(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022190764
(43)【公開日】2022-12-27
(54)【発明の名称】エレベーターの送風装置
(51)【国際特許分類】
B66B 11/02 20060101AFI20221220BHJP
F24F 7/06 20060101ALI20221220BHJP
F24F 13/02 20060101ALI20221220BHJP
F24F 13/068 20060101ALI20221220BHJP
F24F 13/08 20060101ALI20221220BHJP
【FI】
B66B11/02 F
F24F7/06 H
F24F13/02 C
F24F13/068 B
F24F13/08 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021099175
(22)【出願日】2021-06-15
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003199
【氏名又は名称】弁理士法人高田・高橋国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】飯田 真司
【テーマコード(参考)】
3F306
3L058
3L080
3L081
【Fターム(参考)】
3F306AA00
3F306CB04
3F306CB05
3F306CB49
3F306CB51
3L058BD01
3L058BE08
3L080AC05
3L080BB01
3L081AA02
3L081AB02
3L081BA06
(57)【要約】 (修正有)
【課題】エレベーターのかごの内部の換気をより促進できる送風装置を提供する。
【解決手段】送風装置は、手摺4と、ファンと、を備える。かご1において、給気口6および出入口2が設けられる。給気口6は、かご1の外部からの空気をかご1の内部に給気する。出入口2は、かご1の内部の空気をかご1の外部に排気する。手摺4は、かご1の内部に配置される中空な管である。手摺4は、一端に設けられた第1開口10から他端に設けられた第2開口11に通じる風路を内部に形成する。送風管は、第2開口11および出入口2の距離が第1開口10および出入口2の距離より短くなるように配置される。ファンは、送風管の風路に配置される。ファンは、第1開口10を上流側とし第2開口11を下流側として送風する。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部からの空気を内部に給気する給気部および内部の空気を外部に排気する排気部が設けられたエレベーターのかごの内部に配置される中空な管であり、一端に設けられた第1開口から他端に設けられた第2開口に通じる風路を形成し、前記第2開口および前記排気部の距離が前記第1開口および前記排気部の距離より短くなるように配置される送風管と、
前記送風管の前記風路に配置され、前記第1開口を上流側とし前記第2開口を下流側として送風するファンと、
を備えるエレベーターの送風装置。
【請求項2】
前記排気部が前記かごの出入口である場合に、
前記送風管は、前記第2開口および前記出入口の距離が前記第1開口および前記出入口の距離より短くなるように配置される
請求項1に記載のエレベーターの送風装置。
【請求項3】
前記第1開口は、前記かごの内部の後側に配置される
請求項2に記載のエレベーターの送風装置。
【請求項4】
前記第1開口および前記給気部の一方が前記かごの内部の上側に配置され、他方が前記かごの内部の下側に配置される
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のエレベーターの送風装置。
【請求項5】
前記給気部が前記かごの天井に設けられた給気口である場合に、
前記第1開口が前記かごの内部の下側に配置される
請求項4に記載のエレベーターの送風装置。
【請求項6】
前記送風管は、前記第1開口および前記給気部の距離が前記第2開口および前記給気部の距離より短くなるように配置される
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のエレベーターの送風装置。
【請求項7】
前記給気部が前記かごの天井に設けられた給気口である場合に、
前記送風管は、前記第1開口および前記給気口の距離が前記第2開口および前記給気口の距離より短くなるように配置される
請求項6に記載のエレベーターの送風装置。
【請求項8】
前記送風管は、手摺である
請求項1から請求項7のいずれか一項に記載のエレベーターの送風装置。
【請求項9】
