のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項16】
前記指定手段は、前記画像を表示し、表示された前記画像上で複数の座標をプロットして、前記検知領域を指定する、
ことを特徴とする請求項12から15のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項17】
前記撮像装置からの前記検知領域を示す情報と、前記撮影条件とを紐づけた情報を通知する通知手段を、更に備える、
ことを特徴とする請求項12から16のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項18】
前記撮影条件と、前記検知領域を示す情報との少なくともいずれかの選択に基づいて、前記撮像装置の撮影を制御する制御手段を、更に備える、
ことを特徴とする請求項12から17のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項19】
撮影条件に従って撮影する撮像装置を制御する制御方法であって、
撮影条件に従って撮影する撮影工程と、
前記撮影条件に従って撮影した画像における検知領域を示す情報と、前記撮影条件とを紐づけて登録する登録工程と、
前記撮影条件を含まない検知領域の登録が指示される場合、前記指示の時点での前記撮影工程の撮影条件と一致する撮影条件が登録されているか否かを判定する判定工程と、
前記判定工程で前記撮影工程の撮影条件と一致する撮影条件が登録されていると判定する場合、前記登録が指示された前記検知領域を示す情報と、前記撮影条件とを紐づけて登録するように制御する制御工程と
を備えることを特徴とする制御方法。
【請求項20】
コンピュータを、請求項1~11のいずれか1項に記載の撮像装置と、請求項12~18のいずれか1項に記載の情報処理装置の各手段として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置、情報処理装置、制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、PTZ機構を有する監視カメラは、ユーザからの指示でPTZ(パン、チルト、ズーム)位置をプリセットとして登録し、ユーザからPTZプリセットに移動する指示を受信する。このように、PTZプリセットに登録したPTZ位置に移動する機能を有する監視カメラが提供されている。また、監視カメラでは、撮像映像から対象の動体検知等を行う映像検知機能が提供されている。ユーザは、監視カメラが撮像した映像を表示する画面を含むユーザインタフェース(UI)を操作し、画面内のどの領域で対象の映像検知を行うかを規定する検知領域と、検知ルール名等を含む検知ルールとを設定する。
【0003】
特許文献1では、ユーザは監視カメラによる撮像においてプライバシーを保護するマスク領域を設定する際、映像中の画面座標で指定したマスク領域と、撮像時のPTZ位置とを監視カメラに送る。監視カメラは、受信したマスク領域とPTZ位置とに基づいて、マスク領域を空間座標として処理する。一方、ユーザは映像の検知領域に対して検知ルールを設定する際、画面座標の検知領域と、PTZ位置又はPTZ位置を含むPTZプリセットを指定する。これにより、監視カメラは、映像の検知領域を空間座標として処理することが可能となる。また、クライアント装置へ撮像映像を配信する監視カメラは、以下の機能を備える。監視カメラは、例えば外部装置による監視カメラの設定変更、PTZプリセットの作成、編集、削除の指示、を含む機能を有する。
【0004】
また、PTZプリセットを指定して空間座標に検知領域を設定する検知ルールの作成、編集、削除を指示するコマンド群は、監視カメラに実装されている。コマンド群の一例として、ONVIF(Open Network Video Interface Forum)により策定された規格が用いられている(非特許文献1)。ONVIFによる検知ルールの作成・編集コマンドにおいてPTZプリセットを指定しない場合、監視カメラは検知領域を画面座標として処理する。そのため、検知領域を空間座標として処理する監視カメラでは、検知ルールにPTZプリセットを紐付ける必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001-69494号公報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】ONVIF Specification (https://www.onvif.org/specs/DocMap.html)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、ユーザがPTZを操作する度に監視カメラは現在のPTZでPTZプリセットを新規作成し、それらを検知ルールに紐づける。この場合、検知ルールに紐づいているPTZプリセットの数が多くなり、検知領域の表示・編集の度にPTZプリセットの移動が必要になり管理が複雑になることがあった。
