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  • 特開-遠隔操作装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022190777
(43)【公開日】2022-12-27
(54)【発明の名称】遠隔操作装置
(51)【国際特許分類】
   F24F 11/52 20180101AFI20221220BHJP
   F24F 11/56 20180101ALI20221220BHJP
   F24F 11/89 20180101ALI20221220BHJP
【FI】
F24F11/52
F24F11/56
F24F11/89
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021099208
(22)【出願日】2021-06-15
(71)【出願人】
【識別番号】000231512
【氏名又は名称】日本精機株式会社
(72)【発明者】
【氏名】大橋 優一
【テーマコード(参考)】
3L260
【Fターム(参考)】
3L260BA80
3L260GA01
3L260GA03
(57)【要約】
【課題】 配線の作業性が良い遠隔操作装置を提供する。
【解決手段】 本開示の遠隔操作装置RCは、表面側に表示部11と操作部12を有し裏面側に入力電源ケーブル14を有する遠隔操作基板1と、遠隔操作基板1を収容するケース2と、壁面固定プレート3と、を備える。前記ケース2は、前記遠隔操作基板1の前記表面側を覆うフロントカバー21と、前記入力電源ケーブル14を挿通する第1開口部221が形成され前記フロントカバー21と組み合って前記遠隔操作基板1の前記裏面側を覆うリアカバー22と、を備える。前記壁面固定プレート3は、壁Wに固定され、前記壁Wからの主電源ケーブルCを挿通する第2開口部31と、前記主電源ケーブルCと前記入力電源ケーブル14を接続する端子台32と、を備える。そして、前記ケース2と、前記壁面固定プレート3は、ヒンジ4で連結されている。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面側に表示部と操作部を有し裏面側に入力電源ケーブルを有する遠隔操作基板と、
前記遠隔操作基板の前記表面側を覆うフロントカバーと、前記入力電源ケーブルを挿通する第1開口部が形成され前記フロントカバーと組み合って前記遠隔操作基板の前記裏面側を覆うリアカバーと、を備えるケースと、
壁面に固定され、前記壁面からの主電源ケーブルを挿通する第2開口部と、前記主電源ケーブルと前記入力電源ケーブルを接続する端子台と、を有する壁面固定プレートと、
前記ケースと前記壁面固定プレートとを一端部で連結するヒンジと、
前記ケースと前記壁面固定プレートとを他端部で係止する係止部と、を備え、
前記ヒンジを起点に前記ケースを前記壁面固定プレートに対し回転させて開閉可能に構成した
壁面設置型の遠隔操作装置。
【請求項2】
前記ヒンジは、鉛直方向下端部で前記ケースと前記壁面固定プレートとを連結する、
請求項1に記載の遠隔操作装置。
【請求項3】
前記リアカバーは、閉状態のときに前記端子台及び前記入力電源ケーブルを収容する収容部を前記壁面固定プレートと対向する面に有する、
請求項1または請求項2に記載の遠隔操作装置。
【請求項4】
前記第1開口部は、前記ヒンジで連結されたヒンジ接続端部に隣接する角部に位置し、
前記壁面固定プレートは、前記角部に沿って前記端子台に向かって延びる巻き込み防止壁を有し、
前記収容部は、前記閉状態のときに前記巻き込み防止壁を収容する、
請求項3に記載の遠隔操作装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、建物の室内壁面に設置される遠隔操作装置に関する。
【背景技術】
【0002】
建物の室内壁面に設置される遠隔操作装置として、特許文献1に開示されたものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-96668号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された遠隔操作装置においては、建物の室内壁面の内部に配線されている電源ケーブルと接続する配線工事が必要であり、この配線工事の作業性に改善の余地があった。
【0005】
本開示は、上述した事情から、配線の作業性が良い遠隔操作装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の遠隔操作装置は、
表面側に表示部と操作部を有し裏面側に入力電源ケーブルを有する遠隔操作基板と、
前記遠隔操作基板の前記表面側を覆うフロントカバーと、前記入力電源ケーブルを挿通する第1開口部が形成され前記フロントカバーと組み合って前記遠隔操作基板の前記裏面側を覆うリアカバーと、を備えるケースと、
壁面に固定され、前記壁面からの主電源ケーブルを挿通する第2開口部と、前記主電源ケーブルと前記入力電源ケーブルを接続する端子台と、を有する壁面固定プレートと、
前記ケースと前記壁面固定プレートとを一端部で連結するヒンジと、
