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特開2022-190738弾性波デバイスパッケージ、および弾性波デバイスを含むモジュール
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022190738
(43)【公開日】2022-12-27
(54)【発明の名称】弾性波デバイスパッケージ、および弾性波デバイスを含むモジュール
(51)【国際特許分類】
   H03H 9/25 20060101AFI20221220BHJP
【FI】
H03H9/25 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021099133
(22)【出願日】2021-06-15
(71)【出願人】
【識別番号】518453730
【氏名又は名称】三安ジャパンテクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098202
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 信彦
(72)【発明者】
【氏名】門川 裕
(72)【発明者】
【氏名】中村 博文
(72)【発明者】
【氏名】熊谷 浩一
【テーマコード(参考)】
5J097
【Fターム(参考)】
5J097AA29
5J097BB11
5J097EE08
5J097FF04
5J097HA04
5J097JJ06
5J097JJ09
5J097KK10
(57)【要約】
【課題】弾性波デバイスパッケージ1、および、モジュール2の厚さを、合理的に減少できるようにする。
【解決手段】弾性波デバイス3の実装側4aの面4dを平坦にすると共に、前記実装側4aと反対の側に外部接続端子4cを備えた配線基板4を備える。配線基板4は、少なくとも前記実装側4aにおいて開口4fして前記配線基板4の厚さ方向に続く穴4eと、前記穴4e内に、前記穴4eの前記実装側4aの前記開口4fよりも内方に座面4hを持つように形成されて、前記外部接続端子4cに電気的に接続されるビア配線体4gとを備えてる。前記弾性波デバイス3の前記外部接続用パッド3eに電気的に接続されると共に前記穴4e内において前記ビア配線体4gの前記座面4hに支持・接続されるバンプ7によって、前記圧電基板3cの前記一面と前記配線基板4の実装側4aの面4dとの間に隙間6を形成させるようにしてなる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧電基板の一面側に複数の共振器を備えると共に、前記共振器に電気的に接続された外部接続用パッドとを備えた弾性波デバイスと、
前記弾性波デバイスの実装側には配線パターンなどを持たずこの実装側の面を平坦にすると共に、前記実装側と反対の側に外部接続端子を備えた配線基板とを備えてなり、
前記配線基板は、少なくとも前記実装側において開口して前記配線基板の厚さ方向に続く穴と、
前記穴内に、前記穴の前記実装側の前記開口よりも内方に座面を持つように形成されて、前記外部接続端子に電気的に接続されるビア配線体とを備えており、
前記弾性波デバイスの前記外部接続用パッドに電気的に接続されると共に前記穴内において前記ビア配線体の前記座面に支持・接続されるバンプによって、前記圧電基板の前記一面と前記配線基板の実装側の面との間に隙間を形成させるようにしてなる、弾性波デバイスパッケージ。
【請求項2】
前記バンプを前記穴の前記開口の縁部にも接触する大きさに形成してなる、請求項1に記載の弾性波デバイスパッケージ。
【請求項3】
前記穴の前記配線基板の厚さ方向に直交する方向の断面輪郭形状が長円状となるようにしてなる、請求項1又は請求項2に記載の弾性波デバイスパッケージ。
【請求項4】
前記ビア配線体の前記配線基板の厚さ方向の寸法を、この方向での前記穴の長さの半分以上の寸法とさせてなる、請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の弾性波デバイスパッケージ。
【請求項5】
圧電基板の一面側に複数の共振器を備えると共に、前記共振器に電気的に接続された外部接続用パッドとを備えた、一つ以上の弾性波デバイスと、
