(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022190771
(43)【公開日】2022-12-27
(54)【発明の名称】電力発生装置
(51)【国際特許分類】
E04H 13/00 20060101AFI20221220BHJP
H02S 10/20 20140101ALI20221220BHJP
H02S 20/20 20140101ALI20221220BHJP
【FI】
E04H13/00 G
H02S10/20
H02S20/20 200
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021099193
(22)【出願日】2021-06-15
(71)【出願人】
【識別番号】391028328
【氏名又は名称】株式会社辰巳菱機
(74)【代理人】
【識別番号】100127306
【弁理士】
【氏名又は名称】野中 剛
(72)【発明者】
【氏名】近藤 豊嗣
【テーマコード(参考)】
5F151
【Fターム(参考)】
5F151BA05
5F151JA13
5F151JA15
5F151JA28
(57)【要約】
【課題】 墓の周囲で電力を使用することを可能にする電力発生装置を提供する。
【解決手段】 電力発生装置1は、竿石3の上方で太陽光発電を行うため、受光領域を有する発電部11と、発電部11で得られた電力を貯蔵する蓄電部19と、竿石3の周囲に設けられ、発電部11を保持する柱部(前柱部14a、後柱部14b)とを備える。電力発生装置1は、タンク33と、受光領域からの雨水をタンクに誘導する集水部31と、発電部11と蓄電部19の少なくとも一方からの電力で駆動するポンプ21と、ポンプ21を介して、タンク33に貯蔵された水を、発電部11よりも下方で、且つ竿石3の上面にかける散水部とを更に備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
竿石の上方で太陽光発電を行うため、受光領域を有する発電部と、
前記発電部で得られた電力を貯蔵する蓄電部と、
前記竿石の周囲に設けられ、前記発電部を保持する柱部とを備える、電力発生装置。
【請求項2】
タンクと、
前記受光領域からの雨水を前記タンクに誘導する集水部と、
前記発電部と前記蓄電部の少なくとも一方からの電力で駆動するポンプと、
前記ポンプを介して、前記タンクに貯蔵された水を、前記発電部よりも下方で、且つ前記竿石の上面にかける散水部とを更に備える、請求項1に記載の電力発生装置。
【請求項3】
前記発電部と前記蓄電部の少なくとも一方からの電力で駆動する撮像部と、
前記発電部と前記蓄電部の少なくとも一方からの電力で駆動し、前記撮像部で得られた画像に基づいて、音声と光の少なくとも一方を出力する出力部とを更に備える、請求項1または請求項2に記載の電力発生装置。
【請求項4】
前記発電部が前記竿石の上方に位置する第1状態と、前記発電部が前記竿石の上方から外れて位置する第2状態とを切り替える開閉部を更に備える、請求項1から請求項3のいずれかに記載の電力発生装置。
【請求項5】
前記柱部は、前記竿石の前方に位置する前柱部と、前記竿石の後方に位置する後柱部とを有し、
前記前柱部は、前記後柱部よりも長い高さを有する、請求項1から請求項4のいずれかに記載の電力発生装置。
【請求項6】
前記発電部が前記竿石の上方に位置する第1状態と、前記発電部が前記竿石の上方から外れて位置する第2状態とを切り替える開閉部を更に備え、
前記柱部は、前記竿石の前方に位置する前柱部と、前記竿石の後方に位置する後柱部とを有し、
前記前柱部は、前記後柱部よりも長い高さを有し、
前記開閉部は、前記後柱部に設けられ、
前記第1状態では、前記発電部若しくは前記発電部を保持する部材が、前記前柱部と接した状態となり、
前記第2状態では、前記発電部若しくは前記発電部を保持する部材が、前記前柱部から離れた状態となる、請求項1と請求項3から請求項4のいずれかに記載の電力発生装置。
【請求項7】
タンクと、
前記後柱部の後方で、前記受光領域から流れ落ちる雨水を前記タンクに誘導する集水部と、
前記発電部と前記蓄電部の少なくとも一方からの電力で駆動するポンプと、
