(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022190772
(43)【公開日】2022-12-27
(54)【発明の名称】遊技設備用端末支持装置
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20221220BHJP
A63F 5/04 20060101ALI20221220BHJP
【FI】
A63F7/02 349Z
A63F7/02 355A
A63F5/04 680
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021099194
(22)【出願日】2021-06-15
(71)【出願人】
【識別番号】503221610
【氏名又は名称】株式会社シンユーテック
(74)【代理人】
【識別番号】100135460
【弁理士】
【氏名又は名称】岩田 康利
(74)【代理人】
【識別番号】100084043
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 喜多男
(74)【代理人】
【識別番号】100142240
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 優
(72)【発明者】
【氏名】大沼 信雄
(72)【発明者】
【氏名】梅田 浩司
(72)【発明者】
【氏名】中平 淳弥
【テーマコード(参考)】
2C088
2C182
【Fターム(参考)】
2C088EA48
2C088FA01
2C182EB10
2C182EB20
(57)【要約】
【課題】遊技中に携帯端末を容易に操作でき、かつ操作しない場合に遊技の邪魔になることを防ぎ得る遊技設備用端末支持装置を提案する。
【解決手段】携帯端末を保持する端末保持部を先端部に設けた支持アーム31と、島設備の膳板102に取り付けられるアーム取付部材2とを備え、該アーム取付部材2が、該膳板102に着脱可能に位置決め固定されるクランプ部11と、前記支持アーム31の基端部31bが着脱可能に取り付けられる支持筒部12とを備えたものである。かかる構成によれば、遊技中に携帯端末を操作するか否かに応じて、支持アーム31の着脱を選択できる。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯端末を着脱可能に保持する端末保持手段と、
前記端末保持手段が先端部に設けられた支持アームと、
遊技機を設置する島設備に設けられた膳板に、前記支持アームを取り付けるアーム取付手段と
を備え、前記支持アームが、前記アーム取付手段を介して前記膳板に取り付けられた状態で、前記端末保持手段により保持された携帯端末を前記遊技機の前方で支持可能なものであって、
前記アーム取付手段は、
前記膳板の上下面に圧接されることによって、該膳板に着脱可能に位置決め固定されるクランプ手段と、
前記支持アームの基端部を着脱可能に構成され、該基端部が取り付けられた状態で、前記端末保持手段により携帯端末を保持した該支持アームを支持するアーム支持手段と
を備えたものであることを特徴とする遊技設備用端末支持装置。
【請求項2】
アーム取付手段は、クランプ手段とアーム支持手段とがボールジョイントを介して連結されたものであって、
前記ボールジョイントは、
前記アーム支持手段に固結される連結杆部が突設された球形ボール部と、
前記クランプ手段に設けられ、前記球形ボール部を摺動可能に支持するボール支持部と
を備え、
前記ボール支持部が、前記球形ボール部を摺動可能な可動状態と摺動不能な固定状態とに変換可能な支持変換手段を備えたものであることを特徴とする請求項1に記載の遊技設備用端末支持装置。
【請求項3】
携帯端末を着脱可能に保持する端末保持手段と、
前記端末保持手段が先端部に設けられた支持アームと、
島設備に設置された遊技機の前方に配置された遊技椅子に、前記支持アームを取り付けるアーム取付手段と
を備え、前記支持アームが、前記アーム取付手段を介して前記遊技椅子に取り付けられた状態で、前記端末保持手段で保持した携帯端末を該遊技椅子の前方で支持可能なものであって、
