(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022190747
(43)【公開日】2022-12-27
(54)【発明の名称】レンズ駆動装置
(51)【国際特許分類】
G02B 7/04 20210101AFI20221220BHJP
G03B 5/00 20210101ALI20221220BHJP
H04N 5/225 20060101ALI20221220BHJP
【FI】
G02B7/04 E
G03B5/00 J
H04N5/225 400
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021099149
(22)【出願日】2021-06-15
(71)【出願人】
【識別番号】000010098
【氏名又は名称】アルプスアルパイン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】村山 丈剛
(72)【発明者】
【氏名】加藤 拓也
【テーマコード(参考)】
2H044
2K005
5C122
【Fターム(参考)】
2H044BE02
2H044BE10
2H044BE18
2K005CA04
2K005CA23
2K005CA40
2K005CA53
5C122DA09
5C122EA01
5C122FB03
5C122GE11
5C122HA82
(57)【要約】
【課題】レンズ体の光軸の傾きを抑制できるレンズ駆動装置を提供すること。
【解決手段】レンズ駆動装置101は、レンズ保持部材7を固定側部材FBに対して移動させる駆動機構DMを備える。駆動機構DMは、磁界発生部材10とヨーク9とを有するとともに支持部材SMによって移動可能に支持された磁性部材MGと、磁界発生部材10に対向するように固定側部材FBに設けられたコイル11とを備え、コイル11への通電によって磁性部材MGが光軸方向へ移動するように構成されている。コイル11は、個別に通電可能な左コイル11Lと右コイル11Rとを含む。レンズ保持部材7は、左磁性部材MGLに固定された左連結部材8Lに第1位置で接続され、且つ、右磁性部材MGRに固定された右連結部材8Rに第2位置で接続される。第1位置と前記第2位置とは、光軸OAを挟んで互いに対向している。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定側部材と、
レンズ体を保持可能なレンズ保持部材と、
前記レンズ保持部材を含む可動側部材と、
前記レンズ保持部材を前記固定側部材に対して少なくとも光軸方向へ移動させる駆動機構と、を備えたレンズ駆動装置において、
前記駆動機構は、光軸を挟んで対向するように配置された第1駆動部と第2駆動部とを含む少なくとも二つの駆動部を有し、
前記第1駆動部は、第1磁界発生部材と第1ヨークとを有するとともに支持部材によって光軸方向へ移動可能に支持された第1磁性部材と、前記第1磁界発生部材に対向するように前記固定側部材に設けられた第1コイルと、を備え、前記第1コイルへの通電によって、前記第1磁性部材が光軸方向へ移動するように構成されており、
前記第2駆動部は、第2磁界発生部材と第2ヨークとを有するとともに前記支持部材によって光軸方向へ移動可能に支持された第2磁性部材と、前記第2磁界発生部材に対向するように前記固定側部材に設けられた第2コイルと、を備え、前記第2コイルへの通電によって、前記第2磁性部材が光軸方向へ移動するように構成されており、
前記第1コイルと前記第2コイルとは個別に通電可能であり、
前記レンズ保持部材は、前記第1磁性部材に固定された第1連結部材に第1位置で接続され、且つ、前記第2磁性部材に固定された第2連結部材に第2位置で接続され、
前記第1位置と前記第2位置とは、光軸を挟んで互いに対向している、
ことを特徴とするレンズ駆動装置。
【請求項2】
前記第1ヨークは、光軸に近い側に位置する第1内板部と、前記第1内板部と対向するように配置され光軸から遠い側に位置する第1外板部と、前記第1内板部と前記第1外板部の光軸方向における一端部同士を繋ぐ第1連結部とを備え、
前記第2ヨークは、光軸に近い側に位置する第2内板部と、前記第2内板部と対向するように配置され光軸から遠い側に位置する第2外板部と、前記第2内板部と前記第2外板部の光軸方向における一端部同士を繋ぐ第2連結部とを備え、
前記第1磁界発生部材は、前記第1内板部の内面に固定されるとともに、前記第1コイルは、前記第1磁界発生部材と前記第1外板部との間に配置されており、
前記第2磁界発生部材は、前記第2内板部の内面に固定されるとともに、前記第2コイルは、前記第2磁界発生部材と前記第2外板部との間に配置されている、
請求項1に記載のレンズ駆動装置。
【請求項3】
前記第1連結部材は、前記第1ヨークの前記第1内板部に固定された弾性変形可能な板状の金属部材であり、
前記第2連結部材は、前記第2ヨークの前記第2内板部に固定された弾性変形可能な板状の金属部材である、
請求項2に記載のレンズ駆動装置。
【請求項4】
前記第1内板部には第1貫通部が形成されており、前記第1貫通部に対向して前記第1連結部材の切断部が位置しているとともに、前記第1磁界発生部材を前記第1内板部に固定する接着剤が前記第1貫通部から露出しており、
前記第2内板部には第2貫通部が形成されており、前記第2貫通部に対向して前記第2連結部材の切断部が位置しているとともに、前記第2磁界発生部材を前記第2内板部に固定する接着剤が前記第2貫通部から露出している、
請求項3に記載のレンズ駆動装置。
【請求項5】
前記第1磁界発生部材は、二つの第1永久磁石で構成されており、二つの前記第1永久磁石のそれぞれの一部が何れも前記第1貫通部に対応して位置しており、
前記第2磁界発生部材は、二つの第2永久磁石で構成されており、二つの前記第2永久磁石のそれぞれの一部が何れも前記第2貫通部に対応して位置している、
請求項4に記載のレンズ駆動装置。
【請求項6】
前記固定側部材は、前記第1磁界発生部材と前記第1外板部との間に配置される第1基板と、前記第2磁界発生部材と前記第2外板部との間に配置される第2基板と、を含み、
前記第1コイルは、光軸方向と直交する方向に延びる第1コイル軸を有する第1巻回部を有するように形成されているとともに、前記第1基板に固定されており、
前記第1磁界発生部材からの磁界を受けて前記第1磁性部材の光軸方向の位置を検出するための第1磁気検出部材が前記第1巻回部内に位置するとともに、前記第1基板に固定されており、
前記第2コイルは、光軸方向と直交する方向に延びる第2コイル軸を有する第2巻回部を有するように形成されているとともに、前記第2基板に固定されており、
前記第2磁界発生部材からの磁界を受けて前記第2磁性部材の光軸方向の位置を検出するための第2磁気検出部材が前記第2巻回部内に位置するとともに、前記第2基板に固定されている、
請求項2乃至請求項5の何れかに記載のレンズ駆動装置。
【請求項7】
前記第1外板部には、前記第1磁気検出部材に対応する部分に開口が形成されており、
前記第2外板部には、前記第2磁気検出部材に対応する部分に開口が形成されている、
請求項6に記載のレンズ駆動装置。
【請求項8】
前記固定側部材は、前記第1駆動部の前記第1コイルを支持し、且つ、前記第2駆動部の前記第2コイルを支持するコイル保持部材を有する、
請求項2乃至請求項7の何れかに記載のレンズ駆動装置。
【請求項9】
前記第1ヨークの前記第1連結部は、前記第1内板部と前記第1外板部の光軸方向における上端部同士を繋ぐ板状部分であり、
前記第2ヨークの前記第2連結部は、前記第2内板部と前記第2外板部の光軸方向における上端部同士を繋ぐ板状部分であり、
前記支持部材は、上側板ばねと下側板ばねを含み、
前記上側板ばねは、前記コイル保持部材の上部と前記第1連結部及び前記第2連結部のそれぞれとの間に設けられ、且つ、
前記下側板ばねは、前記コイル保持部材の下部と前記第1磁界発生部材及び前記第2磁界発生部材のそれぞれとの間に設けられている、
請求項8に記載のレンズ駆動装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、例えばカメラ付き携帯機器等に搭載されるレンズ駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、上側板ばねと下側板ばねとによって光軸方向に移動可能に支持されたレンズホルダを備えるレンズホルダ駆動装置(レンズ駆動装置)が知られている(特許文献1参照。)。
【0003】
このレンズ駆動装置は、駆動コイル、ヨーク、及び永久磁石で構成されたVCM方式の駆動機構により、ベース部材に対してレンズホルダを光軸方向に移動させることができるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述のレンズ駆動装置では、その姿勢によってはレンズホルダが傾いてしまい、レンズ体の光軸が傾いてしまう場合がある。
【0006】
そこで、レンズ体の光軸の傾きを抑制できるレンズ駆動装置を提供することが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態に係るレンズ駆動装置は、固定側部材と、レンズ体を保持可能なレンズ保持部材と、前記レンズ保持部材を含む可動側部材と、前記レンズ保持部材を前記固定側部材に対して少なくとも光軸方向へ移動させる駆動機構と、を備えたレンズ駆動装置であって、前記駆動機構は、光軸を挟んで対向するように配置された第1駆動部と第2駆動部とを含む少なくとも二つの駆動部を有し、前記第1駆動部は、第1磁界発生部材と第1ヨークとを有するとともに支持部材によって光軸方向へ移動可能に支持された第1磁性部材と、前記第1磁界発生部材に対向するように前記固定側部材に設けられた第1コイルと、を備え、前記第1コイルへの通電によって、前記第1磁性部材が光軸方向へ移動するように構成されており、前記第2駆動部は、第2磁界発生部材と第2ヨークとを有するとともに前記支持部材によって光軸方向へ移動可能に支持された第2磁性部材と、前記第2磁界発生部材に対向するように前記固定側部材に設けられた第2コイルと、を備え、前記第2コイルへの通電によって、前記第2磁性部材が光軸方向へ移動するように構成されており、前記第1コイルと前記第2コイルとは個別に通電可能であり、前記レンズ保持部材は、前記第1磁性部材に固定された第1連結部材に第1位置で接続され、且つ、前記第2磁性部材に固定された第2連結部材に第2位置で接続され、前記第1位置と前記第2位置とは、光軸を挟んで互いに対向している。
