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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022190607
(43)【公開日】2022-12-26
(54)【発明の名称】画像表示装置1及び電子機器
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/336 20060101AFI20221219BHJP
   H05B 33/12 20060101ALI20221219BHJP
   H05B 33/02 20060101ALI20221219BHJP
   H01L 27/32 20060101ALI20221219BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20221219BHJP
   H01L 51/50 20060101ALN20221219BHJP
【FI】
H01L29/78 619B
H01L29/78 616A
H05B33/12 B
H05B33/02
H01L27/32
G09F9/30 365
G09F9/30 338
H05B33/14 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021099012
(22)【出願日】2021-06-14
(71)【出願人】
【識別番号】316005926
【氏名又は名称】ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(72)【発明者】
【氏名】甚田 誠一郎
【テーマコード(参考)】
3K107
5C094
5F110
【Fターム(参考)】
3K107AA01
3K107BB01
3K107CC35
3K107CC41
3K107EE04
3K107EE07
3K107EE21
3K107EE67
3K107EE68
3K107FF15
3K107HH05
5C094AA51
5C094AA60
5C094BA03
5C094BA27
5C094CA19
5C094DA09
5C094DA13
5C094EB02
5C094ED15
5C094FA01
5C094FA02
5C094HA08
5F110AA30
5F110BB01
5F110CC01
5F110CC07
5F110DD01
5F110DD03
5F110FF02
5F110FF03
5F110FF09
5F110HM05
5F110HM15
5F110NN41
(57)【要約】
【課題】透過部を設けた場合でも、外光や光源光が画素内のトランジスタに入射されないようにする。
【解決手段】画像表示装置は、二次元方向に配置される複数の画素を備える。前記複数の画素は、発光する第1領域と可視光を透過させる第2領域とを含む画素を有する第1画素領域と、前記第1画素領域の周囲に配置され、前記第1画素領域内の画素の発光面積よりも大きい面積で発光する画素を有する第2画素領域と、前記第2領域内に配置されるトランジスタへの光を遮光する遮光層と、を有する。
【選択図】図27
【特許請求の範囲】
【請求項1】
二次元方向に配置される複数の画素を備え、
前記複数の画素は、
発光する第1領域と可視光を透過させる第2領域とを含む画素を有する第1画素領域と、
前記第1画素領域の周囲に配置され、前記第1画素領域内の画素の発光面積よりも大きい面積で発光する画素を有する第2画素領域と、
前記第2領域内に配置されるトランジスタへの光を遮光する遮光層と、を有する、画像表示装置。
【請求項2】
前記遮光層は、前記第2領域内に配置されるトランジスタに環境光及び光源光の少なくとも一方からの光が入射されないように遮光する、請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項3】
前記遮光層は、前記トランジスタのチャネル領域に光が入射されないように配置される、請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項4】
前記遮光層は、前記トランジスタのチャネル領域の面積以上の面積を有する、請求項3に記載の画像表示装置。
【請求項5】
前記遮光層は、前記トランジスタの前記チャネル領域とソース領域との間、及び前記チャネル領域とドレイン領域との間に配置されるLDD(Lightly Doped Drain)領域と前記チャネル領域とに光が入射されないように配置される、請求項3に記載の画像表示装置。
【請求項6】
前記遮光層は、前記トランジスタの前記チャネル領域と、その両端側の前記LDD領域とを合わせた面積以上の面積を有する、請求項5に記載の画像表示装置。
【請求項7】
前記遮光層は、前記第2領域内に配置される前記トランジスタのドレインとソースとの間で一方向に電流が流れる場合には、前記ソースに一端が接続されて、前記トランジスタのチャネル領域を覆うように配置される、請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項8】
前記遮光層は、前記第2領域内に配置される前記トランジスタのソースとドレインとの間で双方向に電流が流れる場合には、前記ソースに一端が接続されて前記トランジスタのチャネル領域の少なくとも一部を覆う第1遮光領域と、前記ドレインに一端が接続されて前記チャネル領域の少なくとも一部を覆う第2遮光領域と、を有する、請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項9】
前記複数の画素のそれぞれは、
発光素子と、
前記発光素子を駆動するドライブトランジスタと、を有し、
前記遮光層は、前記第2領域内に配置される前記ドライブトランジスタへの光を遮光する、請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項10】
前記複数の画素のそれぞれは、
線形領域で動作する少なくとも一つのスイッチトランジスタを有し、
前記遮光層は、前記第2領域内に配置される前記スイッチトランジスタへの光を遮光する、請求項9に記載の画像表示装置。
【請求項11】
前記遮光層は、前記ドライブトランジスタのゲート電圧を制御する前記スイッチトランジスタへの光を遮光する、請求項10に記載の画像表示装置。
【請求項12】
前記発光素子のアノード電極層と、
前記アノード電極層よりも下方に配置される前記トランジスタのゲートを含む第1配線層と、
前記第1配線層よりも下方に配置される前記トランジスタのチャネル領域を含む半導体層と、を備え、
前記遮光層は、前記半導体層よりも下方に配置されて、前記チャネル領域への光を遮光する、請求項9に記載の画像表示装置。
【請求項13】
前記発光素子のアノード電極層と、
前記アノード電極層よりも下方に配置され、前記第2領域内に配置される前記トランジスタのチャネル領域を含む半導体層と、
前記半導体層よりも下方に配置されるゲートを含む第1配線層と、をさらに備え、
前記遮光層は、前記第1配線層よりも下方に配置されて、前記チャネル領域への光を遮光する、請求項9に記載の画像表示装置。
【請求項14】
前記第1配線層及び前記半導体層よりも上方に配置されて、前記チャネル領域への光を遮光する第2配線層をさらに備える、請求項12に記載の画像表示装置。
【請求項15】
前記遮光層は、前記半導体層の面積以上の面積を有する、請求項12に記載の画像表示装置。
【請求項16】
前記複数の画素を有する表示パネルを備え、
前記第1画素領域は、前記表示パネル内の複数箇所に設けられる、請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項17】
二次元方向に配置される複数の画素を有する画像表示装置と、
前記画像表示装置を通して入射される光を受光する受光装置と、を備え、
前記画像表示装置は、
二次元方向に配置される複数の画素を備え、
前記複数の画素は、
発光する第1領域と可視光を透過させる第2領域とを含む画素を有する第1画素領域と、
前記第1画素領域の周囲に配置され、前記第1画素領域内の画素の発光面積よりも大きい面積で発光する画素を有する第2画素領域と、
前記第2領域内に配置されるトランジスタへの光を遮光する遮光層と、を有する、電子機器。
【請求項18】
前記受光装置は、前記第1画素領域を透過した光を受光する、請求項17に記載の電子機器。
【請求項19】
前記第1画素領域を透過させて所定の波長の光を発光する光源を備える、請求項17に記載の電子機器。
【請求項20】
前記受光装置は、前記第2領域を通して入射された光を光電変換する撮像センサと、前記第2領域を通して入射された光を受光して距離を計測する距離計測センサと、前記第2領域を通して入射された光に基づいて温度を計測する温度センサと、の少なくとも一つを含む、請求項17に記載の電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、画像表示装置1及び電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
最近のスマートフォンや携帯電話、PC(Personal Computer)などの電子機器では、表示パネルの額縁(ベゼル)に、カメラなどの種々のセンサを搭載している。搭載されるセンサも増える傾向にあり、カメラの他に、顔認証用のセンサや赤外線センサ、動体検出センサなどがある。また、プロジェクタ等のための光源が搭載される場合もある。その一方で、デザイン上の観点や軽薄短小化の傾向から、画面サイズに影響を与えずに電子機器の外形サイズをできるだけコンパクトにすることが求められており、ベゼル幅は狭まる傾向にある。このような背景から、表示パネルの真下にイメージセンサモジュールを配置して、表示パネルを通過した被写体光をイメージセンサモジュールで撮影する技術が提案されている。表示パネルの真下にイメージセンサモジュールを配置するには、表示パネルを透明化する必要がある(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011-175962号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
表示パネルを透明化するには、表示パネル内の少なくとも一部の画素内に、可視光を透過する透過部を設ける必要がある。透過部の面積を広げるほど、表示パネルの真下に配置可能なセンサや光源の種類を増やすことができる。
【0005】
しかしながら、最近の表示パネルは、フルHD以上の解像度を備えていることが多く、画素数が増える傾向にある。また、表示品質向上のためには、各画素内のトランジスタの数を少なくするのは困難である。よって、各画素内のトランジスタの一部は、透過部内に配置せざるを得ない。
【0006】
ところが、透過部には、外光や光源光が入り込むため、透過部内のトランジスタに外光や光源光が入射されて、トランジスタの劣化(光によるソース-ドレイン間電流リーク)が促進されるおそれがある。トランジスタが劣化すると、トランジスタに流れる電流が変化して、発光輝度が低下するなどの表示品質の低下が生じる。
【0007】
そこで、本開示では、透過部を設けた場合でも、外光や光源光が画素内のトランジスタに入射されないようにした画像表示装置1及び電子機器を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、本開示によれば、二次元方向に配置される複数の画素を備え、
前記複数の画素は、
発光する第1領域と可視光を透過させる第2領域とを含む画素を有する第1画素領域と、
前記第1画素領域の周囲に配置され、前記第1画素領域内の画素の発光面積よりも大きい面積で発光する画素を有する第2画素領域と、
前記第2領域内に配置されるトランジスタへの光を遮光する遮光層と、を有する、画像表示装置が提供される。
【0009】
前記遮光層は、前記第2領域内に配置されるトランジスタに環境光及び光源光の少なくとも一方からの光が入射されないように遮光してもよい。
【0010】
前記遮光層は、前記トランジスタのチャネル領域に光が入射されないように配置されてもよい。
【0011】
前記遮光層は、前記トランジスタのチャネル領域の面積以上の面積を有してもよい。
【0012】
前記遮光層は、前記トランジスタの前記チャネル領域とソース領域との間、及び前記チャネル領域とドレイン領域との間に配置されるLDD(Lightly Doped Drain)領域と前記チャネル領域とに光が入射されないように配置されてもよい。
【0013】
前記遮光層は、前記トランジスタの前記チャネル領域と、その両端側の前記LDD領域とを合わせた面積以上の面積を有してもよい。
【0014】
前記遮光層は、前記第2領域内に配置される前記トランジスタのドレインとソースとの間で一方向に電流が流れる場合には、前記ソースに一端が接続されて、前記トランジスタのチャネル領域を覆うように配置されてもよい。
【0015】
