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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022190552
(43)【公開日】2022-12-26
(54)【発明の名称】クレーン
(51)【国際特許分類】
   B66C 23/92 20060101AFI20221219BHJP
【FI】
B66C23/92
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021098923
(22)【出願日】2021-06-14
(71)【出願人】
【識別番号】000246273
【氏名又は名称】コベルコ建機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115381
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 昌崇
(74)【代理人】
【識別番号】100178582
【弁理士】
【氏名又は名称】行武 孝
(72)【発明者】
【氏名】小泉 幸雄
(72)【発明者】
【氏名】住本 宏治
(72)【発明者】
【氏名】和又 司
(72)【発明者】
【氏名】猪川 哲平
(72)【発明者】
【氏名】久保 貴史
(72)【発明者】
【氏名】小坂 恭平
【テーマコード(参考)】
3F205
【Fターム(参考)】
3F205AA07
3F205CA02
3F205DA01
3F205KA10
(57)【要約】
【課題】バックストップのばねがブームを押し返す際のモーメントアームを大きくし、バックストップが受ける支持反力を小さくすることが可能なクレーンを提供する。
【解決手段】タワークレーン10は、上部旋回体12と、ブーム14と、ガントリ40と、バックストップ1とを有する。バックストップ1は、バックストップ基端部1Aと、バックストップ先端部1Bと、ばね4とを含む。バックストップ基端部1Aは、ガントリ上端部40Tおよび下部ブーム14Aの先端部のうちの一方の構造体に支持され、バックストップ先端部1Bは、ガントリ上端部40Tおよび下部ブーム14Aの先端部のうちの他方の構造体に当接する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
クレーン本体と、
前記クレーン本体に回動可能に支持される起伏体基端部と当該起伏体基端部とは反対側の起伏体先端部と前記起伏体基端部と前記起伏体先端部との間に設定された起伏体支持部とを含み前記クレーン本体に対して起伏可能な起伏体と、
ガントリ上端部を含み前記起伏体の後方で前記クレーン本体に立設されるガントリと、
前記起伏体が前記クレーン本体に対して起立した状態において、前記起伏体を後方から支持することが可能なバックストップと、
を備え、
前記バックストップは、
前記ガントリ上端部および前記起伏体支持部のうちの一方の構造部に支持されたバックストップ基端部と、
前記起伏体が前記クレーン本体に対して起立することに伴って、前記ガントリ上端部および前記起伏体支持部のうちの前記一方の構造部とは異なる他方の構造部に当接するバックストップ先端部と、
を有する、クレーン。
【請求項2】
前記バックストップは、前記バックストップ基端部と前記バックストップ先端部との距離が変化するように前記バックストップ基端部と前記バックストップ先端部との間に介在する伸縮可能なばねを更に備える、請求項1に記載のクレーン。
【請求項3】
前記ガントリは、
前記起伏体基端部の後方で前記クレーン本体に支持される前脚基端部と、前記前脚基端部とは反対側に配置される前脚先端部とをそれぞれ含み、前記前脚基端部から斜め後方にそれぞれ延びる左右一対の前脚部と、
前記前脚基端部の後方で前記クレーン本体に支持される後脚基端部と、前記後脚基端部とは反対側に配置される後脚先端部とをそれぞれ含み、前記後脚基端部から上方に延びる左右一対の後脚部と、
左右方向の両側で、前記前脚先端部と前記後脚先端部とをそれぞれ接続する左右一対の連結部と、
前記左右一対の連結部を左右方向において互いに接続する連結軸と、
を有し、
前記連結軸は、前記ガントリ上端部を構成し、前記バックストップ先端部または前記バックストップ基端部を支持する、請求項1または2に記載のクレーン。
【請求項4】
前記バックストップのうち前記バックストップ基端部と前記バックストップ先端部との間に設定されたバックストップ中間部と、前記前脚基端部と前記前脚先端部との間に設定された前脚中間部とを互いに接続することで前記バックストップを支持する支持部材であって、前記起伏体が前記クレーン本体に対して起立することに伴って前記バックストップ先端部が前記他方の構造部に当接することが可能なように前記バックストップの前記ガントリに対する相対姿勢を保持する支持部材を更に備える、請求項1乃至3の何れか1項に記載のクレーン。
【請求項5】
前記支持部材は、前記バックストップが支持姿勢と格納姿勢との間で姿勢変更することを可能とするように、前記前脚部および前記バックストップのうちの少なくとも一方に対して着脱可能に装着され、