【発明の効果】
【0008】
上述のレンズ駆動装置は、レンズ体の光軸の傾きを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1B】カバー部材が取り外されたレンズ駆動装置の上方斜視図である。
【
図5A】支持部材が取り付けられた可動側部材の上方斜視図である。
【
図5B】支持部材が取り付けられた可動側部材の下方斜視図である。
【
図6A】可動側部材を支持する支持部材が取り付けられたコイル保持部材の上方斜視図である。
【
図6B】可動側部材を支持する支持部材が取り付けられたコイル保持部材の下方斜視図である。
【
図7A】コイル組立体が取り付けられたコイル保持部材の上方斜視図である。
【
図7B】コイル組立体が取り付けられたコイル保持部材の下方斜視図である。
【
図11A】レンズ駆動装置が初期状態のときの右ヨーク、右磁界発生部材、右コイル、及び右磁気検出部材の右側面図である。
【
図11B】右ヨーク及び右磁界発生部材が下方に移動したときの右ヨーク、右磁界発生部材、右コイル、及び右磁気検出部材の右側面図である。
【
図11C】右ヨーク及び右磁界発生部材が上方に移動したときの右ヨーク、右磁界発生部材、右コイル、及び右磁気検出部材の右側面図である。
【
図12A】レンズ保持部材、連結部材、及びヨークの正面図である。
【
図12B】光軸が傾いているときのレンズ保持部材、連結部材、及びヨークの正面図である。
【
図13A】ベース部材、コイル保持部材、及びヨークの上面図である。
【
図13B】ベース部材、コイル保持部材、及びヨークの上方斜視図である。
【
図14A】被加工材が取り付けられたヨークの斜視図である。
【
図14B】連結部材が取り付けられたヨークの斜視図である。
【
図14C】連結部材及び磁界発生部材が取り付けられたヨークの斜視図である。
【
図14D】連結部材、磁界発生部材、及び接着剤が取り付けられたヨークの斜視図である。
【
図15A】コイル保持部材及びコイルの上面図である。
【
図15B】コイル保持部材及びコイルの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態に係るレンズ駆動装置101について図面を参照して説明する。
図1A及び
図1Bは、レンズ駆動装置101の斜視図である。具体的には、
図1Aは、カバー部材1が取り付けられたレンズ駆動装置101の上方斜視図であり、
図1Bは、カバー部材1が取り外されたレンズ駆動装置101の上方斜視図である。
図2は、レンズ駆動装置101の分解斜視図である。
【0011】
図1Aにおいて、X1は、三次元直交座標系を構成するX軸の一方向を表し、X2は、X軸の他方向を表す。また、Y1は、三次元直交座標系を構成するY軸の一方向を表し、Y2は、Y軸の他方向を表す。同様に、Z1は、三次元直交座標系を構成するZ軸の一方向を表し、Z2は、Z軸の他方向を表す。本実施形態では、光軸OAはZ軸に平行に延びる。そして、レンズ駆動装置101のX1側は、レンズ駆動装置101の前側(正面側)に相当し、レンズ駆動装置101のX2側は、レンズ駆動装置101の後側(背面側)に相当する。また、レンズ駆動装置101のY1側は、レンズ駆動装置101の左側に相当し、レンズ駆動装置101のY2側は、レンズ駆動装置101の右側に相当する。また、レンズ駆動装置101のZ1側は、レンズ駆動装置101の上側に相当し、レンズ駆動装置101のZ2側は、レンズ駆動装置101の下側に相当する。他の図においても同様である。
【0012】
レンズ駆動装置101は、レンズ体(図示せず。)を駆動するための装置である。本実施形態では、レンズ駆動装置101は、駆動機構DMを利用してレンズ体を光軸方向に移動させるように構成されている。光軸方向は、レンズ体に関する光軸OAの方向、及び、光軸OAに平行な方向を含む。
【0013】
駆動機構DMは、
図1Bに示すように、光軸OAを挟んで対向するように配置された第1駆動部としての左駆動部DMLと第2駆動部としての右駆動部DMRとを含む。本実施形態では、左駆動部DMLと右駆動部DMRとは同一形状となるように構成され、且つ、上面視で左右対称となるように配置されている。
【0014】
カバー部材1は、各部材を覆う筐体HSとして機能するように構成されている。本実施形態では、カバー部材1は、ベース部材2とともに筐体HSを構成している。筐体HSは、固定側部材FBの一部である。カバー部材1は、オーステナイト系ステンレス鋼等の非磁性金属で形成された板材に抜き加工及び絞り加工等を施して作製されている。
【0015】
具体的には、カバー部材1は、矩形筒状の外周壁部1Aと、外周壁部1Aの上端(Z1側の端)と連続するように設けられた矩形環状且つ平板状の上板部1Bと、上板部1Bの内縁から上方に延びる円筒壁部1Cと、円筒壁部1Cの上端(Z1側の端)と連続するように設けられた円環板部1Dと、を有する。円環板部1Dの中央には、円形の開口1Kが形成されている。外周壁部1Aは、第1側板部1A1~第4側板部1A4を含む。第1側板部1A1と第3側板部1A3とは互いに対向し、第2側板部1A2と第4側板部1A4とは互いに対向している。そして、第1側板部1A1及び第3側板部1A3は、第2側板部1A2及び第4側板部1A4に対して垂直に延びている。なお、上板部1Bは、平板状に限定されず、凹部或いは凸部を有していてもよい。また、円筒壁部1C及び円環板部1Dは省略されてもよい。
【0016】
次に、
図2を参照し、筐体HS内に収容される各部材について説明する。
図2は、レンズ駆動装置101の分解斜視図である。
【0017】
レンズ駆動装置101は、
図2に示すように、可動側部材MBと、固定側部材FBと、可動側部材MBと固定側部材FBとの間に配置され、固定側部材FBに対して可動側部材MBを光軸方向に移動可能に支持する支持部材SMと、を含む。
【0018】
可動側部材MBは、固定側部材FBに対して移動可能に構成される部材である。
図2に示す例では、可動側部材MBは、レンズ保持部材7、連結部材8、及び磁性部材MGを含む。磁性部材MGは、ヨーク9及び磁界発生部材10を含む。
【0019】
ここで、
図3A及び
図3Bを参照し、可動側部材MBの詳細について説明する。
図3A及び
図3Bは、可動側部材MBの構成例を示す図である。具体的には、
図3Aは可動側部材MBの斜視図であり、
図3Bは可動側部材MBの分解斜視図である。
【0020】
レンズ保持部材7は、レンズ体を保持できるように構成されている。レンズ体は、例えば、少なくとも1枚のレンズを備えた筒状のレンズバレルである。レンズ体は、液体レンズであってもよい。
【0021】
本実施形態では、レンズ保持部材7は、液晶ポリマー(LCP)等の合成樹脂を射出成形することで作製されている。具体的には、レンズ保持部材7は、上面視において内側が円形で外側が八角形の断面を有する筒状部7Pを有する。レンズ体(図示せず。)は、筒状部7P内に嵌め込まれ、筒状部7Pの内周面とレンズ体の外周面との間に配置される接着剤によってレンズ保持部材7に固定される。
【0022】
レンズ保持部材7の上端部には、
図3Aに示すように、筒状部7Pから径方向外側に突出する突出部7Tが形成されている。そして、突出部7Tには、
図3Bに示すように、連結部材8の上端部を受け入れるための貫通孔7Hが形成されている。具体的には、突出部7Tは、左方(Y1方向)に突出する左突出部7TLと右方(Y2方向)に突出する右突出部7TRとを含む。そして、貫通孔7Hは、左突出部7TLに形成された左貫通孔7HLと、右突出部7TRに形成された右貫通孔7HRとを含む。
【0023】
磁性部材MGは、駆動機構DMを構成する部材である。駆動機構DMは、固定側部材FBに対して可動側部材MBを光軸方向に沿って移動させることができるように構成されている。本実施形態では、磁性部材MGは、
図3に示すように、ヨーク9及び磁界発生部材10を含む。具体的には、磁性部材MGは、左駆動部DMLを構成する左磁性部材MGLと、右駆動部DMRを構成する右磁性部材MGRと、を含む。そして、左磁性部材MGLは左ヨーク9L及び左磁界発生部材10Lを含み、右磁性部材MGRは右ヨーク9R及び右磁界発生部材10Rを含む。
【0024】
連結部材8は、レンズ保持部材7と磁性部材MGとを連結するための部材である。
図3に示す例では、連結部材8は、弾性変形可能な板状の金属部材(板ばね)である。具体的には、連結部材8は、左連結部材8L及び右連結部材8Rを含む。左連結部材8Lは、その上端部がレンズ保持部材7の左突出部7TLに形成された左貫通孔7HLに差し込まれ、接着剤AD1によって左突出部7TLに固定されている。同様に、右連結部材8Rは、その上端部がレンズ保持部材7の右突出部7TRに形成された右貫通孔7HRに差し込まれ、接着剤AD1によって右突出部7TRに固定されている。また、左連結部材8Lは、溶接によって左ヨーク9Lに固定され、右連結部材8Rは、溶接によって右ヨーク9Rに固定されている。
図3Bにおける点線で示された図形G8は、ヨーク9に取り付けられたときの連結部材8の位置を示している。具体的には、図形G8は、図形G8L及び図形G8Rを含む。そして、図形G8Lは、左ヨーク9Lに取り付けられたときの左連結部材8Lの位置を示し、図形G8Rは、右ヨーク9Rに取り付けられたときの右連結部材8Rの位置を示す。