前記遮光層は、前記第2領域内に配置される前記トランジスタのソースとドレインとの間で双方向に電流が流れる場合には、前記ソースに一端が接続されて前記トランジスタのチャネル領域の少なくとも一部を覆う第1遮光領域と、前記ドレインに一端が接続されて前記チャネル領域の少なくとも一部を覆う第2遮光領域と、を有してもよい。
【0016】
前記複数の画素のそれぞれは、
発光素子と、
前記発光素子を駆動するドライブトランジスタと、を有し、
前記遮光層は、前記第2領域内に配置される前記ドライブトランジスタへの光を遮光してもよい。
【0017】
前記複数の画素のそれぞれは、
線形領域で動作する少なくとも一つのスイッチトランジスタを有し、
前記遮光層は、前記第2領域内に配置される前記スイッチトランジスタへの光を遮光してもよい。
【0018】
前記遮光層は、前記ドライブトランジスタのゲート電圧を制御する前記スイッチトランジスタへの光を遮光してもよい。
【0019】
前記発光素子のアノード電極層と、
前記アノード電極層よりも下方に配置される前記トランジスタのゲートを含む第1配線層と、
前記第1配線層よりも下方に配置される前記トランジスタのチャネル領域を含む半導体層と、を備え、
前記遮光層は、前記半導体層よりも下方に配置されて、前記チャネル領域への光を遮光してもよい。
【0020】
前記発光素子のアノード電極層と、
前記アノード電極層よりも下方に配置され、前記第2領域内に配置される前記トランジスタのチャネル領域を含む半導体層と、
前記半導体層よりも下方に配置されるゲートを含む第1配線層と、をさらに備え、
前記遮光層は、前記第1配線層よりも下方に配置されて、前記チャネル領域への光を遮光してもよい。
【0021】
前記第1配線層及び前記半導体層よりも上方に配置されて、前記チャネル領域への光を遮光する第2配線層をさらに備えてもよい。
【0022】
前記遮光層は、前記半導体層の面積以上の面積を有してもよい。
【0023】
前記複数の画素を有する表示パネルを備え、
前記第1画素領域は、前記表示パネル内の複数箇所に設けられてもよい。
【0024】
本開示によれば、二次元方向に配置される複数の画素を有する画像表示装置と、
前記画像表示装置を通して入射される光を受光する受光装置と、を備え、
前記画像表示装置は、
二次元方向に配置される複数の画素を備え、
前記複数の画素は、
発光する第1領域と可視光を透過させる第2領域とを含む画素を有する第1画素領域と、
前記第1画素領域の周囲に配置され、前記第1画素領域内の画素の発光面積よりも大きい面積で発光する画素を有する第2画素領域と、
前記第2領域内に配置されるトランジスタへの光を遮光する遮光層と、を有する、電子機器が提供される。
【0025】
前記受光装置は、前記第1画素領域を透過した光を受光してもよい。
【0026】
前記第1画素領域を透過させて所定の波長の光を発光する光源を備えてもよい。
【0027】
前記受光装置は、前記第2領域を通して入射された光を光電変換する撮像センサと、前記第2領域を通して入射された光を受光して距離を計測する距離計測センサと、前記第2領域を通して入射された光に基づいて温度を計測する温度センサと、の少なくとも一つを含んでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】第1の実施形態による画像表示装置1を備えた電子機器の平面図及び断面図。
図2A】表示パネルの中央より上側の裏面側に二つのセンサを並べて配置した例を示す図。
図2B】表示パネルの四隅にセンサを配置した例を示す図。
図3】第1画素領域内の透過画素の構造と、第2画素領域内の通常画素の構造とを模式的に示す図。
図4】センサの一例であるイメージセンサモジュールの断面図。
図5】イメージセンサモジュールの光学構成を模式的に説明する図。
図6】被写体からの光がイメージセンサ上に結像するまでの光路を説明する図。
図7】OLEDを含む画素回路の基本構成を示す回路図。
図8図7の画素回路の動作タイミング図。
図9】(a)は色画素のアノード電極より下方に配置される画素回路のレイアウト図、(b)はセンサと重ならない第2画素領域のレイアウト図、(c)はセンサと重なる第1画素領域のレイアウト図。
図10】センサが真下に配置されていない第2画素領域内の通常画素の断面図。
図11】表示層の断面図。
図12】第1変形例に係る画素回路の回路図。
図13図12の画素回路の動作タイミング図。
図14】第2変形例に係る画素回路の回路図。
図15図13の画素回路の動作タイミング図。
図16】第3変形例に係る画素回路の回路図。
図17図16の画素回路の動作タイミング図。
図18】第4変形例に係る画素回路の回路図。
図19図18の画素回路の動作タイミング図。
図20】第5変形例に係る画素回路の回路図。
図21図20の画素回路の動作タイミング図。
図22】第1画素領域内のトップゲート構造の第1発光領域と非発光領域の断面図。
図23】第1画素領域内のボトムゲート構造の第1発光領域と非発光領域の断面図。
図24図7図14の画素回路のドライブトランジスタを破線で明示した図。
図25】ドライブトランジスタの次に外光と光源光を遮光する必要のある優先度の高いトランジスタを破線で明示した図。
図26】ドライブトランジスタの次に外光と光源光を遮光する必要のある優先度の高いトランジスタを破線で明示した図。
図27】遮光層の第1例を示す断面図。
図28】遮光層の第2例を示す断面図。
図29】遮光層の第3例を示す断面図。
図30図7の画素回路内の一部のトランジスタに対して遮光層を設けた場合の画素回路12のレイアウト図。
図31図20の一変形例を示すレイアウト図。
図32】表示パネル内の第1画素領域と第2画素領域の画素構造と画素レイアウトを示す図。
図33】本開示に係る画像表示装置に設けられる遮光層の配置場所をまとめた図。
図34A】第1例に係る非発光領域の断面構造及び平面レイアウトを示す図。
図34B】第2例に係る非発光領域の断面構造及び平面レイアウトを示す図。
図35A】第3例に係る非発光領域の断面構造及び平面レイアウトを示す図。
図35B】第4例に係る非発光領域の断面構造及び平面レイアウトを示す図。
図36A】第5例に係る非発光領域の断面構造及び平面レイアウトを示す図。
図36B】第6例に係る非発光領域の断面構造及び平面レイアウトを示す図。
図37A】第7例に係る非発光領域の断面構造及び平面レイアウトを示す図。
図37B】第8例に係る非発光領域の断面構造及び平面レイアウトを示す図。
図38A】第7例に係る非発光領域の断面構造及び平面レイアウトを示す図。
図38B】第8例に係る非発光領域の断面構造及び平面レイアウトを示す図。
図39A】第9例に係る非発光領域の断面構造及び平面レイアウトを示す図。
図39B】第10例に係る非発光領域の断面構造及び平面レイアウトを示す図。
図40A】第11例に係る非発光領域の断面構造及び平面レイアウトを示す図。
図40B】第12例に係る非発光領域の断面構造及び平面レイアウトを示す図。
図41図7の画素回路に対応する回路図。
図42図12の画素回路に対応する回路図。
図43図14の画素回路に対応する回路図。
図44図18の画素回路に対応する回路図。
図45図20の画素回路に対応する回路図。
図46】第13例に係る非発光領域の断面構造及び平面レイアウトを示す図。
図47】第14例に係る非発光領域の断面構造及び平面レイアウトを示す図。
図48A】乗物の後方から前方にかけての乗物の内部の様子を示す図。
図48B】乗物の斜め後方から斜め前方にかけての乗物の内部の様子を示す図。
図49A】電子機器の第2適用例であるデジタルカメラの正面図。
図49B】デジタルカメラの背面図。
図50A】電子機器の第3適用例であるHMDの外観図。
図50B】スマートグラスの外観図。
図51】電子機器の第4適用例であるTVの外観図。
図52】電子機器の第5適用例であるスマートフォンの外観図。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、図面を参照して、画像表示装置1及び電子機器の実施形態について説明する。以下では、画像表示装置1及び電子機器の主要な構成部分を中心に説明するが、画像表示装置1及び電子機器には、図示又は説明されていない構成部分や機能が存在しうる。以下の説明は、図示又は説明されていない構成部分や機能を除外するものではない。
【0030】
(第1の実施形態)
図1は本開示の第1の実施形態による画像表示装置1を備えた電子機器50の平面図及び断面図である。図示のように、本実施形態による画像表示装置1は、表示パネル2を備えている。表示パネル2には、例えばフレキシブル・プリント基板(FPC:Flexible Printed Circuits)3が接続されている。表示パネル2は、例えばガラス基板又は透明フィルム上に複数の層を積層したものであり、表示面2zには縦横に複数の画素が配置されている。FPC3の上には、表示パネル2の駆動回路の少なくとも一部を内蔵するチップ(COF:Chip On Film)4が実装されている。なお、駆動回路をCOG(Chip On Glass)として表示パネル2に積層してもよい。
【0031】
本実施形態による画像表示装置1は、表示パネル2の真下に、表示パネル2を通して光を受光する各種のセンサ5を配置可能としている。本明細書では、画像表示装置1とセンサ5を備えた構成を電子機器50と呼ぶ。電子機器50内に設けられるセンサ5の種類は特に問わないが、例えば、表示パネル2を通して入射された光を光電変換する撮像センサ5、表示パネル2を通して光を投光するとともに、対象物で反射された光を表示パネル2を通して受光して、対象物までの距離を計測する距離計測センサ5、表示パネル2を通して入射された光に基づいて温度を計測する温度センサ5などである。このように、表示パネル2の真下に配置されるセンサ5は、光を受光する受光装置の機能を少なくとも備えている。なお、センサ5は、表示パネル2を通して光を投光する発光装置の機能を備えていてもよい。
【0032】
図1は表示パネル2の真下に配置されるセンサ5の具体的な場所の一例を破線で示している。図1のように、センサ5は、例えば、表示パネル2の中央よりも上側の裏面側に配置されている。なお、図1のセンサ5の配置場所は一例であり、センサ5の配置場所は任意である。表示パネル2の裏面側にセンサ5を配置することで、表示パネル2の周囲にセンサ5を配置しなくて済み、電子機器50のベゼルを極小化することができ、電子機器50の正面側のほぼ全域を表示パネル2にすることができ、表示パネル2の面積を小さくせずに電子機器50の外形サイズを小型化できる。
【0033】
図1では、表示パネル2の一箇所にセンサ5を配置する例を示しているが、図2A又は図2Bに示すように、複数箇所にセンサ5を配置してもよい。図2Aは表示パネル2の中央より上側の裏面側に二つのセンサ5を並べて配置した例を示している。また、図2Bは、表示パネル2の四隅にセンサ5を配置した例を示している。図2Bのように、表示パネル2の四隅にセンサ5を配置するのは以下の理由である。表示パネル2内のセンサ5と重なる画素領域は、透過率を高くする工夫を施すため、その周囲の画素領域とは表示品質に若干の差異が生じるおそれがある。人間は画面中央を凝視するとき、中心視野となる画面中央部は詳細まで把握でき、若干の差異に気づくことができる。しかし、周辺視野となる外周部の詳細視認度は低くなる。通常の表示画像では画面中央を見ることが多いため、その差異を目立たなくするために四隅にセンサ5を配置することが推奨される。
【0034】
図2A図2Bのように、表示パネル2の裏面側に複数のセンサ5を配置する場合、複数のセンサ5の種類は同じでも異なっていてもよい。例えば、焦点距離の異なる複数のイメージセンサモジュール9を配置してもよいし、あるいは、撮像センサ5とToF(Time of Flight)センサ5などのように、異なる種類のセンサ5を配置してもよい。
【0035】
表示パネル2の真下にセンサ5を配置する場合、裏面側のセンサ5と重なる画素領域(第1画素領域)と、センサ5と重ならない画素領域(第2画素領域)で、画素の構造を変える必要がある。なお、本明細書では、第2画素領域内の各画素を通常画素と呼び、第1画素領域内の各画素を透過画素と呼ぶことがある。
【0036】
図3は第1画素領域6内の透過画素7の構造と、第2画素領域8内の通常画素7の構造とを模式的に示す図である。第1画素領域6内の透過画素7は、自発光素子6a、第1発光領域(第1領域)6b、及び非発光領域(第2領域)6cを有する。第1発光領域6bは、自発光素子6aにより発光される領域である。非発光領域6cは、自発光素子6aによる発光は行わないものの、可視光を透過させる所定の形状の透過窓6dを有する。第2画素領域8内の通常画素7は、自発光素子8a及び第2発光領域8bを有する。第2発光領域8bは、自発光素子8aにより発光され、第1発光領域6bよりも大きい面積を有する。また、第2画素領域8内の通常画素7には透過窓は設けられていない。
【0037】
自発光素子6a及び自発光素子8aの代表例は、有機EL(Electroluminescence)素子(以下では、OLED:Organic Light Emitting Diodeとも呼ぶ)である。自発光素子6a、8aは、バックライトを省略できるため、少なくとも一部を透明化することができる。以下では、自発光素子としてOLEDを用いる例を主に説明する。
