(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022190585
(43)【公開日】2022-12-26
(54)【発明の名称】注文受付装置、注文受付システム、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/16 20060101AFI20221219BHJP
G07G 1/00 20060101ALI20221219BHJP
G07G 1/12 20060101ALI20221219BHJP
G10L 15/00 20130101ALI20221219BHJP
G10L 17/00 20130101ALI20221219BHJP
G06Q 50/12 20120101ALI20221219BHJP
【FI】
G06F3/16 640
G07G1/00 311Z
G07G1/12 361C
G10L15/00 200Z
G10L17/00 200C
G06F3/16 650
G06Q50/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021098973
(22)【出願日】2021-06-14
(71)【出願人】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】楢崎 大輔
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 雄
(72)【発明者】
【氏名】中西 淳
(72)【発明者】
【氏名】大熊 裕美子
(72)【発明者】
【氏名】曹永 紗世
【テーマコード(参考)】
3E142
5L049
【Fターム(参考)】
3E142AA07
3E142BA07
3E142BA20
3E142CA11
3E142KA01
5L049CC23
5L049CC24
(57)【要約】
【課題】本発明が解決しようとする課題は、顧客の音声による注文を確実に受付けることが可能な注文受付装置、注文受付システム、およびプログラムを提供することである。
【解決手段】実施形態の注文受付装置は、店舗の客席を識別する席情報と対応付けられた音声情報が入力される入力部と、前記入力部に入力された音声情報が示す内容を認識する音声認識部と、前記入力部に入力された音声情報の特性を示す特性データを抽出する特性抽出部と、前記特性抽出部が抽出した特性データが、店員の音声情報の特性データを記憶する店員特性情報記憶部に記憶されているか否かに基づいて、前記入力部に入力された音声情報の話者が店員であるか否かを判定する判定部と、前記判定部によって音声情報の話者が店員でないと判定されたことを条件として、前記音声認識部が認識した注文内容と前記席情報とを対応付けた注文情報を受け付ける受付部と、を備える。
【選択図】
図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
店舗の客席を識別する席情報と対応付けられた音声情報が入力される入力部と、
前記入力部に入力された音声情報が示す内容を認識する音声認識部と、
前記入力部に入力された音声情報の特性を示す特性データを抽出する特性抽出部と、
前記特性抽出部が抽出した特性データが、店員の音声情報の特性データを記憶する店員特性情報記憶部に記憶されているか否かに基づいて、前記入力部に入力された音声情報の話者が店員であるか否かを判定する判定部と、
前記判定部によって音声情報の話者が店員でないと判定されたことを条件として、前記音声認識部が認識した注文内容と前記席情報とを対応付けた注文情報を受け付ける受付部と、
を備える注文受付装置。
【請求項2】
音声情報が入力される入力部と、
前記入力部に入力された音声情報が示す内容を認識する音声認識部と、
前記入力部に入力された音声情報の特性を示す特性データを抽出する特性抽出部と、
前記音声認識部が認識した内容に店舗の客席を識別する席情報が含まれている場合、前記特性抽出部が抽出した特性データと当該席情報とを対応付けて顧客特性情報記憶部に登録する登録部と、
前記音声認識部が認識した内容に注文内容が含まれている場合、前記顧客特性情報記憶部において前記特性抽出部が抽出した特性データに対応する席情報と当該注文内容とを対応付けた注文情報を受付ける受付部と、
を備える注文受付装置。
【請求項3】
前記音声認識部が認識した内容に基づいて、前記受付部が受付けた注文情報のステータスを管理する注文管理部をさらに備える、
請求項1または請求項2に記載の注文受付装置。
【請求項4】
前記入力部に入力された音声情報の話者を特定する話者特定部をさらに備え、
前記注文管理部は、前記話者特定部による話者の特定結果と前記音声認識部の認識内容とに基づいて、前記注文情報のステータスを管理する、
請求項3に記載の注文受付装置。
【請求項5】
前記話者特定部は、店員を識別する店員識別情報と前記特性データとを対応付けて記憶する店員特性情報記憶部において前記特性抽出部が抽出した特性データに対応する店員識別情報で識別される店員を前記入力部に入力された音声情報の話者と特定する、
請求項4に記載の注文受付装置。
【請求項6】
店舗の客席に対応して配設され、当該客席に位置する顧客の音声を収音し、当該音声を特定する音声情報を出力する客用収音部と、前記客用収音部が出力した音声情報に基づいて、顧客からの注文を受付ける注文受付装置と、を備える注文受付システムであって、
前記注文受付装置は、
店舗の客席を識別する席情報と対応付けられた音声情報が入力される入力部と、
前記入力部に入力された音声情報が示す内容を認識する音声認識部と、
前記入力部に入力された音声情報の特性を示す特性データを抽出する特性抽出部と、
前記特性抽出部が抽出した特性データが、店員の音声情報の特性データを記憶する店員特性情報記憶部に記憶されているか否かに基づいて、前記入力部に入力された音声情報の話者が店員であるか否かを判定する判定部と、
前記判定部によって音声情報の話者が店員でないと判定されたことを条件として、前記音声認識部が認識した注文内容と前記席情報とを対応付けた注文情報を受け付ける受付部と、
を備える注文受付システム。
【請求項7】
店舗の客席に位置する顧客の音声を収音し、当該音声を特定する音声情報を出力する客用収音部と、前記客用収音部が出力した音声情報に基づいて、顧客からの注文を受付ける注文受付装置と、を備える注文受付システムであって、
前記注文受付装置は、
音声情報が入力される入力部と、
前記入力部に入力された音声情報が示す内容を認識する音声認識部と、
前記入力部に入力された音声情報の特性を示す特性データを抽出する特性抽出部と、
前記音声認識部が認識した内容に店舗の客席を識別する席情報が含まれている場合、前記特性抽出部が抽出した特性データと当該席情報とを対応付けて顧客特性情報記憶部に登録する登録部と、
前記音声認識部が認識した内容に注文内容が含まれている場合、前記顧客特性情報記憶部において前記特性抽出部が抽出した特性データに対応する席情報と当該注文内容とを対応付けた注文情報を受付ける受付部と、
を備える注文受付システム。
【請求項8】
注文受付装置をコンピュータで制御するためのプログラムであって、
前記コンピュータを、
店舗の客席を識別する席情報と対応付けられた音声情報が入力される入力部と、
前記入力部に入力された音声情報が示す内容を認識する音声認識部と、
前記入力部に入力された音声情報の特性を示す特性データを抽出する特性抽出部と、
前記特性抽出部が抽出した特性データが、店員の音声情報の特性データを記憶する店員特性情報記憶部に記憶されているか否かに基づいて、前記入力部に入力された音声情報の話者が店員であるか否かを判定する判定部と、
前記判定部によって音声情報の話者が店員でないと判定されたことを条件として、前記音声認識部が認識した注文内容と前記席情報とを対応付けた注文情報を受け付ける受付部と、
して機能させるプログラム。
【請求項9】
注文受付装置をコンピュータで制御するためのプログラムであって、
前記コンピュータを、
音声情報が入力される入力部と、
前記入力部に入力された音声情報が示す内容を認識する音声認識部と、
前記入力部に入力された音声情報の特性を示す特性データを抽出する特性抽出部と、
前記音声認識部が認識した内容に店舗の客席を識別する席情報が含まれている場合、前記特性抽出部が抽出した特性データと当該席情報とを対応付けて顧客特性情報記憶部に登録する登録部と、
