(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022190653
(43)【公開日】2022-12-26
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理システム及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/12 20120101AFI20221219BHJP
【FI】
G06Q50/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021198268
(22)【出願日】2021-12-07
(31)【優先権主張番号】P 2021098720
(32)【優先日】2021-06-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000001432
【氏名又は名称】グローリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114306
【弁理士】
【氏名又は名称】中辻 史郎
(74)【代理人】
【識別番号】100148655
【弁理士】
【氏名又は名称】諏訪 淳一
(72)【発明者】
【氏名】柴田 健太
(72)【発明者】
【氏名】蝦名 英樹
(72)【発明者】
【氏名】菅沼 周
(72)【発明者】
【氏名】戎子 さやか
(72)【発明者】
【氏名】森下 遥
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC23
(57)【要約】
【課題】厨房設備を有する店舗で料理を調理して顧客に配送する場合に、様々な料理を迅速かつ効率的に顧客に提供することを課題とする。
【解決手段】注文者が店舗Aに料理を注文したならば(S1)、店舗Aは、注文された料理のレシピから調理工程を抽出し(例えば、調理工程1及び調理工程2)、各調理工程に対する自店舗での実施の可否を判定する。店舗Aは、自店舗で実施不可となる調理工程(例えば、調理工程2)について、他の店舗に対してこの調理工程の実施の可否について問合せ、実施可能な店舗(例えば、店舗B)に対してこの調理工程を依頼する。店舗Aでは必要な食材に対して調理工程1を行い、調理工程1完了後の調理部材を店舗Bに搬送する(S2)。店舗Bでは調理工程2を行い、調理工程2完了によりでき上がった料理を注文者に配達する(S3)。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の調理工程を含む料理のレシピを記憶する記憶部と、
前記料理の注文を受け付ける受付部と、
前記受付部が所定の料理の注文を受け付けた場合に、該注文を受け付けた料理のレシピを前記記憶部から検索する検索部と、
所定の店舗に関する情報に基づき、前記検索部によって検索されたレシピに含まれる複数の調理工程を前記所定の店舗で実施可能であるか否かを判定する判定部と、
前記判定部による判定結果に応じて、前記複数の調理工程を複数の店舗に割り振る分配部と
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記判定部は、
前記複数の調理工程の少なくともいずれかが前記所定の店舗で実施不可であると判定した場合に、前記所定の店舗とは異なる1又は複数からなる第2の店舗に関する情報に基づき、実施不可であると判定した調理工程が前記第2の店舗で実施可能であるか否かをさらに判定し、
前記分配部は、
前記判定部により前記第2の店舗で実施可能であると判定された調理工程を前記第2の店舗に割り振る
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記判定部は、
複数の所定の店舗に関する情報に基づき、前記検索部によって検索されたレシピに含まれる複数の調理工程を前記複数の所定の店舗で実施可能であるか否かを判定し、
前記分配部は、
前記判定部による判定結果に応じて、前記複数の調理工程を前記複数の所定の店舗の少なくともいずれかに割り振る
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記所定の店舗に関する情報は、前記所定の店舗が備える厨房設備に関する情報を少なくとも含み、
前記第2の店舗に関する情報は、前記第2の店舗が備える厨房設備に関する情報を少なくとも含む
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記検索部は、
前記受付部が複数の料理の注文を受け付けた場合、前記複数の料理それぞれに対応するレシピを前記記憶部から検索し、
前記判定部は、
前記検索部によって検索された複数のレシピそれぞれに含まれる複数の調理工程が実施可能であるか否かを判定する
請求項1~4のいずれか一つに記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記受付部が受け付けた注文先の住所および前記分配部が調理工程を分配した店舗の住所に基づき、前記所定の店舗又は前記第2の店舗で調理された料理の配達経路を決定する決定部をさらに備える請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記分配部は、
前記レシピの調理工程が割り振られた前記所定の店舗又は前記第2の店舗に料理の売上を按分して計上する請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項8】
料理の注文を受け付ける受付部と、
前記受付部が注文を受け付けた料理のレシピを外部装置から取得する取得部と、
所定の店舗に関する情報に基づき、前記取得部によって取得されたレシピに含まれる複数の調理工程を前記所定の店舗で実施可能であるか否かを判定する判定部と、
前記判定部による判定結果に応じて、前記複数の調理工程を複数の店舗に割り振る分配部と
を備える情報処理装置。
【請求項9】
複数の調理工程を含む料理のレシピを記憶する記憶部と、
前記料理の注文を受け付ける受付部と、
前記受付部が所定の料理の注文を受け付けた場合に、該注文を受け付けた料理のレシピを前記記憶部から検索する検索部と、
所定の店舗に関する情報に基づき、前記検索部によって検索されたレシピに含まれる複数の調理工程を前記所定の店舗で実施可能であるか否かを判定する判定部と、
前記判定部による判定結果に応じて、前記複数の調理工程を複数の店舗に割り振る分配部と、
前記分配部によって割り振られた調理工程を実行する実行部と
を備える情報処理システム。
【請求項10】
複数の調理工程を含む料理のレシピを記憶する記憶部を有する情報処理装置における情報処理方法であって、
前記情報処理装置が、所定の料理の注文を受け付けた場合に、該注文を受け付けた料理のレシピを前記記憶部から検索する検索ステップと、
前記情報処理装置が、所定の店舗に関する情報に基づき、前記検索ステップによって検索されたレシピに含まれる複数の調理工程を前記所定の店舗で実施可能であるか否かを判定する判定ステップと、
前記情報処理装置が、前記判定ステップによる判定結果に応じて、前記複数の調理工程を複数の店舗に割り振る分配ステップと
を含む情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、厨房設備を有する店舗で料理を調理して顧客に配送する場合に、様々な料理を迅速かつ効率的に顧客に提供することができる情報処理装置、情報処理システム及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、客席、店舗内装及び接客スタッフを設けず、厨房設備と料理人で構成される形態の飲食店が知られている。この種のゴーストレストラン等と呼ばれる店舗は、昨今のデリバリーのニーズの高まりとともに注目されつつある。
【0003】
かかる店舗では、様々な料理の調理を可能にするために、サーバ装置から料理のレシピを受けて調理を行う場合も多い。調理家電にレシピを読み込ませ、調理家電にレシピ通りの動作をさせるキッチンOSを活用して、調理効率を改善する先行技術も存在する(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1のものは、一つの店舗が、レシピを形成する全ての調理工程を実施できることを前提としている。このため、店舗がレシピの一部の調理工程を実施できない場合には、この店舗は料理の注文を受け付けることができないという問題が生ずる。
【0006】
このように、比較的小規模の店舗は、料理の注文を受けることができず、様々な調理工程に対応できる大型の店舗に料理の注文が殺到し、顧客が料理を受け取るまでの待ち時間が長くなるという課題が生ずる。
【0007】
本発明は、上記従来技術による課題を解決するためになされたものであって、厨房設備を有する店舗で料理を調理して顧客に配送する場合に、様々な料理を迅速かつ効率的に顧客に提供することができる情報処理装置、情報処理システム及び情報処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明は、複数の調理工程を含む料理のレシピを記憶する記憶部と、前記料理の注文を受け付ける受付部と、前記受付部が所定の料理の注文を受け付けた場合に、該注文を受け付けた料理のレシピを前記記憶部から検索する検索部と、所定の店舗に関する情報に基づき、前記検索部によって検索されたレシピに含まれる複数の調理工程を前記所定の店舗で実施可能であるか否かを判定する判定部と、前記判定部による判定結果に応じて、前記複数の調理工程を複数の店舗に割り振る分配部とを備える。
