(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022190692
(43)【公開日】2022-12-26
(54)【発明の名称】ステアリングシステムのラックのガイドベアリング
(51)【国際特許分類】
B62D 3/12 20060101AFI20221219BHJP
【FI】
B62D3/12 501Z
B62D3/12 503C
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022094904
(22)【出願日】2022-06-13
(31)【優先権主張番号】2106241
(32)【優先日】2021-06-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(71)【出願人】
【識別番号】511110625
【氏名又は名称】ジェイテクト ユーロップ
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】モネ ロッシュ
(72)【発明者】
【氏名】ラトレイユ アルノ
(72)【発明者】
【氏名】ヴィニュ ヤニキ
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ラックの取り付け及び案内に関する課題の解決策を提供する。
【解決手段】車両のステアリングシステムのピニオン及びラックを噛み合わせるためのラックのガイドベアリングであって、その第1の部分が管状であり、ガイドベアリングの軸を定義する壁と、ガイドベアリングの第1の端部で開口し、かつガイドベアリングの軸において第1の端部と反対側の壁の第2の部分に開口する軸周りの内部チャネルとを備え、内部チャネルは、軸を横切る断面を有し、断面は、ガイドベアリングの軸と平行なラックの軸に従って内部チャネルの内側にラックを挿入可能に構成され、ガイドベアリングは、壁の第1の部分の内部チャネルの内面と、ガイドベアリングの壁の第2の部分の内面とを備え、前記両内面は、ラックがラックの軸に従って壁の第1の部分の内部チャネルの内側に挿入されるときにラックの歯部の反対側のラックの滑り面と滑り接触するように配置されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のステアリングシステムのピニオン(3)及びラック(2)を噛み合わせるためのラック(2)のガイドベアリング(1)であって、
前記ガイドベアリング(1)は、
その第1の部分(10’)が管状であり、前記ガイドベアリング(1)の軸を定義する壁(10)と、
前記ガイドベアリング(1)の第1の端部(18)で開口し、かつ前記ガイドベアリング(1)の軸において前記第1の端部(18)と反対側の前記壁(10)の第2の部分(10”)に開口する前記軸周りの内部チャネル(9)とを備え、
前記内部チャネル(9)は、前記軸を横切る断面を有し、前記断面は、前記ガイドベアリング(1)の軸と平行な前記ラック(2)の軸に従って前記内部チャネル(9)の内側に前記ラック(2)を挿入可能に構成され、
前記ガイドベアリング(1)は、前記ガイドベアリング(1)の前記壁(10)の前記第1の部分(10’)の前記内部チャネル(9)の内面と、前記ガイドベアリング(1)の前記壁(10)の前記第2の部分(10”)の内面とを備え、前記両内面は、前記ラックが前記ラック(2)の軸に従って前記壁(10)の前記第1の部分(10’)の前記内部チャネル(9)の内側に挿入されるときに前記ラック(2)の歯部の反対側の前記ラック(2)の滑り面と滑り接触するように配置され、前記ガイドベアリング(1)は、前記ガイドベアリング(1)の軸を横切る平面に従い、少なくとも部分的に前記ガイドベアリング(1)の周りに配置された少なくとも1つの減衰手段(4’、4”)を備え、前記少なくとも1つの減衰手段(4’、4”)は、前記壁(10)の前記第2の部分(10”)上に配置され、前記ピニオンは、前記ラック(2)の歯部と噛み合うように、前記ガイドベアリング(1)の前記壁(10)の前記第2の部分(10”)の内面に対向して配置されているガイドベアリング。
【請求項2】
請求項1に記載のガイドベアリング(1)において、
前記壁(10)の前記第2の部分(10”)は、また、前記ガイドベアリング(1)の軸周りで管状をなし、前記壁(10)の前記第2の部分(10”)は前記壁(10)の前記第1の部分(10’)によって画定される前記内部チャネル(9)を延ばす別の内部チャネル(9’)を画定し、前記別の内部チャネル(9’)は、前記ガイドベアリング(1)の第2の端部(19)で開口し、前記第2の端部(19)は、前記ガイドベアリング(1)の軸において前記ガイドベアリング(1)の前記第1の端部(18)とは反対側にあり、前記壁(10)の前記第2の部分(10”)は、前記別の内部チャネル(9’)に通じる外部開口(8)によって横切られ、前記外部開口(8)は、前記ガイドベアリング(1)の軸に対して前記壁(10)の前記第2の部分(10”)の内面の反対側に前記壁(10)の前記第2の部分(10”)に配置され、前記外部開口(8)は、前記ピニオン(3)を収容するように構成されたガイドベアリング。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のガイドベアリング(1)において、