前記音声認識部が認識した内容に注文内容が含まれている場合、前記顧客特性情報記憶部において前記特性抽出部が抽出した特性データに対応する席情報と当該注文内容とを対応付けた注文情報を受付ける受付部と、
して機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、注文受付装置、注文受付システム、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、飲食店においては、人手不足や、感染症対策として店員と顧客との会話削減が要求されていることなどを背景として、顧客自身の操作によって注文するオーダー端末装置などが用いられている。ところが、オーダー端末装置の操作に慣れていない顧客が多く、顧客がオーダー端末装置の操作に戸惑う場面が見受けられる。このため、顧客が容易に注文できるシステムの導入が望まれている。
【0003】
顧客が複雑な操作を行うことなく注文できるようなものとして、音声認識を用いた注文入力システムが提案されている(例えば、特許文献1)。上記注文入力システムは、いわゆるドライブスルーにおいて顧客の注文を音声で受付けるものである。
【0004】
しかしながら、このような音声認識を用いた注文入力システムを複数の顧客が存在する店舗内に採用すると、注文を意図していない顧客あるいは店員の音声に基づいて誤った注文を受付けてしまう可能性があるという問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、顧客の音声による注文を確実に受付けることが可能な注文受付装置、注文受付システム、およびプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の注文受付装置は、店舗の客席を識別する席情報と対応付けられた音声情報が入力される入力部と、前記入力部に入力された音声情報が示す内容を認識する音声認識部と、前記入力部に入力された音声情報の特性を示す特性データを抽出する特性抽出部と、前記特性抽出部が抽出した特性データが、店員の音声情報の特性データを記憶する店員特性情報記憶部に記憶されているか否かに基づいて、前記入力部に入力された音声情報の話者が店員であるか否かを判定する判定部と、前記判定部によって音声情報の話者が店員でないと判定されたことを条件として、前記音声認識部が認識した注文内容と前記席情報とを対応付けた注文情報を受け付ける受付部と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、第1の実施形態における注文受付システムを含む店舗システムの概略を示す図である。
【
図2】
図2は、第1の実施形態における注文受付装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、第1の実施形態における注文受付装置のメモリ部に記憶されるメニューマスタのデータ構成を示す図である。
【
図4】
図4は、第1の実施形態における注文受付装置のメモリ部に記憶される商品辞書ファイルのデータ構成を示す図である。
【
図5】
図5は、第1の実施形態における注文受付装置のメモリ部に記憶される注文数辞書ファイルのデータ構成を示す図である。
【
図6】
図6は、第1の実施形態における注文受付装置のメモリ部に記憶される注文管理辞書ファイルのデータ構成を示す図である。
【
図7】
図7は、第1の実施形態における注文受付装置のメモリ部に記憶される店員特性管理ファイルのデータ構成を示す図である。
【
図8】
図8は、第1の実施形態における注文受付装置のメモリ部に記憶される注文管理ファイルのデータ構成を示す図である。
【
図9】
図9は、第1の実施形態における注文受付装置の機能構成を示すブロック図である。
【
図10】
図10は、第1の実施形態における注文受付システムの動作の流れを示すシーケンスチャートである。
【
図11】
図11は、第1の実施形態における注文受付装置の制御部による注文受付処理の流れを示すフローチャートである。
【
図12】
図12は、第1の実施形態における注文受付装置の制御部によるステータス更新処理の流れを示すフローチャートである。
【
図13】
図13は、第2の実施形態における注文受付装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図14】
図14は、第2の実施形態における注文受付装置のメモリ部に記憶される顧客特性管理ファイルのデータ構成を示す図である。
【
図15】
図15は、第2の実施形態における注文受付システムの機能構成を示すブロック図である。
【
図16】
図16は、第2の実施形態における注文受付システムの動作の流れを示すシーケンスチャートである。
【
図17】
図17は、第2の実施形態における注文受付装置の制御部による注文受付処理の流れを示すフローチャートである。
【
図18】
図18は、第2の実施形態における注文受付装置の制御部によるステータス更新処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、注文受付装置、注文受付システム、およびプログラムについて説明する。なお、以下に説明する実施形態によりこの発明が限定されるものではない。例えば、以下の実施形態では、注文受付システムを飲食店に採用した例について説明するが、これに限らない。注文受付装置は、注文を受けて顧客に商品を提供する店舗に広く用いることができる。
【0009】
(第1の実施形態)
以下、第1の実施形態の注文受付装置、注文受付システム、およびプログラムについて、図面を参照して説明する。
図1は、注文受付システムを含む店舗システムの概略を示す図である。店舗システム100は、商品を提供する店舗、例えば複数の客席が設置された飲食店などに採用される。店舗に設置される客席は、一人ずつ利用されるカウンター席でも複数人で利用するテーブル席でもよく、また立食用の客席でもよい。店舗システム100は、注文受付システム1およびPOS(Point Of Sales)端末200を備える。
【0010】
POS端末200は、チェックアウトカウンタに設けられ、飲食を終えた顧客の支払に関する会計処理を実行する。POS端末200が実行する会計処理は、現金決済においては、例えば、顧客が注文した商品情報等の表示、釣銭額の算出、釣銭の払出等であり、クレジット決済においては、決済代行業者の決済サーバとの各種情報の送受信等である。
【0011】
注文受付システム1は、管理サーバ2、客マイク3、表示器4、調理者マイク5、キッチンディスプレイ6、キッチンプリンタ7、およびホール担当者マイク8を備える。これら各装置は、LAN(Local Area Network)や無線LAN等のネットワークを介して互いに通信可能に接続されている。また、上記各装置は、ネットワークを介してPOS端末200に通信可能に接続されている。なお、例えばカウンター席のみで店舗であって、カウンター内で調理する店員が顧客への商品の提供も行う場合、注文受付システム1は、調理者マイク5またはホール担当者マイク8のいずれか一方を備えていればよい。
【0012】
管理サーバ2は、店舗のバックヤードに配設される。管理サーバ2は、POS端末200から会計処理が実行された商品の商品情報や決済方法等に関する決済情報を受信する。さらに、管理サーバ2は、POS端末200から売上金額を示した売上情報を受信する。管理サーバ2は、受信した商品情報、決済情報、売上情報等を集中的に管理して、一店舗での売上管理等を行う。
【0013】
また、管理サーバ2は、客マイク3が収音した顧客の音声に基づいて注文情報を受付ける。注文情報は、客席の位置を示す席情報および注文内容(商品を特定する情報、商品の個数を示す情報)を含む。具体的には、管理サーバ2は、客マイク3から入力された音声情報に基づいて顧客の音声であるか店員の音声であるかを判定し、顧客の音声であれば当該音声情報の内容を認識して注文情報を受付ける。以下の説明において、音声情報の内容を認識することを音声認識、音声情報の特性データに基づいて話者を認識することを話者認識、とそれぞれいう場合がある。話者認識および音声認識は広く知られた技術により実行され、管理サーバ2は、これら音声認識および話者認識を活用して注文情報を受付ける。管理サーバ2は、注文受付装置の一例である。