前記アーム取付手段は、
前記遊技椅子の肘掛け部に固結された固結手段と、
前記支持アームの基端部を着脱可能に構成され、該基端部が取り付けられた状態で、前記端末保持手段により携帯端末を保持した該支持アームを支持するアーム支持手段と
を備えたものであることを特徴とする遊技設備用端末支持装置。
【請求項4】
支持アームが、長手方向に伸縮可能な略円筒状の伸縮杆により構成されると共に、アーム取付手段のアーム支持手段が、前記支持アームの基端部を嵌入可能な有底円筒状の嵌入支持筒体により構成されたものであって、
前記嵌入支持筒体に前記支持アームの基端部が嵌入された状態で、該嵌入支持筒体に対する該支持アームの外周方向への回転を抑制する回転止め手段を備えたものであることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の遊技設備用端末支持装置。
【請求項5】
支持アームの先端部に設けられ、該支持アームと端末保持手段とを連結する保持連結手段を備えたものであり、
前記保持連結手段は、
前記支持アームの先端部に回動可能に枢支された回動連結部と、
前記端末保持手段を前記回動連結部に可動可能に連結するボールジョイント部と
を備えていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の遊技設備用端末支持装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技者が遊技中に携帯端末を容易に操作し得る遊技設備用端末支持装置に関する。
【背景技術】
【0002】
パチンコ機やスロットマシンなどの遊技機が設置された遊技場では、近年、遊技者が遊技中にスマートフォン等の携帯端末を操作することが増えている。遊技中に携帯端末を操作する場合には、片手で前記遊技機を操作し、もう一方の片手で前記携帯端末を操作することになる。しかし、近年のスマートフォンは大画面化していることから、片手でスマーフォンを持ちながら操作することが難しくなっている。こうした現状に対して、例えば特許文献1で提案された構成が適用できる。かかる構成は、携帯端末を支持するホルダーが遊技機の前面に取り付けられた構成であり、該ホルダーに携帯端末を支持させることで、遊技中であっても遊技者が該携帯端末を比較的容易に操作することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、前記特許文献1のホルダーは、遊技中に携帯端末を操作しない遊技者にとっては不要である。しかし、かかる従来構成のホルダーは、遊技機の前面に配設されたものであることから、遊技者に不要であっても、該遊技機から取り外しできない。そのため、遊技中に携帯端末を操作しない遊技者にとっては、前記ホルダーが邪魔であった。
【0005】
さらに、前記従来構成のホルダーは遊技機に取り付けられたものであることから、遊技場で機台の入れ替え等を行った場合に、該ホルダーの無い新台に入れ替えた場合には、遊技者が片手で携帯端末を操作することとなっていた。
【0006】
本発明は、前述した問題を解決し得る遊技設備用端末支持装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、携帯端末を着脱可能に保持する端末保持手段と、前記端末保持手段が先端部に設けられた支持アームと、遊技機を設置する島設備に設けられた膳板に、前記支持アームを取り付けるアーム取付手段とを備え、前記支持アームが、前記アーム取付手段を介して前記膳板に取り付けられた状態で、前記端末保持手段により保持された携帯端末を前記遊技機の前方で支持可能なものであって、前記アーム取付手段は、前記膳板の上下面に圧接されることによって、該膳板に着脱可能に位置決め固定されるクランプ手段と、前記支持アームの基端部を着脱可能に構成され、該基端部が取り付けられた状態で、前記端末保持手段により携帯端末を保持した該支持アームを支持するアーム支持手段とを備えたものであることを特徴とする遊技設備用端末支持装置である。
【0008】