【0038】
なお、センサ5と重なる画素領域とセンサ5と重ならない画素領域で画素7の構造を変えるのではなく、表示パネル2内の全画素7の構造を同じにすることも考えられる。この場合、表示パネル2内の任意の場所にセンサ5を重ねて配置できるように、全画素7を図3の第1発光領域6bと非発光領域6cで構成すればよい。ところが、第1発光領域6bは、通常画素に比べて発光面積が狭いため、単位面積当たりの電流が増えて、OLEDの劣化が起きやすくなる。このため、本開示に係る画像表示装置1では、表示パネル2内に第1画素領域6と第2画素領域8とを設けている。
【0039】
図4はセンサ5の一例であるイメージセンサモジュール9の断面図である。図4に示すように、イメージセンサモジュール9は、支持基板9aの上に実装されるイメージセンサ9bと、IR(Infrared Ray)カットフィルタ9cと、レンズユニット9dと、コイル9eと、磁石9fと、バネ9gとを有する。レンズユニット9dは、1つ又は複数のレンズを有する。レンズユニット9dは、コイル9eに流す電流の方向に応じて光軸方向に移動可能とされている。なお、イメージセンサモジュール9の内部構成は、図4に示したものに限定されない。
【0040】
図5はイメージセンサモジュール9の光学構成を模式的に説明する図である。被写体10からの光は、レンズユニット9dで屈折されて、イメージセンサ9b上に結像する。レンズユニット9dに入射される光の量が多いほどイメージセンサ9bで受光される光量も増えて、感度が向上する。本実施形態の場合、被写体10とレンズユニット9dとの間に表示パネル2が配置される。被写体10からの光が表示パネル2を透過する際に、表示パネル2での吸収、反射、回折を抑制することが重要となる。
【0041】
図6は被写体10からの光がイメージセンサ9b上に結像するまでの光路を説明する図である。図6では、表示パネル2の各画素7とイメージセンサ9bの各画素7を模式的に矩形のマス目で表している。図示のように、表示パネル2の各画素7のサイズは、イメージセンサ9bの各画素7のサイズよりもはるかに大きい。被写体10の特定位置からの光は、表示パネル2の透過窓を通過して、イメージセンサモジュール9のレンズユニット9dで屈折されて、イメージセンサ9b上の特定画素で結像される。このように、被写体10からの光は、表示パネル2の第1画素領域6内の複数画素7に設けられた複数の透過窓を透過して、イメージセンサモジュール9に入射される。
【0042】
図7はOLED20を含む画素回路12の基本構成を示す回路図である。図7の画素回路12は、OLED20の他に、5つのトランジスタDr、WS、DS、AZ1、AZ2と、画素容量Csとを有する。トランジスタDrは、OLED20を駆動するドライブトランジスタである。ドライブトランジスタDrのソースは、OLED20のアノード電極に接続されている。ドライブトランジスタDrのゲート-ソース間には、画素容量Csが接続されている。ドライブトランジスタDrのドレインと電源電圧ノードVccpの間には、トランジスタDSが接続されている。トランジスタDSは、DS信号によりオン又はオフする。
【0043】
ドライブトランジスタDrのゲートと信号線Sigの間には、トランジスタWSが接続されている。トランジスタWSは、WS信号によりオン又はオフするサンプリングトランジスタである。
【0044】
ドライブトランジスタDrのソースと初期化電圧ノードViniとの間には、トランジスタAZ1が接続されている。トランジスタAZ1は、AZ1信号によりオン又はオフする。ドライブトランジスタDrのゲートとオフセット電圧ノードVofsとの間には、トランジスタAZ2が接続されている。トランジスタAZ2は、AZ2信号によりオン又はオフする。
【0045】
画素回路12内の5個のトランジスタのうち、ドライブトランジスタDrのみが飽和領域で増幅動作を行い、それ以外の4つのトランジスタは線形領域でスイッチング動作を行う。また、5個のトランジスタのうち、トランジスタDSのみがPMOSであり、それ以外の4つのトランジスタはNMOSである。
【0046】
図8図7の画素回路12の動作タイミング図である。時刻t1でトランジスタDSがオフする。時刻t1では、トランジスタWS、AZ1、AZ2もオフ状態である。その後、時刻t2でトランジスタAZ1とAZ2がオンする。これにより、ドライブトランジスタDrのソース(波形w2)が初期化電圧Viniになり、ドライブトランジスタDrのゲート(波形w1)がオフセット電圧Vofsになる。よって、この時点では、ドライブトランジスタDrのゲート-ソース間に接続された画素容量Csには、Vofs-Viniの電圧が印加される。
【0047】
時刻t3でAZ1信号がローになってトランジスタAZ1がオフし、その後、時刻t4でDS信号がローになってトランジスタDSがする。これにより、ドライブトランジスタDrのソース電圧は急激に上昇し、ドライブトランジスタDrのゲート-ソース間電圧がドライブトランジスタDrの閾値電圧になった時点で、ドライブトランジスタDrのソース電圧の上昇は停止される。これにより、ドライブトランジスタDrのゲート-ソース間電圧に応じた電荷が画素容量Csに印加される。
【0048】
その後、時刻t5でDS信号がハイになり、トランジスタDSはオフする。続いて、時刻t6でAZ2信号がローになり、トランジスタAZ2がオフする。これにより、ドライブトランジスタDrのゲート-ソース間の電圧は、ドライブトランジスタDrの閾値電圧Vthに等しくなる。
【0049】
その後、時刻t7でWS信号がハイになり、トランジスタWSがオンする。これにより、信号線Sigを介して信号線電圧がトランジスタWSを介して、ドライブトランジスタDrのゲートに印加される。この時点では、トランジスタDSはオフしているため、ドライブトランジスタDrのゲート電圧が高くなっても、ドライブトランジスタDrのソース電圧は変化せず、ドライブトランジスタDrのゲート電圧は、信号線電圧に応じた電圧になる。
【0050】
その後、時刻t8でDS信号がローになり、トランジスタDSがオンする。時刻t7~t8は信号線電圧の書き込み期間である。時刻t8以降は、ドライブトランジスタDrのドレイン-ソース間に電流が流れて、ドライブトランジスタDrのソース電圧が上昇し始める。
【0051】
その後、時刻t9でWS信号がローになり、トランジスタWSはオフする。時刻t8~t9の期間内は、ドライブトランジスタDrのゲートが信号線電圧に保持された状態で、ドライブトランジスタDrのドレイン-ソース間に電流が流れる。ドライブトランジスタDrのソース電圧は、ドライブトランジスタDrのゲート電圧から閾値電圧だけ低い電圧であるが、このソース電圧がOLED20の発光閾値電圧よりも低い電圧になるように設定することで、OLED20は容量とみなすことができる。すなわち、ドライブトランジスタDrのドレイン-ソース間電流は、画素容量CsとOLED20の等価容量に流れ、この結果、ドライブトランジスタDrのソース電圧は上昇していく。ドライブトランジスタDrのソース電圧の上昇分ΔVは、画素容量Csに保持されたドライブトランジスタDrのゲート-ソース間電圧Vgsから差し引かれるため、負帰還をかけたことになる。
【0052】
このように、ドライブトランジスタDrのドレイン-ソース間電流をドライブトランジスタDrのVgsに負帰還をかけることで、ドライブトランジスタDrの移動度μを補正することができる。なお、負帰還量ΔVは、時刻t8~t9の時間幅を調整することで、最適化可能である。
【0053】
時刻t9以降は、ドライブトランジスタDrのゲートが信号線から切り離されるため、ドライブトランジスタDrのゲート電圧は(Vsig-ΔV+Vth)を保持する。時刻t9以降は、ドライブトランジスタDrのソース電圧とゲート電圧は徐々に上昇し、OLED20の逆バイアス状態は解消され、OLED20は発光を開始する。
【0054】
図9(a)~図9(c)は図7の画素回路12を有する表示パネル2内の画素7のレイアウト図である。図9(a)~図9(c)には、横に2つの色画素7と、縦に2つの色画素7の計4つの色画素7の平面レイアウトが図示されている。図9(a)はこれら色画素7のアノード電極より下方に配置される画素回路12のレイアウト図、図9(b)はセンサ5と重ならない第2画素領域8のレイアウト図、図9(c)はセンサ5と重なる第1画素領域6のレイアウト図である。
【0055】
第2画素領域8内の色画素7の一部に、図7の画素回路12が配置されている。画素回路12内の自発光素子8aで発光された光は、通常画素7のほぼ全域で発光する。このため、図9(b)に示すように、色画素7のほぼ全域が第2発光領域8bになる。
【0056】
これに対して、第1画素領域6内の透過画素(色画素)7は、図9(c)に示すように、第1発光領域6bと非発光領域6cを有する。第1発光領域6bには画素回路12が配置されており、画素回路12内の自発光素子6aで発光した光は第1発光領域6bで発光し、非発光領域6cでは発光しない。このように、第1画素領域6内の色画素7は、第2画素領域8内の色画素7よりも、狭い面積で発光する。図9(c)では、第1画素領域6内の色画素7の上側半分程度が第1発光領域6bで、下側半分程度が非発光領域6cである例を示している。
【0057】
図9(a)に示すように、色画素7の上端側には、電源電圧Vccp用の配線パターンと、走査線用の配線パターンが水平方向Xに配置されている。また、色画素7の縦方向Yの境界に沿って信号線Sigの配線パターンが配置されている。これら配線パターンの配置場所は一例にすぎない。
【0058】
図10はセンサ5が真下に配置されていない第2画素領域8内の通常画素7(色画素7)の断面図である。図10図9のA-A線方向の断面構造を示しており、より詳細には画素回路12内のドライブトランジスタDrの周辺の断面構造を示している。なお、図10を含めて、本明細書に添付した図面に記載された断面図は、特徴的な層構成を強調して図示しており、縦横の長さの比率は平面レイアウトとは必ずしも一致しない。
【0059】
図10の上面は表示パネル2の表示面側であり、図10の底面はセンサ5が配置される側である。図10の底面側から上面側(光出射側)にかけて、第1透明基板31と、第1絶縁層32と、第1配線層(ゲート電極)33と、第2絶縁層34と、第2配線層(ソース配線またはドレイン配線)35と、第3絶縁層36と、アノード電極層38と、第4絶縁層37と、表示層2aと、カソード電極層39と、第5絶縁層40と、第2透明基板41とが順に積層されている。
【0060】
第1透明基板31と第2透明基板41は、例えば、可視光透過性に優れた石英ガラスや透明フィルム等で形成されることが望ましい。あるいは第1透明基板31と第2透明基板41のどちらか一方を石英ガラス、もう一方を透明フィルムで形成してもよい。
【0061】
なお、製造観点から有色で透過率のそれほど高くないフィルム、例えばポリイミドフィルムを利用してもよい。あるいは第1透明基板31と第2透明基板41の少なくとも一方を、透明フィルムで形成してもよい。第1透明基板31の上に、画素回路12内の各回路素子を接続するための第1配線層(M1)33が配置されている。
【0062】
第1透明基板31の上には、第1配線層33を覆うように第1絶縁層32が配置されている。第1絶縁層32は、例えば、可視光透過性に優れたシリコン窒化層とシリコン酸化層の積層構造である。第1絶縁層32の上には、画素回路12内の各トランジスタのチャネル領域が形成される半導体層42が配置されている。図10は、第1配線層33に形成されるゲートと、第2配線層35に形成されるソース及びドレインと、半導体層42に形成されるチャネル領域とを有するドライブトランジスタDrの断面構造を模式的に図示しているが、他のトランジスタもこれらの層33、35、42に配置されており、不図示のコンタクトにより第1配線層33に接続されている。
【0063】
第1絶縁層32の上には、トランジスタ等を覆うように第2絶縁層34が配置されている。第2絶縁層34は、例えば、可視光透過性に優れたシリコン酸化層、シリコン窒化層及びシリコン酸化層の積層構造である。第2絶縁層34の一部にはトレンチ34aが形成されて、トレンチ34a内にコンタクト部材35aを充填することにより、各トランジスタのソースやドレイン等に接続される第2配線層(M2)35が形成されている。図10には、ドライブトランジスタDrとOLED20のアノード電極とを接続するための第2配線層35が図示されているが、他の回路素子に接続される第2配線層35も同じ層に配置されている。また、後述するように、第2配線層35とアノード電極との間に、図10では不図示の第3配線層を設けてもよい。第3配線層は、画素回路12内の配線として用いることができる他、アノード電極との接続に用いることもできる。
【0064】
第2絶縁層34の上には、第2配線層35を覆って表面を平坦化するための第3絶縁層36が配置されている。第3絶縁層36は、アクリル樹脂等の樹脂材料で形成されている。第3絶縁層36の膜厚は、第1~第2絶縁層32,34の膜厚よりも大きくしている。