前記ケースと前記壁面固定プレートとを他端部で係止する係止部と、を備え、
前記ヒンジを起点に前記ケースを前記壁面固定プレートに対し回転させて開閉可能に構成した。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、配線の作業性が良い遠隔操作装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】閉状態における遠隔操作装置の斜視図。
図2】開状態における遠隔操作装置の斜視図。
図3】遠隔操作装置の構成を示す斜視図。
図4】開状態における遠隔操作装置の斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
添付図面を参照して本開示の遠隔操作装置RCを以下に説明する。
【0010】
遠隔操作装置RCは、建物の室内の温度や湿度を調節するエアーコンディショナー(空気調和装置)の機能を遠隔操作するリモートコントローラである。遠隔操作装置RCは、図1に示すように建物室内の壁Wの壁面に固定されており、壁Wの壁内に配線されている主電源ケーブルCから電源を供給されて動作する。
【0011】
遠隔操作装置RCは、図1に示す閉状態と、図2に示す開状態に切り替え可能に構成されている。開状態は、遠隔操作装置RCの設置や配線を行う際に利用する状態であり、言い換えれば、設置配線作業時の状態である。閉状態は、遠隔操作装置RCの設置後に利用者が操作を行う状態であり、言い換えれば、通常操作時の状態である。
【0012】
遠隔操作装置RCは、遠隔操作基板1と、ケース2と、壁面固定プレート3と、ヒンジ4から主に構成される。
【0013】
遠隔操作基板1は、表示部11と、操作部12と、制御回路基板13と、入力電源ケーブル14と、を備える。
【0014】
表示部11は、例えば、液晶ディスプレイなどの画像表示器である。表示部11は、遠隔操作装置RCの各種機能の実行に伴う結果を表示する出力インターフェースである。表示部1は、制御回路基板13に制御されて、例えば、エアーコンディショナーの現在設定値などの状態表示や、遠隔操作装置RCの操作機能の案内表示をする。
【0015】
操作部12は、例えば、プッシュスイッチなどのスイッチである。操作部12は、エアーコンディショナーを遠隔操作するための入力インターフェースである。遠隔操作装置RCの利用者は、操作部12を操作することにより、遠隔操作装置RCが備える各種機能の実行意思を制御回路基板13に入力する。尚、操作部12の天面には、操作部12を操作したときに実行される機能を表すシンボルマークなどの意匠が印刷されていることが好ましい。
【0016】
尚、表示部11と操作部12は、液晶ディスプレイの表示面上に静電容量センサを形成したタッチパネルディスプレイとして1つに合わせた構成にしてもよい。
【0017】
制御回路基板13は、表示部11及び操作部12と電気的に接続された回路基板である。制御回路基板13は、マイクロコントローラなどの集積演算回路、無線通信回路、及び、電源コネクタを有する。制御回路基板13は、操作部12からの入力に応じてエアーコンディショナーを遠隔操作する信号を発信し、例えば、エアーコンディショナーの起動や、設定温度の変更などの機能を実行する。また、制御回路基板13は、各種機能の実行に伴う結果を表示部11に表示させる。
【0018】
入力電源ケーブル14は、制御回路基板13に電源を供給する配線である。入力電源ケーブル14は、一端が制御回路基板13の電源コネクタに接続され、他端が主電源ケーブルCに接続される。
【0019】
表示部11及び操作部12は、制御回路基板13の表面(図1の前方向側の面)に設置されている。電源コネクタは、制御回路基板13の裏面(図1の後方向側の面)に設置されている。また、遠隔操作基板1の表面とは、制御回路基板13の表面に対応する面として定義する。また、遠隔操作基板1の裏面とは、制御回路基板13の裏面に対応する面として定義する。
【0020】
ケース2は、遠隔操作基板1の表面及び裏面を覆って収容する白色の不透明なケースである。ケース2は、ポリカーボネートやポロプロピレンなどの樹脂製のケースである。ケース2は、遠隔操作基板1の表面を覆うフロントカバー21と、遠隔操作基板2の裏面を覆うリアカバー22が、互いに篏合して組み合って構成される。
【0021】
フロントカバー21は、窓部211と、係止爪212を備える。
【0022】
窓部211は、表示部11及び操作部12を露出する開口である。
【0023】
係止爪212は、リアカバー22に係止するフックである。
【0024】
リアカバー22は、第1開口部221と、第1収容部222と、第2収容部223と、を備える。
【0025】
第1開口部221は、リアカバー22の表面(フロントカバー21と対向する面)と、リアカバー22の裏面(壁面固定プレート3と対向する面)を貫通する貫通孔である。第1開口部221は、ケース2に収容された制御回路基板13の電源コネクタを露出するように形成されており、入力電源ケーブル14を挿通して電源コネクタに接続するための開口である。
【0026】
