(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022190758
(43)【公開日】2022-12-27
(54)【発明の名称】洗浄システム
(51)【国際特許分類】
D06F 39/08 20060101AFI20221220BHJP
D06F 31/00 20060101ALI20221220BHJP
D06F 33/54 20200101ALI20221220BHJP
D06F 33/34 20200101ALI20221220BHJP
【FI】
D06F39/08 301A
D06F39/08 341
D06F31/00
D06F33/54
D06F33/34
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021099168
(22)【出願日】2021-06-15
(71)【出願人】
【識別番号】521215400
【氏名又は名称】株式会社ペントハウス
(74)【代理人】
【識別番号】110000800
【氏名又は名称】特許業務法人創成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】菅野 昌史
【テーマコード(参考)】
3B166
3B167
3B168
【Fターム(参考)】
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3B168FA12
3B168FA20
3B168JM01
3B168JM02
3B168JM03
(57)【要約】
【課題】環境負荷を軽減して洗浄能力および抗菌・消臭・除菌能力を備え、衣類等の洗濯物を洗浄するシステムを提供する。
【解決手段】本発明では、水道水を備蓄する貯水タンク10と、貯水タンク10から給水される水道水を用いて強アルカリ電解水を生成する強アルカリ水生成装置20と、その強アルカリ電解水を貯留する強アルカリ水貯蔵タンク21と、貯水タンク10から給水される水道水を用いて微酸性電解水を生成する微酸性電解水生成装置30と、その微酸性電解水を貯留する微酸性電解水貯蔵タンク31と、洗濯物を洗浄する複数台の洗濯機40と、を備え、洗濯機40に前記強アルカリ電解水を供給して洗濯物の洗浄処理を行う洗浄手段と、洗濯機40に前記微酸性電解水を供給して洗濯槽の殺菌処理を行う殺菌手段と、を有し、前記洗浄手段が実行される前に自動的に前記殺菌手段が実行されるように制御する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
衣類等の洗濯物を洗浄するシステムであって、
水道水を備蓄する貯水タンクと、
前記貯水タンクから給水される水道水を原水として強アルカリ電解水を生成する強アルカリ水生成装置と、
前記強アルカリ水生成装置で生成された前記強アルカリ電解水を貯留する強アルカリ水貯蔵タンクと、
前記貯水タンクから給水される水道水を原水として微酸性電解水を生成する微酸性電解水生成装置と、
前記微酸性電解水生成装置で生成された前記微酸性電解水を貯留する微酸性電解水貯蔵タンクと、
洗濯物を洗浄する複数台の洗濯機と、
を備え、
前記複数台の洗濯機に、前記強アルカリ水貯蔵タンクに貯留された強アルカリ電解水を供給して洗濯物の洗浄処理を行う洗浄手段と、
前記複数台の洗濯機に、前記微酸性電解水貯蔵タンクに貯留された微酸性電解水を供給して洗濯槽の殺菌処理を行う殺菌手段と、
を有し、前記洗浄手段が実行される前に自動的に前記殺菌手段が実行されるように制御することを特徴とする洗浄システム。
【請求項2】
請求項1に記載の洗浄システムにおいて、
前記強アルカリ水生成装置は、水道水と炭酸カリウムを用いて電気分解によりPH12.5以上の強アルカリ電解水を生成することを特徴とする洗浄システム。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の洗浄システムにおいて、
前記微酸性電解水生成装置は、水道水と塩酸を用いてPH5.0~6.5、および有効塩素濃度10~80ppmの次亜塩素酸水として微酸性電解水を生成することを特徴とする洗浄システム。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のうちいずれか1項に記載の洗浄システムにおいて、
前記洗浄手段は、前記複数台の洗濯機の洗濯容量に応じて前記強アルカリ水貯蔵タンクから前記洗濯機に供給される前記強アルカリ電解水の流量を最適に制御するとともに、
