(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022190726
(43)【公開日】2022-12-27
(54)【発明の名称】便器用清掃用具
(51)【国際特許分類】
A47K 11/10 20060101AFI20221220BHJP
【FI】
A47K11/10
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021099109
(22)【出願日】2021-06-15
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-09-08
(71)【出願人】
【識別番号】599118920
【氏名又は名称】常裕パルプ工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100142217
【弁理士】
【氏名又は名称】小笠原 宜紀
(74)【代理人】
【識別番号】100119367
【弁理士】
【氏名又は名称】松島 理
(72)【発明者】
【氏名】井川 達也
(72)【発明者】
【氏名】高橋 志津奈
【テーマコード(参考)】
2D036
【Fターム(参考)】
2D036DA19
(57)【要約】
【課題】便器内に付着した汚物を取り除くために十分な強度を持ち、且つ、全体を使い捨て可能な便器用清掃用具を提供する。
【解決手段】一枚の略矩形状で水解性の紙11からなり、便器内に付着した汚物を取り除くための便器用清掃用具であって、紙11は、紙11の一辺と略平行な折り線であって、該紙を略等間隔で区分する一又は複数の第一折線111と、第一折線111によって区画されてなる折り片である複数の第一折片112と、複数の第一折片112が積層され、長辺が第一折線111と略平行な略矩形板状となるよう、紙11が前記複数の第一折線111に基づいて折り畳まれた後、長辺と略平行に、且つ、短辺を略二分するように設けられ、便器用清掃用具の断面が略L字状になるよう折り曲げるための基準として使用される折り線である第二折線113とを有し、紙11の坪量と、第一折片112の数との積が200~500g/m
2となるよう構成する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一枚の略矩形状で水解性の紙からなり、便器内に付着した汚物を取り除くための便器用清掃用具であって、
前記紙は、
該紙の一辺と略平行な折り線であって、該紙を略等間隔で区分する一又は複数の第一折線と、
前記第一折線によって区画されてなる折り片である複数の第一折片と、
前記複数の第一折片が積層され、長辺が第一折線と略平行な略矩形板状となるよう、前記紙が前記複数の第一折線に基づいて折り畳まれた後、長辺と略平行に、且つ、短辺を略二分するように設けられ、便器用清掃用具の断面が略L字状になるよう折り曲げるための基準として使用される折り線である第二折線と
を有し、
前記紙の坪量と、前記第一折片の数との積が200~500g/m2となる便器用清掃用具。
【請求項2】
請求項1に記載の便器用清掃用具であって、
前記紙が複数の前記第一折線を有し、
前記複数の第一折線が、前記紙の第一折線と平行な一辺と配置が近い折線から順に前記紙を折り畳むための基準として使用される便器用清掃用具。
【請求項3】
請求項1に記載の便器用清掃用具であって、
前記紙が、4以上の2のべき乗の数の第一折片を有し、
前記複数の第一折線のうち、前記紙の中央に配される折線に基づいて前記紙が折り畳まれ、
前記第一折線に基づいて一又は複数回折り畳まれた紙において、前記複数の第一折線のうち、中央に配される折線に基づいて前記紙が折り畳まれてなる便器用清掃用具。
【請求項4】
請求項1に記載の便器用清掃用具であって、
前記紙が、2のべき乗の数を除く偶数の第一折片を有し、
前記複数の第一折線のうち、前記紙の中央に配される折線に基づいて前記紙が折り畳まれ、
前記第一折線に基づいて一又は複数回折り畳まれた紙において、前記複数の第一折線のうち、中央に配される折線に基づいて前記紙が折り畳まれ、