前記送風管において、前記風路に通じる第3開口が前記第1開口および前記第2開口の間に設けられる
請求項1から請求項8のいずれか一項に記載のエレベーターの送風装置。
【請求項10】
前記送風管は手摺であり、前記風路に通じる第3開口が前記第1開口および前記第2開口の間において下側に設けられる
請求項1から請求項7のいずれか一項に記載のエレベーターの送風装置。
【請求項11】
前記第3開口は、前記ファンの下流側に設けられる
請求項9または請求項10に記載のエレベーターの送風装置。
【請求項12】
前記送風管は、通気性を有し前記第1開口を覆う保護部を有する
請求項1から請求項11のいずれか一項に記載のエレベーターの送風装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、エレベーターの送風装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、エレベーターの送風装置の例を開示する。エレベーターのかごにおいて、内部に手摺が設けられる。エレベーターにおいて、かごの外部に設けられた空調装置からの空気が、手摺の側面に設けられた吹き出し口から吹き出す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のエレベーターにおいて、手摺の側面の吹き出し口から吹き出した空気は、かごの内部に滞留する可能性がある。この場合に、かごの内部の換気が滞る可能性がある。
【0005】
本開示は、このような課題の解決に係るものである。本開示は、エレベーターのかごの内部の換気をより促進できる送風装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係るエレベーターの送風装置は、外部からの空気を内部に給気する給気部および内部の空気を外部に排気する排気部が設けられたエレベーターのかごの内部に配置される中空な管であり、一端に設けられた第1開口から他端に設けられた第2開口に通じる風路を形成し、前記第2開口および前記排気部の距離が前記第1開口および前記排気部の距離より短くなるように配置される送風管と、前記送風管の前記風路に配置され、前記第1開口を上流側とし前記第2開口を下流側として送風するファンと、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本開示に係る送風装置であれば、エレベーターのかごの内部の換気をより促進できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2】実施の形態1に係るかごの
図1におけるA-A断面図である。
【
図3】実施の形態1に係る手摺の中心軸に垂直な面による断面図である。
【
図4】実施の形態1に係る手摺の中心軸を含む鉛直面による断面図である。
【
図5】実施の形態1に係る手摺の後端部の拡大斜視図である。
【
図6】実施の形態1に係る送風装置による送風の例を示す図である。
【
図7】実施の形態1に係る送風装置による送風の例を示す図である。
【
図8】実施の形態2に係る手摺の中心軸を含む鉛直面による断面図である。
【
図9】実施の形態2に係る送風装置による送風の例を示す図である。
【
図10】実施の形態2に係る送風装置による送風の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示を実施するための形態について添付の図面を参照しながら説明する。各図において、同一または相当する部分には同一の符号を付して、重複する説明は適宜に簡略化または省略する。
【0010】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係るかご1の平面図である。
【0011】
かご1は、エレベーターの装置である。エレベーターは、複数の階床を有する建物などに適用される。建物において、エレベーターの昇降路が設けられる。昇降路は、複数の階床にわたる上下方向に長い空間である。かご1は、昇降路を鉛直方向に走行することで、内部に乗車している利用者などを複数の階床の間で輸送する。かご1において、出入口2が設けられる。出入口2は、かご1の内部から外部に通じる開口である。出入口2は、かご1の前面に設けられる。
【0012】
かご1は、かごドア3を備える。かごドア3は、出入口2に設けられる。かごドア3は、かご1がいずれかの階床に停止するときに開閉する機器である。かごドア3が開いているときに、利用者は、出入口2を通ってかご1の乗降を行う。
【0013】