【0014】
さらに、管理サーバ2は、調理者マイク5およびホール担当者マイク8が収音した音声に基づいて、受付けた注文情報のステータスを管理する。例えば、管理サーバ2は、受付けた注文情報にかかる商品の調理が完了したこと、あるいは、当該商品が顧客に提供されたことなどを記憶する。管理サーバ2は注文管理機能を備えた注文受付装置ということができる。
【0015】
客マイク3は、各客席に対応して設置されている。客マイク3は、対応する客席の顧客の音声を収音し、収音した音声の音声情報をマイクNoとともに管理サーバ2に出力する。マイクNoは、客席に設けられたマイクを識別する、言い換えれば客マイクが設けられた客席を識別するもので、席情報の一例である。客マイク3は、他の客席の顧客の音声は収音しない、あるいは収音しても音声情報として出力しないように設定されている。例えば、客マイク3は入力された音声の音量が所定値以下の場合、ノイズであると判断して音声情報を出力しない。なお、音量に基づくノイズ音の判断は管理サーバ2で行ってもよい。客マイク3は、客席に位置する顧客の音声を収音し、当該音声を特定する音声情報を出力する客用収音部の一例である。
【0016】
表示器4は、客マイク3とセットになって各客席に対応して設置されている。表示器4は、例えば、対応する客マイク3が出力した音声情報に基づいて管理サーバ2が認識した注文内容を表示する。表示器4に表示された注文内容を確認して、顧客が「はい」「OK」などの注文を確定するための音声を発すると、管理サーバ2は注文を受付ける。表示器4は、その他各種情報を表示することができる。例えば、表示器4は、店舗のメニューや顧客が注文した商品の商品情報(商品名、価格など)を表示することができる。なお、表示器4は設けなくてもよい。また、表示器4に代えて、あるいは表示器4に加えて、当該表示器4が表示する内容を音声で出力するスピーカを設けてもよい。
【0017】
調理者マイク5は、キッチンで商品を調理する調理者の音声を収音し、収音した音声の音声情報を管理サーバ2に出力する。調理者マイク5は、例えば調理者のみの音声を収音するヘッドセットで構成される。調理者マイク5にも調理者マイク5を識別するマイクNoが設定されている。
【0018】
キッチンディスプレイ6は、キッチンに設けられ、例えば、管理サーバ2が受付けた注文情報や当該注文情報のステータス等を表示する。調理者は、キッチンディスプレイ6に表示された注文情報を確認して調理を行う。
【0019】
キッチンプリンタ7は、キッチンに設けられ、管理サーバ2が受付けた注文情報を印刷し伝票として発行する。ホール担当者は、顧客が注文した商品の調理が完了して当該顧客に商品を提供する際にキッチンプリンタ7で印刷された伝票を顧客に渡す。
【0020】
ホール担当者マイク8は、複数の客席が設置されたホールを移動して顧客に商品を提供するホール担当者の音声を収音し、収音した音声の音声情報を管理サーバ2に出力する。ホール担当者マイク8は、例えばホール担当者のみの音声を収音するヘッドセットで構成される。ホール担当者マイク8にもホール担当者マイク8を識別するマイクNoが設定されている。
【0021】
次に、管理サーバ2について詳細に説明する。
図2は、管理サーバ2のハードウェア構成を示すブロック図である。管理サーバ2は、制御部20と、メモリ部21と、表示部22と、操作部23と、通信部24と、を備えている。制御部20、メモリ部21、表示部22、操作部23および通信部24は、バス25等を介して互いに接続されている。
【0022】
制御部20は、CPU(Central Processing Unit)201、ROM(Read Only Memory)202、RAM(Random Access Memory)203を備えたコンピュータで構成されている。CPU201、ROM202、およびRAM203は、互いにバス25を介して接続されている。
【0023】
CPU201は管理サーバ2の全体の動作を制御する。ROM202は、CPU201の駆動に用いられるプログラムなどの各種プログラムや各種データを記憶する。RAM203は、CPU201のワークエリアとして使用され、ROM202やメモリ部21に記憶された各種プログラムや各種データを展開する。制御部20は、CPU201がROM202や、メモリ部21に記憶されRAM203に展開された制御プログラムに従って動作することによって、管理サーバ2の各種制御処理を実行する。
【0024】
メモリ部21は、HDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリ等の記憶媒体で構成されており、電源を遮断しても記憶内容を維持する。メモリ部21は、制御プログラム211、メニューマスタ212、商品辞書ファイル213、注文数辞書ファイル214、注文管理辞書ファイル215、店員特性管理ファイル216、および注文管理ファイル217を記憶する。
【0025】
制御プログラム211は、管理サーバ2を売上管理装置として機能させるプログラム、管理サーバ2を注文受付装置として機能させるプログラム等である。
【0026】
メニューマスタ212は、店舗のメニューの商品の情報を記憶したマスタファイルである。メニューマスタ212は、店舗のメニューに変更があった場合に更新される。
図3は、メニューマスタ212のデータ構成を示す図である。メニューマスタ212は、メニューNo、商品名、および価格を示す各情報が対応づけられている。
【0027】
メニューNoの項目には、商品ごとに設定された番号が登録されている。メニューNoは、商品を識別する商品識別情報の一例である。商品名の項目には、商品の名称を示す情報が登録されている。価格の項目には、商品の単価を示す情報が登録されている。単価は、本体価格でも消費税を含んだ税込価格でもよい。
【0028】
商品辞書ファイル213は、音声認識による注文受付において注文商品を認識する際に用いられる用語の辞書データである。
図4は、商品辞書ファイル213のデータ構成を示す図である。商品辞書ファイル213は、商品名および用語を示す各情報が対応づけられている。
【0029】
商品名の項目には、商品の名称を示す情報が登録されている。用語の項目には、商品を識別する用語を示す情報が登録されている。商品を識別する用語は、商品名、商品名の一部の文言、メニューNoなどである。例えば商品名がカレーライスの場合、対応する用語は「カレーライス」、「カレー」、「メニューNo1」などとすることができる。
【0030】
注文数辞書ファイル214は、音声認識による注文受付において注文商品の個数を認識する際に用いられる用語の辞書データである。
図5は、注文数辞書ファイル214のデータ構成を示す図である。注文数辞書ファイル214は、注文数および用語を示す各情報が対応づけられている。
【0031】
注文数の項目には、注文数を示す情報が登録されている。用語の項目には、注文数を識別する用語を示す情報が登録されている。例えば、注文数1に対応する用語は、「1個」、「1つ」などである。
【0032】
注文管理辞書ファイル215は、音声認識による注文管理において注文情報の管理を行う際に用いられる用語の辞書データである。
図6は、注文管理辞書ファイル215のデータ構成を示す図である。注文管理辞書ファイル215は、更新処理および用語を示す各情報が対応づけられている。
【0033】
更新処理の項目には、注文情報に対するステータスの更新処理(注文情報の登録を含む)を示す情報が登録されている。更新処理の項目には、例えば、注文登録、調理完了、商品提供済の処理を示す情報が登録される。用語の項目には、ステータスの更新処理を決定する際に用いられる用語を示す情報が登録されている。例えば、注文登録に対応する用語は、「はい」、「OK」などである。これは、顧客が表示器4に表示された注文内容を確認した際に発する音声に含まれる用語である。また、調理完了に対応する用語は、「できあがり」、「お願いします」などである。これは、注文された商品の調理を完了した際に調理担当者が商品名に続いて発する音声に含まれる用語である。さらに、商品提供済に対応する用語は、「お待たせしました」「どうぞ」などである。これは、個客に対して商品を提供した際にホール担当者が商品名に続いて発する音声に含まれる用語である。
【0034】