前記ポンプを介して、前記タンクに貯蔵された水を、前記発電部よりも下方で、且つ前記竿石の上面にかける散水部とを更に備える、請求項6に記載の電力発生装置。
【請求項8】
前記発電部を保持する保持部を更に備え、
前記発電部は、前記受光領域を複数有し、
前記保持部は、前記複数の受光領域が前記竿石の上方で積み重なった閉状態で保持可能であり、前記複数の受光領域が重ならない開状態で保持可能である、請求項1から請求項7のいずれかに記載の電力発生装置。
【請求項9】
前記発電部を保持する保持部を更に備え、
前記発電部は、前記受光領域として、第1受光領域と第2受光領域と第3受光領域と第4受光領域と第5受光領域とを有し、
前記保持部は、基準位置から後方向に移動可能な状態で前記第1受光領域を保持し、前記基準位置に固定した状態で前記第2受光領域を保持し、前記基準位置から前方向に移動可能な状態で前記第3受光領域を保持し、前記基準位置から右方向に移動可能な状態で前記第4受光領域を保持し、前記基準位置から左方向に移動可能な状態で前記第5受光領域を保持し、
前記保持部は、前記基準位置に前記第1受光領域と前記第2受光領域と前記第3受光領域と前記第4受光領域と前記第5受光領域とを、前記竿石の上方で積み重ねた閉状態で保持可能であり、
前記保持部は、前記第1受光領域と前記第2受光領域と前記第3受光領域と前記第4受光領域と前記第5受光領域とを、重ならない開状態で、保持可能である、請求項1から請求項7のいずれかに記載の電力発生装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽光発電を行う電力発生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1のように、墓が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、墓の周囲には電力線が配設されていないことが多く、墓の周囲で、電力供給を受けることが困難である。
【0005】
したがって本発明の目的は、墓の周囲で電力を使用することを可能にする電力発生装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る電力発生装置は、竿石の上方で太陽光発電を行うため、受光領域を有する発電部と、発電部で得られた電力を貯蔵する蓄電部と、竿石の周囲に設けられ、発電部を保持する柱部とを備える。
【0007】
竿石の上方の領域が、発電部の受光領域によって覆われる。このため、当該受光領域の下部領域(竿石がある領域など)が、直射日光により高温になるのを防ぎ、竿石の周囲に日陰領域を形成できる。
また、他の領域から電力線を配設しなくても、竿石の周囲で電力を得るが可能になり、竿石がある領域で、照明、盗難防止などに当該電力を使用することが可能になる。
また、余剰電力は、商用電源などに供給することも可能になる。
【0008】
好ましくは、電力発生装置は、タンクと、受光領域からの雨水をタンクに誘導する集水部と、発電部と蓄電部の少なくとも一方からの電力で駆動するポンプと、ポンプを介して、タンクに貯蔵された水を、発電部よりも下方で、且つ竿石の上面にかける散水部とを更に備える。
【0009】
集水部を使って、発電部の受光領域などから流れ落ちた雨水などをタンクに集めることが可能になる。
タンクに貯まった水は、散水部を介して、竿石への散水に使用出来る。
【0010】
さらに好ましくは、電力発生装置は、発電部と蓄電部の少なくとも一方からの電力で駆動する撮像部と、発電部と蓄電部の少なくとも一方からの電力で駆動し、撮像部で得られた画像に基づいて、音声と光の少なくとも一方を出力する出力部とを更に備える。
【0011】
撮像部で得られた画像に基づいて、警告出力を行うことで、人気が居ないことが多い墓の周囲での盗難などを防ぎやすくなる。
また、墓参りの者に対しては、お経などの音声を発したり、灯籠や線香に相当する光を供給したりすることが可能になる。
【0012】
さらに好ましくは、電力発生装置は、発電部が竿石の上方に位置する第1状態と、発電部が竿石の上方から外れて位置する第2状態とを切り替える開閉部を更に備える。
【0013】