かご1は、一対の手摺4を備える。各々の手摺4は、かご1の内部に乗車している利用者が掴まる棒状の機器である。一方の手摺4は、かご1の内部の左側の壁面に取り付けられる。他方の手摺4は、かご1の内部の右側の壁面に取り付けられる。各々の手摺4は、前後方向を長手方向として、かご1の内部に配置される。各々の手摺4の中心軸は、前後方向に向けられる。
【0014】
図2は、実施の形態1に係るかご1の
図1におけるA-A断面図である。
【0015】
かご1の内部の天井において、給気口6が設けられる。この例において、給気口6は、かご1の内部の天井の後側に設けられる。
【0016】
かご1は、換気装置7を備える。換気装置7は、かご1の外側の上部に配置される。換気装置7は、かご1の外部の空気をかご1の内部に吹き込む装置である。換気装置7は、給気口6に接続される。換気装置7は、給気口6を通じてかご1の外部の空気をかご1の内部に吹き込む。給気口6は、かご1の外部からの空気をかご1の内部に給気する給気部の例である。
【0017】
かご1の内部に吹き込まれた空気は、天井から下方に向けて流れる。かご1の内部の空気は、かご1の出入口2などからかご1の外部に排気される。出入口2は、かご1の内部の空気をかご1の外部に排気する排気部の例である。ここで、排気部としての出入口2は、かごドア3が全開しているときの出入口2の全体、およびかごドア3が全閉しているときの出入口2におけるかごドア3との隙間のいずれをも含む。かご1の内部における給気部および排気部から離れた場所ほど、換気が滞りやすくなる。この例において、かご1の内部における後下側の換気が滞る可能性がある。
【0018】
かご1の内部において、手摺4は、手摺4の後端部および給気口6の距離が手摺4の前端部および給気口6の距離より短くなるように配置される。すなわち、手摺4は、後端部が前端部より給気口6に近くなるように配置される。また、手摺4は、手摺4の前端部および出入口2の距離が手摺4の後端部および出入口2の距離より短くなるように配置される。すなわち、手摺4は、前端部が後端部より出入口2に近くなるように配置される。
【0019】
図3は、実施の形態1に係る手摺4の中心軸に垂直な面による断面図である。
【0020】
エレベーターにおいて、かご1の内部の換気を促進する送風装置8が適用される。送風装置8は、手摺4を含む。手摺4は、中空な管である。この例において、手摺4は、円筒状の直管である。手摺4は、支持金具5によってかご1の内部の壁面に取り付けられる。
【0021】
図4は、実施の形態1に係る手摺4の中心軸を含む鉛直面による断面図である。
【0022】
手摺4において、一端に第1開口10が設けられる。手摺4において、他端に第2開口11が設けられる。この例において、第1開口10は、手摺4の後端に設けられる。また、第2開口11は、手摺4の前端に設けられる。手摺4は、第1開口10から第2開口11に通じる風路12を内部に形成する。すなわち、手摺4は、送風管の例である。かご1の内部の空間と手摺4の風路12とは、第1開口10および第2開口11で通じている。
【0023】
送風装置8は、ファン9を備える。ファン9は、手摺4の内部の風路12に配置される。ファン9は、空気の送風を行う機器である。ファン9は、第1開口10を上流側とし、第2開口11を下流側として送風する。この例において、ファン9は、かご1の内部の後側から前側に向けて送風を行う。ファン9は、例えば支持金具5を通る配線を通じて、かご1の壁面の外部に配置された電源装置から電力の供給を受けて動作する。あるいは、ファン9は、手摺4の風路12に配置された充電式の電池などから電力の供給を受けて動作してもよい。
【0024】
図5は、実施の形態1に係る手摺4の後端部の拡大斜視図である。
【0025】
手摺4は、保護部13を有する。保護部13は、第1開口10を覆うように配置される。保護部13は、通気性を有する部材である。保護部13は、風路12への異物の侵入を妨げる。保護部13は、例えば網またはフィルターなどである。保護部13は、複数の孔またはスリットなどが設けられた板状の部材であってもよい。
【0026】
続いて、
図6および
図7を用いて、送風装置8による送風の例を説明する。
図6および
図7は、実施の形態1に係る送風装置8による送風の例を示す図である。
【0027】
図6において、送風装置8の斜視図が示される。送風装置8のファン9によって、手摺4の後端部の第1開口10から、手摺4の内部にかご1の内部の空気が流入する。手摺4の内部に流入した空気は、ファン9によって風路12を通って上流側から下流側に流れる。風路12を通った空気は、ファン9によって手摺4の前端部の第2開口11から吹き出す。このとき、第2開口11から吹き出した空気は、周囲の空気を引き込みながら前方に流れる。このように、送風装置8によって、かご1の内部の後側から前側に向かう空気の流れが形成される。