前記少なくとも1つの減衰手段が、前記ガイドベアリングの一端(18)に位置する第1の横断面、及び/又は前記ガイドベアリングの他端(19)に位置する第2の横断面に減衰要素(4)を備えるガイドベアリング。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載のガイドベアリング(1)において、
前記減衰要素は、閉じた輪郭を有するシールであるガイドベアリング。
【請求項5】
請求項4に記載のガイドベアリング(1)において、
前記シールは、Oリングガスケットであるガイドベアリング。
【請求項6】
請求項4又は5に記載のガイドベアリング(1)において、
前記シール(4”)は、前記壁(10)の前記第2の部分(10”)上に配置された二重溝内で延びるように配置されているガイドベアリング。
【請求項7】
請求項1に記載のガイドベアリング(1)において、
前記少なくとも1つの減衰手段は、ダンパー材料で作られた付属物(4’)を備え、 前記付属物は前記ガイドベアリング(1)の前記壁(10)の外面の全部又は一部にオーバーモールド、接着、又はクリップ留めによって取り付けられているガイドベアリング。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか1項に記載のガイドベアリング(1)において、
前記ガイドベアリングは、前記ステアリングシステムのステアリングケーシング(14)に対して固定して取り付けられるように構成され、前記ガイドベアリング(1)は角度インデックス要素(12)をさらに備え、前記インデックス要素(12)は前記ガイドベアリング(1)の軸の周りで前記ガイドベアリング(1)の角度位置を明確にするように、前記ステアリングケーシング(14)の補完的な要素(13)と協働するように構成されているガイドベアリング。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか1項に記載のガイドベアリング(1)において、
前記壁(10)の外面に配置されたクリップ要素(21)を備え、前記クリップ要素(21)は、前記ステアリングケーシング(14)の他の補完的な要素と協働して、前記ステアリングケーシング(14)内で前記ガイドベアリングを保持するように構成されたガイドベアリング。
【請求項10】
請求項2~8のいずれか1項に記載のガイドベアリング(1)において、
請求項2に依存する限り、前記ガイドベアリングの前記内部チャネル(9)上に開口する少なくとも1つのスロット(6)をさらに備え、前記スロット(6)は、前記ガイドベアリング(1)の延びる方向に従って前記壁(10)を横断し、前記スロット(6)は前記壁(10)の外面に及ぼされる圧力の影響によって前記壁(10)の弾性変形を可能にするように構成され、前記弾性変形は、前記ガイドベアリング(1)の軸を横断する平面における前記壁の一部分を狭める結果をもたらすガイドベアリング。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか1項に記載のガイドベアリング(1)において、
前記ガイドベアリング(1)の前記壁(10)の中央部分の少なくとも1つのアレンジメント(7’)をさらに備え、前記中央部分は、前記ガイドベアリング(1)の前記壁(10)の前記第2の部分(10”)の前記内面に対応する前記壁(10)の一部に配置されるガイドベアリング。
【請求項12】
請求項1~10のいずれか1項に記載のガイドベアリング(1)において、
ストロークリミッタ(16)をさらに備え、前記ストロークリミッタ(16)は前記ラックが前記ガイドベアリングに挿入されるときに、前記ラックのストロークを制限するように構成されるガイドベアリング。
【請求項13】
請求項1~12のいずれか1項に記載のガイドベアリング(1)において、
前記壁(10)の前記第1の部分(10’)と、前記壁(10)の前記第2の部分(10”)とが別個であり、組み立てられるように構成されたガイドベアリング。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は自動車のラックステアリングシステムの技術分野に関し、特に、ステアリングシステムにおけるラックの取り付け及び案内に関する。
【背景技術】
【0002】
「プッシャー」と呼ばれることもある「プッシャーライン」を使用して、歯部の欠陥及び摩耗を補償しながら、ラックをステアリングピニオンと噛み合い接触させた状態に保つことが知られている。プッシャーは、ピニオンの領域においてラックの後部に弾性的に作用して、ラックの歯部をピニオンに対して強く押圧する。プッシャーによって、ピニオンとのラックの噛み合い不良が補償され、このプッシャーはまた、ステアリングケーシング内におけるラックの摺動力を制御しながら、ラックの案内を確実にする。