【0009】
また、本発明は、上記発明において、前記判定部は、前記複数の調理工程の少なくともいずれかが前記所定の店舗で実施不可であると判定した場合に、前記所定の店舗とは異なる1又は複数からなる第2の店舗に関する情報に基づき、実施不可であると判定した調理工程が前記第2の店舗で実施可能であるか否かをさらに判定し、前記分配部は、前記判定部により前記第2の店舗で実施可能であると判定された調理工程を前記第2の店舗に割り振る。
【0010】
また、本発明は、上記発明において、前記判定部は、複数の所定の店舗に関する情報に基づき、前記検索部によって検索されたレシピに含まれる複数の調理工程を前記複数の所定の店舗で実施可能であるか否かを判定し、前記分配部は、前記判定部による判定結果に応じて、前記複数の調理工程を前記複数の所定の店舗の少なくともいずれかに割り振る。
【0011】
また、本発明は、上記発明において、前記所定の店舗に関する情報は、前記所定の店舗が備える厨房設備に関する情報を少なくとも含み、前記第2の店舗に関する情報は、前記第2の店舗が備える厨房設備に関する情報を少なくとも含む。
【0012】
また、本発明は、上記発明において、前記検索部は、前記受付部が複数の料理の注文を受け付けた場合、前記複数の料理それぞれに対応するレシピを前記記憶部から検索し、前記判定部は、前記検索部によって検索された複数のレシピそれぞれに含まれる複数の調理工程が実施可能であるか否かを判定する。
【0013】
また、本発明は、上記発明において、前記受付部が受け付けた注文先の住所および前記分配部が調理工程を分配した店舗の住所に基づき、前記所定の店舗又は前記第2の店舗で調理された料理の配達経路を決定する決定部をさらに備える。
【0014】
また、本発明は、上記発明において、前記分配部は、前記レシピの調理工程が割り振られた前記所定の店舗又は前記第2の店舗に料理の売上を按分して計上する。
【0015】
また、本発明は、料理の注文を受け付ける受付部と、前記受付部が注文を受け付けた料理のレシピを外部装置から取得する取得部と、所定の店舗に関する情報に基づき、前記取得部によって取得されたレシピに含まれる複数の調理工程を前記所定の店舗で実施可能であるか否かを判定する判定部と、前記判定部による判定結果に応じて、前記複数の調理工程を複数の店舗に割り振る分配部とを備える。
【0016】
また、本発明は、複数の調理工程を含む料理のレシピを記憶する記憶部と、前記料理の注文を受け付ける受付部と、前記受付部が所定の料理の注文を受け付けた場合に、該注文を受け付けた料理のレシピを前記記憶部から検索する検索部と、所定の店舗に関する情報に基づき、前記検索部によって検索されたレシピに含まれる複数の調理工程を前記所定の店舗で実施可能であるか否かを判定する判定部と、前記判定部による判定結果に応じて、前記複数の調理工程を複数の店舗に割り振る分配部と、前記分配部によって割り振られた調理工程を実行する実行部とを備える。
【0017】
また、本発明は、複数の調理工程を含む料理のレシピを記憶する記憶部を有する情報処理装置における情報処理方法であって、前記情報処理装置が、所定の料理の注文を受け付けた場合に、該注文を受け付けた料理のレシピを前記記憶部から検索する検索ステップと、前記情報処理装置が、所定の店舗に関する情報に基づき、前記検索ステップによって検索されたレシピに含まれる複数の調理工程を前記所定の店舗で実施可能であるか否かを判定する判定ステップと、前記情報処理装置が、前記判定ステップによる判定結果に応じて、前記複数の調理工程を複数の店舗に割り振る分配ステップとを含む。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、厨房設備を有する店舗で料理を調理して顧客に配送する場合に、様々な料理を迅速かつ効率的に顧客に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】
図1は、実施形態1に係る情報処理システムの概要を説明するための説明図である。
【
図2】
図2は、実施形態1に係る情報処理システムのシステム構成を示す図である。
【
図3】
図3は、
図2に示した注文者端末の構成を示す図である。
【
図4】
図4は、
図3に示した注文者データ及びメニューデータの一例を示す図である。
【
図5】
図5は、
図2に示した情報処理装置の構成を示す図である。
【
図6】
図6は、
図5に示したメニューデータ、レシピデータ及び自店舗データの一例を示す図である。
【
図7】
図7は、
図5に示した他店舗データ及び売上データの一例を示す図である。
【
図9】
図9は、
図8に示した調理データの一例を示す図である。
【
図10】
図10は、実施形態1に係る調理工程を複数の店舗に割り振る要領を示す図である。
【
図11】
図11は、実施形態1に係る料理の注文から配達までの処理手順を示すフローチャートである。
【
図12】
図12は、実施形態2に係る情報処理システムの概要を説明するための説明図である。
【
図13】
図13は、実施形態2に係る情報処理システムのシステム構成を示す図である。
【
図18】
図18は、実施形態2に係る料理の注文から配達までの処理手順を示すフローチャートである。
【
図19】
図19は、実施形態3に係る情報処理システムの概要(その1)を説明するための説明図である。
【
図20】
図20は、実施形態3に係る情報処理システムの概要(その2)を説明するための説明図である。
【
図21】
図21は、実施形態3に係る情報処理システムのシステム構成を示す図である。
【
図25】
図25は、実施形態3に係るレシピ閲覧から店舗への調理指示までの処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
[実施形態1]
以下に、本実施形態1に係る情報処理装置、情報処理システム及び情報処理方法について詳細に説明する。
【0021】
<実施形態1に係る情報処理システムの概要>
本実施形態1に係る情報処理システムの概要について説明する。
図1は、本実施形態1に係る情報処理システムの概要を説明するための説明図である。
【0022】
図1に示すように、本実施形態1に係る情報処理システムでは、注文者が店舗Aに料理を注文したならば(S1)、店舗Aは、注文された料理のレシピから調理工程を抽出する。ここでは、料理のレシピが調理工程1と調理工程2とからなるものとする。店舗Aは、各調理工程に対する自店舗での実施の可否を判定する。
図1では、店舗Aが調理工程1の調理はできるものの、調理工程2の調理はできない状況を示している。
【0023】
店舗Aは、自店舗で実施不可となる調理工程2について、他の店舗Bに対してこの調理工程の実施可否を問合せ、店舗Bが調理工程2の実施が可能である場合には、店舗Bに対して調理工程2の実施を依頼する。
【0024】
店舗Aは、必要な食材に対して調理工程1の調理を行い、調理工程1の調理を完了したならば、調理部材を店舗Bに搬送する(S2)。店舗Bは、調理工程2の調理を行い、調理工程2を完了したならば、配送業者を用いて料理を注文者に配達する(S3)。
【0025】
このように、本実施形態1に係る情報処理システムは、厨房設備を有する店舗で料理を調理して顧客に配送する場合に、店舗Aで対応できない調理工程2が料理のレシピに存在していたとしても、店舗Bが調理工程2の調理を行って料理を提供するため、様々な料理を迅速かつ効率的に顧客に提供することができる。
【0026】
<情報処理システムのシステム構成>
次に、本実施形態1に係る情報処理システムのシステム構成について説明する。
図2は、本実施形態1に係る情報処理システムのシステム構成を示す図である。ここでは、店舗Aには情報処理装置20を設置し、店舗Bには調理装置30を設置した場合を示している。また、料理の注文者は注文者端末10を所持し、料理の配達者は配達者端末40を所持するものとする。注文者端末10、情報処理装置20、調理装置30及び配達者端末40は、インターネットを介して通信可能に接続される。
【0027】
注文者端末10は、注文者が料理を注文する場合に利用するスマートフォン又はタブレット等の端末装置である。注文者端末10は、注文する料理が選択されたならば、選択された料理を注文情報(注文者の氏名、住所、料理名)として情報処理装置20に通知する。
【0028】
注文者端末10に対して料理を注文するための専用アプリをあらかじめインストールすることができる。専用アプリをインストールした場合には、この専用アプリを介して料理の注文が行われる。かかる専用アプリは、情報処理装置20等からダウンロードすることができる。なお、かかる専用アプリは、スマートフォン等にインストールされる一般的なアプリケーションであるため、ここではその詳細な説明を省略する。また、注文者端末10に専用アプリがインストールされていない場合には、注文者端末10のWEBブラウザを用いて情報処理装置20の注文ページにアクセスし、料理の注文を行うことができる。
【0029】
情報処理装置20は、注文された料理の受付、他店舗への調理工程の依頼及び料理の配達の依頼などを行う装置である。情報処理装置20は、メニューに関する情報(料理名及び料金)を記憶するとともに、専用アプリからのリクエストに応じてメニューに関する情報を注文者端末10に通知する。