【0008】
本発明は、検知領域に紐づくPTZプリセットを纏めることにより、検知領域の管理を容易にする技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の目的を達成するために、本発明の一実施形態に係る撮像装置は、以下の構成を備える。すなわち、撮像装置は、撮影条件に従って撮影する撮影手段と、前記撮影条件に従って撮影した画像における検知領域を示す情報と、前記撮影条件とを紐づけて登録する登録手段と、前記撮影条件を含まない検知領域の登録が指示される場合、前記指示の時点での前記撮影手段の撮影条件と一致する撮影条件が登録されているか否かを判定する判定手段と、前記判定手段が前記撮影手段の撮影条件と一致する撮影条件が登録されていると判定する場合、前記登録が指示された前記検知領域を示す情報と、前記撮影条件と一致する撮影条件を紐づけて登録するように制御する制御手段と、を備える。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、検知領域に紐づくPTZプリセットを纏めることにより、検知領域の管理を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】第1実施形態に係る、画像処理システムの構成を示す模式図。
図2】第1実施形態に係る、撮像装置と情報処理装置の構成を示すブロック図。
図3】第1実施形態に係る、情報処理装置で表示されるPTZプリセット設定画面を示す図。
図4】第1実施形態に係る、情報処理装置で表示される検知ルール設定画面の一例を示す図。
図5】第1実施形態に係る、撮像装置が保存している検知ルールの設定テーブルの一例を示す図。
図6】第1実施形態に係る、撮像装置における検知ルール設定に係る検知領域の一例を示す図。
図7】第1実施形態に係る、検知ルールの作成又は編集コマンドのシーケンス図。
図8】第1実施形態に係る、検知ルールの作成又は編集コマンドにより指定された検知領域を示す図。
図9】第1実施形態に係る、撮像装置による検知ルールの設定処理を説明するフローチャート。
図10】第2実施形態に係る、検知ルールの作成又は編集コマンドにより指定された検知領域を示す図。
図11】第2実施形態に係る、撮像装置による検知ルールの設定処理を説明するフローチャート。
図12】第3実施形態に係る、検知ルールの作成又は編集コマンドにより指定された検知領域を示す図。
図13】第3実施形態に係る、撮像装置による検知ルールの設定処理のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものでない。実施形態には複数の特徴が記載されているが、これらの複数の特徴の全てが発明に必須のものとは限らず、また、複数の特徴は任意に組み合わせられてもよい。さらに、添付図面においては、同一若しくは同様の構成に同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0013】
(第1実施形態)
第1実施形態は、情報処理装置によりコマンドで指定した検知領域を捉える撮影条件が、撮像装置が有する撮影条件と一致する場合、検知領域をその撮影条件に紐づける一例を説明する。本実施形態において、撮影条件とは撮像装置が有するPTZプリセットのことをいう。なお、本実施形態は画像上の物体検知だけではなく、シーン検知等にも適用可能である。
【0014】
図1は、第1実施形態に係る、画像処理システムの構成を示す模式図である。画像処理システム10は、撮像装置100、情報処理装置200及びネットワーク250を含む。撮像装置100は、空間における対象を撮像するための装置であり、例えばネットワークカメラを含む。図1において撮像装置100は1台であるが、撮像装置100は複数であってもよい。情報処理装置200は、撮像装置に撮像指示を与えるクライアント装置であり、例えばPC、スマートフォン、タブレット端末等を含む。
【0015】
情報処理装置200は、PTZプリセットに係る作成、編集、削除、移動のコマンド、映像検知の検知ルールに係る作成、編集、削除のコマンド等の制御コマンドを、撮像装置100に送信する。撮像装置100は、情報処理装置200から受信した制御コマンドに対するレスポンスを、情報処理装置200に送信する。ネットワーク250は、撮像装置100と情報処理装置200とを接続するネットワークであり、例えば有線LAN、無線LAN等を含む。撮像装置100と情報処理装置200は、ネットワーク250を介して、相互に通信可能な状態に接続されている。
【0016】