前記支持姿勢は前記バックストップが前記起伏体を後方から支持することが可能な姿勢であり、前記格納姿勢は前記バックストップが前記支持姿勢よりも前記前脚部に重なるように配置される姿勢である、請求項4に記載のクレーン。
【請求項6】
前記バックストップ先端部および前記バックストップ基端部のうちの少なくとも一方の端部は、上下方向に間隔をおいて配置される一対の係合片を有し、
前記一方の構造部および前記他方の構造部のうち、前記少なくとも一方の端部を支持する構造部は、前記一対の係合片の間に形成される凹部に嵌合する軸部を有する、請求項1乃至5の何れか1項に記載のクレーン。
【請求項7】
前記一対の係合片の先端部には左右方向と直交する方向に沿ってそれぞれ係合孔が形成されており、
前記軸部が前記凹部に嵌合した状態で前記一対の係合孔に挿通されることで、前記軸部が前記凹部から脱離することを阻止する抜け止めピンを更に備える、請求項6に記載のクレーン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クレーンに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、クレーン本体と、当該クレーン本体に起伏方向に回動可能に支持されたブームと、当該ブームがクレーン本体に対して後方に倒れることを防止するためのバックストップと、を有するクレーンが開示されている。
【0003】
バックストップは、ブームの基端部を構成する下部ブームに支持されている。バックストップは、外筒と、内筒と、ばねとを有する。前記内筒が前記外筒の内部に挿通され、前記外筒に対して相対移動することで、バックストップが伸縮する。前記ばねは、外筒と内筒との間に介在するように配置される。当該ばねによってバックストップが自由長と圧縮長との間で伸縮することができる。ブームがクレーン本体に対して起立すると、バックストップの先端部がクレーン本体に設定された支持部に当接することで、前記ばねが圧縮されながら、バックストップがブームを後方から支持する。また、クレーンの分解時には、前記ばねの付勢力によってブームが前方に押し返され、倒伏する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2018-131330号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載された技術では、クレーン本体側のバックストップの支持部とブームの基端部との距離が短いため、下部ブームとバックストップとがなす角度が比較的小さな鋭角となり、バックストップのばねがブームを押し返す際のモーメントアームも小さくなりやすい。このため、大きなばね力が必要になるとともに、結果としてバックストップに要求される強度も大きくなり、バックストップが大型化、重量化するという問題があった。
【0006】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、バックストップのばねがブームを押し返す際のモーメントアームを大きくし、バックストップが受ける支持反力を小さくすることが可能なクレーンを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によって提供されるのは、クレーン本体と、前記クレーン本体に回動可能に支持される起伏体基端部と当該起伏体基端部とは反対側の起伏体先端部と前記起伏体基端部と前記起伏体先端部との間に設定された起伏体支持部とを含み前記クレーン本体に対して起伏可能な起伏体と、ガントリ上端部を含み前記起伏体の後方で前記クレーン本体に立設されるガントリと、前記起伏体が前記クレーン本体に対して起立した状態において、前記起伏体を後方から支持することが可能なバックストップと、を備える。前記バックストップは、前記ガントリ上端部および前記起伏体支持部のうちの一方の構造部に支持されたバックストップ基端部と、前記起伏体が前記クレーン本体に対して起立することに伴って、前記ガントリ上端部および前記起伏体支持部のうちの前記一方の構造部とは異なる他方の構造部に当接するバックストップ先端部と、を有する。
【0008】
本構成によれば、バックストップがガントリのガントリ上端部と下部起伏体の起伏体支持部とを接続するように配置されているため、起伏体の中心線とバックストップとがなす角度が大きな鋭角に設定される。このため、バックストップが起伏体を押し返す際のモーメントアームを大きくすることが可能となり、バックストップが起伏体から受ける支持反力を低減することができる。この結果、当該支持反力に抗するためにバックストップを大型化、重量化する必要が低減される。
【0009】
上記の構成において、前記バックストップは、前記バックストップ基端部と前記バックストップ先端部との距離が変化するように前記バックストップ基端部と前記バックストップ先端部との間に介在する伸縮可能なばねを更に備えることが望ましい。
【0010】
本構成によれば、バックストップのばねが起伏体を押し返す際のモーメントアームを大きくすることが可能となり、バックストップが起伏体から受ける支持反力を低減することができる。この結果、ばねが大型化することを抑止し、当該ばねの支持反力に抗するためにバックストップを大型化、重量化する必要が低減される。