開閉部により、発電部を竿石の上方に位置する状態(第1状態)と、竿石のz方向上方から外れた状態(第2状態)とを切り替え制御出来る。
第1状態では、発電部の発電が行いやすい状態になり、第2状態では、竿石の周囲の領域に人が出入りしやすくなる。
【0014】
さらに好ましくは、柱部は、竿石の前方に位置する前柱部と、竿石の後方に位置する後柱部とを有する。
前柱部は、後柱部よりも長い高さを有する。
【0015】
前柱部を高くすることで、竿石の前方の領域と、発電部の前方の領域の間の空間を広く出来、墓参りの時などに、発電部が墓参り者にとって邪魔になりにくい。
【0016】
また、好ましくは、電力発生装置は、発電部が竿石の上方に位置する第1状態と、発電部が竿石の上方から外れて位置する第2状態とを切り替える開閉部を更に備える。
柱部は、竿石の前方に位置する前柱部と、竿石の後方に位置する後柱部とを有する。
前柱部は、後柱部よりも長い高さを有する。
開閉部は、後柱部に設けられる。
第1状態では、発電部若しくは発電部を保持する部材が、前柱部と接した状態となる。
第2状態では、発電部若しくは発電部を保持する部材が、前柱部から離れた状態となる。
【0017】
これにより、前方から、前柱部と後柱部の間の領域に入りやすくなる。
【0018】
さらに好ましくは、電力発生装置は、タンクと、後柱部の後方で、受光領域から流れ落ちる雨水をタンクに誘導する集水部と、発電部と蓄電部の少なくとも一方からの電力で駆動するポンプと、ポンプを介して、タンクに貯蔵された水を、発電部よりも下方で、且つ竿石の上面にかける散水部とを更に備える。
【0019】
また、好ましくは、電力発生装置は、発電部を保持する保持部を更に備える。
発電部は、受光領域を複数有する。
保持部は、複数の受光領域が竿石の上方で積み重なった閉状態で保持可能であり、複数の受光領域が重ならない開状態で保持可能である。
【0020】
不使用時に、保持部は、発電部の複数の受光領域を、基準位置で、積み重ねて保持する(閉状態)。
使用時に、保持部は、発電部の複数の受光領域が重ならない位置関係で、発電部の複数の受光領域を保持する(開状態)。
このため、不使用時に比べて広い受光面積を確保し、太陽光から多くの電力を得ることが可能になる。
【0021】
また、好ましくは、電力発生装置は、発電部を保持する保持部を更に備える。
発電部は、受光領域として、第1受光領域と第2受光領域と第3受光領域と第4受光領域と第5受光領域とを有する。
保持部は、基準位置から後方向に移動可能な状態で第1受光領域を保持し、基準位置に固定した状態で第2受光領域を保持し、基準位置から前方向に移動可能な状態で第3受光領域を保持し、基準位置から右方向に移動可能な状態で第4受光領域を保持し、基準位置から左方向に移動可能な状態で第5受光領域を保持する。
保持部は、基準位置に第1受光領域と第2受光領域と第3受光領域と第4受光領域と第5受光領域とを、竿石の上方で積み重ねた閉状態で保持可能である。
保持部は、第1受光領域と第2受光領域と第3受光領域と第4受光領域と第5受光領域とを、重ならない開状態で、保持可能である。
【発明の効果】
【0022】
以上のように本発明によれば、墓の周囲で電力を使用することを可能にする電力発生装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】第1実施形態の電力発生装置の構成図である。
【
図2】第1実施形態の第1状態の電力発生装置の前方から見た斜視図である。
【
図3】第1実施形態の第1状態の電力発生装置の後方から見た斜視図である。
【
図4】第1実施形態の第2状態の電力発生装置の前方から見た斜視図である。
【
図5】第1実施形態の第2状態の電力発生装置の後方から見た斜視図である。
【
図6】第2実施形態の第2状態の電力発生装置の後方から見た斜視図である。
【
図7】第3実施形態の電力発生装置の構成図である。
【
図8】第3実施形態の第1状態で且つ閉状態の電力発生装置の後方から見た斜視図である。
【
図9】第3実施形態の第1状態で且つ開状態の電力発生装置の後方から見た斜視図である。
【
図10】第3実施形態の第2状態で且つ閉状態の電力発生装置の後方から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本実施形態について、図を用いて説明する。
