(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022190688
(43)【公開日】2022-12-26
(54)【発明の名称】毛髪コンディショニング方法
(51)【国際特許分類】
A61K 8/898 20060101AFI20221219BHJP
A61Q 5/12 20060101ALI20221219BHJP
A61K 8/41 20060101ALI20221219BHJP
【FI】
A61K8/898
A61Q5/12
A61K8/41
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022094876
(22)【出願日】2022-06-13
(31)【優先権主張番号】P 2021099013
(32)【優先日】2021-06-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000145862
【氏名又は名称】株式会社コーセー
(72)【発明者】
【氏名】小原 妙
(72)【発明者】
【氏名】塚本 大介
(72)【発明者】
【氏名】吉野 愛海
(72)【発明者】
【氏名】三好 樹
(72)【発明者】
【氏名】石神 彩夏
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AA112
4C083AA122
4C083AB332
4C083AC012
4C083AC072
4C083AC102
4C083AC122
4C083AC262
4C083AC302
4C083AC312
4C083AC342
4C083AC352
4C083AC402
4C083AC422
4C083AC432
4C083AC442
4C083AC472
4C083AC482
4C083AC532
4C083AC582
4C083AC642
4C083AC662
4C083AC691
4C083AC692
4C083AC712
4C083AC792
4C083AC892
4C083AD042
4C083AD132
4C083AD151
4C083AD152
4C083AD162
4C083AD392
4C083AD412
4C083AD442
4C083AD452
4C083AD492
4C083AD572
4C083BB06
4C083CC33
4C083CC38
4C083DD27
4C083EE28
(57)【要約】
【課題】本発明は、毛髪のコンディショニング効果に優れる毛髪処理方法の提供を課題とする。
【解決手段】
毛髪のコンディショニング方法であって、
成分(A)(メタ)アクリルシリコーングラフト系共重合体を含有する第一の組成物を毛髪に適用するステップと、次に、成分(B)カチオン性界面活性剤を含有する第二の組成物を毛髪に適用するステップを備える方法において、
前記(メタ)アクリルシリコーングラフト系共重合体は、特定のラジカル重合性モノマーを反応させて得られる化合物である、毛髪のコンディショニング方法。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
毛髪のコンディショニング方法であって、
成分(A)(メタ)アクリルシリコーングラフト系共重合体を含有する第一の組成物を毛髪に適用するステップと、次に、成分(B)カチオン性界面活性剤を含有する第二の組成物を毛髪に適用するステップを備える方法において、
前記(メタ)アクリルシリコーングラフト系共重合体は、下記(a)、(b)、(c)及び(d)のラジカル重合性モノマーを反応させて得られる化合物である、毛髪のコンディショニング方法。
(a)下記一般式(I)
【化1】
(式中、Meはメチル基、R1は水素原子又はメチル基、R2は1又は2個のエーテル結合を含んでいてもよく、直鎖状又は分岐鎖状の炭素数1~10の2価の飽和炭化水素基、R3は炭素数1~10の飽和炭化水素基、mは5~100の整数を表す。)で表される化合物
(b)下記一般式(II)
【化2】
(式中、R4は水素原子又はメチル基、R5、R6、R7は同一又は異なっていてもよく、水素原子又は炭素数1~4のアルキル基、Xは-O-、-NH-、-O-CH
2-又は-O-CH
2CH(OH)-、Yは直鎖状又は分岐鎖状の炭素数1~4の2価の飽和炭化水素基、Z-は対アニオンを表す。)で表される化合物、及び、式(III)
【化3】
(式中、R8、R9は同一又は異なっていてもよく、水素原子又は炭素数1~4のアルキル基、R10、R11は同一又は異なっていてもよく、水素原子又は炭素数1~18のアルキル基、Z-は対アニオンを表す。)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種
(c)下記一般式(IV)
【化4】
(式中、R12は水素原子又はメチル基、R13は水素原子又は直鎖状又は分岐鎖状の炭素数1~3のアルキル基を表す。)で表される化合物
(d)下記一般式(V)
【化5】
(式中、R14は水素原子又はメチル基、R15は炭素数1~4のヒドロキシアルキル基を表す。)で表される化合物
【請求項2】
前記第一の組成物を毛髪に適用するステップの後に、前記毛髪を水または温水ですすぐステップを更に含む、請求項1に記載の毛髪のコンディショニング方法。
【請求項3】
前記第一の組成物が、シャンプーである請求項2に記載の毛髪のコンディショニング方法。
【請求項4】
前記成分(A)(メタ)アクリルシリコーングラフト系共重合体を含有する第一の組成物および前記成分(B)カチオン性界面活性剤を含有する第二の組成物とを備える毛髪コンディショニング用キット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、毛髪のコンディショニング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
毛髪を処理する組成物として、シャンプーやヘアミスト、ヘアコンディショナーなど幅広い製剤が開発されている。これらの製品には毛髪をコートする目的でカチオン化セルロースをはじめとするカチオン化ポリマーが広く配合されている。
【0003】
また、毛髪に滑らかさを付与する目的で、ヘアリンスやヘアミルクなどのカチオン性界面活性剤を含むヘアコンディショニング剤が使用されている。しかし、当該ヘアコンディショニング剤は、単独では十分な仕上がりの滑らかさが得られないことがあり、これらカチオン性界面活性剤を含むヘアコンディショニング剤の使用後の仕上がりの滑らかさを高める技術としては、アニオン性ポリマーを含む低pHの組成物を前処理する技術(例えば、特許文献1参照)や、カチオン性ポリマーを含まないシャンプーを使用する技術(例えば、特許文献2参照)などがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2016-117672号公報
【特許文献2】特表2019-511479号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記文献の複数製剤を用いるコンディショニング方法は、先に用いる(前処理)製剤単独では十分な仕上がりの滑らかさが得られないことがあり、使用性に優れない場合があった。また、カチオン化セルロースなどのカチオン性ポリマーを含む製剤を先に使用した場合は、電気的反発により、カチオン性界面活性剤を含むヘアコンディショニング剤の効果が妨げられることがあった。
【0006】
そこで本発明は、仕上がりの滑らかさに優れる毛髪用組成物によるコンディショニング方法の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる事情を鑑み、本発明者らは鋭意研究の結果、特定の(メタ)アクリルシリコーングラフト系共重合体を含有する組成物を先に用い、次にカチオン性界面活性剤を含有する組成物を毛髪に適用することを試みたところ、各組成物の使用感も良好であり、仕上がりの滑らかさが飛躍的に優れることを見出し、本発明を完成した。
【0008】
すなわち、本発明は、以下の[1]~[4]を提供する。
[1]毛髪のコンディショニング方法であって、
成分(A)(メタ)アクリルシリコーングラフト系共重合体を含有する第一の組成物を毛髪に適用するステップと、次に、成分(B)カチオン性界面活性剤を含有する第二の組成物を毛髪に適用するステップを備える方法において、
前記(メタ)アクリルシリコーングラフト系共重合体は、下記(a)、(b)、(c)及び(d)のラジカル重合性モノマーを反応させて得られる化合物である、毛髪のコンディショニング方法。
(a)下記一般式(I)
【化1】
(式中、Meはメチル基、R1は水素原子又はメチル基、R2は1又は2個のエーテル結合を含んでいてもよく、直鎖状又は分岐鎖状の炭素数1~10の2価の飽和炭化水素基、R3は炭素数1~10の飽和炭化水素基、mは5~100の整数を表す。)で表される化合物