【0030】
また、情報処理装置20は、レシピに関する情報(料理名、材料及び調理工程)を記憶する。また、情報処理装置20は、自店舗に関する情報(店舗名、厨房設備、住所等)と、他店舗に関する情報(店舗名、厨房設備、住所等)とを記憶する。
【0031】
また、情報処理装置20は、注文情報(注文者の氏名、住所、料理名)を注文者端末10から受け付けたならば、この注文情報に含まれる料理名に該当するレシピをレシピデータの中から検索する。情報処理装置20は、検索したレシピに含まれる調理工程を自店舗で全て実施可能であるか否か判定する。情報処理装置20は、調理工程の一部又は全部を実施できないと判定された場合には、実施できない調理工程を実施することができる他店舗を他店舗データから検索する。
【0032】
また、情報処理装置20は、調理工程を実施できる他店舗を検索したならば、検索された他店舗に対して、対象となる調理工程が実施可能であるか否かの問合せを行う。情報処理装置20は、問合せた他店舗から実施可能である旨の回答を受け取ったならば、この他店舗に対して対象となる調理工程の調理を依頼する。
【0033】
また、情報処理装置20は、対象となる調理工程の調理を依頼した他店舗の住所、注文者の住所及び地図データを用いて、自店舗から注文者までの配達経路を決定し、この配達経路及び注文情報を配達依頼情報として配達者端末40に通知する。
【0034】
また、情報処理装置20は、配達者端末40から配達完了通知を受け取ったならば、配達された料理名及び売上金額等を売上データに記憶する。情報処理装置20は、調理工程を他店舗に依頼した場合、自店舗と他店舗がそれぞれ実施した調理工程に応じて売上を按分し、この按分した金額を店舗ごとに売上データに記憶する。
【0035】
調理装置30は、調理器具の役割を果たす装置である。ここでは説明の便宜上、単に「調理装置」と示したが、情報処理装置20との通信が可能であり、調理器具に調理指示を行う端末装置の機能を内在する。なお、調理器具と別体で端末装置を設けることもできる。調理装置30は、図示しない調理データ管理センターから調理データを受け取ったならば、この調理データを記憶する。
【0036】
また、調理装置30は、情報処理装置20から料理の調理工程が実施可能であるか否かの問合せを受け付けたならば、調理データを用いて調理工程の実施の可否を判定し、判定結果を情報処理装置20に通知する。また、調理装置30は、情報処理装置20から調理工程の実施依頼を受け付けたならば、実施依頼に対応する調理データに基づいて調理を行う。
【0037】
配達者端末40は、配達依頼の受付及び配達完了の通知を行う装置である。配達者端末40は、情報処理装置20から配達依頼を受け付けたならば、配達の可否を情報処理装置20に通知する。配達者端末40は、料理の配達完了の操作を受け付けたならば、配達完了の旨を情報処理装置20に通知する。
【0038】
<注文者端末10の構成>
次に、
図2に示した注文者端末10の構成について説明する。
図3は、
図2に示した注文者端末10の構成を示す図である。
図3に示すように、注文者端末10は、操作表示部11、マイク12、スピーカ13、通信部14、記憶部15及び制御部16を有する。
【0039】
操作表示部11は、液晶タッチパネル等の入出力デバイスである。マイク12は、注文者端末10に設けられた音声入力デバイスである。スピーカ13は、注文者端末10に設けられた音声出力デバイスである。通信部14は、無線通信網を介してインターネットに接続するためのインターフェース部である。
【0040】
記憶部15は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等からなる記憶デバイスである。記憶部15は、注文者データ15a及びメニューデータ15bを記憶する。注文者データ15aは、注文者の氏名及び住所を示すデータである。メニューデータ15bは、注文可能な料理名及びその料金を示すデータである。
【0041】
制御部16は、注文者端末10を全体制御する制御部であり、注文者管理部16a、メニュー管理部16b及び注文部16cを有する。実際には、これらのプログラムをCPU(Central Processing Unit)にロードして実行することにより、注文者管理部16a、メニュー管理部16b及び注文部16cにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
【0042】
注文者管理部16aは、注文者データ15aを管理する処理部である。注文者管理部16aは、操作表示部11で受け付けた氏名及び住所を注文者データ15aに記憶する。
【0043】
メニュー管理部16bは、メニューデータ15bを管理する処理部である。メニュー管理部16bは、情報処理装置20からメニューデータを受信したならば、このメニューデータをメニューデータ15bに記憶する。
【0044】
注文部16cは、受け付けた料理の注文を情報処理装置20に通知する処理部である。注文部16cは、メニューデータ15bに記憶されたメニューを操作表示部11に表示する。注文部16cは、操作表示部11において注文する料理が選択されたならば、この選択された料理名及び注文者データ15aを合わせて注文情報として情報処理装置20に通知する。
【0045】
次に、
図3に示した注文者端末10の記憶部15に記憶されたデータの一例について説明する。
図4は、
図3に示した注文者データ15a及びメニューデータ15bの一例を示す図である。
【0046】
図4(a)に示す注文者データ15aは、注文者の氏名が「特許太郎」、住所が「東京都新宿区・・・」であることを示している。
図4(b)に示すメニューデータ15bは、「鶏唐揚げ(1人分)」の料金が「400円」であり、「親子丼」の料金が「500円」であることを示している。
【0047】
<情報処理装置20の構成>
次に、
図2に示した情報処理装置20の構成について説明する。
図5は、
図2に示した情報処理装置20の構成を示す図である。
図5に示すように、情報処理装置20は、表示部21及び入力部22と接続され、通信部23、記憶部24及び制御部25を有する。
【0048】
表示部21は、液晶パネルやディスプレイ装置等からなる表示デバイスである。入力部22は、キーボードやマウス等の入力デバイスである。通信部23は、インターネットを介して注文者端末10、調理装置30及び配達者端末40と通信するためのインターフェース部である。
【0049】
記憶部24は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等の記憶デバイスであり、メニューデータ24a、レシピデータ24b、自店舗データ24c、他店舗データ24d、売上データ24e及び地図データ24fを記憶する。
【0050】
メニューデータ24aは、注文可能なメニューを示すデータである。レシピデータ24bは、メニューデータ24aに記憶された料理のレシピを示すデータである。自店舗データ24cは、自店舗の厨房設備、住所等を示すデータである。他店舗データ24dは、他店舗の厨房設備、住所等を示すデータである。売上データ24eは、店舗ごとの売上を示すデータである。地図データ24fは、料理の配達経路を決定するために使用する地図データである。
【0051】
制御部25は、情報処理装置20の全体制御を行う制御部であり、メニュー管理部25a、レシピ管理部25b、店舗管理部25c、受付部25d、検索部25e、判定部25f、分配部25g、決定部25h及び売上管理部25iを有する。実際には、これらのプログラムをCPUにロードして実行することにより、メニュー管理部25a、レシピ管理部25b、店舗管理部25c、受付部25d、検索部25e、判定部25f、分配部25g、決定部25h及び売上管理部25iにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
【0052】
メニュー管理部25aは、メニューデータ24aを管理する処理部である。メニュー管理部25aは、メニューに関する情報(料理名及び料金)を入力部22で受け付けたならば、このメニューに関する情報をメニューデータ24aに記憶する。メニュー管理部25aは、メニューデータ24aの内容を更新したならば、メニューデータ24aを注文者端末10に通知する。
【0053】
レシピ管理部25bは、レシピデータ24bを管理する処理部である。レシピ管理部25bは、レシピに関する情報(料理名、材料及び調理工程)を入力部22で受け付けたならば、このレシピに関する情報をレシピデータ24bに記憶する。
【0054】
店舗管理部25cは、自店舗データ24c及び他店舗データ24dを管理する処理部である。店舗管理部25cは、自店舗及び他店舗に関する情報(店舗名、厨房設備、住所等)を入力部22で受け付けたならば、この自店舗及び他店舗に関する情報をそれぞれ自店舗データ24c及び他店舗データ24dに記憶する。
【0055】
受付部25dは、料理の注文を受け付ける処理部である。受付部25dは、注文者の氏名、住所及び注文された料理名を含む注文情報を注文者端末10から受け付ける。
【0056】
検索部25eは、注文された料理のレシピを検索する処理部である。検索部25eは、受付部25dが注文情報を受け付けたならば、この注文情報に含まれる料理名に該当するレシピをレシピデータ24bの中から検索する。