かかる構成にあっては、膳板に取り付けたアーム取付手段と支持アームとを着脱可能であることから、遊技者が遊技中に携帯端末を操作するか否かに応じて、支持アームの着脱を選択できる。すなわち、遊技中に携帯端末を操作する遊技者は、支持アームをアーム取付手段に取り付けて該携帯端末を保持させることによって、遊技中に該携帯端末を容易に操作できる。一方、遊技中に携帯端末を操作しない遊技者は、支持アームをアーム取付手段に取り付けないことによって、該支持アームが遊技の邪魔になることを防止できる。尚、本発明の構成は、アーム取付手段がクランプ手段により膳板に取り付けられるものであることから、携帯端末を操作しない場合に、アーム取付手段を膳板から取り外すようにしてもよく、遊技の邪魔になることを防止できる。
【0009】
さらに、アーム取付手段は、機台の種類に関わらず、各機台の前側で膳板に取り付けることができるから、様々な機台に対応できる。そのため、前述した従来構成のように、機台の入れ替えによって携帯端末を保持できなくなるという問題が生ずることを防止できる。
【0010】
前述した遊技設備用端末支持装置にあって、アーム取付手段は、クランプ手段とアーム支持手段とがボールジョイントを介して連結されたものであって、前記ボールジョイントは、前記アーム支持手段に固結される連結杆部が突設された球形ボール部と、前記クランプ手段に設けられ、前記球形ボール部を摺動可能に支持するボール支持部とを備え、前記ボール支持部が、前記球形ボール部を摺動可能な可動状態と摺動不能な固定状態とに変換可能な支持変換手段を備えたものである構成が提案される。
【0011】
かかる構成にあっては、前記可動状態で、膳板に固定されたクランプ手段に対して、アーム支持手段が首振り状に可動自在である。そのため、携帯端末を操作する遊技者が自らの好む位置に携帯端末を配置させることが可能である。そして、携帯端末を所望位置として固定状態とすることによって、該位置で携帯端末を保持できる。このように可動状態と固定状態とに適宜変換することによって、携帯端末の所望位置への変換と該所望位置での保持とを行うことができ、遊技中における携帯端末の操作容易性を一層向上できる。
【0012】
また、本発明は、携帯端末を着脱可能に保持する端末保持手段と、前記端末保持手段が先端部に設けられた支持アームと、島設備に設置された遊技機の前方に配置された遊技椅子に、前記支持アームを取り付けるアーム取付手段とを備え、前記支持アームが、前記アーム取付手段を介して前記遊技椅子に取り付けられた状態で、前記端末保持手段で保持した携帯端末を該遊技椅子の前方で支持可能なものであって、前記アーム取付手段は、前記遊技椅子の肘掛け部に固結された固結手段と、前記支持アームの基端部を着脱可能に構成され、該基端部が取り付けられた状態で、前記端末保持手段により携帯端末を保持した該支持アームを支持するアーム支持手段とを備えたものであることを特徴とする遊技設備用端末支持装置である。
【0013】
かかる構成にあっては、遊技椅子に取り付けたアーム取付手段と支持アームとを着脱可能であることから、遊技者が遊技中に携帯端末を操作するか否かに応じて、支持アームの着脱を選択できる。すなわち、遊技中に携帯端末を操作する遊技者は、支持アームをアーム取付手段に取り付けて該携帯端末を保持させることによって、遊技中に該携帯端末を容易に操作できる。一方、遊技中に携帯端末を操作しない遊技者は、支持アームをアーム取付手段に取り付けないことによって、該支持アームが遊技の邪魔になることを防止できる。
【0014】
さらに、本構成は、遊技椅子に取り付けるものであることから、機台の種類に関わらず使用できる。そのため、前述した従来構成のように、機台の入れ替えによって携帯端末を保持できなくなるという問題が生ずることを防止できる。
【0015】
前述した遊技設備用端末支持装置にあって、支持アームが、長手方向に伸縮可能な略円筒状の伸縮杆により構成されると共に、アーム取付手段のアーム支持手段が、前記支持アームの基端部を嵌入可能な有底円筒状の嵌入支持筒体により構成されたものであって、前記嵌入支持筒体に前記支持アームの基端部が嵌入された状態で、該嵌入支持筒体に対する該支持アームの外周方向への回転を抑制する回転止め手段を備えたものである構成が提案される。