前記第一折線に基づいて一又は複数回折り畳まれた紙において、前記複数の第一折線が、前記紙の第一折線と平行な一辺と配置が近い折線から順に前記紙を折り畳むための基準として使用される便器用清掃用具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、便器内に付着した汚物を取り除くための便器用清掃用具に関する。
【背景技術】
【0002】
水洗式の便器は、使用後に水を流すことにより、その水勢により、汚物を洗浄して衛生的に処分するための機能を有している。しかしながら、便器は、経年劣化により汚物が付着しやすい状態になり、使用後に水を流したとしても、汚物が付着したままになることがある。このような場合、従来は、いわゆるトイレブラシ(使用者が保持するための柄と、ナイロン等の合成樹脂からなり、柄の先端に設けられるブラシ本体とからなる便器用清掃用具)を用いて便器の汚物の付着箇所を擦ることで汚物を除去していた。しかしながらトイレブラシは繰り返し使用されるものであるため、トイレブラシや該トイレブラシを収納するためのケース等が不衛生となるという問題があった。
【0003】
このような問題に対して、例えば、特許文献1には、使用者が保持するための柄(取っ手)と、該取っ手の先端に着脱自在に取り付けられるブラシ本体(ブラシヘッド)とからなる便器用清掃用具の技術が開示されている。この技術によれば、ブラシ本体は、水解性の材料からなり、使用後は便器内に破棄し、水に流して処分することができるので、従来のトイレブラシに比べて衛生的である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示された便器用清掃用具であっても、柄は繰り返し使用される。柄は、ブラシ本体と異なり便器に直接接触して汚れることはないものの、間接的に汚れる(例えば、清掃中に、便器内の水滴や封水が跳ねて付着する)ことがあり、完全に衛生的とはいえない。
【0006】
本発明は、従来のこのような事情に鑑みてなされたものである。本発明の目的の一は、便器内に付着した汚物を取り除くために十分な強度を持ち、且つ、全体を使い捨て可能な便器用清掃用具を提供することにある。
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
【0007】
本発明の第1の側面に係る便器用清掃用具は、一枚の略矩形状で水解性の紙からなり、便器内に付着した汚物を取り除くための便器用清掃用具であって、前記紙は、該紙の一辺と略平行な折り線であって、該紙を略等間隔で区分する一又は複数の第一折線と、前記第一折線によって区画されてなる折り片である複数の第一折片と、前記複数の第一折片が積層され、長辺が第一折線と略平行な略矩形板状となるよう、前記紙が前記複数の第一折線に基づいて折り畳まれた後、長辺と略平行に、且つ、短辺を略二分するように設けられ、便器用清掃用具の断面が略L字状になるよう折り曲げるための基準として使用される折り線である第二折線とを有し、前記紙の坪量と、前記第一折片の数との積が200~500g/m2となるよう構成できる。
【0008】
また、本発明の第2の側面に係る便器用清掃用具は、前記紙が複数の前記第一折線を有し、前記複数の第一折線を、前記紙の第一折線と平行な一辺と配置が近い折線から順に前記紙を折り畳むための基準として使用できる。
【0009】
前記構成によれば、便器内に付着した汚物を取り除くために十分な強度を持ち、使用後は、便器内に破棄し、水に流して処分(使い捨て)できるので衛生的である。また、一枚の紙を折り畳んでなるため、低廉に製造可能である。
【0010】
さらにまた、本発明の第3の側面に係る便器用清掃用具は、前記紙が、4以上の2のべき乗の数の第一折片を有し、前記複数の第一折線のうち、前記紙の中央に配される折線に基づいて前記紙を折り畳み、前記第一折線に基づいて一又は複数回折り畳まれた紙において、前記複数の第一折線のうち、中央に配される折線に基づいて前記紙を折り畳むことで製造可能である。前記構成によれば、例えば、8つの第一折片を有する便器用清掃用具を製造する場合、紙を3回折り畳むことで製造可能であり(第一折線毎に折り畳む場合は、紙を7回折り畳む必要がある。)、生産速度を上げることができる。