なお、実施形態は、以下の実施形態に限られるものではない。また、一つの実施形態に記載した内容は、原則として他の実施形態にも同様に適用される。また、各実施形態及び各変形例は、適宜組み合わせることが出来る。
【0025】
方向を説明するために、墓1の前後方向をx方向、x方向と垂直な左右方向をy方向、x方向とy方向に垂直な略鉛直方向をz方向として説明する。
図2などにおいて、x軸、y軸、z軸のそれぞれの矢印が指し示す方向をそれぞれ前方向、右方向、上方向と定義する。
【0026】
(基準位置Pの定義)
後述する第3実施形態の基準位置Pは、土台部15の上面の上の空間(発電部11がある側の空間)であって、各保持領域の伸縮部材が縮んだ状態の保持部13が位置する空間である。第3実施形態では、土台部15の上面の略中心の上に、各保持領域の伸縮部材が縮んだ状態の保持部13が位置する。
【0027】
(電力発生装置1)
第1実施形態の電力発生装置1は、竿石(墓石)3の周囲に設けられる。
電力発生装置1は、制御部5、発電部11、前柱部14a、後柱部14b、土台部15、開閉部16、第1変換部17、蓄電部19、ポンプ21、撮像部23、出力部24、通信部25、第2変換部27、集水部31、タンク33、散水部35を備える(
図1~
図5参照)。
【0028】
(制御部5)
制御部5は、電力発生装置1の電気機器を制御する。
例えば、制御部5は、開閉部16、ポンプ21、撮像部23、出力部24、通信部25の動作制御を行う。
【0029】
また、例えば、制御部5は、撮像部23で得られた画像に映り込んだ人物の動作を特定し、画像の中に不審者に関連する所定の動作(第1動作)が含まれる場合には、当該人物が不審者であるとして、出力部24の音声出力装置に警告用の音を出力させたり、出力部24の発光装置に警告用の光を出力させたり、通信部25を介して、外部の端末(例えば、竿石3の所有者のコンピューターなど)に警告情報を送信させたりする。
制御部5または通信部25を介して通信状態にある端末若しくはサーバーが、警告用の音及び光の出力を行うか否かを判断してもよいし、当該外部の端末の使用者が、撮像部23で得られた画像を見て、警告用の音及び光の出力を行うか否かを判断してもよい。
【0030】
また、例えば、制御部5は、撮像部23で得られた画像に写り込んだ人物の動作を特定し、画像の中にお墓参りに関連する所定の動作(第2動作)が含まれる場合には、当該人物が不審者でないとして、出力部24の音声出力装置にお経に関する音声を出力させたり、警告用の光よりも弱い強度の光(灯籠若しくは線香に相当する光)を出力させたりする。
制御部5または通信部25を介して通信状態にある端末若しくはサーバーが、お経に関する音声及び弱い強度の光の出力を行うか否かを判断してもよいし、当該外部の端末の使用者が、撮像部23で得られた画像を見て、お経に関する音声及び光の弱い強度の光出力を行うか否かを判断してもよい。
【0031】
(発電部11)
発電部11は、竿石3のz方向上方で太陽光発電を行うための受光領域を有する。
発電部11は、常時、発電が可能な状態にされる。
発電部11で得られた電力は、第1変換部17を介して、蓄電部19に供給される。
第1実施形態の発電部11は、土台部15に固定される。
発電部11は、少なくとも使用時に、竿石3のz方向上方に配置される。
ただし、後述するように、竿石3の清掃など、メンテナンス時には、発電部11は、竿石3のz方向上方から外れた位置に配置される。
【0032】
(前柱部14a、後柱部14b)
前柱部14aは、地面grからz方向上方に延びる2本の柱を含み、x方向前方で土台部15を支える。
後柱部14bは、地面grからz方向上方に延びる2本の柱を含み、x方向後方で土台部15を支える。
すなわち、柱部(前柱部14a、後柱部14b)は、竿石3の周囲に設けられ、発電部11を保持する。
第1実施形態の前柱部14aは、後柱部14bよりも長い高さを有する。
前柱部14aと後柱部14bの上面は、土台部15を傾いた状態で保持するように斜面で構成される。
【0033】
(土台部15、開閉部16)
土台部15は、前柱部14aと後柱部14bのz方向上方に設けられる。