なお、メモリ部21は、その他の辞書ファイルを記憶してもよい。例えば、Lサイズ、Mサイズ、Sサイズなど飲み物等のサイズを認識するための辞書ファイルを備えていてもよい。各辞書ファイルで用いられる用語は、店舗のルールや運用によって定めることができる。
【0035】
店員特性管理ファイル216は、店員ごとに音声情報の特性データを管理するファイルである。音声情報の特性データは、話者認識を行うためのデータであり、例えば音声を周波数分析したデータ等である。店員特性管理ファイル216は、全ての店員のデータを登録しているが、客席で音声を発する可能性がある店員(例えば、ホール担当者)のデータを登録するものであればよい。本実施形態では、店員特性管理ファイル216は、客マイク3が収音した音声が店員の音声であるか否かを話者認識する際に活用されるものだからである。なお、ホール担当者以外のデータの活用については、第2の実施形態で詳述する。店員の音声情報の特性データは、営業前に予め登録されていてもよく、また店員が営業中に最初に音声を発する際に登録してもよい。
図7は、店員特性管理ファイル216のデータ構成を示す図である。店員特性管理ファイル216は、店員を識別する店員ID、担当、および特徴データを示す各情報が対応づけられている。店員特性管理ファイル216は、店員の音声情報の特性データを記憶する店員特性情報記憶部、および、店員を識別する店員識別情報と音声情報の特性データとを対応付けて記憶する店員特性情報記憶部の一例である。
【0036】
店員IDの項目には、店員を識別する店員IDが登録される。店員IDは、店員を識別する店員識別情報の一例である。店員IDは、店員ごとに異なるIDが設定されている。しかしながら、店員IDは全て同じとしてもよい。本実施形態においては、必ずしも店員個人を識別する必要はなく、店員であることを識別できればよいからである。担当の項目には、店員の担当を示す情報が登録される。担当とは、例えば、調理者、ホール担当者などである。この項目のデータの活用については、第2の実施形態で述べる。特性データの項目には、音声情報の特性データを示す情報が登録される。
【0037】
注文管理ファイル217は、顧客から受付けた注文情報のステータスを管理するファイルである。注文管理ファイル217は、客マイク3、調理者マイク5、およびホール担当者マイク8が収音した音声の音声情報に基づいて更新される。
図8は、注文管理ファイル217のデータ構成を示す図である。注文管理ファイル217は、席No、注文No、注文商品名、ステータス、および登録フラグを示す各情報が対応づけられている。
【0038】
席Noの項目には、客席ごとに定められた番号が登録される。席Noは各客マイク3に設定されたマイクNoと対応づけられており、席Noを示す情報はマイクNoを示す情報であるということもできる。以下の説明において、席Noを登録することを、マイクNoを登録する、という場合がある。注文Noの項目には、受付けた注文情報を特定する注文Noを示す情報が登録される。本実施形態では、注文Noは注文商品1つずつに対応して発行されるが、1客席から受付けた注文情報全体に注文Noを設定してもよい。注文商品名の項目には、注文された商品の名称を示す情報が登録される。ステータスの項目には、受付けた注文情報の状況を示す情報が入力される。ステータスの項目は、注文情報を受付けた後、状況に応じて書き換えられる。登録フラグの項目には、受付けた注文情報が未確定状態の仮登録か、確定した状態の本登録かを示す情報が登録される。登録フラグの項目には、受付けた注文情報が仮登録の場合「0」が登録され、本登録の場合「1」が登録される。
【0039】
図2に戻って、管理サーバ2のハードウェア構成を説明する。表示部22は、例えば液晶パネルで構成されており、各種情報を表示する。表示部22は、例えば各辞書ファイルに用語を登録するための登録画面等を表示する。
【0040】
操作部23は、キーボードやタッチパネル等で構成される。操作部23は、顧客によって操作されると、当該操作に応じた情報を制御部20に入力する。
【0041】
通信部24は、客マイク3、表示器4、調理者マイク5、キッチンディスプレイ6、キッチンプリンタ7、ホール担当者マイク8、およびPOS端末200などの外部装置と通信するためのインターフェイスである。制御部20は、通信部24を介して上記外部装置と接続されることで、当該外部装置と情報(データ)の送受信が可能となる。
【0042】
続いて、管理サーバ2の制御部20の機能構成について説明する。
図9は、管理サーバ2の制御部20の主要な機能構成を示すブロック図である。制御部20は、CPU201がROM202やメモリ部21に記憶された制御プログラムにしたがって動作することで、入力部2001、音声認識部2002、特性抽出部2003、話者特定部2004、判定部2005、受付部2006および注文管理部2007として機能する。なお、これら各機能を専用回路等のハードウェアで構成してもよい。
【0043】
入力部2001には、店舗の客席を識別する席情報と対応付けられた音声情報が入力される。具体的には、入力部2001には、客マイク3で収音された音声の音声情報と当該客マイクのマイクNoとが対応づけられた情報が入力される。また、入力部2001には、調理者マイク5で収音された音声の音声情報と当該調理者マイク5のマイクNoとが対応づけられた情報、およびホール担当者マイク8で収音された音声の音声情報と当該ホール担当者マイク8のマイクNoとが対応づけられた情報が入力される。
【0044】
音声認識部2002は、入力部2001に入力された音声情報が示す内容を認識する。具体的には、音声認識部2002は、客マイク3、調理者マイク5、ホール担当者マイク8で収音された音声の音声情報を分析して、これら音声情報が示す内容を認識する。また、音声認識部2002は、認識した内容に含まれる用語と各辞書ファイルとに基づいて、注文内容や注文に対するステータスを認識する。例えば、音声認識部2002は、認識した音声情報の内容に「メニューNo」の用語が含まれている場合、当該音声情報は当該メニューNoに対応する商品を注文する内容であることを認識する。また、例えば、音声認識部2002は、認識した音声情報の内容に「OK」の用語が含まれている場合、当該音声情報は注文登録することを指示する内容であると認識する。
【0045】
特性抽出部2003は、入力部2001に入力された音声情報の特性を示す特性データを抽出する。特性抽出部2003は、例えば、音声情報を周波数分析して特徴となる特性データを抽出する。話者を識別するために用いられる特性データは、公知の方法で抽出される。
【0046】
話者特定部2004は、入力部2001に入力された音声情報の話者を特定する。話者特定部2004は、話者と特性データとを対応付けた特性情報を参照して、特性抽出部2003が抽出した特性データに対応する話者を特定する。例えば、話者特定部2004は、入力部2001に入力された音声情報から特性抽出部2003が抽出した特性データと、店員特性管理ファイル216に登録された特性データとを比較して、入力部2001に入力された音声情報の話者を特定する。
【0047】
判定部2005は、特性抽出部2003が抽出した特性データ、および、店員を識別する店員識別情報と音声情報の特性データとを対応付けて記憶する店員特性情報に基づいて、入力部2001に入力された音声情報の話者が店員であるか否かを判定する。具体的には、判定部2005は、特性抽出部2003が抽出した特性データが店員特性管理ファイル216に登録されているか否か判断し、登録されていれば、入力部2001に入力された音声情報の話者が店員であると判定する。判定部2005は、特性抽出部2003が抽出した特性データが店員特性管理ファイル216に登録されていなければ、入力部2001に入力された音声情報の話者が店員でないと判定する。
【0048】
受付部2006は、判定部2005によって音声情報の話者が店員でないと判定されたことを条件として、音声認識部2002が認識した注文内容と席情報とを対応付けた注文情報を受け付ける。具体的には、受付部2006は、判定部2005によって、客マイク3のマイクNoとともに入力された音声情報の話者が店員でないと判定されたことを条件として、当該音声情報が示す注文内容とマイクNoとを対応付けた注文情報を注文管理ファイル217に登録する。言い換えれば、客マイク3で収音された音声が店員の音声でない場合、当該音声の音声情報が注文内容を示すものであれば当該注文内容に基づいて注文情報を受付ける。受付部2006は、判定部2005によって音声情報の話者が店員であると判定された場合、当該音声情報が音声認識部2002によって注文内容を示すものと認識されても、注文情報を受付けない。