【0025】
ヨーク9は、磁界発生部材10とともに磁気回路を構成する部材である。
図3に示す例では、ヨーク9は、鉄等の軟磁性体材料で形成された板材に抜き加工及び曲げ加工等を施して作製されている。
【0026】
具体的には、ヨーク9は、光軸OAに近い側に位置する内板部9iと、内板部9iと対向するように配置され光軸OAから遠い側に位置する外板部9eと、内板部9iの上端部と外板部9eの上端部とを繋ぐ連結部9cとを含む。具体的には、左ヨーク9Lは、光軸OAに近い側に位置する左内板部9iLと、左内板部9iLと対向するように配置され光軸OAから遠い側に位置する左外板部9eLと、左内板部9iLの上端部と左外板部9eLの上端部とを繋ぐ左連結部9cLとを含む。同様に、右ヨーク9Rは、光軸OAに近い側に位置する右内板部9iRと、右内板部9iRと対向するように配置され光軸OAから遠い側に位置する右外板部9eRと、右内板部9iRの上端部と右外板部9eRの上端部とを繋ぐ右連結部9cRとを含む。
【0027】
磁界発生部材10は、ヨーク9とともに磁気回路を構成する部材である。
図3に示す例では、磁界発生部材10は、二極着磁された永久磁石で構成されている。
【0028】
具体的には、磁界発生部材10は、左磁界発生部材10L及び右磁界発生部材10Rを含む。そして、左磁界発生部材10Lは、二つの永久磁石(左上磁石10LU及び左下磁石10LD)で構成され、右磁界発生部材10Rは、二つの永久磁石(右上磁石10RU及び右下磁石10RD)で構成されている。
【0029】
図3Bでは、明瞭化のため、左上磁石10LU、左下磁石10LD、右上磁石10RU、及び右下磁石10RDのそれぞれのN極部分にクロスパターンが付され、それぞれのS極部分にドットパターンが付されている。左上磁石10LU、左下磁石10LD、右上磁石10RU、及び右下磁石10RDのそれぞれの極性を図示する他の図においても同様である。
【0030】
図3Aに示すように、左磁界発生部材10Lは、左ヨーク9Lの左内板部9iLの内面(左外板部9eLに対向する側の面)に接着剤で固定され、右磁界発生部材10Rは、右ヨーク9Rの右内板部9iRの内面(右外板部9eRに対向する側の面)に接着剤で固定されている。
【0031】
固定側部材FBは、
図2に示すように、カバー部材1、ベース部材2、コイル保持部材6、及びコイル組立体CAを含む。
【0032】
ベース部材2は、液晶ポリマー等の合成樹脂を用いた射出成形によって作製される。本実施形態では、ベース部材2は、
図2に示すように、矩形枠状の外形を有する部材であり、中央に略円形の開口2Kが形成されている。
【0033】
カバー部材1の外周壁部1Aの下端部に近いところにある外周壁部1Aの内面は、
図1Aに示すように、ベース部材2の外周側面に組み合わされ且つ位置決めされる。そして、ベース部材2は、接着剤AD0によりカバー部材1に固定され、カバー部材1とともに筐体HSを構成する。
【0034】
コイル保持部材6は、コイル組立体CAを保持できるように構成されている。本実施形態では、コイル保持部材6は、液晶ポリマー等の合成樹脂を用いた射出成形によって作製される。具体的には、コイル保持部材6は、
図2に示すように、矩形枠状の外形を有し、中央に略矩形の開口6Kが形成されている。
【0035】
ここで、
図4を参照し、コイル保持部材6によって保持されるコイル組立体CAの詳細について説明する。
図4は、コイル組立体CAの構成例を示す図である。具体的には、
図4Aはコイル組立体CAの斜視図であり、
図4Bはコイル組立体CAの分解斜視図である。コイル組立体CAは、回路基板3、コイル11、磁気検出部材12、コンデンサ13、及び補強部材14を含む。
【0036】
回路基板3は、コイル11、磁気検出部材12、及びコンデンサ13等と外部にある制御装置(図示せず。)等の装置とを接続するための配線パターンが形成された基板である。
図4に示す例では、回路基板3は、繰り返し変形させることができるように構成されたフレキシブルプリント回路基板である。但し、回路基板3は、リジット回路基板であってもよい。
【0037】
具体的には、回路基板3は、カバー部材1の外周壁部1Aの第1側板部1A1に沿って延びる左延在部3L、第2側板部1A2に沿って延びる後延在部3B、及び、第3側板部1A3に沿って延びる右延在部3Rを含む。なお、左延在部3L、後延在部3B、及び第3側板部1A3は、個別の回路基板として構成されていてもよい。
【0038】
コイル11は、導電性(金属製)の線材(導線)を巻回することによって形成されている。
図4に示す例では、コイル11は、略八角環状に巻かれて形成されたコイル本体部としての巻回部11mと、巻回部11mから延びて回路基板3に半田付けされる第1延在部11s及び第2延在部11eとを含む。
図4は、明瞭化のため、巻回部11mに関しては、絶縁部材で表面が被覆された導電性の線材の詳細な巻回状態の図示を省略している。すなわち、巻回部11mは、簡略化されて図示されている。巻回部11mを図示する他の図においても同様である。第1延在部11sは、コイル11の巻き始め側で巻回部11mの内周側に位置する巻回部11mの端部(巻き始め部分)に繋がっている。第2延在部11eは、コイル11の巻き終わり側で巻回部11mの外周側に位置する巻回部11mの端部(巻き終わり部分)に繋がっている。
【0039】
具体的には、コイル11は、回路基板3の左延在部3Lに取り付けられる左コイル11Lと、回路基板3の右延在部3Rに取り付けられる右コイル11Rとを含む。左コイル11Lは、左巻回部11mLと第1左延在部11sL及び第2左延在部11eLとを含み、右コイル11Rは、右巻回部11mRと第1右延在部11sR及び第2右延在部11eRとを含む。第1右延在部11sRは、半田SD1(
図4A参照。)により、回路基板3の右延在部3Rにおける第1導体パッドPD1に固定され、第2右延在部11eRは、半田SD2(
図4A参照。)により、回路基板3の右延在部3Rにおける第2導体パッドPD2に固定される。同様に、第1左延在部11sL及び第2左延在部11eLは、回路基板3の左延在部3Lにおける導体パッド(
図4では不可視。)に固定される。
【0040】
より具体的には、コイル11は、
図4Aに示すように、光軸方向と直交する方向に延びるコイル軸11xを有するように形成されている。すなわち、左コイル11Lの左巻回部11mLは、光軸方向と直交する方向に延びる左コイル軸11xLを有し、右コイル11Rの右巻回部11mRは、光軸方向と直交する方向に延びる右コイル軸11xRを有する。
【0041】
磁気検出部材12は、磁界発生部材10が発生させる磁気を検出できるように構成されている。
図4に示す例では、磁気検出部材12は、ホール素子を利用して可動側部材MB(磁性部材MG)の位置を検出できるように構成されている。但し、磁気検出部材12は、磁石が発生させる磁界を検出可能な巨大磁気抵抗効果(Giant Magneto Resistive effect: GMR)素子、半導体磁気抵抗(Semiconductor Magneto Resistive: SMR)素子、異方性磁気抵抗(Anisotropic Magneto Resistive: AMR)素子、又はトンネル磁気抵抗(Tunnel Magneto Resistive: TMR)素子等の磁気抵抗素子を利用して可動側部材MB(磁性部材MG)の位置を検出できるように構成されていてもよい。
【0042】
具体的には、磁気検出部材12は、左磁界発生部材10Lからの磁気を受けて左磁性部材MGLの光軸方向における位置を検出するための左磁気検出部材12Lと、右磁界発生部材10Rからの磁気を受けて右磁性部材MGRの光軸方向における位置を検出するための右磁気検出部材12Rと、を含む。
【0043】
そして、左磁気検出部材12Lは、左コイル11Lの左巻回部11mL内に配置され、且つ、回路基板3の左延在部3Lに固定されている。同様に、右磁気検出部材12Rは、右コイル11Rの右巻回部11mR内に配置され、且つ、回路基板3の右延在部3Rに固定されている。
【0044】
コンデンサ13は、電源ラインとグラウンドとを接続するバイパスコンデンサである。
図4に示す例では、コンデンサ13は、左コンデンサ13L及び右コンデンサ13Rを含む。左コンデンサ13Lは、左コイル11Lの左巻回部11mL内に配置され、且つ、回路基板3の左延在部3Lに固定されている。同様に、右コンデンサ13Rは、右コイル11Rの右巻回部11mR内に配置され、且つ、回路基板3の右延在部3Rに固定されている。
【0045】
巻回部11m内には接着剤が塗布されてもよい。この場合、磁気検出部材12及びコンデンサ13は、巻回部11m内に塗布された接着剤の内部に埋設されていてもよい。
【0046】
補強部材14は、回路基板3を補強するための部材である。
図4に示す例では、補強部材14は、ステンレス鋼で形成された板状部材であり、後補強部材14B、左補強部材14L、及び右補強部材14Rを含む。
【0047】
具体的には、補強部材14は、接着剤によって回路基板3の後延在部3Bに固定される後補強部材14Bと、接着剤によって回路基板3の左延在部3Lに固定される左補強部材14Lと、接着剤によって回路基板3の右延在部3Rに固定される右補強部材14Rとを含む。なお、
図4に示す例では、後補強部材14Bは省略されてもよい。
【0048】
回路基板3の左延在部3L及び右延在部3Rには、コイル11を回路基板3に固定する際にコイル11を位置決めするために使用されるガイドピンを受け入れるための丸孔RH1が形成されている。同様に、左補強部材14L及び右補強部材14Rにも、そのガイドピンを受け入れるための丸孔RH2が形成されている。
【0049】
ここで、
図2~
図7を参照し、支持部材SMの詳細について説明する。
図5は、支持部材SMが取り付けられた可動側部材MBの斜視図である。具体的には、