土台部15の上面には、発電部11が取り付けられる。
土台部15は、開閉部16を介して、後柱部14bと離合可能な状態で、前柱部14aに取り付けられる。
開閉部16は、発電部11と蓄電部19の少なくとも一方からの電力により駆動するモーターを含み、y方向に平行な軸周りで回転可能な状態で、土台部15を保持する。
発電を行う時など、通常時は、土台部15は、後柱部14bと接する第1状態にされる(
図2、
図3参照)。
竿石3の清掃など、メンテナンス時は、土台部15は、後柱部14bから離れた第2状態にされる(
図4、
図5参照)。
ただし、開閉部16は、電動による開閉に加えて/代えて、手動による開閉で、第1状態と第2状態とが切り替えられる形態であってもよい。
【0034】
発電部11の受光領域の受光面が、南を向き、太陽が最も高い位置にある時に太陽光の入射角(入射角と発電部11の受光領域の受光面の法線とのなす角度)が小さくなる、すなわち、太陽光の入射角と発電部11の受光領域の受光面とのなす角度が垂直に近くなるように、前柱部14aと後柱部14bのz方向の長さの差(土台部15の上面の傾き度合い)が設定されるのが望ましい。
【0035】
(前柱部14a、後柱部14b、土台部15の何れかに収容される部材)
制御部5、第1変換部17、通信部25、第2変換部27は、前柱部14aと後柱部14bと土台部15のいずれかに収容される。
ただし、制御部5、第1変換部17、通信部25、第2変換部27は、前柱部14aと後柱部14bと土台部15とは別体で外部に設けられてもよい。
また、
図2などでは、蓄電部19、ポンプ21、撮像部23が、前柱部14aと後柱部14bと土台部15とは別体で外部に設けられる例を説明した。
しかしながら、蓄電部19、ポンプ21、撮像部23の少なくとも1つが、前柱部14aと後柱部14bと土台部15のいずれかに収容されてもよい。
【0036】
(第1変換部17)
第1変換部17は、パワーコンディショナー、DC/DCコンバーターなどを含む充電装置である。
第1変換部17は、発電部11で得られた電力を、蓄電部19の充電に適した電流及び電圧に変換して、蓄電部19に供給する。
【0037】
(蓄電部19)
蓄電部19は、バッテリーなどで構成され、発電部11で得られた電力を蓄積する。
蓄電部19は、開閉部16など、電力発生装置1を構成する電気機器に、電力を蓄積するために使用される。
また、蓄電部19は、商用電源など外部機器100に電力を供給するために用いられてもよい。
なお、蓄電部19は、1つの蓄電装置で構成されてもよいし、複数の蓄電装置で構成されてもよい。蓄電部19が複数の蓄電装置で構成された場合には、蓄電部19が1つの蓄電装置で構成される形態に比べて、1つあたりの蓄電装置の容量を小さくできる。
【0038】
(ポンプ21)
ポンプ21は、タンク33に貯まった雨水を吸い上げて、散水部35に供給する。
ポンプ21は、発電部11と蓄電部19の少なくとも一方からの電力に基づいて駆動する。
ポンプ21は、第1時間T1(例えば、T1=1日)ごとに定期的に駆動する形態であってもよいし、制御部5などが検知した湿度などの情報に基づいて、駆動してもよい。
【0039】
(撮像部23)
撮像部23は、前柱部14aに取り付けられ、竿石3の周囲の画像(静止画像、動画像)を取得する。
取得した画像に関する情報は、通信部25を介して、外部の端末(例えば、竿石3の所有者のコンピューターなど)に送信される。
【0040】
(出力部24)
出力部24は、音を発する音声出力装置と、光を発する発光装置の少なくとも一方を含む。
出力部24の音声出力装置は、警告用の音と、当該警告用の音よりも小さい音量でのお経に関する音とを発する。
出力部24の発光装置は、警告用の光と、灯籠若しくは線香に相当する光として、当該警告用の光よりも少ない光量での光とを発する。
出力部24は、竿石3の近傍、例えば、竿石3のx方向前方に設けられる。
出力部24は、発電部11と蓄電部19の少なくとも一方からの電力に基づいて駆動する。
【0041】
(通信部25)
通信部25は、電話回線などで、外部の端末と通信する。
通信部25は、発電部11と蓄電部19の少なくとも一方からの電力に基づいて駆動する。