(b)下記一般式(II)
【化2】
(式中、R4は水素原子又はメチル基、R5、R6、R7は同一又は異なっていてもよく、水素原子又は炭素数1~4のアルキル基、Xは-O-、-NH-、-O-CH
2-又は-O-CH
2CH(OH)-、Yは直鎖状又は分岐鎖状の炭素数1~4の2価の飽和炭化水素基、Z-は対アニオンを表す。)で表される化合物、及び、式(III)
【化3】
(式中、R8、R9は同一又は異なっていてもよく、水素原子又は炭素数1~4のアルキル基、R10、R11は同一又は異なっていてもよく、水素原子又は炭素数1~18のアルキル基、Z-は対アニオンを表す。)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種
(c)下記一般式(IV)
【化4】
(式中、R12は水素原子又はメチル基、R13は水素原子又は直鎖状又は分岐鎖状の炭素数1~3のアルキル基を表す。)で表される化合物
(d)下記一般式(V)
【化5】
(式中、R14は水素原子又はメチル基、R15は炭素数1~4のヒドロキシアルキル基を表す。)で表される化合物
[2]
前記第一の組成物を毛髪に適用するステップの後に、前記毛髪を水または温水ですすぐステップを更に含む、[1]に記載の毛髪のコンディショニング方法。
[3]
前記第一の組成物が、シャンプーである[2]に記載の毛髪のコンディショニング方法。
[4]
前記成分(A)(メタ)アクリルシリコーングラフト系共重合体を含有する第一の組成物および前記成分(B)カチオン性界面活性剤を含有する第二の組成物とを備える毛髪コンディショニング用キット。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、毛髪表面の滑らかさの向上効果を有する。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を詳細に説明する。なお、本明細書においては、「~」を用いて数値範囲を表す際は、その範囲は両端の数値を含むものとする。
【0011】
本発明の第一の組成物および第二の組成物を備えた毛髪のコンディショニング方法は、使用前に混合することなく、第一の組成物、次いで第二の組成物の順で、毛髪に適用することができる方法である。
【0012】
〔第一の組成物〕
本発明に用いられる第一の組成物は、後述する成分(A)(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体を含有する毛髪用組成物である。
【0013】
<成分(A)(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体>
本発明に用いられる成分(A)の(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体は、少なくとも、下記(a)、(b)、(c)及び(d)のラジカル重合性モノマーを反応させて得られる重合体であり、その他、(a)~(d)以外の共重合可能なモノマーを加えて反応させて得られる重合体を包含する。
本発明において(メタ)アクリルとは、アクリル及びメタアクリルを包含することを意味する。
各モノマーの仕込割合は、(a)~(d)のモノマーの全体に対して、(a)=20~50質量%、(b)=0.5~4質量%、(c)及び(d)=46~79.5質量%であり、(a)~(d)以外の共重合可能なモノマーを使用する場合は、(a)~(d)のモノマーの合計は、全体の66.5質量%以上であることが好ましい。
なお、本発明において、モノマーの仕込割合とは共重合体中のそれらの組成割合と略同義である。
本発明の(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体は、共重合体を20質量%となるように99.5%エタノールに溶解させたときのエタノール溶液の、25℃においてB型回転粘度計を用いて測定した粘度(単位mPa・s=CS)は、50~250、好ましくは、70~150である。
さらに、本発明の(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体は、ランダム共重合体、ブロック共重合体等の種々の形態を包含する。
【0014】
以下に、共重合体の原料であるモノマーについて説明する。
(a)一般式(I)で表されるラジカル重合性モノマー
【0015】
【0016】
式中、Meはメチル基、R1は水素原子又はメチル基を表す。
R2は直鎖状又は分岐鎖状の炭素数1~10の2価の飽和炭化水素基を表し、1又は2個のエーテル結合を含んでいてもよい。具体的には、-CH2-,-(CH2)2,-(CH2)5-,-(CH2)10-、-CH2-CH(CH3)-CH2-,-CH2CH2OCH2CH2CH2-,-CH2CH2OCH2(CH3)CH2-,-CH2CH2OCH2CH2CH2OCH2CH2CH2-などが例示される。
R3は炭素数1~10の飽和炭化水素基を表し、具体的には、メチル基、エチル基、n-プロピル基、i-プロピル基、n-ブチル基、s-ブチル基、i-ブチル基、t-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-ノニル基、イソノニル基、n-デシル基等の炭素数1~10のアルキル基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロドデシル基等の炭素数1~10のシクロアルキル基;シクロプロピルメチル基、2-シクロプロピルエチル基、シクロブチルメチル基、シクロペンチルメチル基、3-シクロペンチルプロピル基、シクロへキシルメチル基、2-シクロヘキシルエチル基、シクロヘプチルメチル基、シクロオクチルメチル基等の炭素数1~10のシクロアルキルアルキル基が挙げられる。
mは5~100の整数を表す。
【0017】
この式(I)で表わされるモノマーは、たとえば、式(1-a)
【0018】
【0019】
で表わされる(メタ)アクリレート置換クロロシラン化合物と式(1-b)
【0020】
【0021】
で表わされる片末端水酸基置換ポリシロキサンとを常法に従い、脱塩酸反応させることにより得ることができるが、合成方法は、これに限定されるものではない。
【0022】
式(I)で表されるモノマーとしては、具体例には以下のものが挙げられる。なお以下の式中、Meはメチル基を、n-Buはn-ブチル基を示す。
【0023】
【0024】
(b)式(II)又は式(III)で表されるラジカル重合性モノマー
(b)成分は、下記式(II)又は式(III)で表されるカチオン性化合物から選ばれる少なくとも1種である。
【0025】
【0026】
【0027】
式(II)中、R4は水素原子又はメチル基を表す。
R5、R6、R7は同一又は異なっていてもよく、水素原子又は炭素数1~4のアルキル基を表し、炭素数1~4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、i-プロピル基、n-ブチル基、s-ブチル基、i-ブチル基、t-ブチル基が例示される。
Xは-O-、-NH-、-O-CH2-又は-O-CH2CH(OH)-を表す。
Yは直鎖状又は分岐鎖状の炭素数1~4の2価の飽和炭化水素基を表し、-CH2-,-(CH2)2,-(CH2)3-,-(CH2)4-,-CH2-CH(CH3)-CH2-等が例示される。
Z-は対アニオンであり、例えば、塩素イオン、臭素イオン、硫酸水素イオン、硝酸イオン、過塩素酸イオン、四フッ化ホウ素イオン、六フッ化リンイオン等が例示される。
【0028】
式(III)中、R8、R9は同一又は異なっていてもよく、水素原子又は炭素数1~4のアルキル基を表し、炭素数1~4のアルキル基としてはメチル基、エチル基、n-プロピル基、i-プロピル基、n-ブチル基、s-ブチル基、i-ブチル基、t-ブチル基が例示される。
R10、R11は同一又は異なっていてもよく、水素原子又は炭素数1~18のアルキル基を表し、炭素数1~18のアルキル基としては、 メチル基、エチル基、n-プロピル基、i-プロピル基、n-ブチル基、s-ブチル基、i-ブチル基、t-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-ノニル基、イソノニル基、n-デシル基、ラウリル基、トリデシル基、ミリスチル基、n-ペンタデシル基、パルミチル基、ヘプタデシル基、ステアリル基等が例示される。
【0029】
(c)式(IV)で表されるラジカル重合性モノマー
【0030】
【0031】
式中、R12は水素原子又はメチル基を表す。