【0003】
最も一般の実施では、プッシャー装置が、円筒形の機械加工されたケーシング部分において、ラックの長手方向の軸に実質的に垂直な方向に沿って並進移動可能に取り付けられた部分であるプッシャーを備え、この部分は適切な形状を有する端子部分によってラックの背面を押圧するように、弾性手段によってラックの背面に向かって付勢される。弾性手段は、螺旋ばねのみ、又は金属製もしくはエラストマーの弾性ワッシャ、又はこのような弾性部材の組合せで構成されてもよい。これらの弾性手段はプッシャーのはね返り(新たな条件の作動すきま)の設定を可能にし、プッシャーの移動終端ストッパを構成する、金属製の設定ねじの下に位置する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような解決策の欠点の1つは、ラック、ピニオン、及びプッシャー装置によって形成される機械のセットが衝撃を受けやすく、この衝撃は、特に舗装された道路を転がすとき、又はステアリングを逆転するときに生じる音を発生させる。本明細書においてノイズの発生源として考慮される衝撃は、
ラックとピニオンの歯部の接触領域において、
前記プッシャーのトグルでの切り替えの場合には、前記プッシャー自体と、前記対応する円筒状ケーシング部の内壁との接触点において、及び
前記プッシャーが前記ねじに対する接合点まで跳ね返る場合には、前記プッシャー自体と前記設定ねじとの間の接触領域において発生する。
【0005】
通常、これらの騒音又は振動現象を抑制又は制限するためには、騒音防止リングと呼ばれる追加の部品が追加されるべきであった。
【0006】
このプッシャ装置の別の欠点は、必要とされる部品の数及び機械加工操作に関して、また、そのセットアップ及び組立ライン上の必要な設定に関しても高価であることである。
【0007】
別の欠点はピニオンを押圧するためにラックにかなりの力を加えることが、運転者の運転感触に影響を及ぼし得るかなりの摩擦を発生させることである。例えば、固着感、又は道路からの情報の過度に相当なフィルタリングである。
【0008】
別の欠点は、プッシャーラインの嵩である。実際、後者は、ピニオンに構造的に垂直に設置されるので、エンジン室の他の要素、特に、特定の形の配置を提供する必要がある車両のクレードルとの接触又は近接の問題がしばしばある。
【0009】
したがって、本発明は、これらの問題のすべて又は一部に対する解決策を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この目的のために、本発明は、車両のステアリングシステムのピニオン及びラックを噛み合わせるためのラックのガイドベアリングに関し、前記ガイドベアリングは、その第1の部分が管状であり、前記ガイドベアリングの軸を定義する壁と、前記ガイドベアリングの第1の端部で開口し、かつ前記ガイドベアリングの軸において前記第1の端部と反対側の前記壁の第2の部分に開口する前記軸周りの内部チャネルとを備え、前記内部チャネルは、前記軸を横切る断面を有し、前記断面は、前記ガイドベアリングの軸と平行な前記ラックの軸に従って前記内部チャネルの内側に前記ラックを挿入可能に構成され、前記ガイドベアリングは、前記ガイドベアリングの前記壁の前記第1の部分の前記内部チャネルの内面と、前記ガイドベアリングの前記壁の前記第2の部分の内面とを備え、前記両内面は、前記ラックが前記ラックの軸に従って前記壁の前記第1の部分の前記内部チャネルの内側に挿入されるときに前記ラックの歯部の反対側にある前記ラックの滑り面と滑り接触するように配置され、前記ガイドベアリングは、前記ガイドベアリングの軸を横切る平面に従い、少なくとも部分的に前記ガイドベアリングの周りに配置された少なくとも1つの減衰手段を備え、前記少なくとも1つの減衰手段は、前記壁の前記第2の部分上に配置され、前記ピニオンは、前記ラックの歯部と噛み合うように、前記ガイドベアリングの前記壁の前記第2の部分の内面に対向して配置されている。
【0011】
これらの構成によれば、ガイドベアリングは、ラックの歯部と噛み合うように、ガイドベアリングの壁の第2の部分の内面に対向して配置されたピニオンに対するラックの案内及びラックの保持を確実にするように構成される。特に、ラックはピニオンに押し付けられ、機構の動作に続いて現れる摩耗は、少なくとも1つの減衰手段の1つ以上の減衰要素によって補償され、このような補償は、少なくとも1つの減衰要素がピニオンとは反対側の壁の部分に配置されるので、より効率的である。
【0012】
一実施形態によれば、本発明は、次の特徴のうちの1つ又は複数を、単独で、又は技術的に実現可能な組合せで含む。
【0013】
一実施形態によれば、ガイドベアリングの軸及びラックの軸は、ピニオンがラックの歯部と噛み合うように配置されるとき、ピニオンの軸に対して横方向である。
【0014】
一実施形態によれば、ガイドベアリングの軸とガイドベアリングの延在方向とは実質的に平行であり、言い換えれば、それらは-10°~+10°の間、特に-5°~+5°の間、より具体的には-2°~+2°の間の角度を形成する。