図2は、第1実施形態に係る、撮像装置と情報処理装置の構成を示すブロック図である。図2(a)は、撮像装置100の構成を示すブロック図である。撮像装置100は、制御部101、記憶部102、撮像部103、符号化部104、通信部105、撮像制御部106を含む。制御部101は、撮像装置100の全体の制御を行い、例えばCPU等を含む。記憶部102は、各種データ等を記憶する記憶媒体であり、例えばHDD、SSD等を含む。記憶部102は、制御部101が実行するプログラムを格納する格納領域、プログラム実行中のワーク領域として使用される。記憶部102はまた、撮像装置100のPTZ位置及びPTZプリセット設定の情報、検知ルール設定等の設定値、撮像部103が生成する画像データ等を記憶する。
【0017】
撮像部103は、撮像装置100の撮像光学系により結像された被写体を撮像し、取得したアナログ信号をデジタルデータに変換した撮像画像を、記憶部102に出力する。撮像部103により撮像画像が記憶部102に出力されると、制御部101は撮像部103から画像取得イベントを受信する。符号化部104は、撮像部103が出力した撮像画像に、JPEG、H.264、H.265等の形式に基づいて、圧縮符号化処理を行うことにより圧縮画像データを生成する。符号化部104は、生成した圧縮画像データを記憶部102に出力する。
【0018】
通信部105は、外部機器と通信する機能を有し、例えば情報処理装置200から各制御コマンドを受信すると、各制御コマンドに対するレスポンス及び映像を情報処理装置200へ送信する。通信部105が情報処理装置200からコマンドを受信した場合、制御部101は通信部105からコマンド受信イベントを受信する。撮像制御部106は、制御部101からのPTZ入力値に従って、撮像部103のPTZに係る駆動を変更する。
【0019】
図2(b)は、情報処理装置200の構成を示すブロック図である。情報処理装置200は、制御部201、記憶部202、表示部203、入力部204、復号化部205、通信部206を含む。制御部201は情報処理装置200の全般の制御を行う機能を有し、例えばCPU等を含む。記憶部202は、各種データ等を記憶する記憶媒体であり、例えばHDD、SSD等を含む。記憶部202は、制御部201が実行するプログラムの格納領域、プログラム実行中のワーク領域等として使用される。表示部203は、画像及び各種データを表示するための機能を有し、例えば液晶、有機ELディスプレイ等を含む。表示部203は、ユーザに対して、例えば撮像装置100から受信する映像のビューワ画面、PTZプリセット設定画面、検知ルール設定画面、各種メッセージ等を提示する。表示部203は、情報処理装置200に対する設定結果と指定結果とのいずれかを表示する表示手段として機能する。
【0020】
入力部204は、ユーザ選択により各種入力を決定する受付手段を有し、例えばボタン、十字キー、タッチパネル、ポインティングデバイス等を含む。入力部204は、ユーザ選択による操作の内容を制御部201に通知する。復号化部205は、通信部206を介して受信した圧縮画像データを、JPEG、H.264、H.265等の形式に基づいて、復号化した画像データを記憶部202に出力する。通信部206は、撮像装置100に対してデータの送受信を行う機能を有する。通信部206は、PTZプリセットの作成、編集、削除、取得、移動に係るコマンドと、映像検知の検知ルールの作成、編集、削除、取得に係るコマンド等の各制御コマンドを、撮像装置100に送信する。また、通信部206は、各種コマンドに対するレスポンス及び映像を、撮像装置100から受信する。撮像装置100からの各種コマンドに対するレスポンスは、制御結果とも呼ばれる。
【0021】
以上の通り、図2を用いて撮像装置100と情報処理装置200の構成について説明した。図2では、本実施形態における撮像装置100、情報処理装置200に係る構成の一例を説明したものであり、これに限定されることはない。本実施形態の撮像装置100と情報処理装置200は、例えば、音声入力部、音声出力部を更に備えることができ、本発明の要旨の範囲内で、種々の変形及び変更が可能である。
【0022】
図3は第1実施形態に係る、情報処理装置200で表示されるPTZプリセット設定画面を示す図である。設定画面300は、画面301、パン操作302、チルト操作303、ズーム操作304、PTZ設定画面306を含む。設定画面300は、作成ボタン307、削除ボタン308、編集ボタン309をさらに含む。画面301は、撮像装置100から受信した映像を表示する映像表示エリアである。ユーザは、画面301に映る映像を確認しながら、パン操作302、チルト操作303、ズーム操作304の各スクロールバーを操作して、所望の撮像範囲に変更する。作成ボタン307はPTZプリセットを作成するためのボタンであり、削除ボタン308はPTZプリセットを削除するためのボタンであり、編集ボタン309はPTZプリセットを編集するためのボタンである。PTZプリセットとは、撮像装置100のPTZパラメータを設定画面300で設定したデータのことであり、撮影条件ともいう。