【0065】
第3絶縁層36の上面の一部にはトレンチ36aが形成されて、トレンチ36a内にコンタクト部材36bを充填して第2配線層35との導通を図るとともに、コンタクト部材36bを第3絶縁層36の上面側まで延在させてアノード電極層38が形成されている。アノード電極層38は積層構造であり、金属材料層を含んでいる。金属材料層は、一般には可視光透過率が低く、光を反射させる反射層として機能する。具体的な金属材料としては、例えばAlNdやAgを適用可能である。
【0066】
アノード電極層38の最下層は、トレンチ36aに接する部分であり、断線しやすいことから、少なくともトレンチ36aの角部は例えばAlNdなどの金属材料で形成される場合がある。アノード電極層38の最上層は、ITO(Indium Tin Oxide)などの透明導電層で形成されている。あるいは、アノード電極層38を、例えば、ITO/Ag/ITOの積層構造にしてもよい。Agは本来的には不透明であるが、膜厚を薄くすることで、可視光透過率が向上する。Agを薄くすると強度が弱くなるため、両面にITOを配置した積層構造にすることで、透明導電層として機能させることができる。
【0067】
第3絶縁層36の上には、アノード電極層38を覆うように第4絶縁層37が配置されている。第4絶縁層37も、第3絶縁層36と同様にアクリル樹脂等の樹脂材料で形成されている。第4絶縁層37は、OLED20の配置場所に合わせてパターニングされて、凹部37aが形成されている。
【0068】
第4絶縁層37の凹部37aの底面及び側面を含むように表示層2aが配置されている。表示層2aは、例えば図11に示すような積層構造を有する。図11に示す表示層2aは、アノード電極層38側から積層順に、陽極2b、正孔注入層2c、正孔輸送層2d、発光層2e、電子輸送層2f、電子注入層2g、及び陰極2hを配置した積層構造である。陽極2bは、アノード電極とも呼ばれる。正孔注入層2cは、アノード電極からの正孔が注入される層である。正孔輸送層2dは、正孔を発光層2eに効率よく運ぶ層である。発光層2eは、正孔と電子を再結合させて励起子を生成し、励起子が基底状態に戻る際に光を発光する。陰極2hは、カソード電極とも呼ばれる。電子注入層2gは、陰極2hからの電子が注入される層である。電子輸送層2fは、電子を発光層2eに効率よく運ぶ層である。発光層2eは有機物を含んでいる。
【0069】
図10に示す表示層2aの上には、カソード電極層39が配置されている。カソード電極層39は、アノード電極層38と同様に透明導電層で形成されている。なお、アノード電極層38の透明導電層は、例えばITO/Ag/ITOで形成され、カソード電極層39の透明電極層は、膜厚数nm~数十nmのMgAg(薄膜化することで半透明電極になる)、または膜厚数十nm~数百nmのIZO(Indium Zinc Oxide;透明電極)などを用いて形成されうる。
【0070】
カソード電極層39の上には第5絶縁層40が配置されている。第5絶縁層40は、上面を平坦化するとともに耐湿性に優れた絶縁材料で形成される。第5絶縁層40の上には、第2透明基板41が配置されている。
【0071】
図9(b)及び図10に示すように、第2画素領域8には、色画素7のほぼ全域に反射膜として機能するアノード電極層38が配置されており、可視光を透過させることはできない。図9(c)に示すように、非発光領域6c内には画素回路12の配線パターン等が配置されている。非発光領域6c内に画素回路12の配線パターン等が配置されていたとしても、配線パターン等の隙間から可視光を透過させることができるため、非発光領域6cはセンサ5に光を入射させる透過窓として機能する。
【0072】
画素回路12の回路構成は、図7に限定されるものではなく、種々の回路構成が考えられる。図12は第1変形例に係る画素回路12の回路図、図13図12の画素回路12の動作タイミング図である。図12の画素回路12は、図7と同様に5つのトランジスタDr、WS、DS、AZ1、AZ2と画素容量Csを有する。5つのトランジスタDr、WS、DS、AZ1、AZ2はすべてPMOSトランジスタである。図12の画素回路12は、PMOSトランジスタだけで構成されている点に特徴があり、回路動作は図7とほぼ同じである。図12中の5つのトランジスタDr、WS、DS、AZ1、AZ2の役割も、図7の5つのトランジスタDr、WS、DS、AZ1、AZ2と同様である。よって、本明細書では、図12の画素回路12の回路構成及び動作説明を省略する。
【0073】
PMOSトランジスタは、NMOSトランジスタよりも移動度が低いため、オフリークが少ない。また、ドライブトランジスタDrは、移動度が低いほど制御しやすい(例えば、移動度補正のように最適時間で設定するひつようのある補正動作は、Drの移動度が低いほど補正動作がゆっくり進むため、時間設定マージンを広く取れるまたは、補正時間バラツキにロバストになる)という特徴があり、画素回路12としての動作をより安定させることができる。また、後述するように、移動度の低いPMOSトランジスタでは、チャネル領域とソース/ドレイン領域の間に電界緩和のためのLDD(Lightly Doped Drain)領域を必ずしも設ける必要がないため、NMOSトランジスタよりも製造プロセスを簡略化できる。
【0074】
図14は第2変形例に係る画素回路12の回路図、図15図13の画素回路12の動作タイミング図である。図14の画素回路12は、7つのトランジスタDr、WS、DS1、DS2、AZ1、AZ2、INIと画素回路12とを有する。これら7つのトランジスタはすべてPMOSトランジスタである。なお、7つのトランジスタの少なくとも一部をNMOSトランジスタで構成することも可能であるが、本明細書では説明を割愛する。
【0075】
図14のドライブトランジスタDrのソースには、トランジスタWS、DS1の各ソースが接続されている。ドライブトランジスタDrのゲートには、トランジスタAZ2、INIの各ソースと、画素容量Csの一端とが接続されている。ドライブトランジスタDrのドレインには、トランジスタDS2のソースと、トランジスタAZ2のドレインとが接続されている。
【0076】
トランジスタWSのドレインは信号線に接続されている。トランジスタWS、AZ1、AZ2の各ゲートには、WS信号が印加される。トランジスタDS1のドレインには、電源電圧ノードVccpと画素容量Csの他端が接続されている。トランジスタINI、AZ1の各ドレインには初期化電圧Viniが印加される。トランジスタDS1、DS2の各ゲートにはDS信号が入力される。トランジスタDS2のドレインには、OLED20のアノード電極が接続され、OLED20のカソード電極にはカソード電圧Vcathが印加されている。
【0077】
図14の画素回路12は、図15の動作タイミング図に示すように、時刻t1~t2の期間内に、INIS信号がローになり、ドライブトランジスタDrのゲート電圧(波形w1)は初期化電圧Viniに初期設定される。時刻t2になると、INIS信号がハイ、WS信号がローになり、トランジスタINIがオフ、トランジスタAZ1、AZ2がオンする。これにより、ドライブトランジスタDrのゲート電圧が上昇し、ドライブトランジスタDrのゲート-ソース間電圧がドライブトランジスタDrの閾値電圧に等しくなった時点で、ドライブトランジスタDrのゲート電圧の上昇は停止する。
【0078】
その後、時刻t4でDS信号がローになってトランジスタDS1がオンする。これにより、ドライブトランジスタDrのソース電圧(波形w2)が急激に上昇し、OLED20の発光が開始される。
【0079】
図16は第3変形例に係る画素回路12の回路図、図17図16の画素回路12の動作タイミング図である。図16の画素回路12は、図14の画素回路12を簡略化したものであり、6つのトランジスタDr、WS、DS1、DS2、AZ、INIと画素回路12とを有する。すなわち、図16の画素回路12は、図14の画素回路12内のトランジスタAZ1を省略した構成を有する。これら6つのトランジスタはすべてPMOSトランジスタである。
【0080】
図16の画素回路12の回路動作は、図14の画素回路12とほぼ同一であるため、本明細書では回路動作の説明を割愛する。
【0081】
図18は第4変形例に係る画素回路12の回路図、図19図18の画素回路12の動作タイミング図である。図18の画素回路12は、図16の画素回路12を簡略化したものであり、5つのトランジスタDr、WS、DS1、DS2、AZと画素回路12とを有する。すなわち、図18の画素回路12は、図16の画素回路12内のトランジスタINIを省略した構成を有する。これら5つのトランジスタはすべてPMOSトランジスタである。
【0082】
図19に示すように、時刻t1でWS信号がローになると、トランジスタWSがオンし、ドライブトランジスタDrのソース電圧(波形w2)が信号線電圧(波形w3)に応じて低下する。また、時刻t1でトランジスタAZがオンし、ドライブトランジスタDrのゲート電圧(波形w1)は徐々に上昇し、ドライブトランジスタDrのゲート-ソース間電圧がドライブトランジスタDrの閾値電圧に一致した時点で、ドライブトランジスタDrのゲート電圧の上昇は停止する。その後、時刻t3でWSがハイになり、トランジスタWSはオフする。時刻t2~t3は、信号線電圧の書き込みとドライブトランジスタDrの閾値電圧を補正する期間である。
【0083】
その後、時刻t4でDS信号がローになると、トランジスタDS1がオンして、ドライブトランジスタDrのソース電圧が急上昇し、OLED20の発光が開始される。
【0084】
図20は第5変形例に係る画素回路12の回路図、図21図20の画素回路12の動作タイミング図である。図20の画素回路12は、図18の画素回路12を簡略化したものであり、4つのトランジスタDr、WS、DS1、AZと画素回路12とを有する。すなわち、図20の画素回路12は、図18の画素回路12内のトランジスタDS2を省略した構成を有する。これら4つのトランジスタはすべてPMOSトランジスタである。
【0085】
図20の回路では、OLED20のカソードに電圧DS2(波形w4)が印加されている。この電圧DS2は、時刻t1以前と、時刻t4以降ではVcathに設定され、時刻t1~t4の期間内は電圧Vccpに設定される。図20の回路の動作は、図18の回路と同様であるため、説明を省略する。
【0086】
図22及び図23は、本開示に係る画像表示装置1が解決する課題を説明する図である。図22及び図23は、第1画素領域6内の第1発光領域6bと非発光領域6cの断面図を示している。
【0087】
図7図21に示した画素回路12内の各トランジスタは、トップゲート構造又はボトムゲート構造を有する。図22はトップゲート構造のトランジスタを有する例を示し、図23はボトムゲート構造のトランジスタを有する例を示している。
【0088】
トップゲート構造の場合、図22に示すように、第1配線層(M1)33にトランジスタのゲートGが配置され、その下方に、チャネル領域45が形成される半導体層42が配置されている。画素回路12内には、図7図21に示したように、複数のトランジスタが配置されており、第1発光領域6b内のトランジスタは図22に示すようにアノード電極層38の下方に配置され、非発光領域6c内のトランジスタは、アノード電極層38が配置されていない領域に配置される。
【0089】
外光(環境光とも呼ばれる)は、表示パネル2の表面側(図22の上方側)から入射されるが、第1発光領域6bのほぼ全域にアノード電極層38が配置されているため、外光(矢印線y1)はアノード電極層38で遮光されて、チャネル領域45に入射されるおそれはない。一方、非発光領域6cにはアノード電極層38が配置されていないため、外光(矢印線y2)がトランジスタのチャネル領域45に入射されるおそれがある。
【0090】
図22に示すトップゲート構造では、チャネル領域45の上方にゲートGが存在するため、ゲートGにより外光を遮光できるが、ゲートGの周囲を通過した外光がチャネル領域45に届くおそれがある。特に、画素回路12内のトランジスタがNMOSトランジスタの場合、チャネル領域45とソース/ドレイン領域の間にLDD領域が配置されることが多いため、チャネル領域45の上方にゲートGが配置されていても、少なくともLDD領域に外光が入射されるおそれがある。
【0091】
また、図23に示すボトムゲート構造では、非発光領域6c内のトランジスタのチャネル領域45の上には遮光部材が存在しないため、外光が直接、チャネル領域45に入射されるおそれがある。
【0092】
また、第1画素領域6内の背面側に光源が配置されている場合、光源からの光(以下、光源光と呼ぶ場合もある)は、図22の下方側から入射される。図22のトップゲート構造では、トランジスタのチャネル領域45の下方に遮光部材が存在しないため、非発光領域6c内のトランジスタのチャネル領域45に光源光が入射されるおそれがある。図23のボトムゲート構造では、各トランジスタの下方にゲートGが配置されているため、ゲートGが光源光を遮光することができるが、ゲートGの周囲からチャネル領域45に光源光が届くおそれがある。