【0057】
判定部25fは、調理工程の自店舗での実施の可否の判定と、実施可能な他店舗の抽出を行う処理部である。具体的には、検索部25eによりレシピデータ24bから検索されたレシピに含まれる調理工程を自店舗で全て実施可能か否かを自店舗データ24cの厨房設備を用いて判定する。判定部25fは、調理工程の一部又は全部の判定結果が不可であった場合には、この不可であった調理工程について、実施可能な他店舗を他店舗データ24dから抽出する。
【0058】
分配部25gは、調理工程を複数の店舗に分配する処理部である。分配部25gは、判定部25fにより調理工程を実施可能な他店舗が抽出された場合に、抽出された他店舗に対して、対象となる調理工程が実施可能であるか否かの問合せを行う。分配部25gは、問合せを行った他店舗から実施可能であり旨の回答を受け取ったならば、この他店舗に対象となる調理工程を依頼する。なお、実施可能の回答を複数の店舗から受け取った場合には、自店舗に一番近い店舗を選択して調理工程を依頼する。
【0059】
決定部25hは、料理の配達経路を決定する処理部である。決定部25hは、分配部25gにより調理工程が依頼された他店舗の住所と、自店舗の住所と、注文者の住所と、地図データ24fとを用いて、自店舗から注文者までの配達経路を決定する。決定部25hは、配達経路を決定したならば、この配達経路及び注文情報を配達依頼情報として配達者端末40に通知する。
【0060】
売上管理部25iは、売上データ24eを管理する処理部である。売上管理部25iは、配達者端末40から配達完了通知を受け取ったならば、配達された料理の注文日時、配達日時、料理名及び売上金額を売上データ24eに記憶する。売上管理部25iは、分配部25gが調理工程を他店舗に依頼した場合に、実施した調理工程に応じて売上を按分し、この按分した金額を店舗ごとに売上データ24eに記憶する。
【0061】
次に、
図5に示した情報処理装置20の記憶部24が記憶するデータの一例について説明する。
図6及び
図7は、
図5に示したメニューデータ24a、レシピデータ24b、自店舗データ24c、他店舗データ24d及び売上データ24eの一例を示す図である。
【0062】
図6(a)に示すメニューデータ24aは、「鶏唐揚げ(1人分)」の料金が「400円」であり、「親子丼」の料金が「500円」である状況を示している。
図6(b)に示すレシピデータ24bは、料理名「鶏唐揚げ(1人分)」に対して、材料「鶏肉200g、酒15cc、醤油10cc、片栗粉3g、塩胡椒1g」、調理工程1「鶏肉を切り、塩胡椒を振る」、調理工程2「酒、醤油を合わせ、鶏肉をつける」、調理工程3「鶏肉に片栗粉をまぶす」、調理工程4「鶏肉を油で揚げる」を対応付けた状況を示している。
【0063】
図6(c)に示す自店舗データ24cは、店舗名「店舗A」に対して、厨房設備「電子オーブン、発酵器、電子炊飯器」、住所「東京都新宿区・・・」、従業員「有」、調理ロボット「無」を対応付けている。
図7(a)に示す他店舗データ24dは、店舗名「店舗B」に対して、厨房設備「ガスコンロ、フライヤー」、住所「東京都新宿区・・・」、従業員「有」、調理ロボット「無」を対応付け、店舗名「店舗C」に対して、厨房設備「電子レンジ、蒸し器」、住所「東京都渋谷区・・・」、従業員「無」、調理ロボット「有」を対応付けた状況を示している。
【0064】
図7(b)に示す売上データ24eは、注文日時「2021/06/01 10:00」、配達日時「2021/06/01 12:00」、料理名「鶏唐揚げ」に対して、売上金額「店舗A 400円」を対応付け、注文日時「2021/06/01 10:30」、配達日時「2021/06/01 12:20」、料理名「親子丼」に対して、売上金額「店舗A 300円、店舗B 200円」を対応付けた状況を示している。
【0065】
<調理装置30の構成>
次に、
図2に示した調理装置30の構成について説明する。
図8は、
図2に示した調理装置30の構成を示す図である。
図8に示すように、調理装置30は、操作表示部31、通信部32、記憶部33、制御部34及び調理部35を有する。
【0066】
操作表示部31は、液晶タッチパネル等の入出力デバイスである。通信部32は、インターネットに接続するためのインターフェース部である。
【0067】
記憶部33は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等からなる記憶デバイスである。記憶部33は、調理データ33aを記憶する。調理データ33aは、調理工程の内容を示すデータである。
【0068】
制御部34は、調理装置30を全体制御する制御部であり、調理データ管理部34a、受付部34b、判定部34c及び調理制御部34dを有する。実際には、これらのプログラムをCPUにロードして実行することにより、調理データ管理部34a、受付部34b、判定部34c及び調理制御部34dにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
【0069】
調理データ管理部34aは、調理データ33aを管理する処理部である。調理データ管理部34aは、図示しない調理データ管理センターから調理データを受け取ったならば、この調理データを調理データ33aに記憶する。
【0070】
受付部34bは、情報処理装置20からの問合せ及び依頼を受け付ける処理部である。受付部34bは、情報処理装置20から、料理の調理工程が実施可能か否かの問合せを受け付ける。受付部34bは、情報処理装置20から、料理の調理工程の実施依頼を受け付ける。
【0071】
判定部34cは、情報処理装置20からの問合せ内容が実施可能か否かを判定する処理部である。判定部34cは、受付部34bが受け付けた情報処理装置20からの問合せに含まれる調理工程の実施可否について、調理データ33aを用いて判定する。判定部34cは、判定結果を情報処理装置20に通知する。
【0072】
調理制御部34dは、調理部35の制御を行う処理部である。調理制御部34dは、受付部34bが情報処理装置20から調理工程の実施依頼を受け付けたならば、受け付けた調理工程の実施を調理部35に指示する。
【0073】
調理部35は、調理を行う調理機構である。調理部35は、調理制御部34dから調理実施の指示を受けたならば、指示を受けた調理データ33aに基づいて調理を行う。
【0074】
次に、
図8に示した調理装置30の記憶部33が記憶するデータの具体例について説明する。
図9は、
図8に示した調理データ33aの一例を示す図である。
【0075】
図9に示す調理データ33aは、料理名「ピザ」に対して、調理工程「焼き」、機能「オーブン」、時間「10分」を対応付け、料理名「焼き魚」に対して、調理工程「焼き」、機能「グリル」、時間「5分」を対応付け、料理名「シューマイ」に対して、調理工程「蒸し」、機能「スチームレンジ」、時間「4分」を対応付けている。
【0076】
<複数の店舗への調理工程の割り振り>
次に、本実施形態1に係る調理工程を複数の店舗に割り振る要領について説明する。
図10は、本実施形態1に係る調理工程を複数の店舗に割り振る要領について説明する説明図である。
【0077】
図10(a)は、鶏唐揚げ及び親子丼の料理が調理工程1~4の4個の調理工程に区分され、店舗A~Cの店舗で実施可能な調理工程を示している。具体的には、店舗Aは、鶏唐揚げの全ての調理工程を実施可能であるが、親子丼については調理工程1及び2のみが実施可能である。店舗Bは、鶏唐揚げ及び親子丼の全ての調理工程を実施可能である。店舗Cは、鶏唐揚げの調理工程4のみが実施可能であり、親子丼については調理工程3及び4のみが実施可能である。
【0078】
ここで、店舗Aに鶏唐揚げ及び親子丼の注文が入った場合の調理工程の複数店舗への割り振りについて具体的に説明する。
図10(b)に示すように、鶏唐揚げについては、自店舗で全ての調理工程が実施可能であるため、他店舗への割り振りはしない。すなわち、自店舗である店舗Aのみで実施する。
【0079】
親子丼については、自店舗である店舗Aで実施不可となる調理工程3及び4について、他店舗に実施の可否を問合せ、店舗B及びCから実施可能との回答を受け取る。複数店舗で調理工程を割り振る場合には、調理途中の調理部材を店舗間で搬送する必要があるため、自店舗に近い店舗を割り振りの対象とする。店舗B及びCとでは、店舗Bが自店舗に近いため、店舗Bを割り振りの対象店舗として選択する。すなわち、親子丼については、調理工程1及び2を自店舗である店舗Aで実施し、調理工程3及び4を店舗Bで実施する。
【0080】
<料理の注文から配達までの処理手順>
次に、本実施形態1に係る料理の注文から配達までの処理手順について説明する。
図11は、本実施形態1に係る料理の注文から配達までの処理手順を示すフローチャートである。
【0081】
情報処理装置20は、注文者端末10から料理の注文を受け付けたならば(ステップS101;Yes)、レシピデータ24bを検索して調理工程を抽出する(ステップS102)。抽出した調理工程が自店舗内で全て実施可能か否か、自店舗データ24cを用いて判定する(ステップS103)。
【0082】
調理工程が自店舗内で全て実施可能であるならば(ステップS103;Yes)、ステップS114に移行する。調理工程のうち一つでも実施不可であるならば(ステップS103;No)、自店舗で実施不可の調理工程の実施の可否を他店舗に問合せを行う(ステップS104)。