【0016】
かかる構成にあっては、支持アームを伸縮させることによって、携帯端末を遊技者の所望位置に一層容易に配置できる。また、支持アームの基端部をアーム支持手段に嵌入することにより取り付けることができ、該支持アームの基端部をアーム支持手段から排出することにより取り外すことができる。このように支持アームをアーム支持手段に容易に着脱できるから、遊技者が必要に応じて支持アームを着脱できる。さらに、支持アームの基端部がアーム支持手段に嵌入された状態で回転が抑制されることから、携帯端末を所望位置で一層安定して保持でき、利便性に優れる。
【0017】
前述した遊技設備用端末支持装置にあって、支持アームの先端部に設けられ、該支持アームと端末保持手段とを連結する保持連結手段を備えたものであり、前記保持連結手段は、前記支持アームの先端部に回動可能に枢支された回動連結部と、前記端末保持手段を前記回動連結部に可動可能に連結するボールジョイント部とを備えたものである構成が提案される。
【0018】
かかる構成にあっては、保持連結手段により携帯端末の向きを自在に変えることができるから、遊技者の操作し易い所望向きに変換できる。そのため、極めて優れた利便性を有する。
【発明の効果】
【0019】
本発明の遊技設備用端末支持装置は、前述したように、遊技者が遊技中に携帯端末を操作するか否かに応じて、支持アームの着脱を選択できる。これにより、携帯端末を操作する場合には、該携帯端末を容易に操作できる一方、携帯端末を操作しない場合には、支持アームが遊技の邪魔になることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】実施例1の遊技設備用端末支持装置1が島設備101の膳板102に取り付けられた状態を示す正面図である。
【
図2】アーム取付部材2の可動状態を示す説明図である。
【
図3】アーム取付部材2の固定状態を示す説明図である。
【
図4】端末支持部材3を示す、(A)正面図と、(B)側面図である。
【
図5】端末保持部32と保持連結部33とを示す、(A)正面図と、(B)背面図とである。
【
図6】端末保持部32と保持連結部33とを示す、(A)側面図と、(B)縦断面図である。
【
図7】アーム取付部材2が膳板102に固定された状態を示す説明図である。
【
図8】アーム取付部材2の支持筒部12を待機状態とした状態を示す説明図である。
【
図9】実施例2の遊技機用端末支持装置61を示す説明図である。
【
図10】アーム取付部材62の一部を切り欠いて示す説明図である。
【
図11】変形例の遊技機用端末支持装置81を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明にかかる実施例1,2を添付図面に従って説明する。
【実施例0022】
図1に示すように、遊技場に複数列設されている島設備101には、図示しない機台設置枠が該遊技島101の長手方向に複数並設されており、各機台設置枠にパチンコ機105が夫々設置されている。さらに、島設備101には、前記機台設置枠の直下位置に、該機台設置枠から前方へ突出する膳板102が長手方向に沿って配設されている。ここで、膳板102は、平板状に形成されており、その前端に上方へ隆起する隆起部103が設けられており(
図7,8参照)、膳板102上に零れた遊技球が床に落下することを防ぐ。また、各パチンコ機105の左横には、プリペイドカード等の読み書きを行うユニット器106が配設されており、遊技者の操作に従って各パチンコ機に遊技球を供給する。
【0023】
尚、本実施例にあっては、パチンコ機105の前側(遊技者側)を前方として、前後方向を定めている。これにより、パチンコ機105の裏側を、後方(又は背方)としている。
【0024】
実施例1の遊技設備用端末支持装置1は、前記膳板102に固定されるアーム取付部材2と、スマートフォン等の携帯端末9を保持する端末支持部材3とを備え、該端末支持部材3がアーム取付部材2に着脱可能に取り付けられるものである。前記端末支持部材3は、