前記弾性波デバイスの実装側には配線パターンなどを持たずこの実装側の面を平坦にすると共に、前記実装側と反対の側に外部接続端子を備えた配線基板とを備えてなり、
前記配線基板は、少なくとも前記実装側において開口して前記配線基板の厚さ方向に続く穴と、
前記穴内に、前記穴の前記実装側の前記開口よりも内方に座面を持つように形成されて、前記外部接続端子に電気的に接続されるビア配線体とを備えており、
前記弾性波デバイスの前記外部接続用パッドに電気的に接続されると共に前記穴内において前記ビア配線体の前記座面に支持・接続されるバンプによって、前記圧電基板の前記一面と前記配線基板の実装側の面との間に隙間を形成させるようにしてなる、弾性波デバイスを含むモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、弾性波デバイスパッケージ、および、弾性波デバイスを含むモジュールの改良に関する。
【背景技術】
【0002】
弾性波デバイスパッケージは、モバイル通信機器などにおいて周波数フィルタなどとして使用されている。弾性波デバイスパッケージは、タンタル酸リチウムやニオブ酸リチウムなどの圧電基板100a上に櫛形電極を形成してなる弾性波デバイス100と、これを実装する配線基板200とを持つ。図9に示されるように、かかる実装は、弾性波デバイス100側に形成されたバンプ300を、配線基板200におけるの弾性波デバイスと100の実装側に形成されたパッド200aに溶着することでなされている。図9中、符号100bは弾性波デバイス側のパッド、符号200bは配線基板200側に形成されたパッド200aに接続された配線パターン、符号200cは配線基板200に形成された貫通穴、符号200dはビア配線、符号200eは外部接続端子である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
この発明が解決しようとする主たる問題点は、この種の弾性波デバイスパッケージ、および、一つ以上の弾性波デバイスを含んで構成されるモジュールの厚さを、合理的に減少できるようにする点にある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
前記課題を達成するために、この発明にあっては、第一の観点から、弾性波デバイスパッケージを、圧電基板の一面側に複数の共振器を備えると共に、前記共振器に電気的に接続された外部接続用パッドとを備えた弾性波デバイスと、
前記弾性波デバイスの実装側には配線パターンなどを持たずこの実装側の面を平坦にすると共に、前記実装側と反対の側に外部接続端子を備えた配線基板とを備えてなり、
前記配線基板は、少なくとも前記実装側において開口して前記配線基板の厚さ方向に続く穴と、
前記穴内に、前記穴の前記実装側の前記開口よりも内方に座面を持つように形成されて、前記外部接続端子に電気的に接続されるビア配線体とを備えており、
前記弾性波デバイスの前記外部接続用パッドに電気的に接続されると共に前記穴内において前記ビア配線体の前記座面に支持・接続されるバンプによって、前記圧電基板の前記一面と前記配線基板の実装側の面との間に隙間を形成させるようにしてなる、ものとした。
【0005】
かかる弾性波デバイスパッケージにあっては、配線基板の穴内で配線基板側と弾性波デバイス側とを接続させることから、前記隙間を確保しながら、弾性波デバイスパッケージの厚さを合理的に減少させることができる。また、配線基板における弾性波デバイスの実装側に配線パターンを形成させるようにした場合はこれが適切に形成できなかったときには弾性波デバイスの一面とこの配線パターンとを予期せず接触させてしまう可能性があるが、この発明にかかる弾性波デバイスパッケージにあっては、配線基板の弾性波デバイスの実装側には配線パターンがなく、この実装側の面は平坦に構成されることから、このような接触の可能性がなく製造時の歩留まりが高まる。
【0006】
前記バンプを前記穴の前記開口の縁部にも接触する大きさに形成しておくことが、この発明の態様の一つとされる。
【0007】
また、前記穴の前記配線基板の厚さ方向に直交する方向の断面輪郭形状を長円状となるようにしておくことが、この発明の態様の一つとされる。
【0008】