【0011】
さらにまた、本発明の第4の側面に係る便器用清掃用具は、前記紙が、2のべき乗の数を除く偶数の第一折片を有し、前記複数の第一折線のうち、前記紙の中央に配される折線に基づいて前記紙を折り畳み、前記第一折線に基づいて一又は複数回折り畳まれた紙において、前記複数の第一折線のうち、中央に配される折線に基づいて前記紙を折り畳み、前記第一折線に基づいて一又は複数回折り畳まれた紙において、前記複数の第一折線が、前記紙の第一折線と平行な一辺と配置が近い折線から順に前記紙を折り畳むための基準として使用できる。前記構成によれば、例えば、12つの第一折片を有する便器用清掃用具を製造する場合、紙を4回折り畳むことで製造可能であり(第一折線毎に折り畳む場合は、紙を11回折り畳む必要がある。)、生産速度を上げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明を適用した便器用清掃用具の模式図である。
【
図2】本発明を適用した便器用清掃用具の使用方法の説明図である。
【
図3】本発明を適用した便器用清掃用具の使用方法の説明図である。
【
図4】便器用清掃用具の材料である紙の模式図である。
【
図8】便器用清掃用具の強度に係る実験に用いる実験装置の模式図である。
【
図9】便器用清掃用具の強度に係る実験の実験結果をまとめたグラフである。
【
図10】便器用清掃用具の水解性に係る実験の実験結果をまとめたグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施の形態は、本発明の技術思想を具体化するための例示であって、本発明はそれらを以下のものに特定しない。また、本明細書は特許請求の範囲に示される部材を、実施の形態の部材に特定するものでは決してない。特に実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。なお、各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。さらに以下の説明において、同一の名称、符号については同一もしくは同質の部材を示しており、詳細説明を適宜省略する。さらに、本発明を構成する各要素は、複数の要素を同一の部材で構成して一の部材で複数の要素を兼用する態様としてもよいし、逆に一の部材の機能を複数の部材で分担して実現することもできる。
[便器用清掃用具1]
【0014】
本発明の一実施の形態に係る便器用清掃用具1について、
図1~
図10に基づいて説明する。
【0015】
便器用清掃用具1は、
図1に示すように、矩形板状の部材を断面が略L字状になるよう折り曲げたような形状をした清掃用具であり、一枚の紙11を折り畳んで形成される。使用者は、例えば、
図2や
図3に示すように、便器用清掃用具1を把持し、便器の汚物の付着箇所を擦ることで、汚物を除去することができる。
〈紙11〉
【0016】
ここで紙11とは、便器用清掃用具1の材料となる一方の対向する二辺が約125mm、他方の対向する二辺が例えば約128mmの長方形状の紙である。紙11は、水解性の紙であるため、便器用清掃用具1は、使用後に、便器内に破棄し、水に流して処分(使い捨て)でき、衛生的である。
《第一折線111及び第一折片112》
【0017】
紙11には、
図4に示すように、折り線である第一折線111が約16mmの間隔で複数配されている。すなわち、第一折線111によって区画されてなる折り片である第一折片112は、長辺が約125mmで短辺が約16mmの長方形状であり、紙11は、第一折線111数よりも1つ多い第一折片112を有することとなる。紙11は、
図5~
図7に示すように、複数の第一折片112が積層されるように複数の第一折線111(
図5~
図7における111a~111k)に基づいて折り畳まれる(折り畳み方法については後述する。)。これにより、紙11は、長辺が第一折線111と略平行な略矩形板状となる。
【0018】
なお、紙11や第一折片112の大きさ、第一折線111の間隔等は前述のものに限定されない。例えば、第一折線111は、前述のとおり、紙11を折り畳むための基準として用いられる折り線であるが、折り畳み方法によっては、紙11の厚みによって、等間隔に配することができない。このような場合は、紙11の厚さを加味して、第一折線111間毎に間隔を変えた態様が好ましい。