前記複数台の洗濯機において同時に洗浄処理を実行できるように、前記複数台の洗濯機に対して前記強アルカリ水貯蔵タンクに貯留された前記強アルカリ電解水を同時に供給可能に制御することを特徴とする洗浄システム。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のうちいずれか1項に記載の洗浄システムにおいて、
前記殺菌手段は、前記複数台の洗濯機の洗濯容量に応じて前記微酸性電解水貯蔵タンクから前記洗濯機に供給される前記微酸性電解水の流量を最適に制御するとともに、
前記複数台の洗濯機において同時に殺菌処理を実行できるように、前記複数台の洗濯機に対して前記微酸性電解水貯蔵タンクに貯留された前記微酸性電解水を同時に供給可能に制御することを特徴とする洗浄システム。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のうちいずれか1項に記載の洗浄システムにおいて、
前記強アルカリ水貯蔵タンクに貯留された前記強アルカリ電解水の貯留量が予め設定された閾値以下であることを検知した場合に、前記強アルカリ水生成装置は前記強アルカリ電解水を生成して前記強アルカリ水貯蔵タンクに自動供給するように制御する手段を有することを特徴とする洗浄システム。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6のうちいずれか1項に記載の洗浄システムにおいて、
前記微酸性電解水貯蔵タンクに貯留された前記微酸性電解水の貯留量が予め設定された閾値以下であることを検知した場合に、前記微酸性電解水生成装置は前記微酸性電解水を生成して前記微酸性電解水貯蔵タンクに自動供給するように制御する手段を有することを特徴とする洗浄システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衣類等の洗濯物を洗浄するための洗浄システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来よりコインランドリー等において衣類等を洗濯する際には、合成洗剤を用いて洗浄する方法が一般的に用いられている。その際に使用される合成洗剤(界面活性剤添加系)には、環境中に残留する成分が含まれており、環境汚染の問題となることがわかっている。そこで環境汚染を低減し環境保全に配慮した、洗剤を使用せずに衣類等を洗浄する洗浄システム(特許文献1)が開示されている。
【0003】
特許文献1では、従来の洗剤の代わりに強アルカリイオン水を用いて衣類等を洗浄するシステムが実現されている。しかしながら、強アルカリイオン水を使用することにより洗浄能力や抗菌・消臭の効果も期待できるが、除菌能力があまり期待できないため、不特定多数のユーザが使用するコインランドリー等においては衛生面の課題が残る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、以下に示す目的を解決することを課題とする。
【0006】
すなわち、本発明は、環境負荷を軽減して洗浄能力および抗菌・消臭・除菌能力を備え、衣類等の洗濯物を洗浄するシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、第1発明に係る洗浄システムは、
衣類等の洗濯物を洗浄するシステムであって、
水道水を備蓄する貯水タンクと、
前記貯水タンクから給水される水道水を原水として強アルカリ電解水を生成する強アルカリ水生成装置と、
前記強アルカリ水生成装置で生成された前記強アルカリ電解水を貯留する強アルカリ水貯蔵タンクと、
前記貯水タンクから給水される水道水を原水として微酸性電解水を生成する微酸性電解水生成装置と、
前記微酸性電解水生成装置で生成された前記微酸性電解水を貯留する微酸性電解水貯蔵タンクと、
洗濯物を洗浄する複数台の洗濯機と、
を備え、
前記複数台の洗濯機に、前記強アルカリ水貯蔵タンクに貯留された強アルカリ電解水を供給して洗濯物の洗浄処理を行う洗浄手段と、
前記複数台の洗濯機に、前記微酸性電解水貯蔵タンクに貯留された微酸性電解水を供給して洗濯槽の殺菌処理を行う殺菌手段と、
を有し、前記洗浄手段が実行される前に自動的に前記殺菌手段が実行されるように制御することを特徴とする。
【0008】
第2発明に係る洗浄システムは、第1発明において、
前記強アルカリ水生成装置は、水道水と炭酸カリウムを用いて電気分解によりPH12.5以上の強アルカリ電解水を生成することを特徴とする。
【0009】
第3発明に係る洗浄システムは、第1発明または第2発明において、