また、前記ビア配線体の前記配線基板の厚さ方向の寸法を、この方向での前記穴の長さの半分以上の寸法とさせることが、この発明の態様の一つとされる。
【0009】
また、前記課題を達成するために、この発明にあっては、第二の観点から、弾性波デバイスを含むモジュールを、圧電基板の一面側に複数の共振器を備えると共に、前記共振器に電気的に接続された外部接続用パッドとを備えた、一つ以上の弾性波デバイスと、
前記弾性波デバイスの実装側には配線パターンなどを持たずこの実装側の面を平坦にすると共に、前記実装側と反対の側に外部接続端子を備えた配線基板とを備えてなり、
前記配線基板は、少なくとも前記実装側において開口して前記配線基板の厚さ方向に続く穴と、
前記穴内に、前記穴の前記実装側の前記開口よりも内方に座面を持つように形成されて、前記外部接続端子に電気的に接続されるビア配線体とを備えており、
前記弾性波デバイスの前記外部接続用パッドに電気的に接続されると共に前記穴内において前記ビア配線体の前記座面に支持・接続されるバンプによって、前記圧電基板の前記一面と前記配線基板の実装側の面との間に隙間を形成させるようにしてなる、ものとした。
【発明の効果】
【0010】
この発明によれば、この種の弾性波デバイスパッケージ、および、一つ以上の弾性波デバイスを含んで構成されるモジュールの厚さを、合理的に減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、この発明の一実施の形態にかかる弾性波デバイスパッケージ(第一例)の断面構成図である。
図2図2は、前記第一例を構成する弾性波デバイスを共振器の形成側(図1の下側)から見て示した構成図である。
図3図3は、図1の要部を拡大して示した断面構成図である。
図4図4は、前記第一例を構成するバンプと穴との関係を、弾性波デバイスの側から配線基板の実装側を見て、且つ、バンプを断面にして示した要部構成図である。
図5図5は、この発明の一実施の形態にかかる弾性波デバイスパッケージ(第二例)の要部断面構成図である。
図6図6は、前記第一例を構成する配線基板の穴を長円状とした第三例をを、弾性波デバイスの側から配線基板の実装側を見て、且つ、バンプを断面にして示した要部構成図である。
図7図7は、この発明の一実施の形態にかかる弾性波デバイスパッケージ(第四例)の要部断面構成図である。
図8図8は、この発明の一実施の形態にかかるモジュールの断面構成図である。
図9図9は、従来の弾性波デバイスパッケージの要部断面構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図1図8に基づいて、この発明の一実施の形態にかかる弾性波デバイスパッケージ1、および、弾性波デバイス3を含むモジュール2について、説明する。
【0013】
図1図7は弾性波デバイスパッケージ1を示している。図8は弾性波デバイス3を含むモジュール2を示している。
【0014】
弾性波デバイスパッケージ1は、弾性波デバイス3(SAW-chip)と、配線基板4(Substrate)と、外装樹脂5(Exterior resin)とを備える。従来例を示す図9中、符号xで示す厚さは、例えば、275μm~280μm程度に構成されるが、後述の第一例では、図9に示される従来例と実質的に同一の構成を備えながら、前記厚さxを従来例よりも少なくとも10μm小さい265μm程度に合理的に減少させることが可能となる。
【0015】
図示の例では、弾性波デバイスパッケージ1は、弾性波デバイス3の共振器の形成側3aと配線基板4の実装側4aとの間に隙間6を形成させた状態で、配線基板4に弾性波デバイス3を実装すると共に、前記外装樹脂5によって前記隙間6を封止した構成となっている。弾性波デバイス3の外縁3bは配線基板4の外縁4bよりも中央側に位置し、外装樹脂5は弾性波デバイス3の共振器の形成側3aと反対の側を覆ってその外縁3bから垂下して配線基板4に至るように形成されている。
【0016】
弾性波デバイス3を含むモジュール2は、一つの配線基板4に少なくとも一つの弾性波デバイス3を実装すると共に、必要に応じてICなどの弾性波デバイス3以外の素子を実装してなるものである。図示の例では、弾性波デバイス3を含むモジュール2は、一つの配線基板4に二つの弾性波デバイス3を実装させると共に、この実装側4aに外装樹脂5を形成させたものとなっている。