【0011】
上記の構成において、前記ガントリは、前記起伏体基端部の後方で前記クレーン本体に支持される前脚基端部と、前記前脚基端部とは反対側に配置される前脚先端部とをそれぞれ含み、前記前脚基端部から斜め後方にそれぞれ延びる左右一対の前脚部と、前記前脚基端部の後方で前記クレーン本体に支持される後脚基端部と、前記後脚基端部とは反対側に配置される後脚先端部とをそれぞれ含み、前記後脚基端部から上方に延びる左右一対の後脚部と、左右方向の両側で、前記前脚先端部と前記後脚先端部とをそれぞれ接続する左右一対の連結部と、前記左右一対の連結部を左右方向において互いに接続する連結軸と、を有し、前記連結軸は、前記ガントリ上端部を構成し、前記バックストップ先端部または前記バックストップ基端部を支持することが望ましい。
【0012】
本構成によれば、バックストップが起伏体から受ける反力を、強固な構造を有するガントリのガントリ上端部で受け止めることが可能となる。また、ガントリの連結軸がバックストップを支持する機能を兼ね備えているため、ガントリ上端部にバックストップを支持するための専用の構造を新たに設ける必要が低減される。
【0013】
上記の構成において、前記バックストップのうち前記バックストップ基端部と前記バックストップ先端部との間に設定されたバックストップ中間部と、前記前脚基端部と前記前脚先端部との間に設定された前脚中間部とを互いに接続することで前記バックストップを支持する支持部材であって、前記起伏体が前記クレーン本体に対して起立することに伴って前記バックストップ先端部が前記他方の構造部に当接することが可能なように前記バックストップの前記ガントリに対する相対姿勢を保持する支持部材を更に備えることが望ましい。
【0014】
本構成によれば、バックストップを支持する構造をクレーン本体に設ける場合と比較して、支持部材の構造をシンプルにすることができるとともに支持部材の長さを短くすることが可能となり、バックストップを支持する支持部材の撓みを抑制することができる。
【0015】
上記の構成において、前記支持部材は、前記バックストップが支持姿勢と格納姿勢との間で姿勢変更することを可能とするように、前記前脚部および前記バックストップのうちの少なくとも一方に対して着脱可能に装着され、前記支持姿勢は前記バックストップが前記起伏体を後方から支持することが可能な姿勢であり、前記格納姿勢は前記バックストップが前記支持姿勢よりも前記前脚部に重なるように配置される姿勢であることが望ましい。
【0016】
本構成によれば、バックストップが起伏体を支持しない場合には、支持部材をバックストップまたは前側脚部から取り外すことで、バックストップを前側脚部に沿うような格納姿勢とすることが可能となり、クレーンの輸送時または保管時に必要とされるスペースを縮小することができる。
【0017】
上記の構成において、前記バックストップ先端部および前記バックストップ基端部のうちの少なくとも一方の端部は、上下方向に間隔をおいて配置される一対の係合片を有し、前記一方の構造部および前記他方の構造部のうち、前記少なくとも一方の端部を支持する構造部は、前記一対の係合片の間に形成される凹部に嵌合する軸部を有する、ことが望ましい。
【0018】
本構成によれば、バックストップの専用の取付部材をガントリ上端部に装着することなく、軸部がバックストップのバックストップ基端部を回動可能に支持することができる。このため、バックストップを支持する部分の構造を簡略化することができるとともに、バックストップのガントリ上端部に対する装着作業が容易になる。
【0019】
上記の構成において、前記一対の係合片の先端部には左右方向と直交する方向に沿ってそれぞれ係合孔が形成されており、前記軸部が前記凹部に嵌合した状態で前記一対の係合孔に挿通されることで、前記軸部が前記凹部から脱離することを阻止する抜け止めピンを更に備えることが望ましい。
【0020】
本構成によれば、軸部が一対の係合片の間の凹部から脱離することを確実に阻止することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、バックストップのばねがブームを押し返す際のモーメントアームを大きくし、バックストップが受ける支持反力を小さくすることが可能なクレーンを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の第1実施形態に係るクレーンの側面図である。
図2】本発明の第1実施形態に係るクレーンの下部ジブおよびガントリの周辺の拡大側面図である。
図3】本発明の第1実施形態に係るクレーンのガントリ上端部の拡大側面図である。
図4】本発明の第1実施形態に係るクレーンのガントリ上端部の拡大平面図である。
図5】本発明の第1実施形態に係るクレーンのバックストップの先端部の周辺の拡大側面図である。
図6】本発明の第1実施形態に係るクレーンのバックストップの先端部の周辺の拡大平面図である。
図7図2の支持部材を矢印VIIに沿って見た図である。
図8】本発明の第1変形実施形態に係るクレーンのガントリの上端部の拡大側面図である。
図9】本発明の第2実施形態に係るクレーンの下部ジブおよびガントリの周辺の拡大側面図である。