前記微酸性電解水生成装置は、前記微酸性電解水生成装置は、水道水と塩酸を用いてPH5.0~6.5、および有効塩素濃度10~80ppmの次亜塩素酸水として微酸性電解水を生成することを特徴とする。
【0010】
第4発明に係る洗浄システムは、第1発明乃至第3発明のいずれかにおいて、
前記洗浄手段は、前記複数台の洗濯機の洗濯容量に応じて前記強アルカリ水貯蔵タンクから前記洗濯機に供給される前記強アルカリ電解水の流量を最適に制御するとともに、
前記複数台の洗濯機において同時に洗浄処理を実行できるように、前記複数台の洗濯機に対して前記強アルカリ水貯蔵タンクに貯留された前記強アルカリ電解水を同時に供給可能に制御することを特徴とする。
【0011】
第5発明に係る洗浄システムは、第1発明乃至第4発明のいずれかにおいて、
前記殺菌手段は、前記複数台の洗濯機の洗濯容量に応じて前記微酸性電解水貯蔵タンクから前記洗濯機に供給される前記微酸性電解水の流量を最適に制御するとともに、
前記複数台の洗濯機において同時に殺菌処理を実行できるように、前記複数台の洗濯機に対して前記微酸性電解水貯蔵タンクに貯留された前記微酸性電解水を同時に供給可能に制御することを特徴とする。
【0012】
第6発明に係る洗浄システムは、第1発明乃至第5発明のいずれかにおいて、
前記強アルカリ水貯蔵タンクに貯留された前記強アルカリ電解水の貯留量が予め設定された閾値以下であることを検知した場合に、前記強アルカリ水生成装置は前記強アルカリ電解水を生成して前記強アルカリ水貯蔵タンクに自動供給するように制御する手段を有することを特徴とする。
【0013】
第7発明に係る洗浄システムは、第1発明乃至第6発明のいずれかにおいて、
前記微酸性電解水貯蔵タンクに貯留された前記微酸性電解水の貯留量が予め設定された閾値以下であることを検知した場合に、前記微酸性電解水生成装置は前記微酸性電解水を生成して前記微酸性電解水貯蔵タンクに自動供給するように制御する手段を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、強アルカリ電解水を用いて洗濯物の洗浄処理を行うことにより、従来の化学合成洗剤と同等以上の洗浄効果が期待されるとともに、抗菌・消臭の効果もあり、さらに従来の合成洗剤に含まれている界面活性剤を使用していないことから、すすぎ水の使用量も大幅に削減されるため環境汚染を低減する効果も期待される。
【0015】
また、微酸性電解水を用いて洗濯槽の殺菌処理を自動的に行うことにより、不特定多数のユーザが使用するコインランドリー等において除菌洗浄が可能となり衛生面の管理が向上する効果も期待される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の実施形態に係る洗浄システムの構成の一例を示すシステム構成図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る洗浄システムにおける洗濯工程の一例を示すフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、あくまでも、本発明の理解を容易にするために挙げた一例にすぎず、本発明を限定するものではない。すなわち、本発明は、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、以下に説明する実施形態から変更又は改良され得る。
【0018】
図1は、本発明の実施形態に係る洗浄システムの構成の一例を示すシステム構成図である。
図1に示すように、本システムは、水道水を備蓄する貯水タンク10と、貯水タンク10から給水される水道水を原水として強アルカリ電解水を生成する強アルカリ水生成装置20と、強アルカリ水生成装置20で生成された強アルカリ電解水を貯留する強アルカリ水貯蔵タンク21と、貯水タンク10から給水される水道水を原水として微酸性電解水を生成する微酸性電解水生成装置30と、微酸性電解水生成装置30で生成された微酸性電解水を貯留する微酸性電解水貯蔵タンク31と、洗濯物を洗浄する複数台の洗濯機40と、を備えている。
【0019】
貯水タンク10は、水道水を備蓄するものであって、強アルカリ水生成装置20および微酸性電解水生成装置30に水道水を供給するために、常時一定量の水道水を備蓄するように制御されている。
【0020】
強アルカリ水生成装置20は、貯水タンク10から給水される水道水を原水として強アルカリ電解水を生成する。その生成には、例えば、水道水と炭酸カリウムを用いて電気分解によりPH12.5以上の強アルカリ電解水を生成する。この強アルカリ電解水は、水分子クラスターが細分化され、浸透力が強まり汚れを界面から剥離し分散化することで化学合成の洗剤と同等以上の洗浄効果を発揮する特徴がある。