【0093】
このように、非発光領域(透過窓)6cを有する第1画素領域6では、トップゲート構造とボトムゲート構造のいずれであっても、非発光領域(透過窓)6cに入射された外光が透過窓内のトランジスタのチャネル領域45に届くおそれがある。また、非発光領域(透過窓)6cの直下に光源が配置されている場合には、トップゲート構造とボトムゲート構造のいずれであっても、光源光がトランジスタのチャネル領域45に入射されるおそれがある。
【0094】
上述したように、トランジスタのチャネル領域45に外光や光源光が入射されると、トランジスタの劣化(ソース-ドレイン間の光によるリーク)が促進され、表示パネル2の表示品質が低下するおそれがある。
【0095】
図7図21に示した画素回路12内の複数のトランジスタの中には、外光や光源光が入射されたときに表示品質の低下を招くトランジスタと、表示品質の低下にほとんど影響しないトランジスタとがある。外光や光源光の入射を絶対に避けた方がよいトランジスタは、ドライブトランジスタDrである。
【0096】
図24図7図14の画素回路12のドライブトランジスタDrを破線で明示した図である。ドライブトランジスタDrは、そのゲート電圧により、OLED20に流れる電流を制御する。ドライブトランジスタDrのチャネル領域45に外光や光源光が入射されると、ドライブトランジスタDrの劣化が促進され、例えば所定のゲート電圧を与えても、所望のドレイン-ソース間電流を流せなくなる。よって、ドライブトランジスタDrは、外光と光源光を遮光する必要のある最優先のトランジスタである。
【0097】
図25及び図26はドライブトランジスタDrの次に外光と光源光を遮光する必要のある優先度の高いトランジスタを破線で明示した図である。これらのトランジスタは、ドライブトランジスタDrに直接接続されるか、又はドライブトランジスタDrのゲートノードの電圧に影響するスイッチトランジスタである。図7の画素回路12では、トランジスタWS、DS、AZ1、AZ2である。また、図14の画素回路12では、トランジスタWS、DS1、DS2、AZ1、AZ2、INIである。
【0098】
特に、図26に示すように、ドライブトランジスタDrのゲートGに直接繋がるトランジスタは、ドライブトランジスタDrの次に遮光の優先度の高いトランジスタである。具体的には、図7の画素回路12ではトランジスタWS、AZ2であり、図14の画素回路12ではトランジスタAZ2、INIである。
【0099】
本開示による画像表示装置1では、画素回路12における非発光領域(透過窓)6c内の表示品質に影響するトランジスタの近傍に遮光層を設けて、少なくともチャネル領域45に外光や光源光が入射されないようにする。
【0100】
図27は遮光層44の第1例を示す断面図である。図27はトップゲート構造のトランジスタに対して遮光層44を設けた例を示している。図27の遮光層44は、第1配線層(M1)33の下方に、第0配線層M0を追加して、第0配線層M0に配置されている。なお、第0配線層M0は便宜上の名称であり、別の名称で呼ぶことも可能である。第1配線層(M1)33は、第1透明基板31の上に配置され、第1配線層(M1)33の周囲は絶縁層43で覆われている。絶縁層43の上方の層構成は図10と同様であり、第1絶縁層32、第1配線層(M1)33、第2絶縁層34、第2配線層35、第3絶縁層36、アノード電極層38、第4絶縁層37、表示層2a、カソード電極層39、第5絶縁層40、及び第2透明基板41が順に積層されている。
【0101】
遮光層44は、トランジスタのチャネル領域45と積層方向に重なる位置に配置されている。遮光層44は、遮光対象のトランジスタごとに別個に配置してもよいし、遮光対象の複数のトランジスタのチャネル領域45を覆うことが可能なサイズを有していてもよい。
【0102】
図27では、第1画素領域6内の第1発光領域6b内のトランジスタに対応する遮光層44と、第1画素領域6内の非発光領域(透過窓)6c内のトランジスタに対応する遮光層44とを別個に設ける例を示している。第1発光領域6b内のトランジスタは、例えばドライブトランジスタDrである。非発光領域6c内のトランジスタは、トランジスタWS、DS等のドライブトランジスタDrのゲートGやソース等に直接接続されるトランジスタや、ドライブトランジスタDrのゲートノードの電圧に影響を与えるトランジスタである。
【0103】
図27の画素回路12は、トップゲート構造のトランジスタを有するため、外光はトランジスタのゲートG又はアノード電極層38で遮光することを想定している。このため、ゲートGの上方には遮光層は設けられていない。
【0104】
図28は遮光層44、47の第2例を示す断面図である。図28の遮光層44は、図27の遮光層44よりも大きい面積を有する。また、図28の非発光領域6c内のトランジスタのゲートGの上方には、遮光層47が配置されている。ゲートGの上方の遮光層47は、例えばアノード電極層38と同じ層に配置されている。
【0105】
第2例では、外光や光源光が斜め方向から入射される場合を考慮に入れたものである。トランジスタのチャネル領域45のサイズに合わせて遮光層44を配置すると、斜め方向からの外光や光源光は遮光層44の脇を通ってチャネル領域45に入射されるおそれがある。そこで、図28では、トランジスタのチャネル領域45よりも大きなサイズの遮光層44を設けて、斜め光を遮光するようにしている。
【0106】
図29は遮光層44、47の第3例を示す断面図である。図29はボトムゲート構造のトランジスタに対して遮光層44、47を設けた例を示している。図29では、第1画素領域6内の第1発光領域6b内のトランジスタの上方には遮光層47を設けずにアノード電極層38で外光を遮光する点では、図27及び図28と共通する。非発光領域(透過窓)6c内のトランジスタのチャネル領域45の上方には、ゲートGが配置されていないため、遮光層47が必須になる。図29では、アノード電極層38と同じ層に遮光層44を配置している。
【0107】
ボトムゲート構造では、チャネル領域45の下方にゲートGが配置されており、このゲートGだけでも、チャネル領域45への光源光を遮光できる。ただし、斜め光を考慮すると、図29に示すように、ゲートGの下方の第0配線層M0に遮光層44を配置するのが望ましい。また、遮光層44のサイズは、チャネル領域45のサイズよりも大きくするのが望ましい。
【0108】
図27図29に示した遮光層44は、外光や光源光を吸収する材料で形成するのが望ましい。例えば、タングステンなどが候補材料の一例として挙げられる。図30図7の画素回路12内の一部のトランジスタに対して遮光層44、47を設けた場合の画素回路12のレイアウト図である。図30の左側はアノード電極層38より下側のレイアウト図、図30の右側はアノード電極層38を配置した状態でのレイアウト図である。図30はボトムゲート構造を示しており、第1発光領域6b内のドライブトランジスタDr、WSのチャネル領域45の下方に遮光層44が配置されるとともに、非発光領域6c内のトランジスタAZ2、DSのチャネル領域45の上方及び下方に遮光層47が配置される。図30では、遮光層44、47の面積をチャネル領域45の面積よりも大きくしており、斜め光に対する対策を行っている。
【0109】
図30では、遮光対象のトランジスタごとに別個に遮光層44を配置しているが、図31に示すように、近くに位置する複数のトランジスタを一括で覆うことができるサイズの遮光層47を配置してもよい。
【0110】
図32は表示パネル2内の第1画素領域6と第2画素領域8の画素構造と画素レイアウトを示す図である。センサ5と光源は、第1画素領域6内の表示パネル2の直下に配置される。第2画素領域8は、通常の画素表示を行う領域であり、表示パネル2の直下にはセンサ5も光源も配置されない。
【0111】
第1画素領域6には、自発光素子(OLED20)6aと、第1発光領域6bと、透過窓を有する非発光領域6cとが設けられており、非発光領域6c内に配置された少なくとも一部のトランジスタに対して遮光層44、47が配置されている。これに対して、第2画素領域8のほぼ全域はアノード電極層38で覆われている。このため、第2画素領域8では、外光がトランジスタに入射されるおそれはない。また、第2画素領域8内には光源も配置されないため、光源光がトランジスタに入射されるおそれもない。
【0112】
図33は本開示に係る画像表示装置1に設けられる遮光層44、47の配置場所をまとめた図である。遮光層44、47は、第1画素領域6内の非発光領域(透過窓)6cに配置されたトランジスタに対する外光や光源光を遮光するためのものである。画素回路12内の複数のトランジスタのうち、遮光層44、47を配置する必要のある第1優先のトランジスタは、上述したようにドライブトランジスタDrである。ドライブトランジスタDrは、そのゲート電圧により、OLED20に流れる電流を制御するため、ドライブトランジスタDrが劣化すると、設計通りのゲート電圧を与えても、OLED20に流れる電流が変化し、画素ごとに輝度バラツキが生じて、表示品質が低下してしまう。このため、ドライブトランジスタDrに対して遮光層44、47の少なくとも一方を設けることは必須である。
【0113】
画素回路12内の複数のトランジスタのうち、ドライブトランジスタDrの次に、遮光層44、47を配置する必要のある第2優先のトランジスタは、画素回路12の回路構成によって異なる。図33に示すように、図7図12の5Tr1Cの画素回路12ではトランジスタWS、AZ2が第2優先のトランジスタである。図14の7Tr1Cの画素回路12では、トランジスタINI、AZ2が第2優先のトランジスタである。図16の6Tr1Cの画素回路12では、トランジスタINI、AZが第2優先のトランジスタである。図18の5Tr1Cの画素回路12と図20の4Tr1Cの画素回路12では、トランジスタAZが第2優先のトランジスタである。
【0114】
トップゲート構造のトランジスタの場合、チャネル領域45の下方に遮光層44を設けることは必須である。チャネル領域45の上方に遮光層47を設けることは必須ではないが、外光の斜め光を考慮すると、チャネル領域45の上方にも遮光層47を設けるのが望ましい。
【0115】
ボトムゲート構造のトランジスタの場合、チャネル領域45の上方に遮光層47を設けることは必須である。チャネル領域45の下方に遮光層44を設けることは必須ではないが、光源光の斜め光を考慮すると、チャネル領域45の下方にも遮光層44を設けるのが望ましい。
【0116】
上述したように、画素回路12内のトランジスタはNMOSトランジスタ又はPMOSトランジスタで形成され、各トランジスタにはトップゲート構造とボトムゲート構造がある。また、NMOSトランジスタの場合、チャネル領域45とソース/ドレイン領域の間に、LDD領域を設けるのが一般的である。LDD領域を設けることで、ソース/ドレイン領域の電界が緩和され、オフリーク電流を低減できる。一方、PMOSトランジスタではオフリークが問題にならないため、LDD領域を設けないのが一般的である。また、遮光層44、47の形状やサイズにも、複数通りが考えられる。このように、画素回路12の断面構造には種々の組合せが考えられる。以下では、第1画素領域6内の非発光領域6cの断面構造及び平面レイアウトの代表的なバリエーションを順に説明する。
【0117】
図34Aは第1例に係る非発光領域6cの断面構造及び平面レイアウトを示す図である。図34Aは、トップゲート構造のNMOSトランジスタの断面構造と平面レイアウトを示している。チャネル領域45とソース/ドレイン領域の間には、LDD領域46が配置されている。LDD領域46は、ソース/ドレイン領域よりも不純物濃度が低い領域である。
【0118】
図34Aに示す第1例では、第1配線層(M1)33に配置されるゲートGの上方に遮光層(以下、第1遮光層と呼ぶ)47が配置されている。第1遮光層47は、チャネル領域45とLDD領域46を合わせた面積以上の面積を有する。また、チャネル領域45とLDD領域46が形成される半導体層42の下方にも遮光層(以下、第2遮光層と呼ぶ)44が配置されている。第2遮光層44も、チャネル領域45とLDD領域46を合わせた面積以上の面積を有する。
【0119】
図34Aからわかるように、ソース領域に接続されるソース電極とドレイン領域に接続されるドレイン電極の最上層(以下、ソース電極層35S/ドレイン電極層35Dと呼ぶ)は面方向に広がっており、第2配線層35に配置されている。ソース電極層35S、遮光層44、47、及びドレイン電極層35Dにより、外光およびその斜め光がトランジスタのチャネルに入射されないようにすることができる。
【0120】
図34Bは第2例に係る非発光領域6cの断面構造及び平面レイアウトを示す図である。図3Bは、ボトムゲート構造のNMOSトランジスタの断面構造と平面レイアウトを示している。チャネル領域45とソース/ドレイン領域の間には、LDD領域46が配置されている。チャネル領域45の上方には、遮光層(第1遮光層)47が配置されており、ゲートGの下方にも、遮光層(第2遮光層)44が配置されている。第1遮光層47と第2遮光層44はそれぞれ、チャネル領域45とLDD領域46を合わせた面積以上の面積を有する。