【0049】
また、受付部2006は、入力部2001に入力された音声情報が客マイク3から注文内容を示すものである場合、当該注文内容と席Noとを対応付けた注文情報を注文管理ファイル217に仮登録する。そして、受付部2006は、顧客が注文内容を確認するための情報を表示器4に送信する。顧客の確認の結果、注文情報が確定すると受付部2006は、注文管理ファイル217の注文情報を仮登録から本登録に更新する。すなわち、注文情報に対応する登録フラグを「0」から「1」に書き換える。これにより、受付部2006は注文情報を受付ける。受付部2006は、注文情報を受付けると、受付けた注文情報をキッチンディスプレイ6およびキッチンプリンタ7に出力する。これにより、キッチンディスプレイ6は新たに受けた注文の注文情報を表示し、キッチンプリンタ7は当該注文情報にかかる伝票を発行する。
【0050】
注文管理部2007は、音声認識部2002が認識した内容に基づいて、受付部2006が受付けた注文情報のステータスを管理する。具体的には、注文管理部2007は、入力部2001に入力されたマイクNoと、当該マイクNoとともに入力された音声情報の内容とに基づいて注文管理ファイル217を更新する。例えば、入力部2001に調理者マイク5を特定するマイクNoとともに入力された音声情報の内容が調理完了を示すものである場合、注文管理部2007は、注文管理ファイル217のステータスの項目に「調理済」を登録する。また、入力部2001にホール担当者マイク8を特定するマイクNoとともに入力された音声情報の内容が商品提供済を示すものである場合、注文管理部2007は、注文管理ファイル217のステータスの項目に「商品提供済」を登録する。そして、注文管理部2007は、更新された注文情報のステータスをキッチンディスプレイ6に出力して表示させる。
【0051】
次に、注文受付システム1による注文受付および注文管理の動作概要について説明する。
図10は、注文受付システム1の動作の流れを示すシーケンスチャートである。
【0052】
入店して客席に着いた顧客が注文する内容を発声すると、客マイク3には注文入力がなされる(S1)。客マイク3は、自機のマイクNoと入力された音声の音声情報を管理サーバ2に送信する(S2)。
【0053】
管理サーバ2は、入力された音声情報について音声認識を行い、当該音声情報が示す注文内容を認識する(S3)。また、管理サーバ2は、入力された音声情報について話者認識を行い、当該音声情報の話者が店員でないことを確認する(S4)。この話者認識により、例えば、ホール担当者が商品提供時に「カレーライスお待たせしました」などと発声した音声が客マイク3に収音されても、これを注文と認識することを防止できる。このとき、管理サーバ2は注文情報を仮登録する。続いて、管理サーバ2は、入力されたマイクNoと対応する表示器4に対して、認識した注文内容を送信する(S5)。
【0054】
表示器4は、受信した注文内容とメッセージを表示する。表示器4が表示するメッセージは、例えば、「この内容で注文しますか。よろしければ、「はい」と発声してください」などの注文を確定するための用語の発声を促すものである。顧客が表示器4に表示された注文内容を確認して「はい」と発声すると、客マイク3には注文確定入力として「はい」の音声が入力される(S6)。客マイク3は、マイクNoと入力された音声の音声情報とを管理サーバ2に送信する(S7)。
【0055】
管理サーバ2は、入力された音声情報について音声認識を行い、当該音声情報が示す注文確定内容を認識する(S8)。また、管理サーバ2は、入力された音声情報について話者認識を行い、当該音声情報の話者が店員でないことを確認する(S9)。そして、管理サーバ2は、注文内容とマイクNoとを対応付けた注文情報の仮登録を本登録に更新することで、注文情報を受付ける(S10)。管理サーバ2は、当該注文情報をキッチンディスプレイ6およびキッチンプリンタ7に送信する(S11)。
【0056】
キッチンでは、注文内容を確認した調理者が調理を行い、調理者は、調理が完了すると商品名と調理完了を示す用語を含む言葉、例えば、「カレーができあがりました」と発声する。調理完了時に調理者が発生する言葉は、店舗によって予め決めておくことが望ましい。これにより、調理者マイク5に調理完了入力がなされる(S12)。調理者マイク5は、自機のマイクNoと音声情報を管理サーバ2に送信する(S13)。
【0057】
管理サーバ2は、入力された音声情報について音声認識を行い、当該音声情報が示す商品名と調理完了とを認識する(S14)。調理者マイク5は顧客の音声を収音することはないので、管理サーバ2は、入力された音声情報が店員の音声であるか否かの話者認識は行う必要がない。管理サーバ2は、該当する商品の注文情報のステータスを「調理完了」に更新し(S15)、調理が完了した旨の情報を店内に別途設けられた表示器やホール担当者のヘッドセットが備えるスピーカに出力する(S16)。これにより、ホール担当者は、商品の調理が完了したことを認識することができる。
【0058】
できあがった商品を顧客に提供すると、ホール担当者は、商品名と商品提供済を示す用語を含む言葉、例えば、「カレーライスお待たせしました」と発声する。商品提供時にホール担当者が発生する言葉は、店舗によって予め決めておくことが望ましい。これにより、ホール担当者マイク8に商品提供済入力がなされる(S17)。ホール担当者マイク8は、自機のマイクNoと音声情報を管理サーバ2に送信する(S18)。
【0059】
管理サーバ2は、入力された音声情報について音声認識を行い、当該音声情報が示す商品名と商品提供済とを認識する(S19)。ホール担当者マイク8も顧客の音声を収音することはないので、管理サーバ2は、入力された音声情報が店員の音声であるか否かの話者認識は行う必要がない。管理サーバ2は、該当する商品の注文情報のステータスを「商品提供済」に更新する(S20)。
【0060】
以上により、管理サーバ2は、音声により顧客の注文情報を受付けるとともに、受付けた注文情報を音声により管理することができる。
【0061】
次に、管理サーバ2で実行される注文受付処理について説明する。
図11は、制御部20による注文受付処理の流れを示すフローチャートである。
【0062】
まず、制御部20は、入力部2001に音声情報が入力されたか判断し(S31)、入力されなければ(S31のN)、S31の処理に戻って待機する。音声情報が入力されると(S31のY)、制御部20は、音声情報とともに入力されたマイクNoに基づいて、当該音声情報が客マイク3から入力されたものか否か判断する(S32)。
【0063】
入力部2001に入力された音声情報が客マイク3から入力されたものである場合(S32のY)、判定部2005は、入力部2001に入力された音声情報の音声が店員の音声か否か判定する(S33)。店員の音声でなければ(S33のY)、音声認識部2002は、音声情報が注文内容を示すものであるか否か判断する(S34)。
【0064】
音声認識部2002が認識した内容が注文内容を示すものである場合(S34のY)、受付部2006は、マイクNoと注文内容とを対応付けた注文情報を注文管理ファイル217に仮登録し(S35)、表示器4に顧客が注文を確認するための情報を送信する(S35)。そして、制御部20は、S31の処理に戻る。
【0065】
S32の処理において、入力部2001に入力された音声情報が客マイク3からのものでない場合(S32のN)、制御部20は、注文受付処理を終了する。同様に、S33の処理において、客マイク3が収音した音声が店員の音声である場合(S33のN)、制御部20は、注文受付処理を終了する。
【0066】
また、S34の処理において、音声認識部2002が認識した内容が注文内容を示すものでない場合(S34のN)、音声認識部2002は、音声情報から認識した内容が注文確認入力であるか否か判断する(S37)。注文確認入力であれば(S37のY)、受付部2006は、仮登録されている注文情報を本登録し(S38)、本登録した注文情報をキッチンディスプレイ6およびキッチンプリンタ7に送信する(S39)。そして、制御部20は、注文受付処理を終了する。なお、S37の処理において、音声認識部2002が注文確認入力でないと判断すると(S37のN)、制御部20は注文受付処理を終了する。