図5Aは、支持部材SMが取り付けられた可動側部材MBの上方斜視図であり、
図5Bは、支持部材SMが取り付けられた可動側部材MBの下方斜視図である。
図6は、可動側部材MBを支持している支持部材SMが取り付けられたコイル保持部材6の斜視図である。具体的には、
図6Aは、可動側部材MBを支持している支持部材SMが取り付けられたコイル保持部材6の上方斜視図であり、
図6Bは、可動側部材MBを支持している支持部材SMが取り付けられたコイル保持部材6の下方斜視図である。
図7は、コイル組立体CAが取り付けられたコイル保持部材6の斜視図である。具体的には、
図7Aは、コイル組立体CAが取り付けられたコイル保持部材6の上方斜視図であり、
図7Bは、コイル組立体CAが取り付けられたコイル保持部材6の下方斜視図である。なお、
図6及び
図7では、明瞭化のため、コイル保持部材6にドットパターンが付されている。
【0050】
本実施形態では、支持部材SMは、銅合金を主な材料とした金属板から作製されている。具体的には、支持部材SMは、
図2に示すように、可動側部材MB(ヨーク9)の上部と固定側部材FB(コイル保持部材6)の上部との間に配置される上側板ばね4と、可動側部材MB(磁界発生部材10)の下部と固定側部材FB(コイル保持部材6)の下部との間に配置される下側板ばね5とを含む。
【0051】
図2の点線で表される図形G4は、ヨーク9に取り付けられたときの上側板ばね4の位置を示している。具体的には、図形G4は、図形G4L及び図形G4Rを含む。そして、図形G4Lは、左ヨーク9Lに取り付けられたときの上側板ばね4(左内側部分4iL)の位置を示し、図形G4Rは、右ヨーク9Rに取り付けられたときの上側板ばね4(右内側部分4iR)の位置を示す。
【0052】
図2の点線で表される図形G10は、下側板ばね5に取り付けられたときの磁界発生部材10の位置を示している。具体的には、図形G10は、図形G10L及び図形G10Rを含む。そして、図形G10Lは、下側板ばね5(左内側部分5iL)に取り付けられたときの左磁界発生部材10L(左下磁石10LD)の位置を示し、図形G10Rは、下側板ばね5(右内側部分5iR)に取り付けられたときの右磁界発生部材10R(右下磁石10RD)の位置を示す。
【0053】
図6に示すように、コイル保持部材6と可動側部材MBと支持部材SMとが組み合わされた状態で、支持部材SMは、コイル保持部材6に対して可動側部材MBが光軸方向(Z軸方向)へ移動可能となるように可動側部材MBを支持している。
【0054】
上側板ばね4は、
図5Aに示すように、上面視で略矩形環状の外形を有する。そして、上側板ばね4は、可動側部材MB(ヨーク9)に固定される第1支持部(可動側支持部)としての内側部分4iと、固定側部材FB(コイル保持部材6)に固定される第2支持部(固定側支持部)としての外側部分4eと、内側部分4iと外側部分4eとの間に位置する弾性腕部4gと、二つの外側部分4eを繋ぐ桟部4rと、を含む。
【0055】
より具体的には、内側部分4iは、左ヨーク9Lに固定される左内側部分4iL、及び、右ヨーク9Rに固定される右内側部分4iRを含む。
【0056】
上側板ばね4の外側部分4eは、
図6Aに示すように、コイル保持部材6の四つの角部の被写体側(Z1側)の端面(上面)に載置される。コイル保持部材6の四つの角部には、
図7Aに示すように、上下方向に延びる四つの台座部6Pが設けられている。そして、四つの台座部6Pの被写体側(Z1側)の端面(上面)には上方に向かって突出する突出部6Tが設けられている。突出部6Tは、上側板ばね4における外側部分4eに設けられた貫通孔4H(
図5A参照。)に挿通される。そして、突出部6Tは、
図6Aに示すように、熱かしめが施されて外側部分4eに固定される。
図6A及び
図7Aでは、突出部6Tは、熱かしめされた後の先端が変形した状態で図示されている。突出部6Tを図示する他の図においても同様である。なお、突出部6Tは冷間かしめが施されてもよい。
【0057】
上側板ばね4の内側部分4iは、ヨーク9の連結部9c(
図3B参照。)の上に載置される。そして、内側部分4iは、溶接によりヨーク9の連結部9cに固定される。具体的には、
図5Aに示すように、左内側部分4iLは左ヨーク9Lの左連結部9cLの上面に溶接され、右内側部分4iRは右ヨーク9Rの右連結部9cRの上面に溶接される。
【0058】
下側板ばね5は、
図5Bに示すように、上面視で略矩形環状の外形を有する。そして、下側板ばね5は、可動側部材MB(磁界発生部材10)に固定される第1支持部(可動側支持部)としての内側部分5iと、固定側部材FB(コイル保持部材6)に固定される第2支持部(固定側支持部)としての外側部分5eと、内側部分5iと外側部分5eとの間に位置する弾性腕部5gと、二つの外側部分5eを繋ぐ桟部5rと、を含む。
【0059】
より具体的には、内側部分5iは、左磁界発生部材10Lに固定される左内側部分5iL、及び、右磁界発生部材10Rに固定される右内側部分5iRを含む。
【0060】
下側板ばね5の外側部分5eは、コイル保持部材6の四つの角部に設けられた四つの台座部6Pの撮像素子側(Z2側)の端面(下面)に載置される。四つの台座部6Pの撮像素子側(Z2側)の端面(下面)には、
図7Bに示すように、上方(Z1方向)に向かって凹む四つの凹部6Rが設けられている。そして、外側部分5eは、
図6Bに示すように、凹部6Rに塗布された接着剤AD2によってコイル保持部材6に固定される。
【0061】
下側板ばね5の内側部分5iは、
図5Bに示すように、磁界発生部材10の上に載置される。そして、内側部分5iは、接着剤により磁界発生部材10に固定される。具体的には、
図5Bに示すように、左内側部分5iLは左磁界発生部材10Lの左下磁石10LDの下面に接着固定され、右内側部分5iRは右磁界発生部材10Rの右下磁石10RDの下面に接着固定される。
【0062】
上側板ばね4は、
図6Aに示すように、光軸OAに関して二回回転対称となるように形成されている。そして、上側板ばね4は、内側部分4iで可動側部材MB(ヨーク9)に固定され、外側部分4eでコイル保持部材6の上部に固定されている。そのため、上側板ばね4は、コイル保持部材6に対して可動側部材MB(レンズ保持部材7)をバランス良く支持できる。
【0063】
同様に、下側板ばね5は、
図6Bに示すように、光軸OAに関して二回回転対称となるように形成されている。そして、下側板ばね5は、内側部分5iで可動側部材MB(磁界発生部材10)に固定され、外側部分5eでコイル保持部材6の下部に固定されている。そのため、下側板ばね5は、コイル保持部材6に対して可動側部材MB(レンズ保持部材7)をバランス良く支持できる。
【0064】
レンズ駆動装置101は、典型的には、
図1Aに示すように略直方体形状の外形を有し、撮像素子(図示せず。)を実装した外部基板(図示せず。)の上に取り付けられる。外部基板と、レンズ駆動装置101と、可動側部材MBに装着されたレンズ体と、レンズ体に対向するように外部基板に実装された撮像素子とはカメラモジュールを構成する。コイル11は、回路基板3を介して電流供給源に接続される。コイル11に電流が流れると、駆動機構DMは、光軸方向に沿った電磁力を発生させる。
【0065】
レンズ駆動装置101は、この電磁力を利用し、撮像素子のZ1側(被写体側)で、光軸方向に沿って可動側部材MB(レンズ保持部材7)を移動させることで自動焦点調節機能(オートフォーカス機能)を実現する。具体的には、レンズ駆動装置101は、撮像素子から離れる方向に可動側部材MB(レンズ保持部材7)を移動させてマクロ撮影を可能にし、撮像素子に近づく方向に可動側部材MB(レンズ保持部材7)を移動させて無限遠撮影を可能にしている。
【0066】
次に、
図8~
図10を参照し、駆動機構DMの詳細について説明する。
図8及び
図9は、駆動機構DMの一つである右駆動部DMRの構成例を示す図である。具体的には、
図8Aは右駆動部DMRの上面図であり、
図8Bは右駆動部DMRの左側面図であり、
図8Cは右駆動部DMRの下面図である。また、
図9Aは右駆動部DMRの正面図であり、
図9Bは右駆動部DMRの右側面図であり、
図9Cは右駆動部DMRの背面図である。
図10は、
図8Aの一点鎖線L1を含むXZ平面に平行な平面を矢印で示すようにY1側から見たときの右駆動部DMRの断面図である。
図8及び
図9では、明瞭化のため、右上磁石10RU及び右下磁石10RDのそれぞれのN極部分に細かいクロスパターンが付され、それぞれのS極部分にドットパターンが付され、右コイル11Rに粗いクロスパターンが付されている。
図10では、明瞭化のため、右磁界発生部材10Rが点線で表されている。また、以下の説明は、右駆動部DMRに関するが、左駆動部DMLに対しても同様に適用される。
【0067】
駆動機構DMを構成する右駆動部DMRは、
図8及び
図9に示すように、右ヨーク9R、右磁界発生部材10R、及び右コイル11Rを含む。
【0068】
右駆動部DMRは、右磁界発生部材10Rが発生する磁界と右コイル11Rに流れる電流とで駆動力(推力)を発生させ、右磁界発生部材10Rに固定された右ヨーク9Rを光軸方向に沿って上下動させることができるように構成されている。
【0069】
右磁界発生部材10R(右上磁石10RU及び右下磁石10RD)は、
図3に示すように略直方体形状を有する。そして、右磁界発生部材10Rは、レンズ駆動装置101の初期状態において、
図8Cに示すように、右コイル11Rに対して隙間GPを隔てて右コイル11Rの内側(Y1側)に位置するように、右ヨーク9Rの右内板部9iR及び右連結部9cRに接着剤で固定されている。なお、レンズ駆動装置101の初期状態は、コイル11に電流が供給されていないときのレンズ駆動装置101の状態を意味する。
【0070】