【0023】
画面301に映っている現在の撮像範囲に対応するPTZプリセットを作成する場合、以下の処理が行われる。ユーザが作成ボタン307を押下する。これにより、PTZプリセットに係る作成コマンドが撮像装置100に送信される。また、情報処理装置200は、PTZプリセットの取得コマンドを撮像装置100に送信し、その取得コマンドに対するレスポンスを撮像装置100から受信すると、その受信したレスポンスを、PTZ設定画面306に表示する。ここではPTZ設定画面306には、図3に示す通り、3つのPTZプリセットが取得され、プリセット:token1、プリセット:token2、プリセット:token3が表示されている。
【0024】
ここで、撮像装置100のPTZプリセットを編集する場合、以下の処理が行われる。ユーザは、PTZ設定画面306から編集するPTZプリセットとして、例えばtoken1を選択する。次に、ユーザはパン操作302、チルト操作303、ズーム操作304を操作して、所望の撮像範囲になるように撮像装置100のPTZ操作を行う。このPTZ操作の終了後、ユーザが編集ボタン309を押下すると、通信部206がPTZ操作終了後のPTZを含む編集コマンドを撮像装置100に送信する。そして情報処理装置200は、撮像装置100から編集コマンドのレスポンスを受信し、そのレスポンスをPTZ設定画面306のtoken1に反映する。
【0025】
また撮像装置100のPTZプリセットを削除する場合、以下の処理が行われる。ユーザは、PTZ設定画面306から削除するPTZプリセットとして、例えばtoken1を選択する。次に、ユーザは削除ボタン308を押下すると、通信部206がPTZプリセットの削除コマンドを撮像装置100に送信する。そして情報処理装置200は、撮像装置100から削除コマンドのレスポンスを受信し、そのレスポンスをPTZ設定画面306のtoken1に反映する。すなわち、PTZ設定画面306におけるプリセットtoken1は削除される。
【0026】
図4は第1実施形態に係る、情報処理装置200で表示される検知ルール設定画面の一例を示す図である。設定画面400は、画面401、プリセット設定402、検知ルール名403、検知ルール設定画面404を含む。設定画面400は、作成ボタン405、削除ボタン406、編集ボタン407を含む。画面401は、撮像装置100から受信した映像と検知領域410を表示する。検知領域410は、例えば図示する家を囲む矩形として表示される。ユーザは、入力部204を介して、画面401内で検知領域410を規定する複数の座標をプロットし、それらの座標を結んで形成した多角形が画面座標の検知領域410として設定される。ユーザは検知領域410を空間座標に紐づけて設定するために、プリセット設定402に所定のPTZプリセットを入力する。ユーザがプリセット設定402にPTZプリセットを入力しない場合、以下の処理が行われる。撮像装置100は、自動生成したPTZプリセットをプリセット設定402に入力するか、又は、検知ルール設定画面404における既存のPTZプリセットのいずれかをプリセット設定402に入力する。例えば、ユーザがプリセット設定402にプリセットtoken1を入力すると、プリセット設定402はtoken1を表示する。
【0027】
検知ルール名403は、PTZプリセットに対応する、検知ルールを識別するためのルール名を表示する。ユーザが検知ルール名403に、例えば「ルール1」を入力すると、検知ルール名403には「ルール1」が表示される。ユーザが検知ルール名403に「ルール1」を入力して作成ボタン405を押下すると、情報処理装置200はルール1の作成コマンドを撮像装置100に送信する。そして情報処理装置200は、撮像装置100からルール1の作成コマンドに係るレスポンスを受信するとそのレスポンスを検知ルール設定画面404に表示する。検知ルール設定画面404は、プリセット:token1に「ルール1」を紐づけて表示する。
【0028】
検知ルール設定画面404は、ユーザに対し、検知領域410がどこに設定されているのかを容易に認識させるために、それぞれのPTZプリセットに対応する検知領域を纏めて表示する。また、ユーザが入力部204を用いて、検知ルール設定画面404のPTZプリセット又は検知ルールを選択した場合、以下の処理が行われる。情報処理装置200は、選択されたPTZプリセット又は検知ルールに対応する撮像範囲に変更するコマンドを、撮像装置100に送信する。撮像装置100は、受信したコマンドに基づいて、指定された撮像範囲になるように、撮像部103のPTZを操作する。