【0067】
続いて、管理サーバ2で実行されるステータス更新処理について説明する。
図12は、制御部20によるステータス更新処理の流れを示すフローチャートである。
【0068】
まず、制御部20は、入力部2001に音声情報が入力されたか判断し(S41)、入力されなければ(S41のN)、S41の処理に戻って待機する。音声情報が入力されると(S41のY)、制御部20は、音声情報とともに入力されたマイクNoに基づいて、当該音声情報が調理者マイク5から入力されたものか否か判断する(S42)。
【0069】
入力部2001に入力された音声情報が調理者マイク5から入力されたものである場合(S42のY)、音声認識部2002は、音声情報が商品名と調理完了を示すものであるか否か判断する(S43)。音声認識部2002が認識した内容が商品名とその調理完了を示すものである場合(S43のY)、注文管理部2007は、当該商品名に対応するステータスの項目に「調理完了」を登録して注文管理ファイル217を更新する(S44)。注文管理ファイル217に同じ商品が複数登録されている場合、注文管理部2007は、最も早く登録された注文のステータスを更新する。なお、調理者が商品名に加えて注文Noを発声し、管理サーバ2が当該注文Noを認識するようにすることで、ステータスを更新する注文情報を特定するようにしてもよい。
【0070】
続いて、注文管理部2007は、調理が完了した旨の情報を店内に別途設けられた表示器やホール担当者のヘッドセットが備えるスピーカに出力してホール担当者に通知する(S45)。そして、制御部20は、ステータス更新処理を終了する。なお、S43の処理において、音声認識部2002が認識した内容が商品名とその調理完了を示すものでない場合(S43のN)、制御部20はS44およびS45の処理をスキップして、ステータス更新処理を終了する。
【0071】
S42の処理において、入力部2001に入力された音声情報が調理者マイク5からのものでない場合(S42のN)、制御部20は、当該音声情報がホール担当者マイク8から入力されたものか否か判断する(S46)。
【0072】
入力部2001に入力された音声情報がホール担当者マイク8から入力されたものである場合(S46のY)、音声認識部2002は、音声情報が商品名と商品提供済を示すものであるか否か判断する(S47)。音声認識部2002が認識した内容が商品名と商品提供済を示すものである場合(S47のY)、注文管理部2007は、当該商品名に対応するステータスの項目に「商品提供済了」を登録して注文管理ファイル217を更新する(S48)。そして、制御部20は、ステータス更新処理を終了する。
【0073】
なお、S46の処理において、入力部2001に入力された音声情報がホール担当者マイク8からのものでない場合(S46のN)、制御部20は、ステータス更新処理を終了する。同様に、S47の処理において、音声認識部2002が認識した内容が商品提供済を示すものでない場合(S47のN)、制御部20はステータス更新処理を終了する。
【0074】
以上のとおり、第1の実施形態の管理サーバ2は、入力部2001にマイクNoと対応付けた音声情報が入力されると、マイクNoに基づいてどの客マイク3からの音声情報か判断する。また、管理サーバ2は、話者認識により、客マイク3から入力された音声情報が店員の音声情報でないことを判定する。さらに、管理サーバ2は、音声認識により、入力された音声情報から注文内容を認識する。これにより、管理サーバ2は、音声により顧客から確実に注文を受付けることができる。
【0075】
また、第1の実施形態の管理サーバ2は、入力部2001にマイクNoと対応付けた音声情報が入力されると、マイクNoに基づいてどの店員のマイクからの音声情報か判断する。また、管理サーバ2は、音声認識により、入力された音声情報からステータスを更新するための内容を認識する。これにより、管理サーバ2は、音声により注文情報を管理することができる。
【0076】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。第2の実施形態は、客マイク3で収音される音声の顧客を話者認識によって特定することで、マイクの数を削減することができるようにした点において、第1の実施形態と異なる。以下、第1の実施形態と同様の構成、機能については、説明を省略あるいは簡略化する場合がある。以下の説明が不必要に冗長になることを避け、当業者の理解を容易にするためである。
【0077】
本実施形態においては、客マイク3は、客席に対応して設けられておらず、複数の客席の顧客の音声を収音するようになっている。。また、ホール担当者マイク8は設けられておらず、客マイク3がホール担当者の音声も収音するようになっている。
【0078】
図13は、本実施形態の管理サーバ2のハードウェア構成を示す図である。管理サーバ2のメモリ部21には、第1の実施形態のものに加えて顧客特性管理ファイル218が記憶されている。
【0079】
顧客特性管理ファイル218は、顧客ごとに音声情報の特性データを管理するファイルである。顧客特性管理ファイル218は、客マイク3が収音した音声の話者を認識する際に活用される。
図14は、顧客特性管理ファイル218のデータ構成を示す図である。顧客特性管理ファイル218は、席Noおよび特徴データを示す各情報が対応づけられている。顧客特性管理ファイル218は、特性抽出部2003が抽出した特性データと席情報とを対応付けた顧客特性情報記憶部の一例である。
【0080】
席Noの項目には、客席の番号を示す席Noが登録される。特性データの項目には、音声情報の特性データを示す情報が登録される。これらの項目に登録される情報は以下のようにして登録される。顧客は、入店して客席に着席すると、表示器4の表示にしたがい自己が着席した客席を特定する席Noを発声する。表示器4には、例えば「お座りの席Noを発声ください」等の表示がなされている。客マイク3は、顧客が発生した音声情報を管理サーバ2に送信する。管理サーバ2は、音声認識部2002が席Noを認識するとともに特性抽出部2003が音声情報から特性データを抽出する。管理サーバ2は、これら席Noと特性データとを対応付けて顧客特性管理ファイル218に登録する。
【0081】
続いて、管理サーバ2の制御部20の機能構成について説明する。
図15は、管理サーバ2の制御部20の主要な機能構成を示すブロック図である。制御部20は、CPU201がROM202やメモリ部21に記憶された制御プログラムにしたがって動作することで、入力部2001、音声認識部2002、特性抽出部2003、話者特定部2004、受付部2006、注文管理部2007、および登録部2008として機能する。なお、これら各機能を専用回路等のハードウェアで構成してもよい。
【0082】
入力部2001には、音声情報が入力される。具体的には、客マイク3で収音された音声の音声情報が入力される。客マイク3は、ホールに設けられたマイクであり、複数の顧客とホール担当者の音声を収音する共通のマイクとして機能する。また、入力部2001には、調理者マイク5で収音された音声の音声情報と当該調理者マイク5のマイクNoとが対応づけられた情報が入力される。
【0083】
音声認識部2002、特性抽出部2003、および注文管理部2007の機能は、第1の実施形態と同様であるので、重複する説明は省略する。
【0084】
話者特定部2004は、入力部2001に入力された音声情報から特性抽出部2003が抽出した特性データと、店員特性管理ファイル216や顧客特性管理ファイル218に登録された特性データとを比較して、入力部2001に入力された音声情報の話者を特定する。
【0085】
受付部2006は、音声認識部2002が認識した内容に注文内容が含まれている場合、顧客特性情報において特性抽出部2003が抽出した特性データに対応する席情報と、当該注文内容とを対応付けた注文情報を受付ける。具体的には、受付部2006は、音声認識部2002によって音声情報を認識した内容に注文内容が含まれている場合、顧客特性管理ファイル218を参照して、当該音声情報の特性データに対応する席Noを抽出する。そして、受付部2006は、音声認識部2002が認識した注文内容と抽出した席Noとを対応付けた注文情報を受付ける。