【0121】
図35Aは第3例に係る非発光領域6cの断面構造及び平面レイアウトを示す図である。図34Aは、トップゲート構造のPMOSトランジスタの断面構造と平面レイアウトを示している。PMOSトランジスタであることから、チャネル領域45とソース/ドレイン領域の間にはLDD領域46は設けられていない。図35Aは、遮光層44を必要最小限のサイズにした例を示している。
【0122】
トランジスタのチャネル領域45の上方にはゲートGが配置されており、ゲートGで外光を遮光できるため、ゲートGの上方には遮光層47は配置されていない。チャネル領域45の下方にはゲートGが配置されていないため、光源光を遮光するための遮光層44が配置される。遮光層44は、チャネル領域45のサイズに合わせた面積を有する。NMOSトランジスタの場合と異なり、PMOSトランジスタにはLDD領域46は存在しないため、遮光層44の面積をより小さくできる。
【0123】
図35Bは第4例に係る非発光領域6cの断面構造及び平面レイアウトを示す図である。図35Bは、ボトムゲート構造のPMOSトランジスタの断面構造と平面レイアウトを示している。図35Bは、遮光層44を必要最小限のサイズにした例を示している。
【0124】
トランジスタのチャネル領域45の上方には、遮光層(第1遮光層)47が配置される。チャネル領域45の下方にはゲートGが配置されており、ゲートGで光源光を遮光できるため、ゲートGの下方には遮光層44は配置されていない。
【0125】
図35A図35Bはいずれも、遮光層44、47を必要最小限のサイズにしており、外光や光源光の斜め光を考慮していないことから、トランジスタの劣化を十分には抑制できないおそれがある。
【0126】
図36Aは第5例に係る非発光領域6cの断面構造及び平面レイアウトを示す図である。図36Aは、トップゲート構造のPMOSトランジスタの断面構造と平面レイアウトを示している。PMOSトランジスタであることから、チャネル領域45とソース/ドレイン領域の間にはLDD領域46は設けられていない。図36Aは、斜め光を考慮した遮光層44、47を配置する例を示している。
【0127】
トランジスタのチャネル領域45の上方にはゲートGが配置されるが、外光の斜め光がチャネル領域45に入射されるおそれがあることを考慮して、ゲートGの上方に遮光層(第1遮光層)47が配置されている。第1遮光層47は、斜め光を考慮して、ゲートG及びチャネル領域45のサイズよりも大きなサイズを有する。チャネル領域45の下方にも、遮光層(第2遮光層)44が配置され、第2遮光層44のサイズを光源光の斜め光を考慮して、チャネル領域45よりも大きなサイズにする。
【0128】
図36Bは第6例に係る非発光領域6cの断面構造及び平面レイアウトを示す図である。図36Bは、ボトムゲート構造のPMOSトランジスタの断面構造と平面レイアウトを示している。図36Bは、斜め光を考慮した遮光層44、47を配置する例を示している。
【0129】
トランジスタのチャネル領域45の上方には、チャネル領域45のサイズよりも大きな遮光層(第1遮光層)47が配置される。チャネル領域45の下方にはゲートGが配置されており、ゲートGの下方には、チャネル領域45のサイズよりも大きな遮光層(第2遮光層)44が配置されている。
【0130】
図36A及び図36Bでは、遮光したい斜め光の角度により、遮光層44、47のサイズを変える必要がある。遮光層44、47のサイズをより大きくするほど、広い角度範囲内の斜め光を遮光でき、トランジスタの劣化をより抑制できるが、その一方で透過窓の開口率が低くなる。このため、トランジスタの劣化による表示品質の低下と透過窓の開口率とはトレードオフの関係にある。
【0131】
上述した第1~第6例では、ソース電極層35Sとドレイン電極層35Dの間に大きな隙間があり、この隙間にゲートGが配置されるものの、この隙間を通って外光の斜め光がチャネル領域45やLDD領域46に入射されるおそれがある。そこで、以下に説明する種々の例では、ソース電極層35Sとドレイン電極層35Dの少なくとも一方のサイズを大きくして、チャネル領域45への外光の入射を抑制する。このように、ソース電極層35Sとドレイン電極層35Dの少なくとも一方を遮光層として利用することができる。
【0132】
図37Aは第7例に係る非発光領域6cの断面構造及び平面レイアウトを示す図である。図37Aは、ボトムゲート構造のNMOSトランジスタの断面構造と平面レイアウトを示している。チャネル領域45とソース/ドレイン領域との間にはLDD領域46が配置されている。
【0133】
図37Aでは、第2配線層35にソース電極層35Sとドレイン電極層35Dを配置し、かつソース電極層35Sをドレイン電極層35D側に延ばして、チャネル領域45の上方をソース電極層35Sが覆うようにする。図37Aのトランジスタは、例えばドライブトランジスタDrのように、ソース-ドレイン間の電流の向きが変化しないトランジスタである。
【0134】
図37Aの例では、ソース電極層35S及びドレイン電極層35Dの上方には、遮光層(第1遮光層)47を配置している。第1遮光層47は、アノード電極層38と同じ層に配置される。ソース電極層35Sでチャネル領域45の遮光を行うため、第1遮光層47は省略してもよい。また、第1遮光層47を設ける場合には、ソース電極層35Sのサイズを小さくしてもよい。
【0135】
図37Bは第8例に係る非発光領域6cの断面構造及び平面レイアウトを示す図である。図37Bは、ボトムゲート構造のPMOSトランジスタの断面構造と平面レイアウトを示している。チャネル領域45とソース/ドレイン領域との間にはLDD領域46が配置されていない。
【0136】
第8例は、第7例のNMOSトランジスタをPMOSトランジスタに変えたものであり、断面構造自体は第7例とほぼ同じである。第7例と同様に、第2配線層に配置されるソース電極層35Sがドレイン電極層35D側に延びており、ソース電極装置とドレイン電極層35Dの上方には、遮光層(第1遮光層)47が配置されている。
【0137】
図37Aの第7例と図37Bの第8例は、ボトムゲート構造のトランジスタを有するが、トップゲート構造のトランジスタに変更してもよい。
【0138】
図38Aは第7例に係る非発光領域6cの断面構造及び平面レイアウトを示す図である。図38Aは、トップゲート構造のNMOSトランジスタの断面構造と平面レイアウトを示している。チャネル領域45とソース/ドレイン領域との間にはLDD領域46が配置されている。図38Aのトランジスタは、ドライブトランジスタDr以外のオン又はオフのスイッチ動作を行うトランジスタ(以下、スイッチトランジスタとも呼ぶ)である。スイッチトランジスタは、ソースとドレインの役割が固定でなく、ソースとドレイン間の電流の向きが時と場合で変化する。この場合、ソース電極層35Sとドレイン電極層35Dの両方を面方向に延ばして、ソース電極層35Sとドレイン電極層35Dの先端部が、チャネル領域45の略中央部に配置されるようにする。
【0139】
図38Aに示すように、トランジスタのチャネル領域45の上方にはゲートGが配置される。ゲートGは、例えば第1配線層(M1)33に配置される。ゲートGの上方には、チャネル領域45とLDD領域46を覆うようにソース電極層35Sとドレイン電極層35Dが配置される。
【0140】
このように、図38Aでは、ゲートGと、ソース電極層35S及びドレイン電極層35Dとで、チャネル領域45を遮光するため、ソース電極層35S及びドレイン電極層35Dの上方に遮光層47を配置する必要はない。
【0141】
一方、チャネル領域45の下方には、遮光層(第2遮光層)44が配置されている。第2遮光層44は、チャネル領域45よりも大きいサイズであり、光源光およびその斜め光がチャネル領域45に入射されるのを防止できる。
【0142】
図38Bは第8例に係る非発光領域6cの断面構造及び平面レイアウトを示す図である。図38Bは、トップゲート構造のPMOSトランジスタの断面構造と平面レイアウトを示している。図38Bに示す第8例は、図37Bに示す第7例とはトランジスタの導電型が異なっており、チャネル領域45とソース/ドレイン領域の間にLDD領域46が設けられていない。ただし、第8例の断面構造は、第7例と類似する。ソース電極層35Sとドレイン電極層35Dをチャネル領域45の中央付近まで延ばすことも同じである。
【0143】
図39Aは第9例に係る非発光領域6cの断面構造及び平面レイアウトを示す図である。図39Aは、トップゲート構造のNMOSトランジスタの断面構造と平面レイアウトを示している。図39Aに示す第9例は、図38Aに示す第7例におけるソース電極層35Sとドレイン電極層35Dの上方に、遮光層(第1遮光層)47を配置するものである。トップゲート構造であることから、チャネル領域45の上方にはゲートGが存在し、さらにその上方にソース電極層35S及びドレイン電極層35Dが配置され、さらにその上方に第1遮光層47が配置される。これにより、外光の斜め光がチャネル領域45に入射されるのをより確実に防止できる。
【0144】
図39Bは第10例に係る非発光領域6cの断面構造及び平面レイアウトを示す図である。図39Bは、トップゲート構造のPMOSトランジスタの断面構造と平面レイアウトを示している。図39Bに示す第10例は、図38Bに示す第8例におけるソース電極層35Sとドレイン電極層35Dの上方に、遮光層(第1遮光層)47を配置するものであり、得られる効果は第9例と同様である。
【0145】
図40Aは第11例に係る非発光領域6cの断面構造及び平面レイアウトを示す図である。図40Aは、ボトムゲート構造のNMOSトランジスタの断面構造と平面レイアウトを示している。チャネル領域45とソース/ドレイン領域との間にはLDD領域46が配置されている。図40Aのトランジスタは、ドライブトランジスタDr以外のオン又はオフのスイッチ動作を行うスイッチトランジスタである。
【0146】
図40Aでは、トランジスタのチャネル領域45の下方にゲートGが配置される。ゲートGは、例えば第1配線層(M1)33に配置される。チャネル領域45が形成される半導体層42の上方には、チャネル領域45とLDD領域46を覆うようにソース電極層35Sとドレイン電極層35Dが配置されている。ソース電極層35Sとドレイン電極層35Dは、例えば第2配線層に配置されている。ソース電極層35Sとドレイン電極層35Dの上方には、遮光層(第1遮光層)47が配置されている。
【0147】
図40Aでは、ソース電極層35S及びドレイン電極層35Dと、第1遮光層47にて、チャネル領域45とLDD領域46を遮光する。これにより、外光の斜め光がチャネル領域45に入射されるおそれを防止できる。
【0148】
図40Bは第12例に係る非発光領域6cの断面構造及び平面レイアウトを示す図である。図40Bは、ボトムゲート構造のPMOSトランジスタの断面構造と平面レイアウトを示している。図40Bのトランジスタは、ドライブトランジスタDr以外のオン又はオフのスイッチ動作を行うスイッチトランジスタである。図40Bの断面構造は、LDD領域46がない点を除いて、図40Aと共通する。
【0149】
上述した図37A図40Bでは、ソース電極層35S及びドレイン電極層35Dの少なくとも一方を面方向に延ばしてチャネル領域45(及びLDD領域46)に対する遮光層として利用する。ソースとドレインに流れる電流の向きが一定のトランジスタ(例えばドライブトランジスタDr)では、ソース電極層35Sを面方向に延ばしてチャネル領域45を覆う。また、スイッチトランジスタでは、ソース電極層35Sとドレイン電極層35Dをとものに面方向に延ばしてチャネル領域45を覆う。このように、チャネル領域45の上方に第1遮光層47を設けるだけでなく、ソース電極層35Sとドレイン電極層35Dの少なくとも一方でチャネル領域45を覆うことで、外光の斜め光がチャネル領域45に入射されるのを確実に防止できる。
【0150】
図37A図40Bに示すソース電極層35S及びドレイン電極層35Dの少なくとも一方からなる遮光層を有するトランジスタは、画素回路12内の少なくとも一部のトランジスタである。図41図45は、回路構成の異なる複数の画素回路12内のトランジスタに上述した遮光層を設けた回路図である。図41図7の画素回路12に対応する回路図、図42図12の画素回路12に対応する回路図、図43図14の画素回路12に対応する回路図、図44図18の画素回路12に対応する回路図、図45図20の画素回路12に対応する回路図である。
【0151】
図41図45の回路からわかるように、画素回路12内の一部のトランジスタでは、ソース側からソース電極層35Sが延びてチャネル領域45を覆う。この種のトランジスタは、ソースとドレインの間に流れる電流の向きが一定であるトランジスタであり、例えばドライブトランジスタDrである。また、画素回路12内の残りのトランジスタは、ソース側とドレイン側からソース電極層35Sとドレイン電極層35Dが延びてチャネル領域45を覆う。この種のトランジスタは、ソースとドレインの役割が回路動作に応じて変化するトランジスタであり、例えばサンプリングトランジスタWSである。なお、画素回路12の構成によっては、サンプリングトランジスタのソースとドレインの間に流れる電流の向きが一定になる。