図4に示すように、長手方向に伸縮可能な伸縮杆により構成された支持アーム31と、前記携帯端末9を着脱可能に保持する端末保持部32と、該端末保持部32を該支持アーム31の先端部31aに連結する保持連結部33とを備える。一方、前記アーム取付部材2は、
図2,3に示すように、膳板102に位置決め固定されるクランプ部11と、前記支持アーム31の基端部31bが着脱可能に取り付けられる支持筒部12と、該クランプ部11と支持筒部12とを連結する連結部13とを備える。
【0025】
前記アーム取付部材2のクランプ部11は、
図2,3に示すように、側面視コ字形の枠体15を備える。この枠体15は、金属製の平板を折曲げ加工することにより形成されたものであり、上下方向に所定間隔をおいて平行に設けられた上片部15aと下片部15b、および該上片部15aの前端縁と該下片部15bの前端縁とに連成された前片部15cにより構成されている。そして、上片部15aの下面には、ゴム製の弾接材16,17が前後方向に並んで固定されている。ここで、前側の弾接材17は、その板厚が、後側の弾接材16に比して薄く、両弾接材16,17の厚み差が、前記した膳板102の隆起部103の突出高さ(該膳板102の上面からの高さ)と略同じに設定されている。一方、枠体15の下片部15bには、前記した後側の弾接材16を臨む部位に、雌ネジ孔(図示せず)が開口形成されており、該雌ネジ孔に、円盤状の弾接材19を上端に設けた雄ネジ杆18が螺合されている。この雄ネジ杆18は、下端にハンドル部(図示せず)を備え、該ハンドル部を左右一方へ回動されることによって、上方へ螺進される一方、該ハンドル部を左右他方へ回動されることによって、下方へ螺進される。こうしたクランプ部11は、
図7(B)に示すように、上片部15aと下片部15bとにより膳板102を上下から挟むように配した状態で、前記雄ネジ杆18を左右一方へ回動させて上方へ螺進させることによって、前記弾接材16を膳板102の上面に圧接させ且つ弾接材19を該膳板102の下面に圧接させる。ここで、後側の弾接材16が膳板102の上面に圧接されると共に、前側の弾接材17が該膳板102の隆起部103の上部に圧接される。これにより、クランプ部11が膳板102に固定される。また、クランプ部11の固定を解除する際には、雄ネジ杆18を左右他方に回動させることによって、前記圧接を解除させる。
【0026】
前記クランプ部11には、その上片部15aの上面に、前記連結部13が固結されている。
図2,3に示すように、連結部13は、略円筒状の周壁部21と、該周壁部21の内側空域に上下方向へ摺動可能に配設された載置部23と、該載置部23を上下方向へ摺動させる摺動機構24と、該載置部23に載置されて前記内側空域に収容された球形ボール部22とを備える。周壁部21は、上方開口縁に内方へ突出する円環状の固定環部26を備える。この固定環部26の内径が、前記球形ボール部22の外径よりも小さいことから、前記内側空域に収容された該球形ボール部22が、周壁部21から上方へ排出不能となっている。また、載置部23は、その上面に、前記球形ボール部22の下面を支持する湾曲凹面23aを有しており、該湾曲凹面23aによって球形ボール部22を前記内側空域で遊転可能に支持する。また、摺動機構24は、図示しないハンドルを備え、該ハンドルが左右一方へ回転されることによって、前記載置部23を昇動させる一方、左右他方へ回転されることによって、前記載置部23を降動させる。こうした摺動機構24により載置部23を降動させて、
図2に示すように、載置部23に支持された球形ボール部22が前記周壁部21の固定環部26と非接触とすることにより、当該球形ボール部22が遊転可能な状態(以下、可動状態という)となる。一方、摺動機構24により載置部23を前記可動状態から昇動させて、
図3に示すように、前記球形ボール部22の上部を前記周壁部21の固定環部26に当接させることにより、当該球形ボール部22が該固定環部26と載置部23とにより挟持されて、当該球形ボール部22が遊転不能な状態(以下、固定状態)となる。尚、このようにハンドルの回転により昇降動させる摺動機構24は、従来から公知のものを適用できることから、その詳細を省略する。