【0021】
また強アルカリ電解水は、従来の合成洗剤に含まれている界面活性剤を使用していないため、すすぎ水の使用量も大幅に削減されるため環境汚染を低減する効果があり、さらに抗菌・消臭の効果があるので洗浄と抗菌が同時にできる特徴がある。
【0022】
また強アルカリ水生成装置20における強アルカリ電解水の生成量として、例えばPH12.5の場合、0.5L/min程度を想定している。
【0023】
強アルカリ水貯蔵タンク21は、アルカリ水生成装置20で生成された強アルカリ電解水を貯留するものであって、複数台の洗濯機40に強アルカリ電解水を供給するように接続されている。
【0024】
本システムでは、複数台の洗濯機40に、強アルカリ水貯蔵タンク21に貯留された強アルカリ電解水を供給して洗濯物の洗浄処理を行う洗浄手段を有しており、その洗浄手段では洗濯機40の洗濯容量の種類(例えば、12kgタイプ、17kgタイプ、25kgタイプ、等)に応じて強アルカリ水貯蔵タンク21から供給される強アルカリ電解水の流量を最適に制御している。例えば、前記洗浄手段では洗濯機40の洗濯容量の種類が12kgタイプであれば、そのタイプに適した量の強アルカリ電解水を供給するように制御する。
【0025】
また、前記洗浄手段では洗濯槽に投入された洗濯物の重量をセンサーで検出して、その重量に適した量の強アルカリ電解水を供給するように制御するようにしてもよい。これにより、例えば、洗濯機40の洗濯容量の種類が12kgタイプの場合、投入された洗濯物の重量が5kgであれば、12kgタイプに応じた量ではなく、5kgの重量に応じた量の強アルカリ電解水を供給するように制御することで、強アルカリ電解水の使用量を節約することができるようになる。
【0026】
また、前記洗浄手段では複数台の洗濯機40において同時に洗浄処理を実行できるように、複数台の洗濯機40に対して強アルカリ水貯蔵タンク21に貯留された強アルカリ電解水を同時に供給できるように制御している。
【0027】
また本システムでは、強アルカリ水貯蔵タンク21に貯留された強アルカリ電解水の貯留量が予め設定された閾値以下であることを検知した場合に、強アルカリ水生成装置20が強アルカリ電解水を生成して強アルカリ水貯蔵タンク21に自動供給するするように制御している。その閾値については、例えば、洗濯機40の洗濯容量の種類および洗濯機40の台数等を考慮して予め設定されるものとする。また、その閾値の設定については、例えば、洗濯機40の洗濯容量の種類毎に使用時間帯・使用頻度等の統計データを蓄積して、その統計データを分析することにより日時毎の最適な閾値を設定するようにしてもよい。あるいは、その閾値の設定については、天候状況等の外部環境に応じて、外部からリモートで変更できるようにしてもよい。
【0028】
微酸性電解水生成装置30は、貯水タンク10から給水される水道水を原水として微酸性電解水を生成する。その生成には、例えば、水道水と塩酸を用いてPH5.0~6.5、および有効塩素濃度10~80ppmの次亜塩素酸水として微酸性電解水を生成する。この次亜塩素酸水の成分規格は厚生労働省から認可されたものであり、特に厚生労働省食品添加物(殺菌料)指定の微酸性電解水は、ほぼ全ての細菌、ウイルス、真菌、ノロウイルス、O-157、さらに新型コロナウイルスに対して殺菌効果を発揮することが、独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)で評価されている。
【0029】
また微酸性電解水生成装置30における微酸性電解水の生成量として、例えばPH5.0~6.5、および有効塩素濃度10~80ppmの場合、5L/min程度を想定している。
【0030】
微酸性電解水貯蔵タンク31は、微酸性電解水生成装置30で生成された微酸性電解水を貯留するものであって、複数台の洗濯機40に微酸性電解水を供給するように接続されている。
【0031】
本システムでは、複数台の洗濯機40に、微酸性電解水貯蔵タンク31に貯留された微酸性電解水を供給して洗濯槽の殺菌処理を行う殺菌手段を有しており、その殺菌手段では洗濯機40の洗濯容量の種類(例えば、12kgタイプ、17kgタイプ、25kgタイプ、等)に応じて微酸性電解水貯蔵タンク31から供給される微酸性電解水の流量を最適に制御している。例えば、洗濯機40の洗濯容量の種類が12kgタイプであれば、そのタイプに適した量の微酸性電解水を供給するように制御する。
【0032】