R13は水素原子又は直鎖状又は分岐鎖状の炭素数1~3のアルキル基を表し、直鎖状又は分岐鎖状の炭素数1~3のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、i-プロピル基が例示される。
【0032】
(d)式(V)で表されるラジカル重合性モノマー
【0033】
【0034】
式中、R14は水素原子又はメチル基を表す。
R15は炭素数1~4のヒドロキシアルキル基を表し、ヒドロキシメチル基、2-ヒドロキシエチル基、3-ヒドロキシ-n-プロピル基、4-ヒドロキシ-n-ブチル基等が例示される。
【0035】
その他の共重合可能なモノマーとしては、以下の物が例示される。
(メタ)アクリル系モノマー:
(メタ)アクリル酸n-ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t-ブチル、(メタ)アクリル酸2-エチルへキシル、(メタ)アクリル酸n-へキシル、(メタ)アクリル酸n-オクチル、(メタ)アクリル酸シクロへキシル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸ミリスチル、(メタ)アクリル酸ペンタデシル、(メタ)アクリル酸パルミチル、(メタ)アクリル酸へプタデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸イソステアリル、(メタ)アクリル酸オレイル、(メタ)アクリル酸ベヘニル、直鎖状、分岐鎖状又は脂環式の炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステル;アクリロニトリル;アクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N,N-ジメチルアクリルアミド、N-t-ブチルアクリルアミド、N-オクチルアクリルアミド、N-t-オクチルアクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド;2-(メタ)アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸等のスルホン酸基含有(メタ)アクリルアミド;アミノエチル(メタ)アクリレート、t-ブチルアミノエチルメタクリレート、メチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド等のジアルキルアミノアルキル(メタ)メタアクリルアミド;(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸グリシジル等の、環式化合物とメタ)アクリル酸のエステル類;(メタ)アクリル酸エトキシエチル、(メタ)アクリル酸メトキシエチル等の(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル;ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のポリアルキレングリコールと(メタ)アクリル酸とのモノエステル類;スルホン酸基含有(メタ)アクリルエステル;(メタ)アクリロイルオキシエチルホスフェート等のメタアクリロイルオキシアルキルリン酸モノエステル;(メタ)アクリル酸グリセリル、2-メタアクリロイルオキシエチルコハク酸、2-(メタ)アクリロイルオキシエチルフタル酸、β-カルボキシエチルアクリレート、アクリロイルオキシエチルサクシネート、2-(メタ)アクリロイルオキシエチルテトラヒドロフタル酸、2-(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸;1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレン(n=2~50)グリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレン(n=2~50)グリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、メチレンビスアクリルアミド、ビスフェノールF EO変性(n=2~50)ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA EO変性(n=2~50)ジアクリレート、ビスフェノールS EO変性(n=2~50)ジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリカプロラクトネートトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールヘキサントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジグリセリンテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラカプロラクトネート、テトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールエタンテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールブタンテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールヘキサンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート等のエチレン性不飽和二重結合を2個以上有する(メタ)アクリレート等が例示される。
【0036】
(メタ)アクリル系以外のモノマー:
クロトン酸等の不飽和モノカルボン酸;スチレン等の芳香族ビニル化合物;イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、無水マレイン酸、シトラコン酸等の不飽和ジカルボン酸;マレイン酸モノアルキルエステル、フマル酸モノアルキルエステル、イタコン酸モノアルキルエステル等の不飽和ジカルボン酸のモノアルキルエステル;スルホン酸基含有単量体としては、例えばビニルスルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸等のアルケンスルホン酸;α-メチルスチレンスルホン酸等の芳香族ビニル基含有スルホン酸;(メタ)アリルアミン等の1~3級アミノ基含有不飽和化合物;N,N-ジメチルアミノスチレン等のアミノ基含有芳香族ビニル系化合物;ジビニルベンゼン、ジイソプロペニルベンゼン、トリビニルベンゼン等のエチレン性不飽和二重結合を2個以上有する化合物;エチレン性不飽和二重結合を2個以上有するウレタンオリゴマー;エチレン性不飽和二重結合を2個以上有するシリコーン化合物;酢酸ビニル、ビニルピロリドン等が例示される。
【0037】
本発明の第一の組成物中の成分(A)の含有量は、特に限定されないが、仕上がりの滑らかさの点で、0.1~3質量%(以下、単に「%」と略す)であることが好ましく、0.5~2%であることがより好ましい。
【0038】
本発明の第一の組成物は、本技術の効果を損なわない範囲で、本発明の必須成分以外の成分として、油剤、界面活性剤、増粘剤、粉体、キレート剤、pH調整剤、紫外線吸収剤、植物・微生物由来の抽出物、保湿剤・抗炎症剤・細胞賦活剤等の各種薬効剤、香料等を含有することができる。
【0039】
本発明の第一の組成物の剤型は、特に限定されないが、溶液型、可溶化型、水中油型等が好ましく、常法により調製することができ、液状、乳液状、クリーム状、ゲル状、ペースト状等の形態にて実施することができる。
また本発明の第一の組成物は、特に限定されないが、シャンプー、ヘアトリートメント、ヘアコンディショナー等のヘアコンディショニング剤、ヘアスタイリング剤等として用いることが好ましい。本発明の効果を有効に発揮できるという点で、洗い流しタイプとすることが好ましく、シャンプー、ヘアトリートメント、ヘアコンディショナーを好ましく挙げることができる。
【0040】
〔第二の組成物〕
本発明に用いられる第二の組成物は、後述する成分(B)カチオン性界面活性剤を含有する毛髪用組成物である。
【0041】
<成分(B)カチオン性界面活性剤>
本発明に用いられる成分(B)のカチオン性界面活性剤は、毛髪にコンディショニング効果を付与できるカチオン性界面活性剤であれば特に限定されないが、モノ長鎖アルキル型の第4級アンモニウム塩、ジ長鎖アルキル型の第4級アンモニウム塩またはエチレンオキサイド付加型の前記第4級アンモニウム塩等が挙げられる。
成分(B)は仕上がりの滑らかさの点で、モノ長鎖アルキル型の第4級アンモニウム塩としてはベヘントリモニウムクロリドやステアリルトリモニウムクロリド、ジ長鎖アルキル型の第4級アンモニウム塩としてはジステアリルジモニウムクロリドが好ましく、一種又は二種以上を用いることができる。