【0042】
(第2変換部27)
第2変換部27は、蓄電部19からの電力を、直流から交流に変換し、且つ所望の電流及び電圧に変換して、商用電源など外部機器100に供給する。
【0043】
(集水部31)
集水部31は、雨樋などで構成され、発電部11及び土台部15の上面から流れ落ちる水を集め、タンク33に誘導する。
集水部31は、後柱部14bのx方向後方で、土台部15の斜面の最も低い位置にある側部のz方向下方に設けられる。
【0044】
(タンク33)
タンク33は、集水部31などで集められた雨水などの水を蓄積する。
タンク33には、フィルターなど浄水装置が設けられてもよい。
【0045】
(散水部35)
散水部35は、タンク33と連通し、ポンプ21を介して、タンク33に貯蔵された水を、竿石3のz方向上方に誘導し、竿石3にかける。
散水部35の先端ノズルは、常時、竿石3のz方向上方に位置する形態であってもよいし、散水を行う時だけ竿石3のz方向上方に位置し、散水を行わない時は、竿石3のz方向上方から外れた位置に退避する形態であってもよい。
【0046】
(竿石3のz方向上方に受光領域が設けられることの効果)
竿石3のz方向上方の領域が、発電部11の受光領域によって覆われる。このため、当該受光領域の下部領域(竿石3がある領域など)が、直射日光により高温になるのを防ぎ、竿石3の周囲に日陰領域を形成できる。
また、他の領域から電力線を配設しなくても、竿石3の周囲で電力を得るが可能になり、竿石3がある領域で、照明、盗難防止などに当該電力を使用することが可能になる。
また、余剰電力は、商用電源などに供給することも可能になる。
【0047】
(集水部31、タンク33、散水部35を設けたことの効果)
集水部31を使って、発電部11の受光領域などから流れ落ちた雨水などをタンク33に集めることが可能になる。
タンク33に貯まった水は、散水部35を介して、竿石3への散水に使用出来る。
【0048】
(撮像部23、出力部24を設けたことの効果)
撮像部23で得られた画像に基づいて、警告出力を行うことで、人気が居ないことが多い墓の周囲での盗難などを防ぎやすくなる。
また、墓参りの者に対しては、お経などの音声を発したり、灯籠や線香に相当する光を供給したりすることが可能になる。
【0049】
(開閉部16を設けたことの効果)
開閉部16により、発電部11を竿石3のz方向上方に位置する状態(第1状態)と、竿石3のz方向上方から外れた状態(第2状態)とを切り替え制御出来る。
第1状態では、発電部11の発電が行いやすい状態になり、第2状態では、竿石3の周囲の領域に人が出入りしやすくなる。
【0050】
(前柱部14aを後柱部14bよりも高くすることの効果)
前柱部14aを高くすることで、竿石3のx方向前方の領域と、発電部11のx方向前方の領域の間の空間を広く出来、墓参りの時などに、発電部11及び土台部15が墓参り者にとって邪魔になりにくい。
【0051】
(前柱部14aと後柱部14bの高さ設定の応用例)
第1実施形態では、前柱部14aが、後柱部14bよりも長い高さを有する例を説明した。
しかしながら、後柱部14bが、前柱部14aよりも長い高さを有してもよい。
また、前柱部14aと後柱部14bのy方向右方のものが、前柱部14aと後柱部14bのy方向左方のものよりも長い高さを有してもよい。
また、前柱部14aと後柱部14bのy方向左方のものが、前柱部14aと後柱部14bのy方向右方のものよりも長い高さを有してもよい。
また、前柱部14aと後柱部14bが同じ高さを有してもよい。この場合、開閉部16若しくは他の角度調整機構を介して、土台部15の傾き度合いが調整されるのが望ましい。
【0052】
第1実施形態では、前柱部14aと後柱部14bがそれぞれ2本の柱で構成される例を説明した。
しかしながら、前柱部14aと後柱部14bの少なくとも一方が、1本の柱で構成されてもよい。
また、前柱部14aと後柱部14bの一方だけで土台部15を保持してもよい。
【0053】
(開閉部16の設置位置の応用例)
第1実施形態では、開閉部16が、前柱部14aと土台部15の間に設けられる例を説明した。
しかしながら、開閉部16が、後柱部14bと土台部15の間に設けられてもよい(第2実施形態、