【0017】
弾性波デバイス3は、圧電基板3cの一面3d側に複数の共振器を備えると共に、前記共振器に電気的に接続された外部接続用パッド3eとを備えている。図示の例では、共振器は、櫛形電極3f(IDT)によって構成されている。図示の例では、圧電基板3cの一面3dには、櫛形電極3fを含む電極パターン3gと、外部接続用パッド3eとが形成されている。図面上、櫛形電極3fは簡略化して示している。図示の例では、外部接続用パッド3eは、圧電基板3cの一面3dに形成された導電性の高い金属から構成される円形の領域となっており、圧電基板3cの一面3dに6箇所形成されている。図示の例では、6箇所の外部接続用パッド3eのうちの5箇所に前記電極パターン3gが電気的に接続されている。
【0018】
前記圧電基板3cは、典型的には、サファイア、シリコン、アルミナ、スピネル、水晶またはガラスなどから、あるいはまた、前記圧電基板3cは、これらの二種以上を積層させて、構成される。
【0019】
配線基板4は、前記弾性波デバイス3の実装側4aには配線パターンなどを持たずこの実装側4aの面4dを平坦にすると共に、前記実装側4aと反対の側に図示しないモバイル通信機器などを構成するマザーボードに電気的に接続される外部接続端子4cを備えている。
【0020】
すなわち、この実施の形態にあっては、配線基板4の前記実装側4aの面4dは、仮想の一つの平面に沿った面となっており、突起や隆起部などを持たない形態になっている。
【0021】
また、前記配線基板4は、少なくとも前記実装側4aにおいて開口4fして前記配線基板4の厚さ方向(図1の上下方向)に続く穴4e(Via hole)を備えている。
【0022】
図1図4に示される第一例、図5に示される第二例、および、図6に示される第三例では、前記穴4eは、配線基板4を厚さ方向に貫通する貫通穴となっている。
【0023】
図7に示される第四例では、前記穴4eは、有底穴となっている。
前記穴4eは、弾性波デバイス3の外部接続用パッド3eに対応するように、配線基板4に形成される。図示の例では、配線基板4には、図2に示される電極パターン3gに電気的に接続された5箇所の外部接続用パット3eに対応した少なくとも5箇所の前記穴4eが、形成されることとなる。
【0024】
また、前記穴4e内には、前記穴4eの前記実装側4aの前記開口4fよりも内方に座面4hを持つように形成されて、前記外部接続端子4cに電気的に接続されるビア(Via)配線体4gが備えられている。
【0025】
前記第一例、第二例、および、第三例では、ビア配線体4gは、座面4hと反対の箇所4iを前記穴4eの前記実装側4aと反対の開口4jに至らせており、この箇所4iをもって配線基板4の前記実装側4aと反対の側に形成された配線パターンに電気的に接続され、この配線パターンを介して前記外部接続端子4cに電気的に接続されている。
【0026】
前記第四例にあっては、ビア配線体4gは、有底穴となっている前記穴4eの底において、配線基板4の内部に備えられた平面状の導体4kに電気的に接続され、この平面状の導体4kを介して前記外部接続端子4cに電気的に接続されるようになっている。すなわち、第四例にあっては、配線基板4は、前記平面状の導体4kを含んだ積層基板となっている。
【0027】
ビア配線体4gは、前記配線基板4に形成した前記穴4e内に、導電性の高い金属をメッキによって入り込ませることで、前記穴4e内に前記のように形成させることができる。
【0028】
そして、この実施の形態にあっては、前記弾性波デバイス3の前記外部接続用パッド3eに電気的に接続されると共に前記穴4e内において前記ビア配線体4gの前記座面4hに支持・接続されるバンプ7によって、前記圧電基板3cの前記一面3dと前記配線基板4の実装側4aの面4dとの間に隙間6を形成させるようにしている。
【0029】
バンプ7は、導電性の高い金属から構成される。バンプ7は、弾性波デバイス3の外部接続用パッド3e上に形成される。バンプ7は、典型的には、基部を外部接続用パッド3eに一体化させた半球状をなす。
【0030】