【0042】
本発明の第二の組成物の成分(B)の含有量は、特に限定されないが、仕上がりの滑らかさの点で、0.5%以上であることが好ましく、1%以上であることがより好ましい。また、仕上がりのべたつきを考慮すると、成分(B)の含有量は20%以下であることが好ましく、10%以下であることがより好ましい。
【0043】
本発明の第二の組成物は、本技術の効果を損なわない範囲で、本発明の必須成分以外の成分として、油剤、成分界面活性剤、増粘剤、粉体、キレート剤、pH調整剤、紫外線吸収剤、植物・微生物由来の抽出物、保湿剤・抗炎症剤・細胞賦活剤等の各種薬効剤、香料等を含有することができる。
油剤としては、仕上がりの滑らかさの観点から、25℃において液状の油剤を含有することが好ましく、例えば、エステル油やシリコーン油が好ましく挙げられ、これらから1種または2種以上を適宜選択して用いることができる。
【0044】
本発明の第二の組成物の剤型は、特に限定されないが、溶液型、可溶化型、水中油型等が好ましく、常法により調製することができ、液状、乳液状、クリーム状、ゲル状、ペースト状等の形態にて実施することができる。
また本発明の第二の組成物は、特に限定されないが、ヘアトリートメント、ヘアコンディショナー、ヘアスタイリング剤等として用いることが好ましい。本発明の効果を有効に発揮できるという点で、洗い流しタイプとすることが好ましく、ヘアトリートメント、ヘアコンディショナー等のヘアコンディショニング剤を好ましく挙げることができる。
【0045】
〔毛髪のコンディショニング方法〕
本発明の毛髪のコンディショニング方法は、
成分(A)(メタ)アクリルシリコーングラフト系共重合体を含有する第一の組成物を毛髪に適用するステップと、次に、成分(B)カチオン性界面活性剤を含有する第二の組成物を毛髪に適用するステップを備える、毛髪のコンディショニング方法である。
【0046】
ここで、本発明の毛髪のコンディショニング方法は、以下のステップ1の次に、ステップ2が行われる方法である。
【0047】
<ステップ1>
本発明におけるステップ1は、第一の組成物を毛髪に適用するステップであって、前記第一の組成物が、成分(A)(メタ)アクリルシリコーングラフト系共重合体を含有する組成物である、ステップである。
【0048】
本発明におけるステップ1において、第一の組成物は乾燥した毛髪、濡れた毛髪のどちらに対して適用してもよいが、組成物が毛髪表面にしっかりと延展し、仕上がりの滑らかさが向上するという観点から、濡れた毛髪に適用するのが好ましい。
【0049】
本発明における第一の組成物を毛髪に適用するには、毛髪に組成物を揉み込む、毛髪に手ぐしを通す、毛髪をタッピングする等の手を用いる方法をとることができる。
【0050】
本発明における第一の組成物を毛髪に適用した後は、ステップ2の前に毛髪上の第一の組成物をすすぎ流してもすすぎ流さなくてもよいが、仕上がりの滑らかさの観点から、すすぎ流すことが好ましい。
【0051】
<ステップ2>
本発明におけるステップ2は、第二の組成物を毛髪に適用するステップであって、前記第二の組成物が、成分(B)カチオン性界面活性剤を含有する組成物である、ステップである。
【0052】
本発明における第二の組成物を毛髪に適用後、毛髪全体になじませるには、毛髪に組成物を揉み込む、毛髪に手ぐしを通す、毛髪をタッピングする等の手を用いる方法をとることができるが、毛髪強度向上効果、毛髪のハリコシ向上効果および毛髪表面の滑らかさの向上効果の観点から、毛髪をタッピングすることが好ましい。
【0053】
本発明におけるステップ2の後、毛髪上の第二の組成物をすすぎ流してもすすぎ流さなくてもよいが、仕上がりの滑らかさの向上効果の観点から、すすぎ流すことが好ましい。
【0054】
ステップ2における毛髪上の組成物をすすぎ流すステップの後、毛髪を乾燥させても乾燥させなくてもどちらでもよいが、仕上がりの滑らかさの観点から、乾燥させることが好ましい。毛髪の乾燥は、タオルドライ、自然乾燥のほか、ドライヤー等の加熱乾燥等により行うことができる。
【0055】
〔毛髪コンディショニング用キット〕
本発明の毛髪コンディショニング用キットは、成分(A)(メタ)アクリルシリコーングラフト系共重合体を含有する第一の組成物と、成分(B)カチオン性界面活性剤を含有する第二の組成物とを備えるものであり、前記ステップ1の次に、ステップ2が行われる方法に基づき、第一の組成物の次に、第二の組成物を使用するための毛髪コンディショニング用キットである。
【実施例0056】
以下に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。
【0057】
<(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体の製造>
[参考製造例1]
3つ口フラスコ内、窒素雰囲気下で、イソプロパノール(IPA)(注1)100gを攪拌下、70~80℃にて、ジメチル2,2-アゾビス(2-メチルプロピオネート)(V-601)(注2)4g、片末端メタクリレート置換ジメチルポリシロキサン(X-24-8201)(注3)40g、エチルアクリレート(EA)(注4)31g、2-ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)(注5)27g、3-トリメチルアンモニウムプロピルメタクリルアミドクロライド(MAPTAC)(注6)4g、イソプロパノール(注1)50gを3~4時間かけて添加した。次いで、イソプロパノールに溶解したジメチル2,2-アゾビス(2-メチルプロピオネート)(注2)1gを添加し、70~80℃の温度範囲内で5時間反応させ、粘稠な溶液を得た。この溶液を精製水に注ぎ込み、グラフトポリマーを沈殿析出させた後、沈殿物を濾別し、80℃にて減圧乾燥させて透明ゴム状物を87g得た。
赤外吸収スペクトルにて、得られたゴム状物が目的とする(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体であることを確認した(この生成物は、赤外吸収スペクトルによりジメチルポリシロキサン、アミド結合、エステル結合、アルキル基、水酸基を有するポリマーであることが確認された)。
モノマーの仕込割合は以下のとおりである。
MAPTAC:EA:HEMA:X-24-8201=2:31:27:40
(注1)IPA 関東化学株式会社製
(注2)V-601 和光純薬工業株式会社製
(注3)X-24-8201 信越化学工業社製
(注4)EA 関東化学株式会社社製
(注5)HEMA 関東化学株式会社社製
(注6)MAPTAC エボニック・デグサ・ジャパン株式会社製,50%水溶液
【0058】
[参考製造例2]
3つ口フラスコ内、窒素雰囲気下で、イソプロパノール(注1)50gを攪拌下、70~80℃にて、ジメチル2,2-アゾビス(2-メチルプロピオネート)(注2)4g、片末端メタクリレート置換ジメチルポリシロキサン(X-22-174DX)(注7)40g、エチルアクリレート(注4)31g、2-ヒドロキシエチルメタクリレート(注5)27g、3-トリメチルアンモニウムプロピルメタクリルアミドクロライド(注6)4g、イソプロパノール(注1)170gを3~4時間かけて添加した。次いで、イソプロパノールに溶解したジメチル2,2-アゾビス(2-メチルプロピオネート)(注2)1gを添加し、70~80℃の温度範囲内で5時間反応させ、粘稠な溶液を得た。この溶液を精製水に注ぎ込み、グラフトポリマーを沈殿析出させた後、沈殿物を濾別し、80℃にて減圧乾燥させて透明ゴム状物を90g得た。
赤外吸収スペクトルにて、得られたゴム状物が目的とする(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体であることを確認した。
モノマーの仕込割合は以下のとおりである。
MAPTAC:EA:HEMA:X-22-174DX=2:31:27:40
(注7)X-22-174DX 信越化学工業社製
【0059】
[参考製造例3]
3つ口フラスコ内、窒素雰囲気下で、イソプロパノール(注1)100gを攪拌下、70~80℃にて、ジメチル2,2-アゾビス(2-メチルプロピオネート)(注2)4g、片末端メタクリレート置換ジメチルポリシロキサン(X-22-174ASX)(注8)40g、エチルアクリレート(注4)31g、2-ヒドロキシエチルメタクリレート(注5)27g、3-トリメチルアンモニウムプロピルメタクリルアミドクロライド(注6)4g、イソプロパノール(注1)50gを3~4時間かけて添加した。次いで、イソプロパノールに溶解したジメチル2,2-アゾビス(2-メチルプロピオネート)(注2)1gを添加し、70~80℃の温度範囲内で5時間反応させ、粘稠な溶液を得た。この溶液を精製水に注ぎ込み、グラフトポリマーを沈殿析出させた後、沈殿物を濾別し、80℃にて減圧乾燥させて透明ゴム状物を83g得た。