【0015】
一実施形態によれば、ガイドベアリングの壁の第1の部分の内部チャネルの内面及びガイドベアリングの壁の第2の部分の内部チャネルの内面の配列は、ガイドベアリングの壁の第1の部分の内部チャネルの内面及び/又はガイドベアリングの壁の第2の部分の内面に配置された少なくとも1つのベアリング面を備え、少なくとも1つのベアリング面は、ラックの歯部とは反対側のラックの面と滑り接触するように構成される。
【0016】
これらの構成によれば、ガイドベアリングのベアリング面はラックの摺動中に接触面の広がりを低減し、したがって摩擦を低減する。
【0017】
一実施形態によれば、少なくとも1つのベアリング面は、ガイドベアリングの壁の内面の一部分上の余分に厚い部分によって形成される。
【0018】
一実施形態によれば、余分に厚い部分はベアリングの軸を横断する平面における一部に従う湾曲を有し、湾曲の曲率中心はガイドベアリングの軸に対して偏心している。
【0019】
一実施形態によれば、ガイドベアリングの壁の第1の部分の内部チャネルの内面及び/又はガイドベアリングの壁の第2の部分の内面の配列は、ガイドベアリングの壁の第1の部分の内部チャネルの内面及び/又はガイドベアリングの壁の第2の部分の内面に配置された少なくとも1つの溝を含み、少なくとも1つの溝は、潤滑剤を受け入れるように構成される。
【0020】
一実施形態によれば、ガイドベアリングは、自己潤滑性プラスチック材料から作製される。
【0021】
これらの構成によれば、ラックの滑り面と、ガイドベアリングの壁の第1の部分の内部チャネルの内面及び/又はガイドベアリングの壁の第2の部分の内面との間での接触が、より滑りやすくなる。
【0022】
一実施形態によれば、壁の第2の部分はまた、ガイドベアリングの軸周りで管状をなし、壁の第2の部分は壁の第1の部分によって画定される内部チャネルを延ばす別の内部チャネルを画定し、別の内部チャネルは、ガイドベアリングの第2の端部で開口し、第2の端部はガイドベアリングの軸においてガイドベアリングの第1の端部とは反対側にあり、壁の第2の部分は、別の内部チャネルに通じる外部開口によって横切られ、外部開口はガイドベアリングの軸に対して壁の第2の部分の内面の反対側に壁の第2の部分に配置され、外部開口はピニオンを収容するように構成される。
【0023】
一実施形態によれば、ガイドベアリングは、少なくとも部分的に、ガイドベアリングの軸を横断する平面に従ってガイドベアリングの周りに配置された少なくとも1つの減衰手段をさらに備える。
【0024】
これらの構成によれば、ガイドベアリングと、ガイドベアリングが固定して取り付けられているステアリングケーシングとの間に位置する作動すきま又は摩耗は、ラックがピニオンに対して常時適切に押圧されるように、ガイドベアリングの設定中に剛性が調整される減衰手段によって補償される。
【0025】
一実施形態によれば、前記少なくとも1つの減衰手段は、ガイドベアリングの軸を横断する平面内でガイドベアリングの周りに配置された少なくとも1つの環状の形状の減衰要素を含む。
【0026】
一実施形態によれば、前記少なくとも1つの減衰手段は、ガイドベアリングの一端に位置する第1の横断面内の第1の減衰要素と、ガイドベアリングの他端に位置する第2の横断面内の第2の減衰要素とを備える。
【0027】
一実施形態によれば、前記少なくとも1つの減衰手段は、ガイドベアリングの一端に位置する第1の横断面、及び/又はガイドベアリングの他端に位置する第2の横断面に減衰要素を備える。
【0028】
一実施形態によれば、減衰要素は、閉じた輪郭を有するシールである。
【0029】
一実施形態によれば、シールはOリングガスケットである。
【0030】
一実施形態によれば、シールは、壁の第2の部分上に配置された二重溝内で延びるように配置される。
【0031】
一実施形態によれば、少なくとも1つの減衰手段は、ダンパー材料で作られた付属物を備え、前記付属物はガイドベアリングの壁の外面の全部又は一部にオーバーモールド、接着、又はサークリップによって取り付けられる。
【0032】
一実施形態によれば、減衰要素は、ガイドベアリングの周囲に掘られた環状溝に取り付けられたOリングガスケットである。
【0033】
一実施形態によれば、減衰要素は、ガイドベアリングの壁、例えば壁の第2の部分に配置された二重溝内で延びるように配置されたOリングガスケットである。
【0034】
一実施形態によれば、前記少なくとも1つの減衰手段は、ダンパー材料、例えば、ポリマ発泡体を有するオーバーモールドを備え、前記オーバーモールドは、ガイドベアリングの壁面の外面の全部又は一部の上に取り付けられる。
【0035】
これらの構成によれば、ラックがラックの軸に従って壁の第1の部分の内部チャネルの内側に挿入されると、ラックはピニオンに押し付けられ、機構の動作に続いて現れる可能性がある摩耗は、少なくとも1つの減衰手段の減衰要素によって補償される。
【0036】