【0152】
外光や光源光の斜め光がトランジスタのチャネル領域45に入射されないようにするには、チャネル領域45の周囲に配置される積層方向に延びるコンタクト領域を、斜め光を遮光するための遮光壁として利用するのが望ましい。コンタクト領域は、積層方向の複数層を導通するために設けられる。
【0153】
図46は第13例に係る非発光領域6cの断面構造及び平面レイアウトを示す図である。図46はトップゲート構造のPMOSトランジスタの断面構造と平面レイアウトを示している。図46の右側には、ゲートGのA-A線方向の断面構造が図示されている。右側の断面構造からわかるように、ゲートGには積層方向に延びるコンタクト領域33Cが接続され、このコンタクト領域33Cは、チャネル領域45の下方に配置される遮光層(第2遮光層)44に接続されている。よって、ゲートGと第2遮光層44はコンタクト領域33Cを介して導通している。コンタクト領域33Cを紙面の奥行き方向に延ばすことで、チャネル領域45に外光の斜め光が入射されないようにする遮光壁として利用できる。
【0154】
第2遮光層44は、必ずしもゲートGに導通させる必要はなく、他の層に導通させてもよい。ゲートG以外の層に導通させる場合であっても、その層との間に設けられるコンタクト領域33Cを遮光壁として用いるのが望ましい。
【0155】
図47は第14例に係る非発光領域6cの断面構造及び平面レイアウトを示す図である。図47はボトムゲート構造のNMOSトランジスタの断面構造と平面レイアウトを示している。図47の右側には、ゲートGのA-A線方向の断面構造が図示されている。図47では、トランジスタのチャネル領域45の上方に遮光層(第1遮光層)47が配置され、チャネル領域45の下方に配置されるゲートGのさらに下方に遮光層(第2遮光層)44が配置されている。第1遮光層47は積層方向に延びる第1コンタクト領域47Cと第2コンタクト領域35CにてゲートGに導通されている。第1コンタクト領域47Cと第2コンタクト領域35Cを、紙面の奥行き方向に延ばすことで、チャネル領域45に対する遮光壁として利用することができる。
【0156】
このように、本開示に係る画像表示装置1によれば、表示パネル2の一部に非発光領域(透過窓)6cを設けて、その直下にセンサや光源を配置する際、非発光領域6c内に配置されるトランジスタに外光や光源光が入射されると、トランジスタの劣化が促進され、表示品質が低下するという課題を解決することができる。具体的には、非発光領域6c内のトランジスタへの光を遮光する遮光層44、47を設ける。トランジスタの劣化は、トランジスタのチャネル領域45に光が入射されることで生じるため、遮光層44、47はチャネル領域45への光の入射を防止可能な場所に設けられる。遮光層44、47の面積をチャネル領域45の面積以上とすることで、外光や光源光の斜め光がチャネル領域45に入射されるのを確実に防止できる。
【0157】
画素回路12は、複数のトランジスタで構成されるが、画素回路12内のすべてのトランジスタに対して遮光層44、47を配置する必要はない。画素回路12内のドライブトランジスタDrは、OLED20に流れる電流を制御するため、ドライブトランジスタDrに対しては遮光層44、47を設ける必要がある。その他、ドライブトランジスタDrのゲートノードの電圧に影響するトランジスタにも遮光層44、47を設けるのが望ましい。また、ドライブトランジスタDrのソース又はドレインに繋がるトランジスタにも遮光層44、47を設けるのが望ましい。
【0158】
画素回路12内のトランジスタがNMOSトランジスタの場合、チャネル領域45とソース/ドレイン領域の間にLDD領域46が設けられる。この場合、チャネル領域45だけでなく、LDD領域46まで含めて遮光層44、47で遮光するのが望ましい。
【0159】
画素回路12内の各トランジスタは、トップゲート構造又はボトムゲート構造を有する。どちらの構造であっても、第0配線層M0、第1配線層(M1)33、第2配線層、及びアノード電極層38の少なくとも一つの層を用いることで、遮光層44、47を配置できる。より具体的には、トップゲート構造では、チャネル領域45の上にゲートGが配置されるため、ゲートGの上に遮光層(第1遮光層)47を配置するのは必須ではないが、斜め光を考慮すると、第1遮光層47を配置するのが望ましい。トップゲート構造では、チャネル領域45の下方にはゲートGが配置されないため、チャネル領域45の下方に遮光層(第2遮光層)44を設ける必要がある。ボトムゲート構造では、チャネル領域45の上方にはゲートGが配置されないため、チャネル領域45の上方に遮光層(第1遮光層)47を配置する必要がある。ボトムゲート構造では、チャネル領域45の下方にはゲートGが配置されているため、ゲートGの下方に遮光層(第2遮光層)44を配置するのは必須ではないが、斜め光を考慮すると、第2遮光層44を配置するのが望ましい。
【0160】
また、ソース電極層35Sとドレイン電極層35Dの少なくとも一方を面方向に延ばして、チャネル領域45を覆ってもよい。チャネル領域45の上方に遮光層(第1遮光層)47を配置するだけでなく、ソース電極層35Sとドレイン電極層35Dの少なくとも一方でチャネル領域45を覆うことで、外光の斜め光に対する対策を行うことができる。
【0161】
(本開示による画像表示装置1及び電子機器50の適用例)
(第1適用例)
本開示による画像表示装置1及び電子機器50は、種々の用途に用いることができる。図48A及び図48Bは本開示による画像表示装置1を備えた電子機器50の第1適用例である乗物100の内部の構成を示す図である。図48Aは乗物100の後方から前方にかけての乗物100の内部の様子を示す図、図48Bは乗物100の斜め後方から斜め前方にかけての乗物100の内部の様子を示す図である。
【0162】
図48A及び図48Bの乗物100は、センターディスプレイ101と、コンソールディスプレイ102と、ヘッドアップディスプレイ103と、デジタルリアミラー104と、ステアリングホイールディスプレイ105と、リアエンタテイメントディスプレイ106とを有する。
【0163】
センターディスプレイ101は、ダッシュボード107上の運転席108及び助手席109に対向する場所に配置されている。図48では、運転席108側から助手席109側まで延びる横長形状のセンターディスプレイ101の例を示すが、センターディスプレイ101の画面サイズや配置場所は任意である。センターディスプレイ101には、種々のセンサ5で検知された情報を表示可能である。具体的な一例として、センターディスプレイ101には、イメージセンサで撮影した撮影画像、ToFセンサ5で計測された乗物前方や側方の障害物までの距離画像、赤外線センサ5で検出された乗客の体温などを表示可能である。センターディスプレイ101は、例えば、安全関連情報、操作関連情報、ライフログ、健康関連情報、認証/識別関連情報、及びエンタテイメント関連情報の少なくとも一つを表示するために用いることができる。
【0164】
安全関連情報は、居眠り検知、よそ見検知、同乗している子供のいたずら検知、シートベルト装着有無、乗員の置き去り検知などの情報であり、例えばセンターディスプレイ101の裏面側に重ねて配置されたセンサ5にて検知される情報である。操作関連情報は、センサ5を用いて乗員の操作に関するジェスチャを検知する。検知されるジェスチャは、乗物100内の種々の設備の操作を含んでいてもよい。例えば、空調設備、ナビゲーション装置、AV装置、照明装置等の操作を検知する。ライフログは、乗員全員のライフログを含む。例えば、ライフログは、乗車中の各乗員の行動記録を含む。ライフログを取得及び保存することで、事故時に乗員がどのような状態であったかを確認できる。健康関連情報は、温度センサ5を用いて乗員の体温を検知し、検知した体温に基づいて乗員の健康状態を推測する。あるいは、イメージセンサを用いて乗員の顔を撮像し、撮像した顔の表情から乗員の健康状態を推測してもよい。さらに、乗員に対して自動音声で会話を行って、乗員の回答内容に基づいて乗員の健康状態を推測してもよい。認証/識別関連情報は、センサ5を用いて顔認証を行うキーレスエントリ機能や、顔識別でシート高さや位置の自動調整機能などを含む。エンタテイメント関連情報は、センサ5を用いて乗員によるAV装置の操作情報を検出する機能や、センサ5で乗員の顔を認識して、乗員に適したコンテンツをAV装置にて提供する機能などを含む。
【0165】
コンソールディスプレイ102は、例えばライフログ情報の表示に用いることができる。コンソールディスプレイ102は、運転席108と助手席109の間のセンターコンソール110のシフトレバー111の近くに配置されている。コンソールディスプレイ102にも、種々のセンサ5で検知された情報を表示可能である。また、コンソールディスプレイ102には、イメージセンサで撮像された車両周辺の画像を表示してもよいし、車両周辺の障害物までの距離画像を表示してもよい。
【0166】
ヘッドアップディスプレイ103は、運転席108の前方のフロントガラス112の奥に仮想的に表示される。ヘッドアップディスプレイ103は、例えば、安全関連情報、操作関連情報、ライフログ、健康関連情報、認証/識別関連情報、及びエンタテイメント関連情報の少なくとも一つを表示するために用いることができる。ヘッドアップディスプレイ103は、運転席108の正面に仮想的に配置されることが多いため、乗物100の速度や燃料(バッテリ)残量などの乗物100の操作に直接関連する情報を表示するのに適している。
【0167】
デジタルリアミラー104は、乗物100の後方を表示できるだけでなく、後部座席の乗員の様子も表示できるため、デジタルリアミラー104の裏面側に重ねてセンサ5を配置することで、例えばライフログ情報の表示に用いることができる。
【0168】
ステアリングホイールディスプレイ105は、乗物100のハンドル113の中心付近に配置されている。ステアリングホイールディスプレイ105は、例えば、安全関連情報、操作関連情報、ライフログ、健康関連情報、認証/識別関連情報、及びエンタテイメント関連情報の少なくとも一つを表示するために用いることができる。特に、ステアリングホイールディスプレイ105は、運転者の手の近くにあるため、運転者の体温等のライフログ情報を表示したり、AV装置や空調設備等の操作に関する情報などを表示するのに適している。
【0169】
リアエンタテイメントディスプレイ106は、運転席108や助手席109の背面側に取り付けられており、後部座席の乗員が視聴するためのものである。リアエンタテイメントディスプレイ106は、例えば、安全関連情報、操作関連情報、ライフログ、健康関連情報、認証/識別関連情報、及びエンタテイメント関連情報の少なくとも一つを表示するために用いることができる。特に、リアエンタテイメントディスプレイ106は、後部座席の乗員の目の前にあるため、後部座席の乗員に関連する情報が表示される。例えば、AV装置や空調設備の操作に関する情報を表示したり、後部座席の乗員の体温等を温度センサ5で計測した結果を表示してもよい。
【0170】
上述したように、画像表示装置1の裏面側に重ねてセンサ5を配置することで、周囲に存在する物体までの距離を計測することができる。光学的な距離計測の手法には、大きく分けて、受動型と能動型がある。受動型は、センサ5から物体に光を投光せずに、物体からの光を受光して距離計測を行うものである。受動型には、レンズ焦点法、ステレオ法、及び単眼視法などがある。能動型は、物体に光を投光して、物体からの反射光をセンサ5で受光して距離計測を行うものである。能動型には、光レーダ方式、アクティブステレオ方式、照度差ステレオ法、モアレトポグラフィ法、干渉法などがある。本開示による画像表示装置1は、これらのどの方式の距離計測にも適用可能である。本開示による画像表示装置1の裏面側に重ねて配置されるセンサ5を用いることで、上述した受動型又は能動型の距離計測を行うことができる。
【0171】
(第2適用例)
本開示による画像表示装置1は、乗物で用いられる種々のディスプレイに適用されるだけでなく、種々の電子機器50に搭載されるディスプレイにも適用可能である。
【0172】
図49Aは電子機器50の第2適用例であるデジタルカメラ120の正面図、図49Bはデジタルカメラ120の背面図である。図49A及び図49Bのデジタルカメラ120は、レンズ121を交換可能な一眼レフカメラの例を示しているが、レンズ121を交換できないカメラにも適用可能である。
【0173】
図49A及び図49Bのカメラは、撮影者がカメラボディ122のグリップ123を把持した状態で電子ビューファインダ124を覗いて構図を決めて、焦点調節を行った状態でシャッタ125を押すと、カメラ内のメモリに撮影データが保存される。カメラの背面側には、図49Bに示すように、撮影データ等やライブ画像等を表示するモニタ画面126と、電子ビューファインダ124とが設けられている。また、カメラの上面には、シャッタ速度や露出値などの設定情報を表示するサブ画面が設けられる場合もある。