【0083】
他店舗に設置されている調理装置30は、情報処理装置20からの問合せを受信したならば(ステップS105)、問合せを受けた調理工程が実施可能か否を判定し(ステップS106)、判定結果を情報処理装置20に回答する(ステップS107)。
【0084】
情報処理装置20は、調理装置30から判定結果を受信し(ステップS108)、受信した判定結果が「実施可能」でなければ(ステップS109;No)、ステップS104に移行する。受信した判定結果が「実施可能」であれば(ステップS109;Yes)、「実施可能」と回答した他店舗に対して調理工程の実施を依頼し(ステップS110)、ステップS114に移行する。
【0085】
調理装置30は、情報処理装置20から調理工程の依頼を受信し(ステップS111)、その後、調理部材を引き受けたならば(ステップS112;Yes)、調理を実施する(ステップS113)。
【0086】
情報処理装置20は、調理工程を依頼した他店舗の住所、注文者の住所及び地図データ24fを用いて、自店舗から注文者までの配達経路を決定する(ステップS114)。
【0087】
情報処理装置20は、決定した配達経路及び注文情報を合わせて、配達者端末40に料理の配達を依頼する(ステップS115)。配達者端末40からの回答が「配達可能」でなければ(ステップS116;No)、ステップS115に移行する。
【0088】
配達者端末40からの回答が「配達可能」であり(ステップS116;Yes)、その後、配達者端末40から「配達完了」の通知を受け取ったならば(ステップS117;Yes)、各店舗の実施した料理工程に応じて、料理の売上を按分して売上データ24eに記憶し(ステップS118)、処理を終了する。
【0089】
上述してきたように、本実施形態1に係る情報処理システムでは、複数の調理工程を含む料理のレシピを記憶し、記憶したレシピの中から注文を受け付けた料理のレシピを検索し、所定の店舗に関する情報に基づき、検索されたレシピに含まれる複数の調理工程が所定の店舗で実施可能であるか否かを判定し、この判定結果に応じて調理工程を複数の店舗に割り振り、調理装置が割り振られた調理工程を実行するよう構成したので、様々な料理を迅速かつ効率的に顧客に提供することができる。
【0090】
なお、上記の実施形態1では、注文された料理に基づいてレシピを利用する場合を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、売上実績に基づいた売れ筋予測を行い、この売れ筋予測に沿ったレシピを提案するよう構成することもできる。具体的には、売れ筋予測に沿った新たなレシピをインターネット上のレシピ提供サイト等から取得して情報処理装置に表示するとともに、注文者端末に通知して注文者に提案する。この際、新たなレシピに必要な材料は他店舗から配送し、レシピの変更により自店舗での材料が余る場合には、余った材料を他店舗に配送するよう構成することもできる。
【0091】
また、上記の実施形態1では、注文された料理に基づいてレシピを利用する場合を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、購入した材料の価格に応じて、安価な材料を使用するレシピを情報処理装置に表示するよう構成することもできる。
【0092】
また、上記の実施形態1では、注文された料理に基づいてレシピを利用する場合を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、当日の従業員の職能や人数に応じて、効率的に調理をできるレシピを情報処理装置に表示するよう構成することもできる。
【0093】
また、上記の実施形態1では、注文された料理に基づいてレシピを利用する場合を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、廃棄予定の近い材料を使用したレシピを情報処理装置に表示するよう構成することもできる。この際、情報処理装置に表示した料理の料金を通常価格から割引してもよい。
【0094】
また、上記の実施形態1では、他店舗が調理工程を実施可能か否かで、調理工程の割り振りを行う店舗を選定する場合を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、他店舗の住所によって、注文者の配達希望時刻に間に合うか否かを考慮し、調理工程の割り振りを行う店舗を選定するよう構成することもできる。
【0095】
また、上記の実施形態1では、他店舗が調理工程を実施可能か否かで、調理工程の割り振りを行う店舗を選定する場合を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、最終の調理工程又は配達直前の温めを注文者の住所の近傍の店舗で行うよう構成することもできる。
【0096】
また、上記の実施形態1では、他店舗に調理工程を依頼した場合に、調理結果の判定は行わない方法を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、他店舗が実施した調理の結果を判定し、自店舗に通知するよう構成することもできる。具体的には、調理結果を撮影し、レシピに含まれる画像と比較して判定する、あるいは、他店舗で使用された調理装置で検知可能な食材等の種類及び重量、調理装置の操作情報及びエラー情報に基づいて判定を行い、判定結果を自店舗に通知するよう構成することもできる。
【0097】
[実施形態2]
ところで、上記の実施形態1では、自店舗で受け付けた料理の注文に関して、調理工程の一部を他店舗に割り振る場合を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、受付センターにおいて料理の注文を受け付け、登録された店舗に調理工程を割り振るよう構成することもできる。本実施形態2では、受付センターにおいて料理の注文を受け付け、登録された店舗に調理工程を割り振る構成について説明する。
【0098】
<実施形態2に係る情報処理システムの概要>
まず、本実施形態2に係る情報処理システムの概要について説明する。
図12は、本実施形態2に係る情報処理システムの概要を説明するための説明図である。
【0099】
図12に示すように、本実施形態2に係る情報処理システムでは、注文者が受付センターに料理を注文したならば(S11)、受付センターの情報処理装置100は、注文された料理のレシピから調理工程1及び調理工程2を抽出し、登録された店舗に対してこの調理工程の実施の可否について問合せ、実施可能な店舗A及び店舗Bに対してこの調理工程を依頼する(S12)。
【0100】
店舗Aでは必要な食材に対して調理工程1を行い、調理工程1の調理完了後の調理部材を店舗Bに搬送する(S13)。店舗Bでは調理工程2を行い、調理工程2の調理完了後の料理を注文者に配達する(S14)。
【0101】
したがって、本実施形態2に係る情報処理システムは、様々な料理を迅速かつ効率的に顧客に提供することができる。
【0102】
<情報処理システムのシステム構成>
次に、本実施形態2に係る情報処理システムのシステム構成について説明する。
図13は、本実施形態2に係る情報処理システムのシステム構成を示す図である。
図13に示すように、受付センターには情報処理装置100が設置され、店舗Bには調理装置30が設置される。店舗Aの従業員は調理者端末200を所持し、料理の注文者は注文者端末10を所持し、料理の配達者は配達者端末40を所持する。注文者端末10、情報処理装置100、調理者端末200、調理装置30及び配達者端末40は、インターネットを介して通信可能に接続される。なお、
図2に示したシステム構成と同様の装置についての説明は省略する。
【0103】
情報処理装置100は、注文された料理の受付、登録店舗への調理工程の依頼及び料理の配達の依頼を行う装置である。調理者端末200は、情報処理装置100から料理の調理工程の依頼を受け付ける端末である。
【0104】
<情報処理装置100の構成>
次に、
図13に示した情報処理装置100の構成について説明する。
図14は、
図13に示した情報処理装置100の構成を示す図である。
図14に示すように、情報処理装置100は、表示部21及び入力部22と接続され、通信部23、記憶部110及び制御部120を有する。なお、
図5に示した情報処理装置20と同様の機能部についての説明は省略する。
【0105】
記憶部110は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等の記憶デバイスであり、メニューデータ24a、レシピデータ24b、店舗データ111、売上データ24e及び地図データ24fを記憶する。店舗データ111は、登録店舗の厨房設備、住所等を示すデータである。
【0106】
制御部120は、情報処理装置100の全体制御を行う制御部であり、メニュー管理部25a、レシピ管理部25b、店舗管理部121、受付部25d、検索部25e、判定部122、分配部25g、決定部25h及び売上管理部25iを有する。実際には、これらのプログラムをCPUにロードして実行することにより、メニュー管理部25a、レシピ管理部25b、店舗管理部121、受付部25d、検索部25e、判定部122、分配部25g、決定部25h及び売上管理部25iにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