【0029】
検知ルール設定画面404の検知ルールを編集する場合、以下の処理が行われる。ユーザは入力部204を介して、検知ルール設定画面404から編集する検知ルールとして、例えばルール1を選択する。ユーザは、画面401の撮像範囲を変更し、プリセット設定402と検知ルール名403を操作して、ルール1を編集する。プリセット設定402と、検知ルール名403にそれぞれ表示される情報は、図4に示す通り、プリセット:token1とルール1である。ユーザが編集ボタン407を押下すると、通信部206がルール1の編集コマンドを、撮像装置100に送信する。情報処理装置200は、撮像装置100から編集コマンドに係るレスポンスを受信し、検知ルール設定画面404はそのレスポンスに基づいて、既存のルール1に上書きする。
【0030】
検知ルール設定画面404の検知ルールを削除する場合、ユーザは入力部204を介して、検知ルール設定画面404から削除する検知ルールとして、例えばルール1を選択する。ユーザは、削除ボタン406を押下すると、通信部206が検知ルールの削除コマンドを、撮像装置100に送信する。情報処理装置200は、撮像装置100から削除コマンドに係るレスポンスを受信し、検知ルール設定画面404はルール1を削除する。
【0031】
図5は第1実施形態に係る、撮像装置100が保存している検知ルールの設定テーブルの一例を示す図である。テーブル500は、情報処理装置200の検知ルール設定画面404に設定された情報に対応するように、検知ルール名510、検知領域520、PTZプリセット530を含む。テーブル500は、撮像装置100の記憶部102等に予め記憶され、登録情報とも呼ばれる。検知ルール名510は、ユーザが入力した検知ルール名であり、ルール1、ルール2、ルール3を含む。検知領域520は、図4に示す矩形の検知領域を2次元座標系(X,Y)で表している。
【0032】
例えば、検知ルール名510のルール1に対応する検知領域520は、座標(x=-1.0,y=1.0)、座標(x=-1.0,y=-1.0)、座標(x=1.0,y=1.0)、座標(x=1.0,y=-1.0)を含む。ルール2とルール3にそれぞれ対応する検知領域520は、図5に示す通りであるので、説明を省略する。PTZプリセット530は、token1とtoken2を含む。例えば、PTZプリセット530のtoken1は、ルール1と、ルール1に対応する検知領域520の各座標と、に紐づけられている。PTZプリセット530は、画面座標で示される検知領域520を、PTZ制御による撮像範囲で可視できる空間座標に紐づけるために使用される。
【0033】
図6は、第1実施形態に係る、撮像装置100における検知ルール設定に係る検知領域の一例を示す図である。空間座標600に画面座標601及び画面座標602が設定されている。画面座標601は検知領域603を含み、画面座標602は検知領域604を含む。検知領域603はPTZプリセットのtoken1と紐づいており、token1の画面座標601に設定される。また、検知領域604はPTZプリセットのtoken2と紐づいており、token2の画面座標602に設定される。
【0034】
空間座標600でテーブル500の検知領域520は、検知ルール設定時に紐づけられたPTZプリセット530で撮像装置100が撮像する画面の画面座標で設定される。検知領域603は、画面座標601の左上に表示された矩形領域である。検知領域604は、画面座標602の左下に表示された矩形領域である。撮像装置100は、画面座標の検知領域とPTZプリセットの組み合わせにより、PTZ制御で撮影可能な範囲である空間座標上に、画面座標を紐づけて処理することができる。
【0035】
図7は第1実施形態に係る、検知ルールの作成又は編集コマンドのシーケンス図である。図7において、情報処理装置200は、検知ルールの作成または編集を行うために、コマンド701を撮像装置100に送信する。コマンド701は、検知ルール名と検知領域のみを指定した検知ルールの作成または編集を行うためのコマンドである。撮像装置100は、コマンド701を情報処理装置200から受信する。コマンド701は、撮像装置100のPTZプリセットの指定を含まず、検知領域は現在の撮像装置100のPTZ位置で撮影された画面座標上に設定されている。
【0036】
撮像装置100は、制御部101で後述の検知ルール設定処理702を行い、通信部105で検知ルール作成または編集コマンドを示す結果703を送信する。そして情報処理装置200は、コマンド701に対する結果703を撮像装置100から受信する。なお、図7のシーケンスは、各コマンドのプロトコルを制限するものではなく、コマンドのプロトコルは、例えばONVIF、監視カメラ独自の制御プロトコル等であってよい。