また、右磁界発生部材10Rは、レンズ駆動装置101の初期状態において、
図9Aに示すように、その中央面MSが右コイル軸11xRよりも高さHTだけ高い位置に位置するように、右ヨーク9Rの右内板部9iR及び右連結部9cRに接着剤で固定されている。中央面MSは、右上磁石10RUと右下磁石10RDとの間の境界面に相当する。すなわち、右磁界発生部材10Rは、
図10に示すように、右上磁石10RUのN極部分が右コイル11Rの上側直線状部分11RUに対向し、且つ、右下磁石10RDのS極部分が右コイル11Rの下側直線状部分11RDに対向するように配置されている。
【0071】
また、右磁界発生部材10Rは、
図9Bに示すように、前後方向(X軸方向)における長さ(幅W1)が、右ヨーク9Rの右外板部9eRの前後方向(X軸方向)における長さ(幅W2)よりも大きくなり、且つ、幅W1が幅W2を包含するように構成されている。
【0072】
また、右磁界発生部材10Rは、
図10に示すように、幅W1が右コイル11Rの上側直線状部分11RU及び下側直線状部分11RDのそれぞれの前後方向(X軸方向)における長さ(幅W3)よりも大きくなり、且つ、幅W1が幅W3を包含するように構成されている。
【0073】
また、右磁界発生部材10Rは、幅W1が右コイル11Rの前後方向(X軸方向)における長さ(幅W4)よりも小さくなり、且つ、幅W4が幅W1を包含するように構成されている。
【0074】
また、右磁界発生部材10Rは、レンズ駆動装置101の初期状態において、上下方向(Z軸方向)における長さ(高さH1)が、右コイル11Rの上下方向(Z軸方向)における長さ(高さH2)よりも大きくなり、且つ、高さH1が高さH2を包含するように構成されている。
【0075】
次に、
図11を参照し、右駆動部DMRによって実現される右ヨーク9R及び右磁界発生部材10Rの動きについて説明する。
図11は、右ヨーク9R、右磁界発生部材10R、右コイル11R、及び右磁気検出部材12Rの右側面図である。具体的には、
図11Aは、レンズ駆動装置101が初期状態のときの右ヨーク9R、右磁界発生部材10R、右コイル11R、及び右磁気検出部材12Rの位置関係を示す。
図11Bは、右ヨーク9R及び右磁界発生部材10Rが下方(Z2方向)に移動したときの右ヨーク9R、右磁界発生部材10R、右コイル11R、及び右磁気検出部材12Rの位置関係を示す。
図11Cは、右ヨーク9R及び右磁界発生部材10Rが上方(Z1方向)に移動したときの右ヨーク9R、右磁界発生部材10R、右コイル11R、及び右磁気検出部材12Rの位置関係を示す。なお、
図11では、明瞭化のため、右上磁石10RU及び右下磁石10RDのそれぞれのN極部分に細かいクロスパターンが付され、それぞれのS極部分にドットパターンが付されている。また、
図11では、明瞭化のため、右コイル11Rに粗いクロスパターンが付され、回路基板3の図示が省略されている。また、以下の説明は、右駆動部DMRに関するが、左駆動部DMLに対しても同様に適用される。
【0076】
右ヨーク9Rの右外板部9eRには、開口9K(右開口9KR)が形成されている。右開口9KRは、光軸方向における右磁気検出部材12Rに対する右ヨーク9R(右磁界発生部材10R)の位置(高さ)の変化に応じた有効磁束密度の変化が大きくなるように形成されている。なお、「有効磁束密度」は、右磁気検出部材12Rを通過する磁束の密度である。すなわち、右ヨーク9Rの右外板部9eRに右開口9KRが形成されている構成において、有効磁束密度の変動幅は、右開口9KRが形成されていない構成に比べて大きくなる。なお、有効磁束密度の変動幅は、例えば、光軸方向において右磁界発生部材10Rが上限位置にあるときの有効磁束密度と、光軸方向において右磁界発生部材10Rが下限位置にあるときの有効磁束密度との間の差を意味する。
【0077】
この構成は、右磁気検出部材12Rの出力を増大させ、右磁気検出部材12Rによる右磁界発生部材10Rの位置の検出精度を高めることができるという効果をもたらす。また、この構成は、右磁気検出部材12Rの分解能を増大させ、右磁気検出部材12Rによる右磁界発生部材10Rの位置の検出精度を高めることができるという効果をもたらす。
【0078】
本実施形態では、右開口9KRは、
図11Aに示すように、前後方向(X軸方向)における長さ(幅W11)が、右磁気検出部材12Rの前後方向(X軸方向)における長さ(幅W12)よりも大きくなり、且つ、幅W11が幅W12を包含するように構成されている。また、右開口9KRは、
図11Aに示すように、上下方向(Z軸方向)における長さ(高さH11)が、右磁気検出部材12Rの上下方向(Z軸方向)における長さ(高さH12)よりも大きくなり、且つ、高さH11が高さH12を包含するように構成されている。
【0079】
このように、本実施形態では、レンズ駆動装置101が初期状態にあるときには、右磁気検出部材12Rは、
図11Aに示すように、右開口9KRに対向するように位置付けられている。すなわち、右磁気検出部材12Rは、右側面視において、右開口9KRを通じて全体が視認可能となるように位置付けられている。
【0080】
右コイル11Rの第1右延在部11sRから右巻回部11mRを通って第2右延在部11eRに流れるように電流が供給されると、右コイル11Rを構成している導線は上向き(Z1向き)の力(ローレンツ力に基づく力)を受ける。右コイル11Rは、固定側部材FB(コイル保持部材6)に固定されているため、上方へ移動できない。そのため、その力の反力によって、可動側部材MB(右ヨーク9R)が下方に移動する。その結果、右磁気検出部材12Rは、
図11Bに示すように、右側面視において、右開口9KRを通じてその下部のみが視認可能となる位置(その上端が右外板部9eRの陰に隠れて不可視となる位置)に移動させられる。
【0081】
反対に、右コイル11Rの第2右延在部11eRから右巻回部11mRを通って第1右延在部11sRに流れるように電流が供給されると、右コイル11Rを構成している導線は下向き(Z2向き)の力(ローレンツ力に基づく力)を受ける。右コイル11Rは、固定側部材FB(コイル保持部材6)に固定されているため、上方へ移動できない。そのため、その力の反力によって、可動側部材MB(右ヨーク9R)が上方に移動する。その結果、右磁気検出部材12Rは、
図11Cに示すように、右側面視において、右開口9KRを通じてその上部のみが視認可能となる位置(その下端が右外板部9eRの陰に隠れて不可視となる位置)に移動させられる。
【0082】
本実施形態では、
図11Bに示す状態における有効磁束密度は、
図11Aに示す状態における有効磁束密度よりも大きい。また、
図11Aに示す状態における有効磁束密度は、
図11Cに示す状態における有効磁束密度よりも大きい。すなわち、本実施形態では、レンズ駆動装置101は、右ヨーク9Rが上方(Z1方向)に移動するほど有効磁束密度が略線形的に小さくなるように構成されている。但し、レンズ駆動装置101は、右ヨーク9Rが上方(Z1方向)に移動するほど有効磁束密度が略線形的に大きくなるように構成されていてもよい。また、レンズ駆動装置101は、右ヨーク9Rが上方(Z1方向)に移動するほど有効磁束密度が非線形的に小さくなるように構成されていてもよく、右ヨーク9Rが上方(Z1方向)に移動するほど有効磁束密度が非線形的に大きくなるように構成されていてもよい。
【0083】
次に、
図12を参照し、駆動機構DMによる傾き抑制機能について説明する。傾き抑制機能は、レンズ体の光軸OAの傾きを抑制するための機能である。
図12は、レンズ保持部材7、連結部材8、及びヨーク9の正面図である。具体的には、
図12Aは、光軸OAが傾いていないとき(光軸OAがZ軸に平行なとき)のレンズ保持部材7、連結部材8、及びヨーク9の正面図である。
図12Bは、光軸OAが傾いているとき(光軸OAが傾斜角θだけZ軸に対して傾斜しているとき)のレンズ保持部材7、連結部材8、及びヨーク9の正面図である。
【0084】
レンズ駆動装置101の制御装置(図示せず。)は、磁気検出部材12の出力に基づいてレンズ保持部材7の状態を検出できるように構成されている。本実施形態では、制御装置は、レンズ駆動装置101の外部にある装置である。但し、制御装置は、レンズ駆動装置101の内部に取り付けられた装置であってもよく、磁気検出部材12に統合されていてもよい。
【0085】
例えば、制御装置は、左磁気検出部材12Lの出力に基づいて上下方向(Z軸方向)における左駆動部DML(左ヨーク9L)の位置(高さ)を検出し、右磁気検出部材12Rの出力に基づいて上下方向(Z軸方向)における右駆動部DMR(右ヨーク9R)の位置(高さ)を検出する。そして、制御装置は、左ヨーク9Lの高さと右ヨーク9Rの高さとに基づき、
図12Bに示す状態、すなわち、右ヨーク9Rよりも高さDFだけ高い位置に左ヨーク9Lが位置している状態を検出する。この状態は、レンズ体の光軸OAがZ軸に対して傾斜角θだけ傾斜している状態に相当する。
【0086】
この場合、制御装置は、左駆動部DML及び右駆動部DMRの少なくとも一方を動作させることによって傾斜角θをゼロに近付けることができる。
【0087】
図12Bに示す例では、制御装置は、レンズ保持部材7の状態(姿勢)が
図12Aに示す状態(姿勢)となるように、左駆動部DMLによって左ヨーク9Lを下降させ、且つ、右駆動部DMRによって右ヨーク9Rを上昇させる。
【0088】
なお、制御装置は、右駆動部DMRを動作させずに、左駆動部DMLによって左ヨーク9Lを下降させることによって傾斜角θをゼロに近付けてもよく、左駆動部DMLを動作させずに、右駆動部DMRによって右ヨーク9Rを上昇させることによって傾斜角θをゼロに近付けてもよい。
【0089】
或いは、制御装置は、右駆動部DMRによる右ヨーク9Rの上昇幅を、左駆動部DMLによる左ヨーク9Lの上昇幅よりも大きくすることによって傾斜角θをゼロに近付けてもよい。すなわち、制御装置は、左ヨーク9L及び右ヨーク9Rの双方を上昇させながら傾斜角θをゼロに近付けてもよい。