【0028】
図7において、かご1の内部における空気の流れの例が示される。吸気部および排気部と手摺4の内部の風路12とは、直に接続されていない。手摺4は、第1開口10がかご1の内部の後側にあるように配置されている。手摺4は、第2開口11がかご1の内部の前側にあるように配置されている。手摺4は、第1開口10がかご1の内部の上下方向において給気部の反対側にあるように配置されている。この例において、給気部としてかごの上側に給気口6が設けられているので、第1開口10はかご1の内部の下側に設けられている。なお、給気部がかご1の下側に設けられる場合に、第1開口10はかご1の内部の上側に設けられていてもよい。かご1の内部において、給気口6から空気が給気される。かご1の後方の空気は、送風装置8のファン9によって第1開口10から手摺4の内部の風路12に流入する。これにより、かご1の内部の後側の空気が前側に送られるようになる。また、送風装置8のファン9によって第2開口11から空気がかご1の内部の前側に吹き出される。かご1の内部の前側に向かって流れる空気は、排気部としての出入口2からかご1の外部に排気される。これにより、かご1の内部の前側の空気の、かご1の外部への排気が促進される。
【0029】
なお、給気部は、かご1の内部の天井およびかご1の内部の壁面の間の隙間などであってもよい。排気部は、かご1の内部の壁面などに設けられた通風孔などであってもよい。排気部は、かご1の内部の床面およびかご1の内部の壁面の間の隙間などであってもよい。当該隙間は、例えば巾木などによってかご1の内部から隠蔽されていてもよい。
【0030】
また、手摺4は、円筒状の形状でなくてもよい。手摺4は、例えば角柱状の形状であってもよい。
【0031】
また、送風装置8は、手摺4とともに、または、手摺4に替えて、両端に設けられた第1開口10および第2開口11の間の風路12を形成するようにかご1の内部に配置された送風管を備えていてもよい。このとき、送風管は、手摺4に要求される強度などを有していなくてもよい。また、送風管は、手摺4より低い位置、または、手摺4より高い位置などに配置されていてもよい。
【0032】
以上に説明したように、実施の形態1に係る送風装置8は、送風管の例である手摺4と、ファン9と、を備える。かご1において、給気部の例である給気口6および排気部の例である出入口2が設けられる。給気口6は、かご1の外部からの空気をかご1の内部に給気する。出入口2は、かご1の内部の空気をかご1の外部に排気する。手摺4は、かご1の内部に配置される中空な管である。手摺4は、一端に設けられた第1開口10から他端に設けられた第2開口11に通じる風路12を内部に形成する。送風管は、第2開口11および出入口2の距離が第1開口10および出入口2の距離より短くなるように配置される。ファン9は、送風管の風路12に配置される。ファン9は、第1開口10を上流側とし第2開口11を下流側として送風する。
【0033】
このような構成により、かご1の出入口2に向かう気流が形成されるので、かご1の内部の空気のかご1の外部への排出が促進される。これにより、かご1の内部の換気が促進される。すなわち、かご1の内部の空気の入れ替えが速やかに行われるようになる。また、ファン9による気流を通す風路12は手摺4の内部に形成されているので、送風装置8は、気流が直接当たることによる不快感などをかご1の内部に乗車している利用者に与えにくい。かご1の内部が利用者で混んでいても、かご1の内部の空気のかご1の外部への排出が促進される。また、ファン9を内部に搭載した手摺4を既設の手摺と交換することで送風装置8が導入できるようになるので、既設のエレベーターへの送風装置8への導入が容易になる。
【0034】
また、手摺4は、第1開口10および給気口6の距離が第2開口11および給気口6の距離より短くなるように配置される。
【0035】
このような構成により、第1開口10からの風路12への空気の流入によって給気口6の付近における圧力が下がるので、より効率的にかご1の外部の空気がかご1の内部に供給されるようになる。また、風路12からの第2開口11への空気の流出によって排気部の付近における圧力が高くなるので、より効率的にかご1の内部の空気がかご1の外部に排出されるようになる。これにより、かご1の内部の換気がより促進されるようになる。
【0036】
また、手摺4は、保護部13を有する。保護部13は、第1開口10を覆う。保護部13は、風路12への異物の侵入を妨げる。
【0037】
このような構成により、風路12への埃などの異物の侵入が妨げられる。これにより、ファン9などの送風装置8の機器がより安定に動作するようになる。
【0038】
実施の形態2.