【0107】
店舗管理部121は、店舗データ111を管理する処理部である。店舗管理部121は、登録店舗に関する情報(店舗名、厨房設備、住所等)を入力部22で受け付けたならば、この登録店舗に関する情報を店舗データ111に記憶する。
【0108】
判定部122は、検索部25eがレシピデータ24bの中から検索したレシピに含まれる調理工程について、実施可能な店舗を店舗データ111から抽出する。
【0109】
次に、
図14に示した情報処理装置100の記憶部110が記憶するデータの具体例について説明する。
図15は、
図14に示した店舗データ111の一例を示す図である。
【0110】
図15に示す店舗データ111は、店舗名「店舗A」に対して、厨房設備「電子オーブン、発酵器、電子炊飯器」、住所「東京都新宿区・・・」、従業員「有」、調理ロボット「無」を対応付け、店舗名「店舗B」に対して、厨房設備「ガスコンロ、フライヤー」、住所「東京都新宿区・・・」、従業員「有」、調理ロボット「無」を対応付け、店舗名「店舗C」に対して、厨房設備「電子レンジ、蒸し器」、住所「東京都渋谷区・・・」、従業員「無」、調理ロボット「有」を対応付けている。
【0111】
<調理者端末200の構成>
次に、
図13に示した調理者端末200の構成について説明する。
図16は、
図13に示した調理者端末200の構成を示す図である。
図16に示すように、調理者端末200は、操作表示部201、マイク202、スピーカ203、通信部204、記憶部205及び制御部206を有する。
【0112】
操作表示部201は、液晶タッチパネル等の入出力デバイスである。マイク202は、調理者端末200に設けられた音声入力デバイスである。スピーカ203は、調理者端末200に設けられた音声出力デバイスである。通信部204は、無線通信網を介してインターネットに接続するためのインターフェース部である。
【0113】
記憶部205は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等からなる記憶デバイスである。記憶部205は、店舗データ205aを記憶する。店舗データ205aは、自店舗の厨房設備、住所等を示すデータである。
【0114】
制御部206は、調理者端末200を全体制御する制御部であり、店舗データ管理部206a及び受付部206bを有する。実際には、これらのプログラムをCPUにロードして実行することにより、店舗データ管理部206a及び受付部206bにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
【0115】
店舗データ管理部206aは、店舗データ205aを管理する処理部である。店舗データ管理部206aは、操作表示部201で受け付けた自店舗の厨房設備、住所等を店舗データ205aに記憶する。
【0116】
受付部206bは、情報処理装置100からの問合せ及び依頼を受け付ける処理部である。受付部206bは、情報処理装置100からの料理の調理工程が実施可能か否かの問合せを受け付ける。受付部206bは、操作表示部201で調理工程が実施可能か否かの操作を受け付け、受け付けた実施の可否を情報処理装置100に通知する。受付部206bは、情報処理装置100からの料理の調理工程の実施依頼を受け付ける。
【0117】
次に、
図16に示した調理者端末200の記憶部205が記憶するデータの具体例について説明する。
図17は、
図16に示した店舗データ205aの一例を示す図である。
【0118】
図17に示す店舗データ205aは、店舗名「店舗A」に対して、厨房設備「電子オーブン、発酵器、電子炊飯器」、住所「東京都新宿区・・・」、従業員「有」、調理ロボット「無」を対応付けている。
【0119】
<料理の注文から配達までの処理手順>
次に、本実施形態2に係る料理の注文から配達までの処理手順について説明する。
図18は、本実施形態2に係る料理の注文から配達までの処理手順を示すフローチャートである。
【0120】
情報処理装置100は、注文者端末10から料理の注文を受け付けたならば(ステップS201;Yes)、レシピデータ24bを検索して調理工程を抽出する(ステップS202)。抽出した調理工程を実施可能な店舗を店舗データ111から抽出し(ステップS203)、この抽出した店舗に対して調理工程の実施の可否の問合せを行う(ステップS204)。
【0121】
問合せを受けた店舗に設置されている調理装置30は、情報処理装置100からの問合せを受信したならば(ステップS205)、問合せを受けた調理工程が実施可能か否を判定し(ステップS206)、判定結果を情報処理装置100に回答する(ステップS207)。
【0122】
情報処理装置100は、調理装置30から判定結果を受信し(ステップS208)、受信した判定結果の全てが「実施可能」でなければ(ステップS209;No)、ステップS204に移行する。受信した判定結果の全てが「実施可能」であれば(ステップS209;Yes)、「実施可能」と回答した各店舗に対して調理工程の実施を依頼し(ステップS210)、ステップS214に移行する。
【0123】
調理装置30は、情報処理装置100から調理工程の依頼を受信し(ステップS211)、その後、調理部材を引き受けたならば(ステップS212;Yes)、調理を実施する(ステップS213)。
【0124】
情報処理装置100は、ステップS214として、調理工程を依頼した店舗の住所、注文者の住所及び地図データ24fを用いて、自店舗から注文者までの配達経路を決定する(ステップS214)。
【0125】
情報処理装置100は、決定した配達経路及び注文情報を合わせて、配達者端末40に料理の配達を依頼する(ステップS215)。配達者端末40からの回答が「配達可能」でなければ(ステップS216;No)、ステップS215に移行する。
【0126】
配達者端末40からの回答が「配達可能」であり(ステップS216;Yes)、その後、配達者端末40から「配達完了」の通知を受け取ったならば(ステップS217;Yes)、各店舗の実施した料理工程に応じて、料理の売上を按分して売上データ24eに記憶し(ステップS218)、処理を終了する。
【0127】
このように、本実施形態2に係る情報処理システムでは、厨房設備を有する店舗で料理を調理して顧客に配送する場合に、様々な料理を迅速かつ効率的に顧客に提供することができる。
【0128】
[実施形態3]
ところで、上記の実施形態2では、受付センターにおいて料理の注文を受け付ける場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、受付センターにおいてレシピの調理工程に基づく調理を実施できる店舗を選択し、この店舗に調理を割り振るよう構成することもできる。このため、本実施形態3では、受付センターにおいてレシピの調理工程に基づく調理を実施できる店舗を選択し、この店舗に調理を割り振る場合を示すこととする。なお、本実施形態3では、説明の便宜上、店舗Aで調理工程1を実施し、店舗Bで調理工程2を実施する場合を示すこととする。
【0129】
<実施形態3に係る情報処理システムの概要>
まず、本実施形態3に係る情報処理システムの概要について説明する。
図19及び
図20は、実施形態3に係る情報処理システムの概要を説明するための説明図である。ここでは、注文者端末10に所定のレシピ閲覧アプリがインストールされており、このレシピ閲覧アプリを介してレシピサーバ300にアクセスして、レシピサーバ300が提供するレシピデータを取得するものとする。なお、かかるレシピ閲覧アプリは、レシピサーバ300又は所定のサーバからダウンロードするものとする。
【0130】
図19に示すように、レシピサーバ300は、定期的に(例えば、毎日0時)、受付センターに配設された情報処理装置400に対してレシピデータを送信する。レシピデータに変更が無い場合には、変更無い旨のデータを情報処理装置400に対して送信する。そして、情報処理装置400はレシピデータを管理する。このレシピデータについては、
図6(b)において説明したため、ここではその詳細な説明を省略する。
【0131】
また、調理者端末500Aは、店舗Aの店舗データが生じたならば、情報処理装置400に対して店舗データを送信し、調理者端末500Bは、店舗Bの店舗データが生じたならば、店舗Bの店舗データを情報処理装置400に対して送信する。そして、情報処理装置400は各店舗の店舗データを管理する。この店舗データについては、
図6(c)において説明したため、ここではその詳細な説明を省略する。
【0132】
情報処理装置400は、かかるレシピデータ及び店舗データを管理することにより、レシピのうちのどの調理工程をどの店舗が行うことができるのかを判定することができる。なお、以下では調理者端末500A及び500Bを調理者端末500と総称する場合がある。
【0133】
そして、注文者端末10の所定のレシピ閲覧アプリが起動されたならば、注文者端末10がレシピサーバ300にアクセスするため、注文者によるレシピの閲覧を可能になる(S21)。ここで、注文者によるレシピ選択操作を受け付けたならば(S22)、受付センターの情報処理装置400に対して検索依頼が行われる(S23)。
【0134】