また前記殺菌手段では複数台の洗濯機40において同時に殺菌処理を実行できるように、複数台の洗濯機40に対して微酸性電解水貯蔵タンク31に貯留された微酸性電解水を同時に供給できるように制御している。
【0033】
また前記殺菌手段は、前記洗浄手段が実行される前に、自動的に実行されるように制御されている。これにより、洗濯機40の洗濯槽の殺菌処理を自動的に行うことができ、不特定多数のユーザが使用するコインランドリー等において除菌洗浄が可能となり衛生面の管理が向上する効果も期待される。
【0034】
また本システムでは、微酸性電解水貯蔵タンク31に貯留された微酸性電解水の貯留量が予め設定された閾値以下であることを検知した場合に、微酸性電解水生成装置30が微酸性電解水を生成して微酸性電解水貯蔵タンク31に自動供給するように制御している。その閾値については、例えば、洗濯機40の洗濯容量の種類および洗濯機40の台数等を考慮して予め設定されるものとする。また、その閾値の設定については、例えば、洗濯機40の洗濯容量の種類毎に使用時間帯・使用頻度等の統計データを蓄積して、その統計データを分析することにより日時毎の最適な閾値を設定するようにしてもよい。あるいは、その閾値の設定については、天候状況等の外部環境に応じて、外部からリモートで変更できるようにしてもよい。
【0035】
なお
図1のシステム構成は、本発明の実施形態に係る洗浄システムの一例を示したものであり、例えば洗濯機40の台数が一定の基準を超えた場合には、強アルカリ電解水を供給するように接続された強アルカリ水貯蔵タンク21を2台以上に増設してもよい。また同様に、洗濯機40の台数が一定の基準を超えた場合には、微酸性電解水を供給するように接続された微酸性電解水貯蔵タンク31を2台以上に増設してもよい。
【0036】
図2は、本発明の実施形態に係る洗浄システムにおける洗濯工程の一例をフローとして示したものである。
図2に示す洗濯工程のフローに従い、本システムの洗浄処理の手順について以下に説明する。なお、本システムの一例として、コイン式洗濯機(コインランドリー)を想定して説明する。
【0037】
利用者によりコイン式洗濯機に備えられたコイン投入口にコインが投入された後に、洗濯工程が開始される。
【0038】
洗濯工程が開始されると、ステップS01において、洗濯機40の洗濯槽に微酸性電解水が供給され殺菌処理が行われる。この微酸性電解水については、上記で説明したように例えばPH5.0~6.5、および有効塩素濃度10~80ppmの次亜塩素酸水を使用する。ここでは、洗濯機40の洗濯容量の種類(例えば、12kgタイプ、17kgタイプ、25kgタイプ、等)に応じて微酸性電解水貯蔵タンク31から供給される微酸性電解水の流量が最適に制御されている。
【0039】
ステップ01の処理が完了した後に、利用者は、洗濯機40の洗濯槽に洗濯物を入れる。
【0040】
その後、ステップ02において、洗濯機40の洗濯槽に強アルカリ電解水を注入して洗浄処理を行う。この強アルカリ電解水は、上記で説明したように例えばPH12.5以上の強アルカリ電解水を使用する。ここでは洗濯機40の洗濯容量の種類(例えば、12kgタイプ、17kgタイプ、25kgタイプ、等)に応じて強アルカリ水貯蔵タンク21から供給される強アルカリ電解水の流量が最適に制御されている。
【0041】
ステップ02の処理が完了した後に、排水~脱水処理(ステップS11)が行われ、通常の水ですすぎ処理(ステップS12)が行われる。すすぎ処理で使用する水道水の使用量も従来の洗剤を使用する場合と比較して大幅に削減することができる。その後、排水~脱水処理(ステップS13)が行われる。ここでステップS12~ステップS13の処理については、利用者の選択により最大2回まで繰返し行うことができるようになっている。次にドラムヒート処理(ステップS14)が行われ、本脱水処理(ステップS15)が行われる。これによりドラムが温まった状態で脱水でき、より水分の少ない状態で乾燥処理工程に入ることができる。その後、乾燥処理~ほぐし処理(ステップS16)が行われた後、利用者により、洗濯槽から洗濯物が取り出され、洗濯工程が終了する。
【0042】
以上で述べたように、本発明の洗浄システムでは、強アルカリ電解水および微酸性電解水を用いることにより、環境負荷を軽減して洗浄能力および抗菌・消臭・除菌能力を備えたシステムを実現している。
【符号の説明】
【0043】
10 貯水タンク
20 強アルカリ水生成装置
21 強アルカリ水貯蔵タンク
30 微酸性電解水生成装置
31 微酸性電解水貯蔵タンク
40 洗濯機