図6参照)。
発電を行う時など、通常時は、土台部15は、前柱部14aと接する第1状態にされる。
竿石3の清掃など、メンテナンス時は、土台部15は、前柱部14aから離れた第2状態にされる(
図6参照)。
【0054】
これにより、第1実施形態の第2状態に比べて、第2実施形態の第2状態の方が、x方向前方から、前柱部14aと後柱部14bの間の領域に入りやすくなる。
【0055】
(発電部11の応用例)
第1実施形態、第2実施形態では、発電部11が1つの受光領域を有する例を説明した。
しかしながら、発電部11は、複数の受光領域を有してよい(第3実施形態、
図7~
図10参照)。
複数の受光領域は、不使用時は重なり合った閉状態となり、使用時(発電時)は重なり合わない開状態となる。
【0056】
第3実施形態の発電部11は、第1受光領域11a、第2受光領域11b、第3受光領域11c、第4受光領域11d、第5受光領域11eを有する。
第1受光領域11a、第2受光領域11b、第3受光領域11c、第4受光領域11d、第5受光領域11eのそれぞれは、太陽光発電を行うためのソーラーパネルを有する。
【0057】
第3実施形態の発電部11は、複数の受光領域のうち少なくとも1つが移動可能な状態で、保持部13に保持され、保持部13が土台部15に固定される。
すなわち、第3実施形態の発電部11は、保持部13を介して、土台部15に取り付けられる。
【0058】
(保持部13)
保持部13は、第1保持領域13a、第2保持領域13b、第3保持領域13c、第4保持領域13d、第5保持領域13eを有する。
【0059】
保持部13は、基準位置Pに、第1受光領域11aと第2受光領域11bと第3受光領域11cと第4受光領域11dと第5受光領域eとを、土台部15の上面の法線方向に積み重ねた閉状態で保持可能である(
図8参照)。
また、保持部13は、第1受光領域11aと第2受光領域11bと第3受光領域11cと第4受光領域11dと第5受光領域11eとを、上方から見て(土台部15の上面の法線方向から見て)重ならない開状態で、保持可能である(
図9参照)。
【0060】
すなわち、不使用時は、第1受光領域11a、第2受光領域11b、第3受光領域11c、第4受光領域11d、第5受光領域11eが土台部15の上面の法線方向に重なるように、保持部13は、発電部11を保持する(閉状態(
図8参照)、第2閉状態(
図10参照))。
【0061】
また、使用時は、第1受光領域11a、第2受光領域11b、第3受光領域11c、第4受光領域11d、第5受光領域11eが土台部15の上面の法線方向に重ならず、且つ土台部15の上面の法線方向から見て、発電部11と保持部13が、略十字を形成するように並べられた状態で、保持部13は、発電部11を保持する(
図9参照、開状態)。
【0062】
(第1保持領域13a)
第1保持領域13aは、基準位置Pから後側の領域で、x方向に移動可能な状態で、第1受光領域11aを保持する
第1保持領域13aは、スライドレールなど、x方向に移動可能な状態で、第1受光領域11aのy方向に垂直な側面を保持する、伸縮部材を含む。
【0063】
不使用時、第1保持領域13aは、第1保持領域13aの伸縮部材が縮んだ状態で、第1受光領域11aを保持する(
図8、
図10参照、閉状態)。
使用時、第1保持領域13aは、第1保持領域13aの伸縮部材がx方向後方に伸びた状態で、第1受光領域11aを保持する(
図9参照、開状態)。
第1保持領域13aは、制御部5からの制御信号に基づく電動で、若しくは、使用者による手動で、第1受光領域11aを移動させる。
【0064】
(第2保持領域13b)
第2保持領域13bは、第1保持領域13aの下段に位置し、基準位置Pに固定した状態で、第2受光領域11bを保持する(
図8~
図10参照)。
【0065】
(第3保持領域13c)
第3保持領域13cは、第2保持領域13bの下段に位置し、基準位置Pから前側の領域で、x方向に移動可能な状態で、第3受光領域11cを保持する。
第3保持領域13cは、スライドレールなど、x方向に移動可能な状態で、第3受光領域11cのy方向に垂直な側面を保持する、伸縮部材を含む。
【0066】