赤外吸収スペクトルにて、得られたゴム状物が目的とする(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体であることを確認した。
モノマーの仕込割合は以下のとおりである。
MAPTAC:EA:HEMA:X-22-174ASX=2:31:27:40
(注8)X-22-174ASX 信越化学工業社製
【0060】
[参考製造例4]
3つ口フラスコ内、窒素雰囲気下で、イソプロパノール(注1)100gを攪拌下、70~80℃にて、ジメチル2,2-アゾビス(2-メチルプロピオネート)(注2)4g、片末端メタクリレート置換ジメチルポリシロキサン(X-24-8201)(注3)40.4g、エチルアクリレート(注4)27.3g、2-ヒドロキシエチルメタクリレート(注5)31.3g、3-トリメチルアンモニウムプロピルメタクリルアミドクロライド(注6)2g、イソプロパノール(注1)50gを3~4時間かけて添加した。次いで、イソプロパノールに溶解したジメチル2,2-アゾビス(2-メチルプロピオネート)(注2)1gを添加し、70~80℃の温度範囲内で5時間反応させ、粘稠な溶液を得た。この溶液を精製水に注ぎ込み、グラフトポリマーを沈殿析出させた後、沈殿物を濾別し、80℃にて減圧乾燥させて透明ゴム状物を86g得た。
赤外吸収スペクトルにて、得られたゴム状物が目的とする(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体であることを確認した。
モノマーの仕込割合は以下のとおりである。
MAPTAC:EA:HEMA:X-24-8201=1:27.3:31.3:40.4
【0061】
[参考製造例5]
3つ口フラスコ内、窒素雰囲気下で、イソプロパノール(注1)50gを攪拌下、70~80℃にて、ジメチル2,2-アゾビス(2-メチルプロピオネート)(注2)4g、片末端メタクリレート置換ジメチルポリシロキサン(X-24-8201)(注3)40g、エチルアクリレート(注4)26g、2-ヒドロキシエチルメタクリレート(注5)30g、3-トリメチルアンモニウムプロピルメタクリルアミドクロライド(注6)8g、イソプロパノール(注1)120gを3~4時間かけて添加した。次いで、イソプロパノールに溶解したジメチル2,2-アゾビス(2-メチルプロピオネート)(注2)1gを添加し、70~80℃の温度範囲内で5時間反応させ、粘稠な溶液を得た。この溶液を精製水に注ぎ込み、グラフトポリマーを沈殿析出させた後、沈殿物を濾別し、80℃にて減圧乾燥させて透明ゴム状物を83g得た。
赤外吸収スペクトルにて、得られたゴム状物が目的とする(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体であることを確認した。
モノマーの仕込割合は以下のとおりである。
MAPTAC:EA:HEMA:X-24-8201=4:26:30:40
【0062】
[参考製造例6]
3つ口フラスコ内、窒素雰囲気下で、イソプロパノール(注1)100gを攪拌下、70~80℃にて、ジメチル2,2-アゾビス(2-メチルプロピオネート)(注2)4g、片末端メタクリレート置換ジメチルポリシロキサン(X-24-8201)(注3)20g、エチルアクリレート(注4)41.5g、2-ヒドロキシエチルメタクリレート(注5)36.5g、3-トリメチルアンモニウムプロピルメタクリルアミドクロライド(注6)4g、イソプロパノール(注1)50gを3~4時間かけて添加した。次いで、イソプロパノールに溶解したジメチル2,2-アゾビス(2-メチルプロピオネート)(注2)1gを添加し、70~80℃の温度範囲内で5時間反応させ、粘稠な溶液を得た。この溶液を精製水に注ぎ込み、グラフトポリマーを沈殿析出させた後、沈殿物を濾別し、80℃にて減圧乾燥させて透明ゴム状物を86g得た。
赤外吸収スペクトルにて、得られたゴム状物が目的とする(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体であることを確認した。
モノマーの仕込割合は以下のとおりである。
MAPTAC:EA:HEMA:X-24-8201=2:41.5:36.5:20
【0063】
[参考製造例7]
3つ口フラスコ内、窒素雰囲気下で、イソプロパノール(注1)50gを攪拌下、70~80℃にて、ジメチル2,2-アゾビス(2-メチルプロピオネート)(注2)4g、片末端メタクリレート置換ジメチルポリシロキサン(X-24-8201)(注3)50g、エチルアクリレート(注4)23g、2-ヒドロキシエチルメタクリレート(注5)25g、3-トリメチルアンモニウムプロピルメタクリルアミドクロライド(注6)4g、イソプロパノール(注1)100gを3~4時間かけて添加した。次いで、IPAに溶解したジメチル2,2-アゾビス(2-メチルプロピオネート)(注2)1gを添加し、70~80℃の温度範囲内で5時間反応させ、粘稠な溶液を得た。この溶液を精製水に注ぎ込み、グラフトポリマーを沈殿析出させた後、沈殿物を濾別し、80℃にて減圧乾燥させて透明ゴム状物を96g得た。
赤外吸収スペクトルにて、得られたゴム状物が目的とする(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体であることを確認した。
モノマーの仕込割合は以下のとおりである。
MAPTAC:EA:HEMA:X-24-8201=2:23:25:50
【0064】
[参考製造例8]
3つ口フラスコ内、窒素雰囲気下で、イソプロパノール(IPA)(注1)100gを攪拌下、70~80℃にて、ジメチル2,2-アゾビス(2-メチルプロピオネート)(V-601)(注2)4g、片末端メタクリレート置換ジメチルポリシロキサン(X-24-8201)(注3)40g、エチルアクリレート(EA)(注4)31g、2-ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)(注5)27g、ジメチルジアリルアンモニウムクロライド(DADMAC)(注9)3.34g、イソプロパノール(注1)50gを3~4時間かけて添加した。次いで、イソプロパノールに溶解したジメチル2,2-アゾビス(2-メチルプロピオネート)(注2)1gを添加し、70~80℃の温度範囲内で5時間反応させ、粘稠な溶液を得た。この溶液を精製水に注ぎ込み、グラフトポリマーを沈殿析出させた後、沈殿物を濾別し、80℃にて減圧乾燥させて透明ゴム状物を87g得た。
赤外吸収スペクトルにて、得られたゴム状物が目的とする(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体であることを確認した(この生成物は、赤外吸収スペクトルによりジメチルポリシロキサン、アミド結合、エステル結合、アルキル基、水酸基を有するポリマーであることが確認された)。
モノマーの仕込割合は以下のとおりである。
DADMAC:EA:HEMA:X-24-8201=2:31:27:40
(注9)DADMAC 東京化成工業株式会社製,60%水溶液
【0065】
[参考製造例9]
3つ口フラスコ内、窒素雰囲気下で、イソプロパノール(IPA)(注1)100gを攪拌下、70~80℃にて、ジメチル2,2-アゾビス(2-メチルプロピオネート)(V-601)(注2)4g、片末端メタクリレート置換ジメチルポリシロキサン(X-24-8201)(注3)40g、エチルアクリレート(EA)(注4)30g、2-ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)(注5)27g、3-トリメチルアンモニウムプロピルメタクリルアミドクロライド(MAPTAC)(注6)6g、イソプロパノール(注1)50gを3~4時間かけて添加した。次いで、イソプロパノールに溶解したジメチル2,2-アゾビス(2-メチルプロピオネート)(注2)1gを添加し、70~80℃の温度範囲内で5時間反応させ、粘稠な溶液を得た。この溶液を精製水に注ぎ込み、グラフトポリマーを沈殿析出させた後、沈殿物を濾別し、80℃にて減圧乾燥させて透明ゴム状物を89g得た。
赤外吸収スペクトルにて、得られたゴム状物が目的とする(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体であることを確認した(この生成物は、赤外吸収スペクトルによりジメチルポリシロキサン、アミド結合、エステル結合、アルキル基、水酸基を有するポリマーであることが確認された)。
また、EA、HEMAから理論的に計算されるガラス転移温度(Tg)は、11℃である。
モノマーの仕込割合は以下のとおりである。
MAPTAC:EA:HEMA:X-24-8201=3:30:27:40