【0174】
カメラに用いられるモニタ画面126、電子ビューファインダ124、サブ画面等の裏面側に重ねてセンサ5を配置することで、本開示による画像表示装置1として用いることができる。
【0175】
(第3適用例)
本開示による画像表示装置1は、ヘッドマウントディスプレイ(以下、HMDと呼ぶ)にも適用可能である。HMDは、VR(Virtual Reality)、AR(Augmented Reality)、MR(Mixed Reality)、又はSR(Substitutional Reality)等に利用されることができる。
【0176】
図50Aは電子機器50の第3適用例であるHMD130の外観図である。図50AのHMD130は、人間の目を覆うように装着するための装着部材131を有する。この装着部材131は例えば人間の耳に引っ掛けて固定される。HMD130の内側には表示装置132が設けられており、HMD130の装着者はこの表示装置132にて立体映像等を視認できる。HMD130は例えば無線通信機能と加速度センサなどを備えており、装着者の姿勢やジェスチャなどに応じて、表示装置132に表示される立体映像等を切り換えることができる。
【0177】
また、HMD130にカメラを設けて、装着者の周囲の画像を撮影し、カメラの撮影画像とコンピュータで生成した画像とを合成した画像を表示装置132で表示してもよい。例えば、HMD130の装着者が視認する表示装置132の裏面側に重ねてカメラを配置して、このカメラで装着者の目の周辺を撮影し、その撮影画像をHMD130の外表面に設けた別のディスプレイに表示することで、装着者の周囲にいる人間は、装着者の顔の表情や目の動きをリアルタイムに把握可能となる。
【0178】
なお、HMD130には種々のタイプが考えられる。例えば、図50Bのように、本開示による画像表示装置1は、メガネ134に種々の情報を映し出すスマートグラス130aにも適用可能である。図50Bのスマートグラス130aは、本体部135と、アーム部136と、鏡筒部137とを有する。本体部135はアーム部136に接続されている。本体部135は、メガネ134に着脱可能とされている。本体部135は、スマートグラス130aの動作を制御するための制御基板や表示部を内蔵している。本体部135と鏡筒は、アーム部136を介して互いに連結されている。鏡筒部137は、本体部135からアーム部136を介して出射される画像光を、メガネ134のレンズ138側に出射する。この画像光は、レンズ138を通して人間の目に入る。図50Bのスマートグラス130aの装着者は、通常のメガネと同様に、周囲の状況だけでなく、鏡筒部137から出射された種々の情報を合わせて視認できる。
【0179】
(第4適用例)
本開示による画像表示装置1は、テレビジョン装置(以下、TV)にも適用可能である。最近のTVは、小型化の観点及び意匠デザイン性の観点から、額縁をできるだけ小さくする傾向にある。このため、視聴者を撮影するカメラをTVに設ける場合には、TVの表示パネル2の裏面側に重ねて配置するのが望ましい。
【0180】
図51は電子機器50の第4適用例であるTV140の外観図である。図51のTV140は、額縁が極小化されており、正面側のほぼ全域が表示エリアとなっている。TV140には視聴者を撮影するためのカメラ等のセンサ5が内蔵されている。図51のセンサ5は、表示パネル2内の一部(例えば破線箇所)の裏側に配置されている。センサ5は、イメージセンサモジュールでもよいし、顔認証用のセンサや距離計測用のセンサ、温度センサなど、種々のセンサが適用可能であり、複数種類のセンサをTV140の表示パネル2の裏面側に配置してもよい。
【0181】
上述したように、本開示の画像表示装置1によれば、表示パネル2の裏面側に重ねてイメージセンサモジュール9を配置できるため、額縁にカメラ等を配置する必要がなくなり、TV140を小型化でき、かつ額縁により意匠デザインが損なわれるおそれもなくなる。
【0182】
(第5適用例)
本開示による画像表示装置1は、スマートフォンや携帯電話にも適用可能である。図52は電子機器50の第5適用例であるスマートフォン150の外観図である。図52の例では、電子機器50の外形サイズの近くまで表示面2zが広がっており、表示面2zの周囲にあるベゼル2yの幅を数mm以下にしている。通常、ベゼル2yには、フロントカメラが搭載されることが多いが、図52では、破線で示すように、表示面2zの例えば略中央部の裏面側にフロントカメラとして機能するイメージセンサモジュール9を配置している。このように、フロントカメラを表示面2zの裏面側に設けることで、ベゼル2yにフロントカメラを配置する必要がなくなり、ベゼル2yの幅を狭めることができる。
【0183】
なお、本技術は以下のような構成を取ることができる。
(1)二次元方向に配置される複数の画素を備え、
前記複数の画素は、
発光する第1領域と可視光を透過させる第2領域とを含む画素を有する第1画素領域と、
前記第1画素領域の周囲に配置され、前記第1画素領域内の画素の発光面積よりも大きい面積で発光する画素を有する第2画素領域と、
前記第2領域内に配置されるトランジスタへの光を遮光する遮光層と、を有する、画像表示装置。
(2)前記遮光層は、前記第2領域内に配置されるトランジスタに環境光及び光源光の少なくとも一方からの光が入射されないように遮光する、(1)に記載の画像表示装置。
(3)前記遮光層は、前記トランジスタのチャネル領域に光が入射されないように配置される、(1)又は(2)に記載の画像表示装置。
(4)前記遮光層は、前記トランジスタのチャネル領域の面積以上の面積を有する、(3)に記載の画像表示装置。
(5)前記遮光層は、前記トランジスタの前記チャネル領域とソース領域との間、及び前記チャネル領域とドレイン領域との間に配置されるLDD(Lightly Doped Drain)領域と前記チャネル領域とに光が入射されないように配置される、(3)に記載の画像表示装置。
(6)前記遮光層は、前記トランジスタの前記チャネル領域と、その両端側の前記LDD領域とを合わせた面積以上の面積を有する、(5)に記載の画像表示装置。
(7)前記遮光層は、前記第2領域内に配置される前記トランジスタのドレインとソースとの間で一方向に電流が流れる場合には、前記ソースに一端が接続されて、前記トランジスタのチャネル領域を覆うように配置される、(1)乃至(6)のいずれか一項に記載の画像表示装置。
(8)前記遮光層は、前記第2領域内に配置される前記トランジスタのソースとドレインとの間で双方向に電流が流れる場合には、前記ソースに一端が接続されて前記トランジスタのチャネル領域の少なくとも一部を覆う第1遮光領域と、前記ドレインに一端が接続されて前記チャネル領域の少なくとも一部を覆う第2遮光領域と、を有する、(1)乃至(6)のいずれか一項に記載の画像表示装置。
(9)前記複数の画素のそれぞれは、
発光素子と、
前記発光素子を駆動するドライブトランジスタと、を有し、
前記遮光層は、前記第2領域内に配置される前記ドライブトランジスタへの光を遮光する、(1)乃至(8)のいずれか一項に記載の画像表示装置。
(10)前記複数の画素のそれぞれは、
線形領域で動作する少なくとも一つのスイッチトランジスタを有し、
前記遮光層は、前記第2領域内に配置される前記スイッチトランジスタへの光を遮光する、(9)に記載の画像表示装置。
(11)前記遮光層は、前記ドライブトランジスタのゲート電圧を制御する前記スイッチトランジスタへの光を遮光する、(10)に記載の画像表示装置。
(12)前記発光素子のアノード電極層と、
前記アノード電極層よりも下方に配置される前記トランジスタのゲートを含む第1配線層と、
前記第1配線層よりも下方に配置される前記トランジスタのチャネル領域を含む半導体層と、を備え、
前記遮光層は、前記半導体層よりも下方に配置されて、前記チャネル領域への光を遮光する、(9)乃至(11)のいずれか一項に記載の画像表示装置。
(13)前記発光素子のアノード電極層と、
前記アノード電極層よりも下方に配置され、前記第2領域内に配置される前記トランジスタのチャネル領域を含む半導体層と、
前記半導体層よりも下方に配置されるゲートを含む第1配線層と、をさらに備え、
前記遮光層は、前記第1配線層よりも下方に配置されて、前記チャネル領域への光を遮光する、(9)乃至(11)のいずれか一項に記載の画像表示装置。
(14)前記第1配線層及び前記半導体層よりも上方に配置されて、前記チャネル領域への光を遮光する第2配線層をさらに備える、(12)又は(13)に記載の画像表示装置。
(15)前記遮光層は、前記半導体層の面積以上の面積を有する、(12)乃至(14)のいずれか一項に記載の画像表示装置。
(16)前記複数の画素を有する表示パネルを備え、
前記第1画素領域は、前記表示パネル内の複数箇所に設けられる、(1)乃至(15)のいずれか一項に記載の画像表示装置。
(17)二次元方向に配置される複数の画素を有する画像表示装置と、
前記画像表示装置を通して入射される光を受光する受光装置と、を備え、
前記画像表示装置は、
二次元方向に配置される複数の画素を備え、
前記複数の画素は、
発光する第1領域と可視光を透過させる第2領域とを含む画素を有する第1画素領域と、
前記第1画素領域の周囲に配置され、前記第1画素領域内の画素の発光面積よりも大きい面積で発光する画素を有する第2画素領域と、
前記第2領域内に配置されるトランジスタへの光を遮光する遮光層と、を有する、電子機器。
(18)前記受光装置は、前記第1画素領域を透過した光を受光する、(17)に記載の電子機器。
(19)前記第1画素領域を透過させて所定の波長の光を発光する光源を備える、(17)又は(18)に記載の電子機器。
(20)前記受光装置は、前記第2領域を通して入射された光を光電変換する撮像センサと、前記第2領域を通して入射された光を受光して距離を計測する距離計測センサと、前記第2領域を通して入射された光に基づいて温度を計測する温度センサと、の少なくとも一つを含む、(17)乃至(19)のいずれか一項に記載の電子機器。
【0184】
本開示の態様は、上述した個々の実施形態に限定されるものではなく、当業者が想到しうる種々の変形も含むものであり、本開示の効果も上述した内容に限定されない。すなわち、特許請求の範囲に規定された内容およびその均等物から導き出される本開示の概念的な思想と趣旨を逸脱しない範囲で種々の追加、変更および部分的削除が可能である。
【符号の説明】
【0185】
1 画像表示装置、2 表示パネル、2a 表示層、2b 陽極、2c 正孔注入層、2d 正孔輸送層、2e 発光層、2f 電子輸送層、2g 電子注入層、2h 陰極、2y ベゼル、2z 表示面、3 フレキシブル・プリント基板、4 チップ、5 センサ、6 第1画素領域、6a 自発光素子、6b 第1発光領域(第1領域)、6b 第1発光領域、6c 非発光領域(透過窓、第2領域)、6c 非発光領域、6d 透過窓、7 画素、8 第2画素領域、8a 自発光素子、8b 第2発光領域、9 イメージセンサモジュール、9a 支持基板、9b イメージセンサ、9c (Infrared Ray)カットフィルタ、9d レンズユニット、9e コイル、9f 磁石、9g バネ、10 被写体、12 画素回路、31 第1透明基板、32 第1絶縁層、33 第1配線層、33C コンタクト領域、34 第2絶縁層、34a トレンチ、35 第2配線層(M2)、35a コンタクト部材、35C 第2コンタクト領域、35D ドレイン電極層、35S ソース電極層、36 第3絶縁層、36a トレンチ、36b コンタクト部材、37 第4絶縁層、37a 凹部、38 アノード電極層、39 カソード電極層、40 第5絶縁層、41 第2透明基板、42 半導体層、43 絶縁層、44 遮光層(第2遮光層)、45 チャネル領域、46 LDD領域、47 遮光層(第1遮光層)、47C 第1コンタクト領域、50 電子機器、100 乗物、101 センターディスプレイ、102 コンソールディスプレイ、103 ヘッドアップディスプレイ、104 デジタルリアミラー、105 ステアリングホイールディスプレイ、106 リアエンタテイメントディスプレイ、107 ダッシュボード、108 運転席、109 助手席、110 センターコンソール、111 シフトレバー、112 フロントガラス、113 ハンドル、120 デジタルカメラ、121 レンズ、122 カメラボディ、123 グリップ、124 電子ビューファインダ、125 シャッタ、126 モニタ画面、130a スマートグラス、131 装着部材、132 表示装置、134 メガネ、135 本体部、136 アーム部、137 鏡筒部、138 レンズ、150 スマートフォン
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34A
図34B
図35A
図35B
図36A
図36B
図37A
図37B
図38A
図38B
図39A
図39B
図40A
図40B
図41
図42
図43
図44
図45
図46
図47
図48A
図48B
図49A
図49B
図50A
図50B
図51
図52