【0037】
図8は第1実施形態に係る、検知ルールの作成又は編集コマンドにより指定された検知領域を示す図である。図7図8を参照しつつ、情報処理装置200がコマンド701により指定した検知領域を撮像装置100の空間座標上に表示する一例について説明する。空間座標800は画面座標801を含み、画面座標801は検知領域803と検知領域805を含む。図8では、撮像装置100がコマンド701を受信した時のPTZ位置が、PTZプリセットのtoken1と同位置である場合を示す。コマンド701を受信した時は、指示時点として定義される。検知領域803は、PTZプリセットのtoken1に予め紐づけられた検知領域であり、画面座標801上の左上に表示される。検知領域805は、コマンド701で指定された検知領域であり、token1の画面座標801上の座標で設定され、画面座標801上の右下に表示される。本実施形態は、検知領域805を既に検知領域803が設定されているPTZプリセットのtoken1の画面座標801に更に紐づけることができる。すなわち、本実施形態は1つのPTZプリセットで2つの検知領域を管理することができる。
【0038】
図9は第1実施形態に係る、撮像装置100による検知ルールの設定処理を説明するフローチャートである。以下、図7から図9を参照しつつ、撮像装置100による検知ルールの設定処理について説明する。
【0039】
S901で、撮像装置100の制御部101はコマンド701で指定された検知ルールにPTZプリセットが指定されているか否かを判定する。制御部101は、コマンド701にPTZプリセットが指定されていないと判定する場合(S901でYes)、処理はS902に移行する。制御部101は、コマンド701にPTZプリセットが指定されていると判定する場合(S901でNo)、処理はS905に移行する。
【0040】
S902で、制御部101は記憶部102に格納されている検知ルール設定に係るテーブル500を取得し、その中に、コマンド701を受信した時の撮像装置100のPTZ位置と同じPTZプリセットがあるか否かを判定する。制御部101は撮像装置100のPTZ位置と同じPTZプリセットがあると判定する場合(S902でYes)、処理はS903に移行する。制御部101は撮像装置100のPTZ位置と同じPTZプリセットが無いと判定する場合(S902でNo)、処理はS904に移行する。
【0041】
S903で、制御部101は、コマンド701で指定された検知ルール名と検知領域805を、コマンド701を受信した時のPTZ位置と同じPTZプリセットに紐づけてテーブル500に設定する。このとき制御部101は、設定したテーブル500を記憶部102に格納し、処理を終了する。
【0042】
一方、S904で、制御部101は、コマンド701で指定された検知ルール名と検知領域805を、コマンド701を受信した時のPTZ位置で新規作成したPTZプリセットに紐づけてテーブル500に設定する。このとき制御部101は、設定したテーブル500を記憶部102に格納し、処理を終了する。
【0043】
またS905で、制御部101は、コマンド701で指定された検知ルール名、検知領域805及びPTZプリセットを紐づけて、テーブル500に設定する。このとき制御部101は、設定したテーブル500を記憶部102に格納し、処理を終了する。
【0044】
以上の通り、第1実施形態によれば、コマンドで指定した検知領域を捉えている撮像装置の撮影条件が、撮像装置が保存している既存の撮影条件に一致するか否かを判定する。これにより、本実施形態はコマンドでPTZプリセットの指示をすることなしに、検知領域に対応する撮影条件を容易に設定することができる。第1実施形態によれば、複数の検知領域を1つのPTZプリセットに纏めることができ、検知ルールの管理が容易となる。
【0045】
(第2実施形態)
第1実施形態では、コマンドで指定した検知領域を捉える撮影条件が、撮像装置100が保存している既存の撮影条件と一致する場合、検知領域を既存の撮影条件に紐づける一例を説明した。撮影条件とは、撮像装置100のPTZ位置を予め設定したPTZプリセットのことをいう。第2実施形態では、コマンドで指定した検知領域を捉える撮影条件が、撮像装置100が保存している既存の撮影条件と部分的に一致する場合、検知領域を既存の撮影条件に紐づける一例を説明する。第2実施形態は、第1実施形態との差分について説明する。
【0046】
図10は第2実施形態に係る、検知ルールの作成又は編集コマンドにより指定された検知領域を示す図である。空間座標1000は、画面座標1001及び画面座標1007を含む。画面座標1001は検知領域1003を含み、画面座標1007は検知領域1006を含む。図10では、コマンド701を受信した時の撮像装置100のPTZ位置が、PTZプリセットのtoken1と同じ位置ではないことを示す。検知領域1003は、PTZプリセットのtoken1に予め紐づけられた検知領域であり、画面座標1001上の左上に表示される。検知領域1006は、コマンド701を受信した時の撮像装置100のPTZ位置に対応する画面座標1007に紐づけられた検知領域である。