情報処理装置400は、注文者端末10から検索依頼を受け付けたならば、このレシピに含まれる調理工程を実行できる一又は複数の店舗を特定し、特定した店舗に対して問合せを行う(S24)。ここでは、調理工程1と調理工程2とがレシピに含まれ、店舗データによれば店舗Aが調理工程1に対応可能であり、店舗Bが調理工程2に対応可能であるものとする。このため、調理者端末500A及び500Bに対して問合せが行われる。
【0135】
そして、調理者端末500A及び500Bは、情報処理装置400から問合せを受け付けたならば、それぞれ値付けを行い(S25)、情報処理装置400に対してこの値段を含む応答を行う(S26)。
【0136】
情報処理装置400は、各店舗から応答を受け付けたならば、値段を含むリストを作成し、作成したリストを注文者端末10に送信する(S27)。このリストには、レシピに含まれる調理工程を実行する店舗とその値段を一覧にしたリストである。ここでは、このリストに「店舗A、店舗B、合計の値段」が含まれるものとする。
【0137】
その後、注文者端末10が、リストに複数の選択肢が含まれている場合に、その中から店舗の選択を受け付けたならば(S28)、
図20に示すように、注文者端末10から情報処理装置400に対して調理依頼が行われる(S29)。ここでは、リストに「店舗A、店舗B、合計の値段」が含まれており、この店舗が選択されるものとする。
【0138】
そして、情報処理装置400は、店舗Aに対して調理工程1の調理を指示し、店舗Bに対して調理工程2の調理を指示する(S30)。店舗Aにおいて調理工程1の調理が行われ(S31)、配送者が調理済みの食材などを店舗Bに配送し(S32)、店舗Bにおいて調理工程2の調理が行われる(S33)。そして、配送者が、調理された飲食物を注文者のもとに配送する(S34)。このため、本実施形態3に係る情報処理システムは、注文者がレシピをもとに調理の依頼を行うことができる。
【0139】
<実施形態3に係る情報処理システムのシステム構成>
次に、本実施形態3に係る情報処理システムのシステム構成について説明する。
図21は、本実施形態3に係る情報処理システムのシステム構成を示す図である。
図21に示すように、注文者端末10、配送者端末40、レシピサーバ300、情報処理装置400、調理者端末500A及び調理者端末500Bがインターネットを介して通信可能に接続される。
【0140】
注文者端末10は、注文者が所持するスマートフォン又はタブレットなどの端末装置であり、配送者端末40は、配送者が所持するスマートフォン又はタブレットなどの端末装置である。
【0141】
レシピサーバ300は、インターネットを介してレシピデータを注文者に提供するHTTP(Hypertext Transfer Protocol)サーバである。このレシピサーバ300には、注文者端末10からアクセス可能である。また、レシピサーバ300内のレシピデータは定期的に情報処理装置400に送信される。
【0142】
情報処理装置400は、受付センターに設置された管理装置であり、レシピデータ及び店舗データを管理する。注文者端末10から検索依頼(レシピデータを含む)を受け付けたならば、このレシピの調理工程を実行できる店舗を特定し、特定した店舗に対して問合せを行う。この問合せの応答(値段を含む)を各店舗から受け取ったならば、その結果を含むリストを注文者端末10に送信する。
【0143】
また、情報処理装置400は、注文者端末10から調理依頼を受け付けたならば、調理依頼に含まれる店舗に対して調理指示を行う。複数の店舗で調理を行う場合には、各店舗に対して調理指示を行う。
【0144】
調理者端末500Aは、店舗Aの調理者が所持するスマートフォン又はタブレット等の端末装置であり、情報処理装置400に対して店舗Aの店舗データを送信する。情報処理装置400から問合せを受け付けたならば、値付けを行い、値付けを行った値段を含む応答を情報処理装置400に返信する。また、情報処理装置400から調理指示を受け付けたならば、該当する調理を行う。
【0145】
調理者端末500Bは、店舗Bの調理者が所持するスマートフォン又はタブレット等の端末装置であり、情報処理装置400に対して店舗Bの店舗データを送信する。情報処理装置400から問合せを受け付けたならば、値付けを行い、値付けを行った値段を含む応答を情報処理装置400に返信する。また、情報処理装置400から調理指示を受け付けたならば、該当する調理を行う。
【0146】
<レシピサーバ300の構成>
次に、
図21に示したレシピサーバ300の構成について説明する。
図22は、
図21に示したレシピサーバ300の構成を示す図である。
図22に示すように、レシピサーバ300は、表示部301及び入力部302と接続され、通信部303、記憶部304及び制御部305を有する。
【0147】
表示部301は、液晶パネルやディスプレイ装置等からなる表示デバイスである。入力部302は、キーボードやマウス等の入力デバイスである。通信部303は、インターネットを介して注文者端末10及び情報処理装置400と通信するためのインターフェース部である。
【0148】
記憶部304は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等の記憶デバイスであり、レシピデータ304aを記憶する。なお、レシピデータ304aは、各種の料理の食材及び調理工程を含むHTMLデータ又はXMLデータなどのデータである。
【0149】
制御部305は、情報処理装置20の全体制御を行う制御部であり、レシピ管理部305a、レシピ通知部305b及びレシピ提供部305cを有する。実際には、これらのプログラムをCPUにロードして実行することにより、レシピ管理部305a、レシピ通知部305b及びレシピ提供部305cにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
【0150】
レシピ管理部305aは、記憶部304に記憶されたレシピデータを管理する管理部である。レシピ通知部305bは、所定の時間(例えば、毎日0時)に情報処理装置400に対してレシピデータを通知する処理部である。レシピデータが変更されていない場合には、その旨を情報処理装置400に通知する。なお、前日のレシピデータと当日のレシピデータの差分を通知することもできる。
【0151】
レシピ提供部305cは、注文者端末10からアクセスされた場合に、レシピ管理部305aで管理されたレシピデータ304aを注文者端末10に提供する処理部である。注文者端末10の操作に応答して提供するレシピを更新する。
【0152】
<情報処理装置400の構成>
次に、
図21に示した情報処理装置400の構成について説明する。
図23は、
図21に示した情報処理装置400の構成を示す図である。
図22に示すように、情報処理装置400は、表示部21及び入力部22と接続され、通信部23、記憶部410及び制御部420を有する。なお、
図14に示した情報処理装置100と同様の機能部についての説明は省略する。
【0153】
記憶部410は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等の記憶デバイスであり、レシピデータ24b及び店舗データ111を記憶する。店舗データ111は、登録店舗の厨房設備、住所等を示すデータである。
【0154】
制御部420は、情報処理装置400の全体制御を行う制御部であり、レシピ管理部421、店舗管理部422、特定部423、問合せ部424、リスト提供部425、調理指示部426及び配送指示部427を有する。実際には、これらのプログラムをCPUにロードして実行することにより、レシピ管理部421、店舗管理部422、特定部423、問合せ部424、リスト提供部425、調理指示部426及び配送指示部427にそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
【0155】
レシピ管理部421は、レシピサーバ300から通知されたレシピデータを管理する処理部である。店舗管理部422は、店舗から通知された店舗データ111を管理する処理部である。店舗管理部422は、登録店舗に関する情報(店舗名、厨房設備、住所等)を入力部22で受け付けたならば、この登録店舗に関する情報を店舗データ111に記憶する。
【0156】
特定部423は、注文者端末10から検索依頼を受け付けた場合に、この検索依頼のレシピデータの調理工程を実施可能な店舗を特定する処理部である。1店舗で全ての調理工程を実施可能である場合にはこの店舗を特定する。また、複数の店舗が分担して全ての調理工程を実施可能である場合にはこの店舗を特定する。このようにして、レシピデータの全ての調理工程を実施できる多数の店舗を特定する。
【0157】
問合せ部424は、特定部423により特定された各店舗に対して調理の問合せを行う処理部である。
【0158】
リスト提供部425は、各店舗からの応答を並べたリスト(値段を含む)を注文者端末10に提供する処理部である。このリストには、全ての調理工程を実施できる店舗や、協力して調理工程を実施できる複数店舗の組み合わせなどが含まれる。
【0159】
調理指示部426は、注文者端末10から調理依頼を受け付けた場合に、この調理依頼に含まれる店舗(複数の店舗の組み合わせの場合もある)に対して調理指示を行う処理部である。
【0160】
配送指示部427は、調理された飲食部を注文者に配送するよう配送者端末40に指示する処理部である。複数の店舗が協力して調理を行う場合には、ある店舗で調理した食材などを次の店舗に配送するよう指示する。