【0066】
[参考製造例10]
3つ口フラスコ内、窒素雰囲気下で、イソプロパノール(IPA)(注1)100gを攪拌下、70~80℃にて、ジメチル2,2-アゾビス(2-メチルプロピオネート)(V-601)(注2)4g、片末端メタクリレート置換ジメチルポリシロキサン(X-24-8201)(注3)30g、エチルアクリレート(EA)(注4)35g、2-ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)(注5)32g、3-トリメチルアンモニウムプロピルメタクリルアミドクロライド(MAPTAC)(注6)6g、イソプロパノール(注1)50gを3~4時間かけて添加した。次いで、イソプロパノールに溶解したジメチル2,2-アゾビス(2-メチルプロピオネート)(注2)1gを添加し、70~80℃の温度範囲内で5時間反応させ、粘稠な溶液を得た。この溶液を精製水に注ぎ込み、グラフトポリマーを沈殿析出させた後、沈殿物を濾別し、80℃にて減圧乾燥させて透明ゴム状物を88g得た。
赤外吸収スペクトルにて、得られたゴム状物が目的とする(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体であることを確認した(この生成物は、赤外吸収スペクトルによりジメチルポリシロキサン、アミド結合、エステル結合、アルキル基、水酸基を有するポリマーであることが確認された)。
また、EA、HEMAから理論的に計算されるガラス転移温度(Tg)は、11℃である。
モノマーの仕込割合は以下のとおりである。
MAPTAC:EA:HEMA:X-24-8201=3:35:32:30
【0067】
[参考製造例11]
3つ口フラスコ内、窒素雰囲気下で、イソプロパノール(IPA)(注1)100gを攪拌下、70~80℃にて、ジメチル2,2-アゾビス(2-メチルプロピオネート)(V-601)(注2)4g、片末端メタクリレート置換ジメチルポリシロキサン(X-24-8201)(注3)30g、エチルアクリレート(EA)(注4)36g、2-ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)(注5)32g、3-トリメチルアンモニウムプロピルメタクリルアミドクロライド(MAPTAC)(注6)4g、イソプロパノール(注1)50gを3~4時間かけて添加した。次いで、イソプロパノールに溶解したジメチル2,2-アゾビス(2-メチルプロピオネート)(注2)1gを添加し、70~80℃の温度範囲内で5時間反応させ、粘稠な溶液を得た。この溶液を精製水に注ぎ込み、グラフトポリマーを沈殿析出させた後、沈殿物を濾別し、80℃にて減圧乾燥させて透明ゴム状物を88g得た。
赤外吸収スペクトルにて、得られたゴム状物が目的とする(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体であることを確認した(この生成物は、赤外吸収スペクトルによりジメチルポリシロキサン、アミド結合、エステル結合、アルキル基、水酸基を有するポリマーであることが確認された)。
また、EA、HEMAから理論的に計算されるガラス転移温度(Tg)は、11℃である。
モノマーの仕込割合は以下のとおりである。
MAPTAC:EA:HEMA:X-24-8201=2:36:32:30
【0068】
[参考製造例12]
3つ口フラスコ内、窒素雰囲気下で、イソプロパノール(IPA)(注1)100gを攪拌下、70~80℃にて、ジメチル2,2-アゾビス(2-メチルプロピオネート)(V-601)(注2)4g、片末端メタクリレート置換ジメチルポリシロキサン(X-24-8201)(注3)30g、エチルアクリレート(EA)(注4)37g、2-ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)(注5)32g、3-トリメチルアンモニウムプロピルメタクリルアミドクロライド(MAPTAC)(注6)2g、イソプロパノール(注1)50gを3~4時間かけて添加した。次いで、イソプロパノールに溶解したジメチル2,2-アゾビス(2-メチルプロピオネート)(注2)1gを添加し、70~80℃の温度範囲内で5時間反応させ、粘稠な溶液を得た。この溶液を精製水に注ぎ込み、グラフトポリマーを沈殿析出させた後、沈殿物を濾別し、80℃にて減圧乾燥させて透明ゴム状物を90g得た。
赤外吸収スペクトルにて、得られたゴム状物が目的とする(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体であることを確認した(この生成物は、赤外吸収スペクトルによりジメチルポリシロキサン、アミド結合、エステル結合、アルキル基、水酸基を有するポリマーであることが確認された)。
また、EA、HEMAから理論的に計算されるガラス転移温度(Tg)は、10℃である。
モノマーの仕込割合は以下のとおりである。
MAPTAC:EA:HEMA:X-24-8201=1:37:32:30
【0069】
[参考製造例13]
3つ口フラスコ内、窒素雰囲気下で、イソプロパノール(IPA)(注1)100gを攪拌下、70~80℃にて、ジメチル2,2-アゾビス(2-メチルプロピオネート)(V-601)(注2)4g、片末端メタクリレート置換ジメチルポリシロキサン(X-22-174DX)(注7)30g、エチルアクリレート(EA)(注4)36g、2-ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)(注5)32g、3-トリメチルアンモニウムプロピルメタクリルアミドクロライド(MAPTAC)(注6)4g、イソプロパノール(注1)50gを3~4時間かけて添加した。次いで、イソプロパノールに溶解したジメチル2,2-アゾビス(2-メチルプロピオネート)(注2)1gを添加し、70~80℃の温度範囲内で5時間反応させ、粘稠な溶液を得た。この溶液を精製水に注ぎ込み、グラフトポリマーを沈殿析出させた後、沈殿物を濾別し、80℃にて減圧乾燥させて透明ゴム状物を86g得た。
赤外吸収スペクトルにて、得られたゴム状物が目的とする(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体であることを確認した(この生成物は、赤外吸収スペクトルによりジメチルポリシロキサン、アミド結合、エステル結合、アルキル基、水酸基を有するポリマーであることが確認された)。
また、EA、HEMAから理論的に計算されるガラス転移温度(Tg)は、11℃である。
モノマーの仕込割合は以下のとおりである。
MAPTAC:EA:HEMA:X-22-174DX=2:36:32:30
【0070】
[参考製造例14]
3つ口フラスコ内、窒素雰囲気下で、イソプロパノール(IPA)(注1)100gを攪拌下、70~80℃にて、ジメチル2,2-アゾビス(2-メチルプロピオネート)(V-601)(注2)4g、片末端メタクリレート置換ジメチルポリシロキサン(X-24-8201)(注3)40g、エチルアクリレート(EA)(注4)16g、2-ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)(注5)42g、3-トリメチルアンモニウムプロピルメタクリルアミドクロライド(MAPTAC)(注6)2g、イソプロパノール(注1)50gを3~4時間かけて添加した。次いで、イソプロパノールに溶解したジメチル2,2-アゾビス(2-メチルプロピオネート)(注2)1gを添加し、70~80℃の温度範囲内で5時間反応させ、粘稠な溶液を得た。この溶液を精製水に注ぎ込み、グラフトポリマーを沈殿析出させた後、沈殿物を濾別し、80℃にて減圧乾燥させて透明ゴム状物を91g得た。
赤外吸収スペクトルにて、得られたゴム状物が目的とする(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体であることを確認した(この生成物は、赤外吸収スペクトルによりジメチルポリシロキサン、アミド結合、エステル結合、アルキル基、水酸基を有するポリマーであることが確認された)。
また、EA、HEMAから理論的に計算されるガラス転移温度(Tg)は、30℃である。
モノマーの仕込割合は以下のとおりである。
MAPTAC:EA:HEMA:X-24-8201=1:16.2:42.4:40.4
【0071】
[参考製造例15]