【0090】
或いは、制御装置は、右駆動部DMRによる右ヨーク9Rの下降幅を、左駆動部DMLによる左ヨーク9Lの下降幅よりも小さくすることによって傾斜角θをゼロに近付けてもよい。すなわち、制御装置は、左ヨーク9L及び右ヨーク9Rの双方を下降させながら傾斜角θをゼロに近付けてもよい。
【0091】
次に、
図13を参照し、可動側部材MBの動きを制限する機構であるストッパ機構について説明する。
図13は、ベース部材2、コイル保持部材6、及びヨーク9の位置関係を示す図である。具体的には、
図13Aは、ベース部材2、コイル保持部材6、及びヨーク9の上面図であり、
図13Bは、ベース部材2、コイル保持部材6、及びヨーク9の上方斜視図である。
図13では、明瞭化のため、ベース部材2、コイル保持部材6、及びヨーク9以外の部材の図示が省略されている。また、
図13では、明瞭化のため、ベース部材2に細かいドットパターンが付され、コイル保持部材6に粗いドットパターンが付され、ヨーク9にクロスパターンが付されている。
【0092】
ベース部材2の被写体側(Z1側)の面(上面)には、
図2に示すように、上方に向かって突出する四つの突設部2Sが設けられている。具体的には、突設部2Sは、左後側突設部2SLB、左前側突設部2SLF、右後側突設部2SRB、及び右前側突設部2SRFを含む。
【0093】
コイル保持部材6の四隅には、
図2に示すように、内方に向かって張り出す四つの張出部6Sが設けられている。具体的には、張出部6Sは、左後側張出部6SLB、左前側張出部6SLF、右後側張出部6SRB、及び右前側張出部6SRFを含む。なお、コイル保持部材6は、その下面に下側板ばね5が取り付けられた状態で、接着剤によってベース部材2に接合される。
【0094】
そして、
図13に示すように、光軸OAを中心とする円の径方向において、左後側突設部2SLBと左後側張出部6SLBとは互いに対向するように配置される。同様に、光軸OAを中心とする円の径方向において、左前側突設部2SLFと左前側張出部6SLFとは互いに対向するように配置され、右後側突設部2SRBと右後側張出部6SRBとは互いに対向するように配置され、右前側突設部2SRFと右前側張出部6SRFとは互いに対向するように配置される。
【0095】
ヨーク9は、ヨーク9がX軸方向に沿って移動したときに張出部6Sと接触できるように形成された接触部9Sを有する。すなわち、接触部9Sは、張出部6Sと磁界発生部材10とが直接的に接触するのを防止できるように形成されている。本実施形態では、右ヨーク9Rの右内板部9iRは一対の右接触部9SR(右後側接触部9SRB及び右前側接触部9SRF)を有する。具体的には、右ヨーク9Rの右内板部9iRの前端(X1側の端部)で折り曲げられて外方(Y2方向)に延びるように形成された右前側接触部9SRFは、右前側張出部6SRFの後側面(X2側の面)と接触できるように配置され、右ヨーク9Rの右内板部9iRの後端(X2側の端部)で折り曲げられて外方(Y2方向)に延びるように形成された右後側接触部9SRBは、右後側張出部6SRBの前側面(X1側の面)と接触できるように配置されている。
【0096】
同様に、左ヨーク9Lの左内板部9iLは一対の左接触部9SL(左後側接触部9SLB及び左前側接触部9SLF)を有する。具体的には、左ヨーク9Lの左内板部9iLの前端(X1側の端部)で折り曲げられて外方(Y1方向)に延びるように形成された左前側接触部9SLFは、左前側張出部6SLFの後側面(X2側の面)と接触できるように配置され、左ヨーク9Lの左内板部9iLの後端(X2側の端部)で折り曲げられて外方(Y1方向)に延びるように形成された左後側接触部9SLBは、左後側張出部6SLBの前側面(X1側の面)と接触できるように配置されている。
【0097】
突設部2S及び張出部6Sは、X軸方向及びY軸方向における可動側部材MBの過度の動きを制限するストッパとして機能するように構成されている。具体的には、右後側突設部2SRBは、右ヨーク9RがY1側に距離DS1だけ移動したときに、Y2側の側面が右ヨーク9Rの右内板部9iRの接触面CF1(
図8Bにおいて斜線パターンが付された部分)と接触するように構成されている。また、右前側突設部2SRFは、右ヨーク9RがY1側に距離DS1だけ移動したときに、Y2側の側面が右ヨーク9Rの右内板部9iRの接触面CF2(
図8Bにおいて斜線パターンが付された部分)と接触するように構成されている。左後側突設部2SLB及び左前側突設部2SLFについても同様である。
【0098】
また、右後側張出部6SRBは、右ヨーク9RがX2側に距離DS2だけ移動したときに、X1側の側面が右ヨーク9Rの右後側接触部9SRBと接触するように構成されている。また、右前側張出部6SRFは、右ヨーク9RがX1側に距離DS2だけ移動したときに、X2側の側面が右ヨーク9Rの右前側接触部9SRFと接触するように構成されている。左後側張出部6SLB及び左前側張出部6SLFについても同様である。
【0099】
次に、
図14を参照し、磁性部材MGの組立方法について説明する。
図14は、磁性部材MG(左磁性部材MGL)を構成する部材の斜視図である。具体的には、
図14Aは、被加工材WPが取り付けられたヨーク9の斜視図である。
図14Bは、連結部材8が取り付けられたヨーク9の斜視図である。
図14Cは、更に磁界発生部材10が取り付けられたヨーク9の斜視図である。
図14Dは、更に接着剤AD3が取り付けられたヨーク9の斜視図である。なお、以下の説明は、左磁性部材MGLに関するが、右磁性部材MGRに対しても同様に適用される。
【0100】
被加工材WPは、連結部材8及び枠部材15を含む金属板である。具体的には、被加工材WPは、左被加工材WPL及び右被加工材WPR(図示せず。)を含み、左被加工材WPLは左連結部材8L及び左枠部材15Lを含み、右被加工材WPRは右連結部材8R及び右枠部材15R(図示せず。)を含む。
【0101】
左被加工材WPLは、左連結部材8Lを左ヨーク9Lに取り付ける際に用いられる部材である。本実施形態では、左被加工材WPLは、溶接によって左ヨーク9Lの左内板部9iLに接合される。
【0102】
図14Aは、左被加工材WPLが溶接された後の左ヨーク9Lの状態を示す。
図14Aでは、明瞭化のため、左被加工材WPLの一部である左枠部材15Lに粗いドットパターンが付されている。また、
図14A~
図14Dでは、明瞭化のため、左ヨーク9Lに粗いクロスパターンが付されている。左枠部材15Lに形成された丸孔RH3は、被加工材WPの位置決めのために利用されるガイドピンが挿入される孔である。
【0103】
ヨーク9の内板部9iには、貫通部9Hが形成されている。本実施形態では、貫通部9Hは、丸形の貫通孔である。但し、貫通部9Hは、角形等の他の形状を有する貫通孔であってもよく、切り欠きであってもよい。また、貫通部9Hは、左ヨーク9Lの左内板部9iLに形成された左貫通部9HLと、右ヨーク9Rの右内板部9iRに形成された右貫通部9HR(
図8B参照。)と、を含む。具体的には、左ヨーク9Lの左内板部9iLには、
図14Aに示すように、左貫通部9HLが形成されている。左貫通部9HLは、左前側貫通部9HLF及び左後側貫通部9HLBを含む。左連結部材8Lは、左前側貫通部9HLFと左後側貫通部9HLBとの間にある左内板部9iLの表面と接触するように配置され、且つ、三つの溶接点WD1~WD3で左内板部9iLに溶接される。
図14A~
図14Dでは、明瞭化のため、溶接点WD1~WD3に細かいドットパターンが付されている。
【0104】
その後、左被加工材WPLは、切断用レーザ照射装置又はカッタ等の切断装置(図示せず。)によって切断される。その結果、左被加工材WPLを構成する左枠部材15Lは、左連結部材8Lから切り離される。具体的には、左被加工材WPLは、
図14Aの破線で表される切断線CTで左連結部材8Lと左枠部材15Lとに切り離される。切断線CTは、第1切断線CT1~第3切断線CT3を含む。すなわち、左被加工材WPLは、第1切断線CT1~第3切断線CT3のそれぞれで切断される。より具体的には、左連結部材8Lの上端は、第1切断線CT1で左枠部材15Lから切り離され、左連結部材8Lの下部前端は、第2切断線CT2で左枠部材15Lから切り離され、左連結部材8Lの下部後端は、第3切断線CT3で左枠部材15Lから切り離される。
【0105】
左貫通部9HLは、切断用レーザ照射装置又はカッタ等の切断装置による切断を実現するための空間として利用される。具体的には、左前側貫通部9HLFは、第2切断線CT2での切断を実現するための空間として利用され、左後側貫通部9HLBは、第3切断線CT3での切断を実現するための空間として利用される。
【0106】
図14Bは、左枠部材15Lが左連結部材8Lから切り離された後の左ヨーク9Lの状態を示す。
【0107】
左磁界発生部材10Lは、左ヨーク9Lの下側(Z2側)から左ヨーク9Lの内部に嵌め込まれる。具体的には、左磁界発生部材10Lは、左上磁石10LUの上面(Z1側の面)が左ヨーク9Lの左連結部9cLの天井面(Z2側の面)と接触し、左上磁石10LUの右側面(Y2側の面)が左ヨーク9Lの左内板部9iLの内面(Y1側の面)と接触し、且つ、左下磁石10LDの右側面(Y2側の面)が左ヨーク9Lの左内板部9iLの内面(Y1側の面)と接触するように左ヨーク9Lの内部に嵌め込まれる。
【0108】
本実施形態では、左上磁石10LUの上面(Z1側の面)と左ヨーク9Lの左連結部9cLの天井面(Z2側の面)との間、及び、左磁界発生部材10Lの前面(X1側の面)と左前側接触部9SLFの内面(X2側の面)との間、及び、左磁界発生部材10Lの後面(X2側の面)と左後側接触部9SLBの内面(X1側の面)との間には接着剤(図示せず。)が塗布される。