【0047】
検知領域1006は、画面座標1001の右下に表示されるとともに、画面座標1007の中央上部にも表示されている。ここで、検知領域1006はPTZプリセットのtoken1の画面座標1001に収まっているので、画面座標1001上の座標で設定され得る。本実施形態は、検知領域1006を既に検知領域1003が設定されているPTZプリセットのtoken1の画面座標1001に更に紐づけることができる。すなわち、本実施形態は1つのPTZプリセットで2つの検知領域を管理することができる。
【0048】
図11は、第2実施形態に係る、撮像装置100による検知ルールの設定処理を説明するフローチャートである。以下、図10図11を参照しつつ、撮像装置100による検知ルールの設定処理について説明する。
【0049】
S1101で、撮像装置100の制御部101はコマンド701にPTZプリセットが指定されているか否かを判定する。制御部101はコマンド701にPTZプリセットが指定されていないと判定する場合(S1101でYes)、処理はS1102に移行する。制御部101は、コマンド701にPTZプリセットが指定されていると判定する場合(S1101でNo)、処理はS1105に移行する。
【0050】
S1102で制御部101は、記憶部102に格納されている検知ルール設定に係るテーブル500を取得し、その中の、PTZプリセットの画面座標1001に、コマンド701で指定された検知領域1006が収まるか否かを判定する。制御部101は、検知領域1006が画面座標1001に収まると判定する場合(S1102でYes)、処理はS1103に移行する。制御部101は、検知領域1006が画面座標1001に収まらないと判定する場合(S1102でNo)、処理はS1104に移行する。
【0051】
S1103で制御部101は、コマンド701で指定された検知ルール名と検知領域1006を、検知領域1006が収まる既存のPTZプリセットに紐づけてテーブル500に設定する。このとき制御部101は、設定したテーブル500を記憶部102に格納し、処理を終了する。
【0052】
S1104で制御部101は、コマンド701で指定された検知ルール名と検知領域1006を、コマンド701を受信した時の撮像装置100のPTZ位置で新規作成したPTZプリセットに紐づけてテーブル500に設定する。このとき制御部101は、設定したテーブル500を記憶部102に格納し、処理を終了する。
【0053】
S1105で制御部101は、コマンド701で指定された検知ルール名、検知領域1006及びPTZプリセットを紐づけてテーブル500に設定する。このとき制御部101は、設定したテーブル500を記憶部102に格納し、処理を終了する。
【0054】
以上の通り、第2実施形態によれば、コマンドで指定した検知領域を捉えている撮像装置の撮影条件が、撮像装置が保存している既存の撮影条件に部分的に一致するか否かを判定する。これにより、本実施形態はコマンドでPTZプリセットの指示をすることなしに、検知領域に対応する撮影条件を容易に設定することができる。第2実施形態によれば、複数の検知領域を1つのPTZプリセットに纏めることができ、検知ルールの管理が容易となる。
【0055】
(第3実施形態)
第1実施形態と第2実施形態は、コマンドで指定した検知領域を捉える撮像装置100の撮影条件が既存の撮影条件と一致するか又は部分的に一致する場合、検知領域を既存の撮影条件に紐づける一例を説明した。第3実施形態は、コマンドで指定した検知領域を捉える撮像装置の撮影条件が、既存の撮影条件をズームワイドした後の撮影条件に一致する場合、検知領域をズームワイド後の撮影条件に紐づける一例を説明する。第3実施形態は、第1実施形態及び第2実施形態との差分について説明する。
【0056】
図12は第3実施形態に係る、検知ルールの作成又は編集コマンドにより指定された検知領域を示す図である。空間座標1200は、画面座標1201、画面座標1209、拡大画面座標1210を含む。画面座標1201は破線の矩形で示されており、検知領域1203を含む。画面座標1209は検知領域1208を含み、拡大画面座標1210は検知領域1208を含む。図12では、コマンド701を受信した時の撮像装置100のPTZ位置が、PTZプリセットのtoken1と同じPTZ位置ではないことを示す。検知領域1203は、PTZプリセットのtoken1に予め紐づけられた検知領域であり、画面座標1201の左上に表示される。検知領域1208は、コマンド701を受信した時の撮像装置100のPTZ位置に対応する画面座標1209に紐づけられた検知領域であり、画面座標1209の左上に表示される。拡大画面座標1210は、画面座標1201をズームワイド操作した画面座標であり、検知領域1208は拡大画面座標1210の右下に表示される。ここで、検知領域1208はPTZプリセットのtoken1の画面座標1201内に収まっていない。