不使用時、第3保持領域13cは、第3保持領域13cの伸縮部材が縮んだ状態で、第3受光領域11cを保持する(
図8、
図10参照、閉状態)。
使用時、第3保持領域13cは、第3保持領域13cの伸縮部材がx方向前方に伸びた状態で、第3受光領域11cを保持する(
図9参照、開状態)。
第3保持領域13cは、制御部5からの制御信号に基づく電動で、若しくは、使用者による手動で、第3受光領域11cを移動させる。
【0067】
(第4保持領域13d)
第4保持領域13dは、第3保持領域13cの下段に位置し、基準位置Pから右側の領域で、y方向に移動可能な状態で、第4受光領域11dを保持する。
第4保持領域13dは、スライドレールなど、y方向に移動可能な状態で、第4受光領域11dのx方向に垂直な側面を保持する、伸縮部材を含む。
【0068】
不使用時、第4保持領域13dは、第4保持領域13dの伸縮部材が縮んだ状態で、第4受光領域11dを保持する(
図8、
図10参照、閉状態)。
使用時、第4保持領域13dは、第4保持領域13dの伸縮部材がy方向右方に伸びた状態で、第4受光領域11dを保持する(
図9参照、開状態)。
第4保持領域13dは、制御部5からの制御信号に基づく電動で、若しくは、使用者による手動で、第4受光領域11dを移動させる。
【0069】
(第5保持領域13e)
第5保持領域13eは、第4保持領域13dの下段に位置し、基準位置Pから左側の領域で、y方向に移動可能な状態で、第5受光領域11eを保持する。
第5保持領域13eは、スライドレールなど、y方向に移動可能な状態で、第5受光領域11eのx方向に垂直な側面を保持する、伸縮部材を含む。
【0070】
不使用時、第5保持領域13eは、第5保持領域13eの伸縮部材が縮んだ状態で、第5受光領域11eを保持する(
図8、
図10参照、閉状態)。
使用時、第5保持領域13eは、第5保持領域13eの伸縮部材がy方向左方に伸びた状態で、第5受光領域11eを保持する(
図9参照、開状態)。
第5保持領域13eは、制御部5からの制御信号に基づく電動で、若しくは、使用者による手動で、第5受光領域11eを移動させる。
【0071】
(受光領域の大きさ)
発電部11の5枚の受光領域(第1受光領域11a~第5受光領域11e)の受光面の総面積(受光面積)は、土台部15よりも大きくなるように構成される。
【0072】
(複数の受光領域を広げて用いることの効果)
不使用時に、保持部13は、発電部11の5枚の受光領域(第1受光領域11a~第5受光領域11e)を、基準位置Pで、土台部15の上面の法線方向に積み重ねて保持する(閉状態)。
使用時に、保持部13は、発電部11の5枚の受光領域のうち4枚の受光領域が、基準位置Pからx方向若しくはy方向にずれて、土台部15の上面の法線方向から見て、重ならない位置関係で、発電部11の5枚の受光領域を保持する(開状態)。
このため、不使用時に比べて5倍の受光面積を確保し、太陽光から多くの電力を得ることが可能になる。
【0073】
(受光領域の保持方法の応用例)
第1実施形態では、保持領域が、受光領域の側面を保持するスライドレールなどで構成される例を説明した。
しかしながら、保持領域が、受光領域の下面を保持するスライドレールなどで構成されてもよい。
【0074】
(受光領域の下面を保持することの効果)
保持領域が、受光領域の下面を保持することで、受光領域の側面を保持する形態に比べて、保持領域と受光領域の接続箇所が少なくなり、構造を簡素化出来る。
【0075】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0076】
1 電力発生装置
3 竿石(墓石)
5 制御部
11 発電部
11a 第1受光領域
11b 第2受光領域
11c 第3受光領域
11d 第4受光領域
11e 第5受光領域
13 保持部
13a 第1保持領域
13b 第2保持領域
13c 第3保持領域
13d 第4保持領域
13e 第5保持領域
14a 前柱部
14b 後柱部
15 土台部
16 開閉部
17 第1変換部
19 蓄電部
21 ポンプ
23 撮像部
24 出力部
25 通信部
27 第2変換部
31 集水部
33 タンク
35 散水部
100 外部機器(商用電源)
gr 地面
P 基準位置