【0086】
登録部2008は、音声認識部2002が認識した内容に店舗の客席を識別する席情報が含まれている場合、特性抽出部2003が抽出した特性データと当該席情報とを対応付けた顧客特性情報を登録する。具体的には、登録部2008は、入力部2001に入力された音声情報が示す内容に席Noが含まれている場合、当該音声情報を特性データ抽出用の音声情報であると判断して、特性抽出部2003が抽出した当該音声情報の特性データを席Noと対応付けて顧客特性管理ファイル218に登録(記憶)する。
【0087】
次に、注文受付システム1による注文受付および注文管理の動作概要について説明する。
図16は、注文受付システム1の動作の流れを示すシーケンスチャートである。
【0088】
顧客は、入店して客席に着くと表示器4に表示された案内にしたがって着席した客席の席Noを発声する。これにより、客マイク3には席Noを含む音声が入力される(S51)。客マイク3は、入力された音声の音声情報を管理サーバ2に送信する(S52)。
【0089】
管理サーバ2は、入力された音声情報について音声認識を行い、認識した内容に席Noが含まれていれば席Noの抽出を行う(S53)。次いで、管理サーバ2は入力された音声情報から特性データを抽出し(S54)、抽出した特性データと席Noとを対応付けして顧客特性管理ファイル218に登録する(S55)。これにより、顧客が着席した客席の席Noと顧客の音声の特徴が対応づけられる。
【0090】
その後、顧客が注文内容を発声すると、客マイク3には注文内容を含む音声が入力される(S56)。客マイク3は入力された音声の音声情報を管理サーバ2に送信する(S57)。
【0091】
管理サーバ2は、入力された音声情報について音声認識を行い、当該音声情報が示す内容を認識し(S58)、認識した内容に注文内容が含まれていると話者認識を行う(S59)。詳細には、管理サーバ2は、入力された音声情報から特性データを抽出し、顧客特性管理ファイル218を参照して対応する席Noを特定する。続いて、管理サーバ2は、特定した席Noと対応する表示器4に対して、認識した注文内容を送信する(S60)。このとき、管理サーバ2は注文内容と席Noとを対応付けた注文情報を仮登録する。
【0092】
客マイク3に注文確定入力を示す音声が入力されると(S61)、客マイク3は、入力された音声の音声情報を管理サーバ2に送信する(S62)。
【0093】
管理サーバ2は、入力された音声情報について音声認識を行い、当該音声情報が示す注文確定内容を認識する(S63)。また、管理サーバ2は、入力された音声情報について話者認識を行い、当該音声情報の話者が顧客特性管理ファイル218に登録された顧客であることを確認する(S64)。そして、管理サーバ2は、顧客特性管理ファイル218を参照して、認識した注文内容と席Noを対応付けた仮登録を本登録に更新することによって注文情報を受付ける。(S65)。管理サーバ2は、登録した注文情報をキッチンディスプレイ6およびキッチンプリンタ7に送信する(S66)。
【0094】
キッチンでは、注文内容を確認した調理者が調理を行い、調理者は、調理が完了すると商品名と調理完了を示す用語を含む言葉を発声する。これにより、調理者マイク5に調理完了入力がなされる(S67)。調理者マイク5は、自機のマイクNoと音声情報を管理サーバ2に送信する(S68)。
【0095】
管理サーバ2は、入力された音声情報について音声認識を行い、当該音声情報が示す商品名と調理完了とを認識する(S69)。管理サーバ2は、該当する商品の注文情報のステータスを「調理完了」に更新し(S70)、調理が完了した旨の情報を店内に別途設けられた表示器などに出力する(S71)。これにより、ホール担当者は、商品の調理が完了したことを認識することができる。
【0096】
できあがった商品を客席で顧客に提供すると、ホール担当者は、商品名と商品提供済を示す用語を含む言葉を発声する。これにより、客マイク3に商品提供済入力がなされる(S72)。客マイク3は、音声情報を管理サーバ2に送信する(S73)。
【0097】
管理サーバ2は、入力された音声情報について音声認識を行い、当該音声情報が示す商品名と商品提供済とを認識する(S74)。また、管理サーバ2は、入力された音声情報について話者認識を行い、当該音声情報の話者が店員特性管理ファイル216に登録された店員(ホール担当者)であることを確認する(S75)。管理サーバ2は、該当する商品の注文情報のステータスを「商品提供済」に更新する(S76)。
【0098】
以上により、管理サーバ2は、各客席に対応したマイクを設けることなく、また、ホール担当者マイク8を設けることなく、音声により顧客の注文情報を受付けるとともに、受けた注文情報を音声により管理することができる。
【0099】
次に、管理サーバ2で実行される注文受付処理について説明する。
図17は、制御部20による注文受付処理の流れを示すフローチャートである。
【0100】
まず、制御部20は、入力部2001に音声情報が入力されたか判断し(S81)、入力されなければ(S81のN)、S81の処理に戻って待機する。音声情報が入力されると(S81のY)、音声認識部2002は、音声情報の内容に席Noが含まれているか否か判断する(S82)。
【0101】
音声情報の内容に席Noが含まれていると(S82のY)、特性抽出部2003は、入力部2001に入力された音声情報の特性データを抽出する(S83)。次いで、受付部2006は、音声認識部2002が認識した席Noと特性抽出部2003が抽出した特性データとを対応付けして顧客特性管理ファイル218に登録する(S84)。そして、制御部20はS81の処理に戻る。
【0102】
S82の処理において、音声情報の内容に席Noが含まれていないと(S82のN)、音声認識部2002は、当該音声情報の内容が注文内容を示すものであるか否か判断する(S85)。注文内容であると(S85のY)、特性抽出部2003は、音声情報の特性データを抽出する(S86)。制御部20は、抽出された特性データが顧客特性管理ファイル218に登録されているか否か判断する(S87)。登録されていれば(S87のY)、受付部2006は、特性データに対応付けられている席Noと注文内容とを対応付けた注文情報を注文管理ファイル217に仮登録し(S88)、顧客が注文を確認するための情報を表示器4に送信する(S89)。そして、制御部20は、S81の処理に戻る。
【0103】
なお、S87の処理において、抽出された特性データが顧客特性管理ファイル218に登録されていない場合(S87のN)、制御部20は、顧客に対して席Noの発声からやり直すことを促すエラー表示を表示器4に表示させ(S90)、注文受付処理を終了する。
【0104】
また、S85の処理において、音声情報の内容が注文内容を示すものでない場合(S85のN)、音声認識部2002は、当該音声情報の内容が注文確認入力であるか否か判断する(S91)。注文確認入力であると(S91のY)、特性抽出部2003は、音声情報の特性データを抽出する(S92)。制御部20は、抽出された特性データが顧客特性管理ファイル218に登録されているか否か判断する(S93)。登録されていれば(S93のY)、受付部2006は、特性データに対応付けられている席Noをキーとして注文管理ファイル217を検索し、注文当該席Noを含む注文情報を本登録し(S94)、本登録した注文情報をキッチンディスプレイ6およびキッチンプリンタ7に送信する(S95)。そして、制御部20は、注文受付処理を終了する。
【0105】
なお、S91の処理において、音声認識部2002が注文確認入力でないと判断すると(S91のN)、制御部20は注文受付処理を終了する。また、S93の処理において、抽出された特性データが顧客特性管理ファイル218に登録されていない場合(S93のN)、制御部20は、S90の処理に移行する。
【0106】
続いて、管理サーバ2で実行されるステータス更新処理について説明する。
図18は、制御部20によるステータス更新処理の流れを示すフローチャートである。
【0107】