一実施形態によれば、ガイドベアリングはステアリングシステムのステアリングケーシングに対して固定して取り付けられるように構成され、ガイドベアリングは角度インデックス要素をさらに備え、インデックス要素はガイドベアリングの軸の周りでガイドベアリングの角度位置を明確にするように、ステアリングケーシングの補完的な要素と協働するように構成される。
【0037】
一実施形態によれば、角度インデックス要素は、ガイドベアリングの壁の外面で突出する突起である。
【0038】
一実施形態によれば、ガイドベアリングは、壁の外面に配置されたクリップ要素を備え、クリップ要素はステアリングケーシングの他の補完的な要素と協働して、ステアリングケーシング内でガイドベアリングを保持するように構成される。
【0039】
一実施形態によれば、ステアリングケーシングの他の補完的な要素は、ステアリングケーシング内に機械加工された溝、ステアリングケーシング内に嵌め込まれたリング、又はステアリングケーシング内のサークリップである。
【0040】
一実施形態によれば、ガイドベアリングは、ガイドベアリングの内部チャネル上に開口する少なくとも1つのスロットをさらに備え、前記スロットはガイドベアリングの延びる方向に従って壁を横断し、前記スロットは壁の外面に及ぼされる圧力の影響によって壁の弾性変形を可能にするように構成され、弾性変形は、ガイドベアリングの軸を横断する平面における壁の一部分を狭める結果をもたらす。
【0041】
これらの構成によれば、ガイドベアリングのステアリングケーシングへの挿入が容易になる。
【0042】
一実施形態によれば、クリップ要素は、壁の外面上に配置され、ステアリングケーシングの補完的な要素と協働して、壁の外面に加えられる圧力によって得られる弾性変形の付勢効果によって、ステアリングケーシング内にクリップ留めされるガイドベアリングを保持するように構成される。
【0043】
これらの構成によれば、ガイドベアリングは、ステアリングケーシング内でクリップ留めされている。
【0044】
一実施形態によれば、ガイドベアリングは管状の壁を軟化させるために、壁の外面に形成された少なくとも1つの溝を備える。
【0045】
一実施形態によれば、少なくとも1つの溝は、ガイドベアリングの内部チャネル及び/又は他の内部チャネルに開口するスロットである。
【0046】
これらの構成によれば、スロットからなる溝は、ガイドベアリングの構造に柔らかさを与え、この柔らかさはガイドベアリングの摩耗関連のすき間を減らすことを可能にする。
【0047】
一実施形態によれば、少なくとも1つの溝は、壁の少なくとも1つの部分の外面の2つの余分に厚い部分の間に形成される。
【0048】
これらの構成によれば、ガイドベアリングの変形のある程度の自由を妨げることによって、少なくとも1つの減衰方向を制御することが可能である。
【0049】
一実施形態によれば、ガイドベアリングは、ガイドベアリングの壁の中央部分の少なくとも1つのアレンジメントをさらに備え、前記中央部分は、ガイドベアリングの壁の第2の部分の内面に対応する壁の一部に配置される。
【0050】
これらの構成によれば、アレンジメントは、ピニオンが外部開口内に収容されるときに、ピニオンの反対側のより柔らかい中央部分を形成するように構成される。
【0051】
一実施形態によれば、少なくとも1つのアレンジメントは、壁の中央部分の周りにスロットを備える。
【0052】
一実施形態によれば、少なくとも1つのアレンジメントは、壁の中央部分の所定の厚さを含む。
【0053】
一実施形態によれば、ガイドベアリングはストロークリミッタをさらに備え、ストロークリミッタはラックがガイドベアリングに挿入されるときに、ラックのストロークを制限するように構成される。
【0054】
一実施形態によれば、ストロークリミッタは、ガイドベアリングの第1の端部に一体化される。
【0055】
これらの構成によれば、ストロークリミッタは、軸方向ボールジョイントケースとステアリングケーシングとの金属接触を回避する。
【0056】
一実施形態によれば、壁の第1の部分と、壁の第2の部分とは別個であり、組み立てられるように構成される。
【0057】
一実施形態によれば、第1の部分及び第2の部分は、第1の部分を第2の部分でクリップ留めすることによって、又は第1の部分と第2の部分との間の超音波溶接によって組み立てられるように構成される。
【0058】
一実施形態によれば、第1の部分及び第2の部分は、第1の部分を射出成形金型のキャビティの凹部内に配置し、第2の部分を射出成形金型内の射出によってオーバーモールドすることによって組み立てられる。
【0059】
一実施形態によれば、第1の部分及び第2の部分は、異なるプラスチック材料から作製され、その結果、各部分の耐摩耗性は互いに異なり、各部分の耐摩耗性は、各部分の動作応力に適合する。
【図面の簡単な説明】
【0060】
そのより良い理解のために、本発明の一実施形態及び/又は実施は、非限定的な例として、それぞれ本発明に係る装置及び/又は方法の実施形態又は実施を表す添付の図面を参照して説明される。図面において同じ参照符号を付された要素は、同様の要素又は機能が同様である要素を指す。