図10】本発明の第2実施形態に係るクレーンのガントリ上端部の拡大側面図である。
図11】本発明の第2実施形態に係るクレーンのガントリ上端部の拡大平面図である。
図12】本発明の第2実施形態に係るクレーンのバックストップの基端部の周辺の拡大側面図である。
図13】本発明の第2実施形態に係るクレーンのバックストップの基端部の周辺の拡大平面図である。
図14】本発明の第2変形実施形態に係るクレーンのガントリの上端部の拡大側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照しつつ、本発明の各実施形態について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るタワークレーン10(クレーン)の側面図である。図2は、タワークレーン10の下部ブーム14Aおよびガントリ40の周辺の拡大側面図である。図3は、タワークレーン10のガントリ40の上端部の拡大側面図である。図4は、タワークレーン10のガントリ40の上端部の拡大平面図である。図5は、タワークレーン10のバックストップ1の先端部の周辺の拡大側面図である。図6は、タワークレーン10のバックストップ1の先端部の周辺の拡大平面図である。図7は、図2の支持部材24を矢印VIIに沿って見た図である。
【0024】
なお、以後、各図には、「上」、「下」、「左」、「右」、「前」および「後」の方向が示されているが、当該方向は、各実施形態に係るクレーン10の構造および組立方法を説明するために便宜上示すものであり、本発明に係るクレーンの移動方向やバックストップの使用態様などを限定するものではない。
【0025】
タワークレーン10は、クローラ式の下部走行体11と、上部旋回体12(クレーン本体)と、運転室13と、ブーム14と、ジブ15と、ブーム起伏ウインチ16と、起伏ロープ17とを備える。
【0026】
下部走行体11は、地面などの走行面上を走行することができる。なお、下部走行体11は、クローラ以外の、例えばホイールなどを用いた移動構造を有するものでもよい。また、本発明に係るクレーンは、移動構造を有さない固定式クレーンでもよく、タワークレーン以外のラッフィングクレーンや、ジブを有さないクレーンなどでもよい。
【0027】
上部旋回体12は、下部走行体11に上下方向に延びる旋回中心軸回りに旋回可能に支持されている。運転室13は、上部旋回体12の前部に設けられ、タワークレーン10の作業者が搭乗することが可能である。
【0028】
ブーム14は、上部旋回体12の前端部に設けられた支軸12A(図2)に、起伏方向に回動可能に支持されている。具体的に、ブーム14は、ブーム基端部14P(起伏体基端部)と、ブーム先端部14Q(起伏体先端部)とを有する。ブーム基端部14Pは、ブーム14の基端部であって、前記支軸12Aに左右方向に延びる回動中心軸回りに回動可能に支持されている。ブーム先端部14Qは、ブーム基端部14Pとは反対側のブーム14の先端部である。また、本実施形態では、ブーム14は複数のブーム部材がその長手方向に沿って互いに連結されることで構成されている。特に、ブーム14は、ブーム基端部14Pを含む下部ブーム14Aを有する。下部ブーム14Aは、ブーム基端部14Pから先端側に向かって先拡がり状の構造を有しており、複数のパイプ材が結合されることで構成されている。
【0029】
更に、ブーム14は、左右一対の支持フレーム14B(ブーム支持部14R(起伏体支持部))を有する(図2図5図6)。支持フレーム14Bは、ブーム14のうちブーム基端部14Pとブーム先端部14Qとの間に設定された部分である。より具体的には、支持フレーム14Bは、下部ブーム14Aの背面のうち先端側の部分に配置されている。図6に示すように、下部ブーム14Aの一部を構成する左右方向に延びるパイプ材に、左右一対の支持フレーム14Bが左右方向に間隔をおいて固定されている。図5に示すように、本実施形態では、左右一対の支持フレーム14Bは、側面視でV字形状を有している。当該支持フレーム14Bについて換言すれば、各支持フレーム14Bは、上下方向に間隔をおいて配置される一対の係合片からなる。当該一対の係合片の間には、後記のバックストップ1の先端係合部31が嵌合する凹部が形成されている(図5)。
【0030】
ジブ15は、ブーム14のブーム先端部14Qに起伏可能に支持されている。
【0031】
ブーム起伏ウインチ16は、上部旋回体12の後部に搭載されている。ブーム起伏ウインチ16は、ブーム14を起伏させるために、起伏ロープ17を巻き取りおよび繰り出す機能を有している。
【0032】
更に、タワークレーン10は、下部スプレッダ18Aと、上部スプレッダ18Bと、左右一対のペンダントロープ19(ブームガイライン)と、ガントリ40とを備える。
【0033】
ガントリ40は、ブーム14の後方で上部旋回体12に立設される。ガントリ40は、ブーム14の起伏動作における支柱として機能する。この際、ガントリ40のガントリ上端部40T(図2)が、ブーム14を支持する。ガントリ40は、左右一対の前脚部41と、左右一対の後脚部42と、左右一対の連結部43と、連結軸44(図3図4)とを有する。