【0109】
図14Cは、左磁界発生部材10Lが取り付けられた後の左ヨーク9Lの状態を示す。
図14C及び
図14Dでは、明瞭化のため、左上磁石10LU及び左下磁石10LDのそれぞれのN極部分に細かいクロスパターンが付され、それぞれのS極部分に細かいドットパターンが付されている。
【0110】
左磁界発生部材10Lが左ヨーク9Lに取り付けられた状態では、左上磁石10LUの下端部BEと左下磁石10LDの上端部TEとは、左貫通部9HL(左後側貫通部9HLB及び左前側貫通部9HLFのそれぞれ)を通じて視認可能となっている。
【0111】
この段階では、左貫通部9HLは、左上磁石10LUと左下磁石10LDとの間、及び、左磁界発生部材10Lと左内板部9iLとの間に接着剤AD3を塗布するための空間として利用される。
【0112】
図14Dは、接着剤AD3が塗布された後の左ヨーク9Lの状態を示す。
図14Dでは、明瞭化のため、接着剤AD3に粗いドットパターンが付されている。
【0113】
次に、
図15を参照し、コイル保持部材6とコイル11との位置関係について説明する。
図15は、コイル保持部材6及びコイル11の構成例を示す図である。具体的には、
図15Aは、コイル保持部材6及びコイル11の上面図である。
図15Bは、
図15Aに示す上面図における一点鎖線L2を含むXZ平面に平行な平面を矢印で示すようにY1側から見たときのコイル保持部材6及びコイル11の断面図である。
図15では、明瞭化のため、コイル保持部材6に粗いドットパターンが付され、コイル11に細かいドットパターンが付されている。
【0114】
右コイル11Rは、X軸方向における両端部(後側湾曲部分11RB及び前側湾曲部分11RF)のY1側の内面が接着剤によって右後側張出部6SRB及び右前側張出部6SRFに接着固定される。同様に、左コイル11Lは、X軸方向における両端部のY2側の内面が接着剤によって左後側張出部6SLB及び左前側張出部6SLFに接着固定される。すなわち、コイル組立体CAは、張出部6Sに固定されている。
【0115】
図15Bに示すように、右コイル11Rは、上側直線状部分11RU、下側直線状部分11RD、上後側傾斜部分11RUB、上前側傾斜部分11RUF、下後側傾斜部分11RDB、下前側傾斜部分11RDF、後側湾曲部分11RB、及び前側湾曲部分11RFを含む。すなわち、右コイル11Rは、右コイル11Rが長丸形状を有する場合に比べ、両端部が狭まった形状を有する。左コイル11Lについても同様である。
【0116】
この構成は、右コイル11Rが長丸形状を有する場合に比べ、右コイル11Rを回路基板3の右延在部3Rに貼り付ける際に利用されるガイドピンを通す丸孔RH4の径を小さくでき、ひいては、右延在部3Rに形成される導体パターンの設計自由度を高めることができるという効果をもたらす。右延在部3Rにおける丸孔RH4のためのスペースを小さくすることができるためである。
【0117】
また、この構成は、右コイル11Rが長丸形状を有する場合に比べ、コイル保持部材6の底部6Bの厚みが薄くなってしまうのを抑制できるという効果をもたらす。具体的には、この構成は、底部6Bのうちの、下後側傾斜部分11RDB、下前側傾斜部分11RDF、後側湾曲部分11RB、及び前側湾曲部分11RFのそれぞれに対向する部分の厚みが薄くなってしまうのを抑制できるという効果をもたらす。すなわち、この構成は、コイル保持部材6の底部6Bを肉厚にして底部6Bの強度を高めることができるという効果をもたらす。
【0118】
上述のように、本発明の実施形態に係るレンズ駆動装置101は、
図2に示すように、固定側部材FBと、レンズ体を保持可能なレンズ保持部材7と、レンズ保持部材7を含む可動側部材MBと、レンズ保持部材7を固定側部材FBに対して少なくとも光軸方向へ移動させる駆動機構DMと、を備えている。駆動機構DMは、光軸OAを挟んで対向するように配置された第1駆動部としての左駆動部DMLと第2駆動部としての右駆動部DMRとを含む少なくとも二つの駆動部を有する。左駆動部DMLは、第1磁界発生部材としての左磁界発生部材10Lと第1ヨークとしての左ヨーク9Lとを有するとともに支持部材SMによって光軸方向へ移動可能に支持された第1磁性部材としての左磁性部材MGLと、左磁界発生部材10Lに対向するように固定側部材FBに設けられた第1コイルとしての左コイル11Lと、を備えている。そして、左コイル11Lへの通電によって、左磁性部材MGLが光軸方向へ移動するように構成されている。同様に、右駆動部DMRは、第2磁界発生部材としての右磁界発生部材10Rと第2ヨークとしての右ヨーク9Rとを有するとともに支持部材SMによって光軸方向へ移動可能に支持された第2磁性部材としての右磁性部材MGRと、右磁界発生部材10Rに対向するように固定側部材FBに設けられた第2コイルとしての右コイル11Rと、を備えている。そして、右コイル11Rへの通電によって、右磁性部材MGRが光軸方向へ移動するように構成されている。なお、左コイル11Lと右コイル11Rとは個別に通電可能である。レンズ保持部材7は、左磁性部材MGLに固定された第1連結部材としての左連結部材8Lに第1位置(上端部の左側の位置)で接続され、且つ、右磁性部材MGRに固定された第2連結部材としての右連結部材8Rに第2位置(上端部の右側の位置)で接続されている。第1位置と第2位置とは、光軸OAを挟んで互いに対向している。
図3に示す例では、第1位置は、左突出部7TLが形成された位置であり、第2位置は、右突出部7TRが形成された位置である。
【0119】
この構成は、少なくとも二つの駆動部のそれぞれのコイルに流す電流を調整することで、オートフォーカス機能ばかりでなく、レンズ保持部材7の傾きを抑制する傾き抑制をも実現できる。そのため、この構成は、光軸OAが傾いた場合でも、その傾きを補正することができる。
【0120】
左ヨーク9Lは、典型的には、
図5Aに示すように、光軸OAに近い側に位置する第1内板部としての左内板部9iLと、左内板部9iLと対向するように配置され光軸OAから遠い側に位置する第1外板部としての左外板部9eLと、左内板部9iLと左外板部9eLの光軸方向における一端部同士(
図5Aに示す例では上端部同士)を繋ぐ第1連結部としての左連結部9cLとを備えている。同様に、右ヨーク9Rは、典型的には、
図5Bに示すように、光軸OAに近い側に位置する第2内板部としての右内板部9iRと、右内板部9iRと対向するように配置され光軸OAから遠い側に位置する第2外板部としての右外板部9eRと、右内板部9iRと右外板部9eRの光軸方向における一端部同士(
図5Aに示す例では上端部同士)を繋ぐ第2連結部としての右連結部9cRとを備えている。そして、左磁界発生部材10Lは、左内板部9iLの内面(左外板部9eLに対向する側の面)に固定され、左コイル11Lは、左磁界発生部材10Lと左外板部9eLとの間に配置されている。同様に、右磁界発生部材10Rは、右内板部9iRの内面(右外板部9eRに対向する側の面)に固定され、右コイル11Rは、右磁界発生部材10Rと右外板部9eRとの間に配置されている。
【0121】
この構成は、駆動機構DMの推力を向上させることができる。この構成は、ヨーク9によってコイル11を通過する磁束の密度を高めることができるためである。
【0122】
左連結部材8Lは、典型的には、左ヨーク9Lの左内板部9iLに固定された弾性変形可能な板状の金属部材(板ばね)である。同様に、右連結部材8Rは、典型的には、右ヨーク9Rの右内板部9iRに固定された弾性変形可能な板状の金属部材(板ばね)である。板状の金属部材(板ばね)である連結部材8は、二つの磁性部材MG(左磁性部材MGL及び右磁性部材MGR)のそれぞれの移動量が異なっていても、その違いによる影響を抑制することができる。すなわち、連結部材8は、二つの磁性部材MGのそれぞれの移動量の違いによって生じる力を、その変形によって吸収することができる。左内板部9iLには、
図14Aに示すように、第1貫通部としての左貫通部9HLが形成されており、
図14Bに示すように、左貫通部9HLに対向して左連結部材8Lの切断部CPが位置しているとともに、
図14Dに示すように、左磁界発生部材10Lを左内板部9iLに固定する接着剤AD3が左貫通部9HLから露出している。同様に、右内板部9iRには、
図8Bに示すように、第2貫通部としての右貫通部9HRが形成されており、右貫通部9HRに対向して右連結部材8Rの切断部CP(
図3B参照。)が位置しているとともに、右磁界発生部材10Rを右内板部9iRに固定する接着剤(図示せず。)が右貫通部9HRから露出するように配置される。
【0123】
この構成は、
図14に示すように、貫通部9Hを利用して、連結部材8の切断と接着剤AD3の塗布とが行われるのを可能にする。そのため、この構成は、例えば、連結部材8の切断のために設けられた構造と接着剤AD3の塗布のために設けられた構造とを別々に有する場合に比べ、レンズ駆動装置101の小型化を実現でき、且つ、レンズ駆動装置101の生産性を向上させることができる。
【0124】
左磁界発生部材10Lは、
図3に示すように、二つの第1永久磁石(左上磁石10LU及び左下磁石10LD)で構成されている。そして、二つの第1永久磁石のそれぞれの一部は何れも左貫通部9HLに対応して位置している。例えば、
図14Cに示すように、接着剤AD3が塗布される前の段階では、左上磁石10LU及び左下磁石10LDのそれぞれは、左上磁石10LUの下端部BEと左下磁石10LDの上端部TEとが何れも左貫通部9HLを通じて視認可能となるように、左貫通部9HLに対応するように配置されている。同様に、右磁界発生部材10Rは、
図3に示すように、二つの第2永久磁石(右上磁石10RU及び右下磁石10RD)で構成されている。そして、二つの第2永久磁石のそれぞれの一部は何れも右貫通部9HRに対応して位置している。例えば、