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態に係るガイドベアリングの斜視図である。
【
図2a】
図2aは、2つの分離可能な部分を含むガイドベアリングの斜視図である。
【
図2b】
図2bは、
図2aの実施形態に係るガイドベアリングの斜視図であり、2つの分離可能な部分は、本発明に係るガイドベアリングを形成するように組み立てられている。
【
図3】
図3は、ピニオンと噛み合うラックに取り付けられた
図1の実施形態に係るガイドベアリングの斜視図である。
【
図4】
図4は、ピニオンと噛み合うラックに取り付けられた別の実施形態に係るガイドベアリングの斜視図である。
【
図5】
図5は、ピニオンと噛み合うラックに取り付けられた
図4の実施形態に係るガイドベアリングの別の斜視図である。
【
図7】
図7は、本発明の別の実施形態に係るガイドベアリングの斜視図である。
【
図8】
図8は、本発明の別の実施形態に係るガイドベアリングの斜視図である。
【
図9】
図9は、本発明の別の実施形態に係るガイドベアリングの斜視図である。
【
図10】
図10は、本発明の別の実施形態に係るガイドベアリングの斜視図である。
【
図11】
図11は、本発明の別の実施形態に係るガイドベアリングの斜視図である。
【
図12】
図12は、本発明の一実施形態に係るガイドベアリングの斜視図である。
【
図13】
図13は、方向付けを達成する手段の斜視図であり、前記手段は、本明細書で使用され、既知のアンチノイズリング上に表される。
【
図14】
図14は、本発明の一実施形態に係るガイドベアリングの斜視図である。
【
図15】
図15は、本発明の一実施形態に係るガイドベアリングの斜視図であり、
図12に別の角度で示された実施形態に対応する。
【
図16】
図16は、ステアリングケーシングに取り付けられた
図1の実施形態に係るガイドベアリングの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0061】
次に、
図1を参照して、本発明に係るガイドベアリング1の実施形態について説明する。
【0062】
図1のガイドベアリング1は、
図16に示すように、車両のステアリングシステムのケーシング14に取り付けられ、ピニオン3とラック2の歯部とを噛み合わせるためにラック2を受け入れるように意図されている。
【0063】
ガイドベアリング1は、壁10を備え、壁10の第1の部分10’及び壁10の第2の部分10”を備えている。
【0064】
第1の部分は管状であり、ガイドベアリング1の軸と、軸周りの内部チャネル9とを画定し、前記内部チャネル9はガイドベアリング1の第1の端部18で開口し、前記内部チャネル9は、ガイドベアリング1の軸において第1の端部18とは反対側の壁10の第2の部分10”に開口する。内部チャネル9はガイドベアリング1の軸を横切る断面を有し、この断面は、ガイドベアリング1の軸と平行なラック2の軸に従って、内部チャネル9の内側にラック2を挿入することを可能にするように構成される。
【0065】
ガイドベアリング1は、壁10の第1の部分10’の内部チャネル9の内面と、壁10の第2の部分10”の内面とを備え、前記内面は、ラック2の軸に従ってラックが壁10の第1の部分10’の内部チャネル9の内側に挿入されるときに、ラック2の滑り面と滑り接触するように配置され、前記滑り面はラック2の歯部の反対側にある。
【0066】
慣習的に、第1の部分10’又は第2の部分10”の内面は、ラック2のいわゆる滑り面を受け入れ、当該滑り面と滑り接触するように配置された壁10の表面と呼ぶことにする。
【0067】
これらの構成によれば、ガイドベアリングは、
図3及び
図16に示すように、ラック2の歯部を噛み合わせるように、ラックの案内と、ガイドベアリング1の壁10の第2の部分10”の内面に対向して配置されたピニオンに対するラックの保持とを確実にするように構成される。
【0068】
特に、ガイドベアリングの軸及びラックの軸は、ピニオンがラックの歯部と噛み合うように配置されるとき、ピニオンの軸に対して横方向である。
【0069】
一実施形態によれば、ガイドベアリングの軸とガイドベアリングの延在方向とは実質的に平行であり、言い換えれば、それらは-10°~+10°の間、特に-5°~+5°の間、より具体的には-2°~+2°の間の角度を形成する。
【0070】
特に、ガイドベアリング1の壁10の第1の部分10’及びガイドベアリング1の壁10の第2の部分10”の内部チャネル9の内面の配列は、ガイドベアリング1の壁10の第1の部分10’の内部チャネル9の内面及び/又はガイドベアリング1の壁10の第2の部分10”の内面に配置された少なくとも1つのベアリング面15、17を備え、少なくとも1つのベアリング面は、ラック2の歯部とは反対側のラック2の面と滑り接触するように構成される。
【0071】
これらの構成によれば、ガイドベアリング1のベアリング面15、17はラックの摺動中に接触面の広がりを低減し、したがって摩擦を低減する。
【0072】