【0027】
さらに、球形ボール部22には、その外周面から径方向に沿って外方へ突出する連結杆部25が設けられており、この連結杆部25が、周壁部21の上方開口よりも上方へ突出している。球形ボール部22は、前記した可動状態で、連結杆部25が前記周壁部21の固定環部26と接触しない範囲で遊転することができる。すなわち、周壁部21の高さおよび固定環部26の開口径(上方開口の口径)によって、連結杆部25が鉛直方向から傾斜できる最大傾斜角が規定される。
【0028】
また、
図7に示すように、前記周壁部21には、その周方向一部位の上部に、前記連結杆部25を挿入可能な溝部27が形成されている。この溝部27は、前記連結杆部25を略水平方向に沿った位置で支持するように形成されている。これにより、
図8に示すように、前記連結杆部25が溝部27に挿入して支持されることで、該連結杆部25に固結された前記支持筒部12を略水平方向に沿った状態(以下、待機状態という)で保持できようになっている。
【0029】
前記支持筒部12は、
図2,3に示すように、上方開口する有底円筒状に形成されており、その下端部が前記球形ボール部22の連結杆部25の上端部に固結されて、該球形ボール部22と一体的に可動する。この支持筒部12は、その上方開口を介して前記支持アーム31の基端部31bを嵌入可能に形成されている。そして、底部には、矩形状に上方開口する回り止め段部29が設けられており(
図7,8参照)、後述する支持アーム31の基端に形成された被回り止め突部35が該回り止め段部29に嵌入された状態で、該支持アーム31が支持筒部12に対して周方向へ回動不能となる。
【0030】
また、前記端末支持部材3の支持アーム31は、
図4に示すように、相互に異なる外径を有する複数の円筒体が相対的に上下方向へ摺動可能に連結されたものであり、長手方向に伸縮可能な構成である。そして、支持アーム31の基端部31bを構成する最も経大な円筒体は、その外径が、前記支持筒部12に嵌入可能に設定されている。さらに、支持アーム31の基端には、下方に突出する略四角柱状の被回り止め突部35が設けられている。こうした支持アーム31は、
図7に示すように、基端部31bを前記支持アーム31に嵌入され、さらに前記被回り止め突部35を当該支持アーム31の回り止め段部29に嵌入されることによって、該支持アーム31に対する周方向への回転を防止できる。尚、支持アーム31の伸縮する構造は、従来から公知のものを適用できることから、その詳細を省略する。
【0031】
前記支持アーム31の先端部31aには、
図4に示すように、前記保持連結部33が固結されている。保持連結部33は、支持アーム31の先端部31aに固結された連結基部36と、該連結基部36に回動可能に枢支された回動片部37とを備え、該回動片部37を介して前記端末保持部32が連結されている。連結基部36は、
図5,6に示すように、所定間隔をおいて並設された左右一対の支持部36a,36aと、両支持部36a,36aに連成されて支持アーム31の先端に固結された固結部36bとを備える。そして、左右の支持部36a,36aには、支軸38を回転可能に支持する支持孔(図示せず)が夫々開口形成されている。前記回動片部37は、その下部に、前記連結基部36に支持された支軸38が挿通されており、該支軸38により該連結基部36に回動可能に枢支されている。そして、回動片部37の上部には、回動方向の一側に、前記端末保持部32を連結するジョイント部42が配設されている。ジョイント部42は、前記回動片部37から突設された円柱状の受枠部43と、受枠部43に螺着されるキャップ部44と、該受枠部43およびキャップ部44に支持される球形ボール部45とを備える。ここで、受枠部43は、前記球形ボール部45を摺動可能に支持する湾曲凹面43aを備えると共に、外周面に雄ネジ部(図示せず)が設けられている。一方、前記キャップ部44は、略円筒状を成し、その内周面に前記受枠部43の雄ネジ部に螺合される雌ネジ部(図示せず)が設けられている。