【0034】
左右一対の前脚部41は、左右方向に間隔をおいて上部旋回体12にそれぞれ支持されている。各前脚部41は、ブーム基端部14Pの後方で上部旋回体12に支持される前脚基端部と、前記前脚基端部とは反対側に配置される前脚先端部とをそれぞれ含み、前記前脚基端部から斜め後方かつ上方に延びている。
【0035】
左右一対の後脚部42は、左右一対の前脚部41の後方で左右方向に間隔をおいて上部旋回体12にそれぞれ支持されている。各後脚部42は、前記前脚基端部の後方で上部旋回体12に支持される後脚基端部と、前記後脚基端部とは反対側に配置される後脚先端部とをそれぞれ含み、前記後脚基端部から上方に延びている。
【0036】
左右一対の連結部43は、左右方向の両側で、前記前脚先端部と前記後脚先端部とをそれぞれ接続する。本実施形態では、連結部43は、図3に示すように、略三角形状を有している。
【0037】
連結軸44は、連結部43の上端部(頂部)に配置されている。連結軸44は、前記左右一対の連結部43を左右方向において互いに接続する軸部である。この結果、連結軸44は、左右一対の前脚部41の前脚先端部同士を連結する。本実施形態では、連結軸44が、ガントリ上端部40Tの一部を構成する。また、左右一対の後脚部42の後脚先端部は、連結ピン43Aによって連結部43の下部にそれぞれ連結されている。連結軸44には、ガイドシーブ17Sおよび下部スプレッダ18Aが回動可能に装着されている。
【0038】
上記のような構造によって、ガントリ40は、支軸12B、支軸12C、連結ピン43Aおよび連結軸44によって左右の前脚部41および左右の後脚部42が一体とされ、強固な構造物としてブーム14を後方から支持することができる。
【0039】
下部スプレッダ18Aは、連結軸44(ガントリ上端部40T)に接続されており、不図示の下部シーブブロックを有する。下部シーブブロックには、複数のシーブが幅方向(左右方向)に配列されている。
【0040】
上部スプレッダ18Bは、下部スプレッダ18Aの上方に所定の間隔をおいて配置される。上部スプレッダ18Bは、左右一対のペンダントロープ19を介してブーム先端部14Qに接続される。上部スプレッダ18Bは、不図示の上部シーブブロックを有する。上部シーブブロックには、複数のシーブが幅方向(左右方向)に配列されている。
【0041】
前述の起伏ロープ17は、ブーム起伏ウインチ16から引き出され、ガントリ上端部40Tに配置されたガイドシーブ17Sに掛けられた後、下部スプレッダ18Aの前記下部シーブブロックと上部スプレッダ18Bの前記上部シーブブロックとの間で複数回掛け回される。なお、前記下部シーブブロックおよび前記上部シーブブロックに掛け回された後の起伏ロープ17の先端部は、ガントリ上端部40Tに固定される。
【0042】
ブーム起伏ウインチ16は、起伏ロープ17の巻き取りおよび繰り出しを行うことで下部スプレッダ18Aの下部シーブブロックと上部スプレッダ18Bの上部シーブブロックとの間の距離を変化させ、ブーム14をガントリ40に対して相対的に回動させながらブーム14を起伏させる。
【0043】
タワークレーン10は、更に、バックストップ1と、支持部材24とを備える。
【0044】
バックストップ1は、ブーム14が上部旋回体12に対して起立した状態において、ブーム14を後方から支持することが可能である。このようにブーム14の仰動を制限するバックストップ1は、ガントリ40の先端部の連結部43とブーム14の下部ブーム14Aの先端部との間に配置されている。
【0045】
バックストップ1を機能的に説明すると、バックストップ1は、バックストップ基端部1Aと、バックストップ先端部1Bと、バックストップ中間部1Mとを有する。
【0046】
バックストップ基端部1Aは、バックストップ1の基端部であり、本実施形態では、連結軸44(ガントリ上端部40T)(一方の構造部)に左右方向に延びる回転中心軸回りに回動可能に支持されている。
【0047】
バックストップ先端部1Bは、バックストップ1の先端部であり、本実施形態では、ブーム14が上部旋回体12に対して起立することに伴って、下部ブーム14Aの支持フレーム14B(一方の構造部とは異なる他方の構造部)に当接する。
【0048】
バックストップ中間部1Mは、図2に示すように、バックストップ1のうちバックストップ基端部1Aとバックストップ先端部1Bとの間に設定されている。
【0049】
一方、バックストップ1を構造的に説明すると、バックストップ1は、外筒2と、内筒3と、ばね4とを有する。
【0050】
外筒2は、バックストップ1の軸方向に延びる中心線を有する円筒形状を有している。外筒2は、外筒基端部21(図3)を有する。外筒基端部21は、バックストップ1のバックストップ基端部1A(一端部、回動支持側の端部)を構成する。また、外筒2のうち外筒基端部21とは反対側の先端部は開口され、外筒2の内部空間に連通している。
【0051】
前述のガントリ40は、連結部43と連結軸44との間に跨って配設されたバックストップ取付具45を有する。バックストップ取付具45は、支持軸45Aを含む。外筒2の外筒基端部21は、支持軸45Aに回動可能に連結されている(図3図4)。この結果、連結軸44が、バックストップ取付具45を介してバックストップ1のバックストップ基端部1Aを支持する。