より具体的には、少なくとも1つのベアリング面15、17は、ガイドベアリング1の壁の内面の一部分上の余分に厚い部分によって形成される。
【0073】
さらにより具体的には、余分に厚い部分15、17は、ガイドベアリング1の軸を横断する平面における一部に従う湾曲を有し、湾曲の中心はガイドベアリング1の軸に対して偏心している。
【0074】
別の実施形態によれば、ガイドベアリング1の壁10の第1の部分10’の内部チャネル9の内面、及びガイドベアリング1の壁10の第2の部分10”の内面の配列は、壁10の第1の部分10’の内部チャネル9の内面、及び/又は壁10の第2の部分10”の内面に配置された少なくとも1つの溝20を含み、少なくとも1つの溝20は、潤滑剤を受け入れるように構成され、潤滑剤は例えば、ラックの滑り面上に塗布されたグリースである。
【0075】
有利には、ガイドベアリングはまた、自己潤滑性プラスチック材料から作製されてもよい。
【0076】
これらの構成によれば、ラックの滑り面と、壁10の第1の部分10’の内部チャネル9の内面及び/又は壁10の第2の部分10”の内面との間での接触が、より滑りやすくなる。
【0077】
異なる変形に係る
図4~
図15により詳細に示された第2の実施形態によれば、特に
図6を参照すると、ガイドベアリング1は、ガイドベアリング1の軸周りで管状をなす壁10の第2の部分10”を備え、壁10の第2の部分10”は、壁10の第1の部分10’によって画定される内部チャネル9を延ばす別の内部チャネル9’を画定し、別の内部チャネル9’は、ガイドベアリング1の第2の端部19で開口し、第2の端部19はガイドベアリング1の軸においてガイドベアリング1の第1の端部18とは反対側にあり、壁10の第2の部分10”は、別の内部チャネル9’に通じる外部開口8によって横切られ、外部開口8は、ガイドベアリング1の軸に対して壁10の第2の部分10”の内面の反対側に壁10の第2の部分10”に配置され、外部開口8は、特に
図4及び
図5に示されるように、ピニオン3を収容するように構成される。
【0078】
特に、
図5において、外部開口8が、ラック2の歯部の側でガイドベアリング1の別の内部チャネル9’に通じ、ピニオン3の歯部はピニオン3が外部開口8に受容されたときに、ラック2の歯部と噛み合うことが生じる。
【0079】
ピニオン3に当接してガイドベアリング1に挿入されたラック2を適切に保持するために、ガイドベアリングがステアリングケーシング14に取り付けられるとき、少なくとも1つの減衰手段 4、4’、4”が設けられる。前記減衰手段は、少なくとも部分的に、ガイドベアリング1の軸を横切る平面に従って、ガイドベアリング1の周りに配置される。
【0080】
これらの構成によれば、ガイドベアリングと、ガイドベアリングが固定的に取り付けられているステアリングケーシングとの間に位置する作動すきま又は摩耗は、ラックがピニオンに対して常時適切に押圧されるように、ガイドベアリングの設定中に剛性が調整される減衰手段によって補償される。
【0081】
一実施形態によれば、前記減衰手段は、ガイドベアリングの軸を横断する平面内でガイドベアリングの周りに配置された少なくとも1つの環状の形状の減衰要素を含む。
【0082】
特に、
図6に示されたガイドベアリングの第2の実施形態に適合する方法では、前記減衰手段は、ガイドベアリング1の第1の端部18に位置する第1の横断面内の第1の減衰要素4と、ガイドベアリングの第2の端部19に位置する第2の横断面内の第2の減衰要素4とを備える。
【0083】
例えば、減衰要素4は、ガイドベアリングの周囲に掘られた環状溝に取り付けられたOリングガスケットであってもよい。
【0084】
特に、
図1に示す第1の実施形態に適合した一実施形態によれば、減衰要素4”は、ガイドベアリング1の壁10、特に壁10の第2の部分10”上に配置された二重溝内で延びるように配置されたOリングガスケットである。
【0085】
一実施形態によれば、前記減衰手段は、ダンパー材料、例えばポリマ発泡体で作られた付属物4’を備え、前記付属物は、
図8に一実施形態として示すように、ガイドベアリング1の壁10の外面の全部又は一部にオーバーモールド、接着、又はクリップ留めによって取り付けられる。
【0086】
これらの構成によれば、ラックがラック2の軸に従って壁10の第1の部分10’の内部チャネル9の内側に挿入されると、ラックはピニオン3に押し付けられて保持され、機構の動作に続いて現れる可能性がある摩耗は、少なくとも1つの減衰手段 4、4’、4”の減衰要素によって補償される。
【0087】
ガイドベアリング1の軸の周りで、ステアリングシステムのステアリングケーシング14に対するガイドベアリング1の角度位置を明確にするように、ガイドベアリング1は角度インデックス要素12を備えることができ、前記インデックス要素12は、ステアリングケーシング14の補完的な要素13と協働するように構成される。
【0088】
例えば、角度インデックス要素12は、本発明に係るガイドベアリングの2つの異なる実施形態にそれぞれ対応する
図1、