さらに、キャップ部44は、前記受枠部43に支持された球形ボール部45を支持する支持周縁44aを備えており、該受枠部43に螺合されることによって、該受枠部43の湾曲凹面43aと該支持周縁44aとにより該球形ボール部45を支持する。こうしたジョイント部42は、キャップ部44と受枠部43との螺合を弱めることによって、球形ボール部45を摺動可能に支持する一方、該螺合を強固にすることによって、該球形ボール部45を摺動不能に支持できる。そして、キャップ部44と受枠部43との螺合を強弱調整することにより、球形ボール部45の摺動容易性(又は摺動困難性)を調整できる。
【0032】
前記ジョイント部42の球形ボール部45には、連結杆部46が突設されており、該連結杆部46の先端に、前記端末保持部32が固結されている。これにより、端末保持部32は、前記回動片部37に対して首振り状に可動可能であり、所望の傾斜角や回動角に変更できる。
【0033】
前記端末保持部32は、前記ジョイント部42の連結杆部46が背面に固結された略矩形状の主板部51と、該主板部51の一側縁に外方へ進退移動可能に設けられた副板部52とを備える。そして、端末保持部32は、副板部52を主板部51の一側縁に当接する方向に付勢するバネ部材(図示せず)を備える。これにより、常態(携帯端末9を保持しない状態)で、副板部52が主板部51の一側縁に当接した状態で保持されている。
【0034】
端末保持部32の主板部51は、前記一側縁に対向する側縁の左右両側部に鉤状の主保持部53,53を備えると共に、前記副板部52は、左右側部に鉤状の副保持部54,54とを備え、該主保持部53,53と副保持部54,54とが夫々対向するように設けられている。
【0035】
こうした端末保持部32は、副板部52を主板部51から離間する方向へ移動させて、該主板部51の主保持部53,53と該副板部52の副保持部54,54との間に携帯端末9を配置させる。そして、前記コイルバネの前記当接方向への付勢力により、携帯端末9を前記主保持部53,53と副保持部54,54とで挟持する。このようにして携帯端末9を保持できる(
図1参照)。また、携帯端末9を取り外す際には、副板部52を前記離間方向へ移動させることで、前記主保持部53,53と副保持部54,54との挟持を解除する。
【0036】
本実施例1の遊技設備用端末支持装置1は、アーム取付部材2を、そのクランプ部11によって前記膳板102に位置決め固定し、該アーム取付部材2の支持筒部12に、端末支持部材3の支持アーム31を取り付けることによって使用されるものである。かかる構成は、アーム取付部材2の支持筒部12を首振り状に可動させること、支持アーム31を伸縮させること、保持連結部33の回動片部37を回動させること、および端末保持部32を首振り状に可動させることを適宜行うことによって、該端末保持部32に保持された携帯端末9を遊技者の所望位置に容易に配置させることができ、さらに該所望位置で保持できる。これにより、遊技者は、遊技中に携帯端末9を操作し易く、遊技の進行に注意を払いつつ、該携帯端末9を操作できる。
【0037】
また、実施例1の構成は、アーム取付部材2と端末支持部材3とが、該アーム取付部材2の支持筒部12に該端末支持部材3の支持アーム31の基端部31bを嵌入させて取り付けられるものであることから、該端末支持部材3がアーム取付部材2に容易に着脱可能である。これにより、遊技者が携帯端末9の操作を必要とするか否かに応じて、端末支持部材3の着脱を選択できる。すなわち、遊技者が携帯端末9の操作を行う場合には、端末支持部材3をアーム取付部材2に取り付けて使用できる一方、携帯端末9の操作を行わない場合には、該端末支持部材3をアーム取付部材2から取り外すことができる。そのため、遊技中に携帯端末9を操作しない場合には、端末支持部材3が遊技の邪魔になることを防止できる。さらに、実施例1では、アーム取付部材2の支持筒部12を前記した待機状態(
図8)とできることから、前記遊技の邪魔になることを一層防ぎ得る。
【0038】