【0052】
内筒3は、バックストップ1の軸方向に延びる中心線(外筒2と同じ中心線)を有する円筒形状を有しており、外筒2の内径よりも僅かに小さな外径を有している。内筒3の先端部は外筒2の内部空間に摺動自在に挿入されており、内筒3が外筒2に対して軸方向に相対移動することでバックストップ1が伸縮する。
【0053】
内筒3は、先端係合部31(図5)を有する。先端係合部31は、内筒3の基端部であって、バックストップ1のバックストップ先端部1B(他端部)を構成する。先端係合部31は、内筒3の先端部に固定された円板状の部材である。ブーム14が上部旋回体12に対して起立すると、先端係合部31の外周面である当接部31Aが、前述の下部ブーム14Aの支持フレーム14Bに当接する。
【0054】
ばね4は、外筒2と内筒3との間に介在するように配置されている。ばね4は、ブーム14が上部旋回体12に対して起立した際に、その付勢力をブーム14に作用させることで、ブーム14の仰動を制限する。ばね4は、大ばね4Aと、小ばね4B(図5)とを含む。大ばね4Aは主に外筒2の外周面に外嵌されており、小ばね4Bは主に内筒3の外周面に外嵌されている。小ばね4Bの線径は大ばね4Aの線径よりも小さく設定されており、大ばね4Aよりも先に収縮し始めることで、ばね4がブーム14を緩やかに受け止めることができる。
【0055】
なお、ばね4について換言すれば、ばね4は、バックストップ基端部1Aとバックストップ先端部1Bとの距離が変化するようにバックストップ基端部1Aとバックストップ先端部1Bとの間に介在する伸縮可能なばね材である。
【0056】
支持部材24(図2図7)は、バックストップ1と前脚部41との間に介在し、バックストップ1を支持する。具体的には、支持部材24は、ブーム14が上部旋回体12に対して起立することに伴ってバックストップ先端部1Bが下部ブーム14Aの支持フレーム14B(他方の構造部)に当接することが可能なようにバックストップ1のガントリ40に対する相対姿勢を保持する。
【0057】
支持部材24は、一端部と他端部とを含む棒状の部材である。支持部材24の一端部は、前脚部41に固定された支持部材取付具46(前脚中間部)に回動可能に支持(連結)されている。支持部材取付具46は、前脚部41の前記前脚基端部と前記前脚先端部との間に設定(配置)されている。一方、支持部材24の他端部は、外筒2の長手方向中央部よりも基端部側に配置されたバックストップ中間部1Mに、回動可能に支持(連結)されている。なお、支持部材24の他端部は、外筒2のバックストップ中間部1Mに対して着脱可能とされる。また、支持部材24の一端部が支持部材取付具46に対して着脱可能であってもよいし、上記の両端部が着脱可能とされてもよい。
【0058】
図2を参照して、支持部材24は、上記の着脱によって前脚部41に対して起立した姿勢と、前脚部41に対して倒伏した姿勢との間で姿勢変更可能とされている。支持部材24の当該姿勢変更により、バックストップ1が支持姿勢と格納姿勢との間で姿勢変更することが可能となる。前記支持姿勢はバックストップ1がブーム14を後方から支持することが可能な姿勢であり、前記格納姿勢はバックストップ1が前記支持姿勢よりも前脚部41に重なるように配置される姿勢である、
【0059】
図1図2に示すように、本実施形態では、バックストップ1がガントリ40のガントリ上端部40T(先端部)と下部ブーム14Aの先端部との間を接続するように配置されているため、ブーム14の中心線とバックストップ1とがなす角度θが大きな鋭角に設定される。このため、バックストップ1のばね4によってブーム14を押し返す際のモーメントアームLを大きくすることが可能となり、バックストップ1がブーム14から受ける支持反力を低減することができる。この結果、ばね4が大型化することを抑止し、当該ばね4の支持反力に抗するために、バックストップ1の大型化、重量化する必要が低減される。
【0060】
なお、本実施形態では、ばね4の付勢力がブーム14に作用する力のうち、ブーム14の中心線と直交する方向の成分が、ブーム14の中心線と平行な方向の成分よりも大きくなるように、バックストップ1の姿勢、角度が設定されている。このため、ばね4の付勢力をブーム14に効率的に作用させることができる。
【0061】
更に、本実施形態では、ガントリ40が、左右一対の前脚部41、左右一対の後脚部42と、左右一対の連結部43と、連結軸44とを有し、連結軸44が、バックストップ1のバックストップ基端部1Aを回動可能に支持している。
【0062】
このような構成によれば、バックストップ1がブーム14から受ける反力を、強固な構造を有するガントリ40のガントリ上端部40Tで受け止めることが可能となる。また、連結軸44がバックストップ1を支持する機能を兼ね備えているため、ガントリ上端部40Tにバックストップ1を支持するための専用の構造を新たに設ける必要が低減される。
【0063】
また、本実施形態では、タワークレーン10は、バックストップ1と前脚部41との間に介在し、バックストップ1を支持する支持部材24を有する。