【0161】
<調理者端末500の構成>
次に、
図21に示した調理者端末500の構成について説明する。
図24は、
図21に示した調理者端末500の構成を示す図である。なお、
図16に示した調理者端末200と同一の機能部については同一の符号を付すこととしてその詳細な説明を省略する。
【0162】
図24に示すように、調理者端末500の記憶部205には、値付け用データ502が記憶され、制御部206には値付け処理部504が設けられている。値付け用データ502は、調理工程の実施に要する値段を算定するための基礎データであり、人件費、食材費用、光熱代などが含まれる。
【0163】
値付け処理部504は、情報処理装置400から問合せを受け付けた場合に、値付け用データ502に基づいて、問合せを受けた調理工程を実施する場合の値付け処理を行う処理部である。
【0164】
<レシピ閲覧から店舗への調理指示までの処理手順>
次に、実施形態3に係るレシピ閲覧から店舗への調理指示までの処理手順について説明する。
図25は、実施形態3に係るレシピ閲覧から店舗への調理指示までの処理手順を示すフローチャートである。
【0165】
図25に示すように、注文者端末10は、レシピ閲覧アプリの起動操作を受け付けたならば、レシピサーバ300にアクセスしてレシピデータを受信し、注文者によるレシピの閲覧を可能にする(ステップS301)。そして、注文者によりレシピが選択されたならば(ステップS302)、情報処理装置400に対して検索依頼を行う(ステップS303)。
【0166】
情報処理装置400は、検索依頼待ちの状態にあり(ステップS304;No)、注文者端末10から検索依頼を受け付けたならば(ステップS304;Yes)、レシピに含まれる調理工程を抽出した後(ステップS305)、調理工程を実施可能な店舗を特定する(ステップS306)。
【0167】
その後、情報処理装置400は、特定した店舗に対して調理工程の実施可否を問合せ(ステップS307)、応答(値段を含む)を受信する(ステップS308)。かかる処理を各店舗に対して繰り返し(ステップS309;No)、全ての店舗に対して問合せ済みとなったならば(ステップS309;Yes)、リスト(値段を含む)を作成する(ステップS310)。
【0168】
そして、情報処理装置400は、リスト(値段を含む)を注文者端末10に送信する(ステップS311)。注文者端末10は、情報処理装置400からリスト(値段を含む)を受信したならば(ステップS312)、リストを表示して店舗を選択させる。
【0169】
注文者端末10は、店舗の選択を受け付けたならば(ステップS313)、情報処理装置400に対して調理依頼を行う(ステップS314)。情報処理装置400は、調理依頼を受け付けたならば(ステップS315;Yes)、各店舗の調理工程に応じて調理指示を行う(ステップS316)。
【0170】
上述してきたように、本実施形態3では、注文者端末10は、レシピサーバ300が提供するレシピから注文者が望むレシピを受け付け、情報処理装置400に検索依頼を行う。情報処理装置400は、レシピに基づいて調理工程を抽出し、抽出した調理工程を実施できる店舗を特定し、特定した店舗に対して問合せを行い、応答(値段を含む)に基づいてリストを作成して注文者端末10に通知する。情報処理装置400は、注文者端末10から調理依頼を受け付けたならば、店舗に対して調理指示を行う。これにより、レシピデータを用いた調理を行わせることができる。
【0171】
なお、本実施形態3では、レシピサーバ300が提供するレシピの中から所望のレシピを選択する場合を示したが、注文者オリジナルのレシピを情報処理装置400に通知して同様の処理を実施させることもできる。
【0172】
また、本実施形態3では、注文者の元に料理を配送する場合を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ユーザが店舗に来店するよう構成することもできる。さらに、本実施の形態の概要説明において、店舗Aと店舗Bが調理工程を分担する場合を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、一店舗で全ての調理を行うこともできる。
【0173】
また、上記の実施形態3では、注文者が店舗から離れた場所(自宅や会社など)にいることを想定しているが、本発明はこれに限定されるものではない。ユーザは店舗内に所在しており、店舗のメニューから料理を選ぶように、店舗のタブレットからレシピサイトのレシピを選ぶよう構成することもできる。この場合、ユーザの選んだレシピが店舗で調理可能かどうか、店舗に関する情報を使って判定することになる。ユーザの選んだレシピが店舗で調理可能である場合、そのまま注文することが可能となる。レシピサイトからの注文数が所定値を超えた場合、店舗のメニューに掲載することを店舗に勧めてもよい。
【0174】
また、上記の実施形態3では、レシピサイト300におけるレシピの検索要領についての説明を省略したが、ユーザが料理名でレシピを検索することができる。また、一般的なレシピサイトと同様に、料理名だけではなく、材料名、カテゴリ名、シーン、擬音語・擬態語、これらの組合せで検索するよう構成することもできる。さらに、検索ワードがビッグワードの場合、店舗は、応答(値段を含む)を送信する際、料理に使用する予定の食材や調理法、料理の完成形のイメージ写真など、料理に関する具体的な内容をあわせて送信するよう構成することもできる。例えば、「チャンプル そうめん」、「大皿料理 ハロウィン」「パクパク 野菜」とすることができる。
【0175】
また、上記の実施形態3では、店舗が注文を受けることを想定しているが、本発明はこれに限定されるものではない。店舗ではなく、個人が注文を受けるよう構成することもできる。さらに、注文を受ける店舗や個人の経歴や注文を受けた回数などがレシピサイトに掲載されるようにし、経歴や注文回数に関するキーワード検索ができるようにしてもよい。また、ユーザがレビューを星の数で付けることができるようにし、レビューの星の数で検索できるようにしてもよい。さらに、レビューを文章で記入できるようにし、レビューをキーワード検索できるようにしてもよい。例えば、「ミシュラン シェフ」、「フランス ショコラティエ」とすることができる。
【0176】
また、上記の実施形態3では、テキストベースのレシピデータを提供するレシピサイト300を想定したが、本発明はこれに限定されるものではない。動画ベースのレシピサイトにおいてユーザがレシピを選択したならば、周知技術を用いて動画からテキストを抽出し、抽出したテキストから調理工程を示す部分を抜き出してもよい。また、レシピサイトではなく料理本(電子書籍)においてユーザがレシピを選択できるようにしてもよい。
【0177】
また、レシピが注文されるに至った場合、レシピ作成者に手数料が入るようにしてもよい。例えば、レシピの注文を受けたことにより生じた売上に所定の比率を乗じた額を手数料として支払われるようにしてもよい。
【0178】
なお、上記の各実施形態で図示した各構成は機能概略的なものであり、必ずしも物理的に図示の構成をされていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。
【産業上の利用可能性】
【0179】
以上のように、本発明に係る情報処理装置、情報処理システム及び情報処理方法は、厨房設備を有する店舗で料理を調理して顧客に配送する場合に、様々な料理を迅速かつ効率的に顧客に提供する場合に適している。
【符号の説明】
【0180】
10 注文者端末
11 操作表示部
12 マイク
13 スピーカ
14 通信部
15 記憶部
15a 注文者データ
15b メニューデータ
16 制御部
16a 注文者管理部
16b メニュー管理部
16c 注文部
20 情報処理装置
21 表示部
22 入力部
23 通信部
24 記憶部
24a メニューデータ
24b レシピデータ
24c 自店舗データ
24d 他店舗データ
24e 売上データ
24f 地図データ
25 制御部
25a メニュー管理部
25b レシピ管理部
25c 店舗管理部
25d 受付部
25e 検索部
25f 判定部
25g 分配部
25h 決定部
25i 売上管理部
30 調理装置
31 操作表示部
32 通信部
33 記憶部
33a 調理データ
34 制御部
34a 調理データ管理部
34b 受付部
34c 判定部
34d 調理制御部
35 調理部
40 配達者端末
100 情報処理装置
110 記憶部
111 店舗データ
120 制御部
121 店舗管理部
122 判定部
200 調理者端末
201 操作表示部
202 マイク
203 スピーカ
204 通信部
205 記憶部
205a 店舗データ
206 制御部
206a 店舗データ管理部
206b 受付部
300 レシピサーバ
301 表示部
302 入力部
303 通信部
304 記憶部
304a レシピデータ
305 制御部
305a レシピ管理部
305b レシピ通知部
305c レシピ提供部
400 情報処理装置
410 記憶部
420 制御部
421 レシピ管理部
422 店舗管理部
423 特定部
424 問合せ部
425 リスト提供部
426 調理指示部
427 配送指示部
500,500a,500b 調理者端末
502 値付け用データ
504 値付け処理部