さらに、アーム取付部材2は、そのクランプ部11によって膳板102に取り付けられるものであることから、機台の種類に関わらず、比較的容易かつ確実に取り付けできる。そのため、機台の入れ替え等によって使用不可となることが無いという優れた利点もある。また、クランプ部11を膳板102に着脱できることから、アーム取付部材2の固定位置を適宜変更することも可能である。
【0039】
尚、前述の実施例1にあって、アーム取付部材2が、本発明にかかるアーム取付手段に相当する。クランプ部11が、本発明にかかるクランプ手段に相当し、支持筒部12が、本発明にかかるアーム支持手段(嵌入支持筒体)に相当する。アーム取付部材2の連結部13が、本発明にかかるボールジョイントに相当し、周壁部21、載置部23、および摺動機構24が、本発明にかかるボール支持部に相当する。そして、摺動機構24が、本発明にかかる支持変換手段に相当する。
支持筒部12の回り止め段部29と支持アーム31の被回り止め突部35とが、本発明にかかる回転止め手段に相当する。
端末保持部32が、本発明にかかる端末保持手段に相当し、保持連結部33が、本発明にかかる保持連結手段に相当する。保持連結部33の回動片部37が、本発明にかかる回動連結部に相当し、ジョイント部42が、本発明にかかるボールジョイント部に相当する。
実施例2の遊技設備用端末支持装置61は、遊技場の床109に配設された遊技椅子107に取り付けられるものである。遊技場には、前記した前記島設備101に設置された各パチンコ機105に夫々対向させて、遊技椅子107配設されている。
実施例2の遊技設備用端末支持装置61は、遊技椅子107の右側の肘掛け部117に固結されたアーム取付部材62と、前述した実施例1と同じ端末支持部材3を備え、該端末支持部材3が前記アーム取付部材62に着脱可能に取り付けられるものである。尚、左右方向は、遊技椅子107に着座した遊技者に基づいて規定している。
実施例2の遊技設備用端末支持装置61は、遊技椅子107に固結されるアーム取付部材62が異なる以外は前述した実施例1と同じであるから、同じ構成要素には同じ符号を記し、その説明を省略する。
こうした実施例2の遊技設備用端末支持装置61は、端末支持部材3の支持アーム31を、遊技椅子107の肘掛け部117に固結された支持筒部66に取り付けることによって使用されるものである。かかる構成は、端末支持部材3の支持アーム31を伸縮させること、保持連結部33の回動片部37を回動させること、および端末保持部32を首振り状に可動させることを適宜行うことによって、該端末保持部32に保持された携帯端末9を遊技者の所望位置に容易に配置させることができ、さらに該所望位置で保持できる。これにより、遊技椅子107に着座した遊技者は、遊技中に携帯端末9を操作し易く、遊技の進行に注意を払いつつ、該携帯端末9を操作できる。
また、実施例2の構成は、アーム取付部材62の支持筒部66に端末支持部材3の支持アーム31の基端部31bを嵌入させて取り付けられるものであることから、該端末支持部材3がアーム取付部材62に容易に着脱可能である。これにより、遊技者が携帯端末9の操作を必要とするか否かに応じて、端末支持部材3の着脱を選択できる。すなわち、遊技者が携帯端末9の操作を行う場合には、端末支持部材3をアーム取付部材62に取り付けて使用できる一方、携帯端末9の操作を行わない場合には、該端末支持部材3をアーム取付部材62から取り外すことができる。そのため、遊技中に携帯端末9を操作しない場合には、端末支持部材3が遊技の邪魔になることを防止できる。
尚、前述の実施例2にあって、アーム取付部材62が、本発明にかかるアーム取付手段に相当する。固結部67が、本発明にかかる固結手段に相当し、支持筒部66が、本発明にかかるアーム支持手段(嵌入支持筒体)に相当する。また、支持筒部66の回り止め孔71と支持アーム31の被回り止め突部35とが、本発明にかかる回転止め手段に相当する。
また、実施例1では、遊技設備用端末支持装置1をパチンコ機105の前方に配設される構成としたが、これに限らず、スロットマシンの前方に配設することも可能である。同様に、実施例2の構成は、スロットマシンの前方に設置された遊技椅子107に配設することも可能である。