【0064】
このような構成によれば、バックストップ1を支持する構造を上部旋回体12に設ける場合と比較して、支持部材24の構造をシンプルにすることができるとともに支持部材24の長さを短くすることが可能となり、バックストップ1を支持する支持部材24の撓みを抑制することができる。
【0065】
また、本実施形態では、バックストップ1が支持姿勢と格納姿勢との間で姿勢変更することを可能とするように、支持部材24が、バックストップ1および前脚部41のうちの少なくとも一方に対して着脱可能とされている。
【0066】
このような構成によれば、バックストップ1がブーム14を支持しない場合には、支持部材24をバックストップ1または前脚部41から取り外すことで、バックストップ1を前脚部41に沿うように配置することが可能となり、タワークレーン10の輸送時または保管時に必要とされるスペースを縮小することができる。
【0067】
次に、上記の第1実施形態をベースとした本発明の第1変形実施形態について説明する。図8は、本変形実施形態に係るタワークレーン10(クレーン)のガントリ40の上端部の拡大側面図である。なお、本変形実施形態では、先の第1実施形態に対する相違点を中心に説明し、共通する点の説明を省略する。以後の実施形態についても、同様である。
【0068】
図8を参照して、本変形実施形態では、バックストップ1のバックストップ基端部1Aを構成する外筒2の外筒基端部22には、上下方向に間隔をおいて配置される上下一対の突出片22A(係合片)を含む二股状のクレビスが配置されている。各突出片22Aの先端部には、左右方向と直交する方向(図8では上下方向)に沿って取付孔22B(係合孔)が突出片22Aを貫通するように形成されている。図8に示すように、一対の突出片22Aの間に形成される凹部に連結軸44(軸部)が嵌合し、各突出片22Aの取付孔22Bに取付ピン23(抜け止めピン)を挿通することで、外筒2の外筒基端部22、すなわち、バックストップ基端部1Aが連結軸44に回動可能に支持される。なお、一対の取付孔22Bに挿通された取付ピン23の先端部(下端部)には、不図示の抜け止め部材が更に装着される。この結果、連結軸44が前記凹部から脱離することがより確実に阻止される。
【0069】
本変形実施形態では、先の第1実施形態のように連結軸44にバックストップ取付具45を装着することなく、連結軸44がバックストップ1のバックストップ基端部1Aを回動可能に支持することができる。このため、バックストップ1を支持する部分の構造を簡略化することができるとともに、バックストップ1の連結軸44(ガントリ上端部40T)に対する装着作業が容易になる。
【0070】
なお、本変形実施形態とは逆に、図5の先端係合部31(バックストップ先端部1B)の構造を上下一対の突出片22Aからなる構造として、下部ブーム14Aの左右方向に延びるパイプ材(図6参照)に嵌合するようにしてもよい。また、上記のバックストップ基端部1A、バックストップ先端部1Bの両方が、上下一対の突出片22Aを備えるものでもよい。
【0071】
次に、本発明の第2実施形態について説明する。図9は、本実施形態に係るタワークレーン10の下部ブーム14Aおよびガントリ40の周辺の拡大側面図である。図10は、タワークレーン10のガントリ40の上端部の拡大側面図である。図11は、タワークレーン10のガントリ40の上端部の拡大平面図である。図12は、タワークレーン10のバックストップ1の基端部の周辺の拡大側面図である。図13は、タワークレーン10のバックストップ1の基端部の周辺の拡大平面図である。なお、本実施形態では、先の第1実施形態との相違点を中心に説明し、共通する点の説明を省略する。
【0072】
本実施形態では、バックストップ1の外筒2の基端部(バックストップ基端部1A)が下部ブーム14Aの背面の上端部に回動可能に支持(連結)されるとともに、ブーム14が起立することに伴ってバックストップ1の内筒3の基端部(バックストップ先端部1B)がガントリ40のガントリ上端部40Tに当接することで、ガントリ40およびバックストップ1がブーム14を後方から支持する。
【0073】
バックストップ1のバックストップ基端部1Aは、図9図12に示すように、下部ブーム14Aの上端部に設けられたバックストップ取付具14C(ブーム支持部14R)に回動可能に支持されている。また、バックストップ1のバックストップ先端部1Bは、連結軸44上に設けられた支持部材取付具46に当接する。
【0074】
詳しくは、本実施形態においても、バックストップ1は、外筒2と、内筒3と、ばね4とを有する。
【0075】
外筒2の外筒基端部21は、下部ブーム14Aの先端部に固定されたバックストップ取付具14Cの支持軸14Dに回動可能に支持されている。また、外筒2の先端部は開口されており、外筒2の内部空間に連通している。
【0076】
また、内筒3の先端部は外筒2の内部に摺動可能に挿入されている。図10図11に示すように、内筒3の先端係合部31(バックストップ先端部1B)には、先の第1実施形態と同様に当接部31Aが設けられており、ブーム14が起立することに伴って、支持部材取付具46に当接する。支持部材取付具46は、連結部43と連結軸44とに跨って配設されている。この場合も、ガントリ40の連結軸44がブーム14の自重を受け止めることができる。