実施の形態2において、実施の形態1で開示される例と相違する点について特に詳しく説明する。実施の形態2で説明しない特徴については、実施の形態1で開示される例のいずれの特徴が採用されてもよい。
【0039】
図8は、実施の形態2に係る手摺4の中心軸を含む鉛直面による断面図である。
【0040】
送風装置8は、複数のファン9を備える。この例の送風装置8において、1つの手摺4の風路12に複数のファン9が配置される。
【0041】
手摺4において、複数の第3開口14が側面に設けられる。各々の第3開口14は、風路12に通じる。各々の第3開口14は、第1開口10および第2開口11の間に配置される。この例において、各々の第3開口14は、手摺4の下側に設けられる。複数の第3開口14は、手摺4の長手方向に沿って並んで配置される。複数の第3開口14の一部または全部は、少なくともいずれかのファン9の下流側に設けられる。かご1の内部の空間と手摺4の風路12とは、第3開口14で通じている。
【0042】
続いて、
図9および
図10を用いて、送風装置8による送風の例を説明する。
図9および
図10は、実施の形態2に係る送風装置8による送風の例を示す図である。
【0043】
図9において、送風装置8の斜視図が示される。送風装置8のファン9によって、手摺4の後端部の第1開口10から、手摺4の内部にかご1の内部の空気が流入する。手摺4の内部に流入した空気は、複数のファン9によって風路12を通って上流側から下流側に流れる。風路12を通った空気の一部は、複数のファン9によって手摺4の前端部の第2開口11から吹き出す。このとき、第2開口11から吹き出した空気は、周囲の空気を引き込みながら前方に流れる。また、風路12を通った空気の一部は、いずれかの第3開口14から下方に吹き出す。このとき、第3開口14から吹き出した空気は、周囲の空気を引き込みながら前方に流れる。このように、送風装置8によって、かご1の内部の後側から前側に向かう空気の流れが手摺4に沿って形成される。
【0044】
図10において、かご1の内部における空気の流れの例が示される。かご1の内部において、給気口6から空気が給気される。かご1の後方の空気は、送風装置8のファン9によって第1開口10から手摺4の内部の風路12に流入する。これにより、かご1の内部の後側の空気が前側に送られるようになる。また、送風装置8のファン9によって第2開口11および複数の第3開口14から空気がかご1の内部の前側に吹き出される。かご1の内部の前側に向かって流れる空気は、排気部としての出入口2からかご1の外部に排気される。これにより、かご1の内部の前側の空気の、かご1の外部への排気が促進される。
【0045】
以上に説明したように、実施の形態2に係る送風装置8の手摺4において、風路12に通じる第3開口14が第1開口10および第2開口11の間に設けられる。
また、第3開口14は、ファン9の下流側に設けられる。
また、第3開口14は、手摺4の下側に設けられる。
【0046】
このような構成により、かご1の給気口6から出入口2に向かう気流が手摺4に沿って形成されるので、かご1の内部の前側および後側の間の領域を含む全体において空気の滞留が抑制されるようになる。これにより、かご1の内部の換気がより促進されるようになる。また、手摺4から下方に向けて空気が吹き出されるようになるので、送風装置8は、気流が顔などに直接当たることによる不快感をかご1の内部に乗車している利用者に与えにくい。
【符号の説明】
【0047】
1 かご、 2 出入口、 3 かごドア、 4 手摺、 5 支持金具、 6 給気口、 7 換気装置、 8 送風装置、 9 ファン、 10 第1開口、 11 第2開口、 12 風路、 13 保護部、 14 第3開口