弾性波デバイス3は、バンプ7の頂部7a側を前記穴4e内に入り込ませ、かつ、バンプ7の頂部7aを前記ビア配線体4gの座面4hに接しさせた状態で、バンプ7を座面4hに溶着させることで、配線基板4側に電気的に接続され、かつ、配線基板4上に前記隙間6を開けて支持される。かかる隙間6は、弾性波デバイス3の共振器の機能を確保するために不可欠なものである。
【0031】
すなわち、圧電基板3cの一面3dからのバンプ7の突き出し寸法は、その頂部7aをビア配線体4gの座面4hに溶着させた状態で、圧電基板3cの一面3dと配線基板4の実装側4aの面4dとが接することがない寸法に設定される。
【0032】
図9に示される従来例では、弾性波デバイス100側のバンプ300は配線基板200の弾性波デバイス100の実装側の面に形成された導電性の高い金属からなる配線パターン200bに溶着されていた。これに対し、この実施の形態にかかる弾性波デバイスパッケージ1にあっては、前記のように配線基板4の穴4e内で配線基板4側と弾性波デバイス3側とを接続させることから、前記隙間6を確保しながら、従来例の配線パターン200bの厚さ分、弾性波デバイスパッケージ1の厚さを合理的に減少させることができる。また、従来例においては、前記のような配線パターン200bが適切に構成できなかった場合には弾性波デバイス100の一面とこのような配線パターン200bとが予期せず接触する可能性があるが、この実施の形態にかかる弾性波デバイスパッケージ1にあっては、配線基板4の弾性波デバイス3の実装側4aには配線パターンがなく、この実装側4aの面4dは平坦に構成されることから、このような接触の可能性がなく製造時の歩留まりが高まる。
【0033】
前記第一例にあっては、図4に示されるように、前記穴4eは前記配線基板4の厚さ方向に直交する方向の断面において実質的に円形の輪郭を持っている。また、前記バンプ7は前記圧電基板3cの前記一面3dからの突き出し方向に直交する方向の断面において実質的に円形の輪郭を持っており、かつ、前記穴4eの直径を前記バンプ7の直径よりも小さくしている。そして、第一例では、前記穴4eの開口4fの縁部に前記バンプ7は接しないようにしてある。
【0034】
一方、前記第二例では、図5に示されるように、前記バンプ7を前記穴4eの前記開口4fの縁部にも接触する大きさに形成している。このようにした場合、構成される弾性波デバイスパッケージ1の厚さ方向に作用される力を前記穴4eの前記開口4fの縁部を介して配線基板4側で受けることができると共に、構成される弾性波デバイスパッケージ1の厚さ方向に直交する方向において、弾性波デバイス3と配線基板4との一体性を高めることができる。
【0035】
また、この実施の形態にあっては、前記ビア配線体4gの前記配線基板4の厚さ方向の寸法yを、この方向での前記穴4eの長さzの半分以上の寸法とさせている。
【0036】
また、前記第三例では、前記穴4eの前記配線基板4の厚さ方向に直交する方向の断面輪郭形状が長円状となるようにしている。このようにした場合、前記バンプ7の溶着を超音波溶着とする場合に有利となる。すなわち、前記第三例において、かかる超音波溶着の振動方向を長円状をなす穴4eの長軸方向に沿わせるようにすれば、穴4eの開口4fの縁部にバンプ7が接して前記振動のエネルギーの一部が配線基板4に吸収される事態を可及的に防止することができる。
【0037】
図8に示される弾性波デバイス3を含むモジュール2の構成は、一つの配線基板4に二つの弾性波デバイス3を実装する点を除き、以上に説明した弾性波デバイスパッケージ1の第一例と実質的に同一であるので、その説明は省略する。
【0038】
なお、当然のことながら、本発明は以上に説明した実施態様に限定されるものではなく、本発明の目的を達成し得るすべての実施態様を含むものである。
【符号の説明】
【0039】
1 弾性波デバイスパッケージ
2 モジュール
3 弾性波デバイス
3a 共振器の形成側
3b 外縁
3c 圧電基板
3d 一面
3e 外部接続用パッド
3f 櫛形電極
3g 電極パターン
4 配線基板
4a 実装側
4b 外縁
4c 外部接続端子
4d 実装側の面
4e 穴
4f 開口(実装側)
4g ビア配線体
4h 座面
4i 箇所
4j 開口(実装側と反対の側)
4k 平面状の導体
5 外装樹脂
6 隙間
7 バンプ
7a 頂部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9