【0077】
また、バックストップ取付具14Cよりも下部ブーム14Aの基端側部分に固定された支持部材取付具14Eには、支持部材24の基端部が回動可能に支持されている。一方、外筒2の長手方向の中間部よりも基端部側部分(バックストップ中間部1M)には、支持部材24の先端部が回動可能に連結される。この支持部材24の先端部は、バックストップ中間部1Mに対して着脱可能とされている。
【0078】
本実施形態では、支持部材24を下部ブーム14Aに対して起立させ、支持部材24の先端部をバックストップ中間部1Mに装着すると、バックストップ1がブーム14を支持可能な支持姿勢とされる。一方、支持部材24の先端部をバックストップ中間部1Mから脱離すると、支持部材24が下部ブーム14Aの背面に沿うように回動可能であるとともに、バックストップ1がバックストップ基端部1Aを支点として回動し、下部ブーム14Aの背面に沿うように格納姿勢される。
【0079】
本実施形態においても、バックストップ1が下部ブーム14Aの先端部とガントリ40のガントリ上端部40Tとの間に配置されているため、ブーム14の中心線とバックストップ1とがなす角度θを大きな鋭角とすることが可能となり、ばね4がブーム14を押し返す際のモーメントアームLを大きくすることができる。この結果、バックストップ1が受ける支持反力が低減され、バックストップ1の小型化、軽量化が実現される。
【0080】
次に、上記の第2実施形態をベースとした本発明の第2変形実施形態について説明する。図14は、本変形実施形態に係るタワークレーン10(クレーン)のガントリ40の上端部の拡大側面図である。
【0081】
図14を参照して、本変形実施形態では、バックストップ1のバックストップ先端部1Bを構成する内筒3の内筒基端部32には、上下一対の突出片32A(係合片)を含む二股状のクレビスが配置されている。図14に示すように、一対の突出片32Aの間に形成される凹部に連結軸44を嵌合させることで、内筒3の内筒基端部32、すなわち、バックストップ先端部1Bが連結軸44に支持される。この場合、バックストップ1がブーム14から受ける支持反力を連結軸44が直接受け止めることができる。このため、強固な構造を有するガントリ40によって、バックストップ1を支持することで、ブーム14の後方への倒れを安定して防止することができる。
【0082】
なお、図8に示される第1変形実施形態の構造を本変形実施形態におけるバックストップ基端部1A(図12図13)に適用してもよい。
【0083】
以上、本発明の各実施形態に係るバックストップ1を含むクレーン10について説明した。なお、本発明はこれらの形態に限定されるものではない。本発明では、以下のような変形実施形態が可能である。
【0084】
(1)上記の実施形態では、図1に示すクレーン10を用いて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、他の構造を備えたクレーンにも適用可能である。たとえば、ブームの先端部にジブを備えないクレーンなどでもよい。
【0085】
(2)支持部材24は、バックストップ1またはガントリ40に対して固定されているものでもよい。
【0086】
(3)上記の実施形態では、バックストップ1がばね4を有する態様にて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。バックストップ1はばね4を有さないものでもよく、外筒2および内筒3によってブーム14を支持する態様でもよい。また、バックストップ1は必ずしも外筒2および内筒3の構造に限定されるものではなく、バックストップ基端部1Aおよびバックストップ先端部1Bを有するものであればよい。
【符号の説明】
【0087】
1 バックストップ
10 タワークレーン
11 下部走行体
12 上部旋回体
12A、12B、12C 支軸
13 運転室
14 ブーム
14A 下部ブーム
14B 支持フレーム
14C バックストップ取付具
14D 支持軸
14E 支持部材取付具
14P ブーム基端部(起伏体基端部)
14Q ブーム先端部(起伏体先端部)
14R ブーム支持部(起伏体支持部)
15 ジブ
16 ブーム起伏ウインチ
17 起伏ロープ
17S ガイドシーブ
18A 下部スプレッダ
18B 上部スプレッダ
19 ペンダントロープ
1A バックストップ基端部
1B バックストップ先端部
1M バックストップ中間部
2 外筒
21、22 外筒基端部
22A 突出片(係合片)
22B 取付孔(係合孔)
23 取付ピン(抜け止めピン)
24 支持部材
3 内筒
31 先端係合部
31A 当接部
32 内筒基端部
32A 突出片
4 ばね
40 ガントリ
40T ガントリ上端部
41 前脚部
42 後脚部
43 連結部
43A 連結ピン
44 連結軸
45 バックストップ取付具
45A 支持軸
46 支持部材取付具(前脚中間部)
4A 大ばね
4B 小ばね
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14