図16及び
図13に示されるように、ガイドベアリングの壁10の外面で突出する突起である。
【0089】
ケーシング14内でのガイドベアリング1の適切な保持を確実にするために、壁10の外面にクリップ要素21を配置することができ、クリップ要素21はステアリングケーシング14の他の補完的な要素、例えば、ステアリングケーシング内に機械加工された溝と協働して、ステアリングケーシング14内でガイドベアリングを保持するように構成される。この実施形態は、特に
図1及び
図16に示されている。
【0090】
特に
図6及び
図8~
図12に示す別の実施形態によれば、ガイドベアリング1は、ガイドベアリング1の内部チャネル9上に開口するスロット6を備え、前記スロット6はガイドベアリング1の延びる方向に従って壁10を横断し、前記スロット6は壁10の外面に及ぼされる圧力の影響によって壁10の弾性変形を可能にするように構成され、弾性変形は、ガイドベアリング1の軸を横断する平面における壁の一部分を狭める結果をもたらす。
【0091】
これらの構成によれば、ガイドベアリングのステアリングケーシングへの挿入が容易になる。
【0092】
さらに、壁10の外面に配置され、ステアリングケーシングの補完的な要素と協働するように構成されたクリップ要素21は、壁10の外面に加えられる圧力によって得られる弾性変形の付勢効果によって、ステアリングケーシング14内にクリップ留めされるガイドベアリング1を保持するのに寄与する。
【0093】
これらの構成によれば、ガイドベアリングは、ステアリングケーシング内でクリップ留めされている。
【0094】
一実施形態によれば、ガイドベアリングは壁10の管状の壁、特に第2の部分10”を軟化させるために、壁の外面に形成された少なくとも1つの溝7を備える。
【0095】
一実施形態によれば、少なくとも1つの溝7は、ガイドベアリングの内部チャネル9及び/又は他の内部チャネル9’に開口するスロットである。
【0096】
これらの構成によれば、スロットからなる溝7はガイドベアリングの構造に柔らかさを与え、この柔らかさはガイドベアリングの摩耗関連のすき間を減らすことを可能にする。
【0097】
一実施形態によれば、少なくとも1つの溝7は、壁10の少なくとも1つの部分10’、10”の外面の2つの余分に厚い部分5’の間に形成される。
【0098】
これらの構成によれば、ガイドベアリングの変形のある程度の自由を妨げることによって、少なくとも1つの減衰方向を制御することが可能である。
【0099】
さらに、ピニオン3がラック2の歯部と噛み合うときに、ピニオン3の反対側に柔らかいガイドベアリング1の中央部分を形成するために、ガイドベアリング1は、
図14及び
図15にさらに詳細に示される実施形態によれば、ガイドベアリング1の壁10の中央部分の少なくとも1つのアレンジメント7’を備え、前記中央部分は、ガイドベアリング1の壁10の第2の部分10”の内面に対応する壁10の一部に配置される。したがって、この中央部分は、ラック2の歯部と噛み合うピニオン3に対向して配置される。
【0100】
図14に示される実施形態によれば、アレンジメントは、壁の中央部分の周りにスロットを備える。
【0101】
図15に示される実施形態によれば、アレンジメントは、壁の中央部分の所定の厚さを含む。
【0102】
軸方向ボールジョイントケースとステアリングケーシングとの金属接触を回避するために、ガイドベアリング1は、特に
図6、
図8~
図12、
図14、及び
図15に示される実施形態によれば、ストロークリミッタ16を備え、ストロークリミッタ16は、ラック2がガイドベアリング1に挿入されるときに、ラック2のストロークを制限するように構成される。
【0103】
例えば、ストロークリミッタ16は、ガイドベアリング1の第1の端部18に一体化されている。
【0104】
特に、
図1、
図7及び
図11は、ストロークリミッタ16を備えていないガイドベアリング1の実施形態を示している。
【0105】
本発明に係るガイドベアリング1の壁10の第1の部分10’及び壁10の第2の部分10”は別個であり、組み立てられるように構成されてもよい。
【0106】
例えば、
図2a及び
図2bに示されるように、壁10の第1の部分10’及び第2の部分10”は、第1の部分を第2の部分でクリップ留めすることによって組み立てられるように構成され得る。
【0107】
別の実施形態によれば、壁10の第1の部分10’及び第2の部分10”は、第1の部分と第2の部分との間の超音波溶接によって組み立てられるように構成されてもよい。
【0108】
別の実施形態によれば、第1の部分及び第2の部分は、第1の部分を射出成形金型のキャビティの凹部内に配置し、第2の部分を射出成形金型内の射出によってオーバーモールドすることによって組み立てられる。
【0109】
特に、ベアリングの2つの部分は、2つの異なるプラスチック材料から作製されてもよく、特に、これらの材料は、炭素繊維タイプの補強材を含んでもよく、それで、2つの部分の各々は、異なる耐摩耗性を有することができる。
【外国語明細書】