《第二折線113》
【0019】
また、紙11は、複数の第一折線111に基づいて折り畳まれ、略矩形板状となった後に、長辺と略平行に、且つ、短辺を略二分するように設けられ、便器用清掃用具1の断面が略L字状になるよう折り曲げるための基準として使用される折り線である第二折線113を有している。すなわち、第二折線113は、
図4に示すように、紙11を広げた状態において、各第一折片112の中央に、1つずつ配される。
〈紙11の坪量と第一折片112の数との関係〉
【0020】
本発明に係る便器用清掃用具1は、紙11の坪量と第一折片112の数との積(以下、「評価指数」という。)が200~500g/m2となる範囲において、紙11の坪量と、第一折片112の数を選択できる。これにより、便器用清掃用具1は、便器内に付着した汚物を取り除くために十分な強度を持ち、且つ、全体を使い捨て可能な清掃用具を実現できる。
【0021】
この理由について、以下の2つの実験結果に基づいて説明する。
《便器用清掃用具1の強度に係る実験》
【0022】
1つ目の実験は、便器用清掃用具1の強度に係る実験(以下、「強度実験」という。)である。
【0023】
強度実験では、
図8に示す、把持部21、接触板22、重り用皿23及びデジタルスケール24からなる実験装置2を用いて便器用清掃用具1の耐荷重[g]を測定する。具体的には、便器用清掃用具1と接触板22とが接触するよう把持部21に便器用清掃用具1を固定した状態(このタイミングで、デジタルスケール24の表示を0に設定する。)から、重り用皿23に乗せる重りを増やすことで、便器用清掃用具1への荷重を徐々に増やし、便器用清掃用具1が折れるタイミングでのデジタルスケール24の表示を測定する。また、強度実験では、坪量が40m
2、50g/m
2、60g/m
2、70g/m
2、80g/m
2及び90g/m
2の紙11を用いて、それぞれの第一折片112の数を変化させながら測定する。なお、接触板22は、便器用清掃用具1の使用態様(
図3及び
図4を参照されたい。)を考慮して、便器用清掃用具1と45°の角度で接触するようデジタルスケール24上に設けられる。
【0024】
図9は強度実験の結果をグラフにまとめたものであり、このグラフから、便器用清掃用具1は評価指数が大きくなるほど耐荷重が大きくなるという特性を有することが分かる。
【0025】
また、同条件の便器用清掃用具1の各々を実際に使用したところ、耐荷重が約30g以上(評価指数が200g/m2以上)の便器用清掃用具1は、便器内に付着した汚物を取り除く際に、最後まで強度を維持することができることが分かった。
【0026】
以上のことから、本発明に係る便器用清掃用具1は、評価指数が200g/m2以上であれば、便器内に付着した汚物を取り除くために十分な強度を有することができる。
《便器用清掃用具1の水解性に係る実験》
【0027】
2つ目の実験は、便器用清掃用具1の水解性に係る実験(以下、「水解性実験」という。)である。
【0028】
水解性実験では、マグネチックスターラー(磁力を利用して攪拌子を回転させ、液体を攪拌する装置)を用いて便器用清掃用具1が水解するまでの時間[秒]を測定する。具体的には、水300ml(水温20±5℃)を入れた300mlのビーカーをマグネチックスターラーに載せ、回転子(直径35mm、厚さ12mmの円盤状のもの。)の回転数を600±10rpmになるように調整する。その中に、長辺が約50mmになるよう切断した便器用清掃用具1(便宜上、便器用清掃用具1がビーカー内に収まるよう長さを調整した。)を投入し、計測を開始する。回転子の回転数は便器用清掃用具1を投入したことによって抵抗が生じ、500rpm程度まで低下するが、便器用清掃用具1が水解するに伴って抵抗が弱まり、回転数は上昇する。水解性実験では、回転子の回転数が540rpmに回復するまで(便宜上、回転子の回転数が540rpmに回復したタイミングで便器用清掃用具1が完全に水解したものとする。)の時間を測定する。また、水解性では、坪量が40m2、50g/m2、60g/m2、70g/m2、80g/m2及び90g/m2の紙11を用いて、それぞれの第一折片112の数を変化させながら測定する。