3つ口フラスコ内、窒素雰囲気下で、イソプロパノール(IPA)(注1)100gを攪拌下、70~80℃にて、ジメチル2,2-アゾビス(2-メチルプロピオネート)(V-601)(注2)4g、片末端メタクリレート置換ジメチルポリシロキサン(X-24-8201)(注3)40g、エチルアクリレート(EA)(注4)27g、2-ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)(注5)31g、3-トリメチルアンモニウムプロピルメタクリルアミドクロライド(MAPTAC)(注6)2g、イソプロパノール(注1)50gを3~4時間かけて添加した。次いで、イソプロパノールに溶解したジメチル2,2-アゾビス(2-メチルプロピオネート)(注2)1gを添加し、70~80℃の温度範囲内で5時間反応させ、粘稠な溶液を得た。この溶液を精製水に注ぎ込み、グラフトポリマーを沈殿析出させた後、沈殿物を濾別し、80℃にて減圧乾燥させて透明ゴム状物を88g得た。
赤外吸収スペクトルにて、得られたゴム状物が目的とする(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体であることを確認した(この生成物は、赤外吸収スペクトルによりジメチルポリシロキサン、アミド結合、エステル結合、アルキル基、水酸基を有するポリマーであることが確認された)。
また、EA、HEMAから理論的に計算されるガラス転移温度(Tg)は、15℃である。
モノマーの仕込割合は以下のとおりである。
MAPTAC:EA:HEMA:X-24-8201=1:27.3:31.3:40.4
【0072】
[参考製造例16]
3つ口フラスコ内、窒素雰囲気下で、イソプロパノール(IPA)(注1)100gを攪拌下、70~80℃にて、ジメチル2,2-アゾビス(2-メチルプロピオネート)(V-601)(注2)4g、片末端メタクリレート置換ジメチルポリシロキサン(X-24-8201)(注3)20.2g、エチルアクリレート(EA)(注4)65.7g、2-ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)(注5)13.1g、3-トリメチルアンモニウムプロピルメタクリルアミドクロライド(MAPTAC)(注6)2g、イソプロパノール(注1)50gを3~4時間かけて添加した。次いで、イソプロパノールに溶解したジメチル2,2-アゾビス(2-メチルプロピオネート)(注2)1gを添加し、70~80℃の温度範囲内で5時間反応させ、粘稠な溶液を得た。この溶液を精製水に注ぎ込み、グラフトポリマーを沈殿析出させた後、沈殿物を濾別し、80℃にて減圧乾燥させて透明ゴム状物を87g得た。
赤外吸収スペクトルにて、得られたゴム状物が目的とする(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体であることを確認した(この生成物は、赤外吸収スペクトルによりジメチルポリシロキサン、アミド結合、エステル結合、アルキル基、水酸基を有するポリマーであることが確認された)。
また、EA、HEMAから理論的に計算されるガラス転移温度(Tg)は、-10℃である。
モノマーの仕込割合は以下のとおりである。
MAPTAC:EA:HEMA:X-24-8201=1:65.7:13.1:20.2
【0073】
<毛髪コンディショニング方法>
実施例1~8及び比較例1~10:シャンプー及びヘアトリートメント
第一の組成物として、表1に示す組成及び下記製造方法にて、シャンプー:実施処方-S1~S4、比較処方-S1~S4を調製した。第二の組成物として、表2に示す組成及び下記製造方法にて、ヘアトリートメント:実施処方-T1~T2、比較処方-T1~T2を調製した。次に、表3に示す組合せおよび順序にて、前記シャンプー及び前記ヘアトリートメントを使用し、以下に示す評価方法により、仕上がりの滑らかさについて、判定した。結果を併せて表3に示した。
【0074】
【0075】
【0076】
【0077】
(製造方法)
<第一の組成物 シャンプー>
A:No.1~7を均一に混合溶解し、シャンプーを得た。
<第二の組成物 ヘアトリートメント>
A:No.1~4,8,9を加熱混合溶解した。
B:No.5~7を加熱した。
C:AにBを添加し、乳化混合した。
D:Cを冷却し、ヘアトリートメントを得た。
【0078】
〔評価方法〕:仕上がりの滑らかさ
化粧品専門パネル10名の毛髪(髪の長さ:約60cm)に対して、表3に従い、実施例1~8及び比較例1~10の組み合わせ及び順序にて、シャンプー及びヘアトリートメント各6mLを適用した。各試験例のパネル数が5名以上となるように、試験を行った。ここで表3中、「○」は毛髪に適用することを表し、「○」の中の数字は、毛髪に適用する順番(ステップ)を表す。また表3中、「-」は毛髪に対して適用しないことを表す。例えば、実施例1は、第一の組成物として、実施処方-S1のシャンプーを適用し、第二の組成物として、実施処方-T1のヘアトリートメントを毛髪に適用したことを表す。
実施例1~8及び比較例1~10においては、各ステップにてシャンプー及びヘアトリートメントを使用した後は、次なるステップの前に洗い流しを行い、ヘアドライヤーで乾燥させた後の毛髪の滑らかさについて、下記の評価基準に従って5段階評価を行った。各試験例のパネルの評点から平均点を算出し、下記4段階判定基準により判定した。
【0079】
[評価基準]
[評点]:[評価結果]
5点 :なめらかさが十分にある
4点 :なめらかさがまあまあある
3点 :なめらかさがややある
2点 :なめらかさが足りない
1点 :なめらかさがだいぶ足りない
〔判定基準〕
[判定]:[評点]
◎ :4.0以上
○ :3.5以上~4.0未満
△ :2.0以上~3.5未満
× :2.0未満
【0080】
表3の結果から明らかなように、実施例1~8は、「仕上がりの滑らかさ」について優れるものであった。
ステップ2を実施せず、第二の組成物を備えない比較例1は、「仕上がりの滑らかさ」が劣っていた。
ステップ1を実施せず、第一の組成物を備えない比較例2、3は、「仕上がりの滑らかさ」が劣っていた。
各ステップで使用する組成物を入れ替えた比較例4においても同様に「仕上がりの滑らかさ」が劣っていた。
またステップ1において、第一の組成物が成分(A)を含有しない比較例5~8おいては、「仕上がりの滑らかさ」が劣っていた。
ステップ2において、第二の組成物が成分(B)を含有しない比較例9および10おいては、「仕上がりの滑らかさ」が劣っていた
【0081】
実施例9:多剤型ヘアトリートメント
<第一の組成物 ヘアローション>
(成分) (%)
1.参考製造例1の共重合体 0.5
2.ポリクオタニウム-51(*3) 0.3
3.ヒアルロン酸ヒドロキシプロピルトリモニウム 0.05
4.トリメチルグリシン 1.0
5.エタノール 20.0
6.クエン酸 0.05
7.クエン酸ナトリウム 0.01
8.精製水 残量
9.ジヒドロキシメチルシリルプロポキシヒドロキシプロピル加水分解シルク(*4)
0.05
(*3)LIPIDURE-PMB(日油社製)
(*4)PROMOIS S-700SIGF(成和化成社製)
<第二の組成物 ヘアトリートメント>
(成分) (%)
1.セトステアリルアルコール 1.5
2.セタノール 2.5
3.ステアリルアルコール 1.5
4.ベヘニルアルコール 1.2
5.塩化ベヘニルトリメチルアンモニム 1.5
6.塩化ステアリルトリメチルアンモニム 1.0
7.塩化ジステアリルジメチルアンモニム 0.2
8.ステアリルPGトリモニウムクロリド 0.5
9.テトライソステアリン酸ペンタエリスリチル 0.8
10.オクチルドデカノール 2.0
11.デシルテトラデカノール 1.0
12.シクロヘキサン-1,4-ジカルボン酸ビスエトキシジグリコール 0.5
13.ジココイルエチルヒドロキシエチルモニウムメトサルフェート 0.2
14.コレステロール 0.05
15.セラミドNG 0.01
16.セラミドNP 0.01
17.メチルパラベン 0.3
18.オレイン酸エチル 0.5
19.オリーブ脂肪酸エチル 0.5
20.ジメチコン(25℃において100mm2/s) 5.0
21.ジメチコン(25℃において100万mm2/s) 1.0
22.ジグリセリン 1.5
23.ジプロピレングリコール 1.0
24.乳酸 0.01
25.乳酸Na 0.01
26.加水分解ケラチン(羊毛) 0.5
27.ポリアクリル酸ホスホリルコリングリコール 3.0
28.香料 0.3
29.精製水 残量
【0082】
(製造方法)
<第一の組成物 ヘアローション>
A:No.1~9を均一に混合溶解し、ヘアローションを得た。
<第二の組成物 ヘアトリートメント>
A:No.13~16を事前に混合、高圧処理を行った。
B:No.1~12、No.17~21を加熱混合溶解した。
C:No.22~25、29を加熱混合溶解した。
D:CにBを添加し、乳化混合した。
E:Dを冷却し、A、No.26~28を添加し、ヘアトリートメントを得た。
【0083】
(使用方法)