【0057】
しかし、検知領域1208は、拡大画面座標1210内に収まっているので、拡大画面座標1210上の座標で設定され得る。拡大画面座標1210は、画面座標1201に相似するようにズームワイドされるが、これに限定されることはない。本実施形態は、検知領域1208を既に検知領域1203が設定されているPTZプリセットのtoken1の画面座標1201をズームワイド操作した拡大画面座標1210に紐づけることができる。すなわち、本実施形態は1つのPTZプリセットで2つの検知領域を管理することができる。
【0058】
図13は第3実施形態に係る、撮像装置100による検知ルールの設定処理のフローチャートである。以下、図12図13を参照しつつ、撮像装置100による検知ルールの設定処理について説明する。
【0059】
S1301で、撮像装置100の制御部101はコマンド701にPTZプリセットが指定されているか否かを判定する。制御部101はコマンド701にPTZプリセットが指定されていないと判定する場合(S1301でYes)、処理はS1302に移行する。制御部101は、コマンド701にPTZプリセットが指定されていると判定する場合(S1301でNo)、処理はS1306に移行する。
【0060】
S1302で制御部101は、記憶部102に格納されている検知ルール設定に係るテーブル500を取得する。制御部101は、テーブル500内のPTZプリセットをズームワイド操作して得られる拡大画面座標1210に、コマンド701で指定された検知領域1208が収まるか否かを判定する。制御部101は、拡大画面座標1210に検知領域1208が収まると判定する場合(S1302でYes)、処理はS1303に移行する。制御部101は、拡大画面座標1210に検知領域1208が収まらないと判定する場合(S1302でNo)、処理はS1305に移行する。
【0061】
S1303で制御部101は、拡大画面座標1210に対応する撮像装置100のPTZプリセットを、テーブル500に保存されている、拡大画面座標1210を得る際に使用したPTZプリセットに上書きして更新する。記憶部102は更新したテーブル500を記憶する。
【0062】
S1304で制御部101は、コマンド701で指定された検知ルール名と検知領域1208を、検知領域1208が収まる拡大画面座標1210のPTZプリセットに紐づけてテーブル500に設定する。このとき制御部101は、設定したテーブル500を記憶部102に格納して、処理を終了する。
【0063】
S1305で制御部101は、コマンド701で指定された検知ルール名と検知領域1208を、コマンド701を受信した時の撮像装置100のPTZ位置で新規作成したPTZプリセットに紐づけてテーブル500に設定する。このとき制御部101は、設定したテーブル500を記憶部102に格納して、処理を終了する。
【0064】
S1306で制御部101は、コマンド701で指定された検知ルール名、検知領域1208及びPTZプリセットを紐づけてテーブル500に設定する。このとき制御部101は、設定したテーブル500を記憶部102に格納して、処理を終了する。
【0065】
以上の通り、第3実施形態によれば、コマンドで指定した検知領域が、撮像装置が保存している撮影条件をズームワイドした撮影条件に収まるか否かを判定する。これにより、本実施形態はコマンドでPTZプリセットの指示をすることなしに、検知領域に対応する撮影条件を容易に設定することができる。第3実施形態によれば、複数の検知領域を1つのPTZプリセットに纏めることができ、検知ルールの管理が容易となる。
【0066】
(その他の実施例)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【0067】
発明は上記実施形態に制限されるものではなく、発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、発明の範囲を公にするために請求項を添付する。
【符号の説明】
【0068】
10:画像処理システム、100:撮像装置、101:制御部、102:記憶部、103:撮像部、104:符号化部、105:通信部、106:撮像制御部、200:情報処理装置、250:ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13