図8Bに示すように、接着剤が塗布される前の段階では、右上磁石10RU及び右下磁石10RDのそれぞれは、右上磁石10RUの下端部BEと右下磁石10RDの上端部TEとが何れも右貫通部9HRを通じて視認可能となるように、右貫通部9HRに対応するように配置されている。
【0125】
この構成は、二つの永久磁石のそれぞれとヨーク9の内板部9iとの間に確実に接着剤が塗布されるのを可能にするため、二つの永久磁石のそれぞれを確実に接着剤でヨーク9に固定することができるという効果をもたらす。
【0126】
固定側部材FBは、
図2に示すように、左磁界発生部材10Lと左ヨーク9Lの左外板部9eL(
図3B参照。)との間に配置される第1基板(回路基板3の左延在部3L)と、右磁界発生部材10Rと右ヨーク9Rの右外板部9eR(
図3B参照。)との間に配置される第2基板(回路基板3の右延在部3R)と、を含む。左コイル11Lは、
図4に示すように、光軸方向と直交する方向に延びる第1コイル軸(左コイル軸11xL)を有する第1巻回部(左巻回部11mL)を有するように形成されているとともに、第1基板(回路基板3の左延在部3L)に固定されている。左磁界発生部材10Lからの磁界を受けて左磁性部材MGLの光軸方向における位置を検出するための第1磁気検出部材(左磁気検出部材12L)は、左巻回部11mL内に位置するとともに、第1基板(回路基板3の左延在部3L)に固定されている。右コイル11Rは、
図4に示すように、光軸方向と直交する方向に延びる第2コイル軸(右コイル軸11xR)を有する第2巻回部(右巻回部11mR)を有するように形成されているとともに、第2基板(回路基板3の右延在部3R)に固定されている。右磁界発生部材10Rからの磁界を受けて右磁性部材MGRの光軸方向の位置を検出するための第2磁気検出部材(右磁気検出部材12R)は、右巻回部11mR内に位置するとともに、第2基板(回路基板3の右延在部3R)に固定されている。
【0127】
この構成は、磁気検出部材12によって検出される磁性部材MGの位置に基づく磁性部材MGの位置のフィードバック制御が実現されるという効果をもたらす。
【0128】
右ヨーク9Rの右外板部9eRには、
図11に示すように、右磁気検出部材12Rに対応する部分に右開口9KRが形成されている。また、左ヨーク9Lの左外板部9eLには、左磁気検出部材12Lに対応する部分に左開口9KL(
図3A参照。)が形成されている。
【0129】
この構成は、磁性部材MGの光軸方向における位置の変化に対する磁気検出部材12が受ける磁界の変化を大きくでき、磁性部材MGの光軸方向における位置の検出精度を高めることができるという効果をもたらす。
【0130】
固定側部材FBは、
図7Aに示すように、左駆動部DMLを構成する左コイル11Lを支持し、且つ、右駆動部DMRを構成する右コイル11Rを支持するコイル保持部材6を含む。
【0131】
この構成は、少なくとも二つのコイル11(左コイル11L及び右コイル11R)が一つのコイル保持部材6によって保持されるので、コイル組立体CAの取扱いが容易になるという効果をもたらす。
【0132】
図5Aに示すように、左ヨーク9Lの左連結部9cLは、左内板部9iL及び左外板部9eLの上端部同士を繋ぐ板状部分であり、右ヨーク9Rの右連結部9cRは、右内板部9iR及び右外板部9eRの上端部同士を繋ぐ板状部分である。支持部材SMは、
図2に示すように、上側板ばね4と下側板ばね5を含む。そして、上側板ばね4は、コイル保持部材6の上部(
図7Aに示す台座部6Pの上端面)と左ヨーク9L(左連結部9cL)及び右ヨーク9R(右連結部9cR)のそれぞれとの間に設けられている。また、下側板ばね5は、コイル保持部材6の下部(
図7Bに示す台座部6Pの下端面)と左磁界発生部材10L及び右磁界発生部材10Rのそれぞれとの間に設けられている。
【0133】
この構成は、下側板ばね5が駆動用磁石である左下磁石10LD及び右下磁石10RDに固定されるので、上側板ばね4と同様に下側板ばね5がヨーク9(左ヨーク9L及び右ヨーク9R)に固定される場合に比べ、レンズ駆動装置101の小型化を実現できるという効果をもたらす。
【0134】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳説した。しかしながら、本発明は、上述した実施形態に制限されることはない。上述した実施形態は、本発明の範囲を逸脱することなしに、種々の変形又は置換等が適用され得る。また、上述の実施形態を参照して説明された特徴のそれぞれは、技術的に矛盾しない限り、適宜に組み合わされてもよい。
【0135】
例えば、上述の実施形態では、駆動機構DMは、左駆動部DML及び右駆動部DMRを含むように構成されているが、レンズ保持部材7の前側(X1側)に配置される前駆動部、及び、レンズ保持部材7の後側(X2側)に配置される後駆動部を更に含んでいてもよい。すなわち、駆動機構DMは、レンズ保持部材7の前後左右に配置された四つの駆動部を含んでいてもよい。四つの駆動部は、望ましくは、同一形状となるように構成され、且つ、光軸OAに関して上面視で四回回転対称となるように配置される。この場合、レンズ駆動装置101は、レンズ保持部材7のZ軸方向における並進、X軸に平行な回転軸の周りの回転、及び、Y軸に平行な回転軸の周りの回転を実現できる。そのため、レンズ駆動装置101は、自動焦点調節機能に加え、手振れ補正機能をも実現できる。
【0136】
また、上述の実施形態では、ヨーク9は、連結部9cが内板部9iの上端部と外板部9eの上端部とを繋ぐように構成されているが、連結部が内板部9iの下端部と外板部9eの下端部とを繋ぐように構成されていてもよい。この場合、下側板ばね5の内側部分5iは、その連結部の下面に固定され、上側板ばね4の内側部分4iは、磁界発生部材10の上面に固定されてもよい。すなわち、内板部9iの上端部と外板部9eの上端部とを繋ぐ連結部9cは省略されてもよい。
【0137】
また、上述の実施形態では、開口9K(
図11参照。)は、一つの貫通孔で構成されているが、複数の貫通孔で構成されていてもよく、一又は複数の切り欠きで構成されていてもよい。
【符号の説明】
【0138】
1・・・カバー部材 1A・・・外周壁部 1A1・・・第1側板部 1A2・・・第2側板部 1A3・・・第3側板部 1A4・・・第4側板部 1B・・・上板部 1C・・・円筒壁部 1D・・・円環板部 1K・・・開口 2・・・ベース部材 2K・・・開口 2S・・・突設部 2SLB・・・左後側突設部 2SLF・・・左前側突設部 2SRB・・・右後側突設部 2SRF・・・右前側突設部 3・・・回路基板 3B・・・後延在部 3L・・・左延在部 3R・・・右延在部 4・・・上側板ばね 4e・・・外側部分 4g・・・弾性腕部 4H・・・貫通孔 4i・・・内側部分 4iL・・・左内側部分 4iR・・・右内側部分 4r・・・桟部 5・・・下側板ばね 5e・・・外側部分 5g・・・弾性腕部 5i・・・内側部分 5iL・・・左内側部分 5iR・・・右内側部分 5r・・・桟部 6・・・コイル保持部材 6B・・・底部 6K・・・開口 6P・・・台座部 6R・・・凹部 6S・・・張出部 6SLB・・・左後側張出部 6SLF・・・左前側張出部 6SRB・・・右後側張出部 6SRF・・・右前側張出部 6T・・・突出部 7・・・レンズ保持部材 7H・・・貫通孔 7HL・・・左貫通孔 7HR・・・右貫通孔 7P・・・筒状部 7T・・・突出部 7TL・・・左突出部 7TR・・・右突出部 8・・・連結部材 8L・・・左連結部材 8R・・・右連結部材 9・・・ヨーク 9c・・・連結部 9cL・・・左連結部 9cR・・・右連結部 9e・・・外板部 9eL・・・左外板部 9eR・・・右外板部 9H・・・貫通部 9HL・・・左貫通部 9HLB・・・左後側貫通部 9HLF・・・左前側貫通部 9HR・・・右貫通部 9i・・・内板部 9iL・・・左内板部 9iR・・・右内板部 9K・・・開口 9KL・・・左開口 9KR・・・右開口 9L・・・左ヨーク 9R・・・右ヨーク 9S・・・接触部 9SL・・・左接触部 9SLB・・・左後側接触部 9SLF・・・左前側接触部 9SR・・・右接触部 9SRB・・・右後側接触部 9SRF・・・右前側接触部 10・・・磁界発生部材 10L・・・左磁界発生部材 10LD・・・左下磁石 10LU・・・左上磁石 10R・・・右磁界発生部材 10RD・・・右下磁石 10RU・・・右上磁石 11・・・コイル 11e・・・第2延在部 11eL・・・第2左延在部 11eR・・・第2右延在部 11L・・・左コイル 11m・・・巻回部 11mL・・・左巻回部 11mR・・・右巻回部 11R・・・右コイル 11RB・・・後側湾曲部分 11RD・・・下側直線状部分 11RDB・・・下後側傾斜部分 11RDF・・・下前側傾斜部分 11RF・・・前側湾曲部分 11RU・・・上側直線状部分 11RUB・・・上後側傾斜部分 11RUF・・・上前側傾斜部分 11s・・・第1延在部 11sL・・・第1左延在部 11sR・・・第1右延在部 11x・・・コイル軸 11xL・・・左コイル軸 11xR・・・右コイル軸 12・・・磁気検出部材 12L・・・左磁気検出部材 12R・・・右磁気検出部材 13・・・コンデンサ 13L・・・左コンデンサ 13R・・・右コンデンサ 14・・・補強部材 14B・・・後補強部材 14L・・・左補強部材 14R・・・右補強部材 101・・・レンズ駆動装置 AD0~AD3・・・接着剤 CA・・・コイル組立体 CP・・・切断部 DM・・・駆動機構 DML・・・左駆動部 DMR・・・右駆動部 FB・・・固定側部材 HS・・・筐体 MB・・・可動側部材 MG・・・磁性部材 MGL・・・左磁性部材 MGR・・・右磁性部材 MS・・・中央面 OA・・・光軸 PD1・・・第1導体パッド PD2・・・第2導体パッド RH1~RH3・・・丸孔 SM・・・支持部材