【0029】
図10は水解性実験の結果をグラフにまとめたものであり、このグラフから、便器用清掃用具1は評価指数が小さくなるほど水解するまでの時間が短くなるという特性を有することが分かる。
【0030】
また、同条件の便器用清掃用具1を便器内に破棄し、水に流して処分する場合、便器用清掃用具1が60秒以内に水解する(評価指数が500g/m2以下)ものであれば、該便器用清掃用具1が便器詰まりの原因にならない。
【0031】
以上のことから、本発明に係る便器用清掃用具1は、評価指数が500g/m2以下であれば、全体を使い捨てることができる。
[便器用清掃用具1の製造方法]
【0032】
本発明に係る便器用清掃用具1は、紙11を、第一折線111に基づいて折り畳んだ後、第二折線113に基づいて折り曲げることで容易に製造可能である。第一折線111に基づいた紙11の折り畳み方法については特に限定されないが、以下では、代表的な方法について説明する。
〈折り畳み方法1:端から順に折り畳む方法〉
【0033】
1つ目の折り畳み方法(以下、「折り畳み方法1」という。)は、紙11の端(第一折線と平行な辺の内、いずれか一方)から順に、第一折線111に基づいて紙11を折り畳む方法である。
【0034】
例えば、
図5に示すように、7つの第一折線111a~111gを有する紙11であれば、〔1〕第一折線111a、〔2〕第一折線111b、〔3〕第一折線111c、…、〔7〕第一折線111gの順で紙11を7回折り畳む。
〈折り畳み方法2:折り畳み回数を省略する方法〉
【0035】
2つ目の折り畳み方法(以下、「折り畳み方法2」という。)は、紙11の中央から優先的に、第一折線111に基づいて紙11を折り畳む方法である。この方法は、紙11が偶数の第一折片112を有する場合に使用可能な方法である。
【0036】
例えば、
図6に示すように、8つの第一折片112を有し、7つの第一折線111a~111gを有する紙11であれば、〔1〕第一折線111d、〔2〕第一折線111b(及び第一折線111f)、〔3〕第一折線111c(及び第一折線111a、111e、111g)の順で紙11を3回折り畳む。
【0037】
また、例えば、
図7に示すように、12つの第一折片112を有し、11つの第一折線111a~111kを有する紙11であれば、〔1〕第一折線111f、〔2〕第一折線111c(及び第一折線111i)、〔3〕第一折線111d(及び第一折線111b、111h、111j)、〔4〕第一折線111e(及び第一折線111a、111g、111k)の順で紙11を4回折り畳む。
【0038】
すなわち、折り畳み方法2は、2回目以降の折り畳みにおいて、複数の第一折線111を同時に折り畳む方法である。これにより、折り畳み方法1であれば第一折線111の数と同じだけ紙11を折り畳む必要があるところ、折り畳み方法2は折り畳み回数を減らすことができ、生産速度を上げることができる。なお、
図6における折り畳み方法2と
図7における折り畳み方法2との違いは、
図7における折り畳み方法2が、折り畳み方法1の方法を一部に含み、折り畳み方法1の方法と組み合わせている点にある。この組み合わせるタイミングは
図7の場合に限定されず、例えば、第一折片112の数が奇数であるときに、折り畳み方法1を最初に1回適用し、折片の数を偶数にしてから折り畳み方法2を適用するようにしてもよい。
【0039】
以上説明したように、本発明に係る便器用清掃用具1は、評価指数が200~500g/m2となるよう構成することにより、便器内に付着した汚物を取り除くために十分な強度を持ち、且つ、全体を使い捨て可能な清掃用具を実現できる。また、一枚の紙11を折り畳むことで製造できるため、容易に、且つ、低廉に製造することができる。
【符号の説明】
【0040】
1…便器用清掃用具
11…紙
111、111a~111k…第一折線
112…第一折片
113…第二折線
2…実験装置
21…把持部
22…接触板
23…重り用皿
24…デジタルスケール