市販のシャンプーを適用しシャワーで洗い流した後に、実施例9の多剤型ヘアトリートメントを適用した。第一の組成物ヘアローションの適用後には、洗い流しを行わず、第二の組成物ヘアトリートメントの適用後に、シャワーで洗い流しを行い、ヘアドライヤーで乾燥した。
【0084】
実施例9の多剤型ヘアトリートメント及びその適用方法は、処理後の毛髪の仕上がりの滑らかさに優れるものであった(前記評価方法による平均評点4.8)。
【0085】
実施例10:シャンプー及びヘアコンディショナーのキット
<第一の組成物 シャンプー>
(成分) (%)
1.テトラデセンスルホン酸ナトリウム(37%水溶液) 18.0
2.ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム(30%水溶液) 18.0
3.ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン(30%水溶液) 13.0
4.参考製造例2の共重合体 0.5
5.ポリクオタニウム-10(*2) 1.0
6.ポリクオタニウム-7水溶液(*1) 1.0
7.カチオン化グアーガム 0.3
8.ポリオキシプロピレン(1)ヤシ油脂肪酸モノイソプロパノールアミド 0.3
9.クエン酸 0.7
10.塩化ナトリウム 0.1
11.安息香酸ナトリウム 0.5
12.精製水 残量
<第二の組成物 ヘアコンディショナー>
(成分) (%)
1.セトステアリルアルコール 4.5
2.ベヘニルアルコール 1.0
3.ステアリン酸グリセリル 0.5
4.塩化ジステアリルジメチルアンモニム 0.5
5.クオタニウム-33 1.0
6.ジメチコン(25℃において100mm2/s) 5.0
7.ジメチコン(25℃において100万mm2/s) 1.0
8.ジメチコン(25℃において1000万mm2/s) 1.0
9.シクロヘキサン-1,4-ジカルボン酸ビスエトキシジグリコール 0.5
10.コメ胚芽油 0.1
11.サフラワー油 0.1
12.アルモンド油 0.1
13.EDTA 0.05
14.精製水 残量
15.パラオキシ安息香酸メチル 0.2
16.クエン酸 0.05
17.クエン酸ナトリウム 0.01
18.塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 1.5
19.グリセリン 5.0
20.アモジメチコン(*5) 2.5
21.ジグルコシル没食子酸 0.05
22.加水分解ダイズタンパク 0.1
23.加水分解シルク 0.1
24.ジプロピレングリコール 1.0
25.ローズマリーエキス 0.01
26.アセロラエキス 0.01
27.香料 0.3
(*5)SM8904 Cosmetic Emulsion(東レ・ダウコーニング社製)
【0086】
(製造方法)
<第一の組成物 シャンプー>
A:No.1~12を均一に混合溶解し、シャンプーを得た。
<第二の組成物 ヘアコンディショナー>
A:No.1~12を加熱混合溶解した。
B:No.13~19を加熱混合溶解した。
C:BにAを添加し、乳化混合した。
D:Cを冷却し、No.20~27を添加し、ヘアコンディショナーを得た。
【0087】
(使用方法)
第一の組成物シャンプーを適用した後、洗い流した。その後、第二の組成物ヘアコンディショナーを適用し、シャワーで洗い流しを行い、ヘアドライヤーで乾燥した。
【0088】
実施例10のシャンプーおよびヘアコンディショナーは、処理後の毛髪の仕上がりの滑らかさに優れるものであった(前記評価方法による平均評点4.5)。
【0089】
実施例11:多剤型ヘアトリートメント
<第一の組成物 ヘアミスト>
(成分) (%)
1.参考製造例2の共重合体 0.4
2.エタノール 10.0
3.トリプロピレングリコール 10.0
4.クエン酸 0.01
5.精製水 残量
<第二の組成物 ヘアミルク>
(成分) (%)
1.セトステアリルアルコール 1.5
2.ベヘニルアルコール 1.0
3.ステアリン酸グリセリル 0.5
4.塩化ベヘニルトリメチルアンモニム 1.5
5.塩化ステアリルトリメチルアンモニム 0.5
6.クオタニウム-33 0.5
7.デシルテトラデカノール 1.0
8.ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)(*6)1.0
9.ジメチコン(25℃において100mm2/s) 3.0
10.ジメチコン(25℃において100万mm2/s) 0.5
11.安息香酸アルキル(C12-15) 1.0
12.トリエチルヘキサノイン 2.0
13.オリーブ脂肪酸エチル 0.5
14.グリセリン 1.0
15.ジプロピレングリコール 1.0
16.クエン酸 0.01
17.クエン酸Na 0.01
18.ポリクオタニウム-7 0.5
19.加水分解ケラチン(羊毛) 0.5
20.ポリアクリル酸ホスホリルコリングリコール 1.0
21.香料 0.7
22.精製水 残量
(*6)エルデュウPS-203(味の素社製)
【0090】
(製造方法)
<第一の組成物 ヘアミスト>
A:No.1~5を均一に混合溶解し、ヘアミストを得た。
<第二の組成物 ヘアミルク>
A:No.1~13を加熱混合溶解した。
B:No.14~17、NO.22を加熱混合溶解した。
C:BにAを添加し、乳化混合した。
D:Cを冷却し、No.18~21を添加し、ヘアミルクを得た。
【0091】
(使用方法)
市販のシャンプーを適用し、シャワーで洗い流した後に、実施例11の多剤型ヘアトリートメントを適用した。第一の組成物ヘアミストの適用後には、洗い流しを行わなかった。その後、第二の組成物ヘアミルクを適用し、洗い流しを行わず、ヘアドライヤーで乾燥させた。
【0092】
実施例11の多剤型ヘアトリートメント及びその適用方法は、処理後の毛髪の仕上がりの滑らかさに優れるものであった(前記評価方法による平均評点4.7)。
【0093】
実施例12:シャンプー及びヘアコンディショナーのキット
<第一の組成物 シャンプー>
(成分) (%)
1.テトラデセンスルホン酸ナトリウム(37%水溶液) 18.0
2.ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム(30%水溶液) 18.0
3.ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン(30%水溶液) 9.0
4.ココアンホ酢酸ナトリウム(38%水溶液) 5.0
5.参考製造例2の共重合体 0.8
6.ポリクオタニウム-10(*2) 1.0
8.ポリクオタニウム-7水溶液(*1) 1.0
9.ジラウリン酸PEG-75 0.3
10.ポリオキシプロピレンヤシ油脂肪酸モノイソプロパノールアミド(1P.O.)
0.3
11.クエン酸 0.7
12.塩化ナトリウム 0.1
13.安息香酸ナトリウム 0.5
14.精製水 残量
<第二の組成物 ヘアコンディショナー>
(成分) (%)
1.セトステアリルアルコール 4.5
2.ベヘニルアルコール 1.0
3.ステアリン酸グリセリル 0.5
4.塩化ジステアリルジメチルアンモニム 1.5
5.ミネラルオイル 1.0
6.ジメチコン(25℃において100mm2/s) 5.0
7.ジメチコン(25℃において100万mm2/s) 1.0
8.ジメチコン(25℃において1000万mm2/s) 1.0
9.ミリスチン酸イソプロピル 1.0
10.イソステアリン酸 0.3
11.コレステロール 0.1
12.アルモンド油 0.1
13.EDTA 0.05
14.精製水 残量
15.パラオキシ安息香酸メチル 0.2
16.クエン酸 0.05
17.エチドロン酸 0.05
18.塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム 1.5
19.プロピレングリコール 5.0
20.アモジメチコン(*5) 3.5
21.ジグルコシル没食子酸 0.05
22.加水分解ダイズタンパク 0.1
23.加水分解シルク 0.1
24.ジプロピレングリコール 1.0
25.香料 0.5
【0094】
(製造方法)
<第一の組成物 シャンプー>
A:No.1~14を均一に混合溶解し、シャンプーを得た。
<第二の組成物 ヘアコンディショナー>
A:No.1~12を加熱混合溶解した。
B:No.13~18を加熱混合溶解した。
C:BにAを添加し、乳化混合した。
D:Cを冷却し、No.19~25を添加し、ヘアコンディショナーを得た。
【0095】
(使用方法)
第一の組成物シャンプーを適用した後、洗い流した。その後、第二の組成物ヘアコンディショナーを適用し、シャワーで洗い流しを行い、ヘアドライヤーで乾燥した。
【0096】
実施例12のシャンプーおよびヘアコンディショナーは、処理後の毛髪の仕上がりの滑らかさに優れるものであった(前記評価方法による平均評点4.7)。