まず、制御部20は、入力部2001に音声情報が入力されたか否か判断し(S101)、入力されなければ(S101のN)、S101の処理に戻って待機する。音声情報が入力されると(S101のY)、特性抽出部2003は、入力された音声情報の特性データを抽出する(S102)。制御部20は、店員特性管理ファイル216を参照して、特性抽出部2003が抽出した特性データに対応する店員IDで識別される店員が調理者か否か判断する(S103)。
【0108】
入力部2001に入力された音声情報が調理者のものである場合(S103のY)、音声認識部2002は、音声情報が商品名と調理完了を示すものであるか否か判断する(S104)。音声認識部2002が認識した内容が商品名とその調理完了を示すものである場合(S104のY)、注文管理部2007は、当該商品名に対応するステータスの項目に「調理完了」を登録して注文管理ファイル217を更新する(S105)。
【0109】
続いて、注文管理部2007は、調理が完了した旨の情報を店内に別途設けられた表示器などに出力してホール担当者に通知する(S106)。そして、制御部20は、ステータス更新処理を終了する。なお、S104の処理において、音声認識部2002が認識した内容が商品名とその調理完了を示すものでない場合(S104のN)、制御部20はS105およびS106の処理をスキップして、ステータス更新処理を終了する。
【0110】
S103の処理において、入力部2001に入力された音声情報が調理者のものでない場合(S103のN)、制御部20は、店員特性管理ファイル216を参照して、特性抽出部2003が抽出した特性データに対応する店員IDで識別される店員がホール担当者か否か判断する(S107)。
【0111】
入力部2001に入力された音声情報がホール担当者のものである場合(S107のY)、音声認識部2002は、音声情報が商品名と商品提供済を示すものであるか否か判断する(S108)。音声認識部2002が認識した内容が商品名と商品提供済を示すものである場合(S108のY)、注文管理部2007は、当該商品名に対応するステータスの項目に「商品提供済了」を登録して注文管理ファイル217を更新する(S109)。そして、制御部20は、ステータス更新処理を終了する。
【0112】
なお、S107の処理において、入力部2001に入力された音声情報がホール担当者のものでない場合(S107のN)、制御部20は、ステータス更新処理を終了する。同様に、S108の処理において、音声認識部2002が認識した内容が商品提供済を示すものでない場合(S108のN)、制御部20はステータス更新処理を終了する。
【0113】
以上のとおり、第2の実施形態の管理サーバ2は、入力部2001に入力された音声情報の内容が席Noを含むものであると、当該音声情報の特性データと当該席Noとを対応付けて顧客特性管理ファイル218に登録する。そして、管理サーバ2は、話者認識により、入力された音声情報がどの席Noの顧客なのかを認識する。また、管理サーバ2は、音声認識により、入力された音声情報から注文内容を認識する。これにより、管理サーバ2は、音声により顧客から確実に注文を受付けることができるばかりでなく、音声を収音するマイク数を減らすことができる。
【0114】
また、第2の実施形態の管理サーバ2は、話者認識により、入力部2001に入力された音声情報がどの店員のものか判断する。そして、管理サーバ2は、音声認識により、入力された音声情報からステータスを更新するための内容を認識する。これにより、管理サーバ2は、音声により注文情報を管理することができる。
【0115】
以上説明したとおり、上記実施形態の注文受付装置は、店舗の客席を識別する席情報と対応付けられた音声情報が入力される入力部2001と、入力部2001に入力された音声情報が示す内容を認識する音声認識部2002と、入力部2001に入力された音声情報の特性を示す特性データを抽出する特性抽出部2003と、特性抽出部2003が抽出した特性データ、および、店員を識別する店員識別情報と音声情報の特性データとを対応付けて記憶する店員特性情報(店員特性管理ファイル216)に基づいて、入力部2001に入力された音声情報の話者が店員であるか否かを判定する判定部2005と、判定部2005によって音声情報の話者が店員でないと判定されたことを条件として、音声認識部2002が認識した注文内容と前記席情報とを対応付けた注文情報を受け付ける受付部2006と、を備える。
【0116】
これにより、注文受付装置は、複数の顧客が存在する店舗内であっても、顧客の音声による注文を確実に受付けることができる。したがって、顧客は注文入力装置等の操作を要することなく、容易に商品を注文することができる。
【0117】
また、上記実施形態の注文受付装置は、音声情報が入力される入力部2001と、入力部2001に入力された音声情報が示す内容を認識する音声認識部2002と、入力部2001に入力された音声情報の特性を示す特性データを抽出する特性抽出部2003と、音声認識部2002が認識した内容に店舗の客席を識別する席情報が含まれている場合、特性抽出部2003が抽出した特性データと当該席情報とを対応付けた顧客特性情報(顧客特性管理ファイル218)を登録する登録部2008と、音声認識部2002が認識した内容に注文内容が含まれている場合、前記顧客特性情報において特性抽出部2003が抽出した特性データに対応する席情報と当該注文内容とを対応付けた注文情報を受付ける受付部2006と、を備える。
【0118】
これにより、注文受付装置は、複数の顧客が存在する店舗内であっても、顧客の音声による注文を確実に受付けることができるばかりでなく、顧客や店員の音声を収音するマイクの数を少なくすることができる。したがって、顧客は容易に商品を注文することができ、また、店舗は設備に要する負担を低減することができる。
【0119】
さらに、上記実施形態の注文受付装置は、音声認識部2002が認識した内容に基づいて、受付部2006が受付けた注文情報のステータスを管理する注文管理部2007をさらに備える。
【0120】
これにより、注文受付装置は、音声により注文情報のステータス管理も行うことができる。したがって、注文情報のステータス管理を容易に行うことができる。
【0121】
加えて、上記実施形態の注文受付装置は、入力部2001に入力された音声情報の話者を特定する話者特定部2004をさらに備え、注文管理部2007は、話者特定部2004による話者の特定結果と音声認識部2002の認識内容とに基づいて、前記注文情報のステータスを管理する。
【0122】
これにより、注文受付装置は、音声による注文情報のステータス管理をより正確に行うことができる。
【0123】
また、上記実施形態の注文受付装置の話者特定部2004は、店員を識別する店員識別情報と特性抽出部2003が抽出した特性データとを対応付けた店員特性情報に基づいて、入力部2001に入力された音声情報の話者である店員を特定する。
【0124】
これにより、注文受付装置は、音声により注文情報のステータス管理を行うにあたって、店員の音声を収音するマイクの数を少なくすることができる。したがって、店舗は設備に要する負担を低減することができる。
【0125】
なお、上記各実施形態において、管理サーバ2で実行される制御プログラムは、CD-ROM等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。また、上記各実施形態の管理サーバ2で実行される制御プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良く、さらには、インターネット等のネットワーク経由で提供するように構成しても良い。
【0126】
以上、本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。
【符号の説明】
【0127】
1 注文受付システム
2 管理サーバ(注文受付装置)
3 客マイク(客用収音部)
216 店員特性管理ファイル(店員特性情報記憶部)
218 顧客特性管理ファイル(顧客特性情報記憶部)
2001 入力部
2002 音声認識部
2003 特性抽出部
2004 話者特定部
2005 判定部
2006 受付部
2007 注文管理部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0128】