第1収容部222は、リアカバー22の裏面に形成された凹部である。第1収容部222は、第1開口部221を包含する位置及び後述する壁面固定プレート3の端子台33に対応する位置に形成されており、遠隔操作装置RCが閉状態のときに、制御回路基板13に電源を供給する配線に係る部位を収容する。
【0027】
第2収容部223は、リアカバー22の裏面に形成された凹部である。第2収容部223は、遠隔操作装置RCが閉状態のときに、後述する壁面固定プレート3を壁Wに固定する部位を収容する。
【0028】
ケース2は、係止爪受け部23を備える。係止爪受け部23は、フロントカバー21とリアカバー22が組み合って形成される箱状の穴である。
【0029】
壁面固定プレート3は、白色の不透明な樹脂製の板状部材であり、ねじ5によって壁Wに固定される土台である。壁面固定プレート3は、例えば、ポリカーボネートやポロプロピレンなどの樹脂で成形されている。
【0030】
壁面固定プレート3は、第2開口31、端子台32、巻き込み防止壁33、係止爪34、ねじ孔35と、を備える。
【0031】
第2開口31は、壁Wの壁内に配線されている主電源ケーブルCを挿通するための開口である。
【0032】
端子台32は、主電源ケーブルCと入力電源ケーブル14を電気的に接続するための端子台である。端子台32は、例えば、コモン端子台や、ブロック端子台などである。
【0033】
巻き込み防止壁33は、遠隔操作装置RCが開状態から閉状態へと切り替えるときに、主電源ケーブルC及び入力電源ケーブル14が壁面固定プレート3とケース2で挟まれて断線することを防ぐ壁である。巻き込み防止壁33は、遠隔操作装置RCが壁Wに設置された状態において右下の角部から上方向に向かって延びるように壁面固定プレート3の側面に形成されている。
【0034】
係止爪34は、壁面固定プレート3とケース2を係止するためのフックである。係止爪34は、遠隔操作装置RCが開状態から閉状態のときに閉じられるときに、ケース2の係止爪受け部23に挿入されて遠隔操作装置RCを閉状態に維持する。
【0035】
ねじ孔35は、壁面固定プレート3を壁Wに固定するねじ5をネジ固定するためのねじ孔である。ねじ孔35は、周囲を囲むボス状壁部を形成してもよい。ネジ孔35を囲むボス状壁部、及び、ねじ孔35に螺合するねじ5は、遠隔操作装置RCが閉状態のときに、リアケース22の第1収容部222に収容される。
【0036】
ヒンジ4は、リアカバー22と壁面固定プレート3を開閉可能に連結する蝶番である。
【0037】
本開示の遠隔操作装置RCの特色を抜粋して説明する。
【0038】
本開示の遠隔操作装置RCは、ケース2と壁面固定プレート3がヒンジ3で連結されている。このように構成すると、ケース2は壁面固定プレート3のヒンジ4で連結された箇所を起点に回転可能となり、遠隔操作装置RCを設置配線作業時の状態と通常操作時の状態を容易に切り替え可能となる。
【0039】
また、ヒンジ4は、遠隔操作装置RCが壁Wに設置されたときに鉛直下方側に面するリアカバー22及び壁面固定プレート3の端部同士を連結している。尚、このヒンジ4で接続された鉛直方向下端部をヒンジ接続端部と定義する。このように構成すると、遠隔操作装置RCは設置配線作業時の状態である開状態において、ケース2が下端部側の壁Wに当接して開状態が安定して維持される。つまり、設置配線作業時にケース2が落下するなどの心配がない。
【0040】
また、第1収容部222は、第1開口部221を包含する位置及び後述する壁面固定プレート3の端子台33に対応する位置に形成されている。このように構成すると、遠隔操作装置RCが閉状態のときに、主電源ケーブルC及び入力電源ケーブル14が壁面固定プレート3とケース2で挟まれて断線することが防げる。
【0041】
また、ケース2に収容された制御回路基板13の電源コネクタを露出する第1開口部221は、ヒンジ接続端部と、このヒンジ接続端部と隣接する側面部がなす角部の近傍に位置する。そして、巻き込み防止壁33は、第1開口部221の近傍から角部を沿って端子台32に向かって延びるように形成されている。このように構成することで、遠隔操作装置RCが閉状態のときに、主電源ケーブルC及び入力電源ケーブル14が壁面固定プレート3とケース2で挟まれて断線することが防げる。
【0042】
なお、本開示の遠隔操作装置RCは、以下の変形をしてもよい。
【0043】
ヒンジ4は、遠隔操作装置RCが壁Wに設置されたときに鉛直下方側に面するリアカバー22及び壁面固定プレート3の端部同士を連結している構成に限らない。例えば、左右側面側で連結してもよい。あるいは、鉛直上方側で連結してもよいが、この場合は遠隔操作装置RCが設置配線作業時の状態である開状態に維持することが難しいため、好ましくない。
【符号の説明】
【0044】
RC …遠隔操作装置
1 …遠隔操作基板
11 …表示部
12 …操作部
13 …制御回路基板
14 …入力電源ケーブル
2 …ケース
21 …フロントカバー
211…窓部
212…係止爪
22 …リアカバー
221…第1開口部
222…収容部
23 …係止爪受け部
3 …壁面固定プレート
31 …第2開口
32 …端子台
33 …巻き込み防止壁
34 …係止爪
35 …ねじ孔
4 …ヒンジ
5 …ねじ
W …壁
C …主電源ケーブル
図1
図2
図3
図4